形式:文庫
出版社:光文社
形式:Kindle版
僧が藪の中で交わろうと組み敷いた女の正体が実は80歳を過ぎた師匠だった話、悪夢すぎる。その経緯の描写が妙に細かい辺り、説話としては語り手も聴き手もうひゃうひゃ楽しんでいた様が目に浮かぶ。しかし、あとがきに著者の感触では仏教の一僧侶による野心的な集成・編集ではないかとある。様々に検証を重ねるあたり、プロファイリングのようだ。もはやミステリである。『序も跋も書かず、未完のまま『今昔』を死蔵する決断をしたのは、著者本人だったように思えるのだ。そして、彼はそれを必ずしも残念だとは感じていなかったのではないか』。
『父と一緒に盗みをした息子の話』は映画化してほしい。南インドで。奇想天外で胸がすっとする話。そう、中国や天竺の話も当時確かに伝わっていたに違いないことは興味深い。執獅子国といい羅刹国/僧伽羅国といい、インドの話で鬼ヶ島扱いされるのはマハーバーラタ同様いつもランカ島、スリランカである。
人質の妻子など殺されてしまえ!((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
その話自体は、ちゃんとハッピーエンドで終わるから大丈夫ですよ😆!
奉師
一方「南都説」は『「興福寺内でこの書を貸し借りしました」という確かで最古の日記があること』『「法華経の救い」がウエイトを占めてはいるが、南都六宗(特に法相宗)至上主義も劣らず見られ、北都の僧がそれをわざわざ強調する理由はない』という主張に拠るとのこと。「誰」に関しては、「ある程度の教養・仏典を参照できる権限を持った」「真面目ではあるが記録魔でもあり、それほど高徳でも向上心があるわけでもない」が、
「貴族や武人の滑稽さをバカにできる第一級のユーモアと、外道とならない程度に仏教の範を盛り込める巧みなバランスを併せ持った無名の人物」と推測されている。真相はさて。
これ、私も好きです!おもしろいですよね!龍之介さんの本を読みたくんる気持ちもわかります(てゆか、読みました^^;)
けせらさん、コメントありがとうございます! 本当に面白い本でした。発売を知ってから、発売日をずっと待っていましたが、待っていた甲斐がありました。
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