明日のお弁当は餃子、長芋のフライドポテト(ゆかり風味)、えびニラ、椎茸のチーズ焼きです。えびニラは乾燥桜エビとニラを胡麻油で塩胡椒で炒めただけ。しかし、エビと胡麻の香ばしい風味と韮の旨みが絡み合い、箸が止まらなくなります!長芋はじゃがいもより、揚がり易いので急いで作りたい時は便利。今回はゆかりふりかけを合わせました。そしてビタミンD(椎茸)×チーズ(カルシウム)という、骨が気になる時には最強の組み合わせの椎茸のチーズ焼き。更にチーズの下には雑魚も隠れています。
そんな彼が信子の謎めいた性格と女体美に屈服する様は実にスリリングだ。「屈服」とは時として相手を知ろうと歩み寄る事に繋がるのかもしれない。「十日の菊」は苦渋を呑んで最愛の人を迎える準備ができた男はハタと気づく。最大の恋敵が「若さと無鉄砲ながらも生きる希望に満ちた自分」であることに!ある意味、丸く、収まるラストですが、自己完結的と言う意味合いが強いのが否めない。女性側の視点も書かれていたらまた、感想も変わるでしょうね。「帰還」は兵役から帰還した男が目の当たりにする家族の現実。バランスは崩れ、生活に喘ぎながら
精一杯、夫/父をもてなそうとする家族に対し、見当違いの方向で拗ねるイワノフの頬を何度、引っ叩きたいと思ったか!とは言え、丸く、収まって良かったよ。「彼」は今まで培われてきた自尊心が夫に依存する事で生まれたものだと気づいたアニー。そして周囲はそれを後押ししようとしている。この不毛さに何故、この時に気づかせたのか。アニーがどういう選択をするのかはオープン・エンドとなっているので余韻が引きますね。「源氏君の最後の恋」は再読だが、やっぱり、光源氏は最低だから嫌いだと罵らずにいられない。
映し出してきたのだから。「石の乙女たち」はあと一日で石となってしまう事実に直面した女性の最後の一日。残り少ない自分の時間はかつて共にいようとしたけど、交わらなかった元パートナーによって浪費されるが、事務的に自身の処分を下すより、彼女にとって良かったのだと思う。そしてこの物語はいつものように過ごすも或日、突如としていなくなってしまった人々の心情を描いているのではないか。そう思うと亡くなった家族のことを重ねてしまうのです。
「家族」という形における人間関係が困難となるのは何故か。それはそこに割り振られた「役割」によって目を晦まされる事が多いからだ。目を晦まされた結果、家族間の人間関係は自己同一を願うが故の身勝手な期待を抱くか、相手を自分とは別の人間だと思って共感や理解をある程度、断絶する事することがある。「緑のこびと」は前者だ。だが、それが母親が目蓋下に塗っていた緑のクリームによって断絶をより一層、深いものにしている皮肉。「窓の灯り」はこんな侵入者は耐えられない。「精霊たちの家」は『私の家では何も起こらない』を彷彿とさせる。
「無邪気」はしばしば、若き日を懐かしむする人にはうってつけの物語でしょう。ただ、同時に変わってしまった自身への汚さに気づくという苦いおまけも呼び起こされますが・・・。「田園のドライヴ」は倹しく生きる両親のようにはなりたくないと願う娘の冒険が一気にサスペンス、そしてホラーじみたものに切り替わる様に読者も翻弄される。元の黙阿弥になって良かったのか否かは今後の彼女次第だろう。「二度目の死」の奇跡への恐怖心に『事の終わり』での真相の提示と奇跡が起きたが故の苦さを思い出さずにはいられない。
真相を知るとある人物の変わり方の意味に納得。そりゃ、そうなるよね・・・。個人的に「家族愛が深いが故に莫迦」と周りから評されていたカイトが夫や義父に象徴される「男性」へ抱いていた軽蔑や憎悪をレニセンブへ吐露する姿は、私も似たような感情を捨てきれないので一番、印象深い。
「深川の唄」は電車の様子がまさにこの本の表紙の「夜汽車」(赤松鱗作)そのもので吃驚した。この作品で近代化した東京を嘆いていた永井荷風氏だが、彼が今日の日本を見たらどう思うだろうかと思うと怖いものがある・・・。「村の西郷」は法螺吹きで乱暴者だが、学に明るく、子煩悩な西郷こと源吉は確かに愛すべき人であった。「雪の日」の別れた妻への未練が妄想となって現実へ左右する様は森見登美彦作品っぽい。「剃刀」はルーティンワークが崩れる時に感じる勘性の高まりとそれを無理に押し通そうとするが為の落ち着きのなさがサスペンスチック
「山の手の子」は御屋敷暮らしの作者と下町の子の友情や慕情が境遇によって引き裂かれる。だが、ラストの相手がどう思っていたかを考えずに過去のほろ苦い甘やかさに浸る様にイラっとするのは私の僻みだろうか?「澪」は情と押しの強い過去の女に引き摺られる役者の心情変化が嫌味なく、具に綴られている。女はあの手この手で好いた男(だが、実際生活では苦労し、やがては解消のなさに憎み合うだろう相手でもある)で駆け落ちを画策するが、女の家業の番頭の方が一枚上手だったオチが鮮やかだ。
「アスカニア・ノヴァの実験」は人倫を越えた科学の先に生み出された者を思いを馳せるしかない。生み出した者も果たして上手くいくのか?「ティラノサウルス・レックス」は予告された災厄に向き合う人々の姿に暗澹たる気持ちになる。「憎しみの力」は映画『ジョン・ウィック』や『老人と犬』が好きな人は是非。「エンジン付きの野獣」はこれから徐々に暖かくなっていくにつれて夜中に同じ場所に帰巣本能のように駆け戻ってくる「エンジン付きの野獣」に眠りを脅かされ、邪魔され、悩まされ、遂には殺意をも催した方にうってつけの短編です。
性自認を確立している先輩や同級生に対し、萎縮し、卑屈になる眞靑は真面目過ぎたし、優しすぎたのだろう。そんな眞靑が最も卑屈且つ傲慢になれたのは「可哀想」と思っていた葉月がいたから。でも葉月にとっては彼氏に束縛される今はある意味、幸福なのだ。だって自分が置かれている環境を幸せだと思っている者にとって共に堕ちる事もなく、外野から「貴方の今いる世界は歪で正しくなくて不幸なんだよ」、「他の良い世界があるよ」と言われる事程、身勝手な事はないから。ラストで齎される依存の転換が本当にしんどい。
昔はミステリーや怪奇小説好みと読むジャンルは浅かったが、今は面白そうならば、何でも読む。傾向は海外系が多い。岩波文庫と新潮社クレストブック、白水社エクス・リブリス系が好き。悩みはうっかり、全集系に手を出し、全集読破に駆られること。好きな事には感想が(妄想も込みで)長文になる系。
存外、ミーハー。読書では笑いのネタを探してツッコミを入れがち。
尚、本の感想において、いけ好かない登場人物へはブラックな本音も出ますので気を付けてね!
BLも百合もイケる腐女子でもある。しかし、エロより、匂い系が好みというややこしさ。
映画も好き。最近、変な映画を見つけてそれが好みだと物凄い喜びます。本同様、雑食なので映画履歴も常にカオス状態。
ASD傾向強め、ADHD少々でできています。
心の中で未だに消化できない事が原因で「父親」絡みには辛辣な感想になる傾向あり。
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「アスカニア・ノヴァの実験」は人倫を越えた科学の先に生み出された者を思いを馳せるしかない。生み出した者も果たして上手くいくのか?「ティラノサウルス・レックス」は予告された災厄に向き合う人々の姿に暗澹たる気持ちになる。「憎しみの力」は映画『ジョン・ウィック』や『老人と犬』が好きな人は是非。「エンジン付きの野獣」はこれから徐々に暖かくなっていくにつれて夜中に同じ場所に帰巣本能のように駆け戻ってくる「エンジン付きの野獣」に眠りを脅かされ、邪魔され、悩まされ、遂には殺意をも催した方にうってつけの短編です。