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2023年12月の読書メーターまとめ

よっち
読んだ本
122
読んだページ
37818ページ
感想・レビュー
122
ナイス
5116ナイス

2023年12月に読んだ本
122

2023年12月のお気に入られ登録
8

  • ろば
  • はなさー
  • マルMAL
  • TSUTIYA
  • れっちん
  • FFLJAPANter
  • 道楽モン
  • 山田レオナルド

2023年12月にナイスが最も多かった感想・レビュー

よっち
コロナ禍に直面して先の見えない禍にのまれた人生は、思いもよらない場所に辿り着く。 ままならない状況に足掻く人々の姿を描いた6つの連作短編集。大学中退の客引きバイトが出会った中学時代に死んだはずの同級生を名乗る女。コロナ禍で歪み様々なことが狂い始めた一家の思わぬ結末。十五年前に亡くなって、当時のことを思い出してゆく幽霊。調理師の職を失った無職男が、近隣の老人宅に通い始めた顛末。妊娠した高校生の娘と隣人の妊婦の意外な結末。コロナ禍に絶望して集まった人々のエピソード。著者さんの幅の広さを感じさせる短編集でした。
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2023年12月にナイスが最も多かったつぶやき

よっち

2023年11月の読書メーター 読んだ本の数:142冊 読んだページ数:44845ページ ナイス数:5784ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/385946/summary/monthly/2023/11

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2023年12月の感想・レビュー一覧
122

よっち
コロナ禍に直面して先の見えない禍にのまれた人生は、思いもよらない場所に辿り着く。 ままならない状況に足掻く人々の姿を描いた6つの連作短編集。大学中退の客引きバイトが出会った中学時代に死んだはずの同級生を名乗る女。コロナ禍で歪み様々なことが狂い始めた一家の思わぬ結末。十五年前に亡くなって、当時のことを思い出してゆく幽霊。調理師の職を失った無職男が、近隣の老人宅に通い始めた顛末。妊娠した高校生の娘と隣人の妊婦の意外な結末。コロナ禍に絶望して集まった人々のエピソード。著者さんの幅の広さを感じさせる短編集でした。
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よっち
23年夏、突如として「X」と名前を変えられ、姿を消したTwitter。140字でしか気持ちを伝えられない世界を愛し続けた作家たちが紡ぐTwitterなき世界の物語集。Twitterが終わる世界でオタクたちはどう生きるか、相互フォローの女性からのDMで始まる奇想天外な物語、他者への複雑な想いとTwitter。そしてTwitter終了により助手との連絡手段を失った探偵が、見つけ出した助手の意外な正体。斜線堂有紀さんの話目当てで読みましたがミステリ仕立てで面白かったですし、最後の追悼文もなかなか効いていました。
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よっち
画期的機構から「第5のがん治療法」と言われ、世界に先駆け日本で初承認された「光免疫療法」。ノーベル賞級の発見はなぜ、どのように生まれたのか。インタビューから浮かび上がる挫折と苦闘。日本人の2人に1人がかかり、相変わらず日本人の死因1位のがん。6年にわたる小林医師への直接取材を基に、光免疫療法のメカニズムと今に至るまでの状況、現状は限定的な治療法を拡大するために越えなければならない壁を解説していて、楽天の三木谷さんも支援してるんですね。画期的な治療が広がればいろいろ状況も変わりそうですし頑張って欲しいです。
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よっち
アイドルを論じ続けて40年超。「推す」という生き方を貫き、時代とそのアイコンを見つめてきた稀代の評論家が〈アイドル×ニッポン〉の半世紀を描き出す一冊。1970年代の南沙織に始まり、山口百恵から松田聖子への継承、82年組の小泉今日子と中森明菜の明暗、後藤久美子と宮沢りえ、チャイドルや沖縄ブーム、原田知世や竹内結子、2010代のアイドルから今に至るまで、まさに時代を共に過ごして関わってきた著者ならではの回想録で、時代とともにアイドルに求められるものや、そのロールモデルも変わってきているのを改めて実感しました。
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よっち
心の闇が晴れたことで本来のエロゲの道筋から外れて、斗和の彼女として共に前を向いて歩き始めた絢奈。斗和の家で蜜月を過ごす彼女が自分の母と向き合う覚悟を決める第三弾。幼い頃から絢奈の心の闇を深めた原因の一つでもある母・星奈。彼女と向き合って心の内を話すうちに、斗和の父母と星奈が古い付き合いであることを知ってゆく展開で、過去にやったことは消えなくても何だかんだで母同士も含めてわだかまりは解消できたんですかね。伊織や真理たちも変わりつつあって、修の母や妹にも事実を突きつけた今となっては、残るは修との対峙ですか…。
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よっち
なんだかんだで異世界に順応して、好き勝手しまくる残念美少女ホムラたち。そんな彼女たちが魔物の襲撃事件調査のために港町オーレリークを訪れる第二弾。同行するアレクたちを振り回す彼女たちが出会った、欲望のままに圧政を繰り返す領主の娘エリーリヤ。今回もなぜかビーチでサメと戦い、隣の漁村ではジンが鬼退治決行したりとハチャメチャな展開でしたけど、這鮫の群れを率いる魔族ナージャに立ち向かい、その中で妖刀をものにしてそもそもの原因に対峙するジンがなかなか熱かったですね。暗躍する黒幕の存在も気になるところですが続刊に期待。
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よっち
沙羅に二人だけの時間を作ることを条件に、誰にもバラさないことを約束させた晴也。今度は結奈が中学時代のバスケ部の部活仲間と口論している場面に遭遇する第二弾。晴也を意識するようになり、お昼休みに屋上で一緒にご飯を食べ始めた沙羅。一方、結奈の中学時代の部活仲間からその苦い過去を聞き、注意深く観察するうちに結奈が実はまだバスケをしたいのではと感じる晴也。担任でもある部活の顧問にも根回しをしながら、彼女の思いにしっかりと寄り添って背中を押す展開はなかなか良かったですね。いろいろバレかけている気もしますが続刊も期待。
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よっち
憧れの王都暮らしを始めるも人見知りからうまくいかず、師匠に勧められて田舎暮らしを始めた魔女アイリ。しかしそこでアイリの思わぬ才能が輝く静かに暮らしたい日陰魔女の、無自覚つよかわファンタジー。普通の魔法はあまり得意でなくても規格外レベルで人外に好かれるアイリが、精霊たちと仲良くなって農地を改善したり、魔獣を手懐けて周囲から認められるアイリ。王都の魔法学園に入学した妹リエルの姉大好きっぷりの姉自慢には苦笑いでしたけど、妖精たちに愛されているアイリが、彼女たちに助けられてこれからどう変わるのか今後に期待ですね。
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よっち
メジャーデビュー目前にバンド仲間からクビを宣告された芝草融。絶望に打ちひしがれる中で推しアーティストの自殺を知って、後追いした結果タイムリープしてしまうやり直し学園青春リベンジ。最悪の未来を変えるためバンド仲間からの誘いを断り、過去にトラウマを抱える将来の推しアーティスト時雨や、家の事情を抱えるヤンキーJKの片岡理沙をフォローしてバンド結成を持ちかける融。彼らが大会出場を賭けてかつてのバンド仲間と対決する王道展開で、妨害にも負けずに乗り越えて仲間と見せてくれた楽しそうなセッションがなかなか熱かったですね。
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よっち
原因不明の殺人衝動により誰にも打ち明けられない苦しみを抱え生きていた高校生・有町要。しかしある日クラスメイトの旭日零にそれを気づかれて、密かに二人で契約関係を結ぶ青春小説。K-ウィルスで狼男の怪異に蝕まれる有町と同様に、原因不明の再生能力と吸血衝動に悩んでいると打ち明けた孤高の美少女・旭日が二人で飢えを満たし合う共依存関係。感染しているものしかわからない思いを共有する関係だからこそ、その契約関係はウィルス感染が前提で、渇望していたはずの普通の生活と契約関係という選択に迷わなかった二人の結末が印象的でした。
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よっち
1周目の人生に絶望し、タイムリープして2度目の人生をやり直し始めた街鐘莉里。1周目にはいなかった幼馴染・水無月彩人と出会ったことで、その人生が変わってゆく青春小説。幼い頃にいじめられ絶望していた彼女の心を救って、共に進学した高校では起こっていたはずのトラブルや事件のフラグを粉砕するイレギュラー彩人の存在。彼の影響でラブコメハーレムの一員になるはずだった莉里の運命もこんなに変わるんだなとしみじみ実感する展開で、何人がタイムリープしているかも気になりますけど、幼馴染のメインヒロインになりたい彼女の今後に期待。
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よっち
季節が過ぎやってきた2月。節分祭をきっかけにさらに亜弥との仲を深めた深月は、それを妬んだ男子らにあらぬ誤解を広められる第三弾。深月がボランティアに強制参加させられることを知り、自らも志願した亜弥の心境の変化。そしてバレンタイン当日の初々しいやりとりと、皆の前で深月の無罪を主張する聖女様の憤慨、その断固とした態度に驚くクラスメイトたち。改めてお互いを意識するようになってゆく中で、深月母との邂逅があったり、亜弥のシビアな状況も明らかになっていきましたけど、きちんと思いを通じあえた二人がなかなか良かったですね。
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よっち
魔王を討ちながら教会や国に懐柔されない勇者シオン。業を煮やした教会の枢機卿から、神々の花嫁兼異端審問官であるアリシアに勇者の暗殺指令が届くファンタジー。神々の加護を持ち暗殺が不可能だとされる勇者を殺す方法は勇者から愛されること。近づいて攻略法を探るうちに、シオンが実は同い年の少女と気づき情が移ってゆくアリシア。シオンの師である英雄の存在、次々と殺される枢機卿、そして魔王軍残党の都市襲撃など、様々な思惑や魔王との戦いの真実が明らかになってゆく中で、少しずつ変わってゆく二人の少女の関係がなかなか良かったです。
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よっち
星嶺大附属病院の統合外科病棟に配属された新人ナースエイド桜庭澪。ボロアパートに引っ越してきた彼女が隣に住む技術至上主義の天才外科医・竜崎大河と出会う医療サスペンス。外科手術に対してストイックな意識を持ち、時にはぶつかりながらも鋭い観察力を見せる澪を評価する竜崎。ナースエイドを志したのは姉の死がきっかけで、空き巣に入られたことで事件が終わっていなかったことを知る澪。アプローチや志は違っても患者に真摯に向き合う姿勢は評価する二人が、一連の事件に巻き込まれる中で認め合うようになってゆく姿がなかなか印象的でした。
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よっち
サバト帝国の奇策シルフ攻勢によりまさかの敗走を余儀なくされた王国。あまりの急展開に上層部の判断も後手に回る中、ガーバック小隊は城塞都市マシュデールへの撤退を目指す第二弾。飢えと渇きに苦しみながら命からがら城塞都市マシュデールへと辿り着いたトウリたち。しかしすでに眼前にまで迫るサバト軍相手の防衛戦で、唯一の衛生兵として臨時医療本部の監督役に任命されるトウリ。激戦で過酷なトリアージを求められ、さらに生き延びるためにシビアな判断を迫られる展開でしたけど、しかるべき停戦のタイミングを逃すとこれはもう泥沼ですね…。
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よっち
文化祭も成功し優愛の誕生日が近づく中、女子にプレゼントをあげたこともないオタク君が、悩んだ末に優愛と共通の友人であるリコに相談をもちかける第二弾。リコの提案で優愛と一緒に出かけて誕生日プレゼントを選ぶことになったオタク君。ハロウィンイベントに参加したり、第2文芸部でコミフェ参戦したりと、オタク君と彼を意識し始めた優愛の関係を中心に、同様に興味津々のリコや委員長たちも絡めた人間模様になっていましたけど、ロッカーに潜む委員長だったり、初参加のコミフェであるあるネタをやらかしたり、今回もなかなか楽しかったです。
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よっち
1万人以上のビジネスパーソンと対峙してきた著者が明かす「仕事ができる人」に共通する5つの力を軸に、本当に仕事ができる人の思考法を紹介する一冊。「やってみたい」ではなく「やってみた」、早く選択して決断するの重要性、会社の利益となっているのかという視点、相手が話したいことを聞き、聞きたいことだけを聞く重要性、相手の状況を意識して話す、頭の良さだけでなく「勇気」「人望」「行動力」の重要性、ミスが生じない仕組みづくり、褒めることや素直に向き合えることの重要性など、当たり前だけれど大切なことを改めて確認できました。
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よっち
担当する恋愛相談コラムが評判で書籍化が実現。ウェブメディア編集部に異動になった雑誌編集者・一葉。連載時に助言をくれた、変わり者のイケメン大学教員・椎堂と動物園デートをする第二弾。大手メディアとの提携で大きく変わる媒体の環境、動物園での初デートを境に大きく変わる二人の関係、動物の求愛活動を絡めた恋愛相談動画の成功と挫折。動物園閉園に直面して、自分に何ができるのかを問われる一葉にはなかなかシビアな展開でしたけど、一度は失敗したアリアとの関係に再度向き合い、その葛藤と成長の先にあった結末には救われる思いでした。
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よっち
「魔女」と称される檻杖くのりの周囲では常に事件が起こる。その悲劇の「味」を誰よりも何よりも好む彼女が薊拓海とともにもたらされた事件の真相を解き明かす第二弾。夜中にグラウンドで走っている姿が目撃された、先月事故死した陸上部で将来を嘱望されたランナーの幽霊。そして舞台の上で一人毒をあおって自殺した、演劇部で大喝采を浴びた女生徒の死の真相。そんな事件の背景に隠されていた真相を見出すくのりは、けれどいつもどこか儚くて危うくて、だからこそ彼女の命綱となってくれる拓海の存在がかけがえのない大切なものなんでしょうね…。
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よっち
「お父さんと同じ墓には死んでも入りたくない」義母の遺言から始まった墓問題。親類や子供たちを巻き込み、墓の必要性などを考えるきっかけになっていく墓騒動小説。四十九日を前に、突然明らかになった姑の遺言。いきなりの真実に黙り込む義父と、亡き母の希望を叶えるために奔走する義姉たちの騒動の行方をワクワクしながら眺めていた五月と、一方で夫婦どちらの名字を悩むかで相手と揉める娘たち。夫の実家と娘の婚約者の実家という二つの墓騒動から浮き彫りになる根の深い問題にはドキリとさせられましたし、誰もが他人事じゃないんですよね…。
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よっち
古来、大陸に君臨した北方「中原」と経済文化を担った南方「江南」が対峙してきた中国。北から蔑まれた辺境は、いかにして東ユーラシア全域に冠絶した経済文化圏を築いたのか江南視点で描きなおした一冊。湿潤温暖な長江流域で稲作が広がり、楚・呉・越の争覇から、蜀の開発、六朝の繁華、唐・宋の発展、明の興亡、革命の有為転変へと多彩な中国史を形成して、下支えする存在となっていた江南。内容は荊州や蜀の地も含めていて、漠然とイメージよりもやや広範な地域を扱っていましたが、その位置づけについてなかなか興味深い一冊になっていました。
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よっち
マックス・ウェーバーとルーマン。科学技術と資本主義によって規定された産業社会の謎に挑んだふたりの社会学の巨人が遺した知的遺産を読み解くことで、この社会とは何かという問いを更新する一冊。資本主義の精神を書いたウェーバーが書かれた時代のウェーバー家と産業社会の状況、閉鎖的経営の大工場と商会の分散型生産という二つの戦略ともうひとつの資本主義の可能性。それをルーマンのコミュニケーションシステムに繋げて、プロテスタントの論理だけでなく組織のあり方も意識していたウェーバーの考え方を見直す興味深い一冊になっていました。
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よっち
行動遺伝学が明らかにしたのは知性や能力、性格、そして運まで人間社会のあらゆる面を「遺伝の影」が覆っているという事実を橘玲と行動遺伝学の第一人者が対談形式で論じた一冊。発達した遺伝子関連テクノロジーによって、遺伝子一つでどこまで分かるようになったのか「鳶が鷹を生む」メカニズム、子供を「当たり」にしなければという脅迫概念、なぜ先進国で知能の遺伝率は上がっているのか、後天的な変異は受け継がれるのか、親ガチャや環境の影響、遺伝的な適性や蔓延する逆優生学など、対談で遺伝の影響の大きさを考察する一冊になっていました。
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よっち
毎年、生徒の誰かがサプライズを起こすことが慣例の八津丘高校の文化祭。まるで宣戦布告をするかのように事件が起きた2年前の文化祭ポスターが学内掲示板に貼られ、犯人とその糸を探る学園ミステリ。2年前、ゲリラライブで人が殺到して教師がケガを負い、その様子がSNSにアップされて炎上、ニュースにも取り上げられた事件。なぜその時のポスターが貼られたのか、文化祭実行委員の市ヶ谷のぞみと佐竹が生徒たちに聞き込みをしてゆく展開で、登場人物たちの印象と実像があって、明らかになってゆくそれぞれの文化祭の意味が印象的な物語でした。
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よっち
暗い夜道に立ち尽くす幽霊の存在に気づいた検事の印藤累。動揺する彼の前に現れた自称案内人の青年・架橋昴に、真夜中にだけ開かれる深夜法律事務所に導かれるリーガルミステリ。夜中だけ動き回れるこの世に未練を残す幽霊たちを導くために活動する深夜朱莉。彼女とともに事件解決に挑む人気アイドルのベンチプレス窒息死事件の思わぬ真相。そして後輩の今瀬と配属された観察指導課で取り組む先輩検事の証拠隠滅事件の真相究明。未練を残す霊たちを成仏させるためにも、冤罪と犯罪被害者の真相を追う中で辿り着いたその結末がなかなか印象的でした。
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よっち
深夜の職場でこぼした何気ない一言を聞かれてしまい、異世界へ送られた社畜サラリーマンが、貴族の嫡男で双子の兄アルドとして転生して人生をやり直す剣と魔法のファンタジー。双子の弟エルファスとお互いの魔力を共鳴させ、学んだことを共有する特殊能力に目覚めて、母親から魔法を教わることになったアルド。街へ外出して護衛の娘アシェラと共に攫われ、それを何とか自らの力で乗り越えてみせた彼が、自らの力不足を痛感して前世の知識も活かしながら試行錯誤する展開で、エルやアシェラにも影響を及ぼしながら、成長する彼らの今後が楽しみです。
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よっち
少しだけ距離が近づいた『ソロギャル』の美少女・鈴原綺奈とルームシェアを続ける街川庵。彼が務める文化祭実行委員のパートナーに綺奈が立候補する第二弾。庵との生活で不器用ながらに少しずつ甘えてくるようになってきた綺奈が、文化祭実行委員になったことで起きる大小様々な軋轢を、仲間と協力しながらフォローする庵。苦い過去も乗り越える彼に惚れるのも無理はないと思うような展開で、けれど親友という関係性が逆に呪縛になる構図はもどかしかったですけど、ことりも絡めた複雑な関係性にも上手い落とし所を見つけたこれからが楽しみですね。
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よっち
自称・本格的名探偵の美少女・推川理耶から、一方的に助手に指名されたミステリ好きの高校生・福寄幸太。美少女名探偵と5人の助手が紡ぐ非日常系ミステリラブコメ。立ち上げた「本格の研究」に、自称・学校保健師ゆゆや目隠し幼女イリス、二重人格のお嬢様・姫咲とメイドの雨名と、続々集まってくる助手希望者。そして屋上への墜落死事件、遊園地での殺人事件、磔刑に処された小説家事件に挑む、迷探偵・理耶の絶対間違えない推理の斜め上過ぎる真相。それを解決する苦労人のキーマン幸太の特殊性も際立っていて、この迷コンビの今後に期待ですね。
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よっち
自らの将来の夢にこだわるあまり、それ以外はどうでもいい学校一の問題児・君波透衣。しかし父親に強引に引き合わされた同級生の婚約者・白姫リラと出会ったことで事態が一変する青春小説。何もかもが正反対で、外面と大違いの本性で透衣の夢の前に立ちはだかり、彼の更生に乗り出したリラ。下僕扱いで奉仕活動に参加させられる状況にげんなりする一方で、彼女の不器用な一面を知ってゆく透衣にも心境の変化があって、普段のギャップゆえに周囲にも誤解される関係性でしたけど、すれ違いを乗り越えてみせた彼らのこれからが楽しみで仕方ありません。
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よっち
空っぽな自分は表に出さず、他人の仮面を被って毎日をやり過ごしていた城原千太郎。しかし『映画監督』の小悪魔かわいい後輩・霧乃雫と出会ったことで、自主制作映画に引きずり込まれてゆく青春小説。キラキラした顔で撮りたがる雫、人気者だが本性はサバサバ系女優の桜に、意外な才を見せた野球部のエース石田も加わりスタートした撮影。役者としてのイロハを叩き込まれながらの順調に思えた撮影が、思わぬトラブルから暗転してゆく展開でしたが、秘めていた信じるがゆえのこだわりに熱い想いでぶつかり合う彼らの今後に期待せずにはいられません。
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よっち
悪友に勧められ、酔った勢いでマッチングアプリを始めたフリーターの三条六郎。そんな彼と離れて暮らす義妹の三条悠羽のマッチングが成立してしまう青春小説。お互いに相手が誰なのかを認識していて、他人を装って交わしていくメッセージ。高校を不登校状態の悠羽が心配で様子を見に行き、家庭崩壊で彼女の居場所がない状況を知る六郎。明らかになる六郎の過去や、家を出た覚悟が何ら報われていない現状には目眩がしましたが、彼女のために行動する思いは変わらなくて、前途多難な状況ではありますけど、いつか彼らが幸せになる日を期待したいです。
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よっち
少女達が仮面を被り、伴侶となる者以外の異性に素顔を見せずに暮らす神面島。真璃と直の2人の少女と想いを交わした少年・志郎が、彼女達と関係をもう一歩進めたいとあれこれ思いを巡らせる第二弾。真璃と直が聞き出した、どこまで本当なのかよくわからない世界放浪エピソード。一方、未公表の三人の恋人関係を知らないまま、志郎との距離を縮めようと密かに動き始める素敵な恋人を手に入れたい少女・大夢と、男性への苦手意識を克服したい幼馴染・文。鷹揚な島ならではの展開なのかなと苦笑いでしたけど、最後に思わぬ展開が待っていて続刊に期待。
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よっち
王国北部の反乱に立ち向かうも、大司教ヨハンの未来予知の力によって行動を読まれ続け、苦戦を強いられたエルメス。リリアーナ陣営は窮地に立たされるも、冷静に反撃への緻密な作戦を創り上げていく第六弾。分析の結果、作戦の重要な鍵とされたリリアーナ。一方家族を人質に取られてしまいエルメスと敵対することを強いられ、ヨハンの持つ予知能力の真相を知るとともに、自身もその力を手にしてしまうニィナ。今回エルメスだけでは打開できない局面を、鍵を握る二人の少女や仲間たちも加えた駆け引きで打ち破ってみせた展開はなかなか良かったです。
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よっち
凡人探索者である味山只人の活躍によって退けられた耳の怪物。しかし今度は人類を、味山を抹殺せんと人知竜によるバベル島攻略戦が開始される第三弾。カエルの化物と対峙するチームアレタの動画配信に始まって、雨霧が介入してくる貴崎とのデート、アレタと貴崎による遠隔監視下で行われるナイトビーチでのあめりやの面々との合コンと坂田たちの乱入。例のヒントですら匙を投げる斜め上のカオスな展開の連続でしたが、今回はそれですら束の間の平穏でしかなくて、怒涛の展開の先にある一体これどうなるの…?という結末には呆然としてしまいました。
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よっち
悪徳領主として反乱軍に捕らえられ専属従者エトナとともに処刑された若き伯爵フラッド。直後に彼女とともに二年前にタイムリープして、今度は死なないために二度目の人生をやり直す悪徳領主ファンタジー。二周目の人生で目指すのは死なずに領主の座を譲って気ままな平民生活。そのために私腹を肥やしていた部下を断罪、前世の反乱者を後継者に指名して、飢饉対策に励むなど反乱に繋がる要因を次々と潰していったことで、逆に国を救った聖人として称賛されてしまうフラッド。打つ手打つ手がいい意味で裏目に出る彼の活躍はなかなか面白かったですね。
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よっち
戦場で生きてきた元傭兵の少年ナイン。入学試験で見せた泥臭い戦い方に周囲はドン引きして誰ともパーティーを組めず、見かねた聖女な先生アリシアが一緒にパーティを組んでくれる学園ファンタジー。実戦的過ぎる破天荒なナインの行動も優しくフォローしてくれる、元王女の聖女でいろいろ訳ありなアリシア先生。彼女の助力で光神教徒なのに光魔法が使えない才媛ヘレンや入学試験で因縁のあるマリシーヌといった仲間も増えていって、まさかの展開にはびっくりしましたけど、本音を言えない先生のために頑張ってみせたその結末はなかなか良かったです。
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よっち
性別不詳VTuberとして活動する高校生・甘露ケイ。グループで集まったオフ会がどうせ男ばかりと思っていたら、実は自分以外全員美少女だったというVTuber小説。集まったのはエロネタを連発する親友VTuberの藤枝トモが実は清楚系で、それに小学生にしか見えない女子大生が中の人のアマネに、実は中学生だったミィというカオス。アマネやミィの困りごとを助けながら、そこで実は女子だったという噂、トモの思い込みによる迷走もあって、勘違いからカオスな展開に陥っても、仲間たちのために何とかしようとするその姿が印象的でした。
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よっち
外では文武両道で才色兼備な優等生、でも家ではだらしなく兄嫌いな実妹・雪姫。しかし、父親の唐突な再婚によって、兄・一戸瀬皇季に甘える義妹が二人もできてしまう兄妹ラブコメ。お兄ちゃんを取られたくない雪姫の豹変に加えて、それぞれの理由からそもそもデレデレな中学時代のバスケ部の後輩・美穂と、彼女の妹でバスケの天才少女・未桜。彼女たちを甘やかし過ぎる兄の皇季の天然シスコンっぷりのヤバさも時折垣間見えますが、それ以上に過去の苦い思い出から家族思いな一面があるんですよね。ひとつの懸念を乗り越えた彼らの今後が楽しみです。
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よっち
夏休みが終われば、全て元通りになると思っていた二人の関係。けれどルールが曖昧になってお互いの距離感も変わってしまい、相手の考えていることが分からなくなってゆく第三弾。夏休みが終わって、何となく気になるお互いの進路。宮城は仙台に志望大学を問い、逆に同じ大学を受けたらと言い出す仙台。学校でもさりげなく接触の機会を伺う仙台の変化に戸惑いながらも、意識せずにはいられない宮城が微笑ましいですけど、肝心の仙台へのベクトルが相変わらず不器用なんですよね(苦笑)素直になれればだいぶ変わる気もするんですがなかなか難しい…。
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よっち
人類と魔女の戦争終結後。〈魔女狩り〉と呼ばれる少女クオが、自身の安全性を証明するため、入学した学園で魔女の生き残りルカと出会う学園ガール・ミーツ・ガール。最強の戦闘力に反してコミュ力最弱の超人見知りという難問を抱えるクオが、仇敵である魔女の生き残りにして平和を望む変わり者のルカや、クオの任務を監視する後輩ノエルと少しずつ交流するようになってゆく展開で、コミュ障っぷりを炸裂させるクオには苦笑いでしたけど、上層部の思惑に振り回されながらも、それでも大切な友情のために立ち上がるその結末はなかなか良かったですね。
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よっち
誰もが持つはずの魔力を持たず、嘲笑を受け無気力に育ったウィリアム。彼が千年前の戦争で活躍した美少女英霊たちを召喚してしまう学園ファンタジー。退学の危機に直面して超越の指輪を探すうちに出会った三人の美少女英霊たち。魔王イリスの英霊に魔力を引き出され、従者のレインにサポートされながら大天使ソフィア、剣聖ミオたちに徹底的にしごかれるうちに、眠っていた才能を覚醒させるウィリアム。そのあまりの怠惰っぷりに才能があることを懸命に隠す英霊たちには苦笑いでしたけど、怯懦を乗り越えて覚悟を決めたウィリアムのこれからに期待。
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よっち
女性に発現しやすい異能力・天稟により激変した世界。男ながら天稟を持ち悪の組織に属する大学生イブキが、正義の組織に属するヒナタを密かに推すシークレット・イルミナティ。大好きな漫画の推しの幼馴染の兄で、対立組織のキャラになぜか転生してしまったイブキ。彼女の相棒ルイに正体がバレても、敵対する天真爛漫なヒナタのために奔走する彼に戸惑い、彼に近い幼馴染クシナの存在を知りながら、受け入れてしまうヒナタもどこか壊れちゃいましたかね(苦笑)天稟の代償も絡めながら、カオスな関係がどこに向かうのか今後に期待感しかありません。
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よっち
不本意ながら、帝の腹心の部下となってしまった内裏女房の荇子。そんな立場の変化から様々な問題に巻き込まれてゆく働く平安女官のお仕事事件簿第五弾。東宮の立坊を機に返り咲きをもくろむ南院家ゴリ押しの顛末、帝の寵愛を左右しているという噂を聞きつけた弘徽殿の動き、そして亡くなった南院家の流れをくむ二の宮の法要の手伝い。不遇だった時の扱いを人は忘れないよな…と思いながら読みましたが、思わぬ要因で様々なことに気づいた頭中将だったり、腹心になり難しい立ち位置となってしまった荇子と征礼の覚悟もあってなかなか面白かったです。
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よっち
恭司を止めて綜次郎を取り戻すため、終也と離れた真緒。帝都に向かう汽車の中で、同行する志貴に過去の思い出話を語る過去エピソード回の第五弾。廃れた神事『遠音の儀』を再開すべく終也と調べていた真緒が見つけた、不自然に破かれている先祖返りの日記。母を亡くした志貴の父帝に対する複雑な想い。十織終也と六久野恭司の邂逅と積み重ねてゆく関係。そして志貴に不穏な預言を与えた八塚暝と紫織子、そして暝の双子の弟・蛉の関係とその結末。物語のターニングポイントとなる話を深く掘り下げていて、どれもそれぞれ印象的なエピソードでしたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
都のはずれの小廟で女道士として暮らす孫月娥。かつて暴漢から救ってくれた整斗王・高秋霆に密かに恋をしていた彼女が、突然下された勅命により還俗して宗室に嫁ぐことになる数奇な運命の物語。帝国の繁栄に翳りが見え始め邪教の隆盛する状況で、宗室に迎えられたその身に忌まわしい痣を持つ美しい月娥と、実は妻が忘れられない秋霆が仕方なく受け入れた仮初めの婚姻。想い人に嫁げた喜びと報われぬ複雑な想いを抱える月娥でしたけど、明かされてゆく整斗王の過去、そして陰謀に巻き込まれてゆく中で変わってゆく二人の関係には救われる思いでした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
家事代行サービスの会社で働く秋月都。ある日、都は急病のスタッフに代わり、北鎌倉に派遣された大きなお屋敷で、出迎えた和装の若き和菓子職人・羽鳥一成と出会う物語。そのお屋敷は一成の工房兼住居で、見事な出来栄えで常連客も多い彼の作る和菓子。日々鍛えた料理の腕で、羽鳥家の定期契約プランを勝ち取った都が、彼の作る和菓子に触れるうち、密かに抱える和菓子の苦手意識に対する変化や、思わぬ縁を繋いでいく展開で、一時閉店していた甘味処も再開して、これからどんな物語が紡がれていくのか、今後がとても楽しみな物語になっていました。
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よっち
ダイエットを続けて不破も痩せて元に戻りつつある中、今度は不破と衝突した因縁を抱える、清楚さと妖しさを兼ね備えた新たなギャル鳴無亜衣梨が密かに太一に急接近する第二弾。男女カーストトップ衝突で緊張状態にあるクラス内で、不破のギャル友とも交流が増えてゆく太一。一方、密かに接触を続けていた彼をデートに誘う鳴無。鳴無の思惑を警戒する不破と喧嘩した太一の結末は散々でしたけど、どん底から這い上がった彼のお人好しな選択から、思わぬ真相にたどり着く展開はなかなか良かったですね。まあそうなりますね…とも思いましたけど(苦笑)
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よっち
師匠の鍛冶に誘われて、青森県新郷村にある発掘現場に向かった無量たち。東戸来遺跡と名付けられたその縄文遺跡の環状列石の下から、国宝級の赤い大型土偶が掘り出される第十八弾。しかし土偶を見た瞬間それを埋め戻せという現場作業員のいろは、きりすと土偶はやはり存在したと興奮するベテラン作業員の手倉森。一方、仙台のシンポジウムで偶然無量の父・藤枝教授と再会する忍。縄文遺跡と隠れキリシタン、奥戸来文書を巡って地元議員の思惑も絡む中で、その阻止に共闘する藤枝と無量には驚かされましたけど、関係改善の兆しもあって良かったです。
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よっち
失われた世界の記録を修復するために働く中で、異変の原因が怪盗アルセーヌにある可能性に行き着いた名探偵の助手・君塚。その過去を追ううちにあらゆる正義が巨悪に立ち向かった戦いの記録が明らかになる第十弾。怪盗の正体である世界最悪の犯罪者アベルを追っていた、暗殺者・加瀬風靡を探し出して話を聞く君塚。その過去エピや久々の登場となったシャルの過去も絡めながら、《虚空暦録》や《特異点》などの真実に迫りつつ熱い戦いも繰り広げられてゆく群像劇的展開でしたけど、そんな中で渚もしっかり存在感を見せてくれてカッコ良かったですね。
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よっち
高校二年生の寿美子の幼馴染れいちゃん。同じ高校に進学し通学を共にする二人の、互いを傷つけ合いながらも一緒にいる思春期の複雑な友人関係を描いた青春小説。可憐な容姿とは裏腹に、他人の容姿を貶めたり、陰口を撒き散らすことでしかコミュニケーションをとることができないれいちゃん。あまり上手く行っていない学校生活を送る寿美子が、彼女の吐く毒に自らも影響を受けしまっているのではと感じてしまうのも分かるような気がしましたし、息苦しい二人の関係にあった閉塞感を変えていってくれた栞と塁の兄妹との出会いには救われる思いでした。
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よっち
2025年。渋谷で偶然初恋の人・浅野水星と再会した元自衛官の陸。しかし人類観測史上最大規模の太陽フレアが発生、突然の磁気嵐が地球を襲ったに影響で異常事態に陥る物語。大規模停電により通信・インフラがストップする状況下で、かつての想い人の命と東京迫る危機。出産間近の姉の命の為に動き出した水星の妹・金星と共に、救う手段を得るために横須賀へ向かう陸が知る大規模停電の理由。ネットも途絶し情報も交通手段もない極限状況で、時には衝突しながら出会った人に助けられ、縁を辿って解決に挑んだその結末がなかなか鮮烈な物語でした。
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よっち
無事、恋人として認められたグレイとアリシア。停学処分を受けていた学院への復帰も決まったものの、特別クラスに放り込まれてしまう第二弾。アリシアを溺愛する令嬢マインが他のクラスメイトを退学に追いやったことで特別クラス廃止と再び停学の危機に陥り、グレイとの婚約を認めさせるため、学院を卒業すると父と約束して再びクラスメイトを集め始めるアリシア。一緒に行動するマインが暴走気味で人集めに苦戦する展開でしたけど、グレイの助けもあってクラスとしても一歩前進できましたかね。最後に登場した人物が波乱をもたらすのか続刊に期待。
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よっち
昔は、誰よりも兄を慕っていた槻ノ木汐の妹・操。今は汐を軽蔑する彼女の視点から絆と呪縛、ままならない家族の過去から今が語られる第四弾。汐がセーラー服を着ているところを目撃した瞬間に、消え去ったかつての憧憬。なぜこんなことになってしまったのか。操の視点で過去に遡りながら辿る汐の生涯。母を亡くして二人で支え合ってきて、父親の再婚で確実に変わってゆく生活。そんな状況であんな変化があったら簡単には認められないのも分かるような気がしますね。いろいろありましたけど最後の決断でどうなるのか、次巻の最終巻を期待しています。
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よっち
先輩たちが卒業していく春。突然、焼塩檸檬からデートに誘われた温水が、人知れず悩みを抱えていた彼女と退部を賭けて100m走で勝負する第六弾。檸檬との竹島水族館での初デートを当然のように後をつけてくる八奈見たち。悩んでいた檸檬を巡る陸上部の騒動に巻き込まれる中、分かりやすい小鞠に比べて、相変わらず立ち位置のよくわからない八奈見の食い意地っぷりは相変わらずで苦笑いでしたが、悩める人には真摯に向き合う温水を、出番は少なくても存在感は抜群の志喜屋のように気にかけるヒロインは多いですね。新年度でどうなるか続刊に期待。
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よっち
生きる希望を見失って渋谷の屋上で命を絶とうとしていた越智友香を救った、覆面アーティストFの歌声。生きる原動力となったFをもっと知りたくなって追いかけ始める物語。覆面アーティストとしてきっかけを得て飛躍し始めたFと、ファンアカウントでFの正体を追う友香。同じFのファンであるアカネと知り合いながら、知りたいという思いで近づいたFの意外な正体。やられた側はそのことを一生忘れることができないんだろうな…と改めて実感しつつ、でも皮肉にも今に繋がるそれにしっかりと向き合い乗り越えてみせたFの覚悟が印象的な物語でした。
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よっち
苑国皇子・佩芳との親善馬上対決に、對国皇子の身代わりとして参加した對国の末姫・夏雲。三年後、苑国へ五名の妃嬪が嫁がれる日、彼女もまた初恋の君のもとへ嫁ぐ中華風ファンタジー。美麗で冷酷に見えるが故に「悪女だから」と噂もされた夏雲。けれど本当は可愛いもの好きで特技は刺繍。衣装はもちろん平たい胸を補強する肉饅頭もお手製で、その堂々とした振る舞いが勘違いされてかえって注目を集めてゆく夏雲。視野の広さに冷静な判断力、時には懐に飛び込む度胸もあるのに、どこか抜けている彼女を佩芳に気に入るのもわかるような気がしました。
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よっち
突然魔力を失った教会で働く聖女・リゼルカ。力がない自分は無価値だと悩むリゼルカを、苦手な幼馴染で多くの浮名を流す魔法士のシャノンが保護しに来るファンタジー。研究者が提案した回復方法は、建国の祖の血を引くシャノンと『契る』こと。堅物には無理だと言うシャノンに対し、少しずつ彼に慣れると決めて練習を始めるリゼルカ。遊び慣れているはずなのシャノンの態度はぎこちなくて、外の世界に触れたことでリゼルカも様々なことを知っていって、初々しい二人が邪教の陰謀に巻き込まれてゆくなかでしっかりと向き合ってゆく思いが素敵でした。
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よっち
高校も卒業してついに大学生になった藍。片想いの相手、鴨井から動物園に行こうと誘いを受けた彼女が、はりきってイメチェンを狙ってパーマをかけて失敗し、ボンバーヘッドになってしまう第三弾。鴨井さん家の家族事情と七年前の思い出。大学生になって一念発起イメチェンにチャレンジした藍の後悔。落ち込む藍に知り合いの美容師を紹介してくれた心晴。彼の妹・燿里から聞く鴨井家のわだかまり。不器用でも周囲の人の助けも借りながら、ひとつひとつ丁寧に絡まった糸をほぐしていくような展開でしたけど、微笑ましい幸せそうな結末で良かったです。
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よっち
猫の妖精ケット・シーの村で育てられた少年キリク。村を訪れた魔法使いの先生に才能を見いだされて、ウィルダージェスト魔法学校への入学を勧められる魔法学校ファンタジー。結界で覆われた異界に存在し、周辺諸国の魔法の才能がある子供が集められる特別な学び舎に、ケット・シーの相棒シャムとともに入学したキリク。魔法の覚えの早さから周囲の注目を集めたり、休日は初めてできた人間の友達と街に出かけたりする学園生活や夏休みもあって、頼れるシールロット先輩の存在や、クラスで友人もできて交友関係も広がってきた今後の展開が楽しみです。
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よっち
聖女ララを身ごもらせた婚約者に突然婚約を破棄された貴族令嬢メリーアン。身の危険を感じて家を逃げ出した彼女が、辿り着いた魔法あふれる夜の博物館で働き始めるファンタジー。真夜中になると不思議な力で動き出す展示室で、妖精に気に入られて希少な魔法が使えるようになったメリーアン。一方、采配していたメリーアンがいなくなったことで、様々な不具合や不満が生じていく元婚約者の家。彼女の窮地を救ったエドワードの意外な正体には驚かされましたけど、支持者も多い聖女が募らせてゆく敵意はなかなか不穏で、今後の展開が気になりますね…。
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よっち
引きこもりの少女・結家詠が、世界に叛逆を目論む暴走型駄メイドロボ真宵アリスとしてVTuberデビューし、下剋上を目指すVTuber小説。従姉でママでもあるねこ姉のツテでVTuber事務所と契約して、企業勢としてのデビュー配信から計算し尽くされた話芸で視聴者を魅了して鮮烈なデビューを果たしたアリス。身内も上手くネタとして使いながら、テンポの良いトークで多彩な持ちネタを披露する予想の斜め上の連続の配信。何より笑えないエピソードのはずなのに迫真の再生力で視聴者の感情を揺さぶってくる収益化記念生配信は圧巻でした。
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よっち
王国中を震撼させた最上級ダンジョンのスタンピードを防いだハイセ。かねてからの目標であった禁忌六迷宮の攻略へ動き出そうとした彼が、格闘家の少女ヒジリに戦いを挑まれる第二弾。史上最年少でS級まで駆け上がった、もう一人の最強と呼ばれる冒険者ヒジリとサーシャの対決。そしてハイセは単独でデルマドローム大迷宮を、サーシャはチームでディロロマンズ大塩湖にそれぞれ挑む禁忌六迷宮攻略。お互いに前人未到の攻略を進める中で、この世界の思わぬ背景も明らかになりましたけど、お互いを意識しているのにもどかしい二人の関係が楽しみです。
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よっち
『完全な人類』を生み出すための母体として、《大教授》カール・アイランズに拉致されたステラ。彼女を救うべく、一輝と仲間たちはアイランズが待ち受けるラボを急襲する第十九弾。『母体』から不要なステラの人格を削除する準備が進められる一方で、時間がかかる手続きをすっ飛ばして少数精鋭で彼女の奪還に動いた一輝たち。なみいる強敵を斬り払ってたどり着いた一輝たちを待っていた状況はなかなか過酷でしたけど、最後まで諦めずに信じて立ち向かった彼らだからこそ辿り着いた結末で、最終巻まで間が空きましたけど最後まで読めて良かったです。
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よっち
魔術はろくに使えず成績も落第寸前。やる気なし王子のウィルが、魔女の国出身で凍てつくような美貌を持つ学園でも有名な『氷の魔女』リリーシュカとの政略結婚を受け入れて始まる学園ファンタジー。授業では強力な魔術をぶっ放し、ダンスやマナーは壊滅的と王族の花嫁として問題だらけのリリーシュカとの同居生活。一方で彼らが婚約したことで危機感を募らせる第五王子フェルズの存在。孤高の存在だったリリーシュカがウィルと出会ったことで少しずつ変わっていって、その事情も明らかになる中で、それぞれ事情を抱える二人のこれからが楽しみです。
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よっち
16歳にして将棋界最強の『竜王』となった九頭竜八一。名人をはじめとする強敵たちとの激闘の舞台裏にあった愉快な弟子たちと送る穏やかな日常を描く店舗特典SSや書下ろしを収録した短編集第1弾。日常エピソードのほか、ネット将棋のあれこれ、九頭竜先生とヒロインたちの将棋クリニック、バレンタインや将棋めしのエピソード、アニメ化ネタ、万智&月夜見坂コンビ、竜王位防衛記念将棋大会で暗躍する姉弟子、同居するあい不在に八一宅を訪れるシャルと姉弟子など、普段SS集めていない勢はこういう形で特典をまとめてもらえると助かりますね。
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よっち
マスターの卒業式と同じ日、唐突に発表されたレジェンダリー・エイジのサービス終了。残念で楽しい日常ほぼ=ネトゲライフに悔いを残さないため、アレイキャッツみんなで『終活』をはじめる第二十二弾。突然の事態に直面して動揺してしまうネトゲ部の面々。その中でも特に重症で事実を受け入れられずに現実逃避してしまうアコ。そんな彼女のため、そしてLAに悔いを残さないため、転生システムを試してみたり、初めての出会いを振り返ってみたり、最後までの日々が描かれる展開でしたけど、動かないままと思っていた瀬川は最後に頑張りましたね…。
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よっち
事業・社会・人生を劇的に好転させる「アイデア」には共通の「型」があった。コロンビア大学ビジネススクール超人気講義で、世界的心理学者が1開発した思考&課題解決メソッドを集約した一冊。解決したい課題は何か、構成するサブ課題は何か、意思決定者は何を求め、望んでいるか、戦術の組み合わせの重要性、自分が見ているものは他人にも見えるか。テーマのひとつひとつ自体はこれまでも取り上げられていたプロセスで、それをわかりやすくまとめて解説していましたけど、とりあえずブレインストーミングの効果は研究で否定されているようですね。
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よっち
本来、方向性がなく中立的な進化が、なぜひたすら進歩が続くと信じられるようになったのか。ダーウィンとその理解者、志を継いだ後継者たちの進化論が生み出した迷宮の謎に挑む一冊。ゲノム科学の進歩と相まって、生物と進化の理解に多大な貢献をした進化学。一方で政治・経済・文化・社会・思想に多大な影響をもたらし、曲解した彼の後継者たちが生み出した「優生思想」という怪物。「進化の呪い」「闘争の呪い」「ダーウィンの呪い」が生まれた過程を解説していて、そう上手くは行かないことは歴史が証明していても、なくならないし難しいですね。
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よっち
最大参加者数のべ75万人、ボランティアスタッフ3000人、開催100回を数え、まもなく50周年を迎える世界最大級の同人誌即売会コミックマーケット。コミケを支える組織の内部を初公開する一冊。日本有数の大規模イベントを運営する準備会の共同代表3名をはじめ、運営に関わる全部署や、そこに寄り添う企業や団体といったコミケを支える多くの方の想いを取材していて、コミケの準備にまつわるあれこれから、開催してからの様々な対策、コミケに関わる各種企業や団体、当日の様子、たびたびあったコミケ危機などなかなか興味深く読めました。
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よっち
ライバル・千瑛と湖山賞を競い合った展覧会から2年。大学3年生になった青山霜介が卒業後、水墨の世界で生きるのかそれとも別の生き方を見つけるのか思い悩む第二弾。水墨画界の若き至宝として活躍する千瑛に対し、抜擢された機会でも失敗して、新たな表現も見つけられない現状に焦りを募らせていく霜介。行き詰まっている状況で、兄弟子に代わり教えることになった小学生相手の水墨画で繋がる思わぬ縁があって、師匠・篠田湖山が霜介に託されたものもあって、たくさんの人との関わり合いから大切なことを見出してゆく展開には心揺さぶられました。
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よっち
天皇家と強く結びつき摂関政治によって栄華を極めた藤原氏。貴族の時代が終わっても権威を保ち続けたのはなぜか。1300年の系譜で描く一族の物語。飛鳥時代の四家の興亡から北家の台頭と摂関家の確立、全盛期を迎えた摂関政治から院政と武家政権の中で生き残り、南北朝から戦国時代の動乱の時代、江戸時代から華族制度を経て現代に至るまで、大化の改新の中臣鎌足から昭和の内閣総理大臣・近衛文麿まで、女性、文化人・僧侶を含む90人を取り上げていて、ところどころで失敗していても、激動の時代を生き抜いた一族の凄みを改めて実感しました。
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よっち
双子の弟ユリオがいなくなってからどこか気持ちが中途半端なまま、幼馴染の深雪とともに大学生になったアリオ。連続する殺人事件を契機に驚愕の真相が明らかになってゆく青春サスペンス。食費を浮かすために大学の新歓をはしごしている中で出会った蒼や、その紹介で出会ったアリオにうり二つの市堰との関係が生まれてゆく一方で、ジョーカーと名乗る人物から送られてくる不審なメール。そして周辺で起きる殺人事件。生きる希望を見いだせない彼らが直面する思ってもみなかった真相でしたが、やるせない結末の中に彼が希望を見いだせて良かったです。
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よっち
今シーズンは、日本女子フィギュアの歴史を変える最高の選手2人が揃っている。しかし五輪に行けるのは一人だけ。2ヶ月後に新潟オリンピック開催を控えたこの日、二人の天才少女の人生がぶつかる運命の物語。十代とは思えぬ卓越したセンスと表現力で常に完璧な演技をみせる京本瑠璃。圧倒的身体能力で女子のジャンプの限界を突破する規格外の雛森ひばり。周囲の視点から浮き彫りにされてゆく二人の天才が一つの枠を巡って争う構図は、この勝負に賭ける彼女たちの壮絶な人生の縮図でもあって、最後までやりきった彼女たちから目を離せませんでした。
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よっち
ある事情から昼夜逆転生活を送っていた高校生のすず。そんな彼女が深夜の散歩中に公園で一人で号泣する男の子・環と出会う青春小説。同じ学校に通ってはいても環のことを太陽のような存在で、憧れで自分とは対極にいる存在と感じていたすず。けれどこの夜をきっかけに始まった二人の秘密の交流は、お互いに愛しいと感じるような関係を育んでいって、自分にはタイムリミットがあることをなかなか告げられないすずの思いが切なかったですけど、それでも変わらない彼の想いに支えられて頑張ることを決意した二人が迎える結末はなかなか良かったですね。
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よっち
中学最後の大会で最悪なミスをして、大好きなバレーボールを辞めた鈴乃。高校で楽しいけど物足りない日々を送る中で、隆二先輩と出会う青春小説。好きなものに夢中な友人から取り残された気持ちになっていた鈴乃に、彼女はもっと跳べる、諦める必要なんてないと言葉だけでなく証明してくれた先輩。ひたむきに努力する彼に感化され再び挑戦し始めた鈴乃は、一方で人知れず絶望と戦う彼の覚悟を知る中で密かに自覚してゆく思いがあって、だからこそ簡単ではない状況にも諦めないで頑張る彼らに希望がもたらされる爽やかな結末は救われる思いでした。
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よっち
歴史的背景、領土問題、台湾有事、経済安全保障、そしてグローバル・サウスの動向まで、元国家安全保障局次長が語る安全保障入門講義。敗戦から55年体制と安保条約で昭和後期に完成された日本。そこから世界情勢の中で日米同盟のあり方も変わって、価値観の外交の時代となりつつある中、複雑な思惑で一枚岩ではないグローバルサウスとの向き合い方、対中戦略をどうすべきか、台湾有事にどう備えるのか、これからの家防衛戦略や新しい戦争にどう向き合うのか、自由主義貿易や経済安全保障に対する考え方など、いろいろ参考になる部分がありました。
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よっち
誰でもものをつくれるようになった現代、つくれる人は、仕事に困らない!ソニー歴代プレイステーション開発責任者による仕事論。チャンスをつかむにはネアカであること、すぐに役立たなくても、ストックしておくことの大切さ、チームの意思疎通は思っている何倍も大事、ヒットはこれまでのものを「組み合わせ」でできる、形骸化しているルールやかつてのヒット商品は壊すべき、「できたらすごい」という気持ちは論理を超えるなど、論旨が明快でとてもわかりやすく、ものを作らない人でも、考え方として意識しておくべきことが多いように感じました。
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よっち
通史で読み解くからこそ見えてくるものがある。家康の経済戦略から天保の改革まで、徳川幕府の経済政策の成功(光)と失敗(影)に学ぶ一冊。家康から綱吉の時代は戦後高度経済成長、新井白石の正徳の治は平成バブル崩壊、デフレからの脱却に繋がった吉宗による享保の改革の功罪、田沼意次の構造改革が成功しなかった理由など、大きく変わる社会構造の中で取り組みを、当時と今の目線からそれぞれ見ていくと、なるほどと思う部分もある一方で、昔に戻せば問題が解決するわけでもなく、正しくても支持を得られなければやはり難しいものがありますね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
紀元前から今に至るまで、大国同士が鎬を削る中にあって,比類のない力を示してきた穀物の支配から国家の盛衰に説得力ある新たな解釈を加える一冊。長年続いたコンスタンティノープルの存在感ゆえのロシアの南下政策。ヨーロッパの大部分に食糧を供給していた帝政ロシアという構図から、大量のアメリカ産小麦による食糧価格の急落。それがドイツとイタリアの台頭,ハプスブルク家とオスマン帝国の衰退,そしてそれが第1次世界大戦とロシア革命が勃発する決定的な要因に繋がってゆく、穀物から見た世界構造の変化としてみるとなかなか面白いですね。
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よっち
<山下町の名探偵>という名誉だがダサい二つ名を持つロンこと小柳龍一が、メジャーデビュー間近の友人・凪のために過去の事件を調べ始める第三弾。ロンのもとにもたらされるeSportsの八百長問題、襲われる転売屋、闇バイトに誘われた男といった事件。そして楽屋で起きた事件の影響で活動を休止してしまった友人・凪と、過去の彼女に起きたほろ苦い事件の真相。今回も困った周囲の人たちに頼られるロンという構図から、仲間たちの力も借りながら依頼人の憂いを晴らしてゆく姿が印象的でしたけど、ヒナとの今後も気になるところではあります。
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よっち
小学校卒業まであと半年。オカルト趣味を壁新聞作りに注ぎ込むため掲示係に立候補したユースケ。同じく立候補したサツキたちとともに、去年亡くなった彼女の従姉のマリ姉の死の真相を探り始めるミステリ。一年前の奥神祭りの前日、グラウンドの真ん中で死んでいたマリ姉の謎。遺品のパソコンの中に『奥郷町の七不思議』のファイルを見つけて、もう一人の掲示係で転校生のミナを加えて七不思議を調べ始めることにしたユースケたち。持ち味が違う小学生らしくどこか危なっかしい雰囲気を漂わせながら、真相に迫ってゆく展開はなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
人並外れた武勇で英雄となりながら、朴訥な性格の辺境伯子息ガストン。隣国の戦で活躍した褒美に肉と酒を所望したのに、なぜか国王から敗戦国の王女イレーネを与えられてしまうファンタジー。今回勲功によって子爵となり、イレーネと結婚して辺境伯領の近くに領地を賜ったガストン。最初は儚げな風貌に臆していたガストンが彼女の芯の強さを知り、一方冷静に観察していたイレーネも彼の朴訥な優しさを知って変わり始める関係。有能ゆえに母国ではむしろ冷遇されていたイレーネが居場所を得て、いい夫婦になっていきそうな二人のこれからに期待です。
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よっち
そもそも教養とは何か。古今東西の知の巨人たちのちのエッセンスに触れつつ、人類が一体この地球に何を残してきたのか、何を考え何を信じ、何をしてきたのかを振り返る一冊。立花隆、司馬遼太郎、井筒俊彦、松本清張といった人々がどのような人物であったのかに始まり、人類の進化と心のルーツ、神話・宗教・文明や哲学の誕生、人類史の構造や東アジア世界から見た日本の文化、東洋哲学の可能性、明治維新と戦後日本、人類史から踏まえた二十一世紀の危機、文学・芸術の価値など、短大で講義されていた内容だけあってとても分かりやすかったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
一世を風靡した名探偵・睦月紫月。行く先々で事件が起きてしまう体質を受け継いでしまった天才&心配性の兄・青士と、能天気な妹・赤音の双子兄妹が、掟破りの方法で事件を解決するミステリ。突然の積雪で泊まった山荘で起きた殺人事件を、掟破りの方法であっさり解決してみせた睦月兄妹。出遅れた探偵・八雲迷子の縁で関わることになった、当主が亡くなった一柳家の遺産相続を巡る騒動。できる限り事前準備する用意周到さで挑む青士には苦笑いでしたけど、空回りする探偵を尻目に、冷静に対処して事態を乗り切ってみせた結末は悪くなかったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
隕石衝突による人類滅亡の危機が発表されてから二年。長崎を舞台に最後かもしれない夏休みを過ごす高校生の少年少女たちのひと夏の物語を描いた連作短編集。幼馴染との距離感が分からず戸惑う夢を投げ出した少年、場末のゲーセンでゾンビゲームに励む少女と出会った文芸部部長、謎の転校生を尾行する女子高生、秘密を抱える少女と廃墟マニアの最後のデート、女子高生監督に弱みを握られて人類最後の映画を撮るひねくれ者の少年。無力感を感じてもおかしくない状況で、かけがえのない夏を諦めずに生きるそれぞれのあり方がとても印象的な物語でした。
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よっち
中学三年生の3月。志望校の合格を機に塾で出会い勉強を教えてきた一つ年下の女の子・芽吹ひなたに告白して見事玉砕した若葉野瑛登。半年後、その彼女から家庭教師の依頼が来る青春ラブコメ。交流が途切れていた半年間で、進路で母親と対立して塾も辞めてしまっていたひなたが窮地に陥っているのを知り、一念発起して彼女の志望校合格に向けて家庭教師としてサポートする覚悟を決めた瑛登。恋がよく分からず無防備なひなたにドギマギする瑛登には苦笑いでしたけど、彼女の信頼に応えるべく真摯に向き合い積み重ねてゆく関係がなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
夢だった小惑星を見つけ、自分が未来を拓く姿を証明することが二斗の失踪を止める方法。そう気づいた坂本巡が真冬の長野県・阿智村で天体観測に挑む第四弾。小惑星を見つけ、その道に進んだ巡に惹かれたものの、自分が近づいた未来では巡が意欲を失ってしまったことを悔やむ過去の二斗。それを覆すべく天体観測に挑む巡とコンビを組んでくれた真琴。天体観測のライバルもできて、二斗と並び立ちたいという巡の強い気持ちで、立ちはだかる壁を一つ乗り越えた感はありましたけど、依然として残された課題にどう立ち向かうのか最終巻に期待しています。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
やりたくないことを押しつけるのを止めると告げた素直。しかし身代わりだったはずのナオはその役割を見失ってしまい、季節が冬に向かってゆく中、アキと一緒にリョウ先輩の故郷・富士宮へ旅行する第三弾。リョウ先輩の衝撃的な最期から立ち直れないまま、宙ぶらりんな状況を過ごしていたナオ。素直が修学旅行に行っている間にそれぞれ別々の場所で、初めての旅を楽しみつつ、レプリカの仕組みの謎を紐解くピースを得る二人。レプリカ便利だなと思う場面もありましたけど(苦笑)思わぬ形で急展開を迎えてナオはどう選択するのか続きが気になります。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
中学時代に引きこもりだったことがあり、夜の繁華街でバイトをしている高校生の辻尾陽都。ある日、暴漢に絡まれているギャルを助けたら、それがクラス委員長の吉野紗良さんだったことに気づく青春小説。学校とはまた違った一面を見せる紗良を知り、仲間意識を感じて素顔を見せあえる秘密の友達関係になった陽都。学校でふとした折に密かに交わされる些細なやり取りを積み重ね、一方で一緒に図書館で勉強したり遊んだり、穢して欲しいという彼女が抱える苦悩に寄り添う中で育まれてゆくかけがえのない絆があって、そんな二人のこれからが楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
シャンバラ探索から帰国した達也たち。USNAに眠る大規模破壊魔法[天罰業火]を封印するため、調整を続ける中でIPUがチベットに出兵し、大亜連合に対して宣戦布告する第七弾。国内の抑止力としたい四葉家の裏のスポンサー東道青波の意向。IPUのチベット出兵に対する大亜連合の動き、USNAのシャスタ山で暗躍するローラたちという2つの緊迫した状況が並行して進む中で、自由に身動きが取れない達也という構図でしたけど、今回は巻き込まれた感もあった一条は散々でしたね(苦笑)こういう状況では光宣の活躍がポイントになりそうです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
呪者として目覚めて一時的に剣花団を離れることになったガイ。一方、オリバーたちも上級生として研究室選びの時期を迎え、各々が自分の将来を考え始める第十三弾。岐路に立って友を繋ぎ止めるためさらなる絆を求めるピート、並び立つため力を求めるべきなのか葛藤するガイが抱える何とも複雑な思い。オリバーと共にいる喜びを隠せないカティに、お互いの事情を彼と分かち合うシェラ。剣花団としての絆は強固でも、同時にそれぞれがどうあるべきか考えないといけなくて、いくつもの切ない想いも垣間見えましたが、ファーカーの存在が不気味ですね…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
高良の孤独な姿を見るたび胸が苦しくなり、呪いだけ解いて彼を生かす方法を探る澪。しかし力を付けていく澪に、千年蠱を支援する和邇一族が動き出す第四弾。依頼としてもたらされた整理しようとした祖父の実家で起きる怪異、氏神を祀る神社に出る女の幽霊。そして長野に帰省した澪が訪れた御堂で感じる多気女王の真意。蠱師たちの闘いが激しさを増す中、波鳥の兄・青海のこともありましたけど、決意を固めてゆく澪を兄の漣や護衛役の波鳥、精霊たちもそっと寄り添ってくれて、繰り返される因縁を乗り越えられるのか、早く続きが読みたくなりました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
手術後の密室オペ室で、見えない「透明人間」と必死に格闘するように苦しみ絶命した麻酔医。同室にいた全身麻酔患者の鴻ノ池舞が容疑者として疑われてしまうメディカルミステリ。現場となった手術室にある幽霊の噂、状況から最重要容疑者とされてしまう舞、事件捜査のため病院に送り込まれる小鳥遊。今回は身近な人が容疑者とされ客観性が問われる事件で、解決にはやや強引な手段も必要でしたけど、それでも被害者の想いも汲んで事件を解決し苦境にあった舞を救う展開は良かったですね。舞が統合診断部の一員となってこれから面白くなりそうですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
天久鷹央のもとで内科医として学ぶ小鳥遊優への派遣元の純正医大医局から突然の通達。出向元の医師が容疑者になり、小鳥が医局に呼び戻されそうになるメディカルミステリ。呪いの動画で自殺を図った女子高生、男性に触れられると肌に異常をきたす女性、密室で溺死した病院理事長の息子。解明する謎もまたどんどん難しくなっていきますが、このままだと小鳥が呼び戻されるかもしれない状況に鷹央が想像以上に動揺したり、小鳥を病院に残すため焦燥を募らせながら懸命に死因を探る姿に、改めてその存在の大きさを感じる鷹央の意外な姿が印象的でした。
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よっち
娼婦を母に生まれ、娼館で生まれ育った少年ルイス。彼が紫煙の魔術師ラザフォードに見出されて、魔術師養成機関の特待生として迎え入れられた青春時代の伝説的悪行の数々を描く前日譚。性格は粗野で乱暴、貴族だらけの魔術学校では問題児扱いで、魔法戦で他の生徒を圧倒的実力差でぶちのめし、悪童として恐れられるルイス。そんな彼を敬遠しないロザリーやライオネル、そして彼の向上心を認めている尊敬すべき師たちの出会いがあって、自らの生きる目標を見い出せなかった彼が、思わぬところから決意を固めたこれからどうなるのかとても楽しみです。
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よっち
王国一の天才と謳われる魔法使いで、王都の片隅で小さな引っ越し屋を営む少女ソフィ。どんな荷物も難なく運ぶ彼女のもとに、特別な客からの依頼が舞い込んでくる出会いと別れのファンタジー。こっそり隠居したいという老いた勇者。桜仙郷から引っ越そうとする神獣と、彼に育てられた少年アルの存在。そして老朽化した図書館からの引っ越しと、勇者からの再度依頼があった理由。困難な引っ越しを可能にする彼女の魔法力だけでなく、依頼主の憂いを解決しようとするその姿勢がどこまでも真摯で、彼女を気にかける友人フランの存在も効いていましたね。
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よっち
イアルマスたちと冒険を続けながら、かつての知り合いレーアの少女の死体を探し続けるララジャ。そんな彼の前に、かつて所属していたクランの連中が現れる第三弾。ゲルツの持っている手掛かりを得るため、交換条件で迷宮に単身で潜ったララジャと、ようやく再会した少女オルレアの絶望と拒絶。オールスターズの依頼で装備品を回収するために、アイニッキも加えて迷宮に潜った一行を陥れるゲルツの悪辣っぷりが際立つ展開でしたけど、苦境に陥っても決して諦めない仲間たちと一緒に、見事に大切なものを取り戻してみせたララジャの姿が印象的でした。
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よっち
古今東西の英雄から時には庶民の食卓まで、地理的条件、調理技術、伝統、交易の盛衰なども踏まえた興味深いエピソードと歴史的なレシピで案内する一冊。古代メソポタミア野菜の三本柱、食事は質素で大酒飲みアレクサンドロス三世。楊貴妃やハールーン・アッ=ラシード、チンギス・ハンが食べていたもの、マルコ・ポーロ、コロンブス、コルテスといった大航海時代から、リンカーン、コナン・ドイル、夏目漱石からマクドナルドまで、なぜその料理が当時流行ったのか、特別な料理になった理由から珍味までなかなか興味深く読める一冊になっていました。
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よっち
「ギフティッド」は並外れた才能はあるが天才とは限らないし、必ずしも発達障害を伴うものではない。ギフテッドの特徴を理解するための一冊。ギフティッドの可能性に気づく入口は才能ではなく困難や違和感で、その判定が必要なのは子どもが困難を経験している時。ADHDやサヴァン症候群などとの違いとその見極め方も書いてありましたが、その90%は天才ではないことや、どういう方向に才能が現れるかでだいぶ変わってきそうなことなど、いずれにせよ直面する親御さんには覚悟が必要でしょうし、周囲の理解も重要なポイントになってきそうです。
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よっち
印象論で語られがちな若者をどう捉えているのか。研究者やノンフィクション作家などが書いた一冊。Z世代のイミ(意味)消費、世代間対立、マッチングアプリと恋愛コスパ主義、みなまで言うなは通じない、認められたいけど目立ちたくはない、無敵の人を生まないために、政府公表自殺者数減少は真実か、差別と偏見に苦しむヤングケアラー、「若者の本離れ」というウソなど、16のテーマで論じられていて、どうしても項目が多くてざっくりとしたトピックといった印象でしたが、イベントの有無で日常が把握されるという指摘にはなるほどと思いました。
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よっち
十年前、先代王妃が亡くなったあとに新たな王妃に座におさまった「北の森の魔女」ナユラ。結婚直後から眠りつづける病床の国王の願いを胸に、育ててきた五人の王子たちの代理婚活を始めるファンタジー。魔女が国王や息子たちを洗脳したために、五人の王子は適齢期を迎えてもいっこうに結婚しないという噂。実際には五人の王子たちも、魔術オタクの変態学者、色魔のクソ王子、無自覚天然女たらし、臆病で癇癪持ち、悪魔憑きと曲者揃い。しかもみんなナユラが大好き過ぎて、魔女を殺そうとする陰謀も絡めながら繰り広げられる騒動劇は面白かったです。
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よっち
認知症を患う80歳の母・万津子を自宅介護しながら、スミダスポーツで働く泰介。万津子がテレビのオリンピック特集を見た時の意味深な呟きを聞き、知らなかった母の過去を調べ始める物語。バレー選手として挫折し慣れない仕事をする中、介護で家族とギクシャクし選手として注目される娘に複雑な想いを抱いてしまう泰介。しかし何も語らない母には過酷な過去を乗り越えた決意があって、これまで支えてくれた妻の存在や娘から勇気ある一言をもらって泰介が新たな一歩を踏み出し、少しずつでも変わってゆくその姿には応援したくなるものがありました。
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よっち
人生に迷う人々が満月の夜に猫に導かれて訪れる満月珈琲店。今回も星遣いの猫たちのあたたかな言葉に癒やされてゆく第五弾。淡路島で母を看取ってこれからどうするのかを迷っている百花を訪ねてきた、父が再婚した先の異母弟。彼と散歩に出かけた先で、閉まっているはずの遊園地で開店している満月珈琲店を訪れる二人。そこから縁を辿るように繋がる花巻の祖父母の家で療養する少年、宮島で妹との関係と許されぬ恋に悩むの姉の物語があって、彼女たちをスイーツと星読みで癒やして前を向こうとする背中をそっと押してくれるとても素敵な物語でした。
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よっち
生物も住めぬ死の海に浮かぶ十八諸島。〈語り部〉たちが島々を巡り集めた物語を語り継ぐため、年に一度冬至の晩に煌夜祭が開かれる物語。人食いの魔物と出会い夜通し語る少年、隣島の野心から故郷を守るために知恵で戦う少女、魔物になった少年が考える自らの存在意義、王位継承戦争を争った王子と従者。運命に翻弄されながらもそれに必死で向き合う登場人物たちと、語り部たちによって語り継がれてゆく物語があって、それをひとつひとつ積み重ねてゆくことで構成される世界観がとても素敵でしたね。今回単行本で収録されていた短編も良かったです。
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よっち
閉塞的な現実を背負い行き詰まっている人々が、様々な葛藤の中で現れた気づきをきっかけに新たな一歩を踏み出してゆく連作短編集。念願だった映画の宣伝会社に転職した弥生がなかなか受け入れられない夫からの提案、大手企業に内定した健生が抱えているわだかまり、夫や義実家に対して嘘で塗り固めていた実家事情、売れない漫画家がずっと抱いていた後悔、物怖じせず屈託のない転校生に副担任の杏子が抱く複雑な想い。素直になる、正直になるのが難しい心情が巧みに描かれていて、それでも最後には希望が感じられるそれぞれの結末は良かったですね。
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よっち
近年、粘土板の解析や遺跡の発掘も進み、その正体が徐々にわかってきた人類の歴史を変えた鉄器を最初に作ったと言われるヒッタイト。エジプトと互角に戦った古代帝国ヒッタイトの実像に迫る一冊。ヒッタイト人はどこからやってきたのか、ヒッタイト帝国の建国から混乱、帝国化からの絶頂と転落、滅亡の真相と生き延びた諸王国のその後。そしてヒッタイトの国家と社会がどのようなものであったのか、敵国の神々も取り込んだ多神教、秘匿していなかった製鉄技術、呪いや宣託を重視する戦争と外交、都市とインフラや暮らしの様子など面白く読めました。
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よっち
『十六夜月』がヒットしたことで作家としてのステージが上がった李奈。三十階建て駅前マンションに引っ越して心機一転次作に取り組む中、担当編集者から妙な頼み事をされる第十弾。ベテラン作家・丹賀源太郎が開いていた文学塾閉塾に伴って催される宴への出席。依頼した小説家の息子・笠都がないなくなる現象が岡本綺堂の小説に酷似した見立て殺人かのような展開を、率先して解決に向けて動く姿が作家として成功しても変わらない李奈らしいですね。いつの間にかJKの使い手となっていたり、他作品とも地続きになって繋がりも出てきましたね(苦笑)
が「ナイス!」と言っています。
よっち
世界有数の頭脳スポーツであるチェスと出会い、その面白さに魅入られた4人の若者たちが、己の全てをかけて、チェスプレイヤー日本一を決めるチェスワングランプリに挑む青春小説。難病で入院生活を送る小学生の透。実力者でもマイナー競技ゆえにプロを目指すかどうか悩む高校生の晴紀。強要されていたピアノを辞めて盲学校の保健室の先生に偶然すすめられたチェスにハマってしまう全盲の少女・冴理。そして少年院を出て単身アメリカへ渡る天涯孤独の釣崎。生まれも育ちも違う彼らがチェスに魅入られて繰り広げる熱い戦いがなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
死の自己決定権として安楽死が認められるとどうなるのか。ベルギーやオランダ、カナダなどの「安楽死先進国」の実状、そして世界的なコロナ禍で医師と家族が抱えた葛藤や実状を紹介する一冊。日本でも声がある終末期の人や重度障害者への安楽死。認められた国では安楽死者は増加していて、拡大する対象者像や緩和される手続き要件、安楽死が日常化したり偽装されたり、一方的に判断される医療現場。今はやむを得ない場合が前提でも、これからの議論の方向性次第で適用範囲などが変わる可能性があるわけで、動向を注意深く見守る必要性がありますね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
祖父を亡くした恵茉は、言いつけに従い訪れた代官山の屋敷で出会った秋芳律。心を閉ざした少女を狐面で顔を隠した画商の旦那様が、一緒に絵に込められた思い出を解きほぐす恋愛ファンタジー。祖父が菓子を納めていた店の主・秋芳家。しかし律は菓子店ではなく画廊を経営していて、相談が寄せられる絵の怪奇現象を解決する、祖父から恵茉へ受け継がれたゆびさき宿りの力。最初は婚約者という困惑から始まった律との関係も、一緒に相談に関わるうちに少しずつ変わっていって、過去を乗り越えて強くなり律を意識してゆく恵茉がなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
暑い夏休みの朝、同級生の岩沢訓子が飛び降り自殺をしたことを、刑事である父親から知らされる高校2年の戸川春一。彼女の死を偶然に出会った酒井麻子と一緒に事件の真相を探る青春ミステリ。訓子とは中学からの親友で、高校入学後から距離をおかれて悩んでいた麻子。そんな彼女と一緒に事件の真相を探るうちに新たな事件に直面する二人。淡々としても意外と器用でそつなくこなす春一と父親の関係、意外といじらしい一面を見せる麻子とのコンビもなかなか良くて、昭和の時代感を感じながら読みましたけど、意外な真相も含めてなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ある事件をきっかけに報道局からイベント事業部に異動したテレビ局員の守谷。彼が異動先で出会った吾妻が祖母から譲り受けた一枚の不思議な「絵」の謎を追い、事情を確認するために秋田へ向かうミステリ。不思議な古い絵を展覧会で使うために、「イサム・イノマタ」という名前しかわからない謎の画家の背景を調べてゆくうちに明らかになってゆく、秋田のと猪俣家を巡る複雑な事情。終戦直前に秋田を襲った悲惨な空襲の様子や、何とも込み入った人間模様も描かれる中で、明らかにされてゆく確かな絆やそれぞれの結末が印象的な物語になっていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ただの大学生である山科俊介が社長令嬢の御陵雛乃と恋人契約をしてから四ヶ月。雛乃を知り好きになるほど、別れが近づく状況に葛藤する第二弾。終わりのある関係だと自らに言い聞かせて、彼女への思いに蓋をしようとする俊介。そして雛乃の婚約者・松ヶ崎が二人の前に現れ現実を改めて突きつけられ、どうにもできないまま約束の時を迎えてしまう二人。そこからの雛乃の幸せを考えて俊介の背中を押してくれた石田さんが効いていましたけど、諦めたくない雛乃の想い、意外に現実的だった松ヶ崎も印象的でしたね。その後を描いた後日談も良かったです。
へくとぱすかる
2023/12/05 00:00

登場人物の姓が、みんな某市営地下鉄の駅名のようで……

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よっち
品行方正で才色兼備な優等生の幼馴染・梅園小牧。自分になぜか執着してくる彼女に負け続ける負けず嫌いな平凡女子の吉沢わかばが、勝ちたいあまりに大事なものを掛けて勝負してしまう青春小説。負けた代償にファーストキスを奪われ、尊厳を取り戻すために勝負を挑み続けるものの、小牧に条件をつけられ、デートに添い寝、初恋の人に言いたかった"好き"という言葉まで奪われるわかば。忘れられない想いを刻みつけられ、けれど嫌いになれない複雑な想いですれ違う二人が切なかったですけど、明らかになってゆく不器用な想いが伝わって良かったです。
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よっち
気が付いたら18禁ゲームの世界で史上最悪のクズ悪役と名高い嫌われキャラ・ウルトスに転生してしまった主人公。悲惨な破滅エンドを避けるため、目立たず生きるモブルートを目指す錯綜成り上がり譚。クズトスとも称されるゲスっぷりにドン引きしつつ、遅ればせながらポテンシャルを活かして、破天荒な元Sランク冒険者エンリケやポンコツ魔法師匠オーランドに学び始めるウルトス。最初のターニングポイントとなる始まりの街リヨンで、状況を変えようとするその試みがことごとく裏目に出て、どんどんモブから遠ざかってゆく今後の展開が楽しみです。
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よっち
自分を変えるきっかけをくれた初恋の相手・夜咲美彩に幾度となく告白をしては、毎度玉砕している高校生・瀬古蓮兎。彼の前に立ちはだかってきた美彩の親友・日向晴と関係を持ってしまう青春小説。毎回蓮兎の告白をにこやかに受け流す美彩と、彼女の親友で蓮兎を目の敵にする晴という、一見微笑ましく見える三人の構図。しかし人知れず抱えてきた想いと、少しずつ変わる美彩と蓮兎の関係に焦燥を募らせてゆく晴視点ではまた違った一面が見えてきて、不器用で密かな関係が変わってゆく三人の関係にどう影響を及ぼしてゆくのか、今後が気になりますね。
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よっち
光の時間が欲しいという言葉に会えないまましばらく経った頃。縁司がマッチングアプリアプリ『コネクト』運営会社のインターンに受かり、マッチ後のカップルに密着インタビューという宿題を持ち帰ってくる第四弾。ペアでデート取材をさせてほしいという依頼に、光に話を持ちかけられる状況ではなく、天からの提案もあって心と密着取材を受けることになった翔。今回は翔と光の出会いから付き合うまでの印象的なエピソードが描かれていて、翔と光、心のそれぞれの想いを深く掘り下げた描写があったからこそ、とても納得感のある結末になっていました。
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よっち
隼人と春希たちが通う高校で到来した文化祭シーズン。クラスでの準備が忙しくなり始める一方で、それぞれが抱く複雑な思いや、家庭の事情が描かれてゆく第七弾。春希の思い付きでコンセプトカフェを開くことになった隼人のクラス。これまでの積み重ねに加えて、一輝に美容院や服のアドバイスをしてもらって、クラス女子の株が急上昇する隼人。今回は姫子の葛藤や、春希・みなもたちの複雑な事情も明かされてゆく一方で、隼人もまた取り巻く変化にどこか向き合いきれていない部分もあって、この状況からこれから事態がどう動くのか気になりますね…。
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よっち
離婚していた両親の復縁で7年ぶりに再会した義妹の英梨花。気の置けない男友達みたいな幼馴染の美桜。葛城翔太がそんな2人と一緒に、一つ屋根の下で暮らすことになる同居ラブコメディ。転勤による復縁した両親不在に加えて、突然同居することになった美桜と、思わぬ形でスタートした高校生活。高校デビューでモテすぎを回避するための美桜との偽装カップル化、人見知りし過ぎて孤高の美少女化する英梨花という構図から、偽装生活の中で自覚してゆく美桜の想いや、それを意識する英梨花との距離感に翔太が振り回されそうな今後の展開が楽しみです。
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よっち
二年生になってすぐに、なぜか水斗に告白してきた明日葉院蘭。そんな違和感だらけの告白が冷めやらぬまま、沖縄へ修学旅行に向かう第十一弾。生徒会役員で一番の男嫌いと言われる明日葉院が告白してきたのは何故か?旅先でもイチャつきたい結女と水斗の夜のプールサイド密会を覗いたのは誰か。二人の関係が安定してきせいか結女もいろいろ脇が甘くて、関係バレを防ぐため水斗が謎解きに挑む構図でしたが、隙あらば女子に狙われているいさなも印象的でしたけど、明かされてゆく明日葉院の本音はむしろそっちですよね…と納得感しかありませんでした。
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よっち
後夜祭でお互いの『好き』を感じ取った正市と十色の二人。幼馴染で偽装カップルだった二人がクリスマスを一緒に過ごす約束をする第五弾。そのまま流れでつき合うのではなく、正面から告白して十色と本物の恋人になろうと決意する正市。十色もそんな彼の思いを感じて、偽装か本物か曖昧なまま、けれど誰かに見せるカモフラージュではない、恋人あるあるを積み重ねて距離を縮めてゆく二人。正市が密かに準備していた思わぬプレゼントには驚かされましたけど、これまでの積み重ねを振り返りながら、しっかりハッピーエンドを迎えた素敵な物語でしたね。
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よっち
紙芝居という商機を逃して国を挙げての武闘大会を開催するため、10億クラムという大金を稼ぐ必要が出てきたニア。冒険者リーノの弟子と偽装して、隣国ヴァンドルージュで魔獣狩りをする第四弾。兄ニールが提案するヒルデトーラ向けの企画、弟子たちを強くするための修行、そして表立って王国で動くには顔を知られ過ぎているニアが、ヒルデトーラの兄に会う名目で向かった隣国ヴァンドルージュでの魔獣狩り。軍隊ですら討伐できない魔獣を倒してしまうニアの強さは突き抜けていて、思わぬ襲撃もありましたけど、今回は彼女が大暴れでしたね(苦笑)
が「ナイス!」と言っています。

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読書データ

プロフィール

登録日
2013/08/23(4158日経過)
記録初日
2013/07/27(4185日経過)
読んだ本
12330冊(1日平均2.95冊)
読んだページ
3592811ページ(1日平均858ページ)
感想・レビュー
12223件(投稿率99.1%)
本棚
70棚
性別
血液型
B型
職業
専門職
現住所
埼玉県
外部サイト
URL/ブログ
https://yocchi.hatenablog.com/
自己紹介

こんにちは。普段は図書館と書籍仕入れに関わるお仕事をしています。仕事のついでに面白そうな本がないか探していて、とりあえず自分が読みたいと思った本さえ読めてさえいれば、わりとまあいいかと思えてしまう行動原理が少し残念な人。

好きなジャンルはボーイミーツガール、青春小説、部活小説、お仕事小説、ミステリ、冒険・中華ファンタジー、歴史・戦記、SFなど。コメディ調より落ち着いた雰囲気の物語志向。意外な展開や難解さがウリのお話も嫌いではないですが、どちらかというとベタで王道な構図が分かりやすい、最後は良かったなと思えるお話が好みです。

基本的には著者買いが多いですが、興味を持ったらテーマやジャンル・作家などにはあまりこだわらず何でも読みます。人に本を薦めるのが趣味の本を読むついでに人生を送る雑食系読書廃人。

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