読み友の皆さん7月も沢山のナイスを下さって本当にありがとうございます。7月は4冊/日ペースで書けて過去の自己最高だと思いますよ。8月は反動でガクッと落ちるだろうなと思いますが、何とか気持ちだけは強く持ってがんばりますよ!今月もよろしくお願いしますね!2023年7月の読書メーター 読んだ本の数:124冊 読んだページ数:9739ページ ナイス数:52119ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/868158/summary/monthly/2023/7
いこさん、こちらこそありがとうございますね。お声を掛けて頂きましてとても嬉しいです。まあ読める内に出来るだけ頑張って沢山読みたいですね。今月もどうぞよろしくお願いしますね。
ストーリーに引き込まれて最初から最後まで面白くて一気読みしました。どんでん返しのトリックはあるのですが、それを抜きにしても筋立ての面白さで読ませる新人離れした作品だと思いますね。唯一つ難があるなと思うのは読み手をミスリードさせようとして関係者を疑わせにかかる手掛かりが強引で不自然過ぎたかなとは思いますね。白鳥翔が原稿用紙に錯乱した文字を書き連ねる描写はやり過ぎだと思いますね。本書は乱歩賞に結局落選しまして島田荘司さんは「もし僕が審査員だったら、そうはさせなかった」と本書刊行時に書かれ悔しがっておられます。
私は乱歩賞の受賞は審査員の好みと作家の時の運もあるとは思いますが、やはり何らかの不足もあってこういう結果になったのだろうと思います。でもまあ後の文句ないご活躍を見ればそれも些細な事で本書はアマチュアだけが書ける情熱を持った力作に間違いないと思いますね。
それは生けるが如くで、妊娠中の胎児が死後に生み出されたものと判った。夫の家では妻の亡骸を灰にして、その赤子を養育した。まあ何はともあれ結果オーライで赤ん坊が無事に助かって、めでたしめでたしでしたね。
著者はこの日本的な諦めの姿勢とアメリカの激情の姿のどちらが頼もしいかという事は一概には言えないと思うと結ばれています。うーん、死んでいく者は落ち着いて最期を見届けてくれた方が少しも心を動揺させずに覚悟を決めて死ねるのかもしれませんね。でも日本も昔と今では相当に考え方も変わって軟弱になっているかも知れませんね。
シベリア樅、コペイカ銅貨、成る程そうでしたか、ロシアの森の中を歌った詩だったのですね。21世紀の今も昔とちっとも変わらず苔人形はつくられているのでしょうかね。
金太は冷静に魚籠を持って走って逃げた。一軒の茶店があったので、やれやれと中に入り出てきた爺さんに「釣りに行って目も鼻もない化け物のっぺらぼうを見たぜ」と話すと「へえェ、それじゃ、こんなので」と言い老人がつるりと顔を撫ぜると、その顔は目も鼻もないのっぺらぼうになっていた。金太は悲鳴を上げて逃げ、釣り竿も魚籠も置いていった。まあ、オチは「貉(ムジナ)」と全く一緒ですので残念でしたね。
ぼくは去年の夏から鼻水に苦しみ、大作の長編小説に挑んで覚せい剤を飲んで眠れなくなると催眠薬を定量の十倍位服用して催眠薬中毒になったのを麻薬中毒と間違われたらしい。でも僕はもう治っている。秋までに長編小説を書き終り、それが済んだら縦横無尽に書きまくるつもりである。まあとにかくこれを読むと非常にヴァイタリティ―に溢れた方だったとうかがい知れますね。
しかし品物は焼けてしまい彼は妻の仕業だと思い、妻を狂ったように打ち叩いて家から追い出す。彼は役人に捕えられて三人に山へ連れていかれ刀で首を切られようとする。すると一匹の虎が現れて役人たちに襲い掛かり食い殺す。気絶していた男が目覚めると女の声がして、私は人間ではありません。あなたが父さんを助けてくれたので恩返しにあなたの側で災難を防いであげたのですと話す。彼が女に連れられて家に行くとベッドに乳飲み子が寝ていて「あなたの子供ですよ」と言われた。それから夫婦の運は上向いた。虎は残酷ですが、男は誠に幸せ者ですね。
最後の方で「古墳殺人事件」はヴァンダインの真似で酷い作品だと酷評されていまして、作者名は書きませんが、逆にどんだけ酷いのだろうか?と興味が沸きまして一度読んでみたくなりましたね。また書き忘れましたが「刺青殺人事件」は昔一度読みましたが細かい部分は忘れていますので、こちらも読み返したくなりましたね。
ああ、夢追人009さん。帯の煽り文句については、「読者からネタバレになるんじゃないか(怒)」と“責められる”から、この表記ありかな、って読みましたよ(笑)
ネギっ子genさん、そうでしたか。日本語はややこしいですね。私は「攻めて売る」というつもりで書きました。どちらでも意味が通じるのですね。確かに「解り易すぎるヒント」は読むと腹が立ちますから、それだけは止めて欲しいですね。教えて下さって、ありがとうございますね。
大将は人情にも深かった人で死んだ人々に同情を寄せられて遂に大将の地位を辞して隠居されたということです。まあ小川さんは子供達が読むことを考えて人間の愚かさ・残酷さについて書かずに穏やかな物語にされたのでしょうね。戦争は多くの死者と悲しみを招くものだから決して繰り返してはいけないという小川さんなりのメッセージでしょうね。
その夜、娘を間にはさんで夫婦が寝ていると、いつもの女が現れたので後妻は亭主を起こした。お前は何お不足があってやって来るんだ?と亭主が聞くと、私はお礼にあがっておりますと前妻が答えた。そうかそうか、しかしお前が来ると、これが恐がるからもう来るな」と言った。するとそれから女は二度と現れなくなった。まあこういう律義で生真面目な幽霊もいるのですね。まあ普通の話で拍子抜けして少し物足りない気もしましたね。
「メロンを持ってきた!」と二人が叫ぶと、兄の太郎さんは涼しい木の下でクレヨンで牛の絵を描いていました。いいですね!炎天下によーく冷えたメロンをみんなで食べると美味しいでしょうね!その後はみんなで生ビールを飲んで、おっと、イヤお子さんはビールを飲んじゃ駄目ですね。
『荒倉の狸』土佐の荒倉山には狸が出て人をたぶらかすと言われていたので、日頃から確かめようと思っていた庄屋が実際に旅に出ると、夜に山道を猫のような動物が歩くのを見て後をつけた。獣は木の葉を体に付けると何と自分(庄屋)の姿になった。獣は山を下りて村の庄屋の家に入ると「今もどったぞ」と家内に言い続いて「もう寝ようか」と声を掛けた。「けしからん奴だ、今にみよ」と庄屋が刀に手をかけると後ろから「庄屋さん」と肩を叩かれた。ふと気が付いて見ると荒倉山の峠の石燈籠の前に立って中をのぞいており、もう朝で日が高くなっていた。
最初の2つは怖がり過ぎた男の笑い話で、こんな話ばかりかと思っていたら3つ目はタヌキにからかわれた男が痛い目にあうユーモラスな話でしたね。田中さんの実力が光るお得なミニ怪談噺作品集でしたね。
第一章が浮気男の小川の語りで、第二章はオカマのマッキー(この名前は著者の芸能ネタパロディーでしょうね)、第三章は探偵社ボスの三郎の語りで、女子のカオルだけは無口で寡黙ですね。最初は小川のとまどい、次にマッキーが心の中で笑ったりするのですが、次の三郎は笑いどころではなくヤバイ状況に追い込まれていきます。後半では二転三転の犯罪サスペンスとなり、警察がいないのがラッキーに思えてきます。本書はお芝居の舞台で演じられるのに最適な犯罪サスペンスドラマですね。唯一の不満は物語が未完な点で著者に続きを書いて欲しいですね。
まあこの三人は最後には日本の優秀な警察官に捕まって逮捕されるのがベストの運命でしょうね。でも、最後の意外な犯人のどんでん返しはミステリーとしても上手く出来ていて大満足でしたね。
するとやはり同じ夢を見たので鍔の祟りだと見て持ち主を懸命に調べて突き止めたのでお返ししますと言うと直ちに立ち去ったのだという。まあ信じられない冗談みたいな話ですが不謹慎ながらも何となく笑ってしまいますね。
サイキック・ウォーズ(超能力戦争)というジャンル、初めて知りました。SFは(も)苦手なのです。😳サイコとかサイコキネスとかパラレルワールドとかよくわからない上に新しい言葉も追加されていくようです。サイバー何とか~~とか。🤔
京子の手にしたハサミが赤ん坊の首に当たって血に染まる。それから夫が京子を海岸へと旅行で連れて行くと、夢で見た家があるという。車夫によれば、この家で先月までいた東京者が赤ん坊を妙な女に絞め殺される事件があったという。夫婦が旅館の二階にいると、警官が京子に会いに来たと言う。京子は窓辺に駆け寄ると京子にそっくりの女が庭を横切って駆け抜けていった。事件の真相は最後まで読んでもわかりませんね。あの女は京子のドッペルゲンガーだったのでしょうか?とにかく合理的な説明のつかない不気味としか言いようのない奇譚物語でしたね。
王妃は泣いて娘の塚を検めさせると黄金の枕だけが消えていた。娘の肉体は二十三年前と少しも変わらず情交の痕跡があったので、男は婿と認められて皇女の配偶者の地位で本国へ帰らされ出世したと見られる。死者との結婚は気味が悪いですが、まあ貧乏男が衣食住に何不自由ない暮らしになれて誠に幸いでしたね。
与右衛門は妻の甥の金五郎を養子に貰ってお菊と夫婦にする。だが正月からお菊は怪しい病気になり苦しい苦しいと言い泡を吹いて気絶する。二人で看病しているとお菊が起き上がり「わしは二十年前にお前に殺された累じゃ、おのれの女房は皆とり殺した。次はお前の番じゃ」と叫ぶ。与右衛門は法蔵寺へ逃げ、金五郎は実家に逃げ帰る。村人達が家に行くとお菊が与右衛門を連れてきてくれと頼む。村人達は与右衛門を出家させて塁の菩提を弔わせる事にした。その後苦労の果て住職達に協力して貰い漸く累を成仏させお菊は救われた。恐るべき怪談噺でしたね!
お父さんとお母さんは「ぼオん」という音はお寺の鐘だよ。お前の角についているのが花で、一杯咲いている所に春がきていたんだよと言いました。やがて暫くすると山の奥にも華がきていろんな花が咲きはじめました。のどかで平和でのんびりとして牧歌的な春の風景が誠に気持ちよいですね。私の住む奈良県の奈良公園ではシカはお馴染みの動物で、普通に町中も歩いていますよ。
男は敵討ちをしてくれた礼を言い私は悪僧に殺され死骸が山の中程にあるので家に行って父に知らせて欲しいと頼む。彼は言われた通りに昨日の家へ行って事情を話し一緒に山へ行って男の死骸を見つける。父親は家に帰り嫁の部屋の床下を開けると和尚の死体が見つかる。夫人は自分の悪行を認め白状すると、実父に刀で喉元を刺されて死ぬ。男の夢に再び死んだ夫が現れ科挙試験の答を教える。男は試験に合格して文官となって出世する。殺された男が自分でリベンジして呪い殺すのではなく見ず知らずの男に仇討ちをして欲しいと頼むのが特異な感じでしたね。
皆に話すと大賛成で、田舎の子供達も大喜びとなって、こうして遠い田舎と街の子供達の間に交際ができるのがとてもうれしかったのでした。今はスマホとネット社会ですからこういう事はないでしょうけれど、昔々の子供達の微笑ましい友情が育まれる誠に良い話でしたね。
ここで張はどうすればいいかと十日も二十日もご飯もろくに食べずに考えましたが良い考えが浮かびません。そこで通りがかった村人に相談すると、帽子を取ったらいいよと教えてくれました。こいつは名案だと叫んだ張は帽子を取って捨てて、ロバの耳に「ロバやーい」と言うと耳がくすぐったくてロバは耳をぴくぴくさせました。「やあ、聞こえる、聞こえる」張は躍り上がって喜びました。まあ、びっこの問題はいつの間にやら完全に頭から飛んで行ってしまいましたが、まあいいじゃないの、幸せならば~ですね。
父親が許すと言うと、男に泣き崩れ「あなたは妹と結婚して、でも私の事も忘れないでね」と言うと気を失って倒れる。妹が目覚めるとその日の一切の記憶がなく病気も治って健康になった。男は鳳凰のカンザシを打った金で死んだ姉の為に祭りをした。夢に姉が出てきて礼を言い妹の事を頼み、それから不思議はなくなった。まあ終ってみれば少し気色悪いながらもロマンチックな目出度い良い話でしたね。それから本作の読みは「きんぽうさいき」でしたよ。
何もそこまで極端に残酷にしなくてもいいのにと思われる方も多くいらっしゃると思いますが、それが著者の厳しくハードな妥協を許さない芸風なのでしょう。まあ優しさも大切ですが、私はプロフェッショナルな至誠を貫く著者を支持したいと思いますね。とにかく題名の大人しさとは真逆の面白いミステリーですので未読の方にはぜひチャレンジして欲しいですね。
もう疲れているせいか漢字の変換がボロボロで申し訳ありません。コメント1:×観戦→〇完全、コメント2:×至誠→〇姿勢でしたね。今後もっと冷静に見直せるように努力しますね。
今回は3話で地名の書き換えのイタズラが堂々と書かれているのを読者が真似しないのかなと少し心配しましたが、著者はこんなにあからさまに書くとみんな却って真似し難いだろうと計算されたのだろうと思いますね。義父のヅラはもっと明るく和解できたら良かったのにねと少しだけ心残りでしたね。そして最終話でマユミちゃんが初めて感情をあらわにした場面に強いインパクトを感じましたね。似たような展開の話が多くてややマンネリ感もありますが、悩みもなく常にご陽気な伊良部医師の魅力に引き摺られて残り2冊も楽しみに読みたいなと思いますね。
太郎が西の山に浮ぶふちの赤い雲を見ている間、太郎の知らぬ間に、かぶと虫はいつか指からすり抜けて逃げてしまいました。まあ時にこういう運の悪い日もありますね。何もかもがうまく行く日もまた来ますからガッカリして深刻に考え過ぎずに気を取り直してがんばって欲しいですね。
首が落ちた所を見ると彼を睨んで生きていた時の様に、ニッと笑ったという。彼は年寄りと相談して女を葬ったが夜になると発熱し股のあたりに非常な痛みを憶えたので見ると一つの腫物ができており、どんどん大きくなり奇怪な形の物となった。それは医薬も祈祷も効果が無く削っても焼き捨てようとしても元通りとなってどうしても除くことができない。それから二十年が経つという。八郎は涙を流して主人の為にと夜通し朝まで舞を踊って慰めた。別れの時に主人は八郎に内股をまくって奇怪な腫物を見せた。面長な細面の黄色な女の顔が生々しく映っていた。
無意識の内に他者に幸せな影響力を与える不思議な魅力の主人公、未知を生きると書く未知生さんの人生の物語は、きっと読み終えた人の明日を力強く勇気づけてくれることでしょう。 #NetGalleyJP
まあ題名は「夜よ」と呼びかけるのではなく今は「夜よ」と確認しているような感じですね。まあそんなものは見れば一目でわかるのですけどね。真夏の真昼は炎天下ですから夜が舞台の絵本は暑苦しくなくて涼しい感じで読めて丁度いいのではないでしょうかね。この絵本は8月29日刊行予定ですよ。#NetGalleyJP
お母さんはあなたのする事は何でもわかるのよ。お母さんは実は昨夜、物置の前に釣りざおとバケツとみみず箱が置いてあるのを見たので察して、いつもと同じ早い時間に起きられたのでした。正ちゃんは日頃から優しい良いお母さんだと思っていますが、いつになったら、お母さんの愛が本当に深くわかるのでしょうか。まあ幼いですから今はまだ難しいけれど段々と成長するにつれて母親の思いを理解して日頃の感謝の思いを込めてお手伝いをしたり贈り物をしたりしてあげて欲しいものですね。
先に進むと大きな石室があり、サルの番兵が立っていて入り口に「申陽之洞」と額がかかっていた。彼は自分は医者だと偽ってサルどもを騙し大王の部屋へ連れていかれると石綿に浸した薬液を与える。部下達も欲しがるので与えると全員が苦しみだして倒れ息絶える。側には三人の美女がいて事情を問うと富裕な家から誘拐されたのだと判明する。やがて白い服を着た老人が現れサルに追い出された精の者だと言って帰り道を案内する。去り際に彼らの正体が白ネズミだとわかる。李生は女の生家へ行くと父親から結婚を許さて残りの二人も望んだので共にめとる。
本作は無一文の貧乏青年が一転して幸運に恵まれて富裕の身分になるチャイナ・ドリームのサクセス・ストーリーでしたね。※後で気づきましたが、元の時代ですから正確にはモンゴル人の物語でしたね。
これは人間では何と168歳!ニャンコの世界の成瀬あかりですね。これは勿論冗談ですよ。まあ本当に猫を飼いたい人にも現在どうしようか迷っている方にも読んで損はない側に置いて好きな時に眺めたい一冊ですので本書をぜひお奨めしますね。#NetGalleyJP
ナイスありがとうございます。とても良い一冊でしたよね。他の方がお勧めされてるように、『きのうのオレンジ』もお勧めです。自分の読んだ中で一番泣きました。この作品とは違った形で、命の大切さやどう生きるかを考えさせられる作品でした。
しかし太陽が南へ去ってしまうと、まもなく草は枯れてしまいました。ああ、草の栄光の時は長くはなく、あっという間に終ってしまうのですね。それに比べると青木は寿命が長く退屈な人生化も知れませんが毎年生まれて来る草たちに人生と忍耐のお説教をして時に沈黙を守って長生きするのでしょうね。
巨男が成長するにつれ魔女は弱っていき人を鳥に変える魔法を息子に教え遂に動けなくなりました。巨男は魔女が死ぬ前に魔法を解いて鳥を人間に戻す方法を聞きました。それはね鳥が涙を流せば元の姿にかえるよ。魔女の死後、巨男は白鳥に涙を流させようとしましたが、何度やっても駄目でした。巨男は白鳥を連れて都へ出てきました。都の者は巨男を殺そうと王様を説得し大理石の塔を建てる事を進言し巨男に南から石を運ばせ建てさせましょうと説得しました。巨男は足に鎖を繋がれ苦労して南の土地に行って石をもらい都へ帰って大理石の塔を建てました。
巨男はもう一度往復させられた後で思いつきました。私が死んだら白鳥が涙を流すに違いないと。そして白鳥にお別れを言い塔から身を投げると直ちに死にました。白鳥は滝のような涙を流し、元の王女の姿に戻りました。王女は王さまにこれまでの事情を話すと心から巨男に謝罪し感謝しました。同時に真実を知らされた都の人々も泣いて巨男にあやまりました。王女は王さまと妃に「私はいつまでも白鳥でいて巨男の背中にとまっていたかったわ」とよく言ったものでした。うーん、巨男が可哀想すぎますが、彼は死ななければならない運命だったのでしょうね。
寡婦は相手が鬼婆だと悟って仕方なしに最後の一個を差し出す。だが老婆はもっとくれと言いもうありませんと言うとお前さんの命をもらうと言い口が耳の辺まで裂けて飛びかかってきた。三人の子供が留守番をする家に誰かが訪ねてきて長女は用心するが最後には母だよと説得されて家に入れてしまう。女は餅は明日の朝にやると言い幼い次女を抱いて部屋を出る。長女が眠れずに母のいる部屋をそっと覗くと鬼婆が座って妹の手を食べていた。長女は弟を起こして何とか手を引いて二人で家から逃げ出す。だが鬼婆は追い掛けてきて二人は絶壁に追い詰められる。
二人が大きな杉の木に上ると鬼婆も上って来る。姉は「この世の中に本当に神様というものがあるなら、どうぞ私ら二人を救うてくださいませ」と必死で頼む。すると上から鎖が下りてきて姉弟がつかまると鎖は上へと引き上げる。鬼婆も二人の台詞を真似して頼むと鎖が目の前に来たので喜んで乗ると鎖は切れて鬼婆は下へ落ちて死んだ。鬼婆の血は白い花の茎を赤く染めた。その花は蕎麦の花だった。うーん、本当に凄まじい話で可哀想に母と妹は犠牲になりましたが姉弟は何とかギリギリで命が助かって幸いでしたね。杉の木の神様がいて誠に良かったですね。
大阪府警の黒マメコンビが奇妙なタクシー強盗事件の謎に挑む。大阪弁の面白さが肝の本作をドラマ化するなら主役はぜひミルクボーイの二人でお願いしたいですね。『死の初速』安東能明:元高校教師の神村巡査長がマンションからの飛び降り自殺事件に挑み、独自の観察眼で意外な真実を導き出すトリッキーな秀作です。何事もなめてかかると痛い目に遭うのですね。『悩み多き人生』逢坂剛:御茶ノ水署・生活安全課の斉木係長と部下の梢田のコンビが古書店が絡む事件に巻き込まれ斉木が美人店員に恋をする。本作も意外性抜群でユーモラスな仕上がりです。
本作をドラマ化するなら配役は博多華丸・大吉コンビとヒロインには友近を推しますね。『水仙』大沢在昌:新宿鮫シリーズの佳作。新宿署の鮫島と中国人美女と公安警察が絡むスパイ小説風の一編。これを機会に6人の作家の長編作品にも挑戦していきたいですね。本書は非常にレベルが高いアンソロジーで大満足の一冊でしたね。
でも子ぐまは時々お母さんを思い出して「ウオー」と鳴きます。そうですね、この子ぐまはもう二度と故郷には帰れずに動物園が第二の故郷になるのでしょうね。まあ悲しいけれど母が恋しいだろうけれど気を取り直して今の場所に順応して可能な限りに自由気ままに生きて幸せな一生を送れますようにと願いますね。
でも一晩泊った後で店のうた時計を持ち出したのが少年と出会ったことで返す事に気を変えたのでした。親不孝者の息子を少し見直して涙を流す親父さんの姿にもらい泣きしますね。周作が本当にまじめに働いて数年後に再び帰って来て故郷に錦を飾れたらいいなと思いますね。
彼は圧政を人民に課し批判されると容赦なく処分した。だが秋壑も後に失脚して殺される。やがて三年すると女は私の数が尽きたと言って亡くなる。 趙源は再婚せずに僧になったという。中国の話には難解な内容もありますのでぜひ原典をノーカットでお読み直しくださいね。
くもは花が余計な事をしやがってと言って怒り、それまでは花びらにだけは網を張っていませんでしたが、とうとう全てを糸の網で覆ってしまいました。翌日、昨日のちょうが来て花にとまろうとすると、「駄目です、駄目です。早くお逃げなさい」と花は叫びました。ちょうは驚いて飛び去り、ニ三日後に花を気づかって再び来てみると小さな花は既に枯れていました。まあ残念ながらこういう悲劇も自然界には多く存在するのですね。クモも生きていかねばなりませんから一方的に悪役にしてしまうのも問題ありで、自然界は弱肉強食ですので仕方がないですね。
子ども達は不安になって帰ると大人に話した。物好きな者が杉林の所へ見に行くと素っ裸になった老人がいて一本杉の方へと逃げて姿を消した。一本杉は昔から狐が出ると言われた所であった、まあ老人は怪しくはありますが狐に変身した姿をハッキリ見られたという訳でもありませんので、単に変質者のけったいなおっさんだったのかも知れませんね。
かじやさんは町へご年始に行ってお酒を沢山いただいていい気持ちで村へ帰ってきました。日が暮れてしまいましたが、かじやさんは上機嫌で歌をうたいました。提灯をさげた二人の子供が来て親切に手を引いてくれました。「おじさん、もうここはお家よ、お座りなさい」かじやさんは、いい気持ちでぐうぐう寝てしまいました。鳥が鳴いて目を覚ますと、かじやさんは、お寺の鐘つき堂に座っておりました。二人の子供はきつねの親子で、かじやさんにリベンジをしたのでしょうね。これに懲りて、かじやさんがきつねを捕ろうとする気をなくしたら良いですね。
それっ、そこだ、神さまをつかまえろ!と全員でとりまきました。神さまはあわてて一人の子の股の下をくぐって逃げ去りましたが、あまり慌てたので靴を片方落として来ました。子ども達は神さまの残した赤い靴を見て笑いました。それから神さまは森から出てこなくなりましたが、子ども達が遊びにゆくと、時々森の奥から「おーい、おーい」と呼びかけたりします。わんぱくな子ども達のいたずらっ子ぶりと神さまとの交流が微笑ましい一編ですね。
農夫は弁当を放り出したまま逃げ出し、噂は隣村の老人にも知れたが臆病者にしか見えないのだろうと言って気にしなかった。だが夜になると急に発熱して苦しみ出し家族が薬をのませ医者を呼んだが熱は去らず翌朝にはぽっくり死んでしまった。村人達は怖れて完全に田から撤退した。その田は寺院跡で寺の住職が強盗に殺されたので住職の怨みが残っているのだという者があるが、要するに現代の科学的な常識ではわからない事なのだ。うーん、そういう事って確かにあるんですね、不吉な土地は近づかないようにしないと命が幾つあっても足りないでしょうね。
黒かった子供の体は二匹が赤色に、一匹は白と赤の斑に変わっていたのです。母親は「人間がお前らを見つけたら、きっと捕えるから決して水に浮いてはならぬぞ」と戒めました。町の子供達が赤い魚を見つけて母親に言うと赤い魚を捕るとよくない事が起きるから川に行っては駄目と注意しましたが子供達は本気にせずに、とうとう捕まえてしまいました。子供達の母親は赤い魚を見せられて、この子達の母親はどんなに悲しんでいるでしょうと言いました。すると子供達は3匹の魚が可哀想になって大きな河に逃がしてやりました。でも3匹は母親と会えるかな?
しかし、それは誰にもわからなかったのです。夏の夕暮れの空に三匹の魚に似た雲が浮ぶことがあり、子供達はそれを見ると何となく悲しく思ったのです。まあ魚の母と子が最下位出来たかどうかは不明ですが、逃がしてもらって自由に人生を送る事になれて良かったですね。まあ著者らしい子供の心に配慮した優しいメルヘンでしたね。
すると、かごかきの一人が「おーい、旦那」と呼びながら追いかけてきます。侍は息が切れたので道端へバッタリ座りました。そこへ来たかごかきが「旦那、刀をお忘れになりました」と言って渡しました。「拙者を殺すつもりか」と侍はまだ震えています。かごかきは「旦那、勘違いですよ。野良犬めが、うるさくついてきたので谷川へ放り込もうと言っていたんですよ」と言ってハッハッハッと笑いました。まあ最後はよく出来た笑い話なのですが、お侍さんはとても恐ろしくて生きた心地がしなかったでしょうね。本編は良質なミステリーの読み心地でしたね。
そして探していた子供と再会して喜んで二人で抱き合い暫く泣いたのでした。小さな笛の音のような音は町の人々に知られるようになり、ある人が探しに行くと海のほとりの崖の上で少年が笛を吹いていました。その人は帰って近所の人に伝え次に音が聞こえた時に、みんなで行って見ると少年はいませんでしたが美しい緑色の草が一面に芽を出して温かな風が吹き渡っていました。みんなは初めて、あの笛は春の使いが吹いた事を知ったのです。こういう話を読むと誠に清々しくて心が晴れ晴れとしますし、嬉しい気持ちをいつまでも忘れずに生きたいものですね。
こんな可愛いお経は聞いたことがありません。檀家の主人は「はい、ご苦労様」と言って、おまんじゅうを小僧さんにあげました。「ごちそうさま」と小僧さんは、おまんじゅうを頂いて、たもとに入れました。小僧さんは帰りにさっきのウサギにおまんじゅうを分けてやることを忘れませんでした。まあ毎回こんな風だと困りますが大人の人も一度くらいは小僧さんを大目に見てくれるのでしょうね。誠に微笑ましく思わず顔がほころぶエピソードでしたね。
あの女の子が君の妻だと言われた男は腹を立て怪しからんと言い従者に子供を殺しに行かせた。従者は人中で女の子の顔を切って逃げた。十四年後に男が出世して娘を嫁にもらうと眉間に傷跡があり幼い頃に乳母に連れられていた時に暴漢にやられたといい乳母はめっかちだったという。周という醜い容貌の男がいたが夢の中で首をすげ変えられ目覚めると超イケメンになっていたという。また夢で内臓の入れ替えをされると目覚めた後は文学に秀でるようになったという。まあ最後の話はうらやましく私もあやかりたいもんだなと思いますね。
お母さんは義ちゃんに家で留守番をしてねと言いましたが、嫌だ僕も一緒に行くんだよと言って結局3人で外に出ました。道を通るとある家に数羽の鶏が居てケンカせずに仲良くエサを食べていました。これを見た義ちゃんは「お母さん、お利巧の鶏さんですね」と言って感心しました。お母さんは「赤ちゃんは小さいのだから気に入らぬことがあっても叱ってはいけませんよ」と言いました。電車が通るのを3人で見て家に帰ると、赤ちゃんが大事なおもちゃや本をいじっても義ちゃんは今までのように怒らずに笑って見ていました。義ちゃんはいいお兄さんねえ。
そう言ってお母さんにほめられた義ちゃんは「そうだ、僕は兄さんだもの」と初めて強く心に思いました。まあ私も小さな頃に弟がいて似たような経験がありますが、中々難しいものですね。まあ兄弟は仲良くして成長してからもずっと良好な関係でありたいものですね。尚途中で弟が電車を見て「チンチン、ゴーゴー」と言って喜ぶ場面がありますが特に深い意味はありませんよ。
大空に舞い上がると風船玉は「ぼくはどこに行くのかわかんないから、ついてきちゃ駄目だよ」とちょうちょに言いましたが、白いちょうちょはそれでも後をついて行きました。そうですね、いつか風船は空気が抜けてしぼんで消えてしまうのでしょうね。でもメルヘンチックに考えると二人は人間の束縛を版れて自由気ままに伸び伸びといつまでも永遠に大空を舞いながら今も楽しく仲良く遊んでいるのかもしれませんね。
彼は胡と娘との結婚話をだしたが主人は断り、何故なら胡は人間でないからと言うと失礼なと怒って引っ掻きに来たので、杖で殴ろうとすると逃げて行き、残されたロバの正体は虫だった。翌日から狐兵が家に攻めてきたが必死に戦って何とか退けた。主人は争い警戒するのが嫌になって胡が狐兵を率いてくると自らでて行って話しかけた。私の家に十五の男の子がありますから先生の家にどなたかありますなら迎えたいと思いますがと聞くと私に妹がいますと答えて話がまとまり戦は終わった。その半年後に美しい新婦が沢山の嫁入り道具を持って主人の家にきた。
うーん、娘と狐との結婚は許さずに息子と狐との結婚はあっさり許す理由がイマイチよくわかりませんが、最後はめでたしめでたしのハッピーエンドで誠によかったですね。
ところが、きみ子さんがさっきの仔猫を抱いて持ってきて、お父さんに駄目だ、返して来いと言われたと言いました。誠さんは家に帰ってお母さんに相談しますと、お姉さんも加勢してくれました。お父さんも帰って来て猫の子を見せなさいと言い見た後で、これは駄目だよ、雌じゃないか。毎年子供を産んで引き取り手を探すのに苦労しますから最初から飼わない方がいいのですと言われました。でもこの子を捨てたら死んでしまうから僕そんな事できませんと言うと父は悩みました、丁度そこへ来た米屋の人が、うちはネズミで困っているからと持ち帰りました。
誠さんは思いを達して喜びましたが、今度のことで僕たちは本当に愛するけれど、大人たちは生きている動物を可哀想に思い,かわいがるというよりか、気まぐれや都合で飼ったり捨てたりしていることを知りました。まあはっきりとした答えの出せない難しい問題ですよね。すべての猫ちゃんが幸せに暮らせればいいなと心から願いますね。
気づくのが遅すぎて申し訳ありません。とんぼの寿命は 幼虫期間約55日、成虫期間1~2ヶ月ですから、来年はもうないのですが、このとんぼが輪廻転生で来年また生まれ変わってお嬢ちゃんと会えるといいなあと言う風に願いますね。
彼は驚いて死に物狂いで空を駆けり暴風と戦いました。翌朝、彼は赤い船が暴風により燈ひっくり返っているを見つけて王さまに知らせました。この報告を聞いた王さまは自らの力に頼るのが一番安心なのだと知って翌年から赤い船を出すのを見合わせられたのであります。まあツバメは生まれつき翼をッ持っていますからね。赤い船に乗る贅沢をやめて自力で飛んで故郷に帰るのが最も合理的で安心できる方法でしょうね。疲れたら疲労回復にヤクルトをスポンサーから送ってもらって飲むのもいいでしょうね。
彼は最後に昼間の女が捕えられており首を絞められると、けだものに姿を変えるのを見る。彼は行方不明となり友人達が捜索すると早稲田の某空き家で原因のわからない死に方で見つかったと新聞に出たという。もうほとんどムチャクチャな物語で著者の本領発揮の一編でしょうね。この作品は漫画化もされ人気が高いという事ですよ。
『レダと白鳥』ペットのアヒルを愛する女房が妊娠し男の子を出産するが…。『森の中の笛吹き』宇宙の駐屯地に赴任した兵士が自分を植物だと思い込んで次々と職務放棄していく話。『輪廻の豚』著者のデビュー作。ある星の住人から安く買ったブタに似た動物ワブは言葉を話し高度な知性を持ち読心術も使う生物だと判明するが船長は強引に銃で射ち殺して美味な肉を食べる。だが食後にワブが船長に輪廻転生して議論し始める。『超能力者』米ソ大戦後の世界で時間移動能力者が55年前の世界に行き合衆国軍総司令官に休戦を呼びかけるが十二回も失敗する。
『名曲永久保存法』『万物賦活法』イカレタ科学者のラビリンス博士がクラシックの楽譜で動物を作り出し、靴に生命を与えてしまう2編のドタバタ喜劇。『クッキーばあさん』子供にお菓子をご馳走する不思議な老女の真の目的とは?『あてのない船』男が日曜大工で巨大な船を作り始め家族から変人扱いされるが本人も知らない目的が最後に明らかになる。『ありえざる星』350歳の異星人の老婆が自分の星と戦争をして滅んだ無人惑星・地球に辿り着く。『地図にない町』存在するはずのない町の正体とは?なぜ?と考えずに理屈抜きで楽しんでくださいね!
さっきの二人が話していた自分を可愛がってくれる土地へ行きたいものだと考えたうそは前に世の中の事なら何でも知っていると言っていた電信柱に聞いて見ました。すると話は本当だと認めましたが肝心の場所の名前は知らないと言ったのです。うそは兄弟の家へもう一度行って話すのを聞こうとしましたが、無情にも窓が閉まっており兄妹の姿は見えなかったのです。うそはこの時はかない希望を捨て、みんなと一緒に故郷に旅立つことを決心しました。そして自分を待っている友達の方へ去ったのです。でもガッカリせずに普通の人生を歩んで幸せに生きてね。
そして前のと同じラッパを送って「このラッパを耳にあてると私の声が聞こえます」と言ってやりました。おじいさんはそのラッパを耳にあてると「ああ、聞こえる、聞こえる、懐かしい息子の毛が聞こえる」と言って喜びました。けれど、それはおじいさんの耳が聞いたのではなく、心が聞いたのです。人間は心から願えば本当に声が聞こえるのかも知れませんね。こういう奇跡の出来事は信じたいと思いますね。
その夜、源吉の母、お勝が仕事からの帰り道で浪人の暴漢に襲われ悲鳴をあげる。声を聞いて祖父の為作が駆けつけるが持ってきた杖を相手に奪われ殴られようとした時、ふいに浪人は大カニのハサミを目の前に見て驚いて逃げて行った。翌日の夕方、源吉が帰って来て為作に「お諏訪様が、お祈りしたら出て来たよ」と話す。為作は神様に失礼をしてはいかんと言って源吉を連れて祠に行くが、祖父には白い蛇は見えずで、どうやら源吉だけに見えるらしい。そこへ昨夜の浪人が仕返しをしに来る。だが白蛇を足で踏もうとすると蛇が足に巻き付いて倒れ絶命する。
この事が広まって諏訪神社への人々の尊敬の念が高まり小さな祠のお諏訪様を改築して高壮な社殿を立てることになって大工の為作が仕事をした。地元の神主が落成式を務めたが祝詞を始めると途中で息が切れてしまった。源吉が見ると神主の首に白蛇が巻き付いているといい、源吉が少年神主を努める事となった。白蛇のお諏訪様、恐るべしですね。源吉君は神様に可愛がられるなんて稀な幸運児でしょうね。
兄は大勢の奉公人を使う幸福者となり蝶場に座っていると外を通る車引を見て、それが弟だと気づきました。兄が声をかけると「私は事業に失敗しましたが、自分の身体で働いて落ち着いています。何が幸福で何が不幸福であるかわかったものではありません」と言って兄を少しもうらやみませんでした。弟は「兄さんは私に構わず幸福にお暮しください」と言い行ってしまいました。兄は毎日遊ぶ事ばかり考えて愉快に過ごしましたが、ある日急に取引銀行がつぶれ金をみんな失ってしまいました。兄は驚き無一文となり幸福についての弟の言葉を思い出しました。
兄は弟に「助けてくれ」とすがり試しに弟の仕事の重い荷物を積んだ車を引こうとしましたが全く動かせませんでした。弟は兄さんに畑仕事を探してあげますと言って去る。兄が物置小屋へ行って昔自分が地面に叩きつけたくわを見つけ、明日からまたこれを持って働こうと拾おうとすると、くわは白目でにらみました。「ああ、自分が悪かった。みんな考えが間違っていたのだ」と心でわびて、くわを振り上げようとしましたが、くわは「馬鹿にするな」と言って持ち上がりませんでした。辛いけど、もう一度くわに心から謝罪して人生をやり直すしかないですね。
二つの星が下の方を目で探していると「あっ、いるよ」と片方が言って見つけました。二人は下へ降りて見に行きましたが、ガッカリしました。それはなくなった星ではなくて道に落ちて光るガラス瓶のかけらだったのです。その夜も田んぼではゴイサギが鳴いていました。うーん、真ん中の星はもう死んだのでしょうかね。彼らに死という概念があるかどうかもわかりませんけどね。星のカービイだったら知っているでしょうかね。もちろん冗談ですよ。
すると紙を渡され、開くとそこには「日に偶うて康く、月に偶うて発し、雲に遇うて衰え、雷に遇うて没す」と書いてあった。だがその書付けはいつの間にか消えてしまった。その後、彼は都の日英という郷家の者に家庭教師を頼まれて暮らしが康らかに安定し、月沙という男に助言すると幕僚に水洗されて出世した。だが雲石という者と不仲だったので降格左遷させられた。雷州という土地で大人しくしていたが書面を書き損じた晩に病気になって立つことも出来なくなり家事を整理し妻子と決別しママなく死んでしまった。うーん、運命は変えられないのですね。
昭和12年(1937年)10月に書かれた本編、こういう風景は今ではもう見られないのでしょうね。私の子供の頃1960年代には、まだかすかにありましたよ。まあ子供達には元気に外で遊んで欲しいですね。但し熱中症には十分気をつけるんだよ。
秀英の両親が朝になって二人の死体を見つけて施十娘を呼んで事情を聞き出し密かに二人の埋葬を頼む。老婆は承諾し甥に話をして手配をする。甥の李夫(りふ)は埋葬が終ると墓を暴いて死体が身に付けた首飾りや宝石を盗もうと物色していたが、ふいに文が息を吹き返して動き出すと驚いて逃げ去る。文が俊英を見やると娘を生き返る。二人は娘の両親に知らせずに暫く文の故郷に帰って二人で暮らす。すると俊英の父親が戦の為に呼ばれた地で文と娘に会う。二人は生き返った事情を話したが娘の父は二人の結婚を許さず俊英を強引に家に連れて帰ってしまう。
それから文は勉強をし科挙の試験に合格して、両親から晴れて俊英との結婚を許される。二人は世の中が乱れると両親の住まう旧宅に戻って隠居し一生を終えたのであった。中国の話には一旦死んで生き返る男女の話が多いですね。二人は随分と長らく苦労したけど最後はハッピーエンドで、めでたしめでたしでしたね。
この機能をご利用になるには会員登録(無料)のうえ、ログインする必要があります。
会員登録すると読んだ本の管理や、感想・レビューの投稿などが行なえます
ああ、夢追人009さん。帯の煽り文句については、「読者からネタバレになるんじゃないか(怒)」と“責められる”から、この表記ありかな、って読みましたよ(笑)
ネギっ子genさん、そうでしたか。日本語はややこしいですね。私は「攻めて売る」というつもりで書きました。どちらでも意味が通じるのですね。確かに「解り易すぎるヒント」は読むと腹が立ちますから、それだけは止めて欲しいですね。教えて下さって、ありがとうございますね。