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2024年12月の読書メーターまとめ

しゅー
読んだ本
38
読んだページ
12403ページ
感想・レビュー
38
ナイス
445ナイス

2024年12月に読んだ本
38

2024年12月のお気に入られ登録
3

  • tetsuwo
  • mimosa
  • Minamihama

2024年12月にナイスが最も多かった感想・レビュー

しゅー
ネタバレ★★★絶好調のホーソン&ホロヴィッツ・シリーズ第5作だ。今回は二人が知り合う前の事件をホロヴィッツが捜査資料を元に作品に書き起こすので、三人称のミステリを楽しめる。その作中作は、見取り図や凶器からヴァン・ダイン、人間模様からクリスティ、犯人像からクイーンと相変わらず黄金期の香りが漂う。登場人物たちもクリスティの有名作を意識していることが描写され、さらに別の有名作の小道具が現代風にアレンジされて登場!そして現在パートでは探偵役であるホーソンの謎が少しだけ解かれる。全10作の折り返しに入るので次作も楽しみだ。
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2024年12月にナイスが最も多かったつぶやき

しゅー

2024年11月の読書メーター 読んだ本の数:41冊 読んだページ数:12637ページ ナイス数:392ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/1003190/summary/monthly/2024/11

しゅー
2024/12/05 17:01

ノートを取りながらビジネス書を集中的に読んでいたら感想の登録が遅れてしまった。やっと終わってスッキリ!

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2024年12月の感想・レビュー一覧
38

しゅー
★★読む前は内省の手法に特化した本だと思い込んでいた。しかし期待していた①個人の内的自己認識に留まらず、②フィードバックによる外的自己認識や③組織としての自己認識までをカバーした本だった。但しマインドフルネスや心理的安全性まで盛り込んだせいで散漫な印象だ。その結果、②は『みんなのフィードバック大全』、③は『OPENNESS』の方が解像度高い議論をしているように思う。①について「内省」は双子の悪魔である「反芻」(『Chatter』!)を連れてくると言う指摘や、なぜではなく何で考えると言う手法は参考になった。
しゅー
2025/01/01 00:23

『みんなのフィードバック大全』を読んだとき、前提となる成長マインドを育てるのが自他ともに難しいんだよなと思ったことから、自己認識に関わる本を探していたのだ。

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しゅー
ネタバレ★★★絶好調のホーソン&ホロヴィッツ・シリーズ第5作だ。今回は二人が知り合う前の事件をホロヴィッツが捜査資料を元に作品に書き起こすので、三人称のミステリを楽しめる。その作中作は、見取り図や凶器からヴァン・ダイン、人間模様からクリスティ、犯人像からクイーンと相変わらず黄金期の香りが漂う。登場人物たちもクリスティの有名作を意識していることが描写され、さらに別の有名作の小道具が現代風にアレンジされて登場!そして現在パートでは探偵役であるホーソンの謎が少しだけ解かれる。全10作の折り返しに入るので次作も楽しみだ。
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しゅー
★★★ロジカル・シンキングやシステム思考に始まり「〇〇思考」を謳う書籍には事欠かない。しかし実践のしやすさにおいて本書に勝る本は、そうそう無いだろう。考え方が認知・思考・行動の3ステップで表現される。自分として「認知」はできていそうなので「思考」の手順を試してみたい。そして本書のポイントは思考の足踏みに気づいた時の「行動」である。実はケンブリッジと仕事をしたことがあるので、この手法にはなじみがあった。「下手な考え休むに似たり」とは昔の人も巧いこと言ったもんだ。「定番の問い」はコピーして手元で使おうと思う。
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しゅー
★★★採用面接を手伝うときに人事から渡される資料は、コンプライアンスを気にした「べからず」集ばかりが充実していき、肝心の採用基準についての満足できる資料がない。どこかに良い書籍がないかなと思っていたら、本山裕輔さんのつぶやきで本書を知る。著者はエゴンゼンダー出身者なので実戦経験豊富で説得力があった。特に人を4つの階層で捉えると言う枠組みが参考になる。そして著者が先輩から聞いた「書けないうちは思考ではない」と言う言葉と、その実例として挙げられた「簡易アセスメント・レポート」が印象に残った。自分の甘さを知る。
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しゅー
★★「自己組織化」とは「あるランダムな状態にある構成要素が、構成要素間に働く相互作用により、自発的に特定の秩序構造を形成する現象」である。本書では、そんな自己組織化に対抗する力としてのリーダーシップを壮大な歴史とともに描く。『サピエンス全史』や『銃・鉄・病原菌』みたいなテイストのビジネス書である。出口治明さんの著作が好きな人にはお薦めだ。
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しゅー
ネタバレ★★著者とセミナー受講生の対話に、自分にもあてはまる言葉がどんどん出てくる。「大きく正しく、いつも人の前で振る舞わなきゃいけないんだ」「『私はちゃんとわかってます』と言いたくてしようがないという衝動」「あなたの人生は何ですか?と言ったら、是正行動です。全部是正行動。自分是正キャンペーン」私は「欠陥・欠損」モデルなので瞑想のスートラは「私がありのままの自分を大切に温めれば、私の命そのものが、周囲を明るく照らす『ともしび』になります」としよう。本書の前に『無意識がわかれば人生が変わる』を読むことをお薦めする。
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しゅー
★★★ドン・ウィンズロウのニール・ケアリーシリーズを思い出した。ユーモアに溢れ、現実の非情さもしっかり描かれて、主人公が大変な目に遭う。また、ダラダラと日々を過ごしていた青年が、幼い子ども達の虐待疑惑を調査する決心を固め、自分の行動の仕方を変えていく前半部分はなんだか自己啓発小説を読んでいるような心持ちになった。元私立探偵のアドバイスどおり、根気よく、注意を払って、捜査を進めていく主人公を愛おしく思えてくるのだ。個性的な脇役たちも魅力的で、本筋と関係ないシーンも全くダレない。終盤はアツいっす。こう来たか。
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しゅー
★★★17世紀は王権が脅かされ、科学が発展し、「大航海」で世界が広がった時代である。我々には想像もつかないが「世界の底がぬける」ような思いを当時の人たちは味わった。そんな中、デカルト・スピノザ・ホッブズの3人はそれぞれのやり方で「無限」を語り、存在の大いなる連鎖を切断してみせた。それに対してライプニッツは、法外な無限を処理可能な論理空間の中に回収して手なずけるとともに、存在の大いなる連鎖を修復しようと試みた。ライプニッツの延長線上に「近代」は開けたものの、無限の淵が我々の前に現れる時が来るかもしれない。
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しゅー
★★妖怪は日本古来の伝承と錯覚しがちだが、今のようなバラエティを獲得したのは江戸時代なのである。それまでは朝廷を中心とした「怪異にもとづく危機管理システム」とでも言うべきものが存在した。多種多様な怪異の裏には鬼、天狗など数の限られた本体が存在し、それを突き止めて対策を打つと言う仕組みである。しかし徳川幕府は凶事の先触れとしての怪異を否定した。その結果、怪異は無害なものとして庶民の博物学的な興味の対象へとなり下がる。そこに当時のSNSである俳諧のネットワークが組み合わさり、妖怪のカンブリア爆発が起きたのだ。
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しゅー
★★★北野唯我『OPENNESS』はとても良い本なのだが「OPENNESSが高まると若手の成長環境につながる」という部分に少し飛躍が感じられた。本書はそのプロセスを具体的に示して隙間を埋めてくれる本である。OPENNESSで心理的安全性を高めた後に各人の成長を促していくためには、フィードバック文化の浸透が大切だ。個人的に参考となったのは、相手にとってネガティブな事を伝えるギャップフィードバックの進め方(5つのright、ソラ・アメ・カサ)とフィードバックを受け止める力の伸ばし方(認知の歪みを正す)である。
しゅー
2024/12/22 11:45

実際に著者が自分の会社で試している内容ばかりなので説得力に溢れている。著者自身が受けてイラッとしたフィードバックについて考察していたりと本音ベースなのも好印象だ。

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しゅー
★★★無意識がわかると何が起きるか?4つのメンタルモデルを理解し、自分の行動に対するメタ認知を得る(痛みを「感じる」のではなく「観る」)ことで自己理解が進む。それとともに「痛みを避ける」と言う共通点を手がかりにした他者理解も進む。また本当にやりたいことは痛みの裏側にあるので「つくり出したい世界」へ向けて踏み出すことができる。私は、アンケートをやってみたら「愛なしモデル」と「欠陥欠損モデル」が同スコアだったけど、特徴を読んでて違和感ないのは「欠陥欠損モデル」の方かな。ビジネスでは「土台」となる役目のようだ。
しゅー
2024/12/22 11:43

由佐さんの『ザ・メンタルモデル』を本山裕輔さんが薦めていたので読もうとしたことがある。しかし、書店で手に取るとスピリチュアル的な印象を感じて買うのをやめてしまった。何となく心残りがあったので、最近相性が良い前野さんの対談本でお試ししてみたのだ。

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しゅー
★★★山口周氏いわく、二つの探検隊の明暗を分けたのは「1:マネジメントの側面=権力格差の大小」と「2:パーソナリティの側面=内発的動機の有無」である。権力格差については、水兵エバンズのエピソードに「いかにも英国」と思ってしまう一方で、日本人の時代小説の世界観はモロにスコット隊だよなとも考えた。日本の先の大戦での失敗にもつながるメンタリティだ。また内発的動機は「頑張る人は夢中な人に勝てない」(山口周)と言う言葉が耳に痛い。不確実な状況では用意周到な準備と、権力格差が小さいチームによる柔軟な対応が必要である。
しゅー
2024/12/18 09:33

アムンセンとスコットによる南極点到達の競争は、昭和な方々にとっては基礎教養みたいだ。私もまあまあ古いことを知っている方だが、以前、大先輩からこの話題を振られて全く答えられなかった。というわけでビジネス書マンダラで本書をみつけて読まねばと思ったのだ。そうしたら、解説も山口周さんだった。

しゅー
2024/12/18 10:46

「不確実な状況では用意周到な準備と、権力格差が小さいチームによる柔軟な対応が必要である」と書いてはみたものの、アムンセンのような計画・準備は不確実な状況では無理だと思うので、そこが今後、考える部分だなと思った。

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しゅー
★★★著者はランパー(一括派)ではなくスプリッター(細分派)だそうだ。『戦略サファリ』(未読)書くくらいだもんね。そんなミンツバーグが組織を分類するのだから、その手際は見事としか言いようがない。それぞれの組織類型を誰にでもわかるスポーツにたとえていることから流行り廃りに影響されない組織論であることは明らかだ。そして、そんな見事な分析に続いて「本書で紹介してきた7つの組織形態どおりの組織は、全世界に存在しない。そもそも存在すべきでもない」と一刀両断してみせる。そこから始まる動学的な分析こそが本書の真骨頂だ。
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しゅー
★★★パトリシア・ハイスミスなどの古典的なサスペンスを好む方にはお薦めだ。事件の起きたゼロ時間から、通常の倒叙ミステリのように未来へ向かって進む章と、『オクトーバー・リスト』のように過去へと遡っていく章が交互に登場する。前者の視点人物が事後従犯、後者のそれが犯人に割り振られるのが面白い。われわれ読者は過去へ逆行する物語から犯人の動機や被害者が誰かを推理していくことになる。主人公の女性二人以外にも親子・夫婦・友人・同僚など色んな一対一の関係が描かれ、人と人のつながりの脆さとそれ故の尊さを感じる物語であった。
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しゅー
★★★おお、ロス・マクドナルド!華文ミステリと言うと、日本の新本格から影響を受けた作品を思い浮かべる。しかし本書は珍しくハードボイルド、しかもロスマクへのオマージュだ。そして主人公の探偵をはじめ、女性の登場人物が生き生きしていて魅力的なのが、この著者らしい。逆に言うと男性で印象に残ったのはチョロっと登場する刑事さんくらいか。実は女性探偵の造形には、欧米の探偵小説に加えて我らが若竹七海先生の作品も参考にされているとのこと(あとがき情報)で喜ばしい。この著者は今まで相性よくなかったのだけれど本作は好きだなぁ。
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しゅー
★★★『ESG思考』を読み「ニュー資本主義」について知りたくなって、『WOKE CAPITALISM』から米国での実態を知り、そして本書にたどり着く。『ESG思考』で日本は「オールド資本主義」と「脱資本主義」の間を迷走しているような描かれ方だった。しかし本書は日本にも「ニュー資本主義」をむしろ欧米より立派に実践している会社や投資家がいるよと言う話である。口が悪い人は「鎌倉投信の自己宣伝じゃないか」とおっしゃるかもしれないが、私は本書に説得力を強く感じた。こうして3冊読むことで少し知見にバランス取れたかな。
しゅー
2024/12/17 19:32

フローよりストックに着目するのは別の著者だけど「『ミライの兆し』の見つけ方」と共通する。切り口としてどこかで使ってみよう。

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しゅー
★★★『ESG思考』の「ニュー資本主義」の裏面を知るために本書を読む。そもそもグローバル企業の経営者が社会や環境に目を向けるのは①大衆からの人気取りが売上につながる②税逃れをし莫大な富を独占している現実から世間の目を逸らす③政治的なアクティビストから資本主義を守る、辺りが動機だ。右派からは「企業は経済的利益に専念すべし」、左派からは「企業はさらに社会的責任を果たせ」と言う批判があり得る。一方で著者は、税金として政府を通じて民主的な手続きを経て使われるべき金が、企業経営者の気まぐれに任されることを批判する。
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しゅー
★★共同体の悪を断じ個人の快適さを追求した社会/快適さを守る排除を洗練されたレトリックで擁護/自由を尊重するには「見たくもないもの」を見せられる覚悟が必要/認められる多様性と排除される多様性/道徳的優位性の競争は従来型の「強者」の勝利に終わる/弱者同士は連携せず、強者が連携する/事後的に「手を差し伸べるべきだった」とされる人間は「関わりたくない面倒な人」/最後まで残る「差別」は能力主義/ヤクザは元凶ではなく「結果」/障害者が問い詰めるエッセンシャルワーカーも相対的な弱者/獣性を解放したときの男女の非対称性
しゅー
2024/12/13 13:50

『西洋の自死』、『新しい階級闘争』、『ストーリーが世界を滅ぼす』、そしてドラマの「ふてほど」『海のはじまり』などフィクション・ノンフィクションを問わず最近の創作者の課題意識とリンクするものを感じた。

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しゅー
★★★未来は読めないと考えよう。一方で科学技術や人口動態など読める潮流はある。また社会の変化を考える上で人々の「心理とエトス」は重要だ。それらをもとに自らの時代感を言語化し、モデル化してみよう。そのうえで人々の思いを乗せた未来をつくっていく。こういった営みは学際的な取り組みになることが予想され、著者の言う「素人以上、玄人未満」という考え方が参考になる。それ以外にも参考になったのは「時間軸の長い加減乗除」と、色んな課題を資産(ストック)で考える方法、そして「ストーリーとものさし」である。読みたい本も増えた。
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しゅー
★★『DXの思考法』に蒙を啓かれたので、その解説を書いた冨山氏の本を読む。①点で始めて線、面へと広げていく(デジタイゼーションからデジタライゼーションへ)②「DXで新規事業」ではなく、まずは「既存の磨き込み」③組織を動かすためには「誰が」が大事(人々の「気持ち」を無視しない)④フレームワークより「ゴールとスケジュール」⑤「制空権」の時代・「借り物競争」(いずれも前掲書の概念からアレンジか)「万人のための」とうたいつつ相変わらず経営リーダー層に向けて書いているのと著者の悪態多めなのが難点と個人的には感じた。
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しゅー
★★冷戦時代の日本では、アメリカ建国を左右どちらの思想からも美化していたように思う。右派・親米の方々は「偉大なる自由主義社会」の守り手の輝かしい歴史として、左派・嫌米の方々は大好きなフランス革命につながる独立宣言と言う文脈で、それぞれ肯定的に受け止めていたのではないだろうか。もちろん後者は奴隷制度や先住民に関する留保付きではあるが。本書は、そういう美化の方向に進まないだけでなく、最近のリベラルの「意識高い系」歴史観にも与しない。種々の政治勢力の「妥協の産物」が時には美しいものを生むと言うのが歴史の皮肉か。
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しゅー
★★相変わらずミステリの色んなパターンを踏襲しており、このジャンルの初心者にとって良質な入り口となっている。マニアの方々は同じ趣向を使った過去の名作と比較して著者の工夫を楽しんでいるのかもしれない。私はその中間くらいの読者層なのが少し残念である。本書に合わせて旧作を読み返し、改めて質の高さに驚いた。一方でそのシリーズ過去作と比べると本書には少しパワーダウンを感じるのも正直な気持ちだ。「新」から追加されたキャラクターの楽しみどころが分からないのも一因だろう。それまでの三人でコメディ的には十分だった気がする。
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しゅー
★★本書は日本での俗説のたぐいからスタートして、それを否定し、現実を解きほぐす形で議論が進むので台湾関連の最初の一冊として適切だと思う。俗説と言うのは、現実をとかく二項対立で単純に割り切りがちだ。例えば「(昔の)国民党の統治が悪かったので、日本の統治の『良さ』が思い出された」「中国に対する恐怖が親日につながっている」などなど。本書の八田與一に関する議論や安倍元首相の人気の秘密は、そういう単純化を戒める良い例だと考える。島国の内側で歴史を重ねた我々は、隣国に関する認識がナイーブになりがちなので注意が必要だ。
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しゅー
★★★読むのを後回しにしていたが『このミス』のランクを見て慌てて手に取る。特に前半の進行は久しぶりに読書へ没頭できる体験だった。少女が幽霊を師匠に事件の謎に迫ると言うのは特殊設定めいているものの、骨格は黄金期の正統派ミステリを思わせる。手元の材料から推理を組み立て、新しい事実が出てきて推理の見直しを迫られるという生真面目な繰り返しが好印象だ。終盤の多重解決は、あのアイテムも出てくるし、アントニー・バークリーへのオマージュかな。純粋に好みの問題なのだが、そこの目まぐるしくさで少し読むペースが乱れてしまった。
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しゅー
★★★「見える化」された結果から、そこに表れた重要なギャップ(差異)について、「意味合い」として考えられる因果や打ち手の案を言語化する。そして、想定された因果と打ち手の「仮説」を報告書に記載する。これにより、実務でPDCAを廻している担当者の思考過程を客観的にも確認できるように「見える化」し、精度を高めるための議論ができる場をつくる。創業者の頭の中のPDCAを組織で廻せるようにすることで分業可能とする、「CからPへの思考過程」を見えるようにすることで経営をアートからサイエンスにするという2点が学びだった。
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しゅー
★★★ドキュメンタリー形式のミステリだが、『トゥルー・クライム・ストーリー』や『ポピーのためにできること』のような凝った構成ではない。登場人物の語りで進行する古典的な形式で、私の大好物である。一方で、テレビのリアリティショー発の情報がネットで増幅され、現実へ災厄として降りかかってくると言うストーリーの進行は極めてイマドキだ。過去に起きた事件が語り起こされるので、そんなに大きなサプライズは作れないだろうと思いきや、ちょいちょい驚かされる。しかも展開に無理がないので後味は悪くなかった。品よくまとまった良作だ。
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しゅー
★★★本山裕輔の書評を見て手に取る。リーマン・ショック後に欧米機関投資家やグローバル企業は「ニュー資本主義」へと移行した。ところが「欧米の『強欲資本主義』とは違う」と自負していたはずの日本企業は「オールド資本主義」に留まり続ける。一方で財界以外では「脱資本主義」の動き(里山〜など)が盛り上がり、それが「SDGsへの貢献」(?)へとつながり迷走していく。日本には真の意味でのグローバル企業が存在せず「サステナブル」への危機感が生まれなかったことと、おかしなタイミングで「伊藤レポート」が出たことが要因だろうか。
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しゅー
★★★中小企業診断士の試験範囲は多岐にわたるが、「営業」は組織戦略の文脈でしか登場しないように思う。一方で中小企業の経営者が不足を感じ、即戦力を望むのは「営業ができる人材」という調査結果を読んだ記憶がある。ということで営業のプロセスに関して体系的に書いてある書籍を探してまずは本書を手に取った。初めて知る話ばかりで営業についての見方が変わった。顧客をどうステージ設定するかといった直接の営業活動にとどまらず、リソースをどう準備するか、活動の結果をどう評価するかなどマネジメント目線の話も豊富で大変な良書である。
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しゅー
★★★読みたい本に登録したまま長い時間が経ってしまった。冒頭からすぐに、これは好みの本だとわかる。最近読んだ『ひらめきはスキルである』の実践編を目の当たりにする印象だ。著者は日常のちょっとした出来事に引っかかりを覚え、過去の経験とつなぎ合わせるなどして、われわれに気づきを与えてくれる。こんなに無理なく抽象化の能力を駆使できることに感服した。
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しゅー
★★情報はインプットして・整理して・アウトプットする。著者の言葉に従い、得たことを3つに絞って記しておく。①仮説を持った上でインプットする②アウトプット前提でインプットする③インプットの保存先も先に決めておく。③は内田和成さんの頭の中の「引き出し」と同じ考えかたである。著者のご専門どおり、整理がうまくできていて読みやすい本だった。
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しゅー
★★対談本なので色んな方の話を読める。リベラルアーツは、目の前の常識から解き放たれて自由になるための学びだ。例によって出口治明さんの紹介する本を読みたくなる。
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しゅー
〈国内編〉予想どおりの2作がワンツーフィニッシュ。3位は予約の順番がなかなか回って来ない。4位も未読なので慌てて予約。継続して読んでる作家さんが6位・8位・10位とベスト10入り。この顔ぶれで5位の健闘は見事。9位はグロさを心配して未読。〈海外編〉おお1位はこれか。好きだけど意外。ベテラン勢の2位・6位はうれしいな。3位は購入済みなので早く読まねば。4位・7位は『このミス』常連さん。5位は失礼ながらノーマークで未読。そしてなんと言っても8位!ミステリにカウントしてもらえたか。個人的に今年のベスト3に入る。
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しゅー
ネタバレ★★私は紙に書きたい派なんだけど、確かに思いつきをメモするのはスマホが便利なのかな。本書のメモ術は、内田和成さんの頭の中に引き出しをつくる方法と似てると思った。内田さんは頭の中で完結させてしまうようだが、私のような凡人は本書のように書いて蓄積してデータベース化の方が向いているかもしれない。読書ノートは私の場合、浅田すぐるさんの方式を採用しているが、本書の、思いつきを得たらすぐに本を置く、実行することを決めたらグーグルカレンダーの将来の予定(会議、プレゼンなど)にメモしておく、と言うのは非常に参考になった。
が「ナイス!」と言っています。
しゅー
ネタバレ★★★『魔王の島』に続いてケレン味たっぷりの快作(怪作?)だ。挿入される「事実」からして結末の方向性は見当をつけていたのだが・・・まさか火事の話とそんな形でつながっていたとは。『魔王の島』に比べるとスマートに風呂敷をたたんだ印象はあるが、われわれの感情が迷子になる。昔話のアナーキーな終わり方に「どこが『めでたし、めでたし』じゃ〜」と叫びたくなるのと似た気持ちに陥った。これは作中作で読む人を登場人物たちに感情移入させた作者の勝利といえるでしょう。と、なんだかんだ言いつつ次回作を期待してしまう作家さんでした。
が「ナイス!」と言っています。
しゅー
★★★多くの自己啓発本は「いまを生きよ」という結論に行き着くものだ。しかし本書を読んで、それが生物としての人間にとって如何に無理な指示であるかを知った。われわれの脳の初期状態は「いま、ここ」から「離脱」し、過去の出来事、想像上のシナリオ、その他の内面の黙想へと導かれる傾向にあるのだ。そんな「内なる声」のスピードはすさまじい。例えるとアメリカ大統領の一般教書演説(1時間程度)を1日に約320回聞くようなものなのだ。本書の提示する解決策は常識の範囲だが、上記のような前提となる話が初耳で非常に気分が楽になった。
しゅー
2024/12/05 18:13

辛かった経験を人に話すのは度を越すとネガティブな情報を反芻することになって逆効果である、というのも役に立つ知見だ。

しゅー
2024/12/05 18:47

類書でもみかける「主語を『わたし』から自分の名前にしよう」という対策は英語圏らしい解決策だと思う。主語を省きがちな日本語でも有効なのか、どなたか研究してほしいわ。

が「ナイス!」と言っています。
しゅー
★★★世にあふれる経営戦略の手法を整理するメタな視点の書物だ。外部環境の予測可能性と改変可能性と言う2軸で4つの戦略アプローチ、緊急事態への対処としてリニューアル型のアプローチが紹介される。最後の「リニューアル型」は経営戦略と言うよりもターンアラウンドの手法で、第二段階では残り4つのアプローチのどれかに移行する前提だ。クラシカル型:ポーター・PPMなど。アダプティブ型:タイムベース競争など。ビジョナリー型:ブルーオーシャン・イノベーションのジレンマなど。シェーピング型:エコシステム・プラットフォームなど。
しゅー
2024/12/05 16:37

本筋と違うのだが、214ページの図をみると、欧米はクラシカル型の市場、新興国はシェーピング型の市場と言うのはいいとして、日本がビジョナリー型の市場というのに驚いた。まだまだ企業が環境を変える余地があるということかな。

が「ナイス!」と言っています。
しゅー
★★エッセンシャル思考とは?目標を定めたら、達成に必要な行動を見極め、それ以外の無駄を捨てる、以上をしくみ化して進めることだ。核になる概念は「選択」、「ノイズ」、「トレードオフ」の3つである。世の中の大半のものはノイズであると言うのが心強い言葉だ。そう割り切れないのが、われわれ凡人なんだけどね。見極める・捨てる・しくみ化の3つの手法✕5つの概念で15とおりの実践を教えてくれる。ドラッカーとか『7つの習慣』を読んですぐに行動できる人には不要な本なんだろうね。迷わず、周囲に流されず、日々を楽しく生きましよう。
が「ナイス!」と言っています。
しゅー
★★★ごめんなさい。題名がアレだったんで新刊のときにはスルーしていました。大企業がイノベーションを起こせないのは何故かと言う視点で読むもよし、個人として自分の才能をどう活かして生きていくかを考えるもよしの良書だった。特に後者は「自分のコントロールできないこと=自分の才能」と言う指摘が目からウロコである。最初は天才や凡人と言う言葉使いに違和感を感じていたが、読み進めるうちに「創造性(天才)・再現性(秀才)・共感性(凡人)」は非常に強力なフレームワークであることを理解できた。根回しおじさんになってみようかな。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2019/05/01(2103日経過)
記録初日
2019/04/29(2105日経過)
読んだ本
2045冊(1日平均0.97冊)
読んだページ
727941ページ(1日平均345ページ)
感想・レビュー
2044件(投稿率100.0%)
本棚
20棚
性別
血液型
A型
職業
事務系
現住所
東京都
自己紹介

図書館で借りることが多いので
★★  図書館本で読んで満足
★★★ 買って読んだとしても満足
★★★★再読のために買いたい
って感じの基準です。

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