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赤白黒
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赤白黒
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前半は政治的・軍事的展開から三国時代を概観する。三国の駆け引きが面白く、長きにわたり様々なメディアで愛されてきた理由がよく分かる。文化、外交、思想史的観点からそれを更に解きほぐしていく後半がとても良かった。とりわけ孫権の海上戦略が印象的。脇役と看做されがちだが、六朝時代の繁栄の礎を築いた呉という国についてもっと知りたくなった。紙の普及による情報革命という視点も面白い。三国時代は様々な面で後世の萌芽が生まれた時代。現代の東アジア情勢と魏蜀正閏論を絡めて述べた終章も一読の価値がある。
赤白黒

『演義』と対比しながら述べるスタイルについて。演義が好きな人は楽しめるのだろうが、「三国無双」程度の知識しかない自分としては正直微妙、『演義』の内容を知りたいわけではないし…と初めのうちは思っていた。が、読み進めるうちにこれは『三国志』の受容史であり、終盤に至り『三国志平話』との対比から現代の情勢へと論を繋げる手法に唸ってしまった。なるほど。

01/21 13:28
  • Tomoichi
  • Toska
赤白黒

卑弥呼の朝貢年について。本書は通説と異なり、正史のいうとおり「景初2年」説を採っており、挙げられた論拠も納得できるものだったと思う。歴史は別に高尚なものではなく、現代の我々が考えるよりもっと即物的で実際的で、生々しいものなんだろうなと感じた。

01/21 13:31
  • Tomoichi
  • Toska
0255文字
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読書データ

プロフィール

登録日
2024/06/06(258日経過)
記録初日
2023/04/20(671日経過)
読んだ本
48冊(1日平均0.07冊)
読んだページ
15114ページ(1日平均22ページ)
感想・レビュー
36件(投稿率75.0%)
本棚
7棚
自己紹介

学び直したいオタク。古代史好き。日本とか中国とか。北方水滸伝は永遠に大好き

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