読書メーター KADOKAWA Group

2021年11月の読書メーターまとめ

よっち
読んだ本
90
読んだページ
27377ページ
感想・レビュー
90
ナイス
4158ナイス

2021年11月に読んだ本
90

2021年11月のお気に入り登録
1

  • きっと

2021年11月のお気に入られ登録
4

  • にこ@三秋縋さん大好き
  • 水生クレイモア
  • みくる
  • みきみき

2021年11月にナイスが最も多かった感想・レビュー

よっち
房総沖で見つかった男性の銃殺遺体。失踪していた恋人の行方をたどってゆく中で関係者として浮上した天才物理学者の名前。警視庁の刑事・草薙は、横須賀の両親のもとで過ごす湯川学を訪ねる第十弾。なぜ恋人は失踪したのか、共に姿を消した絵本作家との関係、そして浮上してくる友人。湯川の存在。今回は特に物理が絡んだ事件というわけでもなく、まさかあの湯川教授が介護についていろいろと草薙に語る場面に出くわすとは思いませんでしたが、何とも複雑な思いを抱いてしまう事件の真相と、人情味溢れる一面を見せた彼の姿がなかなか印象的でした。
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2021年11月にナイスが最も多かったつぶやき

よっち

2021年10月の読書メーター 読んだ本の数:89冊 読んだページ数:26208ページ ナイス数:4337ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/385946/summary/monthly

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2021年11月の感想・レビュー一覧
90

よっち
無事に誕生日プレゼントを渡すことができた田中湊と、恋心を自覚した学校一の美少女・斉藤玲奈。表面上は特に変わらない二人にも変化の兆しがあり、バイト先では玲奈の変装のことを知る新しい後輩が入ってくる第二弾。新キャラとして店長の娘・舞が登場しましたが、玲奈が妬まれて起きた事件で彼女の力も借りて解決したり、二人が冬休みを過ごしてクリスマスや初詣といったイベントを共に過ごす中で、お互い少しずつ意識するようになってきた二人の関係も確実に変化しつつありますね。この積み重ねからどんな展開に繋がってゆくのか続巻に期待です。
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よっち
彼への想いを自覚して素直になれずにいる雛子の態度を、お世話係として未熟だからだと勘違いした伊月。より実践的なレッスンを受けるため雛子をライバル視するお嬢様・天王寺美麗に様々なことを学ぶ第二弾。ツンデレお嬢様かと思っていた美麗は熱心な教え上手で、着々とレベルアップしてゆく伊月。一方、努力し続けなければいけない事情を抱えていた美麗に持ち込まれた縁談。彼女にとってそれは幸せなことなのか、心配した伊月が奔走する展開はなかなか良かったですけど、今回出番が少なめだった雛子もまたなかなか存在感があって続巻が楽しみです。
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よっち
クラス内カーストトップの清楚系ギャル・茨戸七海から罰ゲームによる告白をされ、その事情を知りながら陰キャ気質な男子・簾舞陽信が付き合うことになる青春ラブコメ。七海は実は男性が苦手な見た目だけのギャルで、いきなり彼女の危機を身体を張って救って好感度を上げる陽信。そこから朝待ち合わせしてからの登校デートや、手作りお弁当等、相談相手だったネトゲ仲間もびっくりの急展開で、ヒロイン七海のチョロインっぷりには苦笑いでしたけど、甘々展開だからこそ最初の罰ゲームの始まりにどう決着をつけるのか、続巻に期待の新シリーズですね。
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よっち
高校デビューに失敗して、灰色の高校時代を経て大学4年となった灰原夏希。社会人目前だった彼はある日突然、7年前の高校入学直前まで時を遡るやり直し学園ラブコメ。過去の経験を活かして春休み中に努力した結果、上手くクラスカースト最上位6人のグループの一員となった夏希。かつて片思いしていた美少女・陽花里ともなかなかいい感じで、協力関係を結んだ幼馴染・美織の助力もあって一回目にはなかった充実した日々は、逆に上手く行き過ぎて思わぬ展開にも繋がりましたけど、スタートラインに立ったこれからの展開が楽しみな新シリーズですね。
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よっち
彗星落下の影響で人類の遺伝子情報が変質、生殖機能の消失する最後の審判が発生した世界。七年後、錬奏技巧師見習いの東雲鏡は、五年前に死亡した大切な幼馴染の櫻花に似た少女・白雪と出会う物語。ホムンクルスに命を吹き込み新たな人類を生む錬奏技巧師見習い東雲鏡が、目標としていた行方不明の兄から託された白雪。奇怪なアクアリウムで知る錬奏技巧の真相、水銀機関と四元素会の存在、新たな願いを見つけた鏡がその名前をつけられた意味。過酷な現実に直面しながらもそれに向き合い、乗り越えた先にあった結末にはぐっと来るものがありました。
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よっち
他人の背中に今日の幸運レベルを示す数字が見える大須賀駿。同級生・弥生の85という数を見て彼女と行動を共にした結果、同じく妙な力を持つ仲間たちと出会う群像青春ミステリ。起き抜けに予言が聞こえる江崎、本を指で内容を記憶できるのん、念じると触れたものを壊せてしまう静葉と、謎のチケットによって集められた彼らが、理由を探るうちに明らかになってゆく一人の少女の死。なかなかボリュームがあって著者さんの書きたいことを詰め込んだ一冊という印象でしたが、きちんと伏線を回収しながらのスピード感のある展開はなかなか良かったです。
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よっち
裏切られた恋人への復讐、かつての同級生の死を追う週刊誌記者、財布から始まる思ってもみなかった結末、結婚式で逃げ出した花嫁を巡る顛末、食い違う証言と事件の真実の全五編を収録した短編集。いずれも話が進んで事情が明らかになっていくうちに、何とも意外だったりほろ苦かったり、良かれと思ったことが裏目に出るなど、読み始めた当初の印象からどんどん見えている構図が変わっていく展開で、読み終わってみると自分が全く違う目線でそのエピソードを見ていることに気付かされてしまう、それぞれの結末がまたなかなか効いている物語でしたね。
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よっち
亡き祖母の縁で連句会・ひとつばたごに通いはじめた一葉。自分にできること、自分にしかできないことを探しながら手探りで働き始めるなか、連句メンバーから意外な仕事の打診を受ける第二弾。連句を通じて新たに出来た繋がりや、お菓子番としての仕事を絡めながら広がってゆく仕事や人間関係があって、ブックカフェでも働く機会を得てゆく一葉。亡くなった人たちのこと、そして新たに生まれる命も絡めながらのいろいろな形で新しい関係が繋がってゆくのもなかなか良かったですけど、改めて祖母の治子さんの存在は大きかったんだなと思う結末でした。
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よっち
心配事をあらかじめ避けたり、小さくしておいたりしてくれるあさひの母親。不安な時には「あさひは失敗しないから」というおまじないをかけてくれるその存在が、いつしか呪縛になってゆく物語。高校までは勉強を頑張って周囲に合わせていれば何とか取り繕えていたのに、大好きだったお母さんとも、大学での友達ともうまくいかなくなり、追い詰められてゆくあさひ。たびたび垣間見える母親のヤバさには戦慄しましたけど、その呪縛から逃れようと足掻くあさひもまた不器用過ぎて、容易には抜け出せないその業の深さを改めて突きつけられた思いでした。
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よっち
西暦20XX年、全人類の夢に現れ、死後の世界の環境保全のため「人間レベル」を導入することにしたと告げた神。善と偽善が入り乱れる世界で、高校生の平野雄一が反感を抱き抗おうとするディストピア青春小説。要領いい存在が幅を利かせる中で、そんな世の中のありように違和感を隠せない雄一。彼が当たり前のように周囲の人を助ける川瀬に出会い、少しずつ変わってゆく展開で、「人間レベル」のせいで当たり前が歪んでゆく構図はなかなか皮肉が効いていましたけど、そうなったことがどういう意味を持つのか、いろいろと考えさせられる結末でした。
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よっち
房総沖で見つかった男性の銃殺遺体。失踪していた恋人の行方をたどってゆく中で関係者として浮上した天才物理学者の名前。警視庁の刑事・草薙は、横須賀の両親のもとで過ごす湯川学を訪ねる第十弾。なぜ恋人は失踪したのか、共に姿を消した絵本作家との関係、そして浮上してくる友人。湯川の存在。今回は特に物理が絡んだ事件というわけでもなく、まさかあの湯川教授が介護についていろいろと草薙に語る場面に出くわすとは思いませんでしたが、何とも複雑な思いを抱いてしまう事件の真相と、人情味溢れる一面を見せた彼の姿がなかなか印象的でした。
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よっち
普通に人狼や吸血鬼など人外たちが暮らす現代日本。小学六年生の少女・由紀子のクラスに不死王の息子・山田不死男が転校生としてやってくる物語。同級生を助けるために食人鬼に襲われ、不死男によって命を救われた由紀子がうっかりで巻き込まれてしまった経緯はわりとあれでしたけど、それ以上に食材扱いされる山田父や天然すぎて浮世離れした山田母など、死にまくる不死男以外の家族もなかなか強烈でしたね…これだけトラブルに巻き込まれる日常はなかなか大変そうですが、果たしてこれから由紀子はどうなってしまうのか、続巻に期待ということで。
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よっち
『竜の王』と『飛竜戦艦』の痛み分けに終わった空飛ぶ大地の覇者を決める戦い。戦いの余波が漂う空飛ぶ大地に破滅の光が柱となって天へと伸びる第十一弾。光の柱へと接近したエルたちが知るその正体。運命の悪戯で捨て去ったはずの過去の因縁と再会する魔王。空飛ぶ大地を襲う恐るべき脅威を阻止するため、敵味方力を合わせての総力戦となった強敵相手でしたけど、絶望的な状況でも興味津々で諦めないエルが突っ込んでゆく展開は相変わらずで、苦戦する中でも何とかしてしまうそのパワー、周囲が後始末に追われる辺りまでいつも通りでしたね(苦笑)
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よっち
平凡な女子高生・間四葉が、学園の尊き百合・百瀬由那と合羽凜花の間に挟まるだけでなく両方に告白までされ、優柔不断が災いして二人と同時に付き合うことになってしまうガールズラブコメ。お姫様みたいに可憐な百瀬由那と、王子様と見紛うほどに凜々しい合羽凜花。二人と共に過ごし仲良くなった四葉がそれぞれに告白されて、二人とも幸せにしたいがゆえにこっそり両方と付き合ってしまう展開には苦笑いでしたけど、素直で彼女たちのために真摯な彼女だからこそ、彼女たちも惹かれたんですよね。ドタバタする四葉とほのぼのした雰囲気良かったです。
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よっち
突如、異世界へ迷い込んだ和菓子職人見習いの杏。スニファ王国の騎士・スピカに不法入国者として拘束された杏が、国を救うためになかなか取り組めなかったお菓子作りに挑む異世界ファンタジー。両親の死で家を追い出され、その後も不遇だった杏が迷い込んだ、年に一度各国が魔女に菓子を捧げる祭典で魔女を満足させられなかった国は、国土が消滅してしまう世界。様々な陰謀に巻き込まれて、明らかになってゆく魔女の正体と彼女が求めていたものがまた何とも切ない話でしたけど、杏が自らのなすべきことを見出してゆく結末はなかなか良かったですね。
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よっち
龍ノ原の皇位を巡る争いで、女であることを偽り皇尊となった日織。しかし新たな御代の始まりを告げる宣儀が上手く行かず、さらに反封洲の伴有間が訪れて一原八洲の律を犯す要求を日織に突きつける第二弾。なぜ皇位を認められるための儀式で龍を呼ぶ笛を鳴らすことが出来なかったのか、このタイミングでの有間の要求に、妻の悠花まで攫われる試練の展開でしたけど、それでも諦めずに真摯に向き合い続けた日織だからこそ、無謀とも思える新しい時代を切り開くための決断に繋がって、新たな未来を切り開いてみせた結末にはぐっと来るものがありました。
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よっち
29歳になり「退職まであと1年」のタイムリミットを迎えた大阪の一流企業の受付で契約社員として働く柳生美雨。その記念すべき誕生日、雨の夜に売れないお笑い芸人の矢沢亨と出会う物語。掴みどころのない亨、相方の弓彦、そして仲間の芸人たちとの交流を通して変わってゆく美雨の日々。明確に定義づけできないけれどかけがえのない大切な想いを抱き始めていたからこそ、亨の芸人としてのルーツとも言える存在との突然の再会に、誰もが心揺さぶらずにはいられなかったわけですけど、それぞれに向き合って乗り越える姿がとても印象的な物語でした。
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よっち
多くの犠牲を払いながらもお嘆き山攻略を成し遂げた辺境軍。その元に、オークや不死族ら南征軍の大部隊に攻囲され窮地に立つドワーフ族の鉄血王国から救援を求めて使者がやってくる第十八弾。新兵器を用いて敵に対抗していることを知り、鉄血王国と取引するべく使節団の派遣を決断、使節団のメンバーに選ばれたハルヒロたち。何かようやくメリィともいい感じになれそうで良かったなとか思っていたら、向かった先の鉄血王国で直面する厳しい戦いの結末…あまりにも希望が見いだせなくて絶望しかなかったです。これからどうなっちゃうんでしょうか…。
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よっち
昔、音楽喫茶だった場所に、事務所兼自宅を持つメンター・アダムソン。個性的な客の相談に話を聞いて受け止め、時にアドバイスをする彼が、助手のワタソンとともに解決に乗り出す物語。カウンセラーでも精神科医でもなくメンターのアダムソンが話を聞く自殺志願少年、足を引っ張りたい女、刃物男の相談、風邪を引いたワタソンの看病や明かされてゆく彼の過去エピソード。掴みどころがないアダムソンが時には意外な行動力を発揮して相手を驚かせたりしながら、周囲に自分の悩みを話せない相手に真摯に向き合って寄り添う姿がとても優しい物語でした。
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よっち
中学時代の恋人・水野藍衣と再会し、数々の対話を経て再び心を通わせた浅田結弦。しかし落ち着いたのは束の間、今度は読書部員の小田島薫の様子がおかしくなり始める第二弾。部活に来なくなるのを皮切りに、学校も無断欠席し始める薫。かけがえのない存在で事情の一端を知っているがゆえに何とかしようとする結弦でしたけど、彼女が抱える後悔と孤独は何とも複雑でしたね...全てを見透かしたような藍衣の真意も気になるところですけど、新たな葛藤を抱えることになった結弦も絡めた関係がこれからどうなってゆくのか、今後が気になるところです。
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よっち
何とか互いの想いが伝わり、恋人同士になったレイジとサクヤ。レイジのことが好きすぎるあまり2人きりの時間がさらに欲しくなったサクヤが一人暮らしを計画する第二弾。その資金集めのため友達にモデルのバイトを紹介してもらい、レイジも男性モデルとして巻き込んで撮影に臨むサクヤ。今回は実は幼少期からの知り合いで、レイジを意識しているカリスマJKモデルのミアも絡めての展開でしたけど、サクヤもレイジも天然でいい人過ぎましたかね(苦笑)トラブルに巻き込まれてもしっかりと絆を深めてゆく揺るぎない二人が今回も微笑ましかったです。
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よっち
何度も告白してくれた両片想いの後輩・朱鷺羽凪沙に告白するつもりだった白瀬傑。しかし二人は恋と愛を巡るゲーム「コクハクカルテット」に巻き込まれてしまう青春頭脳ゲームラブコメ。恋愛成就すれば「永遠の愛」が魔法の力で約束されるが、成就しない恋はリセットされるルールでゲームに参加した傑、凪沙、悠乃、愛華。傑が過程にこだわるあまり面倒なことに巻き込まれた感もありましたけど、異能や切り札も絡めながら、なかなか思うようにいかない緊迫感のある駆け引きは面白くて、ゲームを通して育まれる絆とその結末はなかなか良かったですね。
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よっち
仲良しの同級生・奈良芳乃から突如、鉛筆が盗まれたと相談を受けた海鳥東月。そんな彼女の自宅に現れた謎のネコミミパーカー『でたらめちゃん』に脅迫され、彼女に協力する青春ファンタジー。訳も分からぬまま、謎めいたでたらめちゃんの『嘘殺し』に協力させられる海鳥。そんな彼女たちの秘密を知ってしまう芳乃。ワケありのでたらめちゃんを追う彼女のかつての仲間たちがいて、構図が変わるたびに少女たちの印象も二転三転するやたらとカオスな展開でしたけど、皮肉にもそんな状況で育まれてゆく友情、そして仲間としての絆が印象的な物語でした。
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よっち
会社主催の朝食フェスの運営に急遽加わることになった理恵。彼女は麻野に声をかけ、スープ屋しずくも出店することになったものの、突如、目玉の朝食店ブーランジェリーが出店を考え直したいと言い出す第七弾。店主が出店を躊躇する理由、飼い主の元から突然姿を消した鶏、ブロガーが作った料理で体調を崩した原因、オブジェが壊れた理由、そして朝活フェスでの騒動。今回は朝活フェスを軸にそこで出会った人たちの事件を解決してゆく展開でしたけど、これまで積み重ねてきた二人の関係もいよいよ進展しそうですかね…これはちょっと続巻に期待です。
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よっち
兄妹のように育った聡士の急死。2年半後、伊織に彼のスマホが託されてから不思議なメールが届き始め、天才肌の彼が遺した研究が夏祭りの夜に奇跡を起こす青春ファンタジー。聡士が亡くなってから、ずっと避けていた実家への帰省と墓参り。久しぶりだった同級生たちとの再会、そして彼の両親から託された聡士のスマホに届く文字化けだらけのメール。彼が取り組んでいた研究は何だったのか、何とも不可思議な出来事を絡めながら明らかになってゆく、思ってもみなかったその意外な成果がもたらした結末は、なかなか印象的な物語に仕上がっていました。
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よっち
今年も協力者として参加させていただきましたが、ランキングの読了作品を見ると1巻だけ/最新刊まで追いついてない作品はあるものの、文庫は40/40冊、単行本は6/15冊、合算では78/100冊という状況でした(単行本がカバーできていない感じです)。年間読者冊数の構成比はいつも通りな印象。今回参加者は協力者が増えましたけど、全体として5票必須になったことで減少、投票作品への影響としてはこれがここに食い込むんだという意外な作品はあまりなかった印象ですね。でもここ数年はランキングの新陳代謝が機能している気がします。
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よっち
怪物を相手に戦って特殊部隊の仲間全員を喪った捜査官ミキオ。司法取引でEAT(特殊事件捜査班)の捜査顧問となった悪魔の連続殺人犯ティモシーを相棒に怪物絡みの事件の事件に挑む物語。半ば脅される形でEATの勧誘を受け、見張り役兼バディとしてティモシーと共に過ごすことになるミキオ。食習慣も価値観も違う怪物相手にたびたび衝突しながら、二人で様々な怪物を相手にしてゆく展開で、食事シーンは個人的にあれでしたけど、徐々にお互いを認め合うようになった彼らが、冒頭の事件にもしっかりと決着をつける展開はなかなか良かったですね。
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よっち
日夜様々な業務が行なわれる東京東部郵便局で次々と起きる事件。局員たちの心情を察した局内食堂の上條さんが、美味しいご飯とともに解決のヒントをくれる郵便局ミステリ。婚約者から届いた令和元年10月1日消印の真意、宛先不明で長期間保管されていたお手玉を名古屋から引き取りに来る発送人、配達員が配送中に襲われた理由、知られるはずのないファンレターの内容流出など、郵便ならではの特性を逆手に取った事件を、意外な人物が解決してゆく連作短編集でしたけど、あまり知られることのない郵便局の事情もいろいろ伺えて興味深く読めました。
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よっち
各種資格を保有しながら苦い秘密を抱えるプロベビーシッター・茨木花。彼女が両親とも政治家だが母親の不貞で夫婦関係は破綻し、父子家庭になる大和家に派遣されるお仕事小説。3歳になる娘・七海のシッターになった花が、七海の誕生パーティー当日に直面したプレゼント事件、七海が通うスイミングスクールで知り合った5歳の男の子・葉山櫂の秘密。真摯に向き合う花の仕事ぶりが描かれる思っていた以上にぐいぐい読ませる展開で、里親制度の難しさには何とも複雑な気持ちになりましたが、最後に待っていたサプライズには本当に救われる思いでした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
凱帝国皇太子・高礼駿の東宮選妃に参加することになった、汪家当主とお抱え劇団女優との間に生まれた梨艶。そんな彼女が品行方正な青年と思われていた礼駿の隠された素顔を見てしまう中華風ファンタジー。華やかな皇宮に気後れし、家名に傷をつけない程度に目立たず平穏に過ごすことを望んでいたはずが、巻き込まれてゆく後宮の姫君たちの思惑と真意、そして知ってしまう皇太子・礼駿の秘めた決意。今回は恋と復讐を巡るわりと激動の展開でしたけど、そのお陰で結果的にそれぞれがいい感じに収まってくれたその結末にはぐっと来るものがありました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
雪深き森で燦然と輝く硝子の塔。ミステリを愛する大富豪の呼びかけで、刑事、霊能力者、小説家、料理人など一癖あるゲストたちが招かれ、この館で次々と惨劇が起こるミステリ。館の主人が毒殺され、ダイニングでは火事が起き血塗れの遺体、さらに血文字で記された十三年前の事件。名探偵・碧月夜と医師・一条遊馬が謎を追う、昔よくあったお約束設定に挑戦する展開で、こういうのもあったなと作中で紹介されるミステリ作品群を懐かしく思いながら読んでいましたが、紆余曲折の末にちゃんとうまい具合に着地させてくれる結末の余韻は自分好みでした。
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よっち
不登校の幼馴染ユキの家に毎日通う高二の宏樹。何度呼びかけても部屋から出てこない彼女が、学校に行く条件として「毎日私とキスして」と告げる青春ラブコメ。ユキの真意が分からぬまま、彼女の部屋で、屋上で、放課後の教室で。誰にも見つからないように何度もキスをする二人。昔振られたことを気にする主人公相手になかなか貪欲で、あれだけイチャイチャしていた前半からどうなるのかと思いましたけど、後半はシリアスな展開でだいぶ印象もガラリと変わりましたね。ラストはやや唐突に終わったような感もあって、これは逆に続きが気になります…。
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よっち
恋愛に興味がない。線引きをした人間関係が心地良いと感じていた高校生・糸原斗真。しかし妹の親友で、よく家に遊びに来る間宮凛との出会いによって変わってゆく青春小説。最初は帰るのが遅い妹を待つ間の交流、一緒の高校に通うようになって、放課後の勉強会を通じて育まれてゆく二人の関係。何だかんだで仲が良い妹には何となく内緒にしている、これまでしっかりと積み上げてきた二人の距離感があって、ふとしたきっかけから委員長もいい感じに斗真と絡んではきてはいますけど、ここからどんな展開が待っているのか今後に期待の新シリーズですね。
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よっち
ブラック広告代理店に務めていて、新卒社員の後輩・伊波渚の教育係を務めるマサト。そんな彼のことを大好き過ぎる渚に振り回される社会人ラブコメ。ルックス&スタイルが良ければ、仕事の飲み込みも早い。おまけに人懐っこくて愛想も良いと、一見完璧に見える渚のぐいぐい来るアプローチにたじたじとなりがちなマサト。美人でデキる先輩や同期などヒロインたちはそれぞれ魅力的な存在で、先輩との休日のとある一幕もなかなか良かったですけど、過去エピも絡めた展開の積み重ねを考えると渚がメインなんですかね。続刊あったらまた読んでみたいです。
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よっち
親の再婚で高校生の真嶋涼太にできた、美少年だけど人見知りな義理の弟・晶。兄弟として仲を深めていったら実は義妹だったことに気づく青春ラブコメ。最初こそ警戒されていたものの、一緒にゲームをしたりだらだら過ごすうちに、勘違いをしたまま深まってゆく2人の仲。あれだけ一緒にいて距離も近かったらどこかで気づくんじゃないの?と鈍感ぶりにはツッコミを入れたくなりますが、いろいろフォローしてくれる涼太に晶が惚れちゃうのも仕方ないですね(苦笑)二人の今後も気になりますけど、友人の妹・ひなたがどうするのかも気になるところです。
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よっち
王国動乱で功績をあげるも、国内の貴族から不当な要求をされたアレン。相棒の『剣姫』リディヤの手引きにより首都から脱出した彼が、戦争中の敵国、侯国連合の中心都市・水都に向かう第十弾。久しぶりに他の教え子たちがいない水入らずの時間。他のヒロインたちをやきもきさせる一方で、これ幸いと高級ホテルへの宿泊を決め、歴史ある水都を観光するなど新婚旅行気分を満喫するリディヤが楽しそうでしたけど、もちろんそれだけで話が終わるわけもなく、垣間見える聖霊教の思惑にとんでもない強敵も姿を現して、これはますます盛り上がりそうですね。
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よっち
北方領主の父を冤罪で亡くし、絶望に心が壊れた家族を人質にとられ下級女官として王宮で働くリディエ。婚姻関係が破綻しているスキュイラ王女と婿ヴァシルの仲を取り持ち、世継ぎ誕生の後押しを命じられるファンタジー。平穏に任期を終え故郷に帰りたいがためにヴァシルに協力するリディエと、思惑に反するその行動に目を付けるスキュイラ。それを起因として国を揺るがす動乱へと繋がり、運命が大きく変わるリディエが直面する構図は何とも皮肉でしたけど、しっかりと向き合って決着をつけてみせたその覚悟と結末にはぐっと来るものがありました。
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よっち
火の島杯の惨劇から早三ヶ月。各国の王族を救った勇敢な王子としての任務が増えているリヒト。シレジア国王が逝去して新王選定のため代理競技が行われることになり、立会人を務めるために向かう第六弾。王籍離脱の返事も兄宰相に保留され、かつてリヒトと縁談のあった令嬢も同伴、かつて国を追われたリヒトが母親と暮らしたシレジア国の貧民街。今回はニナも動揺して失敗続きでしたけど、何が正しく間違っているのか、いろいろ複雑な思惑も絡む何とも波乱続きの代理競技でしたけど、それがそうそう解決するわけもなくて、続巻が早く読みたいですね。
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よっち
反乱軍乱入で混乱する瑞燕国皇宮から昏睡状態の雪媛を救出した青嘉。追手を振り切り北の国境を越え、寒さと飢え、負傷により倒れてしまった彼らが、祖国と敵対する遊牧民の左賢王に連れ去られる第八弾。雪媛の正体を明かすわけにはいかず、自らと雪媛を商人夫婦だと偽る青嘉。意外な人物との再会。腹を括って向き合えば意外と過ごしやすい環境で、らしさを取り戻してゆく二人もやっとか…と感慨深いものがありましたけど、どうにもあれなことになってる瑞燕国の状況を見るに、そのままお幸せにってわけにはいかないんでしょうね(苦笑)続巻も期待。
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よっち
大手新聞社の社会部記者・一ノ木透の許に届いた一通の手紙。「ワクチン」と名乗り、首都圏全域を震撼させる連続殺人犯が紙上での公開討論を要求し、苛烈な報道合戦に巻き込まれていく物語。低迷する新聞売上を打開するため、自らの悔恨記事を載せた一ノ木。連続殺人犯に指名されて対話するなかで問われる新聞や報道のあり方、並行して取材を進めてゆくうちに少しずつ明らかになってゆく事件を巡る全貌。ほろ苦い決着の先にはこの物語の印象をガラリと変えてしまうもう一つの事実があって、ジャーナリズムとは何かを改めて突きつけられた結末でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
編集長の神代からの依頼をきっかけに、牡丹と男爵の可能性を探しはじめた縁太郎。デビュー後にすれち違ってしまったことを知った縁太郎は、マンガを婚活に使うことを考える第五弾。牡丹にはライバルで、どこまでいってもお友達どまりであると断言されてしまう男爵。そんな状況に編集部も焦りを募らせる展開でしたけど、彼女たちらしいやり方で牡丹の本当に望んでいるものが何だったのか、遠回りしながらも徐々に整理されていって、きちんと答えにたどり着けて良かったです。残る彼女たちがどうするのか、どうなるのか、次巻最終巻に期待しています。
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よっち
美人だと学内で評判だけどいつも一人で無愛想な木之下弥生。密かにサイコメトリー能力を持つ同級生の深瀬皐月は、ある日彼女の意外な心の声を聞いてしまう青春ラブコメディ。彼女の想いと正反対な態度のギャップに、どう接したらいいのか戸惑う皐月がうっかり聞いてしまう、弥生が抱えるもっと大きな秘密。いろいろと悩める弥生と縁が生まれて、思い切って彼女に声を掛けてゆく皐月に、不器用でなかなか素直になれない弥生が可愛かったですね。彼女にしっかりと向き合った皐月の頑張りで一歩前進した感はありますけど、一波乱ありそうな続巻に期待。
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よっち
幽世のものに触れる異能をもつ藤咲藤花が、かつて従者だった青年・藤咲朔とともにもたらされた事件解決に挑む物語。「かみさま」になり損なった結果ニートと化して霊能探偵の看板を掲げる藤花と、彼女に寄り添いお世話する朔。そんな二人が挑む内蔵落下連続殺人事件、誰かが殺されると予告する少女の真意、見えない友達の真実、人魚姫の自殺の悲しい真相、元「かみさま」候補たちが次々と殺される理由。二人のゆるいやりとりとシリアスな事件のギャップがなかなか効いていましたが、過去に向き合って乗り越える二人の絆がとても印象的な物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
夏休み後半。たまたま喫茶店でだべっていた温水と八奈見が、焼塩と思い人である綾野が2人きりで会っているのを目撃。さらには2人を尾行する綾野のカノジョ朝雲千早ともニアミスしてしまう第二弾。綾野と焼塩の浮気を疑う朝雲。それにあれよあれよと巻き込まれてゆく温水と八奈見が、朝雲とともに真相を探る展開で、地味にストーカー気質な朝雲のヤバさや、綾野の残念な鈍感っぷりが炸裂してましたけど、温水の焼塩に対する信頼はその人柄を知るからこそで、うっかりとやらかしながらもしっかりと思いに向き合ってみせた焼塩がとても印象的でした。
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よっち
ある日の放課後、中野森高校文芸部にやってきた突然の来訪者。ミステリ作家志望の藤堂基子を助手に任命した曲直瀬彰は中野森高校のシャーロック・ホームズになると宣言、周囲で起きる事件を解決するミステリ。漫研のなくなったノート、品切れだったはずのケーキ、落としたアイス、試験の平均点が変更された理由、部室荒らしの正体と原因など、困惑しながらも仄かな期待を胸に事件現場へ向かう彰を追いかける基子。何を持って解決とするのか探偵と助手のすれ違いもありましたけど、それを乗り越えて再びコンビを組んだ二人のこれからが楽しみですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
百貨店で働くアラフォーバリバリキャリアウーマン・長谷川芹が、一回り近く歳下の西陣の老舗織物屋の若旦那・充と出会い結婚を意識するも、京都での考え方の違いや反対する両親、美しい充の幼馴染など次々と障害が立ちはだかる物語。仕事を辞めて京都に乗り込んだ芹が選んだ問題解決方法が、西陣界隈の業界立て直しだったりするあたりがらしいなと苦笑いでしたけど、苦難にもめげず奔走する姿だったり、そんな彼女を支えてくれる存在もいたりで、きちんと向き合って状況をいい方向に変えようとする物語が迎えた結末にはぐっと来るものがありました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ある事件をきっかけに右目と宮城内の地位を失い、世捨て人のような生活を送っていた白珠。妹の代わりに旧都香久の御所守を買ってでたことで運命の歯車が大きく動き始めるファンタジー。「星砕きの娘」から遡ること数百年前の時代を舞台に、生まれたときに「人を真なる道に導く」と予言された白珠のまさかの暗転。鬼の巣窟・旧都に巣くっていた、元は人でありながら妄執に囚われ鬼と化した鬼の王。まさに激動の展開の末に新たな時代の夜明けを迎える展開になりましたけど、悩める白珠に寄り添続けた紋人の下女つばめの存在がなかなか効いていました。
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よっち
プリシラが語る昔話。弱肉強食の掟が活きる四大国最大の国家・神聖ヴォラキア帝国のまだ幼く、しかし聡明な皇族の一人プリスカが『選帝の儀』に巻き込まれてゆく短編集第五弾。兄弟姉妹で殺し合い、最後の一人となったものが次なる皇帝となる血の闘争。強者の理が全てを蹂躙する帝国史の一幕が描かれたプリシラの過去エピ回で、彼女と邂逅したアルのえげつなさだったり、出会った夫のこと、袂を分かった主従など、なかなか印象的なエピソードで構成されていましたね。またヴィンセントも何であんな状況になっているのか気になるところではあります。
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よっち
新聞、テレビ、週刊誌、ネットメディアの「誤報」をテーマに、それが生み出される過程、直面したり振り回される人たちの複雑な想い、それらがもたらした結末が描かれる連作短編集。意図せずとも誤報に繋がってしまう構図や、誤報によって人生が歪められたり不安に怯えるようになったり、誤報を弾劾する側の人間もまた一歩間違えばフェイクニュースを掴まされ、容易に糾弾される側に回ってしまう構図に今のマスメディアの難しさと怖さがあって、報じる側の姿勢が問われると同時に、受け取る側にもまた判断が難しい時代になりつつあると痛感しました。
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よっち
ノルマを達成できず、なかなかデビューできない三人組のアイドルグループ「となりの☆SiSTERs」。センターを務める青山柚莉愛の動画生配信中に行われたドッキリがファンの怒りを買ってしまうミステリ。マネージャーにやらされたドッキリがまさかの炎上。柚莉愛と仲間二人の微妙な関係と、振り回されて怒るファンたち、その炎上を密かに演出したTOKUMEIの存在。柚莉愛とTOKUMEI視点で語られる複雑な心情描写はリアルで、無責任な憶測で炎上してもどこかぱっとしない地下アイドルの悲哀と、まさかの衝撃的な結末が印象的でした。
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よっち
中国・五胡十六国時代。戦乱の世で人界に囚われた霊獣・一角麒と出会い、奴隷から盗賊に身を転じたベイラの冒険と戦いを壮大なスケールで描いた中華ファンタジー。匈奴の少数部族・羯族の小胡部を統率する小帥の息子として生まれたベイラが、一角と出会ったことで転機を迎えて、一度は奴隷に落とされたりする中で、どうすればいいのかを常に見極めながら、徐々に取り立てられ立身してゆく展開は何が起こるのか分からないこの時代の雰囲気を感じますね。なかなか元気そうな妻も迎えてこれからどんな展開になってゆくのか、続巻に期待のシリーズです。
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よっち
高校入学目前の矢口楓がふと足を踏み入れた神社の片隅にみつけた弓道場。おとなたちに交じって弦音を響かせる少年・乙矢の凛々しい姿に魅せられ、誘われた弓道会に入門する青春小説。学校の部活も付き合いで辞めてしまい、乙矢の妹・善美と一緒に弓道会に通うようになる楓。素直でちょっとした気づきを大切にできる楓が、真摯に弓道に取り組む中でいろいろな人と出会い、向き合ってゆく関係には様々な発見があって、乙矢兄妹のお家の事情に巻き込まれたりもしましたけど、ちょっと気になる乙矢との関係も含めてこれからがとても楽しみな物語ですね。
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よっち
修学旅行で人が死ぬ事故を起こした中学の同級生二人。卒業後は接点がなかったのに、結婚を控えた珊瑚の前に恋人の妹として翠が現れるミステリ。努力家で幸せを願う珊瑚が、身勝手でだらしない翠や、機微に疎い鈍感な恋人、突然連絡をよこす昔の不倫相手、に振り回されてゆく展開で、珊瑚の過去を知るがゆえに優位に立つ状況に味を占めた翠が余計なことをしたせいで、不運も重なって思ってもみなかった深刻な事態に繋がってしまいましたけど、因果応報というかやり過ぎたことにはしっかり報いが下る結末には、何とも言えない気分になりました(苦笑)
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よっち
アップル、グーグル、アマゾン、任天堂、ソニー、トヨタ…グローバル企業20社の「失敗」事例がなぜ起きたのか、何が問題だったのかをイラストと共に解説する一冊。分かりやすい事例で言えばゲーム機における任天堂のWiiUやセガのドリームキャスト、ソニーのAIBOや近年のセブンイレブンのセブンペイなど、企業の論理で独善的だったり、運やタイミングが悪かったり、時の流れが見えていなかったり、失敗した理由を結果から分析していることもあって奥が深いですね。その失敗をしっかり成功に繋げているケースもあって、興味深く読めました。
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よっち
定休日の月曜日に、1度だけ「抹茶カフェ」を開く、川沿いの桜並木のそばに佇む喫茶店「マーブル・カフェ」。一杯の抹茶から始まる東京と京都を繋ぐ12ヵ月の心癒やされる連作短編集。携帯ショップ店員と茶問屋の若旦那、妻を怒らせた夫とランジェリーショップの店主、恋人に別れを告げたシンガーと祖母と折り合いが悪い紙芝居師、京都老舗和菓子屋の元女将と同じ名前の京菓子を買いにきたサラリーマンなど、ふとしたことから誰かの背中を押しているエピソードは意外なところで繋がっていて、そんな縁を丁寧に描いてゆく著者さんらしい物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
何者かに殺され、妖精王リアの「古の約束」により十日間だけ生き返った女王オフィーリア。自らを殺した犯人を探すため、思い残しをやり遂げるため、女王が覚悟を決める王宮ミステリ。彼女を使って権力を握ろうとした夫、周囲に流されがちで頼りない弟、気持ち悪い恋心を寄せてくる近衛騎士…数え上げればキリがない犯人候補たち。開き直って女王のあるべき姿を見せて、生前の雪辱を晴らす罵詈雑言、強烈な平手打ちを次々と炸裂させ、残り少ない日々を後悔のないように生きるオフィーリアが痛快で、事件の真相はやや意外でしたけど楽しく読めました。
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よっち
魔法学校の終業式の日。空から降ってきた魔物―帝国による強襲を受けていたマキアたち。窮地を打開するため、マキアとトールはユリシス先生の指揮で、学校に封じられた強大な力を解放する第五弾。突然の侵攻に防戦を強いられ、散り散りになっていく学友たち。強大な力の封印を解く鍵となる三大魔術師の転生の秘密。全てが明らかになってゆく中で変わらない友情も、通じ合った想いもあったりで、とてもいい感じにまとまった魔法学校編でした。またマキアがトール大好き過ぎな巻末のSS集が最高ですね。フレジール皇国での新展開にも期待しています。
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よっち
吸血皇子レオナートと冷血皇子キルクス。ともにクロードの皇子として生をうけながら、母親の身分の低さゆえに侮られ続けた二人の怪物が激突する第十一弾。包囲網を敷き万全の軍備を整え、一切の容赦も斟酌もなく、途上にある尽くを蹂躙しながら迫り来るキルクス。シェーラに迫る暗躍、寡兵で挑むアラン、窮地に陥ったトラーメ、そして大決戦に至るまで見どころ満載の激闘でしたけど、まさに総力戦の結末は良かったです。壮大なエピローグや後伝、列伝もなかなか凄かったですけど、これ書いたらものすごいことになりそうなので仕方ないですね(苦笑)
が「ナイス!」と言っています。
よっち
花見辻空とともに過去に戻り、始まった二度目の高校生活も早二か月。今度は以前助けたリア充グループに属するギャルの星ヶ崎瑠璃が七村に関わってくる第二弾。星ヶ崎や花見辻との噂を囁かれる七村が巻き込まれる、委員長・白峰に推薦された文化祭実行委員、そして七村と関わってくる星ヶ崎の心境の変化。相変わらずぼっち思考に染まっている七村の行動原理には苦笑いでしたけど、そんな彼も周囲との関わりが増えてきたことで、多少心境の変化があったんですかね。七村の誤解を解こうとする星ヶ崎の頑張りに、良い落とし所が見つかって良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
片想いの相手・鳴海先輩が初めて恋に堕ちる瞬間を見てしまった椋千彩乃。落ち込む間もなく鳴海から恋を応援して欲しいと頼まれた彼女が秘めた思いを胸に協力する青春ラブコメディ。相談相手として先輩との距離を縮めて横恋慕を狙う彩乃。彼らの関係を知って自分が恋人役になりたいと訴える鳴海先輩の初恋相手・雨宮先輩が抱える事情。恋心を知らなかったはずの雨宮先輩との関係の変化は劇的でしたけど、だからこそそんな初恋相手に鳴海もちょっと押しが足りなかったかな感…。でも最後の最後で面白くなりそうな予感もあって、これは続巻に期待です。
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よっち
かわいい姪っ子JK絵里花が結二の家に通うようになってはや数ヶ月。夏休みに差し掛かった姪のわがままに振り回される日々を送る第二弾。サ行企画やSUGASYUNの動画編集仕事に関わりつつ、絵里花やなつきと海にいったり、浴衣姿の絵里花と夏祭りに行く結二。一方、役者としての再起について悩みを抱える絵里花。意識して比較してしまうがゆえに、早く大人になりたいと願う思いが焦りにも繋がりましたけど、そんな彼女のために奔走して真摯に向き合う結二がいいですね。そんな二人がこれからどうなるのか、その続きをもっと読みたかったです。
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よっち
有望な業務改善案を出した受付嬢に与えられるお誕生日休暇。しかし何のアイデアも出せず悩めるアリナが、新人研修で伝説の受付嬢と出会うために奮闘する第三弾。毎年なぜか忙殺される誕生日。今年こそ家でゆっくりすごしたい。そんなアリナの元に新人研修に伝説の受付嬢が講師として参加する情報が舞い込み、一縷の望みを託して新人研修に参加するために奮闘するアリナが、何とも報われない展開に切なくなりましたけど、それを乗り越えて暗躍する黒衣の男にしっかりと向き合った決着は悪くなかっただけに、最後のまさかの急展開には驚かされました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
日和との別れから季節は巡り数か月。日常を守ろうとする深春と、その終わりを知りながら帰ってきた日和が、再び言葉を交わし、終われない恋の続きが始まる第四弾。世界が壊れつつあると薄々気づきながら、それでも続く日和のいない日常。失われる「日常」を守ろうとする深春たちの精一杯の抵抗だった文化祭の準備。滅びゆく世界の中で精一杯生きる深春たちの姿がとても印象的で、両親の死から同居を始めた卜部姉弟との関係、帰ってきた日和との繊細な距離感があって、世界や物語としても終わりを迎えつつある中、どんな結論を出すのか最終巻に期待。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
冒険家の祖父が亡くなったのをキッカケに、彼と同居していた国籍不明の少女・星咲藍良を引き取ることになった高校教師の桜人。何とも複雑な親と娘、先生と生徒、近くて遠い関係が織りなす家族小説。旧知で久しぶりに会った桜人と彼を慕う藍良は、同時に桜人が教師を務める高校に入学した担任と教え子の関係。周囲に明かせない難しい状況で二人の甘いシーンは控えめでしたけど、元カノや同僚の教師、優等生の委員長もなかなかいい感じに支えてくれる優しい展開で、これから二人が関係をどう再構築するのか、その続きをまた読んでみたいと思いました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
平和な学園生活をおくりたい元世界最高の『暗殺者』相原道真。念願叶って私立克礼館学院に入学した道真が、世界中で最も狙われている『最大標的』の少女、久世灯理の護衛を依頼される学園異能バトルファンタジー。いきなり学園の体育館に拉致される灯理を、裏世界最高の『探偵』『武闘家』『占い師』『詐欺師』と護衛チームで救出する展開で、殺伐とした日常を過ごす中で明かされる灯理の本音や、仲間たちの意外な一面も垣間見えて、伏線を絡めながら黒幕に迫る駆け引きもなかなか面白かったですね。今後の展開が楽しみになりそうな新シリーズです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
貧乏で日々バイトに勤しむ高校生・幸太の前に突如現れた、婚約者を名乗る超セレブ美少女・クリス。親の言いなりにはならないと意気投合した二人が、婚約解消同盟を結成する青春ラブコメ。10年前、幸太の父が勝手にまとめた婚約を解消する同盟は、初恋相手の幸太を振り向かせるためのクリスの策略。しかしコータには付き合っている彼女がいて、的確な指示で天才少女・氷雨との仲を確実に進展させてゆく、クリスの複雑な想いがなかなかに効いていましたけど、本音も見えてきた氷雨との三角関係が思わぬ急展開を迎えて、これどうなるんでしょうね…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
京都での動乱から二週間、どこか様子がおかしいアイリス。そんな中、コンビニオーナー村岡の娘・灯里が家出で転がり込んできたり、さらにはコンビニに思いがけない人物が訪ねてくる第四弾。あれだけ虎木に絡んできていたのに、顔を合わせるとすぐに姿を消してしまう挙動不審なアイリス。灯里の勘違いが更に事態をややこしくさせる展開で、虎木の探していた人物がまた意外なところに繋がっていて、登場人物たちの因縁の深さを感じましたけど、いろいろとしっかり向き合って乗り越えたその結末にはちょっとびっくりしました。これは続巻に期待ですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
FEHRとの提携交渉のためにUSNAへ向かう真由美と遼介。それを自粛要請する国防軍への挑発行為と受け取った情報部が、国を牛耳る元老院の一人に助力を求める第三弾。海外渡航を巡って暗躍する国防軍との対峙とその結末、魔法大学のキャンパスでの深雪を巡る一条の心境の変化と、ほのかを巡る状況の変化。徐々にメイジアンを巡る風向きも変わりつつあるのかなという予兆を感じる中で、達也の規格外っぷりが相変わらずで苦笑いでしたけど、達也と深雪たちの周囲の心境の変化が、今後どんな展開に繋がってゆくのかも気になるところではあります。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
夫を亡くし、小学生の息子・冬明と夫の連れ子の大学生・楓を一人育てるシングルマザーの愛。想像上の怪物を恐れ学校に行きたがらない冬明に二人は寄り添おうとするものの、ある出来事が三人の世界と関係性を変容させてゆく物語。父親の死後、義母の愛と弟の冬明を見守りながらも、その関係に違和感を持つ大学生の楓。愛もまたトラブルに巻き込まれてゆく中で、不思議な世界も織り交ぜながら問題の解決に向けて楓が奔走する展開でしたけど、その過程で彼らが家族としてしっかりと向き合い、育まれてゆく大切な絆が感じられてなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
つきみ茶屋新装オープンまであとわずか。再び盃に封印された江戸時代の料理人・玄を呼び戻そうと悪戦苦闘する剣士たち。そこに玄の死別した想い人・お雪の魂を憑依させた桃代が訪ねてくる第三弾。思わぬ形で再び姿を現し、一緒にオープンまでの準備をに協力する玄。桃代に憑依したお雪が語る意外な真実。無事二人も170年振りに会うことができたし、お店も新装オープンすることができて、出てくる料理が相変わらず美味しそうで食べたくなっちゃいましたけど、因縁もある新キャラがいろいろ厄介そうな雰囲気で、今後の展開が気になるところですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
社労士資格をとって小さな社労士事務所の一員として働く朝倉雛子。自分が誰の味方になるべきか、そんな悩ましい案件ばかりが舞い込む第二弾。無期雇用への転換を渋る経営者、年齢を偽っていた未成年従業員のけが、残業代を申請しない雇われ書店店長、出張中に女上司から受けたセクハラ、介護問題で時短を望む社員の問題。複雑な事情だったり人間関係もあったりする一方で、面倒なことは極力避けたい経営者の想いも働いて、杓子定規に法令を遵守すれば解決するようなものでもなくて、その中でどうすればいいのかきちんと考えていくことが必要ですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
メルボルンの若手画家が描いた一枚の絵画(エスキース)。日本へ渡って三十数年、その絵画が「ふたり」の間に奇跡を紡いでいく連作短編集。メルボルン留学中の女子大生と現地在住日系人の恋、日本の額職人とかつてメルボルンで出会った作家の絵、大賞を受賞したマンガ家が師と出会った場所、パニック障害を発症した茜と元恋人の再会、そしてちょっと長めのエピローグ。丁寧に紡がれるひとつひとつのエピソードも良かったですが、繋がりが垣間見えるそれらがひとつに繋がった時に気付かされる、壮大な物語とその結末にはぐっと来るものがありました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
人生最後にして最上の一冊を選んでくれるおらんだ書房。影の総理大臣と呼ばれていた曰くありげな老人が、鬼を左右に従えてやってくる第二弾。節約上手のカリスマミニマリスト、女子高生とラブコメしたい青年、カリスマになりきれなかったシェフ、作家を目指していた恋人の本を待ち続ける女、そして政治家のエピソードを通じて垣間見えるおらんだ書房周りの秘密。なんかいろいろ繋がっていそうだなと思わせた今回のいろんなエピソードに、一時はどうなることかと思いましたけど、今のメンツでもうしばらくおらんだ書房も続けられそうでよかったです。
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よっち
年代記に語り継がれるほどの活躍で、借金に悩むサロニアを救った賢狼ホロと元行商人ロレンス。その御礼の代わりにと誰もがうらやむ貴族特権が二人に贈られる第六弾。身に余る報酬に浮かれているロレンスを尻目に、どこかきな臭さを覚えるホロとエルサ。マグリブ地方ラーデン司教領での困惑、夏の山へ行くロレンス一家のピクニック、譲り受けた土地の大蛇の伝説、新たな友人と旧友の別れ。確実に年齢を積み重ねて、いずれやって来る寂しさや悲しさも受け止められるくらいには、今が幸せなんだろうなと感じさせる二人の関係がなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
深夜に体調を崩した『江花病院』に長期入院する閉じ込め症候群の女性患者・岸部愛華。当直中の産婦人科医・水瀬真理亜が診察した結果、愛華の妊娠が判明する医療ミステリ。寝たきりの愛華は誰に妊娠させられたのか?騒然となる病院、激怒する政治家である愛華の父、マスコミに報道されて世間が知ることになる前代未聞の事件。真相を探るべく真理亜とのまばたきのコミュニケーションで明らかになってゆく、逮捕された容疑者が語る「愛」、愛華の強い意志の意味が分かった時、なかなか難しい問題を突きつけられた先に希望があって救われた思いでした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
SNSへの積極的な投稿で着実にファンを増やす女子大生ガールズバンドでメインボーカル担当の叶多。ある日、ネットニュースに叶多の過去についての暴露記事が流されるSNSミステリ。SNSに新曲PVを配信しても音楽性には反応が乏しい現実。希望が見えるたびに叶多の過去が暴かれ頓挫する中、立て続けに殺されてしまうメンバーたち。犯人の告白を挿入しつつ、伏線も絡めながら焦燥を募らせてゆく展開で、誰でも手にできる可能性と過酷な現実を突きつけられましたが、そんな時代だからこそ彼女にもたらされた光明がなかなか印象的な物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
千葉の海の近くの日本家屋に愛猫と暮らす小説家のハナ。二度の離婚を経て、喪失も手放すことも知ったから辿り着いた、古くて新しい恋人との日々を描く物語。二度の離婚を経験しても何だかんだで恋愛体質なハナの新しい恋人は弟同然に育った幼馴染。お互い老いた親を抱えての千葉と大阪の遠距離恋愛が描かれていましたが、穏やかな日々の描写の端々にこれまで長年積み重ねてきた容易には手放せない、変われないものを感じつつも、それでも最終的に結ばれた幼馴染との自然体で揺るぎない想いや、この人がいる安心感みたいなものはいいなと思えました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ある事件をきっかけに芝居ができなくなってしまったアクション俳優の二藤勝。今をときめく天才演出家・鏡谷カイトから新たな劇の主役に抜擢された勝は、俳優生命をかけて初めての舞台に挑む青春演劇小説。個性的な脇役たちと一緒に臨む初舞台、クールで合理的な天才演出家・鏡谷カイトが勝を選んだ理由、そして勝が抱える苦い過去。男たちしか登場しない物語ですが、登場人物たちそれぞれに舞台に賭ける熱い想いや生き様があって、数々のトラブルに直面しながらも真っ向からぶつかりあい、乗り越えてみせた結末にはぐっと来るものがありました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
国の一大行事「星の大祭」を前に、人々を騒がせていた幽霊の噂。珠華は真偽を確かめるべく皇帝一行に紛れ込み、祭りの開催地である栄安市へと向かう第二弾。若き皇帝・白焔の依頼で一緒に行った南方で出会った少女、思いもよらなかった人物との邂逅、そして幽霊騒動と指環を巡る真実。騒動を解決しようとしたら結果的に何かいい感じにまとまっちゃった感はありますけど、皇帝の目指す施策を進めていく中で、少しずつ確実に変わりつつある二人の関係性が今後どうなるかですね。あとひょっこり付いてきちゃった人も気になるところではあります(苦笑)
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よっち
出版社の管理課課長を何とかこなす水上駒子の公平な姿勢が評価され、突然降って湧いた新規事業部署での次長昇進辞令。激変した環境に戸惑う駒子に家庭トラブルまで起きるお仕事小説。平穏な毎日を望んでいたはずなのに、セクハラの尻拭いや次長昇進から発生した問題の数々に加えて、家庭でも生じる専業主夫として支えてくれていた夫の仕事復帰や、息子の不登校問題。何を大切にすべきなのか優先すべきなのか、ままならない悩ましい状況が生々しく描かれていましたが、それでも試行錯誤して前向きに取り組む駒子が迎えた結末には救われる思いでした。
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よっち
プールに一緒に落ちたことがきっかけで同級生の水村まなみと体が入れ替わってしまう高校1年の坂平陸。いつか元に戻ると信じ、入れ替わったことは二人だけの秘密にすると決める青春小説。そう簡単には元に戻れるわけもなく、坂平陸としてそつなく生きるまなみと、うまく水村まなみになりきれず戸惑う陸。迷いや不安を抱えながら卒業し、その後も人生を歩む中でかつての家族に対する複雑な思いも自覚して、時には衝突したりもしながら、人生の転機を経験して様々なことが変わっていっても、かけがえのない絆を再確認する二人がなかなか印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
東京ディズニーランドで、清掃のアルバイトを始めた19歳の永江環奈。ある日、テーマパークの顔として内外で活躍するアンバサダーになれることを知り、彼女が挑戦を決意する物語。不可能だと言われながらも周囲の応援を受けて、夢に向かって前進する環奈。努力して自らの特技を見出す一方で、母親たち家族にはなかなか認めてもらえず、様々な現実の裏側を突きつけられてしまう難しい展開でしたけど、それでも諦めずに自分にとって本当に大切なことをは何か、真摯に向き合って見出そうとする環奈にもたらされた結末にはグッと来るものがありました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
慧修学院高校襲撃事件後、日本で緊急事態庁が発足。喫緊の問題を次々と解決に導いたことで、急激に回復していた内閣支持率。結衣の異母妹である凜香は「探偵の探偵」の紗崎玲奈の行方を追う第十一弾。日本近海で発掘された油田で急速に回復する日本経済、明らかになってゆく緊急事態庁を裏で操る優莉架祷斗の壮大な計画、そして帰国を果たした結衣。懐かしい名前が出てきましたけど、出自が明らかになってゆく結衣は絶体絶命の危機に陥っても咄嗟の機転は流石ですね。クライマックスに向かう史上最大の兄弟結果にどう決着をつけるのか、続巻に期待。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
コロナ禍によって「5年早くきた世界」で加速する消費・行動・時間・移動の急激な変化。それを踏まえつつ人と人の繋がりをテーマに設定して、「口コミ」「つながりで買い物をする」今後のトレンドを解説した一冊。企業ではなく人から買う「PtoC」、Eコマースが急成長する中国で起こる「リアル店舗」出店ブームの謎、密かに増加する「モノを売らない店舗」など、失敗したくない顧客が重視するレビューやスピード感、先を見据えた企業が今何を考えているのか、小商圏ビジネスの可能性などをわかりやすく解説していてなかなか興味深く読めました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
記憶改変技術「義憶」が普及した世界。二十歳の夏、天谷千尋が一度も出会ったことのない、存在しないはずの幼馴染・夏凪灯火と再会したことで動き出す物語。何もない過去を消したかったはずが、植え付けられるたった一人の幼馴染の鮮明な記憶。あまりにも運命的な再会から突如目の前に現れた灯花の存在を疑って、どうしようもなく惹かれてゆく千尋。そこにはもうひとつの物語があって、不器用でお互い遠回りせざるをえなかった二人がきちんと向き合って、儚く切ないけれど優しさが感じられる物語の結末に著者さんらしさがよく出ていると思いました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
エレベーターホールでぶつかった時に優しくされ、ときめいてしまった二か月前に会った社員を探す、藤丸物産の社員食堂で働く杏子。そんな彼女と仲間たちが働く社員食堂と美味しい食べ物を巡る物語。料理人の渚にこきつかわれながら、高い喫食率を誇る社員食堂で彼らしき人を探すもなかなか見つからない日々。天丼、照焼チキン、ビビンバ、ナポリタン、おにぎりといった思い出の品を巡る美味しいエピソードを優しい人間模様に絡めていて、想い人はまあそうですよねという展開でしたけど、なかなか素敵な物語に仕上がっていました。続巻にも期待です。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
藤壺女御の男児出産をきっかけに、激しくなってゆく帝の寵愛を競う女たちの争い。同時に本来の皇統である嵩那の東宮擁立を求める朝臣の声も高まり、伊子が頭を抱える日々が続く第七弾。後宮が難しい状況になる中、渦中の嵩那があろうことか伊子の宿敵・入道女宮がいる吉野への出奔が発覚。本人不在のまま東宮に内定してしまい、どちらにも無関係でいられない伊子が難しい判断を迫られる展開でしたけど、ようやく想いと覚悟こそ定まったものの、状況はかなり複雑化しちゃいましたね…女宮の執念がまた嫌なところを突いてきそうで続巻が気になります。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ある日の斎帝国から使者がやって来て、因縁ある飛国との同盟会談に玲琳の同席を依頼。異変を察して夫の鍠牙とともに旅立った玲琳一行が、道途で謎の蠱師率いる一団に襲われてしまう第九弾。蠱師の集団によって激変しつつある飛国。なかなか緊迫感のある展開で、囚われてしまった玲琳と鍠牙はなかなかヤバい状況に追い込まれましたけど、今はそんな二人を慕うやんちゃな双子もいるんですよね…いいのか悪いのかあれですが(苦笑)今後に因縁が残る結末で新キャラも増えましたけど、いいところを持っていった義兄と女帝の馴れ初めエピも良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
長きにわたる戦いのなかで、世界的な重要人物となってしまったアラタ。タイから撤退を余儀なくされた中国は、劣勢を覆すべくついに核のカードに手をかける第十一弾。子供たちに銃を置かせたい彼の願いとは裏腹に、敵を刺激し続けてしまうアラタ個人の軍事的価値の高さ。さらにはミャンマー政府が姑息にもホリーの身柄を狙う展開でしたけど、現代で戦争の続けることの難しさがリアルに描かれる一方で、ヒロインたちの共闘によってアラタの外堀が着実に埋まっていきましたね(苦笑)今巻で完結ということでしたけど、その後が気になるので続編に期待。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
衝撃的な尊敬する同胞たちの死の手がかりを求め、同盟関係である工業国フェンド連邦に潜入するチーム灯。しかし、調査に奔走するジビアの前に鉄壁の防諜機関ベリアスのボスが立ちはだかる第六弾。短期間ながらも絆を深めたチーム鳳の思ってもみなかった壊滅。皇太子暗殺未遂犯を捕えるため、ティアを人質に『灯』が利用されてしまう展開でしたけど、状況を知れば知るほど壊滅が不可解で、その真相に迫る過程で忘れずにきっちり落とし前もつけるところはなかなか良かったですけど、またもや衝撃の結末が待っていて続刊が気になるところではあります。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/08/23(3912日経過)
記録初日
2013/07/27(3939日経過)
読んだ本
11280冊(1日平均2.86冊)
読んだページ
3276925ページ(1日平均831ページ)
感想・レビュー
11172件(投稿率99.0%)
本棚
70棚
性別
血液型
B型
職業
専門職
現住所
埼玉県
外部サイト
URL/ブログ
https://yocchi.hatenablog.com/
自己紹介

こんにちは。普段は図書館と書籍仕入れに関わるお仕事をしています。仕事のついでに面白そうな本がないか探していて、とりあえず自分が読みたいと思った本さえ読めてさえいれば、わりとまあいいかと思えてしまう行動原理が少し残念な人。

好きなジャンルはボーイミーツガール、青春小説、部活小説、お仕事小説、ミステリ、冒険・中華ファンタジー、歴史・戦記、SFなど。コメディ調より落ち着いた雰囲気の物語志向。意外な展開や難解さがウリのお話も嫌いではないですが、どちらかというとベタで王道な構図が分かりやすい、最後は良かったなと思えるお話が好みです。

基本的には著者買いが多いですが、興味を持ったらテーマやジャンル・作家などにはあまりこだわらず何でも読みます。人に本を薦めるのが趣味の本を読むついでに人生を送る雑食系読書廃人。

娘(11年4月生まれ)の読書記録用アカウント。
http://bookmeter.com/u/562586

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