読書メーター KADOKAWA Group

2022年12月の読書メーターまとめ

よっち
読んだ本
101
読んだページ
31611ページ
感想・レビュー
101
ナイス
4805ナイス

2022年12月に読んだ本
101

2022年12月のお気に入り登録
2

  • o_n
  • 御上 零

2022年12月のお気に入られ登録
10

  • はじこ
  • 山口透析鉄
  • 怪異
  • o_n
  • スノー
  • ふか
  • kyona
  • 香菜子(かなこ・Kanako)
  • オムライス
  • 御上 零

2022年12月にナイスが最も多かった感想・レビュー

よっち
それぞれが耳にしたのはタケトリ・オキナという男性のポッドキャスト『ツキない話』。それを聴くつまずいてばかりの日常を送る人々の変化を描いてゆく連作短編集。長年勤めた病院を辞めた元看護師、売れないながらも夢を諦めきれない芸人、娘や妻との関係の変化に寂しさを抱える二輪自動車整備士、親から離れて早く自立したいと願う女子高生、仕事が順調になるにつれ家族とのバランスに悩むアクセサリー作家。著者さんらしい繋がる人たちの短編集で、上手くいかない時だからこそ、ふとしたことから気づく優しさがとても心に染みる素敵な物語でした。
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2022年12月にナイスが最も多かったつぶやき

よっち

2022年11月の読書メーター 読んだ本の数:97冊 読んだページ数:29802ページ ナイス数:4827ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/385946/summary/monthly/2022/11

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2022年12月の感想・レビュー一覧
101

よっち
言葉で人の心を操る異能一族の末裔である宇内一葉。幼い頃より俗世から隔てて育てられた彼女が、期限付き高校生活を送る青春小説。外界への興味と憧れが尽きない彼女が、言霊の力を不用意に行使しない、お目付け役を傍に置くこと、卒業後は家業を継ぐこと等…幾重もの約束と引き換えに手に入れた高校生活。典型的コミュ障状態の一葉に初めてできた友人や先輩たちとのやりとりは微笑ましくて、けれど散見される違和感の正体が思わぬ過去とともに明らかにされて見えているものがガラリと変わりましたね。面白くて続きが気になる期待の新シリーズです。
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よっち
ヒッタイトを舞台にした漫画『天は赤い河のほとり』の著者・篠原千絵さんが、考古学者・大村幸弘アナトリア考古学研究所長に質問!ヒッタイト帝国についてアツく語り合う対談集。 大村先生がどのようにして遺跡の発掘作業に携わるようになったのか、ヒッタイト帝国とはどんな国だったのか、篠原先生の作品誕生のきっかけなども書かれていて、ヒッタイト帝国に関しては鉄と戦車と古バビロニア王国を滅ぼしたこと、エジプトとのカデシュの戦いくらいの認識でしたが、ミタンニとの関わりとか近年新たなことが判明しているらしくて興味深く読めました。
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よっち
ある日他人の秘密が見えるようになり、ラジオリスナーという共通の趣味で一気に高宇治沙彩と距離を縮めた君島灯。しかし今度は一緒に下校しているところを高宇治兄に見咎められる第二弾。テニスで活躍するための名取さんとの秘密特訓。そして沙彩との交流を賭けた高宇治兄とのラジオのネタ勝負。着実に新たな力を身に着けながら、不器用な沙彩だけでなく幼馴染の春や、快活な名取さんとも距離感が変わってきて面白くなってきましたね。沙彩とは今回でまた一歩前進した感がありますけど、それに残る二人がどう絡むのか続巻が楽しみになってきました。
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よっち
クリスマスイブの夜、晴れて恋人同士になった海と真樹。緊張が解け体調を崩してしまった真樹が、海の気遣いで朝凪家でお世話になる第三弾。気がつけばつきっきりの看病を始める海。一緒に新年を迎えて、こたつで身を寄せ合いながらゲームをして。バレンタインにホワイトデー、そして海の誕生日プレゼントを買うためにアルバイトを始める真樹。付き合い始めて甘えん坊で独占欲も感じさせる海の重い愛にニヤニヤしましたが、お互いしか眼中にない周囲を胸焼けさせる真っ直ぐで甘々な二人が良かったです。夕にもこれから何か変化があるのか期待ですね。
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よっち
妹の親友を「女の子」だと意識してしまった隼人。そんなある日、姉が人気モデルのMOMOだとバレてしまった一輝が、過去の苦い思い出を再び思い出す第六弾。隼人に可愛く見られたいと日々綺麗になっていく沙紀。変わらない相棒の顔でいつものように隼人を揶揄って笑いかける春希の困惑、そして隼人たちと距離を置こうとする一輝を引き留めた姫子の飾らない素直な言葉。秋祭りの夜に様々なことが少しずつ変わっていって、自分の思いに素直に向き合うことの難しさが繊細に描かれていましたが、一輝は過去のわだかまりを乗り越えられて良かったです。
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よっち
お互いの価値観や結婚観の違いからわだかまりが生まれる由弦と愛理沙。そんな気持ちから目を背けるかのように二人が放課後デートや猫カフェデートをして甘く楽しい時間を過ごす第五弾。予防接種や、二人の婚約が恋愛結婚なのか政略結婚なのかといった部分で由弦の考え方に納得がいかない愛理沙。別に強制しているわけでもないのにな…と思ったりしましたけど、一緒にアルバイトすることになったり誕生日やハロウィン、修学旅行などで一緒に過ごす中、ちょっぴり面倒だけれど魅力的な愛理沙の望む落とし所を見出してみせた由弦は流石でしたね(苦笑)
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よっち
強烈な訛りでまともに会話が通じず、長年所属するギルドをクビになった魔術師オーリン。そんな彼が通訳スキルを持つ美少女レジーナを相棒に東北に向かう異世界アオモリファンタジー。アオモリの強烈な訛りも通訳するスキルで、オーリンが無詠唱魔法を使いこなすツート魔術師だと知りパーティーを組んだレジーナ。興奮するほど訳が分からなくなる津軽弁には苦笑いでしたが、呪術で操られていたフェンリルの謎を解明するため北に向かう途上でのお約束展開や熱い激闘、そして有力貴族ズンダー大公家との邂逅が彼らに何をもたらすのか続巻に期待ですね。
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よっち
通学する都内の高校や家の中にも漠然とした居心地の悪さを感じていた少女・佐島ルイ。そんな彼女が同じ高校に転校してきた卯木リョウマと出会う青春小説。同じ息苦しさを感じていた彼と一緒にいると、不思議と息苦しさが和らぐルイ。このまま二人でいれるなら、灰色のつまんない世界も捨てたもんじゃない、そう思えた日々を一変させてしまうリョウマが拾ってきたモノ。激変する状況に世界の最深部を探しに行く二人の逃避行、彼女を救うためにリョウマが下した決断、そして淡々と綴られてゆくエピローグの先にあったその結末には救われる思いでした。
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よっち
かつてこの世界を救った英雄の生まれ変わりとして召喚された大咲空。一年後に終わるとされる世界で、彼を召喚したユーリと過ごす日々を描く終末のボーイ・ミーツ・ガール。機能が失われた学園の理事長クロース、ちょっぴりドジですぐ拗ねて、でもたまに笑顔を見せてくれる少女ユーリとのささやかな日々、学園にやってきたルカとギンとの出会い。空に突きつけられる世界と大切にしたいたった一人の女の子のどちらかしか救えない選択、けれど分岐点での答えは一つしかなくて、ささやかな願いを共有する二人のこれからをまた読んでみたいと思いました。
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よっち
罰ゲームから始まった恋人関係を乗り越えた陽信と七海。二人は改めて恋人関係を再構築しようと、家族・友人にも罰ゲームの経緯を話すことを決める第五弾。両親や友人たち、関係者に様々な反応を返されつつも無事に報告を終えた二人。そして標津先輩のバスケットボール試合観戦、七海の友人カップルも交えての大人なナイトプールとデートを重ねてゆく展開で、報告しに行ったのか惚気に行ったのかよく分からない二人でしたけど(苦笑)、でもしっかり育んできた絆が感じられる二人の関係性があって、最後のサプライズもとても幸せそうで良かったです。
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よっち
ダンテとの戦いを終えて崩壊した学院に帰還したアルス。そんな彼のもとに秘密監獄トロイアから意外な人物がやってくる第十六弾。最新鋭RAWを強奪した二人を掃討するファノンの部隊、脱獄囚との戦いで負傷したテスフィアとアリスにアルスが与える試練、アルスを訪れた意外な人物の正体、そして脱獄との関与が疑われて動揺する旧貴族閥陣営。今回は一連の事件の後始末と、今後に向けた布石という印象でしたけど、テスフィアとアリスがこれからどう変わってゆくのか、実力の割には不遇っぷりが際立つ再登場のノワールも気になるところではあります。
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よっち
政略結婚した夫ブランドンが無能で財産を食い潰し、破産寸前になった伯爵家の一人娘アンバー。侍女と出ていった夫と離婚したのを機に次々と事情を立ち上げてゆくファンタジー。元夫が出した巨額の損失を補填するために、衣料品、エステ、バーなど隠れてこっそり副業をしていたアンバー。軌道に乗りかけたところで陥った思わぬ窮地と、それを救ってくれた美しい画家クリスティアンの提案。お互いにかけがえのない存在となってゆく中で、彼の事情も明らかになっていって、お互いのらしさを尊重する二人の幸せな関係が好循環に繋がる素敵な物語でした。
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よっち
遺跡探索を生業とするミコトが、調査で見つけた眠れる美少女サイファー。名前以外の記憶を失っている彼女が、見つけてくれたミコトをマスターと慕ってくれるボーイミーツガール。見たこともない装備と武装を駆使する能力を持ち、様々な知識や感情を学習しながら、人型災害と呼ばれるほどの日常的に不運体質のミコトを救うサイファー。恋に興味を示してミコトを慕うサイファーの可愛らしさが突き抜けていて、破格の戦力と人型災厄のコンビゆえに厄介者扱いされて、それでも彼女とともにあることを決意したこれからの物語を読んでみたいと思いました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
高校二年生の霧崎陽奈斗の下駄箱に収められていた手紙。浮かれながら向かった屋上で、彼が世界で一番嫌いだという後輩・七草音葉と運命の出会いを果たす青春小説。意図も分からず不信感を募らせる陽奈斗に、強烈に記憶に残る思い出を作りたいと告げる音葉。いろいろ付き合わされる中で少しずつ変わる思い、そして明らかになってゆく彼女が直面する事情。大切な記憶というパズルのピースがこぼれ落ちていく現実は残酷で、失っても取り戻したい大切な思いがあって、すれ違いながらも追いかけ続けた夢が再び紡いでくれた結末はなかなか良かったですね。
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よっち
ヤンデレ気味な幼馴染・三城紗弥花に手を焼きながら高校生活を送る國枝春季。ある日、春季が同級生の千崎優紀にちょっかいをかけられたことをきっかけに、思わぬ事態に巻き込まれてゆく恋愛伝奇ミステリ。優紀との関係を誤解した挙句、翌朝なぜか二人に分身していた紗弥花。さらに性別が男に変わってしまう優紀。優紀が暮らす寺院の枯れない彼岸花の伝承を絡めながら、それぞれが忘れていた過去の出来事が明らかになるたびに、その構図が二転三転してゆく展開でしたけど、それらを上手くまとめあげて落とし込んでみせたその結末は上手かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
唐・玄宗皇帝の時代。楊貴妃ひとりを愛し他の妃を顧みない後宮にいた妃・高翠麗が失踪したことを知った弟の高玉蘭が、身代わりで女装して後宮に入る中華ミステリ。時の権力者で縁者でもある高力士の要請で身代わりを渋々受諾した玉蘭。妃修行に励むために入った離宮で側近の女官が毒を盛られたことで出会う、古今東西の毒に通じる毒妃ドゥドゥ。次々と起きる毒を盛られた犬、ライチに入っていた毒といった事件を彼女と解決する展開で、状況からすると姉の帰還はなかなか遠そうですけど、玉蘭にどんな運命が待っているのか今後に期待のシリーズです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
敵軍にはその死を偽装しながら次なる反撃の糸口を探すマクアディは、リアン国のエメラルド姫らの協力を秘密裏に取り付け、補給物資の調達に乗り出す第二弾。敵の補給部隊をたびたび襲い、食糧不足に追い込んでゆく状況で、有り余る魔力の矛先を「謎の敵」に向けるニクニッス国王女シーナ。戦力費で言えば150対4万なのに相手の戦い方があまりにも下手すぎて面白いように蹂躙する展開でしたけど、どこまでも噛み合わないシーナとのやりとりの一方で、エメラルドやメディア、ラディナたち被害者の会ヒロインたちとの関係がなかなか楽しかったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
立て続けに起こった「人外」絡みの事件がどうにか落ちついた矢先に、今度は弟切飛たちのことを知っているらしい転校生・浅緋萌日花が現れる第二弾。未だ学校に増えつつある人外。灰崎と知り合いで白玉龍子のことや人外のことも知る萌日花が転校してきた理由。保健室投稿する雫谷ルカナと、無意識に人外を展開する柊伊都葉の関係、そしてハピエバの存在がクローズアップされて、そこからの後半は様々な背景が明らかにされてゆく怒涛の展開でしたけど、いろいろと気になるところも出てきたりで、ここから物語がどこに向かうのか続巻が気になりますね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
同級生の羊本くちなの正体を知り、彼女と友だちになりたかった高良縊想星。そんな二人の様子に気づいた想星の元カノ(一応)白森明日美が動きだす第二弾。同業者で、なおかつ互いのチートが奇跡的に噛みあうゆえに羊本が気になるけれど、彼女に避けられまくりの想星。裏の仕事をこなしながら機会を伺う想星が、いつの間にか同級生の陽菜と一緒に巻き込まれる明日美の計画。羊本につれなくされてもぐいぐい行く明日美の諦めの悪さが光る展開でしたけど、そんな彼女だからこそ引き寄せた結末には素直に凄いと思いました。羊本の変化も気になりますね。
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よっち
東西国家間の戦争を終わらせた東のエリート軍人アルマと、西の麗しき超能力者エリーゼ。平和の象徴として結婚したはずの二人が離婚の危機を迎えるラブコメディ。何と1年も経たずに些細な価値観の相違から離婚を決意する二人。世界の平和が揺らいでしまうと危機感を抱く両首脳陣が、離婚を阻止するために送り込むオリビアとロキ。根が深そうな二人のすれ違い、発動した仲直り計画に夫婦暗殺を計画するレジスタンス組織も絡むカオスな展開でしたが、ぶっ飛んだ能力を持っていがみ合いながらも、結局は仲直りするお騒がせ夫婦っぷりが楽しかったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
片思いをしていた姫城冬花に同じクラスになった嬉しさで告白したものの、当然のようにフラれた王子白馬。そんな彼と六年後の未来から来たトウカとの同棲生活が始まる青春ラブコメ。どん底の気持ちで帰宅した白馬を出迎えてくれた、ちょっとだけお姉さんでウェディングドレスを着たトウカ。そんな彼女が語る六年後の未来と、彼女が過去にやってきた目的。突然激変した環境や、現在の冬花と未来のトオカのギャップに戸惑ったり振り回されながら、白馬の特技でもあるマジックも上手く活かして彼女のために奔走する終盤の展開はなかなか良かったですね。
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よっち
兄妹になってから初めての年越しで思い出を振り返りながら距離を縮めた悠太と沙季。親戚付き合いを経て、誰からも歓迎される関係の難しさを実感しつつ触れ合いを求めるようになっていく第七弾。バレンタインや海外への修学旅行、そこで得た旅先での新たな出会いと様々な気づき。些細なことに嫉妬してしまう沙季が可愛かったですけど、特別なイベントなのに恋人らしい交流ができず、距離を痛感するもどかしさ、だからこそ出会えた時の幸福感がとても感じられて良かったですね。様々な人との出会いで少しずつ変わってゆく二人のこれからが楽しみです。
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よっち
凄腕元工作員のビクトリアが可憐な少女ノンナを保護し、本当の人生を取り戻してから5年後。シェン国での研究を終えた一家がアシュベリー王国に帰国して懐かしい人々と再会する第二弾。平穏な日々を送るビクトリアが持ち前の才能で難なく解読してしまった冒険小説に隠された謎の暗号。理解のある夫ジェフリーや心強く育ったノンナと王国の秘密に迫る大冒険へ出発する展開で、戻ってきてからの立ち位置の変化で、葛藤する彼女に理解を示すジェフリーやノンナ、周囲の人々との関係がいいですね。クラークと成長したノンナの今後も気になるところです。
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よっち
シャーロットの告白にも聞こえるお願いをされて以降、ぎくしゃくした雰囲気が漂っていた明人との関係。そのまま学校での一大イベントである体育祭を迎える第三弾。家の事情からエマも一緒に参加することになった体育祭のあれこれ。シャーロットやエマと一緒に行った動物園での思わぬ遭遇。そして明らかになる明人の過去。エマに対する接し方もいろいろ考えさせられて、感情的に受け止めるのが難しい過去にも直面しましたけど、今はこれくらいの折り合いの付け方しかないですよね。空回りしかけていたシャーロットもちゃんと向き合えて良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
殺し屋組織のボスが急逝し、遺された「死者のリスト」争奪戦が勃発。忠実な部下だった朝比と哮は、唯一ありかを知るボスの息子・三也に接近し、疑似家族として暮らしながら懐柔しようとする子育てコメディ。実はこれまで大変仲が悪かった二人が、今まで誰が誰の暗殺を依頼したのかが記された「死者のリスト」のありかを聞き出すべく、それぞれ三也にアプローチする展開で、若くして殺し屋業界に身を置いていたために普通の生活が分からず空回りする様子が微笑ましかったですね。何だかんだで三人で絆を育んでゆくその結末はなかなか楽しかったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
両親を亡くし、尾瀬の荷運び・歩荷を営む祖父に育てられた江藤瞬一。高校卒業後の進路を相談した結果、祖父に東京に出るよう諭されて上京する物語。そこから四年後、荒川沿いのアパートに暮らし、隣人と助け合い、バイト仲間と苦楽を共にする日々を送っていた瞬一。ありきたりで大きな山や谷もない日々はわりと平凡なようにも思いますけど、派手さはなくとも地に足をつけて視界に入ることにしっかりと向き合うその姿がなかなか印象的で、唯一の親族である祖父がいなくなってしまう故郷はどうなるのかとか、いろいろと考えさせてくれる物語でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
二人の女の子と同時に付き合うことになり、妹達からも告白されてしまった間四葉。何とか丸く収まったものの、今度は国民的アイドルで幼馴染の小田真希奈に告白されてしまう第三弾。アイドル活動を休止して、再び一人でかつて住んでいた家に戻ってきた真希奈の事情。二人の恋人に妹たちもいるけれど、幼馴染の苦境を放っておけない四葉。お人好しなだけなのか残念なクズなのか評価が難しい彼女の言動ですが、由那や凜花の聖域二人や妹たち、真希奈が惹かれるだけの何かがあるのも確かなんですよね…ここから関係性がどう変わるのか続巻が楽しみです。
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よっち
クラス対抗戦でBクラスを教導し、勝利へ導いたエルメス。一方、敗北したAクラスのリーダー・クライドや教師陣に非難が集中する第四弾。エルメスに魔法の教えを乞う生徒が出てくる一方、敗北の責任で非難されるクラウドがほのめかす罰。裏で暗躍する王国の暗部に状況を上手く利用され、脅威にさらされる学園の苦境。教師陣やAクラスの生徒が役に立たず、Bクラスの面々の奮闘や、サポートするサラの苦悩がクローズアップされる展開でしたけど、今回の戦いで彼女もまた変わるきっかけを掴みましたね。事態も大きく動きそうな今後の展開に期待です。
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よっち
しほに告白したものの保留された幸太郎。3学期を迎えたクラスに季節外れの転校生・胡桃沢くるりがやってくる第四弾。ピンク色のツインテールに不機嫌そうな表情をしている幸太郎が男だと思って仲良くしていた幼馴染との再会。二人の曖昧な関係を訝しんでキツめな態度を取ってくるのに、くるみにはなぜかしほの人見知りが発生しない理由。典型的な幼馴染が登場したりとモブから印象が変わってきている幸太郎でしたけど、くるみとおじいちゃんのために一生懸命考えて、しほもまた勇気を持って前に踏み出そうとしたその結末はなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
社畜だった前世で交通事故に遭い、異世界で貴族として生まれ変わったベレト。裕福で傲慢だったはずの彼が、現代人の感覚で謙虚に優しく振る舞うようになってゆくファンタジー。当たり散らすだけだった専属侍女シアに優しく振る舞ったり、その変貌ぶりに驚く貴族令嬢エレナの反応から、以前のベレトのあまりの酷さに愕然とするベレト。そんな彼が図書館登校の貴族令嬢ルーナと仲良くなる展開で、誘われても断っていた彼女とのデートがまた二人らしい展開でしたけど、ヒロインたちに慕われる主人公の周辺がこれからどう変わるのか続巻が楽しみですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ぼっちだった三代がうしろの席の同級生ぎゃる・結崎志乃と付き合って、初めての冬を迎える第二弾。三代との冬休みを満喫するために補修回避を目指す志乃と一緒の勉強、クリスマスデートでの三代のアレなプレゼントと覚悟を決める志乃、結崎家への訪問と彼女の家族への挨拶、そしてご褒美としての2人きりの温泉旅行。志乃の妹・美希も一緒の初詣もあって、バイト先を訪問したりとやや重めな志乃でしたけど、それもまた三代のことが大好きだからで、お互いを大切に想っている二人の関係を丁寧に描いてゆく今回のエピソードはなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
失踪した親代わりの師匠に借金を押し付けられたルクス。四大貴族令嬢で妹弟子でもあるティアリスとともに魔術学園に通うことになる学園ファンタジー。実力を認められて特例で学園に入学したルクスに対する貴族たちの偏見。それでもルクスの友人となってくれたレオや、ティアをライバル視するルヴィといった仲間ができて、ティアを好きでライバル視する貴族との決闘もあって、終焉教団の襲撃に立ち向かう中で彼の宿命も明らかになっていきましたけど、大切なもののために立ち上がり、強敵と熱い戦いを繰り広げる王道の展開はなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
勇也に楓が告げたこれからも一緒にいるための決意。そんな彼らが高校生活最後の一大イベント・修学旅行に向かう第五弾。移動中も京都でも気がつくとイチャイチャしてしまう勇也と楓に呆れ気味の二階堂たち、京都に現れた大人のお姉さん千空寺さんが告げた真摯な想い、そして楓が海外の大学への進学を決めたことを知って、微妙な気持ちを抱く二階堂が仕掛けた勝負。どうするのがいいのかというのは難しいと思いましたけど、それもぶつかり合ってきちんと向き合えばきっと乗り越えられるんですよね。成長した彼らの結末を最後まで読めて良かったです。
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よっち
最悪の形で終わりを迎えたヒュドラ家当主タリスマンと魔女イリーティアの衝突。力と復讐を求める王女・ミゼルヒビィは、帝国の破壊を目論むシャノロッテと進軍を開始する十四弾。狂科学者の研究成果を求めて研究所を襲うシャノロッテと迎え撃つアリスとキッシング。そしてミスミス隊長がシャノロッテに伝えなければいけなかった想い。タリスマンもまた打倒イリーティアのために力を得ようとしましたけど、求めるべきものはそれではないということなんですかね…物語も終盤で役者が揃いつつありますけど、次回はサリンジャーの過去エピソードですか。
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よっち
永瀬の地獄から逃げ出した朔と藤花。神がかりの山査子に保護されたものの、朔の異能を強めるその特異な眼を狙われる第三弾。滅びの力をもつ神をその身に下ろそうとする山査子の冬夜、それを邪魔せんとする妹・春日の確執と、朔と藤咲が出会う眼球潰し、死者の手首といった地獄めぐり。死をいざなう蝶が二人を導いてゆく陰惨でシリアスな展開で、それでも隙あらばイチャイチャを繰り広げようとして周囲を呆れさせる藤花と朔のラブラブっぷりは強い!と思いながら読んでいましたが、身を寄せる先が次々と崩壊する彼らに安息の地はあるんでしょうか…。
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よっち
瞬く間に人気を博しメジャーデビュー直前に起きた皆神望愛の逮捕。弁護士の愛崎ブレンダはそんな望愛の弁護を引き受けることになる第四弾。インサイダー取引で逮捕され、警察の取り調べで逆に篭絡し重要な情報を引き出す望愛の複雑な思い。再び居場所を失ってしまったものの、また新たな寄生先と巡り逢った元女騎士のリヴィア。中学生になってようやく友奈と再会したサラ。いきなり法廷ものになってしまう展開だったり、ダメ人間なのに妙に引きが強いリヴィアには苦笑いでしたけど、その面白さは相変わらずで最後の急展開がどうなるのか続巻に期待。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
文化祭を終えてからすっかり周囲に受け入れられつつある汐。そう思った矢先に、かつて汐が所属していた男子陸上部の能井風助が訪れる第三弾。長距離走者として汐のライバル的存在だった能井が諦めきれずに汐に挑んだ勝負。そして変わりつつある状況を相変わらず認められない西園をわざわざ挑発する世良の真意。誰もがみんな変化を認められるわけでもなくて、流れが悪くなった時に軌道修正するのは難しいですよね。周囲が気にかけるわりには当事者の汐がわりと淡々としていたのが印象的でしたけど、その結末にはそういうことかと納得感がありました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
可愛い女装姿であちこち出没していた高校生・星美次郎。偶然隣の席の陰キャ女子・心寧四夜にバレてしまい、彼女をプロデュースする青春ラブコメ。彼女にメイクを教えたり、女装姿で一緒に服を選びに行ったり、スイーツ店で映える写真を撮ったり、心寧にその心得を手取り足取り指南する次郎。たびたび顔を見せる卑屈な心寧の陰キャムーブが面倒くせえなと苦笑いでしたけど、それでも彼女は少しずつ変わっていって、彼女がそうなってしまった過去が思わぬ展開に繫がりましたけど、プロデュースを通じて絆を育んできた次郎と心寧のこれからに期待です。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
小学六年生の時、四つ年上の従姉・中堂絢音と初めてキスをした幹隆。ずっと彼女を忘れられずにいた彼が、高校生になって都内で一人暮らしを始める青春小説。高校でちょっと変わった女の子・御武凪夏と仲良くなった幹隆の前に転校生として現れた懐かしい従妹の双子姉妹・真辺伊緒&眞耶。そして大学生になった絢音との再会。全体として見ると双子姉妹との成長してから取り戻してゆく関係性が絢音以上にインパクトがあって、途中消えていた凪夏も最後に存在感を見せてくれましたね。幹隆とタイプの違うヒロインたちとの関係には期待感しかありません。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
翌年5月に開催されるブライダルフェアに向けて、少しずつ準備に取りかかり始める猫番館の人々。そこで要の中学の同級生で元恋人でもあった花帆と思わぬ再会を果たす第七弾。オーナーの綾乃に依頼されて猫番館にやって来たドレスデザイナーの親子。思わぬ形で明らかになる要の過去、そして花帆のドレスのモデルをつとめることになった紗良。これはどうなるのかと気になりながら読みましたけど、何がきっかけでなかなか進展しなかった事態が動き出すのか、意外とわからないものですね。隼人さんの師匠エピやその後を描いたエピソードも良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
天天コーポレーションへの税務調査が始まり、やってきた四人の調査官に沙名子たち経理部の面々が対応する第十弾。想像していたよりも穏健だが抜け目のない印象の調査官たち。社員が余計なことを喋りそうな営業部員たちにも注意を払いながら、懸念として浮上してくる吸収合併したトナカイ化粧品関連の問題。ピリピリムードの一方で、太陽がふと漏らした結婚問題も同時進行する展開で、こういうのは動く時には動くものなんですね。懸念事項をリストアップしてゆく沙名子さんがらしいなと苦笑いでしたけど、判明した時の周囲の反応が今から楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
就活がうまくいかず、社会人の恋人・亮平とも予定が合わなくて会えない日々が続く就活生のなつき。彼の出張に合わせた北海道旅行での思わぬ失恋と、そこから始まる少し不思議なひとなつの物語。彼と待ち合わせた幸福駅でなつきを待っていた全然幸福じゃない出来事。彼女の叫びを撮影してバズらせた小学生ユーチューバー・遥希、その父親と三人で一緒に巡る失恋旅行。彼女に届くたくさんの共感や悩みコメントがあって、楽しい旅は少しだけ自分らしさを思い出させてくれて、少しずつ前を向く元気を取り戻してゆく彼女の姿がとても印象的な物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ある特定のことにはまったり収集がやめられない行為「沼にはまる」。500人以上の「沼にはまった人々」を取材してきた著者が、様々なデータを駆使して沼の正体に迫る一冊。プロレス、若手俳優、睡眠薬、ラーメン、肉体改造、美容整形、マッチングアプリ、占い、ホスト、推し、不倫、買い物、グルメ、インスタグラム、服、ママ友など、様々な形で「沼にはまる」人々を紹介しながら、沼にはまるとはどういうことか、上手に付き合う方法などが解説されていましたが、でも周囲に迷惑をかけない、健康や生活に影響しないほどほどが難しいんですよね…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
多くの人生を変えた本当の幸せの選び方。仕事、お金、メンタル、人間関係…全てが好転するストレスフリーの法則。どうやって前向きに今後を考えていくか、失敗に対する考え方を変える、未来を良くする意識を持って今を全てと考えない、視点を変えて「恥」を手放す、時間と経験に投資する、悩みと後悔は心の外に出す、小さな場所で自信をつける、ノイズゼロの日を作る、不要なこだわりを捨てて前に進むなど、具体的なエピソードを交えながら説明される9つのルールは、過去や今にこだわりすぎずに未来を変えていこうとする大切さを教えてくれました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
住民に恒久的な生活と幸福を約束するバイオスフィアⅢ型建築。後香不動産の社員として働くアレイとユキオは独自に奇妙な発達を遂げた家々の問題に向き合ってゆく近未来小説。新時代住居の浸透により類の在り方が大きく様変わりした未来。引きこもる個々の住居からのクレームで直面する、査問神殿で見つかった鎮痛剤、自給自足を標榜するコロニー、大人になれない大人たち、左右対称の隣人トラブル。当事者たちの異常性に感じる進化の歪みも、一方で納得してしまう部分もあって、それに向き合い解決してゆくコンビの距離感がなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
「人は食べたものと、読んだものでできている」盲目の書評家のよう子と、路地裏でひとり古書店を営む本間。それぞれが見つけた本が繋ぐ奇跡の物語。神楽坂に盲導犬と住み、出版社の担当・希子と隔週木曜日の打ち合わせが楽しみなよう子。神楽坂の路地裏で古書店を経営し、五歳になる息子のふうちゃんと週に一度会えるのが楽しみなバツイチの本間。点字や本を巡るそれぞれの事情も興味深かったですが、よう子の書いた小説をきっかけに物語の構図がガラリと変わっていって、奇跡のように繋がってゆく過去と未来への期待感がとても印象的な物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
黎暉大国に初夏が訪れ、皇帝の勅命のもと妃嬪たちの避暑地行きを催すことを計画する優蘭。一方、突然過去に軋轢がある隣国・杏津帝国の外交使節団がやって来る第七弾。朗報に沸く後宮の中でただ一人避暑地行きを拒む普段は目立たない充媛の藍珠。優蘭たちが赴く避暑地の離宮で出迎えることになった過激派と言われる皇弟・王虞淵と秘書・胡神美、そして皇弟の娘・王魅音。いくつかの問題があったものの、皓月・麗月や妃嬪たちとも力を合わせて乗り切ったことでその絆はさらに深まった感はありましたけど、不穏な展開はむしろこれからのようですね…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
それぞれが耳にしたのはタケトリ・オキナという男性のポッドキャスト『ツキない話』。それを聴くつまずいてばかりの日常を送る人々の変化を描いてゆく連作短編集。長年勤めた病院を辞めた元看護師、売れないながらも夢を諦めきれない芸人、娘や妻との関係の変化に寂しさを抱える二輪自動車整備士、親から離れて早く自立したいと願う女子高生、仕事が順調になるにつれ家族とのバランスに悩むアクセサリー作家。著者さんらしい繋がる人たちの短編集で、上手くいかない時だからこそ、ふとしたことから気づく優しさがとても心に染みる素敵な物語でした。
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よっち
いくつもの敵国を打ち倒し、内政でも邪魔者を容赦なく切り捨て大陸に君臨する斎帝国の極悪女帝・李紅蘭。一向に誰とも結ばれる気がなさそうな紅蘭を案じて重臣たちが婿を用意する中華風ファンタジー。紅蘭女官を誘惑する不遜かつ魔性の婿、属国・脩の第五王子王龍淵。獣と飼い主のような関係から始まった紅蘭と龍淵の関係。それでいて不思議な絆めいたものが生まれてゆく、ワケアリで反抗心旺盛な歳上の夫が密かに抱いていたその目的。明らかになってゆく複雑に因縁が絡み合う業の深い過去を乗り越えた二人のこれからを続巻に期待の新シリーズです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
悲惨な歴史を経て一族を守る力を手にした代わりに、代償として子を産むと死ぬ伽羅族の当主。新当主レイラがある日、森で諜報活動をする他国の青年ソウに一目で恋に落ちるファンタジー。そこまで惹かれる相手もおらず、宿命にどこか実感もなかったレイラが落ちた運命の恋。他国で仕える身ゆえともにあることはできないソウ、己の過酷な運命を知りつつ彼の子を身籠るレイラ。けれど産まれるまで共にあったソウとの間には育まれた絆があって、彼が提示した宿命から逃れる仮説に対する彼女の選択は…何とも複雑な願いを抱いてしまう結末が印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
世界外から来た呪具を破壊するため大陸中を旅するオスカーとティナーシャ。けれどその一方で、かつての祖国ファルサスには不穏な影が生まれる新章第二弾。突如、隣国を侵略したファルサス国王ディスラルが城都に来ていたティナーシャに求めた過去の清算。ファルサスでの凄惨な事件に直面した自分たちがどうあるべきかという覚悟。そこから大切なものを取り戻すまでのオスカーが積み重ねた日々には正直気が遠くなりましたけど、何よりお互いに対する強い想いや、揺るぎない絆をひしひしと感じさせる二人の関係性の凄みが改めて浮き彫りになりました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ある日突然家にやってきた女子高生との日々など、希望に満ち溢れたかのように思えた大学時代を経て、何者にもなれない社会人になった若者たちの姿を描く連作短編集。隣に住む元彼の「音」だけでも聞きたいと突如現れた女子高生ハル。就職活動が上手くいかず彼女ともすれ違う大学生の草太、プロポーズにピンとこなくてつまらない日々を送るモガ、就職したテレビ局で希望部署にいけずに燻っていたユウスケと菜穂の出会いと別れ。こんなはずじゃなかったと思いながらも、そこからどうにも抜け出せない、変わろうとしないありようが印象的な物語でした。
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よっち
大英帝国にはびこる数々の怪異。若き日の小泉八雲が、その裏側に潜む「悲しすぎる」真実に迫る青春オカルト・ミステリー第四弾。この世の怪を蒐集するパトリックと相棒のオーランドの元に持ち込まれる奇妙な相談の数々。知らぬ間に教室にいる「何か」、曰くつきのドールズ・ハウスから消えた人形、女の霊に憑かれ死相を浮かべる青年。雰囲気がある神学校内でどこか腫れ物を触るような扱いだった二人に、事件を通じて友人と言えるような存在も増えてきて、オーランドの次兄も気になりますが、何とも切ない真相に向き合う彼らの結末は良かったですね。
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よっち
横浜の山手図書館でのアルバイトが決まった本好きの大学生・藤本読也。異国情緒あふれるその図書館で、変わり者の修復師が本と人の心にまつわる謎を解き明かしてゆく物語。図書の修復を手がける修復棟へ行くよう命じられ、書籍修復師の波々壁の助手として書籍の修復を手伝いながら、「物語に囚われている人間を救い出す」仕事を手伝う読也。「黒衣聖母」とシスター、「青い石とメダル」とフードの男の正体、亡くなった館長や波々壁自身が囚われていた物語など、ミステリというよりはややファンタジーめいたストーリーでしたけど興味深く読めました。
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よっち
過干渉しないことを条件に付き合っていた空也とファティマ。人付き合いが苦手な二人だが、一緒に生活する中で互いを深く知り、交流も広がってゆく第二弾。保護者である小縁に婚約の許可を求める二人。一方、空也と正式に恋人として付き合い始めたファティマが、テストの勉強会に球技大会などを通じて打ち解けてゆく空也の友人・紅葉、彼の幼馴染・蛍花とその友人の晴花。空也以外の人が増えたことで見せるファティマの表情はなかなか新鮮で、その心境の変化を感じさせてくれましたけど、二人だけの時間はやっぱり特別な彼らのこれからに期待ですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
お泊まりでのキス事件からお互いぎくしゃくした空気が続くゆいと優真。お互い自分の気持ちに気づき始めたけれど、最後の一歩を踏み出せない二人が林間学校に参加する第三弾。お互い意識する中で相合傘から風邪を引いてお互いの相手の家へお見舞い訪問、友人たちとのお勉強会だったり、デートの際に優真の姉ネネにいろいろな服を着せられたりと、周囲に生温かく見守られながら、相手に好かれていることを自覚する二人のイチャイチャっぷりは甘かったですね…自分なりに頑張れるようになったゆいと、そんな彼女が愛しい優真はお似合いの二人でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
初めてのカノジョができた高校生・大嶋鷗。初心で内気で清楚な同級生、宍戸向日葵との幸せな日々が始まると思った矢先に、かつて憧れ恋焦がれた初恋の人と再会してしまう青春小説。親同士が再婚して向日葵と義姉妹になっていた梅雨との数年ぶりの再会。明るく快活だった昔の面影が失われ、退廃的で荒んだ雰囲気を漂わせる彼女に戸惑いながら放っておけない鷗。タイミングが悪く複雑な構図の三角関係になってしまいそうですが、ここまで来るともうヒロインたちが想いを寄せる主人公の覚悟次第なんですよね。どう転んでも波乱は必至の続巻に期待です。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
竜王戦に挑戦する弟弟子の九頭竜八一を見守る、中学生にして女流二冠の空銀子視点で語られた、いろいろな意味での始まりが描かれる前日譚。『システム』を生み出した天才戦略家・碓氷竜王に挑む八一に同行した銀子と、初めて対局場となった温泉旅館の将棋を知らなかった娘・雛鶴あいの運命の邂逅。碓氷やあいの視点も織り交ぜながら綴られる物語は、八一と碓氷の勝負だけでなく、男鹿や万智に振り回される銀子も描かれていて、何より因縁ある碓氷を掘り下げるエピソードが今このタイミングで出てきたことで、本編をより印象的なものにしていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
迷宮から大最悪を喚び出しオラリオを破壊せんとする闇派閥と、迎え撃つ冒険者達。暗黒期に繰り広げられた正邪の決戦がついに決着する第三弾。殺帝と盤面上で計略を競う勇者、因縁の相手と激闘を繰り広げる美神の眷属たち、最強の暴喰に再び挑む猛者、そして九魔姫や剣姫たちと共に静寂に挑む正義の眷族たち。ギリギリの局面が続く中で盤面上の読み合いに勝った勇者は流石でしたけど、何よりも最後まで諦めずに負けられない戦いに挑んだ冒険者たちそれぞれの戦いがなかなか熱かったですね。明らかになる真相と巻末のEXTRAがまた効いていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
女流名跡の就位式でプロ編入試験からプロ棋士を目指すことを宣言したあい。八一は世界最強のスーパーコンピューターが計算した百年後の将棋に向き合う第十七弾。女流枠で出場した公式戦でプロを相手に連勝を続けるものの、目指す道の厳しさを痛感するあい。天衣の用意したスパコン「淡路」で百年後の将棋を垣間見てしまった八一の覚悟。久しぶりに再会した銀子の状況、そしてヤバさを垣間見せる創多などいろいろ見どころの多い今巻でしたけど、何より対照的な道を歩み始めたあいと天衣はどこに向かうのか、八一の今後も気になるところではあります。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
不可能な謎専門の御殿場倒理と、不可解な謎専門の片無氷雨。大学のゼミ仲間だった二人は卒業後、探偵事務所を共同経営し、依頼人から持ち込まれる数々の奇妙な事件に挑む第二弾。穴の空いた密室、時計を鍵とした殺人事件の真相、穿地警部補視点のエピソード、行方不明になった少女の捜索依頼の真相、最も間抜けな溺死体、旧友との再会で真相が明らかになった五年前の事件。彼らの過去も掘り下げながら、毎回違う語り手を変えての軽妙で楽しいやりとりや人間関係、持ち込まれた謎を解き明かすテンポの良いストーリーは今回もなかなか楽しかったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
大蒼国の超難関・科挙を突破してようやくなれた官吏に夢を抱く劉幽求。そんな彼があやかしの相手をする部署・祝部に配属される中華風ファンタジー。怪力乱神禁止令によって怪異の存在しないこの国で、出世の道を閉ざされたと絶望した幽求の前に現れる少女・凛麗。彼女やその兄二人とともに挑む怪奇な腫瘍や、流血するクスノキ、寵姫が魂だけで城を抜け出しているという噂の真相。それぞれの事件の繋がりが見えてくる中で、凛麗が抱える特殊な事情も明らかになってゆく展開は、なかなかテンポが良くストーリーのメリハリも効いていて楽しかったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
最高裁判事への道も見えてきたエリート女性判事・片陵礼子。そんな彼女がかつて懲役刑に処した元服役囚が近頃、裁判所の前に佇んでいることを知るミステリ。学生時代から優秀で経歴には微塵の汚点もなかった礼子。違和感を覚えた彼女が調べ始めたことで気づく過去の事件の真相。裁判官になりそこねたプライドの高い夫や義母との関係、礼子の扱いで忖度する上司といった人間関係に鬱屈を抱える礼子が、再審へと動いていたのは果たして何のためだったのか…感情の赴くままに動いたがゆえの何とも後味の悪い結末を純愛とするのには抵抗感がありました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
若くして余命を告げられた雫。瀬戸内の島のホスピスで残りの日々を過ごすことを決め、穏やかな景色のなか本当にしたかったことを考える物語。幼い頃に両親を亡くし、叔父に育てられて成長した雫。少しずつ入居者が旅立ってゆくホスピスで、毎週日曜日に入居者がリクエストできる「おやつの時間」。自らもいつか旅立つ日まで残された日々をいかに過ごすのか。ドライブしたりしばらく会っていなかった父たちと会ったり、それでも今できることを精一杯楽しんで、最後まで生き抜いてみせたそのありようがなかなか印象的で心に残る物語になっていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
辺境伯令嬢として生まれて十六年。呪われた子と家族から迫害されていたクロエが、家を飛び出し王都で暴漢に襲われたところを第一騎士団のロイドに救われるファンタジー。使用人のように扱われて身の危険を感じた実家での生活。家出して向かった憧れの王都で窮地を救ってくれたロイドに恩返しするため、家政婦として働くことになったクロエ。実は生活力が壊滅的だったロイドをフォローして、不器用な者同士で心を通わせる展開は良かったですけど、ロイドの境遇もなかなかハードで驚かされましたね…お互い意識しつつある二人のこれからが楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
単独で迷宮に潜り冒険者の死体を回収する日々を送る冒険者イアルマス。そんな灰塗れの日常が「残飯(ガーベイジ)」と呼ばれる少女剣士との出会いを機に動き始めるダークファンタジー。迷宮の奥で発見され、蘇生されたものの記憶を失ったままのイアルマスが迷宮に潜る理由。そしてガーベイジや盗賊ララジャとパーティーを組むようになって、ぎこちないながら少しずつ変わる関係。蘇生術もあって主人公ですら普通に死ぬなかなかハードな世界観ですが、好漢ゼルマールや謎めいた女エルフ聖職者アイニッキなど魅力的なキャラも多く続巻が楽しみですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
世界中に名を知られ、不死不敗の伝説をもつ最強のスパイ風魔虎太郎。多くの仲間が死に組織が壊滅寸前となっていたことから、仲間としてスゴ腕の新人スパイたちが集められるスパイ小説。オペレーターのすずめによって集められた、狙撃や暗殺、ハッキングなど抜きんでた特殊技能をもつ美少女4人。彼女たちの中に、各国のスパイ組織を次々と潰している「ノーフェイス」が紛れ込んでいる情報を得た虎太郎。それぞれの事情が明らかになる中で、虎太郎との関係も変わっていって、構図が変わってゆく中で全てがひとつに繋がってゆく結末は面白かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
三人の幼馴染と出会って10000日。春野啓介と結婚することになった幼馴染は一体誰なのか…。幼馴染それぞれとの思い出が積み重ねられてゆく青春ラブコメ。子どもの頃から大人になるまでずっと一緒に過ごした実の妹以上に大切な八歳年下の花織。小中高大から就職先まで僕と一緒で、困った時は力になってくれる頼れる幼馴染・舞花。子供の頃、家出した時に助けてくれた生活力皆無のポンコツお姉さん和花菜。花織を溺愛するあまり鈍感キャラになっていた啓介と幼馴染たちの構図は、最後の最後で引っくり返されたのか…これは続きが気になりますね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
幼い頃から殺人衝動を持ち、勉強も運動も一番の完璧な高校生・高城誠司。並び立つ存在で友情を深めながら妹を殺したことを誠司に問い詰める菅沼拓真と異世界召喚されるファンタジー。魔法で召喚された先の王国で、第一王子デュレルの右腕として悪辣な手腕で成り上がる誠司。一方、第二王子アシュレイの下で信頼を得てゆく拓真。相容れない王子二人の因縁、二人の間で揺れるデュレルの娘シンシアという構図の中で誠司と拓真の対決も不可避でしたけど、何とも皮肉な真相と結末はこれしかなかったのか…ここからどこに突き進むのか続きが気になります。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
入学直後に誤解から停学処分を受けた高校1年の藤城遠也。ひとりぼっちの高校生活をすごす中、旧校舎で美人の先輩・夕凪茜と出会う青春小説。停学明けの学校では、極悪不良という噂がたっており、クラスメイトも誰も目すら合わせてくれない日々。旧校舎で茜と交流を深めるうちに知る、虚像の自分が現れた日を境に、本当の茜が誰からも認識されなくなってしまった孤独。彼女を何とか助けたい藤城の孤軍奮闘が空回りする厳しい状況でしたけど、それでも諦めず愚直に虚像の矛盾に迫り続ける彼の執念が引き寄せた結末にはほんと良かったなと思いました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
魍獣化した日本人を復活させる手段を求めて京都に向かうヤヒロたち。しかし名古屋に駐留する中華連邦軍により足止めを食らう第四弾。通行料としてギャルリーに山の龍の遺存宝器を要求する中華連邦軍。しかし遺存宝器に適合して一体化してしまった絢穂を守るため、代わりに魍獣の絶え間ない襲撃の原因究明を提案するヤヒロと彩葉。それぞれの思惑で龍の巫女たちが動き出して、一方で明らかにされた様々な新情報だったり、絢穂の心境の変化だったり、先を見据えた布石がこれから効いてきそうですね。新たな不死者たちの動きもあって今後の展開に期待。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
思い高ぶった麗良から天馬への突然のキス。それを密かに見てしまった凛華。三人の間にぎこちない空気が流れたまま、天馬の予想外の方向へ進み始める第三弾。どうしたらいいのか分からない天馬と凛華に距離ができてしまい、そんなぎくしゃくした二人を呼び出した麗良からの有無を言わせぬ夏合宿の提案。同行した麗良付きの変態メイド沖田や天馬の姉・渚がいいアクセント役になったことで、麗良のキャラもより輝きを増して、凛華もそのポンコツっぷりを取り戻してゆくドタバタな展開はとても良かったです。しかし最後の急展開でどうなるか続巻に期待。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
親友への過度な依存をやめるため『二斗離れ』を宣言するギャル系女子・五十嵐萌寧。坂本巡はその一環で彼女の趣味探しを手伝うことになる第二弾。目標や夢に向かって動き出した周囲の刺激を受けて、巡や六曜先輩にフォローされながら、インスタや料理、フットサルや彼氏作りといった新しいことに挑戦する萌寧。一方で新曲をきっかけに大ブレイクして周囲の環境が激変してゆく二斗。彼女たちの関係も変化が避けられない中、果たしてそれでいいのかを見逃さずに真正面からぶつかった巡の奮闘は大きかったですね。次は何が起きるのか続巻も楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
12月1日、アルバイト先の塾で担当する生徒が増えた咲太。新たな教え子の姫路紗良もまた思春期症候群を発症していることを知る第十二弾。3日前に咲太が見た夢と一言一句同じ挨拶をする紗良。思春期症候群を発症しながら治さないで欲しいと懇願する彼女の真意。塾内での何とも複雑な人間模様はなかなか面白かったですが、「麻衣さんが危ない」というメッセージも気がかりな中、面倒事に巻き込まれて振り回される咲太は大変そうでしたけど、そこでどうすべきかという場面で、状況をよく見てビシッと最善手を打ってくる麻衣さんが流石でした(苦笑)
が「ナイス!」と言っています。
よっち
母に連れられて来た古びた団地の片隅で出会った結珠と果遠。着るもの食べるもの、住む世界も何もかもが違うのに、お互いに惹かれ合う二人の四半世紀の物語。週に一回だけ古びた団地で育んだ二人の交流。高校時代の束の間の再会と突然の別れ。そして社会人になってからの偶然で運命的な再会。初手から強烈に惹かれ合う二人の縁みたいなものがあって、出会ってしまったらもうお互い意識せずにはいられなかったり、それぞれが抱える親子関係に対する葛藤だったりもありましたけど、大人になっても大切なものはいつまでも変わらない二人が印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
没後も語り継がれる美しい歌姫だった祖母リズがコンプレックスの歩。運営するファッションブランドが経営困難な状況に陥り困っていたところ、モデルの穣司と出会う物語。祖母が持っていた真珠を語り手にして紡がれてゆく、自らの弱さに目を背けてきた人々が一歩ずつ成長する姿を丁寧に描いたストーリーで、意識するあまり祖母と似ても似つかない容姿や、他人の美貌に辟易して自信や自分らしさを見失っていた歩でしたけど、視点や意識を変えればまた違うこともいろいろ見えてくるんですよね。終盤の母親の存在やその言葉もいい感じに効いていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
探偵社で働くことになったヤクザの下っ端、真二と悠人。そんな彼らのもとに、弟が殺人を犯したかもしれないと女子大生が調査依頼にやってくる第二弾。二人が調査を始めた矢先、その被害者かもしれない浮浪者が住んでいた「ドクロ沼」から見つかった白骨死体。一方、重要な理事会が迫っている中、何者かに誘拐される医療法人理事長の三代木。探偵仕事と巨大病院での権力闘争という二つのストーリーを並行して進める中で、それらが絶妙なバランスで絡み合うことで少しずつ見えてくる構図、一気に繋がってゆく終盤の展開とその結末は上手かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
大災害を防ぐ聖女だと異世界召喚されたのに魔力がなく追放されたハル。ハルを召喚してリストラされた召喚師ヴィクターと、この世界で生きる道を探し始めるラブファンタジー。ほとんど知らない異世界で宰相に放逐されたものの、彼女を助けてくれる人たちがいてどうにか居場所を得たハル。彼女を聖女だと信じて探しに来たヴィクターと一緒に新しく商売を始めるハルは意外とたくましかったですけど、大切な人たちのために思わぬ形で発生した大災害に立ち向かうハルの覚悟が尊かったです。彼女を支えたヴィクターとのこれからをまた読んでみたいですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
思い出をひとつだけ「再上映」してくれる不思議な存在、映人。彼と出会って思い出を追体験することで、大切な思いに気づいてゆく連作短編集。自分勝手に生きて死んだ父の思い出、結婚を後悔する妻が思い出すかつての恋人、自分が一番輝いていたはずの高校の文化祭、ある犯罪をきっかけに繋がった想い、そして映人の偽者騒動。過去を変えられない、体験した出来事を他言できない過去の追体験の中で、けれどその中でそれぞれが見出してゆく大切な思いがあって、それが悩める現在を変えるきっかけとなって未来へと繋がってゆくとても素敵な物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
年末、憂鬱な気分で実家に帰省し、複雑な気持ちを抱えながら父と将来の話を交わした尚哉。翌日、散歩に出た先で小学校時代の友人の田崎涼と出会う第八弾。涼の兄から相談があった勤務先の小学校の正体不明のお化けの噂、亡くなった友人との約束に悩む少女、そして「幸運の猫」がいるという旅館に佐々倉と泊まりがけで出掛けた二人が雪山で見たもの。前向きにこれからのことを考えるようになってきている尚哉の変化を感じさせるエピソードが印象的で、もう一人の高槻の存在も気になりますけど、今後で異捜の人たちとの関わりも出てくるんでしょうか。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
2020年初頭、マスクをして生活することを誰も想像できなかった。現役医師として新型コロナを目の当たりにしてきた著者が描くコロナ禍の医療現場のリアル。シングルマザーで大学病院勤務医の椎名梓、結婚目前の彼氏と同棲中の女性看護師・硲瑠璃子、70代開業医・長峰邦昭という三人の医療従事者の視点からそれぞれ描かれるストーリーで、現場で戦っていた人々にも葛藤やそれぞれの生活があって、特に最初は周囲になかなか理解してもらえないこともあったでしょうし、そういう中でも向き合い続けた医療従事者の方々にはリスペクトしかないです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
構図が激変する中で食糧難を作り出した冬間美咲に追い詰められた香屋歩。そんな彼が起死回生の打開策として、月生と「七月の架見崎」に関わる構想を実行に移す第七弾。香屋の解決策によって実現した、架見崎の最強・月生が愛したただ一人の女性ウラルとの再会。それをやり直すことが彼にとっての幸せなのか、そして彼の望む生きる意味は見えてくるのか。今回の香屋らしくないと感じたその選択で浮き彫りになってゆく謎めいた月生の過去があって、何とも切ないエピソードでしたけど、その代わりに結果として危機を乗り越えてみせた手腕は流石でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
顔の痣を隠すため、祖母から教えてもらった化粧をしてひっそりと暮らす男子高校生・夕作まこと。彼がバイトの新聞配達の帰りに、公園でタバコを吸うクラスメイトの女子生徒・槙野と出会う青春小説。何やらワケありのような槙野と、お互い踏み込まないまま話す機会が増えてゆく夕作。槙野を通じて広がってゆく交友関係と、偶然知ってしまった彼女が抱えている苦悩。臆病だった夕作の背中を押してくれた槙野もまた誰にも言えなかった孤独を抱えていて、そんな彼女のために勇気を出して向き合おうとする夕作の不器用な優しさがなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
前世の知識を生かし次々と事業を手がける蓮華の影響で新しい文化が広まっている凰朔国の後宮。しかし凰朔という国が、天明や蓮華の立場が大きく揺らぎはじめる第五弾。凰朔における秋祭りである天翔祭でも、これまでにない演物として神輿の行進を提案した蓮華。そして重大な告白で頭が混乱してしまった彼女と、あっさりと受け流されて気持ちの整理がつかない天明。そんなもどかしい二人の雰囲気も後半の急展開で全て吹き飛んでしまいましたけど、ここから雨降って地固まるとなるのか、どのようにして巻き返すのか、天明の頑張りに期待したいですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
衝撃の結末。そこから遡って長束と路近の主従関係や、彼らと武人養成機関である勁草院の教官・清賢と翠寛の過去も描かれる短編集。奈月彦が長束の側近として推薦した翠寛との邂逅、狂暴な路近の監視役として教官となった清賢、側近候補として勁草院に入った翠寛との関係。前巻の続きではなく翠寛と路近の因縁について掘り下げてゆく展開で、そこから再びあの結末に繋げたことを考えると、一見繫がりはなさそうにも思えたこのエピソードを、ここで挿入してきたことに意味があるんでしょうね。ほとんど出てこなかった雪哉がどうするのか気になります。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
札幌の進学校に通う高校3年生・土橋輝明。彼に相談を持ちかけてきた優等生同士で腐れ縁の秦野あさひが、翌日に突然失踪したことを知る物語。異母弟で料理研究部では彼女の後輩でもある吉川航とともに彼女の行方を追い始める輝明。その手がかりを求めて東京や沖縄に向かう中、彼女を含めた子どもたちの複雑な境遇や親との破綻している関係が浮き彫りになりましたが、ずっと探していた彼女に今の自分に何が出来るのかという葛藤があって、そんな彼が出したシンプルで真っ直ぐな答えと、それがもたらした冒頭に繋がるその結末はなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
スパイ養成学校のトップ6人を集めた精鋭集団『鳳』。予期せぬ襲撃で仲間たちが倒れゆく中で、『飛禽』のヴィンドが忘れがたき『灯』との蜜月の記録を思い出す短編集第三弾。ファルマとサラのロリコン合コン、モニカの地雷を無自覚に踏み抜くラン、アネットとクノーが向き合った小さな命の死、グレーテとの会話に垣間見えるビックスの思いだったり、落伍者達の犯罪組織を追ったり、抜きん出て成長していたヴィンドとメンバーたちとの溝など、『灯』と対比させて描かれるからこそ浮き彫りになる彼らのありようがまた印象的な短編集になっていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
妖魔皇ルルカと誓約して皇帝選へ挑戦するも、プリメラとの対立により瀕死の重傷を負い、仕切り直しとなった皇帝選。地道に課題をこなすシルヴィアたちが皇帝選を巡る思惑に巻き込まれてゆく第二弾。宝剣から瘴気が溢れるリベア聖爵領を救ったことで逆に減点されてしまうシルヴィアたち。そんな彼女たちに提示される荒廃したベルニア聖爵領の課題。皇帝や大聖女にもそれぞれの思惑があって、シルヴィアを意識する妹プリメラも絡めながら、覚悟を決めて成長した姿を見せるシルヴィア、そして他の聖女たちの存在も効いていて今後の展開が楽しみですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
多大な費用と時間が掛かる子供の教育を家庭の限られたリソースを使って、いかに効果的に果実を得るか。膨大なリサーチと実体験をもとに、子供が現代の学歴獲得競争で勝ち抜くための戦略を論じる一冊。そもそも今の大学進学率はどれくらいなのか、日本の教育レベルはどれくらいなのか、何を目的にカリキュラムが作られているのか、中学受験と高校受験ではどちらがコストパフォーマンスがいいのかなどを解説していて、やや中学受験よりの内容でしたが、中学受験をしている割合は全体の一割程度で、考え方としていろいろと参考になる部分がありました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
謎の万能感とともに永い眠りから醒めた少女ミツバ。しかし父を毒殺した継母の策略で、貴族名を取り上げられた挙句、士官学校に入学することになってしまう異世界蹂躙譚。彼女にはぼんやりとした異世界の記憶と、無自覚に発動する呪いの力が宿っていて、幽閉場所や、わずか11歳で入学することになった士官学校、軍事研修として送り込まれた先でも、どこかぶっ飛んだ思考でやりたい放題に蹂躙して、行く先々で周囲を恐れさせてゆくミツバ。士官学校で出会ったクローネとサンドラたちと進む道は異なりそうですけど、これからどうなるのか続巻に期待。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
魔王を倒して燃え尽きていた勇者が救った、謎の敵に追われる赤髪の少女。彼女の素性を探るために勇者がかつての仲間を訪ねる旅に出るリライフファンタジー。追手の目的は一切不明で本人も記憶喪失、けれど食いしん坊な天然少女は一体何者なのか。呪いで名前が認識できなくなった勇者と、腹黒の賢者、脳筋の姫騎士、師匠の幼女、成金の死霊術師の再会。久しぶりでも変わらない彼女たちがそれぞれの形で見せる勇者に対する深い愛があって、再結集した最凶パーティーはヤバかったですが、赤髪の少女の真相に至る結末がとても優しくて素敵な物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
聖女として王国を守ってきたにも関わらず、婚約者の王子と浮気相手に嵌められ、冤罪で投獄された挙げ句に公開処刑されたアリシア。しかし仇敵のはずの魔王により処刑台から蘇る復讐譚。人々の悪意にこんな国滅んでしまえば良いと願った絶望。生き返った際に聖女の力に加えて闇属性魔法まで宿して、魔王と手を組んで王国に復讐を誓うアリシア。けれど時々壊れた様子こそ垣間見えるものの、優しい彼女の本質は変わらなくて、新たな居場所を得て慕われる彼女がこれからどう生きてゆくのか、物語としても新展開を迎えそうで今後の展開が気になりますね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
夏休みの新婚旅行で夫婦の絆を深めた唯華と秀一。二学期を迎えて近づく文化祭の実行委員に立候補した二人は協力して準備期間――という名目で、密かにイチャつく日々を楽しむ第三弾。あまりにも多忙を極める秀一が心配で、私と文化祭どっちが大事なのか問題を突きつける唯華。コスプレ喫茶やカップルコンテストと大盛況の文化祭でも転校してきた華音がわりとぐいぐい来ましたけど、隙あらば距離を縮めるチャンスを伺う二人だけに、そのイチャイチャっぷりが突き抜けてましたね(苦笑)お互いが意識して着実に距離を縮めてゆく二人のこれからに期待。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
マッチングアプリで再会した元カノ光と再び繫がりができた大学生の翔。同じ大学の心も気になりつつ、駅前で偶然に痴漢から助けた女性・楓さんと意外な形で再会する第二弾。光との溝が少し埋まったようにも感じつつ、けれどやっぱりお互い素直になれず口喧嘩になってしまう翔との関係。心とはアプリの割引イベントで仮カップルデートもしたりする中、親友の縁司のためにお節介を焼くあたりがとても翔らしいですね。関わりが増えて自らが抱える複雑な思いを自覚してゆくヒロインたちがこれからどう動くのか、今後の展開が気になるところではあります。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
暗殺任務を請け負い高校に潜入した暗殺者・黒木猫丸。彼が他の人間と一線を画すオーラで呼びかけてきた中二病の少女・竜姫紅音と出会う青春ラブコメ。中二病の痛い言動の紅音を伝説の暗殺者レッドラゴンと勘違いした猫丸。紅音もまた同志と勘違いして猫丸をブラックキャット呼ばわりする展開で、すれ違ったままLINEのやり取りから難儀したり、テスト対策やデートでも数々の騒動を巻き起こすお騒がせな二人でしたが、迷走しがちな紅音をフォローする親友コマコマもいい感じに効いていて、それでもいろいろ前途多難な二人のこれからが楽しみです。
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よっち
消しゴムに書かれていた『あなたのことが好きです』という言葉で憧れの文学少女・若宮雅との恋に玉砕した竹久優真。高校に入学した春、その勘違いが再び動き出す青春ミステリ。入学式の日の太陽少女・宗像瀬奈との運命的な出会い、瀬奈の親友で優真の親友・大我を付き合うことになった笹葉更紗、優真が所属する文芸部の部長・葵栞と優真の友人・鳩山遥斗。文学作品も絡めながら描かれる彼らの人間模様は、思っていた以上に狭い世界でいろいろと繋がっていて、勘違いやこじらせて複雑に絡み合った彼らの関係がどう変わってゆくのか今後が楽しみです。
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よっち
神戸外国人居留地で軍の任務中に心臓を貫かれ致命傷を負った悪魔祓師の神童・皆無が、「七つの大罪」に名を連ねる腕のない悪魔で天使とすら見紛う少女・璃々栖に救われる明治悪魔祓師異譚。悪魔の力と引換えに、璃々栖と一蓮托生の命となった皆無。父母を殺されて奪われた祖国を奪還するため、腕を取り戻そうとする璃々栖との束の間のかけがえのない日々。けれど愛に生きる覚悟を決められなかった皆無が、璃々栖を救うために立ち上がる展開はさり気なく配された伏線が効いていて、激闘の末に二人の想いが引き寄せたその結末はなかなか良かったです。
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よっち
大学で地雷系美少女として有名な琴坂静音と思わぬ形で遭遇した愛垣晋助。意外な一面を知った晋助へ口止め代わりに通い妻契約を提案する半同棲ラブコメ。これまでメンヘラ女子とのトラブルが続いて女性に臆病だった晋助。居場所を提供してくれた恩を返すべく献身的に通う静音が垣間見せる複雑な背景。渋々認めた関係が少しずつ変わってゆく一方で、優しすぎる彼を心配する幼馴染の存在もあって、定義できない繊細な関係も拗れかけましたけど、隠しきれない重さを感じつつも、一緒に乗り越える覚悟を決めた彼らの物語をまた読んでみたいと思いました。
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よっち
100年振りに復活した魔王を倒すため、異世界へと招かれた5人のヘンな女子高生達。女神から特別な才能を持つ彼女達にこの世界を救って欲しいと依頼される異世界コメディ。100年振りの魔王復活、混乱に乗じて蔓延る悪党共。天下動乱の世を正す為、世界の命運を託された少女たち。マッドサイエンティストに暗殺者、機械生命体に生体兵器となかなかクセの強い女の子たちが、自分の思うままにやりたい放題やりながら世界を救おうとする展開で、一見常識人枠にも思えた彼女も思わぬ一面が垣間見えましたね…そんな彼女たちのこれからが楽しみです。
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よっち
礼奈との夏夜の一件以降、彼女に釣り合える人間に成長しようと、就活に学業にと勤しむ悠太。礼奈の残した言葉が選択の時までのカウントダウンを早めていく第七弾。家に通ってくれていた真由、大学で一緒にいることが多かった彩華とも、多忙からなんとなく会いにくくなっていた悠太。そして悠太の家でたまたま鉢合わせた二人による彼を巡る勝負。彩華と真由それぞれに考えた末のアプローチがあって、覚悟を決めて距離を詰めようとする二人の思いが溢れていましたけど、果たして悠太はどんな決断を下すのか、次巻最終巻とのことで楽しみにしています。
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よっち
遂に訪れた初恋の人との再会。彼女があの子であると認識した政近は、改めて思いを巡らせつつ夏休みも明けて二学期へと突入する第五弾。ついに明らかになった初恋の人の正体と彼女が伝えた想い。会長選に多大な影響を与えるという学園祭に意識が向く中で、アーリャの変化に心を掻き乱される政近。今回も有希&綾乃主従は全力で政近をいじりに来てましたけど、アーリャもまた新しい技を覚えると嬉しそうに使いたがりますよね(苦笑)覚悟を決めた彼女もまたそのままではなくて、政近の危惧を払拭するような頑張りを見せた確かな成長が光っていました。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/08/23(3915日経過)
記録初日
2013/07/27(3942日経過)
読んだ本
11294冊(1日平均2.87冊)
読んだページ
3281027ページ(1日平均832ページ)
感想・レビュー
11184件(投稿率99.0%)
本棚
70棚
性別
血液型
B型
職業
専門職
現住所
埼玉県
外部サイト
URL/ブログ
https://yocchi.hatenablog.com/
自己紹介

こんにちは。普段は図書館と書籍仕入れに関わるお仕事をしています。仕事のついでに面白そうな本がないか探していて、とりあえず自分が読みたいと思った本さえ読めてさえいれば、わりとまあいいかと思えてしまう行動原理が少し残念な人。

好きなジャンルはボーイミーツガール、青春小説、部活小説、お仕事小説、ミステリ、冒険・中華ファンタジー、歴史・戦記、SFなど。コメディ調より落ち着いた雰囲気の物語志向。意外な展開や難解さがウリのお話も嫌いではないですが、どちらかというとベタで王道な構図が分かりやすい、最後は良かったなと思えるお話が好みです。

基本的には著者買いが多いですが、興味を持ったらテーマやジャンル・作家などにはあまりこだわらず何でも読みます。人に本を薦めるのが趣味の本を読むついでに人生を送る雑食系読書廃人。

娘(11年4月生まれ)の読書記録用アカウント。
http://bookmeter.com/u/562586

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