私はそれほど推理小説には知識はないけど、まあそのジャンルの小説としては佳作くらいのものではないか。でも、架空の地ヨクナパトゥーファ郡での地理や人々の生活が生き生きと伝わる小説集であることは間違いなく、五篇の短編は、肩肘張らず読み物として面白い。小説集の半分を占める最後に掲載されている中編「駒さばき(原題「ナイトガンビット」)は、少し雰囲気は変わるけれど、老年に差し掛かったギャヴィン伯父さんのロマンスが語られる。なお、六篇中四篇は前作「墓地への侵入者」で活躍した少年ことチャールズ・マリソンの視点で語られる。
確かに1930年代に書かれた重量級の作品群に比べると物足りないところはあるが、例え翻訳を通してとはいえ、こういうストレートな文体も駆使でき、わかりやすい小説も書け、鑑賞に耐える作品を生み出せることは、それはそれですごいと思う。なお、ギャヴィン・スティーブンスは、この後の長編でも登場する後期フォークナーの重要人物であり、この小説集は彼の来歴を語る意味でも興味深い作品。
なお本の感想ではありませんが、今年10月からの新参者でありながら、私の拙い感想にいいねを下さったり、お気に入りに入れていただいた方々、本当にありがとうございました。皆様のお読みになった本、読んだものは自分と違う視点でとても参考になり、読んでいない本では、こういう本もあるのかと改めて驚愕しておりました。皆様が良いお年を迎えられますこと祈願いたします。
2024年10月に参加したばかりですが、よろしくお願い申し上げます。ここしばらくは、学生時代好きだったフォークナーを読み直しています。
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私はそれほど推理小説には知識はないけど、まあそのジャンルの小説としては佳作くらいのものではないか。でも、架空の地ヨクナパトゥーファ郡での地理や人々の生活が生き生きと伝わる小説集であることは間違いなく、五篇の短編は、肩肘張らず読み物として面白い。小説集の半分を占める最後に掲載されている中編「駒さばき(原題「ナイトガンビット」)は、少し雰囲気は変わるけれど、老年に差し掛かったギャヴィン伯父さんのロマンスが語られる。なお、六篇中四篇は前作「墓地への侵入者」で活躍した少年ことチャールズ・マリソンの視点で語られる。
確かに1930年代に書かれた重量級の作品群に比べると物足りないところはあるが、例え翻訳を通してとはいえ、こういうストレートな文体も駆使でき、わかりやすい小説も書け、鑑賞に耐える作品を生み出せることは、それはそれですごいと思う。なお、ギャヴィン・スティーブンスは、この後の長編でも登場する後期フォークナーの重要人物であり、この小説集は彼の来歴を語る意味でも興味深い作品。
なお本の感想ではありませんが、今年10月からの新参者でありながら、私の拙い感想にいいねを下さったり、お気に入りに入れていただいた方々、本当にありがとうございました。皆様のお読みになった本、読んだものは自分と違う視点でとても参考になり、読んでいない本では、こういう本もあるのかと改めて驚愕しておりました。皆様が良いお年を迎えられますこと祈願いたします。