読書メーター KADOKAWA Group

2024年6月の読書メーターまとめ

しょう
読んだ本
55
読んだページ
18467ページ
感想・レビュー
55
ナイス
2572ナイス

2024年6月に読んだ本
55

2024年6月のお気に入られ登録
1

  • うたかた

2024年6月にナイスが最も多かった感想・レビュー

しょう
ネタバレシリーズ一作目。大学を卒業して間もない研修医の雨野。医師としてまだまだ未熟であるが故に先輩や上司から叱責される日々。当人も医師としてまだまだと自覚しているが故の悩みや葛藤もあるようで、それでも日々患者のためにと奮闘している、思わず応援したくなる好青年となっている。食強情労働環境はお世辞にもいいとは言えず疲れが取れない中での勤務だが医師の勤務体制のリアルも知れて僥倖だ。本作だけでも大きく成長した雨野の活躍に期待したい。
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2024年6月にナイスが最も多かったつぶやき

しょう

五月のベストは「いくさの底」。今月も上手く読書の時間を捻出したい。 2024年5月の読書メーター 読んだ本の数:54冊 読んだページ数:18659ページ ナイス数:2613ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/481310/summary/monthly/2024/5

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2024年6月の感想・レビュー一覧
55

しょう
ネタバレ刑事のザビーネの母ハンナが誘拐された上に猟奇的な手法により殺害される。何かの見立てと思う程に意味深な殺人現場で謎は深まるが、そんな中父に嫌疑がかかってしまい、拘留されてしまう。優秀だが変人としてお馴染みの分析官スナイデルと共に捜査にあたる。事件を追ううちに本件が童話に見立てられた連続殺人事件である事が分かり少しづつだが進展していく。刑事らしからぬ素行のザビーネと予想通りの変人スナイデルのコンビが徐々に馬が合ってくるのが面白い。この手のタイプの犯人を追うにしてはやや緊張感が欠けていた印象だ。
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しょう
ネタバレ千葉の船橋を舞台にしたどうしようもないチンピラ二人組のどうしようもない日常を描いた六編の連作短編集。有り余ったエネルギーが暴走したかのように、とにかく二人がやる事なすことがあまりにも滅茶苦茶で無軌道だ。登場人物のほとんどがろくでなしのクズなので当然好感を持つことはなく、また酒・暴力・薬・風俗等どこまで行っても品はない。徹底してコミカルに描かれているようでテンポは良く、「どうしようもなさ」を堪能できた。
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しょう
ネタバレ故郷で事故死した父の葬儀に参列する目的でかなり久しぶりに帰ったジャネットとマイケル。葬儀後この村に住むことにした二人だが…という出だし。サイコスリラーとあるが、思ったほどのものでもなく、ホラー色も濃くはない。怪異等も盛り込んでおり、一貫して付き纏う不気味な雰囲気は感じられるが、同時に物足りないとも感じてしまう。つまらないわけではないが「暗い森の少女」と同様に突き抜けた感はなかった。
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しょう
ネタバレリーマンショック直後の金融界、ひいては各銀行のバンカーたちの奮闘ぶりが描かれている。リーマンショックが2008年なので大分昔になってしまった感じだが、本作で語られるとおりに「みんな悪い」状態で銀行はもとより、企業や顧客、自営業まで不況は広まっていった。未曽有の大不況の中で立場は異なれど登場人物それぞれが、死力を尽くして気持ちを強く乗り切っていこうという気概は窺える。それなりに読みごたえはあるが些かエンタメ性に欠け、話を広げ過ぎて少々散らかった感が見られたのは残念。
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しょう
ネタバレミセス・ポリファックス・シリーズ一作目。普段は病院でボランティアをしているどこにでもいそうなおばちゃまのミセス・ポリファックス。それが何を考えてるのか、いきなりCIAに単身乗り込みスパイになる事を希望し、彼女の夢が実現してしまう。かなりエンタメに寄せてくるのかと思いきや、緊迫感のあるシーンも少なくなく、思ったよりちゃんとした作品となっている。ユーモアもあってメリハリが効いている。何よりポリファックスの子供のように好奇心旺盛で天真爛漫なキャラが非常に好感を持てていい。次作にも期待したい。
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しょう
ネタバレ大型ロケット発射場がある多根島を舞台に島の小学校の宇通遊学生として一年を過ごすことになった駆達小学生を始めとする青春ライトSF。島の子供達は明るく実に生き生きとしており眩しいばかり。宇宙に関する造詣もそれなりにあるようでただの憧れでない事が伺える。一方大人達はやはりシリアスな面が多く、立場上やむを得ないとはいえ悩みを抱えている様子でロケット八社に対する想いの違いのようなものも見て取れる。SF度は低めだが気軽に楽しめる。次作にも期待したい。
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しょう
ネタバレ姉ニディアと妹のルシとの延々と続けられる会話。これで姉妹が80過ぎというから驚く。ほぼ全てにおいて二人の会話・手紙のやり取りで構成されており、高齢だからなのか、湿っぽいというか暗くなる話題も少なくはないが、基本的にはたわいもない話がほとんどで、明るく若々しさもあってあまり年連を感じさせない。また会話や手紙から姉妹の性格の違いも見えて興味深い。話そのものはどれをとってもすごく面白いという訳でもないが、とりとめのない話の面白さというのは理解出来る。
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しょう
ネタバレ宇宙連邦加盟国の最有力候補と目されている惑星パトリアだったが、そこに目を付けたのが敵対しているクリンゴン帝国。そこで先に参加に入れられない為にも宇宙連邦に加盟させるためにエンタープライズに搭乗したカーク艦長達は一路惑星パトリアへ向かう。ところがそう簡単な話でもなく惑星パトリアでは内紛が発生しており、否応なしに宇宙連邦の面が巻き込まれていく。ドンパチのシーンはさることながら、サイドストーリーも豊富でかなりエンタメに寄せた感はある。忙しい展開は多いがその分読みごたえもある。
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しょう
ネタバレ既婚者の詩史に恋焦がれている大学生の透。一方由利という恋人がいながらも喜美子年上女性の喜美子に惹かれている耕二。恋愛としては対局の位置にある二人の男だが、決して幸せになれない未来があるという点は共通しているだろう。一言で言えばモテる男二人の不倫話と言った感じで、対する女性陣もほとんどが奔放な性格をしているが男性陣よりも一枚上手である事が良く分かる。「そりゃこうなるわな」といったラストで特に何かを感じることはなかった。
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しょう
ネタバレ高村美羽が誘拐され、誘拐犯から五千万円もの大金を要求される。父の謙二は一縷の希望を持ちあちこちに赴き金策に奔走する。警察も登場し力を尽くすも、事件解決には到底及ばない。関係者が非常に多く、概ね会話中心で話が進んでいくためテンポはよく読みやすい。しかし肝心の仕掛けに関してはお粗末の一言で、この真相に持って行きたいがための構成なのは理解出来るが、誘拐事件に対する家族や警察の対応も結論ありきのようでどう考えても最善を尽くしているとは言い難く作りが粗い。誘拐ものとしては並だが、叙述ものとしてははっきりいまいち。
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しょう
ネタバレ1611年。捕鯨基地がおかれたその年に他の船乗りとの賭けに乗り、結果としてたった一人で北極圏で越冬する事になったトマス・ケイヴ。絶望的な孤独なのもそうだが、時折目にしてきた風光明媚な景色に感ずる余裕すら持てない程の厳しい極寒の中にいるにもかかわらず、トマスはただ一人静かに強く生きていく様は何とも逞しい。徹底して容赦のない自然の驚異について描かれておりリアリティもまずまずだった。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ本作のように知り合った人が病気で…のような展開は昨今非常に多い。しかし本作は病に戦い破れた人を決して特別視する事もなく、良一と徹也、直美との間に生まれた友情が育まれ、本人達なりの青春を送っている様子が描かれており、決して画一的でもない。どことなく後ろ向きで自分の人生に意味を見出せなかっ良一が直美や徹也によって刺激を受けて変容していく様が見て取れる。直美があの世に旅立ったとしても三人の「同盟」が終わる事は決してないと思わせるラストだった。「自殺のことを考えるなんて、贅沢だわ」の一文はあまりに重かった。
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しょう
ネタバレレンズマン・シリーズ二作目。テンポの良さは変わらないままに前作以上の壮大なスケールとなっている本作。ボスコーンの拠点の撃破に成功したのもつかの間、そこから発せられた通信ビームは前人未踏の第二銀河系に向かっており、そこに上位帰還が存在する事が判明し、キニスンはドーントレス号を率いて向かうことに。ボスコーン側が思った以上にあっさりやられてしまい、そういった意味での緊迫感がなかったのはやや残念ではあるが、前作とは異なりキニスンは八面六臂の大活躍。次作にも期待したい。
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しょう
ネタバレシリーズ五作目。元刑事が百舌の手口と思われるやり口で殺され、しばし息をひそめていた百舌がまた現れたのかと、警戒を強める美希と大杉。犯人特定はまだまだ先で殺人事件は収まらずと、やりたい放題の百舌に何とかし一泡吹かせてやろうと奮闘する。政治的な複雑な問題まで絡め、さすがの超大作と言った感じではあるが、気性ゆえか美希が公私ともに不安定で、事実死んでもおかしくない被害を被っているが、危機感があるのかないのか分からない。警察や大杉も手は尽くしただろうが、結局百舌にいいようにやられていたイメージだった。
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しょう
ネタバレ旧友から頼まれコインロッカーの荷物を取りに行ったはいいものの、スーツケースに入っていたのが裸の男児という出だし。男児を守る事を決意し真相を突き止めようと奮闘するニーナ。一方でリトアニアに住むシングルマザーのシギータが交通事故の退院時に息子が誘拐されている子を知り血眼で捜索に当たる。北欧ミステリーには珍しく陰惨な場面があまりないが、社会問題にも触れ闇の部分を見せてくるあたりは北欧らしい。ニーナの過ぎた正義感の強さは共感しかねるが、三人の女性を中心として骨太の物語となっている。→
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ日本橋三越の柱に貼ってあるけろっぴのシールの時点でそこはかとない不穏さが漂ってくる。メンタルが不安定と自覚している小波もある種の狂気に取り憑かれているようで、結果様々な奇行に走ってると感じる。現実を生きているはずの彼女の日常は徹底して非現実的で世界観は曖昧なままでつかみどころも分からない。若干のホラー色も纏わせながらも著者ならではのシュールな世界観を堪能したが、そこへ面白さは感じ取る事は出来なかった。
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しょう
ネタバレシリーズ一作目。とある少女が車の爆弾により殺害されたことから調査に乗りだすハンナ。ほどなく本来の標的は父親である科学者のシェパードだったのではと判明。犯行を行ったとされる団体もあたりをつけたものの、シェパードが命を狙われる理由は判明せず。調査を勧めていくうちにハンナにも魔の手が忍び寄ってくる。探偵の宿命と言うべきが、他作品と同様にご多分に漏れずかなり危険な目に会ってしまうハンナだが「やられたらやり返す」気性なのが清々しくてかっこいい。「マーロウが女になって蘇った」という評価もあながち間違いではなかった。
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しょう
ネタバレ過去に発生した鶴扇閣での殺人事件とタクシー誘拐事件。そして現代を行ったり来たりしながら物語は進行していく。主となるのは過去に起きた二件の事件だが、所々違和感を感じ取る事は出来たものの、関連性が全く想像出来なかった。それぞれの出来事も実際「事件」に発展してからは緊張感が漂い、さらに複雑さを増していく。ミステリーとしてはしっかり王道を歩みながらも叙述や更にキーパーソンにサイコパスを登場させる等著者の「やりたいことを全部やった」感が強い。この内容で爽やかなタイトルにしたのだけが謎だった。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ時は1939年春。オーストリアにある架空の保養地バーデンハイムが舞台。およそ半年後に ナチス・ドイツとスロバキアのポーランド侵攻に端を発してWW2が勃発するわけだが、バーデンハイムでは多少不穏な空気はあるが、そんなのは関係ないとばかりに芸術が盛んで町がにぎわっている様子が伺える。ここに住まうユダヤ人はかなりの能天気であるらしく、ナチスの影が徐々に色濃くなり、町が徐々に作り変えられていっても気にも留めない。ナチスの諸政策は表立っているわけではないが、これがかえって不穏な空気を色濃いものにしている。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ子どものころにいじめを受けていた経験から子供の相手ならと教師となり、中学校へ赴任した英語教師の北薗。過去に別の中学で5人の生徒を殺害したどす黒い噂もあり、加えて常軌を逸した気性から出だし早々受け持ちの生徒に忌み嫌われる当たり「悪の教典」とは異なっている。本作の場合は北薗のみならず母も常軌を逸しており見方によってはこちらの方が危険だろう。陰鬱で多重人格でもあり、犯行をあまり隠蔽する気もないのも中々のサイコっぷりだった。
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しょう
ネタバレマーチ家でメイドをしているジニーは殺人者を名乗る者の日記を発見。マーチ博士の四人のうちの一人である事も明かされ、当該人物が誰かを突き止めるために自身も日記をつけ始める。全編にわたり殺人者とジニーの日記の内容のみで話が進み、訳文も巧だからなのか非常にテンポが良く、緊迫感もそれなりにある。ジニーがアル中であるという事実のせいで日記の内容がしばしば信憑性に欠けるところもあったが、思っていたより斜め上の展開。こうなる展開ならジニーはよく頑張ったと思う。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ表題作を含む5編の短編集。全編にわたってうなぎ一色の作品となっており、著者の強いうなぎ愛が感じられる作品集となっている。基本的にはうなぎが絶滅した後の世界での出来事を描いており、うなぎが絶滅したらどうなるのか?という事を時にはコミカルに、時にはシリアスに描かれておりメリハリがあって良い。江戸時代に赴き平賀源内を訪ねたり、密漁監視のためにうなぎロボが活躍したりと切り口も豊富だ。ちょうどよく真面目でちょうどよく馬鹿馬鹿しいといった趣の良作だった。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレミシシッピの架空の町が舞台。本作ではここに住む黒人一家に襲い掛かるハリケーン・カトリーナの発生する前後を切り取った物語となっている。無論カトリーナの直撃による甚大極まりない被害は筆舌に尽くしがたいものがあり、描写に一切容赦がない。災厄はカトリーナだけでなく、黒人一家の窮乏極まる貧困や、15歳という幼さで望まぬ妊娠をしてしまったエシェの不安や葛藤にまで及んでおり、何もかもが痛々しい。本作から発せられるエネルギーは凄まじいものがあり、残酷さの中にも美しさのある物語だった。
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しょう
ネタバレ50代を前にして妻・息子を相次いで失った庄左衛門。趣味の絵と息子の嫁だった志穂だけが残され、絶望を感じるには十分すぎる悲劇だが、あくまで庄左衛門は己の運命を受け入れ歯を食いしばりながらも淡々と時を過ごす。しかし外の世界は静かに暮らしていた庄左衛門を放っておいてはくれず、望まずして藩の政争に巻き込まれて行ってしまう。大きく起伏のあるストーリーという訳ではないが、庄左衛門の心理描写が非常に巧みでリーダビリティが高い。心に染み入るような良作だった。
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しょう
ネタバレ訪問販売員をしているドリーは訪れた先で出会った「死ぬほどいい女」のモナ。モナのこれまで送ってきた辛い人生に思うところでもあったのか、何とかしてモナを救えないかと動き出す。もともと子悪党・小市民的な人生を送ってきたドリーが鮮やかに人を救うということが出来るはずもなく、特に計画性もないままに殺人を繰り返してはどんどん追い詰められていく様子が見て取れ、分かっていたことなのに面白い。ラストでの歪みっぷりは見もので、ドリーのろくでなしでどうしようもない感じが存分に出ていていい。
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しょう
ネタバレ表題作を含む7編の連作短編集。所謂「日常の謎」を取り扱ったミステリーとなっており、読み進めていくうちにファンタジーの要素が内包されていることにも気づかされる。一編一編がミステリー短編としてはやや小粒なきらいもあるが、まずまずの内容となっており、読みやすくもある。しかしながら良作という程の面白さではなく、エピローグの件は少々驚きはしたものの、繋げ方がやや強引で力技で押し切ったという感じが否めない。キャラにも内容にもパンチがあるわけではないので特徴も薄い。
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ネタバレ肉屋だったジャックによる「海へ散骨してほしい」のいう願いを叶えるべくロンドンの酒場に集まった四人の男。集まった四人の男もそれぞれが複雑な事情を抱えながら生きてきており、未だに解消できないような煩悶を抱えている。友人を失うという現実に直面しつつも、これまで歩んできたままならない人生に思いを馳せながら海へと向かうというのは映画でもよくありそうなシーンで情景が浮かびやすい。
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ネタバレ刑務官の「僕」と未決囚の山井との乾ききったやり取り。自分との共通項を何となく見出す中で、自身は恵子との付き合いや親友の真下の最期、恩師との交流等を通じて著者なりの死生観が考察されている。テーマがテーマなだけに重く暗い描写が大部分を占めており、表紙絵の通りに「雨」の雰囲気がぴったりとマッチしている。まるで無声映画を完勝しているかのような静けさの中での人の心の闇を見た気がした。
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しょう
ネタバレ前作での出来事により体は更にボロボロになり、2年が経過した本作でも体の衰えが著しく、リハビリとは言え歩行器がなければ満足に歩けなくなってしまったバック。そんなバックのもとを訪れたのは元銀行強盗のイライジャ。自分を助けてほしいと懇願するイライジャに勘が働く。そんな二人が現役バリバリだった1965年と2009年を行ったり来たりしながら物語は進行。過去編ではまだ存命だった息子のブライアンも登場し当時から過激だったバックと激突するシーンも見られる。前作と比べるとテキーラの活躍がさほど出なかったのが残念。
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しょう
ネタバレSFと思い手を出したが、他にもミステリーやら医療やらアクションやらで様々なジャンルを内包している本作。主人公の三井は円堂組の殺し屋として「仕事」を行い塀の中に行くも、謎の力により出所し今度は研究施設に赴き仲間を助け出すよう要請される。三井の人物造形があまりにもパーフェクトでカッコいいことはカッコいいが、良くも悪くも殺し屋っぽさを感じさせずキャラがよく分からない。物語においても読みどころはあるがどこに力点を置いて読めばいいのやらでついていけなかった。
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しょう
ネタバレ最後まで名が明かされなかった語り手の「わたし」やシャルル・アンリ等を軸とした苦めの青春小説と言った趣きの本作。語り手の「わたし」もこれまでの人生で色々思うところはあったのかもしれないが、生来の気性ゆえか、階級故なのか、しっかり地に足をつけて歩み続ける周りと比較すると何も得られることのないままに年月が経過してゆく。シャルルと「わたし」とでどうしようもないほどの差が生まれ率直言って残酷だが、重くはなくどこまでも静謐だ。
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しょう
ネタバレ五編の短編集。他界してしまった者の前に現れた「案内人」なる人物は自身が死んだことを知らない者のみに限定し一日だけ現世で会える時間が与えられる。ここで紹介されている者はほとんどが不慮の事故or病気で若くして他界しており確かに強い無念がありそうだ。限られた時間で会いたい人はそれぞれだが、現世に残してきたであろう後悔や無念を少しでも解消して改めて旅立つ様は清々しい。「感動の渦に包まれた」レベルではないが、じんわりと暖かくなる物語だった。ただマンネリ化しそうなテーマなだけに次作を読むかは微妙。
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しょう
ネタバレシリーズ一作目。通商員の試験に合格したデイン。誘く配属された宇宙船は【太陽の女王号】と名前は大仰なものだが、実際は商業活動にかなりの危険が伴う自由業者の船だ。今回は競売で競り落とした惑星に赴く事になる。何においても前途多難そうな出だしではあるが、デインも置かれた状況に腐る事無く職務に邁進し、搭乗した仲間達も優秀な逸材揃いで興味深い。ストーリーの展開は比較的色々な出来事が発生し、程よい緊迫感もあって読みごたえがある。次作にも期待したい。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ昭和60年代のススキノを舞台に、キャバレーの黒服をしている黒頭を主人公とした5編の短編集。バブル景気全盛とあってススキノ中お祭り騒ぎのような雰囲気を感じる。こんな狂乱の時代だからこそ暗躍する人間もおり、あまり汁を吸い尽くす人と吸い尽くされる人とで分かれていく。物語の質そのものは前作と同様で、短編ごとに物語はあるが、メインとしては黒頭を始めとした登場人物が織り成す群像劇という感じがする。相変わらず渋い内容だった。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレシリーズ一作目。雲が好きということ以外はごく普通の少年でしかなかったダレンだったが、ひょんな事から手に入れたサーカスのチケットを手にサーカスを見に行き、そこで偶然目にした団員のクレプスリーが操る蜘蛛を盗み出してしまったことから運命は急転する。この蜘蛛に噛まれた友人のスティーブを救うためにやむを得ず半バンパイアとなる。友人のためにバンパイアとなったのは凄い決断力だが、両親の気持ちを思うとやりきれない面もある。今の所ダレン自身に好感は持ててないが、物語の序幕としてはまずまず。次作にも期待したい。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレシリーズ一作目。大学を卒業して間もない研修医の雨野。医師としてまだまだ未熟であるが故に先輩や上司から叱責される日々。当人も医師としてまだまだと自覚しているが故の悩みや葛藤もあるようで、それでも日々患者のためにと奮闘している、思わず応援したくなる好青年となっている。食強情労働環境はお世辞にもいいとは言えず疲れが取れない中での勤務だが医師の勤務体制のリアルも知れて僥倖だ。本作だけでも大きく成長した雨野の活躍に期待したい。
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ネタバレ無実を訴え続けたにもかかわらず、幼馴染のアリソンらを殺した罪で16年もの間刑務所暮らしを余儀なくされ仮出所したビル。彼の目的は自信を罠に嵌め、殺人事件を犯した真犯人を探す事。幸いに女性記者のジャンの助力を得たビルは真相解明に動き出すが、ここへ来て次々と新たな真実、疑惑の数々が浮かび上がっていく。復讐譚とばかり思っていたが、己を見失わずに淡々と歩み続ける様は中々の強メンタルと言える。ジャンがビルにここまで協力的だった理由の謎はさて置いて高クオリティーの正統派ミステリだった。
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しょう
ネタバレ武本&潮崎シリーズ一作目。武骨・不器用な印象の強い武本と、いいとこのお坊ちゃんでありながら良くも悪くも軽いキャラの潮崎がコンビを組んで、殺人犯の林を追いかけていく。潮崎のキャラで多少薄まってはいるが、全体を通しては硬質な文体でいい意味での堅苦しさは感じられる。殺人に絡んで密造拳銃のルート等中国の犯罪組織も大きく関与しており物語としてのスケールは大きい。ラストはすっきり解決とまではいかず、ややもやもやするが一応は収まった印象。武本・潮崎のコンビと宮田の三人が今後どうなるのか気になる。
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しょう
ネタバレ史実をもとにしたフィクションと思っていたが、どうやらそうではないらしく完全なフィクション。本作はタイトル通りに冬の王と称されたヘンリー七世の後半生について極めて詳細に綴っており、本作そのものが歴史書としても活用出来そう。テューダー朝の創設者として長年王の座に君臨し、政治的には名君とみることも出来そうだが、一方で厳しい財政を課し、裕福層には罪を着せたうえで罰金を科すなどの鬼畜行為もあったので何とも言えないところだ。
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しょう
ネタバレとある映画のの撮影に絡んで連続殺人事件が発生。いずれも残虐かつ猟奇的に殺されており、被害者の一人が「オニ」という意味深なメッセージを残していたことからひとり撮影所周辺を調べることになったカメラマンの主人公。読み進める度にスプラッター系かと思う程には残虐なシーンが多くやや戸惑う。救いも何もあったものではない展開はホラーでは割と好きな部類ではあるが、如何せん中編レベルの長さなので駆け足なのが惜しいところだ。
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ネタバレシリーズ三作目は前作から16年後の世界。主人公はトムとへスターの娘であるレン。やはり両親の地には逆らえないのか、平穏に暮らしていた日常に物足りなさを感じていたところ、ロストボーイ甘言に惑わされたのかアンカレッジの図書館から本を持ち出してしまった挙句攫われてしまう。やはりこの家族には平穏はあまり縁が無い様でトムとへスターは娘の救出に奔走する。また16年の年月は二人の間にささやかな溝が生まれ、読んでいてひやひやさせられる。相変わらず忙しいストーリー展開だがまずまず面白かった。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレシリーズ最終作。全国各地で発生した四件の未解決事件を蜜柑が解決しなければ人質を殺すと脅されている少女が事務所を訪問。限られた期限と移動手段で回りながらスピーディーな事件解決を目指す。事件そのものはそれぞれがどくりつしたものとなっておりさながら連作短編集のような趣があるが、謎そのもののクオリティは並ではあるものの、これまでのシリーズではあまり感じなかった緊迫感も備わっておりテンポは非常に良かった。個人的には三部作では一番面白かった。
が「ナイス!」と言っています。
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ネタバレ強制的にコーカサス地方へと送られた双子の兄弟のサーシカとコーリカ。そこでの暮らしは窮乏を極めており、ろくに食料を入手する事すら叶わず、食べて生きるために何でもするという通常子供では持ち得ぬ生きる事への強い精神力が垣間見れる。飢餓の描写がここまで苛烈なものは記憶になく、理不尽に悲惨な目に遭っていることがわかる。こんな状況下においてもまっすぐと生きているというのが救いと言えば救いだ。読み進めるにつれ愕然とさせられるばかりの辛い内容だった。
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ネタバレ東京で美大に通う学生のシンが将来への漠とした不安を抱え、新潟の故郷へ。故郷はシンを暖かく迎え入れてくれるが、シンの育った家庭環境は少々複雑で不安定。それでも家庭内では比較的平穏な状態が保たれているのは母の気性ゆえの事か。構成は比較的シンプルではあるだろうが、砂が流れるがの如くさざ波も立たず静かに物語が進行していくので筋がやや追いにくい。情景に関しても風光明媚な感じは見受けられずモノクロの印象が強い。どう評していいか分からない不思議な作品だった。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレウォーショースキーシリーズ四作目。産気づいた女が駆け込んだ先の病院で赤子と共に命を落とす事件が発生、続けて友人の女医であるロティの代理診察の医師の撲殺事件・ロティの診療所が中絶を反対するデモ隊に襲われるという序盤から忙しい展開。医療ミスの可能性も考えられる中、調査に乗り出すヴィクだったが、妊婦を死亡させた病院側の弁護士としてまさかの元夫のリチャードが登場し面倒な展開になりそうな予感。今回のヴィクの危険で派手な活躍が見られるほか、新しく隣人となったコントレーラスがいい味を出している。次作にも期待したい。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ表題作を含む14編の短編集。まず表題のタイトルの突飛さに驚くが、内容も負けてはおらずよく分からない方向に突き抜けている著者の世界観に引っ張りこまれた感覚を味わう。他の短編にしても同様。「もし…なら」のようなテーマの作品が多く、誰もが見聞きしたであろう世界から一歩ズレた特異な世界が逞しい想像力で描かれており、センスを感じさせる。長編でも短編でもぶっ飛んだ世界観を披露して尚且つ面白いというのは凄い。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ表題作を含む6編を収録。【メモリー・ウォール】を始めとしていずれの短編も記憶をテーマとしており、短編ごとにそれぞれ異なった切り口で深く考察されており、著者の想像力の豊かさに驚かされる。語りは一貫して色彩に乏しくモノトーンのような雰囲気で冷たさすら感じるが、故に虚飾を排し無駄はなく、何にも忖度のない独特の世界観が構築されている。一番面白かったのはやはり表題作の「メモリー・ウォール」。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレシリーズ3作目。前作で危機が迫っていた織江は静山の飼い犬に救われる。相変わらず彦馬と織江がニアミスしている状態だが、織江がじっと見守っているのに対して彦馬は織江を日夜想いながらも、気付く様子がない模様で何ともじれったい。彦馬は織江探しだけでなく、寺子屋の仕事や街中で発生する出来事の解決に尽力したりと忙しい毎日。一方織江は静山宅にて密貿易に関する重要な証拠を入手。次回以降大きく物語が動きそうな予感がする。次作にも期待したい。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレバイオ兵器が暴走した結果、致死的病原体が世界中に広まってしまい人類絶滅が目前に迫る中で、当該病原体に免疫・耐性を持つ子が【マザー】と呼ばれるロボットが生育を担うことに。ロボットに育てられてと思えない程にしっかり人間として成長した子供達が描かれる。一方ではかろうじて生きのびている科学者達が人類滅亡を防ぐための様々な案を模索し、葛藤しており読みごたえはそれなりにある。終末SFとしては中々のものだった。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレとあるタワーマンションで立て続けに二人の女性の殺人事件が発生し、うち一人は子宮が抉り取られていた。当該事件をまだ新人ライターの野江が追う。容疑者と目される山口は冤罪を主張する中で野江は山口の発言を支持し、自身が当該事件について取材した事件の経緯について雑誌で連載する事に。事件の裏に潜んでいたのは恨み妬み等のどす黒く渦巻く環状が眠っており、亡くなった二人の女性の過去もそれぞれがかなり過酷だ。イヤミスにカテゴライズされているらしいが、読後感はそこまで悪くはなかった。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ時は第二次世界大戦後のドイツ。未だ戦争の爪痕が色濃く残る中で、敗戦国となったドイツ・ハンブルグにやってきたレイチェル。夫のモーガンは英国軍人でハンブルグを復興させる目的で赴任しており、日々対応に追われていた。二人の住まいは現地民の邸宅を提供されており、これだけでも当時のドイツ国民の過酷極まる現実が垣間見える。ここに敗戦国のドイツと自国の国家基盤も危うい中でドイツ復興へと力を尽くす英国との様々な思いが交錯している。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ癌の為、僅か43歳の若さで他界したナスミ。しかし生前のナスミが周囲に及ぼした影響は決して小さいものではなかったらしく、本作ではナスミの死後、関わりのあった大勢の登場人物の語りからナスミの人となりが明らかになっていく。生前のナスミは明朗快活で裏表のない好人物である事が伺える。各章で語られるエピソードは大体が素朴なもので取り立てて凄いものではないが、それらの語りや優しさや暖かさで溢れている。ストーリーや構成に目新しさはなかったがまずまずだった。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレシリーズ1位作目。ニューヨークで近々大規模な犯罪が発生するらしいとの情報を得たカウフマン警視。不確定な情報ではあるものの警察として看過は出来ず、【パンドラの匣】という名称の作戦が立てられた。加えて厳重な警戒体制にもかかわらず、メトロポリタンの名画が数点盗まれるという事件が発生し、一泡付加された形の警察は威信を駆けて戦う。カウフマン自体漫画のキャラクターかと思う程にスペックが高く、良くも悪くもB級エンタメの趣きを感じる。率直言っていけ好かないキャラだが、ストーリーそのものはテンポも速くスリルもあって面白い。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ裏表紙の説明文からして非常に難解で、著者ならではの発想で思いついたであろうガジェットをあれやこれやと詰め込んだ難解な意欲作であるという事は推察出来るが、本文の方は遥かに難解で話の本筋を追うのがやっとで、少なくとも「分かりやすさ」がどこか遠くに投げ捨てられたことは分かる。「訳が分からないけど凄いのだろう」という感想しか思い浮かばない。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ本業にも恋愛にも行き詰った40歳のファウストはミラノからフォンターナ・フレッダへ移住し、そこで知り合ったシルヴィアやバベット、サントルソとの交流を深めていく。表紙からも推察されるように厳しくも美しく、すべてを圧倒しそうな程に荘厳な情景描写が目を引く。一貫して鉤括弧の存在しない会話文は無駄のない透徹された印象を受ける。人物描写はやや浅めではあるものの、前述したような情景描写当人それぞれに生きていく上での力強さを付与しているようだ。美しくもそこはかとなく寂寥感漂う不思議な作品だった。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2014/07/17(3788日経過)
記録初日
2014/07/06(3799日経過)
読んだ本
3639冊(1日平均0.96冊)
読んだページ
1295414ページ(1日平均340ページ)
感想・レビュー
3609件(投稿率99.2%)
本棚
32棚
性別
現住所
埼玉県
自己紹介

身内に勧められて読書を始めました。主に図書館でタイトルを見て第一感面白そうと思った本を中心に借りて読んでいます。その為乱読ですが、食わず嫌いはせずに様々なジャンルの本を読みたいと思っています。

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