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2024年10月の読書メーターまとめ

しょう
読んだ本
52
読んだページ
17866ページ
感想・レビュー
50
ナイス
2393ナイス

2024年10月に読んだ本
52

2024年10月のお気に入り登録
5

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2024年10月のお気に入られ登録
3

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2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

しょう
ネタバレシリーズ一作目。アルバイト→正社員→副店長とかなり苦労してきた様子の理子。書店の経営がどこも厳しくなっていく中でも奮闘していたが、部下である亜紀とはどうにも反りが合わず加えて意図していないところですれ違いも生じてしまい関係は悪化してしまう。亜紀の結婚式から始まりシリーズ一作目にしてはかなり起伏に富んだ賑やかな内容で読んでいて飽きないがやや忙しない。店長に昇進しても気苦労は絶えず店舗の閉店も決定してしまう。この一大事に不協和音が生じていた店の面々が協力して店を盛り立てたのはありがちだが面白い。
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2024年10月にナイスが最も多かったつぶやき

しょう

9月のベストはなし。今月は10/10(木)のノーベル文学賞が楽しみ。 2024年9月の読書メーター 読んだ本の数:54冊 読んだページ数:18154ページ ナイス数:2327ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/481310/summary/monthly/2024/9

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2024年10月の感想・レビュー一覧
50

しょう
ネタバレとうとう酒断ちを敢行し、ホテルから病院へとアル中の治療をする日々を送るスカダー。そんな中ウォーレンからニューヨークへ行った女優志望の娘ポーラの捜索依頼を受ける。これまでのシリーズではしばしば見えていた諦観のようなものは大分薄れ、真面目とはいかないまでも酒断ちの苦痛に耐えつつも自己と向き合っていく。捜索依頼と並行してAAで知り合ったエディの死亡の真相を探る。酒の誘惑に耐えつつも薄汚れた街を駆けずり回るスカダーの新たな一面を見た気がした。
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しょう
ネタバレ百合+近未来SF。AIの発達により著しい進化を遂げた人間社会。一方では本来の人間の仕事が奪われ、これをよしとしない一部の人類が「反機械運動」に参加する事になったちょっとしたディストピア。そんな中暴動の首謀者との関係を疑われていた千鶴が機会と共に海へ身を投げる。ここから遡って千鶴が悠で出会ってからの物語が始まる。二人の行く先は容易に想像できるが、徐々に変わっていってしまう悠を思うと何とも切ない。
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しょう
ネタバレまで性的に奔放ではなかった頃のロンドン。結婚式を終え新婚旅行でホテルにチェックインしたエドワードとフローレンス夫妻の新婚初夜の様子が繊細かつ赤裸々に描かれている。そもそも新婚なのでお互いを想い、愛し合っているのは事実だが、いざ行為の段になってみると二人との間で認識の違いから気持ちにずれが生じてしまう。失敗を懸念するエドワードに対して性的な事に嫌悪感を抱くフローレンスがエドワードに打ち明けられていたら、と思うとやるせない。他作品なら数行で通り過ぎるような出来事をメインテーマに持ってくるあたり流石と言える。
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しょう
ネタバレメインとしては年頃の高校生の青春小説だろうが、本作を構成する要素としてジェンダー・尊厳死・薬物等、様々な社会問題を内包している読みごたえのある内容となっている。光秀と恵理のようにこれまでほぼほぼ接点がなかった二人がちいさなきっかけで心身ともに結ばれるのも雑さはあるものの、リアリティがあって良い。双方共に幼き身で抱えるには重すぎる悩みがあり、それによって生じた一種のエネルギーをぶつける相手が他にいなかったと考えると腑に落ちる。危うさのある恋愛で完全に受け入れることは出来なかったが、まずまず面白かった。
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しょう
ネタバレ刑事オリヴァー&ピア・シリーズ五作目。風力発電施設建設会社で夜警が死体で発見され、防犯カメラには不審者の他に社長が写っている事が判明。加えて社長室の机にハムスターの死骸まで発見され、謎が深まっていく。今回は風力発電の利権を巡り反対派との市民団体との軋轢をメインとしながらも双方ともにやんごとなき事情を抱えている。捜査を担当するオリヴァーも私生活で相変わら大変な目にあっており、とことん落ちていっているように見える。一方でピアはしっかり活躍し、存在感を見せていた。
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しょう
ネタバレシリーズ四作目。第三勢力のフェザーン高官と密約を交わしていたラインハルトはごたごたをも利用し、同盟への大侵攻を画策する。一方でラインハルトの目論見を見抜きながらも、イゼルローン防衛のために最善手を打てないでいるヤン。そこへロイエンタールを迎え撃つことになってしまい、読んでる限りでは帝国側がかなり優位を築いていると感じる。政治面においても同盟<帝国なのは明らかであり、ヤン安穏の日々は訪れない。次作にも期待したい。
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しょう
ネタバレシリーズ二作目。シリは自身が持つ力の使い方を学ぶべく魔法学校がある島へ。さっと魔法学校に入る訳もなく、道中で起きるトラブルの数々。シリ自身にもいくばくかの原因はあるだろうが、流石にかわいそうに思ってしまう。しかも訪れる予定の島は今後の世界の運命が決まる集会が始まろうとしており、とてつもなく大きい陰謀の予感がする。国同士の関係性が少々分かり難いが、前作を超えるスケールで非常に面白かった。
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しょう
ネタバレ沖縄を舞台とした三編を収録。過去と現代とを行ったり来たりしながら、亡霊まで登場させて戦争が遺した爪痕を容赦なく描写しているあたりどこか「マジックリアリズム」っぽさも感じる。しかし悲惨な物語に終始しているわけではなく、滑稽さ・コミカルなシーンもそっと配置されており不思議な感覚。戦争は死んでも生き残っても地獄という事実を著者なりの切り口で描かれている。
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しょう
ネタバレ三代倒叙ミステリーの一つ。口うるさい叔母が自身を徹底的に管理し、お金も自由に使う事も出来ないエドワード。田舎暮らしに嫌気がさしていることもあって、どうにかして自由になるために伯母の殺害を計画する。しかしエドワードの「計画」とやらは名前だけで杜撰な点も少なくなく、伯母には通用せずことごとく失敗に終わってしまう。なんと言ってもエドワードの言い分も理解出来ないでもないが、エドワード本人にも原因があると見え、あまり教官は出来ない。終盤で伯母も好人物ではなかったので人物描写に目をつぶれば良作。
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しょう
ネタバレかつて薬物中毒者に襲われたことからマトリを目指し、念願かなって麻薬取締官となった美月。しかし向いているかは疑問で正義感は強いものの空回りしている印象だ。家族に目を向けてみれば姉とは良好なものの、両親とは冷たい関係となっている。また薬物使用者視点も有り、決して長くないストーリーに様々な要素を盛り込んでいる。しかし早々に退場した美月よりも一般人であるはずの姉の日向が活躍したり、犯人像の推測が容易だったりと、細部に粗が目立つ。やりようによってはもっと面白くなったはずの作品だった。
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しょう
ネタバレ時は1950年代のロンドン。通いの家政婦をしているアラ還のハリスおばさんがある日衣装戸棚でクリスチャンディオールのドレスを発見。これまでオシャレには無頓着だったハリスだが、このドレスに心を奪われたのをきっかけに倹約生活に突入。ドレスのために猪突猛進の生活を送っているのが何とも健気で面白い。全体として悪くはないが、「ハリスおばさん~」から始まる文が以上に多く、軽快な内容であるはずなのにテンポが悪い。この点でやや残念だった。
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しょう
ネタバレ表題作を含む7編のホラー短編集。直球のホラー作品はなく、むしろ要素は薄めでファンタジーとも取れるような作品もある。「怖さ」というものはほぼほぼなく、どことなく「不気味」「妖しさ」を感じさせる内容が多く、じめっとしてはいるものの読後感は決して悪くはなく、むしろ魅力的ですらある。こういった怪奇物も悪くはない。
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しょう
ネタバレモニターと称する異星人がアメリカをあっという間に占領し、支配してしまう。一応侵略SFの部類の入るが、本作の侵略者たるモニターは特に屈服、隷従させる目的はなくただただ親切心でしっかり管理するという一風変わった内容となっている。特段悪意もないのだが、モニターの支配をよしとしない国民からは抵抗されているのを見るとモニター側が不憫で応援したくなってしまう。設定は若干荒いが、それを差し引いても読む価値はあった。
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しょう
ネタバレ二編を収録。「嫉妬」は何となく付き合っていた男性から新しい彼女が出来、一緒に住むことを告げられた主人公が嫉妬心から新しい彼女についてどんな人物なのかをありとあらゆる手を使って執拗に追いかける内容で負の感情の奔流を目の当たりにした。「事件」は中絶が違法だった時代においてそうしてでも学生としての本分を果たしたいと切望する女子大生の苦悩と葛藤が描かれており、テーマとしては「嫉妬」より大分重く考えさせられる内容だった。
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しょう
ネタバレシリーズ一作目。界隈では評判の居酒屋を経営するお夏。時折毒を吐きくそ婆ぁと罵られる事もしょっちゅうなパンチのきいたキャラとなっている。居酒屋に集う客とのやり取りがメインの人情噺と思いきや、仕置人よろしく、しっかり悪を成敗している。お夏の「もう一つの顔」も違った意味で魅力的なものとなっている。料理人として働いている清次も含めてまだまだなぞも多く底がしれない。居酒屋にやってくる客とお夏の毒を含んだ軽快なやり取りが小気味いい。次作にも期待したい。
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しょう
ネタバレハリケーンによる甚大な被害が今なお爪痕を残すニューオーリンズで失踪した検事の捜索依頼を受ける。傷ついているのは都市だけではなく探偵のクレアにしても同様。また町の人々も荒廃が進んでいることに加え、元々悪い治安が重なってしまい誰も彼もが傷つき、壊れてしまっている。物語そのものが荒れ果てている印象で終始痛々しい印象を受ける。クレアも体にムチ打ち気丈に振る舞いながらも探偵としての責務を果たそうと奮闘する。これまでにない女探偵像だったのでとても新鮮だった。
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しょう
ネタバレある日人間と同等の質感をアンドロイドで実現可能なのかと考えた一樹と一樹が所属するアマノ技研の代表・天野による一大プロジェクト「セクサロイド」の開発。ほぼほぼ男の欲望に忠実なプロジェクトではあるが、アンドロイドが世に出て久しい現代では色々問題ありそう。しかし作中ではこの手の非難を回避すべく、開発者達が様々な知恵を振り絞っているあたりプロジェクトX的な読みごたえはある。
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しょう
ネタバレ時はイスラエル建国直前。イギリス委任統プロフィ治が終焉を迎えようとしている中での12歳の少年プロフィの心理を描いている。「自分たちの国」に対する想いは強く持ち続けている一方で本来は敵であるはずのイギリス人と親からの言いつけを破り交流したが故に、友人知人からは裏切り者とののしられる。このあたりの描写はことのほかあっさりしていたが建国を前に早くも子供ではいられなくなったプロフィの心の揺れは絶妙だった。
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しょう
ネタバレ投資ファンド社長の相馬による企業買収計画に外資の証券会社で働く美潮が首を突っ込んでいくというのがメインのお話。「ハゲタカ」の鷲津のような活躍っぷりを相馬に期待していたが、結果的には全く逆のキャラ造形となっており、この点では少々不満が残る。企業買収の内情については「ハゲタカ」と同等の分かりやすさだっただけになおの事残念に感じる。父三枝と美潮の関係に関しては、キャラの深掘りが甘いため美潮の心情の変化も薄く感じてしまう。この手の作品を読むたびに「ハゲタカ」のクオリティの高さを感じる。
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しょう
ネタバレシリーズ二作目。グヴェンのいとこのマシスンから自身が仕えているエリザベス王女が思いを寄せているフィリップ王子についてその母親のスキャンダルを思わせる脅迫状が届いたことによる調査の依頼を受ける。ロイヤルファミリーも絡んでくるとはかなり壮大な感じではあるが、前作と同様しっかりコメディーをやっている。イギリス発の小説にしてはウィットに富んだ会話も分かりやすくて面白い。アイリスとグヴェンのコンビも健在で脇役も個性的で魅力的なキャラが沢山。次作にも期待したい。
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しょう
ネタバレJFRのサッカークラブで用具係を務めている坂上。クラブ内でのありとあらゆる雑用に追われる中でも関係なく発生する奇妙な出来事や謎を解き明かしていく短編集。坂上のキャラが小市民然としていて応援したくなるような純情さは感じるものの、どこか不器用で生きにくそうな気性のようにも見え、不憫キャラといえばいいのだろうか。つまるところあまり濃いキャラではないが、撫子を始めとして周りの人物が個性的なのでちょうどよく面白い。また聞き慣れないホペイロについて知る事も出来たのでよかった。
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しょう
ネタバレ【ガーディアン必読小説381冊目読了】時は1980年代のイギリスを舞台とした中学生のエイドリアンが綴った日記。年頃の中学生男子にしてはあまりひねたところもなく。比較的まっすぐに日々を送っているという印象だ。家庭環境が複雑すぎる上に学校でもカツアゲにあう等気の滅入る出来事ばかりだが、決してへこたれない強さも垣間見える。ガーディアンが選出した理由は全く分からないが、年頃の少年の赤裸々な独白はまずまず面白かった。
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しょう
ネタバレ25年ぶりに思いがけず出会った刀鍛冶の娘の知桐と制作プロダクション社長の郷。再び巡り合った二人が逢瀬を重ねるようになるまでそう時間はかからず、二人だけの世界が本作全体を覆うように展開されていく。二人の周辺情報はほとんど出さずに、その代わり中年男女ならではの性愛模様が描写されており、本能の赴くままに、といった感じである。中年同士の純愛作品はあまり読んだことはなかったが、これはこれでいい。
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しょう
ネタバレピルの副作用に苦しむウェルガを救おうと悪戦苦闘していた段階で、業界の闇に気付き、仲間と共に調査をすることに。一方でマシンフッドが宣言していた通りに地球のインフラの破壊に半ば成功した世界でもウェルガは不調の身体に鞭を打ちながらも正体を突き止めるべく奮闘する。【上】の華々しい展開からはうって変わって社会派っぽい内容に寄ってきており、これはこれで読みごたえはある。
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しょう
ネタバレ人間がAIに仕事を奪われてしまった結果、仕事が高度か、安価の仕事かに二極化した21世紀末。民間人を警護する仕事に従事しているウェルガはある日自信のクライアントが殺害される。主犯と思しき者は自身をマシンフッドと名乗りピル服用の権利停止を要求。かなり盛りだくさんな内容だが、しっかり構成されているのが好感触。また他のディストピアSFでも見られた監視社会が展開されているが、本作では他と異なり前向きにメリットがあるものとして受け入れられているのが斬新だ。以下【下】へ。
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しょう
ネタバレ25年も前に別れた元恋人の奈津子から自分には息子がいて、現在渋滞である事を知らされる羽嶋。既に妻子ある身の羽嶋にとっては寝耳に水だが、あったこともない息子の存在に思いを馳せる中。息子は他界。息子の足跡を辿るうちに自身も不穏な陰謀に巻き込まれていく。父子の絆を描いた作品は数多いが、本作はそれらとは一線を画すもので、会ったこともない者同士の想いが巧みに表現されている。一方で群像劇でもありながら人物描写はやや浅めでこの点が非常に残念だった。
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しょう
ネタバレナチス下のレニングラードで暮らしていた当時17歳だったレフは軍の大佐から娘の結婚式で使う卵1ダースの調達を命じられる。相棒のコーリャと共に卵の調達に走るが、戦時中で飢餓死もある中での貴重品だった卵の調達は困難を極める。戦時中の過酷な環境下であるにもかかわらずレフとコーリャのやり取りはまんまエンタメ的でレニングラードの苛烈な環境から遠ざかっていくようだ。戦時下の悲惨な状況を容赦なく描写しながらも二人の道中のやり取りは軽妙と不思議な世界観を堪能した。
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しょう
ネタバレシリーズ一作目。アルバイト→正社員→副店長とかなり苦労してきた様子の理子。書店の経営がどこも厳しくなっていく中でも奮闘していたが、部下である亜紀とはどうにも反りが合わず加えて意図していないところですれ違いも生じてしまい関係は悪化してしまう。亜紀の結婚式から始まりシリーズ一作目にしてはかなり起伏に富んだ賑やかな内容で読んでいて飽きないがやや忙しない。店長に昇進しても気苦労は絶えず店舗の閉店も決定してしまう。この一大事に不協和音が生じていた店の面々が協力して店を盛り立てたのはありがちだが面白い。
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しょう
ネタバレシリーズ三作目。敵艦隊を撃破したは良いものの、その間地球は異星人の猛攻を受け荒廃した星となってしまった。太陽系の危機を感じた政府は異星人との和平交渉の為に異星人宙域へ特使を向かわせる。一方で戦争反対派の異星人に救助されたヘンリーは人類とのコミュニケーションを異星人に提案。内政的な部分が少なくはなくやや冗長で、地球最大の危機に対しての緊迫感もあまりないのは残念なところ。作品全体を通してみると読みごたえはそれなりだったのでスペースオペラとしては及第点だろう。
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しょう
ネタバレみどりを主人公とした五編の短編集。殺人事件が発生しないタイプのミステリーではあるが、内容は比較的シビアなもので本格ミステリーと遜色がない。父が探偵事務所を営んでいることからクラスメイトに依頼を持ち掛けられたのをきっかけとして探偵となり舞い込んだ疑問や謎に挑んでいく。誰にも忖度せず肩入れする事もなく、みどりが純粋に疑問を疑問として解決していく様はスマートで清々しいものがあり、やや人間味に欠けるきらいはあるがそれを差し引いても魅力的なキャラとなっている。一番良かったのは「解錠の音が」。
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しょう
ネタバレ十六編の短編集。1930年代の大不況時代が舞台であるためか、物語の雰囲気は一貫して薄暗い。この不安定で未来が見えない時代にあって様々な登場人物のそれぞれの日常が綴られていく。また後半の話は戦争が勃発したためかより重苦しい雰囲気となっている。時代が時代なだけに苦くて暗い物語が多数を占めるが、その分リアリティがあり味わい深い作品群となっている。
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しょう
ネタバレ各地で突然の失血死が相次いで発生。原因と思しき疾患も認められなかったものの、脳細胞の異常な繁殖が認められる。しかしこれも原因不明で謎は深まるばかり。典型的なバイオホラーではあるが、ホラーならではの恐怖や不気味な描写、作品としてのリーダビリティやテンポ等何もかもが期待していた水準を下回っており外連味もない分これといった特徴もない。裏表紙の惹句は完全に言い過ぎな気がした。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ大学の図書館で学生の死体が発見され、学寮長がカレッジナースのイモージュンへ。これを受けて足を使って関係者と思しき人物に話を聞きつつ、真相に迫る。きちんとしたミステリーではあるが、最早昔となってしまった90年代のイギリスの雰囲気も堪能出来る。好人物ではあるものの些か個性が薄いイモージュンだが、好感はもてる。サイドストーリーもまずまずでイモージュンがしっかりナースのお仕事をこなしているのもいい。事件はいけ好かなかったが、まずまずの面白さだった。次作にも期待したい。
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しょう
ネタバレシリーズ8作目。神奈川県警刑事部長に着任した竜崎だったが、間もなくして管轄境で他殺体が発見。身元が中国人であったことか今回は公安も関与し出す。一方で妻の冴子が教習所内で事故を起こしてしまい、教習所の所長・滝口とひと悶着。竜崎にとっては頭が痛い出来事だったと思うが、この件で知り合った滝口に間接的に捜査協力を依頼するのだから相変わらずである。本部長の佐藤も好人物と見え、悪評の酷い神奈川県警がどうなるのか楽しみだ。次作にも期待したい。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ一見どこにでもいそうではあるが、その実どこかおかしく時にはさりげなく、時には露骨に人間の嫌な面を様々な切り口から嫌というほど見せてくる短編集。どの短編もはっきりとした終わり方はしないものの、読後嫌な感じが拭えないようなかすかな嫌悪感を抱かせてくる。ド直球のホラーはないが、人の言動一つでここまで不穏で不気味な感じにさせてくるのは流石と言った所だ。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ二編を収録。「アイスネルワイゼン」は仕事も恋人ともいまいち上手くいっていない中年女の琴音が不器用にもひたむきに生きる様子が描かれているが、k遠音含めてほとんどすべての登場人物が相手方に対して自分本位で配慮に欠けており、読んでるだけで具合が悪くなりそう。 「アキちゃん」は嫌いであるにもかかわらず何故か友人として認識していたアキちゃんを主人公が大人になってから回想するお話で小学生女子ならではの複雑さと残酷さが垣間見れた。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレシリーズ1作目。元々は名家だったものの現在では完全に没落し貧乏暮らしを余儀なくされているミス・メルヴィル。加えて定職も失ってしまいパーティーにもぐりこんでは食費を浮かす始末で徐々に窮乏していく。そんなオールドミスのメルヴィルだが、射撃の腕を見込まれ殺し屋として働く事になる。「パーティー潜り」も殺し屋としての特質として活かしてるのが何とも可笑しい。コージーミステリーにしては割と軽く簡単に人が死んでいくので少々困惑もしたが、全体的にはまずまずか。次作にも期待したい。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレおよそ50年も前に出版された本作。なので作中の1980年代も「未来」という認識で流石に時代を感じる。簡単に言えばコンピューターシステムに狂いが生じ、当該コンピュータを用いた設備が次々と連鎖的な事故が発生してしまうというお話で、出版当時でこの事故が将来的に起こる可能性を示唆していたのはさすがといったところか。ただ物語世界の設定上か説明が少々くどく感じてしまい、あまりエンタメ的でなかったのが残念。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ明治中期に二葉亭四迷が翻訳した短編集四編。明治時代の作品という事もあってか大分読みにくいが、当時の風情が感じられるのはこれはこれであり。また他作品でも見られた素朴で美しい風景描写はやはり目を見張るものがある。人物描写にしても同様で登場人物の心理を丹念に掬い取っている感じを受ける。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ弥勒シリーズ六作目。同心の小暮が何者かに刺される事件が発生。なぜ狙われたかも分からないいつもの面々。しかし小暮を射したと思われる犯人は遺体として大川に上がる。この事件の真相を追っていると、20年前に遡って、小暮の亡き父右衛門の表に合わられなかった衝撃の事実が明らかとなってくる。出だしから緊迫感のある展開で、ヘビーな雰囲気だがそんな中でやむを得ないとはいえ清之介が刀を抜いて人を斬ったのは驚いた。これまであまりフォーカスされなかった小暮が取り上げられたのはとても良かった。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレシリーズ二作目。友人のコナーから失踪してしまった兄ジェイミーの行方の捜索依頼を受けたピップ。前作と同様関係者への聞き込み調査やSNSを駆使して真相に迫っていく。同時にSNSの有用性だけではなく、時として刃として襲い掛かってくるデメリットも物語を通して伝えてお高評価。前回では鮮やかに解決して爽やかに大団円といった形だが、本作ではうって変わってかなりヘビーな展開が待っている。面白さは前作と同様と言いたいところだが、ピップの行き過ぎた正義については納得しがたいものがあった。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ五年前の事故により下半身不随となり、自身が慕っていた人まで失った能見。車いす生活を余儀なくされた彼だが、強い復讐心を胸に行動を開始。かつての仲間達とも邂逅するなかで、警察や公安等複雑に絡み合っていく中で誰が見方だか敵だか判別が難しく、読み進める度に複雑さを増していく。一方でこの手の作品には必須と思われるキャラや状況描写の深掘りはあまり出来ておらず、何においても説明が全く足りていない。それでいてそんなに店舗の良い内容でもなかったのでこれでは冗長というより他ない。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレシリーズ一作目。フランス革命の余波がスウェーデンに及ぶ中、国王も暗殺され、国中が混乱し国民が貧困に喘いでいる。首都ストックホルムも汚れ切っておりまさしく混沌としている。そんな中湖で男性と思われる遺体が凄惨極まりない姿で発見される。その調査に乗り出すのは重結核持ちのヴィンゲとカルデル。北欧ミステリーと言えば重く凄惨な事件を扱うというイメージだが、本作は他作品とは比較にならない程にあまりにも凄惨で過酷極まる環境となっている。五体満足とは程遠い二人が真相に迫る様は異様な緊迫感があった。次作にも期待したい。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ75歳と言えばちょうど後期高齢者に該当する年齢だが、本作での静子は年齢を全く感じさせない程にアクティブで元気。また元気なだけでなく年齢相応に品もあり、簡潔に語れないぐらいには魅力的な人物となっている。タイトル通りに静子の日常を細かく切り取った掌編のような構成となっているが、徹底して物語はさざ波も起きない程に穏やかであり、ドラマチックな展開も全くない。だが物語性に乏しいわけでなく、静子の人柄も含め読ませる内容となっている。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ無為な日常を送っていたフレッチャーの前に現れたのは、小人サイズになったかつての悪友のハリィ。未来からやってきた彼はフレッチャーに時空支配装置発明に協力を要請する。かくして装置は出来上がったが、あまりに無茶な使い方をしてしまったがために、それに比例するかのように世界もおかしな方向へどんどんと向かっていってしまう。あまりにもハチャメチャすぎておいていかれた感が強く、少なくとも自分にはこの世界観ははまらなかった。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレナチス占領下のフランスを舞台とした物語二編。抵抗文学とは言うものの、「物理的な」抵抗という訳ではなく、これまでの日常・文化が喪失してしまったフランスにおいて沈黙でもって静かに抵抗を続けている。占領国である以上、表向きはどれほど紳士的で善人であったとしても、それ以前にナチスの人間であるが故につかの間の交流すら許されないのである。物語全体にわたって静寂に包まれており、どことなく痛ましい内容だった。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ容姿をはじめとして様々な才能に恵まれていた綾部蓮。完璧というよりない彼がどういう経緯で、自殺するに至ったのか第三者視点から探っていく連作短編集。ミステリーにしては珍しく、描写はどこか文学的で不思議な魅力を感じさせる。自殺の理由や経緯を単に追うだけではなく、宗教も絡めて複雑な物語に仕上げられている。天賦の才を有していた綾部の影が少々薄いのは気になる所。想定していた内容とは大分違うがまずまず。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ正蔵と綾子がそれぞれに恋をして婚約をするまでの物語。これといった出来事もなく正蔵と綾子の前に何の障害もなくそれぞれの幸せを掴みとり、佐田家がより一層幸せになっていくという多幸感に溢れたタイトル通りの作品となっている。登場人物も善人ばかりで好感がもてる。この手の作品にしては何の捻りもなく、ともすると綺麗ごとと捉えることも出来てしまうだろうが、著者の作品は比較的シビアな展開が多かったので徹底してめでたいのもたまにはありか。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ終末世界において、ただ娯楽を消費するのみで労働せずとも生活が保障されているアルカディアマンション。見方によってはディストピアともユートピアとも取れる世界観が魅力的。働かずに遊んで生きていけると知っても人間というものは面白いもので、中には働きたくて仕方のない人等、アルカディアマンションの仕組みの全てにおいて迎合できない人種も少なくないだろう。終末SFにしてはいつかは世界が終わってしまうといったある種の焦燥感が感じられなかったのは残念。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ過去作で登場したレイチェル・ウォレスからの依頼によりL・Aへ飛びニュースキャスターのキャンディの護衛任務を引き受けることになったスペンサー。そんな中キャンディがよほどヤバいネタを握っていたのか襲われてしまう。しかしそれで止まるキャンディではなかったらしく、己の心に秘めた正義感を胸にひた走る。その結果がキャンディスの死という事は予想出来た顛末ではあるものの、どうしようもない悲しみに襲われる。スペンサーも同様に悲しみに暮れ、犯人に対し怒りをあらわにする。物語としては救いはないが、かなりの良作だった。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2014/07/17(3781日経過)
記録初日
2014/07/06(3792日経過)
読んだ本
3627冊(1日平均0.96冊)
読んだページ
1291220ページ(1日平均340ページ)
感想・レビュー
3597件(投稿率99.2%)
本棚
32棚
性別
現住所
埼玉県
自己紹介

身内に勧められて読書を始めました。主に図書館でタイトルを見て第一感面白そうと思った本を中心に借りて読んでいます。その為乱読ですが、食わず嫌いはせずに様々なジャンルの本を読みたいと思っています。

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