読書メーター KADOKAWA Group

2024年1月の読書メーターまとめ

がらくたどん
読んだ本
36
読んだページ
9147ページ
感想・レビュー
36
ナイス
4106ナイス

2024年1月に読んだ本
36

2024年1月のお気に入られ登録
6

  • あさくらひさいち
  • カムラ
  • チャック
  • 魅乃乎minoco19860125
  • ハル
  • あおい

2024年1月にナイスが最も多かった感想・レビュー

がらくたどん
頭で考えた事を実際にやってみるのは基本的に楽しい。ただし「自動的に」上手くいくとは限らない。「その気になった」先で不確定要素に足を掬われた時にどれだけ楽しさを思い出して踏ん張れるかかも。ヤンキー・ヒッキー・ママにジジ。難あり癖ありの定時制高校生に「科学の実験しませんか?」と忍び寄る理科教師がひとり。「実験てのはね、想定外の結果がでてからが本番だよ」終盤で彼が思い出す言葉が良い。その気になれる場所があってそこに見守る人がいれば、その空間にはまだ見ぬ宇宙に繋がる扉だって。不確実に怯える時代への可能性の花束♪
アーちゃん
2024/01/14 19:44

ヤンキー・ヒッキー・ママにジジ、正にバラエティに富んだ部員たちでしたね(*^-^*)真耶ちゃんについては新宿が舞台という事で私も心配です。この作品、単にいい話だけじゃなくて例えば長嶺さんが発した「身の丈」という言葉のようにきちんと現実も描いているところがとても良かったと思います。

がらくたどん
2024/01/14 21:50

アーちゃん、ありがとうございます。「その気になれる場所」って真っ当なものほど見えるところに用意して待つしかできないんじゃないかと。図書館なんかもその類だと思っています。やる気が報われたと錯覚させるダークサイドほど誘いが強いので、この物語は貴重だなと思いました。そして私も「身の丈」の話はとても記憶に残っています。身の丈って夢があるとゆっくりだけど伸びるのかもって思いました。素敵な作品でしたね(*^。^*)

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2024年1月にナイスが最も多かったつぶやき

がらくたどん

まだ明けて三日とは思えない困難の連打に心穏やかとはとても言えないお正月ですが、こんな時こそ書かれたものの中から少しでも希望の種を拾い集めたいものだと思ってもおります。今現在困難の渦中にいらっしゃる読書家様にとっても古今の書物が少しでも安心毛布になりますように。(先月は不思議と古い手持ちの資料本が日の目をみた読書でした。本との出会い直しは心躍るものがあります)https://bookmeter.com/users/1145524/summary/monthly/2023/12

まだ明けて三日とは思えない困難の連打に心穏やかとはとても言えないお正月ですが、こんな時こそ書かれたものの中から少しでも希望の種を拾い集めたいものだと思ってもおります。今現在困難の渦中にいらっしゃる読書家様にとっても古今の書物が少しでも安心毛布になりますように。(先月は不思議と古い手持ちの資料本が日の目をみた読書でした。本との出会い直しは心躍るものがあります)https://bookmeter.com/users/1145524/summary/monthly/2023/12
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2024年1月の感想・レビュー一覧
36

がらくたどん
ネタバレ28年の時を経て電脳空間で「別れたヒトに会った」男女のそう目論見通りには「別れても好きなヒト」ってことにゃならんよというお話。読み手としては、男女のメッセージのやり取りを読むうちに双方の明るい部分・昏い部分の襞が増えて「人物像」が重層的になっていくのが面白い。「まさか、こんな人だったとは」という感慨は往々にしてある部分を図として認知していなかったことによる錯視の結果だと思っているのでルビンの反転図形はナイスな例え。最後まで読むと随所に昏い図の痕跡が仕込まれていたことに思い至れるのも楽しい心理劇だった。
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がらくたどん
多数のシリーズをお持ちの作者だが私はご自身の監察医経験を生かした作品に惹かれてしまう。英国留学時の思い出話がキッカケで祖母さんのロンドン旅行に付き添う事になった若い日を描いた紀行文を読んだので日本ではなく英国に舞台を移した本作を。一次大戦後のロンドン。タイトルは「骨董店」だが戦地帰りの監察医の弟と戦時は徴兵拒否で収監されていた骨董店店主の兄が女優殺しの謎を解く。ミステリーとしての難解さはないが、互いに負い目を感じて「せっかく生きているのに」向き合えない兄弟の葛藤が丁寧に描かれる温かみのある作品。3巻まで♪
がらくたどん
2024/01/30 14:03

ローウェル兄弟と近しくかかわる兄の幼馴染で温厚・童顔のエミール刑事と兄が養育を引き受けた戦死した親友の息子ケイ君の存在が物語をより暖かなものにしている。文庫版のオマケは父の戦死のショックで失語症となったケイ君をツンデレ弟がロンドン動物園に連れ出してキリンを観るお話。読後感は上々です(*^。^*)

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がらくたどん
人の器と人生の思い切りについての哲学的な考察の巻・・なんちゃって(笑)調味料とインテリアと服が「ゲイっぽい会話」っていうのが面白かった。「ゲイっぽい」の反対は何なのだろう?異性が好きな仕事仲間ではないオジサンが集まってレストランでする会話の典型タイプってどんなんだろう?夫に聞いたら「最近は病気と相続!」と言っていたが、なんか違う気がする・・。揚げ物は熱した油に具材をエイヤと入れて「ジュワ!」となる瞬間が高揚するが最近はほとんど食さなくなってしまった。長ネギのコンソメ煮と蕪のあんかけが美味しそう♪
ミカママ
2024/01/30 23:28

あんかけにすると、おいしさ倍増ですよね🤤

がらくたどん
2024/01/31 20:47

ミカママさん、ありがとうございます(^^)寒い季節は「あんかけ」大活躍なのですが、先日冷たいあんかけを教えてもらったので、今年の夏は挑戦しようと思います!

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がらくたどん
「ローウェル骨董店」の作者さんで表紙がご長寿貼り絵作家の木村セツさんなので手に取った。子ども一同から贈られた80代の祖母の「お姫様セレブ旅」に俄か添乗員となって同伴した孫娘の奮闘記。往復ファーストクラスで滞在ホテルも五つ星!羨ましいな~と読み始めハタと気づく。旅行中は置かれた舞台にふさわしく「貴婦人」の振る舞いに徹しあらゆるサービスと出会えた素敵を最大の感謝でもれなく受け取る祖母姫は、プレゼントがエコノミーな小旅行だったとしても同じ気迫で最大限に自分を楽しませる努力をしてみせたに違いないと。誇り高く謙虚に
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がらくたどん
文庫版のご感想に惹かれて。過去の文学作品自体がミステリーになるというテーマを自分が初めて知ったのは太宰・芥川を取り上げた北村薫の作品だったか。物語の祖『源氏物語』の成立と頒布過程から謎を紡ぎ出す。探偵役は紫式部。藤原北家の今や斜陽の嫡男系から入内した定子と栄華を手にした三男坊の娘彰子の双方から猫が消える事件を助走に、趣味として書かれた奔放な宮中禁断恋愛物語に忍び寄る散佚疑惑の謎解きに震撼し、帖題のみが伝わる「雲隠」の真相で大きなカタルシスを味わう構成。迷い無き剛腕権力に優美な文学が放つ悔悛への一矢が見事♪
がらくたどん
2024/01/29 20:30

ちょろこさん、ご紹介&コメントをありがとうございます。<「輝く」ではなく、「かかやく…」だったのかも巧いミステリポイント>そうそう!中世の「かかやく」には「赤面するほど恥ずかしい」っていうその後は消えちゃった意味がありましたもんね。今読んでも「うひょ~」な内容だったかも( *´艸`)

がらくたどん
2024/01/29 20:46

たまさん、ありがとうございます。「今年のドラマで紫式部とその作品と道長の関係がどう扱われるか」いや~、私もめっちゃ楽しみです。今のところ道長君はまだまだ純朴な末っ子君ですが・・。

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がらくたどん
実読は電子書籍。ずっと読みたかったのですがなかなか書店で出会えなくて。今回初めてコミックの電子版にチャレンジしてみました。PC画面での閲覧なので窮屈にも感じず堪能しました。コミック版は「幸福が遠すぎたら」で始まり「お弁当ふたつ」で終わります。物語は病気であったりリストラであったりとままならぬ人生の「哀」の部分を背景にして描かれるのですが、深沢かすみさんの温かみのある素朴な画風が哀切な背景に書き入れられた高田郁作品を読むと強く感じるほのかな暖かさと芯の強さを立ち上がらせているように思えました。良い作品集です
もんらっしぇ
2024/01/27 05:44

がらどんさん、押し売りスミマセン<(_ _)> 何故か読メ「単行本」版を紐づけしていませんが… https://bookmeter.com/reviews/91951349

がらくたどん
2024/01/28 18:25

もんさん、ありがとうございます。いつも登録はISBNからしているのですが、不慣れな電書でどこに登録してよいやら・・。とにかく嬉しい共読となりました♪ご感想もさきほど拝見してまいりました。高田さんのお人柄が感じられる「あとがき」も良かったですね~♪高田郁は「原作も良い」はホントですね(*^。^*)

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がらくたどん
今期の大河にご登場のユースケ安倍晴明が妙にこすからくて実に怪しい。「なんや、藤原かいな。しょうもな」と霊力を小出しに使って裏で舌を出している気がする。この手の実力あるのにちょっと「いけず」な陰陽師をどこかで見た気が。時は江戸、晴明を祖とする陰陽師は全国の占い師や芸能者を統括して市井の揉め事・不満を吸収し解消する幕府お墨付きの治安維持組織となっていた。霊力抜群の陰陽頭・食えない実務派家司頭を敬愛しつつ翻弄されながら若くて真面目な譜代京都触頭の平九郎は時に申(猿)の式神となりながら易者として街に立つのである♪
がらくたどん
2024/01/26 12:03

澤田さんの著作は会話文の言葉遣いが結構「京ことば」で東女の自分にはやや難度が高いのだがこのシリーズは大好き。陰陽師を描きながら特に平九郎の活躍には呪術的・超常的な描写はほとんどない。しかし、その人心掌握術と洞察力には、それが統計と観察に基づいたものだと頭では理解していても「不思議な力が働いているのでは?」と思わせる凄みがある。彼より更に洞察力を磨き上げなおかつ老獪な頭連から見たら時の権力も「しょうもな」という感じなのかもしれない。

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がらくたどん
前作から3年の時を経て足のない元女形と足代わりの純朴鳥屋の芝居小屋怪異帖が再び開幕。人魚と鳥が二人羽織で挑むのは大看板中村座のとても人の仕業とは思えない世にも奇怪な見立て連続殺人。折しも人気二座では過去の実話を翻案した仇討ち狂言が絶賛上演中。愛の為・義の為ならば死ぬも殺すもの筋書きに「これぞ手本」と熱狂する老若男女を繰るはずが、役者もいつしか芸と命の天秤棒の担ぎ手になって行く。猥雑な芝居小屋のむせかえるような化粧粉を透かして玄人役者が人の道に堅気の青年が芸道の業に互いの心を寄せ合う様が愛おしい。お見事!
がらくたどん
2024/01/28 16:47

アーちゃん、ありがとうございます。分かる!作中で馬琴が吟じてましたが、仮名手本の勘平の台詞ですよね。そのイスカが何故か曽我物や現実の男女の機微にまで絡んでいく周到さが楽しかったです。化政期って言うたら鶴屋南北も観たいです。人魚の四谷怪談とか( *´艸`)

デコ
2024/02/28 17:18

いすかの読み解きが凄いですね。思わず合点

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がらくたどん
もともと幸田文は好きなのだが嶋津輝さんの「姉といもうと」と『襷がけのふたり』を読んでしまったら再読せずにはおれんでしょう♪四角く育った素堅気の中年後家梨花が寮母・掃除婦・犬屋の女中を経て斜陽の芸者置屋の住み込み女中となる。戦前はそれなりの置屋だったようだが、ケチで見栄坊で狡くて情に流されやすく弱くて強かな玄人衆が沈みかけた泥船の上で時代に流れ流されチントンシャンの日常を財も後ろ盾も失ったしかし妙に背筋が伸びた女中の眼が時に鋭く時に暖かくとらえて行く。昭和30年の雑誌読者には梨花の素性は自ずと察せられよう。
内田高裕
2024/01/25 18:38

文上手いですね。ファンになりました。

がらくたどん
2024/01/25 21:55

内田さん、ありがとうございます。照れます(^^;こちらに集われる読書家様方、皆さん素敵な文章を書かれるので、知っている本も知らない本もご感想を拝見しているとホントに楽しく時間を忘れてしまいそうですよね♪

が「ナイス!」と言っています。
がらくたどん
やった、予期せぬアフターお正月レシピ特集巻♪お餅は生協さんで小さめの袋にして購入しているがそれでもなかなか減らない。どうも胃腸から先に高齢化?けんちん汁風お雑煮に乗せたもみ海苔が美味しそう。義父の故郷では浅草海苔ではなく「はば海苔」という海藻的なお海苔を食します。シロさんのちょっと複雑お正月事情。ご実家が面倒なような心配なような。自分の将来を神頼みされていたら子は辛かろうて。実家側になる我が家もできるだけ慎ましく知足安分で暮らす心がけを忘れずにいよう。シロさんの恋愛現状維持プランが面白い。まさに知足安分♪
がらくたどん
2024/01/25 16:05

ミカママさん、ありがとうございます。「真空パック」!!常温保存は神ですね。義父の実家がコロナを機に「餅つき」を行事仕舞いしたので、寂しいような気楽になったようなではあります(笑)

ミカママ
2024/01/25 22:10

あー、確かにうちの本家でも「餅つき」は一家総出の一日仕事でした。お義夫さん、お疲れさまでした。

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がらくたどん
言葉にしろ化学式にしろ音楽にしろ人間が創り出した表現ツールは周囲の混沌として不思議で時に美しい森羅万象をなんとか手元に手繰り寄せあわよくば誰かと共有するための涙ぐましい情動の結晶だと思っている。だから前作で一度遮断した世界との接点を水墨画というツールで結び直そうと透明なシェルターから踏み出した少年が、そのツールを操る技術に呑み込まれかけながら手繰り寄せた世界をさらに誰かと共有する道へと歩み始める本作には大変心を揺すられた。世界や行動のディティールへの観察と描写の熱量が観念的な心情描写を凌ぐ作風が好ましい。
朱
2024/01/22 18:38

もちろんです(^_^)v前作「線は僕を描く」は本屋大賞確実!と思ってました。

こり
2024/01/31 16:09

読みました。水墨画制作のあれこれが凄かったですね!あんな風に競い合って通じ合う、老いや怪我なども含めて家族のような一派。予想以上の迫力でスイスイ読めず、ちょっとくたびれました。

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がらくたどん
装丁が素敵で手にした初めましての作家さん。帯が重い。「狂気」の文字を挟んで現代女性の肉体的な懊悩の癒し手と精神的な懊悩の伝道者が立つ。どうなる事かと読み始めてまず、概念的な所謂「刺さる言葉群」を使わずに登場人物の行動のディティールの丹念な積み重ねで何某かへの感受を読者に委ねる文章が好み。冒頭の2050年という近未来設定の謎がとある女性との再会の一点だけのためにちゃらっと使われて終わる欲のなさも好きかも。主人公以上に命懸けの推し活が高じて愛する推しを潰しかけた一途な少女の短く鮮烈な人生が印象的な物語だった。
がらくたどん
2024/01/21 16:48

桜さん、ありがとうございます。はい、ソフトカバーではありますがとても素敵な装丁でした♪物語も文学少女が若くして作家として立つことの不安や滾る気持ちが絡み合って惹きこまれてしまいました。機会があったら手にしてみてください(*^^*)

がらくたどん
2024/01/21 17:00

よつばさん、ありがとうございます。先ほど既作の粗筋を探して読んできました。ちょっと見、美少女の葛藤劇場っぽいプロットだったので私には若々し過ぎて尻込みしていたかも。本書からの「こんにちは」で正解だったかも♪思い込みと擦れ違いの数々が生んだ悲劇の先に主人公の作家としての未来が見えて良かったです(*^。^*)

が「ナイス!」と言っています。
がらくたどん
祝!直木賞☆彡洛中お盆の6チーム対抗助っ人頼みの「たまひで杯」からマキメの原点の本書を思い出して下さった読書家様の御慧眼に感謝しつつ。そうか、もう18年も前か。おばちゃんは選書しながらびっくりしたんだよね。とんでもなくバカバカしい与太噺成分が、ほろ苦・甘酸っぱの青春物語の中に破綻なく妙な格式さえ湛えて溶け込んでいるって。洛中4大学の学生が葵祭の時期に憑りつかれたように取り組む「ホルモー」なる合戦ごっこ。各大学10人一組でチマチマ・ざわざわ大勢の妖しい「助っ人」を引き連れての真剣勝負!腹の底から面白い♪
たま
2024/03/13 20:44

がらくたどんさん、読みました。「破綻なく、妙な格式さえ湛えて」いる、言いえて妙ですね、わかります。レナウン娘、全部歌える世代として、万城目さんの18年、成熟を感じます。

がらくたどん
2024/03/14 13:54

たまさん、ありがとうございます。お、たまさんも歌えますね( *´艸`)多分、私が知っている中では一番厳かな「レナウン娘」です♪小鬼に付き合わされたり鹿におちょくられていたマキメの主人公達が年月に熟成されると後々ちゃんと英霊の御霊の想いに触れるんだもんな~大したもんです。直木賞くらいきっちりお渡しせねば。

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がらくたどん
けっこう頑張った帯が付いているが「そこじゃない」とちょっと思う。ソ連崩壊の大波をザブンと被ったバルト三国に生まれた少年の半生を探す物語。「激動の時代」だし少年はプログラミングに特化した才能を持つ「ギフテッド」だ。いかにも時代に爪痕を遺しそうじゃないか。もちろん忘れえない出会いも辛い別れもある。でも時代は彼の存在なんか関係ないエネルギーでうねりながら流れていく。読後、平凡にただそこにいた彼が掛け替えのない人になる。彼を探す「わたし」にとってもこの本を読む「わたし」にとっても。上品に輝く「水晶」みたいな物語だ
がらくたどん
2024/01/21 12:04

まる子さん、ありがとうございます。そうそう、「わたし」ね~♪別にそこを「謎」として押そうという意図を感じさせない程度の品の良いサプライズでしたね( *´艸`)それにしてもボートの3人、みんなそれぞれの場所で生きて来たんですね。それが一番嬉しかったです。

ちょろこ
2024/05/01 17:05

共読うれしいです😊この表紙の三人が読後はキラキラして見えました✨宮内さんの長編は初読みでしたが、良かったです。スッと沁み入る文章と共に心に残る作品になりました♬一人の人生を追うストーリーって、良いな♪

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がらくたどん
横正ミステリ大賞とホラー大賞が合体して5年目の極上大正怪奇浪漫♪処は大阪。ある男が亡くなった妻の口寄せを巫女に依頼する場面からさわさわと妙な冷気が背筋を撫でるように始まる物語は時間を遡り、男と妻の出会いから妻の死因を作った関東大震災の惨状・焼け出されての帰郷・妻の死・へと筆が進む。代々続く船場の老舗を護る丁稚上がりの婿養子。長男ながら細々と画業で生きる主人公。口寄せを皮切りに時折感じる妻の気配・匂い・聴こえるわらべ歌。巫女が遣わす妙に人間臭い物の怪。思慕と恐怖、重い呪詛に挿入される一瞬の活劇。全てが巧い!
たま
2024/04/29 14:54

がらくたどんさん、共読うれしいです。確かにコンパクトにまとめられた見事な物語。楽しみました。音源も聞きました。ありがとうございます。狂気を感じさせる出だし…わらべ歌が少しコワいのは洋の東西を問わずですね。

がらくたどん
2024/04/30 12:29

たまさん、ありがとうございます。独特な船場の雰囲気ただよう妖話。ご一緒できて嬉しいです。うんうん、わらべ歌ってふっと我に返ると怖いですよね~( *´艸`)お盆さんの歌だから、たしかに繋がって踊っているのはご先祖様なのだろうけれど。「扇の間」の圧は凄かった(ブルブル)

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がらくたどん
角川ソフィアの端正な「小右記」入門に合わせて。同じ藤原実資の「小右記」を中心に平安貴族の暴力沙汰記事を丹念に抽出した裏話的歴史本。女流作家による雅やかな宮廷物語では描かれにくかったリアル「貴公子」連の暴行・破壊の数々を実資の溜息とともに拾い読みできる。宮中で取っ組み合う・従者を殴り殺す・強姦に手を貸す。目次だけ見ても眩暈がする案件の「誰が」の部分はいずれも超有名貴公子。お前も、お前も、お前もか~(# ゚Д゚)とあきれつつ、中世の希薄な人権意識とその中で「優しさ」を希求した女流作家の祈りがほの見える快作♪
がらくたどん
2024/01/19 10:35

miraiさん、ありがとうございます。中身はタイトル以上です( *´艸`)機会がありましたら大河鑑賞のお供に是非♪

がらくたどん
2024/01/19 11:04

えにくすさん、ありがとうございます。冒頭から道長の横車案件でしたね♪後半になると女房同士の乱闘事件も紹介されています。宮中諸氏、栄養状態が良い分、血の気も多いようで(笑)えにくすさん、歴史に詳しいので「え?あいつが?」という発見も楽しめるかも。機会がありましたら(*'▽')

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がらくたどん
前回の大河ドラマで早くもご登場の有能真面目・筆まめ・呑兵衛貴族、藤原北家(道長と一応は同じ枠)のサネスケ氏がなんとまあ21歳の青年期から84歳の老年期まで綿々と書き続けた日記の初心者向けガイド。本書の刊行時で収集できた分だけでも五万四千記事を超える大部なので素人の自分にはこれ一冊で結構満腹。20代で既に「(公卿どもは)旧事を存せざるか」とか書いており充分じじむさい♪テキトーな行事運営へのツッコミ・貴族の食事に病気治療・喧嘩に駆け引き・紫式部との交流とバランスよく抜き出して現代語訳と解説を加えている便利本☆
えにくす
2024/01/17 18:12

この時代に84歳とは、かなりの長寿だね。道長の子の頼通と彰子も80代まで生きたし、何か秘訣があるのかな🤔 これは読まないと✌️

がらくたどん
2024/01/18 13:58

えにくすさん、ありがとうございます。ほんと、結構な頻度でご長寿ですよね、藤原家。日記は84歳までしか見つかってないそうですが90歳まで生きた記録があるとか・・。サネスケ氏に関しては「卵」食べてバカ高いお腹の薬を常用していた記事が紹介されていました。大河の配役のエネルギッシュそうなコメディアンさん、当たり役かもしれません(笑)

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がらくたどん
写実絵画を主題にした塩田武士さんの新刊を読んだ時に読書家様から教えて頂いた作品。広告会社の後輩が見せてくれた自分に似ているという写真のような「絵」の作者はモデルが死と結びつくことで「死神」と呼ばれる謎の画家だった。社内の軋轢で美術誌出版社の研修生に転職したやや情緒不安定気味の主人公は初仕事としてこの死神画家ナユタの周辺取材を課される。ナユタとは何者なのか?作品が纏う死の臭いの正体は?描かれることでモデルの存在感がより凝縮される写実絵画の世界を通して語られる二組のボーイ・ミーツ・ガールの光と闇が印象的な作品
ちょろこ
2024/01/16 12:45

すごく丁寧に読まれたことが伝わってくるレビューです✨リンクもありがとうございます♡今年こそ訪れてみたいホキ美術館♪たしかに「死」を描きながらも重すぎなかったかも♪後輩ちゃんがスパイスだった記憶も♪一周するような物語の流れも良かったですよね♪もし次の岩井俊二作品を読まれる時は「ウォーレスの人魚」がオススメです(^^♪︎

がらくたどん
2024/01/18 13:52

ちょろこさん、ありがとうございます。そうそう、後輩のスミレちゃん、癖アリですがなんだか生き生きとしていて印象的でした( *´艸`)そして、お勧め作品のご紹介も感謝です。「ウォーレス」・・ダーウィンじゃないほうという雑な記憶しか出てこなかった・・。見当違いかな(笑)一体どんなお話なのか楽しみです。探してみますね♪

が「ナイス!」と言っています。
がらくたどん
ちくちく手編みの作品って編み終わりの毛糸をちょっとほどいて引っ張るとあらら不思議とするするほどけてまた一本の毛糸に。子どもの頃はこの毛糸ほどきが大好きだった。本作、毛糸で「繋がる」お話なのだがこの「引っ張ってするする」の「あら不思議」感がどれだけ小さい人達に伝わるかがミソな気がする。仲良しのアナグマとヤマアラシが森で赤い毛糸の先っぽを見つけて編み始めると。暖かそうで綺麗な毛糸。独り占めしたくなるけど、大事な誰かのために編むのはもっと暖かくて素敵な時間を連れて来てくれるかも。忙しいお家時間に毛糸玉のひと時を
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がらくたどん
後半10冊が多分だけど今週中に書店に届く。嬉しいけどそんなにトットと読めないのがもどかしい。だってドラマもお料理も面白いんだもの♪今回はシロさんとケンジの馴れ初めやシロさんのお父さんの大手術で「この世界」の設定が中から外からジワジワと見えてくるのが楽しい。好みのタイプとは言えないケンジを見ながら「いろいろあって四十になる頃こいつに会ったのがよかったんだろうな」は名言。良縁とは人柄+善き出会いのタイミング。大事にしないと。それにしてもカレーうどんにカボチャを入れるのに驚いた!ほの甘くなる?これは試したい♪
朱
2024/01/15 23:06

がらくたどんさん、こちらの世界へようこそ🤗

がらくたどん
2024/01/16 10:37

朱さん、ありがとうございます。ほほほ、ついにお邪魔してしまいましたわ( *´艸`)すでにお料理ページにけっこうな付箋が付きました!ゆ~っくり追いかけますのでよろしくお願いいたします♪

が「ナイス!」と言っています。
がらくたどん
ネタバレ帯!お前な~( ゚Д゚)と一瞬取り乱しましたが気を取り直して。まあ、西のお盆は8月なのでね。ゼットの後、京都に戻ったマキメはすっかり優しい小父様となってお盆さんの都を挙げての送り火に目を細めたのであった。合掌・・。みたいな京都っぽくていい加減で優しい物語。つい先日昭和18年の靖国⇔箱根駅伝の物語とルポルタージュを読んだばかりだったので、西の御霊の心残りをあれこれ思ってシミジミした気持ちになった。京都は何となくあちこちに時空の破れ目があるイメージ。併載の「十二月の~」もそんな感じ。駅伝、鳥羽伏見の直前だし♪
が「ナイス!」と言っています。
がらくたどん
先日読書家様ご紹介のアンソロで久しぶりに作者の名に触れて。既読は映画にもなった「蚤とり侍」のみで書棚の肥やしにしていたのだが、鬼籍に入られる前にちゃんと読めばよかった。真面目と間抜けはご近所さん。そして世知辛い世で間抜けていると握った籤は概ね貧乏籤。六作中デビュー作でオール読物新人賞の「年季奉公」こそ悲劇だが、残り五作は人間尾羽打ち枯らしてからが愛嬌の見せどころといった感じの零落武士の愛すべき浮草人生喜劇。何れも生真面目故に身包み剥がされ餓死寸前の物乞い暮らしで得た小さな自由が可笑しく愛おしい大人の一服♪
がらくたどん
2024/01/14 14:13

(ネタバレ)主君の癇癪に従い猫の呑み取り(=淫売夫)業に真面目に勤しむ元藩士を描いた表題作に「家付き娘を立てて店を護れ」という大店の婿養子の立場を愚直に遂行した結果急所に浮気防止の饂飩粉を塗られたあげく唐笠一本担いだ褌姿で放逐された元御家人の三男を描いた「唐笠一本」枕絵を売ろうとして手鎖の刑になり謹慎中に餓死寸前痩せさらばえて手錠が抜けなんと死罪を言い渡された牢屋で神がかりな春画に開眼した元大名家臣嫡男を描いた「一世一代」他3作。「年季奉公」のみが真面目が損をする世を酷薄に写し他作の暖かさを引き立てている

が「ナイス!」と言っています。
がらくたどん
週刊誌連載をまとめた新聞紙面の文字と表記の番人達による「校閲」エッセー。同音語やカタカナ言葉の落とし穴。有名過ぎる地名や作品名の思い込みの罠。まさかの語釈や特定地方では正解な表現。当たり前だが細かい。そして取材内容とか論評内容に対する査読ではないが、なぜかちゃんと「ものの見方」の本道みたいなものが見えてくるのも面白い。例えばウイルス感染。医療用語の「汚染」をそのまま平場の人や場所に使うか否か。感染経路の特定に一般に悪事の露見を意味する「発覚」を使う危険性。言葉の選択が概念を固定し誘導する可能性を再認識した
こり
2024/01/14 14:38

これ読みました。この類の本は面白いですよね! わたしも1年生のときだけ新聞部でしたが、学生運動の残り火で先輩達についてゆけず退部(^^;)印刷所では何の役にも立たなかったのですが、活字の壁が鮮烈な記憶です♪余談にしかコメントしておらず失礼しました。

がらくたどん
2024/01/14 15:00

こりさん、ありがとうございます。思い出話に反応して頂けるなんて!嬉しいです。私の高校の新聞部はどちらかと言うと文化面重視でわりと左右意識のない紙面だったので・・。「活字の壁」懐かしい。まだ写植は目の前でホントに活字を「植えていた」時代ですよね。ワード機能の予測変換にすっかり慣れてしまった自分を少々反省した読書でした(*´з`)

が「ナイス!」と言っています。
がらくたどん
酷い目にあった過去の記録というのは大事に反芻されて、時には涙を誘う物語になって広く行き渡ったりする。酷いことをした遠くの誰かの記録も「とても人間とは思えない」という義憤みたいなものと共に涙を誘いつつ案外と受け入れられたりする。では酷いことをやっちまった過去の記録っていうのはどうだろうか。酷いことをした人が自分と重なる部分が無いただただ酷い人だったらどんなに気楽だろう。関東大震災直後、房総の長閑な村で善良な人々が善良な人々を惨殺した事件の記録。普通の人が残虐な行為に走るスイッチを皆で真面目に探さないと。力作
東谷くまみ
2024/01/13 11:56

「酷いことをした人が」からの一文、ほんとそう思います。酷いことをした人だけがもつわけではなくて、その要素は私たちみんなにある。映画をみてつくづくそう思いました。でも、考え続けるという行為をすることで「残虐なスイッチを探す」ことができる人間を信じたい、そんな監督の気持ちも伝わってきた映画でした。…でもコメント内の「朝鮮人識別資料」こんなのあるんだと思うと信じたい気持ちが揺らぎますね😭

がらくたどん
2024/01/13 22:56

くまみさん、ありがとうございます。映画ご覧になったのですね。私は近所に上映館がなくて残念ながら。映像になると、当然行商の人々を責め殺す群衆のなかに気のいい小母さんや人の良い小父さんの影を見つけてしまうことになるので(というかそうした演出をしっかりされていると思うので)この事件が被害者にも加害者にも「悲劇」でしかなかったことが感じられそうですね。

が「ナイス!」と言っています。
がらくたどん
舞台は『堂島連理柵』の題目で「曽根崎心中」を掛ける江戸随一の芝居小屋。看板役者に上方からの招待役者。主役を揃えての初本読みの席で鬼が出た!役者のひとりを食い殺し入れ替わったらしい。下肢を失い引退した元人気女形のトトノスケと心優しい鳥屋藤九郎が座元に頼まれたのは役者に紛れた鬼探し。堰を超えた役者という「化け者」の嫉妬・愛・芸への熱が「鬼」なのか?それとも本当に人を食らう鬼という「化け物」がいるのか?江戸の小屋内の権謀術数。芸にしか生きられない者たちの残酷な熱量と可憐で驕奢な人魚役者の過去に炙られ一気読み♪
アーちゃん
2024/01/13 09:01

独特の文章を越えると江戸の芝居小屋、確かに最初は苦戦したけど慣れると惹きこまれる世界でした。続編も面白いですよ。ねうねうやや少なめですが(笑)

がらくたどん
2024/01/14 17:43

アーちゃん、ありがとうございます。ご感想の通りタイトルの「化け者」が効いていますよねo(^-^)o今「手本」がスタンバイしております!仮名手本は子供が絡むのであまり得意な演目ではないのですが、再び芝居小屋の雰囲気を味わえると思うととっても楽しみです(^_^)/

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がらくたどん
岡本綺堂の半七捕物帳で雪正月の噺を読んだので。綺堂より遅れる事10年。明治15年生まれの野村胡堂の銭形平次も忘れがたい。せっかくなので平次の雪正月。雪の朝「ガラッ八の八五郎」が駆け込んでくる。昨夜遅く三輪の万七の管轄区で因業と悪評の郭の主が殺されて、今朝には八五郎の助手をしていた真面目な若者が捕縛されたという。犯人らしい足跡。雪の積もった時刻。状況証拠は若者を指し示すが。頭脳派半七に対して、弱い者を労わりながら関係者の心の襞を解いていくのが銭形平次の身上。会話が多く、芝居を観るような読み心地なのも楽しい♪
がらくたどん
2024/01/11 21:27

こちらも青空文庫で読めます。 https://aozora.binb.jp/reader/main.html?cid=56340 岡本綺堂を捕物帳の「宗祖」尊敬しつつ自身の目指す執筆姿勢を綴った「銭形平次打明け話」も面白いです。 https://aozora.binb.jp/reader/main.html?cid=57219 そして野村胡堂からさらに20年の明治末に生まれた横溝正史の「人形佐七」へと人気捕物帳シリーズは続いて行くんですよね(*^。^*)

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がらくたどん
先日、読書家様のコメントで綺堂の半七の話題が出たので久々に。未曽有の大雪に見舞われた江戸の正月。浮かれ呑気な江戸者が辻々に作った雪達磨が溶けだした月半ば。なんと溶けた達磨から男の亡骸が現れた!致命傷も見当たらず行倒れにしてはなぜ雪達磨?はてさて面妖な。しからばと呼ばれたのは我らが半七親分。はたしてその真相は?明治生まれの綺堂が大正から昭和初期にかけて連綿と書き続けた人気作。絵になる奇妙な犯罪現場の描写・半七の豊かな世知と証拠を積み上げる地道な捜査の塩梅は今に繋がる歴史遺産かも。さて、今年の雪はいかように♪
もんらっしぇ
2024/01/10 16:26

がらどんさん、勉強になります<(_ _)>今後の読書計画の参考にさせていただきますね(^^)/

がらくたどん
2024/01/10 17:33

もんさんのおかげでひさびさに半七親分を思い出し、お江戸の雪正月を味わえました!こちらこそ感謝です(^_^)/綺堂さん、明治生まれだから旗本屋敷で「てやんでい」って本ばっかし読んでいたのかも(笑)いろんなこと知ってるけど偉ぶらずひたすらオモロイ噺の収集に務めている感じも嬉しいです。お勉強にはならないかもですが、良かったらいつか覗いてみてくださいな(^^)

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がらくたどん
息子がお正月の帰宅時に映画パンフと共に置いて行った本。もちろん母も観ました「ゴジラ-1.0」♪ということで読んでみた。映像作品先行でそのノベライズを読むのは初めてに近いかも。物語というより脚注解説併用脚本という感じだが分かりやすい文章で映像作品の文学作品「原作」を読むのとは違った面白さがある。お目当ては映画で全工程が理解しきれなかった戦後の貧弱民間物資による「海神作戦」のデモ実験と実証現場の再確認。先日、定時制高校を舞台にした「あり合わせ素材で凄い実験」に挑む物語を読んだばかりなのでメッチャ面白かった♪
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がらくたどん
すっかり梅雨時を過ぎてしまいましたが11冊目の紅雲町♪前作が和服姿のおばあちゃん探偵とは思えないアンタッチャブルな展開だったのでちょっと心配していたが、ちゃんとコージーに戻り一安心。お草さんの名推理は狭い町の警察沙汰でもない、でも深く切ない時間と人の縺れを解く方が私は好き。雨の中、割れ物ゴミを持ち去る怪しい自転車男の出現で始まる本作。小蔵屋をロケに使いたいという人気映画監督から頼まれた「無名の映像作家」探しにお草さんが奔走する。我らが久美ちゃんの人生行路も絡み、謎解きと人情の機微が雨だれ越しに浮き上がる♪
がらくたどん
2024/01/09 12:24

(ネタバレ)探す男は映画監督の友人和田氏が酔って映像講習会参加の便宜を図った映画好きの男性。姓は「鈴木だか田村だか田丸だか」で「神戸」と関係がある。いや「高橋」が本名らしい。雲を掴むような人探しだが、ヒントは<鈴木夫妻が営んでいた映画館近くの「たまる」食堂。素封家の高橋一族。創業者の娘と結婚し高橋姓になった創業者の映画仲間の平社員。創業1号店の場所>と振り返ると散らされているのもお約束で2度楽しい。「無名の男」が作った映像フィルムが鍵になるのだが、芸術系映像を文字で表現するのって大変な事だなとは思った。

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がらくたどん
頭で考えた事を実際にやってみるのは基本的に楽しい。ただし「自動的に」上手くいくとは限らない。「その気になった」先で不確定要素に足を掬われた時にどれだけ楽しさを思い出して踏ん張れるかかも。ヤンキー・ヒッキー・ママにジジ。難あり癖ありの定時制高校生に「科学の実験しませんか?」と忍び寄る理科教師がひとり。「実験てのはね、想定外の結果がでてからが本番だよ」終盤で彼が思い出す言葉が良い。その気になれる場所があってそこに見守る人がいれば、その空間にはまだ見ぬ宇宙に繋がる扉だって。不確実に怯える時代への可能性の花束♪
アーちゃん
2024/01/14 19:44

ヤンキー・ヒッキー・ママにジジ、正にバラエティに富んだ部員たちでしたね(*^-^*)真耶ちゃんについては新宿が舞台という事で私も心配です。この作品、単にいい話だけじゃなくて例えば長嶺さんが発した「身の丈」という言葉のようにきちんと現実も描いているところがとても良かったと思います。

がらくたどん
2024/01/14 21:50

アーちゃん、ありがとうございます。「その気になれる場所」って真っ当なものほど見えるところに用意して待つしかできないんじゃないかと。図書館なんかもその類だと思っています。やる気が報われたと錯覚させるダークサイドほど誘いが強いので、この物語は貴重だなと思いました。そして私も「身の丈」の話はとても記憶に残っています。身の丈って夢があるとゆっくりだけど伸びるのかもって思いました。素敵な作品でしたね(*^。^*)

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がらくたどん
ご感想に惹かれて。テレビドラマも未視聴だし、コミックは目が泳いで苦手だし。でも、エイヤ!と10巻まで購入してしまった。お、コマ割りが穏やか。一コマの情報量もまあまあ。これならイケるかも♪弁護士と美容師の中年ゲイカップルの大きな日常と小さな非日常の物語。仕事に行き帰宅して夕食を食べ会話をして明日の到来をぼんやりと信じて今日を終える大いなる日常とその中に仕込まれたゲイである事由来と思われる小石のような非日常が丁寧に描かれる。これからじゃなく「きのう」って言うのが良いね。とにかく昨日は二人でご飯を食べたのだ♪
がらくたどん
2024/01/08 11:00

ミカママさん、ご紹介&コメントありがとうございました。おお~、山下り!私はようやく出走に漕ぎつけました。カバーを外すとシンプルなお料理名の装丁っていうのも好い感じですね( *´艸`)

ミカママ
2024/01/08 12:48

そうそう、カバーから薄っすら透けるのね。オサレですよね✨

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がらくたどん
前作『業平』以上に伝説的人物の従前イメージを塗り替える意欲作。参議篁の縁者とも言われる六歌仙のひとり。正確な生涯は不明なのに伝説は全盛期の男性を惑わせる才媛振りから晩年の醜態零落に捩じれ歪んだ「美女零落」的因果応報の刻印を後世に遺す。江戸時代には「小町針」という無礼千万な俗説まで流布された。男性目線で色と欲に脚色された小町像を典雅な文章に乗せて地方から都に連れて来られ英才教育を受けた利発で芯の強い少女の母恋・望郷物語に仕立て直す。「母上、かならず戻り参ります」不自由の枷に涙を堪えての初志貫徹、ご覧あれ♪
こり
2024/01/05 18:19

母親から引きはがされた小町が強く生きる姿が印象に残りました。舌で言葉を転がす方がスルスル読めるとは☆雅な文体がより深く味わえそうですね。試してみたいです※「小町針」なんと残酷な!これはもう明らかな性差別ですね。

がらくたどん
2024/01/06 11:16

こりさん、ご紹介&コメントありがとうございます。素敵な物語でした♪ホントは音読がベストかもと思うのですが、さすがに時間がかかちゃうので和歌の部分だけ音読しました。やっぱ和歌は読むものじゃなくて詠むものだわね~としばし王朝気分が味わえました♪機会がありましたらお試しを( *´艸`)「小町針」の俗説、酷いよね~。江戸時代の雑学本とか明治のゴシップ本で触れられているのですが、小町さんが実際どうこうでなくプンプンです( 一一)

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がらくたどん
7年ほど前に刊行された『ジョージと秘密のメリッサ』の続編。みんな中学生になった。いわゆる思春期。「性の目覚め」って聞いて何を想う?「誰かと恋愛したくなるとか?」って一瞬でも思ったのなら年齢に関係なく読んで欲しい。なるべくちゃんと七色+の性と愛の形がのびのび入るくらいに心を広げて。中学生になったリックは落ち着かない。急に周りが「恋愛」の話ばかりしてくる。ジョージだったあの子はメリッサとして堂々と生きるようになった。「親友」のジェフは女子を物みたいに扱いたがる。曖昧な自分の性自認を広い空に解き放つ物語。
がらくたどん
2024/01/05 14:34

前作でジョージは自分のメリッサとしての性を確かなものとして認識していたし、自分がいる環境のなかではとても少数派だとしても「その感じ方」を現す言葉が存在することも何となく知っていた。本作のリックにはまだそれがない。曖昧で言い表す言葉も知らない「この感じ」に戸惑いながら、周囲の単純化された性の分類を前提にした問いかけや反応に気持ち悪さを感じている。「リックの性の在り方」は過渡的なものなのかずっとこういうものなのか分からないが、今の状態を「+」の広がりとして思春期から尊重しようというメッセージに未来を感じた。

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がらくたどん
藤原氏と天皇家の奈良時代から一望できる相関関係図を探しているタイミングでご紹介頂いたムック本。「光る君へ」を掲げているが、いわゆる作品紹介部分は巻頭の30頁・源氏物語の説明も10頁程度で、後は人物相関を含む時代解説。大河ドラマのファンブックとしてはどうなのか分からないが、古代・中世での藤原氏の動向を概観するにはとても便利で汎用性も高い。面白かったのは「道長以降の藤原氏の動向」と題したコラム。紫式部が仕えた彰子と一条帝の子供の後朱雀帝がついに藤原氏の男子を舅として持たない女性と結婚する。外戚政治の終焉である
punyon
2024/01/05 16:47

へぇ~、こういう本が出てるんですね 「光る君へ」は歴史オンチとして、あの時代を知る手掛かりにしようと期待をしている訳で…こういう本で、予習しておくのも一つの手かも😊

がらくたどん
2024/01/05 16:56

punyonさん、ありがとうございます。もう、登場する俳優さん達のグラビアやインタビュー満載のからドラマのあらすじがガッツリ載っているのから・・色々たくさん平積みしてありました(*´з`)本書は、背景系図・時代解説特化版って感じです。今書店に行くと選ぶ楽しみは堪能できますよ、多分( *´艸`)

が「ナイス!」と言っています。
がらくたどん
直木賞受賞時所感だったと記憶するが同じ時代小説作家の母上からの唯一の助言めいた事として「古代は売れない」と言われ内心で「面白ければよいのでは?」と思ったエピソードを披露されていた。本作、平安道長全盛三条天皇の御世。道長は異母妹(綏子)祖父ちゃんの兄弟の孫(娍子)兄ちゃんの娘(原子)が入内しているところに自分の娘(妍子)を強力プッシュせんと自分の奥さんに仕えていた赤染衛門を再出仕させる。この充分ややこしい状況に原子殺害疑惑を絡め犯人は?方法は?そして黒幕は?と既に老境寡婦の赤染が迫る。考証完璧どエンタメ♪
ちょろこ
2024/04/17 19:22

こちらの平安絵巻もがっつり読ませてくれて楽しかったです♬しかし、道長の、男子を産まなかった姸子への対応は今までで一番むかつきました(^^;;

がらくたどん
2024/04/17 20:42

ちょろこさん、ありがとうございます。私は元々この時代の物語が好物なのでホントに嬉しい共読です♪「道長の、男子を産まなかった姸子への対応は今までで一番むかつきました(^^;;」そうそう、道長の貫禄のヒールっぷり(笑)赤染衛門から見たら姸子ちゃんなんて子どもか孫。何とかして護りたいと思いますよね。娘を駒にして初めて成り立つ外戚政治の本質がエンタメの中にちゃんと垣間見られて面白かったですね(*^^*)

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がらくたどん
新年の1冊は別の本を予定していたのだが天災と事故の幕開けに心静まり難く書架より。作者は第二次大戦中に戦火のポーランドを逃れ各地を転々としたのち移民先のアメリカで華開いた作家。祖父と孫が小舟を漕いで暗い湖を揺蕩い一夜を耐えた後に静かな夜明けに包まれる静謐だが力強い作品。柳宗元の漢詩「漁翁」をモチーフにしているとも言われるが、私には老爺はただただ幼い者を夜明けの光の中に連れ出したかったようにも思える。孫は小舟の旅も寂しい野営も信頼する祖父がいれば不安はないだろうが老人は責任と願いに震えていたかも。善き一年を!
yuppi
2024/01/16 12:59

こんにちは。ユリ・シュルヴィッツ氏の『よあけ』あべ弘士さんの『よあけ』もどちらも良さがあって好きです。能登の方たちが日々の『よあけ』からパワーをもらって元気になってくれることを祈るばかりです。

がらくたどん
2024/02/04 19:57

yuppiさん、遅くなりましたがありがとうごさいました(^_^)/あべさんの『よあけ』は静寂を突き破るような生命感が感じられて私も大好きです(^^)

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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2020/06/20(1433日経過)
記録初日
2020/06/20(1433日経過)
読んだ本
1926冊(1日平均1.34冊)
読んだページ
449803ページ(1日平均313ページ)
感想・レビュー
1926件(投稿率100.0%)
本棚
25棚
自己紹介

世界は物語に満ちている♪
還暦過ぎてから、読書タイムが確保しやすくなったのが、何よりの喜びです。自分が読んだ本について他の方の感想を拝見するのもとても楽しみですが、自から手に取ることが少ない作家さんの本が紹介されていると大変にワクワクします。
今後、もう少し自由時間が取れる日々が来たら、サイトの使い方をちゃんと覚えて、今までノートに書いていた読書の記録を整理してみたい。

https://5tekuteku.blog.fc2.com/

(お気に入りに登録申し上げた読書家様の御感想は余さず拝読したいと思って参りましたが、最近諸般の事情で思うに任せぬ事が多くなって参りましたので、断腸の思いで随時加減いたしております。どうかご容赦ください。私への登録・登録解除はもちろんどうぞお気遣いなく)

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