読書メーター KADOKAWA Group

Miho
さんの感想・レビュー

Miho
新着
1980年代のイラン革命後、15歳のファリンは名門女子校に通っている。革命防衛派が町中で監視する中で、親が国王派であることが周囲にばれないかとひやひやしている。うかつに意見をいえない風潮だ。すでに、有能な告げ口屋のクラスメートがいるため、ファリンは思考を封じ込めている。ある日、ファリンはサディーラという転校生と恋に落ちる。だが、この地で同性愛は禁止されている。二人はひそかに心を通じあわせ、愛を確かめるために九時に月を一緒に見上げるのだった……人を愛するのに、政治も革命も宗教もないよね、と思わせる作品。
Miho

もうひとつ大事なテーマは、子どもは別の人格で、親の所有物ではないことだ。ファリンの母は毒親だが、ファリンは芯が強くNoと言える子だというのが、この物語を興味深くしている。終盤からの怒涛の展開には息を飲むほどだ。とても重い内容だが、史実をもとにしてると知りいろいろ考えさせられた。

01/14 02:09
  • ヴェネツィア
  • みわーる
0255文字
全1件中 1-1 件を表示

Miho
さんの最近の感想・レビュー

拝啓パンクスノットデッドさま (くもんの児童文学)

拝啓パンクスノットデッドさま (くもんの児童文学)

石川宏千花
団地に住む高2の晴巳は、中2の弟、右哉とほぼ2人暮らしだ。父はおらず、母は数ヶ…続きを読む
ワンダー Wonder

ワンダー Wonder

R・J・パラシオ
生まれつき顔が異形のオギーがはじめて学校に通いはじめる。顔以外は、まったくふつ…続きを読む
リフカの旅

リフカの旅

カレン・ヘス
作者の大叔母の体験をもとに書かれた作品。1919年、ユダヤ人の12歳の少女リフ…続きを読む
完全版 マウス――アウシュヴィッツを生きのびた父親の物語 (フェニックスシリーズ)

完全版 マウス――アウシュヴィッツを生きのびた父親の物語 (フェニックスシリーズ)

アート・スピーゲルマン
タイトル通り、アウシュビッツを生きのびた父のほぼ一生を描いている。その父は聖人…続きを読む
クリスマスを救った女の子

クリスマスを救った女の子

マット ヘイグ
舞台のエルフ村ではお金がチョコレートでできている。ファーザー・クリスマスが、ク…続きを読む
おちゃめなふたご (ポプラポケット文庫 412-1)

おちゃめなふたご (ポプラポケット文庫 412-1)

エニド ブライトン
イーニッド・ブライトン『おちゃめなふたご』読了。寄宿学校というときめきの舞台設…続きを読む

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2015/02/23(3664日経過)
記録初日
2015/02/22(3665日経過)
読んだ本
534冊(1日平均0.15冊)
読んだページ
163484ページ(1日平均44ページ)
感想・レビュー
141件(投稿率26.4%)
本棚
0棚
性別
外部サイト
自己紹介

アイコンは『ツバメ号とアマゾン号』にでてくるペミカンです。

読書メーターの
読書管理アプリ
日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう