読み友の皆さん、6月も沢山のナイスを押して下さいまして誠にありがとうございました。最近は短編のレビューしか書けていませんので7月は長い本にも書けるように頑張りますね。年齢からくる衰えによる限界が来ていますので、真剣に方法を考えて改善していきますよ!2023年6月の読書メーター 読んだ本の数:97冊 読んだページ数:2493ページ ナイス数:47405ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/868158/summary/monthly/2023/6
中村ですさん、ありがとうございます。そうですね、二人がお医者さんに行かなくてよかったですね。※コメントのミスで×手書き→〇手紙でした。いつもごめんなさいね。尚、この話のブラックパロディーで、遺骨を送ったのを通知せず知らずに食べてしまうえげつない話があったのを思い出しましたね。
兄は男をにらみ弟は叱られる理由が判らず母に聞くと小さな声で「なんだい、そんな石段、減りはしないじゃないか」とつぶやきました。もう日は暮れて暗い道端に大きな鉄管が転がっていました。母親が座ろうと二人に言い聞かせましたが、弟は「こんな暗い場所は嫌だよ、もっと明るい町の方へ行こうよ」と言いました。母親は明るい場所だとまた誰かに叱られるのではないかと不安だった為に「いいから、ここで休もうよ」と言い続けました。兄も同調しましたが弟は「おら、暗いとこは嫌だ」と言い続けました。せめて私達は母子を労わってあげましょうね。
門は「木なら工場の中で細切れに切り刻まれてマッチになってあっちの村へ売られて行ったよとの答で、小鳥は村へと飛んで行きました。ランプのそばにいた女の子にマッチの行方を聞くと、マッチは燃えてしまいましたが、このランプの灯した火はまだ燃えていますよとの事で、小鳥はランプの灯をじっと見つめると火に去年の歌を聞かせてあげました。火は心から喜んでいるように見えて、小鳥はじっと火を見つめると、どこかへ飛んでいきました。こうして小鳥はきっと沢山の木達との出会いと別れを繰り返すのでしょうね。中島みゆきさんの「時代」ですね。
心を冷静に保っていると暫くして遠くから燈が一つ見えて来た。すると気が大きくなった。「どうしたのです、ねえさん」それは自分を迎えに来ている車夫であった。まあ何事もなく一大事に至らずに無事に済んでヤレヤレでしたね。まあ今はないのでしょうけれど日本ならではの古き良き時代の風情でこういう話も良いものですね。
600円もあれば取り戻せると言う。務から話を聞いた兄は俺が帰ったからもう大丈夫だと言って二人は借りた先の夫人の家に出向く。兄の正義は夫人に紙幣を六枚600円を渡すと証書を受け取り、マッチで火を点けて焼き捨てた。正義は俺は寄るところがあるからと言って務を先に家へ帰した。兄はその晩帰って来ず、翌日務は会社へ休むと連絡して待っていると、昨夜の倉知夫人が来て昨夜兄にもらった600円が忽然と消えてしまったと言って怒った。彼女は手許が苦しくなって若い男の入れ知恵で土地を転売しようとしていたが金まで消えて半狂乱だった。
そこへ中国の日本人クラブから電報が来て、それは兄夫妻が中国兵士の犠牲になったという内容であった。務はそれを読んで顔色を変え、倉知夫人は横からそれを読むと直ちに外へ走り出た。彼女は番人のいない踏切にさしかかると右の方から電車が来て、その電車に触れたのだった。うーん、兄は死んで幽霊となって日本に駆けつけて素早く弟の命を救ったのですね。それにしても電車に触れた夫人は人を騙そうとした悪事の報いを受けて自業自得とはいえ凄惨な末路でしたね。
紙芝居のおじさんが私はあんたより長く来ているよと文句を言うとコリントのおじいさんは私は昔からここの人間だったが最近になって帰って来たんだよと言うと紙芝居のおじさんが引いて「わかったよ。明日から他所の町で稼ぐよ」と言って立ち去りました。二人の少年は少し寂しい気持ちになり、人間にも松の木と白い雲の両方のタイプがあるんだね。この松の木はおじいさんが子供の時分からあったんだねと感想を言い合いました。白い雲はいつの間にかどこかへ行ってしまい姿を消していました。年少の方が折れて喧嘩騒ぎにならずに済んで良かったですね。
小鳥も牝牛も中々覚えられないので終いには嫌になりましたが、カエルが熱心に教えるので、元気を出して夕方涼しくなる時まで「げっげっ」と歌い続けました。まあ喧嘩にならなくて良かったですね。他愛のない罪のない話で唯々笑うしかありませんね。
弟の医学博士の小さな娘は美しい花を手にしようとして二階から落ちて死ぬ。弟の方は細君が自分の父と不義の関係を結んでいるという幻影を何度も見せられる内に発狂してしまい今年の内に命も尽きるだろうよと話す。仮名の山田三造君は、それが夢か現実かはっきりとせず、私の妻が私が客人と長い間話をして帰りに挨拶しているのを聞いたと言うが、私自身は全く記憶がないという。まあ真実だとしたら恐るべき執念深い復讐心で愛する家族三人を無慈悲に殺すなんてあまりにも恐ろし過ぎますね。
おみつはお嬢さんとデパートに出かける時にお母さんから贈られた着物を着ていきましたが、お嬢さんから「そんなに地味な着物しかないの?」と聞かれましたが例え地味でも何の恥ずかしい事があろうかと自分を励ましました。都会の客たちが自分をジロジロ見るので、お嬢さんから田舎者みたいで見っともないじゃないのと言われて、おみつは着て来たのを後悔しました。二人で食事をした後で東北の物産展を見に行くと自分のと同じ反物がありました。お嬢さんはその反物が高価なのに驚いて「まあ高いのね」と叫んで初めていい着物だった事に気付きました。
お嬢さんは二人になると「さっきは悪口を言って、ごめんなさい」とおみつに謝りました。おみつは顔を赤くしましたが、心の内ではお母さんを本当にありがたくなつかしく感じました。おみつは都会の上品だけど少々意地悪な風潮に染まらないで田舎の純朴で素朴な心をいつまでも忘れずにいて欲しいですね。
「おや、おまえは迷子の竹の子だね」「いえ、私はあなたの吹いてらっしゃる笛の声があまりにも良かったので誘われました」と答えて、この竹の子は最後に立派な横笛になりました。この竹の子は自分の望みが叶って嬉しかったでしょうね。彼にとっては初志貫徹の大願成就で誠にめでたい事でよかったですね。
やがて二人が相談して双方が行き来できるように話し合う事によって彼は普通の人より目がよく見えるようになって彼は悔い改めて真面目になったという話で、これぞ典型的な「災い転じて福と為す」の話でしたね。
そこで少しでもお金を融通しましょうと話すと、乙は「では私に竿を買うだけのお金を貸してください」と頼んで受け入れられました。甲の家族は着物を買い町に見物に行ったりする内に、すっかり真珠を売った金はなくなりました。甲は再び乙と一緒に漁に出て働くことになりましたが、魚をとっては腹を割って見て何もなければそのまま海に捨てました。乙が乱暴な事をしてはいけないよと言うと甲は「俺は次に真珠を見つけたなら漁師を辞めて町で商売をするんだ」と言いました。だが二度と真珠は出て来ずで甲は自分の愚かさをつくづく思い知らされました。
甲の網はボロボロになりましたが、乙はさおを大事にして釣りをしました。乙は河野困った時には助けてやりましたので、甲は一本の釣りざおを尊く思ったのです。まあ日々の暮らしは大変ですが欲を出して大金を望んでも所詮は叶わない夢ですので、そこにある仕事を一生懸命地道に続けて行く事が大切だよと著者は教えてくれていますね。
そう言ったのですが、父は「お前がいけない!」と決めつけました。たきくんは悲しくなりました。家では優しい父さんが、どして学校ではあんなに厳しいんだろう。昼休みにたきくんは吉田先生に言いつかって父親に本を持って行きました。たきくんがこわごわ本を手渡すと父は無言で受け取りました。「父さん」後ろから声を掛けると父は振り返って息子を膝の上にのっけました。たきくんは嬉しくなり「お父さん」ともう一度言うと「おとなしくしなきゃいけないよ」と先生は優しくおっしゃいました。他の生徒の前では息子をえこひいきできないですからね。
二人は帰って調べることにして章一は金を借りる縁で知り合った老婦人の所へ行って話をした。すると妻も今日ここへ来たと言う。だがその内にペットの白猫が寄って来て婦人の足に噛みつく。すると老婦人は狂ったようになり彼を追い出したので章一は出て行く。彼は山崎夫人の家へ行こうと思い途中にある踏切の側の自動電話に近づくが転んでしまい、そこへ電車が来て轢かれる。彼の後ろにいた遊び人は足下を猫のような獣が走って行ったのを見た。山崎夫人が寝床に入っていると章一が側に現れたので、あなたは誰に家に入れてもらったのですか?と問うた。
すると章一は無言で椅子から倒れてきて、それは両脚を膝の上から切断された血みどろの章一の死体であった。両脚を線路の踏切の下に残した怪しい死体が寝室で見つかった山崎夫人は警察に呼ばれたが、三日の後に変死した。章一の細君は今も行方不明である。この話はプライバシー保護の為に人物の名前と場所を変て書いた物だと言う。うーん、とても実話とは思えない奇奇怪怪の物語で、細君の生き霊が白猫に乗り移ったのでしょうかね?でもどうやって死体が移動したのか全く見当がつかない不思議なミステリーですね。
帯に書かれてる「紙の本でしかできない驚きの仕掛け!」ってのが気になるなぁ。(夢追人009さん的には電子書籍不可とまでは言えない、と。でも、約350ページかぁ…)
けれど私達も幾らかはあなたのお役に立っているのですと反論しました。ある日クワを担いだ男ともう一人の男がやってきました。葉はどうなるのだろうと心配しましたが幹は全く慌てず動じませんでした。二人の男は遂にかえでの木を切り倒して車の上に乗せて町の方へと行きました。この男は植木に巧者でなかったと見えて葉を弱らせ、晩方葉が枯れた為に力がなくなって遂に枯れてしまいました。まあ遅かれ早かれ結果は同じだったかもしれませんが、葉も幹も一心同体だったのですから喧嘩などせずに協力してお互いに思い遣れれば良かったのに残念ですね。
みんなはご馳走をたらふく食べて、いたちもオナラをしなかったので、いい具合だなと満足でした。ところがとうとう大変な事が起きました。いたちが突然ひっくり返って気絶してしまったのです。モルモットの医者が診察すると言いました。これは、いたちさんがオナラをするのをあまり我慢したのでこうなったのです。これを治すには思い切りオナラをさせるより仕方ありません。やれやれ、みんなは溜息を吐き、やっぱり、いたちは呼ぶんじゃなかったと思いました。そうですね、いたちには匂いが届かない遠い所まで行ってオナラをしてもらうといいですね。
次には八重が自宅に来て男の細君が応対して家に入れるが二階に上がる階段の途中で消えてしまう。男は次に女と逃げた友人と街で出会って声をかけて八重を見たと話すが、友人は何故か言葉を濁し「女のことは聞いてくれるな」と言い名刺を残して足早に去ってゆく。これは最後まで読んでも事情がさっぱりわからない曖昧模糊とした中途半端な話ですね。まあ私の予想では女は何らかの事情により既に死んでいるのでしょう。それに友人が関与して殺されたのかどうかはわからずで何ともミステリアスですね。※誤字を修正しました。皆様どうもごめんなさいね。
彼女が隠された謎を追う形で、大学での遠い過去の忌まわしい事件とドクター・ヴェサリウスと名乗る怪しい人物を辿る伝記小説のような味わいが魅力的で大学医学界の悪しき体質と暗部を抉る物語が面白かったですね。またヒロイン千沙都には幼くして死んだ少女キリエちゃんの霊がつきまとって見守り続けるというオカルト的な場面も描かれ神秘的な側面で物語に華を添えていますね。でも彼女はいつまでも影を落とす幽霊を自ら振り切って成長しなければいけないのです。こういうオカルトとミステリの融合は好き嫌いが分かれると思いますが私は許せますね。
「まあ」と花は溜息を吐いて憂えていました。翌日、知らない鳥がやってきて言いました。「おまえが一番幸せ者だ。そんなに悲しむものじゃない」鳥さんは私をなぐさめてくれたんだわと花は思いました。段々と風が冷たくなった朝に、いつかのこちょうが昔と変わった惨めでみすぼらしい姿で訪ねてきました。ゆうべの暴風で全ての花はしぼんでしまい私達は死んだり傷ついたりしました。どうか暫く休ませてください。その晩は霜が降りる程に冷え込み、あくる朝には、こちょうは傷ついたまま冷たくなって気絶し、風が吹くと深い崖の下に転がり落ちました。
うーん、鳥は予言者のようですね。とこなつの赤い花は寂しいけれど誰よりも長生きできる植物だったのですね!人間も自分はどうしようもなく不幸者だと嘆いてばかりいずに粘り強く頑張っていれば、いつか幸せな運命が舞い降りて来るかもしれませんよと教えてくれているようですね。
ちょうちょうたちは木のまわりを大きなぼたん雪のように飛び回り、疲れると白い花にとまって、おいしい蜜をお腹いっぱいごちそうになりました。夕方になって暗くなると、ちょうちょは残念がりましたが、ほたるが自分の仲間達を呼んできて花の上に提灯のように止まって明るく照らしたのたので、ちょうちょうたちは大変よろこんで夜遅くまで遊びました。虫たちの明るくご陽気なフェスティバル、ぜひ一度見てみたいものですね。
そこでみんなは影というものは太陽が作るのだということがわかったのです。純粋で無邪気な良い話ですね。関係ない話ですが特撮時代劇の「仮面の忍者赤影」を子供の時によく見て好きでしたね。
女の側で手を伸ばすと天井から下がった青い紐が首にまつわりつき女が凭れたので彼は体勢が崩れ倒れた。哲郎が意識を回復すると枕元に二人の男がいて女の姿はなかった。哲郎が今までの事情を話すと一階までついて来なと言われた。男は下宿の亭主で、もう一人の隣家の男だった。「五六年前にバーの女給をしていた女が、何でも男のことか何かで、あそこで死んだらしいですよ。私達は一昨移って来て何も見ないが、変なことがあると言って貸す人も貸す人も三月とはいないのですよ」と言った。青い紐に首を縛られ殺されかけたけど命が助かり幸いでしたね。
本書にはメインの謎はありますが犯人を突き止める謎解きパズルのミステリーではありません。主人公の高校生・冴木旭は時間を止める超能力を持ちながらも普通の学友達と距離を置かずに仲間と溶け込んで学校生活を送ろうとする心と反発する者達との戦いというよりも心のふれあいが描かれています。私は昔の漫画で超能力者が自分の能力を隠して世界の敵と戦うドラマに親しんできましたので本書の内容は読んでいて辛いですが今の個人主義の社会だとこういう感じになるのも止むを得ないなと思いますね。難しい問題ですが私は人類皆兄弟であれと願います。
最後に二年続けて作品を発表されて来た著者は時期的に今年もそろそろ新作が出てもいい頃合いですが、何となく苦戦されているような気がするのですね。それは特殊設定でしか作品を書かない形と男女の恋愛を作品に描かない姿勢が非常に作品世界の幅を狭くしておられるような気がするからですね。私だけの心配かもしれませんが著者にはこれまでの作風に拘らずに新境地でまた違った路線にチャレンジして活躍して欲しいなと願いますね。
そうですね、この二人の態度は日本人的な我慢と忍耐の心を表していると言えますね。もし外国人であれば例え人に信じてもらえなくても合理的に真実を大人に訴えて助けを求めるのではないかなと思いますね。こういう風に両親の困惑する姿を見たくなく駄目だった場合には他人の姿で家族と暮らさないといけないとか考えて、このまま何もなかったふりで普通に暮らすのは人として偉いけれど自分にはとても出来そうもないなと思いましたね。本書の受け止め方は状況の面白さを楽しむ事で、二人の自己犠牲の覚悟に敬服しました。でも正直難しい小説でしたね。
七十年経ち、ある村に一人のおじいさんがあり太っていつもニコニコと笑い村人から慕われいろんな食べ物をもらいました。若者が喧嘩してもおじいさんを見ると心が穏やかになって仲直りしました。おじいさんは裕福ではなく乞食や困った人に食べ物を分けてやりました。ある日おじいさんは珍しく「もう私は何にもいらないから」と言い翌日気分が悪くなりすやすやと眠るように死にました。村人は悲しみ懇ろにおじいさんを葬って法事を営みました。また三十年が経ち、おじいさんの墓の側に植えた桜の木は大きくなり毎年来る春にはいつも花を咲かせました。
それと一緒に歌をよく歌って下さった優しいお母さんの事も思い出しました、そこで王さまはカタツムリをつぶさないで青い葉の上にそっと乗せてやりました。カタツムリが死なないで命が助かって良かったですね!そうですね、生き物の命は大切にしないといけませんが、正直言って唯一Gだけは例外で迷いますね。
生き残りの一人、道家は小屋にいる老婆と若い女に招かれ寝ていると大きなガマが現れたので刀で斬り殺す。次の夜、浪人と会うと赤い土の壺を渡されガマを見たらツボを開けろと言われ、祠に用意された衣を来て旅の僧に化けて法華寺の別院にずかずかと入って行く。庭の池にガマが浮かんでいたので壺を開けると中から白い蛇が飛び出してガマをぐるぐる巻にしてしまう。その時「殿様が大変じゃ」と声があがりニ三日熱病を患っていた義竜が急にもがきだして死んでいった。「織田軍記」に永禄四年に悪病を患い義竜死去しせり」とある。面白い奇譚でしたね。
子孫がご先祖様の人となりを聞く内に心が和んだり自分も頑張らねばと発奮材料になったりして良い効果を生む人情物語が本書の読み所でしょうね。本書にはオカルト系の怪談幽霊話も出てきて著者は作風の幅を拡げておられますね。まあ今後2冊目が出るかどうかは微妙ですが、ヒロインの風子に仕事だけでなく私生活も充実させて今よりもっと幸せになって欲しいなと願いますね。
大きな無花果の木に実が一杯生っていました。男は驚き当惑して仕方なく掘って車の載せて帰りました、しかし木を移す時期ではなかったので実もしなび木も枯れてしまいました。結局、男は骨折り損だったのです。みなさんもこんな残念で惨めな事にならないように十分注意しましょうね。
笛なんかピロピロ鳴くだけじゃ。爺さんが言うのを聞いた笛吹きは道を行く途中でカナヅチを振上げクシャンと笛を砕いてしまいました。彼はカナヅチを握りしめて工場ばかりの町へまっすぐ歩いて行きました。うーん、まあ笛の奏でる音楽は人の心を癒してくれますからね、全否定する事もないと思うのですけどね。とにかく彼はショックを受けて自分の心の中で一大決心をしてカナヅチと共に生きる道を選んだのですね。
そこは花や鳥を彫刻した柱を赤や青に塗った建物が並んでいて窓には真珠の簾が垂れてあった。真珠の欄干で出来た回廊を行くと仙女のような若い女たちが行き来しており、ここは人間界ではないぞと思われた。やがて背の低いずんぐりした中年の女が来て婆さんがあの方が仙妃であらせられると青年に紹介した。彼は貧乏な身で家内もいないと言うと可哀想に、これから幸せにしてあげると言われ、宴席で酒魚のご馳走をふるまわれる。青年は衣裳を記念に貰って元の場所へ帰される。衣裳をつけていると怪しまれて捕えられたが仙妃の話をすると許されたという。
まあ男がその後どうなったのか全く書かれていないのが残念ですが、貧乏な身の上から脱して幸せに暮らしたのでしょうね。古い昔の中国のサクセス・ストーリーでしたね。
そして終盤ではリチャードが敵のアジトから脱出して車がなくて困っていると、車がエンストして故障し仲違いする夫婦に行き当たり夫が町まで徒歩で向かうのを見て妻に近づき車をチョチョイと治して、ついでにミニ不倫をして町までドライブするという出来過ぎの演出の場面があって中々に面白かったですね。まあ古き良き時代のB級スパイ小説をそんなに大きな期待はせずに軽い気持ちでのんびりと読まれるといいなと思いますね。
そう書いてありました。良吉はそれを読んで今後は十日ぐらいおきに絵の雑誌を送る事にしました。母親は少しさびしくなりましたが少年配達夫が少しでも助かるのだしと思って喜ぶのでした。ある日配達夫が郵便が減った理由を母親に聞くとありのままに答えました。少年は「そんなご心配なら、してくださらなくてもいいのです」と言って目に涙を浮かべました。他の子供に対しても変わらないやさしい母親の愛に感激したからです。心優しい思い遣りに満ち溢れたおかあさんの誠に良い話でしたね。
ヨシさん、ありがとうございます。短い作品も多く混じっていますので参考程度だと思いますが、これから私も絵本とかにもレビューを書いて行こうと思っていますね。お互いにがんばりましょうね!
丁度電車が停まり三人が降りようとしていたので私も気味が悪くなり三人について降りた。すると救助網(市街電車の車体の前面下部に取り付け、人などがひかれて事故を起こすのを防ぐようにした鉄製の網)すれすれの所に誰かがしゃがみ何かを探していた。電車が動き出したので「危ない、人だ」と言って、しゃがむ人に手を掛けると顔を上げたのが先程の老婆だった!わっと叫んだ私は電車にふれて気を失い病院へ運ばれたのです。彼が倒れた場所では電車に触れて五六人死んだ者があったという。婆さんの幽霊も怖いけど昔は接触事故が多発したようですね。
まあ今回もイヤミスとして恐ろしく意外性もあって今回も充実の出来栄えでした。唯一点だけ思うのは、こうした人々の存在が最後まで放置され、彼らの心に寄り添って是正し改心させ社会から一人でも減らそうとする動きが全くないのがやや引っかかるのですね。まあイヤミす路線を突っ走る行き方を貫くという事であれば何の問題もありませんが、特に文学作品寄りにして欲しいとは思いませんが、著者にはいつか良識ある心の優しい人物を登場させて異常者の間違いを正して助けてあげるような読み終えて後味が良い作品も偶には書いて欲しいなと願いますね。
二時間ドラマにしたらぴったりだと思える物語で面白かったですね。ヒロインの晶子の他に常連客で元刑事の佐竹が登場して彼女から事情を聞いた上で親身になり助けてくれます。調べる内に誰もが怪しく表向きとは別の裏の顔がるのが徐々にわかってくる筋立てが面白いです。過去の殺人事件には当時5歳で二階で風邪をひいて寝ていた為に生き残った息子がいて、晶子の娘が連れて来た青年が丁度その年齢でおまけに事件を素材にしたミステリーを書く作家という趣向もありますが、そんなに単純ではなく最後に明かされる犯人の正体は予想外で驚愕しましたね。
でもこの強烈な犯人像は印象に残って絶対に忘れられそうもありませんので、これから暫く十年ぐらいは再読は無理でしょうね。最後に本書に出て来る警察は無能すぎて話になりませんが、もし本職の警察ならば事件は直ちに解決しただろうなと思えますね。惨殺事件の捜査でも偽証をスンナリ受け入れてあっさり諦めるのですからあまりにも粘りがなさすぎるのです。退職刑事の佐竹は頑張って真相を解きますが、彼は素人同然の立場で動くのですから不利なのですね。それでもヒロイン晶子の敵に立ち向かう強い意志とど根性は素晴らしくて心を打たれましたね。
ホウは女と会うと私は水仙王の娘でハスの花の精です。今はオジのカニの王に世話になっていますと言い二人は毎日逢瀬を重ねる。ある朝ホウが寝過していると乳母に見つかり、カニの王の前に連れて来られるが、そのカニは彼が以前に網にかけられていたのを助けたカニだったので危なかったが許されて助かる。やがて母から手紙が来て病気だとの事で急いで駆けつけると母の病気は治っていた、帰ってくると公主が引っ越しましたと言って新居へ案内され寝室へ連れて行かれて絡みつかれて翌朝は起きあがれなくなる。すると同じ姿をした女が部屋へ入って来る。
女は泣いて出て行き、ホウが自分は死ぬのだと覚悟していると夕方に女が再び来て赤いツルを抱いてもう一人の自分へ投げると女は白いヘビの姿になった。ヘビの腹から玉が転げ出し、これはヘビが私に化けたのです。あなたにはヘビの毒が回っていますが、この弾で薬をこさえて飲んだら大丈夫ですよという。女は子どもを産むが、お別れしなければなりませんと言って出て行くと姿が消えた。まあいろいろとあった奇想天外なオリエンタル・ファンタジーでとにかく面白かったですね。
昔は疎遠だった学級委員長の女子・渡会凛だけがカズヤの話を信じてくれて二人で組んで残忍冷酷な犯人を追う果てに判明する驚愕の真相とは?SFミステリーの面白さが存分に味わえるトリッキーな仕掛けに大満足します。そして彼自身の心境の変化により人生はどう変わっていくのか?興味津々の展開で最後まで飽きさせずに読ませます。また物語に登場する柴犬マイゴの活躍もいい味が出ていますよ。読み終えると今を生きる自分自身をポジティヴな気持ちに変えてくれる素晴らしい一冊をぜひお読みくださいね。#NetGalleyJP
オスカーさん、ありがとうございます。直接は関係ない話ですが、私は小さな頃から牛乳が苦手で先生にも叱られましたが、一緒にコーヒー粉末が出た時だけ溶かして飲んでいましたね。
白髪頭の老人が水棹を持ってにゅっと立ち「おい、若い衆、起きろ」と怒鳴った。秀夫はびっくりして起きて「ここはどこですか」と問うと「弁天島だよ。弁天島の綺麗な後家神に、いたぶられたろう。ぐずぐずしよると命がないぞ」と言われた。ああ、どえらい災難でしたが、命だけは取られずに済んで良かったですね。
まあ本書はミステリーとしてのサプライズはありますが、謎解きパズルとしての興味はそれ程に複雑ではなくて本格ミステリーを愛する人には不満が残るだろうなと思います。ミステリー作品の中では少年法に守られて罪が軽減される事に対する是非を問う作品はたくさんありますが、その逆の立場を取る作品はあまり読んだ記憶がありません、現役の弁護士さんである著者は自らの信念を込めて理屈ではなく加害者の少年を守る立場の小説を書きたかったのだと思います。私は複雑な思いですが平等という意味で本作のような内容もあって良いだろうと思いますね。
本書は部分的に著者がエキサイトしすぎて同じ意味の事を繰り返すような記述も後半で少し散見されましたが勉強になる素晴らしい内容でした。私が心に突き刺さった政治家に対する皮肉の表現は有名なリンカーン大統領の演説をブラックにもじった「高齢者の高齢者による高齢者のための政治」でしたね。でも甘い考えかもしれませんが、それでも日本人は何とかして叡智と知恵をふりしぼって、この危機と難局を乗り越えるだろうと私は信じたいですね。#NetGalleyJP
すると若い女が汚い言葉で年増女をなじっていたので驚き慌てて外へ飛び出し逃げた。近くに鍛冶屋があり中にいた老婆に道を尋ねると指で差したので、その通りに進むと漸く知った道まで出て家に帰る事ができた。翌日、彼は昨夜に見た鍛冶屋や牧場や怪しい家を探したが、そんなものはさっぱり見つからなかった。後に土地の人に聞くと昔その辺りに馬小屋があったそうだが、それ意外の事は何もわからなかった。まあお酒を飲ませてもらって馬糞を食わされるということもなかったのですから不幸中の幸いと思って全てを忘れてしまうのが最善の策でしょうね。
宵待草さん、こんばんは。こちらこそ、ありがとうございました。本書は第28回 日本絵本賞 受賞作品だったのですね。これからもこういう素晴らしい絵本に巡り逢いたいものですね。また今後ともよろしくお願いしますね。
二人は父の前に来て「これから心を改めて勉強します」と言って、二人は誠にいい息子たちとなりました。良かったですね。お父さんも、やれやれでホッとひと安心した事でしょうね。まあ人間の人生は一生何かを勉強し続ける道程だと言えるでしょうね。
あっ村だ、あそこへ行けば食べ物がある。猿は殺さなくてよい。五人の侍は猿を切らなくてよかった事を、目に涙を溜めて喜びました。良かったですね!お侍はできれば無益な殺生をしたくない動物が大好きな心優しい人たちだったのですね。
ありがとうございます。うーん、知りませんでした。38歳のプロサッカー選手なのですね。ところで思い出しましたが偶然にも平山夢明さんと私は同い年なのですよ。夢の漢字が共通していますね。
お母さんがえるは喜んで中へ飛び込みましたが、またもや網ですくわれ外に放り出されました。そこは金魚屋でした。お母さんがえるは店にいた子供たちが笑うのを見て自分の子供達の事を思い出して自分も我が家へと帰る事にしました。まあこの母さんがえるは人間に歓迎はされませんでしたが、そこは仕方ないなと割り切っているみたいですね。本編は1926年、今からほぼ100年前に書かれた作品ですね。そうですね、いつの時代にも生き物を殺生して遊ぶ子供もいたとは思いますが、まずはこのお話にはそういう輩が出て来なくてホッと安心しましたね。
すると「いえいえ、ここにはありません」と誰かが答えました。方々で聞いても駄目だった後に、とうとう「はい、ここにありますよ。雪がとけたらおいでなさい」と親切に言ってくれました。雀は雪の解けた日に畑へ来ると一銭銅貨がありました。畑にはふきのとうが一杯出ておりました。銅貨のある場所を教えてくれたのは、このふきのとうだったのでしょうね。まあ悪意やいたずらのない善意だけの世界は気持ちが良くて誠に素晴らしいですね!雀は人間の世界で一銭銅貨を使うことはできませんが、記念メダルのように飾って一生の宝物にしたのでしょうね。
ミカエラにはマフィアに通じる兄と弟がいて過去に父親が謎の転落死を遂げており、その真相も今後の興味を魅かれます。本書は被害者の人生をドキュメントタッチで追う物語が挿入されて面白いですが、唯一最後の場面を冗長に長々と引き延ばすのには随分と読んでいて疲れましたね。それから現在の犯人が諦めが良すぎくてあっさり自白するのにもガッカリしました。また外国の作品特有の冗長さはありますがシリーズは3部作になる予定だとの事でミカエラとレッケの二人が幸福に結ばれるのかにも関心がありますし続巻が出たら追いかけようと思いますね。
ホームズファンの方はレッケの相手をビックリ仰天させる推理パフォーマンスだけでも楽しめてお奨めですよ。かなりの大長編ですが、じっくりと気長に楽しんでくださいね。#NetGalleyJP
からすは途中でおしゃべりになり、前にあなたを追いかけた犬もおいしいごはんを食べていましたよと、つい余計な事を話してしまい、明日私が町をご案内しますから迎えに来ますよと言って飛び去ります。利口なうさぎは巣に帰ると子うさぎに「もう私たちはここに安心していることができないのだよ。さあ今夜の内に引っ越ししましょう」と言って、からすの気のつかない森の奥へ入ってしまいました。翌日、からすが来た時には木の根の洞穴の中は、まったく空っぽになっていました。うさぎの母さんは偉い!うさぎの一家の無事安泰と幸せを祈りましょうね。
すると女は彼を起こして「どうか靴を返してください。今晩きっと参ります。その靴がないと、私は死ななければなりません」と必死で泣いて訴えたが、彼はとうとう返さずに眠ってしまった。李紛が目を覚ますと女はおらず床には鮮血が滴っていた。籠の中を検めると靴は豚の足の裏になっていた。血の跡をつけると張の家の豚小屋に辿り着き、張を見ると目を怒らして吠えかかってくる豚がいた。李紛はそのことを主人の張に話してブタを料理した。まあ途中で真相に気付きましたが面白いですね。でも最後にあっさり食べられてしまうのは憐れで可哀想ですね。
本書のラストでは悪党により放火されて家も本も大火事でほぼ全部を失いながらも唯一冊から再び不死鳥のように甦る姿が描かれておりまして今後シリーズ化されて次作が読める日を楽しみに待ちたいですね。#NetGalleyJP
翌日、乙が甲に食べて下さいと幾らかの芋を持ってきてくれました。この乙の親切な申し出を受けて甲も自分のズルい行いが恥ずかしくなりました。でも甲はいつまでも倉から芋を出す事が出来ませんでした。翌年になってようやく出してみますと芋は全部腐っていて甲は全てを夜こっそりと川に捨ててしまいました。あーあ、勿体ないですね。正直に話していればこんな無駄なことをせずに済んだのにね。甲がこれに懲りて心を改めてくれればいいと思いますね。
夢追人009さん いつもナイスをありがとうございます。 この作品、少し変わった構成で進めながらしっかりと本筋を捉えていて、本当に読み応えありましたねぇ。さすが、直木賞受賞作だと思いました。
お母さんたぬきは困ってしまい「駄目よ、ぼうや、もっとよく覚えなくては」と言いましたが、子だぬきは小さなあくびをして「かあちゃん、もうねむい」と言いました。まあ、どんなにスパルタの修行をしても、まだ小さすぎて無理ですね。こうなったら星一徹だぬきを連れてきて、ちゃぶだいを引っくり返したらいいかもしれませんね。もちろん冗談ですよ。
実は父と兄は盗人で今夜客を殺して金を奪う計画を立てております。私がお二人を無事にお送りしますという。男は先に寝ていた父を起こして女に聞いた事情を話す。女は二人がいなくなると私は世話をしてくれる人がいなくなるので世話をお願いしますと頼み、父はよしお前を息子の嫁にしてやろうと言って応じる。漁船の盗っ人が帰ってくると女が二人を舟から落として始末する。女が舟を出すが、何と客の父親が女に近づいて後ろから水中へ突き落して殺す。息子が起きてきて子細を聞くと父は「盗人の女を連れて家へ帰れるものか。舟はわしが漕ぐ」という。
参宮帰りの親子は豊橋某町の豪家の者で、三年後の夏に二人の暮らす家に若い綺麗な女がいきなり入って来て父親の首を絞めて殺す。体の具合の悪く隣の部屋で寝ていた息子が行って「こら」と叫ぶと女の姿が消えて父は既に冷たくなっていた。「あの女じゃ、あの女じゃ」と言うとすぐに息子は発狂してしまった。うーん、これは命を助けてくれた恩を仇で返す残酷な所業をしたのですから、女の幽霊に祟られ呪い殺されるのも自業自得・因果応報の結末でしたね。お芝居を思わせる見事なよく出来た怪談噺でしたね。
おじいさんは孫の正坊の事も気にかけ「子供を育てるのと同じようなもので、草でも木でも丹精ひとつだ」と日頃から言っていました。おじいさんのお蔭で新しい芽が出て夏の頃白い花が咲き、その年の暮れには真っ赤な実が垂れ下がったのであります。近所の人も感心して中には売って欲しいという人もありましたが、おじいさんは「これは金銭では売られない代物だ」と言って断ったのでした。孫の正坊が重い風邪をひいて寝込んだ時に親切なお医者さんが夜中も全く嫌な顔をせずに来て診てくれました。この医者が南天を見て褒めたのでお礼の志にあげました。
「あの人なら大丈夫、涸らす事はない」とおじいさんは安心していました。昔はこういう心のまっすぐなしっかりしたおじいさんが多くおられたのでしょうね。私も物を粗末にしたりせずに大切に扱うことを心掛けたいと心から思いますね。
それは買った油の匂いで「少しぐらいはいいだろう」と思って狐は少しだけ油をぺろりとなめました。これはなんというおいしいものでしょう。狐は我慢できなくなり何度もぺろりとなめるのを繰り返し山に着くまでに全部の油をなめてしまい残ったのは空のとくりだけでした。残りの仲間は溜め息をつきました。みんなは、ガッカリして思いました。「さてさて、狐を使いにやるのじゃなかった」と。このままではいつまで経っても油を手に入れられそうにありませんね。どうしたらいいのか私にもさっぱりわかりませんね。
魚は竹青から注意するようにと言われたが聞かず、ある日兵士の舟の上を飛んでいると肉ではなく銃弾が飛んできて魚の胸に当たった。落下する魚を竹青がくわえて運び林の中でエサを与えたが傷が酷く死んでしまった。そこで魚が目覚めると洞窟の中だった。村の人に見つけられ話をすると旅費をくれて故郷へ帰る事ができた。三年後に魚は再び旅に出て呉王廟のお供えをして鴉の群れにエサを与えて竹青がいるなら残っておいでと声をかけたが駄目だった。魚が後に官吏になって再び訪れると今度は美しい麗人が現れ彼女は人間の姿の竹青で二人は再会を喜んだ。
魚は漢陽という場所で二か月暮らし、家に居る妻とは別に竹青との別宅にして二人の間には綺麗な子供が生まれる。やがて子供が大きくなり本妻が亡くなると魚は竹青の元へ行き、もう帰ってこなかった。二人はいつまでも死なない永遠のラブストーリーでハッピーエンドですね。
実話怪談の中では、東京の数年前にアイドルの自殺事件阿あった某スタジオの場所が出て来る話が恐ろしくて印象に残りましたね。まあ少し固い内容ではありますが四谷怪談の歴史と知識がより深く学べる良書ですので多くの方にぜひ読んで頂きたいですね。#NetGalleyJP
本当の事だからいいだろうと正ちゃんが言ったので母さんがおしるこを食べさせませんでした。正ちゃんは外へ出て行き、時間が経って寒い風が吹くと中々帰って来ないので母さんが心配しました。お姉さんが探しに行きましたが、いつも行く場所に正ちゃんはいませんでした。一旦家に帰ったお姉さんは母親に私もう一回見て来るわと言って家を出ました。お姉さんは昨日からいろんなことで正ちゃんを叱ったのを思い出して悪い事をしたわと後悔しました。弟は無邪気なだけなのに。その時向うから子供達の声がして中に正ちゃんもいました。どこへ行ってたの?
「本屋の二階で学校ごっこをしていたのさ、僕は算術が七点で、読み方が八点で、三番だよ、偉いだろう」と言った正ちゃんに「駄目よ、もっといい点を取らなけりゃ」とお姉さんは叱ってから、はっとしていつも小言をいう悪いクセに気付いて顔が赤くなりました。まあ人は習い性は中々変えられませんから仕方ないですが、一度ぐらいはやんちゃな弟を褒めてやってもいいと思いますね。
二匹は池の方へと行って、とぶんとぶんと飛び込みました。体を洗った緑は「やあ、きみの黄色は美しい」と言い黄色も「きみだって素晴らしい」と言うと「もう、けんかはよそう」と仲直りしました。よく眠った後では、人間でも蛙でも機嫌が良くなるものです。まあ誰もが冷静になれば大概のトラブルは回避できるもので、最後には仲良しの友達が一番ですね!
若い漁師は間もなく発狂してしまったという。これは実際にあった津波の話で二万人を超える死者が出たといいます。東日本大震災から100年以上前にも東北で大きな被害が起きていたのですね。災害で亡くなった方々のご冥福を改めてお祈りしますね。
でもネットの炎上騒ぎは今の世界と変わらない狂騒劇で今の世の中に現実にある馬鹿げた世相の現代社会を痛烈に風刺し皮肉っているのですね。しかもそれだけでなくある仕掛けがあって大きなサプライズも最後に用意されていますよ。唯、海外作品によくある長大で直接は関係のない記述を含めて細部の様々なエピソードを延々と読まなければならない辛さがありますので詠まれる方は覚悟をなさってくださいね。でも膨大な頁数を耐え抜いて読み終えた暁には読者の長い苦労が報われて大きな満足感が得られる事と私は確信しますね。#NetGalleyJP
学用品を買って貰って家に帰っても義夫は忘れられず、お姉さんにお願いしようと思いました。お姉さんがお勤めから帰ると早速お願いしたら明日の晩買ってあげるわと言ってくれました。お母さんにも何とかお許しをもらい、翌日お姉さんの帰りを待ちわびて直ちに姉弟は一緒に町に出かけました。店は大賑わいで沢山の子供達がいました。やどかりのおばさんの店へ行くと昨日の白い大きなやどかりはおらず既に売れてしまっていたのです。義夫はお姉さんに他のを買ってもらいましたが、がっかりしました。義夫は前を向いて急いで、さっさと歩き出しました。
後ろをゆっくり歩くお姉さんから「義夫は現金ね」と言われました。義夫は自分の事しか考えぬ自分が何となくさびしく感じられました。そうですね、義夫くんの落胆して沈み込んだ気持ちはよくわかりますが、折角買ってもらったやどかりですから、お目当ての奴ではなくても気持ちを切り替えて大事に育ててあげて欲しいですね。
あの靴がいつまでもかあいがられてくれればいいと思いました。初めて作った靴が自分の息子のように大事に思える気持ちはよくわかりますね。どんなに時間が経とうとも初心忘れるべからずの心境でいたいものですね。
朱は進士の試験の文章の事を相談して陸に自分の書いた物を見せると「どうもよくないな」と言う。ある夜、朱が先に寝て目覚めると陸が朱の腹を切って腸を出していた。俺を殺すのかと問うと「いいや、そうではない、君の心を冥土にあるのと入れ替えて文章の悪いのを良くしてやろうと言うのだ」と話す。すると朱は試験に見事に合格する。朱は次の時に今一度頼み事をする。女房の顔が良くないので美人の顔と変えてもらえないだろうかと。すると数日後に陸が美女の首を持ってきて女房が真夜中にぐっすり寝ている間に首を切り離して美女の首と入れ替える。
後にその首は美人の娘の家に入った悪漢が首を切り落としてしまい、陸が首だけ拝借した物だった。娘の母が朱の女房の顔が変わった噂を聞いて犯人ではないかと駆け込んでくる。朱が陸に相談すると娘の母の夢に娘が現れ犯人の名前を教えたので何とか両家は和解する。その後、朱は寿命が来て死ぬが、時々生きたままの姿で帰って来て陸と以前のように酒を酌み交わすのだった。まあこの後も息子が繫栄するのですが省略しますね。まあ、残酷な描写も少しありましたが、そういうことが少しも気にならず概ねはご陽気な読み心地の愉快なおめでたい話でしたね。
勇ちゃんは虫籠にとんぼを三匹も持っていました。次郎さんは粘って浦島太郎の絵本と、とんぼ3匹を取り替えっこしました。そして、とんぼを逃がしてやりました。次郎さんが原っぱに三輪車に乗って行くと同じく三輪車で来た子供がいて、とんぼ小僧だと名乗りました。次郎さんが彼に目の不自由なかね子さんの話をすると、それならいいお薬があるよと言い「僕の町へおいでよ」と招かれました。そこは夕焼け空に提灯が一杯ついたとてもきれいなきれいな町でした。とんぼの町だよ。誰も滅多に来られぬ所だけどね君はいい子だから連れてきてあげたんだよ。
次郎さんは、とんぼを逃がしてあげたお礼に、とんぼに恩返しされたのでしょうね。とんぼの目薬が効いて、かね子さんの目がよくなって見えるようになればいいなと心から強く願いますね。
犀子さん、ありがとうございます。まあ人の心は難しいですが自分に自信がなくて自虐趣味に走っているのでしょうね。わしなんか、どうせみんなからボロクソに思われてるに違いないとね。こういう風に思いがけない結果を実感させられると心が天まで舞い上がって夢見心地の幸福感に包まれるのでしょうね。
すると台所の流しの上で女が右手に黒い長いものを下げていた。何かなと見るとそれは黒い鱗のぎらぎらとした大きな蛇で、頭を切り離したらしい端の切り口から赤い血が滴って流しに置いたコップの中に溜まっていた。彼は頭が真っ赤になり一目散に逃げ走った。彼は山本邸に着き、その夜は一泊させてもらい翌朝、大勢で怪異の跡を確かめに行くと、自分の麦わら帽子の落ちていた側の草むらに古い土の人形があって、その傍に一匹の小さな黒蛇が死んでいた。蛇の生き血を飲むと精力がついたかも知れませんね、なんて呑気な事は言っておれない恐怖譚ですね。
水を差すようですけど、悪しからず。 知念実希人さん、科学ミステリを手がける割に、治験不完全なワクチンなのに副反応を視野に入れず、感情論でコロナワクチン接種推奨をしていた内科医医師なので、個人的に好きになれない生き方をしている人。 真っすぐな性格なのかもしれませんけれど、嘘を吐く行政に媚びる=騙されやすいのは、美徳とは言えないように思います。
これからは正ちゃんを不器用だなんて言ってはいけませんよ。そうですね、左ぎっちよに限らず誰もが諦めずに頑張ればどんなに苦手であっても立派に克服できるのだと著者は優しく教えてくれるのですね。
ある朝、三つの卵が中から破られて、三匹のひなが現れました。最初の内は羽もなく目も開かない小さな赤ん坊でしたが、その内に羽が生えて子雀たちは飛べるようになりました。子雀たちが、びっこを引かずに、ちょこちょこと歩いてエサを拾い出したのを見て、お母さんの雀はどんなにうれしかったことでしょう。自然に心が温まる誠にいい童話ですね。
だが孫子楚の飼うオウムが死ぬと彼は鳥に乗り移って飛んで行き阿宝の家で一日つきっきりになる。次第に阿宝も男の熱意に負けて結婚する気になり貧乏人を嫌がる父親を説得して遂に嫁入りする。めでたしめでたしだが孫子楚は糖尿病で死に阿宝は悲しんで寝食を忘れる。三日後に親戚が孫子楚の死骸を葬ろうとした所、うめき声がして死者がよみがえる。冥王が彼の誠実ぶりを評価して生き返らせてくれたのだ。そして二人は真実の意味で幸せになる。まあ紆余曲折いろいろありましたが最後はハッピーエンドでおめでたくよかったですね!
確かに筒井康隆がお好きだったのかなと思われる部分がありましたね。 『耳もぐり』の最後の句読点が無くなっていく部分などは、『七瀬ふたたび』で七瀬が人の意識に入り込んでいく時の雰囲気に似ていますね。
「犬ころ」という言葉に住宅顕信さんの俳句「 ずぶぬれて犬ころ」を思い出しました。どんな口調かで「犬ころ」に対する思いの種類がわかりますね。昔は野良犬とかいたなぁ。
「おとなしくしておいで」と母が言っても子供たちは言うことを聞きません。すると侍がすらりと刀を抜いて、親子の側にやってきました。お母さんは真っ青になって子供たちをかばいました。侍がやかましいのに腹を立てて二人を斬り殺すのではと思ったのです。「飴だまを出せ」と言われて恐る恐る差し出すと、侍は飴だまを舟のへりに乗せて刀でパチンと二つに割って「そおれ」と二人の子供に分けてやると、また元の所に帰ってこっくりこっくり眠り始めました。お侍さんにナイス!素晴らしい最高のオチですね!血が流されずに済んで誠に良かったですね!
彼は上司の課長から妹を細君にと望まれたが上司の男は四人も離婚歴のある男だったので断ると首になったという。そして神中が知人を訪ねた日に、新聞に神中兄妹を中傷する記事「畜生道に落ちた兄妹」を見せると、妹の事が非常に心配になり家に帰った。すると妹は自ら縊死しており神中は体を下ろしてやると自分も縊死したと言う。ここから少し記述が曖昧ですが、彼の課長と新聞の主筆は悪友で頼んで中傷記事を書かせたのだと思われ、仙台の変死体は課長で神中兄妹に呪い殺されたのでしょうね。昔はコンプライアンスも何もなく本当に酷い仕打ちですね。
この事件は仙台の警察署に記録が残されているとの事で、まあ凄まじい事件で現実にあったとしてもちっともおかしくないリアリティーを感じましたね。※誤字が3か所もありましたのでコメント2を修正しました。
ネズミはいつもの屋根裏に戻りましたが、このままでは危険だと思って屋根の上へ出て電線を伝って歩き始めました。空き地にいた勇くんと.賢二くんが丁度これをハラハラしながら見ていました。するとネズミは無事に渡り終えてあちらの赤い屋根に着きました。その時二人は手を叩いて。ネズミの為に成功を祝福したのであります。ねずみは悪役として描かれる事が多いですが、これからも苦難に負けずにしぶとく生き延びて頑張って生きていけよ!と励ましてあげたくなりますね。
そこで馬は友だちの馬の足を蹴とばしますと「痛いっ」と叫びましたので、「そら見ろ、それが僕の足だ。君が盗んだんだな」と言うと、「このとんまめが」と友だちは思いっ切り蹴り返しました。しびれがもう治っていた馬は「痛いっ!」と飛び上がって、ようやく自分の足は盗まれたのではなく、しびれていたのだとわかりました。うーん、こういう事は本当にありそうに思えますね。きっと馬鹿の漢字に馬が使われているから自然に思えるのでしょうね。
驚いた男は後ろに来た電車にはねられ意識を失う。男は頭に裂傷を負って右手を骨折して入院した。気が付いて意識が戻り家に人をやったが女は留守だった。翌日、二人の刑事が来て父親が引っ越した晩に二階で変死したことを知らせる。では昨日訪ねて来た父は一体何だったのか?いろいろ考えてもさっぱりわからなかった三週間後に男は退院してあの空地に行くと人だかりがしていたので近寄って見ると、そこにあったのは女の腐乱死体で男は一目見るや気絶してしまった。うーん、女の死は父親の幽霊の仕業で、息子は肉親だから見逃してやったのでしょうね。
そこで遥か南の海の人も行かない島の懐中の岩かげに浮ぶ海草におじいさんはなりまして二百年が経っても朝から晩まで全く同じ光景が続いていました。まあそういう未来永劫に何も起こらないものぐさ人生もいいかもしれませんね。
ひいよめ、ひよめ、だんごやらないけれど、くうぐうれっ。するとひよめは、やはり威勢よく水をくぐったのです。ひよめはこれまで団子が欲しいからくぐったのではなく、一年生に呼びかけられるのが嬉しいからくぐったのであります。単純ですがいい話ですね。子供達はとても大切なことを自然の生き物から教わったのですね。
だが兼五郎の家に唖娘がいて手真似で聞くと紛失物の所在を知っていて鍬は畑の方角の草むらから出て来た。また近所の女が女房と話していると服の裾が勝手にめくれあがった。隣村から血気盛んな若い男が酒を飲んで幽霊の探検に来たが道中で小石が飛んできて眉間に当たって負傷したので驚いて逃げ帰ったという。こうして怪異は続いたが、その前には必ず唖娘が姿を隠したのだという。うーん、この娘は県庁に取り調べされなかったのでしょうかね?こういう時は妖怪ポストに手紙を出してゲゲゲの鬼太郎を呼ぶしか打つ手がないでしょうね。冗談ですけどね。
とめ子ちゃんの家にはおねえさんが二人いて、「マルが遊びにくる?」と聞くと「毎日くるわ。可愛い猫ね」と三人が言いました。マルは、みんない可愛がられて幸せだんと、まあちゃんは思いました。まあ何も考える必要のない心がウキウキと弾むお話でしたね。
星は狩人がいて危険だから、うろつくよりここでしばらく待っていなさいと忠告しました。ものぐさな狐は「そうするかな」と言って鶏の鳴くのを待っていましたが、その内に近くで犬の鳴き声がしました。きつねは驚いて立ちましたが尾が雪の上に凍えついて取れません。どうにかしっぽを必死で引き離すと慌てて山の中へ駆け込んでいきました。まあ少し出来過ぎの話ではありますが鶏が無事に助かって誠に良かったですね。
これは私があなたのお祖父さんに売った若返り薬で1粒飲むと1年で1円、二粒飲むと10年で10円、三粒飲むと百年で百円、㈣粒飲むと千年で千円、五粒飲むと1万年で1万円の値段なのですといい、その昔お祖父さんが買ってくれて私が昔試しに2粒飲んだのですと話す。男は目の前で1粒ずつ飲んで若返り自分は罪深い事をしたと言って死ぬと言い3粒目を飲むと急に消えてしまいました。太郎さんは地面に落ちている3粒の丸薬を持って家に帰り父母と祖父に泣きながら謝って先程の男の話をしました。すると父母は、それは唯の風邪薬だよと笑いました。
けれど祖父は笑わずに「どんな小さな物でも間違った仕方で使う音がどんなに悪い事か太郎にはわかったのだ。他の者が嘘と言おうとも太郎だけ本島と思えば、それでいいではないか」と言いました。うーん、男は虚無になってしまったのでしょうかね?10年からいきなり100年に飛ぶのが危険すぎますね。せめて最高が10年で1粒毎に若返るのだったらよかったですね。
勘太郎は草を食べて飢えをしのいでいる内に春になりましたが、すっかり飢え疲れ目も見えなくなってバッタリと倒れました。「虫の生命を助くるは、神の心を持った者」目覚めると勘太郎は見事な寝台に寝て大勢の天女に介抱され夢で見た美しいお姫様がニッコリと微笑んでいました。彼は白い着物を着ており髪も髭も白い神様の姿になっていました。彼は食べる心配もなく天女たちが歌い舞う姿を見ながら過ごしていました。ある日ふと天女たちと外に飛び出すと今の住まいは自分が正月に立てかけた樫の丸太の穴だと知りました。それから自分の家を見ました。
するとそこには昔の勘太郎がいて、神様の勘太郎を蝶々だと見ている様で、もし夢を本気にしていたら死んでいただろう、どれ炭を焼こうかと言いました。神様の勘太郎はこれが夢なのか現実なのかさっぱりわからなくなりました。ドライな性格とウェットな性格の二人の勘太郎が同時に存在する世界、誠にシュールな物語ですねえ。
だが女房が亭主に財布の中の書類は娘を売ったものだから困っているのに違いないと言って財布の持主を調べて返しておやりよと説得する。猟師の男は久兵衛の家を訪ねあて財布を渡すと、喜んだ久兵衛は男に半分をお礼に渡そうとしたが男は二朱だけでいいと答える。この事が藩庁に知れて二人を呼び出し、猟師には青ざし(和菓子)五貫と米五俵をくれて、久兵衛には青ざし五貫をくれた。猟師は奇特な行いに対する褒美で、久兵衛は男に半分をお礼に渡そうとしたからで禁猟の場所で雁を獲ろうとした罪は不問に付されていたという。誠に心温まる美談ですね!
そして女房は妊娠して翌年に子供が生まれるが、その娘は醜い容貌で顔には魚の胎児のような赤い斑点があって頭髪も縮れていた。女房は我が娘を一目見るなり逆上した果てに死んでしまった。長者の家はますます富んだが娘の事だけが心配だった。娘は年頃になり引き籠って暮らした。村に都から病気の売卜者(占い師)のイケメン男子が来ると長者は男の世話をした。すると娘はハンサムな男に恋をして悩んだ。父親は娘の心を知ると男に自分の全財産を君にやるから娘と結婚してやってくれと頼む。男は仕方なく承諾するが、どうにも娘の醜さが我慢できない。
彼は仮祝言の夜に女が寝た後で家を抜け出して利根川の水際に草履を置き、自分が死んだと思ったら娘も諦めるだろうと考えて逃げ去る。女は起き出し男がいないのに驚いて利根川の水際の草履を見ると男の死を確信して川へ飛び込んで死んでしまった。女の死骸は銚子の川口に流れ着き、村人は死骸を髪に刺した花櫛と共に埋め神として祭った。まあ娘には何の罪もないのに欲深い親の為に醜く不幸に生まれついてしまったのが誠に憐れで気の毒としかいいようがありませんね。
「この死骸をズタズタに切ってダイヤモンドの指輪を探してくれ」と言われ医者は断りましたが、「それならお前も殺すぞ」と脅されて仕方なく引き受けました。医者が人の身体を切る機械を取って来てくれと頼むと男は出て行って、後に男の娘と息子が出てきて母からもらったダイヤモンドの指輪を医者に渡して乞食を救ってあげてくださいと頼みました。医者は応じて乞食を診ると上手に生き返らせました。老紳士は帰って来て医者から指輪を差し出され乞食の命をお助け下さいと言われると、指輪の出所に気付き初めて自分の悪行を深く反省し後悔をしました。
老紳士は医者に礼金を渡して、乞食たちを集めてご馳走し、娘と息子にもご褒美をあげました。男が若い乞食に指輪の在処を聞くと、それは現実ではなく夢の話ですと答え、殴った男も夢で貰ったものだと答えたのを知ると皆で大笑いしました。老紳士は「これは正夢で二人の子供は俺の心を直してくれた本当の神様だ」と言って二人を抱き上げると、乞食共は一時に万歳しました。何という感動的な物語でしょうね。読み終えて目頭が熱くなって自然に目がうるうるとなりましたね。
次の日の午後も同じ時刻に少年は同じ姿でやってくると、こちらを向いて昨日より一層なつかしげに微笑んで、白い道の彼方へと消えていきました。少年は明日こそは話しかけて友達になろうと決意して、その晩母親に少年を二日続けて見た話をしましたが、信じてはくれませんでした。太郎は少年と友だちになって金の輪をひとつわけてもらって何処までも一緒に走り赤い夕焼けの空の中へ入ってゆく夢を見ました。翌日から太郎はまた熱が出て、そして、ニ三日目に七つで亡くなりました。ああ、太郎くんの見た少年の正体は一体何だったのでありましょうかね。
ある日私が畳屋の庭先で仲間と遊んでいると村の堀内という巡査が山伏と格闘し後ろ手に縛りあげて連行する姿を目撃する。当時は赤ん坊の変死事件と共に意味がわからなかったが、二十年後に村の古老に聞いてみると「あれは山伏が寺を乗っ取ろうとして赤ん坊を殺したのじゃ」と教えてもらえて漸く謎が解けたのである。成る程ね、いつも怪物や妖怪の仕業とは限らないですね。まあ素朴ながら面白い読み物でしたね。
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とみかずさん、ありがとうございます。こういう素晴らしい作品をまた読めるといいですね!
夢追人009さん いつもナイスをありがとうございます。 この作品、少し変わった構成で進めながらしっかりと本筋を捉えていて、本当に読み応えありましたねぇ。さすが、直木賞受賞作だと思いました。