読書メーター KADOKAWA Group

2023年11月の読書メーターまとめ

よっち
読んだ本
142
読んだページ
44845ページ
感想・レビュー
142
ナイス
5782ナイス

2023年11月に読んだ本
142

2023年11月のお気に入り登録
2

  • シノミヤユウ
  • 和尚

2023年11月のお気に入られ登録
9

  • Minamihama
  • 秋田健次郎
  • DuG
  • はるな
  • シノミヤユウ
  • らいあん
  • ちゃちゃ
  • 和尚
  • コウディー

2023年11月にナイスが最も多かった感想・レビュー

よっち
5階建て新築分譲マンション近くの日の出公園に設置されているリカバリー・カバヒコ。マンションの住人たちがカバヒコに悩みを打ち明ける連作短編集。高校に入学してからの急激な成績不振に自信を失ってしまった少年、出産を機に仕事をやめた主婦の孤立、恋も仕事も上手く行かず休職したウェディングプランナー、走るのが嫌で怪我をしたと嘘をついた少年、クリーニング店で働く母と息子の不器用な関係。直面する問題に目を背けたくなる人々の複雑な想いが描かれるお話でしたけど、人との温かい繋がりが主人公を支えてくれるとても優しい物語でした。
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2023年11月にナイスが最も多かったつぶやき

よっち

2023年10月の読書メーター 読んだ本の数:134冊 読んだページ数:40550ページ ナイス数:5436ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/385946/summary/monthly/2023/10

が「ナイス!」と言っています。

2023年11月の感想・レビュー一覧
142

よっち
マネジメント・ゲームをこなしていく中で新たな才能が開花した伊月。後半戦でこれまでの事業を手放してコンサルティング会社の経営を開始。成香を筆頭に旭や大正の依頼を受け始める第七弾。琢磨に師事しながら、どうすれば評価されるのかを考え抜いた末に導き出した決断。着実に成果を出して注目を集める中で、終盤に雛子が直面した難題にお世話係ではなく、コンサルタントとして対等な立場から向き合う展開は、ゲームの中とはいえ物語のひとつのターニングポイントだった気がしますね。その存在が周囲のいい刺激にもなりつつある伊月の今後に期待。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
詩や竜也とのわだかまりも少しずつ解けて、ようやく日常が戻ってきたことを実感する夏希。バンド活動も再始動し全てが順調に進む中、今度は校内で美織に関する良くない噂を耳にする第六弾。美織が怜太と付き合っていながら、夏希にも手を出しているという噂、そして学校を休んでいる当事者の美織。想いを自覚してしまったがゆえに否定できず、自罰的になってゆく彼女が前を向くために、しっかり向き合う覚悟を決めた夏希はたぶん正しかったと思いました。まだまだ前途多難な状況は続きそうですけど、みんなで笑い合えるように頑張って欲しいですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
完璧お嬢様・天堂家星音に使える夜霧影人。そんな彼が同級生の女子に告白されたことを星音に報告したことから、幼い頃から影人への想いを秘める彼女がこれまで以上にアプローチを開始する主従ラブコメ。油断するといつの間にか告白されて、ついには話題の歌姫・乙葉にまで好かれてしまう影人。そんな状況にヤキモキして迫るものの、なぜか恋愛に関してはポンコツっぷりを炸裂させて空回りする姿や、他の泥棒猫を排除するために乙葉と意気投合する展開には苦笑いでしたけど、わきまえた影人を落とすのは難儀そうで夏休みが転機となるのか続刊に期待。
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よっち
自分が何度も同じ12月14日を繰り返していることに気が付いた高校2年生の雪。そんな彼がループを繰り返す中で、同様にループを繰り返している少女・桜と出会う青春小説。今まで孤独に生きてきた雪にとって望ましいものだったはずの世界を変えた桜と出会い。様々な出来事を共有しながら繰り返してゆくかけがえのない日々。しかしなぜ二人は出会ったのか、このループはなぜ起きているのか。明らかにされてゆく二人を巡る事情はなかなか壮絶でしたけど、それでもかすかな希望を信じて、細い糸を手繰り寄せるかのような結末には救われる思いでした。
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よっち
高二の夏休み。優秀な兄の受験勉強の邪魔になると田舎の叔母の家に行くことになった森島陽。しかし叔母も不在で途方に暮れる陽が、女子高生・百瀬まつりと出会う青春小説。人懐っこくて天真爛漫な彼女と、復讐計画への協力を条件に始まった不思議な同居生活。同居は秘密で先に寝てはいけない、好きになってはいけないをルールに、彼女に振り回される日々をかけがえのないものに感じるようになってゆく陽がいて、一方でまつりの事情も明らかになる展開でしたけど、お互いの存在がそれぞれのあり方も変えていって、確かな希望が感じられる物語でした。
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よっち
社会人2年目に大きなミスを犯し、会社をクビ同然で退職した櫻野秀一郎。貯金も底をつきかけて自暴自棄になった失意の社会人と、孤独に悩む女子高生が出会う歳の差純愛ラブコメ。道端の雑草を食べようとしていた秀一郎と、雑草食のアドバイスをする女子高生・高葉向日葵の運命の出会い。交流の中で徐々に立ち直り、彼女の配信を手伝うようになってゆく秀一郎。二人の関係が避けて通れない問題に直面して、孤独だった向日葵の事情にも踏み込んでゆく展開でしたが、育んだ絆や大切なものを失いたくない二人が選んだ結末には少しばかり驚かされました。
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よっち
ある日、憧れの小説家・琴羽ミツルのサイン会に赴いたしがない塾講師・佐野正道。その正体が塾の居眠り常習犯・三ツ春琴音であることに気付き、人生を変えられてゆく不道徳小説講義。実は過去に一度会っていて小説家の夢を共有した二人。なのに夢を諦めてしまった正道を許せず、弱みを握って脅迫してまで彼を創作へと誘う琴音。応募する執筆に専念させるため、ノイズでしか無い彼の恋人の影響を排除することも辞さない彼女によって、研ぎ澄まされてゆく正道の感覚。そしてまるで物語の結末を暗示するかのような応募作が鮮烈な印象を残す物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
期日前投票期間や投票所の数,選挙啓発活動や議員定数の不均衡などの投票環境条件に注目し,それらがどのように投票率に影響を与えているのかを実証的に論じた一冊。投票所が近いと投票に行くのかという投票所の数と投票参加の相関関係、「投票日、雨の予報」は投票率に影響する?投票啓発活動は投票率向上に効果的?新しい政党の参入や女性議員が増えると投票率を高める?など、統計データを用いていろいろ検証していて、期日前投票や啓発活動の影響が目を引きましたけど、やはり何よりも投票しやすくして意味があるものにすることなんでしょうね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
終わりなき仕事に振り回される人生から脱出するために、「引いて考える」「組み合わせ」「試す」の3つの思考法を使いこなして成果を上げる方法を提案する一冊。何のために生きているのかと思ってしまうような状況を変えるため、忙しいときほど一歩引いて客観的に状況を確認すること、知識を取り入れて組わせること、チャレンジすることを恐れない意識が重要で、「うまく伝わらない」という仕事を増やすリスクを排除する、給与はどこから出ているのか、本当に気にすべき相手は一体誰なのかなど、意識すべきポイントを分かりやすく解説していました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
信州山間の秘村で行われる十二年に一度の奇祭。帝大講師の南辺田廣章と書生・山内真汐が、その因習の真の目的を解き明かす民俗学ミステリ。大正三年、伯爵家に代々伝わる鉄環のお役を果たすために信州・諏訪大社の麓に降り立ち、神域の山で禁足地を犯して山奥の秘村に来訪神と遇され、囚われた二人。そして臥龍洞で風の神を祀るその村で、今まさに執り行われる奇祭の鉄環の謎と因習の裏に秘められた真実。繰り返される悲劇やこれまで飲み込むしかなかった理不尽に真っ向から向き合って、その負の連鎖を断ち切ってみせた結末には救われる思いでした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
三年前に失った恋人との最期の日々が、大人達により感動の実話として映画化され大ヒットした芸大生の鈴木秋都。彼が音楽系インフルエンサーを名乗る胡桃沢千歳にバズるMVの制作を依頼される青春小説。事実が美談として歪んだことに虚しさを覚えていた秋都が、胡桃の勢いに押されて協力する中ではっとするような映像を生み出し、再び動き出すその運命。iPhone一つの撮影に時代を感じましたけど、動画を撮ったりそれを評価されることに自分の感情を思い出してゆく一方で、これでいいのかと葛藤する秋都と千歳の距離感がなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
定時帰りをモットーとする会社員・東山結衣の前に現れた、手当目当てに残業したがる若手社員。その理由を知った結衣は、給料アップを目指し、人事評価制度の改革を提案する第三弾。結婚を決めたものの直後に仙台営業所に派遣される晃太郎、代わりにやってきたメンバーの不穏な動き、上からの残業削減指令と生活残業問題。今回の創業メンバーや中途採用組の扱い、世代間の給与格差問題あたりは、複雑な社内事情も絡む深刻な問題でしたけど、これを上手く切り抜けたと見るか、社長がしたたかだったのか…結衣が覚悟を決めたこれからが大変そうですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
契約社員の野花つぐみが久しぶりに帰省した実家で見つけたお菓子レシピが隠された古書。それが簡単にやり直せない過去を抱えた人々との優しい縁を結び始める連作短編集。実家が経営するホテルに住んでいて、いわゆる行旅死亡人となってしまった不思議な老女・メアリさんと、あちこちで見つかってゆく遺品の本とそこに挟まれたレシピたち。出会いと物語にちなんだレシピに基づいたお菓子作りが繋いでゆく縁があって、それが抱えていたわだかまりを解きほぐしてゆくとともに、つぐみ自身もまた自分の進むべき道を見定めてゆくとても素敵な物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
高校生のクロちゃんこと神木玄人と、格ゲーもFPSも強い女性ゲーマーのゴリさん。基本は礼儀正しくて優しく、ただ玄人と対戦する時だけは言いたい放題の彼女と、ネットとゲームで繋がるトーキングラブコメディ。ゴリさんは年齢も一つ上の高校三年生で、玄人も彼女の腕前に感心しつつ、楽しく煽りを返す仲の、付き合いも長い一番親しい女友達。あまり意識してこなかった彼女に、同じ高校にいる先輩への恋愛事を相談していたら、青天の霹靂な展開が待っていましたね(苦笑)積み重ねてきた二人の関係がこれからどう変わるのか楽しみしかありません。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
妖精譚で有名なアイルランドと日本を行き来する妖精の語り部が、FGOやツイステといった日本を代表する様々なサブカルチャー作品の本質を妖精から深掘りしながら、作品を通じて妖精の本質を問う一冊。FGOやツイステ、女神転生・ペルソナや魔法使いの嫁から、アニメ作品の聖戦士ダンバイン・重戦機エルガイムと美少女アニメ、スタジオジブリ作品やディズニーアニメなど、日本を代表するゲームやアニメ、マンガといった多くのコンテンツに登場して、特殊能力を持ち主人公に変化をもたらす存在として欠かせない要素になっているのを実感しました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
国の「王」として、狭い冊封体制の枠組みを越え、東南アジアから南アジアへ、そしてヨーロッパへと、対外活動を拡大してゆく戦国大名たちの新たな姿を提示する一冊。倭寇となった大名たちや対中国から東南アジアへの外交交易対象の変換、ポルトガルインド総督に使節を派遣した大友氏。アユタヤ国王との接触を図る松浦氏。カンボジアとの国交樹立を目論む島津氏。天正遣欧使節や伊達政宗による慶長遣欧使節。読んでいると大友宗麟の存在感が光っていましたが、これらを読んだ後だと、統一政権である幕府の鎖国政策の意味がまた違って見えてきました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
怪異現象事件に巻き込まれ、怪異駆除専門の唐木田探偵社の新入社員となったネズミ。彼と仲間たちの戦いを描いた都市伝説アクションホラー。ごく一部の人間だけが認知できる、都市伝説が実体を持ち人に危害を加えるようになった新種の怪異。入社早々、同僚たちからあらゆる戦闘方法を叩き込まれ、実戦に駆り出されるネズミ。過酷な最前線の生存率の中で仲間を失い、自らも傷つくなかなか重い展開でしたけど、それでも辞めないネズミと仲間たちの絆があって、彼らと力を合わせて怪異急増の原因に立ち向かう熱い展開とその結末はなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
開店したばかりのパティスリーが撤退に追いこまれた小花美月。失意の彼女が近江八幡の「シェアキッチン 今日だけ」たどりつく物語。諦めずに再起を目指す彼女がオーナーの孫・川端に誘われて、一時的に働くことになった小花。彼女が向き合う元凶の教えたがりおじさん、そしてお菓子店、喫茶、バルといった夢のお店のお手伝い。オーナー一家もなかなか複雑でそれぞれに事情を抱えていましたけど、率直で前向きな小花の存在が刺激となって、迷える人たちの背中を押して出会った人たちの変わるきっかけとなってゆくとても素敵な物語になっていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
世界を変える5つの力と10大要素とは何か?膨大なファクトと経済学、地政学、歴史的な洞察から、英国のジャーナリストが30年後の世界を大胆に予測する一冊。世界の各地域の現在地をそれぞれ分析・解説していきながら、変化をもたらす人口動態、資源と環境、貿易と金融、テクノロジー、統治という5つの力。それを踏まえて2050年の世界の各地域の変化や、新興国の成長と相対的な先進国の地盤沈下が起こりそうな状況を予測していて、これからをポジティブにどう考えるべきなのか。情報量はなかなか多かったですがいろいろと参考になりました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
世界中で起きつつある想像力の変容をふまえ、民主主義論の第一人者に質問する形でフランス革命・アメリカ建国後の政治史を解読した一冊。19世紀の大転換期を生きたトクヴィルの思索と行動を手がかりに考察する平等化の良い面と悪い面た、集権と分権について、行政府の民主化、市民の結社化による自治、分断に対する向き合い方、イデオロギーの歴史。構築された人間関係のネットワークを活かして、理念や信念ではなく行動することでローカルから政治を変えてゆくあり方を提唱していて、そのためには行政府のあり方がポイントになってきそうですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
トルコ建国の父ムスタファ・ケマル。今なお国民から敬愛される彼の実像を、愛する家族や戦いを共にした同志との人間模様を踏まえて描いた一冊。西欧列強からの脅威にさらされていたオスマン帝国の軍人としてキャリアをスタートさせて、ギリシアとの戦いで救国の英雄となったケマル。当時のトルコを巡る情勢や、民族主義と世俗主義を掲げ新国家の建設を進めてゆく様子が丁寧に描かれていて、その道程は思っていた以上に波乱万丈で、強権的で独裁的な一面も垣間見せた彼の功績は、関わった多くの同志たちに支えられたものだったのだなと実感しました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
藤原道長の正室・源倫子に物語の才能を認められ、倫子に仕えることになったた紫式部。さらに書き始めた『源氏物語』が道長の目にとまったことで、中宮彰子お付きの女房となる平安王朝絵巻。敦康親王が生まれて父・道長の操り人形から国母へと変わろうともがく彰子を支えながら、源氏物語を書き続けていこうと決意する紫式部。源氏物語が気になっていろいろちょっかいを出してくる道長には苦笑いでしたけど、様々な権力闘争の様子も描きながら、彰子のためにと覚悟を決めている紫式部自身が、源氏物語を通じて伊周を諭す場面はなかなか印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
名門の娘ながら嫁にも行かず代書屋を営む藍夏月が、泰山府君の頭を踏んだ罰でうっかり死んでしまい、彼に気に入られて条件付きで蘇り、後宮に女官として潜入する中華風ファンタジー。人ならぬものと縁があり幽鬼からの代書も引き受けている彼女が、泰山府君の調べている事を手伝うために潜入しての女官勤め。さらに前王朝の言葉を読めることから、上司の洪長官に調べ物を命じられる夏月。その過程で思ってもみなかったものを発見して、泰山府君が後宮に潜入を命じた理由も明らかになりましたけど、すっかり泰山府君に気に入られてしましたね(苦笑)
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よっち
1944年ナチ体制下のドイツ。父を処刑され居場所をなくした少年ヴェルナーが、エーデルヴァイス海賊団を名乗るエルフリーデとレオンハルトに出会う歴史青春小説。愛国心を煽って自由を奪う体制に反抗し、ヒトラー・ユーゲントに戦いを挑む少年少女たち。そんな彼らが市内に敷設されたレールに不審を抱き、その線路の先で「究極の悪」を目撃してしまうヴェルナーたち。統制を強めてゆく体制に対して迎合する者、立ち向かう者、そして見て見ぬふりをする者たちもいて、自分が直面したら果たしてどうするだろうか…と考えずにはいられませんでした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
非日常と日常を行き来しながら自身の結末を目指す覚醒者・灰空瑠宇。そんな彼がグランドマスターが集められた場で複数の被害者たちが囚われた特殊偽世界事件の参加を求められる第三弾。直前の因縁も絡めた様々な思惑が垣間見える合同作戦。密かに自らの目的のため機を窺っている瑠宇と、唯一彼の日常を知る存在でストーカーを公言する狛芽献の過去。事件自体は予想通りの展開から思わぬ結末を迎えたわけですけど、その始末の過程で思っていた以上にヤバい背景もいろいろ明らかになってきて、だからこそ瑠宇や雉子たちの育んできた絆が印象的でした。
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よっち
引っ越しで隣室へ挨拶に向かったおせっかいな高校生・真守鈴文が、お腹を空かせて倒れていた隣人で女子高生アイドル・有須優月を助けて始まる、ちょっと特別なお隣さんの胃袋とハートを掴むメシ堕ちラブコメ。理想のアイドルでいるため過度な食事制限をする優月が心配で、手料理を幸せいっぱいの顔で完食する彼女の様子に、つい《メシ堕ち》させたくなる鈴文。豚丼、ラーメン、お好み焼きといった美味い料理に対する優月の熱い飯レポがあって、胃袋をしっかり掴まれてしまった彼女がいろいろ思い悩みながらも堕ちてゆく様子が微笑ましかったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
十二年前の革命によって打ち破られた、千年に渡る王と貴族たちの支配。共和国となった国で、架空の他人を演じる仮面の詐欺師ライナスが、一人旅する謎の少女クロニカと出会う近代異能ファンタジー。金のために生きてきた小悪党に、今まで彼が奪った金で積み上げてきた財産を返してほしければ一緒に旅をしろと告げるクロニカ。彼女を追う異能を宿した人外の貴族たちの刺客からの襲撃に、駆け引きと彼女の魔眼で立ち向かう二人の海を目指す旅路と様々な出会いがあって、秘密を抱えるクロニカと放っておけないライナスのコンビがなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
事故をきっかけに『並行世界を行き来する力』を手に入れ、並行世界を数多く渡り歩いていた普通の高校生・湯上秀渡。しかし、突然『全ての並行世界が1つに統合される』現象が起き世界が急変する青春SF小説。アイドルの幼馴染・朝美との交際、ミステリアスな先輩との生徒会、思春期な義妹との生活など、様々な可能性を探っていた平行世界がひとつになってしまうカオス。そこに現れた並行世界の朝美と世界を修復するために動き出すストーリーで、並行世界を巡る先進世界の思惑にも振り回されながら、大切なことを思い出してゆく結末は良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
リーセリアが与えた聖剣の力によって決着を迎えたレオニスと不死者の魔王との決戦。しかし不死者の魔王消滅によって次元城は崩壊。その余波に巻き込まれ、レオニスたちは遠く離れた〈桜蘭〉の森に飛ばされてしまう第十四弾。異国の隠れ里でロゼリアが語る、この世界の秘密や神々と虚無の真実。そんな中で人類最後の要塞への侵攻を開始する〈ヴォイド・ゴッド〉となった〈剣聖〉シャダルク。この世界の様々なことが明らかになってゆく一方で、シャーリが抱えていた意外なものも明らかになりましたけど、レオニスと剣聖の関係も気になるところですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
今年も協力者として参加しましたが、各ランキングでの読了作品を見ると文庫部門48/50冊、単行本部門9/25冊、合算82/100冊、新作部門23/25冊、WEB投票19/30冊、協力者30/30冊という状況でした。単行本はあまり読んでいなかった時期にスタートしているシリーズが結構あって、話題性よりも読みたいものを優先させているとこんな感じになりますね。個人的にはその年の新作が評価されてある程度新陳代謝があった方がいいと思っているので、新作がわりとランクインしてきた今回のランキングはいい傾向かなと感じました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
スパイ騒動も一段落して、無事に女の子を出産したバイレッタ。一方、戦地に派遣されて出産に立ち会えず消沈するアナルドは、上司から『新婚旅行』に行くよう命令される第五弾。娘エルメレッタと共に、結婚十年目で新婚旅行へ向かう一同が訪れた別荘に押しかけてきたバイレッタの学生時代の友人ミュオン。彼女が次々と騒動を持ち込んで義父からも無理難題を押し付けられる展開でしたけど、気がつくと二人だけは無意識にイチャイチャしていて、いろいろ振り回されていた部下や周囲が何か納得いかない気持ちになるのも分かるような気がしました(苦笑)
が「ナイス!」と言っています。
よっち
メイドとしてグラットン家の若旦那に仕えていたリリス。若旦那に密かな想いを寄せていたものの、彼の突然の結婚により新しい妻からクビを言い渡される失恋から始まるラブストーリー。失意に暮れるリリスをメイド兼偽りの婚約者として雇ってくれた、若旦那の親友で容姿端麗で女たらしの最強軍人ダンケルク。彼がリリスに見出した幻の最強魔術を使って、一緒に帝都を脅かす過去の因縁に立ち向かう展開で、リリスへの溺愛っぷりを隠さなくなってゆくダンケルクに戸惑いながらも、少しずつ向き合うようになってゆく二人の関係がなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
恋人から突然別れを告げられた平凡OL糀谷胡桃が、ストレスを発散させるために大量に焼き上げたお菓子を持て余し、甘党小説家のお隣さんの佐久間に差し入れして始まる”おかしな”恋の物語。口も態度も悪い傍若無人な佐久間は甘いものをこよなく愛していて、胡桃の作ったお菓子を大絶賛。それからストレスを感じるたびに美味しいお菓子を作り、お隣に持って行く代わりに佐久間に愚痴を聞いてもらうようになる胡桃。男を見る目がなかった胡桃と、第一印象は最悪だった佐久間のお互い意識するようになってゆくもどかしい関係がこれからも楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
全てにおいて平凡で没個性が悩みの高校生・影子。彼女が同じクラスの芸能人・鈴木真昼の隣の席になって、その意外な一面を知ってゆく青春小説。普段は世間を賑わすアイドルで、勉強や性格も完璧な人気者で永遠の主人公キャラの真昼と一緒に図書委員をすることになった影子。引け目を感じていた二人の関係が少しずつ変わってゆく中、突然のスクープによって激変してゆく周囲の反応や、SNSでの無責任な発言に翻弄される展開はなかなか厳しかったですが、それでも変わらなかった影子の献身と真昼の頑張りがもたらした結末はなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
大陸内陸部に位置するオアシス国家カルジャスタン王国。神紋が発現して神獣召喚の儀を迎えた第一王子ルスランが、災厄の瑠璃竜アルダーヴァルを召喚したとして追放され、旅に出るオリエンタルファンタジー。追放を取り消してもらう方法を探して旅に出た、おぼっちゃん育ちのルスランと口も態度も悪く皮肉屋アルダーヴァルの相性最悪な二人。東方で神獣を従える貴公子と出会ったり、黒い嵐に立ち向かう一方で、瑠璃竜を巡る真相に迫るルスランたち。様々な困難に直面する中で成長する二人が、祖国の危機に立ち向かう王道展開はなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ルミニエル座の俳優アーロウと、天才として名高い脚本家の兄・リーアン。愛を知らない双子のリーアンに特権階級の演出家から戯曲執筆依頼が届く第三弾。脚本家としての才能を見せ始めていたリーアンが選んだ題材は、隠されたレーエンデの英雄。その真実を知るために旅に出た二人。果てまで延びる鉄道、焼きはらわれた森林、差別に慣れた人々がいて、出来上がった傑作に対する仕打ちにはやりきれなさも覚えましたけど、矜持を踏みにじるような不当な仕打ちには決然と立ち向かい、志を貫き通してみせた兄弟の壮絶な生き様が強く印象に残る物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
若くして小説家デビューを果たして、美貌と才能で一躍人気作家となりながら、突然筆を折ってしまった東山冴理。その三十年後、冴理のもとにひとりの女性編集者が執筆依頼に訪れる作家小説。自分には執筆する権利がないと断る冴理に、亡くなった白川天音との関係を問う編集者。冴理が語る全ての運命の歯車を狂わせた天音との邂逅。才能の差を突きつけられ、全てを奪われた冴理の絶望、そして人生に希望をもたらしてくれた冴理をひたすら追い求めた天音の渇望があって、だからこそ決定的にすれ違ってしまった皮肉な運命の結末には救われる思いでした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
SNSで、会社で、家の中でどこからか湧いてくる目障りな存在、蓋をしたい感情。グロテスクで一筋縄ではいかない日常の裏で誰もが「見て見ぬふり」をしているものを突き付ける短編集。粘着質なアカウントをブロックした先にあった結末、子供の頃よく遊んでくれた近所に住む三十歳年上の猫好き女性との再会、実家に住むアラサー女子と結婚を間近に控えた妹が抱える複雑な思い、父の介護で青春を棒に振ったヤングケアラー女性。すれ違いが積み重なって上手く行かなかった結末に、ではどうすれば良かったのかとつい考えてしまう印象的な短編集でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
配信者デビューで念願の収益化を達成し絶好調の聖女アリス。そんな彼女のもとにかつて姉と慕っていた因縁の「地の聖女」セリーヌが訪れる第二弾。アリスの無事を喜び、一緒に邪智暴虐の王を倒そうと彼女に協力を求めるセリーヌの提案を、「動画配信で生きていく」と断ってしまうアリス。口論の末に互いの気持ちを吐き出し合い、目標を掲げるアリスに配信者デビューして協力するセリーヌ。思ってもみなかった形での誠の参戦や、アリスの将来を賭けた決闘配信はなかなか楽しかったですけど、実況役アリスやボス役ランダもいい感じに効いていましたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
伝説の英雄として人々に語り継がれる歴代最強の剣聖アーノイック。彼が何の因果か誰もが視線を奪われる伯爵家の美少女メイド・アネットに転生する異世界TS無双ファンタジー。今世では剣の道に進まず伯爵家のメイドとして平穏に暮らすことを密かに願っていたアネット。しかし病弱を乗り越えて剣聖を目指す令嬢ロザレナとともに誘拐された彼女が対峙する、前世での因縁の相手ジェネディクト。その戦いをきっかけに聖騎士養成学校入学を目指す覚悟を定めたロザレナの情熱と、彼女に絆されたアネットがこれからどうなるのか今後の展開が楽しみですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
弱小国家でありながら大国と同等に渡り合うウルミーラ王国。魔法を極めた魔術師で圧倒的戦闘センスを持つ最強の第二王子・アレンが国を守るために力を振るう異世界無双ファンタジー。戦場に立ち始めてから大国の軍勢相手に一度の敗北もなく勝ち続け、国内外から畏敬の念を抱かれて英雄と称されるアレン。実際には自堕落で戦争嫌いな彼を、訳ありメイドのセリアや兄王子のロイたちが上手く使っている状況で、それでも帝国の第一皇女リゼや神聖国の聖女ソフィアといったヒロインたちの窮地を放っておけず、身体を張って戦う姿はカッコ良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
昔から何かと女性関係のトラブルに巻き込まれ続ける九重雪兎。夏休み真っ只中、彼の前に不審人物(自称父親)凍恋秀偽が現れ、雪兎を引き取りたいと告げる第四弾。身勝手な理由でいなくなった父親の都合のいい主張に怒り心頭の母・桜花と家族三人で立ち上げたマイホーム計画。一方、元婚約者からやり直そうと迫られていた美咲。幼馴染たちだけでなく、友人の母や姉に気に入られたり、事あるごとに無意識にフラグを立てる雪兎には苦笑いでしたけど、いろいろと繋がる縁を上手く活用しながら、美咲のリスタートを応援する展開はなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
資産家の息子で高校生の早乙女悠と同居し、専属メイドを務めるクラスメイトの美少女・愛坂。常にクールで掴みどころのない彼女との秘密の関係から始まるじれじれ同居ラブコメディ。家事はもちろんいろいろ優秀で、平凡な高校生活を送りたいという悠の願望を叶えてくれた愛坂。学校ではぼっちの悠と人気者の愛坂という構図に、引け目を感じて無関係を装うように伝える悠。しかしその状況で転校してきた従姉の五月麻衣登場で試される二人の関係。そこから明らかになる悠と愛坂の関係や背景があって、それぞれの想いに向き合ってゆく素敵な物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
『煽り配信』を行う『鬼ちゃん』として活動するゲーム実況者・中山春斗。うっかり配信を切り忘れたままの妹との会話で実はいい人であることがバレてしまうVTuber小説。煽りプレイで注目を集めていたのに、実は妹の学費や生活費のために活動していることや、わざわざ台本を用意していることが筒抜けで、バズっていく状況にポンコツな対応をしてしまう春斗。注目を集める中で人気プロゲーマー『Ayaya』がバイト先の常連客女子大生・白雪綾とのお互い身バレした今後の関係や、妹の友人で幼馴染を涼羽も絡めたこれからの展開が楽しみですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
出身地・居住地によって激しい差別が行われる架空世界の日本。東京都区部の名門校・白鵬堂学院に麻実麗という男子学生が転入してくる映画ノベライズ。容姿端麗で都会的な物腰を身に着けた麗に学院の学生たちは魅了され、当初は反発していたものの、やがて麗を慕うようになってゆく生徒会長・白鵬堂百美。しかし麗が埼玉県出身の家政婦を庇ったことにより出自がバレてしまい、埼玉県民解放のための抵抗運動を始める展開で、わりと分かりやすく映画の内容に準じた内容になっていて、実施した世界埼玉化計画の行方はどうなったのか続刊が楽しみですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
裂かれた腹に石を詰められて殺された、特殊詐欺グループの男。その事件を皮切りに、童話の悪役を想起させる殺人が次々と起こるサスペンス・ミステリ。グリムキラーによって引き起こされる死体のそばに置かれていたグリム童話の一ページ。『赤ずきん』の狼に見立てて殺された男に続いて、焼けた鉄の靴を履かされて死ぬまで踊らされた『白雪姫』の母親、作中の妻たちのように吊り下げて殺された『青髭』の男、無実なのに殺されてしまう『ヘンゼルとグレーテル』の魔女。連続殺人に暗号を絡めた犯人に挑む黒宮刑事のやりとりがなかなか良かったですね。
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よっち
両親の離婚で父親の故郷・札幌市に引っ越してきた昴。転校先の高校で双子の妹・茜音を亡くした幼馴染の宵深と再会する青春ミステリ。転校当日に学級委員の宮川と人気歌手の配信を見ていた時、昴と宵深が気づいてしまう異常に課金をするクラスメイト。一時的に保護者として同居している叔母の恋愛相談、迷子の愛犬探しで名乗り出てきた別の飼い主。今も意識する存在で、一緒に謎解きする寡黙でミステリアスな宵深との距離感は、妹の死もあってか近くても何とも難しい印象でしたけど、最後の認識のズレが一体何を意味するのか続刊も期待したいですね。
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よっち
5階建て新築分譲マンション近くの日の出公園に設置されているリカバリー・カバヒコ。マンションの住人たちがカバヒコに悩みを打ち明ける連作短編集。高校に入学してからの急激な成績不振に自信を失ってしまった少年、出産を機に仕事をやめた主婦の孤立、恋も仕事も上手く行かず休職したウェディングプランナー、走るのが嫌で怪我をしたと嘘をついた少年、クリーニング店で働く母と息子の不器用な関係。直面する問題に目を背けたくなる人々の複雑な想いが描かれるお話でしたけど、人との温かい繋がりが主人公を支えてくれるとても優しい物語でした。
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よっち
AIが常に寄り添いサポートする時代。生まれた時からAIに囲まれて育ってきた主人公たちの計算不能な現実の恋や夢を描く近未来青春連作短編。AIに不毛な恋愛相談をする浩太、不登校の幼馴染さくらを心配する裕彦が渡されたもの、かなでが自らのAIを世界一可愛くするために必要だったこと、通学し始めたさくらが痛感するリアル、そして小春に藤次がAI初期化を依頼した理由。AIとの距離感やリアルな人間関係に自信を持てない戸惑いなど、時代が変わっても本質は変わらない繊細で瑞々しいエピソードがなかなか印象的な物語になっていました。
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よっち
古代の地方にある郡・郡司、国衙機構や在庁官人を研究してきた著者が、神話・伝承の時代から平安時代末までに活躍した30人を紹介する一冊。野見宿禰、筑紫君磐井を始めとする中央にも少なからず影響をもたらした古代から奈良時代末の15人、阿弓流為や安倍頼時、空海や円仁といった平安時代末までに活躍した15人をそれぞれ取り上げていて、全体からすると教科書にも出てこない人物の割合も多かったですが、それぞれがわりと重要なことや歴史の転換期にもしっかりと関わっていて、こんな人物がいたんだな…と新鮮な思いで読むことができました。
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よっち
鍵の約4000年の歴史をたどりながら、各時代を象徴する鍵を解説するとともに名匠や教会の鍵、侍従の鍵など特徴的な鍵を紹介する一冊。紀元前の古代ギリシア、湖上住居、ケルト、ローマ時代、パレスチナ、中世初期からカロリング朝にかけて、ヴァイキング、ロマネスク様式やゴシック様式、ルネサンス期、教会、侍従、バロック/ロココ様式、英国スタイル、重厚なアイアンチェスト、ふたつの機能を果たす鍵を紹介しながら、ローマ時代からゴシック時代にかけての鍵の変遷とルネサンス期から20世紀にかけて鍵の変遷を解説する興味深い一冊でした。
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よっち
自らのミスで学校でも野球部にも居場所を失ったと感じていた柚原瑛太。そんな彼が訪れた図書館で不思議な少女・真宮栞里と出会う青春小説。雨か曇りの日だけ出会うことができる、本が好きだという彼女と一緒に図書館で本を読むことで救われてゆく日々。そんな居心地のよい時間が突然終わりを迎えてしまった理由。彼女の事情を知ったことをきっかけに、自分が抱えていた後悔にも向き合ってゆく瑛太には、彼を見守っていたり、励ましてくれる存在もいて、何より悩める瑛太の背中をそっと押してくれた栞里の想いがとても印象的な物語になっていました。
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よっち
正真正銘の恋人同士になった中山幸太郎と霜月しほ。幸太郎は自らの意志で母と向き合い。そしてしほの父と胡桃沢一徹の問題を解決するために動き出す第五弾。将来を少しずつ意識しながらのんびりとすごす幸太郎としほが、遊びに行ったくるりの屋敷や、プライベートビーチでの水着回で出会った意外な人物。幸太郎との母とのことや、しほの父と胡桃沢一徹の関係にも絆を深めた二人だからこそフォローできることがあって、心残りだったわだかまりをひとつひとつ解消していきながら、しっかりとエンディングまで描いたとても素敵な結末になっていました。
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よっち
突然神界に連れてこられて、男なのに女神の趣味で美少女カリーナにされた挙句、ラスボスもいなくなってしまうTS転生美少女の異世界ライフ。チュートリアルなのに女神がいきなりラスボスを瞬殺してしまい、いきなり当初の目標が消失。仕方なく行商人に必要なギルド証を得るため、金を稼ぐ手段として冒険者を目指すカリーナ。欲望に忠実な供物を要求する残念変態女神には苦笑いでしたけど、先輩冒険者ブレイドや行商人サティたちにいろいろ教えてもらいながら、使い勝手のいい魔法を上手く使い回して気ままに生きるその姿はなかなか楽しかったです。
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よっち
天才だらけで倫理がやばい五才星学園への潜入を命じられた無敵の傭兵こと久原京四郎。次々とトラブルに巻き込まれる中銃弾と爆薬が炸裂する学園青春アクションエンタテインメント。京四郎が潜入した学園で出会った、美しさだけで世の中を渡る顔馴染の有馬風香、絵の才能から様々な妨害に遭う霧島紗衣、そしてどこか掴みどころのない雪代宮古。キャラが立った魅力的で個性豊かなヒロインたちに振り回されながら、トラブルに巻き込まれる彼女たちの危機に駆けつけ、その笑顔を取り戻すために戦う京四郎の熱いバトルアクションがなかなか良かったです。
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よっち
世界に10人しかいない「聖女」をめぐり暗闘を繰り広げる帝国と教国。聖女暗殺の命を受けた<死神>の異名を持つ暗殺者の少女メアリが教国の全寮制女子学園に潜入する異能少女バトルファンタジー。身分を隠して学園に潜入したメアリが邂逅を果たした、孤高の聖女ステラとその騎士エリザベス。少しずつ彼女との距離が縮まってゆく一方、暗殺にためらいを覚えるようになってゆくメアリ。状況を利用しようとする様々な思惑に振り回されて、聖女とメアリの過去が明らかになる中で、葛藤を乗り越えて絆を深めてゆく二人の距離感がなかなか良かったです。
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よっち
幼馴染の瑞希、束縛してくる姉の凛という障壁を超え、京子の元アイドル仲間桂花というトラップもかわして、めでたく京子とつきあっている衛。今度は京子と旅行に行く計画を立てる第三弾。襲ってくる凛から避難するため、ばあちゃんの家で京子と隣部屋同棲状態。さらにお盆に京子と温泉一泊旅行に行くことにワクワクする一方で、自宅にいる凛のことが何だか心に引っかかってしまう衛。今回は凛が抱えていた複雑な想いや、京子がずっと消化できなかった想いに向き合う中で、彼女たちとの関係をしっかり再構築してみせた結末がなかなか良かったですね。
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よっち
底辺不良高校の優等生だったはずが、学園最強の美少女・夏凛たちに好かれてしまった史季。不良派閥の頭・荒井を倒したことによって注目を集めてしまい、さらに不良たちから狙われるようになってしまう第二弾。小日向派の女の子たちに遊ばれながら、たびたび狙われる状況を踏まえて初見殺しの技をいろいろ試行錯誤する史季。そんな彼が鬼頭派の頭・朱久里に目をつけられて、彼女が主催する「1年最強決定戦」に出場する展開で、今回もなかなか熱い戦いが繰り広げられましたけど、確実に強くなってゆく史季と夏凛の距離感の変化も気になるところです。
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よっち
新人の伊波渚とついに一線越えちゃった?ホテルでお泊り(記憶ナシ)以降、悶々とした日々を送る教育係の風間マサトが、相変わらず振り回される日々を送る第三弾。同期の深広にデザインしてみろと無茶ぶりされたり、クライアントの桜子や来海に飲みに連れていけとせがまれたり、諸事情で一度限りの伝説のカリスマモデルに戻った先輩の鏡花にからかわれたり。周囲の魅力的なヒロインたちにからかわれたり、振り回される様子は微笑ましかったですけど、過去エピもいろいろ掘り下げられる中で、いろいろ頑張る新卒ちゃんが報われる結末で良かったです。
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よっち
啓太郎にガチ恋している超人気VTuberの同期ラミアを諦めさせるため、推しの堕天院マリエルの中の人で幼馴染の西園寺芹香が彼氏だと爆弾発言。彼女の座を賭けてゲーム大会で二人が勝負する第二弾。マリエルに負けていられれないとばかりに、推しアイドルの同級生ゆきの懇願で演劇の参考に彼氏役でデートしたり、推しコスプレイヤーの義妹紗菜に合わせ撮影で甘えられたり、四人で一緒に行く水着回にゲーム合宿。マリエルの負けられない戦いもなかなか熱かったですけど、彼女よりも推しが大事と言い切った啓太郎の嘘偽らざる本音が印象的でした。
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よっち
置き手紙を一つ残して光惺が突然家を出ていったことで動揺する妹のひなた。2人を仲裁して仲直りさせるために周囲がいろいろと画策する第六弾。役者に戻る覚悟を決めた上での一人暮らしで、取り付く島もない光惺。その思うところに薄々は気づきながらも納得できずに元気のないひなた。そんな彼女を心配して晶や演劇部の面々を中心に仲直りさせる作戦を練る涼太。空回りする西山のポンコツ大作戦には苦笑いでしたけど、月森の涼太に対する態度や、推しの光惺を応援する星野といった変化も描きながら、いい感じにまとまった兄妹関係が良かったですね。
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よっち
品行方正、成績トップの美少女・宇佐見。そんな彼女が放課後にゲーセンで遊ぶ意外な姿を知った高屋敷咲人が、彼女たちを気になってゆく優等生&奔放美少女双子同時アプローチラブコメ。校内で咲人をライバル視して突っかかる優等生な千影と、放課後ゲーセンで無邪気な笑顔を見せる光莉。双子と気づかないまま、それぞれの場所で仲を深めていった末の決定的勘違い。修羅場不可避の状況から、双子相手だからこその斜め上の展開が待っていましたけど、咲人のほろ苦い過去も明かしながら、うまくハマった三人の関係がどうなるのかこれからが楽しみです。
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よっち
この夏休み、小学五年生の女の子・雪見文香を「猫として」飼っている高校生・夏目幸路。過去の痛みと引き換えに能力を得てしまった少女たちのトラウマを解消するために奔走する青春小説。〈未来のニュースを視る〉能力により、夏目の家で「飼い猫」としてふるまわないと、連続殺人犯に殺されてしまうと知った文香。連続殺人犯から逃れたトラウマから火炎少女になったツンチョロ美少女・京野月子。次々とややこしい事件が飛び込んできて、猫の目のように変わる状況の中で、彼女たちを救うために八月事件の真相に迫る展開はなかなか面白かったですね。
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よっち
付き合ってもいないのに深夜二時にチャーハンを作りに来訪する桐原銭子。そんな謎の行動に困惑しながら好きな女の子からの好意を拒絶し続ける青春モラトリアムラブコメ。神戸市の国内有数の進学校に通う高級マンション住まい、高身長、高学歴なハイスペック高校二年生・藤堂破蜂と、家が貧乏で小柄ではあるものの優秀な美少女・桐原銭子の何とも不思議な関係。決して嫌いではないのに付き合わない藤堂の理由、さらには銭子視点からの物語により構図が二転三転していきますが、そこからさらにカオスな展開に叩き込んでくる今後の展開が楽しみですね。
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よっち
血なまぐさい戦場に嫌気がさして、戦死を装い傭兵家業から引退した凄腕剣士のリクス。人生を変えようと変な妖精から特別入学招待状をもらった魔法学園に入学する学園ファンタジー。行きの海上でも海魔相手に力を見せつけるものの、魔術を使うのに必要なスフィアが開かずにまさかの魔術適正0。同様の特待生シノとともに特訓しながら、剣士としての力で学院の常識を次々と打ち破っていくリクス。シノを狙う貴族との決闘や、思わぬ騒動に巻き込まれる中でリクスやシノの背景も明らかにされてゆく王道展開に、今後への期待感が改めて高まってきました。
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よっち
メルガリウス天空城の決戦により救われたアルザーノ帝国。しかし帰ってこなかったグレンのために、再び彼と会うために残された人たちは立ち上がる第二十四弾。システィーナが見た、このままいけばそうなりそうな未来の夢。そんな納得がいかない状況を打破するため、グレンのために最終決戦に挑む者たち。一方、無限に続く《無垢なる闇》との過酷な戦いの中でのグレンと意外な人物との邂逅。そこから明らかにされる物語の真実と終わりのない絶望を突きつけられる展開でしたけど、最後はとてもロクアカらしい決戦と結末を最後まで読めて良かったです。
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よっち
弟を溺愛するあまりに父から離婚された母。そんな母に幼い頃からずっと否定されて育ち自己肯定感がすこぶる低い実音子が、思い出の街で出会ったサビ猫に導かれ、フルーツサンド屋に辿り着く物語。生きづらさを抱えて日常を送る実音子が出会った、浮世離れした雰囲気を持つ店主の美青年・瞬と彼の親友たち。全然売れていないフルーツサンドは思いの外美味しくて、温かな瞬たちの優しさに触れて、売れるために協力する実音子。自分の頑張りを肯定してくれる居場所を得た彼女が瞬の思わぬ危機に奔走したり、変わってゆく様子がなかなか良かったですね。
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よっち
陽夏国の芝居一座で育った龍意が、突然やって来た宮城からの使者より、自分が皇帝の双子の弟だと知らされ、目が覚めない皇帝の替え玉を依頼される中華風ファンタジー。殺されそうになったところを、母親の皇后が裏で手を回し一座に預けたことを知らされ、一座の借金を肩代わりしてもらうことを条件に依頼を受けた龍意。彼が姉の死の謎を追う後宮の歌劇団「煌星歌劇」の星羅と出会い運命が動き出して、奸計を巡らせる宰相の娘・薛貴妃に軽挙が多く計画を破綻させていく様子には苦笑いでしたが、切ない結末を乗り越えた二人がなかなか良かったですね。
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よっち
15世紀末イングランド。庶子の伯爵令嬢で、姉が世間体の悪い死を遂げて修道院に押し込められていたシャーロットが、異母妹エリザベスの代わりにスコットランドのハイランドへ嫁ぐことを命じられるファンタジー。背く術はなくエリザベスになりきって結婚式に参列したシャーロット。夫となるアレクサンダーとはお互い不器用ながらも惹かれ合う関係で、今後に向けた期待感からの急展開には愕然としましたけど、それでも諦めずに様々な思惑に振り回されながらも、可能性を信じ続けたシャーロットたちがしっかり引き寄せた結末はなかなか良かったです。
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よっち
結婚に向けて、いよいよ本格的に動き始めた沙名子と太陽。沙名子は結婚へと向けてタスク表を作ってひとつずつ処理していこうとしてその大変さに改めて直面する第十一弾。東京と大阪で別々に暮らす状況に、お互いの両親への挨拶、仕事は続けるのか、家事の分担、婚約指輪や結婚指輪はどうするのか、結婚式は挙げるのか、どちらが名字を変えるのかなどなど、しっかり決めていきたい沙名子とアバウトな太陽だとそうなるよなという展開でしたけど、とりあえず周囲の悲喜こもごもの反応もしっかり堪能できたので、まずはスタートから同居できるかですね。
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よっち
12月の北海道。中学2年の少女・有乃沙耶が、虐待が疑われる両親のことを相談していた児童相談所の職員を名乗る男の車に乗せられ、そのまま誘拐・監禁されてしまうミステリ。身代金2000万円が目的の営利誘拐であると犯行声明を北海道警察に送りつけ、粛々と計画を進める渡辺。一方で監禁下の交流から、ふと彼が実は「本当の父親」なのではないかと疑い始める沙耶。身代金を要求されてからのあれこれを思うと、両親の心ないありようにはなかなか来るものがありましたが、不器用すぎる贖罪がもたらした結末にはそれでも確かな救いがありました。
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よっち
親を知らずに天涯孤独の身で、野良猫のように暮らしてきた風子が東京の谷中銀座で開いた探偵事務所に、先祖の調査依頼が舞い込む連作短編集。日本最年長という曽祖父の捜索依頼、先祖を調べる夏休みの宿題を手伝う依頼、ご先祖様が祟っている事実調査、無国籍者が戸籍からの取得協力依頼、そしてふとしたきっかけから繋がってゆく、いつも気にかけながらも忘れかけていた自らのルーツ。それぞれに調査してゆく過程で意外な事実が判明してゆく展開はなかなか面白かったですけど、その根っこにあった過去の真相がなかなか深くて印象に残る物語でした。
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よっち
閉塞的な家や村から逃げだし、身寄りのない街で一人小説を書き続ける三島天。ある日中学時代の友人のミナから連絡をもらい、藤生を含めた幼馴染三人で久しぶりに再会する物語。強権的な両親に押さえつけられて早く家を出たいと思っていた天、そんな彼女を気にかける藤生の複雑な想い、天と一緒にいて自分というものを持っていないことを痛感していたミナ。それぞれが満たされない想いを抱えていて、自分は自分でしかなくて、大人になって変わったこともあるけれど、一方で変わらないものは変わらない三人のそれぞれのありようが印象的な物語でした。
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よっち
多くの住民の期待を集めた計画が世界中を襲ったコロナウイルスの蔓延により頓挫した名もなき町。そこで教師だった父親を殺された娘と魔術師の叔父が、真犯人を探すべく犯人と警察に挑むミステリ。コロナ後の影響が残る町で、教え子たちに慕われた父はなぜ殺されたのか。計画されていた同窓会で集まった教え子たちにもそれぞれの事情があって、警察すら出し抜く食えない叔父に振り回されながら真相に迫る展開でしたけど、事件解決のためには人の嫌なところにもぐいぐい踏み込んでいく探偵役の叔父が姪に垣間見せた思いがとても印象に残る物語でした。
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よっち
ゲームセンターで働きながら、「早見有日」のペンネームで小説を書いていた長井朝陽。そんな彼女が実際に文学賞を受賞して本が出版されてから、だんだんと日常が軋みはじめる物語。兼業作家であることが職場にバレてしまい微妙に変化してゆく周囲の朝陽への接し方と、曖昧になってゆく執筆中の小説と現実の境界。インタビューでの発言が思わぬ波紋を引き起こしたり、芥川賞を受賞してから何が変わったのかが描かれたりと、著者さん自身も実際に受賞後激変することがあったのかなとつい思ってしまうくらいには生々しい描写がリアルに感じられました。
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よっち
人類の発展には金属が大きく関わっていた。世界史の歴史の中で金属の果たしてきた役割についてエピソードとイラストで解説する一冊。金属はどこで生まれて人類と出会ったのか。恒星から金属が生まれる仕組み、金属の神話、青銅器から鉄器への変遷と東西の文明、十字軍の東方文化発見と鉱山冶金術の進化、産業革命と第二次元素発見ラッシュ、巨大建造物と新金属、電磁鋼の発見など、歴史の中で大きな変化をもたらした青銅と鉄の関係だったり、産業革命以降の金属に関わる多くの人物たちの試行錯誤から生まれた様々なエピソードを興味深く読めました。
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よっち
杜ノ国に迷い込み、少年王・玉響と出会った大学生の真織。真織や千紗杜と呼ばれる郷の人々と行動を共にする玉響が、国の中枢である水ノ宮と周辺で蠢く勢力争いに巻き込まれてゆく第二弾。不死の身体を失いながらも御種祭でのことは不問とされ、千紗杜で真織と共同生活を送り始めた玉響。そこに神王四家の一つ杜氏の長・黒槇から、神領にいる玉響の生家でもある地窪氏の窮地を告げられ、奥ノ院に命の石を確かめに行く真織たち。ト羽巳氏の専横が明らかになってゆく中で、縛り付けられていた女神の力を解放して向き合った二人のこれからが楽しみです。
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よっち
夢破れ恋も仕事も超低空飛行な編集者の一葉。憧れのモデル・灰沢アリアの恋愛相談コラムを自分で執筆することになってしまい、「恋愛」を研究する准教授・椎堂司の噂を聞き付け助けを求めるお仕事小説。丸投げでらしい文章を書けというアリアの横暴、動物の求愛行動にしか興味がない変人・椎堂の講義をヒントに書かれるコラム、明らかになってゆく意外な過去の繋がり。二人に振り回されながらも繋がりを積み重ねてゆく中で、逆境を乗り越えてみせたアリアの矜持、そして一葉との関わりの中で少しずつ変わってゆく椎堂がなかなか印象的な物語でした。
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よっち
日本で見つかった、ある「聖遺物」。世界的にも貴重なその「聖遺物」をかけ、「推理ゲーム」が北海道で行われることになり、驚異の能力を持つ「名探偵」たちが、決戦の地に集うミステリ。アメリカ、ブラジル、ウクライナ、日本などの「名探偵」たちが、描かれたそれぞれのエピソードで見せつける特異な能力の数々。そんな彼らの聖遺物をかけた推理ゲームを前に起きた殺人事件。事件解決のために名探偵たちが持てる力を使って導き出してゆく推理の数々にはワクワクさせられて、その先にあった思ってもみなかった結末にはつい唸らされてしまいました。
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よっち
綿密な犯罪計画により実行された殺人事件。アリバイは鉄壁、計画は完璧、事件は事故として処理される……はずだった。だが、犯人たちのもとに、死者の声を聴く美女・城塚翡翠が現れる第二弾。ITエンジニア、小学校教師、そして人を殺すことを厭わない犯罪界のナポレオン。さりげない風を装い現れて、いつの間にか距離を縮めて、乗り切ったと思ったら思ってもみなかった部分から覆していく鮮やかな推理劇。でもこんな感じだったかな…と積み重なってゆく違和感が、最後の最後で反転するその理由が、前回とはまた違う意味で鮮烈な印象を残しました。
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よっち
稀代の悪女としてその罪により800年間封印されていたノーラ。学校を覗いていた彼女がいじめられているシシリーに気づき、1年限定で彼女に憑依する青春ファンタジー。完璧で幸せな状態でシシリーに返すため、いじめている令嬢を懲らしめて、次期賢者と噂されるアルヴィンに口説かれるようになり、シシリーの状況をみるみる改善させていくノーラ。ツンデレ令嬢のアニータとも仲良くなって、青春を満喫するノーラに影響を受けたシシリー自身も変わっていって、複雑な因縁も絡めながら進む物語がどのような結末を迎えるのか今後の展開が楽しみです。
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よっち
王弟アルフレッドと夢のような結婚式を挙げ、晴れて夫婦となった『石の民』の娘ミュリエル。女辺境伯の地位をたまわったミリーが、アルフレッドと共に新天地へむかう第二弾。領地経営のために不遇な状況に陥っている人材に声を掛けたり、祖父母に会ったことで浮かび上がった課題に、周囲の協力を得ながら取り組むミリー。婚約式や蛮族の結婚式を経て夫婦になった二人が祝福される様子も良かったですが、向かった新天地ヴェルニュスの過去の事情を踏まえつつ、新領主として民に向き合い、自ら率先して精力的に働くミリーの姿がなかなか印象的でした。
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よっち
国内最高峰のフィンゼル魔法学校に落ちてきた少女ミア。記憶を全て失った彼女を保護した養護教諭のアブサロンから、学内に潜り込むことを提案される学園ファンタジー。もし首席集団の【オペラ】になれば調べて記憶喪失の謎も解けるはずだと聞かされ、魔法学校で学ぶことを決めるミオ。彼女を魔法で魅了するブルーノたちに見守られて魔法を練習しながら、魔獣ロッティや様々な人たちとの出会いを重ねるミオ。複雑な背景がたびたび示唆され、魔法の靴事件にも巻き込まれてゆく彼女が見せてくれた様々な可能性があって、これからの展開が楽しみですね。
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よっち
王女ルルアリアの声を取り戻して弟アイザックを退けたアルバス。一年に一度開催される英雄祭に彼女の護衛として参加した彼が、行事の決闘祭に参加する第二弾。彼を対戦相手に指名した王国の最高位の魔法使いと名高い第一王子ザイール。その背後で蠢くハズレ属性を蔑視し四大属性魔法至上とする宰相たち、そして決闘まで第二王子ブレイデンたちと修行に励むアルバス。ザイールと繰り広げる激闘に水を差されたり、ルルアリアが狙われる展開もありましたけど、自らが示した力で逆風を変えてみせた彼らが、これからどこに向かうのか続刊が楽しみですね。
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よっち
ひとときの別れがお互いを成長させ、晴れて恋人として結ばれた葵と晃。修学旅行の行き先と日程が同じことが判明して、自由行動を共に回ろうと約束する第二弾。葵の同じ班の瑛士や泉、晃と同じ班の梨華と悠希に協力してもらいながら、清水寺や観光名所、和菓子めぐり、着物姿で街歩きなど二人の時間を満喫する二人。普通なら一緒に過ごせなかったはずの修学旅行で、一緒に回る機会を得た二人の嬉しそうな様子が丁寧に描かれていて、忘れられない修学旅行感がありましたけど、サプライズなエピソードも交えつつ今後を見据えた次回最終巻が楽しみです。
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よっち
引きこもりの義妹いすずが大人気VTuberとして活動している塩尻聡太。ある日、いすずが配信を切り忘れ、聡太との素の会話を世界中に流してしまうVTuber小説。配信では生意気なメスガキを装ういすずが兄に甘える姿を晒してしまい、切り抜き動画が拡散されバズる配信事故の様子。そこから妹思いの優しい兄として高評価を得てなぜかVデビューすることになった聡太。毎回放送事故をやらかす聡太には苦笑いでしたけど、他のヒロインVTuberたちも絡めながら相乗効果で加速度的に注目されてゆくゆるい展開には独特の味わいがありました。
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よっち
悪夢のような事件も過ぎて、ようやく平和な日常に戻った冷堂紅葉と天内晴麻。しかしある日、今度は冷堂の旧友たちが殺されてしまい、不死探偵と普通の相棒が再現不可能な殺人事件に再び挑む第二弾。二人が訪れた喫茶店で起きた密室殺人事件、転校してきた双子の旧友たちが巻き込まれた同時刻連続殺人事件。ショッピングモール爆破と冷堂父の不可解な死。魅力的なヒロインたちを上手くストーリーに絡めつつ、こだわりが感じられる部分もいろいろありましたが、異能を絡めてはいるものの、必要な材料はきちんと提示されていてフェアなミステリでした。
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よっち
世界大戦と革命の世紀にして西欧資本主義が頂点を極めた時代。20世紀の本質とは何か、歴史学・社会科学を超えて「資本主義の世紀=20世紀」を読み解く一冊。第一次世界大戦の終戦から1989年のベルリンの壁崩壊までを扱っていて、ヴェルサイユ条約と賠償に喘ぐドイツ、アメリカの大恐慌と、現実と理想に揺れたソヴィエトの発展、ナショナリズムとファシズム、第二次世界大戦とユダヤ人虐殺、社会主義の拡大、二重性の戦後アメリカや植民地の独立、ベトナム戦争とアメリカの陰りなど、ポイントを押さえた解説がとても分かりやすかったですね。
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よっち
緩和ケア病棟で余命宣告を受けた患者のケアをして、最期の時まで寄り添う看護師の倉田。死を待つ人に何ができるのか誰にも等しく訪れる最後の夜を描いた物語。最期に娘に会いたがった父、ローファーさんが会いに来ていた妹、命の値段を問う小学生の男の子など、複雑な事情を抱える患者や家族に向き合いながら、いくつもの死を見送ってきた倉田。そこから思ってもみなかった展開に直面しましたけど、余命を区切られる中で自分に何ができるのかを考えながら、それぞれのエピソードがそれぞれひとつに繋がってゆくとても印象的な物語になっていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
九十九ヶ丘高校のある日の昼休み。他人から見れば馬鹿らしいことに青春を捧げる高校生たちの群像劇から生まれる謎を巧みに解き明かしてゆく連作学園ミステリ。校則違反をかいくぐる昼休みラーメン行の結末、行方不明になった部誌の表紙イラストレーター、マドンナへの告白権を賭けた消しゴムポーカー、部室の外で聞こえた話の真相、そして屋上から消えた女子高生。ひとつひとつの謎も興味深かったですが、これらの謎解きがどういう形で繋がっていたのか、そして終わってみればこの連作短編がどういう構図で描かれたのかも見えてきて驚かされました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
先端テクノロジーの進化と逆行して、旧態依然のステレオタイプがこの国を停滞させていることに、我々の多くはまだ気づかないままだ。未来の社会を思考するために、視点を変えてみることを勧める一冊。マイノリティの目線に縛られるメディアや物価高=悪、軍部の暴走、権力者と反権力の二分論、新聞の影響力やフェイクニュース問題、右派左派の変化や環境と生活の神話など、新しく始めることにむやみやたらと忌避感を抱いたり、過剰反応しすぎると前に進めないのも確かで、感情論で思考停止するのではなく、もう少し建設的な議論がほしいところです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
第三王子アルフォンスに嫁ぐはずだった隣国シルヴィリオ王国の第四王女ソニア。王族や使用人たちにも虐げられていた彼女の失踪と契約結婚から始まる両片想いジレ甘ラブロマンス。ソニアを捜索する騎士アークは、彼女の境遇を知るうちに入れ込んでしまうものの、消息不明のまま打ち切られた捜査。しかしそこから自国で偶然ソニア本人との運命的な出会いがあって、ニアと名を変えたワケありの彼女と政略結婚することになるアーク。理知的だけれど世慣れないソニアと、熱い想いを垣間見せるアークの甘く不器用な関係には今後への期待感しかありません。
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よっち
お互い初めての恋人になった日から三日。二人とも意識しすぎるがゆえに、どこかよそよそしい日々が続き今一歩今の関係から踏み出すことが出来ない中、クロエへ思いもよらぬ告白がロイドからされる第三弾。これまで積み重ねてきた境遇から自分に自信を持ちきれないクロエ。一方、これまでの過去を顧みて、自分が好かれるような人間ではない、好きになってはいけないと逡巡するロイド。そんな迷える二人を励ましてくれる人がいて、お互いに思うところを伝えあって、最後の難関もありましたけど、ようやくここまで来たな…と感慨深いものがありました。
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よっち
ついに春太と別れ、“妹”になることを決めた晶穂。一方、中学卒業を区切りに、雪季が妹を卒業し、家を出ていく日も近づいてくる日々を描いた妹と“絶対に”結ばれるラブコメ第五弾。退院後、春太の家に引き取られて一緒に住むことになった晶穂の決意と、急速に注目を集めてゆく彼女の音楽活動にしっかり巻き込まれてゆく春太。雪季に意外な出会いもあったりする中で、春太と雪季が二人の関係に出した結論。多くの歳下ヒロインに慕われる姿が描かれる春太は相変わらずで苦笑いでしたけど、この物語らしいと思った結末を最後まで読めて良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
高校教師二年目の天条レイユ。お隣さんにおすそわけをしたら、相手はなんと教え子の錦悠凪だったと判明してしまう、絶対にバレてはいけない二人だけの青春デイズ。秘密を守るために「隣人協定」を結ぶことになった二人。困っている人を放っておけず、忙しすぎて私生活が崩壊していたレイユの胃袋を掴んで、困った時には助けて、いつの間にかなくてはならない存在になってゆく悠凪。隙の多い魅力的なレイユ相手にこれからも大変そうで苦笑いでしたけど、もう一人のヒロイン久宝院もいい感じに効いていましたね。悠凪大好きな義妹の登場も楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
人と魔族の戦争終結後の世界。勇者に憧れる魔族の娘ルチカは、人類が設立した勇者学校に入学しようと訪れた都で、魔王を倒した勇者の娘レオニーと出会うガールミーツガール学園ファンタジー。レオニーを好ましく思い、試験の最中にもかかわらず結婚を申し込むルチカ。実技以外はサボりがちなルチカと実技が苦手なレオニーは、かつて勇者の仲間だったアリザ先生から目をつけられてしまう展開で、邪険にされてもレオニーの苦悩を理解してその背中を押すルチカが、危機にも力を合わせて立ち向かう彼女たちの真っ直ぐな気持ちがとても眩しい物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
うらしまシンドロームで身体の成長が止まったまま七年間眠り続けていた高校生・東雲結弦。目覚めた彼が再び通い始めた高校で幼馴染姉妹と再会するすれ違いトライアングル・ラブストーリー。今は同い年のクラスメイトでかつての後悔を繰り返さないよう、ぐいぐい来る妹分の希空。一方教師となっても変わらぬ想いを抱きながら、認識のズレからすれ違いを重ねてしまう千惺。昔と今で姉妹それぞれが出し抜いた恰好で結弦にアプローチした構図で、現時点では過去と現在が断絶している三角関係の未来がどう変わってゆくのか、今後に期待したい物語ですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
二つの国の『秋』を波乱と混沌の渦に呑み込んだ、橋国で勃発した神を巡る大事件。大和の秋である祝月撫子。橋国佳州の秋であるリアム。幼き秋達は運命に翻弄されていく第七弾。容赦なく訪れる理不尽な暴力に対して座して待つことを良しとしない者。そして大和からの随行陣や橋国佳州の四季の代行者も加わり、国家をも巻き込む事態へと発展していく事件。一方で橋国の巨悪の存在も明らかになる中で、自らの愛に心揺れる撫子を救うために奔走する竜胆の必死の想いには心打たれましたね。大切な人のために戦ったそれぞれの結末もなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
護衛犬の花桐、侍女頭の真葛美夜日、若き側近の白萩今宵に囲まれて、ようやく春を満喫できるようになった大和国の秋の代行者・祝月撫子。しかしそれも外交問題によって突如霧散していく第六弾。海を挟み、大和から遠く離れた場所にある、異郷の地・橋国から当地の秋の代行者に会って欲しいという要請。積極的には引き受けられない状況で、四季代行者間のやりとりの末に結成された訪問チーム。訪問先での唐突な提案もあって、橋国側の不穏な状況も垣間見えるようになってくる中、様々な思惑が絡んだ末での襲撃は…今後の展開が気になる結末でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
失踪した虎太郎を連れ戻し、彼からプロポーズを受けたれんげ。仕事先で教えてもらった吉田神社へ初詣に行くことにした彼女が午頭天王と再会し、「朱雀石を探してほしい」と頼まれる第十一弾。調べを進める中で、れんげと虎太郎が出会った日本料理の祖・藤原山蔭。朱雀石探しに協力してくれるという山蔭とれんげはまたも京都を駆け回る展開でしたけど、何だかんだで毎回いい感じに結末を向かえるんですよね。将来のために大学卒業と就職に向けて必死に日々を過ごす虎太郎ともしっかり婚約者になっていい感じに関係築いているので安心して読めますね。
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よっち
性犯罪者たちの弁護をし、度々示談を成立させてきた悪名高き弁護士の小諸成太郎。ある日、彼の海外出張中に九歳のひとり息子が誘拐されてしまう長編ミステリ。小諸の息子を誘拐した犯人はいったい誰なのか。この誘拐は怨恨か、それとも身代金目的か。彼を恨んでいる被害者家族が多すぎてなかなか容疑者が絞り込めず、状況も二転三転してゆく中で浮かび上がってくる事件の構図。これだけ胸糞が悪くて悪辣なことを繰り返していれば、因果応報な結末を向かえるのも必然な気もしましたが、暗躍している浜真千代の存在が今回もいい感じに効いていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
キャリアを積んでいた外科医から内科医へ転科するため、修業を積むべく天医会総合病院の門を叩いた小鳥遊優。そこで日本最高峰の頭脳を持つ天才医師・天久鷹央と運命の出会いを果たす第三弾。宇宙人に命令されたとする患者による院内で発生した殺人事件と数々の謎。コミュニケーションスキルに難がある鷹央の背景を明らかにしていきながら、まだ出会ったばかりでお互いまだまだ理解の足りない中、小鳥が鷹央にどんどん巻き込まれることに反発しながらも、いつの間にか行動や想いに共感を覚えていく変化の過程が丁寧に描写されていて良かったですね。
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よっち
小児科病棟で相次いで起こった急変。魅力的な「謎」がそこにあるにも拘らず、なぜか事件解決に動かない天久鷹央。事件に秘められた「病」の謎を解き明かす第二弾。炭酸飲料に毒が混入された、と訴えるトラック運転手。同じ病室の男子三名に起きる原因不明の嘔吐、喘息発作、不整脈。さらにこの病棟で「天使を見た」と語る小学生。天才であるがゆえに鷹央がこれまで消化しきれていなかった課題や、それを乗り越えようとする彼女を支える小鳥先生たちが医師として成長していく姿も描かれていて、きちんと向き合って乗り越えたコンビのこれからに期待。
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よっち
地方都市の寂れた町にある、家族葬専門の葬儀社「芥子実庵」。死を見つめることで、自分らしく生きる葛藤と決意を力強く描き出す連作短編集。仕事のやりがいと結婚の間で揺れ動く中、親友の自死の知らせを受けた葬祭ディレクター、元夫の恋人の葬儀を手伝うことになった花屋、苦い過去の記憶を呼び起こす男に再会した葬儀社の新人社員、夫との関係に悩む中、元恋人の訃報を受け取った主婦。自分にとって大切なものを理解できない相手と、人は相容れることができるのか…長く一緒に寄り添っていくことを考えると、なかなか難しいのかもしれませんね。
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よっち
千葉県富津市の清掃会社に勤める、過去に傷害事件を起こし執行猶予中の町谷亜八。ある日、血の繋がらない姉・ロクから、二人の弟キュウを脅す人物が現れたと数年ぶりに連絡が入る長編小説。それぞれがシングルマザーの子供で、義父に引き取られた経緯で義姉弟となった睦深と亜八、侑九の絆。ダンスの天賦の才を持つキュウを守るため、かつて犯罪を犯した過去がある二人。彼をスキャンダルから守るために奔走する前半から、コロナ禍に閉塞する人々を変えるカリスマとしてQとして注目を集めてゆく後半への怒涛の展開とその結末はなかなか圧巻でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
能力主義に垣間見える「やればできる」という言葉に覆い隠された深刻な格差を明るみに出し、新たな階級社会と未曾有の分断が生まれつつある現代社会の「正義」と「人間の尊厳」を根本から問う一冊。残した結果を元に評価される能力主義という現在の原理に対して、機会の平等を実現したとしても、相対的に社会的地位が低い労働階級は、家の経済格差による難易度の違いが厳然としてある。能力があってやる気がある人をしっかりと教育する制度を後押しをするだけでなく、一方で弱者に対しては寛容になれることも重要だということを改めて実感しました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
源頼朝・足利尊氏・徳川家康は、いかにして天皇政権と対峙し、幕府体制を確立させたのか?三つの武家政権の誕生からそれぞれの組織・制度・法律の特色とその崩壊までを解説した一冊。御恩と奉公で結ばれた史上初の武家政権だった鎌倉幕府の仕組み、執権政治から得宗専制政治に至るまでの経緯、全国統治の意識は低かった室町幕府の仕組みと外交、将軍独裁と応仁の乱、全国統治しながら領国支配には介入しなかった江戸幕府の職制や人民支配のしくみ、鎖国と交通・経済・刑罰。おさらいといった感じの掘り下げでしたが、違いが比較できて良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
最初は些細なことがきっかけで、見逃したりやってしまったその小さな綻びから、思わぬ形で暴かれてゆく事件の真相が描かれる五つの連作短編集。夫に聞いた話から妻が気づいた可能性、夏休みのうっかりミスに青ざめた小学校教諭、隣家の電気代滞納のお知らせから気づいた真相、映画のクランクアップ後に起きた事件、元不倫相手と再会した料理研究家。後ろめたい複雑な想いを抱えているからこそ、決定的に対処を間違えたその代償は如何ともし難くて、誤魔化そうとした結果として顕在化した、じわじわとくる後味の悪さがなかなか印象的な物語でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
あれからどうなったのか気になっていた、『汝、星のごとく』で語りきれなかったエピソードを描いた三つの愛の物語。櫂と暁海を支えた教師・北原の過去と、病院で話しかけられた彼の教え子の菜々が抱えていた問題。漫画原作者で作家となった櫂を担当した編集者二階堂と植木の二人が諦めずに繋いだもの。そして北原先生と暁海、周囲の人々のその後が描かれたエピソード。北原先生の過去エピソードや二人の編集者の物語に加えて、遠回りしながらも時間を掛けていい感じの夫婦になっていった二人の関係を丁寧に描いてくれていてとても嬉しかったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
京都東山の住宅街に佇む、瀟洒な洋館「東山邸」に住む年の離れた小鳥遊姉妹。祇園の小料理屋で出演ドラマを酷評していた姉・葉月が、お忍びで来ていた駆け出しの俳優・鈴木英輔と運命の出会いを果たす物語。いわれのない批判を受け、思うように書けないでいたかつての人気脚本家・葉月が、英輔に「あなたのヒギンズ教授になってあげる」と啖呵をきって始まった師弟関係。アドバイスの効果を実感して、生来の素直さで実践してゆく英輔には様々な出会いがあって、困難に直面しても、真摯に向き合って乗り越えてゆくとても優しくて素敵な物語でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ウクライナ侵攻で世界に衝撃を与えたロシア。なぜ国際法を無視し、蛮行を続けるのか?近年公開されたKGBの極秘文書、反体制派やハッカーによるリーク情報、最新のインテリジェンス研究から迫る一冊。諜報国家ロシアの社会構造と行動原理の背景には、ソ連時代に国家の根幹を掌握し、かつてプーチンも所属した諜報機関KGB、ロシア連邦でそれを継承したFSBがある。そのKGBの組織の誕生からどういう体制だったのか、体制変換して生き残った組織と変わらない伝統、そしてメディアと政治に入り込んだその影響力の大きさを改めて実感しました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
翔景の後任として御史台に異動となった茉莉花。ひょんなことから指導役である蓮舟の秘密を知り嫌われてしまった彼女が、彼の弱みを握ってあえて悪女になりきり仕事で勝負を挑む第十五弾。いろいろ分かりやすく教えてくれるけれど、彼女に含むところがありそうな蓮舟の言動を眺めているうちに、思わぬ共通点を見つけた茉莉花。しかしそれを脅したと誤解された挙げ句、殺人事件の重要参考人として捕まってしまう蓮舟。今回は蓮舟とのやりとりが楽しくて、茉莉花が目指した悪女っぷりにも苦笑いでしたけど、ここで思わぬ繋がりが出てきて驚きましたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
最終日の最終試合に持ち越された灰島・黒羽のルーキーコンビが入学した欅舎大学、大学王者・八重洲大学、弓掛が打倒八重洲を誓う慧明大学が競る三つ巴の戦いの熱い戦いが描かれる第二弾。ギリギリの戦いを繰り広げる八重洲と慧明の上位対決。そして結果次第で優勝の争いを大きく左右する一戦となった慧明と欅舎の最終戦。大きなケガを乗り越え、全力を出し切れる喜び。ハンデを越えて強さを証明しようとする決意。仲間のために優勝を勝ち取りたいという誓い。灰島や黒羽だけでなく、登場人物たちそれぞれの様々な熱い想いが感じられて良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
配信サービスで《ときときチャンネル》を始めた十時さくらが、同居人のマッドサイエンティスト・多田羅未貴の発明を紹介し、チャンネル登録者1000人超えで収益化することを目指す動画配信者SF。動画配信で収益化を目指すさくらが、配信を面白くするために引っ張り込んだ多田羅が、宇宙を飲ませたり時間を飼ってみたり、家の外に出たり近所を散策してみたら変なことになっていたり、わけありエキゾチック物質が出てきたり、変なものを呼んで登録者数が変なことになったりと、普通じゃないものが次々と出てくる展開はなかなか楽しかったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
博士課程難民、法曹難民、海外留学帰国難民や難民生活を支える「家族の告白」など、進学しながら上手く行かなかった高学歴難民の実態を取材した一冊。月10万円の困窮生活、振り込め詐欺や万引きについ手を染めてしまう、博士課程中退で借金1000万円、ロースクールを経て「ヒモ」に、日本に馴染めない帰国子女、教育費2000万円かけたのに無職など。読んでいるとそもそも何のために進学したのかという部分も気になるわけですが、とりあえず行けばなんとかなる時代でもないだけに、それなりに覚悟を持って進学しないと後が大変そうですね…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
有事における穀物支配国の動向やサプライチェーンの分断、先進国の食料争奪戦など、深刻な危機に直面している日本の食料安全保障。先進国の「隠れ飢餓」という実態を書いた一冊。世界各国のカロリー摂取事情を提示し、人類が必要とするカロリーと穀物の量を比較しつつ、世界の耕地70%を大規模農業経営者が所有していて、穀物輸出大国の動向に左右されること、世界の飢餓対策としてどんな取り組みがあるのか、その中で多くを輸入に頼る日本がどうすべきか。少なくとも農家に借りないと農業を始められない農地法はどうにかする必要がありそうです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
其方の余命はあと二年でござる――ある日突然、侍姿の死神・ミナモトから余命宣告を受けた椎也。さらにミナモトは、余命一年という少女・楓を椎也に紹介する、夢と犯人を追う高校生二人のラブミステリー。残り僅か数年という余命に直面した椎也に、残りわずかな命を懸けてでも守りたいもののために、ある事件の犯人を一緒に捜してほしいと依頼する楓。辛い過去を乗り越えて、似たような境遇の人たちとの様々な思いに触れ、奔走してくれた椎也の頑張りがあって、彼のために楓が遺してくれたものがその未来を繋げてゆく結末はなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
食の趣味が合うかつての先輩からから同居を勧められた。ただそれだけなのに、どうしても彼女にそのことを打ち明けられない。揺れ動く三角関係未満の繊細な関係を描いた物語。恋はもういらないと京都にやってきたデザイナーの夕香。かつて彼女の職場でバイトをしていた正和と偶然再会して、たびたび食事を共にするうちに、何となく夕香の暮らす京町家で同居することになった二人。恋愛っぽい要素は何もないのに、なぜか恋人の大学院生・華に打ち明けられない正和が妙にリアルでしたけど、考えすぎるとむしろ身動き取れなくなるのかもしれないですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
もし伝染病がなければ、アメリカ合衆国は誕生しなかったのかもしれない。歴史の分岐点にはいつも、さまざまな病気、そしてそれと戦った医学者たちの苦闘があった。医学史を絡めた文明の興亡を読み解いた一冊。ギリシャ・ローマ史に影響を与えた数々の疫病、イスラム世界から逆輸入された医書古典と東からやってきた感染症、解剖や活版印刷などタブーが一気に解禁された新しい時代、征服者のもたらした疫病、テムズ川の悪臭から始まった公衆衛生、戦争終結を早めたパンデミック、画像診断、臓器移植などなかなか興味深いエピソードが多かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
登場人物たちが抱える一種の異様な心理を突きつけられるちょっと変わった六篇の短編集。ぴったりくる隙間を追い求め続けてきた女が男の人生を蝕んでゆく執着、三億円事件計画の何ともしまらない結末、週末までに十万円よこさなければ犯罪を犯すと父親を脅す息子、パノラママシンを手に入れてやりたい放題を繰り返した男たち、プロボクサーのハングマンが許せなかった男、商店街のあちこちに残されたVの文字をきっかけに熱に浮かされはじめる人々。様々なきっかけから顕在してゆく心理にどう向き合うのか、なかなか印象的な物語になっていましたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ジルギスタ国の研究所で婚約者や妹に雑用係と罵られ、積み重ねてきた努力を誰からも認められない日々を過ごしていた薬草研究者ライラ。ついに婚約破棄を告げられ研究所を去ることを決意するファンタジー。そんな彼女の実力を見抜いてスカウトを申し出たカニスタ国の研究者アシュレン。その誘いに希望を見出してそのまま隣国に渡り、新たな研究生活を送ることを決意するライラ。アシュレンの母でもある研究室長や尊重しあえる仲間との充実した日々があって、頑張ってきた彼女が評価され過去の名誉も回復されて、幸せになる結末で本当に良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
スキル判定で本が読めるだけの不遇スキル〈ライブラリアン〉とされた貴族令嬢テルミス。前世の記憶を思い出し、二度目の人生は後悔のないよう生きることを決意する転生少女の成り上がりビブリアファンタジー。ライブラリアンは結婚も仕事も難しい現実を告げられて、それでもテルミスはたくさんの本を読みながら、プリンを作ってみたり、商売のネタを考えたり、魔法陣から魔法を発動させてみたりと、周囲に助けられながら自分にできる努力をして成長するテルミス。いい流れができてきたと思ったら後半は激動の展開で、これからの物語が楽しみですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
運動も勉強も人間関係も優秀な女子高生、長野恵梨香。いつも一緒にいてくれて、助けてもらっていた幼馴染の御堂小夜子のために、ある夜を境に彼女を助ける覚悟を決める下巻。大切な幼馴染を救うため、迷わず対戦者を倒すようになってゆく小夜子。一方、彼女が無事生き延びてほしいと願っていた優しい幼馴染が対戦者に初勝利した意味。キョウカを嫌い、都合のいいように改竄する監督者ヴァイオレットたちの対戦者たちを退けて邂逅したかげがえのない二人の結末は切なくて、落とし前をしっかりとつけて相棒とともに生き抜いた最期もまた印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
幼馴染の長野恵梨香を心の支えに生きる、運動も勉強も人間関係もダメな女子高生・御堂小夜子。彼女はある晩、二十七世紀の未来人から大学教材として殺し合いの【対戦者】に選ばれるデスゲーム。深夜に突然監督者のキョウカと出会い、ろくな情報や対戦者に与えられる特殊能力もないまま、殺し合いに放り込まれる小夜子。最初は戦わずに生き延びる道を模索していたものの、唯一無二の存在もまた巻き込まれていると知って、彼女のために敵を倒す覚悟を決める小夜子。キョウカ側の厳しい事情も明らかにされる中、どんな結末が待っているのか続刊に期待。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
Jrユースチーム所属のU-15日本代表選手キャプテンで、親の仕事の都合で中学3年生の1年間だけ地元へ戻ってきた仙崎明日斗。そこでずっと文通を続けていた幼馴染の竹部未央と再会する青春小説。学校側のミスで事情が伝わらないまま、未央を狙うサッカー部エースの王司に目をつけられる明日斗。何かと張り合おうとする王司が球技大会のチームの振り分けで露骨に戦力を偏らせたり、高校生のOBを助っ人にリベンジを挑みましたけど相手が悪かったですね(苦笑)未央と二人の文芸部や氷の令嬢らしさをなくしてゆく彼女との関係性も良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
何となく思っている常識は、意外と間違っているかもしれない?県外からも多くの患者さんが通う人気歯科医夫婦が正しい知識を教える一冊。治療しても元には戻らない歯について、子供の歯のために親ができること、虫歯がどうやってできるのか、プラークを除去することの重要性、1日何回磨けばいいのか、デンタルフロスの使い方、おすすめの歯磨き粉といった基本的なことだけでなく、歯の詰め物や被せ物の種類、根管治療について、矯正の効果などにも触れていて、何より歯周病がもたらす影響の大きさを考えると毎日きちんと磨かないといけないですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
スマホ依存、脳過労、睡眠負債で眠りの質が低下すると、脳がゴミ屋敷状態となり年齢にかかわらずうつや認知症の引き金になってしまう。脳のメンテナンスとなる睡眠でいかに熟睡習慣をつけるかを説いた一冊。日々の睡眠不足はもの忘れの原因となったり脳を疲弊させていて、良い睡眠が脳をメンテナンスして、認知症を予防することにも繋がる。脳に負担が大きいスマホ依存の軽減方法や、様々な不調に繋がる睡眠負債の減らし方なども解説していて、薬に頼らずにぐっすり眠る方法だけでなく、睡眠外来の薬物療法についても触れられていて良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
それは目にいいことなのか悪いことなんか。知らず知らずのうちに、自分の目を傷つけてしまっているかもしれない。視力を失わないために今すぐやめるべき39のことを書いた一冊。一般的に目がいいとされるブルーベリーや緑を見る、ブルーライトカットや眼トレの効能。目を洗う、目薬の使い方、コンタクトレンズの使い方や紫外線対策、マッサージ、ツボ刺激の是非。急に視力が落ちてきた、眼が見えなくなったり、ものが光ったり蚊が飛んでいるように見える、視野が欠けてきたなどの危険なサインなど、◯✕形式で分かりやすく解説してくれていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
臨床心理士になって四年目の水沢藍。期せずして関わった二人の話を聴くうちに、ある凄惨な事件の真相を知ることになる事件の背後で苦しむ人々の声を掬う臨床心理士の物語。診察室に入った途端に何かに憑かれたように話し始める聡美。そして英語を教えることになった小学六年生の綾香の表情がないことに違和感を覚える藍。事件を調べる記者も接触してきたことで、二人の意外な繋がりに気づく展開でしたけど、被害者も加害者も関係者は平静でいられるはずもなくて、そんな彼女たちを知ろうとし、粘り強く真摯に向き合い寄り添う藍の姿が印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
母は早くに亡くなり父は海外赴任中で、ぎんなみ商店街近くに住む元太・福太・学太・良太の四兄弟。ある日、馴染みの商店に車が突っ込む事故が起きる連作ミステリ。事故の目撃者だった末っ子で小学生の良太が隠していることとは何か。中学校で手作りの楽器が壊されて、犯人がいるのではと疑われた学太の所属する書道部。「ミステリーグルメツアー」に同行している元太が誘拐事件に関わっている?兄弟たちを絡めた事件の謎を解いていく連作ミステリでしたが、同じ事件でも立ち位置が違えばこうも違うんだな…ととても印象的な物語になっていましたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ぎんなみ商店街に店を構える焼き鳥店「串真佐」の三姉妹、佐々美、都久音、桃が商店街に起きた事件を解決する連作ミステリ。近所の商店に車が突っ込む事故で目撃された謎の人物探し。地元中学校で起きた器物損壊事件の現場に残された「井」の字に置かれていた焼き鳥の串の意味。「ミステリーグルメツアーに行く」と言って出掛けた佐々美が行方不明になり、偶然見つけてしまう作りかけの脅迫状。謎解きに関わる中で良くも悪くもおっとりマイペースな佐々美に、お友達との関係がいい都久音、小学生と思えない鋭い桃と三姉妹の個性がよく出ていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
家庭にも学校にも居場所がなく、生きることにしんどさを感じる高校生あかり。ある時有賀が評価してくれたことをきっかけに動画投稿サイトで歌い始めて、のめり込んでゆくことから始まる連作青春小説。ひたむきに歌い続けて評価され始める歌と淡い思いの結末。早野月歩が好きになる人は、皆友人の西条を好きになってしまう複雑な関係。西条にとって月歩はかけがえのない存在なのに、なかなか伝わらないもどかしさ。そしてあかりの正体に気づいた音楽好きな丹羽との交流。切なくなる不器用な想いに寄り添う灯の音楽がとても優しくて素敵な物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ある過去から見た目はいいのにお金至上主義の大学生の山科俊介。ひょんなことから参加した合コンで財閥令嬢の御陵雛乃と出会い、期間限定の恋人契約を持ちかけられる青春小説。将来親の決めた相手と結婚することになっていて、短い間でもいいから映画のような恋をしたい雛乃からの提案。最初は条件の良さで受けたはずが、毎週末のデートで様々な表情を見せてくれる雛乃に、いつの間にか惹かれ始めていることを自覚してゆく俊介。そんな俊介のことそもっと知りたいと思うようになった雛乃の心境の変化もあったりで、この続きがとても気になりますね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ファンタジー世界に転生して、魔王の恐怖に支配された世界に平和をもたらした勇者ダン。しかし次々現れる魔王を作業ゲー感覚で倒しているうちにだんだん飽き始めて、後継者を探し始める物語。後継者を育てるべく純真な少年ウィルを弟子として、勇者の血を引く第一王女タミカ、彼の事が欲しいと執着する貴族令嬢キャンディスを候補とするダン。弟子達も参加する冒険者試験や、祭りの場に来襲する魔族に対して、適当に教えたはずのウィルが覚醒する展開には苦笑いでしたけど、ダンを異性として意識している元仲間たちとの関係も気になるところですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
状況を巧みに利用してミアをすっかり手駒にした悪役貴族ルーク。手練れの教師にも圧勝する学年最強の彼が、上級生のポルポンに序列戦を挑まれる第二弾。この国の第二王子だった彼を完膚なまでに打倒したことで、王位への執念からルークに魔法指南を乞うポルポン。さらに闇属性の彼を狙う外部からの暗殺計画に、そんな事件を許した学園存続の危機、さらには操られた氷竜の襲来。胃が痛くなるような状況を打破して周囲を心酔させてゆくルークの力量は圧倒的でしたけど、ミアの異様なまでの傾倒っぷりがカオスな展開をさらに加速させてましたね(苦笑)
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ゴールデンウィークを前に恋人旅行について思いを巡らす海と真樹。とはいえ流石に二人きりは認められない状況で、海のご両親から温泉街の実家の里帰りに同行することを提案される第五弾。もう一歩踏み込んだ関係も意識し始めた二人が、温泉街散歩に川遊びや混浴露天風呂で安定のイチャイチャっぷり見せる一方、今回同行していた海の兄・陸とその幼馴染・雫との再会も焦点となっていて、大人になるといろいろ難しいことも増える中、新たな一歩を踏み出した二人のこれからを応援したいですね。最後に描かれた彼女の想いも気になるところではあります。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
高校に潜入中の暗殺者・猫丸がようやく高校生活に順応し始めた頃。『紅竜(レッドドラゴン)』を自称する竜姫紅音が不敵に微笑み、猫丸にラグナロク(体育祭)の開催を告げる第二弾。猫丸と紅音が二人三脚のペアを組むことになり、その人並外れて運動音痴の紅音の姿を間近で見ているうちに、ようやく紅音は自分と同じ『殺し屋』ではないのかもしれないと疑い始める猫丸。教団ウラノメトリアには微笑まえしい気持ちになりましたが、今回はそんな彼女の過去や背景も掘り下げられてゆく展開で、一見ほんわか系に見えるコマコマの存在が効いていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
大学近くで一人暮らしを始めて3ヶ月。夢の大学生活、夢の一人暮らしをするはずだった主人公の家に、大学でも有名な美少女たちが転がり込んでくる青春小説。彼がサークルの飲み会で出会った、可憐な見た目とは裏腹に酒好きな一面を見せる西園寺春香。深酒で寝坊しても講義に間に合うことに気づいた彼女だけでなく、パチンコ好きの夏希やゼミの同期の喫煙者・冬美も入り浸るようになる主人公の部屋。残念な美少女たちと主人公の変わりそうで変わらない距離感があって、彼女たちを放っておけない主人公のお節介が関係をどう変えてゆくのか続刊に期待。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ミスコンで『ミス・ミューズ』代表を勝ち取り、互いの気持ちをはっきりと意識するようになった燈子と優。優は燈子をデートに誘い告白を決意するものの、直前に絡まれた鴨倉のせいで妙にぎくしゃくしてしまう第四弾。もう一歩が踏み込めない二人の関係に波紋を投げかけた、燈子の初恋相手の話。ぎくしゃくしたまま向かった沖縄旅行に、なぜか優を気にかける元カノ・カレンと明華まで現れるカオスな展開でしたけど、ガードが固い燈子が頑なになってしまう難しい状況でも、粘り強く向き合って思いを伝えた優の頑張りがもたらした結末には救われました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
体育祭の騒ぎも落ち着き、夏休みが迫る頃。ひなみに迫るストーカーについて相談された古井さん経由でその存在を知らされた涼が、彼女を守ろうと決意する第三弾。休日のショッピングモールに出かけたひなみと古井さんを見守る最中に、友里に見つかってしまい一緒に行動する涼。さらには彼女たちと一緒に一泊二日の旅行に行くことになり、涼に積極的にアプローチする友里に負けられないと頑張るひなみ。鈍感主人公だった涼も、毎回彼女の危機に奔走する中で自覚してゆく想いがあって、ヘタレな彼をいたぶるドSな古井さんもいい感じに効いていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
真由と彩華の間で始まった『どちらが悠太と距離を縮められるか』という勝負。答えを逡巡する悠太に、彩華は学祭が終わったら返事が欲しいと告げる第八弾。彩華と真由に対する思いを整理して、必ず返事をすると約束した悠太。彼のミスコンを良い思い出に変えるべく出場を決めた真由と、その運営に携わる彩華の想いに感化され、自身もまた運営に携わってゆく悠太。真由・彩華・礼奈がそれぞれミスコンで垣間見せてくれた思いがあって、結末にいろいろ思うところもありますが、やはり苦しい時に寄り添ってくれたことは大きかったのかもしれないですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
人や動物の心の声が聞こえることで孤独を抱えていたオリビアと、傭兵として死を間近で見つめてきたアーサー。心通じる夫、動物たち、そして新たな出会いを得て、ともに食卓を囲み、寄り添いながら季節を重ねる第二弾。アーサーの故郷に一緒に行ったり、金色の鹿や様々な動物たちとの交流したり、オウムや蔓延する風邪の流行に向き合うことで、繋がる少女ララたちとの縁。大変なことに直面したり、出会うばかりでなく別れもありましたけど、大切な人に支えられながら周囲に関わる人も増えて、らしさを失わずに広がってゆく世界がとても素敵でしたね。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/08/23(4197日経過)
記録初日
2013/07/27(4224日経過)
読んだ本
12493冊(1日平均2.96冊)
読んだページ
3643539ページ(1日平均862ページ)
感想・レビュー
12386件(投稿率99.1%)
本棚
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性別
血液型
B型
職業
専門職
現住所
埼玉県
外部サイト
URL/ブログ
https://yocchi.hatenablog.com/
自己紹介

こんにちは。普段は図書館と書籍仕入れに関わるお仕事をしています。仕事のついでに面白そうな本がないか探していて、とりあえず自分が読みたいと思った本さえ読めてさえいれば、わりとまあいいかと思えてしまう行動原理が少し残念な人。

好きなジャンルはボーイミーツガール、青春小説、部活小説、お仕事小説、ミステリ、冒険・中華ファンタジー、歴史・戦記、SFなど。コメディ調より落ち着いた雰囲気の物語志向。意外な展開や難解さがウリのお話も嫌いではないですが、どちらかというとベタで王道な構図が分かりやすい、最後は良かったなと思えるお話が好みです。

基本的には著者買いが多いですが、興味を持ったらテーマやジャンル・作家などにはあまりこだわらず何でも読みます。人に本を薦めるのが趣味の本を読むついでに人生を送る雑食系読書廃人。

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