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2024年3月の読書メーターまとめ

鐵太郎
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感想・レビュー
10
ナイス
370ナイス

2024年3月に読んだ本
10

2024年3月のお気に入り登録
2

  • akiakki
  • 金監禾重

2024年3月のお気に入られ登録
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  • akiakki
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2024年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

鐵太郎
教場シリーズの2。「創傷」「心眼」「罰則」「敬慕」「机上」「奉職」の6編の連続短編で「第百期短期課程」の「風間教場」の学生たちを描きます。警察手帳を受け取るところから卒業するまで。育てるためではなく落とすための苛酷な警察学校の描写は変わらないのですが、前巻に比べ少し育てること、有望な学生を引き立てることに力点が移っているような感じで、読みやすいかな。さまざまな学生たちの描写も面白いのですが、風間の横に控える31歳の助教、朝永恩美巡査部長のすんごい手厳しさがなぜか印象に残りましたw
が「ナイス!」と言っています。

2024年3月の感想・レビュー一覧
10

鐵太郎
2002年刊行の、田中芳樹の書く中国歴史短編小説7編と、5編の対談集。短編は「宛城の少女」(西晋の時代)、「匹夫の勇」(隋の時代)、「騎豹女侠」(唐の時代)、「茶王一代記」「張訓出世譚」「潮音」(五代十国の時代)、「風梢将軍」(南宋の時代)。対談の相手は、井上裕美子、鄭問(チェン・ウェン)、土屋文子、岡崎由美、森福都の諸氏。──思うんだ。田中氏は、こういうお話をずっと書いていて欲しかった。政治に絡む発言はやめて欲しかった。岳飛が大好きで三国志苦手でいいからさ、ねえ? あ、8~80歳の子供向け冒険ものもね。
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鐵太郎
ある意味でこれは、「独ソ戦で独軍がこう戦ったとすれば」というシミュレーションであり、破滅は避けられないながら壊滅は防げたのではという思考実験なのでしょう。とはいえこれは、名案を考えて独断専行したもののその実行に苦労する幼女と、そもそも帝国軍という組織の中で十指にも入らない地位であるはずの老人が組織する帝国軍がどう終焉を迎え、その先に何があるのかを期待させる物語。新しい仮想戦記とはこういうものになるのかな。 Dum spiro, spero.──生きているかぎり、希望はある── たしかにそうだね。
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鐵太郎
玉葉后の苦悩と決意がモナカの皮となるのだけど、この巻のアンコは壬氏の苦労かな。後宮を管理する美貌の宦官・壬氏であったころならともかく、いまや皇弟・華瑞月として表に出た以上その出処進退は他に大きな影響を与えます。しかも彼は、宮廷官吏・閣僚としては初心者。さてどうする!? という苦悶の中で変人軍師・羅漢が計画した囲碁勝負が絡み、蝗害も徐々に高まり、次巻からいよいよカタストロフの始まりかな。 っと思ったら、壬氏が最後、とんでもない行動で兄・皇帝に決意を告げます。ここまで思い詰めていたんだねぇ、彼は。
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鐵太郎
教場シリーズの2。「創傷」「心眼」「罰則」「敬慕」「机上」「奉職」の6編の連続短編で「第百期短期課程」の「風間教場」の学生たちを描きます。警察手帳を受け取るところから卒業するまで。育てるためではなく落とすための苛酷な警察学校の描写は変わらないのですが、前巻に比べ少し育てること、有望な学生を引き立てることに力点が移っているような感じで、読みやすいかな。さまざまな学生たちの描写も面白いのですが、風間の横に控える31歳の助教、朝永恩美巡査部長のすんごい手厳しさがなぜか印象に残りましたw
が「ナイス!」と言っています。
鐵太郎
2022年の大河「鎌倉殿の13人」の関連本といえば言えるのですが、しっかりした構想と歴史研究の上に立った新たな歴史評伝です。北条義時と題していますが、保元の乱から語り起こして、武家とはどういうものだったのか、源頼朝が武家政権を作ってそれを最終的に義時がどのように継承して何を作り上げたのかまで描きます。軍事貴族としての朝廷周辺にいた武士と、土地の治安を守り自立する軍事集団であった地方武士の違いや、いわゆる貴族と武家は全体としては対立するものではなかった、など、新たな視点が面白い。
兵士O
2024/03/17 17:00

鐵太郎さん、「鎌倉殿の13人」は今でも印象深い大河ドラマでした。小栗旬の義時良かったなあ、と今でも思い出します。そんなドラマの背景が描かれているのですね。しかし、今は「光る君へ」にぞっこんなので(←飽きっぽく移り気な性格なんです)、また、鎌倉時代の大河が放映された時に読むかもです。紹介ありがとうございます。

鐵太郎
2024/03/17 17:17

兵士O様、どもです。「鎌倉殿の13人」もドラマですので「本当はこうだったけどこう演じることにしよう」「ここはわかっていないからこうだったことにしてみよう」的なところがいろいろあり、それが近来まれに見る上手いお話に仕上がっている感じで素敵でした。この本はそことは少し違った時代背景を新しい解釈で描き出したもので、多角的に楽しめます。こういう歴史ノンフィクションって好きですね。

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鐵太郎
ポテト(牧薩次)とスーパー(可能キリコ)によるミステリシリーズ第三弾。中学・高校と名探偵ぶりを発揮した二人が、次は大学かと思わせて高校三年生の受験地獄の中で起きた殺人事件の捜査に取り組む様子。冒頭の西郊高校校歌のあと「犯人のはしがき」そしてキリコと薩次が交互に書いた事件の様相。なるほど、これは面白い。しかも、けっこう凄惨。あの時代、こういう「青春」を送った若者もいたんだねぇ。トリックのいくつかで突っ込みたいところはあったけど、最後のどんでん返しも含めてお見事。
鐵太郎
2024/03/10 11:11

とはいえ、偶然ながらポテトとスーパーと同じ世代なのでその視点で見ると、あんな考えもあんな生活も全然縁がなかったので、違和感と言うより一種痛快なファンタジーとしてしか受けとめられないのがなんともはや。 高校生の六割だかが酒を飲んでタバコ吸って、何割かがセックスしている、とね。ほう、どの世界なんだ。

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鐵太郎
ローマ帝国を「軍隊の国」としてその方面から描き出した歴史。軍隊がなければ存続し得ない国家であると断じて話を進め、ローマ市民による国民皆兵制度で始まったものが兵の世襲(階層化)や・過度な優遇が進んでいった結果どうなったか、指揮官が元老院階層から騎士階層、そして蛮族出身の「ローマ軍人」に変遷していった様子を示します。国家を守る「辺境防衛軍」主体だったものを、国内の治安や侵入民への対応から手元で動かしやすい「機動軍」主体に変わっていった様子など、面白い視点が目を引きます。
鐵太郎
2024/03/10 10:55

とはいえどうも引っかかるのは、「軍と兵士」を表に出しながら「軍事史」「軍技術史」的な視点があまりないこと。と思ったらあとがきで、軍事史へ重点をおくことへ腰が引けている様子が書かれていて苦笑。「戦争を体験しなかった自分たちは軍事史を本当に理解できない」は、論としてどうなのか。  ──どうも、日本の正統な史学会においては軍事史はいまだに異端視されているから、と読めてしまうのはこちらの偏見でしょうか。(笑)

洋書好きな読書モンガー
2024/03/20 09:44

古代ローマ軍の軍事史、軍技術史なら「古代ローマ 軍団(レギオン)の装備と戦法」(()内は送りがなです)長田龍太著 新紀元社 2019年 はどうでしょうか。

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鐵太郎
ハードカバーで一度読んだのですが放置して挫折したので、文庫で再読です。これは長距離走者だったローマがつかの間師と仰いだ短距離走者のギリシャを、正面切って塩野節で語ってみた労作。歴史の真実ではないけれど、こんな史観も面白いのでは。なんといってもペルシア戦役において、「民主的」なアテネが「独裁的」リーダーの元で、「独裁的」なスパルタが「民主的」な指揮官の命で闘った姿を皮肉に描く塩野節が楽しい。彼女の面白いギリシア民主主義の発展史は、我々になにを物語ってくるのか、楽しみ。今回は全巻じっくり読もうか。
兵士O
2024/03/06 20:28

古代ギリシャ❕ なんて甘美な響き❕ 民主政の始まりの物語、読んでみたいデス!!!

鐵太郎
2024/03/06 20:44

兵士O様、塩野節は人を選びますが、魅入られた人にとってはこれほど面白いものはないです。むろんこれは、「ローマ人の物語」などを含め史実・史料を元にした「物語」であって「正しい史伝」ではありませんので、歴史物語として楽しむべきものなのです。そして、こんな面白い歴史物語は滅多にない、と思っています。(放置しておいて偉そうにw)

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鐵太郎
購入が2023年の9月なのになぜ今「読んだ本」にするのか、というと、手元に置いて何度となく読み返したため。著者は泣く子も黙る(笑)徳仁親王、つまり今上天皇陛下(2024年現在)であります。 世界の水、水運、水路交通、オックスフォードでの研究の様子、テムズ川の水上交通、江戸の水運・上下水道、歴史上の水災害、世界の水問題など、題材がユニーク。殿下の御研究と御講演だからこそ注目される、というところはあるにしても、平易な文章で大事な問題にスポットを当てた、読んでいて楽しい講演集でした。こういう研究も大事ですね。
が「ナイス!」と言っています。
鐵太郎
密室ミステリの巨匠ジョン・ディクスン・カーに献げられたミステリ。《奇想天外の本棚》という叢書の開始という出版上の宣言、H・H・ホームズというペンネームの驚き、などを含め、いろいろな点で挑戦的な作品ですが、なんといっても巨匠カーの「三つの棺」で提示されたさまざまな密室トリックの範疇に入らない新しい密室を提示したことがこの本の眼目か。アメリカ特有のキリスト教系カルトとかカトリックの尼僧の謎の行動とか、宗教絡みの展開が日本人には抵抗あるかもしれないし、ミステリ自体も少し肩透かしなのだけど、なかなか面白かった。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2011/11/19(4543日経過)
記録初日
2004/08/10(7200日経過)
読んだ本
2919冊(1日平均0.41冊)
読んだページ
1000749ページ(1日平均138ページ)
感想・レビュー
2919件(投稿率100.0%)
本棚
36棚
性別
血液型
O型
職業
技術系
現住所
福島県
外部サイト
URL/ブログ
http://tetsutaro.in.coocan.jp/
自己紹介

アマノジャクな乱読家・活字中毒者。
読んだ本の備忘録サイト「愛書家の縁側」主催。
 
2024/1/27より、アイコンをサー・ジョン・フォルスタッフ像に変更。むかし、ハンドルネームを Falstaff にしていたときがあったんですよ。無責任・自堕落・卑怯・大言壮語・「宴会には真っ先に、戦場にはどん尻に」の人。素敵でしょ?w
 
自称「愛書家」ですが、この肩書きはかつて読んだSF短編「愛書家ワーシー・ワーシントン」(だっけ?)から来ています。実はこの人は、本を愛するけれど文盲だったそうな。(爆)
 
守備範囲は、SF、歴史フィクション&ノンフィクション、帆船小説、ミリタリー、それとミステリ少々。
半世紀前より、シャーロッキアン、ランサマイト、そしてヒロミスト。

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