セカイ系というジャンルに対するそもそもの理解や複数の作品に跨って登場する神道の背景知識が必要であることや、映画で描かれる心象風景に対する考察が鋭く内容が読みづらい。しかし新海誠の作家性を理解するにはうってつけの評論。終章では刊行当時に劇場公開はされていなかったが原案の小説版は発売されていた最新作の「すずめの戸締り」についてもしっかり言及されている。
1ドル300円まで緩やかに円安が進めば2050年ぐらいに日経平均30万円に到達するというエミン氏の主張は相変わらず。急激な円安の対策として日銀が追加利上げに踏み切るかという論点では、実質賃金がプラスになってからハト派からタカ派に変わっていくのではという推察が参考になった。
40年ぶりの世界的インフレで得をするのは「物価と賃金の好循環」の恩恵を得られる勤労者世帯であるが、日本の1/3は無職世帯(年金暮らし)である。年金の「マクロ経済スライド」によって年金受給額の伸びはインフレ率を下回るため、この人たちは円安インフレに不満を持ち政権交代など政治を動かす可能性がある。
令和元年に社会人になりました。
この機能をご利用になるには会員登録(無料)のうえ、ログインする必要があります。
会員登録すると読んだ本の管理や、感想・レビューの投稿などが行なえます