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2024年10月の読書メーターまとめ

しゅー
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2024年10月に読んだ本
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2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

しゅー
★★★前作が売れはしたものの、密室での会話劇がメインの異色作だったことを考えると、本作は意外にエンタメしてる。あれ、もうジェフリー・ディーヴァーの季節だっけ?と思うほどサービス精神にあふれていて驚いた。またホワイダニットに凝るあたりも、今どきの翻訳ミステリっぽい。警察側の登場人物は前作から引き続きの面々が多く、倖田とラガーさんにまた会えて嬉しかった(←類家は?)。タゴサクと犯人と警察と言う三つ巴から感じる不穏さのお陰で二番煎じを免れている。一方で妖怪みたいだったスズキが人間になってしまった寂しさも感じた。
しゅー
2024/10/09 17:51

前作のスズキタゴサクの独特の存在感は、われわれ人間社会の辻褄が合わなくなってきた部分を説明づけるために登場した妖怪では?と言う妄想をかき立てるのに十分であった。決してダークヒーローとは呼べない存在であることがユニークだったと思う。そこに寂しさを感じたのです。

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2024年10月にナイスが最も多かったつぶやき

しゅー

2024年9月の読書まとめ 読んだ本:24冊 読んだページ:9284ページ ナイス:366ナイス #読書メーター https://bookmeter.com/users/1003190/summary/monthly/2024/9

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2024年10月の感想・レビュー一覧
42

しゅー
★★★一時期、会社の偉い人たちが本書で盛り上がってしまい、われわれも読んで感想文まで書かされたことがある。すでに色々と思考法の本を読んでいた私は、本書にあまりピンと来ず、困ってしまった。それが当時の自分の未熟さゆえのことだったのかどうかを確認したく、改訂版で再読してみる。初読で見落としていた含蓄のある言葉をいくつか見つけることができて安心した。①イシューはwhere・what・howで言葉に落とす②分析は比較の軸(原因✕結果)が適切か③聴き手は賢いけど無知④MECEについてのゆで卵の例⑤比較・構成・変化。
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しゅー
★★★最近の本シリーズは「どんでん返し」のための「どんでん返し」を繰り返しているようで、少し飽きてきていた。慌ただしくて物語への集中力をそがれるのだ。しかし本作は、初期の頃の躍動感を取り戻したようである。ウォッチメイカー対リンカーン・ライムと言う軸が定まっており、この犯人は「動機をごまかすために凝った手段をとる」ことを読者も認識しているので、無駄に物語の構造から疑うことはせずに済むからだろう。また(たぶん)今回限りの脇役たちの活躍が、とても良い。この作者はプロフェッショナルの矜持を描くのが本当に巧いのだ。
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しゅー
★★現代のネット空間の言説がヒドいとたたかれるけれど、戦前の新聞報道や世論もほめられたものじゃない。「軍部に弾圧される言論人」なんてのは戦争が本格化してからの話であって、日本を戦争に引きずり込んだ責任の一端は、節操のないマスコミと無責任に好戦論を煽った大衆にあることを我々は忘れてはいけない。そう言う意味では日比谷焼打事件って歴史的に重大な事件だったのか。そして「政治家を殺しても動機が純粋なら同情される」ってメンタリティは五一五事件からの伝統なのね。当時の政党政治も左翼な研究者に過大評価されすぎだと思うの。
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しゅー
★★★新作に備えて再読。確かに名作なのだけど、どんでん返しの繰り返しを、ちょっとクドく感じてしまう。まぁ読者の期待値も上がっていくから仕方ないよね。個人的には『コフィン・ダンサー』の切れ味が好き。
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しゅー
★★★新作に備えて再読。そっか本書でキャサリン・ダンス登場か。
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しゅー
★★★本書も『コンサル0年目の教科書』と同様にタイトルが「いかにも」なので手に取らずにきたが、同書と同じキッカケで読む。田坂広志の著作と一緒で、テクニックではなく全体観や心の構えみたいな話なので読んで良かった。経団連等のお偉方の話が面白いけど、会社で偉くなることの恐ろしさを感じる。「晩節を汚す」って、こういう構造から生まれるんだろうね。エリート二人の対話だからそういう方向に話がいかないけど、お爺ちゃんたちの膨らみきった自意識を満足させるために、若者たちの賃上げの原資が奪われていると考えるとグロテスクだね。
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しゅー
いよいよ本番。最初は本書を読んでから過去問の演習をしようと思った。しかし結局は、過去問を解いて得た断片的な知識を、本書で統合する使い方となった。一次試験で無機質に感じた知識が、ケーススタディを経て生きたものになっていくのは、なんだか気持ちが良い。結果はどうなるにせよ、勉強したことは無駄ではなかったと思えたのは嬉しい。
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しゅー
★★★いかにもなタイトルなので手を伸ばさないできたが、とあるところで推薦図書に挙がり興味を持つ。調べてみると著者の経歴はなかなかのものだし、旧版(←こっちのタイトルの方が良いかも)の評判も良かったので購入する。田坂広志さんの著作と一緒で、無駄な水増しがなく、大事なことだけがシッカリ書いてある。戦略についてや経営者の性格についての書きぶりに一番、感銘を受けた。一方で諸々の社会人経験を積んだからこそ楽しめる部分が多いわけで、果たして新社会人にどこまで伝わるか。むしろ新人を教育する層が読むのに適しているかもね。
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しゅー
ネタバレ★★★諸般の事情で4作目を先に読んでからの本書だった。寒さの押し寄せる街で、兄妹二人が被害者となった殺人事件と女子生徒の虐待疑惑を刑事達が追う。どちらの事件も真相にそこまでのヒネリはないが、刑事達のドラマはますます好調だ。アラゴーナが相変わらず良いんだよなぁ。不適切な発言のオンパレードだけど、捜査では意外に気を利かせ、いつも思わぬところで解決の糸口をつかんだり、ヒントになる一言をキメる。まだまだ未解決の連続「自殺」事件の方はどう着地するんだろう。そっち絡みのエピソードで少し光が見えたのは本作の救いである。
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しゅー
★★★奥山真司の講演で紹介されていた。題名に似合わず、内容はアカデミックである。内戦を引き起こす重要な変数は何か?それは「アノクラシー」であると言うのが著者達の主張だ。すなわち民主主義と独裁政治の中間にある政治形態が一番、内戦を生み出す。民主主義が衰退して独裁制に向かう途上の国々、逆にどこかの米国に無理やり急激な民主化を強いられた独裁国家などがそれに該当する。その証明にさかれる頁が大半なので、実は米国よりもユーゴスラビアやイラクに関する話が多い。『新しい階級闘争』とセットで読むと現状への理解が深まるかも。
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しゅー
★★★第二次大戦後の経済的な繁栄で、欧米における格差は縮小し、冷戦下で左右の思想が対決する時代が続いた。しかし放って置いても格差は拡大するのが世の仕組み(『データの見えざる手』を見よ)である。ポスト冷戦の現在では左右の対立に替わり、上下の階級闘争が復活してきた。本書はそんな欧米で「多元的民主主義」が衰退し、「テクノクラート新自由主義」が幅を利かせる現状を描き出す。「リベラル」な思想(特にPC)は、実は欧米のエリートが労働者階級を攻撃するための武器としても使われていることを、十分に認識しておかねばなるまい。
しゅー
2024/10/23 16:00

多元的民主主義は、過去として振り返ると美しく見えるが、実際には小さなボス(市議会のドンとか町内会の有力者とか労組の委員長とか)によって個人が抑圧される側面もあり、歴史を経ればどんな組織も腐敗するものだから、きれいごとでは済まないことを認識しておこう。

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しゅー
ネタバレ★★★作品紹介から落穂拾い的な短編集かなと思って期待はしていなかった。しかし、なかなかバラエティに富んで楽しめる三編である。表題作はキングにしてはストレートなミステリだった。結末はモヤモヤするけど謎への迫り方が意外に本格ミステリ的である。『浮かびゆく男』は「痩せてゆく」と言うワードからホラーを想像する。しかし、意外にもほのぼの・しみじみストーリーだった。キング版『生きる』かな。そして『ライディング・ザ・ブレット』はキング版『杜子春』かも。怪異は登場するものの寓話みたいな読み心地だった。究極の二択が切ない。
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しゅー
ネタバレ★★★デビュー作なのに「辻村ワールドすごろく」で読む順番が後ろの方になっている意味はわかった。なかなか救いが見えずに読むのがツライ部分も多いし、メフィスト賞ということもあって大上段に構えたミステリでありながら、後年の作品に比べると仕掛けが見破りやすい。「ホスト」の正体や自殺した生徒の名前は、だいたいの読者が上巻の時点で予想をつけたのではないか。謎の本体はソコじゃないのかもだけど、ホストが分かった上で読み進めるのは辛かった。一方で群像劇としての完成度は、この頃からすごい。スピンオフ短編集を読むのが楽しみだ。
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しゅー
エピソード15を買いそこなった結果、本書と『ふぞろいな答案分析7』が被ってしまった。
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しゅー
スタディングの模範解答が一直線過ぎて自分の考え方と食い違うことが時々あるので、「ふぞろいシリーズ」は心の支えになる。特に事例Ⅲはスタディングで「題意を外した」と落ち込んでから「ふぞろい」を読むと、実は私の解答の方が合格者の答案と同じだったりする。蛇足だが何冊か読んでみて『ふぞろいな答案分析6』が神回だったことに気づく。
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しゅー
★★★「辻村ワールドすごろく」もいよいよ大詰め。ここに来てのデビュー作登場だ。同じモチーフの『名前探しの放課後』がすごろくで直前に指定されていたのはちょっと不思議である。読み比べてみなさいと言うことかな?本作はいきなり作者と同姓同名の登場人物が出てきてビックリする。かと言って特権的な視点を与えられているわけでもなく、ミステリ読みとしては「これは何のフラグ?」と変に勘ぐってしまう。『名前探しの放課後』と比べるとダークな雰囲気が充満している。これで1200頁いくのか〜。上巻の半分くらいからもう怖くなってきた。
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しゅー
こちらも過去の挫折のあと。「全ノウハウ」の模範演技を「ふぞろい」で自分流に落とし込むと言う使い方が良いのかな?私の場合は模範演技の部分を通信教育やスタディングで学ぶことにしたので本書はつまみ食い程度だった。
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しゅー
過去に通信教育まで申し込んで挫折した時代に購入。結果的に今回、役に立った。ふぞろいの直近と10年データブックの間の年度は入手しづらいので、結果として良かったかも。
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しゅー
★★★同じ著者の『源氏物語の時代』は傑作だが、あれを読んだ頃はこの時代の人名にさっぱり馴染みがなかった。しかし今回は大河ドラマのお陰で、藤原や源だらけでも誰が誰か区別つくぞ!大河ドラマと史実は別なのは理解してるけど、人名とそれぞれの関係性がなんとなくでも頭に入っているのは大きい。『源氏物語の時代』を読んだときも、『源氏物語』より『枕草子』の話が印象に残っているくらいだから、山本さんは清少納言と彼女が属した定子のサロンがごひいきなのだろう。本書は思う存分、そこについて語っているので水を得た魚とはこのことだ。
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しゅー
★★★原題は「この世に真の無知ほど危険なものはない」と言うキング牧師の言葉がもとになっている。自分には「人種に関する偏見はない」と思い込んでいる白人の少年が、黒人の少年と一緒にある事件に立ち向かうことで、本当の意味で世界を見つめる目を開かされていく。それにしても本書で描かれる黒人や同性愛者に対する偏見と暴力は凄まじい。また都会から来た裕福な黒人と田舎に住む貧しい白人と言う対比からは、まさに最近の彼の国の分断を連想した。英雄的な行いだけじゃなくロニー・デュプリーみたいに穏やかな良識の積み重ねも大事だと思う。
しゅー
2024/10/15 17:14

「かつては盲目だったが、いま、わたしには見える」

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しゅー
確かに黄金手順なのだろうけど、色んな方が評しているように、手順が多く複雑すぎる。特に色の塗り分けは練習のときでも頭がこんがらがるので、少なくとも私にとっては本番向きではないと思った。段落にアルファベットを振ることと、SWOT分析で線を引かないこと、そして問題から逆算して与件文に印をつけていく発想をいただいた。それぞれの事例についてのキーワードまとめは他の参考書より実戦的と感じる。自分でまとめているノートに活用したい。
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しゅー
受験までの時間が限られている場合は「〜答案分析」さえあれば良いかな。一次と並行して二次も勉強する余裕がある方や、二次のみ再チャレンジの方のモチベーション維持に使う本と理解しました。
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しゅー
★★われわれの脳は過剰に一貫性・原因・結論を求める。思考の錯覚(=認知バイアス)についての本だ。行動経済学や認知バイアスについての本を読んだことある人にとっては目新しい話はないものの「その知見から著者が何を伝えたいか?」がしっかりしている。
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しゅー
★★ここまでは文庫で読んできたが、本書はハードカバーで読む。予想どおり近現代になると出口治明さんらしさをあまり感じない。古い時代の方がユニークさが出て面白いな。
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しゅー
ネタバレ★★設定だけ見ると軽快なコメディを想像する。学校生活のパートはそのイメージと合っていて殺人者版のホグワーツといった雰囲気だ。ハリポタより学生の年齢層はずいぶん高いけど、友情・恋愛・ライバルとの競争と学園物らしさが満載だ。しかし卒業してからのストーリーはガラッと印象が変わる。登場人物の葛藤や人生の皮肉を感じさせる展開が意外に重い。もちろん周到な手順で犯行が行なわれる部分はJOJOみたいな頭脳戦もあって痛快だ。しかしタイトルの印象を裏切って、普通のミステリと比べても人の死を重く扱っているところが予想外だった。
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しゅー
★★★「風評被害」があれば当然ながら加害もあるわけだ。本書はそんな「情報災害」における加害の構造を明らかにしていく。社会が発展し「安心」への需要が高まる一方で「神が去った時代」の「救い」は多極化し、時にはカルトと化しながら人々の注意を奪い合う(アテンションエコノミー)。正確な情報発信だけでは情報洪水に飲み込まれてしまう。「反動のレトリック」に負けず、粗悪な情報に立ち向かってノイズを減らすことが大切だ。「寝た子は起こすな」論が如何に害をなし、当事者に重荷を負わすか。第一章と第二章だけでも広く読まれて欲しい。
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しゅー
★★★もともと、学生の頃に1作目を読んで以来、2作目以降は未読だった。今回、新刊に備えて1作目を再読したら、止まらなくなって3冊連続で読破。何がすごいって、ワンパターンに思われがちな設定なのに続けて読んでもまったく飽きないのだ。著者自身が語るように本格ミステリへの入門編として書かれており、あらゆるミステリの語法が使われているからだろう。今回はコミカルな怪盗ものまで登場するし、ボーナストラックはコナン君との共演だ。わたし的には『殺人には自転車をご利用ください』が今回のベスト。アレヤコレヤの名作を思い出した。
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しゅー
★★★もちろん、このシリーズは安楽椅子探偵物の名作なのだけど、私は執事の影山も現場に居合わせる作品の方が好みだ。伝聞では伝わらないような細部に対する彼の観察眼が活かされる結果、読者は麗子と同じ先入観にとらわれたまま背負投げをくらう。本書の『殺意のパーティにようこそ』はその好例だろう。『完全な密室などございません』も短編なのに長編の「館もの」みたいな雰囲気があって好きだ。小説のユーモアは、時間が経つと色褪せて、読者の感覚と大きく食い違ってしまうケースが多い。本作の場合は今でも違和感なく読めるのがありがたい。
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しゅー
★★★恥ずかしながら「難民」についていかに無知だったかを思い知らされる。そもそも私は難民の定義を理解していなかった。まあ日本での「●●難民」と言う用語の使い方を見るに、自分だけの問題ではないと思うけど。本書は後半に行くほど一般読者にとっては読みづらくなって来るので、前半の難民とその周辺の用語を整理する部分だけでも多くの人に読んで欲しい。著者はネット空間にあふれる誤った情報を正すために本書を執筆したとのこと。確かに言葉の定義や各国の状況などの前提をおろそかにした議論がいかに多いことか。これこそ新書の醍醐味。
しゅー
2024/10/14 23:10

ノン・ルフールマン原則ってどこかで使ってみたいけど覚えられない。

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しゅー
★★『言語学バーリ トゥード round 2』で紹介されていた本だと記憶する。途中で言語哲学の入門書チックになるのが残念だった。もう少し、学術用語を前面に出さずに身近な題材を論じて欲しかったと言うのは無いものねだりだろうか。
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しゅー
★★★新刊が出たので、久しぶりに再読する。短編なので一つの気づきからスルスルとキレイに謎が解けるスタイルが多いが、本編最後の『死者からの伝言をどうぞ』だけ違う。二転三転する展開は満足度高し。消されたダイイングメッセージと二階の部屋に投げ込まれたトロフィーと言う謎が、見事に腑に落ちる結末へと繋がる。本書を初めて読んだ頃は若くてユーモアミステリに耐性がなかったせいか、どうも生理的に受け付けなかった。従ってその後のシリーズも読んでいない。今回の再読でミステリとしての面白さに気付けたので、このまま続きに進みたい。
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しゅー
★★★前作が売れはしたものの、密室での会話劇がメインの異色作だったことを考えると、本作は意外にエンタメしてる。あれ、もうジェフリー・ディーヴァーの季節だっけ?と思うほどサービス精神にあふれていて驚いた。またホワイダニットに凝るあたりも、今どきの翻訳ミステリっぽい。警察側の登場人物は前作から引き続きの面々が多く、倖田とラガーさんにまた会えて嬉しかった(←類家は?)。タゴサクと犯人と警察と言う三つ巴から感じる不穏さのお陰で二番煎じを免れている。一方で妖怪みたいだったスズキが人間になってしまった寂しさも感じた。
しゅー
2024/10/09 17:51

前作のスズキタゴサクの独特の存在感は、われわれ人間社会の辻褄が合わなくなってきた部分を説明づけるために登場した妖怪では?と言う妄想をかき立てるのに十分であった。決してダークヒーローとは呼べない存在であることがユニークだったと思う。そこに寂しさを感じたのです。

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しゅー
★★★まさか本書に続編が出るとは。新刊時に読んだ記憶はいいかげん薄れているので「ミステリー頂上決戦」で文庫をゲットし復習。個人的には作品によって当たり外れを感じるこの作者。私が苦手と感じるねちっこい作風が、作品の性質とピッタリ合い、とんでもない成功を収めたのが本作。そうか私が著者の作品にずっと感じていた違和感を凝縮した存在こそがスズキタゴサク!われわれの価値観や紋切り型の考え方への挑戦。なんて考えながらの再読体験。この作品に似合うのは映像化よりラジオでの連続ドラマ?続編は法廷でタゴサクが語り倒すのかしら。
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しゅー
★★このシリーズも長寿だよね〜。主人公たちは「サザエさん」状態で高校を出てから7年くらいで時が止まっている一方、毎回、タイムリーに時事ネタを扱う作風なので、そのバランスが面白い。水戸黄門の如く、最後はマコトの智略とキング・G-Boysの武力で悪者を制圧するお約束だが、私にとっての面白さのポイントはその手順より事件関係者のドラマなので、あまり気にならなくなってきた。こんなに読みやすくて記憶にも残る物語を書ける作者の腕には感服する。しばらく新作を読まない時期もあったけど、少しずつ遡って空白を埋めてみようかな。
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しゅー
★★★最近、新刊の出た百鬼夜行シリーズや百物語シリーズは読み応えがあったので、本書の分厚さにも最初はひるんでしまう。しかし、たいへん読みやすい連作短編集だった。登場人物の長口舌が著者の魅力であり読むのに体力がいるところだが、本書は探偵役・ワトソン・事件関係者の3者の軽妙な掛け合いで会話が進むのでスイスイ読める。また従来の著者の作品で「妖怪」が果たした役割を「虫」(「腹の虫」や「虫が知らせる」の虫ね)が果たしているので、重さがなくユーモラスな印象を受ける。著者にしてはストレートな短編ミステリを読めて嬉しい。
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しゅー
ネタバレ★★★『楽園の烏』では『弥栄の烏』から二十年もが経っており、われわれ読者は「なんで山内がこんなことになった?」「あの人やあの人はもう死んでしまったのか?」など様々な疑問とともに置き去りにされてしまった。いよいよ本書で空白の二十年の前半が明かされる。スター・ウォーズの第一部を観るときと一緒で、読みながら暗い予感を抱かざるを得ない。『楽園の烏』が『空棺の烏』のエピソードを踏まえているのと同様に、本書は初期2作の「后選び」に登場した人物達が重要な役割を果たす。この辺りの過去作との繋げ方はまことに見事でうれしい。
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しゅー
ネタバレ★★★文庫で再読。まず「ゆきて帰りし物語」の主人公がタバコ屋のおやじと言うのが人を食っている。いままでは物語の約束事として「そういうもの」と受け止めていた異世界が、彼の目にどう映るかが容赦なく描かれていく。普通のファンタジーが「王が善政を敷きました」で片付けてしまうところへ「そんな上手く行くか?」とツッコむだけなら簡単だが、この作者は善と悪のグレーゾーンをリアルに描いてみせるのが素晴らしい。「ここは楽園か」と言う問いは読者の胸をもえぐる。前作からの二十年で山内に何が起きたのか?次作を読まずにはおられまい。
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しゅー
★★1作目に比べると読みづらさを感じた。全体と細部のバランスが悪く、個々の場面の描き込みが過剰すぎて、ストーリーの大きな流れがつかみづらくなっているのではなかろうか。「ノンストップ・サスペンス」と言う表現がぴったりの前作と違って、読んでいて集中力がなんども途切れた。逆に言うと細部は前作と同様に魅力的で、主人公たち三人組だけでなくチョイ役までキャラクターが濃ゆい。シチュエーション・コメディが連なっていく雰囲気なので、コレが連続ドラマの脚本だったら良かったのかも。ミステリの骨組みは悪くないので少し残念だった。
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しゅー
★★★新作に備えて第一部の完結編から再読する。初読のときは直前作の『玉依姫』との重複感が不満だったのだが、もはや記憶も薄れているので、今回は新鮮な気持ちで楽しめた。このシリーズの凄みは、異世界を作り込んだ上で、その滅びの予感までリアルに描いたことだろう。終盤で明かされる真相は、現実の人間社会のモロモロに関する隠喩とも読める。ここから新章を読み始めるぞ!
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しゅー
ネタバレ★ん?過去の書評七福神で今月の一冊に取り上げられていたから読んだけど拍子抜けだった。今どきにしてはコンパクトにまとまっていて読みやすいのは確かである。一方で内容が既視感ありまくりだった。犯人像と言い、捜査する側のドラマと言い、ミステリとしての仕掛けと言い、今さらコレが出てくるの?と言う感想を抱いてしまう。どんな物語も既存の要素の組み合わせと言え、組み合わせの仕方まで見慣れたソレだと楽しみどころがわからなかった。
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しゅー
★★★最近まで受けていた通信教育の模範解答はまったくスキがなく、解説もよどみがないので流暢性の錯覚に陥ってしまう。その点、本書は実際の受験者の不完全な解答例を見ながら、先生と生徒のやり取り(クセ強め)で解答の論理を行きつ戻りつしながら読めるので、頭が活性化する。いったんスタディングのAI添削で問題を解いてみてから本書を読み進めた。その結果、視点の数が足りなくて説明がくどいのが私の欠点だと分かってくる。途中で挟まる「事例●特別企画」で紹介されるフレームワークも秀逸で、各設問のつながりを整理するのに役だった。
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しゅー
★★★読む前は「連続M&Aと言うことは、吸収される側の経営層が大人数に及ぶ。その処遇をどうするのか?」と言う疑問が頭に浮かんだ。読んでみると、その対策もしっかり描かれていて感心した。むしろ赤裸々に書きすぎて関係者が苦笑していないか心配になる。さすがに著者自身が経験しただけあって「たすき掛け人事は望ましくない」と言うのは現場を知らない専門家の妄言、合併による雇用の効率化は幻想など、痛快な指摘が多い。また、DDや会計監査に対する中小企業の忌避感は盲点だった。至れり尽くせりの良書なので、もう少し読まれて欲しい。
しゅー
2024/10/01 20:00

著者の話を伺う機会があるので、慌ててさがしたが、e-honもHonya Clubも丸善WEBも取り扱いなし。三省堂も在庫なし。困り果てたら某書店チェーンで在庫があり、遠征してゲット。良かった♪

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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2019/05/01(2033日経過)
記録初日
2019/04/29(2035日経過)
読んだ本
1965冊(1日平均0.97冊)
読んだページ
699834ページ(1日平均343ページ)
感想・レビュー
1964件(投稿率99.9%)
本棚
20棚
性別
血液型
A型
職業
事務系
現住所
東京都
自己紹介

図書館で借りることが多いので
★★  図書館本で読んで満足
★★★ 買って読んだとしても満足
★★★★再読のために買いたい
って感じの基準です。

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