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うつろ舟―渋澤龍彦コレクション   河出文庫 (河出文庫 し 1-41 澁澤龍彦コレクション)

感想・レビュー
70

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玄趣亭
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澁澤龍彦が晩年物語を書き始めた時、その自在な内容に惹かれつつも、初読時は何が語られているのか理解できず途方に暮れた記憶がある。今回再読してみて、一つ一つの物語の内容はバラバラだけど、少なからず共通するイメージを見つけた。重層的な語り、交換する肉体、乾いたエロティシズム、球体あるいは卵形のオブジェなど。説話や伝承から取った綺譚の枠組みの中、空想が死と生、虚と実、過去と現実などを往復運動して作品として形成された感じだ。その形が球体めいた印象と捉えてしまうのは、澁澤ワールドに填まりすぎたせい?
玄趣亭

「手の内を知らせながら物語を組む快感に徹しているということが、ついに澁澤がたどりついた遊びの極致だったろう」(松岡正剛『千夜千冊』)……全8篇。中では表題作の『うつろ舟』がオカルティックな伝承を踏まえつつも、逸話からはみ出し、時空を越えたエピソードが追加され呆気にとられる(誉めてます)。『ダイダロス』は宋の国を求めて鎌倉の将軍が建造したものの、船出することもないままさびれていく巨大な船、船の中では繡帳の美人画が将軍を待ち続ける……作品集での掉尾が似合う儚さ漂う作品。読了後溜息をついた。

01/22 14:18
0255文字
tonpie
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ネタバレ澁澤の晩年期の短編8編からなる小説集。 怪異譚なのだが、ちょっと脱力したユーモアがあって予想外の独特の味わいだった。登場人物は谷崎の言うように「愚かという美徳を十分に持っている」品のある人々で、怪異そのものより、それを語る人の端正な表情が印象に残る。 「日本霊異記」を思わせる説話スタイルだが、もちろん洗練された現代日本語。作者コメントが自在に参加してくるなど、現在と地続きの怪異が描かれていると感じさせる。エロチックな女色の話柄が多いが、それと対比するように男同士の交際、友情を感じさせる話も多かった。↓
tonpie

→特に「護法」は、三島由紀夫との交友を回顧したもののように感じられた。彦七が澁澤で乙天護法が三島である。そう思い出すと、彦七が歴史的な人物の家系につながっているという記述(澁澤栄一が親戚)や、幼馴染と結婚したが顔を変えてもらう話(澁澤の最初の妻は幼馴染で詩人の矢川澄子だったが後に離婚)など、自身の伝記的事実とイメージが重なる。↓

01/17 16:49
tonpie

→また、護法が術によって、腹を切って内臓を調整してしまうことや、首を切って頭部を入れ替えるシーンなどは、三島のあの事件を思わずにはいられない。最後に、死んだ女房が残した卵から龍が孵る。「あの龍はおれの子だったのだろうか、それとも護法の子だったのだろうか。どっちでもいいといえば、どっちでもいいようなものだが・・・」どうしても、「龍」を作品の謂いとして読んでしまいますよね。

01/17 16:52
0255文字
maririn
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澁澤氏晩年の8編からなる短編集。 全体的に軽快で華やか、妖美な雰囲気。 エロティック、グロテスクな描写もあるが、明澄でリズミカルな筆致の為、抵抗なく受け入れられユーモアすら感じる。 奇天烈な展開と繊細な心理描写は「大人のお伽話」のようで、とても楽しかった。
0255文字
yajimayajiuma
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ネタバレ渋澤龍彦はサドで有名だが、エログロが描かれていながらどこかユーモアがあるところは共通している。一つ目の「護法」からして、臓物を取り換えられることに対して「ちょっと困るよ」みたいな反応なのが滑稽。しかし、オチで起きていることはおぞましい。表題作は、やはり怪しくも美しい女性と生首を投げ合うという発想の突飛さが秀逸。この作品にせよ「花妖記」にせよ、おどろおどろしい内容に対して女性の妖艶さ、色香が漂うような文体が特徴。それもあり、下品になってもおかしくない内容でもどこか神秘的で、まさに幻想と言える短編集だ。
0255文字
999
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なかなか面白かった。こういう感じの雰囲気はけっこう好き。表題作や菊燈台、髪切り、ダイダロスなどなどなかなか良い。
0255文字
Mark.jr
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この時期の著者の作品は、泉鏡花がそのまま現代にアップグレードしたかのような優れた幻想文学で、ハズレはないと言ってもいいですが。特に表題作が本書の中でも際立って奇天烈でお気に入り。
0255文字
buchipanda3
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古典の説話集のような読み味の奇譚集。こういうのは好み。さらりと軽妙な語り口に惹き込まれ、気が付けば虚実の入り混じった奇異な物語を読み耽っていた。ひと時代もふた時代も前の俗世間を舞台に、ふいと現れる面妖な出来事。願いを叶える護法仏像、菊麻呂の人間燈台、繍帳の哀しき天平美人、うつろ舟の首の鞠投げ、そして何と高尚な小水かっ。それも時空を超える曰く付き。どれも場面が目の前に浮かぶような描写で呆然と見入った。読み終えるとはたと酔いから醒め、現実との境界をふらつく面持ちに。これがオイフォリーか。またこの世界観を望む。
ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中

ぶちぱんださんも好みで嬉しいー( ´͈ ᵕ `͈ )♡古典の説話のようなのにいきなり現代的だったり、え…って引くぐらいエロスある感じ好きです♡♡

01/17 00:26
buchipanda3

ちなさん、舞台は江戸時代とかだったりするけど、時代性を感じさせない風だったり、中には跳んでいるのも。そして官能的な描写はすっと心に入り込まれる感じがなんとも言えない味に(^^)。

01/17 00:39
4件のコメントを全て見る
0255文字
みあ
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夢と現をさ迷うような、現世と黄泉の狭間を漂うような幻想的な8つの短編小説集。澁澤龍彦の魅力が凝縮されたお酒を飲みほろ酔い気分になったような錯覚すら感じる。日本語の美しさと妖しさに心惹かれ、その言葉の繊細かつ妖艶な操り手が著者である。この短編集には魔性の女が出てくるが、魔性の作家というのも存在するだろう。いずれの作品も妖しく美しく甲乙つけがたいが、「魚鱗記」、「うつろ舟」、「ダイダロス」が特に印象に残った。それとは別に「菊燈台」が一番私の趣味嗜好に合っている。作品の出来とはまた別の問題であるが…。
0255文字
渡邊利道
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本朝時代物幻想譚。短編小説として随分完成度が高まっていて、これが最後の短編集であるというのが後から見れば出来すぎな気もするが、しかしこれからもっと逆にゆるくなったり少し長いものを書いたりという変化が見られなかったのはやはり残念だ。特に「ダイダロス」のような自由な筆使いを見せられたらなおのことそう思わずにはいられない。
0255文字
みどどどーーーん(みどり虫)
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読み友さんのレビューから。こういう本に出会えると、改めて読書から得る幸せを感じる。わくわくと楽しく、時にはしっかりとは描き切れずに迷い揺れるように、私の頭の中のスクリーンが、想像できる範囲でながらも、書かれた世界を好き勝手に映し出す。もしかしたら作者が見せようとしてるものとは異なっているかも…。でも私にはそれがあまりに楽しくて、何度も同じ場面を再生してはニッコリ…いえいえニヤリかな…?としてしまうのです。「魚鱗記」「菊燈台」「うつろ舟」を脳内画面に映し出すのが特に楽しかった。。。ふふっ。。。これ好き。。。
buchipanda3

読んだよ( ´∀`)、場面を何度も再生するというの、分かる気がする。どれもさらりとした表現ながら印象的に頭に入り込んでくるからねえ。澁澤さん、いいねえ(^^)。

01/16 20:24
みどどどーーーん(みどり虫)

ぱんださんも読んだ〜‹‹\(*´ω`* )/››‪ꔛ‬ꕤ

01/16 20:54
22件のコメントを全て見る
0255文字
mocha
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各地の伝奇を基にした幻想短編集。エロ・グロ・ナンセンスも著者の手にかかれば一場の夢ように妖しく美しい。あれはどうなったの?結局誰だったの?と読後も腑に落ちないことだらけだったりするが、それもまた夢の如し。『魚鱗記』『ダイダロス』が印象に残った。
0255文字
ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中
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ネタバレビードロの水槽の中で、とりどりの魚は哀しい死のダンス。精霊流しの小舟に入る異国の女性は天女の微笑み。夜になると無垢に笑って首で手毬唄。 筥は死者からの贈りもの。希望も絶望も入っています。決して開けてはなりません。鸚鵡のことばは蛇の声。欺かれてはいけません。舟は生の向こうのくにから訪れるもの。珠は神々の戯れもの。美しく見えるものほど触れてはなりません。なあんて、破る為にあるのよ。 月もない夜に打ちよせる波の静けさ。オイフィリー、無限の陶酔。多幸症。 「燃えてもいいの。わたしは火の中が好き」
buchipanda3

まさに酔っぱらったよ。この世界観。読み終えて、それが醒めきらない感覚、覚束なさもまたいい感じだった( ´∀`)。また澁澤ワールドへ向かうよ。

01/16 20:25
ちなぽむ and ぽむの助 @ 休止中

わぁーい♡♡ぶちぱんださんも\(๑ ́ω`๑)/うふふー💓酔っ払いますよね♡♡訳わかんない感じむちゃ好きです( ´͈ ᵕ `͈ )♡一緒に澁澤ワールド追いかけましょうね♡♡

01/16 20:56
17件のコメントを全て見る
0255文字
トネリコ
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ネタバレ「護法」「魚鱗記」「花妖記」「髑髏盃」「菊燈台」「髪切り」「うつろ舟」「ダイダロス」の8短編から成る。澁澤版古今著聞集といえよう。うつろ舟にのって古今東西あったかもしれないと思わせるような幻想世界をたゆたってゆく。珠玉の短編集。文字通り珠のモチーフが至る所にあらわれる。明恵上人は愛着の石をいつも身辺においていたというエピソードを澁澤の何かで読んだ記憶があるが、彼自身もまた珠というものに魅せられた人だったのだろうと感じた。
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Koji
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地方に語り継がれた奇伝は、人が日常の不条理と折り合う知恵であり、自らが自然の一部であることを忘れぬための戒めだったのだろう。だが、筆者が紡ぐ物語は夜陰に忍んで僕らの懐に滑り込み、その結び目をくすぐる。孤鴛の恨みを解く白梅、人魚や龍との交わり、天狗の背に負われ沈んだ井戸、鞠投げのように互いの雁首を投げ合ったうつろ舟での戯れ。いずれも、どこまで現でどこから幻なのか。そして、自分はいったい何者なのか。惻隠の情、海の底に沈んだ記憶、身内に湧く理由の分らぬ衝動。しきりに翻る桃浪。魚の水源。開けてはならぬ帳が上がる。
Koji

表題作では互いの雁首を投げ合う。雁首とは亀頭の意味も持つ。それを投げ、受け取り、また返すとは何とあっけらかんとした交接の表現だろうか。 女の開中に納めれば春を呼ぶ唐の珍宝の玉石を描いた『花妖記』が白眉。

03/15 05:42
Koji

麻衣ちゃんの澁澤龍彦もそそるねぇ。生きるには尻尾を切らなくてはならない時がある。何かを得るには何かを失わなくてはならないみたいに。わたしのために生きて。たとえ尻尾を失っても、という菊燈台のメッセージが聞こえてきそうです。(^^)

03/17 07:52
0255文字
alcedo
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国内の近世を主な舞台に幻想と官能にひたる短編集。古典の博識な知識を源流として、魅力的な文体に、世にも奇妙な物語が繰り広げられる。今回、鎌倉が多いのは筆者の住まいの近くというのも理由の1つか。この筆者でしか味わえない不思議な世界をぜひどうぞ。
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水零
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くるり、ひらり。己の衝動のまま身体をよじらせ、赤に染まり、黄が閃き、青に沈む。美しいそれは、その身に何が起きているかも気づかぬまま、瓶を飛び出し地に堕ちる。ゆるく遠退く意識の端で「あぁ、死ぬのか」やっと気がつく。火の中で笑う女に、南蛮の美女と互いの首を投げ合う男。なぜ、こうなってしまったのか。あの時、女に付いて行かねば。あの夜、匣を開けなければ。理由などはない。ただ、己の衝動のまま、融けあい、蓋を開けた。不安、高揚、浮遊感。論理的な世界から弾き出された私は空を見入る。瓶の中にいた、狂い死んだ金魚のように。
水零

【図書館本】初、澁澤龍彦!買えばよかった〜!と思ったくらいには好きでした。彼の描く耽美な世界に惚れ惚れ。言葉が美しく艶めかしい。

11/10 09:05
水零

麻衣さん*やっぱり手元に置いときたいよね!素敵だった〜♡菊燭台はほんと好き!ラストの描写がとくに(*´꒳`*)読みたくなったなんてうれしい!麻衣さんのレビューも楽しみ(*´◒`*)酔わせてね♪

11/10 18:08
0255文字
ひろえいおう
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ゆっくり読みました。不思議なせかに酔いながら、鎌倉の地が違って見えてきました。
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Melody_Nelson
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小説として上手いとか下手とか関係ないドラゴニア・ワールド。この独特の世界観に浸れるのは、まさに「オイフォリー」なのかも。エロスと怪奇、残酷が織りなす、幻想的な世界。表題の「うつろ舟」をはじめ、少し凝ったプロットのものもある。氏が住んでいた鎌倉が舞台となっているものも少なくないので、個人的には雰囲気もつかめる。今度は「唐草物語」も読んでみよう。
0255文字
春の夕
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読了
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dubonnet
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萩尾望都氏の描く漫画が好きである。性別未分化な堕天使、神々に愛されてしまったような美しい少年が出てくる漫画が取り分け。儚く哀しい運命に翻弄されるだけではなくどこか毒性があり周囲をも道連れにするような。閑話休題、そんな彼らを想起させる、人間を玩弄する少年や青年が妖しくエロティック。そもそも彼らは人だったのか?「護法」は龍の男。「菊燈台」あやかしに愛された男の被虐めいた幻想。一番は表題作。(時空を超えた事象に驚愕の)迸る水音と共に聞こえてくる声がもたらすオイフォリー(多幸感)。アブノーマルすれすれの陶酔感。
dubonnet

そもそも幻想文学とは夢と現実の狭間にあって、それは言い換えると理性とそれに反する欲求から生まれるものかもしれない。人間の性的欲求や嗜虐性が代る代る訪れる。幻想とアブノーマルの親和性の高い短編集である。

04/23 22:46
dubonnet

追記。「魚鱗記」少年がもたらす少女の死。心霊オカルト的な展開は有りがちだが、不気味なのは〈ヘシスペル〉なるスノッブ達が興じた奇妙な遊戯。魚を苦しめて眺めるその至極残虐で悪趣味な映像が妖しさを醸し出している。

04/23 22:54
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麻衣
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長年読みたいと渇望していた本を時間潰しにはいった古本屋の見切り品コーナー(なんてもったいない!)でみつけ狂喜乱舞し、スキップしながら会計へ。さらにそれが自分の期待を遥かに上回る素晴らしさと美しさで、なんかもうしあわせすぎて本に殺されそう。
0255文字
小杜
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"わたしは実朝公の夢に、かたちをあたえてやりたかったのだと思う。育王山も大船も、そのため以外のものではなかった。 〜 なるほど、だましたといえば、だましたことになるかもしれない。しかし、これだけは今でも誇りをもっていうことができるが、わたしはあの悲運の将軍家に、だれもあたえることのできなかった、生涯を通じて最大の夢をあたえてやったのだよ。どんな夢だって、かたちがなければ意味がないからな。かたちになって初めて、夢は夢として生きるのさ。これがわたしの職人哲学さ。"
0255文字
青蓮
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「護法」「魚鱗記」「花妖記」「髑髏盃」「菊燭台」「髪切り」「うつろ舟」「ダイダロス」幻想譚8編収録。古典怪異をベースにした、とても澁澤さんらしい、大人向けのお伽噺。作品のタイトルからして、妖しさが匂い立つよう。読んでいて夢現を彷徨うような心地よさがあります。物語の展開を予想できない面白さもあって、とても楽しめました。
ヴェネツィア

さっそくに読了されたのですね。よかったでしょう。

12/15 16:07
青蓮

ヴェネツィアさん→はい、とても良かったです(ღ˘᎑˘ღ)ヴェネツィアさんには感謝です☆

12/15 16:08
0255文字
Me
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お小水が唱える諸行無常の法文に眉間を撃ち抜かれる。嗚呼オイフォリー、世界が恐ろしく明るい光にみちて行く。全てはほんのお遊び、幻燈のロンドが頭の中で鳴り響けば、縷縷たる夢に堕ちて行く。鸚鵡が笑い、身体に甘い寂しさだけが残る。妖しい美女を、美しい狂気を、興じる恐怖を、恐ろしい恍惚を、すべてはうつろ、すべてはうつろう。良かった、大いに。
0255文字
ぎんでい
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こういう漢の書や古典、海外文学の端々から設定や文を得て書く小説の形式をなんというのか知らないが、調べなければ気付かなかったものもあれば、これは、と思うものまであって楽しい。恐怖や痛みを感じないキャラクターを取り巻く、幻想的でホラーめいた話を、旅程でもサクッと読める短編で楽しめて満足。またふらっと読みたいときに他の本も買おう。
0255文字
galoisbaobab
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古典怪異譚を澁澤龍彦がいい感じの変態短編小説に仕上げていてとても面白い。オレも澁澤龍彦の変態センサが欲しい。
0255文字
きょちょ
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幻想短篇8作。 「護法」が図抜けて良かった。護法童子が訪ねてきて気軽に酒を酌み交わす。彼の人(?)の良さ気さくさ、そして何よりも話の展開が実に奇抜で面白い!  「魚鱗記」は実に想像力を掻き立てられる。 「ダイダロス」に登場する縫帳(ぬいもの)の女性が好きだなぁ。 ★★★★
0255文字
rinpei
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その世界に入るために書いているようで、従ってこちらもその世界に入るために読んでいるよう。「護法」「花妖記」など脳髄の芯がしびれるような官能的な余韻がたまらない。
0255文字
ミエル
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猛暑をひんやり乗り切りたくて、読んだばかりなのに再読。ふわふわする浮遊感とゾクッとするオカルト加減の妙技に満足。エロとノスタルジー溢れる大人向けファンタジー、読了感に寂しさを感じる不思議感が癖になる。
0255文字
ミエル
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変わらず独特の耽美な文学を堪能できて読福。うつろ舟、タイトルだけで十分満足なんだけど、やっぱり裏切らない世界観。
0255文字
Mishima
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夢幻の淵をさまよう作品集。エロスと死が交差する幻惑が氏の手にかかれば美しきおとぎ話として堪能される。めくらまし効果は、やはり表題作が秀逸かな。他「護法」「魚鱗記」「花妖記」「髑髏盃」「菊燈台」「髪切り」「「ダイダロス」収録。こう書き連ねていくと、タイトルが既に妖気的な予感を彷彿とさせる。何れ劣らぬ珠玉の短編。
0255文字
安南
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『ダイダロス』は由比ヶ浜の砂に埋もれた大船がモティーフ。実朝自体は登場しないが、彼の寂寞、墜えた夢が濃霧のように朽ちていく船を覆っている。表題の『うつろ舟』補陀落渡海ものかと期待したがこちらは「他界から来た神々の乗り物」としてのうつろ舟。言葉通りならば中は空っぽということか。諸行無常 の法文を象徴しているのだろうが、そんな故事説話、死や仏法さえも作家の手にかかれば皆等しくお遊びの種になる。どの短編も稚気とユーモアが感じられて、後味は清々しい。澁澤玩具のイリュージョンにクラクラと酔う悦び。
安南

たーぼーさん、ありがとうございます。嬉しいです。こちらからも登録させていただきます。よろしくお願いします。

02/28 16:41
たーぼー

こちらこそ、よろしくお願いします!

02/28 16:59
3件のコメントを全て見る
0255文字
mii22.
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昔話のような、夢物語のような、妄想のような、ちょっとエロティックで、ユーモアがあって、ゾクッと怖い...その絶妙なバランスがなんともいえずいい!夢うつつの世界楽しみました。
YM

そうそう!絶妙なんですよね!٩(ˊᗜˋ*)و

12/31 07:23
mii22.

YMさんもそう感じますか。この澁澤さんの語り口にすっかりはまりました。

12/31 08:53
0255文字
YM
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あー、澁澤最高だあ。オイフォリーだよー。むかし話みたいな語り口も現実離れしてていいわあ。みんなちゃんと変態なとこもさすがだなあ。ちょっと怖くて、生々しくエロティックな夢をみて、あーもっかい見たいと思って目を閉じるけど、もう見れない…。すごいリアルな感覚が残ってる気がして、ちょっとうっとり。。忘れた頃にもっかい読むかな。でもしばらく頭から離れん。
mii22.

やっぱり面白かったのですね!これも読む!

12/10 22:39
YM

mii222さん、やっぱりよかった!(๑>◡<๑)

12/10 22:40
3件のコメントを全て見る
0255文字
桜もち 太郎
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妄想が時空を超え、あらぬ方向にたどり着き、悪さをするような感じの物語。まことしやかに語られるエロチックな幻想が面白い。まだまだ読むべき作家、本があるもんだなぁと感じた。
0255文字
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うつろ舟―渋澤龍彦コレクション   河出文庫 (河出文庫 し 1-41 澁澤龍彦コレクション)評価78感想・レビュー70