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2024年9月の読書メーターまとめ

しょう
読んだ本
54
読んだページ
18154ページ
感想・レビュー
49
ナイス
2327ナイス

2024年9月に読んだ本
54

2024年9月のお気に入り登録
3

  • tonnura007
  • あまみや
  • たくぴー

2024年9月のお気に入られ登録
2

  • tonnura007
  • あまみや

2024年9月にナイスが最も多かった感想・レビュー

しょう
ネタバレひょんな事で浦和医大の法医学教室へ足を運んだ真琴。教授の光崎からは追い返されそうになるもキャシーの後押しも有り試用期間として働くことを認められる。主人公の個性が霞むほどに光崎のキャラが尖っていて濃く、ありきたりではあるが分かりやすくていい。どの短編も、小さな疑問から法医学の見識でもって真実を明らかにしていく、華やかさはなく地味で、衒学的な内容も少なくないがその分読みごたえがあって良い。物語の展開が画一的だったのは気になるがまずまずの面白さだった。次作にも期待したい。
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2024年9月にナイスが最も多かったつぶやき

しょう

8月のベストは「西城秀樹のおかげです」。こういう本を読むたびに調べて掘り起こした甲斐があったと感じる。 2024年8月の読書メーター 読んだ本の数:58冊 読んだページ数:19754ページ ナイス数:2667ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/481310/summary/monthly/2024/8

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2024年9月の感想・レビュー一覧
49

しょう
ネタバレひょんな事で浦和医大の法医学教室へ足を運んだ真琴。教授の光崎からは追い返されそうになるもキャシーの後押しも有り試用期間として働くことを認められる。主人公の個性が霞むほどに光崎のキャラが尖っていて濃く、ありきたりではあるが分かりやすくていい。どの短編も、小さな疑問から法医学の見識でもって真実を明らかにしていく、華やかさはなく地味で、衒学的な内容も少なくないがその分読みごたえがあって良い。物語の展開が画一的だったのは気になるがまずまずの面白さだった。次作にも期待したい。
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しょう
ネタバレ高名な詩人だったリディアの死に疑問を持ったキンケイドの元妻であるヴィクがキンケイドに相談を持ち掛ける。調査を承諾したキンケイドに大して、少々の嫉妬心でもって不安を覚えるジェマだったが、ヴィクが何者かに殺されてしまうという痛ましい事件が発生。引き続き事件を追う中で30年前に発生した事件も絡み、事件は複雑さを増していく。相変わらず読ませる内容ではあるが、「最高傑作」は個人的には言い過ぎで、他のシリーズとあまり変わらないのではと思っている。
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しょう
ネタバレシリーズ4作目。スウが軍事機密のデータを持ち込み、そこの軍勢衛星の極秘データを掠め取ったことからマリオと共に軍に追われる事になる。最終話にして緊迫感のあるサスペンスフルな展開となっており、SF要素がシリーズで最も薄かったのは残念だったが、それを差し引いても存分に楽しめる。スウとマリオのコンビも絶妙で危険を冒しているにもかかわらずわくわくした様子なのが見ていてい可笑しい。
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しょう
ネタバレ時は1960年代のアメリカ。朝鮮戦争で友人を失ったことから精神的に大きな傷を負い無為な人生を送っていたフランク。妹のシーもまた雇い主から帰れ綱虐待を受け、心身ともに大きく傷ついた。生きる希望すら見失いそうになる中で、シーが病床にあるという知らせを受けて、一目散にシーの元へ赴く。傷ついた兄妹の絶望からの再生の物語と捉えることが出来、淡々とした文体ながら内容は濃くてずっしりと重くのしかかってくるようだ。
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しょう
ネタバレ「転校生」の続編。新卒の国語教師として都内の高校へ赴任してきた新任の萩尾が校内で様々な怪異に襲われる7編の短編集。文章での伝わりにくさもあるのだろうが、前作のインパクトがまぁまぁ強かった故が、少々あっさりしているようで不気味さや怖さはあまり感じることはなく、いまいち突き抜けては来なかった。一つ一つ見てみてもまずまずの面白さではあるが、やはり物足りないと感じてしまう。
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しょう
ネタバレSF小説を執筆していたルークの前に現れたン妙な姿をした小人。小人の発言から火星人である事が判明。しかも火星人は一人ではなく地球のありとあらゆる場所へ合計10億人も出現。武力で制圧するかと思いきやそういう事ではなく、瞬間移動能力や透視能力等を存分に悪用し、人類によってたかって嫌みを言い続けていく。本作においてこの「攻撃」は効果てきめんな様で、地球全体で大混乱に陥り、軍事機密は暴露され、経済がガタガタになる。本来の目的も経緯も全く明かされないままに去っていってしまうのでシュールではある。
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しょう
ネタバレ使用人探偵シズカシリーズ三作目。参加者は自分の首を「鍵」として差出し、鍵を開けるには殺さなければならないとされる【犬の儀式】。そんな中見つかった三重の密室の中の死体。三年前にも同様の事件があったことから、現代⇔三年前とを頻繁に行ったり来たりする構成となっておりやや忙しない。シズカのどこか芝居がかったような癖のある話し方に懐かしさを覚えつつ読んだ。雰囲気抜群でミステリは並といったこれまでのシリーズと似た感じではあったが、全体的にはまずまずだった。
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しょう
ネタバレ架空の地、ベガーナを舞台とした著者による創作神話。そしてそこに集う神々の壮大な戯れが描かれている。神々とはいえしばしば垣間見えるプライドや欲等の人間臭さが出ていて興味深い。この手の話はどうしたって抽象的なすとーりーになりがちではあるが、なんにせよ表現がいちいち壮大で面白いというか可笑しいというか。不思議とわちゃわちゃした感じはせず、あくまでも静かに神々の行いが詩的に綴られている。
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しょう
ネタバレシリーズ1作目。直心影流の使い手で、八王子千人同心だった荒金菊之助だが現在は浪人の身にやつし、研ぎ師として暮らす日々を送っている。そんなある日知り合いの子供の父親が殺される事件が発生。下手人に心当たりのある菊之助がお節介から知り合いの同心の助力を得て犯人を追い詰めていく。同心を辞めた理由や研ぎ師をやってる理由等まだまだ謎の多い菊之助だが、人にお節介を焼きたがる正義感の強い男といった感じで勧善懲悪モノの主人公としてはピッタリ。次作にも期待したい。
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しょう
ネタバレ父の足跡を追うごとに徐々に明らかとなる新事実の数々。いわくありげなメモも発見し、マックスに協力する人物も現れ、進展を見せると思いきやドイツの諜報網を指揮するフリッツ・レンマーが闇から現れ、今後敵味方としてひりひりするようなやり取りが期待出来る。三部作の最初とあって、父の不審死から始まる数多くの謎の提示、及び関係者のお目見えに終わったが、これからどのように物語が動くのか楽しみにしたい。
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しょう
ネタバレ1919年三部作 その1。第一次世界大戦が終結し、パリ講和会議が行われた後のパリが舞台。協議の最中、英国から派遣された外交官が死亡。しかしこの死亡事件には不審な点が見受けられたことから、周囲の反対を押し切る形で真相解明に乗り出すことになったマックス。かなり心惹かれる出だしだが、この設定を完全に活かしているとは言い難く、諜報戦にしてもミステリーにしても今の所読みごたえは少々弱い。しかしながらテンポはかなり良くリーダビリティはそれなりにある。多少の期待をしつつ【下】へ。
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しょう
ネタバレ生活安全部の「JWAT」の一員である雪野。ある日の夜の公園で遭遇した高校生の隼人の言動に不信感を抱く雪野は、否応なしに少年犯罪に関連しての薬物問題に着目し、捜査していく。その中で隼人を始めとする青少年が抱える心の闇に挑んでいく。面白くなりそうな展開だったが、余計な所で細かい描写に拘泥してしまったがためにストーリーのテンポはあまり良くない。他作品でも見られる少年犯罪というテーマもきちんと掘り下げられていない印象で、目新しさもない。
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しょう
ネタバレ七年間コンサルティングファームに勤務していた褒賞として一年間もの長期休暇を得た須賀が、先輩からの依頼によりタイ人の女性を探すことに。全体的に詩的ではあるものの、東欧人物のセリフがいちいち比喩的な表現が多くてむず痒い。言ってしまえばシモの話が一切ない村上春樹のような文体で、全く人物像が掴めない。地の分や情景描写はさすが芥川賞候補者といった感じだっただけに少々残念だった。
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しょう
ネタバレ戦闘機パイロットのノエミが故郷の惑星を救済するためにひょんな事で知り合ったアベルと共に【ゲート】で繋がっている惑星へと旅立つ。所謂「ボーイ・ミーツ・ガール」系のSFだが、エンタメに寄せているのか比較的ご都合主義的な展開も少なくないが、それがどうしたとばかりに物語はどんどんづ進んでいく。何をとっても他作品で散々取り上げられた要素なだけに目新しさはないが、戯画るに楽しむという点ではまずまずだ。
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しょう
ネタバレ油田開発の利権がらみで射殺事件が発生し、機密情報として高値で売り飛ばすことを目的として事件の背後を洗っていた鷹野。無論全てがとんとん拍子に進むはずもなく、商売敵のデイビッドや謎の女AYAKOの存在も気になってくるところだ。つまるところ国や企業をも巻き込んだ情報戦の勝者になれるのは誰か?という所だが、肝心の登場人物のキャラの掘り下げが甘く、魅力的に感じない。太陽光もテーマとして取り扱っているが、はっきり言って調査不足。きちんと作りこめてない印象が強かった。
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しょう
ネタバレ一人の男の死から始まり、逆再生で物語が紡がれていくかなり異色な構成となっている。なので因果もことごとくが通常とは違い、加えて文体も普通ではないので会話や出来事等ありとあらゆる事象に関して頭をフル回転させて理解しながら読み進めていかなければならない。今後二度とお目にかかる事のなさそうな作品だが、自分には早すぎた気がしてならない。
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しょう
ネタバレ結核を患い、サナトリウムに入院している妻の早希を見舞い続ける主人公の凛太。妻の病状にも決してあわてず騒がず、とにかく静かに見守り、寄り添い続けている。迫りくる死の気配を身近に感じながらも、そこには悲壮感は全く感じられず、ありのままに受け入れる夫婦の姿があった。舞台は戦争真っただ中ではあるが、その気配は微塵も感じさせない程に静謐な時間が流れている。
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しょう
ネタバレシリーズ1作目。依頼人のエレンから夫と息子の捜索依頼を受けたコール。比較的簡単な依頼と踏んでいたが、思いがけずして陰謀に巻き込まれていく。裏表紙の紹介分からしてかなりキャラの濃いコールだが、作中では存分に皮肉屋っぽい部分を見せやり取りも軽妙に進む。しかし物語そのものは激しめのバイオレンスアクションでコールも必要とあらば巨悪を相手に次々と始末していく様はもはや清々しい。悪人が悪人になり切れていない感はあるがまずまずの面白さだった。
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しょう
ネタバレシリーズ一作目。自分としては初めてとなる落語ミステリー。しかも主人公は噺家ではなく、その妻が語り手となっているのが面白い。落語の世界について割と細やかに描写しているためか、自分のような素人にはありがたいが、テンポが少々犠牲になってる気がするが物語の特性上仕方のない事だろう。影の主人公はやはり福の助の師匠である生馬春だろう。病気で一線を退いたとはいえ「安楽椅子探偵」のようにさくっと真相を暴き出す。ミステリーとしては涙が、登場人物のキャラで面白く読めた作品。
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しょう
ネタバレ自国の兵士たちの遺骨収集と引き取りににアルバニアまでやってきたイタリアの将軍。将軍が遺骨集めのためにひたすら穴を掘り続ける姿は哀愁というのも生ぬるいほどに果てしない孤独、憂鬱、無力感がこれでもかというぐらいに表出している。ただこれだけの作業なのに死の気配を色濃く感じられる作品はないだろう。作業を続ける将軍にあるのは徒労感だけではなく、過去の陰惨な記憶である。
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しょう
ネタバレ金曜日の本屋さんシリーズ一作目。父から借りた本を無くしてしまったため、探し求めているうちに倉井が辿り着いたのは駅ナカ書店の金曜堂。そこでオーナーのヤスや、店長の槇乃や、栖川と出会う。特に店長の槇乃に一目ぼれしてしまった倉井はなし崩し的にアルバイトを始めることに。裏表紙の通りのハートフルな連作短編集だが、実在の書籍も多数紹介されているので非常に興味深く、引用本が巻末でしっかり紹介されているのもポイントが高い。一貫して平和な内容なのでその点での起伏はあまりないが安心して読める。次作にも期待したい。
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しょう
ネタバレ犯人の氏名正体が判明してもお構いなしとばかり、イリュージョニストとしての才を存分に発揮し、殺人を重ねていく。しかしライム達もやられてばかりとはいかず、犯人のイリュージョンvsライムの頭脳戦も最高潮に達する。しかし犯人の目的が一本芯が通っていないようで真相解明が難しくなっていく。二転三転 どころではないひねりが加えられており物語は複雑さを増していくが、テンポが素晴らしくとにかく先が気になる。ミスリードがやや露骨な気がしなくもないが、まずまずの内容だった。
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しょう
ネタバレシリーズ第5作目。ニューヨークの音楽学校で殺人事件が発生し、人質を盾に立てこもる犯人。周囲を封鎖したのちに警官が踏み込むも犯人と人質が消えており、その手口から魔術師ではないかとあたりとつけたライム達は見習いイリュージョニストのカーラの助力を得て捜査にあたる。犯人側もなかなかイリュージョニストとしては優秀なようで神出鬼没に現れては殺人を繰り返し、ライムの寝室にまで現れる始末。間一髪で危機を逃れたものの、今のところは犯人が一枚上手。ここからの巻き返しを期待して以下【下】へ。
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しょう
ネタバレ作品が丸ごと壮大な抒情詩と言っても過言ではない程、スケールが果てしなく大きい。また太陽系の惑星に人類が植民都市を建造・構築したというのも当時の設定としては壮大に感じる。宇宙についての衒学的な記述がやや冗長に感じるところはあるが、人類がもがいてみたところで宇宙や時間等あまりにも圧倒的な存在の前では無力である事が思い知らされる。細かいところを気にしてはきりがないが、物語世界を存分に堪能するには十分面白かった。
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しょう
ネタバレWW2末期が舞台。CIAの退官を間近に控えたタリー。これといって秀でた能力もなくごく平凡な男でしかないタリーだったが、ある日亡命希望の諜報員の受け入れ指令が下される。解説でも触れられているように非凡な日常を送ってきた平凡な男の一世一代の大仕事に挑む。冒険小説としては正当だが、加えてスパイ小説としての要素も濃く、「北壁の死闘」とは異なる緊張感が本作にはある。丁寧にストーリーを進めつつも、中~終盤ではまるでジェットコースターのような怒涛の展開で息つく暇もない。本作も安定した面白さだった。
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しょう
ネタバレ残念ながら配線が決定してしまった広島のローカル鉄道。これをなんとかして救おうと立ち上がった物好きな三人。ローカル鉄道救済の為とはいえ、会社まで立ち上げるあたり覚悟も熱量も半端なものではない。また、鉄道事業に関しては門外漢ながら、だからこそ現場の人間では思いつきもしないよな案が続々と出され、よくも色々なアイデアが出てくるものだと感心してしまう。実際にはこう上手く事は運ばないのは承知しているが、何とも夢のある内容だった。
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しょう
ネタバレシリーズ1作目。ロンドンで運命の出会いを果たし、電撃結婚をした資産家のチャーリーとジャック。二人でサンフランシスコに戻ったのもつかの間、宿泊先のホテルで見知らぬ女性の変死体が発見される。事件はこれだけに留まらず、自身が抱える劇団にも被害が及び、自ら調査をすることにしたチャーリー。電撃結婚のデメリットも顕在化した形でジャックが秘密を抱えていることが明らかとなり、面白くなって来る。コージーミステリーにしてはあまりドタバタし過ぎない感じもあってちょうどいい塩梅だった。
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しょう
ネタバレダーティペアシリーズ三作目。今回の舞台はロチェスター財団が運営するお嬢様学校。謎の奇病が発生し生徒が次々と倒れていく中で、派遣されたダーティペアの二人。当該事案と何の関係もなさそうではあるが、生徒と教師に扮した二人はこれまでのシリーズと同様所狭しと暴れまわる。しかし暴れまわった結果としてあまりでかしておらず、一方でムギの八面六臂の活躍で本作では一番目立っていたような気がする。ハチャメチャな展開は今回も面白かったがこれまでのシリーズを考えると残念な出来だった。
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しょう
ネタバレひき逃げされ死亡したはずのヒッチハイカーの死体が消失したのが物語の始まりで警察官のスローターは捜査にあたる。事件はこれだけに留まらず動物はまるで正気を失った感じになり、子供は狂暴化と、短時間でとある田舎町が恐怖と混乱に包まれていく。狂犬病の変異を疑いワクチンの接種が考察されたり、狂人をまとめて一網打尽にしようと考えるあたりパンデミックホラーの解決策としての定番は抑えている印象だ。
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しょう
ネタバレまるで傷ついた自信を癒すかのように場末の酒場でピアノを弾くエディ。そんなある日、ピアノを弾いていたエディの元へ長い事会っていなかった兄のターリーが二人組の男から逃げてきたことから、にわかに不穏な空気が立ち込める。そしてこの出来事をきっかけとしてか、過去の自分と向き合うようになるエディ。執拗なまでの心理描写はエディの傷をキズを抉っているように見えなくもない。ノワールとしては複雑さのない構成だがそれなりに読みごたえがあった。
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しょう
ネタバレ舞台は大正期の京都。警察官から探偵へと転身した鯉城が持ち込む事件を伯爵家の血筋でありながら病弱で身内からは煙たがられている露木が鮮やかに解き明かしていく連作短編集。舞台設定はかなり自分好みで、大正期独特の薄暗い雰囲気や登場人物のやり取りを見ているだけでも楽しめる。若干BL要素が入っているのが少々気にはなるが、普通とはやや異なる二人の絆は感じられる。ミステリーとしてはさほどでもなかったが、最終話で予想外のひねり。中々面白かった。
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しょう
ネタバレイタリア半島の先端に位置するアルバニア人が集まって出来た共同体の一つであるホラ。昔より幾度も歴史の奔流に呑み込まれそうになりながらも、独自の文化を築きあげ、伝統として守り通してきた事が語られており、スケールが非常に大きい。現代と過去を行き来しつつもそれぞれで紡がれた歴史が像を結び歴史的にも興味深い物語へと仕上がっている。
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しょう
ネタバレシリーズ二作目。失踪していた妻の千勢だが、もう少し引っ張ると思っていただけに二作目にして早くも発見されたのは予想外だった。出奔の理由である敵討ちに関しては割と深刻なものらしく、今後もシリーズの肝となりそう。しかし結婚一面めの夫婦にしてはあまりにもドライなのは個人的には気になる所。また将棋仲間だった徳左衛門がまさかの刺客で直之進からしてみればたまったものではないだろう。次作にも期待したい。
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ネタバレペリー・ローダンシリーズ三作目。本作でいったん書き手が交代したせいか、若干の違和感を感じるもすぐに慣れた。いよいよ外敵にも気を配らなくなってきたところで、ローダンは作戦の一つとして世界各地からミュータントを集めるが、見ようによっては連れ去りのようなものでこの点やや強引な気がしないでもない。他ではトーラが徐々にローダンへの態度が軟化してきているのが微笑ましい。ミュータント部隊が結成された所で次作どんな活躍を見せるのか楽しみにしたい。
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しょう
ネタバレ女副署長シリーズ三作目。未だ未解決の少女行方不明事件を抱えている中、旭中央署に新署長として赴任してきた俵。しかし俵にはとある不祥事を抱えており、観察から対応を要請される田添。加えて二年前の強盗犯だった上原の内縁の妻が謎の転落死と夏祭りを前に相変わらず忙しない。田添もご多分に漏れず、全事件の全容解明に東奔西走する。かなり忙しい展開ながらも、それぞれの事件が取っ散らかる事無くまとまりのある内容に収めているのは流石と言った所。しかしこの幕締めは個人的には衝撃的。これでよかったのかと問われると正直疑問だ。
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しょう
ネタバレ少年更生施設で働くアイリーン。家に帰ればアル中で口うるさい父がいるのみで期のひゃすまる暇はなく、自身の境遇をひたすらに憎み、半ば鬱屈した生活を強いられている。いつか現状を打破すべく街を飛び出したいと願うアイリーンの前に現れた同僚のレベッカとの出会いが覚悟と想いを強めていく。本作ではアイリーンの心の闇の部分を執拗なまでに細やかに描写し、暗い気持ちに引っ張れられていくようだ。ただアイリーンを「等身大」と表現されている事が個人的には疑問で、周りの環境でその特性は薄れてはいるものの、アイリーンもまぁまぁ酷い。
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しょう
ネタバレ妖怪のDNAを所持している妖人。普段は茶室の主人である洗足伊織が人間と妖人を見分けられる能力を生かして警察からの捜査協力に応じ、妖怪が関与している殺人事件に取り組む。殺人事件といっても緊迫感があるわけでもなく、妖怪を扱った作品でありながら、多少のおどろおどろしさはあるもののあんまりホラーっぽくはない。登場人物は洗足を始めとして個性的なキャラが多く、キャラ同士のやり取りが中々面白い。次作にも期待したい。
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しょう
ネタバレある歴史に干渉してしまった結果、エネルギーに関するあらゆる問題が解決し、科学技術が飛躍的な進化を遂げたユートピアだった世界をディストピアにしてしまった時間航行士のトム。責任を感じているのは分かるが、序盤はトムのグダグダっぷりが読んでいてしんどかった。中盤を過ぎたあたりからトムの奔走っぷりが見られるが、他のタイムトラベルものと比べても秀でて面白い部分があったわけでもなく、タイムトラベルについてかなり細かく考察がなされているが、良いところと言えばそれぐらいだった。
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しょう
ネタバレ登山家として名を馳せていたのも今は昔。現在は三浦半島でボート屋を経営している渋谷。そんなある日ボート屋に訪れた二人の男にとある岸壁に登頂してほしいとの依頼を受ける。それを断ったものの海上で襲われ、ボート屋は従業員と共に灰燼に帰する。ここから復讐譚となるわけでもなく、思ったよりはるかに大きな陰謀に巻き込まれていく事になる。テンポはかなりスピーディーで目まぐるしく忙しいが、緊張感が途切れることがなく、息をつく間もない。抜群の読みごたえだった。
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しょう
ネタバレ会社ではそれなりに評価され、上司受けも上々なムッシュー。しかしながら押しが弱い気性が災いしてか、ムッシューには様々な災難が舞い込んでくる。これを押し返すこともなく押しつぶされる事もなく、ただゆらゆらと「なるようにしかならない」とばかりに泰然自若な様子が伺える。ムッシュー自身はごくごく普通に人生を歩んでいるとだけだろうが、読んでいる身からすればその様子がなんとも可笑しい。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ幼馴染の智恵子の転落事故死を軸として当該事件の経緯から行く末まで数人の登場人物の視点から重層的に語られていく。智恵子の死により容疑者として裁判にかけられる事になった兄の稔に対し、稔とは正反対に故郷を嫌い東京へと飛び出した弟の猛との対比が面白い。多少歪であっただけの家族だったが幼馴染の死がトリガーとなったみたいに更に転落していく。田舎町特有の閉鎖的な感じがさほどではなかったのが本作の妙味を減じており、その辺りが個人的には残念だった。
が「ナイス!」と言っています。
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ネタバレ下宿屋で頭皮が剥がれた刺殺体が発見され、そこに偶然に居合わせたマージョリーは下宿屋の誰かによる犯行と推察。続けて密室状態で住人の一人が密室状態の部屋で殺害され捜査に乗り出すツイスト博士達。捜査していくうちに75年前の未解決事件と酷似していることが明らかとなり、きな臭い雰囲気が漂う。トリックそのものは単純ながら実現可能性に乏しく、少々疑問。下宿屋のいわくありげな人々の怪しい感じは面白かった。
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ネタバレ医療×仮想空間というあまり見慣れない斬新な舞台設定だったが、これが思いのほか上手く融合出来ていて面白い。また仮想空間についての考察はどうしたって難しくなるもので本作でもそれは例外ではないが、それ以上に本作で語られる進化した医療制度は現実でも将来的にあり得そうで非常に魅力的だ。これだけでも作品として成立しそうなものだが、ここにミステリーを盛り込むのが面白い。SFとしてもミステリーとしても面白かった。
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ネタバレV・S・ナイポールのデビュー作。著者の出身地・トリニダード島を舞台に、指圧師のガネーシュが自身の知性や強運であれよあれよという間に出世していく物語。表紙からして胡散臭さは満点だが、当時のトリニダード・トバゴでは知識人は決して多くはなく、故にガネーシュは周囲の人々から羨望の対象となったのだと推察する。解説によると和約に広島弁を用いたそうで、ユーモアも取り入れられている本作においてはこの試みはある程度は成功していると言える。
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しょう
ネタバレ彼女の茉莉と同棲生活をしている鈴木。ある日彼女の携帯メールを見て知らない男の名前があったことから茉莉の浮気を疑う。問い詰めれば話も早いが、形態を盗み見た罪悪感があるのか結局本人には聞かずに夜な夜な携帯を盗み見る生活が始まる。基本的にストーリーはこれがメインで続くだけで特段の起伏もなくあくまでも携帯を見る鈴木の心理描写がつらつらと描写されているのみだ。改めて盗み見なんてするものではないと思わされた
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しょう
ネタバレ本作では「ジーン・ワルツ」と同様に代理出産をテーマとしているが、視点は理恵から母のみどりへと変わっている。事の顛末は前作により既に分かってはいるが、みとりと理恵の親子関係や理恵の人間性が寄り分かりやすくなっている。娘の要望により代理母となるも理恵の倫理・常識に欠けた行為がみどりの考えを変えていく。理恵はもちろんだが、伸一郎もかなりドライな性格のようで理恵と同じく人として何か大事なものが欠損しているように思えてならない。ストーリーとしての落としどころは悪くないが、→
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレアメリカの田舎町で兼業主婦として日々忙しく暮らしているルーシーだったが、自身の職場で経営者の死亡事故が発生。自殺の船が濃厚な中で、第一発見者のルーシーは自殺説に納得がいかず、多忙な中で独自に事件を調べ回る。この手のミステリーとしても日常のパートが非常に多く、事件にはあまりページが割かれていない。「日常生活の中でおきた事件」の意味合いが強く、ミステリーとしてはかなり薄味。展開こそ早いが、物語としてはおとなしくやや読みごたえに欠ける。一応次作にも期待したい。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ不祥事により、監察官の面談の後に謹慎処分となった秋吉と白洲。そんな二人に監察から不祥事のもみ消しをを条件とした公安刑事の内偵を命じられる。その公安刑事もとある企業との良からぬ繋がりがあり、一筋縄ではいかなさそうだ。途中まではキャラもしっかりしており、緊迫感のある内容だったが、それ以降はただのドタバタ劇を見せつけられた気分でついていけない。登場人物も多い割にはキーパーソンが分かり難く、描写が浅いのでそういう意味での読みごたえに欠ける。随分雑な物語構成にしたな、という印象だ。
が「ナイス!」と言っています。
しょう
ネタバレ前作ではオリーヴの半生をクロスビーの住民からの視点も交えて俯瞰的に描かれていたが、本作では既に70代となったオリーヴが老いる事について本格的に考えだし、残り少ない人生を送りながら騒がしくも心穏やかな日常が描かれている。老成しているからなのか、前作と比べると尖った部分がなくなって幾分か丸くなったかのように感じる。一遍一編のテーマは決して軽くはないが、しみじみとしつつもいずれも前向きで元気になれそうな短編揃いとなっている。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2014/07/17(3784日経過)
記録初日
2014/07/06(3795日経過)
読んだ本
3633冊(1日平均0.96冊)
読んだページ
1293171ページ(1日平均340ページ)
感想・レビュー
3603件(投稿率99.2%)
本棚
32棚
性別
現住所
埼玉県
自己紹介

身内に勧められて読書を始めました。主に図書館でタイトルを見て第一感面白そうと思った本を中心に借りて読んでいます。その為乱読ですが、食わず嫌いはせずに様々なジャンルの本を読みたいと思っています。

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