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ヴェネツィアさんの感想・レビュー

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ヴェネツィア
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人気作家9人による競作。若干の例外はあるが、概ねは小学生から高校生の少女たちを描いた短篇。ジャンルの上からはエンターテインメント小説。突出した作品もないかわりに、全くダメというものもない。よく言えば、粒揃いということになるのだが、この場合はどちらかというとドングリの背比べに近いか。高校生を描いたものは恋の物語になるのだが、これまたあまり変化が見られない。誰か大胆な作家(例えば山田詠美など)を入れておくべきだっただろう。もっとも、荻原浩「空は今日もスカイ」や中島京子「モーガン」あたりは、今日のリアルを⇒
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⇒描き出し得ていたように思う。

04/30 18:52
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初出は昭和21(1946)年7月「文學通信」。大戦末期の疎開生活を描いたエッセイ。1945年3月1日の東京大空襲により三鷹の家が焼失。太宰の一家は妻の実家のある甲府へ。今度は甲府も空襲にあい、太宰の実家の津軽へ。太宰は、この間の空襲の恐ろしさを書くことはなく、ここではひたすら5歳の娘に海を見せたいと語る。海を見ることは、全てを失った後に残るささや かな希望であったか。ただようやく海を見られたものの、またしても一人相撲の感だけが残るのが何ともうら寂しい。
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ヴァイキングを知らない人はいないだろうと思うくらいには有名な存在である。では、その実態は?というと、主にスカンジナビア半島あたりから舟でやってきて、集団でスコットランドやイングランドの沿岸部の町を襲撃する略奪集団ーといったあたりのイメージではないだろうか。本書は、そんなヴァイキングの歴史をたどるもの。歴史的には、793年にノルウェー人の船団がリンデンファーン島(東イングランド)の修道院を襲撃したことにはじまるというのが定説のようだ。彼らは舟もそうだが、独自の文化を持っていた。写真で見る限りでは⇒
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⇒それは北方の文化の特徴を顕著に示しているようだ。なお、793年に始まった遠征だが、最後は11世紀前半にデンマークとノルウェーがそれぞれ国民国家となったあたりで消滅していったようだ。

04/30 07:13
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B・J・ノヴァック 作。この人はアメリカのコメディアン、脚本家、作家、映画監督らしい。タイトルは、アンデルセンの同名作品とは直接の関係はないが、アイディアは当然そこから。最初から最後まで絵は1点もない。そのかわりにあるのは「ばふっ」や「ぶりぶりぶ~」といった、いささか品位を欠くような言葉がいっぱい。子ども園などで読み聞かせに用いると、子どもたちは喜びそうだ。一方、大人の側からは賛否両論?
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初出は昭和13(1938)年10月「新潮」。太宰29歳。前年の3月に太宰は水上温泉で初代(入籍はしていないが、事実上の妻)と自殺未遂事件を起こしており、このことが背景にあった。さらに、その背景には初代の不貞があった。もちろん、本作はあくまでも小説として書かれているのだが、「あやまった人を愛撫した妻と、妻をそのような行為にまで追いやるほど、それほど日常の生活を荒廃させてしまった夫と、お互い身の結末を死ぬことに依よってつけようと思った」といった自殺の動機はほぼそのままだろう。それはこの作品全体にもあてはまる⇒
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⇒ことでもあり、この時期の太宰は虚構を構える気力さえ喪失した切羽詰まった状況にあったと思われる。したがって、太宰論においては無視できないだろうが、小説作品としては、もはや破れかぶれである。もちろん、太宰自身がそのことを誰よりもよくわかっていたはずだ。

04/29 16:48
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ミッチ・アルボムは初読。この作家の名前を知ったのも初めてだが、本書は『モリー先生との火曜日』や『天国の五人』に次ぐ3作目。世界でこれまでに累計3000万部以上を売ったベストセラー作家のようだ。さて、本書の手法は枠組みの上からはファンタジーということになるだろうが、基本にあるのはリアリズム小説のもの。語り手のチック(主人公)の回想の中で、父と母との間での自己の葛藤や悔恨を語る。これが多くの人たちに支持されたのもわからないではないが、私のようにスレた読者からすれば作為が目に付いてしまって、素直に感動する⇒
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⇒ことができない。中学生か、せめて高校生の時ならあるいは共感できたかもしれないが。この年になると、アメリカ流の安直なヒューマニズム小説に見えてしまうのである。

04/29 16:32
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第2巻はリゾート・ホテル篇。マリオットやハイアット・リージェンシー、ウェスティン、シェラトンといった大手のホテルがズラッと並ぶ。これらは確かにそれなりに豪華で、リゾート感を満喫するための装置が揃っているとは思う。ただ、いずれも客室数が多すぎる(したがってホテルの建物も総じてバカでかい)のが欠点だ。もちろん、その割には混雑していないように設計されているのだが。もう一つは、世界中どこでもコンセプトが似てくるというのも大きな欠点。理想を言えば、客室数も少なく、それでいてプールは広々として、レストランも建物も⇒
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⇒ローカル色があって…。立地はモーレア島かエーゲ海の島、あるいはモーリシャスあたりがいいかな。

04/29 10:53
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佐々木マキ・作。『ヘンゼルとグレーテル』に似たお話。ただ、森の中の魔女の家に行くのは、おんなのこといぬ。やや不思議なのは、通常なら女の子と犬には名前があるところなのだが、ここではどういうわけか、単におんなのこといぬ。また、森の中にあったのはお菓子の家ではなくて、奇妙な水族館だったのだけれど。お話の結末はおおよそ想像通り。絵は典型的な佐々木マキ様式のもの。漫画っぽいのはあまり好きではないのだが、まあ許容範囲か。
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初出は昭和15(1940)年2月「帝国大學新聞」。太宰31歳。ジイドの言「芸術は常に一の拘束の結果であります」を引いて、自説を展開する。とはいっても、けっして素直ではない太宰のこと、「ジイドの芸術論はいいのだよ。ー中略ー小説は少し下手だね。意あまって、絃響かずだ」などと古今集の「六歌仙評」をもじって宣う。そして、この「芸術における拘束」が成功をもたらした例として、ミケランジェロとアイスキュロスを挙げる。さて、自分の芸術にとっての拘束は、隣家のうるさいラジオの音だという。これを隠喩だとすれば、戦争を鼓吹⇒
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⇒する軍部や、それに追従する世間か。なかなかの難敵である。実際に太宰がとったのは、最初は抵抗、そして転向の後はぬらりくらりとかわしていくことであった。それでも、太宰は大いに抵抗精神を持ち続けたし、それは小説にも反映された。

04/28 16:52
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700もの文、1000もの単語を学習し習得した、ボノボのカンジ(スワヒリ語で「埋もれた宝」の意)を研究した(というよりは、ほとんど共に暮らした)スー・サベージ=ランボーによる報告。彼女のボノボの能力に関しては、認めない研究者もいるようだが、少なくても本書を虚心に読む限りでは、ボノボには豊かな感情が内在し、しかもそれを人間と共有する能力を持っていることは間違いないようだ。しかも、それは即物的な伝達を越えて、抽象的な域にまで及んでいると見られるのである。
yumiha

ヴェネツィアさんの知りたい研究報告とは少しずれているかもしれませんが、『動物たちは何をしゃべっているのか?』(山極寿一&鈴木俊貴)の中で、手話を教えられたマイケル(幼いオスゴリラ)が、飼育員に自分が捕まえられた時のいきさつを手話で語ったと、山際先生が話しておられました。私は未読なのですが、霊長類の研究の第一人者である山際先生の著書にヴェネツィアさんの知りたい研究報告があるかもしれません。役に立てなくて、すみません。

04/28 17:29
ヴェネツィア

yumihaさん、ありがとうございます。探してみます。感謝!

04/28 17:45
3件のコメントを全て見る
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2011/11/30(4902日経過)
記録初日
2011/04/07(5139日経過)
読んだ本
7606冊(1日平均1.48冊)
読んだページ
1764477ページ(1日平均343ページ)
感想・レビュー
7516件(投稿率98.8%)
本棚
59棚
性別
職業
専門職
自己紹介

2011年4月からの参加で、15年目にはいりました。一番よく読んでいるのは日本文学、次いでは翻訳文学です。読むジャンルの幅は広い(半ばは意識的にそうしています)のですが、何でも手当たり次第に読むというわけではありません。特に誇れるものはありませんが、連続読書日数は初日から5095日(2025年3月12日現在)、冊数は7419冊になりました。胃癌で入院中も、海外旅行中も毎日読んできました。さて、どこまで伸ばせることやら。

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