読み友のみなさん8月も沢山のナイスをくださってどうもありがとうございました。後半になって失速しましたが何とかギリギリで100冊のレビューを書けましたよ。9月もできれば青空文庫の作品を一杯読んで沢山のレビューを書きたいですね。本を沢山読みましょう!2023年8月の読書メーター 読んだ本の数:100冊 読んだページ数:5282ページ ナイス数:45267ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/868158/summary/monthly/2023/8
ヨシさん、ありがとうございます。西村京太郎さんも最初の頃は晩年と違って、いろんなジャンルを書かれていたのですね。まあ少しオーバーに書いていますし個人の主観にもよりますので、もしかしたら物足りなく感じる場合もあるかと思いますので、その時はごめんなさいね。とにかくとても文学的な作品である事は間違いありませんよ。ところで読書冊数2000冊を突破されまして、おめでとうございますね!また今後ともよろしくお願いしますね。
久松の所持する写真の場所を突き止めた田島は、ある社会問題を秘めた施設に辿り着き天使の真実の意味を知るのです。それに関連して東北地方の寒村での暗く悲しく陰湿な人間関係が浮き彫りになるのです。読者の中に前半の殺人トリックと犯人の部分につまらなさを感じた方がいたとしても後半の重苦しい社会派ミステリーの人間ドラマには誰もが心を奪われるだろうと思いますね。著者の初期の作品にはミステリーの仕掛け以上に確固たる問題意識があって上辺だけの薄っぺらな面白さでなく重厚な読み心地で、あらゆる人々の心を捉えて離さないでしょうね。
死んだ幸子には幼い頃に聾者の弟を電車の事故で亡くした悲しい過去があり一生悔やんでいたのですね。本書の終止符は死を意味しており、母親、晋一、幸子に続く新たな死が事件を解決に向わせます。しかし、この四つの死は全てが無意味なものだったのですね。警察は通り一遍の捜査しかせず古賀も頑張りますが最後にお時さんが見事に醜悪な真実を暴くのです。まあこの事件の仕掛けやトリックはお見事ですが、それよりも力のない弱者が公平な目で見られずに先入観で疑われて泣き目を見るストーリーで著者は理不尽な社会の現状を訴えたかったのでしょう。
解説によると本作は「この声なき叫び」の題で映画化されており、犯人の聾者の青年を田村正和さんが演じたデビュー作品だったという事ですよ。本書は発表当時は売れ行きが良くなかったそうですが、これからも永く読み継がれ人々の記憶に残る永遠の名作だと思いますね。
まあ機械的なトリックと大胆な人間トリックが上手にバランスよく描かれていますね。そうですね、正直こんなに実際にうまくいくもんだろうかと思わなくはないですが少なくとも理論上は可能なオリジナリティーと創意工夫を感じさせるアッと驚く大トリックですね。また意外な犯人の趣向も申し分ありませんね。著者は最期の方で男女の真剣な愛を描きつつも欲に目がくらんだ人間の虚飾に満ちた心情をさらけ出していますね。でも人間は誰も完璧ではなく運よく生き延びたカップルの姿を通して未来に一抹の希望を持たせてくれますね。
彼の内縁の妻と誤認された女が同居の部屋で殺される事件が続いて起きて、容疑者と目される男が逮捕寸前に車にはねられて交通事故死してしまう。だがこの結末に納得できない倉田警部補が足で歩き現地に出かけて執念で真犯人と難問の不可能トリックを暴くのです。余談ですが当時の物価は大衆食堂のラーメン屋で一番高価なメニューの値段が70円という真に今では考えられない安さなのですね。本書を総括すると文章の古さ・生硬な調子による読み難さはありますが、巧緻な凶器トリックと刑事の粘りの迫力で最後まで飽きずに読ませる堂々たる力作ですよ。
また題名の「招かれざる客」の意味が最後の最後に明らかになり、真犯人の心の叫びが伝わる鋭いメッセージとして読者の心に強く残りますよ。著者は今、過去の秀作が次々に復刊されて再評価の機運が高まっておりまして確かな実力作家ですので、ミステリーファンの方々にはぜひ読んで頂きたいですね。
この仕掛けは思い込みや先入観による騙しのテクニックでベテランらしい匠の技でしたね。ルッキズムや容姿に関する精神の病を抱えながら懸命に頑張るヒロインにも感情移入して女性読者は読み進められるでしょうし残酷系ではなく日常の謎の延長系のソフトなミステリーとして楽しめるでしょうね。まあスリルとサスペンスという面で少し物足りない部分はあるかも知れませんが、意外な企みに満ちた知的なミステリーの秀作を読まれますようにとぜひ一読をお奨めしますね。#NetGalleyJP
Norikazu Andoさん、ありがとうございます。著者が本書で大藪晴彦賞を受賞されていた事は知りませんでした。調べましたら角川書店ではきちんと書かれているのに宝島社の文庫にはその事は不親切に全く書いてありませんでしたね。柚月さんは本当に男前な小説を書かれる方みたいですね。「孤狼の血」もいつか読みますね。
このろうそくに夜火を灯して、おせきの影を障子に映して狐か鬼が映るかを見て確かめるようにと言う。だが幸い普通に人の影だったので行者に言いに行くと、わしにもわからんと言い、ろうそくをもう一本くれて百日後にもう一度やれと言う。長い陽が過ぎて迎えたのは、去年おせきが影を踏まれた同じ日の九月十二日で十三夜の前日だった。そして今度は障子に骸骨の影が映ったのだ。行者に結果を報せると、またわしには理由がわからんというばかりだった。翌日おせきの許婚者の男が十三夜の美しい月を見て彼女を外へと誘って映すと骸骨の影が見え逃げる。
男が娘の両親を連れて引き返すと、おせきが侍に斬り殺されて地面に倒れていたのだという。彼女は怪物と間違われて無惨に殺されてしまいましたが、最初からこうなる運命だったのでしょうか。誠に不気味な話でしたね。
すると数十名の紳士達が正面玄関に集まったので呆れてしまった少女達は世の中の奥様方の事を考えて実に気の毒にと思いました。うーん、こんな事が実際にあったとしたら情けないですねえ。まあこれは著者が多少オーバーに書いて当時の既婚男性に恥を知りなさいと反省を促されたのでしょうね。
今回は新キャラの内偵の王子・常盤との関係性が焦点で、敵とのアクションシーンが前作より少な目だったのはやや残念でしたね。そうですね、今作で思ったのは白熊は頭脳よりも行動の人で推理能力は完全に小勝負が秀でているという点と、作者の新川さんは真剣に恋愛小説を書く気がなく苦手なんだなと確信した事ですね。まあいろいろあって白熊の本局への復帰が一番おめでたい事でしたね。ところで本書が出てから早1年ですし剣持麗子シリーズも同様ですので来年2024年にはぜひともこの人気シリーズ2本が再開しますようにと心よりお祈りしますね。
やがて京姫は鳥取に嫁がねばならなくなった前日に庭に瘦せ衰えた金之助が来て再会する。京姫は鳥取へ嫁ぐのが嫌でたまらなく思っていたので再会を喜ぶ。そして京姫は鳥取に一旦は嫁ぐが、その後に金之助と駆け落ちする。だが金之助は結局は捕えられて殺され、京姫もまた罰として化け物屋敷に住まわされ暗く淋しい生涯を送ったという事ですよ。まあ今回は歴史の暗部の悲しい恋物語でしたね。
そして自分の愚かしさを悟ったのでした。まあ思い込みや先入観はいけませんが、人間はそんなに完璧にはいかない生き物ですから沢山の経験を積み重ねて学んでいくべきでしょうね。
アニメオタクで生徒達から探偵料金を取って全額をアニメのお宝グッズに注ぎ込む最低の守銭奴野郎ですが推理の腕は確かで好感度は期待できないながらも事件を必ずや解決してくれる信頼感は抜群ですね。そして人から何と言われようが全く気にしないふてぶてしい金が全ての男に見えながらも実は隠れた正義感の持ち主という清濁併せ吞む神秘的な面と魅力を残す不思議な性格のキャラですので今後の活躍に大いに期待したいですね。
彼がジッと見ていると、その女がゆっくりこちらを、こちらを向いた。車が壊れているその方向のそっち半分、右半分の顔が崩れてない。うわああああああ!そのまんま彼転がるように車から落ちて、油汗かいて大急ぎで走って事務所に帰ってきたそうですよ。稲川さん、警察から来る車でたまーにこういうのがありますよ。雨の日には特にねえ仕事したくないし、夜もあんまりしたくないんだ。わかるでしょう、なぜか。でもね稲川さん、匂いだけはねえ、風に乗って来るんだよね。さすがにそこのフォークリフト借りる時いい気持ちはしなかったですねえ、ええ。
麻田が絶体絶命のピンチから逃亡を図り苦難の道を経て汚名を晴らして生き残る活躍には読んでいて魂を揺さぶられるような感動を覚えましたね。そして最期の「終章」では日本で空襲を生き延びた息子の良一がサイパン人女性から父の運命を知らされる場面に心が震え乱れて涙が溢れて仕方ありませんでしたね。戦時下の厳しい時代に人として生きる為に必死の努力をした男の人生を描く感動の一冊をより多くの方にぜひ読んで頂きたいと思いますね。#NetGalleyJP
だがドアを開けると外によた者風の半沢と名乗る兄ちゃんがいて、彼女・幽里子の手紙の宛て先を教えてくれと頼みます。私は知らないのだと断ると一万円と指輪まで出して来ますが東野はきっぱりと断って帰らします。だが今度は幽里子がパタリと来なくなり東野は無為を埋めようと彼女への手紙を毎日一通ずつ書いてニ十通になった時に彼女が現れますが何と胸の下にナイフを刺されており足下に倒れ込みます。東野はビルの外科医院に運び込むと幸いに一命を取り留め、警察に半沢の名前を告げて手配すると首尾よく逮捕されます。幽里子は順調に回復します。
東野は喜びながらも退院すれば永遠の別れだと思うと悲しくなり彼女を殺そうかと考えてしまいますが病室に彼女の母親が入って来たので断念します。東野は絶望しビルの屋上に上がり飛び降りようかと思って下を見下ろしていると、彼女の母親の礼子が来て見せられたのは自分が書いた手紙の束で宛名は全て東野南次になっていました。娘はあなたのファンでご本は全部持っておりますと教えられた東野が下に降りようとすると幽里子がいて二人は固く抱き合い後に相思相愛でめでたく結婚したのです。随分と回り道でしたがハッピーエンドで誠に良かったですね。
巳之助は大野の町で電信柱を見て電気が来ることを知り自分の村にも電気が来たらランプが売れなくなるからと考えて電気を憎む。彼は血迷って人家に放火しようとするが直前で思い留まって自分の愚かさに気づく。彼は家にあった50個のランプを出してきて森の木に吊るし石をぶつけて割ってしまう。そして彼はランプ屋を辞めて本屋になった。東一の見つけたランプは家に残る唯一のランプでした。東一は「おじいさんはえらかったんだね」と言って懐かしむように古いランプを見つめました。とてもいい話ですね。巳之助さんは本当に立派で偉かったですね。
やがて別の部屋で女が倒れている姿を見せて「この女を知っているか?」と聞きます。六三郎はお初だと気付きましたが、まだ子供で臆病だったので「知りません」と嘘をつきました。それから彼は宿に帰されましたが、翌日の芝居の途中で倒れてしまいます。彼は病気が長引いて次の町へ行く途中で江戸へと帰されますが、家でも体が弱っていって遂に息を引き取ってしまうのです。だが実はお初は生きていたのです。ヤクザの親分はお初と話をして少年の真意を試す為にお初に死んだふりをさせたのです。少年の意気地のない答にお初は腹を立てて見限りました。
お初は親分とヨリを戻しまして、その後も長生きしたそうですよ。まあ病に倒れて最期まで回復しなかったのはお初の生霊の祟りだも考えられますが、まだ十六歳の若すぎる死はあまりにも可哀想すぎますね。
だが妻木は無気力な仕事ぶりの為に浪人に落ちぶれ、同じく秋月も田沼意次の没落と共に落ちぶれて乞食同然の身の上になる。十年後に顔を合わせた二人は、お綾も容色が衰え旗本に離縁されて今は橋の上で煎餅を売っていると話し、これから二人共に百姓をやろうかと相談します。枕は秋月が一度だけ試してから後は行方不明となりました。まあこういう怪しいものをあてにせずに人間は堅実に真面目に一生懸命働かなければいけませんね。
そこで外へ出て子供を探すと村の家の前で倒れて寝ているのを見つけて手持ちの小判の全部を買ってやりました。幸作は喜んで家に帰って戸棚から先の小判を出して見ると何という事でしょう、全て元のおせんべいに戻っていたのでした。あーあ、欲を出さずに最初の奇跡で満足していれば良かったのに神さまが罰をお与えになったのでしょうか、何とも残酷な結末でしたね。
事件は迷宮入りとなり、それから半年後に北海道から由紀子と容貌がそっくりのの双子の妹の寿美子が義兄を訪ねて来たのだった。まあ、ここまでにしておきますが、古き良き時代の昭和の探偵小説としてとても面白く読めましたよ。まあ犯人やトリックにこだわらずに魅惑の物語を読んで焦らずに鵜ゆったりした気分で存分に楽しんでくださいね。
これにはアゴヒモを付けるのがよかろうと提案されていますよ。作中に現役の川上選手の名前が出てきましたね。そして二週間の内でエキサイトしたゲームはなく、甲子園の中等野球の方が楽しめると述べられています。作者は最も野球を愛した文学者であり、野球に対する確かな目を持っておられるようにお見受けしますね。昔のプロ野球はレベルが低かったようですが、著者の生前にタイムマシンで現代に連れて来てやって大谷選手の特大HRを見せてあげたかったですね。
夢追人さん おはようございます。 絵本が大好きなので、素敵なレビューを嬉しく拝読しました。🍀 何時も『今日は何の日!&星占い』の掲載も、有り難うございます!🙋 今日も穏やかな、良きひと日で在ります様に!✨ 宵待草
宵待草さん、おはようございます。ありがとうございますね。シンプルな絵本はいいですね。段々と冷えてきましたので風邪をひかないように今日も健やかで元気にお過ごしくださいね!
年寄りのはさみは口を利いたりはしませんが、使う人に対して切れ味が悪くなったことを申し訳なく思っている気持ちが小川さんにより書かれています。昔の人は古くなって劣化したからといってポーイとあっさり捨てたりせずに何十年も大事に使ってものを大切にしたという日本人の古き良き時代の美徳でしょうね。
彼女は彼の二度目の女房で、三年前の大火事の時に危うく死にかけた宗三郎を助けて自分は大火傷を受け、その醜い大火傷の故に宗三郎に捨てられて、大川に身を投げて死んだはずだった。翌る朝、宗三郎は庭の池の中から溺死体となって発見された。実はお絹には姉によく似たお仙という妹がいて姉を変死させた宗三郎を強く怨んでいたのだった。火傷の跡などは絵の具と膏薬でどうにでも偽装ができたのである。見事な仇討ち、リベンジの大芝居でしたね!
良吉はオルゴールが大好きでしたが貸してくれないので代わりに手製の笛を作って吹いていました。力蔵は笛を欲しがりあげると少しの間だけ貸してくれました。ある夜、良吉が寝ていると窓から手招く人がいて、それは文雄でした。僕は今星の世界に行っているんだ。これから毎晩ここへ来るから、もう寂しがらなくていいよと言ってくれました。良吉は喜びに涙を流して友の手を取りましたが、その手は氷のように冷たくて顔の色はろうのように透き通っていました。良吉は変わり果てた友の姿が悲しくて、また泣いたのです。良吉君、挫けずにがんばるんだよ!
ノリ子さんが空を見上げて「きれいな夕焼けね」と言うと「本当」と返す姉さんの目に涙が光るのを見て君子さんも何だか泣きたいような気持になりました。君子さんが家に帰ると、ノリ子さんにあげようと思っていたチューリップの蕾が綻びかけていました。ノリ子さんが元気に学校に通うようになれたらチューリップが咲いて春爛漫の喜びの季節になるのでしょうね。まあ私は長かった病気からやっと回復した喜びの涙と明るい未来の訪れを想像しますね。
はつぱあぱさん、ありがとうございます。ファンタジー小説はストーリーが複雑なので詳しい事が殆ど書けていなくてすみませんが面白い作品ですので楽しんでくださいね!
豊富なイラストによりイメージが膨らみ人間の乱獲の為に絶滅してしまった動物達の悲しい運命に心が痛んで仕方ないですね。著者は穏健なタマキと過激なケイナの両極端な二人を通じてドードー鳥の復活する明るい未来を描きたかったのでしょうね。スンナリとは行かず困難にさらされながら諦めずに少しずつ歩んで行く二人の、本書を読んだ科学者達の、そして著者の共通の願いがいつか叶いますようにと応援したいですね。#NetGalleyJP
「プラチナ時計、警察問題になり貴様の所為だとわかった。直ちに送り返せ」高額の送をかけて送った。二週間後に親父の名前で金時計が送られてきた。上京すると警察の話は嘘で親父に一パイ食わされた事がわかって金時計を返そうと思ったが考え直して止めた。3.軍の志願兵となった時に私の私物から上等兵の風呂敷に包んだ餅が出てきて仲間と共に上から厳しい取り調べを受けた。餅だけは私の物だと白状したが風呂敷の件だけは最後まで理由が不明であった。4.福岡で新聞記者をしていた時に仕事が遅れて夜中の3時頃になったので主筆の家へと向った。
玄関を叩いても起きなかったので揺さぶると隙間ができナイフでこじ開けて中に入り部屋で布団を敷いて寝た。朝、奥さんが起きて私を見て悲鳴を上げて二階に逃げた。それから奥さんの希望により玄関の錠が閂に変わったという。中々に面白いエピソードの数々で、著者は正直で律義な性格の方だなと感心しましたね。
中には子スズメはいませんでしたが、水ごけが出てきて幸吉は利口なスズメが柔かな水ごけの上に卵を産んで育てたのだと思いました。謎は溶けましたが、幸吉はスズメを憎む気にはなれませんでした。まあ生き物は子育てに必死ですから仕方ないですね。でも幸吉くんは面倒でもおじいさんに理由を話して濡れ衣を晴らさないといけませんね。
父はどうして酒なんか買って来たんだと新次を叱ったが、きらりと涙を光らした。新次は仕事場の柱に顔をすりつけて泣いた、泣いた。うーん、酒を飲むのは体に悪いとわかっているけれど、それでも新次は父が以前のように元気な姿で働いて欲しいと思ったのですね。辛いばかりの人生だけど、またきっと未来には良い事が待っているから今はじっと辛抱して強い気持ちで頑張って欲しいですね。
だが公子は若すぎるからと止めて親戚の17歳の阿松(おまつ)という美女を紹介したので孔生は喜んで結婚し後には子供も生まれる。やがて空き家の主が帰って来る事になり孔生と公子は一緒に暮らしていけなくなる。公子は夫婦を一瞬にして孔生の故郷の実家へ運び彼は公子が人間ではないと知った。孔生は出世して任地に着くと公子と再会して「きょうだ」が結婚したと聞く。ある日公子が来て天が私達に災いを下そうとしているので助けてくださいと頼み自分が狐だと正体を明かす。孔生は彼の親戚たちを集めた家の門の前に剣を持って立つと強い雷が鳴る。
孔生は一度死ぬが狐の家族の力でもう一度生き返る。だが「きょうだ」の夫は同様にして死に皆で慰める。孔生は公子兄弟を家の庭園に置いていつも訪問し友達付き合いをした。彼の息子は美しく成長し、周りのみんなが狐の子だと知っていた。まあ最後はみんな笑顔のハッピーエンドでめでたしめでたしでしたね。
もしも投手寿命が短く将来に二刀流ができなくなっても打者としてイチロー選手のように息の長い選手として活躍して欲しいなと願っておりますね。本書はベースボールの高い技術面だけでなく彼の野球に取り組むひたむきな姿勢や誰に対しても等しく礼儀正しい人柄の魅力も伝わる内容で本書を読んで心から満足しまして、ますますファンになりましたね。#NetGalleyJP
若い船員は冒険をしようぜと言い船長も一度は行っても良いだろうと応じました。船長は自室で飼っていた青い鳥を鳥かごから出して大空へ逃がしてやりました。真珠島だ!という叫びを聞いた船長は波のうねりが高まるのを見ると、突然危険の警告を発したが、もう間に合わなかった。船は暗礁に衝突して古い船体は壊れ、金持ちも船員も船長もみんな海に沈んでしまいました。月の明るい島で夜に少女が唄をうたい、海に船の破片が漂って青い鳥がとまり、岩に砕ける波だけが自然の怨みを伝えるがごとくでした。うーん、自然の怒りのような恐怖童話でしたね。
夢追人さん こんにちは 新美南吉の『手ぶくろを買いに』をご紹介&レビュー掲載下さり、有り難うございます!💫 私の蔵書は、偕成社:発刊の黒井健の絵です。 『でんでんむしの かなしみ』と共に、時折に読み返す愛読:蔵書絵本です。 何時も有り難うございます。🙋 宵待草
出てきた旦那は、あなたは私の娘と結婚する事が決まっていましたと言って16歳の娘と婚礼の宴会を開く。彼は夢心地になって娘との間に子供が生まれる。だが宴会の席で親戚の無礼な乱暴者と口論になってしまい喧嘩になりかけると父親が来て、あなたは命が危ないから去りなさいと一方的に言い渡し二人の侍女に連れて行かせる。架け橋がある陳宝祠の前にいきなり出ると侍女は二羽のキジになって飛び去る。彼が家に帰ると、おじが待っていて彼の一年ぶりの帰宅を喜んだ。あった事を話すと、お前が十五歳の時に一緒に旅をし一羽の雌のキジを捕まえたな。
宿で料理しようとしたのを、お前が可哀そうだと言って逃がしてやった恩返しだろうと言い、乱暴者の男は下男を食った虎だろうと話す。おじが後に亡くなって大金を得た男は陳宝祠の場所へ行き金を出して修繕した。まあ最後はめでたしめでたしの良い話でしたね。
遠山左衛門尉(とおやまさえもんのじょう)が取り調べを行い、「侍は長年の酒毒が回って死んだのじゃ。その方が妹と力を合わせて親の仇を討ったのは殊勝な心掛け、褒めて使わすぞ」と言って按摩を無罪放免にしたのでした。昔の裁判はズボラのようで誠に味のあったものだった。まあ理屈抜きで楽しめる遠山の金さんの心温まる人情が光る痛快な一編でしたね。
その晩もハーモニカの音が聞こえたので次郎は戸口まで出て見のぞいてみました。すると背の高い黒い痩せた男が雪だるまと話していました。その男はどう見ても人間ではなく魔物で目だけが光っており、柿の木の上に飛び上がり悲しい声で叫ぶと長い翼を広げて遠くへと飛んで消えました。もしかすると男の正体はルーマニアから来た吸血鬼のドラキュラ伯爵かも知れませんね。そうなると全く別の話になってしまいますね。
アジア諸国のレベルが低いならコーチに応じる親切心が欲しいなあ。それがスポーツの正しい在り方で国際的な礼儀でもあろうじゃないか。日本は水の澄んでいる国なんだよ。作者のスポーツを純粋に愛する心とスポーツマンシップの精神を感じさせる素晴らしい好エッセイでしたね。
もう一つは山を歩いていると商人らしい一行が珍しそうに山を見上げているので、もし何を見ているのですかと聞くと坊さんが大きな荷物を担いでいるのだと言うが、見渡しても何も見えない。さてはこれは怪物の仕業ではないかと追いかけたが全くらちが開かず引き返すと商人の一行がいなくなっていた。結局は坊さんか商人の方か、どちらが怪物なのか見当がつかなかったという。深山に入ると怖いですから皆さんもご用心くださいという話で何か現実にあっても少しもおかしくないなと思えてきますね。
だが誰も女の事を知らず男は帰りにある寺に立ち寄り一服すると部屋に棺が置かれ紙には女の名前が書いてあり側に置いてある藁人形が女中の正体だと知る。彼は家に帰ると隣に泊めてもらい、私は邪鬼に取り憑かれたのだと老人に話す。老人に教えられ偉い法師の家に行くと朱符を二枚もらって玄関と寝台に貼ると以後は女は来なくなる。だがある夜男は友人の家で飲んで帰る道で女に捕まり寺の棺に引っ張り込まれる。老人が彼の不在を不審に思い件の寺に行って探すと男は棺の中で女の屍と抱き合って死んでいた。寺の住職は二人を葬ったが三人の幽霊が出た。
それを見た人は重い病気になった。土地の者は法師にお祓いを頼んだが、山に住む道人という老人にお願いしなさい教えられる。皆が山に登って老人に頼むと最初は渋っていたが引き受けて山を下り武士を出現させ三人の邪鬼を連れて来させると取り調べをして三人を地獄へ送り込む。土地の者が老人に礼を言いに山へ行くと無人になっていたので法師に尋ねに行くと彼は口が利けなくなっていた。最後の取り調べの場面は文章が難解すぎて意味がよくわかりませんでしたね。また道人という老人は只者でない怖ろしいお方で絶対にお近づきになりたくありませんね。
題名からニャンコの話だとばかり思っていましたが意外にも白馬が出てきて驚きましたね。きっと九割以上の人が猫を連想したと思いますが、小川さんは猫だと平凡で予想通りでつまらないと思われて変えられたのかもしれませんね。
彼は王の前へ出され地獄を侮辱した罪の為に刑場へ連れて行かれそうになるが、そこで点に向かって私には罪が無いと叫んだ。これを聞いた地獄の役人は書状を書くことを許した。この書状は長文で意味も不明なので省略します。大王はこの書状を読んで儒者を許し生き返らせた富豪を再び地獄に戻らせる事にしたと話す。儒者が帰る前に地獄を見学したいと言うと許可が得られ罪人達が悲惨な目にあっている光景をこれでもかとばかりに見せられる。気分の悪くなった儒者が家へ帰りたいと望んで許されると欠伸が出て夢から覚める。富豪は昨日確かに死んでいた。
地獄の描写は相当にえげつなくて気分が悪くなりますから今回は省略しましたが読まれる方は覚悟を決めた上で残酷描写にくれぐれもご注意くださいね。儒者はこれに懲りて地獄を馬鹿にするような詩を書くのを生涯に渡って慎む事でしょうね。
雷はタカに説得されて都会の方へ飛んで行き、下界できらきらする景色を見て安心して電信柱の電線に降りると急に停電して真っ暗闇になりましたので雷はどうしたことかとびっくりしてしました。その時、高い木は星晴れの下に、すがすがしく背伸びをしたのであります。まあ仕方ありませんが、雷はどこに行っても厄介者扱いされて常にひとりぼっちで可哀想ですね。
さらばじゃ」と言って窓から飛び去る。その後、女房は元通りのの醜女に戻ったので。あまりの醜さに我慢がならず、牛キリは田んぼをスタスタと逃げて行った。まあ正確ではないですが、大体こういったストーリーですよ。途中で漢文みたいな文章が入り意味がさっぱり不明で、もう読み飛ばすしかなかったですね。そういう諸々を我慢すると笑えて面白かったですね。題名の鑑定の意味は村人たちが、彼の女房が美女か醜女なのかどちらかを鑑定しに来る所からつけられたのでしょうね。
愛卿は泣きながら母を別の村の墓に葬り、悲しみのあまり体を壊して痩せ細った。そんな彼女の家へ野蛮な盗人が来て強引に体を求めたので少し待たせている間に首を吊って自害する。数年ぶりに趙が故郷の実家へ帰ると荒れ果てており下男の老人から母と妻の死を知らされる。彼は妻の死骸を掘り返し母の墓まで運んで埋葬する。彼は妻にもう一度だけ会いたいと願うと数日後の夜にやって来て私はある人の子供として生まれる予定をあなたに会うまで引き延ばしていましたと話し、夫に最後のお別れを言って立ち去る。趙は妻の言った家に半信半疑で行ってみた。
すると妊娠して20か月後に生まれた子がいて生まれてからずっと泣いていたが、趙の顔を見るとすぐに泣き止んで、にっと笑った。趙はその家の親族となって生涯つきあいをまっとうした。いろいろとたくさんの詩が出てきましたが全て割愛しました。趙は本当は別人に生まれ変わるよりも妻が生き返って一緒に暮らしたかったでしょうね。
もう一度過去を生きる事で得られた気付きで主人公も人として大きく成長して行くのですね。残念ながら、詳しいストーリーはこれ以上は書けませんね。この結末には賛否両論あろうかと思いますが、私は大満足でしたよ。心に素直に届く青春ストーリーの一読を、ぜひお奨めしますね!#NetGalleyJP
「若いの、あの箱を拾う勇気があるかの」それを聞いた青年の心に死の概念が思い浮び「俺はまだ死んではいけない、危ないところだった」と言って引き返しました。いつの間にか気づけば老人の姿は消えて、黒い箱だけがポツンと見えます。夜中に目を覚ますと凄まじい嵐で、青年は船が置いていった黒い箱を思い出しました。あの箱の中には何が入っていたろう?朝になり嵐の去った浜辺に行くと、波にさらわれたのか黒い箱は跡形もなく消えていました。その後に青年が人にこの話をしましたが、「君は夢を見たのだ」と言って誰も信じてはくれませんでした。
その内に彼の青春も去ってしまったのです。うーん、あの時に彼が勇気を持って黒い箱を開けていたら一体どうなっていたのでしょうね。でも選んだ道は引き返せないのですね。残酷な話ですが、いつまでもくよくよと後悔して悩んだりせずにとにかく前向きに自分の選んだ道が最善なのだと信じて前に進む事が精神衛生上は正しい道だと思いますね。
みんなは途中で怖くなって一人二人と降りていったが。杏平だけは一人でどんどん上へと登って行った。彼は全能感のような物に心も体も支配されて今なら俺は何でもできるのだと思えているのでしょうね。このお話は未完でここでお終いですが、こういう無鉄砲だけど何ものをも恐れない一生の内に誰にでもある若さ・青春っていいなあと思えますね。
だが昼になり伯爵が亡くなった事を知ると主人は青くなった。翌年の春には伯爵の未亡人と運転手が鎌倉の海岸で変死した。豆腐屋の主人はその自分から気が変になった。若くして無惨に殺された書生が3人を殺してリベンジを果たす恐るべき怨念の復讐譚でしたね。
二人は片時も忘れない優しいお母さんのお顔を素直に見ました。「ぱちり」と音がして「よく、とれました」と写真屋さんは、あいさつをいたしました。わんぱく小僧に手を焼いた写真屋さんでしたが、最後は大人の賢い知恵でもってリベンジの大逆転勝ちですね。お母さんの存在は子供たちにとっては常に尊いのですね。
お住を庭先で散々に折檻した。半死反生のお住は池まで這い寄り自ら飛び込み沈んで死んだという。それから今年で五十回忌となり当時の人々は殆どが亡くなり今では祖母だけが覚えているのだと言う。小さな子供が遥かな昔のお住の名前をどうして知っているのかは最後まで謎だった。一同はお住の墓所へ参詣し、懇ろに回向するとお住の幽霊は出なくなり、その後は夫婦円満に暮らしたという。まあ、どうして五十年後に出たのか理由は不明ですが、遥か遠い江戸の昔ならば如何にもありそうな因縁話ですね。
絶望の果てに最悪の選択をした千鶴は、この衝撃的な怖ろしい結末を受け入れて永遠の愛に生きられるのか?最後のシーンで読者は石ノ森章太郎さんが名作漫画に込めた真実の意味を突きつけられるでしょう。#NetGalleyJP
お母さんの母はお爺さんが花火を作っているので危険だから行かないようにと日頃から言っていたので家に帰ると叱りました。するとお祖母さんが「子供は理屈を言ったってわからない、かわいがる所に行くもんだ」と言ってくれました。お母さんは太郎と二郎にこの話をして「我が家の庭に毎日やって来る黒い蝶を捕まえてはいけませんよ」と教え諭しました。兄弟はお母さんの子供の頃の姿を想像して、愛と光に包まれた世界を懐かしく思いました。そして今も昔も自然には何の違いもないのだと気付き、平和な日の光に満ちた花壇をうれしそうに見つめました。
やがて雀は回復して二羽で飛んで行った。亭主はこれを見てあの草はニラだなと察して女房に刈りに行かせて食べると便所に入って体が治った。彼が親類の老人に相談すると餅を怪しみ調べると中から針が出てきた。悪事がバレた女房は浮気男と共に村から逃げ出した。百姓は恩に思って自分の家の中へ宮を建てて雀大明神と云って雀を祭った。やはり悪い奴は栄えず何時か報いが来て成敗される運命ですね。心がスーッとする気持ちのいい結末でしたね。
誠に素晴らしいミステリー分析で著者のミステリー愛が感じられて心打たれましたね。安吾さんが述べられている事は全て正しいと思いますよ。やはり人間ですから作品の量と質の問題にしろ合作の問題にしろ結局はギャラの問題が大きくて、人間はどんどん欲が出てきますからいろいろと難しいのだろうなと思いますね。
単純に見えて複雑な裏切りの構図の筋立てに完全にしてやられまして新鮮な驚きがありました。刀による戦いの場面も大迫力でしたね。そして口数は少なくとも父と子の心の通い合いにジーンときましたね。本書は実力派の著者によって巧みに練り上げられた時代劇の面白さ・良さが読者に伝わる素晴らしい読み物だと思いますね。私は時代劇小説は苦手ですが今後も少しずつトライして行こうと思いますね。#NetGalleyJP
すると段々と落ちる石の数が減って終いには完全に終息したという。これは事実で随筆「耳袋」にも記述されているらしい。岡本綺堂さんの作品は明治時代に書かれたとあって少々古めかしくて読み難いですが、じっくり読むと良さが解って面白いなと思いますね。
多与里は左京の酒の晩酌をしている内に情から恋をして美しくなる。これが良い結果となり次には鬼気迫る立派な彫像が完成する。殿は喜び左京に多与里との結婚を勧めるが、彼は馬琴の八犬伝に倣って赤い紐を選ぶ縁結びで決めては如何でしょうと提案する。この餡が了承され、左京は老女に手を回して自分の目当ての女・小浪(こなみ)を狙い世話をする老女に金を渡して紐に印を付けるようにと頼む。そして首尾通りに望みの紐を選ぶ。左京は初夜の場に妻となる女を呼んで確かめると何とそれは多与里で懐剣で左京の胸を刺して殺し自らも気が狂ってしまう。
という訳で純情な若い女の恋心を燃えさせてイタズラに、もてあそんだ報いを受けてプレイボーイの左京は死んでしまったのですね。今回はミステリーではなく男女の奇妙な色恋の悲劇でしたね。
女の声が皿の枚数を数えて九枚までくると泣き叫んだ。主膳の家では幽霊を恐れ加持祈祷ををしたが効果が無くお家断絶となって屋敷が取り壊され草原となった。お菊の霊は電通院の了誉上人が解脱させた。皿の一枚ぐらいで責められて誠に昔は大変な時代だったのですね。やがて庶民は皿リーマンになって苦労するのですね。勿論冗談ですよ。上方落語になると、お菊さんが十枚、十一枚とサービスで野次馬達に向けて皿を数えるのですよ。
彼は嫁・三娘(さんじょう)と共に母親が亡くなるまで世話をしてつくし鬼が人間に生まれ変わらないように活動して上帝から功績を認められて二人で死後の国へ帰って行く。祝は自分が人間界に生まれ変わる道を捨てて死者のままで他の人の為に頑張って鬼の輪廻を阻止した努力を認められたのでしょうね。
警察に連絡され海が捜索されましたが死体は見つかりませんでした。東京から帰った夫は妻の死を嘆き悲しんで屋敷を潰してしまい一人で旅立ちました。しかし、この話の語り手が退いた後で新たに二人の証言者が現れて推理し、二転三転の展開の大どんでん返しで意外な真相が暴かれるのです。まあ本作は現代ミステリーの基準からすると物足りないトリックで勘の鋭いマニアの方なら真相に気づかれる事でしょうね。でも些かレトロですがメロドラマの出来はお上手ですし読後の後味も決して悪くはないですから古めかしさは大目に見て一度お読み下さいね。
ひまわりにそんな想いを込めるなんて。今、庭に5つ咲いています。感慨深く眺めてしまいました。ひなげしはポピーですね。若干季節が違う・・・。😅これから、ひまわりとポピーを見ると、3回に1回ぐらいは、このお話を思い出しそうです。😊
だが二人で歩いていると後ろから捕り方が追って来た。この姐さんは急に立ち止まって前に大きな牛がいて睨んでいるので前に進めないと言う。盗人が前方を確かめるが何も見えない。こうしてモタモタする内に二人は捕り方に捕まってしまった。この姐さんはきっと4年前に酷い目に遭わされた牛の幻影を見たのだろうと察せられた。姐さんの干支が牛であれば良かったが、そう都合よくいかず全く違っていたという。前半の大騒ぎでは怪我人や死者が出ましたので大変だったのですが、まあそれでもこれは恐ろしい怪談噺ではなく愉快な笑い話になるでしょうね。
そうですね、昔のプロスポーツは相撲と野球ぐらいだったでしょうね。あんなにのんびりとお気楽に時間をつぶすスポーツは今も昔も相撲だけでしょうね。昔の人はぐうたらでスローなのがお好みだったのでしょうね。
やっと寺に着いて小坊主を呼ぶと後ろに犬がいたのでやって来た小坊主に追っ払わせましたが犬が口にくわえていた団子は取り戻しました。和尚は漸く落ち着きましたが、すぐにもう一度提灯を持ちました。わしをつけて来て団子を拾ってくれた犬を寺に泊めてあげようよ(おれが悪いよ)と言って犬を探しに外へ出て行きました。人間を化かす悪い狐ではなく正直な犬にする処が南吉さんの優しい人柄を表している心温まる良い話でしたね。
正ちゃんは悪い事をしたなと気分が晴れませんでした。でも翌日花子さんと遊んでいるとアリを見つけたのと一緒に失くしたボールが出てきました。少年がどこの家の子か花子さんが知っていて新しいボールを返してもらう事にすると、ようやく気分が晴れてスッキリとしたのでした。まあよくある事ですが安易に失くしたらすぐに買ってもらえるからいいやと考えずにものを大切にする気持ちを忘れずに小さなお子さんにも強く教えて言い聞かせましょうね。
一旦は取り替えっこしましたが盗人は仔羊が可哀想になって再度止めにしました。盗人は仕方がないから仔羊を自分で育ててやろうと決心しました。でも仔羊がお母ちゃん、乳が飲みたいメ―メーと鳴くと俺には乳が出ないからと言って元の牧場へと連れ戻してあげました。何という心の優しい善良な盗人なのでしょうね。こんなにも心が弱くてこの盗人は世の中で生きていけるのだろうかと逆に心配になりますね。まあ男にはこれを機会に真面目に働いて盗人を廃業して欲しいものですね。
それから、江戸時代の武士に今の漫才を見せても誰も怖い顔をしたままでニコリとも笑わないだろうという事である。最後に長崎で六十歳の船長が、長崎丸が機雷に触れて沈没した事の責任を取って切腹して自害された時に通夜の席で船長の奥さんが霊前に和歌を捧げたという。百花の咲きて青葉のよき時に、男らしくも人死にゝけり。著者はこの詩にいたく感激されて最後に日本を礼賛して日本万歳と結ばれています。まあ些かブラックながらもユーモア精神に溢れた著者の人柄が偲ばれる誠に面白い好エッセイですね。
長い時が過ぎて父親はおじいさんになり孫と一緒に道を歩いていると見るもの全てが美しく思えました。太陽が「昔した約束を叶えてやったぞ。今お前はどう考えている?」と尋ねましたが、おじいさんは昔の子供のようにもう何もわからなかったのでした。まあ人間はこういう生き物なのですね。ボケない頭でいる事と子供に帰るのと、どちらが幸せなのでしょうね。これを読むとわからなくなりますね。
彼女は自分の息があぶくのようになって口から出るのを感じた。お菊さんは北村へ出前を持って行ったきり帰らなかった。店で探したが北村の家もなければ何処に行ったのかさっぱりわからなかった。お幸ちゃんは他の客には芝の親類に嫁に行ったという事にした。ある日来た老人にお菊の事を聞かれてそう答えると「あの女が芝になんかいるもんかい。ありゃ雨で大河から上がってきた奴に連れていかれたのだよ。あいつを何と思うのだ。頭から顔からつるつるしてたろう」と言った。うーん、お菊さんを連れて行ったのは化け物・妖怪変化の類なのでしょうかね。
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夢追人さん。ナイスありがとうございます。注射のどこに興奮するのか知りたくなりました、、、
とみかずさん、この作品を読んで伊良部の真似をして患者にやたらと太い注射を打ちまくる医者が現れませんようにと祈りますね~!