読書メーター KADOKAWA Group

2023年8月の読書メーターまとめ

夢追人009
読んだ本
100
読んだページ
5282ページ
感想・レビュー
100
ナイス
45258ナイス

2023年8月に読んだ本
100

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62

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2023年8月にナイスが最も多かった感想・レビュー

夢追人009
地元の図書館にリクエストしまして入荷が随分と遅れましたが遂に読みました話題の一冊ですね。衝撃のラストで本に対する価値観が変わる作品でしたね。著者の企てた大仕掛けの趣向を思う存分に楽しませて頂きました。ネタバレ厳禁ですので注意して書きますね。大御所ミステリ作家が死去し妻以外の交際女性との間に生まれた子供の僕が異母兄から「世界でいちばん透きとおった物語」という父の遺作原稿の行方を探して欲しいと依頼される。この隠された大仕掛けを何故に施さなければならなかったのか?の理由の手掛かりは序盤に伏線が張られていますよ。
ネギっ子gen
2023/08/25 11:49

ああ、夢追人009さん。帯の煽り文句については、「読者からネタバレになるんじゃないか(怒)」と“責められる”から、この表記ありかな、って読みましたよ(笑)

夢追人009
2023/08/25 11:58

ネギっ子genさん、そうでしたか。日本語はややこしいですね。私は「攻めて売る」というつもりで書きました。どちらでも意味が通じるのですね。確かに「解り易すぎるヒント」は読むと腹が立ちますから、それだけは止めて欲しいですね。教えて下さって、ありがとうございますね。

が「ナイス!」と言っています。

2023年8月にナイスが最も多かったつぶやき

夢追人009

読み友の皆さん7月も沢山のナイスを下さって本当にありがとうございます。7月は4冊/日ペースで書けて過去の自己最高だと思いますよ。8月は反動でガクッと落ちるだろうなと思いますが、何とか気持ちだけは強く持ってがんばりますよ!今月もよろしくお願いしますね!2023年7月の読書メーター 読んだ本の数:124冊 読んだページ数:9739ページ ナイス数:52119ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/868158/summary/monthly/2023/7

いこ
2023/08/01 20:47

いつもありがとうございます<(_ _)> 毎日沢山読まれてますね~。わたしも見習いたいと思います(^O^)/ 今月もどうぞよろしくお願いいたします。

夢追人009
2023/08/01 21:01

いこさん、こちらこそありがとうございますね。お声を掛けて頂きましてとても嬉しいです。まあ読める内に出来るだけ頑張って沢山読みたいですね。今月もどうぞよろしくお願いしますね。

が「ナイス!」と言っています。

2023年8月の感想・レビュー一覧
100

夢追人009
誰もが認める変人おバカ医師、伊良部一郎&マユミちゃんシリーズの円熟の第3弾です。今回は最初の3話の患者が実在の有名人3連発です。『オーナー』は70代の田辺満雄(ナベマン)がマスコミから逃げるのに側近たちに騎馬戦をやらせる姿に大爆笑でしたね。『アンポンマン』はライブファスト社の若社長・安保貴明が平仮名アルツハイマーになり幼稚園で園児とかるた取りをします。『カリスマ稼業』元歌劇団出身の四十代の若作り女優・白木カオルがエクササイズ器具でカロリーオフにマジで必死になりマユミはガールズロックバンドのギタリストです。
ロバくん
2023/09/06 20:34

やった!伊良部先生の新刊が出たのですね。私も読みます!

夢追人009
2023/09/06 20:42

ロバくんさん、読むのが楽しみですね!

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
岡崎琢磨さんのデビュー作で「このミス大賞、隠し玉」に選ばれた全7章の連作短編集です。これは読むのが2度目なのですが今回読んで前回は完全に複雑なトリックを誤解していた事に気付きまして、その意味では非常に有意義でしたね。日常の謎を中心に4章まではまずまずで5~7章はヒロイン美星を狙うストーカー編でトリックが秀逸ですよ。著者はコーヒーの種類を登場人物になぞらえて書くのがお上手ですよ。主人公の男アオヤマは英語でブルーマウンテン、女店主でバリスタの切間美星はキリマンジャロ、叔父さんの藻川老人はモカ、まだ続きますよ。
あさみ
2023/08/31 20:05

10年くらい前に読んだのですが、感想見たらまた読みたくなりました。きっかけをありがとうございます!

夢追人009
2023/08/31 20:23

あさみさん、ありがとうございます。この作品は人によって好き嫌いは分かれそうですが、でも長く再読に耐えるうまくできた名作には違いないと私は思いますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
折原一さんの4冊目の作品ですが、1988年5月刊行の「五つの棺」より4か月前の同年1月に江戸川乱歩賞に応募して6月に惜しくも落選し翌年の7月に刊行された実質は第1長編です。素人作家の山本安雄は小説推理新人賞に応募しようと書き上げた原稿「幻の女」を友人に預けたのだが友人は迂闊にも電車の車内に置き忘れて紛失してしまう。彼は気を取り直してフルスピードで書き直して締め切りギリギリで応募するのだが受賞作発表の雑誌を見て愕然とする。原稿は自分の書いたままだが作家の名前が白鳥翔になっていたのだ。一級品のサスペンスです。
夢追人009
2023/08/31 18:02

ストーリーに引き込まれて最初から最後まで面白くて一気読みしました。どんでん返しのトリックはあるのですが、それを抜きにしても筋立ての面白さで読ませる新人離れした作品だと思いますね。唯一つ難があるなと思うのは読み手をミスリードさせようとして関係者を疑わせにかかる手掛かりが強引で不自然過ぎたかなとは思いますね。白鳥翔が原稿用紙に錯乱した文字を書き連ねる描写はやり過ぎだと思いますね。本書は乱歩賞に結局落選しまして島田荘司さんは「もし僕が審査員だったら、そうはさせなかった」と本書刊行時に書かれ悔しがっておられます。

夢追人009
2023/08/31 18:03

私は乱歩賞の受賞は審査員の好みと作家の時の運もあるとは思いますが、やはり何らかの不足もあってこういう結果になったのだろうと思います。でもまあ後の文句ないご活躍を見ればそれも些細な事で本書はアマチュアだけが書ける情熱を持った力作に間違いないと思いますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
野村胡堂さんの1編目は終戦直後の犯罪についての評論です。近頃の日本の犯罪は無技巧な野蛮な感じがうかがえて敗戦直後の毒性の暴露を加味して、モラルのなさを日本的なものと考えられてきた。徳川時代にも辻斬りという相手に対し何の怨みもないものを犠牲にして首をちょん切る事をした。これが英雄的なもののように扱われ一般からは賛美されたという。こういうものを止めるには国民の教養を高め、経済的生活の保証を与え、宗教を盛んにする等である。一番悪いのは無差別大量殺人でメチルアルコールを売る事を例にあげ厳重な処罰を望まれています。
夢追人009
2023/08/29 22:50

終戦後78年経った今も尚つい最近の大事件を見ても残念ながら日本人の残虐性は変わらないように思えますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
岡本綺堂さんの怪談噺の1編目は中国の宋の時代の短い掌編ですよ。民家の妻が妊娠中に死亡したので、その亡骸を村内の古廟に葬った。その近くの民家の者が草むらの陰で灯りを見たり、赤ん坊の泣き声を聞いたりした。街に近い餅屋へ毎日餅を買いにくる女があり赤ん坊を抱えていた。餅屋の者は疑って女の後をつけて行くと廟の所で消え失せた。次の日は女の袖に隙を見て赤い糸を縫い付け後をつけると気づいたと見えて女は消えて赤ん坊だけが廟に残されていた。糸は塚の上にあった。塚の主の夫に知らせると一家の者が駆けつけ掘り返すと女の顔色を見た。
夢追人009
2023/08/29 21:52

それは生けるが如くで、妊娠中の胎児が死後に生み出されたものと判った。夫の家では妻の亡骸を灰にして、その赤子を養育した。まあ何はともあれ結果オーライで赤ん坊が無事に助かって、めでたしめでたしでしたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
坂口安吾さんの3編目は著者独特のユーモアエッセイですよ。岡本綺堂「相馬の金さん」という作品の芝居のラストで主人公の金さんが上野の戦争に行ったが敗れて体に深傷を負い逃げ延びる事ができないから自ら切腹すると言う。そこへ彼を探しに来た恋人のお師匠さんが止めたり私と逃げようなどとは一言も口にせず、「ナサケないことになったネエ」と呟くだけで切腹して首が落ちて幕となる。その頃アメリカ映画の「モロッコ」で娘が恋人を追って砂漠を裸足で走り回るシーンがあったので、あまりの違いに驚いた。善悪はともかく十年後の今も記憶にある。
夢追人009
2023/08/29 21:06

著者はこの日本的な諦めの姿勢とアメリカの激情の姿のどちらが頼もしいかという事は一概には言えないと思うと結ばれています。うーん、死んでいく者は落ち着いて最期を見届けてくれた方が少しも心を動揺させずに覚悟を決めて死ねるのかもしれませんね。でも日本も昔と今では相当に考え方も変わって軟弱になっているかも知れませんね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの86編目は鳥への強い愛情が感じられる詩ですよ。風ふき鳥、飛んでどこへゆく。海は暴(あ)れているぞ。なんで鳴く、かあかあ。山も暴れているぞ。あんなに高く、あんなに低く、後になり、先になり。みんなから、きらわれて、鳴き鳴き、飛んでゆく。黒い衣(べべ)を着かえてこい。金の帯をしめてこい。今度の世には、王さまにしてやるぞ。うーん、小川さんは何者でしょう?鳥の世界の顔役なのでしょうかね。それはアホな冗談ですよ。強い風の吹き荒れる海や山に向かって飛んでいく黒い鳥を心配し次は幸せにと祈られているのですね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
新美南吉さんの54編目は今では殆ど知られていない苔人形についての詩です。苔人形はつくられた。木の実や苔や白樺で。ランプのかげにつくられた、シベリア樅(もみ)の森のかげ。いろんな顔にえがかれた、ほだ(たきぎ)の消えてく寒い夜に。こつこつこつとけづられた、木こりや娘や妻たちに。赤いシャッポもつけられた、春に売られていくやうに。コペイカ銅貨になるように。そして貧しい森かげのきこりが暮らして行くように。苔人形はつくられた、吹雪の音をききながら。人形は貧しい人々の暮らしを支える為に作られた事を知り心打たれましたね。
夢追人009
2023/08/27 18:41

シベリア樅、コペイカ銅貨、成る程そうでしたか、ロシアの森の中を歌った詩だったのですね。21世紀の今も昔とちっとも変わらず苔人形はつくられているのでしょうかね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の144編目は本所七不思議のひとつですよ。本所にある大きな池に釣りに行った人は「おいてけ、おいてけ」と声がするので気の弱い者は魚を魚籠から出して池に戻して逃げ帰るが、気の強い者が帰ろうとすると三つ目小僧、一つ目小僧、ろくろ首、唐笠小僧が出て釣り道具を置いたまま逃げたという。金太という若者が釣りに出かけ途中で知り合いの老人に注意されたが、全く言うことを聞かずに出向いた。池では魚が面白いように釣れて引き上げようとすると「おいてけ、おいてけ」と声がし構わず進むと前方にのっぺら坊の男がいた。
夢追人009
2023/08/27 18:10

金太は冷静に魚籠を持って走って逃げた。一軒の茶店があったので、やれやれと中に入り出てきた爺さんに「釣りに行って目も鼻もない化け物のっぺらぼうを見たぜ」と話すと「へえェ、それじゃ、こんなので」と言い老人がつるりと顔を撫ぜると、その顔は目も鼻もないのっぺらぼうになっていた。金太は悲鳴を上げて逃げ、釣り竿も魚籠も置いていった。まあ、オチは「貉(ムジナ)」と全く一緒ですので残念でしたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
坂口安吾さんの2編目は部分的にはブラックで面白い入院エッセイですよ。どこかの新聞にボクが東大神経科の3階から飛び降り自殺をしたという記事が出たので、朝から各社の記者と写真班が詰めかけて僕の主治医が撃退に往生した。東大の神経科は一階しかなく半地下室みたいな場所でノラネコが飛び上がって来るような所なので自殺はできない。格子のはまった窓から飛び降りられるかどうか忍術使いじゃあるまいし、そんな事ができるなら患者はみんな逃げ出してしまうだろう。最近も警視庁の麻薬係の3人組が来て坂口は麻薬中毒だろうと言って悩ませた。
夢追人009
2023/08/27 17:40

ぼくは去年の夏から鼻水に苦しみ、大作の長編小説に挑んで覚せい剤を飲んで眠れなくなると催眠薬を定量の十倍位服用して催眠薬中毒になったのを麻薬中毒と間違われたらしい。でも僕はもう治っている。秋までに長編小説を書き終り、それが済んだら縦横無尽に書きまくるつもりである。まあとにかくこれを読むと非常にヴァイタリティ―に溢れた方だったとうかがい知れますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの85編目は、まさかまさかの意外な詩ですよ。お江戸は火事だ。お江戸は火事だ。出てみい、出てみい。東の空が真紅(まっか)っか。露(つゆ)が降りたよ、もう、お寝よ。隣のじいさん、臼ついて、娘は、夜業(よなべ)に機(はた)を織る。うーん、まさに対岸の火事で野次馬根性丸出しですね。遠くの火事だから見ている人たちは全くあわてる必要がなく安心して見ていられるのでしょうね。見物した後は直ちにいつもの日常が戻って来て、みなさんそれぞれに夜も忙しくて大変なのですね。うーん、火事の被害者への気遣いも欲しいですね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
新美南吉さんの53編目は暖かい気持ちになる心優しい詩ですよ。母さんお窓をしめましよう、もう郭公(かっこう)鳥は鳴きませぬ。林の虹も消えました、沼には靄(もや)がおりました。母さんお窓をしめましよう、風がひえひえいたします。もうすぐ夜が来るのです。もう郭公(かっこう)鳥も鳴きませぬ。病気がおもるといけませぬ。母さんお窓をしめましよう、ランプに灯(あかり)もいれましよう。病気のお母さんを気遣う孝行息子さんですね。まあ娘さんの場合もあり得ますが、何となく息子さんだと思えますね。沼の家という題が少し不気味ですね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の143編目は中国の神秘的な良い話ですよ。ある書生が友人と一緒に外出して虎の興行師による虎の見世物を見物する。帰って寝ていると白い着物を着た老人が部屋に入って来て私を助けて下さったらあなたには美しい奥さんが出きて災難から逃れられますよと話す。彼には老人の正体がわかり明日私が機会を作りますから買い取って下さいと言われ彼は応じる。翌日彼は一人で昨日の場所へ行くと虎が興行師の老人の頭にかぶりつき噛み潰して殺してしまった。若い男が虎を殺そうとするのを書生が止めてお金で買い取り山に放してやる。
夢追人009
2023/08/25 11:40

しかし品物は焼けてしまい彼は妻の仕業だと思い、妻を狂ったように打ち叩いて家から追い出す。彼は役人に捕えられて三人に山へ連れていかれ刀で首を切られようとする。すると一匹の虎が現れて役人たちに襲い掛かり食い殺す。気絶していた男が目覚めると女の声がして、私は人間ではありません。あなたが父さんを助けてくれたので恩返しにあなたの側で災難を防いであげたのですと話す。彼が女に連れられて家に行くとベッドに乳飲み子が寝ていて「あなたの子供ですよ」と言われた。それから夫婦の運は上向いた。虎は残酷ですが、男は誠に幸せ者ですね。

夢追人009
2023/08/25 11:41

題名の虎媛は「こえん」と読み「虎の美しい女、姫」という意味ですよ。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
坂口安吾さんの作品は青空文庫で沢山読めますが、大半がエッセイで、かなり辛口のせいなのか人気が思わしくないようですね。この評論は「刺青殺人事件」を冒頭から、すぐ犯人がわかってしまって、それを難解な事件らしく、こねまわしているから後半が読みづらいと書かれています。でもまあ書いている事は正しいように思いますので口の悪さは災いしていますが気を遣わずにビシビシと指摘されている文章を読むと非常に信頼のおける方だと思いますね。でも著者は横溝正史さんを大絶賛されていますし、高木彬光さんには将来性があるとも書かれています。
夢追人009
2023/08/25 10:10

最後の方で「古墳殺人事件」はヴァンダインの真似で酷い作品だと酷評されていまして、作者名は書きませんが、逆にどんだけ酷いのだろうか?と興味が沸きまして一度読んでみたくなりましたね。また書き忘れましたが「刺青殺人事件」は昔一度読みましたが細かい部分は忘れていますので、こちらも読み返したくなりましたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
地元の図書館にリクエストしまして入荷が随分と遅れましたが遂に読みました話題の一冊ですね。衝撃のラストで本に対する価値観が変わる作品でしたね。著者の企てた大仕掛けの趣向を思う存分に楽しませて頂きました。ネタバレ厳禁ですので注意して書きますね。大御所ミステリ作家が死去し妻以外の交際女性との間に生まれた子供の僕が異母兄から「世界でいちばん透きとおった物語」という父の遺作原稿の行方を探して欲しいと依頼される。この隠された大仕掛けを何故に施さなければならなかったのか?の理由の手掛かりは序盤に伏線が張られていますよ。
ネギっ子gen
2023/08/25 11:49

ああ、夢追人009さん。帯の煽り文句については、「読者からネタバレになるんじゃないか(怒)」と“責められる”から、この表記ありかな、って読みましたよ(笑)

夢追人009
2023/08/25 11:58

ネギっ子genさん、そうでしたか。日本語はややこしいですね。私は「攻めて売る」というつもりで書きました。どちらでも意味が通じるのですね。確かに「解り易すぎるヒント」は読むと腹が立ちますから、それだけは止めて欲しいですね。教えて下さって、ありがとうございますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの84編目は戦争の話ですよ。ある国に戦争にかけては大変に強い大将がありました。無敵と言える強さでしたが隣の国と大きな戦争をして勝ったものの家来を亡くして疲れ切って国に帰るとすっかり様子が変わってしまっていて都への道に迷いました。大将は年取った女と若い娘に続けて道を聞くとどちらも真っ直ぐ行きなさいと言いましたが都には辿り着けなかったので「嘘を吐いたな」と激怒しました。次に会ったお爺さんは二人が嘘を吐いた理由は深い悲しみのせいですと言って擁護し大将に正しい道を教えました。大将は高い位に上りました。
夢追人009
2023/08/24 18:02

大将は人情にも深かった人で死んだ人々に同情を寄せられて遂に大将の地位を辞して隠居されたということです。まあ小川さんは子供達が読むことを考えて人間の愚かさ・残酷さについて書かずに穏やかな物語にされたのでしょうね。戦争は多くの死者と悲しみを招くものだから決して繰り返してはいけないという小川さんなりのメッセージでしょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
新美南吉さんの52編目は読後にとても明るい気持ちになる詩ですよ。ひるはどこもがひかるんだ。みてるとどこもがひかるんだ。ぼうしのひさしがひかるんだ。たれのひさしもひかるんだ。フットボールがひかるんだ。たかいおそらもひかるんだ。せんせいのかほひかるんだ。にこにことしてひかるんだ。せんだんのえだひかるんだ。めをもつえだがひかるんだ。こうていのこえひかるんだ。みんなのこえひかるんだ。がっこうのそらひかるんだ。みてるとひるがひかるんだ。うーん1番のどこもがは携帯電話会社とは無関係ですよ。ハゲ頭は禁句にしましょうね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の142編目は普通に優しい幽霊の話ですよ。東京の芝区の某町にある質屋の女房が五、六歳の女の子を残して病死したので亭主は後妻をもらった。後妻は従順な性格で継子の娘にも優しく接したので子も懐いて亭主も安心していた。ところが暫くすると後妻は無口で冷たい性格になってしまった。質屋の親類の老人がそれに気付いて家に呼んで問い質すと、夜中に藍微塵の衣服を着た若い綺麗な女が来て手をついて私にお辞儀をするのだという。老人は亭主を呼んで話をすると、それは前妻に違いないと言う。何の心残りがあるのだろうか?
夢追人009
2023/08/24 12:19

その夜、娘を間にはさんで夫婦が寝ていると、いつもの女が現れたので後妻は亭主を起こした。お前は何お不足があってやって来るんだ?と亭主が聞くと、私はお礼にあがっておりますと前妻が答えた。そうかそうか、しかしお前が来ると、これが恐がるからもう来るな」と言った。するとそれから女は二度と現れなくなった。まあこういう律義で生真面目な幽霊もいるのですね。まあ普通の話で拍子抜けして少し物足りない気もしましたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の83編目は夏の季節にぴったりの爽やかな話ですよ。お母さんが冷蔵機のふたを開けると良い匂いがしました。「二郎ちゃん、メロンが冷たくなっていますよ。お兄さんが帰ったら切ってあげましょうね」と仰いました。二郎さんは兄さんが写生に行っている牧場へぼくも行こうかなと思っていると、おばさんがきみ子さんを連れておいでになりました。お母さんがメロンを切ってくれると二郎さんは「お兄さんに冷たいのをやりたいなあ」と言いメロンをバスケットに入れて貰い二輪車の後ろにきみ子さんを乗せスピードを出し向かいました。
夢追人009
2023/08/23 12:48

「メロンを持ってきた!」と二人が叫ぶと、兄の太郎さんは涼しい木の下でクレヨンで牛の絵を描いていました。いいですね!炎天下によーく冷えたメロンをみんなで食べると美味しいでしょうね!その後はみんなで生ビールを飲んで、おっと、イヤお子さんはビールを飲んじゃ駄目ですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
新美南吉さんの51編目はとにかく読み終えると元気をもらえる詩ですよ。クリームのようににおうから、朝の空気はにおうから、通風筒は深呼吸。とても一ぱい吸い込んだ。ソーダ水のよにひやいから、朝の空気はひやいから、煙突もする深呼吸。 とても一ぱい吸い込んだ。りんごのようにきよいから、朝の空気はきよいから、お窓もからと深呼吸。とても一ぱい吸い込んだ。いいですね、このまま十番ぐらいまで読みたいですね。朝の空気を、とても一杯吸い込みたくなりますね。両手を高く上にあげて深呼吸みなさん健康第一で明日から日課にしましょうね!
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の141編目は本当に面白い3つの怪談小話ですよ。『四手網』俳優の木下がまだ下っ端の時、利根川の土手で黒い大きなものが上がるのを見て震えて見直すと漁の道具の網だったので「ああ、よかった」と言うと網を持った男が「わっ」と驚いて水の中へ落ちた。『天狗』高木氏が土佐の山奥の村の天狗が出ると噂の山中を歩いているとバサバサと音を立て何かが頭の天辺に触れた。暫く地面に伏せて気配が消えてから山を下り、茶店でうどんを食べながら「今、天狗に会ったよ」と言うと「それはもま(ムササビ)だよ」と老婆が笑った。
夢追人009
2023/08/23 11:07

『荒倉の狸』土佐の荒倉山には狸が出て人をたぶらかすと言われていたので、日頃から確かめようと思っていた庄屋が実際に旅に出ると、夜に山道を猫のような動物が歩くのを見て後をつけた。獣は木の葉を体に付けると何と自分(庄屋)の姿になった。獣は山を下りて村の庄屋の家に入ると「今もどったぞ」と家内に言い続いて「もう寝ようか」と声を掛けた。「けしからん奴だ、今にみよ」と庄屋が刀に手をかけると後ろから「庄屋さん」と肩を叩かれた。ふと気が付いて見ると荒倉山の峠の石燈籠の前に立って中をのぞいており、もう朝で日が高くなっていた。

夢追人009
2023/08/23 11:09

最初の2つは怖がり過ぎた男の笑い話で、こんな話ばかりかと思っていたら3つ目はタヌキにからかわれた男が痛い目にあうユーモラスな話でしたね。田中さんの実力が光るお得なミニ怪談噺作品集でしたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
木下半太さんのデビュー作のドタバタコメディーのサスペンス・ミステリーです。著者は元脚本家・俳優で劇団員という事もあり、会話文が主体でテンポが良くサクサクと面白く読み終えて満足でしたね。妻が妊娠中なのに浮気女のマンションに通う駄目男の小川が後頭部の激痛から目覚めると、そこは緊急停止したエレベーターの中で自分以外にもヤクザ・オカマ・自殺未遂の女の3人がいた。真夜中に閉じ込められ脱出不能の状態で彼らが自己紹介を始めるとみんな大小の犯罪歴の持ち主だと知れる。そして小川も自らの浮気を白状せざるを得なくなるのだが…。
夢追人009
2023/08/22 22:39

第一章が浮気男の小川の語りで、第二章はオカマのマッキー(この名前は著者の芸能ネタパロディーでしょうね)、第三章は探偵社ボスの三郎の語りで、女子のカオルだけは無口で寡黙ですね。最初は小川のとまどい、次にマッキーが心の中で笑ったりするのですが、次の三郎は笑いどころではなくヤバイ状況に追い込まれていきます。後半では二転三転の犯罪サスペンスとなり、警察がいないのがラッキーに思えてきます。本書はお芝居の舞台で演じられるのに最適な犯罪サスペンスドラマですね。唯一の不満は物語が未完な点で著者に続きを書いて欲しいですね。

夢追人009
2023/08/22 22:50

まあこの三人は最後には日本の優秀な警察官に捕まって逮捕されるのがベストの運命でしょうね。でも、最後の意外な犯人のどんでん返しはミステリーとしても上手く出来ていて大満足でしたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
とあるマンションの408号室に越して来たら、そして誰もいなくなった。群像新人賞受賞作で著者のデビュー作となる全4話の連作短編集です。男も女も鳥もそれぞれに事情は異なれど最後には無慈悲な運命を迎えていなくなります。この部屋に入る事で消えてしまう運命になってしまうのか、この部屋が不幸な人々を引き寄せるのか、どちらかはさだかではありませんが、派手さはないけど静かで不気味なホラー作品集ですね。著者は不運な人々に肩入れせずに同情や感情を完全に排して淡々と災厄の物語を描く名手だと思いますね。#NetGalleyJP
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの82編目はメルヘンチックな短い詩ですよ。澄ちゃん、澄ちゃん、なにあげよう。あのお星さま、とっておくれ。あんまり高くて、とれません。そんなら、あたいがとってみよう。お星さま、お星さま、なにあげよう。のどがかわいた、水おくれ。あんまり遠くて、いかれません。そんなら、わたしが下りていこう。一番も二番も無理に思える事でも諦めずにチャレンジする気持ちが出ていますね。あなたはあっさり言うけれど私はそう簡単にはあきらめないわよ、見ていらっしゃい。まあ結果はわかりませんが何事も諦めちゃ駄目と励ます詩ですね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
新美南吉さんの50編目はシンプル過ぎて完全には意味がわからないSFみたいな詩ですよ。月からきたねこ、屋根にいる、屋根からしっぽをおったてる。月からきたとり、うろにいる、うろからそちこちどなってる。月から来た人、柵にいる、柵からナイフをぬいている。うーん、これだけでは何が言いたいのか、さっぱりわかりませんね。月からだったらウサギが出てきてもいいのですが、そこはないですね。猫と鳥はいいとして月の人って宇宙人が地球に来たのを南吉さんが目撃されたのでしょうか?うーん、まさかとは思いますが完全には否定できませんね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の140編目は怖いと言うより面白い掌編ですよ。大正十二年九月一日、衆議院議員の高橋秀臣さんが遊説先の埼玉県から自宅に帰ると大震災が起きていて家族は着の身着のままで逃げ出し家財道具を何も持ち出しておらず行方だけは何とか判った。その時に家宝の千匹猿の鍔(つば:刀に付いている)がなくなったのだが、翌年の九月に知らぬ人が持ってきて返してくれた。その人が言うには友人が丸の内の道端で拾い持ち帰ると毎晩夢に数百匹もの猿が枕元へきて、きゃっきゃっと鳴くのだという。友が神経衰弱になり自分に預けられる。
夢追人009
2023/08/22 08:18

するとやはり同じ夢を見たので鍔の祟りだと見て持ち主を懸命に調べて突き止めたのでお返ししますと言うと直ちに立ち去ったのだという。まあ信じられない冗談みたいな話ですが不謹慎ながらも何となく笑ってしまいますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
吉村達也さんの6冊目でサイキック・ウォーズ(超能力戦争)がテーマの娯楽SFスパイアクション小説です。本書はSFですので何の制約もなく自由奔放なストーリーが展開されて理屈抜きの面白さがありますね。但し相当に入手困難な絶版本ですので、図書館で探してお読み下さいね。題名のエンゼル急行は合言葉で特に列車は出て来ません。戦争ではありますが国対国の戦争ではなく悪の組織Φ(ファイ)が世界中から超能力者の少年少女を誘拐し戦闘兵器にして世界制覇を企むのです。ヒロインは超能力者のアイドル少女・樫山由真で父・洋介も活躍します。
るい
2023/08/22 05:43

サイキック・ウォーズ(超能力戦争)というジャンル、初めて知りました。SFは(も)苦手なのです。😳サイコとかサイコキネスとかパラレルワールドとかよくわからない上に新しい言葉も追加されていくようです。サイバー何とか~~とか。🤔

夢追人009
2023/08/22 05:53

るいさん、あまり苦手意識を持たなくても大丈夫ですよ。不確かなものですから話半分で適当に読んだらいいと思いますのでね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小田未明さんの81編目は本格的な素晴らしい童謡詩ですよ。あかい雲、あかい雲、西の空の紅い雲。おらが乳母のおまんは、まだ年若いに、嫁入りの晩に、海の中に落ちて、あかい雲となった。おまん、おまん、まだ年若いに、あかい紅つけて、あかい帯しめて、からこん、からこん、げたはいて、西のお里へ嫁にいった。あかい雲、あかい雲、西の空の紅い雲。うーん、何となく悲劇を感じさせる歌詞ですね。さだまさしさんには偶然にも一字違いの歌「赤い靴」がありますが、この詩にも曲をつけて頂いてぜひ演歌の女王・小林幸子さんに歌って欲しいですね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
新美南吉さんの49編目は異国の井戸の情景を書かれた詩ですよ。南吉さんの作品には外国を舞台にしたものが結構ありますよね。このカヤナの村にある井戸はインドネシアのバリ島の話だろうなと思われますね。カヤナの村の朝の井戸に大勢の子供、裸足の子供も来ていました。ああわいている、澄んでいる、みんなの顔の耳たぶの耳環も水面にうつっておりました。誰かお花を落としたら、うつったお空が揺れました。ゆうべ初めて湧きました。みんなは静かで落ち着いていますが、それでも貴重な水源の命の水の井戸が湧いたことへの喜びが伝わってきますね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の139編目は明治43年に起きた奇譚ですよ。京都西陣の某商店の主人が電話のベルを聞いて自分で取ると相手は中国へ行っている弟だった。今やっと長崎の〇〇旅館へ帰った所です。兄さんにぜひ会いたいからどうかすぐに来てくださいと言った。だが電話はそこで切れた。彼は番頭に事情を説明すると、長崎と電話がつながりますか?と聞くので電話局に確かめたが繋いだ覚えがないと言う。不思議に思ったが彼は汽車に乗り長崎の旅館に着くと弟は既に病死しており死んだ時刻は兄が電話を受けた時だという。真面目な人の証言です。
夢追人009
2023/08/21 11:02

この話は怖くはないですが、弟の兄に会いたい執念の想いが奇跡を呼んだ誠に良い話でしたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの80編目は読む人の郷愁の想いを誘う子守歌の詩ですよ。坊やはいい子だ、ねんねしな。泣くないい子だ、ねんねしな。月の光をながむば、れ母さん、父さん恋しいよ。お守のお里は遠い国。泣くと、わたしも泣きたいわ。坊やはいい子だ、ねんねしな。泣くないい子だ、ねんねしな。いい詩ですね。ねんねんころりよ、おころりよという詩が有名ですが、それに負けない未明さんの切なくも気高い心を感じますね。私はこの詩を元にしてフォークシンガー・さだまさしさんにメロディーを書いて歌にして欲しいと願いますね。耳に聴こえてきますよ。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
新美南吉さんの48編目は日々お仕事に頑張っておられる坑夫さんのご苦労について描いた詩です。これは鉄道や自動車道のトンネルを掘る工事に従事された坑夫さんを詩にされたのだと思いますね。カンテラが坑(あな)の奥の坑夫の肩を照らしています。つるはし、トロッコ、明日もそしてこの先も、まだまだ大変な作業は続いていくのです。私たちはドライブや電車に乗ってトンネルをくぐる時にこの詩に描かれた過酷な作業とご苦労を少しも意識しませんね。この詩はとても短いですが著者は昔の人のご苦労を世に知らしめようと書かれたのだと思えますね、
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の138編目は女の不気味な幻想ホラー噺ですよ。注意として本編には「京子」に対し「彼は」という表記が目立ちます。「彼女は」という表記も一か所だけあるのですが大半が「彼は」で昔は女性でもそう呼ばれたのかも知れませんね。既婚者の京子は毎夜奇妙な夢を見てはうなされる。他所の家に上がり込むと夫婦が寝ていて赤ん坊も一緒で彼女は強引に赤ん坊を見ようとすると母親が起きて「勝手に家に上がり込んで、あなたは何をするんですか」と咎められるのだ。そこで気を失うと目が覚める。やがて事態はエスカレートして行く。
夢追人009
2023/08/20 12:44

京子の手にしたハサミが赤ん坊の首に当たって血に染まる。それから夫が京子を海岸へと旅行で連れて行くと、夢で見た家があるという。車夫によれば、この家で先月までいた東京者が赤ん坊を妙な女に絞め殺される事件があったという。夫婦が旅館の二階にいると、警官が京子に会いに来たと言う。京子は窓辺に駆け寄ると京子にそっくりの女が庭を横切って駆け抜けていった。事件の真相は最後まで読んでもわかりませんね。あの女は京子のドッペルゲンガーだったのでしょうか?とにかく合理的な説明のつかない不気味としか言いようのない奇譚物語でしたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの79編目は三日月を歌った短い詩ですよ。かまのような、お三か月。早う、大きくなって、お嫁入りの晩に、まるい顔出して、くものあいからのぞいてみい。何だかユーモラスですねえ。こういうくだけた感じは、未明さんの作品中でも珍しいのではないでしょうかね。この詩は勿論、絢香さんの大ヒット曲「三日月」とは何の関係もありません。またアホな事を書きますが、先にごめんなさいね。カラオケで歌おうとすると、歌詞に♪かまのような、お三か月~と出たので驚きました。何よ、これ?ごめんね、小川未明の三か月を入れちゃったのよ。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
新美南吉さんの童話の47編目は動物園の檻の中の熊を詠んだ詩ですよ。クマが月夜に声を聞いてむくりと起きて冷たい檻の鉄棒を握ります。耳をそばだてますとアイヌのような声でありました。彼は北海道で捕まえられたのですね。クマは故郷とカラマツ林を心に思い出し、おおんと吠えてみると、どこか遠くでこだまが聞こえました。まあ動物園のクマは故郷から無理矢理連れて来られて可哀想ですが、野生で食べる物がなくて人間の住む民家を襲われると危険で困りますからね。動物園の暮らしは単調だけども3食昼寝付きですから割り切って幸せに生きてね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の137編目は中国の男女の奇妙な恋物語ですよ。貧しい書生の青年が飲まず食わずで旅をしていると立派な屋敷があり訪ねると女主人が親切に食事を出してくれる。彼女は私と夫婦になりましょうと言ってくれて3日が経つと、これ以上共にいますと災いがありますから帰って下さいと泣きながらいう。彼女は別れ際に男に黄金の枕を手渡す。彼が館を後にして振り返ると家がなくなり古塚があった。男が秦の国で黄金の枕を売って金を得ようとすると車に乗る王妃に呼び止められ、これは二十三年前に死んだ私の娘の持物じゃと言われる。
夢追人009
2023/08/19 21:39

王妃は泣いて娘の塚を検めさせると黄金の枕だけが消えていた。娘の肉体は二十三年前と少しも変わらず情交の痕跡があったので、男は婿と認められて皇女の配偶者の地位で本国へ帰らされ出世したと見られる。死者との結婚は気味が悪いですが、まあ貧乏男が衣食住に何不自由ない暮らしになれて誠に幸いでしたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の78編目は詩ではありませんが本当に短い掌編でよ。陽の光が庭先の鉢のところまで届くようになり。なみなみと入れた水の面へかわいらしい金めだかが四つ頭を並べてせわしそうにひれを動かしながら光を吸おうとしている。もっと沢山いたけど冬を越す間にこれだけとなりました。睡蓮の花が咲く頃には、その間を動き回り卵をつけることだろう。そう思うとこの色鮮やかなめだかの将来を輝かしく思うのでした。一握りの生き残った者達が命のバトンを繋ぐのですね。吉本新喜劇の池乃めだかさんもこの光景にニッコリ微笑むでしょうね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
新美南吉さんの46編目は我が家をチェックする詩です。イワノーイッチという名前の多分ロシアのおじさんが我が家をあちこち隅々まで改めてチェックしてみて「うーむ、わしは我ながら良い家に住んでおるのう!」と深く満足する話ですね。彼は外国人では珍しくないヒゲ親父で時々トルコ煙草をたしなんで、朝は日課の新聞を読んで、月夜の晩にはバラライカを弾く優雅な趣味の持主なのですね。この詩を読むと彼の風貌と家の様子が何となく心に浮んで来ますね。昭和7年(1932年)の作品です。南吉さんは「人類みな兄弟」と考えていたのでしょうか。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の136編目は江戸時代の有名な怪談「累ヶ淵」の話ですよ。与右衛門夫婦が豆を沢山背負って歩いていた。絹川にさしかかると与右衛門は女房の累(かさね)を川へと突き落とし首を絞めて殺す。彼は日頃から醜い容貌の妻を殺して綺麗な女と所帯を持とうと考えていたのだ。彼は女房が誤って川に落ちて死んだと言い死骸を法蔵寺の墓地に埋葬する。彼は豊だったので後妻をもらったが、すぐに病気で死に続いて貰った嫁が五人目まで次々と病死する。六人目の妻は早死にせず「お菊」と名付けた女の子を産み娘が十三歳の年に亡くなる。
夢追人009
2023/08/18 11:42

与右衛門は妻の甥の金五郎を養子に貰ってお菊と夫婦にする。だが正月からお菊は怪しい病気になり苦しい苦しいと言い泡を吹いて気絶する。二人で看病しているとお菊が起き上がり「わしは二十年前にお前に殺された累じゃ、おのれの女房は皆とり殺した。次はお前の番じゃ」と叫ぶ。与右衛門は法蔵寺へ逃げ、金五郎は実家に逃げ帰る。村人達が家に行くとお菊が与右衛門を連れてきてくれと頼む。村人達は与右衛門を出家させて塁の菩提を弔わせる事にした。その後苦労の果て住職達に協力して貰い漸く累を成仏させお菊は救われた。恐るべき怪談噺でしたね!

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の77編目は日本が戦争中の幼い兄弟の話ですよ。兄の太郎と弟の良二が停車場へ出征兵士が汽車で出発するのを見に来ましたが既にたった後で二人はまだ昼間なのにお月さまが出ているのを見て笑います。二人は戦争に行っている父親のことを思い出して、お宮へ行って父のご無事を祈って拝みます。二人は帰る道でおじいさんが重い荷物を積んだ車を引くのに苦労している所に出会い二人で押してあげて「ありがとうございました」と感謝されます。この話が書かれたのは昭和13年(1938年)で7年後の終戦まで二人の無事を祈ります。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
新美南吉さんの童話の45編目は山中で暮らす幸せな鹿の親子の話ですよ。鹿の坊やはまだ生まれて一年にもならないので春を知りませんでしたので、父と母に聞きました。春になれば花が咲くんだよ。花ってきれいなものよ。坊やは花を見たことがなく一人で遊んでいると遠くの方から「ぼオん」と音が聞こえました。坊やの鹿は音に誘われて山を下りると野原に桜の花が咲いて木の根方に優しいおじいさんがいました。彼は小鹿の角に花をつけてあげて「かんざしをあげたから、日の暮れない内に山へお帰り」と言いました。仔鹿は喜んで帰り父母に話しました。
夢追人009
2023/08/17 12:39

お父さんとお母さんは「ぼオん」という音はお寺の鐘だよ。お前の角についているのが花で、一杯咲いている所に春がきていたんだよと言いました。やがて暫くすると山の奥にも華がきていろんな花が咲きはじめました。のどかで平和でのんびりとして牧歌的な春の風景が誠に気持ちよいですね。私の住む奈良県の奈良公園ではシカはお馴染みの動物で、普通に町中も歩いていますよ。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の135編目は朝鮮の風変わりな仇討ち話ですよ。ある老宰相の息子が美しい嫁を貰った。朝鮮の風習として妻帯すると修行しなければならなかったので仕方なしに男は山寺へ行った。彼は妻の事が恋しくて堪らなくなり下山して家に帰ろうとしたが山の中程の場所まで来ると背後から近づく和尚に太い棒で頭を殴られ倒れた、別の男が町で先の男の妻を見て魅かれ家まで追って行く。そして家の中で夫人と若い和尚が密会し酒を酌み交わす場面を見て立腹し持っていた矢で和尚を射抜いて殺す。その夜、男の夢に僧に殺された男が出てくる。
夢追人009
2023/08/17 11:55

男は敵討ちをしてくれた礼を言い私は悪僧に殺され死骸が山の中程にあるので家に行って父に知らせて欲しいと頼む。彼は言われた通りに昨日の家へ行って事情を話し一緒に山へ行って男の死骸を見つける。父親は家に帰り嫁の部屋の床下を開けると和尚の死体が見つかる。夫人は自分の悪行を認め白状すると、実父に刀で喉元を刺されて死ぬ。男の夢に再び死んだ夫が現れ科挙試験の答を教える。男は試験に合格して文官となって出世する。殺された男が自分でリベンジして呪い殺すのではなく見ず知らずの男に仇討ちをして欲しいと頼むのが特異な感じでしたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
ネタバレ初読み作家・大門剛明さんの横溝正史ミステリ大賞を受賞したデビュー作です。滅多にない事ですが理由あって真相に触れていますので、本書を未読の方はコメント部分を読まれないようにご注意願いますね。15年前の京都で男子学生と19歳の女性が殺され、現場で目撃された男が逮捕される。元弁護士の八木沼悦史は、死刑囚となり留置中の息子・慎一の冤罪を信じ、街で手掛かりを追って一人で活動していた。だが息子は父との面会を拒絶し、弁護士には無罪を訴える手記を託す。一方で殺された女性の妹・菜摘に真犯人を名乗る人物メロスから電話が来る。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
ミステリーの女王。アガサ・クリスティー女史の秀作5編をセレクトした児童向けの作品集です。ヨシタケシンスケさんの表紙絵と扉絵イラスト全7枚はユーモラスで親しみ易くミステリー特有の緊張感を和らげて年少の読者をリラックスさせてくれる効果があると思います。私は数十年前に全部を読んだのを思い出しましたが、こうして読むと女史の作品は時代に左右されない普遍的な魅力があるなと改めて感じました。幻想ホラー、ユーモア、本格ミステリー2編(ポアロ&ミス・マープル)、心理サスペンスの全5編にはラストに必ずやサプライズが訪れます。
夢追人009
2023/08/17 08:55

中村ですさん、まあ子供達が読み難くて困らないように訳者の方はわかりやすい作品を選んで訳文にも気を遣って十分に配慮されているのでしょうね。

中村です
2023/08/17 13:03

ほんとにその通りだと思います!おかげで大人たちも手軽に世界の名作短編を読めてありがたいですね😊

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の76編目は田舎と都会の子供達の友情の物語ですよ。ねえやの田舎は山奥のさびしい村です。田舎では本屋に言って雑誌を見ることもありません。三郎さんは自分の見た雑誌をねえやの弟に送ってあげました。すると弟の孝二君からとても喜んで手紙が来て、くりやどんぐりを送ると書いてありました。孝二君は雑誌を友達に見せたら皆が奪い合って汚くしたのでもう送らないでと手紙が来ました。三郎さんが学校に田舎から送られたくりやどんぐりを持って行くと皆が珍しがって大人気でした。よし雑誌とくりを取り替えっこしたらいいんだ。
夢追人009
2023/08/16 13:10

皆に話すと大賛成で、田舎の子供達も大喜びとなって、こうして遠い田舎と街の子供達の間に交際ができるのがとてもうれしかったのでした。今はスマホとネット社会ですからこういう事はないでしょうけれど、昔々の子供達の微笑ましい友情が育まれる誠に良い話でしたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
新見南吉さんの童話の44編目はロバを思い遣る男のお話ですよ。張が可愛い一匹のロバを買いましたが歩かせてみるとびっこを引くのです。どうしてだろう?と思い通りがかりの物知りに聞くと耳が寒いからで帽子をかぶらせなさいと言いました。そこで羊の毛で帽子をかぶらせましたが、それでもびっこを引くのに変わりありません。もう一度文句を言うと、ロバは耳が痛いのだと言われたので帽子に穴を開けて耳を出してやりました。それでも変わらないので行くと耳が寒いじゃないかと言われ袋をかぶせてあげました。次に言われたのは、耳が聞こえないよ。
夢追人009
2023/08/16 12:37

ここで張はどうすればいいかと十日も二十日もご飯もろくに食べずに考えましたが良い考えが浮かびません。そこで通りがかった村人に相談すると、帽子を取ったらいいよと教えてくれました。こいつは名案だと叫んだ張は帽子を取って捨てて、ロバの耳に「ロバやーい」と言うと耳がくすぐったくてロバは耳をぴくぴくさせました。「やあ、聞こえる、聞こえる」張は躍り上がって喜びました。まあ、びっこの問題はいつの間にやら完全に頭から飛んで行ってしまいましたが、まあいいじゃないの、幸せならば~ですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の134編目は中国の奇妙な男女の愛の話ですよ。ある男が小さな頃に家族ぐるみでお世話になっていた富豪の家を久し振りに訪ねて来た。主人に父も母も亡くなった事を告げると、実は男と許嫁だった娘が病気で二か月前に亡くなったのだと知らされる。以前にあなたから頂いた鳳凰のカンザシは娘の棺にいれたのだ。男は富豪の家でお世話になる事となった。ある日彼は駕籠が来るのを目にして中の誰かが鳳凰のカンザシを落としたのを拾う。それから部屋へ若い綺麗な女が訪ねてきて私は死んだ許嫁の妹ですと言い、二人は仲良くなる。
夢追人009
2023/08/16 11:34

父親が許すと言うと、男に泣き崩れ「あなたは妹と結婚して、でも私の事も忘れないでね」と言うと気を失って倒れる。妹が目覚めるとその日の一切の記憶がなく病気も治って健康になった。男は鳳凰のカンザシを打った金で死んだ姉の為に祭りをした。夢に姉が出てきて礼を言い妹の事を頼み、それから不思議はなくなった。まあ終ってみれば少し気色悪いながらもロマンチックな目出度い良い話でしたね。それから本作の読みは「きんぽうさいき」でしたよ。

夢追人009
2023/08/17 09:54

コメント2×鳳凰のカンザシを打った金で→〇鳳凰のカンザシを売った金でが正解です。いつも本当にごめんなさいね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
初読み作家、雫井脩介さんのデビュー作で、私にとって柔道ミステリーというジャンルも初めて読みましたね。まず、本書はこの題名があまりにも健全過ぎて損をしていると思いますね。この題名を選んだ理由は読者を油断させようとしているやに見受けまして、それは大成功なのですが、うーん惜しい気がしますね。ヒロインは柔道の元金メダリストの女子コーチ、望月篠子でオリンピックを控えて男子柔道の代表を競うライバル二人のシンジのどちらかがドーピングをしているという内容の文書が送られてきた件についての調査を全柔連の幹部から依頼されます。
夢追人009
2023/08/15 23:39

何もそこまで極端に残酷にしなくてもいいのにと思われる方も多くいらっしゃると思いますが、それが著者の厳しくハードな妥協を許さない芸風なのでしょう。まあ優しさも大切ですが、私はプロフェッショナルな至誠を貫く著者を支持したいと思いますね。とにかく題名の大人しさとは真逆の面白いミステリーですので未読の方にはぜひチャレンジして欲しいですね。

夢追人009
2023/08/16 08:40

もう疲れているせいか漢字の変換がボロボロで申し訳ありません。コメント1:×観戦→〇完全、コメント2:×至誠→〇姿勢でしたね。今後もっと冷静に見直せるように努力しますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
トンデモ神経科医・伊良部一郎シリーズの2冊目にして直木賞受賞作。今回も全5話にヴァラエティー豊かな職業の患者達が来院して怖いものなしの伊良部医師と絡みます。サーカスの空中ブランコ乗り、ヤクザ屋さん、同業者の神経科医、プロ野球選手、女流作家と伊良部の凄さはズブの素人でも患者の職業に果敢にチャレンジして例えレベルは低くても一応それなりの結果を残す才能ですね。それから患者はみな専門分野でのプロですから時間がかかっても自然治癒の自力克服で復活して行くのを伊良部が強い刺激を与えて多少なりと後押しをするのでしょうね。
夢追人009
2023/08/15 21:58

今回は3話で地名の書き換えのイタズラが堂々と書かれているのを読者が真似しないのかなと少し心配しましたが、著者はこんなにあからさまに書くとみんな却って真似し難いだろうと計算されたのだろうと思いますね。義父のヅラはもっと明るく和解できたら良かったのにねと少しだけ心残りでしたね。そして最終話でマユミちゃんが初めて感情をあらわにした場面に強いインパクトを感じましたね。似たような展開の話が多くてややマンネリ感もありますが、悩みもなく常にご陽気な伊良部医師の魅力に引き摺られて残り2冊も楽しみに読みたいなと思いますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの75編目は冬の時期の短い詩ですよ。冬の木立、しょんぼりと寒かろう。蓑を着て、合羽を着て、綿帽子をかぶりょ。カラスが、かんざしのようにとまったけれども、なぜなぜ鳴かないのか、いつまで鳴かないのか。ここでカラスの勝手でしょと言ったら小川さんに怒られるでしょうね。でもまあ子供の頃カラスが鳴くと人が死ぬとかいう言い伝えをよく聞きましたから本当は鳴かない方がいいんじゃないかと思いますね。小川さんは生き物だから生きている証拠に元気にカアーカアーと鳴いて欲しかったのでしょうね。寡黙で静かな鴉もいいですね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
新美南吉さんの童話の43編目は折角かぶと虫を捕まえたのに…という話です。小さい太郎は偶然に運よく、かぶと虫を捕まえて喜びましたが兄弟のいない一人っ子なので話ができず、おばあさんに話しても特に驚く事もなくウトウト寝てしまいました。小さい太郎は糸を足に付けて歩かせましたが段々とつまらなくなり近所を回って友達に遊び方を聞こうとしましたが運が悪く誰もいないのでした、最後に行った安雄さんは親父さんに仕事を教わっていて「うちの安雄はもう一人前の大人だから子供とは遊ばんよ」と言われて太郎は深い悲しみに沈み込んだのです。
夢追人009
2023/08/15 18:22

太郎が西の山に浮ぶふちの赤い雲を見ている間、太郎の知らぬ間に、かぶと虫はいつか指からすり抜けて逃げてしまいました。まあ時にこういう運の悪い日もありますね。何もかもがうまく行く日もまた来ますからガッカリして深刻に考え過ぎずに気を取り直してがんばって欲しいですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の133編目は不気味な身も心も凍りつくような話ですよ。幸若舞の家元になった幸若八郎という男が京都へ向かい木曽路を歩いている時に遭遇した話で彼を待ち構えていた男に草ぶきの家に招かれ主人の武士が得体の知れない病に取りつかれて二十年にもなっており此の世の別れに舞を踊って欲しいと頼まれる。主人に会って話を聞くと白いきれいな女子の召使を可愛がるようになったが次第に嫉妬深い本性を現して狂女と化した。女は猛り狂い「それ程憎いなら殺してくだされ」と言ったので若気の至りで刀を取ると女の首を切り落とす。
夢追人009
2023/08/15 13:17

首が落ちた所を見ると彼を睨んで生きていた時の様に、ニッと笑ったという。彼は年寄りと相談して女を葬ったが夜になると発熱し股のあたりに非常な痛みを憶えたので見ると一つの腫物ができており、どんどん大きくなり奇怪な形の物となった。それは医薬も祈祷も効果が無く削っても焼き捨てようとしても元通りとなってどうしても除くことができない。それから二十年が経つという。八郎は涙を流して主人の為にと夜通し朝まで舞を踊って慰めた。別れの時に主人は八郎に内股をまくって奇怪な腫物を見せた。面長な細面の黄色な女の顔が生々しく映っていた。

夢追人009
2023/08/15 13:18

主人は「これが拙者が殺した女の顔でござる」と言った。うーん、考えただけで気に病んで狂ってしまいそうになる恐ろしいグロテスクな話でしたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
幼い息子を庇い事故により41歳の若さで世を去った羽野未知生さん。彼と人生の短い一時期を一緒に過ごした七人の男女のその後を描く連作短編集。彼は特別に優秀な人ではなく、むしろ目立たない冴えない感じの人だったけれど決して悪人ではなく良い人だったのですね。彼は人に怨まれるようなことはなく他人の人生を好転させるような影響力が見られるのは偶然にせよ彼の人徳だと言ってよく、彼自身が自分の事よりも他者の幸福を喜ぶような性格に思えるのですね。まるで空気のように人生を駆け抜けて決して悲しみを感じさせず結末には希望が漂います。
夢追人009
2023/08/14 22:41

無意識の内に他者に幸せな影響力を与える不思議な魅力の主人公、未知を生きると書く未知生さんの人生の物語は、きっと読み終えた人の明日を力強く勇気づけてくれることでしょう。 #NetGalleyJP

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
回文作りをライフワークとされているというコジヤジコさん(流石ペンネームも回文ですね)の、いぬとくまとねこが集まり夜の虹にまたがって仲良く遊ぶ言葉遊び絵本ですね。虹の色は七色というよりもクリーム色の印象が強くて夜の暗闇の印象を打ち消して気持ちをご陽気にしてくれますね。三匹の動物は気楽に飛んだり跳ねたりして楽しくやっていますね。子供達に言葉遊びの面白さを教えてくれて、よしこれなら簡単にできそうだから自分でも作ってみようかなと気軽に思わせてくれる良い絵本ですね。ちなみに夜の虹は英語でムーン・ボウと言うのですね。
夢追人009
2023/08/14 22:01

まあ題名は「夜よ」と呼びかけるのではなく今は「夜よ」と確認しているような感じですね。まあそんなものは見れば一目でわかるのですけどね。真夏の真昼は炎天下ですから夜が舞台の絵本は暑苦しくなくて涼しい感じで読めて丁度いいのではないでしょうかね。この絵本は8月29日刊行予定ですよ。#NetGalleyJP

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の74編目は優しいお母さんは何でも知っているのよという話です。正ちゃんは朝目が覚めるとお兄ちゃんもお母さんもまだ寝ているようでした。今日は日曜日ですが8時に友達と3人で釣りに行く約束をしていて7時半には家に迎えに来てくれるのです。正ちゃんが兄ちゃんに相談すると今日は日曜日だからお母さんをゆっくり寝かせてあげなと言います。そうだな、友達の家へ断りに行こうかなと迷って服を着替え階段をへ下りて一階に行くとお母さんは食事の支度を既にしてくれていました。あなた釣りに行くんでしょ。どうして判ったの?
夢追人009
2023/08/14 18:06

お母さんはあなたのする事は何でもわかるのよ。お母さんは実は昨夜、物置の前に釣りざおとバケツとみみず箱が置いてあるのを見たので察して、いつもと同じ早い時間に起きられたのでした。正ちゃんは日頃から優しい良いお母さんだと思っていますが、いつになったら、お母さんの愛が本当に深くわかるのでしょうか。まあ幼いですから今はまだ難しいけれど段々と成長するにつれて母親の思いを理解して日頃の感謝の思いを込めてお手伝いをしたり贈り物をしたりしてあげて欲しいものですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
新美南吉さんの童話の42編目は牛の親子(父と母と子)の話ですよ。仔牛がお父さん牛とお母さん牛の所に行って言いました。「あたい、体の中がむじゅむじゅするの」父と母は喜びました。母さん牛は「坊や、むづむづするのは今に坊やの体から何かが生えてくるのよ。南の菜の花畑の中に入って、じっと座っていなさい」と言いました。お母さんは白い羽、お父さんは鹿のような角が生えるだろうと予想しましたが、結果はどちらでもなく普通の牛の丸い角でした。二人は喜んで何て立派な牛になったことだろうと言い合いました。やっぱり普通が一番ですね!
夢追人009
2023/08/14 16:49

ややこしいですが、この仔牛には同じ作者で詩と童話の二種類のヴァージョンがあるのですね。私の話はもちろん童話の方ですよ。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の132編目は中国の悪い猿と戦う男の話ですよ。題名の申は、十二支のさるの字ですね。元の時代の李生(りせい)という男は25歳で弓矢に秀でていたが貧しく桂州に行って弓矢を持ち猟をすべく山の中へと入った。日が暮れて古廟を見つけ休んでいると人か獣か不明な怪しい声が聞こえた。彼は十数人程のサルの集団を見つけて冠を被った者に向けて矢を射た。すると混乱が起こって妖怪どもは逃げて行った。李生は朝になると血痕を見つけて後を追って大きな穴に着くと足下が崩れて穴に落ちる。目覚めると持参の弓矢が消えていた。
夢追人009
2023/08/14 12:29

先に進むと大きな石室があり、サルの番兵が立っていて入り口に「申陽之洞」と額がかかっていた。彼は自分は医者だと偽ってサルどもを騙し大王の部屋へ連れていかれると石綿に浸した薬液を与える。部下達も欲しがるので与えると全員が苦しみだして倒れ息絶える。側には三人の美女がいて事情を問うと富裕な家から誘拐されたのだと判明する。やがて白い服を着た老人が現れサルに追い出された精の者だと言って帰り道を案内する。去り際に彼らの正体が白ネズミだとわかる。李生は女の生家へ行くと父親から結婚を許さて残りの二人も望んだので共にめとる。

夢追人009
2023/08/14 12:41

本作は無一文の貧乏青年が一転して幸運に恵まれて富裕の身分になるチャイナ・ドリームのサクセス・ストーリーでしたね。※後で気づきましたが、元の時代ですから正確にはモンゴル人の物語でしたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
猫を心から愛する人の為の飼育本です。約160頁に占める90%超の割合で可愛らしいニャンコのフォトが掲載されておりまして見る度にニャンコのトリコになり心を鷲掴みにされますよ。ダラダラとした説明文ではなく要点をまとめてポイントを簡潔に表現されていまして非常に読み易い一冊です。ユーモアもバッチリで一緒に暮らすための猫のお言葉10の中で「5年奉仕したら撫でさせてあげる」に笑いましたね。ミニ知識として猫の1才は人間の18才で後は4年ずつ増えて20歳で人間の96歳に当たるそうで最高齢記録はアメリカの38歳との事です。
夢追人009
2023/08/13 22:21

これは人間では何と168歳!ニャンコの世界の成瀬あかりですね。これは勿論冗談ですよ。まあ本当に猫を飼いたい人にも現在どうしようか迷っている方にも読んで損はない側に置いて好きな時に眺めたい一冊ですので本書をぜひお奨めしますね。#NetGalleyJP

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
動物を愛するすべての方に読んで欲しい感動の物語です。今年2023年で作家歴14年になられる著者の藤岡陽子さんは私にとっては初読み作家さんでした。本書は自信を持ってお奨めできる素晴らしい一冊ですので、ぜひ多くの方に読んで頂いて著者がブレイクすればいいなと願いますね。ヒロインの聡里は不幸な少女時代を優しい祖母のチドリと愛犬パールに支えられ獣医師になる道を目指して北海道の獣医学大学に進学し次第に自信を得て数々の苦難にぶつかりながらも懸命に乗り越えて一歩ずつ成長していくのです。本書は涙なしには読めない感動作です。
ひまわり
2024/07/15 20:54

ナイスありがとうございます。とても良い一冊でしたよね。他の方がお勧めされてるように、『きのうのオレンジ』もお勧めです。自分の読んだ中で一番泣きました。この作品とは違った形で、命の大切さやどう生きるかを考えさせられる作品でした。

夢追人009
2024/07/15 21:30

ありがとうございますね。読むのが遅れていますが私もいつか必ず読みますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の73編目は小さな草の一生の話ですよ。春になって小さな草が芽を出しましたが陽射しが十分でなく寒い思いをして「ああ、いつになったらお日さまが私を暖めてくださるだろう」とつぶやいていました。すると大きな青木が「我慢しろ、俺は去年の秋から不平を言わずに耐えているじゃないか」と言いました。やがて暫くすると太陽がやって来て草に喜びの日々がやってきました。太陽は移動しましたが、草は青木よりも高くなり花が咲き、ちょうやアブや蜜蜂たちに褒められて自信がつきました。草は「おれはもう大丈夫だ」と思いました。
夢追人009
2023/08/13 12:17

しかし太陽が南へ去ってしまうと、まもなく草は枯れてしまいました。ああ、草の栄光の時は長くはなく、あっという間に終ってしまうのですね。それに比べると青木は寿命が長く退屈な人生化も知れませんが毎年生まれて来る草たちに人生と忍耐のお説教をして時に沈黙を守って長生きするのでしょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
新美南吉さんの童話の41編目は西洋童話風の間違いない傑作ですよ!魔女とその息子の巨男(おおおとこ)がある晩に森の中の家で寝ていますと二人の女が一人の少女を連れて訪ねてきて、この方はこの国の王女様です。私たちは侍女です。道に迷ってしまいましたので一晩だけ宿をかしてくださいと頼みました。魔女は優しく泊めてあげましたが、翌朝になると三人は庭の黒い鳥と一羽の白鳥に変わっていました。魔女が魔法で変えたのでした。魔女は鳥を外に放ちましたが、夕方になると白鳥が泣きながら家へ帰ってきました。巨男は白鳥を飼ってあげました。
夢追人009
2023/08/13 11:37

巨男が成長するにつれ魔女は弱っていき人を鳥に変える魔法を息子に教え遂に動けなくなりました。巨男は魔女が死ぬ前に魔法を解いて鳥を人間に戻す方法を聞きました。それはね鳥が涙を流せば元の姿にかえるよ。魔女の死後、巨男は白鳥に涙を流させようとしましたが、何度やっても駄目でした。巨男は白鳥を連れて都へ出てきました。都の者は巨男を殺そうと王様を説得し大理石の塔を建てる事を進言し巨男に南から石を運ばせ建てさせましょうと説得しました。巨男は足に鎖を繋がれ苦労して南の土地に行って石をもらい都へ帰って大理石の塔を建てました。

夢追人009
2023/08/13 11:38

巨男はもう一度往復させられた後で思いつきました。私が死んだら白鳥が涙を流すに違いないと。そして白鳥にお別れを言い塔から身を投げると直ちに死にました。白鳥は滝のような涙を流し、元の王女の姿に戻りました。王女は王さまにこれまでの事情を話すと心から巨男に謝罪し感謝しました。同時に真実を知らされた都の人々も泣いて巨男にあやまりました。王女は王さまと妃に「私はいつまでも白鳥でいて巨男の背中にとまっていたかったわ」とよく言ったものでした。うーん、巨男が可哀想すぎますが、彼は死ななければならない運命だったのでしょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の131編目は誠に恐ろしい鬼婆の話ですよ。ある寡婦が三人の子供、13歳の長女、、8歳の長男、5歳の次女を留守番に置いて山の向うの親戚の家へ餅つきの手伝いに行った。終ると日が暮れて親戚の者は危ないと止めたが心配なのと土産の餅を持って帰ってやりたい重いから帰ることにした。だが山道を歩く途中で道に迷う。すると後ろから老婆が来て案内してあげようと言ってくれる。けれど老婆は寡婦が餅を持っているのを知ると空腹だから一つ下さいとねだる。食べ終わると更にくれと言ってきて何度も断っても全く納得しない。
夢追人009
2023/08/13 10:29

寡婦は相手が鬼婆だと悟って仕方なしに最後の一個を差し出す。だが老婆はもっとくれと言いもうありませんと言うとお前さんの命をもらうと言い口が耳の辺まで裂けて飛びかかってきた。三人の子供が留守番をする家に誰かが訪ねてきて長女は用心するが最後には母だよと説得されて家に入れてしまう。女は餅は明日の朝にやると言い幼い次女を抱いて部屋を出る。長女が眠れずに母のいる部屋をそっと覗くと鬼婆が座って妹の手を食べていた。長女は弟を起こして何とか手を引いて二人で家から逃げ出す。だが鬼婆は追い掛けてきて二人は絶壁に追い詰められる。

夢追人009
2023/08/13 10:29

二人が大きな杉の木に上ると鬼婆も上って来る。姉は「この世の中に本当に神様というものがあるなら、どうぞ私ら二人を救うてくださいませ」と必死で頼む。すると上から鎖が下りてきて姉弟がつかまると鎖は上へと引き上げる。鬼婆も二人の台詞を真似して頼むと鎖が目の前に来たので喜んで乗ると鎖は切れて鬼婆は下へ落ちて死んだ。鬼婆の血は白い花の茎を赤く染めた。その花は蕎麦の花だった。うーん、本当に凄まじい話で可哀想に母と妹は犠牲になりましたが姉弟は何とかギリギリで命が助かって幸いでしたね。杉の木の神様がいて誠に良かったですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
ベテラン作家6人による安定感抜群で人生勉強にもなる傑作警察小説アンソロジーです。私が2つ選ぶとすれば人情味で今野敏さん、トリックで安東能明さんですね。でもどれを取っても大満足の読み心地ですよ。『熾火』今野敏:安積警部補の新米刑事時代の事件で半グレ同士の抗争事件に双方の心情を考えて真剣に対処する安積の心意気に胸を打たれましたね。『遺恨』佐々木譲:北海道警察の腕利き刑事が地方に飛ばされた川久保巡査部長が大手酪農家の主人が惨殺され中国人研修生が姿を消した一見単純な事件の真相を暴く。『帰り道は遠かった』黒川博行:
夢追人009
2023/08/12 12:58

大阪府警の黒マメコンビが奇妙なタクシー強盗事件の謎に挑む。大阪弁の面白さが肝の本作をドラマ化するなら主役はぜひミルクボーイの二人でお願いしたいですね。『死の初速』安東能明:元高校教師の神村巡査長がマンションからの飛び降り自殺事件に挑み、独自の観察眼で意外な真実を導き出すトリッキーな秀作です。何事もなめてかかると痛い目に遭うのですね。『悩み多き人生』逢坂剛:御茶ノ水署・生活安全課の斉木係長と部下の梢田のコンビが古書店が絡む事件に巻き込まれ斉木が美人店員に恋をする。本作も意外性抜群でユーモラスな仕上がりです。

夢追人009
2023/08/12 12:58

本作をドラマ化するなら配役は博多華丸・大吉コンビとヒロインには友近を推しますね。『水仙』大沢在昌:新宿鮫シリーズの佳作。新宿署の鮫島と中国人美女と公安警察が絡むスパイ小説風の一編。これを機会に6人の作家の長編作品にも挑戦していきたいですね。本書は非常にレベルが高いアンソロジーで大満足の一冊でしたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の72編目は白熊の話です。北極海に臨むアラスカやシベリアに住んでいるしろくまは白い毛がふさふさのモフモフで可愛らしいですが性格は猛しい獣なのです。しろくまの母親が子供たちを連れて氷山の上で遊んでいました。「お母さんのそばを離れてはいけません」と言い聞かせたのに一匹の子ぐまが海鳥を追いかけて行って氷の固まりがパチンと割れて子ぐまは流されて行きました。に着くとエスキモーのおじさんに頭から網をかぶせられ生け捕りにされて檻に入れられて町の大きな動物園へと送られました。子供達は可愛がってくれます。
夢追人009
2023/08/12 10:55

でも子ぐまは時々お母さんを思い出して「ウオー」と鳴きます。そうですね、この子ぐまはもう二度と故郷には帰れずに動物園が第二の故郷になるのでしょうね。まあ悲しいけれど母が恋しいだろうけれど気を取り直して今の場所に順応して可能な限りに自由気ままに生きて幸せな一生を送れますようにと願いますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
新美南吉さんの童話の40編目はオルゴールというハイカラな題名でも良さそうですが、結局は古風な「うた時計」という形におさまった心温まる一編ですよ。十二三歳の少年。清廉潔白の廉(れん)と三十四五歳の青年・周作が出会って心が交流する物語。少年が青年のオーバーのポケットに手を入れた事で中にあったオルゴールが偶然に鳴り出します。少年には幼くして死んだ妹のアキコがいて、うた時計が好きだったのでした。周作は薬屋の息子で若い頃に家を飛び出して十何年ぶりくらいで故郷の町へ帰って来て父親に真面目に働くよと言いに来たのでした。
夢追人009
2023/08/12 09:49

でも一晩泊った後で店のうた時計を持ち出したのが少年と出会ったことで返す事に気を変えたのでした。親不孝者の息子を少し見直して涙を流す親父さんの姿にもらい泣きしますね。周作が本当にまじめに働いて数年後に再び帰って来て故郷に錦を飾れたらいいなと思いますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の130編目は中国の不思議な恋物語ですよ。趙源(ちょうげん)という独身の男が緑色の衣を着た少女と夕暮れ時に出会い恋をする。漸く話しかけ家に招いて名を聞くと彼女は緑衣人(りょくいじん)と呼んでと答える。やがて彼女は自分はこの世の者ではないと打ち明け昔の宋の丞相、賈秋壑( こしゅうがく )の侍女で囲碁の名人だった。あなたは下男頭で私と愛し合いましたが秋壑に知られて二人は西湖の断橋の下へ沈められ、あなたは再生しましたが私はそのままですと言う。秋壑は残虐な男で愛妾の首を切り落としたという。
夢追人009
2023/08/12 08:49

彼は圧政を人民に課し批判されると容赦なく処分した。だが秋壑も後に失脚して殺される。やがて三年すると女は私の数が尽きたと言って亡くなる。 趙源は再婚せずに僧になったという。中国の話には難解な内容もありますのでぜひ原典をノーカットでお読み直しくださいね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の71編目は残念ですがハッピーエンドではない話ですよ。道端に小さな花が咲き花は美しいちょうちょの訪れを夢見ていました。夕方になると蚊やハエはよく来ました。ある日恐ろしい顔をした大ぐもが来て言葉巧みに話しかけて糸で網を張り巡らしました。そうやって己の利益の為に虫を捕食したのです。ある日綺麗なちょうが飛んできて二人は友達になりました。すると寝ていたくもが目を覚ましジーッとちょうを睨みました。花はそれを見て、ちょうに網に引っかからないように気を付けてねと注意すると、ちょうは礼を言い去りました。
夢追人009
2023/08/11 11:13

くもは花が余計な事をしやがってと言って怒り、それまでは花びらにだけは網を張っていませんでしたが、とうとう全てを糸の網で覆ってしまいました。翌日、昨日のちょうが来て花にとまろうとすると、「駄目です、駄目です。早くお逃げなさい」と花は叫びました。ちょうは驚いて飛び去り、ニ三日後に花を気づかって再び来てみると小さな花は既に枯れていました。まあ残念ながらこういう悲劇も自然界には多く存在するのですね。クモも生きていかねばなりませんから一方的に悪役にしてしまうのも問題ありで、自然界は弱肉強食ですので仕方がないですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
新美南吉さんの童話の39編目は珍しく哀愁漂う生真面目で詩的なお話ですよ。一匹のでんでん虫が「私は今までうっかりしていたけれど、自分の背中のからの中には悲しみが一杯詰まっているではないか」と気付いてお友達のでんでん虫に話に行きました。私はもう生きていられません。私は何という不幸せな者でしょう。すると友達は言いました。「あなたばかりではありません。私の背中にも悲しみは一杯です」それからは誰に聞いても同じ答だったので初めのでんでんむしは気付きました。「悲しみは誰でも持っているのだ。私は私の悲しみをこらえなきゃ」
夢追人009
2023/08/11 18:27

オスカーさん、ありがとうございます。このリリカルな少女マンガを読んだら天国の南吉さんもびっくりされるでしょうね。

夢追人009
2023/08/11 18:30

はつぱあぱさん、ありがとうございます。こういう深い話は悲しみに沈む心を癒して人を励まし勇気づけてくれますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の129編は不思議なけったいなおっさんの話ですよ。本書の題名の「虎杖」は「いたどり」と読み、私の住んでいる地方では「すかんぽ」と呼ばれる植物の事でしたよ。秋田県出身の画家の伊藤美代乃女史の小さな頃の話。晩春に隣の友達と裏の田んぼへ出て 虎杖を捕って遊んでいると六十歳位の優しそうな老人が来て「わしにもおくれ」と言ったので三個程あげると皮も剥かずにペロリと食べた。老人は次から次へ幾らでも食べて子ども達をもっとある場所に案内させて杉林のある場所で一面に茂る所に来て夕方まで延々と食べていた。
夢追人009
2023/08/11 08:39

子ども達は不安になって帰ると大人に話した。物好きな者が杉林の所へ見に行くと素っ裸になった老人がいて一本杉の方へと逃げて姿を消した。一本杉は昔から狐が出ると言われた所であった、まあ老人は怪しくはありますが狐に変身した姿をハッキリ見られたという訳でもありませんので、単に変質者のけったいなおっさんだったのかも知れませんね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の70編目は人間よりも動物の味方の立場を取る作者の少し意地悪な童話ですよ。村のかじやさんは働き者で夜遅くまで働いていると、盛でコンコンと鳴く声が聞こえました。お正月の休みには、きつねを取ってやろうと思いました。かじやさんは自分で、ばね仕掛けのおとしを作って正月は休んで裏の畑におとしを仕掛けました。晩になると、あぶらげの匂いを嗅ぎつけてキツネの親子がやってきました。子ぎつねが不思議がると母ぎつねは、これはおとしという危ない物よと子を助けました。かじやさんは悪い人できつねをバカにしてるのね。
夢追人009
2023/08/10 12:44

かじやさんは町へご年始に行ってお酒を沢山いただいていい気持ちで村へ帰ってきました。日が暮れてしまいましたが、かじやさんは上機嫌で歌をうたいました。提灯をさげた二人の子供が来て親切に手を引いてくれました。「おじさん、もうここはお家よ、お座りなさい」かじやさんは、いい気持ちでぐうぐう寝てしまいました。鳥が鳴いて目を覚ますと、かじやさんは、お寺の鐘つき堂に座っておりました。二人の子供はきつねの親子で、かじやさんにリベンジをしたのでしょうね。これに懲りて、かじやさんがきつねを捕ろうとする気をなくしたら良いですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
新美南吉さんの童話の38編目はとても微笑ましい神さまの話ですよ。子どもの好きな小さな神様がいて時々人の住む村へ出てきては子ども達と遊ぶのでした。けれど姿を見せないのでちっともわからないのでした。雪の降った翌朝に十三人の子どもが野原に出てきて雪の上に顔をうつそうよと言って雪に顔をおしあてましたが誰かが数えると、何と14あったのです。そうか見えない神さまがいるんだと知った子ども達は目で合図して神さまを捕まえようぜと相談しました。兵隊ごっこで大将役の子どもが号令をかけると十二と言った後に十三と良い声がしました。
夢追人009
2023/08/10 11:52

それっ、そこだ、神さまをつかまえろ!と全員でとりまきました。神さまはあわてて一人の子の股の下をくぐって逃げ去りましたが、あまり慌てたので靴を片方落として来ました。子ども達は神さまの残した赤い靴を見て笑いました。それから神さまは森から出てこなくなりましたが、子ども達が遊びにゆくと、時々森の奥から「おーい、おーい」と呼びかけたりします。わんぱくな子ども達のいたずらっ子ぶりと神さまとの交流が微笑ましい一編ですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の128編目は短いけれど恐ろしい話ですよ。形が位牌に似ている所から位牌田と呼ばれる田んぼがあって相当な収穫があるのだが、その田を作る家は毎年死人が出るので、二年とその田を続けて作る者がなかった。その田は荒廃し雑草が生い茂り人が立ち寄らなくなったが昭和二年に隣村の明治の昔に田舎角力で活躍した老人が位牌田を作ると言いだした。村人達は不幸を怖れて止めるように老人に忠告したが男は無視し相手にしなかった。稲が順調に育ち秋の収穫が迫った頃に農夫が隣の田で弁当を出すと位牌田の上で青い火花が回った。
夢追人009
2023/08/10 10:06

農夫は弁当を放り出したまま逃げ出し、噂は隣村の老人にも知れたが臆病者にしか見えないのだろうと言って気にしなかった。だが夜になると急に発熱して苦しみ出し家族が薬をのませ医者を呼んだが熱は去らず翌朝にはぽっくり死んでしまった。村人達は怖れて完全に田から撤退した。その田は寺院跡で寺の住職が強盗に殺されたので住職の怨みが残っているのだという者があるが、要するに現代の科学的な常識ではわからない事なのだ。うーん、そういう事って確かにあるんですね、不吉な土地は近づかないようにしないと命が幾つあっても足りないでしょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の69編目は二転三転して最後までハラハラドキドキする話ですよ。川の中に魚がすんでいて、春になると美しい花が咲くのを子供達は喜んで見ていました。お母さん、あの綺麗な花が欲しいのですと言った子に母は、あれはただ遠くからながめるもので落ちてきても決して食べてはなりませんと戒めました。理由を聞かれると昔から食べてはいけないと言われ食べると体に変化が起きるのですと説明しました。しかし風が吹いて花びらが川に落ちると三匹の魚の子達は遂に花びらを飲んでしまいました。翌日母親は我が子の姿を見て嘆きました。
夢追人009
2023/08/09 11:45

黒かった子供の体は二匹が赤色に、一匹は白と赤の斑に変わっていたのです。母親は「人間がお前らを見つけたら、きっと捕えるから決して水に浮いてはならぬぞ」と戒めました。町の子供達が赤い魚を見つけて母親に言うと赤い魚を捕るとよくない事が起きるから川に行っては駄目と注意しましたが子供達は本気にせずに、とうとう捕まえてしまいました。子供達の母親は赤い魚を見せられて、この子達の母親はどんなに悲しんでいるでしょうと言いました。すると子供達は3匹の魚が可哀想になって大きな河に逃がしてやりました。でも3匹は母親と会えるかな?

夢追人009
2023/08/09 11:45

しかし、それは誰にもわからなかったのです。夏の夕暮れの空に三匹の魚に似た雲が浮ぶことがあり、子供達はそれを見ると何となく悲しく思ったのです。まあ魚の母と子が最下位出来たかどうかは不明ですが、逃がしてもらって自由に人生を送る事になれて良かったですね。まあ著者らしい子供の心に配慮した優しいメルヘンでしたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
新美南吉さんの童話の37編目は企みに満ちたスリルとサスペンスの時代劇ですよ。月夜の道で一人の侍が後ろから走って来た空の駕籠に乗せて貰いました。暫くすると後ろのかごかきが「シーッ」と言い、前のかごかきも「シーッ」と言いました。後ろの方が「叩き殺そうか」、前が「もう暫く待て」後ろが「面倒だ殺してしまおう」前が「もう少し先のがけの上から谷川へ放り込んでやろう」。中にいる臆病な侍は自分がもうすぐ殺されると思い震えていました。侍は川の音が大きくなると刀を腰から抜いて下に置き、かごから飛び出て全速力で走り出しました。
夢追人009
2023/08/09 10:36

すると、かごかきの一人が「おーい、旦那」と呼びながら追いかけてきます。侍は息が切れたので道端へバッタリ座りました。そこへ来たかごかきが「旦那、刀をお忘れになりました」と言って渡しました。「拙者を殺すつもりか」と侍はまだ震えています。かごかきは「旦那、勘違いですよ。野良犬めが、うるさくついてきたので谷川へ放り込もうと言っていたんですよ」と言ってハッハッハッと笑いました。まあ最後はよく出来た笑い話なのですが、お侍さんはとても恐ろしくて生きた心地がしなかったでしょうね。本編は良質なミステリーの読み心地でしたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の127編目は戦争について改めて考えさせられる掌編ですよ。長谷川伸さんは日露戦争の明治三十七年の暮れに野砲連隊に入営した時に不思議な体験をしたという。丑満時の午前の二時頃に衛兵任務に服していると少し離れた場所から突然ドッドッという靴音が兵営に向けて近づいて来るのだが何も見えず遂には消えてしまった。その足音は戦死した勇士の霊が原隊へ帰って来る音だとわかる。それからニ三日すると戦死の知らせが来ると共に新しい補充兵が出かけて行くのです。ああ、悲しい死の連鎖で戦争は二度と繰り返すまじですね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の69編目は爽やかなドラマチックなお話ですよ。「何か楽しいことがないものかなあ」とおじいさんは、家の中で座って考え込んでいました。町の方から聞こえてくる音色の中に細く澄んだ音があっておじいさんは気になって町へ出かけました。道端に売っていた福寿草の鉢を買うとおじいさんは家に帰って水をやり花の咲く日を楽しみに育てました。同じ町に住む哀れな母親は、昼前に子供が見えなくなってしまいました。八方探しても見つからず家の中で座っていると町の方からかすかな音が聞こえてきて、母親は家を出て町を歩きました。
春
夢追人009
2023/08/08 12:13

そして探していた子供と再会して喜んで二人で抱き合い暫く泣いたのでした。小さな笛の音のような音は町の人々に知られるようになり、ある人が探しに行くと海のほとりの崖の上で少年が笛を吹いていました。その人は帰って近所の人に伝え次に音が聞こえた時に、みんなで行って見ると少年はいませんでしたが美しい緑色の草が一面に芽を出して温かな風が吹き渡っていました。みんなは初めて、あの笛は春の使いが吹いた事を知ったのです。こういう話を読むと誠に清々しくて心が晴れ晴れとしますし、嬉しい気持ちをいつまでも忘れずに生きたいものですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
新美南吉さんの童話の36編目は小僧さんの微笑ましい話ですよ。山寺の和尚さんが病気になりましたので代わりに小僧さんが檀家へお経を読みに行きました。お経を忘れないようにと小僧さんは道々読んで行きましたが、菜種畑の中にいたウサギが遊んでお行きよと誘ったのでつい調子に乗って一緒に遊びました。するとお経を完全に忘れてしまったのです。ウサギは、そんなら代わりに「むこうの細道、ぼたんが咲いた」と歌いなさいとアドバイスしました。小僧が仏さまの前で兎に教えられた通りに歌うと、人々はびっくりしましたが、くすくすと笑いました。
夢追人009
2023/08/08 10:11

こんな可愛いお経は聞いたことがありません。檀家の主人は「はい、ご苦労様」と言って、おまんじゅうを小僧さんにあげました。「ごちそうさま」と小僧さんは、おまんじゅうを頂いて、たもとに入れました。小僧さんは帰りにさっきのウサギにおまんじゅうを分けてやることを忘れませんでした。まあ毎回こんな風だと困りますが大人の人も一度くらいは小僧さんを大目に見てくれるのでしょうね。誠に微笑ましく思わず顔がほころぶエピソードでしたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の126編目は中国怪談のネタを聞き出す3つの話ですよ。題名を「りゃんちん」と読むのですよ。蒲留仙(ほりゅうせん)という五十前後の男が無料の茶店に来た客達から怪奇な話を聞いてまとめた3つの話。酒に酔った男が道を歩いているとしゃがんでいる女がいたので、そっと近づきくすぐると女の顔は目も鼻もないつるりっとした肉のかたまりだったから、きゃっと叫んで気絶してしまった。旅人が月夜の晩に外を歩いていると本を読む老人がいた。聞くと結婚についての本だと言い、めっかちの婆さんが3つ位の女の子を抱き通る。
夢追人009
2023/08/08 09:35

あの女の子が君の妻だと言われた男は腹を立て怪しからんと言い従者に子供を殺しに行かせた。従者は人中で女の子の顔を切って逃げた。十四年後に男が出世して娘を嫁にもらうと眉間に傷跡があり幼い頃に乳母に連れられていた時に暴漢にやられたといい乳母はめっかちだったという。周という醜い容貌の男がいたが夢の中で首をすげ変えられ目覚めると超イケメンになっていたという。また夢で内臓の入れ替えをされると目覚めた後は文学に秀でるようになったという。まあ最後の話はうらやましく私もあやかりたいもんだなと思いますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の68編目は小さな子供の兄としての自覚の話ですよ。お母さんが赤ちゃんである弟の繁ちゃんにお乳を飲ませている横で兄の義ちゃんが絵本を読んでいました。すると不思議な顔で絵本を見ていた赤ちゃんが急に絵本を掴みました。義ちゃんはお母さんに大変だと訴えると少しの間貸してあげなさいと言われました。でも赤ちゃんが今度は絵本を口に入れてなめようとしたので義ちゃんは慌てて引ったくりました。すると赤ちゃんは大声をあげて泣き出してしまいました。お母さんは赤ちゃんの機嫌を直させようと考えて外に出ようとしました。
夢追人009
2023/08/07 10:39

お母さんは義ちゃんに家で留守番をしてねと言いましたが、嫌だ僕も一緒に行くんだよと言って結局3人で外に出ました。道を通るとある家に数羽の鶏が居てケンカせずに仲良くエサを食べていました。これを見た義ちゃんは「お母さん、お利巧の鶏さんですね」と言って感心しました。お母さんは「赤ちゃんは小さいのだから気に入らぬことがあっても叱ってはいけませんよ」と言いました。電車が通るのを3人で見て家に帰ると、赤ちゃんが大事なおもちゃや本をいじっても義ちゃんは今までのように怒らずに笑って見ていました。義ちゃんはいいお兄さんねえ。

夢追人009
2023/08/07 10:42

そう言ってお母さんにほめられた義ちゃんは「そうだ、僕は兄さんだもの」と初めて強く心に思いました。まあ私も小さな頃に弟がいて似たような経験がありますが、中々難しいものですね。まあ兄弟は仲良くして成長してからもずっと良好な関係でありたいものですね。尚途中で弟が電車を見て「チンチン、ゴーゴー」と言って喜ぶ場面がありますが特に深い意味はありませんよ。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
新美南吉さんの童話の35編目はカタカナで書かれたメルヘンですよ。テフテフは蝶々の意味ですね。街角で風船売りの爺さんが赤青黄色紫の美しい色とりどりの風船を売っていました。白いちょうちょが来て一日中遊んでいき一番小さな赤い風船玉と仲良しでした。ある日赤ん坊を背負った子守りが来て一銭で赤い風船玉を買いました。風船はちょうちょに「さようなら」と言いましたが風船は「いいえ私はついていきます」と言って追い掛けました。子守りは公園のベンチに腰掛けて子守歌を歌いましたが、その内にウツラウツラして寝て風船の糸を離しました。
夢追人009
2023/08/07 10:00

大空に舞い上がると風船玉は「ぼくはどこに行くのかわかんないから、ついてきちゃ駄目だよ」とちょうちょに言いましたが、白いちょうちょはそれでも後をついて行きました。そうですね、いつか風船は空気が抜けてしぼんで消えてしまうのでしょうね。でもメルヘンチックに考えると二人は人間の束縛を版れて自由気ままに伸び伸びといつまでも永遠に大空を舞いながら今も楽しく仲良く遊んでいるのかもしれませんね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の125編目は中国怪談の人と狐の戦の話ですよ。ある富豪が家庭教師を雇いたいと思っていると胡という秀才が来て雇うてくれと頼んだ。言語がさわやかだったので、好い人が見つかったと喜んで雇った。彼は主人の家で暮らす事となり夜遅く帰る事があったが戸締りをしていても家に入っているので不思議に思って部屋に見に行くと一匹の狐がいた。主人は驚いたがそのままにした。胡は主人の娘と結婚したいと折に触れて話したが主人は意味が判らぬふりをした。胡が休暇をくれと言って出て行った翌日黒いロバを引いた客が家に来た。
夢追人009
2023/08/07 08:59

彼は胡と娘との結婚話をだしたが主人は断り、何故なら胡は人間でないからと言うと失礼なと怒って引っ掻きに来たので、杖で殴ろうとすると逃げて行き、残されたロバの正体は虫だった。翌日から狐兵が家に攻めてきたが必死に戦って何とか退けた。主人は争い警戒するのが嫌になって胡が狐兵を率いてくると自らでて行って話しかけた。私の家に十五の男の子がありますから先生の家にどなたかありますなら迎えたいと思いますがと聞くと私に妹がいますと答えて話がまとまり戦は終わった。その半年後に美しい新婦が沢山の嫁入り道具を持って主人の家にきた。

夢追人009
2023/08/07 08:59

うーん、娘と狐との結婚は許さずに息子と狐との結婚はあっさり許す理由がイマイチよくわかりませんが、最後はめでたしめでたしのハッピーエンドで誠によかったですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の67編目は子供達と仔猫の考えさせられる話ですよ。二匹の猫の子が紙箱の中に捨てられていました。子供達が見つけて頭を撫でてやり、鰹節をかけたご飯をあげましたが、どこかで飼ってくれる飼主を探さなきゃと相談して誠さんと二郎さんが探す事になりました。最初にきみ子さんに聞くと、私ネコ大好きと言って家に帰るとお母さんに許されたといって引き取ってくれました。荒物屋の前に赤ちゃんを抱く女の人がいたので猫の子を飼ってやってくださいませんかと問うと即答で喜んで飼ってくれることになった上にお礼も言われました。
夢追人009
2023/08/06 11:05

ところが、きみ子さんがさっきの仔猫を抱いて持ってきて、お父さんに駄目だ、返して来いと言われたと言いました。誠さんは家に帰ってお母さんに相談しますと、お姉さんも加勢してくれました。お父さんも帰って来て猫の子を見せなさいと言い見た後で、これは駄目だよ、雌じゃないか。毎年子供を産んで引き取り手を探すのに苦労しますから最初から飼わない方がいいのですと言われました。でもこの子を捨てたら死んでしまうから僕そんな事できませんと言うと父は悩みました、丁度そこへ来た米屋の人が、うちはネズミで困っているからと持ち帰りました。

夢追人009
2023/08/06 11:06

誠さんは思いを達して喜びましたが、今度のことで僕たちは本当に愛するけれど、大人たちは生きている動物を可哀想に思い,かわいがるというよりか、気まぐれや都合で飼ったり捨てたりしていることを知りました。まあはっきりとした答えの出せない難しい問題ですよね。すべての猫ちゃんが幸せに暮らせればいいなと心から願いますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
新美南吉さんの童話の34編目は赤とんぼと可愛いお嬢ちゃんの友情物語ですよ。山里にある別荘に初夏のある日、可愛いお嬢ちゃんと母親と書生の男がやってきました。赤とんぼはお嬢ちゃんの被った帽子の赤いリボンにとまりました。書生はお嬢ちゃんに、とんぼが蜘蛛を大量に殺して返り血を浴びた為に体が赤くなって赤とんぼになったのさと話しましたが嘘よと言ってお嬢ちゃんは怒りました。そして遂にお嬢ちゃんは東京に帰る日が来て赤とんぼにさようならと言い何度も振り返り帰って行きました。さびしいラストですが、また来年会えるといいですね!
夢追人009
2023/08/06 22:33

気づくのが遅すぎて申し訳ありません。とんぼの寿命は 幼虫期間約55日、成虫期間1~2ヶ月ですから、来年はもうないのですが、このとんぼが輪廻転生で来年また生まれ変わってお嬢ちゃんと会えるといいなあと言う風に願いますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の124編目は中国怪談の鬼の話ですよ。欧陽紇(おうようこつ)という武人が戦に妻を連れて行った所、地方の者からここには美女を盗む鬼神(きじん)がいるので注意して守れと助言されたが、厳重に警戒したにも関わらず妻は姿を消す。紇は必ず妻を奪い返すと誓い高山の中にいた美女たちに妻は病気で寝ていると聞く。紇は美女たちに鬼神の弱点を聞いて洞穴の中で正体を現した白猿を殺し妻を救出する。猿は最後に妻は妊娠していて子供は家名を上げるから殺さずにおけという。そしてそれは現実となった。まあまあの話でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の66編目は人間ではなくツバメを運ぶ為の船の話ですよ。ある日の晩方、赤い船が浜辺に着きました。それは南の国から来た船でツバメを迎えに王さまがよこされたのです。北の空を飛んでいたツバメたちは秋風が吹くと南の国へ帰らなければなりません。ツバメたちは船を待ち構えており遠方の仲間達に連絡して回り5日が経って船中が満杯になると赤い船は海岸を静かに離れました。一羽のツバメが浜辺にやってくると船は既に出た後でした。ツバメはガッカリし仕方なく木の葉を船にして海を渡る事にすると途中非常な暴風に遭いました。
夢追人009
2023/08/05 11:37

彼は驚いて死に物狂いで空を駆けり暴風と戦いました。翌朝、彼は赤い船が暴風により燈ひっくり返っているを見つけて王さまに知らせました。この報告を聞いた王さまは自らの力に頼るのが一番安心なのだと知って翌年から赤い船を出すのを見合わせられたのであります。まあツバメは生まれつき翼をッ持っていますからね。赤い船に乗る贅沢をやめて自力で飛んで故郷に帰るのが最も合理的で安心できる方法でしょうね。疲れたら疲労回復にヤクルトをスポンサーから送ってもらって飲むのもいいでしょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
新美南吉さんの童話の33編目は古い馬車とのお別れの話ですよ。村役場の前に置かれた古ぼけた馬車を村長さんが子供達に由来を説明して、これではもうじき壊れてしまうだろう。壊れる前に昔毎日通った街道筋を見せてやってから燃やしてしまった方がいいと思うと言うと、みんなが賛成しました。村長さんと子供達で馬車を引っ張り出すと、街道に沿った家々の人達は仕事をやめて表に出て馬車を見送るのでありました。まあ前時代の遺物となった馬車さん、長い間のお勤めご苦労様でしたね。これからは燃やされて灰になって空でゆっくり休んでくださいね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の123編目は怪奇色の強い不気味なエログロ怪談ですよ。読みはガマの血で非常に長い話ですが端折って紹介しますね。高等文官試験を目指して勉強中の真面目な青年・三島譲が海岸で女と出会い自殺しそうな様子を見て放っておけず同棲しようと決意する。譲は女が待つ下宿へ帰る途中で別の女に呼び止められて女の家まで送ってやる。用事があるからと言うが女たちはまあ少しだけと言って引き止め部屋に強引に連れ込む。彼は必死で逃げ出すが家の中で迷い、ある場所で少年が紐で手足を縛られガマの生き血を飲まされる場面を見る。
夢追人009
2023/08/05 09:49

彼は最後に昼間の女が捕えられており首を絞められると、けだものに姿を変えるのを見る。彼は行方不明となり友人達が捜索すると早稲田の某空き家で原因のわからない死に方で見つかったと新聞に出たという。もうほとんどムチャクチャな物語で著者の本領発揮の一編でしょうね。この作品は漫画化もされ人気が高いという事ですよ。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の65編目は珍しいですが本当に恐ろしい恐怖童話ですよ。北の海に住む女の人魚が身ごもっていて人間の国に憧れており自分の子だけでも人間に育てられて幸せにしてあげたいと思いました。海岸に小さな町がありまして、お宮のある山の下に小さな蝋燭を商っている店がありました。年寄りの夫婦が店を営み、ある夜お婆さんが神様に感謝してお詣りをして参りますとおじいさんに言いました。お婆さんは帰りの道で女の赤ん坊の捨て子を見つけて家に持ち帰りましてお爺さんに話しながら、よく見るとそれは腰から下が魚の人魚の子でした。
ヴァン
2023/08/04 20:13

この作品の老夫婦の豹変ぶりが、初めて読んだとき、ショックでした。

夢追人009
2023/08/04 20:39

本当にこの老夫婦が香具師の言うことをキッパリと拒否していれば町は滅びなかったのにね。やっぱり心をコロコロ変える情けない薄情者ですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
新美南吉さんの童話の32編目はお山の動物たちが勘違いする愉快な話ですよ。山から里に遊びに行った猿が一本の赤い蝋燭を道で拾って花火だと思い込みました。山の動物たちは興奮して大騒ぎです。猿は花火の素晴らしさをみんなに説明して今夜山のてっぺんで打ち上げようと言いました。夜になると皆が集まりましたがいざ火を点ける段になると皆が怖がり尻込みしてクジ引きで決めることになり亀が当たりました。でも亀は頭を引っ込めてしまって駄目でイタチも同様でした。でも遂に勇敢なイノシシが火を点けましたが赤い蝋燭は静かに燃えるだけでした。
るい
2023/08/04 11:46

これも子供の頃読みました。覚えています。夢様のアドバイス(*´艸`*)

夢追人009
2023/08/04 12:16

ありがとうございます。ほんの冗談ですからね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の122編目は有名なコックリさんに関するエッセイですね。子クリという遊戯は明治十六年頃に米国船が伊豆の下田に寄港して水夫の一人が伝えたといわれている。狐(きつね)狗(いぬ)狸(たぬき)の当て字は、犬はともかく他の二匹は如何にも人間を化かしたぶらかしそうな獣だからでしょうね。何故動くのかを科学的に分析して昔から人気なのは的中率が高いからだと書かれていますね。でもこういう非科学的なものが21世紀の今でも日本をはじめとする世界中の何処かで未だに子供達によって遊ばれているのは凄い事ですよね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
再読本。ハヤカワ文庫NV122番の1995年の十八刷です。12編収録のSF短編集ですが難しい理論はなく気楽に楽しめて何時の時代に読んでも面白い普遍的な魅力のある一冊ですね。米ソの第3次世界大戦を扱った2編はブラック且つシリアスですが全体的に深刻なムードにならないような書き方をされていますね。『おもちゃの戦争』ぜんまい仕掛けのおもちゃの兵隊が子供を支配しようとする話。『薄明の朝食』朝起きて子供が外に出ると兵士が大勢いてアメリカの家族五人が7年後の米ソ開戦2年後の世界にタイムスリップしてしまった事に気づく話。
夢追人009
2023/08/03 19:07

『レダと白鳥』ペットのアヒルを愛する女房が妊娠し男の子を出産するが…。『森の中の笛吹き』宇宙の駐屯地に赴任した兵士が自分を植物だと思い込んで次々と職務放棄していく話。『輪廻の豚』著者のデビュー作。ある星の住人から安く買ったブタに似た動物ワブは言葉を話し高度な知性を持ち読心術も使う生物だと判明するが船長は強引に銃で射ち殺して美味な肉を食べる。だが食後にワブが船長に輪廻転生して議論し始める。『超能力者』米ソ大戦後の世界で時間移動能力者が55年前の世界に行き合衆国軍総司令官に休戦を呼びかけるが十二回も失敗する。

夢追人009
2023/08/03 19:08

『名曲永久保存法』『万物賦活法』イカレタ科学者のラビリンス博士がクラシックの楽譜で動物を作り出し、靴に生命を与えてしまう2編のドタバタ喜劇。『クッキーばあさん』子供にお菓子をご馳走する不思議な老女の真の目的とは?『あてのない船』男が日曜大工で巨大な船を作り始め家族から変人扱いされるが本人も知らない目的が最後に明らかになる。『ありえざる星』350歳の異星人の老婆が自分の星と戦争をして滅んだ無人惑星・地球に辿り着く。『地図にない町』存在するはずのない町の正体とは?なぜ?と考えずに理屈抜きで楽しんでくださいね!

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の64編目は夢見る小鳥と現実の話です。静かな村に住む兄・太郎と妹・雪子は毎月、町へ来る雑誌を買って来て一緒に読むのを楽しみにしていました。その月の号には美しい花や鳥の写真が沢山に載っていました。まあ、この鳥はよく見る鳥じゃありませんかと雪子が言うと太郎が、ああこの鶏はよく庭にやって来るうそという鳥だ。東京では少ないと見えて大切に飼われるのだねと言いました、この時うそが庭の木にとまり二人の話を聞いていました。この小鳥は寒い寒い北の国から来て夏が近いので故郷へ帰ろうと友達と約束していました。
夢追人009
2023/08/03 11:58

さっきの二人が話していた自分を可愛がってくれる土地へ行きたいものだと考えたうそは前に世の中の事なら何でも知っていると言っていた電信柱に聞いて見ました。すると話は本当だと認めましたが肝心の場所の名前は知らないと言ったのです。うそは兄弟の家へもう一度行って話すのを聞こうとしましたが、無情にも窓が閉まっており兄妹の姿は見えなかったのです。うそはこの時はかない希望を捨て、みんなと一緒に故郷に旅立つことを決心しました。そして自分を待っている友達の方へ去ったのです。でもガッカリせずに普通の人生を歩んで幸せに生きてね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
新美南吉さんの童話の31編目は耳の遠いおじいさんに起きた奇跡の話ですよ。おじいさんは田舎に一人ぼっちで暮らしていました。段々と耳が遠くなってきましたので都にいる息子に「耳が良く聞こえる機械を買って送ってくれ」と言ってやりました。息子は探したが良い機械がないのでラッパを送りました。おじいさんは喜んでラッパを使いましたが、どんどん耳が遠くなって遂に聞こえなくなりました。おじいさんはラッパでは聞こえなくなったから、もっと良く聞こえる機械を送ってくれと息子に手紙をやりました。息子はどうするかいろいろと考えました。
夢追人009
2023/08/03 11:07

そして前のと同じラッパを送って「このラッパを耳にあてると私の声が聞こえます」と言ってやりました。おじいさんはそのラッパを耳にあてると「ああ、聞こえる、聞こえる、懐かしい息子の毛が聞こえる」と言って喜びました。けれど、それはおじいさんの耳が聞いたのではなく、心が聞いたのです。人間は心から願えば本当に声が聞こえるのかも知れませんね。こういう奇跡の出来事は信じたいと思いますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の121編目は不思議な神様の話ですよ。題名は「ほうじょうつものがたり」と読みます。越中の放生津に小さな祠があり夏に地元の子供達が集まって話をしていた。そこへ江戸から来た源吉という子供が来て、みんなで「お諏訪様、一緒に遊びましょう」と祠の前に座って言いなと話し白い蛇の神様が出てきてくれるよと教えると源吉は真面目に従う。子供達はいなくなり、日が暮れ祖父の為作に連れられて家に帰る。為作の倅は大工で江戸に出て吉原の女と所帯を持ち子供が生まれたが本人は風邪で死に遺された嫁と子が訪ねて来たのだ。
夢追人009
2023/08/03 10:37

その夜、源吉の母、お勝が仕事からの帰り道で浪人の暴漢に襲われ悲鳴をあげる。声を聞いて祖父の為作が駆けつけるが持ってきた杖を相手に奪われ殴られようとした時、ふいに浪人は大カニのハサミを目の前に見て驚いて逃げて行った。翌日の夕方、源吉が帰って来て為作に「お諏訪様が、お祈りしたら出て来たよ」と話す。為作は神様に失礼をしてはいかんと言って源吉を連れて祠に行くが、祖父には白い蛇は見えずで、どうやら源吉だけに見えるらしい。そこへ昨夜の浪人が仕返しをしに来る。だが白蛇を足で踏もうとすると蛇が足に巻き付いて倒れ絶命する。

夢追人009
2023/08/03 10:38

この事が広まって諏訪神社への人々の尊敬の念が高まり小さな祠のお諏訪様を改築して高壮な社殿を立てることになって大工の為作が仕事をした。地元の神主が落成式を務めたが祝詞を始めると途中で息が切れてしまった。源吉が見ると神主の首に白蛇が巻き付いているといい、源吉が少年神主を努める事となった。白蛇のお諏訪様、恐るべしですね。源吉君は神様に可愛がられるなんて稀な幸運児でしょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の63編目は非常に厳しい兄弟とくわの教訓話ですよ。臆病者で怠け者の兄と自力で働きたいと思っている弟がいて、父は死ぬときに田んぼを二人に分けてやりました。弟は自分の田んぼを売って旅に出て働くと言いました。兄は当分このままで様子を見ると言って残りました。兄は働かずに暮らし困ると道具を売りました。やがて幸運にも村に汽車が通る事になり土地が値上がりしたので兄は喜んで田んぼの仕事とおさらばし、くわを地面に投げ出しました。くわは怨めしそうに兄を見ていました。数日後に阿仁は町に立派な商店を出しました。
夢追人009
2023/08/02 11:45

兄は大勢の奉公人を使う幸福者となり蝶場に座っていると外を通る車引を見て、それが弟だと気づきました。兄が声をかけると「私は事業に失敗しましたが、自分の身体で働いて落ち着いています。何が幸福で何が不幸福であるかわかったものではありません」と言って兄を少しもうらやみませんでした。弟は「兄さんは私に構わず幸福にお暮しください」と言い行ってしまいました。兄は毎日遊ぶ事ばかり考えて愉快に過ごしましたが、ある日急に取引銀行がつぶれ金をみんな失ってしまいました。兄は驚き無一文となり幸福についての弟の言葉を思い出しました。

夢追人009
2023/08/02 11:46

兄は弟に「助けてくれ」とすがり試しに弟の仕事の重い荷物を積んだ車を引こうとしましたが全く動かせませんでした。弟は兄さんに畑仕事を探してあげますと言って去る。兄が物置小屋へ行って昔自分が地面に叩きつけたくわを見つけ、明日からまたこれを持って働こうと拾おうとすると、くわは白目でにらみました。「ああ、自分が悪かった。みんな考えが間違っていたのだ」と心でわびて、くわを振り上げようとしましたが、くわは「馬鹿にするな」と言って持ち上がりませんでした。辛いけど、もう一度くわに心から謝罪して人生をやり直すしかないですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
新美南吉さんの童話の30編目は最後まで読んでも答えの出ないミステリーですよ。冬の寒い寒い夜更けに空の上で三つ並んだ子供の星が喧嘩をしていました。普段は仲良しなのに今夜は真ん中の星が寒いよ寒いよと言うので両側の星に虐められたのでした。ゴイサギが凍った田んぼで「キョオ」と鳴くと突然、真ん中の星が黙って下の方へツーとすべって行ってしまいました。二つの星は自分達が虐めたせいでどこかへ逃げたのではないかと心配でたまりませんでした。消えた星はいつまで経っても帰って来ずで、それは流れ星でした。それから一月程後の夜の事。
夢追人009
2023/08/02 10:51

二つの星が下の方を目で探していると「あっ、いるよ」と片方が言って見つけました。二人は下へ降りて見に行きましたが、ガッカリしました。それはなくなった星ではなくて道に落ちて光るガラス瓶のかけらだったのです。その夜も田んぼではゴイサギが鳴いていました。うーん、真ん中の星はもう死んだのでしょうかね。彼らに死という概念があるかどうかもわかりませんけどね。星のカービイだったら知っているでしょうかね。もちろん冗談ですよ。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の120編目は中国の不幸な男の束の間の幸福と最期の末路の話ですよ。何友仁(かゆうじん)という男があり学問・才気・家柄も良かったが運が悪く貧乏で餓死寸前の状況に立ち至り神の祠へお祈りに行った。彼は富貴発跡司(ふうきはっせきし)と書いた札の神像の所に行って祈り、私は四十五歳です。私の将来の事をお知らせくださいませと頼む。彼は沢山の神々が人間たちの悪を為した者には厳罰を逆の善人には幸福を授ける沙汰の話を耳にした。会議が終って彼が自分の事を聞くと日に日によくなると言われて、更に詳細を求めた。
夢追人009
2023/08/02 10:11

すると紙を渡され、開くとそこには「日に偶うて康く、月に偶うて発し、雲に遇うて衰え、雷に遇うて没す」と書いてあった。だがその書付けはいつの間にか消えてしまった。その後、彼は都の日英という郷家の者に家庭教師を頼まれて暮らしが康らかに安定し、月沙という男に助言すると幕僚に水洗されて出世した。だが雲石という者と不仲だったので降格左遷させられた。雷州という土地で大人しくしていたが書面を書き損じた晩に病気になって立つことも出来なくなり家事を整理し妻子と決別しママなく死んでしまった。うーん、運命は変えられないのですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の62編目は昔の子供たちのこま遊びの話ですよ。原っぱで三ちゃん、徳ちゃん、勇ちゃんらが、ベイゴマで遊んでいました。学校の先生が通りかかって叱られるんじゃないかと少し心配しながら三人が遊んでいると、黒眼鏡をかけた紙芝居のおじさんが来て「おれも入れてくれないか?」と言いました。おじさんは十五の時に故郷を出てあれから十年帰っていないと言いました。おじさんの持つ角のケットンは強くて輪を描いては、うなりながら三人のベイをはじき飛ばしてしまいました。明日また来てよ今度は仇討ちするからさと子供達の声。
こま
夢追人009
2023/08/01 10:39

昭和12年(1937年)10月に書かれた本編、こういう風景は今ではもう見られないのでしょうね。私の子供の頃1960年代には、まだかすかにありましたよ。まあ子供達には元気に外で遊んで欲しいですね。但し熱中症には十分気をつけるんだよ。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
新美南吉さんの童話の29編目は、しんみりとした心を打たれる良い話ですよ。村の子供たちが、うぐいす笛をにぎやかに吹くと、それを聞いたウグイスたちが遊びに来ました。ところが、みんなと離れてお母さんを亡くした可哀想な子供が塀にもたれて笛を吹きました。泣きじゃくっているような哀しい音がしました。でもこの子の所にも、やはり哀しい声で鳴く一羽のウグイスがやって来ました。このウグイスはお母さんで先月子供を亡くしたので大変悲しんでいたのでした。一人と一羽は悲しい音で合唱しこうして一日一緒に過ごしました。泣けてきますよね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の119編目は中国の若い男女のラブストーリーですよ。今の蘇州に文世高(ぶんせいこう)というニ十歳を過ぎたばかりの秀才の青年がいて杭州に家を借りて住み断橋を渡ると、ある家の二階に美少女の姿を見て「おや、綺麗な方だわ」と言う声を聞く。文は近くの店屋の婆さん施十娘(しじゅうじょう)に少女の話を聞くと武官の家の娘で18歳の秀英という名だと聞く。文は苦労して夜に家の外の木を登って女に会いに行く段取りをつける。だが、当日の夜、何と木が腐っていて文は木から落ちて死んでしまい、秀英は悲しみ首を吊る。
夢追人009
2023/08/01 09:25

秀英の両親が朝になって二人の死体を見つけて施十娘を呼んで事情を聞き出し密かに二人の埋葬を頼む。老婆は承諾し甥に話をして手配をする。甥の李夫(りふ)は埋葬が終ると墓を暴いて死体が身に付けた首飾りや宝石を盗もうと物色していたが、ふいに文が息を吹き返して動き出すと驚いて逃げ去る。文が俊英を見やると娘を生き返る。二人は娘の両親に知らせずに暫く文の故郷に帰って二人で暮らす。すると俊英の父親が戦の為に呼ばれた地で文と娘に会う。二人は生き返った事情を話したが娘の父は二人の結婚を許さず俊英を強引に家に連れて帰ってしまう。

夢追人009
2023/08/01 09:25

それから文は勉強をし科挙の試験に合格して、両親から晴れて俊英との結婚を許される。二人は世の中が乱れると両親の住まう旧宅に戻って隠居し一生を終えたのであった。中国の話には一旦死んで生き返る男女の話が多いですね。二人は随分と長らく苦労したけど最後はハッピーエンドで、めでたしめでたしでしたね。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2018/05/06(2264日経過)
記録初日
2018/01/20(2370日経過)
読んだ本
3025冊(1日平均1.28冊)
読んだページ
488888ページ(1日平均206ページ)
感想・レビュー
3025件(投稿率100.0%)
本棚
0棚
性別
血液型
A型
現住所
奈良県

参加コミュニティ1

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