形式:文庫
出版社:河出書房新社
「手の内を知らせながら物語を組む快感に徹しているということが、ついに澁澤がたどりついた遊びの極致だったろう」(松岡正剛『千夜千冊』)……全8篇。中では表題作の『うつろ舟』がオカルティックな伝承を踏まえつつも、逸話からはみ出し、時空を越えたエピソードが追加され呆気にとられる(誉めてます)。『ダイダロス』は宋の国を求めて鎌倉の将軍が建造したものの、船出することもないままさびれていく巨大な船、船の中では繡帳の美人画が将軍を待ち続ける……作品集での掉尾が似合う儚さ漂う作品。読了後溜息をついた。
→特に「護法」は、三島由紀夫との交友を回顧したもののように感じられた。彦七が澁澤で乙天護法が三島である。そう思い出すと、彦七が歴史的な人物の家系につながっているという記述(澁澤栄一が親戚)や、幼馴染と結婚したが顔を変えてもらう話(澁澤の最初の妻は幼馴染で詩人の矢川澄子だったが後に離婚)など、自身の伝記的事実とイメージが重なる。↓
→また、護法が術によって、腹を切って内臓を調整してしまうことや、首を切って頭部を入れ替えるシーンなどは、三島のあの事件を思わずにはいられない。最後に、死んだ女房が残した卵から龍が孵る。「あの龍はおれの子だったのだろうか、それとも護法の子だったのだろうか。どっちでもいいといえば、どっちでもいいようなものだが・・・」どうしても、「龍」を作品の謂いとして読んでしまいますよね。
ぶちぱんださんも好みで嬉しいー( ´͈ ᵕ `͈ )♡古典の説話のようなのにいきなり現代的だったり、え…って引くぐらいエロスある感じ好きです♡♡
ちなさん、舞台は江戸時代とかだったりするけど、時代性を感じさせない風だったり、中には跳んでいるのも。そして官能的な描写はすっと心に入り込まれる感じがなんとも言えない味に(^^)。
読んだよ( ´∀`)、場面を何度も再生するというの、分かる気がする。どれもさらりとした表現ながら印象的に頭に入り込んでくるからねえ。澁澤さん、いいねえ(^^)。
ぱんださんも読んだ〜‹‹\(*´ω`* )/››ꔛꕤ
まさに酔っぱらったよ。この世界観。読み終えて、それが醒めきらない感覚、覚束なさもまたいい感じだった( ´∀`)。また澁澤ワールドへ向かうよ。
わぁーい♡♡ぶちぱんださんも\(๑ ́ω`๑)/うふふー💓酔っ払いますよね♡♡訳わかんない感じむちゃ好きです( ´͈ ᵕ `͈ )♡一緒に澁澤ワールド追いかけましょうね♡♡
表題作では互いの雁首を投げ合う。雁首とは亀頭の意味も持つ。それを投げ、受け取り、また返すとは何とあっけらかんとした交接の表現だろうか。 女の開中に納めれば春を呼ぶ唐の珍宝の玉石を描いた『花妖記』が白眉。
麻衣ちゃんの澁澤龍彦もそそるねぇ。生きるには尻尾を切らなくてはならない時がある。何かを得るには何かを失わなくてはならないみたいに。わたしのために生きて。たとえ尻尾を失っても、という菊燈台のメッセージが聞こえてきそうです。(^^)
【図書館本】初、澁澤龍彦!買えばよかった〜!と思ったくらいには好きでした。彼の描く耽美な世界に惚れ惚れ。言葉が美しく艶めかしい。
麻衣さん*やっぱり手元に置いときたいよね!素敵だった〜♡菊燭台はほんと好き!ラストの描写がとくに(*´꒳`*)読みたくなったなんてうれしい!麻衣さんのレビューも楽しみ(*´◒`*)酔わせてね♪
そもそも幻想文学とは夢と現実の狭間にあって、それは言い換えると理性とそれに反する欲求から生まれるものかもしれない。人間の性的欲求や嗜虐性が代る代る訪れる。幻想とアブノーマルの親和性の高い短編集である。
追記。「魚鱗記」少年がもたらす少女の死。心霊オカルト的な展開は有りがちだが、不気味なのは〈ヘシスペル〉なるスノッブ達が興じた奇妙な遊戯。魚を苦しめて眺めるその至極残虐で悪趣味な映像が妖しさを醸し出している。
さっそくに読了されたのですね。よかったでしょう。
ヴェネツィアさん→はい、とても良かったです(ღ˘᎑˘ღ)ヴェネツィアさんには感謝です☆
たーぼーさん、ありがとうございます。嬉しいです。こちらからも登録させていただきます。よろしくお願いします。
こちらこそ、よろしくお願いします!
そうそう!絶妙なんですよね!٩(ˊᗜˋ*)و
YMさんもそう感じますか。この澁澤さんの語り口にすっかりはまりました。
やっぱり面白かったのですね!これも読む!
mii222さん、やっぱりよかった!(๑>◡<๑)
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「手の内を知らせながら物語を組む快感に徹しているということが、ついに澁澤がたどりついた遊びの極致だったろう」(松岡正剛『千夜千冊』)……全8篇。中では表題作の『うつろ舟』がオカルティックな伝承を踏まえつつも、逸話からはみ出し、時空を越えたエピソードが追加され呆気にとられる(誉めてます)。『ダイダロス』は宋の国を求めて鎌倉の将軍が建造したものの、船出することもないままさびれていく巨大な船、船の中では繡帳の美人画が将軍を待ち続ける……作品集での掉尾が似合う儚さ漂う作品。読了後溜息をついた。