読書メーター KADOKAWA Group

2023年9月の読書メーターまとめ

夢追人009
読んだ本
100
読んだページ
8518ページ
感想・レビュー
100
ナイス
43196ナイス

2023年9月に読んだ本
100

2023年9月のお気に入り登録
62

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2023年9月のお気に入られ登録
17

  • yamasiy
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  • ツバサ
  • 絵 夢 ⚔️ 🩷 @ 雫 と ぺ あ が ち ゅ 〜
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  • へい
  • としかず
  • ゆうひ
  • きくりん
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2023年9月にナイスが最も多かった感想・レビュー

夢追人009
人気シリーズ復活の4冊目は原点回帰の全5編でしたね。伊良部医師もマユミちゃんも17年の時が流れてもサザエさん一家のように少しも変わっていませんでしたね。深刻なコロナ禍も何のその全く落ち込んだりせずにブラック・ユーモア連発で明るく笑い飛ばしてくれますね。元気があれば何でもできる!の精神で諦めずに頑張ろうと読者を勇気づけてくれますよ。視聴率を追いかけるワイドショー、煽り運転をしかける心ない野郎ども、金に心を乗っ取られたディートレーダー、広場恐怖症のピアニスト、社交不安障害の若者。現代社会が生み出す問題の数々。
とみかず
2023/10/05 12:19

夢追人さん。ナイスありがとうございます。注射のどこに興奮するのか知りたくなりました、、、

夢追人009
2023/10/05 12:41

とみかずさん、この作品を読んで伊良部の真似をして患者にやたらと太い注射を打ちまくる医者が現れませんようにと祈りますね~!

が「ナイス!」と言っています。

2023年9月にナイスが最も多かったつぶやき

夢追人009

読み友のみなさん8月も沢山のナイスをくださってどうもありがとうございました。後半になって失速しましたが何とかギリギリで100冊のレビューを書けましたよ。9月もできれば青空文庫の作品を一杯読んで沢山のレビューを書きたいですね。本を沢山読みましょう!2023年8月の読書メーター 読んだ本の数:100冊 読んだページ数:5282ページ ナイス数:45267ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/868158/summary/monthly/2023/8

かすみん
2023/09/01 17:57

月100冊は凄いですね~(*'▽')今月もよろしくお願いします🎑

夢追人009
2023/09/01 19:02

かすみんさん、こんばんは。残暑厳しい毎日ですが頑張って今月もよろしくお願いしますね!

が「ナイス!」と言っています。

2023年9月の感想・レビュー一覧
100

夢追人009
西村京太郎さんの第4作は総理府主催の懸賞小説でテーマ「二十一世紀の日本」に応募して内閣総理大臣賞の賞金500万円を獲得した珍しい非ミステリーの普通小説です。大学時代の親友同士、米国人の母を持つ前島は父の職業・能楽を愛し、沢木は日本らしさを嫌悪してアフリカ砂漠改造工事の技師となる。その二人を同時に愛した加代子は苦悩し遂に決断を迫られる。本書は西村作品としては稀な本気度100%の恋愛小説で、やはり結末はミステリ作家らしく普通ではない鬼気迫る内容でしたね。本書に登場するアラブ人警部の心遣いに強く感動しましたね。
夢追人009
2023/10/02 05:38

ヨシさん、ありがとうございます。西村京太郎さんも最初の頃は晩年と違って、いろんなジャンルを書かれていたのですね。まあ少しオーバーに書いていますし個人の主観にもよりますので、もしかしたら物足りなく感じる場合もあるかと思いますので、その時はごめんなさいね。とにかくとても文学的な作品である事は間違いありませんよ。ところで読書冊数2000冊を突破されまして、おめでとうございますね!また今後ともよろしくお願いしますね。

ヨシ
2023/10/02 22:43

そうだったんですね。全く知りませんでした。いつも色々なことを教えていただき、ありがとうございます。これからもよろしくお願いします🤗

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
ネタバレ西村京太郎さんの第3作は第2次世界大戦中のドイツとスイスを舞台にした国際スパイ小説です。昭和19年の夏、海軍軍人の関谷中佐は密命を帯びてヨーロッパへと渡る。しかし旧友の武官・矢部はスイスの湖で謎の死を遂げていた。関谷はスイスに向う車中で爆撃を受けて意識を失い病院で目覚めるとトランクに入れた金塊が消えていた。彼は矢部の泊まっていたホテルに着くが周囲には様々な国籍の怪し気な男女らがうようよいて誰もが信じられないのだった。関谷の行く所には常に波乱があって落ち着く暇もなく事件が起きて決して読者を退屈させませんね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
西村京太郎さんの第2作は江戸川乱歩賞を受賞した社会派ミステリーで題名は「てんしのしょうこん」と読むのですよ。新聞記者の田島が休灯に恋人とデートに聖蹟桜ヶ丘の三角山へ行くと前方から血を流した男が来て倒れ「テン」とつぶやき死ぬ。田島は背広のネームで男の名が久松だと知り彼が恐喝者で死に際の言葉は天使だと見当を付けてバー・エンゼルに行きつく。警察の中村警部補も事件を追い田島と同じく最後に意外な犯人に辿り着く。さすがに乱歩賞らしい派手なトリックと意外な犯人の趣向がミステリーの醍醐味ですが、事件の興味は尚も続きます。
夢追人009
2023/09/30 22:26

久松の所持する写真の場所を突き止めた田島は、ある社会問題を秘めた施設に辿り着き天使の真実の意味を知るのです。それに関連して東北地方の寒村での暗く悲しく陰湿な人間関係が浮き彫りになるのです。読者の中に前半の殺人トリックと犯人の部分につまらなさを感じた方がいたとしても後半の重苦しい社会派ミステリーの人間ドラマには誰もが心を奪われるだろうと思いますね。著者の初期の作品にはミステリーの仕掛け以上に確固たる問題意識があって上辺だけの薄っぺらな面白さでなく重厚な読み心地で、あらゆる人々の心を捉えて離さないでしょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
西村京太郎さんのデビュー作でこれが3度目の再読になりますが最後にしようと思っていまして今後600冊を超える膨大な作品の読破に挑みますよ。本書は耳の聞こえない聾者をテーマにしたヒューマニズム溢れる永遠の名作ですね。下町の工場で働く聾者の青年・晋一の病弱な母が変死し彼が買った栄養剤から砒素が検出された事で警察は晋一を逮捕する。彼は自分は無実だと主張しながら、獄中で自殺する。そして彼と親しかったバーの若いホステス幸子も後を追って自殺する。バーの同僚のお時さんこと時枝は新聞記者の古賀と共に事件の謎を追うのだった。
夢追人009
2023/09/30 11:10

死んだ幸子には幼い頃に聾者の弟を電車の事故で亡くした悲しい過去があり一生悔やんでいたのですね。本書の終止符は死を意味しており、母親、晋一、幸子に続く新たな死が事件を解決に向わせます。しかし、この四つの死は全てが無意味なものだったのですね。警察は通り一遍の捜査しかせず古賀も頑張りますが最後にお時さんが見事に醜悪な真実を暴くのです。まあこの事件の仕掛けやトリックはお見事ですが、それよりも力のない弱者が公平な目で見られずに先入観で疑われて泣き目を見るストーリーで著者は理不尽な社会の現状を訴えたかったのでしょう。

夢追人009
2023/09/30 11:10

解説によると本作は「この声なき叫び」の題で映画化されており、犯人の聾者の青年を田村正和さんが演じたデビュー作品だったという事ですよ。本書は発表当時は売れ行きが良くなかったそうですが、これからも永く読み継がれ人々の記憶に残る永遠の名作だと思いますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
笹沢左保さんの長編第2作ですね。著者の作品群には「木枯し紋次郎」シリーズ等の時代劇物も多いですが私は苦手ですので今後は現代推理作品を少しずつ読み進める心算です。ミス・コンテストの最終候補者5人の女性が脅迫、交通事故。謎の死と次々に行く手に魔の手が迫る。警視庁の倉田警部補が捜査に挑むが、難攻不落のアリバイと堅固な密室殺人に阻まれて困難を極めるのだった。本書にはミス候補の女性を愛する若い頃に事故で右腕を失った片腕の男が登場して脇役ながらも主役を食う名推理で終盤に大活躍します。本書もまたトリッキーな力作ですよ。
夢追人009
2023/09/30 09:59

まあ機械的なトリックと大胆な人間トリックが上手にバランスよく描かれていますね。そうですね、正直こんなに実際にうまくいくもんだろうかと思わなくはないですが少なくとも理論上は可能なオリジナリティーと創意工夫を感じさせるアッと驚く大トリックですね。また意外な犯人の趣向も申し分ありませんね。著者は最期の方で男女の真剣な愛を描きつつも欲に目がくらんだ人間の虚飾に満ちた心情をさらけ出していますね。でも人間は誰も完璧ではなく運よく生き延びたカップルの姿を通して未来に一抹の希望を持たせてくれますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
笹沢左保さんの惜しくも乱歩賞受賞を逸した長編デビュー作です。本書は私にとって30年以上前に読んだ本の再読ですが今回長い時を超えて尚新鮮に感じられ大満足でしたね。昭和34年の乱歩賞の選考には乱歩氏がご存命で参加されていて本書の普通でない構成に難色を示されたそうです。序盤が週刊誌の事件報道の記事や警察の関係者への尋問記録等で構成され相当に味気なく退屈な面がありますね。けれど警視庁の倉田警部補が病により休暇を取って単独で事件に取り組む後半から一変し素晴らしい読み心地でしたね。商産省の組合でスパイを働く男の殺害。
夢追人009
2023/09/30 09:01

彼の内縁の妻と誤認された女が同居の部屋で殺される事件が続いて起きて、容疑者と目される男が逮捕寸前に車にはねられて交通事故死してしまう。だがこの結末に納得できない倉田警部補が足で歩き現地に出かけて執念で真犯人と難問の不可能トリックを暴くのです。余談ですが当時の物価は大衆食堂のラーメン屋で一番高価なメニューの値段が70円という真に今では考えられない安さなのですね。本書を総括すると文章の古さ・生硬な調子による読み難さはありますが、巧緻な凶器トリックと刑事の粘りの迫力で最後まで飽きずに読ませる堂々たる力作ですよ。

夢追人009
2023/09/30 09:03

また題名の「招かれざる客」の意味が最後の最後に明らかになり、真犯人の心の叫びが伝わる鋭いメッセージとして読者の心に強く残りますよ。著者は今、過去の秀作が次々に復刊されて再評価の機運が高まっておりまして確かな実力作家ですので、ミステリーファンの方々にはぜひ読んで頂きたいですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
十年間で本書が5冊目という寡作の女流ミステリー作家・中村あきさんの実力が開花した素晴らしい傑作です。無人島に集められた俳優、女優、グラビアアイドル、ミステリ作家らの男女3人ずつの6人が台本なしのぶっつけ本番で挑む恋愛リアリティーショー「クローズド・カップル」。出演者に加えてプロデューサーら裏方3人を含む合計9人が絶海の孤島で現実の連続殺人事件に遭遇するクローズドサークル本格ミステリー。やがて発電設備を破壊され孤立する中で、陰キャとネットで叩かれる地味男のミステリ作家・栞が密室殺人を含む難攻不落の謎に挑む!
るい
2023/11/23 08:47

夢さま、おはようございます🌞。きっと、夢さまのレヴューを拝読して惹かれたんですね。いつも、素敵な本のご紹介ありがとうございます。💕

夢追人009
2023/11/23 09:28

るいさん、ありがとうございます。本書は素晴らしい内容の本ですね。このけったいな題名だけが唯一イマイチなのが勿体ない気がしますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
中堅ミステリ作家・岡崎琢磨さんの12年目の勝負作ですね。本書は現在を舞台に書かれた幻の処女作が40年後にベテラン作家の死後に遺稿として見つかり担当編集者が遺族の姪に隠された謎を解くべく読んでもらうという形で進行していきます。作中作のメインの登場人物は男女二人ずつの四人の若者達で内3人が心と体に傷を負いながら今も引き摺る事件の謎を追う長編ミステリーでユーモアは抑えめの落ち着いた風情の読み心地で終盤のどんでん返しによる意外な犯人の趣向が楽しく非常に面白かったですね。しかも一旦完結した後にさらなるサプライズが!
夢追人009
2023/09/29 23:28

この仕掛けは思い込みや先入観による騙しのテクニックでベテランらしい匠の技でしたね。ルッキズムや容姿に関する精神の病を抱えながら懸命に頑張るヒロインにも感情移入して女性読者は読み進められるでしょうし残酷系ではなく日常の謎の延長系のソフトなミステリーとして楽しめるでしょうね。まあスリルとサスペンスという面で少し物足りない部分はあるかも知れませんが、意外な企みに満ちた知的なミステリーの秀作を読まれますようにとぜひ一読をお奨めしますね。#NetGalleyJP

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
人気シリーズ復活の4冊目は原点回帰の全5編でしたね。伊良部医師もマユミちゃんも17年の時が流れてもサザエさん一家のように少しも変わっていませんでしたね。深刻なコロナ禍も何のその全く落ち込んだりせずにブラック・ユーモア連発で明るく笑い飛ばしてくれますね。元気があれば何でもできる!の精神で諦めずに頑張ろうと読者を勇気づけてくれますよ。視聴率を追いかけるワイドショー、煽り運転をしかける心ない野郎ども、金に心を乗っ取られたディートレーダー、広場恐怖症のピアニスト、社交不安障害の若者。現代社会が生み出す問題の数々。
とみかず
2023/10/05 12:19

夢追人さん。ナイスありがとうございます。注射のどこに興奮するのか知りたくなりました、、、

夢追人009
2023/10/05 12:41

とみかずさん、この作品を読んで伊良部の真似をして患者にやたらと太い注射を打ちまくる医者が現れませんようにと祈りますね~!

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
柚月裕子さんの3冊目で佐方貞人の検察官時代の活躍を描いた全5編の連作短編集。本書は2012年の山本周五郎賞にノミネートされましたが惜しくも受賞はならずで、その年は原田マハさんが受賞されたのですね。本書の構成は主人公が佐方ではなく脇役として描かれ人間性が浮き彫りになるのが特徴的ですね。個々の事件に対して甘く安易に考えず決して手を抜かずに丁寧に検証していき全てに納得がいくまでとことん調べ尽くす何一つ見逃さない徹底的に公正無私の姿勢と態度で佐方は絶対的に信頼できますね。読み所はミステリーよりも人情味でしょうね。
Norikazu  Ando
2023/11/02 17:32

大藪晴彦賞獲った作品で、このあと孤狼の血を描くんですが、とても女性が書いたとは思えない内容ですよね。

夢追人009
2023/11/02 18:46

Norikazu Andoさん、ありがとうございます。著者が本書で大藪晴彦賞を受賞されていた事は知りませんでした。調べましたら角川書店ではきちんと書かれているのに宝島社の文庫にはその事は不親切に全く書いてありませんでしたね。柚月さんは本当に男前な小説を書かれる方みたいですね。「孤狼の血」もいつか読みますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
岡本綺堂さんの怪談噺の8編目は江戸時代の本格的な怪異譚です。江戸時代から子供達の間で影踏み遊びが流行し日清戦争の頃まで続いたという。九月十二日の宵に近江屋の十七歳の娘おせきが親戚の用事からの帰り道を歩いていると、大勢の子供達が寄って来て、おせきの影を何度も踏んで逃げて行った。おせきは帰ると父母に影を踏まれたと話し縁起が悪く三年後に死ぬなどと言われていたので酷く怖がった。そんなもの迷信だと叱られたが、おせきは段々と外へ出るのを怖がるようになった。両親が近所で評判の行者に相談すると、一本のろうそくを渡された。
夢追人009
2023/09/29 09:21

このろうそくに夜火を灯して、おせきの影を障子に映して狐か鬼が映るかを見て確かめるようにと言う。だが幸い普通に人の影だったので行者に言いに行くと、わしにもわからんと言い、ろうそくをもう一本くれて百日後にもう一度やれと言う。長い陽が過ぎて迎えたのは、去年おせきが影を踏まれた同じ日の九月十二日で十三夜の前日だった。そして今度は障子に骸骨の影が映ったのだ。行者に結果を報せると、またわしには理由がわからんというばかりだった。翌日おせきの許婚者の男が十三夜の美しい月を見て彼女を外へと誘って映すと骸骨の影が見え逃げる。

夢追人009
2023/09/29 09:21

男が娘の両親を連れて引き返すと、おせきが侍に斬り殺されて地面に倒れていたのだという。彼女は怪物と間違われて無惨に殺されてしまいましたが、最初からこうなる運命だったのでしょうか。誠に不気味な話でしたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの104編目は本当に短い昔の言葉の話ですよ。武ちゃんがお祖母さんから「つづれさせ」が、リーリーと鳴く普通のこおろぎの呼び名であると教わる話です。うーん、この言葉は本当に昔から俳句の季語になっている程に有名ですので今では死語と言ってもいいでしょうけれど日本では未来永劫に残る言葉でしょうね。全然関係ないですが私は昔、興梠さんという女性の方を知っていましたよ。つづれさせと聞いて何となく同じ五文字で似ている言葉の美人局を連想してしまったのは不謹慎でいけない事ですね。失礼しました。どうもごめんなさいね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
岡本かの子さんのブラック・ユーモアの傑作短編ですね。映画館に駆け込んできたご婦人が案内係の少女達に向って「夫が若い恋人と一緒にここへ来ているのを知りました。家では子供が急病で苦しんでいます。子供をかかりつけの医者に頼んでおいて私は夫を連れに飛んできましたので、どうか早く夫を呼び出してください」と言いました。私たちの名誉の為に名前は出さないでくださいと言われた少女は悩んだ末にじうアナウンスしいました。「恋人を連れた男の方、あなたの本当の奥様が迎えにいらっしゃいました。お子様が急病だそうです、至急正面玄関へ」
夢追人009
2023/09/29 06:49

すると数十名の紳士達が正面玄関に集まったので呆れてしまった少女達は世の中の奥様方の事を考えて実に気の毒にと思いました。うーん、こんな事が実際にあったとしたら情けないですねえ。まあこれは著者が多少オーバーに書いて当時の既婚男性に恥を知りなさいと反省を促されたのでしょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
岡本綺堂さんの怪談噺の7編目は江戸時代の妖怪と幽霊話ですよ。安政の頃にある武士が赤坂へ用に行った帰りに葵坂でどしゃ降りの大雨に遭う。そこは葵坂のドンドンと呼ばれ有名だった。前を見ると十三四歳ぐらいの小僧が傘も差さず下駄も履かずに裸足で歩いていたのでオイと声をかけたが答えずに無視して進む。何度も声をかけて追うと何と尻に金銀の大きな眼があって睨んできた。この妖怪めが!と川に落とすとカカカと笑って姿を消したという。それより前にもこの付近で怪しい影を見たという目撃者が多く或る者が小舟を出して川の底をさらってみた。
夢追人009
2023/09/28 22:00

すると手足を縛られた土座衛門が出てきた。それで怪しい影は死者の幽霊ではないかと噂されたという。まあこれが現代ならヤクザさんの常套手段と言われるでしょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
新川帆立さんの第6作、競争の番人の第2弾、九州事業所編です。今回は九州の呉服業界を舞台にヤクザの組も登場する危ない話ですね。ヒロインの白熊楓は公正取引員会の九州の地方事務所に移動してイヤな上司から「本局から来たエリートの癖に」と厳しい言葉を浴びせられ慣れぬ環境に苦しみ辛い日々を送るのですね。前任者の女性達が次々に辞めていくという厳しさの中で白熊は懸命に耐えて得意の空手で活路を見出す場面も2つあり楽しめます。また古巣ダイロクチームの小勝負たちとの合同捜査となりカルテルを巡る経済ミステリの面白さも健在でした。
夢追人009
2023/09/28 10:22

今回は新キャラの内偵の王子・常盤との関係性が焦点で、敵とのアクションシーンが前作より少な目だったのはやや残念でしたね。そうですね、今作で思ったのは白熊は頭脳よりも行動の人で推理能力は完全に小勝負が秀でているという点と、作者の新川さんは真剣に恋愛小説を書く気がなく苦手なんだなと確信した事ですね。まあいろいろあって白熊の本局への復帰が一番おめでたい事でしたね。ところで本書が出てから早1年ですし剣持麗子シリーズも同様ですので来年2024年にはぜひともこの人気シリーズ2本が再開しますようにと心よりお祈りしますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
野村胡堂さんの10編目は奇談クラブ6作目の江戸時代の恋愛小説ですよ。徳川将軍家斉の五十幾人の娘の一人で艶やかな美女の京姫が女御殿の庭で大勢の腰元たちと盲鬼をして遊び目隠しをして進み手を握った相手は何と屋敷に迷って侵入した青侍のイケメン男でした。彼は男子禁制の女人の館に入った罰に腰元達になぶり者にされて追い払われました。だがこの男・貧乏侍の金之助はふぬけのようになり京姫の顔を思い出したいと近くで評判の怪しい修験者に通い麻薬を高額で買っては夜毎甘美な夢を見ました。彼は麻薬を求め修験者に通い遂に失職してしまう。
夢追人009
2023/09/28 09:28

やがて京姫は鳥取に嫁がねばならなくなった前日に庭に瘦せ衰えた金之助が来て再会する。京姫は鳥取へ嫁ぐのが嫌でたまらなく思っていたので再会を喜ぶ。そして京姫は鳥取に一旦は嫁ぐが、その後に金之助と駆け落ちする。だが金之助は結局は捕えられて殺され、京姫もまた罰として化け物屋敷に住まわされ暗く淋しい生涯を送ったという事ですよ。まあ今回は歴史の暗部の悲しい恋物語でしたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの103編目は先入観は危険だと実感する話ですよ。ある病気に長年苦しむご婦人がいましたが彼女は手術するのを恐れて頑なに拒んでいました。けれど人伝にT町のM病院のお医者さんは腕が素晴らしいと聞いてから漸く手術をする決心がつきました。家から1日かけて病院に着くと何と院長先生は旅行中で不在との事で代診しますかと聞かれると断って帰ってきました。ところが後で聞いた話によると病院では院長先生よりも代診の先生の方が腕が確かなのだという事で婦人は「世の中のことって、みんなこうしたものね」と嘆息して落胆しました。
夢追人009
2023/09/28 08:01

そして自分の愚かしさを悟ったのでした。まあ思い込みや先入観はいけませんが、人間はそんなに完璧にはいかない生き物ですから沢山の経験を積み重ねて学んでいくべきでしょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
平成のエラリー・クイーン、青崎有吾さんのデビュー作で鮎川哲也賞受賞作の傑作ミステリーですね。本書の架空の英米版タイトルに著者が選んだのは「黒い傘の謎」なのですね。まあまさに名探偵エラリー・クイーンの名推理を思い出させる緻密な論理の積み重ねによる完璧なミステリーで大満足でしたね。犯人は密室的な状況下の体育館から如何にして脱出したのか?容疑者が22人に読者への挑戦状も付いて至れり尽くせりでしたが私は完全にしてやられましたね。大胆な脱出トリックが素晴らしく脱帽しましたね。探偵は学校に内緒で住む高校生の裏染天馬。
夢追人009
2023/09/27 22:43

アニメオタクで生徒達から探偵料金を取って全額をアニメのお宝グッズに注ぎ込む最低の守銭奴野郎ですが推理の腕は確かで好感度は期待できないながらも事件を必ずや解決してくれる信頼感は抜群ですね。そして人から何と言われようが全く気にしないふてぶてしい金が全ての男に見えながらも実は隠れた正義感の持ち主という清濁併せ吞む神秘的な面と魅力を残す不思議な性格のキャラですので今後の活躍に大いに期待したいですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
稲川淳二さんの名作怪談をマンガ化した11人の漫画家による作品集で2003年刊行の全260頁で当時の定価が税込み350円でしたよ。まあ全部書くのは大変なので特に私が気に入った作品を紹介しますね。『うなぎ』作画/ゴブリン:漁業の町の港で漁師が二人海に落ちたらしいと大騒ぎになった。学校帰りの少年二人が海をふと見ると死体が二体浮いていて顔の目や口からウナギが何匹も突き出ていたという。少年は大人になるとウナギが食べられなくなった。もうこれはマンガのおぞましさ・気色悪さがすべてですよ。『雨の日には」作画/二ツ木哲郎:
夢追人009
2023/09/27 21:47

彼がジッと見ていると、その女がゆっくりこちらを、こちらを向いた。車が壊れているその方向のそっち半分、右半分の顔が崩れてない。うわああああああ!そのまんま彼転がるように車から落ちて、油汗かいて大急ぎで走って事務所に帰ってきたそうですよ。稲川さん、警察から来る車でたまーにこういうのがありますよ。雨の日には特にねえ仕事したくないし、夜もあんまりしたくないんだ。わかるでしょう、なぜか。でもね稲川さん、匂いだけはねえ、風に乗って来るんだよね。さすがにそこのフォークリフト借りる時いい気持ちはしなかったですねえ、ええ。

夢追人009
2023/09/27 23:31

すみませんね、コメント1は×右側→〇左側でした。誠にごめんなさいね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
直木賞作家の小川哲さんが独特のこだわりを持つ自身の内面と人間性を徹底的に描いた私小説の6編の連作短編集です。私は著者の作品を読むのは初めてですので手探りではありますが本書は本領のSF小説とは全く違うタイプの重くない軽味のある自由な小説集ですね。本書には安易に妥協しない一度気になったら些細な事にも真剣にのめり込んでいく小川さんの独特な性格が描かれていると思います。まあ恋愛は苦手なようにお見受けしますね。本書の中では、3・4・5の現代社会に生息するインチキな人々の生態を暴いた物語が特に強く心に刺さりましたね。
とみかず
2023/12/11 07:42

ナイスありがとうございます。

クリママ
2023/12/11 23:55

読みました! 夢追人009さんのおっしゃられるように「軽いけれど心を抉る作品集」でとても印象深く、楽しむことができました。ご紹介、ありがとうございました。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
昭和15年、英語教師の麻田は喘息持ちで日本の植民地のサイパン島の南陽庁・庶務係として働く事となるが実は日本海軍のスパイとして上官・黒田の犬となって本国に残してきた妻と息子の為に不慣れで困難な任務に立ち向かうのだった。スパイ疑惑をかけられた人々の死にまつわる謎に挑む麻田は必死であらゆるテクニックを駆使し人間の複雑な心理を読み解いていきます。第三章までの麻田の名探偵のようなプロ顔負けの推理の活躍も素晴らしいですが何と言っても本書の白眉は第四章「花」で日米開戦と共に黒田が行方を絶ち後任者が麻田を拘束するのです。
夢追人009
2023/09/27 09:02

麻田が絶体絶命のピンチから逃亡を図り苦難の道を経て汚名を晴らして生き残る活躍には読んでいて魂を揺さぶられるような感動を覚えましたね。そして最期の「終章」では日本で空襲を生き延びた息子の良一がサイパン人女性から父の運命を知らされる場面に心が震え乱れて涙が溢れて仕方ありませんでしたね。戦時下の厳しい時代に人として生きる為に必死の努力をした男の人生を描く感動の一冊をより多くの方にぜひ読んで頂きたいと思いますね。#NetGalleyJP

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
野村胡堂さんの9編目は奇談クラブの第5話の奇妙な男女のラブストーリーですよ。若い作家の東野南次(とうのなんじ)は原稿が売れなくて困り果て本職とは別に代作業をしようと考え友人にビルの5階の事務所を貸してもらって広告を出すが誰も客が来ない。一月程が過ぎてもうダメかと諦めていると一人の若く美しい女性が訪れ恋文を書いて欲しいと依頼し即興で書き上げると百円を出して持って帰ります。東野は喜び彼女の事ばかり考えていますと一週間後に娘が再び来て手紙の代作を依頼します。これが十回続いた時東野は彼女を尾行しようと考えました。
夢追人009
2023/09/27 07:52

だがドアを開けると外によた者風の半沢と名乗る兄ちゃんがいて、彼女・幽里子の手紙の宛て先を教えてくれと頼みます。私は知らないのだと断ると一万円と指輪まで出して来ますが東野はきっぱりと断って帰らします。だが今度は幽里子がパタリと来なくなり東野は無為を埋めようと彼女への手紙を毎日一通ずつ書いてニ十通になった時に彼女が現れますが何と胸の下にナイフを刺されており足下に倒れ込みます。東野はビルの外科医院に運び込むと幸いに一命を取り留め、警察に半沢の名前を告げて手配すると首尾よく逮捕されます。幽里子は順調に回復します。

夢追人009
2023/09/27 07:53

東野は喜びながらも退院すれば永遠の別れだと思うと悲しくなり彼女を殺そうかと考えてしまいますが病室に彼女の母親が入って来たので断念します。東野は絶望しビルの屋上に上がり飛び降りようかと思って下を見下ろしていると、彼女の母親の礼子が来て見せられたのは自分が書いた手紙の束で宛名は全て東野南次になっていました。娘はあなたのファンでご本は全部持っておりますと教えられた東野が下に降りようとすると幽里子がいて二人は固く抱き合い後に相思相愛でめでたく結婚したのです。随分と回り道でしたがハッピーエンドで誠に良かったですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
新美南吉さんの70編目は永遠に読み継がれる素晴らしい名作ですよ。東一君は友達とかくれんぼをしていて倉から古いランプを見つけて、おじいさんに見せると強く叱られた。その晩おじいさんは叱らずに話をしてくれた。孤児の巳之助は村でいろんな仕事をして暮らしていた。ある日、人力車を引く仕事を任され大野の町へ行くと夜の家々にランプが灯るのを見て魅せられランプ屋の主人に無理を言って商売するからと安く売ってもらった。村に帰って人々に勧めると便利だと認められ買ってもらい彼はランプ屋になった。やがて嫁をもらって子供が二人できた。
夢追人009
2023/09/27 05:23

巳之助は大野の町で電信柱を見て電気が来ることを知り自分の村にも電気が来たらランプが売れなくなるからと考えて電気を憎む。彼は血迷って人家に放火しようとするが直前で思い留まって自分の愚かさに気づく。彼は家にあった50個のランプを出してきて森の木に吊るし石をぶつけて割ってしまう。そして彼はランプ屋を辞めて本屋になった。東一の見つけたランプは家に残る唯一のランプでした。東一は「おじいさんはえらかったんだね」と言って懐かしむように古いランプを見つめました。とてもいい話ですね。巳之助さんは本当に立派で偉かったですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
岡本綺堂さんの怪談噺の6編目は少し変わった趣向の奇譚ですよ。江戸の子供役者の一座が甲州の田舎町へ芝居しに行くと大人気でした。中でも十六歳の女形の六三郎は女達にご贔屓にされ同じ江戸の出のお初という女と仲良くなりました。だがこの女は土地のヤクザの大親分の妾でしたので旅の一座はヤクザとの凶事を恐れて六三郎にお初と手を切れと言い聞かせました。ある日、六三郎がお初の家に近づき様子をうかがうと若い者がお初を家から連れ出しました。その夜、ヤクザ者が来て強引に六三郎を親分の家に連れて行きました。親分は酒を飲めと勧めます。
夢追人009
2023/09/26 22:40

やがて別の部屋で女が倒れている姿を見せて「この女を知っているか?」と聞きます。六三郎はお初だと気付きましたが、まだ子供で臆病だったので「知りません」と嘘をつきました。それから彼は宿に帰されましたが、翌日の芝居の途中で倒れてしまいます。彼は病気が長引いて次の町へ行く途中で江戸へと帰されますが、家でも体が弱っていって遂に息を引き取ってしまうのです。だが実はお初は生きていたのです。ヤクザの親分はお初と話をして少年の真意を試す為にお初に死んだふりをさせたのです。少年の意気地のない答にお初は腹を立てて見限りました。

夢追人009
2023/09/26 22:41

お初は親分とヨリを戻しまして、その後も長生きしたそうですよ。まあ病に倒れて最期まで回復しなかったのはお初の生霊の祟りだも考えられますが、まだ十六歳の若すぎる死はあまりにも可哀想すぎますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
野村胡堂さんの8編目は奇談クラブの第4話の時代劇ですよ。二十代の青年武士、秋月と妻木の二人が19歳の絶世の美女・お綾を巡って刀を抜き決闘をしていますと親友の男が来て二人を止めます。彼が言うにはお綾は本日、大金持ちの62歳の旗本の男に嫁いだというのです。二人は絶望し腑抜けと化して暮らしました。暫く後に秋月が妻木の家を訪れ、望みの夢を見られる枕を譲ろうと言い代わりに先祖代々の名刀を求めました。二人の交渉は成立し、妻木は毎夜お綾と夢で会い、一方の秋月は田沼意次に名刀を献上した事がきっかけでどんどん出世しました。
夢追人009
2023/09/26 21:19

だが妻木は無気力な仕事ぶりの為に浪人に落ちぶれ、同じく秋月も田沼意次の没落と共に落ちぶれて乞食同然の身の上になる。十年後に顔を合わせた二人は、お綾も容色が衰え旗本に離縁されて今は橋の上で煎餅を売っていると話し、これから二人共に百姓をやろうかと相談します。枕は秋月が一度だけ試してから後は行方不明となりました。まあこういう怪しいものをあてにせずに人間は堅実に真面目に一生懸命働かなければいけませんね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の102編目はまるで夢のようなメルヘンですよ。独り者の幸作は正月にも誰も話し相手がなく寝ていますと雪の降る中で「小判の両替」という子供の声が聴こえてきました。どこの家も買わないと見えて子供が一軒毎に訪ねて来た時に幸作は可哀想だと思って一包み買ってあげました。それは、おせんべいで出来た小判で戸棚にしまって寝ました。彼は夢を見まして夢の中で小判が本物に変わって金持ちになっていました。幸作は起きて戸棚から小判を出すとズッシリと重くなっており検めると何と全て本物でした。彼は欲が出て後悔しました。
夢追人009
2023/09/26 18:47

そこで外へ出て子供を探すと村の家の前で倒れて寝ているのを見つけて手持ちの小判の全部を買ってやりました。幸作は喜んで家に帰って戸棚から先の小判を出して見ると何という事でしょう、全て元のおせんべいに戻っていたのでした。あーあ、欲を出さずに最初の奇跡で満足していれば良かったのに神さまが罰をお与えになったのでしょうか、何とも残酷な結末でしたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
スウェーデン人の作家と日本人のイラストレーターがコラボレーションした1~10の数の絵本です。この絵本はとにかく背景色が色鮮やかでカラフルで見ているだけで心が晴れやかでとてもハッピーな気分になりますよ。まあ実際食べるのか不明ですが、ヌードルたべるプードルは完璧に韻を踏んで全く別々の言葉が見事にマッチしていますよね。すこし残念なのは韻を踏む似た言葉の組み合わせが残り2つしかない事ですね。リャマとパジャマ。そしてプラムとドラムですね。まあこういうのを考えて見つけるだけでも考えるよりも実際は大変なものなのですね。
夢追人009
2023/09/25 23:10

 #NetGalleyJP この絵本の発売日は10月25日です。まだ速すぎますが、ごめんなさいね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
新美南吉さんの69編目は寒い冬の日に読むと心が温まりそうな短い詩ですよ。ひなたよ、ひなたよ、まるいけむりよ。ひなたよ、ひなたよ、まるで兎(うさぎ)よ。ひなたよ、ひさたよ、赤児(やや)をおろすよ。ひなたよ、ひなたよ、みんなぬくいよ。ひなたと言えば、ひなたぼっこという言葉が思い浮かんでイメージだけで体がポカポカと温もりそうな気分になりますよね。これを読んだ小坂明子さんが名曲を作られましたよ。ごめんなさいね、それは真っ赤な嘘ですよ。一字違いで大違いの歌の名は「あなた」でしたね。「ひなた」は冬に読みたい詩ですね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
野村胡堂さんの7編目は奇談クラブ・シリーズの鍵です。本作は一応、密室ミステリーですが単純その物のトリックでズブの素人でも誰でもすぐにわかる種なのですね。著者の良さはドラマチックなメロドラマのストーリーにありますので古き良き時代のお話を楽しめますよ。流行歌の人気作曲家・小杉の妻の優れたピアニスト・由紀子が心臓麻痺で急死する。夫は熱海へ仕事に出かけて帰ると密室状態の自室で愛人の映画女優・夢子が心臓をペーパーナイフで刺されて殺されていたのだった。鍵は夫の持つ物と室内にスペアが一つ残されていて完全な密室であった。
夢追人009
2023/09/25 22:04

事件は迷宮入りとなり、それから半年後に北海道から由紀子と容貌がそっくりのの双子の妹の寿美子が義兄を訪ねて来たのだった。まあ、ここまでにしておきますが、古き良き時代の昭和の探偵小説としてとても面白く読めましたよ。まあ犯人やトリックにこだわらずに魅惑の物語を読んで焦らずに鵜ゆったりした気分で存分に楽しんでくださいね。

夢追人009
2023/09/27 05:45

最終行の鵜の字は誤入力で余分でした。ごめんなさいね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
坂口安吾さんの10編目は東大の神経科に入院中に先生の許しを得て後楽園球場に出かけられた二週間の職業野球見物エッセイです。最初の内はファールボールが当たるんじゃないかと気になって仕方なく苦しまれたそうです。日本は風の国だから強風が吹くとすぐに審判がタイムをかけて試合が中断したとの事で夜はまだましですので夜間野球ナイターを提案されていますね。それから夕方四時頃になると直射日光が三塁、左翼に当たってポロポロとエラーがよく出るので選手に色メガネの装着を勧められています。また走る度に選手のシャッポが脱げるのですね。
夢追人009
2023/09/25 21:08

これにはアゴヒモを付けるのがよかろうと提案されていますよ。作中に現役の川上選手の名前が出てきましたね。そして二週間の内でエキサイトしたゲームはなく、甲子園の中等野球の方が楽しめると述べられています。作者は最も野球を愛した文学者であり、野球に対する確かな目を持っておられるようにお見受けしますね。昔のプロ野球はレベルが低かったようですが、著者の生前にタイムマシンで現代に連れて来てやって大谷選手の特大HRを見せてあげたかったですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
大雨の降る難儀な日に子供が傘を広げて外に出ます。真っ赤な色の大きな傘は陽気な目・鼻・口でニッコリと笑っています。誰でも人も動物も分け隔てなく困っていれば助けてあげるのです。次から次へと「どうか私も中へ入れてくださいな」と駆け寄って来る人々。けれど大きい傘は決して拒みませんよ。持ち手は変わらないけれど傘がどんどん大きくなって今現在は20人は入っていますが例え百人来ても大丈夫でしょう。そして雨の一滴たりとも中に入る事なく体を濡らす事もなさそうなこんな魔法のような傘を私も欲しいですね。#NetGalleyJP
宵待草
2023/09/25 06:44

夢追人さん おはようございます。 絵本が大好きなので、素敵なレビューを嬉しく拝読しました。🍀 何時も『今日は何の日!&星占い』の掲載も、有り難うございます!🙋 今日も穏やかな、良きひと日で在ります様に!✨ 宵待草

夢追人009
2023/09/25 07:06

宵待草さん、おはようございます。ありがとうございますね。シンプルな絵本はいいですね。段々と冷えてきましたので風邪をひかないように今日も健やかで元気にお過ごしくださいね!

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
新美南吉さんの68編目は深夜だけれど心躍る陽気な詩ですよ。月が角笛、夜ふけにふいた。ぼうぼうぼうよ、ぼうぼうぼうよ。犬が野原を、めぐつてないた。ぎりり、時計のねぢをばまいて、牧師が階段、ことことおりた。月が角笛、とほくにふいた。ぼうぼうぼうよ、ぼうぼうぼうよ。牛があくびを、あわわとやつた。からら、シャーレの窓をばしめて、ああ、ああ、遠いと乳屋がいつた。真夜中の話にしてはご陽気な雰囲気の詩ですね。意味とか解釈を全て理解したとは言えませんが、ぼうぼうぼうよ、ぼうぼうぼうよ。が大好きで永遠に聞いていたいですね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの101編目は家庭の古道具の話です。家庭に伝わる古いはさみの死で、小さな英ちゃんの一番上のお姉さんが十歳の頃にお母さんに聞きました。アカギタニタニタニって何?それは、はさみ・包丁・剃刀のとぎ屋さんですよ。これが一家の笑い話になりました。英ちゃんの上のお兄さんは、はさみをあちこちによく忘れましたので外で見つけたお姉さんは赤い紐を付けました。はさみは古く年を取って切れ味は悪くなりましたが今は小さな英ちゃんが学校に上がりお供する事になりました。こうした古くからのものには愛と安心と親しみがあるのです。
夢追人009
2023/09/24 21:28

年寄りのはさみは口を利いたりはしませんが、使う人に対して切れ味が悪くなったことを申し訳なく思っている気持ちが小川さんにより書かれています。昔の人は古くなって劣化したからといってポーイとあっさり捨てたりせずに何十年も大事に使ってものを大切にしたという日本人の古き良き時代の美徳でしょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
野村胡堂さんの6編目はドラマチックなクライマックスと驚愕の怪談劇ですよ。女房は三人、関係あった女は何十百人という江島屋宗三郎は女にうんざりしてしまった。ある夜、雪が降り止み窓を開けると一面の白銀の世界に真っ白な美女が、ふんわりと立っていた。宗三郎が寒いから部屋に入ったらどうじゃと呼びかけても反応がなく、二十八歳の健康な彼は我慢できず庭に下駄で出て女を抱きしめた。女は素直に抱かれ、宗三郎に初めて顔の右半面を見せた。「あっ」それは赤く焼け爛れた見る目も恐ろしい顔だった。「あ、お絹」彼はすぐさま飛び退きました。
夢追人009
2023/09/23 20:58

彼女は彼の二度目の女房で、三年前の大火事の時に危うく死にかけた宗三郎を助けて自分は大火傷を受け、その醜い大火傷の故に宗三郎に捨てられて、大川に身を投げて死んだはずだった。翌る朝、宗三郎は庭の池の中から溺死体となって発見された。実はお絹には姉によく似たお仙という妹がいて姉を変死させた宗三郎を強く怨んでいたのだった。火傷の跡などは絵の具と膏薬でどうにでも偽装ができたのである。見事な仇討ち、リベンジの大芝居でしたね!

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの100編目は子供向けの怪談ですが怖くはないですよ。良吉は貧しい家に生まれましたが仲のいい同じ年頃の文雄といつも遊んでいたので寂しくはありませんでした。でも不幸がいつのまにか忍び寄り文雄はふとした風邪のせいで死んでしまいました。文雄はお寺の墓地に葬られ、良吉は始終会いに来ては話しかけました。けれど翌年に良吉は家の事情で他の村へ引っ越す事になって文雄のお墓には行けなくなりました。今度の家の隣には金持ちで同じ年頃の力蔵がいて珍しいおもちゃを沢山持っていましたがケチで良吉に貸してはくれませんでした。
夢追人009
2023/09/23 10:10

良吉はオルゴールが大好きでしたが貸してくれないので代わりに手製の笛を作って吹いていました。力蔵は笛を欲しがりあげると少しの間だけ貸してくれました。ある夜、良吉が寝ていると窓から手招く人がいて、それは文雄でした。僕は今星の世界に行っているんだ。これから毎晩ここへ来るから、もう寂しがらなくていいよと言ってくれました。良吉は喜びに涙を流して友の手を取りましたが、その手は氷のように冷たくて顔の色はろうのように透き通っていました。良吉は変わり果てた友の姿が悲しくて、また泣いたのです。良吉君、挫けずにがんばるんだよ!

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
新美南吉さんの67編目は今流行の百合ではないですが珍しい少女小説ですよ。学校の帰りに君子さんはノリ子さんにうちのチューリップの綺麗さを自慢して球根をあげるわと約束しました。けれど翌朝、球根を持って家に行くとお姉さんがノリ子は熱が出て学校に行けないのよと言いました。君子さんは球根を持って帰って庭に埋めました。それから冬が来て春になるまで長い間ノリ子さんは学校に来ませんでした。ある日学校の帰りに君子さんがノリ子さんの家の前を通りかかると声がして庭にパジャマを着たノリ子さんがお姉さんに手を引かれ歩いていました。
夢追人009
2023/09/23 08:35

ノリ子さんが空を見上げて「きれいな夕焼けね」と言うと「本当」と返す姉さんの目に涙が光るのを見て君子さんも何だか泣きたいような気持になりました。君子さんが家に帰ると、ノリ子さんにあげようと思っていたチューリップの蕾が綻びかけていました。ノリ子さんが元気に学校に通うようになれたらチューリップが咲いて春爛漫の喜びの季節になるのでしょうね。まあ私は長かった病気からやっと回復した喜びの涙と明るい未来の訪れを想像しますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
母の葬儀を終えたばかりの大学生のヒロイン・真織(まおり)は突然、神社のような場所で覚醒する。古代日本のような異世界にいきなり放り込まれ、持っていたスマホは常に圏外で電気が無いので充電も不可で役立たずの中で出会った人々にこの世界のルールを教わりながら徐々に順応していくのだった。まあ理由は一切不明ながらも昔の不便な世界で健気に頑張って人々に溶け込んで生きる真織の体当たりの奮闘ぶりが素敵ですね。そして信じられない驚異の能力の数々と彼女の真面目さと優しさに頁を繰る手が止まりませんでした。傑作古代ファンタジーです。
夢追人009
2023/09/23 16:42

はつぱあぱさん、ありがとうございます。ファンタジー小説はストーリーが複雑なので詳しい事が殆ど書けていなくてすみませんが面白い作品ですので楽しんでくださいね!

はつばあば
2023/09/24 07:35

おはようございます♪。(笑)頭の中がファンタジーで😅。楽しませていただきます(^。^)

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
読みながらノンフィクションなのかと勘違いしたドードー鳥と孤独鳥(ソリテア)他の絶滅動物を巡る二人の女性の人生を描いた心惹かれる絶滅種の物語です。大自然の魅力一杯の地域、百々谷(どどだに)にある百々屋敷で父と暮らすヒロインのタマキは同級生のケイナちゃんと土地を探検しながら生き物を愛して自分達を絶滅したドードー鳥と孤独鳥になぞらえる。台風の為に土地を離れ成長して新聞記者となったタマキはアメリカでゲノム研究者となったケイナと再会するのだった。取材で世界各地を巡るヒロインによって現実の絶滅動物達の歴史が学べます。
夢追人009
2023/09/22 18:27

豊富なイラストによりイメージが膨らみ人間の乱獲の為に絶滅してしまった動物達の悲しい運命に心が痛んで仕方ないですね。著者は穏健なタマキと過激なケイナの両極端な二人を通じてドードー鳥の復活する明るい未来を描きたかったのでしょうね。スンナリとは行かず困難にさらされながら諦めずに少しずつ歩んで行く二人の、本書を読んだ科学者達の、そして著者の共通の願いがいつか叶いますようにと応援したいですね。#NetGalleyJP

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
新美南吉さんの66編目は真面目な運命の話ですよ。ある男が故郷から帰る予定の時間をもてあまし自転車に乗ろうと思い立って走る内に坂道で加速がついてしまい咄嗟に転ぼうと考えた為に幸いに軽傷で済んだ。だが帰りの汽車の中で近くの人が、自分の後でお爺さんが坂道を自転車で下って行ってそのまま店に突っ込んで命を落とした事を知って.愕然とする。たった少しの差で生と死を分ける現実とは何だろう。彼は誰かと知識を共有したいと周囲を探すのだった。人生にはこういう事って確かにあるのですね。老若の反射神経の差なのか、誠に幸運でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
夢野久作さんの54編目は著者の「私の犯罪」の秘密の打ち明け話ですよ。1.仕事で東京―福岡間を列車で移動していた時に退屈なので雑記帳に目の前で居眠りをしている中年紳士の顔をスケッチしていて書き終えると紳士が大きな目を開いて私を見てニヤリと笑って言った。「できましたかね」2.私のニッケル側の時計が壊れたので親父に新しいのを買ってくれと言ったら修繕して使えと言われて時計屋を紹介されて行くと番頭がオヤジのプラチナ時計の修繕ができていますと言って出して来たのでもらって九州へ逃げた。すると、すぐに親父から電報が来た。
夢追人009
2023/09/22 08:33

「プラチナ時計、警察問題になり貴様の所為だとわかった。直ちに送り返せ」高額の送をかけて送った。二週間後に親父の名前で金時計が送られてきた。上京すると警察の話は嘘で親父に一パイ食わされた事がわかって金時計を返そうと思ったが考え直して止めた。3.軍の志願兵となった時に私の私物から上等兵の風呂敷に包んだ餅が出てきて仲間と共に上から厳しい取り調べを受けた。餅だけは私の物だと白状したが風呂敷の件だけは最後まで理由が不明であった。4.福岡で新聞記者をしていた時に仕事が遅れて夜中の3時頃になったので主筆の家へと向った。

夢追人009
2023/09/22 08:33

玄関を叩いても起きなかったので揺さぶると隙間ができナイフでこじ開けて中に入り部屋で布団を敷いて寝た。朝、奥さんが起きて私を見て悲鳴を上げて二階に逃げた。それから奥さんの希望により玄関の錠が閂に変わったという。中々に面白いエピソードの数々で、著者は正直で律義な性格の方だなと感心しましたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの99編目は、雀の話ですよ。幸吉はおじいさんに呼び出されて怒られました。植木台の上に上って私の大事にしている、らんの鉢を倒しただろうが、お前しかいないと言われたのです。心当たりがないので否定しましたが、幾ら言っても信じてもらえませんでした。翌朝、屋根の上でスズメがちゅんちゅん鳴いている声を聞きました。それから大分たってから学校の運動場で、かしの木を見上げて投げたボールが沢山引っかかっているなあと思っていると小田くんが木に上り取って来た竹ざおでボールを落として、ついでにスズメの巣も落としました。
夢追人009
2023/09/22 07:31

中には子スズメはいませんでしたが、水ごけが出てきて幸吉は利口なスズメが柔かな水ごけの上に卵を産んで育てたのだと思いました。謎は溶けましたが、幸吉はスズメを憎む気にはなれませんでした。まあ生き物は子育てに必死ですから仕方ないですね。でも幸吉くんは面倒でもおじいさんに理由を話して濡れ衣を晴らさないといけませんね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
新美南吉さんの65編目は大人が泣ける真面目な話ですよ。幼い頃に母が死に、のんだくれの父と「馬」と呼ばれる白痴の兄と共に暮らす鍛冶屋の子・新次は一人で家事をし家を支えていた。新次は父に酒を控えてくれと頼んだが、父は体に良くないとわかっていながら止められなかった。そんなある日、兄が酒を飲むのを見た父は頭に血が昇って兄を殴った。新次は「兄は阿呆なのだから」と言って父を止めた。それから父は酒を飲まなくなった。だが同時に体が弱って仕事もせずに寝込むようになった。やがて新次は酒を買って来ると父に飲んでくれよと言った。
夢追人009
2023/09/21 10:07

父はどうして酒なんか買って来たんだと新次を叱ったが、きらりと涙を光らした。新次は仕事場の柱に顔をすりつけて泣いた、泣いた。うーん、酒を飲むのは体に悪いとわかっているけれど、それでも新次は父が以前のように元気な姿で働いて欲しいと思ったのですね。辛いばかりの人生だけど、またきっと未来には良い事が待っているから今はじっと辛抱して強い気持ちで頑張って欲しいですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の156編目は複雑な中国の怪談で長いですが思いっ切り短くまとめますよ。題名は「きょうだ」と読みますよ。詩作の上手な孔生という男が県令の友人に呼ばれて来たが友人が亡くなってしまい旅費が無くお寺で世話になっていると、ある無人の屋敷から出てきた少年・公子から学問を教えて下さいと頼まれて承知し二人で暮らす事となる。夏の盛りに孔生は胸に腫物が出来て痛み何も食べられなくなった。公子は妹の「きょうだ」を呼び、やって来た十四歳の彼女は複雑な方法で治療し病気を完全に治す。孔生は「きょうだ」に恋をする。
夢追人009
2023/09/21 09:17

だが公子は若すぎるからと止めて親戚の17歳の阿松(おまつ)という美女を紹介したので孔生は喜んで結婚し後には子供も生まれる。やがて空き家の主が帰って来る事になり孔生と公子は一緒に暮らしていけなくなる。公子は夫婦を一瞬にして孔生の故郷の実家へ運び彼は公子が人間ではないと知った。孔生は出世して任地に着くと公子と再会して「きょうだ」が結婚したと聞く。ある日公子が来て天が私達に災いを下そうとしているので助けてくださいと頼み自分が狐だと正体を明かす。孔生は彼の親戚たちを集めた家の門の前に剣を持って立つと強い雷が鳴る。

夢追人009
2023/09/21 09:17

孔生は一度死ぬが狐の家族の力でもう一度生き返る。だが「きょうだ」の夫は同様にして死に皆で慰める。孔生は公子兄弟を家の庭園に置いていつも訪問し友達付き合いをした。彼の息子は美しく成長し、周りのみんなが狐の子だと知っていた。まあ最後はみんな笑顔のハッピーエンドでめでたしめでたしでしたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
米国の一流スポーツ・ジャーナリストによる二刀流メジャーリーガー、大谷翔平選手のメジャーリーグ初年度の活躍を中心に描いたドキュメンタリーノベルですね。まあ彼のピッチャーとバッターの両方で活躍したいという小さな頃からの願いと信念を貫く思いが汲んでもらえて全てを許されてプレーできた幸運が素晴らしいなと思いますね。彼の魅せる野球は素晴らしく世界中の老若男女の誰もが愛されずにはいられないでしょうね。彼はこれまでの野球の価値観を大きく変えてくれましたね。メジャー通算6年間では投の役割が最も厳しく苦労が多かったですね。
夢追人009
2023/09/20 23:27

もしも投手寿命が短く将来に二刀流ができなくなっても打者としてイチロー選手のように息の長い選手として活躍して欲しいなと願っておりますね。本書はベースボールの高い技術面だけでなく彼の野球に取り組むひたむきな姿勢や誰に対しても等しく礼儀正しい人柄の魅力も伝わる内容で本書を読んで心から満足しまして、ますますファンになりましたね。#NetGalleyJP

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの98編目は著者には珍しいごく稀にある残酷で無慈悲な物語ですよ。南の海を航海している海の上で若い二人の船員が口々にボヤイていました。俺も早く船乗りなんか辞めて偶には陸に上がりたいと思ってるよ。飛行機が出来たって俺達の利益にはならないし船が古くなると苦労するばかりだよ。それを聞いていた船長が言った。どこへ行っても飛行機でも陸でも苦労はあるのさ、それならわしは慣れ親しんだ海の上が一番じゃよ。南洋へ行く大金持ちの客が金を出すから真珠島へ行ってくれと頼みました。そこは船乗りは魔の島と呼ばれていました。
夢追人009
2023/09/20 22:24

若い船員は冒険をしようぜと言い船長も一度は行っても良いだろうと応じました。船長は自室で飼っていた青い鳥を鳥かごから出して大空へ逃がしてやりました。真珠島だ!という叫びを聞いた船長は波のうねりが高まるのを見ると、突然危険の警告を発したが、もう間に合わなかった。船は暗礁に衝突して古い船体は壊れ、金持ちも船員も船長もみんな海に沈んでしまいました。月の明るい島で夜に少女が唄をうたい、海に船の破片が漂って青い鳥がとまり、岩に砕ける波だけが自然の怨みを伝えるがごとくでした。うーん、自然の怒りのような恐怖童話でしたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
野村胡堂さんの5編目は幼い少女向けのジュブナイル・ミステリーですよ。発明王の父が肺炎で亡くなったが財産や発明品の設計図が何処を探しても見つからず十三歳の娘は途方に暮れ、その上母親まで姿を消してしまう。家では父の助手が隠された財産を勝手に探し回っていた。娘は親友の天才少女とその理学博士の叔父さんに相談して母から預かった指輪に書かれたメッセージ「向日葵に眼を与えよ」の謎を探る。まあ本作は最初から犯人は歴然ですし大人には呆気なさ過ぎて物足りませんが昔の雰囲気を味わうつもりで読めば、それなりに楽しめるでしょうね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
新美南吉さんの童話の64編目は狐の母子と人間の話ですよ。厳しい寒さの冬になって狐の母が坊やに手袋を買ってやろうと一緒に向いますが怖くなって子狐の片手を人間の手に変身させて人間にはこちらの手を出すのですよと言い聞かせ一人で行かせます。坊やは帽子屋を見つけ入り口の隙間から手を入れて手袋ちょうだいと言いますが、うっかり間違えて狐の手を入れてしまいます。帽子屋の主人は狐だと気付きますがお金が本物だったので子狐の手に子供用の手袋を乗せてあげます。子狐は帰ると人間は怖くなかったよと話しますが母は信じられないのでした。
宵待草
2023/09/20 13:51

夢追人さん こんにちは 新美南吉の『手ぶくろを買いに』をご紹介&レビュー掲載下さり、有り難うございます!💫 私の蔵書は、偕成社:発刊の黒井健の絵です。 『でんでんむしの かなしみ』と共に、時折に読み返す愛読:蔵書絵本です。 何時も有り難うございます。🙋 宵待草

夢追人009
2023/09/20 15:48

宵待草さん、いつもありがとうございます。心温まる名作ですね。冬になって手袋をする度に思い出しそうですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の155編目は中国の奇譚です。実はこの題名を見てこれはヤバイなと心配しておりましたが、読みを調べたら「ちんほうし」とわかってホッとしましたよ。下男を連れた行商人の男が帰り道の架け橋で下は谷底なので慎重に歩いていると前を行く下男が虎に襲われているのを見て慌ててしまい転ぶと谷底へと転落してしまう。気が付くと落葉がクッションとなってケガもなく無事だった事を知る。陽が落ちて暗い道を進むと家があり家人に事情を話すと彼の名を知っており旦那様がお待ちでした、さあどうぞどうぞと奥の方へと案内される。
夢追人009
2023/09/20 09:15

出てきた旦那は、あなたは私の娘と結婚する事が決まっていましたと言って16歳の娘と婚礼の宴会を開く。彼は夢心地になって娘との間に子供が生まれる。だが宴会の席で親戚の無礼な乱暴者と口論になってしまい喧嘩になりかけると父親が来て、あなたは命が危ないから去りなさいと一方的に言い渡し二人の侍女に連れて行かせる。架け橋がある陳宝祠の前にいきなり出ると侍女は二羽のキジになって飛び去る。彼が家に帰ると、おじが待っていて彼の一年ぶりの帰宅を喜んだ。あった事を話すと、お前が十五歳の時に一緒に旅をし一羽の雌のキジを捕まえたな。

夢追人009
2023/09/20 09:16

宿で料理しようとしたのを、お前が可哀そうだと言って逃がしてやった恩返しだろうと言い、乱暴者の男は下男を食った虎だろうと話す。おじが後に亡くなって大金を得た男は陳宝祠の場所へ行き金を出して修繕した。まあ最後はめでたしめでたしの良い話でしたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
野村胡堂さんの4編目は人情時代劇ですよ。按摩がマッサージの途中でお侍の古傷に触れて由来を聞くと、二十年前に仙台で武芸の道場を開いていた時に槍の達人の男と仲違いをして後に引けず果たし合いになり相手を切り殺したが自らも傷を負ったのだと話す。按摩は私も同郷の生まれですと話し、針を打って差し上げましょうと言って侍の同意を得ると、いきない項に針を突き刺して「親の仇じゃ禁断の死針をくらえ」と言う。おのれっ!と侍が叫んで刀で斬りつけたが、実際に斬られたのは侍に仕える妾の女で実は按摩の妹なのだった。侍は死に妹も絶命する。
夢追人009
2023/09/19 20:38

遠山左衛門尉(とおやまさえもんのじょう)が取り調べを行い、「侍は長年の酒毒が回って死んだのじゃ。その方が妹と力を合わせて親の仇を討ったのは殊勝な心掛け、褒めて使わすぞ」と言って按摩を無罪放免にしたのでした。昔の裁判はズボラのようで誠に味のあったものだった。まあ理屈抜きで楽しめる遠山の金さんの心温まる人情が光る痛快な一編でしたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの97編目は珍しい冬の季節のファンタジー童話ですよ。あたり一面が雪におおわれていました。その日は学校が休みでしたので次郎と隣の勇吉は雪だるまを作ろうと話しました。人通りの少ない家の前の畑で二人は一日かけて大きな雪だるまを作り上げると次郎が雪だるまに墨で目と鼻を書き、勇吉は口にハーモニカをさしました。そうすると、だるまがハーモニカを吹いているように見えました。その夜、次郎が寝ていると家の外からハーモニカを吹く音が聞こえたのです。朝になって次郎は勇吉にその話をしましたが全く信じてくれませんでした。
夢追人009
2023/09/19 10:04

その晩もハーモニカの音が聞こえたので次郎は戸口まで出て見のぞいてみました。すると背の高い黒い痩せた男が雪だるまと話していました。その男はどう見ても人間ではなく魔物で目だけが光っており、柿の木の上に飛び上がり悲しい声で叫ぶと長い翼を広げて遠くへと飛んで消えました。もしかすると男の正体はルーマニアから来た吸血鬼のドラキュラ伯爵かも知れませんね。そうなると全く別の話になってしまいますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
泉鏡花さんの3編目は読み難いけれど心がジーンとする人情噺ですよ。買い物帰りのお孝という名の若い女が交番に集まる人だかりの様子を見ていた。小さな子供が迷子になって巡査に質問されながら泣きじゃくっており、暇な子供達の見物人が取り巻いていた。「泣くんじゃない、今におっかさんが迎えにくるからな」と巡査が子供をなだめると漸く泣き止んだ。散歩の飼犬が来て子供をぺろぺろとなめると見物人達は笑う。お孝は可哀想で可哀想で堪らなくなり思わず飛び出すと子供を抱いて「私が探しますから」と言うと足がもつれて転ぶと人々がどっと笑う。
夢追人009
2023/09/18 23:45

まあ、お孝の素性は何もわかりませんが、母性本能がくすぐられたのでしょうね。街の片隅で起きた小さな人情味のある物語に心がほんわかと暖まりましたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
坂口安吾さんの9編目は日本の水泳について書かれたスポーツエッセイですよ。アジア大会に日本の水泳選手が参加しなかった。日本の水泳は勝敗にとらわれすぎてはいないかね。去年アメリカの水泳チームが来た時、万人が何より期待を寄せたレースはマーシャルと古橋の千五百メートルの一騎打ちだった。しかし日本は古橋を二百に回して千五百には出さなかった。その当時は日本のファンのみでなく二人の対決は全世界の水泳ファンの期待だったのに、日本は日米競泳の勝敗にこだわって全世界の期待を裏切ったのだ。アマチュアスポーツは明朗であるべきだ。
夢追人009
2023/09/18 23:04

アジア諸国のレベルが低いならコーチに応じる親切心が欲しいなあ。それがスポーツの正しい在り方で国際的な礼儀でもあろうじゃないか。日本は水の澄んでいる国なんだよ。作者のスポーツを純粋に愛する心とスポーツマンシップの精神を感じさせる素晴らしい好エッセイでしたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
岡本綺堂さんの怪談噺の5編目は信州の山の怪談2編で怪物と書いて「えてもの」と読みますよ。著者の亡父から生前に聞いた話で、信州の山の猟師で五十代の真面目そうな方から聞いたのだと言う。木曽の山奥に仲間3人で鳥撃ちにとり行って夕方に釜を据え枯れ枝を探し夕飯の支度をしていると三羽の鳥が現れたので皆で捕まえようと追って行くと一歩ごとに遠ざかる。さてはこれは山の怪物ではと疑い前方を見ると崖でこのまま進んでいたら危うい所だったと気付いて慄く。また釜の中に大きな顔があり蓋を必死で押さえ暫くしてから見ると消えていたという。
夢追人009
2023/09/18 22:25

もう一つは山を歩いていると商人らしい一行が珍しそうに山を見上げているので、もし何を見ているのですかと聞くと坊さんが大きな荷物を担いでいるのだと言うが、見渡しても何も見えない。さてはこれは怪物の仕業ではないかと追いかけたが全くらちが開かず引き返すと商人の一行がいなくなっていた。結局は坊さんか商人の方か、どちらが怪物なのか見当がつかなかったという。深山に入ると怖いですから皆さんもご用心くださいという話で何か現実にあっても少しもおかしくないなと思えてきますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の154編目は中国の有名な怪談噺で非常に長いですが何とか短くまとめますね。去年、妻を亡くして一人身の男が灯篭祭りの夜に外を歩いていると牡丹灯篭を持った少女と美しい女が二人連れで歩いているのに出会い話しかけると自分の家へと招く。それから毎夜二人が訪ねて来て泊って行く。隣に住む老人が夜になると男が独り言を言うのを聞いて不審に思い覗いて見ると男が骸骨と向き合って話していた。老人は驚いて逃げ帰り翌朝、男に怪異を見た事を教える。男は老人の忠告に従い女から聞いた家のある地方に行き人々に話を聞く。
夢追人009
2023/09/18 21:20

だが誰も女の事を知らず男は帰りにある寺に立ち寄り一服すると部屋に棺が置かれ紙には女の名前が書いてあり側に置いてある藁人形が女中の正体だと知る。彼は家に帰ると隣に泊めてもらい、私は邪鬼に取り憑かれたのだと老人に話す。老人に教えられ偉い法師の家に行くと朱符を二枚もらって玄関と寝台に貼ると以後は女は来なくなる。だがある夜男は友人の家で飲んで帰る道で女に捕まり寺の棺に引っ張り込まれる。老人が彼の不在を不審に思い件の寺に行って探すと男は棺の中で女の屍と抱き合って死んでいた。寺の住職は二人を葬ったが三人の幽霊が出た。

夢追人009
2023/09/18 21:20

それを見た人は重い病気になった。土地の者は法師にお祓いを頼んだが、山に住む道人という老人にお願いしなさい教えられる。皆が山に登って老人に頼むと最初は渋っていたが引き受けて山を下り武士を出現させ三人の邪鬼を連れて来させると取り調べをして三人を地獄へ送り込む。土地の者が老人に礼を言いに山へ行くと無人になっていたので法師に尋ねに行くと彼は口が利けなくなっていた。最後の取り調べの場面は文章が難解すぎて意味がよくわかりませんでしたね。また道人という老人は只者でない怖ろしいお方で絶対にお近づきになりたくありませんね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
新美南吉さんの童話の63編目は笑いのない真面目な子ども心の話ですよ。村の子供達が大勢で夜祭に行って文六ちゃんが新しい下駄を買いに行くと立ち寄ったお婆さんが晩げに新しい下駄をおろすと狐が憑くのだと話します。下駄屋のおばさんがおまじないをしてくれましたが、それから子供達は怖くなって帰り道では文六ちゃんを避けるのです。家に帰ってお母さんと寝ながら狐の話をすると猟師の犬に追われる話になり父ちゃん母ちゃんも狐に憑かれて文六ちゃんを逃がして母ちゃんが、びっこをひいて捕まるよと言うと文六ちゃんは悲しくなり泣き出します。
にいたけ
2023/09/18 18:48

新美南吉はうちの村出身なんですよ。小学校の頃よく読みました。

夢追人009
2023/09/18 18:58

そうでしたか、有名な方が自分の近くの場所で生まれられたなんて凄いですね。きっと永遠に身近に感じられる作家さんなのでしょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの96編目は素朴で情景が目に浮かぶ詩ですよ。あれあれ鳴る、鈴が鳴る。水で鳴る。空で鳴る。雲で鳴る。あれあれ鳴る、鈴が鳴る。路で鳴る。丘で鳴る。森で鳴る。月夜の晩に、白い馬が、銀(しろがね)の鈴を鳴らしてきた。どこから、どこまで鳴らしてゆく。西から、東へ鳴らしてゆく。いつから、いつまで鳴らしてゆく。坊やがおねんねする間。りんりん、りんりん、鳴らしてゆく。とにかくシンプルでいいですねえ。この詩は大正8年(1919年)の作品ですが百年以上経った今でも味わい深く読めるのですから考えたら凄い事ですよね。
夢追人009
2023/09/17 22:08

題名からニャンコの話だとばかり思っていましたが意外にも白馬が出てきて驚きましたね。きっと九割以上の人が猫を連想したと思いますが、小川さんは猫だと平凡で予想通りでつまらないと思われて変えられたのかもしれませんね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の153編目は地獄の世界を描いた中国怪談噺ですよ。無神論者の儒者の男がいて何者も恐れなかった。男の家の近くに住んでいた強欲な富豪が病に倒れて死んだが、三日後に生き返った。富豪の男は「わしの死後に家内の者が仏事をやって沢山の紙銭を焚いたので地獄の者が感心したので送り返してくれたのだよ」と言った。この話を聞いた儒者は今の世の中では役人が賄賂を取って金持ちの罪を軽減しておるが地獄でも同様とみえるという内容の詩を書いた。すると地獄の使いがやって来て彼を無理矢理ひっ捕えて地獄へと連れて行った。
夢追人009
2023/09/17 08:51

彼は王の前へ出され地獄を侮辱した罪の為に刑場へ連れて行かれそうになるが、そこで点に向かって私には罪が無いと叫んだ。これを聞いた地獄の役人は書状を書くことを許した。この書状は長文で意味も不明なので省略します。大王はこの書状を読んで儒者を許し生き返らせた富豪を再び地獄に戻らせる事にしたと話す。儒者が帰る前に地獄を見学したいと言うと許可が得られ罪人達が悲惨な目にあっている光景をこれでもかとばかりに見せられる。気分の悪くなった儒者が家へ帰りたいと望んで許されると欠伸が出て夢から覚める。富豪は昨日確かに死んでいた。

夢追人009
2023/09/17 08:51

地獄の描写は相当にえげつなくて気分が悪くなりますから今回は省略しましたが読まれる方は覚悟を決めた上で残酷描写にくれぐれもご注意くださいね。儒者はこれに懲りて地獄を馬鹿にするような詩を書くのを生涯に渡って慎む事でしょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の95編目は高い木とタカと雷の意味をそんなに深く考えなくてもいい話ですよ。ある夜、高い木は雷が近づいて来ているのを感じて怖がっていました。彼はまだ自分が低い時から雷の怖さをよく知っていたのです。そこへ一羽のタカが来て少し翼を休ませてくださいと頼みました。木は身ぶるいしており、「そんなことはお安い御用ですが、あなたがご無事でありますように」と答えました。タカが木の怯えの理由を聞くと、木は正直に雷が怖いのですと言いました。タカは雷は私の友達だから、こちらへ来ないように話しますよと言いました。
夢追人009
2023/09/16 21:55

雷はタカに説得されて都会の方へ飛んで行き、下界できらきらする景色を見て安心して電信柱の電線に降りると急に停電して真っ暗闇になりましたので雷はどうしたことかとびっくりしてしました。その時、高い木は星晴れの下に、すがすがしく背伸びをしたのであります。まあ仕方ありませんが、雷はどこに行っても厄介者扱いされて常にひとりぼっちで可哀想ですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
泉鏡花さんの2編目は文章が難解で非常に読み難いですがとにかくユーモラスな一編ですよ。牛切りと呼ばれる男が嫁をもらったが容貌が酷い醜女だった。彼が田んぼで水を飲んでいると村の若者が来て女房の事を冷やかすと牛切りが何とも意外な話をする。女房を暗がりで見ると絶世の美女に変身したのだと。だが灯りをつけると元の醜女に戻る。村の若い者が確かめに行くとマジで事実なので驚く。次々に皆で確認に来て連日の大騒ぎとなる。ある夜、暗がりに老人(仙人)が現れ「馬鹿め、お前が不憫なので女の姿を変えてやったのに、何だ、その体たらくは。
夢追人009
2023/09/16 21:11

さらばじゃ」と言って窓から飛び去る。その後、女房は元通りのの醜女に戻ったので。あまりの醜さに我慢がならず、牛キリは田んぼをスタスタと逃げて行った。まあ正確ではないですが、大体こういったストーリーですよ。途中で漢文みたいな文章が入り意味がさっぱり不明で、もう読み飛ばすしかなかったですね。そういう諸々を我慢すると笑えて面白かったですね。題名の鑑定の意味は村人たちが、彼の女房が美女か醜女なのかどちらかを鑑定しに来る所からつけられたのでしょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の152編目は中国の怖くない悲しい夫婦愛の物語ですよ。美しい容貌で多芸多才で詩を作るのに秀でて皆から愛された愛卿(あいけい)と呼ばれる女性に趙という富豪の才子で父を亡くし母と暮らしていたが熱烈に恋をして愛卿を婦人に迎えた。趙に大都から上京して官職につきなさいという書状が来て彼が迷っていると妻が私が母を守りますから行ってらっしゃいと後押しをしてくれた。彼は家族3人で別れの杯を交わして上京したが、意に反し不運にも職が無くなり帰るに帰れなくなった。やがて実家では母が病気になって亡くなった。
夢追人009
2023/09/16 09:05

愛卿は泣きながら母を別の村の墓に葬り、悲しみのあまり体を壊して痩せ細った。そんな彼女の家へ野蛮な盗人が来て強引に体を求めたので少し待たせている間に首を吊って自害する。数年ぶりに趙が故郷の実家へ帰ると荒れ果てており下男の老人から母と妻の死を知らされる。彼は妻の死骸を掘り返し母の墓まで運んで埋葬する。彼は妻にもう一度だけ会いたいと願うと数日後の夜にやって来て私はある人の子供として生まれる予定をあなたに会うまで引き延ばしていましたと話し、夫に最後のお別れを言って立ち去る。趙は妻の言った家に半信半疑で行ってみた。

夢追人009
2023/09/16 09:05

すると妊娠して20か月後に生まれた子がいて生まれてからずっと泣いていたが、趙の顔を見るとすぐに泣き止んで、にっと笑った。趙はその家の親族となって生涯つきあいをまっとうした。いろいろとたくさんの詩が出てきましたが全て割愛しました。趙は本当は別人に生まれ変わるよりも妻が生き返って一緒に暮らしたかったでしょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
青春の光と影を感じさせてくれるタイムリープSF青春恋愛小説の秀作です。いつも三人で行っていた故郷の町での花火大会。当時は高校生だった主人公の瑞希(みずき)は幼馴染みの同級生・夏帆と大学生の兄・千尋と一緒に行く筈だったが直前で意地を張り止めた事で大きな不幸な事件が起きてしまう。川に落ちた夏帆を助けようとした兄・千尋の死とショックで心を病んだ母。後悔を胸に抱えて久々に帰郷した大学生の瑞希は昔高校の先生から聞いたタイムリープの話を思い出し悲しい過去を変えようと決意する。過去界での希望に満ちた物語が良かったです。
夢追人009
2023/09/16 00:02

もう一度過去を生きる事で得られた気付きで主人公も人として大きく成長して行くのですね。残念ながら、詳しいストーリーはこれ以上は書けませんね。この結末には賛否両論あろうかと思いますが、私は大満足でしたよ。心に素直に届く青春ストーリーの一読を、ぜひお奨めしますね!#NetGalleyJP

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
人生を生きて来て職場でアパートで学校で心ない人々に傷つけられ心と身体を崩した3人の若者たちを受け入れてくれた女主人が営むシェアハウスの物語。様々な種類のハーグティーの香りが傷ついた人達の身も心も優しく癒してくれます。人生のやり方は一つとは限らない。親の望む道を忠実に歩む事だけが人生ではない。いろんな人生についての大切な事を教えてもらえる一冊です。優しい女神のような女主人にも娘との間に問題があって親と子の関係性についても貴重な人生の心得が得られます。繊細な性格の方にお奨めですよ。 #NetGalleyJP
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の94編目は非情に残酷な寓話ですよ。夏の晩方の事で一人の青年が崖に腰を下ろして海を眺めていました。昨夜も同じ夢を見た、初めは白鳥が金色に輝く翼で空を飛んでくるように思えて、それは私を迎えに来た船だったのだ。彼はロマンチックな恋や栄達をあれこれ心に思い浮かべました。すると一そうの銀色の小舟が見えて近づいてきました。彼が見守る内に浜辺に人が下りて土の上に何かを置くとすぐ船に戻って去って行ったのです。青年は崖から降りて船が置いていった黒い箱に近づきました。すると白いひげの老人が話しかけました。
夢追人009
2023/09/15 11:18

「若いの、あの箱を拾う勇気があるかの」それを聞いた青年の心に死の概念が思い浮び「俺はまだ死んではいけない、危ないところだった」と言って引き返しました。いつの間にか気づけば老人の姿は消えて、黒い箱だけがポツンと見えます。夜中に目を覚ますと凄まじい嵐で、青年は船が置いていった黒い箱を思い出しました。あの箱の中には何が入っていたろう?朝になり嵐の去った浜辺に行くと、波にさらわれたのか黒い箱は跡形もなく消えていました。その後に青年が人にこの話をしましたが、「君は夢を見たのだ」と言って誰も信じてはくれませんでした。

夢追人009
2023/09/15 11:18

その内に彼の青春も去ってしまったのです。うーん、あの時に彼が勇気を持って黒い箱を開けていたら一体どうなっていたのでしょうね。でも選んだ道は引き返せないのですね。残酷な話ですが、いつまでもくよくよと後悔して悩んだりせずにとにかく前向きに自分の選んだ道が最善なのだと信じて前に進む事が精神衛生上は正しい道だと思いますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
新美南吉さんの62編目は意気揚々として自信満々の少年の心理を描いた話です。小さな村の少年少女達が心待ちにしていた年に一度の学芸会の日が近づいてきた。先生が今年の学芸会は何をやろうかと話すと、皆の意見は対話劇にまとまった。女子の主役はツルで決まりだが男子の主役は貧しいけれど鋭い感受性を持つ杏平と金持ちだが社交性の無い全次郎の二人のどちらかで迷い先生は明日まで答えを保留とした。杏平は自分が選ばれるだろうと確信し心が高揚して肉体がうずうずした。神社で遊んだ少年達が夕方になると誰かが火の見やぐらに登ろうと言った。
夢追人009
2023/09/15 10:24

みんなは途中で怖くなって一人二人と降りていったが。杏平だけは一人でどんどん上へと登って行った。彼は全能感のような物に心も体も支配されて今なら俺は何でもできるのだと思えているのでしょうね。このお話は未完でここでお終いですが、こういう無鉄砲だけど何ものをも恐れない一生の内に誰にでもある若さ・青春っていいなあと思えますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
面白く読ませて頂きまして、ありがとうございました。未来はこんな突拍子もない事も普通にできているかも知れませんね。すみませんが、この話の続きを思いつきましたので手短に書かせて頂きますね。わしは段々とこの娘が気に入ってのう、中々の美人じゃのうと思えてきて久々に胸がときめいたのじゃ。ふと話している内にわしは気づいたのじゃ。えっ、久保?彼女は同じ高校の久保嬢だったのじゃよ。そうだったのか、アバターも、えっ久保じゃのう。この事が過去に伝わって「アバターもえっ久保」→「あばたもえくぼ」ということわざが出来たのじゃよ。
夢追人009
2023/09/15 13:09

Vakiraさん、ありがとうございます。嬢の字を間違えまして、すみませんでした。今後ともよろしくお願いしますね。

Vakira
2023/09/15 22:33

こちらこそ よろしくお願いします🙇

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の151編目は長くて複雑な現代怪談ですが成るべく出来るだけ手短にまとめますよ。雨の降る夜に豆腐屋に近くの邸に住む書生が訪ねて来て絹漉し豆腐を注文した。主人はお届けに上がりますと言ってしまい女房とどちらが行くかで言い合いをしたが結局は女房が行かされた。主人は外を覗くと電信柱に鬼火がぶつかるのを見て震え帰ってきた女房もそれを見たと話す。翌日の朝の四時に昨日の書生が来て主人に屋敷まで来てと頼み応じると家の中に大勢の人がおり伯爵が病に倒れ布団で眠っていた、書生が主人を別の部屋へ連れて行った。
夢追人009
2023/09/15 08:27

だが昼になり伯爵が亡くなった事を知ると主人は青くなった。翌年の春には伯爵の未亡人と運転手が鎌倉の海岸で変死した。豆腐屋の主人はその自分から気が変になった。若くして無惨に殺された書生が3人を殺してリベンジを果たす恐るべき怨念の復讐譚でしたね。

夢追人009
2023/09/15 21:16

コメント2で漢字を間違えました。×自分→〇時分が正解ですよ。誠にごめんなさいね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
新美南吉さんの61編目は友達の話ですよ。久助君は小学五年生で学術優等品行方正のほうびをもらったきたので父親が学校から帰ったら一時間勉強するという決まりを作ってしまった。彼はイヤだったが仕方なしに従い勉強が終わって外に出ても友達がいないので探すのに苦労していた。今日も見つけたのは一人だけ、ほら吹きでオンチの平太郎君だった。久助君は平太郎君と地面に寝転んで狂ったようにふざけていると、相手が本気が冗談なのかわからなくなって来て人間の性格は本当の意味ではわからないのだと気付き悲しくなった。深刻に考え過ぎぬ様にね。
夢追人009
2023/09/14 22:16

でも自分本位でなく相手の事を思い遣って調子の悪そうな時にはお互いさまで助けてあげる優しさと心配りを忘れないように心がけましょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
泉鏡花さんの一編目は魔物の話ですよ。著者は明治時代の作家でとにかく難解な文章ですので出来る事なら現代語訳して欲しい気持ちになりますね。本編は比較的短くて解り易い一編ですね。膝さすり・本叩きの短い話の後に田舎屋で暮らす著者の家で手桶が無くなり結局は家主の婆さんが勝手に持って行ったのだったと笑わせ油断させます。次にある屋敷で庭の花が夜着に入れてあったり傘・下駄・紙入れが無くなったりする悪戯延々とが続いた。他の土地では村の者がムジナを生け捕り寺で殺めると火が出て焼ける。猫の面、犬の胴、狐の尻尾、イタチの大きさ。
るい
2023/09/14 18:50

「本当にさらさら読める!現代語訳版 泉鏡花 [怪異・幻想]傑作選」というのを一部だけ読みました。「天守物語」。現代語訳でないと難しいのですね。😢

夢追人009
2023/09/14 18:52

こんばんは。こちらの方は夜偏に鳥と書くのですね。どっちも実際には存在しないのでしょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
初読み作家の前川ほまれさんは男性の方で本書に描かれる多くの女性たちの心理を繊細に綴られる筆力に感嘆しました。宮城県の港町で暮らす高校生の小羽。航平、凛子の仲良しの3人は家族の大人が病気であるせいで自分が中心になって家庭を支えるヤングケアラーだった。そんな苦しい毎日だったが東京からやって来た女性・青葉さんが三人を励まし助けてくれる。やがて東日本大震災が起きて津波が押し寄せ、全員の人生が激変するのだった。故郷を出て東京の街で懸命に頑張る三人、青葉さんの凄絶な過去の秘密。
タピオカ
2023/09/14 07:22

読んでみたいです。読みたい本に登録させていただきました😊

夢追人009
2023/09/14 07:35

タピオカさん、ありがとうございます。とても良い本だと思いますので、ぜひお読みくださいね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの童話の93編目は、わんぱく坊やと写真屋さんの話ですよ。暑い日に幼い正ちゃんが滑り台で遊んでいると巡回している写真屋さんが来ました。一緒にいたお母さんは小学一年生のお姉さんと正ちゃんの二人を撮ってもらうことにしてお願いしました。写真屋さんが正ちゃんに「口をふさいでね」と言うと、あーんと口を開け「笑ってね」と言うと舌をぺろりと出します。いざ撮ろうとすると滑り台を滑り降ります。お母さんの「この次にしましょうか」の声に写真屋さんは言いました。「さあ、お嬢ちゃん、坊ちゃん、お母さんのお顔をご覧なさい」
夢追人009
2023/09/13 22:02

二人は片時も忘れない優しいお母さんのお顔を素直に見ました。「ぱちり」と音がして「よく、とれました」と写真屋さんは、あいさつをいたしました。わんぱく小僧に手を焼いた写真屋さんでしたが、最後は大人の賢い知恵でもってリベンジの大逆転勝ちですね。お母さんの存在は子供たちにとっては常に尊いのですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
岡本綺堂さんの怪談噺の4編目は明治35年に書かれた江戸時代の怪談ですよ。文久の頃、旗下の家に縁づいて5年、子供もいる女が兄のいる実家に来て夫と離縁したいと言い出す。理由を聞くと夜な夜なずぶ濡れの女の幽霊が枕元に出て子供も住が来たと言って怖がるのだという。それが毎晩続くので家にいたくないからとの事で兄は妹の夫に話をしに行く。屋敷の者は誰も心当たりが無く庭にある池を調べようと向うと八十歳の祖母が来て昔の話を語る。その昔、祖父の腰下にお住という美女がいて祖父が手を付けた為に懐妊した。祖母は怒って激しく嫉妬した。
夢追人009
2023/09/13 21:07

お住を庭先で散々に折檻した。半死反生のお住は池まで這い寄り自ら飛び込み沈んで死んだという。それから今年で五十回忌となり当時の人々は殆どが亡くなり今では祖母だけが覚えているのだと言う。小さな子供が遥かな昔のお住の名前をどうして知っているのかは最後まで謎だった。一同はお住の墓所へ参詣し、懇ろに回向するとお住の幽霊は出なくなり、その後は夫婦円満に暮らしたという。まあ、どうして五十年後に出たのか理由は不明ですが、遥か遠い江戸の昔ならば如何にもありそうな因縁話ですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の150編目は怖さは程々の魚捕りの階段ですよ。七人ほどの村人が大きな川で毒を使った漁「毒流し」をしようと用意をし昼時になって皆で団子を食べていると一人の坊さんが現れて人々に殺生はいかんと説教をする。坊さんは皆と共に団子を食い何度も殺生を戒めて帰っていく。村人達の意見が分かれたが最後には決行しようと決まり結果大量の魚が取れる。広い川で人間ほどもある巨大な岩魚が取れて最後に皆で食べる話になり包丁で腹をさばくと中から団子が3つ程出てきて目にした村人が気を失う。魚が坊主に化けていたのですね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
初読みの新鋭男性SF作家・新馬場新さんが2040年代を舞台に描き深い悲しみに心が引き裂かれる近未来SF百合小説。AIとロボットの発展により人間の職が脅かされる社会で機械打ち壊し運動に踏み切る若者たち。ヒロインの女子大生・千鶴は裕福な家の同級生の女子・悠と出会って彼女に友情以上の感情を抱き始めるのだが幸福な時間は長く続かず二人の行く手には非情で過酷な運命が降りかかるのだった。本書で思うのは、あまりに酷すぎる最低最悪の両親の人間性欠如の仕打ちに呆れ果て反吐が出ましたね。テセウスの船が人の問題になる残酷な未来。
夢追人009
2023/09/12 22:18

絶望の果てに最悪の選択をした千鶴は、この衝撃的な怖ろしい結末を受け入れて永遠の愛に生きられるのか?最後のシーンで読者は石ノ森章太郎さんが名作漫画に込めた真実の意味を突きつけられるでしょう。#NetGalleyJP

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの92編目は少し長くて複雑ですが、良い話ですよ。この頃、毎日二羽の花壇に咲くゆりの花へ黒い蝶がやって来ます。兄の太郎さんが気付き、昆虫採集をしている今日はいない弟の事を考えて、もう来なければいいのにと思いました。翌日は土曜日で弟の二郎さんも早く学校から帰って来て庭を見ていると今日も黒い蝶がひらひらと飛んで来ました。弟は喜んで捕まえようと補虫網を取りに行きました。戻るとお母さんが来て、黒い蝶を捕まえてはなりません、あれは私なのよt言いました。お母さんは子供の頃にお爺さんの家へと遊びに行きました。
夢追人009
2023/09/12 18:56

お母さんの母はお爺さんが花火を作っているので危険だから行かないようにと日頃から言っていたので家に帰ると叱りました。するとお祖母さんが「子供は理屈を言ったってわからない、かわいがる所に行くもんだ」と言ってくれました。お母さんは太郎と二郎にこの話をして「我が家の庭に毎日やって来る黒い蝶を捕まえてはいけませんよ」と教え諭しました。兄弟はお母さんの子供の頃の姿を想像して、愛と光に包まれた世界を懐かしく思いました。そして今も昔も自然には何の違いもないのだと気付き、平和な日の光に満ちた花壇をうれしそうに見つめました。

夢追人009
2023/09/12 18:57

自然界でのびのびと生きる黒い蝶がこれからもずーっと無事でいられる事が何よりも良かったですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
新美南吉さんの童話の60編目は優しさが溢れる動物の話ですよ。タヌキの母親が子供に化け方を教えていましたがあまりにも下手くそで、ガッカリしました。でも下駄だけは上手だったのです。子ダヌキが下駄に化けていると一人のお侍が通りかかって下駄の鼻緒が切れたので丁度いいわいと履きました。侍が歩く度に子ダヌキが苦しさを我慢できずに声を出し母ダヌキが心配そうに見守ります。侍は村に着くと下駄屋で一足買って、子ダヌキが化けた下駄を表に置いて金を添えました。「や、ご苦労だったのう」と侍が言いました。子ダヌキは喜んで帰りました。
夢追人009
2023/09/12 10:23

この子ダヌキは優しいお侍さんに当たって良かったですよねえ。心の優しい南吉さんは決して残酷な話にはしませんから安心して楽しめますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の149編目は怖くない勧善懲悪の良い話ですよ。東北本線の宇都宮の手前にある雀の宮に祭られた雀大明神の宮の由来の話。その村に相撲が好きで餅や饅頭を一呑みするのを自慢する百姓があった。彼の女房が亭主がイヤになり浮気男を作ってアレをどうにかする工夫はないかと相談した。男は針を餅に混ぜて食わしたらどうだと言ったので女房は早速試した。すると針を食わされた亭主は腹を押さえて苦しみだして寝こんだ。亭主が庭を見ていると雀が飛んできて地面に寝転がり苦しむ所へ仲間が来て草をやると雀が食べ針を吐き出した。
夢追人009
2023/09/12 08:48

やがて雀は回復して二羽で飛んで行った。亭主はこれを見てあの草はニラだなと察して女房に刈りに行かせて食べると便所に入って体が治った。彼が親類の老人に相談すると餅を怪しみ調べると中から針が出てきた。悪事がバレた女房は浮気男と共に村から逃げ出した。百姓は恩に思って自分の家の中へ宮を建てて雀大明神と云って雀を祭った。やはり悪い奴は栄えず何時か報いが来て成敗される運命ですね。心がスーッとする気持ちのいい結末でしたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの91編目はシンプルですが素直に良いなと思える詩ですよ。花によう似た姿をば、なんの花かと問われると、すぐには返答に困るけど。ただ微笑みてものいわず、うす青白き夢の世に、いまは幻と浮かぶかな。花にいろいろあるけれど、燃える紅い花でない。冷たい白い花でない。夏はまだ浅く、色淡く、紫陽花の咲くころに、私は姉さん思い出す。うーん、小川さんの会心作だと思いますね。これこそ、さだまさしさんにメロディーをつけて歌って欲しいですね。繊細な詩にふさわしい美しい旋律が心に思い浮かぶようで、本当に大好きな詩ですね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
坂口安吾さんの8編目は真面目な探偵小説論ですよ。推理小説とはパズルである。日本では推理小説は育たず怪奇小説が主流だった。推理作家はマンネリズムに陥らない為に常に新手を生み出さねばならないが、一生涯に無限に生み出されるというものではない。稀にアガサ・クリスティーのような天才がいるが一般の作家はこうは行かない。江戸川乱歩氏は初期の作品は極めて独創的であったが、職業作家として多作を強いられてからは怪奇小説に走らざるを得なくなった。ミステリー作家に勧めたいのは合作でミスを少なく互いにカバーできる利点があるからだ。
夢追人009
2023/09/11 20:53

誠に素晴らしいミステリー分析で著者のミステリー愛が感じられて心打たれましたね。安吾さんが述べられている事は全て正しいと思いますよ。やはり人間ですから作品の量と質の問題にしろ合作の問題にしろ結局はギャラの問題が大きくて、人間はどんどん欲が出てきますからいろいろと難しいのだろうなと思いますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
初読み作家・砂原浩太朗さんのミステリー時代劇の秀作です。町奉行を家職とする草壁家の引退した名判官の祖父・左太夫、突然謎の失踪を遂げた父・藤右衛門、18歳で父に代わって初めて大役を任された息子・総次郎が、父の失踪の理由と複雑怪奇な殺人事件の謎を追う。優秀な父と平凡な子との教育問題・人間関係の難しさという中々に厄介なテーマが本書の根底にあります。事件の影に姿を見せる父・藤右衛門の真意は?ベテランの祖父・左太夫が未経験の孫・総次郎を助けながら意外な真相に迫ります。時代劇特有の濃厚な人情味に見事に騙されましたね。
夢追人009
2023/09/11 18:39

単純に見えて複雑な裏切りの構図の筋立てに完全にしてやられまして新鮮な驚きがありました。刀による戦いの場面も大迫力でしたね。そして口数は少なくとも父と子の心の通い合いにジーンときましたね。本書は実力派の著者によって巧みに練り上げられた時代劇の面白さ・良さが読者に伝わる素晴らしい読み物だと思いますね。私は時代劇小説は苦手ですが今後も少しずつトライして行こうと思いますね。#NetGalleyJP

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
岡本綺堂さんの怪談噺の3編目は江戸時代の奇譚ですよ。安政の大地震の翌年に麻布六本木にある上屋敷で怪異が起こった。まず夏の初めに一匹のカエルが現れ毎晩のように姿を見せて次第に二匹三匹と数が増えていった。草を刈り池を浚うと怪異は止んだが、続いて地震が十日程も続き、続いて石がパラパラと人のいない場所に降り始めた。これは狐狸の仕業とみて鉄砲で脅そうとすると石が飛んできて射手の顔に当たった。いろいろ検討した結果、池袋出身の奉公人を雇うと怪異が起こるという言い伝えのせいではないかとなり調べると一人いたので辞めさせた。
夢追人009
2023/09/11 10:20

すると段々と落ちる石の数が減って終いには完全に終息したという。これは事実で随筆「耳袋」にも記述されているらしい。岡本綺堂さんの作品は明治時代に書かれたとあって少々古めかしくて読み難いですが、じっくり読むと良さが解って面白いなと思いますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
野村胡堂さんの3編目は奇談クラブシリーズの江戸時代の男女の因縁話ですよ。ある大名が、彫り物の名人、笛吹きの明認、小唄踊りの名人の三人の愛臣を持っており、彫り物の名人の六郷左京に自分の描く浮世絵と彫り物で勝負しようと持ちかけます。テーマは八百屋お七で、殿の腰下で三人美女と言われた中から一番年上の十九歳で美しい多与里(たより)をモデルに選びます。だが長期に渡って仕上げた結果は平凡な出来に終わり殿から、もう一度やり直せと命じられる。左京は彫像を打ち壊してヤケ酒を飲み多与里に結果を伝え儂の腕の未熟さ故じゃという,
夢追人009
2023/09/11 09:32

多与里は左京の酒の晩酌をしている内に情から恋をして美しくなる。これが良い結果となり次には鬼気迫る立派な彫像が完成する。殿は喜び左京に多与里との結婚を勧めるが、彼は馬琴の八犬伝に倣って赤い紐を選ぶ縁結びで決めては如何でしょうと提案する。この餡が了承され、左京は老女に手を回して自分の目当ての女・小浪(こなみ)を狙い世話をする老女に金を渡して紐に印を付けるようにと頼む。そして首尾通りに望みの紐を選ぶ。左京は初夜の場に妻となる女を呼んで確かめると何とそれは多与里で懐剣で左京の胸を刺して殺し自らも気が狂ってしまう。

夢追人009
2023/09/11 09:33

という訳で純情な若い女の恋心を燃えさせてイタズラに、もてあそんだ報いを受けてプレイボーイの左京は死んでしまったのですね。今回はミステリーではなく男女の奇妙な色恋の悲劇でしたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の148編目は非常に有名な怪談ですよ。番町の青山主膳の台所で下女のお菊が正月二日の昼の食事後の皿の片付けをしていると野良猫が来て魚の残りをくわえて走ったが、はずみで手にしていた皿が一枚落ちて割れてしまった。部下から報告された主膳は怒り、妻から正月の殺生を止められたが刀を抜きお菊の中指を切り落としてしまう。お菊は空き部屋に閉じ込められたが何時の間にか姿を消し主膳は方々を探させたが見つからなかった。5月になり奥方が男の子を産むと右手の中指が無く悲鳴があがった。古井戸の辺に青い鬼火が出た。
夢追人009
2023/09/11 08:36

女の声が皿の枚数を数えて九枚までくると泣き叫んだ。主膳の家では幽霊を恐れ加持祈祷ををしたが効果が無くお家断絶となって屋敷が取り壊され草原となった。お菊の霊は電通院の了誉上人が解脱させた。皿の一枚ぐらいで責められて誠に昔は大変な時代だったのですね。やがて庶民は皿リーマンになって苦労するのですね。勿論冗談ですよ。上方落語になると、お菊さんが十枚、十一枚とサービスで野次馬達に向けて皿を数えるのですよ。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
新美南吉さんの59編目は唱歌・童謡になっても少しもおかしくない童謡詩ですよ。りんごが三かご、のってる車。ころころいつた。子供が押した。(りんごが一かご、あちらで売れた)りんごが二かご、木箱の車、ころころいつた。子供が押した。(りんごが二かご、こちらで売れた)りんごが一かご、のこつた車、ころころいつた。子供が押した。(りんごが一かご、どこかで売れた)帰りは子供が、のつてる車、ころころいつた。お家の方へ。これで詩はお終いですが、最後の疑問は子供が乗ってる車は誰が押しているのでしょうね?もしかしたら幽霊かもね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの90編目は暗く恐ろしい未完の不気味な詩ですよ。お母、足が痛い。我慢をしろよ。お母、もう歩けない。もう、すこし我慢をしろよ。お母、どこへいくのだい?「・・・・・・・・・・・・」空は真っ暗である。怖ろしい波の轟きが聞こえる。この詩は完全に黒小川さんモードですね。この親子はこの先どこに向うのでしょうかね。もしかしたら地獄だったりしてね。お母、さっきから黙っていないで何か言っておくれよ。もう少しだけ我慢しろよ。真っ黒な旗みたいな風呂敷みたいな海が私達を呼んでいるんだよ。えーっ恐いよー!もう手遅れさ。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
新美南吉さんの58編目はとても勢いの良い詩の世界ですよ。どらん、どらん、どらん、どらが鳴る。よふけの部落のひろっぱで。どらん、どらん、どらん、まどがあく。あつちこつちで音がする。どらん、どらん、どらん、かけてくる。ブーメラングや毒鎗(どくやり)が。どらん、どらん、どらん、みんな来た。獅子でも出たか。火事なのか。どらん、どらん、どらん、をどるのだ。月だよ、月だよ、月なんだ。どらん、どらん、どらん、輪がをどる。月夜の部落のひろつぱで。この詩も百番ぐらいまで永遠に聞いていたいですね。役者の白粉はドーランですよ。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の147編目は中国の男女の死後の話で全く怖くはないですよ。水莽草は毒草で人間が食べると直ちに死んでしまい幽霊は水莽鬼(すいぼうき)と呼ばれる。この鬼は生まれ変わる事ができないので草を食べて死ぬ者を待っていて入れ替わるのだという。祝(しゅく)という男が同じ干支の友人の家へ出かける途中で喉が渇いたので婆さんのいる茶店で美少女に出された美味しい茶を飲んだ。友の家へ着くとそれは水莽鬼だと教えられ祝は死んでしまう。祝の母親が悲しみ泣いていると祝が死後の国で捕まえた美少女・三娘を連れて家に来る。
夢追人009
2023/09/09 07:22

彼は嫁・三娘(さんじょう)と共に母親が亡くなるまで世話をしてつくし鬼が人間に生まれ変わらないように活動して上帝から功績を認められて二人で死後の国へ帰って行く。祝は自分が人間界に生まれ変わる道を捨てて死者のままで他の人の為に頑張って鬼の輪廻を阻止した努力を認められたのでしょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
野村胡堂さんの2編目は昭和21年(1946年)「宝石」誌発表の現代ミステリーですよ。これは読メで殆どの人に読まれていない作品ですね。奇談クラブの会員達の集まる席上で毎回ふしぎな事件が披露されまして特定の名探偵は登場せず一話毎の単発ものですね。ある老人が若い美貌の有名画家を妻に迎え彼女の為に伊豆に屋敷を建てます。だが妻は我が儘女で若いイケメンの歌手を呼ぶ事を夫に了承させます。夫は嫉妬しながら我慢していましたが、或る朝いつも夫人が絵を描く海を見張らすアトリエの欄干が壊れ二人が消えて両人の私物が見つかりました。
夢追人009
2023/09/07 21:54

警察に連絡され海が捜索されましたが死体は見つかりませんでした。東京から帰った夫は妻の死を嘆き悲しんで屋敷を潰してしまい一人で旅立ちました。しかし、この話の語り手が退いた後で新たに二人の証言者が現れて推理し、二転三転の展開の大どんでん返しで意外な真相が暴かれるのです。まあ本作は現代ミステリーの基準からすると物足りないトリックで勘の鋭いマニアの方なら真相に気づかれる事でしょうね。でも些かレトロですがメロドラマの出来はお上手ですし読後の後味も決して悪くはないですから古めかしさは大目に見て一度お読み下さいね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの89編目は予想外の結末に呆然自失する風変わりなメルヘンですよ。ある所に「泣きんぼう」と皆に呼ばれる毎日よく泣く子がありました。お婆さんは孫を愛していて泣き止まそうとしましたがどんなに言ってもダメでした。そして終いには男の人に頼んで広い原っぱへと連れて行ってもらいました。そこでも子供は変わらずに大声で泣きましたので太陽と雲がびっくりし太陽は「ああ可哀そうに、子供を花にしてやれ」と言いました。そこへお婆さんが来て雲は「子供を探しに来たんだよ」と言うと太陽は「あの老婆も花にしてやれ」と言いました。
るい
2023/09/07 10:47

ひまわりにそんな想いを込めるなんて。今、庭に5つ咲いています。感慨深く眺めてしまいました。ひなげしはポピーですね。若干季節が違う・・・。😅これから、ひまわりとポピーを見ると、3回に1回ぐらいは、このお話を思い出しそうです。😊

夢追人009
2023/09/07 11:44

こんにちは。ひまわりとひなげしの花は両方歌になっていますね。花は泣かないから静かでいいですよね。全く関係ないですが、Gも鳴かなくてよかったと思いますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の146編目は少しも怖くない幻想ファンタジー奇譚です。全三章ですが意外にもあっさりして楽に読めますよ。貧乏大学生の男が栃木県の坊温泉場に宿泊して裏庭の林を花を愛でながら歩いていると富豪の屋敷を見つけて少女と奥さんに家の中へ招かれ美酒魚をふるまわれて夢のような時を過ごす。三日目の朝に一旦宿に戻ろうと決めて二人と別れる。宿では主人が心配していたので事情を話し引き返して屋敷を探すが消えてなかったという話。後悔しても時既に遅いのですが学生は夢のようなパラダイスで一生暮らしたかったでしょうね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
岡本綺堂さんの2編目は江戸時代の牛についての奇妙な話ですよ。若い者から干支の話をしてくれとせがまれた老人が語る。正月の酒屋に初荷が届いたが、その日は近くで火事があり火消しの若い衆が威勢よくわっと通りかかると荷物を引いていた二頭の牛が興奮して暴れ出した。一匹はどうにか取り押さえられたが残る一匹は川に飛び込んで泳いだ。そこに芸者を乗せた船が通りかかり牛がぶつかって芸者の姐さんは川に落っこちた。何とか姐さんは無事に助けられ牛も捕まって一件落着した。その4年後の話で芸者の姐さんが盗人に惚れて町を出ようとしていた。
夢追人009
2023/09/06 09:59

だが二人で歩いていると後ろから捕り方が追って来た。この姐さんは急に立ち止まって前に大きな牛がいて睨んでいるので前に進めないと言う。盗人が前方を確かめるが何も見えない。こうしてモタモタする内に二人は捕り方に捕まってしまった。この姐さんはきっと4年前に酷い目に遭わされた牛の幻影を見たのだろうと察せられた。姐さんの干支が牛であれば良かったが、そう都合よくいかず全く違っていたという。前半の大騒ぎでは怪我人や死者が出ましたので大変だったのですが、まあそれでもこれは恐ろしい怪談噺ではなく愉快な笑い話になるでしょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
坂口安吾さんの7編目は現代でも通じるユーモラスなスポーツエッセイですよ。相撲が好きな方の中には放送は聞くが本場所を見たことがないという人が割とおられる。相撲放送の魅力は、立会に無駄な十分間の余裕がある点だと思う。畳の上にひっくり返って本を読みながらでも聞けるのが良い。だが野球の様にのべつまくなく忙しいのは付き合い難い。相撲の放送員の言う事は当たり前で工夫がない。ベルリンのオリンピックの女子平泳ぎで中国の選手が派手な緑色の水着を着て周囲が練習で泳いでいるのに一人だけスタート台に座って水面を眺めていたという。
夢追人009
2023/09/06 12:11

そうですね、昔のプロスポーツは相撲と野球ぐらいだったでしょうね。あんなにのんびりとお気楽に時間をつぶすスポーツは今も昔も相撲だけでしょうね。昔の人はぐうたらでスローなのがお好みだったのでしょうね。

あたびー
2023/09/06 13:48

テレビ放送が始まる前は、時間で立つということすらなくて立ち会いにものすごい時間がかかっていたと聞きました。ゆったりした時間だったのでしょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
新美南吉さんの57編目は如何にも著者らしい心優しい話ですよ。碁が大好きな和尚さんが村の檀家へ法事に呼ばれて午後から碁を打っていると夕暮れになったので、おまんじゅうを包んでもらって帰る事にしました。道々昼間の碁の事を考えながら歩いていると後ろを一匹のやせ犬がついてきました。しっしっと言っても犬は少しも怯まずついてきます。暗くなったので茶店へ寄って団子を買ったついでに提灯を借りました。茶店のお婆さんが狐の話をしましたので、和尚は怯えながら歩きました。やがて犬はいなくなりましたが、気づけば団子が消えていました。
夢追人009
2023/09/05 09:42

やっと寺に着いて小坊主を呼ぶと後ろに犬がいたのでやって来た小坊主に追っ払わせましたが犬が口にくわえていた団子は取り戻しました。和尚は漸く落ち着きましたが、すぐにもう一度提灯を持ちました。わしをつけて来て団子を拾ってくれた犬を寺に泊めてあげようよ(おれが悪いよ)と言って犬を探しに外へ出て行きました。人間を化かす悪い狐ではなく正直な犬にする処が南吉さんの優しい人柄を表している心温まる良い話でしたね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの88編目は子供の野球の話ですよ。正ちゃんは野球が大好きでピッチャーになろうと張り切っていますが、よくボールをなくしました。お母さんにボールを買ってよとねだると三日前に買ったばかりでそう毎日買えませんと怒られました。もう失くさないからと約束するとお母さんはやっとお金をくれて正ちゃんは買ってくるとボールに自分の名前を書きました。正ちゃんが仲間と3人でボール投げで遊んでいると初めての少年が仲間に入れてよと言いました。ところが悪い球を出したのでボールが行方不明になり少年が僕が弁償するよと言いました。
夢追人009
2023/09/05 08:14

正ちゃんは悪い事をしたなと気分が晴れませんでした。でも翌日花子さんと遊んでいるとアリを見つけたのと一緒に失くしたボールが出てきました。少年がどこの家の子か花子さんが知っていて新しいボールを返してもらう事にすると、ようやく気分が晴れてスッキリとしたのでした。まあよくある事ですが安易に失くしたらすぐに買ってもらえるからいいやと考えずにものを大切にする気持ちを忘れずに小さなお子さんにも強く教えて言い聞かせましょうね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
坂口安吾さんの6編目は外来語の是非についてのショート・エッセイですよ。ある新聞にラジオだのアナウンサーだのという外来語を使用するのは怪しからんと論じている人があったが、著者はそれを発明した国の呼称で呼ぶのは当たり前の事だと明確に述べられていますね。また日本はジャパンではないと怒るのもおかしいとも言われています。まあ普通にまっとうな意見で安心しますね。スポーツで言えば野球用語やルールはメジャーリーグを真似しているのも致し方なく逆に柔道の用語は日本オンリーですからね。でも野球だけは少しだけ悔しくはありますね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
新美南吉さんの56編目はカタカナで書かれた優しい童話ですよ。原っぱで沢山のヒツジが遊んでいると一人の腹を空かした盗人が来ました。盗人は一匹だけ皆と離れた仔羊を見つけると「うまそうだ」と言って懐へ入れて森の方へ行きました。盗人は仔羊を懐から出して石ころを振り上げぶち殺そうと思いましたが、殺されるとはちっとも知らずに仔羊が自分の顔を見上げているので、急に可哀想になって石を向うに投げ捨てました。男は仔羊を懐に入れある村でパンを持った百姓を見つけ「おい、パンと仔羊を交換しないか」と持ちかけると相手は同意しました。
夢追人009
2023/09/04 08:00

一旦は取り替えっこしましたが盗人は仔羊が可哀想になって再度止めにしました。盗人は仕方がないから仔羊を自分で育ててやろうと決心しました。でも仔羊がお母ちゃん、乳が飲みたいメ―メーと鳴くと俺には乳が出ないからと言って元の牧場へと連れ戻してあげました。何という心の優しい善良な盗人なのでしょうね。こんなにも心が弱くてこの盗人は世の中で生きていけるのだろうかと逆に心配になりますね。まあ男にはこれを機会に真面目に働いて盗人を廃業して欲しいものですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
坂口安吾さんの5編目は冗談とマジメが混じった愉快なエッセイですよ。昔、武士が三四人集まった席で首をはねられて首と胴が離れてしまった人は歩けるかという話になって、まず無理だろうと言う人達の中で一人だけ歩けると言い張る人がいて、では試してみようという話になり歩けると言った人の首を切ると死ぬ前に二足程は歩いたという。殿様は喜ばれ子孫は褒美を貰ったという小説があったらしい。落語の似た話に辻斬りが男の首をはねると首がそのまま胴に乗っかり男は首を落とさぬ様に手で押さえていたが終いに提灯の様に両手で持って走ったという。
夢追人009
2023/09/03 10:03

それから、江戸時代の武士に今の漫才を見せても誰も怖い顔をしたままでニコリとも笑わないだろうという事である。最後に長崎で六十歳の船長が、長崎丸が機雷に触れて沈没した事の責任を取って切腹して自害された時に通夜の席で船長の奥さんが霊前に和歌を捧げたという。百花の咲きて青葉のよき時に、男らしくも人死にゝけり。著者はこの詩にいたく感激されて最後に日本を礼賛して日本万歳と結ばれています。まあ些かブラックながらもユーモア精神に溢れた著者の人柄が偲ばれる誠に面白い好エッセイですね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
小川未明さんの87編目は大人が再び子供の頃の童心に帰る話ですよ。若い父親が幼い我が子と一緒に道を歩いていると水たまりや木の葉や小石や鶏や小犬を見て子供が喜ぶ姿を見てうらやましくなりました。父親は人間は年を取ると悪い考えをもったり間違った考えをもったりすることを嘆いて自分も、もう一度何を見ても美しいと思える子供の頃に帰りたいと心中で願いました、すると耳元で「もう一度お前は子供になれるから心配するな」と声がしました。それは太陽の声だと父親は知りました。「子供を大事に育ててやれよ」と太陽は喜ぶ父親に言いました。
夢追人009
2023/09/03 08:45

長い時が過ぎて父親はおじいさんになり孫と一緒に道を歩いていると見るもの全てが美しく思えました。太陽が「昔した約束を叶えてやったぞ。今お前はどう考えている?」と尋ねましたが、おじいさんは昔の子供のようにもう何もわからなかったのでした。まあ人間はこういう生き物なのですね。ボケない頭でいる事と子供に帰るのと、どちらが幸せなのでしょうね。これを読むとわからなくなりますね。

が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
新美南吉さんの55編目は昆虫のセミが主役の詩ですよ。ごろぜみ、ごつとん、出ろよ。月夜につちから出ろよ。合歓(ねむ)の木、ねもとは、にほふよ。花だか、土だか、にほふよ。ごろぜみ、ころもをぬげよ。月夜は、つーいとなけよ。ごろぜみは南吉さんのこしらえた造語なのでしょうね。ごろ寝という言葉で思いつかれたのでしょうか。まあ何の根拠もなしに書いてますから間違っていたら、ごめんなさいね。「つちから出ろ」「衣を脱げ」というからにはセミの幼虫なのでしょうね。「つーいとなけよ」は作者の願望でしょう。セミの寿命は一週間ですよ。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
坂口安吾さんの4編目は信じられないくらいまともな子育てパパのエッセイですよ。五十近い年で初子が生まれると照れたり戸惑ったりするばかりで育児については無能である。未だにこの抱き方も知らないが、たまに抱いてやると大層喜ぶものである。別にしつけなどしなくても子は父のすることをまねしながら育つものらしい。私は何か食べさせてやるとお腹を壊してしまい女房にたしなめられる。母親は独占欲が旺盛であるもので無能な私としては手が省けるので都合がよく専ら母の独占欲に任せている。作者が今会社勤めしてたら育児休暇を取りそうですね。
が「ナイス!」と言っています。
夢追人009
田中貢太郎さんの怪談噺の145編目は料理屋の給仕娘が思わぬ不幸に遭う不気味な現代怪談ですよ。料理屋のお菊さんは最近店に良く来る太った青白い顔の男、針工場の旦那を店で待っていた。男は最近こちらへ来て女房が死んで寂しいのだと話した。店の同僚のお幸ちゃんも針工場の旦那の噂話を客の学生達としていた。ある夜、お婆さんが魚のフライと他二品の出前を注文して場所を説明し北村という旦那の事だとお菊さんは察する。彼女が配達に行くと家の前に萌黄色の茎があっておかしな家だなと感じたが、お婆さんに案内され北村さんと会うと安堵した。
夢追人009
2023/09/02 08:26

彼女は自分の息があぶくのようになって口から出るのを感じた。お菊さんは北村へ出前を持って行ったきり帰らなかった。店で探したが北村の家もなければ何処に行ったのかさっぱりわからなかった。お幸ちゃんは他の客には芝の親類に嫁に行ったという事にした。ある日来た老人にお菊の事を聞かれてそう答えると「あの女が芝になんかいるもんかい。ありゃ雨で大河から上がってきた奴に連れていかれたのだよ。あいつを何と思うのだ。頭から顔からつるつるしてたろう」と言った。うーん、お菊さんを連れて行ったのは化け物・妖怪変化の類なのでしょうかね。

が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2018/05/06(2264日経過)
記録初日
2018/01/20(2370日経過)
読んだ本
3025冊(1日平均1.28冊)
読んだページ
488888ページ(1日平均206ページ)
感想・レビュー
3025件(投稿率100.0%)
本棚
0棚
性別
血液型
A型
現住所
奈良県

参加コミュニティ1

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