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2025年11月の読書メーターまとめ

みや
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2025年11月に読んだ本
33

2025年11月のお気に入られ登録
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  • たんころ

2025年11月にナイスが最も多かった感想・レビュー

みや
濃霧、土砂崩れ、硫化水素、電波不通、71名の入院患者、3日後に尽きる院内通話PHSと食料。徹底したクローズド・サークル×タイムリミットの緊迫感が凄まじい。僻地医療の厳しさや震災被災者のその後など、動機を含めて社会派の側面を多大に備えつつ、軸は本格ミステリから決してブレない。ほぼ算数と言えるロジカルな推理や詳細な見取り図に心が躍った。いつでも冷静な城崎先生の語る解決編はスマートで一切の無駄がない。たとえ全てが計算でも先生の優しい言葉に私はほいほい喜びます。殺人と救命が併存する医療ミステリの真髄を堪能した。
が「ナイス!」と言っています。

2025年11月にナイスが最も多かったつぶやき

みや

推しのライブツアーが無事に終了して元気をいっぱい貰った10月。今年の目標だった「百鬼夜行」シリーズ読破を達成できました。嬉しい!ベスト本は『祠破壊ホラー小説アンソロジー』。どの短編も私の性癖に刺さりまくりでした。今月はアウトプット多めに生きます!【2025年10月の読書メーター】読んだ本の数:20冊 読んだページ数:6150ページ ナイス数:422ナイス★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/670356/summary/monthly/2025/10

推しのライブツアーが無事に終了して元気をいっぱい貰った10月。今年の目標だった「百鬼夜行」シリーズ読破を達成できました。嬉しい!ベスト本は『祠破壊ホラー小説アンソロジー』。どの短編も私の性癖に刺さりまくりでした。今月はアウトプット多めに生きます!【2025年10月の読書メーター】読んだ本の数:20冊 読んだページ数:6150ページ ナイス数:422ナイス★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/670356/summary/monthly/2025/10
みや
2025/11/03 19:23

「NEWS LIVE TOUR 2025 変身」(福岡:マリンメッセ福岡)/天開稲荷神社/太宰府天満宮/「NEWS LIVE TOUR 2025 変身」(神奈川:横浜アリーナ)/星海社創立15周年企画「ホラーマーケット 怪談即売会」

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2025年11月の感想・レビュー一覧
33

みや
溟界へ還る最後の島で不変の日々を送る老人、卑しい生物へ転生し続ける呪いを継ぐ豚守、人間の少年を育てる巨獣、穢れを体内に封印する巫呪女。人ならざる者が愛と別れに泣く連作短編ダークファンタジー。見慣れぬ歪みや穢ればかり広がる情景を想像するのは難しくて読むのに時間はかかったが、独創的な異世界を脳内でじっくり膨らませたことで素晴らしい充足感を得られた。異種同士が互いを大切に想う心は美しく、残酷な別れで壊されるのは耐え難い。でも各編とも胸に温もりが灯るような余韻で包んでくれるから、最後に流れる私の涙は穏やかだった。
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みや
対立する2店舗で10年前に起きた殺人事件と20年ぶりに実家へ帰ると母が娘だと認めてくれない謎を解く。猫と招き猫がいっぱい出てきて幸せな巻。シンプルに勧善懲悪なのも清々しい。みんなから普通に名前を呼ばれることが違和感でしかない主人公・本島君。いい感じに雑に扱われるようになってきて、それでいて関口みたいに陰鬱じゃないから好感度が高い。このシリーズで大好きなメインキャラたちの嘘臭い演技タイムが沢山あって嬉しかった。エチオピヤ人のマスカマダ・カマスカス君が片言で可愛い。オコメタベタイ。
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みや
前作の和菓子編で「私は結局あんこが好き」と気付いたので、この本を見つけて歓喜した。室町時代に中国から伝来したマントウに小豆を入れたのが饅頭の始まりなど歴史も知れて楽しい。伝統を守りながら今と未来を見据えて挑戦し続ける姿勢が格好よかった。歌のモデルの「浪花家総本店」とキッチンカーで売る「よしかわ」のたい焼き、「麻布昇月堂」の一枚流し麻布あんみつ羊かんが特に気になる。600年以上続く「塩瀬総本家」の足利義政公直筆の看板を見てみたい。ヤマザキのあんぱんやしるこサンドも紹介され、身近で簡単に食べ比べを楽しめそう。
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みや
「円紫さんと私」シリーズ1作目。5編収録。文章や雰囲気が円やかで、登場人物たちの体温がじんわり伝わってくる作品だった。日常場面が多く描かれることで「物語」の充実度が非常に高く、余計なものを削ぎ落された謎解き部分は簡潔でも動機が情熱的だから見劣りしない。ホワイダニットがとにかく面白く、鋭い。温かな空気を切り裂いて悪意や心の闇が剥き出しになると思わず動揺してしまう。善意の動機でも「むしろやりすぎじゃない?」と引いちゃうほどの熱量だから、泰然自若とした円紫さんとのギャップが楽しかった。今後「私」の成長が楽しみ。
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みや
常信が同期の僧の実家である寺の調査を依頼、高級料亭と美術品窃盗団を繋がりを見つけて一網打尽。関口との最下層決定戦のような会話が楽しかった。圧倒的に関口が弱いのに、奥さんが美人という一点のみで十分に張り合えるのがずるい。益田君の表情がすこぶる豊かで、日に日に楽しそうに生きていて何より。「死にますよ」の菩薩顔と益田君の絶望顔に笑った。完全に榎木津信奉者である河原崎が全体の空気感を更に搔き乱すのは盛り上がるし、何より暑苦しい。キャラの魅力が遺憾なく発揮されるシリーズ。
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みや
亡き大叔父が書き残した「あしか汁」「十三本数」「アカマシ マカマシ アトナシ」の意味を探る。記事、写真、手紙など様々な媒体の情報が集まることで真相へ近づくモキュメンタリーホラーだが、怖さや気味悪さは控えめに単語の謎をひたすら追う物語なのでミステリの面白さが強かった。戦時中の日本の暗部に深く迫る真相はいい感じのぶっ飛び具合で結構好き。淡々とした口調が妙に心地よく、一気に読み切ったのは著者の策略にまんまと嵌まってしまったのだろうか。全体的にあっさり風味で面白かった。逆ストーカーの脅迫文が生々しくて一番怖い。
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みや
濃霧、土砂崩れ、硫化水素、電波不通、71名の入院患者、3日後に尽きる院内通話PHSと食料。徹底したクローズド・サークル×タイムリミットの緊迫感が凄まじい。僻地医療の厳しさや震災被災者のその後など、動機を含めて社会派の側面を多大に備えつつ、軸は本格ミステリから決してブレない。ほぼ算数と言えるロジカルな推理や詳細な見取り図に心が躍った。いつでも冷静な城崎先生の語る解決編はスマートで一切の無駄がない。たとえ全てが計算でも先生の優しい言葉に私はほいほい喜びます。殺人と救命が併存する医療ミステリの真髄を堪能した。
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みや
5月頃から食の好みが激変し、甘い物はあずき系の和菓子しか受け付けなくなってしまった。限られた中でも外食を楽しむため、本書を手に取る。どらやき・だんご(あんこ)・おはぎ・草餅・桜餅・水ようかん・豆大福・人形焼きがいけそう。思ったより多くて嬉しい。お魚好きとしてはたい焼きが最も惹かれた。野菜、レモン、蕎麦などネオ羊羹がどれも斬新で気になるが、今は食べられそうにないので食欲が復活したら挑戦したい。「打ち菓子」というワードを初めて聞いた。落雁と和三盆が別物と知って驚き。
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みや
斬新で親しみやすい団地ホラー、壮大で心躍るギリシャ神話、難解で手に汗握るSFバトル。どんどん変貌を遂げていき、どのセクションも非常に面白い。見立て殺人ならぬ見立て怪異は独創的で興奮が止まらなかった。廊下に残る大蛇の跡、壁に貼り付く鱗、相次ぐ行方不明、10年前に首無し死体で発見された老婆、屋上で儀式をする女子高生、悪魔祓いなど現象自体だけでも楽しいのに、更に理由が付加されると嬉しくて仕方ない。主人公の佐枝子もバディのミサキも気概があって好き。最後まで胸熱すぎた。チャラくて飄々とした大学生・真野君が最推し。
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みや
5編収録。読者への挑戦状は受けて立たないタイプだから今回も同じスタンスで読み始めた。余計なものが削ぎ落され、私が好きな「情緒」は無い。出題→解答→解説の流れは問題集のようなのに面白さを堪能できたのは解決編での納得感が圧倒的だから。自著解説で作家の拘りや工夫が丁寧に示され、私にとっては新しい「ミステリの楽しみ方」を学べて興味深かった。端正な構成が最近の凝ったミステリで疲れた脳に優しい。夫を殺した妻と息子を聴取する『幼すぎる目撃者』は5編目の慣れもあって予想(推理ではない)が当たったし、真相も残酷で好き。
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みや
幼少期に廃墟の家で「完璧な家族を作ろう」と囁く怪異に襲われた男が実家に戻る。執筆のために取材した手記や証言が並ぶモキュメンタリー形式による生粋の家ホラー。認知症の母と無口な息子が廃墟へ憑かれたように通う現在パートは主人公が煮え切らず、猟奇殺人や殺害後の異常行動が狂気に満ちた過去パートの方が好みだが、姉とのエピソードが純粋に気持ち悪くて生理的な嫌悪を覚えた。主人公と廃墟の関係やタイトルの意味といった根本は歪みまくっているのに最後は綺麗に纏まり、ストンと腑に落ちる。ぐちゃぐちゃな感情のまま終わってほしかった。
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みや
薔薇十字探偵社で今川と邂逅、榎木津父が甕探しを依頼、赤坂の壺屋敷を訪問、榎木津が木場に亀探しを依頼、各々が壺屋敷へ、京極堂の憑物落としと木場の逮捕劇と榎木津の大暴れ。一つの中編を一巻丸ごと使って贅沢に描いている。小説を読んで想像した以上に壺屋敷が凄まじい壺屋敷で驚いた。屋内はこんなことになっていたのか。これは発狂する。悪人が一気に成敗され、痛快な結末にスッキリした。じいさんが壺を集めた理由も好き。今川さんは顔の圧が強いし、首の角度がおかしいし、根っからの良い人だし、好感度の高い面白おじさんで気になる存在。
が「ナイス!」と言っています。
みや
シリーズ第4弾。前作のアラビアンナイトが大掛かりなトンデモトリック満載で楽しかったので、どれも小粒に見えてしまった。たぶん私の感覚が麻痺している。華麗な伏線回収は今作も健在で、特に『オオカミ少年ゲーム』で最初の童話が活きた時は思わず笑った。アリの巣のように張り巡らされた地下都市の「信用できない見取り図」も興味深い。教訓の番人として良い教訓は金貨で買い取り、不実な者は北風の能力で凍らすイソップの存在が全編通じて賑やかすのは面白いが、呆気ないラストは物足りなくて残念。全体的にはっちゃけ濃度が薄い巻だった。
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みや
白い蛇に似たイビを飾る奇妙な風習のある町でイビラに憑かれた妹を救う。子供は無力だ。誰にも助けてもらえず、逃げても居場所はなく、親は信じてくれない。150年前から現在まで様々な理由で身勝手な大人に虐げられてきた子供たちの悲痛な叫びが脳内で鳴りやまなくて、私まで泣き喚きそうだった。救われてほしいと必死に願った。右頬の穴から顔を覗かせるイビラや大量に蠢くイビなど視覚のグロテスク描写も容赦ない。ずっと心が痛くて苦しいが、最後の真実で彼の強さと優しさに包まれて、初めて涙が零れた。君を信じて良かった。心を抉る絶品。
が「ナイス!」と言っています。
みや
「ホラーマーケット 怪談即売会」購入本。表紙は普通の見た目だが、裏表紙に本の半分ほどの大きさの何かが黒いテープで留められている。もしかしてあれが入っているのか…?南米土産のコーヒー豆に混入していた昆虫を飼育する物語。虫嫌いとしては「育てるとか頭おかしいんじゃない?」と言いたくなるが、嫌悪感こそが恐怖と面白さを倍増させてくれる。しかも珈琲は好きで毎日飲むから、摂取するたびに思い出してげんなりしそう。もうそれにしか見えないよ。日常生活まで侵食するトラウマをありがとう。こういうのめちゃめちゃ大好き。
珈琲豆虫
が「ナイス!」と言っています。
みや
ネタバレ「ホラーマーケット 怪談即売会」購入本。縦長の形状で、文字も縦長に伸びているような気がして読みづらいのだが、むしろそれが良い味を出している。意識不明の彼氏が買っていたこけしにお告げをもらう物語。無表情のこけしは私にとって「不気味」の対象だから敵か味方か曖昧なまま進み続けるのはなかなかに緊張感があって楽しかった。坊主は大抵興味を持てないのにメガネ坊主さんは舌打ちしたり言葉遣いが荒かったり、大変好みです。「●●さんですか?」と知らない名前への呼びかけが何個も留守電に吹き込まれているのを想像したらゾワッとした。
こけし奇譚
が「ナイス!」と言っています。
みや
「ホラーマーケット 怪談即売会」購入本。単語カードという奇抜な形状はとにかくインパクトがあり、どんな内容が繰り広げられるのか予想できず、期待感を与えてくれる。裏面に男、表面に女の台詞が書かれた援助交際する2人の会話劇で、タイトル通り「精を吸って若返る人種」の物語。ミステリ作家の西澤さんらしい仕掛けが茶目っ気たっぷりに施されていて終盤の伏線回収が気持ちいい。状況を視覚で想像するとエロティックでグロテスクな結末も楽しい。これからももっともっと色々な作品を拝読したかった。心躍る時間をありがとうございました。
吸精種
が「ナイス!」と言っています。
みや
「ホラーマーケット 怪談即売会」購入本。アスクルのファイルに1枚の死亡診断書と後任医師が真相を探る小説が綴じられている。奨学金返済のため田舎の診療所で働くドクターが村の秘密を知ってしまう物語。王道の村ホラーは何度読んでも良いものだ。設定や人物造形に新鮮味はないけれど、それでもやっぱり面白い。「不穏」のレパートリーが多く、様々な緊迫感が矢継ぎ早に押し寄せてきて楽しかった。死亡した前任医師について探りに来た訳知り顔のハイテンションな准教授・月見里が活躍するかと思いきや、意外にも淡白で驚く。もっと粘ってよ!
が「ナイス!」と言っています。
みや
「ホラーマーケット 怪談即売会」購入本。紫色の触手が首から生えた中学2年生・田淵紘子と友情を育む物語。見た目に反して大人しい性格の田淵さんにすぐ慣れる生徒と忌避する生徒がいるのは当然だし、親しみの表現方法や越えられない一線など人間関係の機微が巧く描かれるから両方の意見に納得できてしまう。ルッキズムや差別問題として捉えるにはファンタジーすぎるが、現実的な懸念を抜いて「私はどうするだろう?」と向き合えるのは良かった。SF要素を随所に感じるも全体の世界観が判明しなかったから凄く気になる。願いが叶ってほしかった。
が「ナイス!」と言っています。
みや
「ホラーマーケット 怪談即売会」購入本。次に進むページを自分で選ぶゲームブック形式で、本を行ったり来たりするたびに興奮度が増していった。クジを引いてアタリなら9億円、ハズレなら自分は死ぬが指定した人物に1億円が届くデスゲーム「9億ロック」に挑む物語。金持ちたちの戯れで命を弄ばれる定番設定はやっぱり好きだし、ルールもちゃんと酷くて、全貌が明らかになるにつれてどんどん盛り上がっていく。一番最初にBEST ENDへ辿り着き、真相を知ったからこそ他ルートを更に楽しめたのかも。疾走感があって非常に面白かった。
が「ナイス!」と言っています。
みや
「ホラーマーケット 怪談即売会」購入本。夜のドライブで先輩から怪談話を聞かされる物語。同じ女を何度も見る怪奇現象を検証するために怪談を語りながら心霊スポットへ向かうという贅沢なホラー詰め合わせで常に楽しかった。慣れない運転と望まない怪談に苛まれる待鳥くんが微笑ましい。怪異好きのバーテンダー・鳴海先輩が無神経で優しくて格好良くて大好き。2人の会話をもっと聞きたい。霊はなぜ出てくるのか。考察して結論を出しても正解は分からない。永遠に明かされない謎こそがミステリとは違うホラーならではの魅力なのだと改めて思った。
が「ナイス!」と言っています。
みや
「ホラーマーケット 怪談即売会」購入本。結婚式の招待状のようなオシャレな装丁で、この中に恐怖が綴られているとは想像もできない。高級な質感の便せん6枚が入っており、ビジュアル的には新感覚だがストーリーはお馴染みな展開だった。イケメンの完璧超人である男に自宅へ招かれる物語。この一冊で完結というより、これが新しい幕開けの序章といった感じだからちょっと物足りなくてウズウズしている。こういうイケメンは大好物なので続きをぜひ読みたい。
が「ナイス!」と言っています。
みや
「ホラーマーケット 怪談即売会」購入本。クラフト封筒の中にA4サイズの報告書と踏切の写真が入っていて読む前からワクワクさせてくれる。踏切内で何度も轢死する2人がループの脱出を目指す物語。ログ形式の文章や約3分の短い繰り返しが軽快で勢いよく楽しめた。想像力豊かなミサキと冷静なムサの相性は好ましく、省略された調査パートが詳細に描かれたらバディ物ミステリとしても面白そう。ミサキちゃんがド変態で可愛かった。池袋と三保松原で開催されたかもしれない悪趣味なツアーも気になるから参加者たちのスピンオフを読んでみたい。
が「ナイス!」と言っています。
みや
人魚をテーマにした4編の連作短編集。美しい顔の女は、人間の心の奥底から醜い感情を呼び起こす。嫉妬、嫌悪、邪心、淫欲、羨望、破壊。男も女も下衆の部分を露わにさせられ、各編とも胸糞悪い真相や痛快な結末にニヤニヤした。人魚の生態は古来から伝わる典型的な設定を基本にしており、そこにオリジナル要素が加わってもイメージしやすい。人魚が辿り着いたルッキズムの答えには思わず首肯した。それでも私は美女が好き。潮風で皮膚が粘つくような空気感はずっと居心地が悪く、水族館が次第に退廃していく3編目の静かな破滅が特にお気に入り。
が「ナイス!」と言っています。
みや
榎木津礼二郎のスピンオフシリーズ。強姦魔の御曹司たちを薔薇十字探偵社と京極堂が成敗するお話。原作は中編集の一編で、重く暗く胸糞悪い事件の割にコメディ度が高い。漫画でも破天荒満載で楽しかった。最初は腰が重かったのに、いざ始まると意気盛んに果心居士を演じ、仰々しい鳴釜神事まで行う京極堂が微笑ましい。この人、案外ノリが好いんだよね。榎木津は歯痛のためのマスクにサングラス姿でも麗しく、凛々しく気高い美弥子さんは格好いい。これが貴人の輝きか。前作より益田君の人相が悪く、態度もチャラくなっていて悪影響を大きく感じた。
が「ナイス!」と言っています。
みや
ネタバレ京極堂が学院で憑き物落とし、杉浦が碧の罪を告白、平野が碧を殺害、織作家で憑き物落とし、葵は半陰陽、耕作が葵を殺害、母が耕作を殺害して自害、黒幕は五百子刀自?、京極堂と関口が織作家を来訪、蜘蛛は茜。性別や血縁に囚われた人々の泥沼の先にある結末は美しく悍ましく、やっぱり大好き。自らの手ではどうしようもない鎖に縛られて足掻く姿に惹かれてしまうのは、彼らのエネルギーにどこか憧れるからだと思う。お淑やかなお嬢様でもキレた狂人でも、碧が最高に可愛かった。その後の行く末を知っていると最後の茜の笑顔に愉悦と同情を覚える。
が「ナイス!」と言っています。
みや
友人と考えた「怪神コドクオ」が顕現する令和の事件、「怪人蟲毒王」が友人一族を脅迫する平成の事件が交互に描かれる。題名と設定からトンデモ系SF×痛いゴシックホラーを想像していたら意外にも真っ当な本格ミステリだった。金山での密室殺人、暗い坑道を探る冒険譚、暴力団との肉弾戦、過去の大量殺人、恋愛と友情が交錯する青春など650ページに多くの要素が充満している。奇想天外な内容を私が勝手に望んでいたため、結末も含めて満足度は低かった。悪魔の創造主、生き人形、様々な毒虫が詰められた壺など各所にある悪趣味な要素は大好き。
が「ナイス!」と言っています。
みや
ネタバレ木場が葵を取り調べ、志摩子が目潰し魔に殺害、爺が美由紀を激励、榎木津と益田が学校で調査、碧の弁明、小夜子が絞殺魔に殺害、榎木津が絞殺魔を捕獲、益田が京極堂に依頼、敦子と青木も来訪、今川が京極堂に織作家の憑き物落としを依頼、京極堂が始動。四姉妹の中というより百鬼夜行シリーズ全体の中で最推しの碧ちゃんが天使と小悪魔の両面をがっつり発揮してくれて幸せ。かわいいなあ。美由紀の爺ちゃんがずっとニコニコしていて温かくてほっこりした。
が「ナイス!」と言っています。
みや
単行本は既読だが程よく忘れていたし、主人公や全体の構成など所々が違うから新鮮に読めた。各々の怪異譚に単行本より深く迫り、詳細を知ることで減る恐怖と増える恐怖を肌身で感じられるのが面白い。個人的には単行本の方が好みだった。怪異の中では『赤い女』が断トツで怖い。自分の家のベランダで女がジャンプしていたら…と想像して鳥肌が立った。複数の話がリンクすると得体の知れない大きな存在が生まれる「怪談のロマン」がやっぱり好き。心温まる日本語であるはずの「ありがとうございます」が忌まわしい言葉に聞こえて今回も楽しかった。
が「ナイス!」と言っています。
みや
摩訶不思議な怪異録を65編収録。「気味が悪い」とは正にこの本。意味不明な世界に無防備な状態で突き落とされ、奇怪な現象を目の当たりにし、一切の説明もなく置き去りにされ、何も解明されずに元の世界へ帰される。それを何度も繰り返し、脳味噌がぐちゃぐちゃになった。この場所は読む前にいた場所と同じなのか?戻れない所に来てしまった気がする。最高に最悪な旅を満喫した。馴染みのある単語でも組み合わせ次第で色んなキモさが生まれるから日本語って面白い。「人形の材料にイヌは適してないよ」「なんでちんちんがないのよ!」が特に好き。
が「ナイス!」と言っています。
みや
ネタバレ伊佐間が美由紀の実家で織作父の葬儀を覗き見、今川が合流して織作家で遺品整理、是亮の殺害現場を目撃、木場が降旗に聞き込み、益田が薔薇十字探偵社に就職希望、杉浦夫の捜索が採用試験、増岡と益田が京極堂を訪問、今川・伊佐間・セツが捜査会議、木場が織作家で事情聴取開始。『鉄鼠の檻』の後だと美女たちが揃って眩しい。眼福。青木の林檎パジャマが可愛くて癒された。降旗がヒモかぁ…気持ち悪いな…。
が「ナイス!」と言っています。
みや
初読の際にエリマキが大好きになったので再読では彼にばかり目を奪われた。気付いたらこの世にいて自分ですら自分のことが分からないなんてミステリアス男子の究極系すぎて愛おしい。人によって違う姿に見える彼は、私の脳内で映像化されると儚く美しい青年だった。見た目に限らずエリマキに抱く印象は読者によって大分異なる気がする。気味悪いと怯えたり、可哀想と憐れんだり、格好いいと憧れたり、多彩なな感情を引き出す魅力的な存在だった。一作のみで終わるのは惜しい。令和にも彼が存在していて、もし実際に会えたなら私は誰に見えるだろう。
が「ナイス!」と言っています。
みや
3年前に死んだ相棒に促され、再び音楽を始める青春物語。この著者でなければ手に取らないジャンルだが、思い入れ補正を抜いても心を震わす温かな物語に夢中になった。蘇り系に不可欠な最後に待つ切なさ以外にも寂しい要因があり、キョウスケと共に何度も涙をこらえる。そのたびにカイの優しさとポジティブ思考と愛に溢れた真っ直ぐな言葉が面映ゆいのにじんわり沁みて救われた。過去の場面が丁寧に挟まれることで本編に無い時間も自然と想像できて、どんどん彼らを好きになっていく。周囲の人達と音楽を通じて紡がれる絆も良かった。ミノル君推し。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2016/04/13(3529日経過)
記録初日
2016/04/13(3529日経過)
読んだ本
2682冊(1日平均0.76冊)
読んだページ
747747ページ(1日平均211ページ)
感想・レビュー
2682件(投稿率100.0%)
本棚
11棚
URL/ブログ
https://www.instagram.com/miya_horror/
自己紹介

スプラッタ、ホラー、ミステリ、歴史小説が好きです。血と狂気に満ちた作品を読むと心が穏やかになります。

好きな作家は、綾辻行人・白井智之・加藤シゲアキ・方丈貴恵・京極夏彦。

ナイス、お気に入り、コメントは自由気儘にやっています。
お気に入りさんとは、できれば交流を持ちたい派。
どうぞよろしくお願いします。

ベスト本
★2024年
「禍」小田雅久仁
★2023年
「なれのはて」加藤シゲアキ
★2022年
「名探偵に甘美なる死を」方丈貴恵
★2021年
「兇人邸の殺人」今村昌弘
★2020年
「お前の彼女は二階で茹で死に」白井智之
★2019年
「隣の家の少女」ジャック・ケッチャム
★2018年
「壊れた少女を拾ったので」遠藤徹
★2017年
「アメリカン・サイコ」ブレット・イーストン・エリス
★2016年 
「白の闇」ジョゼ・サラマーゴ

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