読書メーター KADOKAWA Group

2024年7月の読書メーターまとめ

しょう
読んだ本
53
読んだページ
16527ページ
感想・レビュー
53
ナイス
2717ナイス

2024年7月に読んだ本
53

2024年7月のお気に入り登録
1

  • 再び読書

2024年7月のお気に入られ登録
1

  • Holasakura

2024年7月にナイスが最も多かった感想・レビュー

しょう
ネタバレ自分の「推し」が自身のファンを殴ったことから一気に炎上したというちょっと心惹かれる出だし。最初こそちいさなきっかけだったが、徐々にのめりこみすっかり上野真幸の大ファンとなったあかり。現実が生きにくそうなあかりにとっては推しが生きがいであり、ある種逃げ道でもあり、多くの意味を持つ。推しについて語る時のあかりのセリフがやや興奮気味で取っ散らかっているのもリアリティがあっていい。想像していた内容と程遠くややダークな内容だったが、誰かのファンになる気持ちは少しだけ分かった。
が「ナイス!」と言っています。

2024年7月にナイスが最も多かったつぶやき

しょう

6月のベストは「いちご同盟」。これまで読んだ青春小説ではベストだった。 2024年6月の読書メーター 読んだ本の数:55冊 読んだページ数:18467ページ ナイス数:2572ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/481310/summary/monthly/2024/6

しょう
2024/07/02 21:02

※コメントを訂正しました。

が「ナイス!」と言っています。

2024年7月の感想・レビュー一覧
53

しょう
ネタバレ二編の短編と「ショートショート」で構成されている短編集。8月15日に迎えるはずだった終戦はなく、本土決戦が続けられているという世界線を描いた表題作の「地に平和を」は著者の実際の戦争体験が色濃く反映されたものとなっており、本来あり得た歴史と考えてみると興味深い。「日本売ります」は宇宙人に実際日本を売り飛ばした男が軽快に売買までの経緯を語る形式となっておりかなりコミカルな内容となっている。「ある生き物の記録」は36編のショートショートとなっており→
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ一家でアルメニアからアメリカへ移住してきたローラにヤン家の少年カラムが送る騒がしい日々をつづった短編集。移住の経緯が経緯なだけに、アラムが受けたであろう心の傷は決して小さくはない。しかしそんな事は露ほども見せずに移民としてコミュニティで過ぎるぐらいに活発な様子が見て取れる。アラムから見た大人は総じて風変りに見えているらしく、以外にも冷静な目で大人を観察しており、意外にも落ち着いている。群像劇としてはややまとまりに欠いた感はあるものの、ユーモアとシニカルが同居する良作だった。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレとびきり屋見立て帖シリーズ3作目。幕末の京において剣呑な雰囲気とは無縁な道具屋。歴史上の登場人物がスポットで登場するのもお馴染み。「とびきり屋」で扱う道具の描写が相変わらず丁寧で細かく想像しやすい。商取引も描写されており、難しい課題に直面する機会は往々にしてあるが、真之介とゆずの二人で力合わせてこの諸問題に立ち向かい、結果的には夫婦の絆がさらに固くなったように見えるのは気のせいではないだろう。今回も安定のクオリティだが、作者急逝によりこれが最後なのが残念でならない。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ【ガーディアン必読小説381冊目読了】自身が所有するカントリーハウスで愛犬の埋葬中に若い女と赤子の白骨屍体を発見するチップステッド夫妻。これに関連して事件に関係していると思われる複数の登場人物の過去~現代を行ったり来たりしながら、パズルのピースを嵌めていくかのように徐々に真相に近づいていく。じりじりした展開が長くやきもきさせられるが、終盤は一気に物語が動き出し怒涛のラストへとなだれ込む。相変わらず氏はろくでなしの心理描写が細やかで巧みと感じた。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ国民を管理する目的で首輪型うそ発見器の装着が義務付けられた世界が舞台。そんな中、非合法に首輪を除去する事を生業としたフラノ。稼業が稼業案だけに常に危険と隣り合わせ。加えてこれまでに過酷な環境に身を置いていたからか、性格にやや難ありで心に闇を抱えている模様でどうしても外したい型の首輪を求める日々を送っている。反政府行為とも取れるので、結末は分かり切っている事ではあるものの、これまでの経緯を考えると寂しさがこみあげる。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ【ガーディアン必読小説380冊目読了】タイトルにある「夜の森」は恐らくはそれぞれの登場人物の心の中を端的に示していると推察出来る。ありていに言えば群像劇+恋愛物語だろうが、とても前向きな愛とは言い難く、どこまで行っても退廃的で、誰も幸せになれなさそうで、それこそ堕ちるところまで堕ちていくような危うい印象を受ける。T・S・エリオットが絶賛したらしい本作だが、本作の持つ魅力を最後まで堪能することは出来なかった。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ自分の「推し」が自身のファンを殴ったことから一気に炎上したというちょっと心惹かれる出だし。最初こそちいさなきっかけだったが、徐々にのめりこみすっかり上野真幸の大ファンとなったあかり。現実が生きにくそうなあかりにとっては推しが生きがいであり、ある種逃げ道でもあり、多くの意味を持つ。推しについて語る時のあかりのセリフがやや興奮気味で取っ散らかっているのもリアリティがあっていい。想像していた内容と程遠くややダークな内容だったが、誰かのファンになる気持ちは少しだけ分かった。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ元CIAのスパイだったシーリアはかつての同僚・恋人だったCIA捜査官のヘンリーと思いがけず巡り合う。元々恋仲だったということもあり話は弾むが、過去にウィーン国際空港で発生したテロ事件について話が及んだあたりから徐々に緊張感が高まり、さながら高度な心理戦へとなだれ込んでいく。スパイ小説としては珍しく舞台が固定されており動きはないが、シーリアとヘンリーの回想をもとにテロ事件が構成されていき、ふくらみのある物語となっていく。守るものがるがためにお互いを「消そうとする」二人の覚悟が見えるようだった。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ神津恭介シリーズ一作目。背中に大蛇の刺青を背負う野村絹江に魅了された軍医の研三が彼女のもとを訪れると胴体のみが消失した死体が発見される。悲劇はこれに留まらず絹江の愛人の最上も程なくして死体で発見されてしまう。犯人像すらつかめない程捜査が難航。終戦直後の物々しい雰囲気が漂うなかで、刺青をキーセンテンスとして活用し、物語そのものが魅力も怪しさも満点になっている。神津の登場が思ったより遅かったが、緻密な論理構成で事件の真相に迫るあたり現代の目で見ても色褪せない本格的なものだ。次作にも期待したい。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ【ガーディアン必読小説379冊目読了】ナチス台頭前のベルリンが舞台とあって妙な緊張感に包まれている。そんな中ベルリンへ向かう電車でノリスと知り合ったウィリアム。一見紳士のように見えるノリスではあるが、文章からもにじみ出てきそうな程に胡散臭く大抵の人が避けそうな人物造形だ。それでもウィリアムが惹かれていくのは尊大なところがあまりなくむしろどことなく俗っぽい所に面白味を感じたのかもしれない。どのあたりが「いかさま師」なのかは分からなかったが、どこか憎めないキャラで面白く読めた。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ交通事故で両親を失い、どうにかして大学に入るもモノクロの人生をただただ送っていた青山。そんな中、ひょんな事から水墨画の巨匠・篠田湖山と出会ったことから水墨画の魅力にハマっていく。湖山の孫娘でもある千瑛達ら同門の助力を得てのめりこみ、生来の才覚が開花するかのようにみるみる上達していく。出来過ぎなきらいもあるが、それ以上にテーマとしては珍しい水墨画を分かりやすく面白く「調理」したという点は評価出来る。墨の濃淡で表現するというシンプルながらあまりにも奥深い世界を多少は知ることが出来た。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ突如として異星人に拉致され焦土化した星に連行された科学者のバーク。そこに住むトープチュと呼ばれる異星人は不可視の寄生生命体ノパルを殲滅すべく戦っているところだった。そこでバークにノパルの発生源をどうにかするようにバークに協力を依頼。全編がvs寄生生物で掘っていくかと思いきや途中からちょっとズレた感じで思っていた方向に進んでいかなかったのは驚いた。設定そのものは非常に魅力的と思うが、この分量では深掘りが甘かったかと、大長編を読んでばかりだとそう感じてしまう。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレタイトル通りに名もない探偵が主人公の四編の連作短編集。いずれの短編も昭和後期に書かれた作品であり、まさしく「古き良き時代」のハードボイルドを堪能出来る。やや硬質ながら著者ならではのユーモアが散りばめられており、文体はハードボイルドらしからぬ華美な面が見られるがそれなりに面白い。ストーリーとしてはどの短編もまずまずではあるが、謎解きとしてみればなかなかのもの。現代でも十分に読了に耐えうる内容となっている。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ孤児として養育院に預けられて日々を過ごしているチェチェリアが夜毎に綴る手紙。そこにはまだ見ぬ母に自身が抱えている様々な想いを虚飾のない透徹された文体で描かれており、真に迫ってきているかのような卓越した描写が白眉だ。優美な音楽と関与させつつも決して綺麗なだけではないヴェネツィアの闇の部分を垣間見れた気がした。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレかつては名門ホテルとして名を馳せていたのも昔の話。外資系が続々とホテルビジネスへと参入してくる中、オリンピックホテル東京は時代の潮流についていけずあらゆる質が低下してしまっている始末。そんな中立ち上がったのは伯父の跡を継いだ瞳。周囲の助けを借りつつもホテルの再建に挑むというもので、テーマはありふれているが、ストーリー・構成・文章・キャラとどれをとってもこちらが望む水準に到底達しておらずただただ面白くない。タイトルにしても「戦争」とつけるほどのものでもなくがっかりさせられた作品だった。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ父親に対して尊敬の念を抱き、自身の姓名に誇りを持っていたものの、結局は何にもなれなかった刑事のバッキー。そんな中悪徳警官としてしられるドックとの出会いがきっかけで人生にちょっとした変化が訪れた。身代金のかかった凶悪事件に関連して犯人を捕らえることに成功したものの、大金の誘惑に抗えなかったのか事もあろうに犯人を射殺し、逃亡する。決して長くない物語の中にいくつもひねりが加えられており思ったより読みごたえはある。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ宇宙船が墜落してから10年後、フーバー星人が市民権を獲得し地域社会の一員として溶け込んでいる世界観。過去に宇宙船の墜落を目撃した佑太はひょんな事がきっかけで人気アイドルのりさから一緒に故郷に行ってほしいとお願いされる。ボーイミーツガール+異星人と言った趣きだが、それらはあくまでもガジェットに過ぎず日本でも問題となっている難民問題等社会的な問題も取り上げている。まずまずの内容だが気になっていた「フーバー星人」の生体等についてはほぼ触れられておらず残念だった。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ凶悪犯罪を自白して施設に入れられ23年の時を経て釈放されたウーロフだったが、父のスヴェンが死体で発見され、過去の悪行と結び付けられ疑われる事に。そんな中同郷の警察官エイラが事件を捜査するうちに過去に発生したとある事件が浮かび上がり事件はより複雑になっていく。寒々しく閉鎖的な環境だったり、エイラの家庭環境も複雑だったりと北欧ミステリーではお馴染み。全体的にはまずまずではあるものの、他の北欧ミステリーと比較して際立って秀でていた部分がなかったのでやや物足りなさを感じた。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ時代は明治。平戸という小さな集落で、親兄弟を殺されたシャキが鯨神とも呼ばれる巨大な鯨と身命を賭して戦う荒々しくも美しい物語へと仕上がっている。鯨の極めて精密な描写でお馴染みの「白鯨」が思い浮かんだが、個人的にはこちらの方がより荒々しい感じがして好みである。命を懸けたやり取りなだけに辺りを包む緊迫感も凄まじく、「凄絶」の一言に尽きる。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレやはり氏の先見の明に驚かされるばかりだ。コンピューター内に宇宙を見るという新しい試みはかなり斬新で考察もしっかりなされてはいるが、テーマの性質上ややダイナミックさに欠けてしまっているのは仕方ないとはいえやや残念だ。私の苦手なサイバーパンク要素も加わり、難解さがさらに増した感はあるが、それ以上に前作の構成せってと組み合わせて物語として成立させているのは見事言うほかない。前三部作には及ばないにしろ良作であることには間違いない。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ巨人たちの星シリーズ四作目。これまでのシリーズとは趣を異にし、前作以降の後日譚となっている。人々が超電子頭脳に仮想世界漬けにされている惑星ジェブレンを舞台に新たな陰謀が水面下で沸き起こり、早速現地へ赴くハント博士達。コンピューターの依存が強くなり過ぎた世界観は1991年の作品とは思えない程に深い考察がなされており、現代~未来にも通ずる危険性を暗に指摘しているように思う。またファンタジー色もやや強くなっておりエンタメに寄ってきた感もある。以下【下】へ。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ生前たくさんの人たちに慕われていた教師の坪井氏。坪井氏の葬儀に参列した人々も皆一様にいかに坪井氏が素晴らしい人柄だったかを語る。しかし参列者の一人が何気なく発した言葉から聖人君子と見られていた坪井氏の知られざる一面が徐々に明らかになっていく。途中までなら坪井氏はただのろくでなしでしかなかったが、大きな波が再び小さくなり収斂するあたり巧みと言える。この物語をどう構築したかは知る由もないが、今回も見事に騙された感じがした。ただ結末は賛否ありそうだ。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレプラハで35年もの長い間髪をプレス機で圧縮する仕事に従事している主人公のハニチャ。地下室という事で労働環境は劣悪であちらこちらに害虫やネズミを見かけるほどだ。地味ながら大変な業務であるが、自分の琴線に響いた本に書かれた美しい文章を読む事に生きがいを感じているようで、辛い毎日で一条の光が差し込むような感じを受ける。このハニチャのささやかな楽しみさえ容赦なく削り取ってしまうあたり何とも理不尽だ。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ「生き屏風」の続編となる本作。前作以上にゆるふわファンタジーホラーとなっており、ありていに言えば妖鬼の皐月と今作から登場する魂追いの縁の冒険譚となっている。妖ものなので一応ホラーではあるだろうが、雰囲気はふわふわしていて柔らかいが、描写の所々に不気味さを感じさせるので油断は出来ない。キャラは個性的で魅力的なのだが、肝心のストーリーではそれなりに起伏があるにもかかわらず考察や深掘りが甘いと感じる。一応次作にも期待したい。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレシリーズ一作目。ミステリー専門書店を営むトリシア。そんな中隣の料理本専門書店の店主が殺され、同時に高価な初版本がなくなる事件が発生。第一発見者のトリシアは自身に欠けられた容疑を晴らす意味でも事件の真相を追っていく。トリシアはある程度ミステリーには知見があると見えるが、こと本件の調査にはあまり活かされた様子は伺えないのは素人探偵だとしても残念だ。加えて言動にもよく分からない点が多く、能天気とされている姉のアンジェリカの方がまともに見えてしまう。コージーとしてははっきり並だが、一応次作にも期待したい。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ警視庁心理捜査官シリーズ三作目は三編の短編集。本編から捜査一課に配属となり、主任の明日香と共に事件にあたる事になる爽子。キャラとしてはほぼ真逆の位置にいるであろう明日香とのやり取りもヒヤヒヤさせられることなく息がそれなりに合ってるのでいいコンビになるのかもしれない。爽子の活躍もなかなかのものではあるが、如何せん明日香のキャラが強烈で魅力的なのでこれまでのシリーズと比較するとやや存在感は薄くなってしまっているのは残念な所だが、爽子の成長も見れたのでそれなりに満足。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ女だけで構成される女学園に傷を負った兵士のマクバーニーがアメリアによって助け出され運び込まれる。傷が癒えたマクバーニーはご挨拶とばかりに女学園の関係者達に片っ端からちょっかいを出し始める。このマクバーニーがどうやらひとたらし&女たらしなようでマクバーニーの甘言に少なからず惑わされている様子がそれぞれの視点から明らかになる。展開もどことなく映画的ではあるが、やや冗長でマクバーニーがどうなるかも容易に推測がつくのでその点での緊迫感はない。それぞれの登場人物の心理描写はまずまずだった。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ戦国の世は信長から秀吉へ。この状況に独立した状態を堅持したい白川郷も座視してはいられず緊迫感が漂ってくる。様々因果が絡み合う中でいやがおうにも乱世の世の中に翻弄されながらもたくましく生きていく様子が伺える。また【上】から気にはなっていた七龍太と紗雪についてはまさかの再会からの大団円で有り体な悲劇にはならず少々驚いた。戦災等とは関係ないところで自身により白川郷が壊滅してしまったというところに改めて自然の恐ろしさをに再確認させられる。全体的には中々の大河ロマンだった。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ時は戦国。信長の隆盛著しい最中、信長が目を付けたのは飛騨の白川郷で取れるという金銀・塩硝を我が物にせんが為派遣されたのは竹中半兵衛の弟子である津田七龍太。信長の命とは言え白川郷の風光明媚な風景と、好人物ばかりの領民を守りたいと願い、白川郷を収める内ケ嶋のじゃじゃ馬娘、紗雪と共に立ち上がる。戦国時代の激しい争いや、水面下の権謀術数の数々等緊迫感のある場面が多く引き込まれる展開となっており静と動のバランスが素晴らしい。また七龍太と紗雪のこれからも予想がつくもののどうしても気になってしまう。いか【下】へ。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ厳重な警備態勢が敷かれているワームホールネットに艦隊を通す依頼を受けたベリサリウス。ベリサリウスは遺伝子操作により極めて高い量子解析力を有しており、仲間と共にコンゲームに挑む…というのが大まかな流れとなっているようだ。しかし肝はコンゲームのはずなのに、仲間集めでかなりページを割いており些か冗長となっている。仲間達は癖が結構強くていいキャラをしているだけになおのこと残念。またこれだけの分量なら詐欺師としての力量についても掘って欲しかった。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレシリーズ2作目。本作の主人公は13歳・中学二年生の姫子。自殺目的で入った山奥で出会った阪本がとある殺人事件の容疑者だったことから否応なしに事件に巻き込まれていく。13歳とは思えない程大人びて達観した姫子だが、そんな姫子に対し周りの大人も一人の人間として厳しく優しく接する様子が伺える。姫子のキャラもなかなかのものだが、やはりウネ子のキャラが一番強烈。「還暦で元結婚詐欺師の探偵」とそもそもの情報量が多く、これだけでもう面白い。ストーリーよりもキャラの方が魅力的で面白い作品だった。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレフランス植民地時代のモロッコが舞台。裕福な商人の家では男子の跡継ぎを欲していたものの、生まれてくるのは女子ばかり。とうとう「次に生まれたものは男児」として看做すことし、性別としては女であるにもかかわらず、「アフマド」の名を与えられ「男児」の跡継ぎとして育てられる。望まずして男として生きていかなければいけないアフマドの煩悶は読んでいて辛くなる程に厳しい。イスラム文化圏においてまだまだ男性優位の社会の理不尽さがそこにはあった。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ「辻斬りのように男遊びをしたい」の希望通りに沢山の男性と関係を持ち、そのため娘の七竈は父親が分かっていない。性的に奔放な様子は変わる事無くろくに家も帰らないハチャメチャな生活を送っている。旭川の町特有の閉鎖的な環境下で唯一仲がいい雪風とのやり取りが素朴でいい感じ。あまりにも美形であってもそれにメリットを感じてないらしい七竈の心境は結局「持つ者」ならではの苦悩なのだと解釈できる。この手の作品には珍しく犬目線もあって面白かった。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ007シリーズ三作目。大富豪のヒューゴ・ドラックスがいかさまをしている疑いが浮上し、ボンドはヒューゴのいかさまを見破りブリッジで大勝。こののちにヒューゴが寄付した超大型原子力ロケットのムーンレイカーがあるドーハの基地で保安主任が死亡事件が発生し、後任として派遣されたボンドはガーラと共に調査に乗り出す。シリーズではお馴染みの潜入捜査のパートも程よい緊張感があり、敵もやり手なのかガーラと共に幾多の危険に見舞われるあたり中々のリアリティだ。ブリッジの件はルールすら知らなかったので楽しめなかったのは残念。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ表題作を含む四編の短編集。人の話を聞くのが上手いいわゆる「聴き屋体質」で大学生の柏木が自身の身の回りで発生した謎や事件を軽快に解決していく。「日常の謎」系という訳でもなく、普通?の殺人事件も取り扱っておりこの手の作品にしては幅の広さを感じる。柏木を筆頭に個性的な面々が多、キャラ読みでも十分に楽しめる。シリアスな展開もあるにはあるが、本作の雰囲気はあくまでも明るく軽快でいい意味での緩さを感じさせる。聴き屋としての特徴もうまく生かした良作だった。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレシリーズ2作目。本作はカルカドの死まで生まれ、大巫女の生まれ変わりだと信じられているテナー(アルハ)が主人公となっている。幼少期に家族から引き離されてからは孤独に闇の中で自身の運命を受け入れ勤めをはたしてきたアルハだったが、地下墓地で思いがけずゲドを発見したことにより歯車が動き出す。ゲドとの出会いにより様々な経験をし、自分の周囲や置かれていた環境に疑問を持ち出すあたり、前作と同様に成長譚と見ることが出来るだろう。次作にも期待したい。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ虹子とクロエの二人の女性を軸にしながら、胎内に20年もいる胎児と吸血鬼の末裔のユウジも物語に絡み、ファンタジー色の強い物語となっている。軸となっているテーマが掴みにくく、ついに自分の中で像を無ずぶ事はなかったが、これまでに読んでどんな作品も叶わない程の不思議で特異な世界観となっている。何となく同窓会に参加してみたり、サッカーボールを自由自在に扱ってみたりと可笑しい所はあるが全体的にはシュールだった。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ劇作家でもある義理の息子の書いた劇が17年前のケニーの実父の死について暗示しているかもしれないと疑いを持った俳優のマークは妻のサヴァンナの反対を押し切る形で劇の出演を決断。ミステリーとしてみてみれば驚くような展開、結末にはならなかったが、親子三人の息詰まる心理戦と言った趣きで、やや物足りない気もするがこれはこれで面白い。なんと言ってもサヴァンナのキャラが非常に強烈でマーク達をかき回す暴れっぷりを見せているのが見ものだ。最高速までギアを上げて駆け抜けた感があり、かなりの読みごたえだった。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ表題作を含む四編の連作短編集。近未来を舞台としたハードSFとなっており、サイボーグ軍団達が襲い掛かる外敵と死闘を繰り広げるという至極分かりやすい構成となっている。メインはミリタリーだろうが、ファーストコンタクトの要素もかなり盛り込まれており、綺麗に融合させることに成功している。なんと言ってもメインキャラの一人であるニーナが魅力的でエンタメとしてもなかなかのものだ。殺伐とした展開も少なくないが、暗くも湿っぽくもならず一言で言うと雰囲気が柔らかい。超ハイスペ同士のドンパチの存外面白かった。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレこれまで仕事一筋に生きてきた女性誌の副編集長のジャンナ。夫と母を相次いで失い、自身がもう若くなく老いてきていることを実感する中、立ち寄った薬局で偶然90過ぎの老女モーディーと出会ったことから奇妙な友情関係が育まれていく。扱われているテーマは決して軽くはないが、二人の凸凹コンビのやり取りのおかげか物語世界はむしろ明るく温かい。身近な人の死に心から関わろうとしなかったジャンナの内省と成長の物語とみることが出来るだろう。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレシリーズ一作目。京都のとある町で30代女性の由那の遺体が遺書らしきメモと共に発見される。その数日後に心療内科を開業している本宮慶太郎の元へ母に連れられてやってきた春来。春来の不調の原因を探っていくうちに自殺と思われていた由那の他殺説も有力となり面白くなってくる。ただ医者というだけで操作部外者たる慶太郎に大して関係者が総じて協力的なのはやや出来過ぎな気もする。医者を探偵役として食品ロスの問題を取り上げたのは個人的には斬新だが、医師としての責務を果たせているかどうかは微妙な所だ。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレバークシリーズ5作目。ニューヨークへと戻ってきたバーク。自己の「再生」にもがき苦しむ中、治療センターで保護されていたルークとの出会いがバークを変える。天才的な頭脳を有しながらも苛烈な性的虐待の末に多重人格者となってしまい、本来とは異なる人格により幼児殺しの嫌疑がかけられていた。バーク自身同じ体験をしていたことから義憤に燃え、ルークと自分の為に立ち上がる。バークを陰日向と支えるメンバーは本作では健在で、相変わらず強い絆を感じさせる。自身の闇にも立ち向かったという点ではこれまでとはやや趣が異なるが→
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ孤島にある児童養護施設という事で設定はありふれたクローズドサークル。とある理由からターゲットの殺害を計画するも、当該人物は既に他の人に殺されてしまい、自分の他に殺人者がいる事を把握。同一空間に二人の殺人鬼なのでとにかくたくさん死んでいく。探偵役が全く役に立っていない中で殺人を繰り返しながらお互いを強く意識する二人。癖の強い名前も本作の仕掛けに大きく関与しており、アイディアは面白い。殺人の動機も含めて賛否分かれそうな内容のバカミスだった。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ女の方から勝手に言い寄ってくるほどにモテるジャーナリストのパトリック。そんなある日ライオンに左手を噛まれて隻腕となってしまったが、運のいい事に左手の移植手術を受けれられる事に。これに関して左手の提供者の未亡人ドリスは移植後の手との面会権を主張、ここから新たな交流が始まる。女に対してはとかくだらしないパトリックだが嫌みもなく、不思議な魅力を感じる。失ったものは小さくはなかったが、喪失からの再生という事を考えればまずまずの内容か。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレアフリカ難民としてオーストラリアに移住したサリマと日本からやってきた「ハリネズミ」の二人の女性を軸に異国の地にて学び、働き、生きていく大変さが描かれている。自国で暮らす以上の努力をしなければいけない中で、言葉の難しさや、差別の問題に直面しながらも削られ、武器を持たなかった彼女達が失いかけていた尊厳が少しずつ取り戻されていく様が伺える。特にドラマチックな事は起こらず、あくまでも淡々と進んでいくが、胸に染み入るような内容だった。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ時は明治末期。かつてはロンドンを襲った火星人類の戦闘機械が東京湾に降下し。早速帝国陸軍による排除行動が遂行されるも、戦火上がらず甚大な被害をもたらしてしまう。さらに戦闘機械は帝都・東京をレーザービームで片っ端から焼き払っていく。これに立ち向かうのは押川や吉岡らを始めとする天狗倶楽部の面々。ウェルズの「宇宙戦争」の続編のような内容でこれだけで心惹かれるものがある。明治時代の雰囲気を大事にしながらもしっかりした内容のSFでテンポもいい。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ「若草物語」でお馴染みのルイザ・メイ・オルコットが探偵役のシリーズ。作家を目指しているルイザの友人ドロシーがヨーロッパから帰国した後に無くなり、他殺と判明したことから独自に調査を開始する。 上流階級の人々の社交シーンや未だ残る奴隷制度など当時のイギリスの雰囲気も十分で、歴史小説のような味わいもある。ミステリーとしてみれば一応及第点と言って所だが、割と本筋を歩いており、調べるうちに新たな謎がまた新たな謎を呼ぶ感じになっており読ませる内容となっている。次作にも期待したい。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレアメリカからイギリスに向けて航行中のチャンセラー号。しかし船内で大規模な火災が発生し、対応虚しく船が沈没し残された乗客と乗組員は筏でバミューダ海域を漂流する羽目になる。氏の他作品とは一線を画すあまりに絶望的で厳しい現実を突き付けられた人々の醜い本能や性が生々しく描かれている。極限状態の人々のムーブも様々で高潔な精神をなお持ち続ける人もいれば、「他を犠牲にしても自分は助かる」といった生への強い執着心を見せる者もおり、群像劇としても読みごたえは抜群だ。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ町奉行内与力奮闘記シリーズ2作目。曲渕甲斐守について江戸へ栄転となった亨。しかし早々に富くじを巡り配下の町方が余得を掠め取ろうとしたのが原因で因縁をつけられる。内与力として江戸町奉行と町方の板挟みになる形となってしまっている中摩擦回避のため奔走する。この手の話には利権はつきものでそれぞれの立場でやり取りがバチバチしているのは見苦しいというかなんと言うか。筋としては悪くないが、焦点が絞り切れていないのか、やや散らかった印象で深掘りが甘い。亨の成長を楽しみに次作に期待したい。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ誰からどう見ても発育不全の赤子としてしか見られなかった赤ん坊が実は5歳で年齢不相応の高い教養を有しているうえに超能力も扱えるミュータントである事が判明。ジョンと呼ばれるそれは人間を「下等」と看做し新たなコミュニティ創造のため立ち上がる。面白いのは新人類も考え方がそれぞれでジョンの考えに賛同する者もいればそうでないものもおり、思ってたよりシビアな展開だ。新人類vs人間といった単純な構図でもなく、人間を超越した存在のこれからを真面目に考察した作品と言える。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ厚労省の若手が麻薬密売情報を警視庁の管理官にリークした件に絡み、厚労省キャリアの東からの依頼で九州に赴く事になった小々森。役人の様々な思惑も見え隠れする中で、凄腕だが「最悪」の刑事小々森が奮闘する。一筋間倭で行かない人物も多い中でも小々森は強烈な個性を発揮しており、あまり好感はもてないが面白い。結構役者がそろっている割にはひりひりした水面下のやり取りが少なかったのが少々残念だった。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ友人知人に対し無遠慮に無心する輩はしばしば現れるが、その末路を考えてみると本作の二コラとアフタリオン夫人の行く先も当然の帰結と言えるだろう。そして当時より著しく労働意欲に欠けた人がいることにまず驚く。返す当てのない借金を繰り返してしまうアフタリオン夫人と貧困の身でありながら、自身で働いて賃金を得ようという考えのない二コラ親子の滑稽な転落劇が堪能出来る。ダメ人間親子に対しての描写には一切容赦がないが、それがまた滑稽である種の可笑しさを感じさせる。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ正体不明の呪いのせいで余命が約三年しかない五明。そんな中妹を養うために高額の収入が期待できる家政夫ぼ依頼を受ける。依頼先の屋敷は多数の祟り神が封じられた状態で存在しており、何ともいわくありげな設定。そして車いすを利用している雇い主の多々良と惹かれる出だし。本来は主従の関係であるはずの多々良と五明のコンビ?はそれなりにうまく機能している模様。グロ描写は流石といった所だろうが、それでもホラー味はあまり濃くはない。次作にも期待したい。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2014/07/17(3784日経過)
記録初日
2014/07/06(3795日経過)
読んだ本
3634冊(1日平均0.96冊)
読んだページ
1293587ページ(1日平均340ページ)
感想・レビュー
3604件(投稿率99.2%)
本棚
32棚
性別
現住所
埼玉県
自己紹介

身内に勧められて読書を始めました。主に図書館でタイトルを見て第一感面白そうと思った本を中心に借りて読んでいます。その為乱読ですが、食わず嫌いはせずに様々なジャンルの本を読みたいと思っています。

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