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紫陽花
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紫陽花
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昭和初期の東京を舞台に、少女が解き明かしていく奇妙な三件の事件を描いた北村薫の「街の灯」を再読。女子学習院に通う実業家の娘・花村英子。彼女を学校まで送り迎えするために雇われた運転手は女性だった。刀を持った暴漢をやすやすと追い払い、射撃にも並々ならぬ腕を持った彼女の名は別宮みつ子。英子は「男なら三軍を叱咤したろう」と書かれたサッカレイの小説中のヒロインを模して、彼女をベッキーさんと呼ぶ。ベッキーさんにすっかり魅せられた多感な少女は、不思議な事件に挑んでいく。江戸川乱歩が経営した下宿を想起させるような→→→
紫陽花

→→→早稲田の地で起きた下宿人の変死事件を推理する「虚栄の市」、英子の兄の友人が投げかけた暗号解読に挑む「銀座八丁」、軽井沢の別荘で起きた死亡事件を描いた「街の灯」の三編とも、ワクワクするほどの面白さに満ち溢れている。喜劇王チャップリンが来日した翌日に首相がテロで倒れる時代、あるいは華族が開く豪華な祝宴の一方で、娘の身売りや餓死が日常である時代。大正デモクラシーが終焉を告げ、軍部の独走が始まるきな臭い時代を点描しながら現代に通じる昭和の一時代を活写。謎解きと共に過去と現在を二重写しにする佳作だと思います。

08/26 21:07
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読書データ

プロフィール

登録日
2018/12/09(2297日経過)
記録初日
2019/05/07(2148日経過)
読んだ本
490冊(1日平均0.23冊)
読んだページ
198356ページ(1日平均92ページ)
感想・レビュー
488件(投稿率99.6%)
本棚
307棚
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