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2025年1月の読書メーターまとめ

しゅー
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32
読んだページ
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感想・レビュー
32
ナイス
441ナイス

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2025年1月に読んだ本
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2025年1月のお気に入られ登録
2

  • Bun-ichi Kawamoto
  • ossan12345

2025年1月にナイスが最も多かった感想・レビュー

しゅー
ネタバレこう言う家族の再生/解体の物語って苦手なのだけど『六人の嘘つきな大学生』を好きなので期待して手に取る。家族に関する常識を打ち壊し、そこに捕らえられて苦しむ人を解き放つと言うテーマには大賛成である。ところが核となる「父親」のエピソードに全く得心がいかなかった。さらに常識にとらわれるなと言うメッセージのはずが、終盤になってある登場人物の価値観が前面に出て他の家族が糾弾されるような展開になってしまう。しかも家族の一員でもない人物が、その尻馬に乗ってくるあたりは違和感でしかない。私が合わないだけかと思うけど残念。
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2025年1月にナイスが最も多かったつぶやき

しゅー

2024年12月の読書メーター 読んだ本の数:38冊 読んだページ数:12403ページ ナイス数:445ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/1003190/summary/monthly/2024/12

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2025年1月の感想・レビュー一覧
32

しゅー
ネタバレ★★★「少子化なのに教員不足?」「人手不足はどこも一緒でしょ」そう思う人は本書を読んでみよう。官民挙げて正規雇用者の数を減らし、その地位を不安定化させることで給与を低く抑える。それにより生じたスキマを賃金の安い非正規雇用で埋める。そこまでは教育現場も世間一般と同じなのだか、そこに加えて教員数の独特な決め方、地方と国による給与の負担割合など固有の要因があった。さらにさらに、教員不足を構造化するような政策を打ちながら、学級の少人数化や「考える力」重視の教育など場当たり的に逆方向の施策で現場に負担を強いたのだ。
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しゅー
★★入江 仁之『OODAループ思考[入門]』が良書だけど具体例に乏しいので、定番のテキストを読んでみる。じつは、この前に図書館の棚にあったOODAと名のつく解説書を2冊ばかり目を通してみたのだが、どちらも箸にも棒にもかからなかった。さすがに本書は読み応えがあり、入江本と違って本来の軍事の話が多めである。但しアメリカのビジネス書には珍しく、書き方がスッキリしない。東洋思想への憧れが叙述スタイルにも影響したか。そんなわけで、要所要所で登場する訳者の解説がとってもありがたかった。トヨタ生産方式の話が多めである。
しゅー
ネタバレ★★★本能寺の変と並び、写楽の正体は過剰に「謎」とされていると思う。外国人により「発見」されたので、「謎」の存在だから(一般の)日本人は気づかなかったんだよ〜というエクスキューズが欲しいのかな。徳島藩お抱えの能役者、斎藤十郎兵衛を中心に蔦重が仕組み複数の才能が集ったプロジェクトという真相では、いかんのかしらん。そう言う意味で奇を衒わず、定説を中心に虚実取り混ぜて「あり得そう」という物語をつむいだ本書は私の好みにあう。また、変にSFや現代ミステリにせず、きっちり正統派の時代小説に仕上げてくれたことも嬉しい。
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しゅー
★★★相変わらずキレッキレなエマニュエル・トッドだ。例により、人口統計を使ってロシアの強さと限界、そして米国の衰退を暴いていくあたりは本領発揮である。手法は昔から変わらないのだが、刻一刻と変化する国際情勢に的確な見取り図を描いていくのがすごい。一方で痛烈な物言いは母国で受け入れられづらいのだろうな。なぜ西洋は敗北するのか?それは国民国家が消滅していくからだ。そもそも「国民」はプロテスタンティズムの産物であり、宗教ゼロ状態に進む欧米にとって、それは必然的な結末である。英米追随を指針としてきた日本の行く末は?
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しゅー
ネタバレ★★★戦略とは何か?戦略が不要な状況を考えると「目的と資源」と言う答えが浮かび上がる。本書はその定義をもとにして6つのステップで戦略を考えていく。特に大事なのは「ステップ2:目的を再解釈する」と「ステップ4:資源優勢を確立する」である。前者は戦略の候補案を出すプロセスに当たり「目的明確化表」が考えるヒントとなる。後者は、単位の違いを乗り越えて目的と資源のバランスを見通す作業だ。とかく複雑で変数が多くなりがちな戦略策定過程について、目的と資源に焦点を絞る本書の構想は魅力的だ。色んな資料を読む際に活用したい。
しゅー
ネタバレ★★★『100分で名著』で取り上げられたと聞いて手に取る。番組の方は未見だ。「東ヨーロッパを幽霊が歩いている」冷戦時代の東欧の話と言うと古くさく感じる人もいるかもしれないが、ポスト全体主義をテーマにした本書は今こそ読まれるべきだろう。「独立した生」は高次の責任を伴う。ところが責任を伴わない自由を謳歌する消費社会と独裁が遭遇した時に何が起こるか。イデオロギーや儀式そのものが人々を支配する「自発的-全体主義」が出現するのだ。イデオロギーが1人1人と権力の間の橋となり、従順さを示す低い基盤(恐怖心)を覆い隠す。
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しゅー
★★学んだことは何か?「一貫性の原理」:顧客は最初の決断を守ろうとする(チョコレートサンデーの例)→最初は必ず簡単なものを買わせる。「(お客の)抵抗感の克服」:サングラスのヒンジの例→抵抗感を先読みして克服する。「巻き込みとオーナーシップ」:スペルミスを探す/箱を一緒に開けてもらう→すでに商品を使用しているか所有しているかのような表現を使う。時代を感じさせる古い表現がアチコチにあるものの、人間の心理は今も昔も変わらない。著者の経験に基づいた例が参考になった。操作主義に陥らず、誠実さを重要視するのも好印象。
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しゅー
ネタバレ★★本書は心理的安全性の日本版4因子として、「話しやすさ・助け合い・挑戦・新奇歓迎」を挙げる。また組織の変革に向けては、心理的柔軟性・行動分析・言語行動の3つのアプローチを提案する。個人的には、リーダーシップで関係性やカルチャーに影響を及ぼすための心理的柔軟性の話が刺さりまくった。本書を読んでのHOW(どう活かすか)は以下3つ。まず思考=現実から脱出してイヤな気持ちを受け入れる。次に自分の物語に固執するのを辞めて「観察者としての私」を確立する。予期せぬトラブルには「それは、ちょーどよかった」で応じてみる。
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しゅー
ネタバレ★★なぜOODAループか?VUCAに対応する方法を教えてくれるから。なぜ速い思考ができるのか?ロジカル・シンキングの禁じ手であるショートカットを多用するから。「変動」にはOrient→Act、「複雑」にはObserve→Orient→Observe、「不確実」にはOrient→Decide→Act。前提としてパターンの引き出しを増やすことが必要だ。なぜわかる(Orient)?世界観があるから。それを形成するためにはビジョン(V)、戦略(S)、行動方針(A)と、それを支えるメンタルモデル(М)が必要である。
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しゅー
ネタバレ★★『家族解散まで千キロメートル』が好みと合わなかったので迷ったけれど、本書は読んでみて正解だった。「家族解散〜」と違ってやりたいことが明確にわかり、軽快に読める短編集である。傾向としては、清水義範(デスゲームとか)、星新一(クロワッサンとか)、筒井康隆あたりの作品を思い浮かべた。その中でも私は『花嫁がもどらない』が現代への風刺を感じて一番良かった。今の人が求めている、無謬の誰も嫌な思いをしない無菌室のような世界を、純白の花嫁という隠喩がよく表している。みんなで「もどらなくても良いんじゃない?」と言おう。
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しゅー
★★懐かしや。超名作ほど高校までに読むから内容忘れがち問題。TVerで映像版を4話まで観たので原作を確認する。意外に忠実に再現しているなという印象だった。ポウのキャラがだいぶ違うぞとか、ある謎が解かれるタイミングは原作の方が早いとかくらいしか差に気づかなかった。私は犯人についてある記憶違いをしていたようで、ドラマ版で違和感あった部分も原作どおりだったみたいである。さすがに小説としては、今読むと青さ、硬さを感じてしまう。『Another』を読んだときはそこまで感じなかったので、やはりデビュー作ということか。
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しゅー
ネタバレ★★★なぜ「進捗の法則」か?職場の小さな出来事が「インナーワークライフ・システム(認識・感情・モチベーション)」に働きかけ、各人のパフォーマンスへと影響する。「小さな進捗」はインナーワークライフの糧となるのだ。なぜマイクロマネジメントにならないのか?上からのチェック(裁判官)ではなく、自主性を尊重しつつサポート(コーチ)するからだ。もう一歩進んで、仕事から進捗のフィードバックを得られるようにするのが望ましい。「オープネス(北野唯我)」とどうつながる?認識に働きかけ適切にサポートするには情報の流れが大切だ。
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しゅー
★★★著者の本は『物価とは何か』、『世界インフレの謎』と読んできて3冊目だ。『物価とは何か』では、物価に関する理論がわかりやすい例えを駆使して説明される。『世界インフレの謎』では新書と言うスタイルを活かして、タイムリーな話題であった世界的なインフレの謎について、悩みながらの考察の過程が披露される。続く本書は現時点での著者の集大成だろうか、理論と実践のバランスがとても良い。そして何よりも日本の長期デフレの原因について踏み込んだ考察がされることが嬉しい。個人的には日銀叩きよりも著者の説の方が納得度が高かった。
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しゅー
★★★同じ著者の『ポピーのためにできること』よりも読みやすい。同書は「ゼロ時間」へ向かう話だったので「これからどんな事件が起きるのだろう」と言うサスペンスを楽しめる一方で、どの情報が重要か分からず、登場人物の名前の奔流に圧倒されてしまった。一方で本作は、過去の凄惨な事件の解明と言う軸があるので情報の取捨選択をしやすい。証言の食い違いが見つかり、謎が深まっていく王道の展開、と思いきや途中から超自然的な雰囲気が漂い、どんどん怖くなってくる。どう風呂敷をたたむのかしらと思っていたら、終盤の鮮やかさに拍手喝采だ。
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しゅー
★★★タイトルが不穏でサイコ・スリラーを想像させる。ところが冒頭に登場するのはノックスの十戒!そう、本書はストイックなまでにルールを守る謎解きミステリなのである。しかも「信頼できる語り手」を自称する主人公は「◯ページで人が死ぬ」「◯ページに手がかりがあった」と至れり尽くせりの説明をしてくるのだ。そう書くと『ポケミス読者よ信ずるなかれ』を想像してしまうかもしれないが、あれよりずっと真摯なミステリである。また軸となる家族の物語も意外に地に足がついた内容で実に読ませる。読後感は予想よりずっ〜と気持ちが良かった。
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しゅー
★★要人を暗殺した直後、雇い主から追われる身になった狙撃手と、軍の機密が絡む殺人事件を追う定年直前の刑事。とても小気味よいテンポの展開。美味しそうな料理の数々。刑事の家庭のコミカルな人間模様。とっても楽しめる小説なのだが、終盤の慌ただしさが少し残念。「孤児」たちのドラマとか教官の背景とか、もう少ししっかり描いていたら、さらに傑作になったのでは?続編も出そうなので期待。
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しゅー
★★乱暴力/『日本美術応援団』/縄文-東照宮-永徳-明治工芸VS弥生-桂離宮-利休-柳宗悦/超絶技巧/生理的曲線/筆ネイティブ/美しい畸形/泡沫/『泡沫桀人列伝』/『縄文的原型と弥生的原型』/『奇想の系譜』/戸田禎佑/『モンガイカンの美術館』/『雪舟はどう語られてきたか』/『原色の呪文』/『今日の芸術』/『室町絵画の残像』/杉本博司/会田誠/山口晃/風間サチコ/蒼野甘夏/知らないことの価値/実物を見なきや始まらない(材質・大きさ・照明・空間・開く/閉じる)。薄い本なのでもう少し他の著書を読んでみたくなる。
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しゅー
★★★羽生さんを好きなので著者のことは気に留めずに手に取ったら、たまたま『嫌われた監督』と同じ著者だった。気づかぬうちに同じ時期に同じ著者の本を2冊そろえていたことになる。『嫌われた監督』と同様に羽生善治そのものを描くのではなく、周辺人物の群像劇を通じて彼の孤高の姿を浮かび上がらせていく。50歳を超えた棋士がB級陥落後も将棋を辞めることなく、AIも活用しながら復活を遂げる。それだけでも胸熱なのに、タイトル戦で若き藤井聡太へ肉薄していくのだ。「また勝てばいいんだから」と淡々と将棋を探求し続けるかっこよさよ。
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しゅー
★★大きなプロジェクトで成功するには?「ゆっくり考え、すばやく動く」え?時代はリーン・スタートアップだって?大丈夫、著書の考える計画立案には「行動」が伴うから言っていることは同じなんである。プロジェクトの目的を明確にしてバックキャストで考える→実験とシミュレーションを繰り返す→過去のプロジェクトの実績に基づき正確に予測する→リスク軽減策を考える。そう、ここまで入念に準備した上で実行フェーズは素早く進める。コロナとかリーマンとかブラックスワンに出会う確率が低くなるように、窓を開けている時間を最小にするのだ。
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しゅー
★★★本書の厚さに抵抗がある方は渡辺延志の新書『歴史認識 日韓の溝 』を先に読もう。朝鮮半島でのバルチザンとの闘いを経験した人々が、関東大震災時に内務省や警察・軍隊の要職についており、市井の自警団にも存在した。彼らが植民地で感じた恐怖や後ろめたさは日本国内での差別や偏見を強化し、未曾有の災害をきっかけに暴挙へと至る。同書は、その構図をコンパクトに解説してくれる。本書はその観点に加え、各地での事件の詳細について中国人・社会主義者が被害者となった虐殺行為も含めて描くとともに、最近のヘイト活動についても詳しい。
しゅー
2025/01/11 21:25

石原慎太郎でさえ踏み越えなかった最後の一線を、強固な思想を持たない現知事が踏み越えたと言うのは深刻だ。

しゅー
2025/01/11 21:27

インドを舞台にしたハヤカワ・ミステリで、植民地は最終的には宗主国を堕落させると言う趣旨のセリフがあったのを思い出した。虐殺をなかったことにしようという動きには『図書館戦争』を思い出しながら読んでいた。

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しゅー
★★★本が届いて、ぶ厚さに驚く。でも厚さの意味は読めば分かる。哲学書と同じく考えるプロセスに時間をかけることで、一周回って同じ場所に戻ってきても見える風景が変わってくるのだ。結論として「『私』とは『現象』と呼ばれる一種の立ち現れである」そう言われても「よくある話じゃん」と思ってしまいません?しかし、著者が高校生の素朴な疑問に丁寧に答える過程を追っていくと納得感が違うのだ。もちろん、斬新な結論も色々と出てくるのでご安心を。私は「AIに勝る人間らしさとは?」の解に目からウロコだった。「知好楽」で生きていこう。
しゅー
2025/01/11 10:27

それにしても昔の哲学者は的を射た議論を繰り広げていたものだ。心脳問題について著者は「一元論(心は脳から生まれる)」の立場を取る。しかしそれでも「心とは何か」と言う問題が残ってしまう。私は心も肉体も同じコインの裏表(スピノザ)と思うな。

しゅー
2025/01/11 10:41

困難学習・地形学習・交互学習。活用したいけど座学の地形学習のイメージが今ひとつつかない。

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しゅー
★★★「このミス」もっと上位で良かったんじゃない?2冊の本が上下逆さまに合わさって一つの本になっているという趣向だ。最近の本なのに創元推理文庫の古典みたいな読み心地である。私は普通にエセックス→カリフォルニアの順に読んだけど、逆で読んだらどう言う印象なんだろう。エセックス編はかなり謎めいたストーリーなのでカリフォルニア編を読んでもモヤモヤが残る。でも、逆の順番だと今度はカリフォルニア編でモヤモヤしそう。直前に読んだ『ウナギの罠』のような「謎が解けてスッキリ」と言うタイプのミステリではないことが魅力だった。
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しゅー
★★私も小さいProjectながらケンブリッジと仕事をした経験があるので懐かしい。あの経験がその後の会社生活の背骨になった。
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しゅー
★★★「スウェーデンのディクスン・カー」登場!最近の北欧ミステリは装飾過多だけど、60年代に出版された本作品はシンプルに楽しめる謎解き。冒頭からチェーホフか何かの演劇のごとく、会話によって描かれる村の人間模様。せまい村社会での男女のいざこざ、都会に出た兄と村に残った弟。最初は謎の焦点がボンヤリしているのだが、見えてくると極めてシンプルな密室。あまり説明もなく「ウナギの罠」と言う言葉が出てきて戸惑ったら、115頁辺りの図を先に見れば大丈夫。警察小説なのに関係者を集めての謎解きでワクワク。このトリックは豪快。
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しゅー
★★★こう言う本を読むと『ストーリーとしての競争戦略』の続編を早く書いてくれよ〜と心底思う。HOW(どう活用するか)としては①対概念を考える②好き嫌いと年齢のダイバシティ③自由(独立自尊)・平和(ポジション)・希望(蓄積が効く)の3つを選んでみた。実際の企業の事例としては、①オープンハウス②日本駐車場開発③スター・マイカに痺れた。
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しゅー
★★「戦略と経営について」だけで良いかなと思いつつ読んでみた。
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しゅー
ネタバレこう言う家族の再生/解体の物語って苦手なのだけど『六人の嘘つきな大学生』を好きなので期待して手に取る。家族に関する常識を打ち壊し、そこに捕らえられて苦しむ人を解き放つと言うテーマには大賛成である。ところが核となる「父親」のエピソードに全く得心がいかなかった。さらに常識にとらわれるなと言うメッセージのはずが、終盤になってある登場人物の価値観が前面に出て他の家族が糾弾されるような展開になってしまう。しかも家族の一員でもない人物が、その尻馬に乗ってくるあたりは違和感でしかない。私が合わないだけかと思うけど残念。
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しゅー
★★★上野修『哲学者たちのワンダーランド [改版]』を最近読んだ。デカルトとスピノザ、スピノザとホッブスと言う対比によって、難解なスピノザを理解するとっかかりをつくってくれる良書だった。同書の中でライプニッツはその三人が壊したものを修繕する役回りだった。一方、本書はライプニッツを主役としながらも、彼は完全にスピノザの引き立て役である。生涯に一度だけ、数日に渡って対話した二人の哲学者の間に何があったのか?伝記仕立ての哲学入門書と言う珍しいスタイルで、スピノザに出会った後のライプニッツの苦悩と迷走が描かれる。
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しゅー
★★★てっきり、企業変革やプロジェクトなどの抵抗勢力への対処法の本と思ってた。しかし実際は、行動経済学や心理学の知見を活かしたマーケティングに関する書籍だった。従来のマーケティングをアイデアを売り込むための「燃料」とすると、本書はそのアイデアを受け止める側の「抵抗」に注目する。手法の一つ一つは既知の内容なのだが、体系化の説得力が半端ない。著者たちは抵抗を4つ(惰性・労力・感情・心理的反発)に分けて、それぞれの攻略法を明かす。我々はオーディエンスの抵抗を見つけることで施策の方向性を考えられるようになるのだ。
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しゅー
★★残念ながら『真田丸』は観ていないので『鎌倉殿の十三人』に関する対談を目当てに読む。期待通りの内容であった。そういえば『記憶にございません!』も面白かったな。『スオミの話をしよう』、『ギャラクシー街道』は未見だけどあまり良い評判を聞かない。その辺の振り返りを期待したけど、今ひとつ踏み込みが甘く残念だった。その他、印象に残ったのは、世間から数々の理不尽な批判が来ること(「宇宙人を差別するな!」)、最近の映画関係者とは観ている作品が違い過ぎて対話に苦労することかな。最近の若者はアジア映画に妙に詳しいらしい。
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しゅー
★★★「便利なのは良いけど、そのうち便利が人を追い越しちまうような気がしてね」明治と言う急激に変化する時代に、何か新しいものが生まれていくとともに、別の何かが取りこぼされていく。その様子を書籍をめぐる連作短編で描いてきた本シリーズだが、この最終巻では出版文化や古書市場が立ち上がっていく様子が背景となっている。「日本語」が成立し、活字となる文字の形が決まり、それが印刷される紙が選ばれ、印刷技術が定まり、完成した本を流通させる仕組みができる。我々が本を手に取るまでにどれだけの先人の苦労が重ねられてきたことか。
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しゅー
★★★★まるで時代小説の連作短編集のよう。謎めいた言動を繰り返す名将。主君の意図を読めないままに苦闘を重ねる家臣団。そんな武将の深層に迫ろうとする語り手。そして胃が痛くなるような緊張感から解放される終盤のカタルシス。落合は各人が「個」を確立して契約で結びつく関係と言う世界観で動く。「理」を大切にするだけなら広岡・野村という前例がある。しかし「個」と「理」と言う組合せが日本社会から異物とみなされたのだろう。それだけに「個」をスタートに「チームや監督のため」と言う「情」の世界が立ち上がるラストが感動的である。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2019/05/01(2105日経過)
記録初日
2019/04/29(2107日経過)
読んだ本
2055冊(1日平均0.98冊)
読んだページ
731059ページ(1日平均346ページ)
感想・レビュー
2054件(投稿率100.0%)
本棚
20棚
性別
血液型
A型
職業
事務系
現住所
東京都
自己紹介

図書館で借りることが多いので
★★  図書館本で読んで満足
★★★ 買って読んだとしても満足
★★★★再読のために買いたい
って感じの基準です。

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