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2023年12月の読書メーターまとめ

amanon
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感想・レビュー
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2023年12月に読んだ本
18

2023年12月のお気に入られ登録
1

  • Piichan

2023年12月にナイスが最も多かった感想・レビュー

amanon
自分はやはりビジネスパーソンには不向きなんだな…と改めて痛感(笑)。本書で言及されている他人を出し抜くとか成功するといった価値観の埒外で生活し、いわゆる古典を含めた本を読むことを無上の楽しみにしている僕のような人間は彼らからしたら真逆の存在に見えるのでは…という気にさえさせられた。だからこそ、本書でファスト教養の担い手として紹介される橋下徹、堀江貴文、ひろゆきなどに言いようのない反感を覚えるのだろうと納得。最終章で著者が提示するポストファスト教養というのは確かに実現困難だが、目指す価値はある気がする。
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2023年12月にナイスが最も多かったつぶやき

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2023年11月の読書メーター 読んだ本の数:17冊 読んだページ数:5866ページ ナイス数:207ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/4147/summary/monthly/2023/11 先月は途中まではいいペースで本が読めたのだけれど、下旬でまさかのコロナ感染。おかげで最後の10日間は殆ど本が読めず。あの調子で読めたら…と思うとなんとも言えない無力感にかられる。

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2023年12月の感想・レビュー一覧
18

amanon
冒頭の「職場の作法」は全く違う職種でありながらも、妙にあるある感を覚える内容で、いみじくもそのタイトル通り、職場ってどこも似たりよったりなのか?と思ってしまった。それのスピンオフ的な内容の「バロリーチェ」はこれまた殆ど興味がないフィギュアスケートがテーマなのだが、それでも読ませるのは、著者ならではの筆致がゆえか。表題作は、百頁程のごく短い作品であるのにも関わらず、読み終えると一抹の疲れを覚える程の濃い内容。豪雨の中、何とか家に帰ろうとする勤人達の姿が何ともリアルで、切ない。サカキのその後が気になる。
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哲学書らしからぬタイトルにやられる(笑)。その内容も、かなり高度なトピックを、軽妙かつユーモラスに語っているので、多少理解の程が怪しくても、つい先を読み進めたくなるというもの。これは、もっと早い時期に読んでおきたかったな…と思うことしきり。また、著者自身が、哲学者の議論について、疑問を呈したり、自分でもよく理解できていないと本音を吐露しているのに好感が持てる。それから、最終章の主題となるウィトゲンシュタインがとりわけ難解だったか。そのウイトゲンシュタインとラッセルとの複雑な関係が今更ながらに気になる。
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タイトルにあるような講義録という体裁はとっていないが、現代言語学のざっくりとした見取り図と言っていいかもしれない。著者自身、後書きで述べているように、言語学と一口に言ってもあまりに多岐に渡っており、言語学者同士でも話が通じないことがある程とのこと。そう考えると、ここまでコンパクトに現代言語学のあらましをわかりやすくまとめたというのは、ある意味驚異かもしれない。個人的にとりわけ驚かされたのは、現代ヘブライ語構築の過程。一旦失われた言語をほぼ一から形作って現代人の使用に耐えるものにしたというのは殆ど驚異。
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初読だけでは未消化感が強かったため再読。改めて強者(≒男性、マジョリティ)の論理に絡め取られがちで、女性、弱者、マイノリティを一方的に劣った者とみなしがちな風潮の根強さ、そして自分自身がその論理とは無関係ではいられないという事実の重たさを痛感。巻末でも示唆されているとおり、ケアの価値がますます等閑にされ、強者の論理が横行しつつある昨今において、著者のようなスタンスをいかに世に知らしめることができるか?非常に難題ではあるが、草の根的に実践していくしかないのか。横臥者の視点、〈多孔的な自己〉は再考の余地あり。
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そこそこ発展はしているようだが、微妙に場末感も漂う商店街。そして一見平穏でいながら、実は色々ときな臭い要素も蠢いている。そこを舞台にそれぞれに訳ありが事情を抱える三人の青年。やはりというべきか、『アンナ・カレーニナ』の有名な冒頭箇所、「幸せな家庭の事情は似たり寄ったりだが…」という言葉が脳裏をよぎる。また、子供は親を選んで生まれることができないというごく当たり前の事実に改めて重たいものを感じた。ごく単純なハッピーエンドとは言えないが、それぞれがそれなりに落ち着くところに落ち着いたその最後に安堵感を覚えた。
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童話風な語り口で語られるが、その内容はかなり重たい。猫をめぐる人間たちの生態は、時にエゴイスティックで、また時にとてつもなく愛おしく、そして目をそむけたくなるほど醜い…最初のエピソードが何とも言えず、心が重たくなる、殆ど救いがないかのようなエンディングだったのだが、最終話で展開される回収エピソードはお見事。また、武田砂鉄が解説で述べているように、自分都合で動物の生き死にを決定してしまう人間の傲慢さを改めて痛感。また同時に、その傲慢さは少なからず自分にも取り付いているという事実も改めて認識させられた。
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本書を登録するまで、既読書と言うことに殆ど気づかなかった(笑)。しかも、その印象は初読のときとほぼ変わらず(苦笑)。やはり、とりわけ興味深く読めたのは、最後の現代詩論というのも同じ。現代詩という一見ニッチなジャンルで創作活動を行なっている人が意外と多いのにちとびっくり。ただ本書が出たのが十数年前なので、また状況は変わっているのだろうけれど。それから、『源氏物語』の文学性を認めながらも、「退屈」と切り捨ててしまっているのには、ちと違和感を覚えたが。確かにそういう側面があるが、それでも十分面白いと思うが。
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タイトルからすると、パワハラ、いじめが横行するブラックな職場での体験を描いたものをつい想像してしまうが、それなりに主人公はそれぞれの職場を楽しんだり、結果を出したりするのだけれど、人からすれば微妙でしかない要素や良きせぬ展開で職を変える。その人からすれば微妙であるはずの要素が妙に納得できてしまうのは、著者の筆致のゆえか。そのユーモラスかつ乾いた文体は結構癖になるかも。また、長年勤めていた職種が、ラストになって明かされるというのも心憎い。個人的には第四話に登場する盛永さんの過去とその後が気になるのだが。
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アイドルグループとどこにでもありそうな商店街の喫茶店…一見、あまり結びつきそうにないものを見事に結びつける。この辺りは本当に上手いなと思う。主人公である佐知子や実花はもちろんのこと、脇を固める登場人物の人物造形も相変わらず巧み。とりわけ芝田のキャラ設定が絶妙。最初、典型的な憎まれキャラだったのが、だんだんと憎めない人物へと変貌をとげるという仕掛けが何とも心憎い。そしてその憎まれキャラ炸裂の場面で、佐知子の義母が放った鉄槌に溜飲が下がった読者は少なくないに違いない。またその義母もかなりいい味だしている。
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改めてドストエフスキーという小説家の奥の深さ…というより得体の知れない不気味さ、麻薬的な中毒性を孕む魅力を痛感した次第。また、本書で列挙される幼児虐待、繰り返されるテロル、数えきれない程の凶悪犯罪や不安に満ちた世相に、今日の日本に近いものを覚えた。そして本書のテーマである〈父殺し〉という概念が、父親だけに留まらず、兄弟間にも及ぶというくだりに、思わず見につまされてしまった。いみじくも終盤で大きくとりあげられる、カラマーゾフ家のイワンと同じく三人兄弟の次男であるだけ尚更…後、『未成年』を読み返したくなった。
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予想外の面白さでほぼ一気に読了。その多くは既知であるドストエフスキーの伝記的事実も、改めて辿り直すことによって、その複雑性と狂気、スキャンダラスなエピソードの数々に今更ながらに驚かされる。個人的に圧巻だったのは有名な賭博狂いのくだり。そうやって破滅と背中合わせの状況で、名作を生み出したと考えると、小説家になんかなるもんじゃないなと痛感させられる。またあまり知られていない、ともすれば失敗作とみなされがちな作品にも光を当て、興味深い側面を解説しているのに好感が持てた。それらの作品、作者が新訳を出してほしい。
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amanon
ようやく最終巻まで読み終えた…しかも、この巻がとりわけ注釈が少なかった気がする(笑)。同時代に生きたロシア作家、また当時のヨーロッパや自国の情勢についての考察など、小説作品からは垣間見ることのできない、作者の視点や思考を知るうえで、このうえもなく貴重な文献なのにもかかわらず、その歴史的背景についての説明があまりに乏しいのは、痛恨の極み。また、最終章では、ロシアとアジアとの関係について考察されており、ロシアの微妙かつ複雑な立ち位置がうかがえるが、詳細な注釈があれば、どれほど魅力的な読み物になりえただろう。
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強者(≒男性)の論理に絡め取られず、虐げられた者、隅に追いやられた者の側に立つ、あるいはその声に耳を傾け、寄り添う…基本的に強者の側にはあまりいないつもりでいるけれど、時として強者の論理を振り翳し、弱い者を蔑ろにしているのでは?いみじくも高齢者施設で介護の仕事をしているがゆえに改めて自戒することに。そして何より、普段何気なく手にしてきた文学作品をケアという視点から読み解くことで、これほどの豊穣な世界観が見えてくるということに驚かされる。それから著者後書きで告発される著者のセクハラ体験が痛ましかった。
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自分はやはりビジネスパーソンには不向きなんだな…と改めて痛感(笑)。本書で言及されている他人を出し抜くとか成功するといった価値観の埒外で生活し、いわゆる古典を含めた本を読むことを無上の楽しみにしている僕のような人間は彼らからしたら真逆の存在に見えるのでは…という気にさえさせられた。だからこそ、本書でファスト教養の担い手として紹介される橋下徹、堀江貴文、ひろゆきなどに言いようのない反感を覚えるのだろうと納得。最終章で著者が提示するポストファスト教養というのは確かに実現困難だが、目指す価値はある気がする。
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なかなか刺激的な内容で、五百頁というかなり大部でありながら、殆ど退屈せずに読了することができた。この手の論集は玉石混交的傾向がありがちなのに、これは結構稀有なことかも。とにかくアダプテーションという概念で古典文学を読み解くという試みが非常に刺激的で、この概念を用いてさらに様々な可能性が期待できる。個人的には、日本以外の国で古典の漫画化が行われているという事実に驚愕。ああいうことは、ほぼ日本のお家芸だと思っていたのに…それとアメリカ人によって日本を舞台にカフカの『審判』が映画化されていたのにも驚かされた。
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amanon
読み進めるのが何とも言えず辛かった…というのが、第一印象(笑)。最初は「さすが里見弴の実兄だけあって端正な文章だな」と惹かれるものがあったのだけれど、主人公葉子がだんたんと周囲から疎んじられるプロセスには、つい頁をめくるのに躊躇してしまうというか。また、愛人倉地との愛憎劇も、あまりに引っ張りすぎの感が。しかもあれだけのすったもんだの連続が、ほんの一年間の間に繰り広げられたという設定にはいささか無理があると思うのは僕だけか?また終盤になると、葉子がひたすら面倒臭い女になっていくのも、目を背けたくなった。
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amanon
オースティンの前六作品を読了後のおさらいとして、本書も再読。著者が鍵概念として提唱する「認知の歪み」がオースティンの作品の登場人物に多大な影響を与えているのを再認識するのと同時に、それは自分自身にも深く関わっていることを自戒した次第。また、ごく狭い社会や人間関係を背景に、豊穣な物語世界を紡ぎ出すことに成功したオースティンの力量に感服すると共に、改めて自分には小説なんか書けないな…と痛感。それに一見、単純なストーリーと平易な文体に思えても、実は様々なしかけや技巧が施されているという指摘にも、驚愕した次第。
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結局、親というのは、何某かの毒親的要素を孕んでしまうものなんか?ついそんなことを思わされた。一見、どこにてもいそうな家庭の中にも、どこか不穏な空気を帯びている…そんなことに気づかされてしまう様々なエピソードについげんなりさせられると共に、ついその先を読みたいという気持ちを抑えきれなかったのも事実。そのあたりの筆の運びは本当に上手いと思う。表題作のスピンオフ的な「サバイブ」は数十頁程の小部な作品だが、表題作に劣らぬ濃厚な出来栄え。とりわけ短い作品の中でもあえて二人の人物の視点から物語が紡がれるのに驚き。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2008/06/26(5838日経過)
記録初日
2008/06/01(5863日経過)
読んだ本
3082冊(1日平均0.53冊)
読んだページ
990023ページ(1日平均168ページ)
感想・レビュー
3030件(投稿率98.3%)
本棚
7棚
性別
血液型
O型
職業
専門職
現住所
京都府
外部サイト
自己紹介

 ハンパ者を自称しつつも、何だかんだと某グループホームにて介護の仕事をこなしつつ、空いた時間を読書に充て、一応悠々自適な日々を過ごしているつもり。
 好きな音楽は、フー、キンクス、ビートルズ、フリー、ルースターズ、村八分、ティラノザウルス・レックス、ザッパなどのロック、マイルス、コルトレーン、ビリー・ホリデイなどのジャズ。後、ゲンズブール、バルバラなどのシャンソンもちょっと囓った。それから一時期はグールドによるバッハ演奏に結構はまってた。
 好きな作家、よく読んでいた作家は、倉橋由美子、高橋たか子、大江健三郎、町田康、中上健次、津島佑子、古井由吉、高橋和巳、島田雅彦、島尾敏雄、安部公房、三島由紀夫、橋本治、村上春樹などの戦後作家。後最近の作家で読んでいるのは、森美登見彦、平野啓一郎、阿部和重、西村賢太、多和田葉子、中村文則、柴崎友香、村田沙耶香など。
 海外の小説家でわりによく読んだのは、ジュリアン・グリーン、セリーヌ、モーリヤック、ヴァージニア・ウルフ、バルザックくらいか。
 小説以外で好きなのは、エックハルト、シモーヌ・ヴェイユ、内田樹、佐藤優、須賀敦子、白洲正子など。

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