先月もサイエンス系から文学系、政治ジャーナル、趣味本、再読本など、多彩な本が読めた。仕事もやや忙しくなっているし、ま、こんなものかな。 2022年11月の読書メーター 読んだ本の数:14冊 読んだページ数:4412ページ ナイス数:6389ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/556130/summary/monthly/2022/11
情けなくも小生は「日本書紀」は一度も通読したことがない。正史としての資料的価値などは重いとしても、読んで面白くないのだ。藤原氏の都合のいいように歴史が改竄されている。その最たるものが出雲神話の抹殺なのだ。
それはそれとして、古事記は稗田阿礼(か誰か)の誦習(しょうしゅう)する「勅語の旧辞」が原点にあった。平家物語じゃないが、歴史に消されていった者たちの思いが濃く描かれているのだろう。 神々の名に出自たる朝鮮の面影が残っているだろうことも興味深い。その点を突き詰める研究もされているに違いない。
興味深くはあったが、本人の天然ぶりがあってか、踊るストリッパーだが、時代や周囲の男どもに踊らされた感が強く、感銘深い本とは感じられなかった。 本書で戸次公正という傑出した僧侶を知ったことが収穫か。
著者の「小倉 孝保は、日本のジャーナリスト、ノンフィクション作家、毎日新聞記者。滋賀県長浜市生まれ。関西学院大学社会学部卒業。1988年、毎日新聞入社。(中略)2011年、『柔の恩人―「女子柔道の母」ラスティ・カノコギが夢見た世界』で、小学館ノンフィクション大賞・ミズノスポーツライター賞最優秀賞をダブル受賞。2014年に日本人として初めて英国外国特派員協会賞(特派員部門)受賞」(Wikipedia参照)。
共に語り手は、最初は観衆だったり、編集者仲間に引きずり込まれた挙句、自分がその編集者の仕事を引き受けると、つまりは端緒は受動的なのである。やがて本気で戦争体験に向き合うのだとしても、このような形でしか、主体的に取り組めないことを示唆(?)している。
自分の親や祖父母の思いは、例え語られなくとも、戦禍の爪痕は戦没者の何十万もの名前の数々に偲ぶしかなくとも、何処かしらで漏れ伝わり、自分の問題として血肉化する……のだろうか。そう、思っていいのだろうか。繰り返しになるが、「沖縄が沖縄であるための想像力を紡ぎだす」というが、成功しているか、微妙な気がした。
著者の佐々木実は、フリーランスのジャーナリスト。「社会的共通資本の経済学を提唱した宇沢弘文に師事し、彼の生涯を描いた『資本主義と闘った男 宇沢弘文と経済学の世界』(小社刊)で第6回城山三郎賞と第19回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞をダブル受賞した。」
著者は、「英国の考古学者。中期旧石器時代、特にネアンデルタール人を専門とする。2010年、イギリスのネアンデルタール人後期の証拠をまとめて博論を提出。」「PACEA研究所にてマシフ・サントラル山地のネアンデルタール人および先史時代の遺跡に関する研究に従事。現在、リバプール大学及びボルドー大学の名誉フェロー。(中略)テレビ番組でサイエンスコミュニケーターとしても活躍」といった人物。
息苦しい叙述が続くが、ピエール・ルメートルならではのとんでもない展開の連続。そう来たか…。結末の付け方に異論はあろうが、ここは作者の独擅場だから文句の付けようがないね。感想など無用。最高のエンタメ作品。
市長選挙や知事選挙に立候補してきたが、オレがということでなく、推されての出馬。党派の苦境に已む無く。いろんな活動をされてきたが、縁の下の力持ち的な役割に徹してきたようだ。どんな交渉事をする際も、その心は、本書の表題にあるように、「人として」が原点となっているとか。
大正13年の生まれなので、存命であるなら98歳のはずだが、詳しい情報がない。嘗ての社会党にはこういう人物が居た。しかも、富山市の人物。和田氏に勝手に親近感を抱いてしまった。
家庭という密室。男性の圧倒的支配。出口なしの状況。妻もだが、虐待の対象が子供だったりしたら逃げ道がなく絶望だろう。 ポーランドのルメートルという世評はともかく印象に残る作品だった。
[追記:ポーランドというと、シェンキェヴィチの『クォ・ヴァディス』や、スタニスワフ・レムの『完全な真空』『ソラリス』などを読んできた。未読だが、イェジ・アンジェイェフスキの『灰とダイヤモンド』などは有名だろう。こちらは未読。]
「「昭和」を3つの時代に区分。写真、映画、民衆、運動、儀礼、犯罪、天皇観を通し、世相から昭和史を論究。柳田国男の名著「明治大正史世相篇」を引き継ぎ、新しい視線で考察」したというものだが、柳田の書にある常民の思想とか、南方熊楠風なこだわりも感じられなくて、どうにもとりとめがない印象。恐らく色川の本書に通底する着眼点が吾輩には嗅ぎ取れなかったのだろう。
本書については、既に言わずもがなな感想を呟いている:「本書には若い頃の近影数枚。美人。スタイルいい。読むモチベーション⤴⤴ (中略)怖いもの知らずなのか、研究のためだからだろうが、知らない地域へも若い身空で一人で飛び込んでいく。現地取材での研究。こういう方がいるんだな。女性学者の草分け的存在。
ノンフィクション作家・後藤正治の解説によると、作者の横山秀夫はこの当時、地元群馬の上毛新聞の記者で、「事故の模様を、おそらくもっとも深く知り、受け止めたジャーナリストであったろう。」
その意味で本書は絶好の短編集だった。内容紹介に、「人体のパーツへの異様な執着が日常の殻を突き破る五つの物語」とあるが、自身肉体的不具合を抱えてきた小生には息苦しくなるほどにリアル感を覚えさせられた。肌感覚を絶妙に描ける作家なのだと思った。
著者のアリス・ロバーツは、「人類学者。バーミンガム大学教授(「科学への市民の関与」講座)。1973年イギリス生まれ。テレビ番組の司会者や著作家としても知られ、BBC2で人類進化をテーマとするいくつかのシリーズに出演」という方。『人類20万年 遙かなる旅路』は広く読まれたようだ。
読むこと、書くこと、居眠りすることが好き。生活のために仕事も。家事や庭仕事もなんとか。
読書は雑食系かな。でも、読めるのは月に十数冊なので、実際には幾つかのジャンルに限られてるみたい。
苦手なのは、専門書や法律、マニュアル本など。
小説やエッセイを書いたりしてます。
バイクでのミニツーリングを折々。
グルメ、スポーツ、コンサートも楽しみたいけど、仕事や家事でなかなか実現しない。昨年(23年)末、薪ストーブ設置。庭木の枝葉を焚き火代わりに燃やしてます。薪はなくて柴だけなので、心底寒い時だけ。焔と共に柴の燃えてはぜる音が心地いい。
外部ブログも20年以上になりました:
日々の日記:「壺中山紫庵」 http://atky.cocolog-nifty.com/bushou/
創作の館:「壺中方丈庵」 http://atky.cocolog-nifty.com/houjo/
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感じるのはある種の危うさ、政治に対するナイーブさ。データを弄ってるだけの知識人なんて、老獪なる政治家にあっさり取り込まれてしまいそう。
実際、政権には人畜無害な知的タレントになってるような。