読書メーター KADOKAWA Group

2023年6月の読書メーターまとめ

夢追人009
読んだ本
97
読んだページ
2493ページ
感想・レビュー
97
ナイス
47403ナイス

2023年6月に読んだ本
97

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2023年6月にナイスが最も多かった感想・レビュー

夢追人009
グランドホテルを舞台に人類の永遠の敵Gを巡り利害関係者が敵味方に別れて繰り広げるハチャメチャなドタバタ・コメディーの痛快作です。一流ホテルの経営者とGを武器にして世間の評判を貶めて地位を奪おうと暗躍する勢力との戦いにG退治の専門家の女性、この日に勝負を賭けるシェフ、Gを崇拝する歌舞伎役者、Gを憎むピアニスト、コンサート歌手、殺虫剤会社の女性研究者ら大勢の人々の人間ドラマが、それぞれに喜怒哀楽の激しい感情の浮き沈みで読者の心に強く訴えかけてきますよ。Gのイメージを連想させる登場人物達のネーミングも笑えます。
ヨシ
2023/06/14 02:37

Gって、例の奴ですよね。面白そうなので、ポチッといただいていきます。笑えるネーミングが楽しみです。

夢追人009
2023/06/14 05:41

ヨシさん、はい、その通りです。楽しくお読みくださいね~!

が「ナイス!」と言っています。

2023年6月にナイスが最も多かったつぶやき

夢追人009

読み友の皆様5月度も沢山のナイスを下さって誠にありがようございました。先月は短い話が大半でしたが良く頑張れました。6月はもっと冊数を沢山読んで書きますよ!とにかく質より量で勝負しますよ!出来れば気力を振り絞ってコンスタントに毎日書き続けたいですね!2023年5月の読書メーター 読んだ本の数:70冊 読んだページ数:5710ページ ナイス数:42808ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/868158/summary/monthly/2023/5

かすみん
2023/06/01 19:03

今月もよろしくお願いします🌂

夢追人009
2023/06/01 19:06

かすみんさん、今月は雨が多そうですが、よろしくお願いしますね~!

が「ナイス!」と言っています。

2023年6月の感想・レビュー一覧
97

夢追人009
小川未明さんの童話の30編目は心が洗われる誠によい話ですよ。寒い朝に女中のおはるが公園で少女雑誌を読んでいると一緒に来た家のお嬢さんが、すべり台から落ちて泣き出しました。おはるより先に、みすぼらしいはんてん着の男がかけより「いい子いい子」とさすってくれました。ありがとうございましたと礼を言ってお嬢さんに具合を聞くと怪我はなく驚いただけのようでした。男はベンチに座ってうつむいており、おはるは宿がなく公園で夜を明かす哀れな人なのだわと思い故郷にいる自分の父を思い出しました。おはるはお嬢さんを連れて帰りました。
夢追人009
2023/06/30 10:44

その日の昼頃におはるがお使いで公園のそばを通ると、子どもたちがルンペンの男が倒れていたのをお巡りさんが連れて行ったと話していたのを聞きました。やはり朝の親切な男の人で幸いにも命は大丈夫だという事でした。おはるは用事を片付け、家へ帰るとしまっておいたお給金の中から五十銭銀貨を出し紙に包んで交番のお巡りさんの所へと持って行きました。「どうかこれを、公園で倒れた気の毒な人にあげてください」と言って差し出しました。おはるは朝からの話をしました。「感心なお志です。確かに届けてあげます。どんなに喜ぶでかしれませんよ」

夢追人009
2023/06/30 10:44

そう言って快く引き受けてくださいました。こういう風に恵まれない不幸な人々を思い遣る気持ちをいつまでも持っていたいものですね。まあ本人の努力が足りない面は多少あろうかとは思いますが、それでも冷たく突き放すのではなく人を思い遣る心を大切にしたいなと思いますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
夢野久作さんの49編目は塵に関する幻想的なポエトリーですね。著者は完全に塵に心を奪われ魅せられてしまっているようですね。関係ありませんが「魅せられて」といえばジュディ・オングさんの大ヒット曲でしたね。塵は無形の偶像で、金銀も宝石も喜びも悲しみも皆塵となる。宗教も道徳も塵となり唯心も唯物も現在、塵となりつつある。ことによると、塵こそ造物主の正体なのかもしれない。塵よ、塵よ、おまえは一体何をしているのか。喜劇か、悲劇か、デタラメか、本気か、拍手しているのか、嘲笑罵倒しているのか?なんとまあ渦巻き狂う塵だろう。
夢追人009
2023/06/30 09:55

こんなに思い詰めると精神が危なくなる恐れも感じられて心配になりますので、みなさんは幾ら考えてもどうしようもないことにいつまでもクヨクヨと悩まずにホドホドにしておきましょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の86編目は不気味な犯罪ミステリー小説風の現代怪談ですね。まあ前半部分はストーリーに関係しませんので省略しますね。微風団という女を脅して金を奪う犯罪グループが警察に摘発されて仲間が次々に逮捕されていると知った男は町を逃げ回る。刑事に追われジョギングをする白いシャツの群れの一団の中に紛れ込んだ男がベンチに腰掛ける3人の男の顔を見ようとすると何とそれは首から上のない胴体だけの奴らだった。慌てて逃げ出し電柱を上ると漏電しかけた電線が彼を待っていた。彼の死体は公園で二人の会社員に発見された。
夢追人009
2023/06/30 09:21

人ならぬ魔物によって息の根を止められた悪党の凄惨かつ無慈悲な末路を描く勧善懲悪の物語でしたね。余談ですが、本編の題名は「白いシヤツの群」で「シャツ」ではありませんので呼び出すのに出て来ず焦って相当に苦労しましたよ。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の29編目はよくある子どものイタズラのピンポンダッシュの話ですね。学校帰りの二少年、孝ちゃんと清ちゃんが人通りの少ない家の前へ来て呼び鈴に興味を示し譲り合った末にボタンを押しました。誰かが出て来る音がして隠れてやり過すと音は途中で引き返しました。二人は面白いからともう一度やると今度は本気で女の人が追って来たので必死で逃げましたがとうとう追い付かれて怒られました。その子は田舎出の女中さんで「本当にもうしないか。おら田舎の学校で徒歩競争の選手なんだぞ」と言うと道理で足が早いと苦笑いしました。
夢追人009
2023/06/29 10:37

女の子は帰り道がわかんねえと二人に聞くと教えてもらい「おら奥様に言い使って捕まえたんだから悪く思わんでくんなせい」と言って去りました。それを聞いた二人の少年は何だか涙ぐましくなりました。田舎から都会に出て来て頑張って女中としてひたむきに働いている十五歳ぐらいの少女の姿に少年たちは共感を覚えたのでしょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
夢野久作さんの48編目は真面目なファンタジー童話ですよ。露子さんは継子で、いつもお母さんからいじめられていて夜は家事にこき使われて毎晩泣きながら寝るのでした。小学四年生の露子さんは勉強がよく出来て女学校へ入りたいと両親に話しましたが父は賛成してくれましたが母は家事をサボろうとしてるのねと言って反対し許してくれませんでした。それで露子さんが泣きながら寝ていると不意に不思議な音に気付いて目覚めました。キキリコロコロ、キキリツツリ。雨戸の桟を見ると小さい虫が一匹洋服を着て眼鏡をかけ椅子に座り本を読んでいました。
夢追人009
2023/06/29 10:09

虫は「あなたの事情はよくわかっていますよ。私があなたを女学校に行けるようにしてあげましょう」と言い穴から帰って行きました。翌朝起きると玄関に校長先生がいて学校で「あなたを女学校に行かせるようにと両親を説得しました」と話し、毎夜試験の為に1時間勉強する時間を与えるようにとも言いましたと。しかし露子はこの夜の勉強時間を断って学校で集中して勉強しますからと言いました。このことを校長先生が出向いて両親に話すと、さすがに意地の悪い母親も泣いて露子さんを抱きしめ「今まで私が悪うございました」と言ってお詫びをしました。

夢追人009
2023/06/29 10:09

それから露子さんは優等で小学校を卒業して優等で女学校に入学しました。露子さんはこれも虫のお蔭だからお礼が言いたいと思っていましたが虫はその後二度と姿を見せませんでした。まあ本当に苦労が報われて幸せになれてよかったねと彼女を祝福し貰い泣きして涙がこぼれそうになるとても良いお話でしたね。まあ、たまにはまともな話もいいじゃありませんか。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の85編目は珍しく著者自身も作中に登場するユーモラスな一編ですよ。昔、神々が人間に姿を見せていた頃の話で来宮様(くのみやさま)という酒好きな神様が師走の寒い頃に酒を呑んで眠くなり山の野原で寝転んで完全に眠ってしまった。近くに来た旅人が焚き火をしていると火が燃え移り火事になって消火できずに逃げ出す。神様の家来のキジが気付いて必死になって起こすが中々目が覚めず村人が来て抱き起こして運んだが手遅れで火傷を負って死んでしまう。この話の村に来た作者が宿に来て酒を頼むが故事の定めにより断られる。
夢追人009
2023/06/29 09:07

神様が深酒をして死んでしまった為にこの期間は村中が禁酒をするので飲みたければ隣の村に行けと言われたのである。まあ、みなさんも健康で長生きする為にもお酒はほどほどにしましょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の28編目は短銃な題名ながらも素晴らしい内容の一編ですよ。純吉は頭は良いけれど、動作がのろまに見えて心無い教師から鈍吉(どんきち)と言われたせいで、みんなからドンチャンというあだ名をつけられました。でも彼はもし喧嘩したら相手を傷つけてしまうと心配してどんなに馬鹿にされても黙って耐えていました。ある日彼は空を飛ぶカラスの群れが他の鶏から弱いものを助けて守ってあげるのを見ました。でも意外にも次に見るとカラスは弱い者を追い出そうとしていました。純吉も大人になると戦争に出征していき戦死しました。
夢追人009
2023/06/28 11:24

村では子どもの頃に馬鹿にしていた子も、戦争で死んだ英雄の純吉を「仲間に何と言われようとも決して喧嘩をしなかったのは流石で偉かったな」と褒め讃えて語り合いました。空の上では、からす昔と全く変わらずに哀れな者を労わったり虐めたりと矛盾した行為を繰り返しているのでした。喧嘩に勝つ者だけが偉いのではなく相手を思い遣る心を持つ者は誠に立派で簡単そうで実は難しく真に勇気ある者だと言えるでしょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
夢野久作さんの47編目はブラックな日本昔話の趣きですね。欲張りの坊さんが村人から得たお金を樫の木の下に埋めると、夜にチャリーンチャリーンと音が鳴ります。ある年に雨が降らず米が取れなくて百姓が困って坊さんに金を貸して下さいと頼むと金はないと断ります。村人たちは寺を探しても金が見つからないので帰りますが夜になるとチャリーンと音が聞こえますので、もう辛抱できなくなり泥棒に化けて坊さんを脅します。遂に追い詰められた坊さんは正直に話しますが樫の木の下を掘ると何と金が消えていました。村人は怒り坊さんを殺して埋めます。
夢追人009
2023/06/28 10:43

それからは金の鳴る音はしなくなり、小さな蝉が木の下から出て「ツクツク惜しい、ツクツク惜しい」と鳴くようになり村人たちは蝉を「ツクツク法師」と名付けましたとさ。まあ、えげつない殺生な話ですね。坊さんも、もっと早く心を入れ替えたら死なずに済んだかもしれませんね。物欲は身を滅ぼしますから、みなさんも良い教訓にしてくださいね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の84編目は中国の馬鹿な小悪党の話ですよ。張という県令の男が都へ戻ると下男たちがご馳走を用意していた席に黄色い服を着た男が座っていた。張は男に肉をたらふく食べさせ酒も存分に呑ませてやった。男は満足すると漸く口を開いた。私は人ではありません、新たに死ぬ人の名前を記した帳面を運ぶ使いの者でございます。張が帳面を見ると自分の名前が書かれていたので驚き男に助けてくれと頼む。男は今日のお礼に助かる策を教えてくれる。崋山の神が博奕で負けた金千金をお礼に献じますと約束してから仙人の所に行きなさい。
夢追人009
2023/06/28 09:48

教えられた通りにすると仙人は最初は冷たかったが神からの頼みの手紙を見ると態度を変えて張に五年の命を延ばす手配をしてくれる。張は喜んで礼を言い、帰りに黄色い服の男に会うと崋山の神に千金を渡す事の念を押される。だが張は旅館に帰ってくると約束をした千金の金が惜しくなり出さない事に決めた。十日後、張は旅先で黄色い服の男と会って罵られる。あなたは嘘つきだ。もう何を思おうとも助けてやる事はできない。夜になると張は病気になり遺言状を書こうとしたが半分も書かない内に死んでしまった。折角一度は幸運に延命してもらえたのにね。

夢追人009
2023/06/28 09:49

わずかな金を惜しんだ為にチャンスを無にして天国から地獄に落ちた男は何て愚かな野郎なんでしょうね。まあこの男の自業自得で、所詮は悪人の性だから死ぬ運命を逃れられなかったのでしょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの27編目は悔しく遣る瀬ない気持ちを思いっ切りぶつけた掌編です。長二は貧乏な家に生まれて、おもちゃも持たずに死んでしまった。何でも子どもの好きそうなものが並べてあるのを見ると、店のガラス戸を砕いて、それらのものをめちゃめちゃにたたき壊してやりたくなる。隣に住んでいた、あの貧しかった哀れな長二のことを思い出したときに。昔の時代はこう言うことが普通にたくさんあったのですね。今は当たり前に得られている物に感謝して不幸だった少年の悲しみや無念の思いを忘れずに噛みしめて毎日を大切に生きていきましょうね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
夢野久作さんの46編目は猟奇殺人ミステリー風の奇妙な異常心理スリラーですよ。どこかの公園のベンチで私は新聞を広げている。私は今から一か月前に私がある空き家で私が絞め殺した下町娘の報道記事を探していたのだ。私はその女と恋仲になっており彼女があまりに美し過ぎて気違いになりそうでどうにも堪らず一思いに絞め殺してしまったのだ。死体はある廃屋の鴨居に縊死を装って吊っておいた。私は下宿に帰り記事を注目していたが一か月何の音沙汰もなかった。今も諦めかけた時に足下に記事を見つける。だが死体は会社員らしい若い背広男とある。
夢追人009
2023/06/27 09:49

私は興奮して思い出の事故現場の廃屋に入って暗闇でマッチをすって見ると、何とそれは間違いなく私の死体だった。これは警察のトリックでは?と疑っていると背後から若い女の私が絞め殺した女の笑い声が聞こえて来た。「オホホホホホホ、私の思いが、おわかりになって」ミステリーと思わせて推理も何もありませんね。よもや自分の死体を目の前で見せられるなんて!読者はこの不条理な世界の住人の女の哄笑を唯々味わって戦慄するしかないですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の83編目は犯罪小説風の可哀そうな物語ですね。ある小さな集落の勘右衛門という猟師の家に二十六七歳のイケメンの青年僧が訪ねて来て宿を乞うた。彼は長逗留で一家の世話になり十六歳の美しい娘・千代と仲良くなる。やがて勘右衛門は僧がお尋ね者ではないかという噂を耳にして悩むようになる。そしてある日風呂に入っていた僧が鉄砲で打たれて殺される。僧の正体は定かでなく警察の捜査も犯人を突き止められず勘右衛門が拘引されると娘の千代が発狂し座敷牢に入れられるも抜出し最後自分の家に火を付けて風呂場で焼死する。
夢追人009
2023/06/27 08:38

その頃に僧を殺した犯人が自ら縊死する。それは千代に失恋した村の男で、勘右衛門は漸く釈放される。それから千代の怨霊が風呂場に現れるとの噂が流れたので村では共同風呂を作って入る事となり、千代の命日には風呂供養の行事が行われた。その行事は30年後も續いているかも知れないという。まあ誠に哀れな悲劇ですね。巡り合わせが悪くてまだ若くして狂死した娘・千代が不憫でなりませんね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の26編目は珍しくショッキングなラストの話ですよ。太吉じいさんは、かがし作りの名人で若い頃から弓の名手でしたので鳥たちは見ただけで逃げていき決して近づきませんでした。鳥たちは親から子へ毎年伝えましたので田んぼは常に安泰でしたが、ある日、もの忘れが激しいカラスがやって来て、かがしの上にとまりました。カラスが無事なのを見ると他の鳥たちは「何だ、大丈夫じゃないか」と知って自分達もとまるようになりました。太吉じいさんは息子に「最近は弓よりも鉄砲が流行だよ」と聞きましたので鉄砲持ちのを作りました。
夢追人009
2023/06/26 11:56

すると鳥たちは鉄砲の怖さを知っていますので子供に近づかないように言い聞かせました。でも、それでもカラスは全く気にせずに、かがしにとまり続けました。鳥たちはカラスの勇気に感心して皆で稲を荒らしました。今まで馬鹿にされてきたカラスでしたが一番利口だと言われるようになったのです。けれどある日、おじいさんの息子が撃った本当の鉄砲で、みんな殺されてしまいました。馬鹿と利口は紙一重で、ちょっと見分けのつかぬものなのですよ。まあ最後は残酷でしたが、お百姓さんにとって鳥の害は深刻な死活問題ですから止むを得ないでしょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
夢野久作さんの童話の45編目は外国のメルヘン風の掌編ですよ。昔ある国に独身の王様がいて一匹の犬を飼い「息子よ息子よ」と呼んで一緒に山を散歩するのを楽しみにしていました。王様は病気で亡くなり遺言には「息子の犬を王様にせよ。そうすれば俺が妃を迎えなかった理由がわかるであろう」とあり家来は不思議に思いましたが忠実に命令に従いました。王様のお披露目の式にお婆さんが来て抱いていた三毛猫が犬を見てフーッと唸ると山の方へと逃げました。すると犬は椅子から降りて猫を追いかけて行きました。総理大臣は騎兵と共に犬を追いました。
夢追人009
2023/06/26 11:15

一同が山中の洞穴を見つけて中へ入ると見事な宮殿があり、気高い女と美しい青年が話をしていました。大臣が女に犬が来なかったかと聞くと、この青年が犬なのですと答え、実は私は森の精で、この子は私と王様の間にできた息子なのです。私はここから出られませんので、息子を犬の姿に変えて王様に会わせておりました。息子は王様が亡くなって私と会いたくて堪らなくなったので猫を追う振りをして会いに来たのですと話し、王子を王宮へお連れ下さいと頼む。という訳で美しい王子が王様になりハッピーエンドで毒がなくつまらないですがめでたしですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の82編目は怖くはなく温かい人情のある現代怪談ですよ。大人しくて気が弱い養子で私をとてもかわいがってくれた医師の父が私が七歳の時に亡くなった。翌年の私が八歳の夏に母がチブスになって非常な熱があり、診て貰った山田医師から治るのが困難だと言われ親類の人々が看病に来てくれた。私が偶々一人で看病をしていると玄関の戸がガラガラと開いて部屋に医師が入って来た。医師が薬を用意する時に薬指の曲がりを見て父に似ていると思った。その晩、隣室に居た親類の人は音に誰も気づかずで、母は父が枕元に来た夢を見た。
夢追人009
2023/06/26 09:24

母に父が処方してくれた薬を飲ませると数日して全快した。こういう事は理屈抜きで実際にありそうな気がしますね。医者の不養生で自分自身の命は救えないのですが、家族を見事に救ってくれた美しく優しい家族愛の物語でしたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の25編目はシンプルながら面白い昔話らしい掌編ですよ。意地悪な海のおばあさんが性格が良く誰からも愛される山のおばさんに遊びに来てくださいと招きました。山のおばさんは大きなざるに野菜や果物を入れてお土産にと海のおばあさんに贈ると初めて見る物なので喜びました。海のおばあさんは魚と貝をお土産に贈りますと、山のおばさんはざるを借りて持ち帰りました。山のおばさんは、ざるの事を忘れてしまいましたが海のおばあさんは覚えていて返さないのに腹を立て時々「ざるかえせーざるかえせー」と波の音をさせるのでした。
夢追人009
2023/06/25 11:17

でもまあ、このざるは元々は山のおばさんのものですから野菜と果物だけをもらったんだと思えば納得できるのに、いったんもらったものは自分のものだから返してもらわないと割りに会わないわと執念深く思い続ける海のおばあさんは、やっぱり意地悪で性格が悪くてこれは一生治りそうにないですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
夢野久作さんの童話の44編目は最高に愉快なユーモア・メルヘンの世界ですよ。五郎君はお菓子が大好きでご飯も食べずにお菓子ばかり食べるので両親が心配して何とか食べさせぬようにと家から全部のお菓子を取り去ってなくしてしまいました。五郎は意地を張ってご飯を食べずにいると両親は外出していきました。五郎はお腹が空いてお菓子が欲しいなと泣いていると郵便屋さんがきて兄さん夫婦から五郎に宛てた小包を差し出しました。それは嬉しい事にお菓子の詰め合わせセットで、喜んだ五郎は西洋のお菓子を一箱全部ペロリと食べ終えてしまいました。
夢追人009
2023/06/25 10:39

母が帰ってきましたが五郎は布団で寝てしまいました。やがて何だか苦しくなって起きると外は真っ暗で、部屋の中に西洋のお菓子たちが並んで勢揃いするとみんあでダンスを踊り出しました。五郎はもう死ぬくらい苦しくなって「苦しい苦しい助けてください、お父様、お母様」と叫びました。驚いた母に起こされて目を開けると意外にも外は明るくまだ昼過ぎでした。五郎は医者に連れていかれ、お菓子の食べ過ぎだとわかると、こっ酷く叱られ「これから決してお菓子を食べてはいけません」と言われ五郎は病気が治ってからもお菓子を欲しがりませんでした。

夢追人009
2023/06/25 10:40

お菓子軍団の逆襲でしょうか、まあこれに凝りて暫くはお利口さんでいるのでしょうね。この少年が「喉元過ぎれば熱さを忘れる」で、また暴食がぶり返しまたりしせんようにと祈りますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の81編目は中国のもしも本当だったら凄い話ですよ。秦の始皇帝の時、王道平という男が娘と結婚の約束をしたが、徴兵されて軍人となり敵地で9年もの長い時を過ごした。娘の親は年頃になると嫌がる娘を説き伏せて無理矢理、劉祥という男と結婚させた。娘は道平を思って病気になり3年後に死んでしまう。道平は女の死後3年して漸く帰還したが深く悲しみ女の墓へ行って一度でいいから顔を見せておくれと念じる。すると何処からか死んだ女の顔が見えてきて、私の体は真実には死んでいませんから、掘り出してくださいと告げる。
夢追人009
2023/06/25 09:07

言われた通りに棺の蓋を開けると女が生き返ったので家に連れて帰った。これを聞いた劉祥は州県へ訴えたが適応する法律がなく、仕方なしに秦王にお伺すると同平の妻にすべきものと言われたので二人は夫婦となった。何とまあ驚くべき話で、愛の力は死者をも甦らせる程に誠に偉大なものなのですね!

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の24編目は良くできた生きる上で参考になる人生の教訓話ですよ。年郎くんと吉雄くんはお友だちの家に遊びに行って大きな一本のいちじゅくの木を見せてもらい苗木をそれぞれに一本ずつもらって持ち帰ります。年郎くんの植えた苗は陽当たりの良い場所ですくすく成長して木になり三年目から実が沢山なりだします。けれど吉雄くんの苗は同じ時機に植えたのに陽の当たらない場所に植えられたので未だに実がなりません。吉雄くんは自分の失敗を悟って木を陽当たりのいい場所に植え替えてやるとぐんぐん成長し翌年には実がなりました。
夢追人009
2023/06/24 13:04

吉雄くんはこの事から。みんな同じような頭を持って生まれてきながらよくできる人と。そうでない人に分かれるのは。どこかに故障があったに違いないと思い当たるのです。もしあの時自分がこの木は駄目だと思って捨ててしまったら可哀そうに一つの実すらならずに終ったでしょう、何事もなにげなしに漫然と実効するのではなく、注意深くよーく考えてより最善の方法を試すように心掛けましょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
夢野久作さんの童話の43編目は大爆笑の魔法ファンタジー童話で誰もが大好きになるだろうと確信できるユーモラスな傑作ですよ。美代子さんは綺麗な可愛らしい女の子でしたが口真似をする癖があって皆から嫌われていました。ある日、家の前で一人で羽根つきをして遊んでいると一人の支那人が来て「反物入りまションか」と言い美代子さんは「反物入りまションよ」と口真似で答えしました。支那人は怖い顔をして美代子さんの後ろに回り小さな金襴の巾着を広げ「オーチンパイパイ」と言うと美代子さんは再び口真似で「オーチンパイパイ」と返しました。
夢追人009
2023/06/24 12:06

警察署の大広間で春夫さんは巡査に経緯を説明しますが全然信じて貰えず、もう駄目かと思った瞬間に思い切って「メーチュンライライ」と大声で叫ぶと、途端に部屋中に大勢の女の子たちが出現して部屋が一杯になりました。その中に妹の美代子さんもいて二人は泣いて感激の再会を果たしまして、支那人はすぐに逮捕されました。巾着は焼かれて灰になり、兄弟は無事に家に帰りました。美代子さんはこれに懲りて、それからは二度と口真似をしなくなりました。他の女の子もきっとそうでしょう。悪い中国人の表現が現代は問題ありですが、面白かったですね。

夢追人009
2023/06/26 07:01

コメント2は、×兄弟→〇兄妹の間違いでした。毎度毎度ごめんなさいね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の80編目は妖しい話で少し長めですが要約するとシンプルな秋の日の幻想ファンタジーノベルですよ。加茂の光長という侍の男が体が重苦しく我が家の庭を眺めながら一人で酒を飲んでいると、庭に痩せたのと太った少年が現れて二人で組み合い角力を取り出した。こいつら何者だ?おそらく人間ではあるまいと思い「誰だ」と問い詰めると逃げ出し人を呼んで探させたが何処にも見つからなかった。翌日の夜も二人は現れ角力を取ったので侍は弓を取り二人の間に射た。翌日庭を探すと黒アリとダニが死んでいた!Gではなかったですね!
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の23編目は金持ちが飼う鶏も驕れるものは久しからずやの教訓の話ですよ。金持ちの男が毎日退屈なので鶏を飼って新鮮な卵を産まして食べようと思いました。鳥屋の主人から買った鶏は期待通りに毎日卵を産んでくれて金持ちは大喜びでした。そこで友達に見せて自慢しましたが、友達は何だどこにでもいる鳥じゃないかと言ったので金持ちはイヤになりました。そこで再度鳥屋へ行って主人に今度は珍しい鳥が欲しいと求めました。すると主人は強くて空を飛ぶ野生の鶏を出してきて、外へ出す時は脚に縄をつけておきなさいと注意します。
夢追人009
2023/06/23 12:21

金持ちは鶏を買って友達に見せて自慢しますと感心して自分の鶏と闘鶏で勝負させようと提案し、その結果は金持ちの鶏が見事に勝ったのです。金持ちは大喜びで、常にかごから鶏を外に離しておきました。近所の人々は鶏が畑を荒らしても金持ちが地所の持主なので我慢しました。秋の日、この村に銃を手にした男が猟犬を連れて通りました。すると怖いもの知らずの金持ちの鶏が犬に向かって不意に飛びつきました。すると犬は怒って、とうとう鶏をかみ殺してしまったのです。まあ世の中には無敵の存在はいないですし、これも神様のくだした天罰でしょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
夢野久作さんの42編目はユーモラスで笑っちゃうクライムコメディーですね。夜中に雨戸のところでゴリゴリと音がして雪子さんたった一人だけが目を覚ましました。雪子さんは泥棒だと気付いて音のする部分へ玩具のバケツをあてがうと泥棒が向うから小刀で突いてカンカンと音がします。雪子さんは泥棒の行く音のする所へついて行き玩具のバケツを差し出す度にカンカンと音がするのです。泥棒は驚いて「家中すっかり金張りだ!」と叫んで夢中で逃げ出しすぐに通りがかりの巡査さんに捕まりました。雪子さんの咄嗟の機転で一家が救われバンザイですね!
夢追人009
2023/06/23 11:32

家の中で父母娘3人の笑いの大爆発!「アハハハハハ」「オホホホホホ」「ウフフフフフ」お気楽な脳天気ぶりがいいですね!

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の79編目は不吉ですがやや黒いユーモアも感じられる話ですよ。六十七歳で変死した母を持つ某女性の話。善光寺参りに行って来ると言って家を出た母がいつまで経っても帰って来ない。彼女は夜半にうなされて夢を見たのが、母が土産を持って帰って来て、それは大量の蠟燭と線香で家中に溢れ返りニッコリと笑顔を浮かべてまた家を出て行こうとするのを留める奇妙な内容でした。やがて幼児が幽霊を見たと言い易者に見て貰うと動いているから大丈夫と言われるが一週間後に女の溺死体があがったと新聞で知り見に行くと母親だった。
夢追人009
2023/06/23 10:36

ずっと後に聞いた事ですが、占いで母が動いてると出たのは、水死体が流れていたからだそうです。まあ不謹慎ですが何となく死者のユーモアで、おちょくられているような気がしないでもないけったいな一編でしたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の22編目は夢見る少女小説のようなメルヘンチックなお話ですよ。のぶ子というかわいらしい少女がいて十歳になりました。お母さまによれば5,6歳の頃にお姉さんが外国へお嫁さんに行ってしまわれたといいます。彼女はお姉さんのことを思い出そうとしますが霧の中のようで悲しみが込み上げてきました。その年の秋の彼岸の頃に外国から小さな軽い紙の箱が届きました。それは南アメリカに住むお姉さんから送られた数種類の花の種でした。種を植えた翌年の春一つの鉢から真赤な花が咲きましたが夕暮れには風に散ってしまいました。
夢追人009
2023/06/22 12:22

けれど、もう一つの鉢からは青い花が咲いて珍しく元気がよく花を幾つも開きました。その上なつかしい良い香りがしました。のぶ子は青い鼻に鼻を近づけて香気を嗅ぐと、お姉さんを思い出したわ、背のすらりとした少し髪のちぢれた方でなくって?と母に問うとお母さまは「ああ、そうだったよ」と我が子の顔を見てニッコリと微笑まれたのでした。花の香りが記憶を刺激して取り戻させてくれるなんてドラマチックでふしぎな事ですね。昔は外国からの帰省なんて難しかったのでしょうけれど、母とこの姉妹が生きている内に再会できることをお祈りしますね。

夢追人009
2023/06/24 10:49

コメント1の2行目は×青い鼻→〇青い花です。申し訳ありませんでした。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
夢野久作さんの41編目は強引でムチャクチャな無理筋ミステリーですよ。中村芳夫青年は思いもがけぬ伯母の遺産を相続して百万長者となったが、たちまちの内に散財浪費して全額を使い果してしまい借金まで背負って再び元の無一物になる。彼は自明の理の百万円の行方を追って多くの人に聞いて回るが誰も要領を得ず、やがて高山という名探偵に頼む。高山は理想的な美少女を夫人に迎えれば百万円が戻るでしょうというが、そんな美少女は現れず遂に二人は乞食同然になって野垂れ死んでしまう。結局は人間はまじめに一所懸命働かなければ駄目なのですよ!
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の78編目は中国の面白い話ですよ。唐の時代の郭元振(かくげんしん)という少年が田舎を旅する途中で宿を取り損ねて探していると一軒の家を見つけて声をかけるが誰も応じず中に入ると酒宴の準備がされた部屋があるが無人だった。廊下を通って次に部屋へ行くと泣いている女がいた。事情を聞くと私は年に一度の神様の人身御供になりましてそれが悲しいのですと答える。元振は女を救ってやろうと言い料理を腹一杯食べると邪神の奴らが来るのを待った。夜半に表に牛車が来て紫色の着物を着た怪しい者が玄関から入り元振を見た。
夢追人009
2023/06/22 11:16

そいつは「相公(しょうこう)がいらっしゃる」と言う。元振は俺は将来、大臣宰相になれるのかなと喜ぶ。冠を着けた逞しい邪神らしき者に宴席へと招かれた元振は弁当箱から鹿の肉を出し剣で切って奨めると邪神の出した手を剣で斬り落とす。邪神一行は逃げ出す。切り取った邪神の手は毛の荒い猪の右腕だった。朝になり村人達が来ると最初は元振のした事に怒ったが、奴は邪な神だと道理を説くと納得した。元振と村人達は血の滴の後を辿って大きな塚穴の中に前足を切られた野猪を見つけて倒した。元振は助けた女を連れて出発し、後に唐の宰相となった。

夢追人009
2023/06/22 11:16

中国の若者が見事に妖怪イノシシを退治して立身出世する痛快なハッピーエンドのサクセス・ストーリーでしたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の21編目は飼犬と少年の強い絆が感動を呼ぶ友情物語ですよ。正ちゃんの飼っている黒犬クロが最近は他所のニワトリやウサギを捕ったりするので皆から憎まれていました。父と母は黒犬を捨てさせようと考えて新品の二輪車を買い与えようと考えます。お母さんが黒犬を捨てるなら二輪車を買ってあげますよと持ちかけると正ちゃんは、きっぱりと断ります。お母さんも意地になり、それからミットと伝書ばとを買ってやる話をすると、3つ全部欲しいなあと言って遂に迷ってしまいます。そしてお母さんに少し考えさせて欲しいと頼みます。
夢追人009
2023/06/21 11:44

正ちゃんが野原で寝転がって目を閉じているとクロが来て、顔を舌でぺろぺろと舐めるのです。そして本当に死んだと思ったのか大声で吠え始めたのでした。すると正ちゃんは飛び起きてクロに向かい、こんなにやさしいお前を捨てようなどと思って悪かった!堪忍しておくれ、もういつまでもかわいがってどこにもやらないから!と言って二人は草の上で元気に相撲を取って遊んだのでした。両親の差し出す物質の誘惑の魔の手に負けないで大好きな黒犬を手放さなくて本当に良かったですね!

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
夢野久作さんの童話の40編目は生き物の人間を利用したリベンジ復讐物語ですよ。鵙は百舌鳥・百舌とも書いて「もず」と読みますよ。お父さんのカエルが田んぼへ虫取りに行ったまま帰って来ないので心配になったお上さんカエルと子どものカエルが見に行きますと、モズに捕まって茅の刈り株に突き刺されて日干しになって死んでいました。母と子は抱き合って泣いて父さんの死骸を荷って蓮の葉のお寺へ運ぶと親戚一同を呼んで葬式をしました。そこへ一匹のスズメが通りかかってカエルから事情を聞くと俺が親父さんの仇を討ってやるからなと言いました。
夢追人009
2023/06/21 10:52

スズメは仲間と相談して計画を立てると、人間の鳥さしを見つけ大勢で連れ立って飛んでおびき寄せると深いドブへ落します。鳥さしが落したモチ棹をくわえたスズメはモズが来る木のてっぺんに立てかけておきました。するとモズが来てモチ棹に体をくっつけて動けなくなり「助けてくれ」と叫びます。鳥さしはドブから上がってくるとモチ棹にくっついたモズを見つけてモズの首をキュッとひねると獲物の収穫のお膳立てをしてくれたスズメに感謝しながらモズを持って帰るのでした。素晴らしいですね!スズメの見事な頭脳プレーに天晴れ!と叫びたいですね。

夢追人009
2023/06/21 10:57

まあ作者がカエルに随分と肩入れしてモズを征伐してコテンパンにやっつけていますね。まあ生き物の世界は弱肉強食の情けを許さない非情な世界ですけどね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の77編目は魔法のような幻想的な話ですよ。村に一人の男があって町に行って甘くいい匂いの梨を売ると高値で売れた。みすぼらしい格好の道士が来て「一つおくれ」と言ったが村の男は「ダメだよ」と断って「この乞食坊主め、とっとと行かないと酷い目に遭わすぞ」と罵った。道士は「車の中には何百とあるのだから一つぐらいはいいじゃないか」といい周りの人々も「悪いのを一つあげたらどうだ」と加勢したが村の男は頑として拒んだ。店の客が騒ぎをうるさがり自分で金を出して梨を一つ買ってやって道士に与えると彼は食した。
夢追人009
2023/06/21 09:19

道士は「わしは良い梨を持っているので皆さんにご馳走しよう」と言って一つを出して食うと続いて鍬で地面を掘って種を植えた。そこに店でもらった湯をかけると何と直ちに芽が出て大きな木へと成長し花が咲いて梨の実がなった。道士は人々に梨を与え全部なくなると樹を伐り切れると肩に担いで立ち去った。村の男は商売に戻ろうと振り返ると車の上の梨が全部なくなっているのに気づいた。道士が人々に与えたのは自分の梨だったのだと知る。また車の手綱が一つないのを見ると道士が担いでいった木になった事にも気付く。道士は行方不明で人々は笑った。

夢追人009
2023/06/21 09:20

梨売りの男は、たった一つの梨を惜しんでケチった為に酷い目に遭ってしまいましたね。みなさんも日頃から寛大な心で親切心を持つように心掛けましょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の20編目は常識外れのふしぎなファンタジーですね。昔さびしいところが大好きなお姫さまがいて静かな誰もいない場所へお供の者二人を連れて出かけました。お姫さまは歌うことや楽器を奏でることが大好きでしたが人気のない山中で誰かが美しい音を出すのを耳にします。でも何故かお供の者の耳には何も聞こえないのです。お姫さまはイヤになって今度は海辺へ行きますが、ここでも美しい音が邪魔をするのです。やがてお供の一人が名案を思いついてお姫さまをある町へ連れて行きました。すると美しい音は全く聞こえなくなりました。
夢追人009
2023/06/20 12:38

こうしてお姫さまはようやく気持ちよく長く暮らす場所を見つけ出したのでした。静かなさびしい土地よりも、やかましい町の中がいいなんて逆説的な信じられない話ですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
夢野久作さんの童話の39編目は非常に珍しいキノコが主役の愉快な話ですよ。大勢の種のきのこ達が夜に集まって談話会を開きました。機嫌が良い者、不機嫌な者と順番に意見を述べていき、最後に毒筍のグループの代表者がケラケラケラと笑いながら話しました。お前達は皆馬鹿だ。世の中の役に立つから、そんなに取られてしまうのだ。俺達みたいに役に立つどころか人間の害になる存在ならば放っておかれて安泰なんだ。皆俺達みたいになるように勉強しろと偉そうにお説教をします。その内に夜が明けてキノコ狩りの人間の一家の父母姉弟がやってきます。
夢追人009
2023/06/20 12:51

成る程、ヒグチユウコ展で販売されているのですね。初めて知りましたが、この絵柄には毒キノコも描かれているのでしょうか?やっぱり人情的に考えたら気持ちが悪いので外されているのかも知れませんね。

あたびー
2023/06/20 14:14

そう言われてみたら食べられるキノコばかりかもしれませんね。毒キノコにも美しかったり可愛かったりするものがあるんですがね😅

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の76編目は一種の学校の怪談の掌編です。天長節というのは現在の天皇誕生日の以前の呼び名なのですよ。大正十一年の十月三十日に横浜市の石川小学校で天長節の勅語奉読式が行われた。その翌日に四年一組の受持訓導S君が生徒達にみなさんの友達の石井君が昨日亡くなられましたと伝えると皆が嘘だと言って信じなかった。石井君は昨日の式に来ていましたと皆が目撃談を語るのです。S君が皆に彼の体を触ったかと訊くと誰もがいいえと答え昨日桟橋に釣りに行った少年の死体を警官が水底で発見した事を話すと皆納得したという。
夢追人009
2023/06/20 10:46

少年はきっと、このまま死者の国へ行くのが未練であの世へ行く前に最後に大勢の友達に会いたかったのに違いありませんね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の19編目は競争社会を風刺するようなユーモラスな一編です。ある田舎に同じような床屋が二軒ありましてお客さんを自分の店により多く来てもらおうと考え、それぞれにサービスと努力をして競争していました。だけど、そこへ何と新たに3軒目の床屋ができたのです。新しい店主は従来は散髪の料金が十銭だったのを八銭に値下げしました。すると客はそちらに行きました。残り2軒の店主は一方が値段そのままで品質を上げる事にして、もう一人は更に値段を五銭に下げて品質を下げる事にしました。子供達は店を変え散髪に行きました。
夢追人009
2023/06/19 11:45

三人の子供が口々に十銭のあたま、八銭のあたま、五銭のあたまと言い合って笑っていました。この時、これを木の枝で見ていたカラスが、アホ―アホ―といって鳴いたのであります。まあ「安物買いの銭失い」ということわざもありますし長い目で見て選択するべきでしょうかね、まあどれがベストかは一概に言えずで人それぞれの好みに応じて最後は自分自身が納得すればいいでしょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
夢野久作さんの38編目は月が欠けて見える月蝕がテーマの不気味な詩のような奇妙な作品です。月蝕が始まると共に苦しみだす女。どうしたんだろう、大丈夫かなと読者は心配しながら見守るばかりで妖しげな文章の連なりを読み進めていくと…最後にホホホホホホホホこれはお芝居なのよ、大空の影と光の。だから私は痛くも苦しくも何ともないのよ。みなさん本当になさったでしょう。私って名優でしょう、ホホホホホホホホ。では、さようなら~オホホホホホホホホ。もう作者の企みには笑うしかありませんね。あんたはバルタン星人かよ!と思いましたね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の75編目は不思議な男女の縁の話です。明治30年前後に鎌倉の八幡宮の饅頭屋へ避暑に来ていた××君が行くと亭主から二階堂の方にお住いの奥さんから言伝で遊びに来て下さいと聞いたと熱心に誘われる。××君が退屈だからと二階堂に出向いて会うと最初は見知らぬ女だなと思っていたが、彼が横浜にいた時に、女が投身自殺しようとしたのを助けた事を思い出した。それから二人の仲は接近したが、女は横浜へと帰り男は兵役の演習で佐倉へと赴いた。やがて偶然にも八幡宮の饅頭屋に男女から別々の書簡が同時に届いたのである。
夢追人009
2023/06/19 10:35

男の方の手紙は前夜怪しい夢を見たので女の身に変わった事はないかという問い合わせで、女の方の手紙を開くと前夜女が病死したという知らせだった。二人は奇妙な縁で知り合いましたが残念ながら最後は親密な関係にはなれずに終ってしまいましたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の18編目は、人間に飼われた見世物のひばりの物語です。町の中で。かごからひばりを出して、あめを売る男がありました。遊んでいた子供達は「ひばりのおじさんだ」と言って寄ってきました。男は子供達にあめを売って、かごのふたを開けると中からひばりがピイチクピイチクと鳴きながら空へと舞い上がりました。その内におじさんが笛をピイピイ吹くと、ひばりは帰って来て元のかごに戻ったのです。おじさんは笑いながら「私の命より大事にしていますよ」といつも言うのでした。ある日3人の子供の前でひばりは舞い上がりました。
夢追人009
2023/06/18 11:16

すると人間には聞こえない声でピイチク鳴く声がして、ひばりが鳴き返しても来ないので少し先へ行ってみると青い野原の上で二羽のひばりが楽しそうに飛んでいました。かごのひばりが、私が呼んだ時どうして来なかったのですかと聞くと、二羽は「私達には可愛い子供がいますので心配でどこにも行けないのですよ」と答えました。野のひばりは巣の中へ帰って行き、かわいい子ひばりが巣の中で父さん母さんが帰るのを待っていました。かごのひばりは、ああ、帰らなくちゃなと町へ飛んで来ると、心配していたおじさんも嬉しくなり笛をピイピイ吹きました。

夢追人009
2023/06/18 11:16

かごのひばりは、自由気ままに暮らす野のひばりがうらやましかったのでしょうね。うーん、おじさんに飼われてエサをもらい大事にしてもらえる一生は安定していますが、自由を奪われて永遠に死ぬまで拘束されるひばりの人生は可哀想で不憫でもありますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
夢野久作さんの童話の37編目は奇想天外でスケールの大きなトンデモ童話ですよ。花子さんは友達と夢中で羽根つきをしていると、羽子板の裏の美しい姉さんの頬っぺたがポコント凹んでいるのに気付きました。花子さんはわっと泣いてお母さんに話すと、構いません、これから大切になさい。ご飯を食べておやすみなさいと言われました。花子さんは枕元の羽子板を見るとビックリしました。羽子板の中から姉さんが出てきて凹んだ頬っぺたを押さえてしくしく泣いているのです。花子さんが私が悪いのよと謝っていると「花子さんのせいでなく私が悪いのです」
夢追人009
2023/06/18 10:22

声は恐ろしく真っ黒い害東風みたいなミイラでした。ミイラは二人を抱き上げると大空高く飛んで故郷のエジプトの都まで連れて往き大広間でご馳走を食べさせてくれました。いつの間にかミイラは王様の姿に変わっていました。またこの国一番の名医が来て姉さんの頬に息を吹きかけるとすぐに頬が元に戻りました。踊りの名人が来てダンスすると王様は堪らず自分も踊り出し段々と激しくなって空高く飛び上がり天井を破って見えなくなりました。ハッと思って目が開くと寝床の中で羽子板の姉さんの頬は元に戻っていました。魔法のようなファンタジーですね。

夢追人009
2023/06/18 11:32

×害東風→〇骸骨が正解です。どうしてこんな風に変換されてしまったのかさっぱりわかりませんで謎ですね。いつもどうもごめんなさいね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の74編目は本当に超ベリーショートですが衝撃的な内容の掌編作品ですよ。昭和十年9月28日の夜8時頃、駒込神明町行きの市電が進行中に女の乗客が何かに驚いたように不意に悲鳴をあげ逃げ出そうとするようにして車窓から上半身を出し丁度センターポールで顔を打って昏倒した。女客は主婦で墓参の帰りだとの事で近くの病院にで手当てを受けた。事情を聞くと席の隣に血みどろになった幽霊がいたので夢中で逃げようとしたとの事で、その電柱はそれまで毎月5、6名も頭をぶつけて負傷するので魔の電柱と呼ばれているという。
夢追人009
2023/06/18 09:21

何て恐ろしや、こんな事が現実にあったのでしょうかね?でも幾ら怖くても窓から顔を出すのは非常に危険な行為ですので絶対にやめるべきですね。今でもこの電車が現存するのであれば令和十年の時には注意するべきかも知れませんね。まあ1935年の話で、今から88年も前ですから女の幽霊も今はもういないだろうとは思いますけどね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の17編目は人間の姉弟がハチの母親に向けた温かいまなざしの昆虫童話ですよ。姉さんは庭先のつつじの枝にはちの巣を見つけて危ないから取ってしまおうかと一瞬思いましたが、何もしなければいいかと思い直して放っておきました。もし弟の勇ちゃんが知ったら取るかも知れないからと教えずに黙っていました。翌朝、また見ると一匹の親バチが巣を大きくしようと一生懸命に働く姿を目にして、その利口さ立派さに感動しました。姉さんはこの思いを伝えようと弟に話すと勇ちゃんは既に知っていて更に詳しい情報を教えてくれたのです。
夢追人009
2023/06/17 10:55

勇ちゃんの友達の子供たちは毎日川へ釣りに行き、エサに適したはちの子を見つけようと懸命に巣を探していました。でも勇ちゃんだけははちの子を探そうとはせず、いつもうどん粉の餌を作って出かけるのでした。勇ちゃんの生き物に向けた愛情と優しい心が感じられて心が洗われますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
夢野久作さんの童話の36編目は珍しい怪談噺の童話ですよ。武雄さんはお母さんが亡くなられてから悪い人間になりました。何かいい悪戯はないかなと考えていると閃いて、祖母・父・姉の眼鏡を見つけて懐に入れると外へ飛び出して行きました。その結果、姉は火傷し、祖母はつまずいて倒れ、父はマッチがなくなって買いに行きました。武雄が帰ると呼びかけても誰も返事をせずでお腹が空いて泣きました。父は帰ると「三つの眼鏡をかけて死んだ母さんを探してみろ」と言って武雄をお倉に入れ閉じ込めました。武雄はメソメソ泣いて眼鏡を3つかけてみた。
夢追人009
2023/06/17 09:57

最初は何も見えませんでしたが、暫くすると何と暗闇の中に懐かしいお母さんの姿が現れたのです。お母さんは武雄を叱り今後は私の心がお前の側にずっとつきまとって見守るから悪戯は止めなさいと言って消えました、武雄は飛びつこうとしたけれど、これは夢で、いつの間にか床の上で眠っていました。その時父がお倉の戸を開けて武雄を出してくれました。武雄は母の話を誰にもいいませんでしたが、それからは大人しくなって家族は皆驚いていました。イタズラ坊主を精神的に懲らしめて改心させた母の幽霊は偉大で、例え死んでも母は強し!なのですねえ。

夢追人009
2023/06/17 10:02

まあ家族の武雄以外の3人全員が眼が悪くて外出中は眼鏡をかけず家に眼鏡を置いていくと言う筋は少し不自然なのですが、そこは大目にみてあげましょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の73編目はシンプルですが恐ろしくも哀れみの感じられる名作ですよ。江戸川縁に住む小心者の若い独身者の侍が親類の家で酒を振舞われて夜道を帰っていると桜の樹の下に佇む綺麗な女を見かける。事情を聞くと叔母を訪ねて来たのだが既に他所へ引っ越していて行方が知れず困っているという。侍は少し迷ったが自宅へ一晩泊めてあげようと女に申し出る。二人は途中で時々重罪人が死刑に処せられる板橋を渡って自宅に帰り着く。改めて女が礼を言い、暫くの間飯炊きでもさせてもらえないだろうかと頼み込み侍は了承して床に就く。
夢追人009
2023/06/17 09:11

朝になり侍は起きるが女が中々起きて来ないので部屋に見に行くと真っ青な顔だったので布団をめくると何と首だけで切り口が血みどろだった。検死を願うと昨日板橋の袂で処刑された罪人の遊女の首だと判明する。女が桜の咲く頃まで待ってくれと言ったので昨日に漸く執行されたのだと言う。侍の男は「あれあれ、桜が散る」と言って発狂し座敷牢に入れられてしまい、毎年春の桜が咲く頃には「花が散る」と言って騒ぐのだと言う。ああ、これからは幸せになれると思っていたのに、一夜明けると逆に不幸のどん底に叩き落された男が誠に哀れで可哀想ですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の16編目は鳥のつばめが重要な役割を担う不思議なファンタジー童話です。よく生徒を叱る教師が物覚えの悪い生徒を憎んで夏の暑い日に金だらいに水を入れてそれを持たせて外に立たせる事にしました。少年は自分の馬鹿さを嘆いて立ちながら泣きました。屋根にとまってその様子を見ていたつばめが子供の側に来て理由を聞き喉の渇きを癒す為に私に水を下さいなと頼みました。子供は「ああ、沢山水を飲んでおくれ。おまえは寒くなると遠い南の国へ行き春になると故郷へ必ず帰って来る利口者だ。私がもしおまえだったらよかったのに」
夢追人009
2023/06/16 10:34

そう言うと、つばめは「そんなら私があなたの中に入りましょう」と言いました。子供が「私の魂になっておくれ」と言うと、つばめは不意に自分の舌を噛み切って足下に落ちて死んでしまいました。子供は驚いて、その死骸を拾い上げ懐に隠して後になってから学校の裏の竹やぶの中にねんごろに葬ってやりました。それからというもの子供は急に.生まれ変わった帳に物覚えが良くなりました。教師は自分が厳しく指導したからだと自慢し一層生徒に対して厳しくなり子供らを叱りつけました。秋になると他のつばめ達が一斉に南の国へと飛び立って行きました。

夢追人009
2023/06/16 10:35

教室の窓からそれを見て空想にふけっていた子供は教師に見つけられ叱られました。子供は結局また教師から毎日叱られるようになったのです。うーん、残念ながらつばめさんの尊い命が無駄になってしまいましたね。でもまあ記憶は確かに良くなったのですからこれからも挫けずに頑張って欲しいですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
夢野久作さんの童話の35編目は読後に首を傾げる不思議な話ですよ。太郎さんはしじゅう寝ぼけてしくじるのが悔しくて堪りませんでした。そこで明日ある予定の運動会はちゃんと事前に用意して皆を驚かせてやろうと決意しました。だが朝早く起きると母が雨が降って運動会はお休みになりましたから、ゆっくりお休みなさい」と言われて二度寝しました。けれど暫くすると母に起こされ天気になって運動会があるよ起きなさいと言われました。太郎さんはどっちが本当なのか悩みましたが仕方なく起き上がってご飯を食べて支度をし家を出て学校に行きました。
夢追人009
2023/06/16 08:53

ところが運動場には誰もおらず水たまりが出来ていて教室にも誰もいないので家に帰ると家中の人が太郎さんを見て笑いました。今日は日曜で学校はお休みじゃないの。お母さんが運動会があると言ったのが悪かったのねと言いました。太郎さんが恥ずかしさと悔しさで泣き出すと、お父さんがお前は日曜日なのに勉強するなんて感心するよと言って慰めました。しかし、この家族の態度は不親切で駄目ですね。不運な息子を馬鹿にして大笑いするなんて意地悪過ぎますよ。家を出る前にもし運動会が中止なら日曜だから帰って来なさいと言ってあげるべきでしたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の72編目はシンプルなあっさりした現代怪談ですが中々に不気味な一編ですよ。ハワイのホノルルに次ぐ都会のヒロにある商店で事務員の一人のシナ人が仕事をしくじったので解雇して新しい事務員を雇ったが、すぐに辞めてしまった。それから次々と新しい事務員を雇うが同様にすぐに辞めてしまう。何度やっても人が定着しないので店主が不審に思って調べてみると最初のシナ人の座っていた机で事務を執って引き出しを開けると誰かが側に立っているような気配がして落ち着いて仕事ができない為だと知った、気色悪い幽霊噺ですね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の15編目は日頃から人間の為に一生懸命に働いてくれる動物たちに感謝しなければいけませんよと戒める教訓の話です。ある男が牛に重い荷物を引かせて町へ出かけた。男は今日の荷は牛にはちと重いかもしれないがやれるかどうか引かせてみようと思いました。牛や馬はどんなに辛くても口に出せないので黙って従うしかないのでした。牛は内心でどうせ生まれるなら蝉に生まれたかったと思いながら重い荷物を引きました。街道の中程の茶屋へ来ると餡ころ餅が飾ってあるのを見た男は牛に帰りに買ってやるから頑張ってくれと言いました。
夢追人009
2023/06/15 11:42

午後に町に着くと男はいつもより多く賃金をもらって喜び居酒屋で酒を飲みました。行きの茶屋へ着くとゴロゴロ雷が鳴り出したので男は牛に夕立が来そうだから今日は我慢してくれよ、明日は買ってやるからと言い牛も納得したようでした。男は翌日も同じ程の重い荷を牛に引かせて出発し昨日と同じ事が繰り返されました。男は今日も自分だけ酒を飲んで茶屋へ着くと「なに畜生の事だから人間の言うことなんかわかるもんか」と考え知らぬ顔で黙って通り過ぎました。すると牛がモーと鳴いて急に猛り立ち男を角に引っかけて田んぼへ放り投げてしまいました。

夢追人009
2023/06/15 11:43

彼が顔を泥田の中に埋めてもがく間に牛はひとりでスタスタと家に帰りました。男はようやく田から這い上がり泥まみれの姿で歩くと村人から、どうしたんだと聞かれましたが何も言えませんでした。男は家に帰ると牛が何でもよくわかっている事を悟って、心から自分が悪かったと牛に謝ったと言います。みなさんもこういう事にならないように動物にはやさしく誠意を持って接してあげてくださいね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
夢野久作さんの童話の34編目は少し意地悪でドラマチックな少女小説風の幻想童話ですよ。ちえ子さんは可愛らしい綺麗な子ですが勉強が嫌いで遊んでばかりいたので、学校を何度も落第しました。算術をやっていると眠くなり庭に行って白い椿が咲いているのを見ていると「私はこんな花になりたい」と思いながら花の匂いを嗅ぐと「ハックシン」と大きなくしゃみが出ました。次に目を開くと自分が白い寒椿の花になって目の前に自分そっくりの女の子がいたのです。ちえ子さんが見守ると、女の子は母に頼んで白椿を一輪挿しにして机に飾ってもらいました。
夢追人009
2023/06/15 10:51

それから女の子は勉強を熱心にして学校でも先生に褒められて友達も多く出来る人気者になりました。ちえ子さんは哀しい気持ちになって「私は悪い子だからこのままでいい、私の代わりにこの子が幸せになってくれたらいいわ」と神様にお願いしながらウトウトと眠くなり気が遠くなりました。ちえ子さんは母の声で目を覚ますと自分が元の姿に戻っているのに気づき、机を見ると花はしおれ返ったままうつ伏せに落ちていました。一時はどうなる事かと心配しましたが、著者の粋なはからいでハッピーエンドにしてくれて八方丸く収まって本当によかったですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の71編目はシンプルですが普通に怖い話ですよ。明治の初め頃の話で女房に死なれた人力車夫が、三歳の男の子を隣家で預かってもらって働いていた。夜になると子供に父が帰るまで家で待つようにと連れて行くのだが、暫くすると子供がしくしく泣く声が聞こえて来て可哀そうになり行こうとすると泣き声がピタリと止んで今度は話し声と笑い声が聞こえだした。父親ではないし不思議に思った隣家の人が子供に何を独り言を言ってるんだいと聞くと、おっ母と話をしてると答えて時々来て乳を飲ましてくれたり抱いてくれるんだと言う。
夢追人009
2023/06/15 09:41

おっ母はどこから来るんだと聞くと子供はいつも空車を引き込んでおく狭い土間の敷居の下を指差した。うーん、子供が死霊に取り憑かれてやつれ病に冒されたりせずにすくすくと成長したのであればいいのだがなと心配しますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の14編目は少年と野良犬の心温まる友情の話ですよ。犬殺しがやって来るというので、犬を飼っている家では可愛い犬を取られないようにと畜犬票をもらってきてつけてやりました。勇ちゃんは宿無し犬のクロのことが心配でした。少年はお菓子や魚の骨をあげたのでクロは勇ちゃんには心底なついていました。少年は母にクロを飼わせてと頼みましたが私には犬の世話はできないと良い返事をくれませんでした。それで父にも頼みましたが、野良犬は人には心を許さないと言われやはり駄目でした。友達の徳ちゃんはメダルを持っていました。
夢追人009
2023/06/14 11:03

勇ちゃんはそれが畜犬票に似ているのでクロに付けてやろうとして徳ちゃんと交渉しました。そして前に田舎で見つけて大切にしていた綺麗な青い石となら交換してやるよと言われて少し迷いましたがクロの命には代えられないと決意し大好きな石を手放してメダルを手に入れました。そのメダルの効果だったのか、クロは犬殺しに捕まらず無事でした。父さんは勇ちゃんがクロをとても可愛がりクロが喜んで勇ちゃんに飛びついている様子を見て本当の鑑札を受けてやろうかと言ってくれたのです。クロがこのまま幸せに生きて、ずっと長生きできればいいですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
夢野久作さんの童話の33編目は、珍しい虻の恩返しの話ですよ。もちろん野球漫画「あぶさん」とは何の関係もありませんよ。6歳の女の子チエ子さんがサイダーの瓶に落ち込んで出られなくなった一匹のアブをいろいろ苦労しながら最後に水を入れて助けてあげます。虻はチエ子さんに「ありがとうございます。このお礼はいつかきっといたします」と言って去る。チエ子さんが留守番で一人きりの時に家に泥棒が来て包丁で脅した大ピンチを先日の虻が泥棒の足に食いついて転倒させ助けてやるのです。最後にチエ子さんは死んだ虻のお墓を作ってやりました。
夢追人009
2023/06/14 10:13

チエ子さんの危ない時にドンピシャのタイミングでやって来て約束をしっかり守った誠に律義な虻でしたね。心が晴れ晴れとする人と生き物の素晴らしい友情の物語でしたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の70編目は中国の怖くはないシンプルな話ですが人名が特殊なので少しだけ読み難いですね。千年余を経た狐と狸が晋の役人の張華(ちょうか)が博学であると知って少年書生に化けて、へこませに行こうとした。鳥居の木の精がそれを知り二人が命を失うばかりでなく災いが俺達にも及ぶと言って止めたが、二人は無視して出て行った。二匹は張華と会って議論すると、さすがの張華も困って人間ではない二人の化けの皮を剥がそうと考えた。知り合いの者が来て、怪しい書生に猟犬をけしかけてみろと助言した。だが二人は平気だった。
夢追人009
2023/06/14 09:12

それならばと張華は「千年の妖なら千年の神木の火で見ればきっと形を現わす」と言い、二匹の住む場所のとりいの木まで使いをやった。使いが行くと青い着物を着た子供が「二匹がわしの言葉をきかなかったから、わしにも災いが及んできた」と言って泣き出して消えた。使いが木を切ると、木の中から血が流れた。その木を受け取った張華が火を付けると狐と狸の姿が現れたので張華は二人を捕まえて煮てしまった。まあ二匹は人間をなめた罰をくらって命を落としてしまい憐れですが自業自得の結末であまりにも悪ノリが過ぎましたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
グランドホテルを舞台に人類の永遠の敵Gを巡り利害関係者が敵味方に別れて繰り広げるハチャメチャなドタバタ・コメディーの痛快作です。一流ホテルの経営者とGを武器にして世間の評判を貶めて地位を奪おうと暗躍する勢力との戦いにG退治の専門家の女性、この日に勝負を賭けるシェフ、Gを崇拝する歌舞伎役者、Gを憎むピアニスト、コンサート歌手、殺虫剤会社の女性研究者ら大勢の人々の人間ドラマが、それぞれに喜怒哀楽の激しい感情の浮き沈みで読者の心に強く訴えかけてきますよ。Gのイメージを連想させる登場人物達のネーミングも笑えます。
ヨシ
2023/06/14 02:37

Gって、例の奴ですよね。面白そうなので、ポチッといただいていきます。笑えるネーミングが楽しみです。

夢追人009
2023/06/14 05:41

ヨシさん、はい、その通りです。楽しくお読みくださいね~!

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
南米アルゼンチン文学の第一人者の女流作家による12編の幻想ホラー短編集。やはり土地柄のせいか陰湿な暗さはなく何処かに陽気で熱狂的な気質を感じますね。でも冷静に見えても明らかに頭のねじが外れて狂っているのですけどね。私の印象に残ったベスト3は「ショッピングカート」の黒人ホームレス男の呪いのリベンジの流れが向かうラストの意外な戦慄。「肉」はカリスマロックスターが自殺した時に熱狂的ファンの少女が取ったおぞましさ行動とは?「戻ってくる子供たち」は死の国から帰って来る子供たちの話で「怪奇大作戦」を思い出しましたね。
オスカー
2023/06/13 18:37

目次をみました。「ちっちゃな天使を掘り返す」「どこにあるの、心臓」とか気になるタイトルが並んでいました~読んでみたいです🐥

夢追人009
2023/06/13 18:56

オスカーさん、こんばんは。こちらは相当に高額な本ですので図書館で借りてぜひお読みくださいね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の13編目は今回も泣ける良い話ですよ。体の色が黒く顔だけが白い雌犬がいて気味が悪く見えて子供達みんなから嫌われていました。敏ちゃんは憐れな犬を自分でもいじめたことがありましたが悪い事をしたなと反省して、もういじめるのはやめようと思いました。この犬が家に来た時に食べ残しの固いパンをあげるとすぐに食べるかなと思ったら口にくわえて走って出て行きました。敏ちゃんは何て可愛げのない犬だろうと腹が立ちました。ある日敏ちゃんは学校帰りにあの犬が何かをくわえて杉林の中へ駆けるのを見て鳴き声を聞きました。
夢追人009
2023/06/13 10:11

走って行って林をそっと覗き見ると二匹の小犬がもらった魚を嬉しそうに食べていて母犬が満足そうに見ていました。そうか、わかったぞ、.この間のパンも自分が食べずに小犬の所に持って行ったのだと敏ちゃんは知りました。母犬は同時に周囲を警戒して敵が襲ってこないかと注意していました。これを見た敏ちゃんは母犬の子供に対する優しい愛情は人間のお母さんが子供に対するのと少しも変りないのだと感心しました。敏ちゃんは黒犬を心から愛するようになり、虐めようとする子に小犬の話を教えてやめさせたのでそれからもう誰も虐めなくなりました。

夢追人009
2023/06/13 10:11

家の女中に話をすると、それからはこの宿無しの可哀そうな黒犬が来るまで食べ物を取っておいてあげるようになりました。子供があってどんなにお腹がすくでしょうと女中は同情しました。じんわりと心に沁みて涙がこぼれそうになる本当に良い話ですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
夢野久作さんの32編目は童話ではない不思議な白昼夢の幻想譚ですよ。私が線路の上に立ち向うから近づいてくる列車を避けずに轢かれて死のうと考えていて、次の瞬間、普通に突っ立っている自分に気づいて死ねば良かったなと後悔しつつ線路を見ると何と私の死骸が横たわっていた!それを見ていると他人がいろいろと自分の事を悪く言う台詞が頭に思い浮かんできて気分が悪くなる。「馬鹿」と私は言って死骸に唾を吐き通り過ぎたが何となく気にかかって念の為に振り返って見ると死骸は消えていた。私は命拾いした気分で一人で苦笑した。水が飲みたい。
夢追人009
2023/06/13 08:48

魔がさして死にかけたのが救われて誠によかったですね。彼は命の重さ大切さを身に沁みて味わって今後はもう二度と自殺しようとなどと考えないだろうなと信じたいですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の69編目はメルヘン調ですが誠に恐ろしい掌編です。品川駅の近くに魔の踏切といわれる踏切があって、数年前、列車が進んできた所へ一方の闇から青年がふらふらと線路の中へ入って来た。機関手は驚いて急停車し青年を叱りつけた。「前途ある若者が、何故そんなつまらんことをする」すると青年は夢から醒めたように周囲をきょろきょろ見回しながら言った。「不思議な事にこの辺り一面に美麗な花が咲いていて何とも言えない良い匂いがするのです。それに綺麗な女が沢山いて一緒に踊りませんかと誘うのでふらふら入ったのです」
夢追人009
2023/06/13 08:03

もし女性が通りかかったら逆にイケメンのダンサーが踊りましょうと誘うかも知れませんね。あなたが若死にしたくなかったら、死神の甘美な罠には十分に注意してくださいね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の12編目は生き物たちが大勢出て来る愉快なお話ですよ。あたたかいのどかな春の日に静かな道で、みみずが唄をうたっていました。すると田の中からカエルがコロコロと鳴き出しました。二匹は喧嘩はしませんが相手を馬鹿にする言葉を吐いてどちらも自分の唄が一番だと思っているのです。上から唄を聞いていたお日様はどちらも上手だと思いました。今度はツバメが来て2羽が、みみず派とカエル派に分かれました。そこへくろねこが来て事情を聞くと俺がどちらがいい声か判断してやろうと言い、ツバメたちは黒猫に判定を頼みました。
春の真昼
夢追人009
2023/06/12 11:40

さて、ツバメたちが飛んでいくと、くろねこはニャオン!と鳴いて気持ちよく眠り込んでしまいました。ツバメが戻るとねこが眠っていて困りました。すると、一匹のとんぼが現れて、僕がネコを起こしてあげましょうと言います。とんぼがネコの鼻先に近づくとネコは怒って起きて捕まえようとした拍子に田んぼへと落ちてしまいました。みみずもカエルも唄うのをやめて水中に潜りました。まあ唄の勝者は結局不明なままで話が終ってしまいましたね。とんぼが春の季節に出てくるのはあまりにも早すぎるとは思いますが、まあいいでしょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
夢野久作さんの童話の31編目は珍しく少しも毒のない少女ファンタジー小説風の話ですよ。うた子さんは友だちに教わって水仙の花の根を植え赤と青の絵の具を入れて毎日せっせと水をやっていましたが一向に芽が出ません、ある日学校から帰るとお父さんが庭を掘り返して畑にしようとしていて「水仙の根を切ってしまった」と謝って今度また支那水仙を買ってやるよと言います。彼女はその晩泣いて寝ました。翌日の学校帰りに、うた子さんは赤と蒼のリボンを付けた二人のおとなしい女の子と出会って楽しく遊びました。彼女は正月になって初夢を見ました。
夢追人009
2023/06/12 11:01

あの二人の女の子が枕元にお別れを言いに来たのでした。うた子さんは二人が水仙の精で遊びに来てくれたのねとようやく気づきました。まあ女の子が喜びそうな普通に好い話でしたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中康太郎さんの怪談噺の68編目は列車のトンネル内部が舞台の掌編ですよ。兵庫県と岡山県の間のトンネルでは工事で多くの犠牲者を出したので、車輪の音が「骨が足りない、トコトコトン」と聞こえると言って車掌たちから恐れられていた。数年前の夏の夜に新しい車掌が乗り込んで展望者のデッキで涼んでいると目の前の線路の上に、とろとろと青い火が燃え上がって、ふわりと浮き上がると凄い勢いで列車を目がけて飛んできた。若い車掌は震え上がり二等寝台車に駆け込むと同時に列車がグラグラと揺れたという。真っ暗闇のトンネルは恐ろしいですね!
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の11編目は感動的な泣かせる好い話ですよ。吉坊は父親に自転車を買ってくれるようにと頼みましたが断られました。父親は金さえあれば酒を買って飲んでしまうと知っていました。吉坊は外に出ると友達の清ちゃんが自転車に乗っているのをうらやましそうに見ていました。清ちゃんは吉坊が自分を虐めっ子から助けてくれた事を覚えていたので吉坊を後ろに乗せて自転車を走らせました。学校から帰ると清ちゃんと徳ちゃんが同じ赤い色の自転車に乗って走りっこをしようと言ったので自分は足で走って二人の自転車を一生懸命追いました。
one_shot
2023/06/11 12:12

夢追人さんのレビューですでに涙腺が縄跳びを始めました。頂いていきます。

夢追人009
2023/06/11 12:22

いつもありがとうございます。小川未明さんの作品には感動的なものが多くてハズレがありませんね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
夢野久作さんの童話の30編目はとても頭の利口な男の話ですよ。昔ある処に何でも上手の男が二人いて何とかどちらが優れているかで勝負をして決着をつけようとしましたが何をやっても優劣つけ難く勝負がつきません。二人は「助けてくれ!」と叫ぶと荷車曳きが来て弁当をくれて食べると市場に連れていかれ、重い荷物を積んだ荷車を押しなさいと言われて従い疲れ切って遂に最後までやり遂げました。荷車曳きは勝ち負けなしで明日も来て下さいと言ったので馬鹿にするな!と二人に怒られましたが私はあなた方が捨てた無駄な力を拾っただけですよと言う。
夢追人009
2023/06/11 08:45

男の話を聞くと二人は恥ずかしくなってコソコソ逃げて行きました。二人は有り余るパワーを無駄遣いせずにもっと有意義につかうべきでしょうね。他にもいろんな分野のスポーツ選手になる道もあるでしょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の67編目は本格的な怪異譚でとっても面白かったですね。お作の家には不思議なことばかりあって魔物が憑いていた。ある朝、旅僧が来て餅とお茶をふるまうとわしが魔物を祓ってあげようと言ってくれて赤い小さな紙を囲炉裏で燃やした。これで封じたが、ただ一つ逃げた奴がある。十八年後に祟るやもしれんからと木の札を出渡して人から見せろと言われた時は偽の札を差し出し、もし怪異が起きたら札を燃やしなさいと言われた。お作は娘が生まれてすぐに夫を亡くし旅僧が来た時には二歳だった娘も二十歳になって美しく成長した、
夢追人009
2023/06/11 07:45

秋の夕暮れに狩装束をした身なりの立派な武士が七八人の従者を連れてきた。娘は一行の酒の酌をさせられ、木の札を見せなさいと言われて偽の札を渡した。すると札を懐に入れてしまい娘に主人のお伽をするよう命じ断っても許さんと強要するので、本物の札を火に入れてン燃やした。すると部屋の中に凄まじい激動が起こって一同は雷にでも打たれた様に背後にひっくり返った。お作と娘は世界が揺らいだように感じ正気に返って見ると武士の一行がいた場所に十匹程の猿がいて死んでいた。武士がいた場所の猿は灰色の老猿だった。危機一髪の逆転勝利ですね!

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の10編目は悪いガキが出てきて腹立たしいですが最後は心が安らぐいい話ですよ。次郎は朝から母と女中のきよさんに不平を言って、きよさんにこれと同じ鉛筆を買っておいてねと頼んで学校に行きます。母は自分の事は自分でしなさいと言いますが無視するのです。帰って来た次郎は、きよさんから鉛筆を受け取ると小刀で削ってから芯が柔らかすぎてすぐに折れるので腹を立てお店で交換してきてよと鉛筆を投げ捨てて無理を言います。きよは、どうしていいのかわからずに鉛筆を持ったままで故郷の事を心に思い浮かべて泣いていました。
夢追人009
2023/06/10 09:48

すると妹の光子さんが来て理由を聞くと自分の筆箱から鉛筆を出して、これを兄さんにあげるといいわと言ってくれて、庭の花壇に咲いた、やまゆりの花を二人で見に行きました。きよは優しいお嬢さんの事を国の妹に書く手紙に添えようと散った真っ赤なけしの花弁を拾ったのであります。我が儘なガキの次郎もいつか痛い目に遭って自分の行いを反省する日が来るに違いないと信じたいですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
夢野久作さんの童話と呼んでいいのか微妙な話で、これで私の読んだ29番目の掌編になりましたよ。可愛らしいお河童さんの人形が丸裸のままでニッコリと笑っていた。私はその美しさが羨ましく憎々しく腹立たしくじれったくなって、その人形を壊したくなり拳固を固めてポカリと頭を叩き割ったらおが屑の脳味噌がバラバラと崩れ落ちて来たが、それでも死なずにニコニコ笑っていた。人形はゴミクタの中に捨てられても永遠に微笑し続けるのです。ちょっと曖昧過ぎて解釈が困難ですが、これは読む人それぞれが自分と向き合って結論を出すべきでしょうね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の66編目は女の祟りが短刀に宿る鬼気迫る話ですよ。松山寛一郎という男が慶応四年の鳥羽伏見の役に参加し会津藩士の家で婦人が自害しようとするのを見て立派な短刀を目にし欲心がきざした。短刀が血で汚れる前に手に入れようと考えた彼は婦人をいきなり切り殺して短刀を略奪した。翌年に故郷の高地に帰った彼は嫁ももらって落ち着いたが夏に怪異が起きるようになる。ある夜、寝ていると火の玉が出てきて蚊帳の上を這い出した。それはすぐに消えたが朝調べると蚊帳が焦げていた。その夜押入れから短刀が出てきて枕元に立つ。
夢追人009
2023/06/10 07:38

そこで目が覚め夢だと気づくが、その翌晩は短刀が飛び出して胸を傷つける夢を見たと思ったら痛みを覚えて胸を見ると本当に傷が付いて血が出ていた。それは白昼にも起こり、「女の祟りじゃ」と感じて地元の和尚に「何とかして封じてもらいたい」と相談すると承知して彼の家の裏に祠を建て短刀を埋めると怪異はなくなった。後に寛一郎が亡くなってから家人が祠を調べてみると短刀は無くなっていたという。まあ無慈悲に殺された婦人の無念さはわかりますね。本当は男を呪い殺したかったのでしょうけれど肝を冷やさせただけでも良しとすべきでしょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の9編目は驕り高ぶる人間を諫める考え深い良い話ですよ。甲の百姓は見た目は醜いけれど主人の言うことをよくきいて従順に働く良い馬を持っていました。甲は茶店を前にして馬に向かって「もう少しで茶店だから着いたら休ませてやってお前にも餌もやるからっもう一頑張りしてくれ」と言いましたが、いざ着くと自分だけ茶を飲みお菓子を食べましたが馬には何もやらず自分の疲れが取れるとまた馬を進めました。馬に話した約束を忘れたのでした。甲の百姓は家に帰る地中で素晴らしく優美な姿の馬を持っている乙の百姓と出会いました。
夢追人009
2023/06/09 11:12

そして自分の馬の醜さが恥ずかしくなり、乙とのやり取りの末に馬を交換する話を決めました。俺ならどんな馬でも従順に使ってみせるという自信があったのです。だが実際には姿が美しい馬は命令しても何も言うことを聞かず頑なに逆らい続け縄で背中を殴っても頑として動きません。この時初めて甲は醜い馬が本当に良い馬であったことに気づきました。甲の百姓は、とうとう腹を立て馬の手綱を無理に引くと強情な馬は暴れ出し百姓を蹴倒して往来を駆け出しました。村中が大騒ぎになり馬を静めるやら甲を介抱るやらで大変で、その後も甲は弱らされました。

夢追人009
2023/06/09 11:13

まあ男は自業自得の気づいた時には既に後の祭りで、従順に働いてくれる動物に感謝して優しくご褒美を上げて報いるようにしないと、この男のように天罰があたって酷い目にあってしまいますよね。この話を教訓にして今後の日々の暮らしの中で動物には優しく接してあげるように心掛けましょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
夢野久作さんの欲深い人間達を森の神様が戒める教訓の童話です。森の神様が砂原を旅する人のために木や竹を生やし、清い泉を沸かして人々に飲ましてやりました。すると大勢の人々がやってきて家を建て、来る人から金を取る商売にしました。森の神様は意地の悪い人間を憎んで、森を枯らし泉を涸らしてしまいました。旅人からお金を取った人々は困って何という意地の悪さだと森の神様を怨みました。森の神様は言いました。私はお前たちのためこの森をこしらえたのではなく旅人のためにこしらえたのだ。まあ神様は正しいですが難しい問題もありますね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の65編目は何とも痛ましく悲しい話ですね。長崎市で青年が妻と仲良く暮らしていたが子供を分娩すると、酷い難産の上に産褥熱で母体が危険になって赤子を抱きしめて「死にたくない」と繰り返し言いながら亡くなった。青年は男手一つで子供を育てるのが難しく友人に勧められて後妻をもらった。前妻の三周忌が近づく頃に子供が夜便所に行きたがり後妻が連れて行くと便所の壁に恐ろしい顔をして両手を構え涙を流す女がうつった。「きゃっ」と叫び夫を呼んできたが女は消えていた。翌晩、後妻は再び子供と夫を連れて便所に行く。
夢追人009
2023/06/09 09:21

すると今度は夫も前妻の幽霊を見て成仏するように話しかけたが応じずその後も度々現れた。二人は引っ越しを考えたが家が中々見つからずイライラしていたある晩に子供がふざけて吊りランプに頭をぶつけると落下して石油に引火し火事になった。二人は火を消そうとしたが果たせず火がくるくる回って玄関前へ出ると火の柱となり空に上った。その火事で子供は焼け死んでしまい、近所の人々は怪しい火柱を見ていたのでこの異変は前妻が我が子を迎えに来て起こったものだと言って噂し合った。罪もない幼い子供が犠牲になるなんて本当に可哀そうな話ですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の8編目は学校の友達との友情の好い話です。新ちゃんは父母と兄の前で腰に長いものさしを差し片目をつぶって片方の手を後ろに隠しながら頭をちょっと傾げて「いいか、よらば切るぞ?」といばって言いました。それは同じ組の小田くんから習ったタンゲサゼンの物まねで、小田くんは勉強はそうよくできませんが面白くて新ちゃんは大好きなのでした。その翌日、先生が小田くんのおうちが遠い所へ引っ越す事になりましたと紹介してお別れの挨拶で小田くんはタンゲサゼンの物まねをして学級のみんなと先生も一緒になって笑わせました。
夢追人009
2023/06/08 08:43

新ちゃんは家に帰ると一人ぼんやりと考えて「もう、明日学校へ行っても小田くんは学校に来ないな」と言って、目の中に一杯なみだをためていました。誠に良い話で読みながら思わずもらい泣きしそうになりましたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
夢野久作さんの動物童話で、これは読者の賛否が分かれそうな一編ですね。ぶち猫のブチ子さんと赤犬の赤太郎さんは仲がよくありませんが、ブチ子さんが「ニャーニャーゴロゴロ」と鳴いて人間におべっかを言い口も達者なので我慢しておりました。この家の台所の食べ物がチョイチョイなくなる事件が起きて女中さんが主人から疑われ責められると犬は可哀そうにと思って同情しました。でもやがてブチ子が食べ物を盗んでいる現場を見つけた犬は猫を殺してしまい家の人は女中さんの無実を知るのです。猫好きな方はご不満でしょうけれど我慢してくださいね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の64編目は怖くはない山の妖怪の話ですよ。明治ニ十年に日向の山奥で森林伐採した時に霜とはもとより他国からも大勢の木こりが集まった。夏の夜に山小屋に皆でいると前方の山から「おうウイ」と誰かがこちらに向けて呼びかける声が聞こえてきた。その声は山の怪異の声で万一応じると一晩中応答しなくてはならなくなり声が続かなくなると得体の知れない毒素に当たって血を吐いて死ぬると言われていたので誰も相手にしなかった。だが広島県から来た若者がふらふらと小屋を出て行って応答をして、それから掛け合いが始まった。
夢追人009
2023/06/08 07:36

木こりたちは段々と不安になってきて大勢で外に出て行き、若者が疲れると順番に交替して声を出した。その内に相手の声が弱って来てピタリと止んだ。木こりたちは勝鬨をあげて喜んだ。朝になって声のした方に行くと杉の大木があって、根元に大きな狒狒が口から血を吐いて死んでいた。まずは人間の勝利に終わって良かったですが、一匹だけで大勢の人間に立ち向かって死んだ狒狒が少し憐れで可哀想に思いましたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の7編目は小さな子供の話ですが大人も勉強になる中々に考え深い好い話ですよ。小さな年ちゃんがお母さんのいいつけで買い物に行くと豆腐屋の前に大きな赤犬がいました。前を通るのが怖かったけど犬が向うを向いている間に前を過ぎてお菓子屋に行きました。帰りに豆腐屋の前を通ると今度は赤犬がこちらを見ていたので、年ちゃんは慌てて走り出すと石につまずき転んでしまいました。赤犬がやってきて年ちゃんの顔を舌でべろりと舐めて優しそうな目で見て尾を振ったので、それからは大好きになって怖がる人には優しさを教えました。
夢追人009
2023/06/07 09:29

二人連れの兵隊さんがお薬を売りに来て一人は松葉杖をつき戦争に行って自分が傷ついた事を言っているようでした。二人は一軒ごとに家に行きましたが、奥さんは留守ですと嘘を吐かれたりしてどこでも断られました。年ちゃんはおじさんを気の毒に思い、「僕の家はあすこです」と声をかけました。おじさんは年ちゃんの顔を見て「坊ちゃんは優しいですね」と言って青い顔にさびしそうな微笑を浮かべると折角教えてあげたのに家には寄らずに立ち去りました。年ちゃんにだけ赤犬と薬売りのおじさんの優しさがわかったのです。年ちゃんが優しいからでした。

夢追人009
2023/06/07 09:29

このお話を読んで人はみな子供の頃の純真なピュアな心を忘れないでいられたらいいのにと思いましたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
夢野久作さんの不思議な正夢の話でとても風情のあるハッピーエンドな良い話です。東京で大地震と大火事があり沢山の人が死にまして死ななかった人も物資を失って大変に困りました。太郎さんと花子さんは父母に連れられて東京の近所のばあやの家へ逃げてきました。二人はその夜眠ったまま「ポチ」「メリーさん」と寝言を言いました。犬とお人形の夢を見ているんだな、どちらも焼けてしまっただろう、可哀想に。翌朝、二人は同じ夢を見たと言い犬とお人形が焼けずにいて早く迎えに来てと招いたのと父母に伝えるが笑って否定され花子は人形の墓を作る。
夢追人009
2023/06/07 08:34

父が東京の家を見に行くと自分の家だけが一軒だけ焼け残っていたので家族に知らせて一家で帰る。人形は無事に見つかったが犬のポチは探しても見あたらないので今度は太郎が犬の墓を作る。だがその晩「ワンワン」と鳴き声が聞こえて犬が泥棒に噛みついて追いかけ通りかかったお巡りさんに引き渡しました。父母が喜んでポチにご褒美におにぎりを上げると褒めて、花子は人形を抱きしめて「やっぱりあの夢はほんとだったわね」と言うと、太郎は犬の背中を撫でながら嬉しそうにうなずきました。この一家は稀に見る奇跡的な幸運で、本当によかったですね!

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の63編目は全く怖くない京都が舞台の人情話ですね。京都の呉服屋の店先でまだ二月だというのに蠅が目撃される。店主の九兵衛は朝晩に何度も蠅を見る内に赤い染料を蠅の体に塗って放すと翌日また現れた蠅には染料が付着していた。九兵衛は親思いの女中・お玉の四十九日であったなと思い出し預かっていたお金に店からお金を足してお寺で供養をしてあげようと思い立つ。すると蠅は急に下に落下して死ぬ。九兵衛は蠅の死骸もお寺に持って行って供養してもらう。お玉の魂が蠅に乗り移って供養してくださいと訴えたのでしょうね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
海外女流SF小説の好短編集で著者が愛する音楽をテーマに取り入れられた作品が多いです。近未来を舞台とする作品が主流で根底に流れるのは、どんなに困難な世の中になっても決して挫けずに自分を信じて歯を食いしばって立ち向かって行く主人公たちの姿勢で期待は裏切られず読後には未来に希望を感じて強い勇気がふつふつと沸いてくるでしょう。SFミステリーの快作、アガサ・クリスティー女史の名作のオマージュ「そしてNマイナス1)人しかいなくなった」 は著者と同姓同名のサラ・ピンスカ―が平行世界のホテルに招かれて殺人事件に挑みます。
夢追人009
2023/06/06 11:16

SFでしか出来ないお遊びで振り向けば誰もが異世界のドッペルゲンガーの自分だというドタバタ調のギャグの面白さ以外にも謎解きパズルのホワイダニットの面で上手にできた秀作です。海外作品で少し冗長ながらも非常に面白い一冊ですので、みなさんもぜひ一度手に取ってお楽しみくださいね。#NetGalleyJP

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
現代社会での鬼と人間の戦いを描く痛快な異世界伝奇ファンタジー小説の1冊目です。鎮守の森の奥の守りの大岩が割れて封印が解かれ鬼が人間界に解放されてしまう!小学6年生の如月大吾少年が異界で出会った謎の烏面の少年と共にツルギを武器に鬼を成仏させるべく闘うのです。鬼が人間から名前を聞く事で体をのっとって同化して操る仕組みや、大吾も烏面の少年と一体化して戦うバトルの様子が面白く大迫力の読み心地です。そしてツルギにより鬼を突き刺しても殺すのではなく成仏させるのだというストーリーも子供達に配慮してとても良いと思います。
夢追人009
2023/06/06 10:33

子供も大人も楽しめるハラハラドキドキのストーリーですので小さなお子さんと親子で読んで楽しまれる事をお奨めしますね。#NetGalleyJP

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の6編目は仲の悪い男二人の陰険な争いの話ですが著者の優しい性格のお蔭で後味は悪くなく清々しい気持ちになりますよ。甲と乙の二人は互いに相手を憎み常日頃から酷い目にあわせてやりたいと思っていました。ある夏に雨の降らない日が続いて飲み水が少なくなっていき深い井戸を持つ甲と浅い井戸を持つ乙とで明暗が分かれました。乙は近くで水を飲める場所を探すと良い清水を見つけて助かったと喜びました。けれど甲はある悪だくみを考えて町で沢山の油を買いました。乙は不吉な予感がして清水から甕に水をくんで家に貯えました。
夢追人009
2023/06/06 09:27

甲は意地悪にも沢山の油を清水にわざと落して飲めなくしてしまったのです。乙は何とか命拾いをして貯えの水を浪費せずに大事に使っていました。でも遂に水が尽きかけようとした時にわかに空が曇って大雨が落ちて来て井戸に水が出て草木がよみがえり汚染された清水の油も流されて元通り綺麗に復活したのです。その年はいつにない豊作で、まさに神様は弱いものを助けてくださいましたね。普通はこういう話だと悪人の甲に天罰が下る流れになりそうなものですが、そう言うことが一切ないのは著者の優しい心故にでしょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
夢野久作さんのまじめな童話の永遠の名作です。お天気が続いてどこの田圃も水が干上がり、太郎の百姓のお父さんは毎日外へ出て空を見上げて心配していました。太郎はお父さんにぼくが雨を降らしましょうと言います。太郎は前に運動会の前日まで雨が降り続いていたのをテルテル坊主を作って良い天気にしたことがあるのです。太郎は雨ふり坊主を作って手紙に雨を降らしておくれと書いてお願いして降らしてくれたらご褒美に酒をかけてやると約束しました。その夜には激しい雷雨となり朝には止んでいましたが、父さんもお百姓さんたちも大喜びしました。
夢追人009
2023/06/06 08:02

雨ふり坊主はいなくなっており太郎は悲しみましたが、お父さんはおれが川に酒を流してやるよと言って息子の頭を撫でて褒めてやりました。真面目で親思いの太郎くんの人生で最大の親孝行でしたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の62編目はベリーショートですが面白いですよ。市ヶ谷八幡の境内で、若い男と女が話していた。話しながら女がふと頭の上の銀杏の枝葉を見あげると青葉の間に若い男の顔があって、じっと女の顔を見つめた。それは女の元の情人で去年病死した男の顔であった。女がびっくりして倒れかかると男が気付いて驚き、女の体を抱きすくめるようにして銀杏の枝に眼をやった。男の顔が依然として見ていたが、少し目を離し再び見直すともう見えなくなってしまった。うーん、無念な男の気持ちはわかりますが女を許してあげて欲しいですね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の5編目は結末がとても哀しいお話です。政雄は姉さまにこさえてもらった赤い手袋を学校の帰りにどこかで落してしまいました。政雄はいろんな事を思って惜しくてなりませんでしたが優しい姉さまが新しいのをこしらえてあげると言ってくれたので遂に政雄は赤い手袋の事を諦めました。その日の暮方に遠い村に住む七八歳の乞食の子が道に落ちていた赤い手袋を拾いました。子供は自分の手にはめずに大きな木の下のみすぼらしい小屋に帰ると十歳の姉が病気で寝ている布団の枕元に赤い手袋を置きました。いいものを持ってきてあげたよ。
碧雲-  lukeminen
2023/06/05 11:29

子供向けの童話ですけど、視野を広げてみたら、自分よりもっと辛い人が存在している、という人類愛へ誘導するような寓話したてですね。

夢追人009
2023/06/05 11:47

碧雲さん、ありがとうございます。恵まれた時代に生きる私たちはこういう貧富の差があって不幸な時代があった事を忘れずに心に刻んで驕らずに生きていかなければいけませんね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
夢野久作さんの童話は珍しくにぎやかな人形のお話です。アメリカ生まれのキューピー人形がいなくなったので、おもちゃ箱の人形達が大騒ぎを始めます。日本のダルマ、ドイツのブリキの兵隊、フランスの道化人形、英国の眠り人形が出て行ってネズミに聞くと、この家に最近来た小さな三毛猫がおもちゃに持って行ったのだろうよと言います。そこで縁側で日なたぼっこをしている三毛猫に聞くと、いいえニャンにも知りません。私を追い出そうとするネズミの仕業でしょうと答えたので皆で天井に上って探すと可哀想にお腹をピシャンコにして泣いていました。
夢追人009
2023/06/05 09:36

みんなでキューピーを介抱して元の通りにふくらましてやりました。三毛猫はその後大きくなって家中のネズミを殺してしまいました。まあ最後は少し残酷でしたが、まずはめでたしめでたしのハッピーエンドでよかったですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の61編目は情景を思い浮かべると何となくユーモラスで笑える掌編ですよ。二人の仕事師がある日夜回りに行っていると、すぐ眼の前でふうわりと青い火が燃えた。二人は驚き持っていた鳶口(トビの嘴のような形状の鉄製の穂先を長い柄の先に取り付けた道具 )で叩こうとすると火の玉はびっくりしたように向うの方へ行った。二人が鳶口を振りながら追いかけると火の玉はある家の窓からふわふわと入っていった。すると家の中から苦しそうなうめき声と同時に年取った女の声がした。「お爺さん、何をそんなにうなされてるんだよ」
夢追人009
2023/06/05 08:35

続いて老人の声が言った。「ああ、怖かった。おいらが街を歩いてると何を勘違いしやがったのか二人の仕事師が鳶口を持って追っかけて来たから命からがら逃げて来たのだよ」爺さんはリアルな夢を見て「俺を殺す気か!」と思ってマジで肝を冷やしたのでしょうね。

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夢追人009
日本が舞台でありながら西洋の雰囲気を色濃く漂わせるお話です。未亡人の老女そらの10歳の一人息子・星(セイ)の家庭教師を募集する広告を見て館を訪れた青年・岬は一発で面接に合格し家族の一員として迎えられます。ハウスキーパーの若い女性のシドはどこか打ち解けない性格で、岬はこの一家にどこか違和感を覚えながら溶け込もうと日々努めるのでした。物語が進むにつれて解き明かされていく人間関係の謎と哀しい過去の秘密。でも主人公の岬が全員の心を開かせて段々と理想的な関係へ導いていき人は悲劇も愛の力で克服できると教えてくれます。
タピオカ
2023/06/04 12:25

レビュー読んで、とても読みたくなりました!読みたい本リストにいただきます😊

夢追人009
2023/06/04 12:27

タピオカさん、ありがとうございます。楽しんでくださいね!

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
広島県で暮らす陰陽師一族の男子・宮澤美郷と天狗に育てられた山伏・狩野怜路が活躍する人気沸騰中のもののけファンタジー小説シリーズの3冊目です。シリーズキャラには心霊ペットの白蛇の白太さんもいて、もののけの「おやつ」を欲しがって人間界のゆるキャラみたいにお茶目なのが楽しいですね。前半は美郷の女友達のもののけ引き寄せ体質の女子大生・恵子が美郷からもらったお守りペンダントを恋人との旅行で訪れた神社で落してしまい古狸に拾われる大騒動です。後半は離島に釣りに出かけた二人だが怜路が強敵の神様に捕えられる大試練の話です。
夢追人009
2023/06/04 10:23

少し蘊蓄が長めでもうちょっとスピーディーだともっと良いとは思いますが細やかな人情味のあるお話で、特に後半では怜路(りょうじ)の出自の謎が絡むストーリーにほろりとさせられます。最初は少し取っつき難い印象もありますが読み進む内にどんどん好きになる痛快な秀作もののけファンタジーシリーズをぜひお読み下さいね!#NetGalleyJP

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の4編目は珍しくユーモラスなとぼけた話ですよ。ある町に一人の妙な男が住んでいて昼間はずーっと家にいて外に出ないのだが夜中の一時から三時の間に深夜の町を歩きまわるのだ。今夜も歩いていると雲突くばかりの大男に出会う。それは電信柱だった。人嫌いの男と電信柱は意気投合して二人で夜の町を歩く内に背の高さを気にした男が民家の屋根の上に乗せてもらうが夜明けが近づくと地面に降りられないと焦って下へ降ろしてくれと頼む。だが電信柱は夜が明けるとピタリと固まって一言も口をきかなくなる。人々は男を見て笑い出す。
夢追人009
2023/06/04 08:32

男は警察に盗賊と間違われて連行されるが暫くすると嫌疑が晴れて釈放される。やがて電信柱も男も夜の間も出歩かなくなってしまった。まあ電信柱はそのままでも良いとして一日中家に引きこもる男は食事をどうするのか飲食店に店屋物ばかり注文するのでしょうかね。早急に人嫌いを克服して一生遊んで暮らすプー太郎生活にもオサラバして心を入れ替えて真面目に働いて欲しいものですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
夢野久作さんの感情を持たない者たちが心の叫びをあげるユニークな童話ですよ。電信柱が寒い風にあたってピーピー泣いていると黒い雲が来て「なんで泣いてるのだえ」と聞いた。「寒いからさ。お前のような雲はここに来ないでくれ」と答えると「それは風が吹くからで、俺が悪いんじゃない」と返されると「おれは黒い鴉も大嫌いでとアホ―アホ―と鳴いて笑いやがった」ふーん「それじゃこれはどうだ」と黒雲が白い雪を降らすと電柱は黙ってしまった。実は電信柱は冬が苦手な性質で寒い季節にはひたすら耐え忍んでいたのですね。負けないで頑張ってね!
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の60編目は昭和九年に起きた函館の大火の後で目撃された怪異の話二題です。深夜の大森浜の海岸には青い鬼火(ひとだま)がふわふわ浮んで飛び回っていた。警官が巡回していると髪をふり乱した女が出てきて生まれて間もない赤ん坊を負い、両手に幼い子供の手を引いていた。「おう、あついか、あついか、もう少しじゃ、もう少しの辛抱じゃ」と女は狂人のようになってそのまま海の方へ行き海の中へと消えた。深夜の海岸を車で走る運転手が気持ちよく飛ばしていると、不意に若い女が飛び出して来たので咄嗟にブレーキをかけた。
夢追人009
2023/06/04 06:53

「助けてッ」と叫んで蒼白い顔に髪をふり乱す女を見た運転手はドアを開け「どうした、どうした、さあ車だ」と言って車に乗せて助けてあげようとしたが、女の姿は煙のように海の方へ消えて行った。うーん、本当に不運そのもので痛ましくて可哀想な女幽霊の怪異譚ですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の3編目は自然に心が温かくなる誠に良い話です。黒ねこは家の人が引っ越して行く時に捨てられて寝る所もなくなり朝晩の食べ物ももらえなくなりました。黒ねこはお腹に子供があってどこで子供を生んだらいいか迷いながら探し遂に人家から離れた森の中に良い場所を見つけてやがて黒と白のぶちの三匹の子ねこを生みました。日数が経ち子ねこたちは外で遊び回るようになり遠くへ行こうとすると「ニャアオ」と鳴いて止めました。けれど母ねこが食べ物を探し帰ってくると二匹がいなくなっていて、どこを探しても見つかりませんでした。
夢追人009
2023/06/03 10:07

母ねこは一夜悲しんで泣き明かし、せめて残りの一匹を人間のお世話になって幸せにしてやろうと決心しました。そうして一軒目はねこ嫌いな女の人に追い払われましたが、二軒目の小さな兄弟の子供のいる家で運よく気に入られて飼われることとなり、それを見て母ねこは安心し「どうか達者でいてくれるように」と祈って自分はどこかへ姿を消したのであります。よかったですね!このお話が読まれる事で野良猫たちが一匹でも人間に飼われて幸せになるといいですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
夢野久作さんの超短編のペンがインキに悪口をふっかけて口喧嘩をするボヤキ漫才ですよ。ペン先がインキにこう言いました。私が金の服を着てもお前がすぐに錆びさして役に立たなくさせる。私はお前なんか大嫌いだ。それにインキはこう答えました。ペンは錆びるのが役目でなく、インキはなくなるのが務めではない。一緒になって字を書くのが役目だよ。錆びるのがイヤなら鉄に生まれずに、インキがイヤならペンに生まれなければよかったんだよ!洒落。やい、もういっぺん言ってみろ!陰気な説教しやがって!ピコ太郎のPPAP知ってるか?知らねえよ!
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の59編目は真実は理解し難い気味の悪い怖い話です。大正十二年の震災の年に三好という人の所で萩原という人が避難し一月ぐらい厄介になっていたが、他へ移って行く時に「大事の書類が入っているので預かって欲しい」と頼んで高さ三尺くらいの大きな箱を置いていき、三好は押し入れに入れておいた。翌年、三好が病気になって「うんうん」とうなされ「あの箱の中から男と女が出てきて紙幣を数える」と言ってその内に死んでしまった。やがて間もなく長女と次男も病気になり「誰か来た」と言ったり「わっ」と突然叫んだりした。
夢追人009
2023/06/03 07:30

女房は気が付いて萩原から預かっていた箱を開けてみると阿弥陀仏とした位牌と六匹の鼠が入っていて鼠は蓋を開けるなりぱらぱらと飛び出して行った。三好家では驚いて警察とへ萩原の捜査方を願い出た。ここでお話は終わっていまして、恐らく萩原は見つかっていないのでしょうね。彼は災いを招く何という厄介なものを置いて出て行ったのでしょうね。困った時に助けてもらったのに恩を仇で返す最低な野郎じゃありませんかねえ。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の2編目は心が洗われる優しい蝶の母子の物語ですよ。母ちょうは子ちょうに「日が山に入りかけたらお家へ帰ってこなければいけません」と教えましたが、子ちょうは夢中になって過ごし暗くなると人間の電灯の灯りを花と勘違いして家の中へ入って出られなくなります。子供たちがいて「綺麗な蝶々、ピンで留めて標本を作ろう」と話す正ちゃんに光子さんは「私の小刀をあげるから逃がしておやり」と言って説得し子ちょうを助けてやりました。お家に帰って子ちょうが母ちょうに話をすると、可愛い子ちょうが助けられたのを喜びました。
宵待草
2023/06/02 08:49

夢追人さん おはようございます 小川未明の童話には、心が洗われますね💫 私の一番好きな『野ばら』は、読む度に感涙を誘われます🍀 台風が近づいて来ました⚡🌀 お互いに留意して、過ごしたいと思います✨  何時も、有り難うございます🙋 宵待草

夢追人009
2023/06/02 08:54

宵待草さん、ありがとうございますね。こういう話を読むと幼い頃のピュアな自分に帰れますね。また私も「野ばら」を近々読ませて頂きますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
夢野久作さんの無邪気な童話は、のんびりとした読み心地で愉快に楽しめて良いですね。一匹のぶち猫が梅の木に登って花の匂いを嗅いだが、つまらない匂いだなと下に降りかけるとそこへウグイスが飛んできて枝にとまる。ぶち猫はウグイスを食ってやろうと猫なで声を出してニャーニャーと話しかけ近くまで来させようとしますが、賢いウグイスは「あなたは私を食べたくなったのでしょう」と見破って「ホーホケキョ」と鳴いて飛び立つ。ぶち猫は「しまった」と飛びつくがドタリと地べたに落ちてしまった。ウグイスは隣の家で鳴いています。残念だニャー。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の58編目は怖くはないけど不吉な話ですよ。横井春野(女子野球の普及に尽力された人物)君が弟の夫人から弟が「病気危篤すぐ来い」との知らせを受けて千葉の市川へ駆けつけた。家の中へ入ろうとして、ふと屋根を見上げると一匹の黒猫がいて糸のような声で鳴いていた。「しまった」横井君の父が若い頃に酔って黒猫を刺し殺してからというもの横井家では何か不幸があると黒猫が顔を出すのだ。「この野郎」と言って石を投げつけると逃げたが再び戻って来て屋根の上から離れず明け方に猫が鳴き止むと同時に弟が息を引きとった。
夢追人009
2023/06/02 07:07

家に取り憑く黒猫は昔刺し殺された猫の血を受け継ぐ子孫なのでしょうかね。横井家の子孫にお寺で猫の供養をしてあげて欲しいものだなと思いますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田舎から都会に出てきた女子が恋をしては失って、また新たな恋をしては失ってゆく男性遍歴とバイト生活と過去を描いた短い18編の人生物語。冒頭からこれでもかと性愛描写が続きますが底抜けに明るくあっけらかんとしてイヤらしさは全くなく今が楽しければそれでいいやというノリのコメディータッチの漫才風恋愛ドラマですね。最後は喧嘩別れだったりしますがヒロインは明るく楽しかった部分だけを記憶に留めて祭りが終っても悲しく落ち込んだりはせず常に陽気に生きています。彼女は全部を賭けない恋を意識して幸福な結婚を避けているのでしょう。
one_shot
2023/06/02 11:48

よく分からないけど面白そう!貰っていきます。

夢追人009
2023/06/02 11:56

one_shotさん、ありがとうございます。お笑いの感覚で気楽に楽しんでくださいね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の1作目です。これは人によってそれぞれ好き嫌いはありますのでどちらも同様に平等に愛でるのが良いでしょうね。子供がガラスびんを持って金魚を欲しいと言って泣いていると、どじょう売りのおじさんが親切に、びんの中へ二匹のどじょうを入れてくれました。どじょうは金魚より自分の方が素晴らしいとアピールして滑稽に踊ってみせました。子供は今まで、どじょうを馬鹿にしていたのを反省して友達にも教えました。でも友達は相手にせずで金魚は高いんだぜと笑いました。坊ちゃん、悲しむ事はありません。どじょうは言いました。
夢追人009
2023/06/01 18:38

じめじめした嫌な天気が続くと生活力に乏しい金魚は、みんな弱って死んでしまったけれど、どじょうは元気にびんの中で踊っていました。坊ちゃん、お腹が減っても、どじょうクンを食べたりしないでね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
夢野久作さんのイライラした時に心を癒してくれる穏やかな童話です。お腹の空いた狼が野道を歩いていると遠くに赤ん坊が寝ているのを見つけて喜んで駆け寄りましたが、それはよく見ると誰かが落とした大きな人形でした。「この役立たずめ、俺の食べられない物ならば、何だって人間の形をして生まれてきた!」と怒って後足で蹴りました。人形は「お気の毒に。何でも可愛がる事を知らない狼よりも私を命より大切にしてくださる人間のお役に立った方が嬉しいと私は思います」と言いました。食べ物もいいけど美しい物を愛でる豊かな心も持ちたいですね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の57編目は全く怖くない穏やかな良い話ですよ。西応坊という猟が大好きな男が木曽の御岳の麓に行って朝に猪を狙い待ち受けていると笹竹がざわざわしだしたと見ると十六七の綺麗な少女が現れた。こんな深山に少女がいるのは不自然だ変化の者に相違ないと猟銃に玉を込めて用意していると女が「頼みたい事があって参ったから銃など引っ込めなさい」と言ったので猟師は素直に従った。私はある村の娘で十三年前の十六の年に川へ洗濯に行って因縁にとらえられ自ら山へ入り仙人になった。両親は死んだと考えて私を供養してくれる。
夢追人009
2023/06/01 09:32

だがそれは私が神になる妨げになるから止めるように伝えて欲しいと娘は漁師に話す。そして、その方は鳥や獣を殺めることで罪業を増すばかりなので他の職業をしなさいと忠告する。猟師は娘の話す家へ行くと話は寸分違わず間違いがなかった。やがて彼は江戸へ行き自証院の道心坊になった。まあ読み終えて心が洗われる清々しい良いお話でしたね。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2018/05/06(2264日経過)
記録初日
2018/01/20(2370日経過)
読んだ本
3025冊(1日平均1.28冊)
読んだページ
488888ページ(1日平均206ページ)
感想・レビュー
3025件(投稿率100.0%)
本棚
0棚
性別
血液型
A型
現住所
奈良県

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