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2025年3月の読書メーターまとめ

ヴェネツィア
読んだ本
121
読んだページ
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感想・レビュー
121
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49821ナイス

2025年3月に読んだ本
121

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2025年3月のお気に入られ登録
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2025年3月にナイスが最も多かった感想・レビュー

ヴェネツィア
様ざまな理由から定時制高校に通うことになった人たち。そこは一般的に言えば社会のエリート層からは遠いだろう。そんな高校の一つ、東新宿高校に赴任してきた理科教師の藤竹。彼もまたいわゆる熱血型教師像からはほど遠い。定時制高校を舞台にドロップアウトした高校生たちに目標を与えることで新たな再生を図るーそんなのはこれまでにいくつもあった、いわば使い古された物語である。本編では、そこに惑星科学が加味されている点のみが唯一新しい。そうなのだが、これが思わずハマってしまうのである。物語の構造も、プロット展開も特別なものは⇒
fragro
2025/03/31 22:50

仰る通りです。こちらの方こそ受賞にふさわしいのではないかと思っております。

ヴェネツィア
2025/04/01 07:06

fragroさん、伊与原新の作品は『月まで三キロ』にしても、本書にしてもどれで受賞していてもおかしくないものばかりですね。

が「ナイス!」と言っています。

2025年3月にナイスが最も多かったつぶやき

ヴェネツィア

2月も快調に読書生活が送れました。皆さま、3月もどうぞよろしくお願いします。☆2025年2月の読書メーター 読んだ本の数:106冊 読んだページ数:14455ページ ナイス数:44999ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/157091/summary/monthly/2025/2

2月も快調に読書生活が送れました。皆さま、3月もどうぞよろしくお願いします。☆2025年2月の読書メーター 読んだ本の数:106冊 読んだページ数:14455ページ ナイス数:44999ナイス  ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/157091/summary/monthly/2025/2
新田新一
2025/03/02 14:54

ヴェネツィアさん、いつも有難うございます。今月もよろしくお願い致します。季節の変わり目は体調を崩しやすい時です。どうかお体に気を付けてください。

ヴェネツィア
2025/03/02 15:00

新田新一さん、ありがとうございます。お互いに体調管理には気をつけながら充実した(読書)生活を送りましょう。

が「ナイス!」と言っています。

2025年3月の感想・レビュー一覧
121

ヴェネツィア
篠山紀信が、なんらかの直感から1974年の1年間に撮った写真を集成したアルバム。オノヨーコや長嶋茂雄、山口百恵といった、いわゆる有名人が多いが、そうではない市井の人たちもまた被写体に選ばれている。中には既に亡くなっている人も(篠山自身が昨年亡くなっている)。また、篠山にはやや珍しい純然たる風景写真も。タイトルは『晴れた日』なのだが、全体の色調は暗い。それは十分に意識してのことだったと思われ、エンディングは伊江島(沖縄)での実弾演習中のF4ファントムである(ちなみにベトナム戦争が終ったのはその翌年)。
ヴェネツィア
2025/03/31 17:12

この写真集は時代を強く反映しており、青蘭会の青年政治家(石原慎太郎も若かった)や、その対極にあった市川房江の肖像、あるいはウォーターゲート事件の渦中にあったニクソン米大統領とホワイトハウスなども撮っている。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
様ざまな理由から定時制高校に通うことになった人たち。そこは一般的に言えば社会のエリート層からは遠いだろう。そんな高校の一つ、東新宿高校に赴任してきた理科教師の藤竹。彼もまたいわゆる熱血型教師像からはほど遠い。定時制高校を舞台にドロップアウトした高校生たちに目標を与えることで新たな再生を図るーそんなのはこれまでにいくつもあった、いわば使い古された物語である。本編では、そこに惑星科学が加味されている点のみが唯一新しい。そうなのだが、これが思わずハマってしまうのである。物語の構造も、プロット展開も特別なものは⇒
fragro
2025/03/31 22:50

仰る通りです。こちらの方こそ受賞にふさわしいのではないかと思っております。

ヴェネツィア
2025/04/01 07:06

fragroさん、伊与原新の作品は『月まで三キロ』にしても、本書にしてもどれで受賞していてもおかしくないものばかりですね。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
各地にその足跡を残すヴォーリズ。私はてっきりプロフェッショナルな建築家だとばかり思っていたが、最初に日本にやって来た時は、県立商業高校(近江八幡市)の英語の教師としてであったらしい。彼はキリスト教の布教に熱心なあまり解職され、そこで起こしたのが建築事務所と近江兄弟社だった。今に残る建築物だけでも、学校(関西学院、神戸女学院、東洋英和女学院、梨花女子大学校等)、教会(福島教会、京都御幸町教会、明治学院礼拝堂、同志社アーモスト館等)、個人住宅も京大の駒井邸をはじめたくさん残されている。また、商業施設では⇒
ヴェネツィア
2025/03/31 12:22

⇒山の上ホテル、大丸心斎橋店、東華菜館などもそうだ。若干の例外はあるが、概ねは素人目にもいかにもヴォーリズだとわかるものが多い。ヴォーリズは日本建築史に大きな遺産を残してくれたのである。

宵待草
2025/03/31 13:55

ヴェネツィアさん こんにちは! 私の大好きな、アールデコ様式の『山の上ホテル』も、ヴォーリズの建築ですね!🌟 2024年2月から長期休業とのニュース後に、直ぐ2023年11月に山の上ホテルの、パーラー・ヒルトップへ、大好きな美しい🦢シューがのる『プリンアラモード』を食しに来館しました。 最新ニュースでは、隣接の明治大学が、山の上ホテルを購入して仕舞いました。 あのヴォーリズの麗しい山の上ホテルの、行く末を案じつついます。 何時も、素敵な良書のご紹介! & 読みたくなるレビュー!を感謝です!🍀 宵待草

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
内田麟太郎・作、降矢なな・絵の息の合ったコンビ。「ともだちや」の幟を背負って、1時間100円で友だちを売り歩くキツネ。ウズラには売れず、クマには好きでもないイチゴを食べたかいあって200円。そして、オオカミとは…というお話。登場する時のキツネのズルそうな顔がいい(表紙も)。エンディングでは横顔しか見えないが、なんだかうれしそうだ。物語全体を通してのキツネの表情の変化が一番の見どころか。
にこ
2025/03/31 09:51

面白そうですね!ズルそうなキツネの顔っていい(笑)読んでみたい!

ヴェネツィア
2025/03/31 09:52

にこさん、なかなか人気のシリーズのようです。刻々と変化するキツネの顔がいいですよ。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
「カミーユ』に続く第3歌集。前作に比べると難解さの度合いを増している。それは、それぞれの歌の歌としての自立度が高いがゆえに、共感性の範疇に入り込むのが容易ではないからではないか。表題歌「さびしさの単位はいまもヘクタール葱あおあおと風に吹かれて」ーヘクタールは隠喩だろうが、これなどはまだ共感覚が持てそうなのだが、では直喩はどうか。直喩も結構たくさんあるのだが、例えば「雨夜に聴くオーボエの音、皮膚と骨とがみっちり癒着しているような」。歌集全体はメタファーに満ち満ちているように見える。その海に⇒
ヴェネツィア
2025/03/30 17:13

⇒飛び込んでしまえば了解と共感に投入できるだろうか。それとも溺れてしまうのだろうか。

ヴェネツィア
2025/03/30 17:18

『源氏物語』をはじめとして、現代小説や映画などの「俤」を背負う歌もまた多い。そしてこれがまた難解なのだ。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
著者の八條忠基氏は、有職故実の研究家。綺陽装束研究所を主宰する。『延喜式』(927年完成)に見る五色(青・黃・赤・白・黒)は陰陽道に基づく基本色である。そこからはバリエーションということになるが、紅だけでも、「深紅」(こきくれない)、「中紅」(なかくれない)、「退紅」(たいこう)とあり、赤は他にも「赤白橡」(あかしらつるばみ)、「掻練」(かいねり)、「火色」(ひいろ)、「深緋」(ふかひ)「浅緋」(あさあけ)、「朱祓」(しゅふつ)、「深蘇芳」(こきすおう)以下に続いていく。よくこれだけ微細な色の違いを⇒
ヴェネツィア
2025/03/30 15:42

⇒楽しめたものである。まさに深遠なる王朝文化の粋であろう。しかも、これらの色はそれ単体でよりも、むしろ「かさね」の妙をこそ味わうのである。これまた王長期に『満左須計装束抄』など、いつくかの文献が残されている。

ヴェネツィア
2025/03/30 15:43

色名事典として、また「かさね」事典としてまことに重宝な一冊である。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
月島美佐を主人公にネイリスト(ネイル・アーティストと言うべきか?)の世界を描いた作品。事件はおろか特別なことは何も起こらない。物語の場も、弥生新町駅前の富士見商店街の一角、一階が店舗で二階が住居、家賃13万8千円と、いたって地味である。そこに起爆剤としてやってきたのが大沢星絵。物語の構造としては「マレビト」登場といったところだ。彼女が加わることによって、美佐の世界は大きく(とはいっても、それなりに)開けることになる。作中では、ネイル・アートの世界が巧みに手を変え品を変え紹介される。その部分はなかなかに⇒
ヴェネツィア
2025/03/30 14:40

⇒綺羅びやかだ。トータルには美佐と星絵の成長物語なのだが、登場人物の全員が温かく、東京下町の情緒に溢れている。エンディングはハッピー・エンドのようにも見えるし、コロナの暗雲が近づいてきており、前途の危うさをも孕んで終わる。続編の余地を残したか。

ヴェネツィア
2025/03/30 14:45

ネイルのことが実によく分かる。私の年若い友人の女性(20代後半。美容師さん)は、いつも綺麗にネイルを施しているが、一昨日のそれは「ヒゲオヤジ」のデザインだった。こんなのもアリなんだなと感心。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
ヨシタケシンスケ・作。亡くなったおじいちゃんのノート「このあと どうしちゃおう」が出てきた。そこには「よてい」として天国での生活が書かれていた。それを読んで、いろいろと考えに耽る「ぼく」。どのページもとっても面白い。「てんごくへいくときのかっこう」などは、まるでバード・ウオッチのハイキングに出かけるみたいだ。なにからなにまで、おじいちゃんに都合の良いことばかり。でも、ほんとうはおじいちゃんは…。今の「ぼく」にできる精いっぱいの、しみじみとした追悼。心に沁みる絵本。
ヴェネツィア
2025/03/30 08:08

読み聞かせだと、子どもたちの間であれこれと空想が拡がりそうだ。天国の様子や。地獄の様子。それから「いきているあいだにどうしちゃおう」ノートも。

ヴェネツィア
2025/03/30 08:15

絵にもいろいろと仕掛けが施されていて楽しい。例えば裏表紙の映画のポスターは"The Life of Granpa 2"になっていたり…。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
初出は「オール読物」昭和20年11月号。まだ終戦後3か月しか経っていない。大阪の町もあちこちが焼け跡だっただろう。本編は小説としての体裁をとっていないので、作家本人の意図はともかく、エッセイということになるだろう。内容的には「髪」をめぐる、織田作の青春(とはいえ喪失した青春だが)回想記である。彼には強い反抗心があったというほどではないが、それでも彼なりの抵抗精神があり、そのシンボルが長髪だった。彼の戦時での処し方は、表面的には反抗や抵抗という形をとらなかったが、ひたすらに鬱々とする日々だったのだろう。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
思わずため息が漏れる。こうしてあらためてジブリの建造物を見ると、実によくできているばかりか、それらの家や建造物が語りかけてくるかのようだ。つまり、それぞれの物語を内包しているのである。建物の外も中も、そして周辺の環境にいたるまで、時には細部も、また時には町全体の構造までが声をあげる。そして、私たちにノスタルジックな感興を起こさせるのである。物語の構想をこんな風に一つ一つ形に して行くのは、なんとも稀有な想像力だ。私たちは宮崎駿と邂逅できた幸せをそこに再確認することになる。そして、あの作品を見た時が甦る。
中村です
2025/03/30 00:09

こんな本があるのですね!ぜひ見てみたいです。図書館にあるようなので早速予約しました😄✨

ヴェネツィア
2025/03/30 07:54

中村さん、これはほんとうに楽しめますよ。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
こだまともこ・文、なかのひろたか・絵。春の日。ささぶねに乗ってお手紙がきた。「3じのおちゃにきてください」。まりちゃんは途中で出会ったゆきとくんと、あらさんと、りすと、あひると…一緒に。「すってーん」までは『ぞうくんのおさんぽ』によく似た展開。最後はみんなでケーキを作って。ここは『ぐりとぐら』に似ているか。絵はいささか漫画っぽい。そして子どもたち二人の目と表情は埴輪っぽい。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
「鬼」はシンボリックな意味で用いられているか、あるいは寓話的な物語だろうかと予想していたのだが、「仕事の鬼」のことだった。織田作と同時代に大阪にいた作家の中にモデルがいるのだろうと思うが、誰なのかわからない。世間の評価では、お金儲けに執着する作家ということになっており、作中の「私」もそう思っていたが、実は希代のズボラ(関西方言?)人間だった。ただ、そんな彼も仕事のことになると一心不乱に打ち込むといった、一種の奇人伝説である。
sleepy
2025/03/28 17:29

こんばんは。「ずぼら」は関西言葉(大阪弁)と思っていたし、使いますが、愛媛でも使われているようです。ただ若干ニュアンスが異なる感じ。愛媛ではしまりがない、だらしない、ぼーっとしたという感じらしく。 関西では、手抜き、適当、さぼり、楽しようとする、みたいなニュアンスかなと個人的には思います。

ヴェネツィア
2025/03/28 17:39

sleepyさん、愛媛の方言は関西方言と親和性が高いと思います。でも、たしかにズボラのニュアンスは違いそうですね。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
5つの作品からなる短篇集。本書(2024年)でも、やはり地学的な要素を含んではいるが、前に読んだ『月まで三キロ』(2018年)に比べると、それらが物語の中で持つ比重はずっと小さくなっている。すなわち、それだけ純文学寄りになったのだろう。そのことは、作品の面白さとして見るならば、どうだろうか。一気に作品世界に連れ去るという点では『月まで三キロ』に軍配が上がる。一方、その質的な変化を受け入れるならば、『藍を継ぐ海』の持つ小説としてのケレン味を排した作品群の味わいこそが捨てがたい魅力として迫って来るだろう。
ヴェネツィア
2025/03/28 16:36

本書は第172回(2025年度)の直木賞を受賞している。直木賞らしさでいえば、むしろ『月まで三キロ』の方がそれらしかったのではないかと思う。なお、本書は5篇のいずれもが魅力的だが、しいていえばやはり表題作か。これが巻頭ではなく巻末に置かれているのは、理由のあることだろう。お薦め。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
所在地は兵庫県朝来郡生野町円山。施工は1987年9月〜1988年3月。設計・施工は竹中工務店。伝統工法で建てられた民家、播磨屋本店円山店である。総経費は書かれていないが、そうとうな金額に達したものと思われる。茅葺き屋根で延床面積319.86㎡。どうやら釘は1本も使われていないようだ。細部にいたるまで凝りに凝った作りである。庭もアプローチも美しい。しかも本書には、全体の設計図も、そして施工に際しての細かい部分までが図入りで紹介されている。かなり大勢の熟達した職人さんたちの手がそこには働いていたのだろう。
瑞子
2025/03/29 14:35

竹中大工道具館、行きました。技術の継承を守ろうとしてる企業の姿勢が素晴らしいです。

ヴェネツィア
2025/03/29 16:16

瑞子さん、私は行ったことがないのですが、新神戸駅の近くですね。今度、神戸に行くことがあればぜひ行ってみたいです。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
ジョン・ラングスタッフ・再話、フョードル・ロジャンコフスキー・絵。元はスコットランドの伝承歌謡。イングランドの「マザーグース」のようなものかと思われる。歌謡とあって、いたってリズミカルにお話が展開してゆく。「マザーグース」ほどではないが、やはりナンセンスな要素を含んでいる。絵はそれぞれの動物本体はリアルでありながら、擬人化が施されている。なお、本書は1956年度のコルデコット賞を受賞している。出版年代の割には古さを感じさせない。
ヴェネツィア
2025/03/28 08:11

カエルのピクルスというのは初耳です。本物のカエルが好きなわけではない?

yomineko@ヴィタリにゃん
2025/03/28 08:19

ピクルスはかわいいですよ~🐸本物もそこそこ好きです(笑)

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
冒頭は八百八橋を誇る大阪の橋尽くし。とはいっても、『心中天網島』のようにたくさんの橋を巡るわけではなく、大江橋(これは近松の道行にも登場する)、渡辺橋、田蓑橋、そして船玉江橋に焦点を結ぶ。ここが物語の舞台である。橋は「うら淋しい。薄汚れている」上に空は煤煙にくすみ、川の水も濁っていると、何とも陰気の極みである。この橋の弓型の傾斜が「馬地獄」の由来のようだ。ここからは「針中野」云々と笑劇のように展開してゆく。大阪の情景を巧みに切り取って見せた1篇か。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
なかのひろたか・作。おさんぽしていたぞうくんの背中にかばくんがのって、そのまた背中にわにくんが乗って、そのまた背中にかめくんが乗って…あまりの重さにすってんころりといけのなかに…というお話。シンプルすぎて、お話といえるかどうかというギリギリのラインを攻める。絵はカラフルだけど、ホンワカとした色遣いでフォルムも柔らかくて愛嬌がある。読み聞かせの対象としては小さな子向けかなあ。
み
2025/03/27 22:49

こちらシリーズ化していまして、大風の日に散歩したり、大雪の日に散歩したりなどがあります。すってんころりんのところで、幼児は大盛り上がりでしたが、大人からするとこれだけの話なんだ〜という感想でした。やさしくて愛嬌がある絵ですよね!

ヴェネツィア
2025/03/28 05:09

みさん、ぞうくん情報をありがとうございます。やはり年齢による感性の違いはあるのですね。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
網野善彦、色川大吉、大林太良、宮田登と豪華な監修陣を揃える。執筆者は多岐にわたっているが、それぞれの分野でのスペシャリストである。北の大地は自然も人々の行動様式もスケールが大きい。ニシン漁もサケ漁もそうだし、三内丸山遺跡をはじめとした遺跡群にいてもそうだ。私などは西日本に生まれ育っているものだから、ことのほかに北への憧憬と神秘感が強い。ある意味では異国でさえある。先史時代にこの地がどんな風であったのか、遺跡が語ることは、なお遥けき想いに私たちを運んでいく。貴重な写真資料多数。
ヴェネツィア
2025/03/27 07:43

いしだあゆみさんが亡くなられて、追悼の記事も多いが、『北の国から』に関するものも見受けられる。出番はけっして多くはなかったが、存在感は実に大きかった。空知川の岸辺を走って、蛍が列車を追いかけるシーン、ことには立ち止まって涙をこらえるシーンは忘れがたい。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
綿矢りさは、2022年の冬からおよそ半年間、北京に暮らし、それを存分に活かしたのが本書。「パッキパキ」の意味は読めばわかるが、主人公自身の性格造型もまた、まさにパッキパキだ。20歳も年長の夫との噛み合わない北京暮らしだが、菖蒲(主人公)はどこにでも乗り込んで行く。中国語ができなくても全く気にしない。いささかオツムの軽い設定だが、それが見事に軽快なタッチとして作品に貢献している。実際の綿矢の中国体験はどうであったかわからないが、案外こんな風に大胆に北京社会を泳いでいったのではないだろうか。
ヴェネツィア
2025/03/26 16:20

描かれているのは、中国でのコロナ騒動が終息を迎えようとしていた頃。私が訪れたのはずっと前だし、わずか10日間くらいだったが、それでも北京が懐かしくなる。

ヴェネツィア
2025/03/26 16:27

【この部分ネタバレ】一番笑ったのは「トリ肉の煮込み料理がウズラの頭付きで、ドンと大きな皿がテーブルに置かれたとき卒倒しそうになった。頭のついたトリ料理を初めて見た私はどうしても慣れず、頭にウェットをかぶせたら、余計ご臨終感が出て万事休す」。こんな風に異文化体験を存分に堪能しているのである。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
3章立てで、子どもたちを描いた浮世絵の数々を紹介する。第1章は「子ども遊びの花が咲く」と題して、様々な遊びを描いた絵から。古くは鈴木春信あたりからあるが、中心は歌川国芳、国輝あたり。いろんな遊びがあるが、ごっこ遊びが目立つか。歌舞伎、火消し、猿回しなど。2章は子どものヒーローの絵だ。牛若丸に金太郎に桃太郎といったところ。それから男の子に人気なのは火消し(なんといっても火事と喧嘩は江戸の華)だし、女の子の憧れはお姫様。3章の「子に注ぐ熱きまなざし」もまた、昔も今も変わらない。
ヴェネツィア
2025/03/26 16:10

美人画や風景画、あるいは役者絵などといった明確なジャンルがあったわけではないだろうが、それでも思いのほかに子どもたちが遊ぶ姿を描いた絵が多かった。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
料理および監修は徳岡邦夫氏。京都吉兆嵐山本店総料理長である。文はフリーライターの杉本伸子氏、写真は三浦健司氏。お料理もさることながら、それを供する部屋も調度も別格。邦夫氏は祖父の湯木貞一と魯山人の継承者たらんとする。彼は言う「伝統の味=不変」ではないと。実際に取り合わせは時として思いがけないものであったりする。例えば「低温すき焼き」には、トリュフやルッコラがあしらわれている。そして、その一方では初夏の鱧をはじめとして、季節感の取り入れは徹底してもいる。どの季節のどんなお料理もすべからく美味しそうだ。
ヴェネツィア
2025/03/26 13:24

一度でいいから、こんなお店で心置きなくお酒を飲んで、季節のお料理を堪能したいものである。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
文壇きってのダンディストの谷崎。もっとも、表紙の写真ではまるで検校のようだが。和装では常に大島の上物を(写真ではこれが多い)身に纏い、洋装では蝶ネクタイ姿で。16歳の時に、父の商売の失敗から苦境に立たされたことはあったものの、関東大震災も第2次大戦も経験しながら(ちなみに谷崎は徴兵検査は不合格)彼の人生は常に表舞台を歩んで来たかのようだ。若くして認められ、その後もずっと文壇の寵児、また晩年は大御所であり続けた。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
トーべ&ラルフ・ヤンソンの共作。今回はスニフが海辺で見つけたビンに入っていた手紙の主を探しに、二人でイカダに乗って海へ。現れたのはトゥーティッキ…というお話。フローレンの嫉妬が可愛い物語。いつもながら絵で勝負といったところだが、今回の眼目は海で嵐に遭遇するシーン。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
伊与原 新は初読。本書には6つの短篇を収録する。どれもとってもいい。そして、いいけどせつない。そこがまたいい。伊予原 新はかなり異色の経歴で、地球惑星科学を専攻する研究者の道から作家になった。だからだろうが、これらの6篇はいずれも広義の地学(天文学を含む)の知識が用いられ、それが物語の核になり、同時に特質にもなっている。そうなのだが、実は伊予原の最良の部分は人間、すなわち登場人物の造型にこそある。みんなそろいもそろって暖かく、ひたむきでもあり、そしてやっぱりどこかせつない。いい小説群だ。お薦め!
秀玉
2025/03/28 12:44

これってせつなさを感じる物語なのですか。私はつかみを感じられないので投げちゃいましたよ。これは読むべきと感じている所です。

ヴェネツィア
2025/03/28 14:53

秀玉さん、私はどれもせつない物語だと感じました。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
6章立てで北斎を語る。絵もデビュー作の「岩井半四郎のかしく」から可能な限り網羅的に紹介する。数においても、その多彩さと室においても、実に恐るべき画業の数々である。当時の絵師として、およそできることは何でもやってみたのではないだろうか。繊細を極めた美人画。極め付きは「酔余美人図」(肉筆画)だろうか。他には類を見ない大胆な構図と色遣いの風景画。代表するのはやはり「冨嶽三十六景」だろう。そして、「北斎漫画」に絵手本。日本美術史上、不世出の絵師などと言うのも恐れ多い。
ヴェネツィア
2025/03/25 07:30

巻末に北斎作品を所蔵する施設一覧が掲載されている。これが実に多いのにも驚く。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
ハンス・ウィルヘルム 作。ウィルヘルムはブレーメンの生まれで、現在はアメリカ在住の児童書作家。200冊以上が出版されているらしい。「ぼく」が語る年老いていく犬のエルフィーの物語。犬と人間の宿命的な寿命の違いを描く。個体差はあるが、犬の一生はおよそ10年あまり。人間の7~8倍の速度で駆け抜けていくことになる。だから、「ぼく」は愛するエルフィーの老いと死を見なければならない。絵は暖色系に彩色され、犬たちの表情以外はリアリズムで描かれる。その色のごとく暖かい絵。
ヴェネツィア
2025/03/26 07:37

カツイチさん、私は一度もそんな経験がありません。冷たい親だったと反省しても間に合いませんね。

カツイチ
2025/03/26 20:10

何をおっしゃいますことやら。わたしが子どもならヴェヌツィアさんのような親御さんを誇りにおもいますね!

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
肺の療養のために転地した温泉地での、ちょっと変わった夫婦との邂逅を描く。主人公は限りなく作家本人に近い上に、一人称で語られるので一層にその感を持つ。ただし、いわゆる私小説とは趣きを異にする。この夫婦とは、たまたま隣り合った部屋に泊まることになったのだが、他には客が居そうもなく、その意味では奇妙な設定ではある。邂逅とはいっても、深く関わるわけでもなく、「秋深し隣は何をする人ぞ」といったところだろうか。大阪弁でのやり取りが一層に小説を軽やかにしているようだ。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
タイトルのスミスは男性名だと思っていたが、そうではなかった。スミス・マシンという筋トレに使うものであるらしい。そして、本書はおそらく本邦最初のボディ・ビル小説である。ひょっとすると、世界で最初かも。主人公U野の一人称語りで展開していくが、それは徹頭徹尾ボディ・ビルに向かう自分自身が主題化されているのである。もう一つの視点はボディ・ビルにおけるジェンダーの問題か。彼女は最終的には、そこからドロップアウトし、再び自分に戻って行くのだが。それにしても、ボディ・ビルダーというのは、もうほとんど修行僧か求道者の⇒
ヴェネツィア
2025/03/24 16:47

⇒ごとき観を呈してくるもののようだ。もちろん、本書にはいろんなタイプのボディ・ビルダーが存在することも示しているのだが。本書は、すばる文学賞佳作で、芥川賞の候補にも挙がったが、最終選考で逃している。素材の珍しさは有利に働いただろう。それに頼り過ぎたわけでもないだろうが、ややボディ・ビルとは何かの説明が過剰になり、自己自身の煩悶や葛藤が十分ではなかったか。もっとも、彼女自身は葛藤を抱えるよりは行動によってそれを乗り越えており、そこにこそ新しさを見ることもできそうだ。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
著者のデヴィッド・ニコルはイングランドの人。中世イスラームの軍事技術研究の第一人者とのこと。本書は3世紀頃のイスラーム以前の中東世界に始まり、15世紀末のグラナダ王国の陥落までを概観する。古代、中世の歴史を徹底してイスラーム世界の中から描く試みとしては貴重だとは思う。ただし、十字軍などの西側世界との覇権争いなどにはあまり触れられてはいない。あくまでも、イスラーム内部での政争が中心である。写真も多数あるが、こちらは玉石混交。一方、各時代の様相を表す地図はなかなかの充実ぶりを見せる。
ヴェネツィア
2025/03/24 12:34

これまでに純然たるイスラーム圏には行ったことがないのだが、スペインのアンダルシア地方のムデハル様式の建築群(例えばコルドバのメスキータ等)は独特のムードを持っている。グラナダのアルハンブラにもぜひ行ってみたい。後は比較的行きやすいイスタンブールか。

ヴェネツィア
2025/03/24 12:36

宵待草さんはいつも精力的に活動されていますね。東京に居るメリットを最大限に活かされているようで、羨ましい限りです。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
スーザン・バーレイ・作。年老いて、やがて亡くなったアナグマをみんなで静かに偲ぶお話。子どもたちが共感するのは難しいかもしれない。大人向きというより、もはや老人向けかと思われるほど。絵はリアリズムとファンタジックな擬人化の混淆。つまり、動物たちの本体はリアルなのだが、着衣や動きが擬人化されているのである。いい絵だが、寂しいタッチでもある。もちろん、それが物語内容には相応しいのだが。
宵待草
2025/03/24 08:29

ヴェネツィアさん おはようございます。 共読絵本が一冊加わり、嬉しくレビューを拝読しました!🍀 以前に{宵待草の絵本めぐり}でも、ご紹介させて頂きました。 スーザン・バーレイの『アナグマ3部シリーズ』の、此の本と『アナグマのもちよりパーティ』は、気に入りの蔵書絵本です。 『死』と云う永遠のテーマを秀逸に、絵本の世界に描ききって居る、素晴らしい絵本と思います。 もう一冊の『アナグマさんはごきげんななめ』も良書です。 何時も、有り難うございます!🙋 今日も穏やかな、良きひと日で在ります様に!✨ 宵待草

ヴェネツィア
2025/03/24 08:45

宵待草さん、私はこの作家は初めてです。子どもにも受け入れられるといいのですが。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
連想があたかも意識の流れのように次々と紡がれて行くエッセイ。「愁」からはじまって、徹夜癖を経て夜明けの美しさへ。八月の夜明けの肌寒さから信濃追分へ。ここでは読者の方の連想も堀辰雄に及ぶだろう。やがて信濃追分そのものに沈潜し、金木犀の香りからショパンの「雨だれ」へ。これだけ、連想が飛びながら散漫なものにならないのは織田作の力量か。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
「共食」をめぐるアンソロジー。最後の町田そのこ「フレッシュガム」を除いて、いずれも初出は「小説新潮」だが、編集部がこうした題のもとに募ったのか、あるいは掲載誌からピックアップして小説集としたのかは不明。仮にお題を掲げて募ったのだとすれば、最も忠実にそれを遵守したのは、千早茜「くろい豆」と深沢潮「アドバンテージ フォー」の2篇。ただし、深沢のそれはその年代の女性たちのリアルを描いているとはいえ、風俗小説の域を出ていない。一方の千早は小説としても十分に自立しえているか。それ以外では、変化球勝負といった趣き⇒
YuriL
2025/03/23 17:32

一瞬「共食い」と読んでしまい、思わず二度見してしまいました。「あなたとなら食べてもいい」も「あなたになら食べられてもいい」に見えて…すみません、それだけです。

ヴェネツィア
2025/03/23 17:36

YuriLさん、たしかに「共食い」に見えたかも。そういうアンソロジーなら、それはそれで面白そうです。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
工藤ノリコ・作。どうやら人気のシリーズのようで、少なくても25冊の既刊がある。お話は、いぬのおすし屋さんを見ていて、食べたくなったねこたちがあれこれと画策するが…というもの。思いっきり突飛なアイディアが面白い。でも、絵本の生命はやはり絵にあるだろう。ペン画にポスターカラーの彩色だろうか。全体に淡いトーンで統一されている。そして、ねこたちは無表情、無個性、(普通の意味では)ちっとも可愛くないという逆説的な個性を発揮している。
ヴェネツィア
2025/03/23 08:14

やはりというべきか、かなりの人気絵本で感想も結構多い。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
若いが故に幾分か粗暴な木霊を主人公に描かれる春の訪れを寿ぐ讃歌。木霊は内心の喜びを素直に表出することができずに、あえて反抗的な態度を崩さない。まあ、可愛いといえば可愛い。「ふん。日の光がぷるぷるやってやがる」と、万事がこんな調子である。柏の木や栗の木を目覚めさせようとしきりに試みるが、彼らはまだ冬の眠りから覚めない。そんな木霊は鴇(とき)にからかわれたりもする。日が西に傾き始める頃、木霊をそっと見送るのは黄金色のやどり木である。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
表題作を含めて、H.G.ウェルズの短篇を5つ収録する。ウェルズといえば、一般にSF作家として認知されているが、本書の5篇はいずれも幻想文学である。そもそも、現代的な感覚におけるSFとウェルズのそれとは、世代的な(年代的な)違いもあるだろう。初期の頃、日本でSFは空想科学小説と呼ばれていた。ウェルズのそれは、その「空想」を大きく膨らませたものであった。その意味では幻想小説との親和性は高いだろう。篇中では、表題作が幻想小説としての質が高いか。そして、「水晶の卵」が最もSF的であろうと思われる。⇒
ヴェネツィア
2025/03/22 16:47

⇒また、小説としての結構を最高度に満たしていると思われるのが「魔法屋」だろう。ボルヘスは当然、配列の妙をも考慮していたはずである。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
著者の後藤真樹氏は写真家。このシリーズの企画も。タイトルには「日本の伝統料理」とあるが、確かにそうではあるものの 地域に根ざした郷土料理が並ぶ。巻頭は山形県戸沢村の春の山菜から。なんと13種もの山菜が並ぶ。タラの芽やぜんまいはともかく、こしあぶらなど知らないものも。もっとも分かりやすい調理法はやはり天ぷらだろうが、「どんころ煮」とこれまた初めて聞くお料理が紹介されている。全国には、山菜を使ったものとして「じり焼き」(前橋市)なども。また、海に囲まれた日本ゆえ、お魚の郷土料理も多い。鯛めしは、松山と宇和島⇒
ヴェネツィア
2025/03/22 10:58

⇒では随分と様相を異にする。なお、巻末にはレシピも付いている。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
ティシュ・レイビー・文、フランク・エンダースビィ・絵。見開きに聖書の言葉。それはいい。私は信仰心が篤いとはいえないので、このお話はいくらなんでもそのままは受け入れにくい。冒頭に主人公のウサギが登場して「こんなに おはなが いっぱいさいて きれいなばしょを ぼくのすむところに してくださった」と神様に感謝する。感謝はいいとしても、自分だけがよければいいのか、と考えてしまう。川でおぼれたネズミを助けるにも神様にお願いする。そして結論は「いっしょうけんめいしようとするなら きっとうまくいく」。こんな能天気な⇒
ヴェネツィア
2025/03/22 08:16

⇒世界観でいいのだろうか。絵もまた、これに呼応するごとく(妙に)明るく、幸せいっぱいというもの。女子パウロ会の刊行なのだが、私の思うキリスト教とはなんだかちょっと違うような気がする。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
物語の舞台は古代の中国のようでもあり、インドのようでもある。いずれにしても、東洋的な神秘性と悠久の時空を湛えた物語。『銀河鉄道の夜』が持つ空間的なスケールとはまた別の意味でのスケール感を持つ。思想的な支柱は根幹において原典的な仏教なのだろう。私たちもまた、詩人のスールダッタを介して龍のチャーナタの抱える永劫の一端に触れることができる。初めて読んだが、宮沢賢治の世界の広がりにあらためて驚嘆した。もっともっと読まれてよい物語だと思う(私が知らなかっただけかもしれないが)。推薦!
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
著者の河島英昭はイタリア文学者。訳書はこれまでに何冊か読んだが、エッセイは初めて。結論から言えば、素晴らしい随想だった。同業の須賀敦子の深みに通じるところを感じる。年齢的には須賀が4年早くに生まれている。須賀はイタリアに住んでいたが、彼女もまた常に旅人であったように思う。河島は2度ほどイタリアに住んだ経験を持つようだが、この本ではやはりイタリアのあちこちを漂泊しつつ思索する。2人に共通するのは思索しつつも、その深みに沈潜してゆくのではなく、(あるいは沈思しつつも)そこに常に抒情を湛えていることである。
ヴェネツィア
2025/03/21 16:06

紀行としては最上の部類。イタリアに関心がある人、あるいは旅のエッセイを好む人には強推薦!

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
著者のチャールズ・スティーヴンソンは歴史家・作家で、軍事関連のものを主なフィールドとしているようだ。見開きのカラーページはモン・サン・ミッシェルである。修道院のイメージを持っていたが、確かに堅固な城そのものである。イングランドとの戦争の中で重要な位置を占めていたようだ。かつて頻繁に攻撃を受けたが、ついに陥落することはなかった。本書では古代から近代にいたる城をビジュアルに、また相応に詳細に紹介する。主に軍事的見地に立っているようで、したがって美しい城(例えばシャンボール城やセゴビア城など)は関心の外に⇒
ヴェネツィア
2025/03/21 12:34

⇒あったようだ。なお、日本の城は松本城、高山城、大阪城、勝連城、岡城、姫路城が取り上げられている。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
及川賢治&竹内繭子 作。「さむがりで なまけもので せっかちで おぎょうぎがわるく はずかしがりやの なきむしで ちょっと だらしない」ねこのお話。このねこには普通の意味でのいいところはひとつもない。けれど、読み聞かせでは子どもたちの密かな共感を得られるかも。絵は、一見雑に描いたように見える典型的な「ヘタウマ」系。小学生の描いたようなタッチなので、これまた親近感を与えるかも。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
散文詩風の物語。『遠野物語』を思わせないでもない。民話風の響きと趣きとがあるのだ。全部で5聯からなるが、一見したところ、それぞれは独立しているかに見える。関係性が薄い、もしくは無いのである。「紋付を着てキチンとやって」どこへ出て行くのだろう。借金を巡る対話は何なのだろう。「だましてそっと毒を呑ませて女だけ殺した」という。最初から最後の聯にいたるまで、終始気配は不穏だ。実に怖い物語である。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
綿矢りさは久しぶりに読む。構成が特異な小説である。ノゾミさんや多田くんといった、通常の意味での登場人物もいるが、語りてのみつ子にとって、最も重要なのは彼女の脳内に住むAである。かといって、もちろん彼女がいわゆる統合失調症だというわけではない。彼女にはAが自分自身であることは、ちゃんと自覚されているし、日常のレベルにありながらそれがやや過剰なくらいである。みつ子はしばしばAと対話を試みる。その時、そこに浮かび上がるのがみつ子の日常に対する思惟であり、自分でもよくわからないことが整理されてゆく。脳内で一種の⇒
ヴェネツィア
2025/03/20 17:06

⇒「ソクラテスとの対話」を試みているのである。彼女には生を脅かしかねないような悩みはない。そして確たる将来設計もまたない。ただ、Aとの対話を試みているように現状を全面的に肯定しているわけでもない。それが30代半ばの女性が置かれたリアルなのだろうか。

ヴェネツィア
2025/03/20 17:31

金原ひとみが解説を書いている。この二人は芥川賞の同期生だった。出発点においては、それぞれに随分方向性が違っていたが、今にいたるも二人ともが作家活動を続けている。思えば収穫の多い年だったのだ。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
第1巻の補完編「消えた村と家族」。この巻では板垣雄三、シュロモー・ザンド、ワリード・ハリディ、アニース・サーエグ、そしてノーム・チョムスキーの推薦文が付く。巻末の資料によれば、イスラエル軍の攻撃によって破壊され、消えたパレスチナ人の村が388にものぼる。とんでもない数字である。この巻では、主に難民キャンプでの家族写真を掲載するが、彼らの多くは身内や知り合いをたくさん失っている。しかも、イスラエル軍はその難民キャンプをも攻撃しているのである。この写真に写っている人たちの中にも犠牲になった人が多数含まれる。
ネギっ子gen
2025/03/20 14:33

ヴェネツィアさん、ほんとに残念です……。で、<伊藤詩織氏に告発された>とありますが、安田菜津紀さんではないでしょうか?(本人が実名を出して訴えている文章がありますので、実名を明記しました。⇒https://d4p.world/30839/) 伊藤詩織さんに関しては、ご本人がインタビュー記事の中で、 「伊藤詩織さんの民事訴訟での勝訴も考えるきっかけになりました」と語っております。

ヴェネツィア
2025/03/20 15:55

ネギっ子さん、いつも粗忽な私の間違いを正して下さりありがとうございます。丁寧なご指摘感謝!

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
マーグレット・レイ 文、H・A・レイ 絵。世界一胴長のダックスフントのプレッツェルのお話が、見開き2ページ完結の掌編で12話。いずれもネタは胴長。お話は、今からすれば愚にもつかないと言えばそうだし、平和になった※世の中を謳歌していると言えばまたそうだ。絵はアメリカ漫画のタッチに近いが、時代を考慮するとカラフルで斬新なところもありそうだ。※本書のアメリカでの初版刊行は1946年。第2次大戦終結の翌年である。日本では、その頃はまさに焼け跡・闇市の時代。彼我の差は歴然。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
「正知」は仏教用語で、遍く知識のあることをいうようだ。また、ここでは如来とも称されている。全体はきわめて仏教食の強いファンタジーである。王さまをはじめ皆で準備に余念なく正知の来迎を待っているのである。物語の場は判然とはしないものの、どうやら印度のようである。タイトルにも採られ、童話の後半でも重要な働きをする百合は、阿弥陀様の花ともされているようだ。あまり賢治らしくはないように思うが、「二億年ばかり前どこかであったことのような気がします。」の結びがいい。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
トーベ&ラルス・ヤンソン 作。あれやこれやと準備が遅くなって、月の夜に冒険に出かけることになったムーミン一家+フローレンとミイ。ミーミンがフローレンのために海中から取って来たのは綺麗な真珠貝。冒険とはいっても、その程度なのだが、今回も絵が鮮やかで、とりわけ表紙見開きと、月夜の船出は幻想的でいい感じだ。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
著者の広河隆一は著名なフォト・ジャーナリスト。筑紫哲也と池澤夏樹の推薦文を付す。写真は第三次中東戦争の後の1967年にはじまり、本書刊行の2002年までを収める。イスラエル側からもパレスチナの側からも撮られているが、パレスチナ側に立ったものが圧倒的に多い。著者の視点も客観的ではあるが、やはり必然的にパレスチナに肩入れしていくことになったのだろう。イスラエル軍のそれは、戦闘や対テロの哨戒といったものではなく、写真を見る限りでは虐殺としか言いようのないものである。パレスチナの人々のあり様は、悲惨を極める。
ヴェネツィア
2025/03/20 10:10

あの事件の加害者側の当事者だったのですね。しかも、いくつもの。今ようやく結びつきました。

たまきら
2025/03/20 11:01

夫とともに高く評価していた写真家さんだったので、今でも本当に辛いです。今月、フォトジャーナリストの安田菜津紀さんが学生時代に彼から性被害を受けていたことを告白され、その文章を読んで泣きました…。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
表題作は大正4年、谷崎29歳の作品。谷崎の小説は、多かれ少なかれ通俗性を免れないのだが(それはかならずしもマイナスいうわけでもない)それにしても本編は通俗臭が強い。後半の「蔦屋」でのくだりなどは、もうほとんど世話物歌舞伎か新派劇の世界である。江戸情緒を引きずる点では荷風に比肩されるだろうが、谷崎には荷風の恬淡さはなく、むしろ回顧芝居めくのである。お艶は、西欧文学の類例に当てはめるならば、全くファンム・ファタルそのものである。しかも、彼女はまさに妖艶な毒婦を演じて見せるのだが、これも見方を変えれば⇒
ヴェネツィア
2025/03/19 08:21

⇒大店の一人娘として生まれ、窮屈な境遇に甘んじていた彼女が、そこから解放されることで自己をも開放したのであり、姿格好は違え、ある意味では大正期のモダン・ガールであったともいえる。一方の新助は最初は金も力もない、典型的な世話物の二枚目風として登場するが、後半は色悪に転じようとするのだが、それになりきることもできず、結局は自己崩壊の道を進むことになる。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
よだかの風貌や、生き辛い生き方には賢治自身の生が重ねられているのだろう。そして、それは圧倒的なまでに孤独だ。しかも、その孤独は日常のレベルのそれを超えて、もうほとんど存在論的な意味でのそれだ。それだけに、終局の姿は圧倒的なまでに崇高だ。「今でもまだ燃えています」ーこの表現には永遠を希求する賢治の痛切なまでの想いが籠められている。かくあって欲しいのだ。そして、そこには賢治の最愛の妹、としの面影も重なるだろう。また、夜空の星々の輝きも、光を通じて同時に永遠を志向する。
宵待草
2025/03/19 20:21

ヴェネツィアさん こんばんは! 今ほど拝読しました!🙇💦 お母様がお好きだったとの想い出、、、優しいお母様だったのですね!💕 私の蔵書は講談社の発刊で、絵は私の好きな伊勢英子が担って居ます。 又々、共読本が一冊、加わりましたね!😊 ヴェネツィアさんとの、共読本は光栄に思います!🌟 何時も、新たな学びを頂く、選書&レビューを感謝です!🍀 宵待草

ヴェネツィア
2025/03/20 05:07

宵待草さん、おはようございます。伊勢英子さんの絵なら、良さそうですね。この作品の挿絵は知りませんが、私も好きな絵です。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
バーナバス&アナベル・キンダスリー夫妻が2年間に渡って30カ国を巡って取材、撮影した『世界の子どもたち』。年齢には多少の幅があるが、概ねは小学生くらい。着ているものも、民族衣装もあれば、ラフな普段着もあり。住んでいるお家もロスのプール付きのお家やフランスのお城もあれば、土の家や中には孤児院で暮らす子もいる。自然環境も含めて、まさに千差万別。その多様さこそがまさに価値である。共通するのは子どもたちの明るさ。私たちは彼らに地球の未来を託すのである。ユニセフのいいところが出ているのだが手放しで礼賛とはいかない。
ヴェネツィア
2025/03/18 13:55

私がユニセフで気に入らないのは、多額の宣伝費を使っていること。そうすることによって、より多くの寄付が集まるのかも知れないが、何か違う気がする。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
「暗黒のLA4部作」の第1作目。このシリーズは、同じ主人公が一貫して登場するのではなく、どうやらそれぞれは1話完結で、LAの闇を描いていくようだ。さて、本書だがブラック・ダリアと称される被害者を巡って何人もの者たちの人生が変転してゆく。元ライト・ヘヴィー級のボクサーで、現在はロス市警のバッキーが主人公である。彼の一人称語りのスタイルをとるが、警察小説であるだけに、高みから全てを知る語り手(作者)の叙述よりも、一層リアリティを持つ。彼がその都度抱えることになる煩悶や逡巡もまた読者が共有することになるからだ。
drago @4月は名人戦。
2025/03/19 09:53

エルロイ、懐かしいです。 20年ほど前に「LA4部作」を夢中になって読みまして、内容は忘却の彼方なのですが、読み切るのに時間を要した記憶だけが残っています。(^^; 時間に余裕ができたら再読したいです…。

ヴェネツィア
2025/03/19 11:43

dragoさん、一つ一つが結構長いですからね。私は『LAコンフィデンシャル』を最初に読んで、ここに戻りました。結果的にはそれぞれが単体のようでした。

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ヴェネツィア
神沢利子・文、井上洋介・絵。全10巻の人気シリーズの第1巻。初版は1979年の刊行。おかあさんの誕生日にプレゼントしたいウーフ。あれこれと奮闘するのだけれど…というお話。もちろん、最後はハッピーエンドだ。プレゼント選びの過程での「かぶとむしやへびのぬけがら」、ことりのアドヴァイスの「おいしいけむし」が楽しい。絵はちょっと漫画っぽいところが気になるけれど、ウーフのとぼけたような可愛さで相殺か。
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ヴェネツィア
プロットはいたって単純で、宮沢賢治には珍しい勧善懲悪に近い構造を持った童話。名前のように清らかな心を持った清夫が病気の母親のために森の中の荒れ地にばらの実を採りに行く。そして見つけた透明な実は絶大な効力を発揮し、母親は快気する。一方、それを聞いた悪玉の大三が自分の欲望からそれを探しに行き、自滅するというもの。彼らの前に現れるつぐみ、ふくろふ、よしきりの会話が、それぞれの鳥の歌声のオノマトペのようになっているところに賢治らしさがうかがえる。そして、それが単純なプロットを救っているだろう。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
農山漁村文化協会編のシリーズ第1回。「北海道・東北1(青森・岩手・秋田)」の伝統食を中心に取り上げる。北海道は、さすがに広く地形や気候も違うように、食もまた道北、道東、十勝、道央、道南に違いがあるようだ。ただ全体としては動物性たんぱく質の摂取が多いように思う。これがアイヌの人たちの食となると、一層にその傾向が強いようだ。東北では南部地方の菊料理が珍しい。岩手の「馬っこつなぎ」の膳、秋田はハタハタとたんぽ。この地方はさすがに伝統食の宝庫のように見える。
ヴェネツィア
2025/03/17 16:47

西日本に生まれ育った私には珍しいお料理が並ぶ。現在、これらがどの程度に日常食に残るのかはわからないが、農文協のこのシリーズは失われる前に記録にとどめることも大きな目的の一つなのだろう。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
ここでいう「遊び」は、その大半が大人のものである。また、絵画資料も題材は王朝期の風俗を描いているが、そのほとんどは江戸期のものである。四季の遊びのはじめは「小松引き」と「若菜摘み」。現代とはその感覚が大いに違うことは承知しているが、それにしても若菜の方はわかるが、小松引きの何が面白かったのだろう。「桜狩り」、「紅葉狩り」は名称こそ違うが、現代でも行われている。もっとも、桜を愛でながら飲めや歌えやというのは、元禄期くらいからの習慣かと思う(西鶴の『好色五人女』巻1に描かれる)。「貝合わせ」は、今も雅な世界⇒
ヴェネツィア
2025/03/17 12:46

⇒では行われたりもするのだろうか。少なくても王朝期には人気があった遊びのようだ。「香合わせ」は、私には全く縁がないが、今も行われているようだ。「雛遊び」と「雛道具」も立派なものが多数紹介されるが、いずれも江戸期のもの。原型はやはり流し雛のような、形代であったのだと思うが。「管弦の遊び」は『源氏物語』にもよく登場するが、王朝期の貴族たちは歌の心得ばかりか、管弦もこなす必要があったのだろう。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
エスター・アベリル 作。出版は1960年と、なかなかの時代もの。のらねこのピックルズが木から降りられなくなったのを消防車に助けてもらい、それをきっかけに「しょうぼうねこ」になる、というお話。もっとも、しょうぼうねことはいっても、消火活動に加わるわけではなく、もっぱら救出のお手伝い。文章の雰囲気も絵も、古きアメリカ感が横溢する。かつてのアメリカの市民生活の理想が、こんなところにも反映されているのである。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
明るく微笑ましい童話。四郎とかん子の兄妹と狐の紺三郎との遭遇、そして狐の子どもたちとの交流を描く。この世界を成り立たせているのは、まず何よりもイーハトーブの冬の情景の美しさが背景になっていることである。そして、「堅雪かんこ、凍み雪しんこ。」の繰り返しによるリズムが、私たちを幻想の国に誘う。さらには、月の光と幻燈の明かりがことのほかにそれを際立たせるのである。また、篇中では『風の又三郎』との関連を思わせる記述もあり、なにか懐かしいような気がする。
宵待草
2025/03/16 23:48

ヴェネツィアさん 夜分に、ごめんなさいね!🙇💦 私の好きな宮沢賢治の『雪渡り』を掲載下さり、レビューを嬉しく拝読しました!💫 私の蔵書は福音館書店の発刊絵本です。 堀内誠一の描く四郎とかん子が、とっても可愛らしいです!💕 本は違えど共読本が、一冊加わり幸いです!🍀 何時も、有り難うございます!🙋 宵待草

ヴェネツィア
2025/03/17 04:55

宵待草さん、おはようございます。宵待草さんとは隠れ共読本を合わせると、もう何冊になるかわからないくらいありそうですね。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
一応は客観体で語られているが、視点人物は一貫して藻羅(モイラ)である。モイラという命名からただちに思い浮かぶのは、ギリシャ神話のモイラだろう。すなわち、運命を紡ぐ三人の女神である。北欧ゲルマン神話のノルンや、シェイクスピアの『マクベス』の冒頭に登場する、運命を告げる魔女たちへと連想が広がって行く。事実、モイラは他者の運命をも翻弄して行く(とりわけてはアレキサンドゥル)魔性の女(ファンム・ファタル)として描かれるばかりか、彼女自身がそれを強く自覚してもいる。彼女は、強烈なまでの自意識に裏打ちされた⇒
松本直哉
2025/03/16 22:53

モイラが事件を起こしてみんなが騒いでも、ひとり恬淡としている林作が、森鴎外の何事にも動じない nil admirari の精神を地で行っているようで面白かったです。あるいはヴェネツィアさんの言うように、うわべは恬然としていても、内心はモイラに取り込まれて戦々恐々だったのでしょうか。モイラのノンシャランな様子もどこまで演技なのか、自分がどれほど周りの男を翻弄しているかについてどこまで意識的なのか、もしかしてあれが天然なのか、色々勘繰りたくなります。

ヴェネツィア
2025/03/17 04:58

少なくてもモイラは林作を完全に手中にしていると思っていたでしょうね。そして、それこそが彼女の原体験であり、その後の行動を決定づけて行ったのではないでしょうか。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
北欧のそれぞれの国を代表する3人の建築家の作品を併記することで、共通するものと個々の特質を考えようという試み。グンナール・アスプルンド(スウェーデン)、アルヴァ・アールト(フィンランド)、アルネ・ヤコブセン(デンマーク)である。テーマはトータル・デザイン。アスプルンドとアールトの建築は、立地からも自然との共生を図るかのようだ。一方、ヤコブセンは最も都市型の建築であり、そこに自然の一部を取り込んでいく。そして、その3者のいずれもが、家具・調度までを含めたデザイン空間を提案している。個々の特質を見るならば⇒
ヴェネツィア
2025/03/16 14:26

⇒(本書を見る限りでは)アスプルンドに最も顕著なのは、曲線の活かし方だろうか。そしてアールトは光と触感、ヤコブセンは都市(狭小性を、むしろ積極的に認めて)

ヴェネツィア
2025/03/16 14:28

⇒(本書を見る限りでは)アスプルンドは曲線の取り込みに、アールトは光と触感の活かし方に、ヤコブセンは都市の狭小性をむしろ積極的に認めることにあるように思われる。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
馬場のぼる・作の大人気シリーズの1冊目。「11ぴきのねこ」の初見山。11ぴきというのは、どこからの発想なのだろう。サッカーのフィールドに居る1チーム?ともかく10人でないところがいいように思う。じいさんねこのすすめで大きな湖にやって来た11ぴきのねこたち。苦労の末にようやく大きなお魚を手に入れる。みんなに見せるために食べないで持って帰ろうと固く約束したが…。この絵本はなんといってもシンプルな絵と、そんな中にもねこたちの微妙な表情の変化を楽しめるのが真骨頂。ほんわかと惚けた味わいの絵本。
くま
2025/03/18 14:11

こんにちは。「11ぴき」になった経緯、担当編集者の方のインタビューを読んだことがあります。大将+兵隊10人、じゅ・う・いっ・ぴ・きの元気な音がいい、そんなことが書かれていました。 https://www.ehonnavi.net/sp/specialcontents/sp_contents_old.asp?id=278&pg=2

ヴェネツィア
2025/03/18 16:19

くまさん、11匹情報感謝!

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
ベックフォードはイギリス人だが、本書はフランス語で書かれている(出版は1782年)。研究者の間でも、またここでのボルヘスもともにこれを高く評価しているし、ことに「火の地下宮殿」での表現を「文学に現れた最初の真に恐ろしい地獄なのである」とする。18世紀文学にしても、構成は限りなく自由である。アッバース朝第9代カリフのヴァテック」の物語として語られる本書は、アラビアン・ナイトの世界であっていいのだろう。すなわち、論理的な構成は初めから捨てている。眼目はやはり地獄巡りにこそあったからだろう。そして、そこで⇒
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
こうして通観すると、東山魁夷は日本画と洋画のそれぞれの利点を共に合わせ持っているかのようだ。絵画の技法としては、基本的に日本画。そして構図は時として洋画のそれであったりする。絵から受ける印象もまた単一ではない。魁夷の絵を編年体で見るのは初めてだが、美術学校1年生の時の「南天」からして既に別格である。「栴檀は双葉より芳し」というところか。好きな絵を列挙すると「秋翳」、「白夜行」、「冬華」、「花明り」、「年暮る」、「晩鐘」…。いやもう全くキリがない。そして、あらためて思うのは、色彩の美しさと深みである。
mike
2025/03/15 21:14

以前作品展を見に行きましたが、美しいですよね。吸い込まれるようなあのブルーグリーンを基調とした作品、大好きです。唐招提寺の襖絵(実物は見てませんが)は溜息が出ます。

ヴェネツィア
2025/03/16 07:10

mikeさん、唐招提寺の襖絵は是非とも見てみたいものです。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
ナポリでは、カポディモンテ美術館と国立考古学博物館がやはり双璧だろう。カポディモンテのボッティチェリ「聖母子と二人の天使」、ティツィアーノ「ダナエ」、カラヴァッジョ「笞打ち」あたりは是非見たい。また、サン・ドメニコ・マッジョーレ教会、サン・セヴェーロ教会など贅美を尽くした教会群も必見か。かつてのナポリの栄光を偲べそうだ。ポンペイは以前から行きたいと思いつつ、つい足が北イタリアに向いてしまい果たせなかった。今度こそと思うのだが。マテーラのサッシも興味深くはあるが、こちらは是非とまでは。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
長 新太・作。かあさんとはぐれてしまった3匹の子犬たち。おっぱいがほしくて、トリにチューチュー、消防自動車にチューチュー…。ひたすら次々にチューチュー。でも、おっぱいは出ません。ようやくおかあさんに巡り会ってチューチュー。という、なんともシンプル極まりないお話。でも、小さな子どもたちには気持ちがわかるかな。絵もまたシンプルながらデザイン感覚に優れる。読み聞かせでも、大いにウケそうな気がする。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
ほのかな青い幻燈の中で子どもの声が聴こえてくる。「クラムボンはわらったよ。」…やがて、その声は「クラムボンは死んだよ」、「クラムボンは殺されたよ」へと引き継がれて行く。幻想的であり、同時に魂を根源から揺さぶるような怖い物語だ。それは「マザーグース」を連想させもする。五月には川の中の情景も、外からやってくる光もすべからく美しい。でも、その美しさの中には「死」が潜んでいる。それは節理であるのだろう。そして、それだけに厳粛である。一方、十二月は、蟹たちにとっては収穫と喜びの時だ。それはまさに生きてあることの⇒
ヴェネツィア
2025/03/15 08:00

宵待草さん、いつもありがとうございます。私もコインをもらいながら持ち腐れ状態です。ついつい積読本を優先してしまいます。

ヴェネツィア
2025/03/15 08:02

みあさん、私もこれまでは一貫して『銀河鉄道の夜』がベスト1でしたが、ここに来て迷いが生じるほどでした。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
本書は副題にあるように「ヴェトナム・カンボジア・ラオスの戦場に散った報道カメラマン遺作集」である。これらの戦場で死亡、もしくは行方不明となったのは135人にも達していたのである。キャパも、沢田も一ノ瀬もそれらのうちの1人だ。第1章の頃はまだしも余裕があったかも知れない。フランスに立ち向かうヴェトミンの時代である。主なカメラマンはエヴェレット・ディクシー・リース(彼もまた還らぬ人となった)。アメリカ軍の介入からは様相が変わる。武器が一挙に高度化し、凶悪化するのである。戦場は、あるいはヴェトナムの村々は⇒
ヴェネツィア
2025/03/14 16:51

⇒悲惨を極めることになる。写真の凄まじさも一気に増して行く。それが求められるからだろう。そうして、カメラマンたちは次々に散って行くのである。彼らはカメラマンとしての使命は果たしたと思う。ただ、その代償が大き過ぎた。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
最初に30ページばかりカラー図版があるが、後は全てモノクローム。もっとも、他にも画集はたくさん出版されているし、大半のものはウェブ上で見ることもできるので、支障は感じない。また、個々の絵についての解説もなく、もっぱらその施設の説明に費やされる。これもこれで、何処に行けば何があるのかがわかるので、用は十分に足りていると言えるだろう。今年は25年に1度の聖年なので、ローマに行きたい。そして、その場合はサン・ルイージ・デイ・フランチェスコ教会とサンタマリア・デル・ポポロ教会のカラヴァッジョを是非とも見たい⇒
blue xx
2025/03/14 13:00

ヴェネツィアさん、こんにちは。今年はイタリアでしょうか🇮🇹カラヴァッジョの迫力ある力強い絵はまたイタリアに行けたら観たいです。 トレビの泉は2度コイン投げをしましたが、次回は娘と行きたいと思ってます😊

ヴェネツィア
2025/03/14 14:45

blue xxさん、今年はローマと南イタリアを考えています。トレヴィの泉は効力があるような気がします。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
トーベ&ラルス・ヤンソン 作。ラルスは、トーベの生前から共にシリーズを描いてきた実弟。絵本のムーミン・シリーズの1冊。当然、絵が中心になるが、文の占める割合も多い。灯台に泊まることになったムーミン一家。ムーミンは夜になると、おばけが怖くてしかたがない。自分だってトロールなのに。ある夜、フローレンの計略に、それとも知らず勇気をふり絞ったムーミンは…。想い人の前には幽霊もなんのその。絵は実に安定したもの。見開きの、パープルに染まる灯台が美しい。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
ネタバレ『注文の多い料理店』の中の1篇。最後が夢で終わるためもあって深刻度は低い。主人公の山男の表象(その容姿も行動も)ともども、なんだかほんわかとしたお話である。魚屋で章魚を眺めながら、指をくわえているところなどは、可愛げがあるとも言える。そんな純朴な山男なので、いともたやすく支那人(本文のママ)に騙されて「六神丸」などという、なんとも怪しげな薬を飲まされてしまうのである。いかにも「純朴」を肯定しそうな賢治だが、そんなに単純なものでもないようだ。ただし、最後にはちゃんと救っているのだが。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
柳美里の演劇作品を3作(ただし「静物画」は、女子版と男子版の両バージョン)収録する。いずれも2011年3月11日の東日本大震災に深くコミットするものである。柳は、これらの劇で(とりわけ「町の形見」では)演者たちにライヴ感を強く要求しているように思われる。すなわち3.11は、すでに過去であり、過去の出来事であるのだが、柳の中では(あるいは当事者たちにとっては当然)それは終わったもの(既に完了したもの)ではなく、今も抱え続けるもの(「べきもの」とは言わない)なのである。
ヴェネツィア
2025/03/13 16:47

柳美里は2015年4月に南相馬に移り住む。そして、2017年7月からは住民として書店「フルハウス」を開いた。柳としての連帯だろう。本気だ。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
ローマ帝国による統一以前のイタリア半島の言語地図(BC450〜400年)によれば、最も優勢なのはラテン語だが、他にもエトルリア語やギリシャ語、メッサビイ語など、11言語が確認されている。最盛期のローマは全地中海世界の全てをを版図に入れる(もちろん、ギリシャ語などはまだ存続していた)。そのローマの遺跡があんなに(首都ローマの中心にさえも)今も各地に残るのは不思議な気さえする。セゴビアの水道橋やメリダのローマ劇場など、今でも使えそうだ。実際、修復されているとはい え、ヴェローナのアレーナなどは今も現役である。
ヴェネツィア
2025/03/13 15:05

ローマ帝国の土木・建築技術(とりわけ土木)は傑出していたと言われているが、現存するものからしてもそれは大いに首肯できるところだ。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
内田麟太郎・文、降矢なな・絵。オオカミの家にはじめてお泊りにやって来たキツネ(二人はトモダチなのだが、珍しい組み合わせだ)。オオカミは海の大きさと、自分が釣り上げたというカジキについて大言壮語。二人で海へ…というお話。絵は、途中に漫画のコマワリのような部分がある点が珍しい(ただし、それがいいとは思わないが)。また、全体に暗めのトーンで統一されているところは、ユニーク。海での夕陽のシーンの影の描写がとりわけ印象的。
ヴェネツィア
2025/03/13 07:58

「ともだち」の存在はもちろんいいものなのだが、「ともだち100人できるかな」などの(作者にはもちろんそんなつもりはない)「ともだち圧」は、子どもたちには時として重圧だ。私の息子が幼稚園の年少の頃にともだちが一人もおらず泣いていた。妻が「たっちゃん(龍彦)にはレオンちゃん(当時飼っていたカメレオン)もいるじゃないの」と言うと「ニンゲンのともだちが欲しいよお」とさらに激しく泣いた。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
最初は散文詩風の叙景からはじまる。それを破るのは犬の啼き声である。そして、ここから物語が始まる。しかし、この4人はどこからやって来てどこへ向かおうとしているのかがわからない。しかも、深夜の2時にはこの宿を出立するという。みなで「無上甚深微妙法 百万劫難遭遇…」を唱えるところからすれば、行者の一団であるのだろうか。深夜から暁にかけての描写がなされ、それらは厳しい中にも美しいが、最後は錫紙の光とともに幕を閉じる。未完のようにも、これで完結しているようでもある。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
巻頭で紹介されるのは、京都の町家をリノベイトしたジェフリー・ムーサス邸。見たところは可能な限り元の建材を活かしながら改修したもののようだ。町家は暗いというイメージがあったが、採光の具合もとっても良さそうだ。この家は特別として、他は新しく建てた「木」をふんだんに用いた家。ロフトがあったり、太い梁を強調する天井空間があったりと、みなそれぞれに個性的な木の家である。ただ、若干の例外はあるものの、惣じて言えば内装の凝り方や空間の面白さに比べると、外観があまりぱっとしないのだ。資金の問題もあるのかも知れない。⇒
ヴェネツィア
2025/03/12 13:07

⇒あるいは、住空間の大切さは内部にこそという発想であるのかも知れない。でも、素人考えでは、どうせお金をかけるのなら外観もと思うのだが。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
著者の波 環さんは放送局勤務(北海道)を続けながら2013年2月から2019年11月まで、14回の四国八十八カ所遍路行を敢行し達成した。本書はその記録なのだが、ひじょうに実践的である。中には脱毛処理(結構切実であるらしい)の顛末まで語られている。ただし、彼女が最も役に立ったという『四国遍路ひとり歩き同行二人』など、他の書物から得られるものは省かれているようだ。実際に遍路を歩くにあたってのさまざまな苦労(御手洗の問題とか水の補給とか)に耐えての行脚なのだが、そのひたむきさが読者に如実に伝わる好著。
波 環
2025/03/12 21:02

ヴェネツィア様お手に取っていただき心から感謝いたします。タイトルの件、ご認識はもっともです。でもこれは私の希望が強いタイトルなのです。これは私のテレの表現かもしれません。この本の中で、しごとやめやめ詐欺らしいこと書きましたが、2023年にやめてホントにスペイン歩きに行ってしまいました。

ヴェネツィア
2025/03/13 08:07

波 環さん、ご本人の選択でしたか。それは失礼いたしました。とうとうカミーノ巡礼も果たされたのですか。カミーノ紀行の出版を待望しています。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
森佐智子・文、MAYA MAXX・絵。黒猫のお母さんから生まれた4匹の子ネコたち。3匹は真っ黒なのだけれど、1匹だけどういうわけか真っ白。ある日、悩める白い猫のところにやって来たのは真っ白のお父さん猫。絵は極太の描線に黒を塗ったもの。インパクトも強い。お話は、作者の森佐智子さんが大学生の時のものらしい。どうりでタイトルのネーミングがダイレクトというか、テキトーというか。
ヴェネツィア
2025/03/12 08:49

そういえば、そうですね。アンパンマンにジャムおじさんに…。

yomineko@ヴィタリにゃん
2025/03/12 08:55

はい(笑)やなせたかし先生のせいなんです(笑)

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
実際に起こった過去の事件を井上ひさしが再現してみせる試み。日本のものが11件と欧米のものが9件。井上ひさしが作家として、これらの事件に大いに感興を催したのはよく分かる。例えば、冒頭に置かれた「練歯磨殺人事件」にしても、練歯磨のチューブのトリックによってアリバイを成立させようというのが犯人の目論見だったのだが、これはまるで推理小説のトリックそのものである。「事実は小説よりも奇なり」と言うがまさにそれを地で行くかのような事件である。ただ、井上ひさしの小説の面白さは、縦横無尽に、時としては脱線しつつ進行する⇒
ヴェネツィア
2025/03/11 17:35

⇒ところにこそあると思うのだ。ところが、ここでは事件そのものの面白さが前面に出てしまい、井上ひさし独特の語りを発揮する場面が隠れてしまうのである。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
紀元前2000年あたりから書き起こされる。最初はクレタとミュケナイの宮殿文明からである。ミュケナイのアクロポリスの航空写真があるが、都市遺稿がくっきりと望見される。美術品はまだどことなくプリミティヴな趣きを残す。それが前8世紀の僭主政の時代になると、大いに進化し私たちの思うギリシャ美術が現出する。一方、デルポイの遺跡などは、いかにもそこで神託が行われたといった雰囲気を如実に残している。また、前600年ごろからの鋳造貨幣も多数出土しているが、その頃から既に貨幣経済が成立していたのかと驚くばかりである。
ヴェネツィア
2025/03/11 07:54

アテネのアクロポリスにしても、パルテノン神殿が今も丘の上に残る(もちろん完全にではないが)のも、信じられないくらい奇跡的なことだ。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
デイヴィド・マッキー作。ベンさんがある日、古着屋で試着したのはなんと囚人服。試着室の扉を開けると、そこは監獄。思いがけずも囚人暮らしを送ることに。ところが陽気なベンさんは監獄の大改造。すっかり快適になったところで、元の世界に…というお話。カラーページと、モノクロームの細密なページが交互に描かれる。それだけに、かえってカラーページの鮮やかさがひき立つかも。軽妙なようでいて、奥深い絵がなんとも独特の味わい。ただ、あまり子ども向きではないかもしれない。大人の読者は大いに楽しめるはず。
中村です
2025/03/11 14:44

面白そうですね☺️✨!さっそく図書館に予約しました。

ヴェネツィア
2025/03/11 17:35

中村ですさん、面白いですよ。構想も絵も。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
平山郁夫の画文集。初出は、1962年から1年半に渡って毎月「東京新聞」の文化欄に掲載されたもの。平山62〜64歳。東アジアから、南アジア、さらには西アジアの広い範囲に及ぶ文化遺跡の調査を兼ねた紀行に基づいている。あとがきによれば、平山の画家としての原点は広島で受けた被爆体験とその後の苦しみの中から、平和への希求として玄奘三蔵の旅を描いたことにあったそうだ。この画文集は、その意味では平山の原点回帰の想いもあったのだろう。絵はいずれも、一見したところではスケッチに簡単な彩色を施した、いたってシンプルなものに⇒
ヴェネツィア
2025/03/11 06:43

宵待草さん、おはようございます。本書のあとがきでは、修道中学時代の被爆と、その後も後遺障害に苦しんだことが自分の出発点であったと書いています。

宵待草
2025/03/23 17:02

ヴェネツィアさん こんにちは!☀️ 今ほど既読して、拙いレビューを記しました。 良書をご紹介&レビュー下さり、感謝しています!🍀 何時も、有り難うございます!🙋 宵待草

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
編著者の藤原千恵子氏は浮世絵の研究家。本書はいろいろな項目を立て、それぞれの風景を浮世絵で見ていくもの。ただ、北斎や広重と技法が浮世絵であるとはいえ、大正・昭和期の川瀬巴水や冨田渓仙などとが同列にあるのは違和感が残る。また、それぞれの絵には解説が付されているのだが、それらのいずれもが浮世絵としての解説ではなく、単に地理的な説明に終始しているのは、これまたどうしたことかと思う。畢竟、浮世絵ということの意味が問われることがないのいである。私たちが(少なくても私が)期待するのは、浮世絵における風景の意味と⇒
ヴェネツィア
2025/03/10 16:45

⇒個々の浮世絵の持つ固有の意義、あるいはそれぞれの絵師の個人様式に関する解説である。なんとも残念。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
著者の清水晶子氏はロンドン在住のフリージャーナリスト。本書は2007年の刊行といささか古くなったが、ロンドンの当時の最先端の建築を紹介する。あの古めかしいロンドンにも、こんな現代的な建築や商業施設があるのだ。巻頭は「見る」と題して、華々しい建築物から。筆頭はやはり"30 ST MARY AXE"(表紙写真)だろう。40階建て、179.8m。高さはそれほどではないが、やはり形状のインパクトはなかなか。「楽しむ」コーナーからは、大英博物館グレートコートだろう。透明なガラス張りの天井に、ライムストーンの床。
Johnnycake
2025/03/10 14:22

ロンドンは行くたびに何かしら新しいビルが出来てて楽しいです。この表紙はガーキンの愛称で知られてますね。2007年以降もチーズグレーターやらウォーキートーキーなどの愛称のあるビルが出来てます。

ヴェネツィア
2025/03/10 15:47

Johonnycakeさん、本書にも愛称ガーキンとありました。ロンドンはさらなる進化を続けているようですね。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
三浦しをんのエッセイは『お友だちからお願いします』に続いて2冊目。三浦しをんの愛読者の中には小説よりもエッセイの方が面白いという人も少なくないが、私はやはりフィクション派。エッセイもけっして面白くないという訳では無いが。今回のこの『極め道』は、彼女の作家デビューまであたりのことを綴ったもののようだ。初出はボイルドエッグズ・オンライン。このエッセイ集の特徴は、とにかくあからさまであること。尾籠な感想で恐縮だが、彼女は便秘も下痢も、そして男性の胸毛が大好きという秘められた性癖をも隠すことがない。フルオープン⇒
ヴェネツィア
2025/03/10 11:45

⇒装っているのである。そうして、全てを見せていますというフィクションを纏うのだ。篇中では少女漫画の話が面白く、またなかなかに慧眼であると思った。松苗あけみ『純情クレイジーフルーツ 』、魚喃キリコ『blue』、吉田秋生『櫻の園』を語っている。カトリック系の女子校出身の彼女が実態に一番近いというのが『純クレ』である。私も同感。実は私も大学院生の時に1年間だけだが、女子校の教壇に立った経験がある。『純クレ』

ヴェネツィア
2025/03/10 11:50

⇒はリアルな女子校の現実を描いていると思う。なお、表紙見開きのしをんさんの写真はおそらくご本人も気に入っていると思われる。ほっそりと細面で清楚な風情。知的な感じも漂っている。深沢次郎(写真家)でかした!と快哉を叫んだのではないか。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
著者は、韓国人オッパ セミ。オッパとあるように、男性。SNSの韓国料理の配信ではフォロワーが30万人を越える人気らしい。まず盛り付けの上手なことに目を惹かれる。サムギョプサルのような、ごく普通のお料理でも、とっても綺麗で食欲をそそる。あるいはタコの寄せ鍋の赤の色の鮮やかなこと。キムチも赤と緑の配色が絶妙だ。日本料理は目で食べると言うけれど、韓国料理もそうなのだろう。これを見ているとそう思う。どのページにも韓国家庭料理が満載。早速に食べてみたくなること必定。撮影の田村昌裕の腕も冴える。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
のぶみ 作。私は初めて知ったが、かなり人気の高い絵本作家・イラストレーターのようだ。おじいちゃんが孫の女の子(小学校3,4年生くらい)に妖精が確かにいるのだということを説得するお話。私には、なんだかとってつけた感がぬぐえなかった。妖精って、説明されたり、ましてやその存在の有無を説得されるようなものなのだろうか。妖精はファンタジー世界の中でこそ生きるのだから。絵も人物像も妖精も漫画っぽくって、これまた私の趣味からは遠い。残念。
オスカー
2025/03/10 08:52

のぶみさんて『あたしおかあさんだから』という歌(歌詞)で炎上した方ですよね。以前検索して読んでみましたが、たしかにコレはヒドイというか、なんかムカつく歌詞だわ、と思いました。絵本を読んだことがありますが、なんかちょっとズレているような。この炎上の時のご本人のコメントもう~んでした。 http://m.huffingtonpost.jp/2018/02/06/nobumi_a_23354815/

ヴェネツィア
2025/03/10 08:57

オスカーさん、私はこの人は全く初めてでしたが、なぜ人気があるのかよくわかりませんでした。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
私は知らなかったのだが、千葉県佐倉市にこんないい博物館があったとは。開業は1983年というから、もう40年以上も前から。本書は、その歴史民俗博物館の紹介本である。大判でずっしりと重い。つまりそれは図版が大きく、カラーも美しいということである。巻頭の「祈る」が素晴らしい。福岡県王塚古墳横穴式石室(6世紀)の忠実な復元なのだが、色彩も文様も実に鮮やか。日本の意匠とは思えない。インカかマヤのように見えるのである。福島県清戸迫横穴奥壁もシンボリックで、これまた見事。ただし、全体としては玉石混交といった感も⇒
ヴェネツィア
2025/03/10 07:34

櫻井愛さん、カレーと古代米とは異色の組み合わせですね。図書館にこの本があるといいのですが。

ヴェネツィア
2025/03/10 07:35

みなみさん、歴博は意欲的な取り組みをしているのですね。今まで知らなくてもったいないことをしました。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
6人の人気女性作家による競作。編集部が『いつか、アジアの街角で』を旗印に「オール読物」に書いてもらったのだろうか。だとすれば、アジアに関係があれば何でも結構ですといったくらいの相当に緩やかな縛りだったのだろう。タイトルをそのまま遵守しているのは、宮下奈都「石を拾う」と角田光代「猫はじっとしていない」くらいだ。中島京子は小説としてはともかく、題はお義理程度。桜庭一樹の文体は同人誌レベル。他は及第点ではあるが、残念ながら期待に沿うほどではなかったと思う。いっそ、縛りをきつくした方がいい作品が集まったのでは。
fragro
2025/03/09 20:00

ヴェネツィアさん御編集の出版物を、素直な意味で楽しみにしております😀

ヴェネツィア
2025/03/10 07:37

fragroさん、ほんとうにそうできるといいのですが。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
北欧の7人の建築家たちの自邸と別荘を紹介する。知らない建築家もいたが、そこはちゃんと伝記的な紹介文が付いている。巻頭を飾るのはスウェーデンのグンナー・アスプルンドのサマーハウス(表紙写真)。ストックホルム郊外のステンネースに立地するようなのだが、郊外というイメージからは遠く全くの森の中であり、湖まである。別荘とあって全体には簡素な作りだが、そこは北欧。暖炉だけは頗る立派である。ただ形は変わっていて、ちょっとナポリのピッツァ釜を思わせるようなもの。素晴らしい環境、建物だが、孤独を楽しむ人でないともたない。
宵待草
2025/03/09 15:37

ヴェネツィアさん こんにちは! 北欧が好きで、特にフィンランド🇫🇮が大好きです!💕 レビューに惹かれて、此の本は読みたく成りました!✨ メモさせて頂きますね!📝 何時も、有り難うございます!🙋 季節の変わり目ですので、ご自愛願います!💫 宵待草

ヴェネツィア
2025/03/09 15:46

宵待草さんは北欧派ですか。私は実は建築もそうなのですが、旅はもっぱら南欧・地中海派です。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
『ふたりはともだち』のアーノルド・ローベル作。お話はいたってシンプル。おじいさんぐまが「りっぱなくまのするべきこと」を4匹のこぐまに教えようとする。でも、こぐまたちは勝手な行動をやめない。最後はそれが功を奏して…というもの。1965年の出版だが、今、この内容で子どもたちは楽しめるのだろうか。それとも、やっぱりこぐまに共感するのだろうか。絵はロベールらしく擬人化されたモノクロームのもの。絵もまた地味かなあ。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
著者の砂井紫里氏は文化人類学の研究者。本書は福建省を舞台にした食を中心としたフィールド・ノートを基に構成されている。福建省には、シェ族やここに登場する回族などの少数民族集団が存在するが、回族の人たちは主に省の沿岸部のいくつかの町に集住するようだ。そして、そのことは彼らの食生活にも大きく関わってくる。彼らはイスラム教徒ではあるが、中東地域のムスリムと比べると随分ムードも違えば、食生活も違っているようだ。そのあたりも著者の関心を引いたのだと思われる。中華世界と巧みに同化しているのである。そしてその歴史も長い。
ヴェネツィア
2025/03/08 17:42

福建省には福州だけだが、かつて2度出張で行ったことがある(滞在は合計で3週間くらい)。福州はひじょうに開放的な街という印象であった。最初に驚いたのは、街中にチャイナタウンがあったこと。入り口の門などはまさに中華街そのもの。もっとも、その後中国の他の町にもチャイナタウンがあることがわかり、福州だけではないのだが。また、福州では蛇料理を食した。銀色の美しい蛇で、その美しさを損なわないようにセロリと一緒に塩でさっと炒めてあった。ただし、好き好んで食べたのではなく、招待されたレストランで出たので食べないわけには。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
アガサ・クリスティーの、ミステリーではない本格小説。当時はメアリ・ウェストマコットのペンネームで発表された。かなり変わった形をとる恋愛小説だが、ミステリーで培った手法が巧みにアレンジされている。実際に登場する人物はいたって少なく、ほとんどは主人公のジョーンの思念の中である。彼女はバクダッドにいる娘のもとを訪れた帰途、思いがけずも砂漠の中の小さな駅の宿泊所で数日を過ごすことになったのである。そこでの数々の煩悶の過程が、この小説を形作っていく。その果てに彼女はとうとう自分の「影」と対峙することになる。⇒
fragro
2025/03/08 22:22

十代で読んだとき愕然としました。「仕事について」など、今だに思い出す台詞があります。私もお薦めだと思います。

ヴェネツィア
2025/03/09 07:31

ragroさん、シェイクスピアのソネットなどの引用もあり、なかなか格調高い作品でした。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
ヘロドトスのあまりにも有名な言葉「エジプトはナイルの賜物」は、悠久の時を経て真実であり続けたようだ。本書の始まりがBC5000年頃の先史時代エジプトなのだが、その後も延々とエジプトとナイルは絶対に切り離せないのである。原王朝(BC3000年頃)〜古王国(BC2650-2150)〜中王国〜新王国を経て、やがて衰退してゆくのだが、その間ナイルはずっと王国の行末を見守っていた。エジプトには行ったことがないのだが、実に壮大な文明である。それは何もピラミッドや神殿の大きさばかりではなく、文字や文化、制度などの⇒
ヴェネツィア
2025/03/08 12:34

⇒すべてにおいてそうである。すごいなあと、ほんとうにそう思う。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
マメイケダ作。お話というのはなく、車内と車窓からの風景、そして「ガサゴソ…パッチン」の音とともに駅弁が次々に登場する。案内役は樹脂製のお魚の形をしたお醤油入れ。オープニングで「ぼくのこと しってる?」と聞いているけれど、今時は姿を消した?絵は小学校6年生か中学生くらいの、すごく上手な子が描いたようなタッチ。線描にクレパスと水彩絵の具で力強く彩色を施したもの。横浜崎陽軒のシウマイ弁当や岡山の祭り寿司などお馴染みの弁当が9つ。駅弁では定番の峠の釜飯が見当たらないが、代わりにタコつぼ弁当(どこだろう?)が。
90ac
2025/03/08 16:08

出汁に付けるんですか、それも美味しそうですね。TVで見ましたが、鉄板の上で、でんぷん粉の上に明石タコとチーズをのせて、大きなプレス機でベッタンコにして焼くと、巨大な煎餅が出来上がるというのを放送していました。あれも旨そうでした^_^;)。

ヴェネツィア
2025/03/08 16:34

そういうのもありますか。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
全編が美しく輝く童話作品。ここでは光も風も樹々や草花も等しく命あるものとして描かれる。それはみんなそれぞれに生命の輝きを見せるのだけれど、いずれの命もまた限りあるものである。あるいは、それゆえにこそ美しいのかも知れない。賢治はそれらの命(それは虹のような無生物にも及び、およそこの世のありとあらゆるものである)に限りなき慈しみと哀切な目をそそぐ。いわば無辺代の、宗教的な境地に向かおうとするかのようだ。それは、あるいは輪廻の思想であるのかも知れないし、またキリスト教的な愛であるのかも知れない。⇒
ヴェネツィア
2025/03/07 16:52

⇒賢治は生涯を通じて、熱心な日蓮宗の信者であり続けたが、にもかかわらず他の宗教(もしくは宗教的なもの)に対してけっして排他的ではなかった。本編にもソロモン王と野のユリ(マタイによる福音書6章28節)の例えが引かれているし、『銀河鉄道』などにも、キリスト教的なイメージは散在する。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
列車が好き。当然のことながら旅は大好き。辺境にはこよなき憧れを抱いている。だけど、現実には辺境への旅はなかなか実現が難しい。そこで、下川裕治の本を愛読することになる。今回は「世界の超長距離列車」の旅である。①ディブラガル〜カンニャクマリ・4273km(4泊5日)②広州〜ラサ・4980km(2泊3日)③ウラジオストク〜モスクワ・9259km(6泊7日)④バンクーバー〜トロント・4466km(4泊5日)⑤シカゴ〜ロスアンジェルス・4390km(3泊4日)であった。このうちで、最もハードな旅だと思われるのは⇒
ヴェネツィア
2025/03/07 14:32

⇒①のインド篇である。なにしろ、3段ベッドが向かい合わせに設定されたコンパートメントに20人もの人(もちろん、下川氏もその中の1人)が寝ようというのであるから。もう全くの苦行である。総合的に一番魅力的だと思われるのは、やはり憧憬やまぬシベリア鉄道だ。カナダのロッキー越えも、中国の青蔵鉄道もとっても魅力的だが。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
ロバート・マックロスキー作。アメリカン・ファミリーの半日を描く。頼りになるダディといつも優しいマミー、そして2人の娘たち(8歳と2歳くらい)。この日は、朝からダディが浜辺でハマグリ採りに。その後はダディがサリー(長女)とジェイ(次女)を伴ってボートでバックス・ハーバーへ。その間の主な話題はサリーの乳歯が1本抜けたこと。自然は豊かで、ハーバーの人たちも穏やかで親切。絵はモノクロームの木炭画で、リアリズムに徹している。1952年の刊行だが、ここにあるのはまさに古き良きアメリカ。郷愁漂う絵本である。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
文体も雰囲気もライトノベル感が漂う。もっとも、ライトノベルにしてはいささか過激な性描写があるのだが。あるいは昨今ではこれしきは常識の範囲内かも知れないが。さて、本作は、主人公あかりが翻訳している英国中世騎士道ロマンス小説と、あかりと神名の日常という二つの舞台があり、それらが並行して進んで行くといった特異な設定がなされている。その試み自体は成功していると思うが、残念ながら恋愛小説(編集部の依頼はこれだったらしい)としては、ロマンス小説の方はともかく、現代版の方の結末に不満が残る。神名の放浪云々発言も⇒
ヴェネツィア
2025/03/07 08:21

⇒いかにも唐突で、物語としての必然性に乏しい。そもそも二人の恋愛にしてからが、小説が始まった時に既に恋愛関係が成立している。恋愛小説の王道は、やはり何といっても恋のたてひきにあるのだから、そこを飛ばしてしまうと後は危機と崩壊しかないではないか。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
残念ながら半ばくらいで未完の童話。主人公キッコが(尋常小学校6年生くらいか。最初は女の子かと思っていたが、吉三郎とわかって修正)思いがけず手に入れた魔法の鉛筆をめぐる物語。学校の様子などは『風の又三郎』を思わせるが、そうした少年は登場しそうもない。代わりに鉛筆をくれるおじいさんとの遭遇があるが、それも不思議な出会いとしか言いようがないもの。たふだ、この鉛筆のエピソードは共通する。そして、主題も不明なまま、唐突に終わる。おそらくこれ以降は書かれることがなかったのだろう。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
各都道府県の名産品、特産品や郷土食をカラー図版で紹介する。第1巻は「北海道・東北・北関東」篇。こうしてあらためて県ごとに見てみると、北海道と東北各県は概ねよく知っていることがわかった。東北篇では福島県の知識が不足していた。喜多方ラーメンはさすがに知っていたが、会津地 鶏と川俣シャモ、会津蕎麦は初めて。郷土料理は「いかにんじん」をはじめ全滅というありさま。これが北関東となると、知っている方が少なくなる。水戸納豆、宇都宮餃子、下仁田ネギが持てる知識のほぼ全てという不甲斐ないことに。そもそも茨城県と栃木県は⇒
ヴェネツィア
2025/03/06 14:08

⇒私にとって未踏の地。ちなみにそれ以外の未踏地は青森県、秋田県、宮崎県、鹿児島県。いずれも魅力的だとは思いつつ、これまで機会がなかった。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
ドストエフスキーには珍しい寓話小説。時の世相に対する風刺に満ちた作品である。自身の主宰する雑誌「エポーハ」の1865年2月号に発表された。翌年には『罪と罰』が出版され、以下続々とドストエフスキーの代表的な長編小説が続くことになる。その意味では、本作はまさにドストエフスキーが胎動し始める時期のものということになる。プロットはおよそ荒唐無稽で、見世物小屋のワニに呑み込まれた下級官吏イヴァンの見果てぬ大言壮語と、その妻エレーナの艷やかな夢、全く役に立たない官吏のチモフェイ、そして語り手の「私」。⇒
めりっく
2025/03/06 13:16

前に森鴎外訳で読みましたが、想像以上に面白くて大好きなお話になりました。

ヴェネツィア
2025/03/06 13:39

めりっくさん、鷗外もこの物語を訳していたのですか。私も鷗外訳を読んでみようかと思います。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
原話はハイチのお話。中脇初枝・再話、あずみ虫・絵。継子イジメのお話なのだが、そこはハイチ。テピンギーの知恵と才覚、お友だちの協力で見事に逆襲。反対に継母を追放してしまうという、なんとも痛快な物語。同じ行為が3度繰り返されるのは昔話の常道。中脇の文もいたってリズミカル。そして、何よりもあずみ虫の絵がいい。金属板を切って絵の具で着色する技法のようだが、形といい、溢れる色彩といい、ハイチのムードにぴったりである。
ヴェネツィア
2025/03/06 08:43

yominekoさん、おはようございます。明るく溌溂としたテピンギー、お薦めです。

yomineko@ヴィタリにゃん
2025/03/06 08:44

楽しみです🌸🌸🌸ありがとうございます😊

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
著者の熊田忠雄氏はニッポン放送の報道部記者から、取締役まで務めた人。本書は主として幕末に欧米に渡った(鎖国下だったので、もちろん公務で)武士たちの西洋食体験を検証するもの。安政7(1860)年の咸臨丸の渡米(170人)、遣欧使節団(第1回は文久2・1862年以下何度か)、など結構欧米に行った者たちはいた。なお、福沢諭吉はアメリカとヨーロッパの両方に行っている。彼らは味噌や醤油など、かなり大量に日本食品を船に積み込んでいた。それでも、船内で、あるいは饗応された食事会では否応なく、いわゆる西洋食を食べた。⇒
とんかつラバー
2025/03/06 23:09

戦前の文豪でも洋食を受け付けなかった人が多いですから開国前後の侍だとなおさらですよね。戦前生まれの祖父母も、肉やバターは食べましたがとんこつラーメンなどは食べようとしなかったです。

ヴェネツィア
2025/03/07 08:08

とんかつラバーさん、そういえばラーメンがこれほど市民権を得たのはそれほど昔のことでもなかったでしょうね。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
5人の女性作家たちによる競作。唯野未歩子のみ初読。4作までが書下ろしなので、小学館編集部の企画だったのだろうか。ただ「女ともだち」という括りだが、「野江さんと蒟蒻」は苦しい。隠れたほんとうの共通項は「派遣」。いずれも年齢的にも現在の境遇の上からも、自らが分岐点にいるのではないかと密かに思っている女性たちの微妙な心の揺れ動き巧みに、またそれぞれ個性的に描く。また、本書がアンソロジーとして成功しているのは、単体で読むよりも、一層にそれが切実に伝わることだ。おそらく期せずしてそうなったのだろうが。
ヴェネツィア
2025/03/05 17:22

共通テーマの追求度から選ぶなら、角田光代「海まであとどのくらい?」。また、小説としての完成度なら井上荒野「野江さんと蒟蒻」か。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
ジオ・ポンティは1891年にミラノで生まれたのだが、これほど出生地を納得させる人も珍しいくらいである。ポンティのデザインは、ルネサンスの伝統を保ちながら現代の先端を切り開く都市、ミラノの風土と切り離せないように思う。建築家としての出発は1925年、ミラノに建てられた住宅である。これや翌年のパリのヴィラ・ブイエなどは、ユーゲント・シュティール風の趣きを残している。それ以降も実に様々な意匠の建築物を残しているが、それらはポスト・モダンの先駆とされているようだ。また、この人は建築以外にも、工芸は⇒
ヴェネツィア
2025/03/05 14:55

⇒言うに及ばず、ジノリ食器や家具、ファッションなど様々な分野のデザインに足跡を残している。家具も思いのほかにクラシックなのだが、優美という言葉が真にふさわしいものだ。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
まど みちお・詩、柚木沙弥郎・絵。はじまりは、「風が吹けば桶屋がもうかる」のような展開だったが、後半からの展開は見事。ことに「まだ、人がやってこなかったころの」からの終息は、悠久の時を思わせる壮大な、それでいてなんとも穏やかなもの。柚木の絵の線の曖昧さ(いい意味で)と、色の持つ確かな感じが詩の持つ力をよく支えている。読み終えると、なんだか茫洋とした気持ちになる絵本。お薦め。
ガーネット
2025/03/05 19:37

柚木沙弥郎さん、大好きなんですけど、この絵本は知りませんでした。ぜひ、読んでみたいです。貴重な情報をありがとうございました♪

ヴェネツィア
2025/03/06 07:38

ガーネットさん、これはお薦めです。ぜひ。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
これで完結しているようにも、未完のようにも見える。私は一応完結と見る。マリヴロンにはイメージ造型の上でモデルがあるのだろうか。それとも全く賢治の創作になるものなのだろうか。名前の由来もわからない。篇中にある「鳥はうしろにみなそのあとをもつのです。みんなはそれを見ないでしょうが、わたくしはそれを見るのです。おんなじようにわたくしどもはみなそのあとにひとつの世界をつくって来ます」とあり、賢治はそこに最高の芸術を見るというのだが、具体的な像を結びにくく、なかなかに難解である。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
本書は9人の作家たちが書き継ぐ形で競作する「螺旋プロジェクト」の最終巻、未来篇を担っている。私はそのほとんどが未読なのだが、プロローグとエピローグにある「海と山の伝承」が、これら壮大な物語を繋ぐコードなのだろう。ここでは、タイトルも対立する2元項からなり、作品全体の構造もまたそうである。その地上的な表れが壁によって隔てられた東西の分断であり、ニモとドリーム8のそれである。また、身体的には大きな耳の一族と、青い眼の一族として表象される。これらの2言論的対立は、この最終巻でアウフヘーベンされたのだろうが⇒
ヴェネツィア
2025/03/04 15:56

⇒構えが大きかった割には結末が寂しいという感は拭えない。吉田篤弘の文体のつかみどころのなさが(それは本来は明確に長所なのだが)ここでは長所になりきれなかったようだ。また、良くも悪くもイメージの展開は村上春樹を思わせる。

ヴェネツィア
2025/03/04 16:04

2項対立の神話的側面を書き忘れたが、この物語では「眠り」と「覚醒」すなわち「死」と「再生」がそれである。死はかならずしも明確ではないが、少なくても最後は一段高次な大いなる再生(結合)によって結ばれている。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
一昔前まで、狩野派はまったく人気がなかったらしい。狩野派は江戸期の全体を通じて、いわゆる幕府の御用絵師として絵の世界を席巻していた。どうしてもステレオタイプの絵画のように見えてしまうし、数も圧倒的に多いために希少性もない、そんな存在だった。私も正直なところ、これまではあまり興味を持ってこなかった。永徳も探幽も区別がつかなかったのである。そんな狩野派が昨今では大いに復権しているとのことである。本書は狩野派について、わかりやすく、しかもなかなかに要領よく解説してくれている。そうだったのか!狩野派。
ヴェネツィア
2025/03/04 15:17

江戸狩野派の祖は探幽である。彼を頂点に狩野派は脈々たる人材を抱えていたし、将軍家や大名家のお抱え絵師として世を謳歌していた。忠臣蔵で名高い、かの江戸城松の廊下の松の絵も当然、狩野派によるもの。探淵が描いている。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
レオ=レオニ作、谷川俊太郎・訳。二匹のノミがお話の主人公なのだが、珍しいことに最後までその姿が見えないまま。この2匹は役割分担がはっきりしていて、赤いふきだしが積極派・改革派で青い方が消極派・保守派である。犬のお尻に住んでいたのが、鶏、ヤマアラシ、モグラと次々に宿主を移って行って、最後に赤は鳥に乗って旅立ち、青は元の古巣に戻るというお話。絵は切り絵を張り付けるスタイル。くっきりとしてわかりやすいが、背景ももう少し欲しいような気もする。
Johnnycake
2025/03/04 07:52

Rolling Stones…. の解釈はイギリス vs アメリカ と言うよりは歴史的な変化などもあるようです。「指輪物語」ではガンダルフが自身をRolling Stonesだとし、それに対してトム・ボンバディルはひとつ所にとどまる石だと言ったという引用も見ました。イギリスでもローリング・ストーンズが人気が出て「自由」というイメージもあると思います。

ヴェネツィア
2025/03/04 09:43

Johonnycakeさん、確かに世代差の方が大きいかも知れません。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
教訓的に見えかねない要素を持ってはいるが、本質はそうではないだろう。賢治の視点はあくまでも冷静で、同時に冷徹なまでに客観的である。ただし、「まなづる」の言動を通して、ダァリヤたちの虚栄心をたしなめるような様子はたしかにあるようだ。もっとも、ダァリヤたちにしても、短い秋の日にせいいっぱい自らの生を謳歌したい気持ちは当然あるだろう。賢治はもちろん、それをいけないことだととがめだてたりはしない。しかし、自然の摂理は容赦がないし、赤いダァリヤはあろうことか人間に折られてしまう。太陽も、風も天空の星々は⇒
ヴェネツィア
2025/03/03 16:54

⇒変わることなく美しい。そうしてみると、ここに描かれたのは生きるものの宿命的な哀しさだったのだろうか。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
著者のR.G.グラントは20世紀の社会生活と戦争を主に扱う歴史作家。本書では航空機の歴史を、それこそライト兄弟以前から概観する。すなわち、ダ・ヴィンチやリリエンタールからである。そして、とうとう人類の積年の夢が実現したのが1903年12月17日。ライト兄弟のフライヤー号が、空に飛んだ。わずか12秒だったが、その12秒で人類は新しい時代に入ったのである。驚くべきことに、それはわずか120年前のことである。1909年には英仏海峡を横断し、やがて大西洋を越え、航空機は次第に航続距離を伸ばしていった。しかし⇒
ヴェネツィア
2025/03/03 16:42

⇒航空機に長足の進歩を促したのは、第1次、第2次の世界大戦と、それに続く戦争であった。この120年の間に数々の名機が生まれた。本書は豊富な写真資料でそれを見せてくれる。航空機ファンにはお薦め!

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
著者のハーペイ・カーケリングは、ドイツでは相当に有名なコメディアン(司会者、俳優)だそうだ。そんな彼が37歳の時に敢行したサンチアゴ巡礼の記録がこれである。2001年6月9日にサン・ジャン・ピエ・ド・ポーから歩き始め、7月20日にサンチアゴ・デ・コンポステラに到達。述べ41日間歩きとおした(もっとも、途中で若干ヒッチハイク等や休息日もあったが)。邦題には「コメディ」と付されているが、そんな要素は全くなく、むしろ純粋な旅の記録であり、そしてなによりもまがうことなき魂の記録である。
波 環
2025/03/04 09:06

私も巡礼路の本をKindleで書いてみました。ご高覧賜れば幸いです。

ヴェネツィア
2025/03/04 09:46

紙の本の方ですが、早々に発注しました。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
おおなり修司・文(と言えるのかどうか。)、丸山誠司・絵。文は実質的にはない。なにしろ「ふんがふんが」とその変奏しか語らないのだから。それでも十分に通じるのは、ひとえに絵の力。太い描線と力強いマッスに彩られた色彩とフォルムが大声で語るかのようだ。それでも単純ながら起承転結で構成されるプロットはちゃんとある。読み聞かせには、それ相応の工夫がいりそうだが、うまくはまると子どもたちにうけそうだ。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
山の神の秋祭りの晩に、亮二(尋常小学校3,4年生くらいか)が、祭りを見にやって来ていた山男に遭遇する物語。空気獣の見世物やアセチレンの明かり、お神楽、団子の屋台など、村のお祭りのムードに溢れる。場所は特定されていないが、言葉からすれば東北地方のどこかだろう。小説世界が展開するが、ファンタジーの要素はほとんどない。山男にしても神秘性や恐怖感は全くなく、山中に1人で(?)住む男なのだろう。純情という言葉がぴったりの存在である。ある意味では賢治の理想とする人格像であるのかも知れない。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
本書はDOCOMOMO Japan(モダン・ムーヴメントにかかわる建物と環境形成の記録・調査および保存のための国際組織)が選んだ日本の代表的なモダニズム建築を分類し紹介したものである。住宅部門では、同潤会アパートメント、オフィスビルでは住友ビルディング(大阪北浜)、大学では東京女子大学、レジャー施設としてはヴォーリズの大丸心斎橋店、文化施設は国立西洋美術館、祈りの空間としては東京カテドラルなどが登場する。いずれも、日本のモダニズム建築を代表するものであり、是非とも現況保存したいところだ。
ヴェネツィア
2025/03/02 14:58

私にとっては祈りの空間が最も興味を惹かれた。先の東京カテドラルは丹下健三の設計だが、他にも軽井沢の聖ポール教会(アントニン・レーモンド設計)や広島の世界平和記念聖堂(村野藤吾・近藤正志設計)、沖縄の聖クララ教会(片岡献設計)、長崎の聖フィリッポ教会(今井兼次設計)など、いずれも独特の建築空間を構成し、とっても魅力的である。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
松谷みよ子・文、丸木俊・絵。創作民話ということになるだろう。実際の製作過程は知らないのだが、文か絵のどちらかが先にあって、それに絵もしくは文を加えたのではなく、共同制作のようにしてできあがったのではないかと思わせる。それくらい文と絵とは不即不離の関係にあるように見えるのである。娘のひたむきな恋心を受け止めることができなかった若者。娘がひたすらに「あはれ」である。絵そ訴求力はこれ以上がないくらいだ。
yomineko@ヴィタリにゃん
2025/03/02 08:54

ヴェネツィアさん、おはようございます😊読みたい本に登録させて頂きました📚

ヴェネツィア
2025/03/02 09:22

yominekoさん、おはようございます。これはなかなかお薦めです。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
主人公の諒安は修験僧なのだろうか。どことも知れない険しい山谷を越えてゆく。あたりはずっと幻想世界である。前半は仙境へ赴くのかとも見えたが、どうもそうではないようだ。それなら、諒安が行きつく先は仏教的な解脱の境地なのだろうか。禅の世界のようにも思えるのだが、シンボルとしてのマグノリアがまた作品世界のイメージを混乱させる。何故にここでマグノリアなのか。いろんな解釈を生みそうな難解な物語。
が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
内容は概ねシャンポリオン伝である。エジプトのあのヒエログラフをよくぞ解き明かしたものである。もっとも、ロゼッタストーンの発見がなければそれもかなわなかったかも知れないのだが。ロゼッタストーンの発見以降、何人もの人たちが解読に挑んだが、結局成功したのはシャンポリオンだけだった。一番のネックになったのは、誰しもが(彼らはヨーロッパ語族の人たちだったので)ヒエログリフを表音文字だと信じて窺わなかったことにあった。シャンポリオンは、それが表音、表意文字であることに気が付いたのである。そして、ヒエラテックが⇒
ヴェネツィア
2025/03/01 16:43

⇒ヒエログリフの筆記体であることを明らかにしたのである。このエジプト学への多大なる貢献は、ひとえに天才言語学者シャンポリオンに負うのである。凄い!かつて、カルカッソンヌからロカマドゥールに列車で向かう途中、フィジャックの駅に「シャッポリオン生誕の地」の立て札があった。なんだか感無量の想いであった。

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
山田詠美がいとも鮮やかに描いてみせる現代版『細雪』の物語。四姉妹ではないのだが、三姉妹+母親で実質的にはこれで数が揃う。幾分ステレオタイプの傾向がなきにしもあらずだが、全3部をそれぞれの姉妹を視点人物に描いてゆく。ある日、突然この家にやって来た男の子、新堂力(リキ)。彼の存在が、それまでは平穏だった女たちの園に大きな波紋を呼び起こす。すなわち、彼が起爆剤となって、それぞれの女たちを浮かび上がらせるという構造をとっている。時に、力は11歳、長女の麗子12歳、次女の咲也10歳、三女の薫子6歳であった。⇒
ヴェネツィア
2025/03/01 11:07

⇒山田詠美の実力が遺憾無く発揮された小説。実に上手い。小説を読む楽しみを存分に味わえる作品。お薦め!

特盛
2025/03/03 12:15

細雪読んだばかりなのでこれは読まねば!

が「ナイス!」と言っています。
ヴェネツィア
文の福井達雨氏は止揚学園(滋賀県)の先生、絵の馬嶋純子さんは止揚学園の生徒。お話はパキスタンの昔話のようだが、日本の姥捨て伝承にそっくり。「アッサラマレコム」の挨拶で始まる。「パキスタンのことば」とあるが、これはイスラム圏で広く用いられる挨拶言葉でアラビア語。風土感を反映してか、陰湿にならずにあくまでも明るいお話に仕上がっている。絵は、フォルムといい、力強い線と色彩で迫るアフリカン・アートのタッチだ。背景の町もモロッコかチュニジア風。いい絵本だ。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2011/11/30(4895日経過)
記録初日
2011/04/07(5132日経過)
読んだ本
7584冊(1日平均1.48冊)
読んだページ
1761240ページ(1日平均343ページ)
感想・レビュー
7494件(投稿率98.8%)
本棚
58棚
性別
職業
専門職
自己紹介

2011年4月からの参加で、15年目にはいりました。一番よく読んでいるのは日本文学、次いでは翻訳文学です。読むジャンルの幅は広い(半ばは意識的にそうしています)のですが、何でも手当たり次第に読むというわけではありません。特に誇れるものはありませんが、連続読書日数は初日から5095日(2025年3月12日現在)、冊数は7419冊になりました。胃癌で入院中も、海外旅行中も毎日読んできました。さて、どこまで伸ばせることやら。

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