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kero385
さんの感想・レビュー

kero385
新着
稀代の読書家、松岡正剛氏が、「読書には『ドッキ』というものがある。ドッキは『読機』だ。その本をいつ読んだのかということ、いつ通過したのかということ、そこにその本とわれわれのあいだにひそむドッキがある。」と書かれた。少し意味はずれるかもしれない。でもフォークナー「スノープス三部作」の第二部「町」を読んだ今は、私にとって、まさしく「ドッキ」かもしれない。TVや新聞では、何千何万の生命に関わるかもしれないのに、まるでショーのように半ば仕組まれた茶番が、しかもフォークナーを生んだ国の長が喚いている。
kero385

フォークナーが社会を腐食させる白蟻と名付けた「スノープス的」なるものの権化が、ヨクナパトゥーファ群だけでなくアメリカ中に広がっているのだ。いや他所のことではなく我が国も含め世界中に。優れた小説は予言的だ。「町」は、今こそ読むべき小説だと思う。

03/04 21:32
  • syaori
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  • 風に吹かれて
kero385

少し思いが先行し過ぎた。(ポーランドの元大統領ワレサ氏の表明を読んだのが大きい。)フォークナー最後の大作「スノープス三部作」の第二部は、少年、弁護士、訳知りの行商人の三人の語り手が、第一部「村」で、卑劣な手で成り上がる元手を作り、ジェファソンと言う中心の町に進出したフレム・スノープスがさらに狡猾にのし上がる顛末を語る小説。

03/04 21:51
  • NAO
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kero385

自分の私利私欲の為には、同じ一族だろうと、妻だろうと、自分の子ではないが、娘だろうと利用する。それでいて体面は取り繕う。それがこの小説の主題だけれど、対旋律として弁護士ギャヴィン・スティーブンスの悲恋も描かれる。愛を持たないフレムと愛するが故に断念せざるを得ないギャヴィンの物語でもある。偽善と自己犠牲の闘い。結末は残酷だ。

03/04 21:51
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読書データ

プロフィール

登録日
2024/10/21(159日経過)
記録初日
2023/02/04(784日経過)
読んだ本
112冊(1日平均0.14冊)
読んだページ
37263ページ(1日平均47ページ)
感想・レビュー
75件(投稿率67.0%)
本棚
0棚
自己紹介

2024年10月に参加したばかりですが、よろしくお願い申し上げます。

ここしばらくは、学生時代好きだったフォークナーを読み直しています。

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