→特に「護法」は、三島由紀夫との交友を回顧したもののように感じられた。彦七が澁澤で乙天護法が三島である。そう思い出すと、彦七が歴史的な人物の家系につながっているという記述(澁澤栄一が親戚)や、幼馴染と結婚したが顔を変えてもらう話(澁澤の最初の妻は幼馴染で詩人の矢川澄子だったが後に離婚)など、自身の伝記的事実とイメージが重なる。↓
→また、護法が術によって、腹を切って内臓を調整してしまうことや、首を切って頭部を入れ替えるシーンなどは、三島のあの事件を思わずにはいられない。最後に、死んだ女房が残した卵から龍が孵る。「あの龍はおれの子だったのだろうか、それとも護法の子だったのだろうか。どっちでもいいといえば、どっちでもいいようなものだが・・・」どうしても、「龍」を作品の謂いとして読んでしまいますよね。
長いトンネルをひとりで歩いている夢。出口のことなど気にならない。
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→特に「護法」は、三島由紀夫との交友を回顧したもののように感じられた。彦七が澁澤で乙天護法が三島である。そう思い出すと、彦七が歴史的な人物の家系につながっているという記述(澁澤栄一が親戚)や、幼馴染と結婚したが顔を変えてもらう話(澁澤の最初の妻は幼馴染で詩人の矢川澄子だったが後に離婚)など、自身の伝記的事実とイメージが重なる。↓
→また、護法が術によって、腹を切って内臓を調整してしまうことや、首を切って頭部を入れ替えるシーンなどは、三島のあの事件を思わずにはいられない。最後に、死んだ女房が残した卵から龍が孵る。「あの龍はおれの子だったのだろうか、それとも護法の子だったのだろうか。どっちでもいいといえば、どっちでもいいようなものだが・・・」どうしても、「龍」を作品の謂いとして読んでしまいますよね。