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2024年10月の読書メーターまとめ

カノコ
読んだ本
10
読んだページ
3358ページ
感想・レビュー
10
ナイス
317ナイス

2024年10月に読んだ本
10

2024年10月のお気に入り登録
1

  • 佐倉

2024年10月のお気に入られ登録
2

  • 佐倉
  • まさ

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

カノコ
夫から突然離婚を切り出された沙也加は、夫が頻繁に立ち寄っていた定食屋「雑」で働くことになる。店名の通り、大雑把な料理ばかりを出す店主の "ぞうさん" と、丁寧で生真面目な沙也加。全く違う二人の女が徐々に交わり、少し特別な関係性になっていく様子が心地よい。冒頭の話から想像した内容とは違う方向に話が転がっていったが、それが却って好感が持てる。時代や環境にあわせて変わりながら生き抜いていく逞しさが愛おしい。お腹がすくタイプの話ではなかったが、もりもり元気に揚げ物がしたくなるような、不思議な読み心地だった。
が「ナイス!」と言っています。

2024年10月にナイスが最も多かったつぶやき

カノコ

仕事が現在進行系で大炎上しており日々わなわなしております。読みたい本もやりたいゲームもたくさんあるよ~!今月もなんとかかんとか頑張るぞ。10月のわたしにご期待ください。[2024年9月の読書メーター] 読んだ本の数:8冊 読んだページ数:2634ページ ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/492396/summary/monthly/2024/9

が「ナイス!」と言っています。

2024年10月の感想・レビュー一覧
10

カノコ
山縣有朋の影の側近と噂される男が、首のない死体で見つかった。黒龍荘で相次ぐ見立て殺人の真相を、月輪は突き止められるか。シリーズ二作目、前作未読。明治時代が舞台で伊藤博文や山縣有朋といったお馴染みの名前も登場するが、堅苦しさはなくむしろサラッとした読み心地。座敷牢のある大邸宅、四人の妾、そしてなんと言ってもわらべ唄の見立て殺人とみんなが大好きな要素が詰まっており雰囲気抜群。驚くべきテンポの良さで人が死んでいくのも嬉しい。そして最後に明らかになる真相には度肝を抜かれた。衝撃的。それにしてもそんなんアリ?
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カノコ
夫から突然離婚を切り出された沙也加は、夫が頻繁に立ち寄っていた定食屋「雑」で働くことになる。店名の通り、大雑把な料理ばかりを出す店主の "ぞうさん" と、丁寧で生真面目な沙也加。全く違う二人の女が徐々に交わり、少し特別な関係性になっていく様子が心地よい。冒頭の話から想像した内容とは違う方向に話が転がっていったが、それが却って好感が持てる。時代や環境にあわせて変わりながら生き抜いていく逞しさが愛おしい。お腹がすくタイプの話ではなかったが、もりもり元気に揚げ物がしたくなるような、不思議な読み心地だった。
が「ナイス!」と言っています。
カノコ
著者初のSF短編集。死後結婚のマッチングアプリ、感情を操作するゲーム、可視化された閻魔帳など、どの話も発想が面白い。更に、ミステリの文脈を取り入れることで先の読めない展開になっており、読んでいてとても楽しかった。設定こそぼんやりしているものの、主人公の鬼気迫る "推し方" に気圧された表題作もいいし、SEOという題材をユーモラスに調理した「閻魔帳SEO」にクスリとさせられ、しっとりとした雰囲気の主従関係に魅せられた「九月某日の誓い」の美しさにうっとりとした。著者の引き出しの多さを知ることができる一冊。
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カノコ
あと七日で消滅する幽霊となった「完全犯罪請負人」の黒羽と、両親を殺された少女・音葉がタッグを組み、犯人に復讐を目論む。語り手が幽霊であることを除けば、真っ当なバディもの。敢えて言うならば、小学生の少女の聡明さが異常かもしれない。なんとなく話が漫然と進んでいっている気がして途中までは乗り切れなかったのだが、終盤の展開は流石の重厚さ。非常にこってり。真相よりも途中で披露される推理のほうが個人的には面白かったのだが、それは多重解決ものの宿命というべきか。若干まどろっこしさもあったものの気持ちの良い締め方。
カノコ
2024/10/20 14:33

麻耶雄嵩から名前つける親、すごすぎる

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カノコ
昆虫好きの青年・魞沢が様々な事件に遭遇する連作短編集。シリーズ三作目。魞沢くんが各地に赴く動機こそ虫絡みであることが多いが、ついに事件自体にはほぼ虫が登場しなくなった。しかし、物語の静かで物悲しい雰囲気と、それを和らげようとする探偵役である魞沢くんの優しさは健在。狩猟者による誤射事件の真相「白が揺れた」、季節外れのポインセチアにまつわる記憶「赤の追憶」など、しっとりとした余韻が残る。派手さはないものの、どの話も良質。とにかく文章が良く、読んでいて心地が良い。また魞沢くんに会える日が今から楽しみだ。
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カノコ
ゴーストレストランのオーナーが、フードデリバリーの配達員に情報を運ばせて依頼主の謎を解く連作短編集。一話ごとにワトソン役である配達員が交代し、彼らが配達員をしている理由が垣間見える描写が興味深い。しかし、配達員の事情や安楽椅子探偵の設定こそ面白そうに感じたものの、ミステリ部分は正直なところ予想の範疇を超えない。また、この形式の作品集だと致し方ない面もあるのだが、レストランとオーナーに関する説明が些かくどく、話を読み進めても情報に厚みが出てこないのが残念。なんとなく釈然としないまま終わってしまった。
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カノコ
森田座の人気役者・扇五郎と、芝居に魅入られた人々の群像劇。芸のために何ができるか。どこまで許されるか。芸のため、才能のため、芝居の神に見出されるため。あらゆる免罪符を重ねて、人の道を踏み外す。現代の倫理観で彼らの行為を否定することは容易いが、江戸情緒たっぷりの筆致で綴られる、狂気にも似た執念に身を委ねるのが気持ちがいい。少しずつ彼らの業を理解していった末にたどり着く終章では、その顛末の凄まじさに気圧された。恐ろしい、すごく恐ろしい。数多の人生を歪ませ、地獄に引きずり込んだ美しい手が。底でも、役者は役者だ。
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カノコ
二年前に変死事件が発生した「雷龍楼」で、再び発生した密室殺人事件。何者かに誘拐された霞は事件に巻き込まれた従兄弟を救うため、事件の謎に挑む。冒頭の「読者への挑戦状」で、事件の被害者も犯人も明らかにされる大胆な構成。設定はこれ以上ないほどオーソドックスな本格の要素を押さえているのに、どこか不可思議な読み心地がユニーク。肝心の密室の真相には正直笑ってしまったが、伏線の置き方は割とフェアである。しかしこれはミステリではないかもしれない。でもわたしは、こういう読者の神経を逆撫でするような作品が大好きである。
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カノコ
夫の暴力から逃れるため、娘を連れて家を飛び出した明日香。たどり着いたのは、高齢者ばかりが暮らす村だった。タイトルに出落ち感があるが、認知症の描写は生々しく、現実的な恐怖心を煽られた。我が身に置き換えて考えると、姥捨山的な役割を果たす「アルツ村」は必要悪であると思ってしまうことを否定できない。しかし明日香の目線から村を見ていくうちに、徐々に村に対する違和感が浮き彫りになっていく構成が面白い。中盤以降の展開はやや丁寧さを欠いており、村の秘密も飛躍しているような気もするが、それを差し置いてもラストの衝撃は抜群。
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カノコ
凄腕の詐欺師・藍は、両親の復讐を誓う満みちると手を組み、彼女の仇を探すことになる。価値観が全く異なる二人の女性が出会う、ある種のガールミーツガール、あるいはシスターフッド。みちるの浅慮な言動に苛立つ場面もあったが、同時に彼女の純真さと危うさに魅力を感じる藍の気持ちがわからなくもない。しかし特筆すべきはやはり終盤の展開だろう。この手のバディ小説で、こういった結末になるとは想像だにしていなかった。勧善懲悪でも性善説でも片付けられない、ホラーじみた結末。決して気持ちよくはないが、強烈なインパクトだった。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2014/08/17(3754日経過)
記録初日
2014/08/03(3768日経過)
読んだ本
1516冊(1日平均0.40冊)
読んだページ
508277ページ(1日平均134ページ)
感想・レビュー
1338件(投稿率88.3%)
本棚
10棚
性別
現住所
東京都
URL/ブログ
https://note.com/kanokosuki/
自己紹介

読書は情緒的に、飲酒は控えめに。
ミステリ多め、それ以外もそこそこ。
のんびりだらっとやっています。根は真面目です。

第7回レビュアー大賞で「ベスト・オブ・ベストレビュアー賞」に選んでいただきました。
https://bookmeter.com/reviewer_awards/2023

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