読書メーター KADOKAWA Group

2024年8月の読書メーターまとめ

あんこ
読んだ本
50
読んだページ
15139ページ
感想・レビュー
50
ナイス
1809ナイス

2024年8月に読んだ本
50

2024年8月のお気に入られ登録
7

  • ganesha
  • このみ
  • はる
  • ぞの
  • Gris
  • ほんトモ📚読書雑談漫画描いてます
  • Kanazawa  Dai

2024年8月にナイスが最も多かった感想・レビュー

あんこ
ネタバレ一年間積読にしていてようやく読んだ。読めて良かった。気づいたら涙が止まらない。途中まで本当に苦しくて、ただ主人公が音楽教室に通っている時、ヴィヴァーチェで仲間と飲んでいる時だけは安心感があって、潜入調査員である現実がひっくり返って『音楽教室に通ってチェロを習う公務員』である方が本当になればいいのにと思っていた。主人公が不快な深海の夢に引き戻された時、もしかして救いがないのかと辛くなったけど、置かれている海の音が心地よいものだったと気づけるラストで良かった。コンサート会場で再会したかすみの言葉が刺さった。
が「ナイス!」と言っています。

2024年8月にナイスが最も多かったつぶやき

あんこ

2024年7月の読書メーター 読んだ本の数:36冊 読んだページ数:13484ページ ナイス数:1817ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/187118/summary/monthly/2024/7 先月は小市民シリーズを読み終わったので、8月はビブリアシリーズを再読して、積読していた続きを読めたらいいな。

が「ナイス!」と言っています。

2024年8月の感想・レビュー一覧
50

あんこ
ネタバレ四人の男子高校生の冬休み。最初の方の描写で少し怖いところがあって、ホラーかと構えてしまったけどそんなことはなかった。彼らはいつか別れる時が来るだろうけど、大人になってもなんとなくで集まれる仲間な気がする。 ゲームの敗者が『告白』をするというところでは、普段の彼らからは想像できない凄惨な話もあって、思わず顔を歪めながら読んでしまった。彼らにとっての大人は身勝手だけど、みんな友達に恵まれていて良かった。根本的な問題なんか解決していないけど、今もどこかで元気でやっていてほしい。 統の動きが面白くて好きだった。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
新刊を読むにあたって再読。 前に読んだ時よりも、特にさよの置かれている家庭環境が大昔の自分と重なり、胸が苦しくなった(最も私の場合、さよの両親のような親ではなかったけど)。 二人が夜の世界にするりと移行するように、久しぶりに読んだにも関わらず私も七夜物語の中に自然と移行できた。川上さんの文章がやさしく、それ故に子供たちがいる「こちらの世界」から目を背けたくなるのに、さよも仄田君も「帰らなければならない」と理解していて、帰る度に二人が少しずつ変化していく様が読んでいて安心感を与えてくれる。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
ネタバレ再読。夏の終わりに最適な読み心地だった。 なんと脆く儚い少女時代。「夏休みの入口が幸せなのは、何かができるからではなく、何かができるはずの時間があると信じられるからなのだ」という一文が好きだ。 始まりは期待と不安に満ちているのに、終わりは呆気なくやってくる夏休みと、彼女たちの心情が重なる。 秘密を共有し、死者を自分の中に住まわせることで彼女たちは永遠の時間を手にしたのかなとも思う。どの女の子も魅力に満ち溢れていた。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
まさか一ヶ月以内に再読することになるとは思ってもみなかった。つい先日読んだ時、私はまだ理瀬シリーズを知らなかった。ただ、霞がかった夢を見ている気分になれたこの短編集の世界観にもっと浸っていたいと思い、そこからシリーズを読んでいった。 全部読み終えてからまた改めて読んでみたら、キャラクターへピントがばっちり合い、初めて読んだ時とは異なる感動を覚えた。時間軸、人物同士の繋がりが見えて新鮮な気持ちで楽しめた。これを機に、本腰を入れて恩田陸作品にハマっていきたいと思う。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
ネタバレ未読の理瀬シリーズを読み終えてしまった。理瀬シリーズを読む時は決まって湿度の高い曇天の日だった。文庫版解説もどれも素晴らしく愛を感じた。このシリーズに出会って、「私が求めていた洋館ミステリは正にこれ」を体感できて最高に楽しかった。今作では理瀬は完全に外側の人間として、アーサーの観察対象として描かれていましたが、アーサーの目を通して読んでも彼女は十二分に魅力的な姿に成長していました。 今後またこれまでの登場人物とのやや不穏な再会も示唆されているように思うので、私もまたどこかで理瀬に会えることを願っています。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
恩田式ガラスの仮面。分厚いので読了まで幾日か要するかと思ったのに、ページを捲る手が止まらず、結局一日で読み終えてしまった。視点が次々に変わり、大部分はおそらく後世にも語り継がれることになるであろうオーディションで占められている。彼女たちの熱量にあてられ、読んでいて彼女たちの目を通して世界を見ているような不思議な感覚に陥った。極上のエンターテインメント。連載が中断されたということで、続刊がまだらしいのだけど、いつかまた会えると信じて待っていたい(その辺も未だ終わらないガラスの仮面のようで好ましい)。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
再読。記録を見ると結構な頻度で再読している。池辺葵さんの表紙絵が本当に好き。 久しぶりに読んだら、「みほと明日太郎デリカシーなさすぎない?」と思ってしまったので、私もつまらない大人になったのかなと少し悲しくなった。 巻末にまぶさんのパンケーキ説明があるのが良い。食べてみたい。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
ネタバレ近藤史恵作品を何作か読んできましたが、ほのぼのするものもあれば、人間のじっとりした嫌な部分も描く作家だったと思い出しました。 探偵役であるはずの主人公視点で描かれていますが、これがまた本当に腹立たしい。自己陶酔の塊で、おそらく日本で同級生のキラキラ女子からは相手にされないタイプの勘違い男で、読んでいてずっとイライラしていました。本当にいそうなので、近藤さんの解像度の高さに驚きました。 謎明かしが最後あっけなく終わってしまったのが駆け足気味で残念でしたが、島の雰囲気を味わえて良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
夏の終わりなので再読。 ページを捲ると走馬灯のように高校時代の日々が思い出され、息が苦しくなる。ミスドも、蛍光ペンも、カラオケも、手紙も、ポッキーも、あれは夢だったのかと思うほど輝いていて無敵だったあの頃の私たちを思い出す。 何も持っていなくて、どこにも行けなくて。随分遠くまで来てしまった今、二度と戻れない日々が本当に愛おしい。 別に今に不満があるわけではないけど、私はあの頃を無限ループしたいくらい高校時代が楽しかった。 過ぎていく日々の中、帰りたくなる度にこの本を開くと思う。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
ネタバレ最近このシリーズに出会ってから、正直理瀬のこと以外考えられない。何をしていてもこの世界がまとわりついてる。 あの学園を去った理瀬、自分を取り戻した後の理瀬の話だったが、本を閉じてからこの物語は少女時代との訣別だったと気づく。そして彼女を取り巻く人達に嫉妬すら覚える。理瀬は孤独なヒロインであり、ヒーローでもあった。 幾重にも重なった不可解な出来事に翻弄され、理瀬の旅立ちを見送り、読み終わったあと酷くセンチメンタルな気分になる。 未読の長編が残すところ「薔薇のなかの蛇」だけになってしまったことがとても寂しい。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
ネタバレ再読。「ガラスの仮面」でこの物語を知ることができたのは幸運だったと思う。これからも読んでいきたい。 驚く程に短い「女吸血鬼カーミラ」は、彼女に執着されたローラによって語られるという形式を取っている為、どこか覗いてはいけないような雰囲気が漂っている。 ローラはかつて自分の身に起こった恐ろしい出来事について読者に語るが、カーミラの最期を語る描写からは淡々とした切なさを感じる。きっとローラはカーミラに初恋の情を抱いていたのだろう。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
ネタバレ再読。ジブリ美術館で幽霊塔の企画展が行われたのがもう9年も前ということに驚きました(あの頃、くるみ割り人形の企画展もやっていたなあと思い出しました)。 当時と変わらず、わくわくしながら読みました。メインの登場人物が容姿が良いのはさておき、メタ表現もてんこ盛り、表現もどちらかというとポップなので入り込み易い。 私は当て馬にされたあの二人が好きです。以前は気にならなかったような気がしますが、主人公がヒロイン以外に対して些か酷すぎて読んでいて笑いそうになりました。元ネタの方はまだ読んだことがないのでいずれまた。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
ネタバレどの話も、語り手の様子から取り返しのつかない何かが起こったということが分かり、読み進めるうちにこちらも後戻りできないようになってきてゾッとする。 美しい姉妹が出てくる『柘榴』が一番面白かった。無限に続いていきそうな怖さを感じる。 怖さと不気味さが最高潮に達した時に思わず感嘆の声を上げたくなった『関守』も印象的だった。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
ネタバレサイン本。二年前に刊行された『スタッフロール』ですが、ずっと積読にしていて最近寝る前などに一章ずつ読み進めていました。 深緑さんの小説は『オーブランの少女』『この本を盗むものは』に続いて三つ目となりますが、どれも印象が異なり、その世界に触れる度引き出しの多さに驚きます。 『スタッフロール』は年代の異なる二人の女性の生き様を描いていて、朝ドラを見ている気分になりました。男性社会の中でひたすら自分の理想を追い求め、時に挫折や虚無感を味わう様子は綺麗事ではなく、あまりにも現実。その為、ラストは響きました。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
ネタバレ読み終わってしまった。 上下巻の目次を見た時、最後が節子ということに違和感を感じていた。彼女だけ他の三人と違って、日常生活をうまくこなしていて、破滅的でないように見えたからだ。私はどこかで仄暗い過去を期待していたかもしれない。でも、終わりが彼女で良かった。この旅をうまく着地させることができるのは節子以外に考えられない。 蒔生は終始私をイラつかせたけど、節子が「マキオちゃん」と呼ぶ度に、彼に向けた腹立たしさが薄れていった。 本を閉じた時に寂しさを感じなかったのは節子のおかげだと思う。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
ネタバレこちらは理瀬シリーズのスピンオフ的な立ち位置になるのか。 会話、独白、回想が交互に訪れてまるで客席から舞台上の彼らを見ているような気分になる。 『麦の海に沈む果実』で憂理が好きだったので、彼女の名前が出てきてドキッとした。卒業してから語られていない憂理に一体何があったのか先が気になる。引き続き下巻へ。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
再読。吉田さんの作品群の中でも月丹町シリーズはとりわけ思い入れが深く、こうしてかつての登場人物に再会する度に懐かしい友達に会えたようで嬉しくなります。 吉田さんの作品が好きなのは、はっきりとした終わりがなく、物語の中の彼ら彼女らが本を閉じたあとも生活していくんだろうなという日常性を孕んでいるからだと再確認しました。 またどこかで月丹町の人達に会えることを願っています。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
再読。読む度、小学校一年生の時の担任を思い出す。春夏は学校の裏手の森で野草をみんなで一緒にとってノートに貼ったり、秋冬は教室の後ろのダルマストーブで牛乳をあたためてくれたり、べっこう飴を作ってくれた。 普通の授業もしたけど、そういう事の方がよく覚えている。紺野先生のような人だった。 そしてこの本はあとがきも大好きです。多分、私も地元で昇降口という言葉を使っていたからだと思います。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
再読。花巻の童話村にて行われるケンタウル祭も9周年だそうで、岩手に住んでいた頃はよく行っていたなと久しぶりに足を運んだ。 夏休み+ジブリ展で未だかつてないほどに混雑していて、今日行くのは諦めた。代わりにこちらを読んで不思議な世界観に浸ることにした。 長野まゆみさんと宮沢賢治の世界観は通じるものがあって、どこか懐かしい。 『大事なものはすぐに忘れてしまう』という言葉が昔よりずっと響くようになったけど、いつまでもこの世界観に浸れる大人でありたいと再確認した。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
再読。読むと知らず知らずに口角が上がってしまうエッセイ。 少し前にやったエッセイ原作のドラマも良かったです(まさか泣くことになろうとは思いませんでした)。 血縁関係ではないのに顔が似ていて、でも性格も好みも異なる阿佐ヶ谷姉妹が大好きです。この緩さが沁みます。 カーブスの話とカレーの話が特にお気に入り。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
再読。最近重めの読書が続いたので、脳みそを休ませるために読んだのに、またしても泣く。 大学くらいに初めて読んで、定期的に開いている。当時から考えてみたら、なんとなく遠いところまで来てしまったなあとかつての出来事を懐かしんだ。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
湿度が高く、分厚い雲に覆われた一日にこの本を読めたことを幸運に思う。読み終わり、どっと疲れていることに気づいた。そのくらい没入できたことに歓びすら覚える読了感。 物語と物語、そして読んでいる現実と小説の境目が曖昧になってきて、今どこにいるのか分からない。周りから一切の音が消え去る読書体験はなかなかない。 第三章が特に好き。皆川博子さんの解説も最高にかっこよかった。 複雑に絡み合う物語の繋ぎ目は元を辿ることもできるだろうけど、正直そんな野暮なことはしたくない。 次は作中にも登場した黒茶を読みたい。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
サイン本。積読していた為久しぶりの川上さん。 私はこの本を30年後も読んでいたいと思った。色々な出来事の中でも日常は日常で、その中で下らない話を気取らずできる相手がいることは実は当たり前のようで当たり前ではないのだと思う。そんなことを震災以降ふとした瞬間に考えることが増えたけど、だからこそ、川上さんのこういう話がどうしようもなく沁みる。 30年後、私にはなんとなく会いたくなって会える友人がどれだけいるだろうか。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
全ての吉屋信子作品を知る訳では無いが、今まで読んだ彼女の作品の中で一番エネルギッシュだった。確かにこれは当時の少女達にとってのエンタメであり、どれほど夢中になったことだろうか。私も少女の行く末が気になって貪るようにして読んだ。とにかくキャラクターが最高に良い。語り手がヒロインとは別なので、ヒロインであるまゆみの行動にドキドキさせられる。そしてその運命につい感情移入してしまう。読者である私は級友の篤子の目を借りてまゆみを頁の外側から見守ることもできる。 そして柚木さんの解説も堪らなかった。最高に熱い。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
集英社文庫から出ているこのシリーズは、明智小五郎が解決した事件が発生年代順になっているという面白い構成。皆川博子さんの解説を読みたくて買いましたが、表紙もお洒落で良い。『幽霊』『黒手組』はこんなに薄味だったか、とやや物足りなさもありましたが、明智小五郎が登場するとどの話も華やぐなと思いました。『屋根裏の散歩者』はタイトルが好きなのですが、中身も人間の変態性が見え隠れしていてとても好きです。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
戦後が舞台の少女小説。年頃の女の子の繊細な感情がヒリヒリ伝わってくる。別に何か取り返しのつかない事件的な出来事が起きるわけではなく、ひたすら二人の少女(誕生日が一緒で双子のように顔立ちが似ている)の交流を描いている。SNSもスマホもない時代の手紙のやり取りが羨ましい。そういえば私も高校時代などはガラケーがあるのに友達や女の先輩とは毎日のように手紙を交換していたなと思い出した。 かすみとめぐみの交流がその後どうなったかは描かれていない。ずっと仲良しでいてくれたらいいなと思う。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
現代の童話集。こちらを読んで、子供の頃に表紙が綺麗で読んだら、ほの暗くて残酷でそれまで知っていた御伽噺ではないと衝撃を受けたグリム童話集を思い出した。 千早さんの文章はどこか冷たさを感じるのに、それが何故だか心地よくて、永久に読んでいたくなる。どの話も好きだったけど、白雪姫をモチーフにした『カドミウム・レッド』が印象的だった。いばら姫の『アマリリス』は希望が持てて好き。『白梅虫』は怖くて堪らないのに癖になりそうだった。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
表紙はばったんさん、解説は綿矢りささん、そして作者は以前読んでおもしろかった『ハッピーアイスクリーム』の加藤千恵さん。タイトルがめちゃくちゃ良いなと思った。この本はいつぞや伊丹空港で購入し、搭乗までの待ち時間に読んだが読み終わらず、久しぶりに途中から読み直した。 私ではない誰かの日常。印象的だったのは『非共有』。「理由を説明してください」と言われても意味わからない言動をしてしまうことは誰にも有りうることだけど、このお話に出てくる彩葉の行動は意味が分かるようで分からなくて、でもそれが良かった。
あんこ
2024/08/11 20:53

🐐コン後、伊丹空港で購入して搭乗まで読んでいたけど読み終わらず、約半年ぶりに本棚から引っ張り出した。

が「ナイス!」と言っています。
あんこ
ネタバレ先日短編集を先に読んでしまったので本編を読み始めた(またしても前日譚らしいものを飛ばしてしまった)。とんでもなく面白い舞台をずっと見ていた感覚になり、読み終わった瞬間脳内で拍手が鳴り響いた。登場人物が多かったので短編集を先に読んでそれぞれの背景を知っておいて良かったかもしれない。憂理が好きだった。 人里離れた寄宿学校というクローズド・サークルの中、皆静かに狂気を孕んでいく様が見事だった。自分を取り戻した理瀬のなんと美しいこと。『六番目の小夜子』ドラマ版を見て育ったせいか、当時の栗山千明で脳内再生された。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
ネタバレ収録作品は他の版で読んでいましたが、このシリーズの装幀が気に入ったので購入し、改めて読みました。 表題作である『人間椅子』は何度読んでもゾッとします。短いから余計に、あの原稿もとい手紙が読者である自分に届いたもののように錯覚してしまう。『目羅博士の不思議な犯罪』も乱歩自身が登場人物になっているので、こちらも現実と作り話の境界が曖昧になっていて、その不気味さと月明かりの美しさとおどろおどろしさが癖になる。 『押絵と旅する男』も、語り手から直接話を聞かされている気分になって、私は三つの中では一番こちらが好き。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
ネタバレ三年間の積読の末、先程読了。元々西さんの解説を読みたくて積んでいたのですが、読んでよかったです。2011年から始まる三人の女性の日常が淡々と綴られていて、気を抜くと一瞬誰の話か分からなくなるのですが、新聞やSNS、ニュースなどの訃報がかなりの頻度で出てきます。語られる物語と語られない物語、どちらがいいとかではなく、私達の日常は楽しいことも悲しいことも含めて常に何かしらの物語で溢れています。SNSが盛んな現代において、Twitterで訃報を目にした時に目につく投稿へ感じる違和感の正体に気づけた気がします。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
気がついた時には既に夜市の中に入っていて、そしてまた気がついたら元の場所に戻っている。いずみがそうであるように、これを読んだ私の読書体験もそのように終わった。角川文庫から新しく出ていた版の装幀が手触り含めて好みだったのでこちらを買いました。真夏の夕暮れにぴったりな静かな読書体験をすることができたように思います。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
事件が起こる前に事件を食い止めようと決意する名探偵の物語。ミサキさんが段々名探偵の助手になっていく様や、街の様子、他の登場人物の雰囲気も良かった。相変わらず吉田さんのネーミングセンスは抜群。ともすれば単純な物語になりそうなのに、吉田さんがいつも言っている『物語との向き合い方』を忍ばせている。 物語の先を知りたくて本を読むのに、頁が少なくなるに連れて終わることが嫌だと思ってしまうけど、この中の人達には『つづき』があるからこそ、本を読むのは楽しいと思える。そういう感情を呼び起こしてくれる吉田作品が好きだ。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
ネタバレ表紙にこの世で一番好きな漫画を描くばったんさん、そして吉屋信子の幻の小説復刊となれば買わずにはいられなかった。LIKE A LILLYさん、出してくれて本当にありがとうございました。 解説にもちらっとある通り、『花物語』など少女小説における吉屋作品では現実で結ばれ得ない女の子が自決を決意したり、結局結婚して離れてしまったりというものが多かったと思うのですが、『蝶』における真珠夫人と鮎子の最期が結婚に打ち勝つものとして描かれていて印象深かった。中盤から強くなる幻想描写も好きです。
蝶
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
ネタバレ一年間積読にしていてようやく読んだ。読めて良かった。気づいたら涙が止まらない。途中まで本当に苦しくて、ただ主人公が音楽教室に通っている時、ヴィヴァーチェで仲間と飲んでいる時だけは安心感があって、潜入調査員である現実がひっくり返って『音楽教室に通ってチェロを習う公務員』である方が本当になればいいのにと思っていた。主人公が不快な深海の夢に引き戻された時、もしかして救いがないのかと辛くなったけど、置かれている海の音が心地よいものだったと気づけるラストで良かった。コンサート会場で再会したかすみの言葉が刺さった。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
最悪で美しい悪夢を見ている気分になった。装幀とタイトルに惹かれて購入した後、こちらがシリーズのスピンオフだと知った。終始不穏で諦めのような雰囲気が漂う寄宿学校で起こる出来事は、はっきりと明示されているわけではない。だけどそれらがどうにも心地よくて、シリーズは未読なのに随分魅入ってしまった。順番がおかしくなってしまったけど、本編の方は後でちゃんと読もうと思う。『麦の海に浮かぶ檻』が一番好きだった。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
ネタバレ伊坂さんがコラボ小説を出していたのは知らなかった。高校、大学以来かもしれない。瞳の活躍ぶりが光る中盤が特に好きでした。犬、幼なじみ二人、敵など主要人物の動きが面白く、会話のテンポも良いので映画を一気に見たような充実感。また、大学の頃に使っていた喫茶店と思しき店や青葉城址からキャンパスへの道、バイト先までの道など馴染み深いものが多くてわくわくしました。一番好きなキャラクターは『ヒーローから引退できない男、赤木さん』です。映画館の支配人や支配人母、タクシー運転手など脇役も魅力的でした。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
ネタバレすごく良かったです。再読含めて一番好きな話になりました。扉子パート、利平さんに詰めるシーンはなかなか胸が痛くなりましたが、鎌倉文庫の終わりと始まりは三世代の繋がりも相俟って家族の話でした。三世代それぞれの事件への向き方が丁寧に描かれつつ、それぞれ生涯を共にする男性との出会いも素敵でした。五浦君と登さん、そして恭一郎君の思考と行動がどことなく似ているのもおかしかったです。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
ネタバレ前巻でほっこりした扉子と圭ちゃんの間の確執が気になる。扉子は栞子とはまた違ったタイプの本の虫だった。智恵子、栞子、扉子と三世代が関与する今回の事件、智恵子さんが何枚も上手で他人を操作しているように思えてゾッとしたけど、栞子の母に対するあの一言が物語の救いになればいいなと思う。何を読んでいたかでその人の人生が分かる、を凝縮したような今回の事件は読み応えがあった。それはそうと、私が恭一郎なら最後の最後にあんなことをした母親のことは一生許せないと思う。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
ネタバレ再読。横溝の原稿を巡るお家騒動。前巻の短編集で初登場した扉子が少し成長しています。桁を間違えていたとはいえ、三千円の本を買い与えてもらえるのは羨ましいな、と本筋に関係ないことを思ってしまった。ベースとなっている上島家のエピソードにサンドされている『獄門島』の話が好きです。本しか友達ではなかった扉子が幼なじみの圭ちゃんに出会う過程にほっこりしました。 この後のⅢ、Ⅳは積読していて未読だったのでこれから読み始めます。更に成長しているであろう扉子に会えるのが楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
ネタバレ再読。タイトルの意味が明かされる短編集。ベタだけど結び方が好き。五浦君と栞子さんが両思いになってからは、五浦君視点の惚気にうんざりしていたけど、これは栞子さんが語り手なので五浦君がかっこよく見える。これまで散々五浦君を振り回していた栞子さんが自分の娘にヤキモキする姿も新鮮で面白いです。それにしても彼らの周りにはどうしてこうも犯罪に手を染める人が多いのか、少し気の毒になってきた。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
ネタバレ再読。あの三冊の試験のように、人間関係というか二人のルーツが入り乱れる七巻。初めて読んだ時は久我山と吉原が気味が悪いという感想だったけど、前巻に続いて五浦君に大分イライラしてしまいました。妄信的(栞子さんに対して)で健全な若者に対する恐怖心かもしれない。あと割と裕福な実家暮らしで普通に羨ましい。 扉子編を引き続き読んでいきます。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
ネタバレ再読。以前読んだ時はさほど気にならなかったのだけど、再読にあたって五浦の他人への見解がなかなか酷いなと思った。栞子さんの母親にしても、田中にしても、久我山一家にしても、確かに道理からは外れているけど、第三者がそこまで思わなくてもと少し顔をしかめてしまった。20代の正義感といったらそうなのかもしれないなとは思う。あと惚気が多くて辟易する。 今回はどちらかというと田中や寛子といった卑怯だけど弱い人達に感情を揺さぶられた。親の庇護下で健全に育った五浦には決して分からないだろうなとも思う。結局私は五浦が羨ましい。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
ネタバレ再読。以前五巻の感想に書いた栞子さんのような先輩はその後偉業を成し遂げました。そんな人(普段ラノベを読む人ではなかった)が面白いと言っていなければ読まなかっただろうこのシリーズなので、本との出会いにもその先輩との出会いにも感謝しています。 両思い寸前の五浦君パートはさすがにもうこちらもムズムズしてくるので、リョウちゃんと同じ気持ちになって読みました。断章(五浦君視点ではない)が好き。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
ネタバレ再読。三巻までは群像劇の形をとった連作短編集のようなプロローグだと分かる。四巻では江戸川乱歩一人に絞り、更にこれまで謎めいていた母親が登場し、大筋の物語にくっきりした輪郭が与えられているので、読み応えも抜群。これまでもそうだったが、各カップルの話は少女漫画のようにコテコテのロマンチックさがあって、謎解き部分との対比が面白い。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
再読。少しずつ母親の真祖に迫る三巻。ビブリアシリーズの謎解きはおそらく子供も解けるように随所にヒントが分かりやすく散りばめられているので楽しくもある。それでいて決して子供だましではなく、人間のドロっとした感情も描かれていたり、大枠の物語がしっかりしていて本当に面白い。特に三巻は岩手県民にはあまりにも馴染み深い宮沢賢治に纏わるストーリーが組み込まれているので、シリーズの中で一番お気に入り。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
ネタバレ再読。栞子さんの母親の怖さが垣間見える二巻。二人の距離も進展が見られ、一巻よりもほんの少し甘ったるい空気が流れているように思う。 出来心を描いた『時計じかけのオレンジ』に纏わる話が好きです。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
ネタバレ再読。眠るつもりがあっという間に読めてしまうから恐ろしい。ついつい時間を忘れて溶かしてしまった。読む前は忘れていたのに、各章の最初の一文で話を思い出せた。予定調和で綺麗なオチになっているところも含めて好き。『晩年』に纏わる話は他の章よりも湿度が高くて背筋が冷える思いがするのも好き。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
第165回芥川賞受賞作。気になっていた小説の文庫版だったので購入しましたが、読めてよかった。面白かったです。最初は会話に挟まれる言語の意味が捉えがたく、ゆっくり読むことしかできなかったけど、中盤以降は貪るようにして読んだ。私は「日本の𓏸𓏸出身」というアイデンティティを持っているけど、それが失われた時どうするだろうと考えたら怖くなり、その気持ちが増長するほどに「島」の歴史を知りたくなった。 もう少し読んでいたいと名残惜しく感じながらの読了。
が「ナイス!」と言っています。
あんこ
ネタバレ再読。シリーズ二作目となるこちらを読む時、いつもセンチメンタルに浸ってしまう。一作目ではさして取り柄のない美女と形容されていた愛すべき摩耶との別れが悲しくて仕方ない。 一作目よりも登場人物の物語、犯人達の物語にスポットを当てているためか、つい感情移入してしまう。初めて読んだ時、解説で津原先生が続編を考えているという文に歓喜し、何年も待ち望んでいたが、一昨年先生が永遠にいなくなってしまった。でも津原泰水という小説家が遺してくれた物語は、これからも私の中で生き続ける。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2012/02/17(4683日経過)
記録初日
2012/01/12(4719日経過)
読んだ本
1184冊(1日平均0.25冊)
読んだページ
315673ページ(1日平均66ページ)
感想・レビュー
1184件(投稿率100.0%)
本棚
5棚
性別
自己紹介

吉田篤弘さん、小川洋子さん、川上弘美さん、西加奈子さんなどがすき。

個人的な記録用。

読書メーターの
読書管理アプリ
日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう