読書メーター KADOKAWA Group

2024年1月の読書メーターまとめ

よっち
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感想・レビュー
131
ナイス
5292ナイス

2024年1月に読んだ本
131

2024年1月のお気に入られ登録
5

  • t_hirosaki(t_hirosaki)
  • blackstone
  • 豚さん
  • 悠読
  • つぐみともみ゜。♮√

2024年1月にナイスが最も多かった感想・レビュー

よっち
大学受験が近づいても相変わらずひたすら信じたわが道を行く成瀬が、出会った周囲の人々を巻き込んでいく第二弾。ゼゼカラファンの小学生から調べ物で取材を受けたり、京大受験で思わぬ事態を巻き込んだり、アルバイトで働き始めたスーパーのクレーマー主婦と仲良くなったり、観光大使になるべく育った女子大生と出会ったり、引き寄せられる人たちもまた少し変わっている印象でしたが、何だかんだで繋がりが増えて行って、大晦日には故郷へ帰ってきた幼馴染の島崎も巻き込んだ騒動があったりと、やっぱり成瀬だな…とじわじわくるものがありました。
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2024年1月にナイスが最も多かったつぶやき

よっち

2023年の読書メーター 読んだ本の数:1513冊 読んだページ数:466949ページ ナイス数:65219ナイス ★去年に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/385946/summary/yearly

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2024年1月の感想・レビュー一覧
131

よっち
試食係と見守り役という不思議な関係を結ぶことになった颯真と千佳。お菓子が結ぶいたずらな天使との甘くて刺激的なラブコメ第2弾。いきいきと颯真をからかう千佳という友人には見せないドSっぷりだったり、颯真の家に招待された千佳が暴走したり、一緒にスイーツを食べに行ったりと、無意識に周囲からイチャラブカップルと呆れられる二人。颯真にはなかなか厳しい指摘もありましたけど、子供会のハロウィンイベントを協力して盛り上げた二人が、より絆を深めてお互いの存在を意識するようになってゆく様子に、今後がますます楽しみになりました。
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よっち
貧民街から上がる煉獄の炎を呆然と見つめていたガルアーク王城の面々のもとに、突如としてレイスが差し向けた神造兵器のゴーレムが投下される第25弾。圧倒的なゴーレムの戦闘能力にアイシア以外はまるで歯が立たず、焦燥を隠せない一同。そんな中で見知らぬ圧倒的な力を発揮して状況に変化をもたらしてリオたちをこの場に召喚してみせた存在。とはいえそれでもなかなか厳しい戦いでしたけど、それを乗り越えたことでどうにか一時の平穏は得られそうな感じですかね…条件付きながら記憶を失っていた彼女たちと再会できたことは救われる思いでした。
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よっち
担任命令で同級生・真倉こいろの補習を手伝うことになった根来学道。補修プリントを届けに行って出会った引きこもりパジャマ美少女との幸せ堕ちラブコメ。こいろの一人暮らしの部屋に向かうと、何故か昼からパジャマ姿の彼女に出迎えられ、話をする内に気に入られて部屋に招待されるようになっていく学道。こいろのパジャマに対するこだわりが微笑ましかったですが、そんな彼女の事情が明らかになってゆく一方、取り憑かれたように勉強していた彼にもまた事情があって、そんな二人の逃避行とお互い一緒だからこそ見出した希望が印象的な物語でした。
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よっち
人間と魔獣の戦闘を見世物にする闘技都市アイレム。見習い闘士序列第1位の少年レーヴェが、闘士昇格試験で魔女として迫害される少女ミィカと出会うバトルファンタジー。仲間たちが次々と死ぬ過酷な環境で、自らも魔女と並んで忌避される灰色と呼ばれるレーヴェ。彼が闘士昇格試験で殺し合いを命じられた同じ境遇の対戦相手ミィカ。紆余曲折の末にレーヴェたちと共に過ごすようになり、これまで孤独だったがゆえに戸惑い、様々な思惑に振り回されるミィカでしたけど、お互いの存在が生きがいとなって絆を育んでいく姿がなかなか印象的な物語でした。
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よっち
高校生で元プロゲーマーの神輿屋誉が従姉の美園先生に頼まれて、5人のおバカな美少女たちが集うゲーム部の部長となり、なぜか一緒にゲーム世界に移転してしまう物語。それぞれ天然エルフ乳ヶ崎、ギャルブラックマジシャン桃井、中二病気味のスライム山田、大人しいサキュバス小日向、バカボーパルバニー天音とアバターに姿を変えた彼女たち。そんな容姿ゆえに人間と交流もできず、魅力的だけれど残念過ぎて頼りにならない彼女たちに頭を悩ませながら、使えるものを駆使して何とかサバイバルするゆるい展開は、これはこれでなかなか味がありました。
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よっち
いろいろあって、アオツバを守るために舞香とニセの恋人同士になった竜也。そんな彼が以前ピンチを助けてくれた天瀬川優姫会長への恩返しのために学園祭の準備を手伝う第2弾。舞香から誘われた水族館デートで、振り回されっぱなしの一日のあとに渡された意外なもの。一方で姉妹校と合同で行われる学園祭の準備で、優姫会長に忍び寄る魔の手。憧れの推しとのギャップに振り回される竜也と、からかいながらも彼をわりと気に入っている舞香との距離感がなかなかいい感じにこなれてきて、彼の前で様々な表情を見せてくれる舞香がなかなか魅力的でした。
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よっち
江戸時代後期、富士のふもとの山廻役人として、無断で山の樹木を伐る不届き者を見張る坂下と加当。ワケあり役人と凶暴な妖のバディが山の怪異を解き明かす伝奇小説。彼らの真の任務は、林奉行・小野寺の指令のもと、山に棲むあやかしを退治すること。目玉を抉られたり、四肢を奪われたりしながらいつも犠牲になる加当と、何でも喰らう化け物喰い坂下のコンビが山の怪を次々と解決に導いていく姿が描かれていて、その過去もなかなか壮絶なものがありましたけど、戻る場所を失くしても動じない彼らのありようが鮮烈な印象を残す物語になっていました。
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よっち
帝国内の毒殺事件に関わり稀代の悪女として殺されたアリアドネ。彼女が二十年後の帝国で同じなの公爵令嬢に成り代わるやり直しファンタジー。12歳で自ら命を投げ出したアリアドネの日記に綴られていたフィルベルン公爵家の闇。彼女の無念を晴らすため、同じ名を持つアリアドネ・フィルベルンとして生きていくことを決意する展開で、兄の子を追い出して公爵の座についた事情、実は彼女を慕っていたかつての弟クローゼとの再会もあって、状況を巧みに利用しながら公爵家夫妻を周到に罠にはめていった彼女と周囲を巡るこれからの物語が楽しみですね。
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よっち
カグヤが意識を失ってから一週間。勇者の内部に精神を囚われ昏睡状態のカグヤ、そして研究長の訃報。混迷するカローンの前に勇者が再び現れる第3弾。元に戻っただけと言い聞かせても、戦いへ身を置くアズマたちが思わずにいられないカグヤが示した救い。危険な状況からカローンに身を寄せたマリが明かすクロノスの秘密。そして明らかにされてゆく殲滅軍の真実。そんな中で直面する過酷な状況にも、最後まで諦めなかったからこそ大切なものを守り切ることができて、生き残った不器用な彼らが迎えるかけがえのない結末を最後まで読めて良かったです。
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よっち
聖剣演武の頂へ駆け上がり、日本トーナメントへの出場権を獲得した元無能の少年・識。しかし聖剣・無明の秘密が白日の下に晒され、聖剣協会から出場辞退を迫られる第3弾。トーナメントでの明らかに仕組まれたと感じる疑惑の組み合わせ。そしてかつてラディアータの妹弟子だった彼女の策略、そして無明の秘密を暴かれただけでなく、協会からの圧力に追い詰められ、試合での敗北を強いられる識。そこまでするかと思ってしまうえげつないシチュエーションでしたけど、師匠に背を押され苦境を覆す見事な戦いぶりを見せた彼らの今後が気になりますね…。
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よっち
私は悪くない。一人で破滅なんて絶対しない。ひとつの嘘から転がりだす悪意の連鎖。強がりもがき這い上がろうとする嘘つきたちの姿を描く連作短編集。妻に先立たれ養子の息子と向き合う老人。仕事が忙しい妻を支える気弱な夫。地方の美術館でくすぶり続ける学芸員。倒産や理不尽なリストラで無職となった同級生たち。借金苦から逃れようともがく老女。会社ぐるみで不正を隠蔽する社畜たち。これさえあれば、これさえなければ、きっと大丈夫…堕ちていった登場人物たちのそんな意識が透けて見える描写の積み重ねの先にある結末が鮮烈な短編集でした。
ふなこ
2024/01/30 23:22

興味を惹かれました。読んでみたいと思います。

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よっち
ダイビング、手漕ぎボートに海鮮料理。川で鍛えた内陸県の水産高校生が負けられないライバル校と大勝負に挑む青春小説第2弾。三年生が卒業して二年生に進級したさくらのクラスに、転校してきた古民家カフェの娘・麻里乃。コロナ禍で中止だった海洋実習が再開されることになり、自らの恋に一喜一憂しながら、実習のダイビングや手漕ぎボートで猛アピールしたり、デパートの水産加工食品フェアに出店を画策するさくらには苦笑いでしたけど、思わぬ危機的状況にも直面しながら繰り広げる、個性豊かなキャラたちとの熱い青春はなかなか良かったですね。
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よっち
異物混入騒動への社長の発言が炎上した翌日、広報室からスマイルコンプライアンス準備室に異動となった多治見は、実体不明の社長の言葉を形にしろ命じられる企業小説。広報室で公式SNSの中の人を務めてきた多治見。有能な部下を付けられたものの、社長に忖度する役員の無茶ブリ、会議のための会議、終わらぬ資料作りで仕事漬けの毎日。趣味のバンド活動でも仲間が余命宣告を受けるなど、なかなか難しい状況に陥る展開でしたけど、今本当にやるべきことは何なのかを考え抜いて、意識の転換に活路を見出していったその結末はなかなか良かったです。
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よっち
宿敵・尊武とともに派遣された青龍の地で、医術の混乱をなんとか収めた矢先、董胡は何者かに連れ去られてしまう第6弾。姿を消した董胡に周囲が心配を寄せる中、壮大な高原が広がる、国境を越えたはるか異国の地・ロー族の民の春営地で目覚めた董胡。後継者・ロサリが患う原因不明の病を治してもらうためにさらってきたのだったロー族に、何とか治療しようと真摯に向き合い危険な旅路を踏み出す展開で、董胡に対する尊武の心境もだいぶ変化してきている印象でしたけど、一歩間違えば危うい場面もあって、ますます彼女がキーマンとなってきてますね。
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よっち
宮中で怪異の仕業と思われる事件をきっかけに、帝の信頼厚い美貌の右近少将・光影と事件の真相究明に協力することになった梓子。そして宮中で再び怪異が発生する第2弾。最初は当代一の色男と艶めいた噂の多い光影を警戒していたものの、いくつかの事件を経て光影の本当の人柄を知り、彼が持つ二条の邸に移ることを了承する梓子。しかし梓子の乳母兄の兼明から待ったが掛かってしまう展開で、確かに彼が梓子を気にかけているのは伝わってきますが、二人がいい感じになってきている状況では邪魔な存在で(苦笑)、黒幕の正体も気になるところですね。
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よっち
死者の軍勢に襲われるヴォラキア帝国で、屍人への対抗手段を手に入れたナツキ・スバル。迫る帝国の滅亡を止めるため、彼らは決戦へ臨む覚悟を決める第36弾。辿り着いた城塞都市でチシャの遺した情報から、屍人を率いる魔女スピンクスがもたらす大災の真の狙いを看破するアベル。同じ頃、帝都でセシルスと合流したアルは、囚われのプリシラを救い出して、後に続くものたちの道を作るため、再び都の城壁の攻略を目指す展開で、星詠みやアベルの掘り上げもありましたけど、全体としてはなかなかカオスな状況で、ここからが最後の戦いの始まりですか。
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よっち
K-POPダンスの人気ユーチューバーEEこと江崎瑛里華。一方、現実社会で幽霊の代わりを務める飯島千鶴が、出来心から悲劇の扉を開けてしまう第3弾。2人とも訳あって素性は明かせない状況で、タワマンの自室でひとり悶々としていた千鶴が、夜の街に繰りだした結果として直面した悲劇。彼女のちょっとした好奇心が招いたあまりにも大き過ぎる代償。紗奈がその真相に辿り着いてからの情け容赦のない復讐劇は壮絶で、自らも深手を負いながらそれでも最後までしっかりやりきった彼女はこれからどうするのか、今後が気になるところではあります…。
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よっち
閑静な別荘地で起きた連続殺人事件。残された人々はその真相を知るため検証会に集い、そこに長期休暇中の刑事・加賀恭一郎が現れるミステリ。犯人はすでに自首して逮捕されて動機も語っているものの、犯行の詳細については完全黙秘。愛する家族が奪われたのは果たして偶然か、必然か。期せずして司会進行役となった加賀によって整理されていく事件。参加者には意外な人物が紛れ込んでいましたが、状況証拠を積み重ねながら事件を解き明かしてみせたその結末もなかなか意外でしたけど、そこからさらに一歩踏み込んだ加賀の洞察力は流石の一言でした。
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よっち
音大時代の同級生・黛由佳が放火事件で亡くなり、彼女の死に不信を感じた坂下英紀は、鵜崎四重奏団のオーディションを受け、由佳の死の真相を知ろうとするミステリ。かつて音大時代に由佳の自由奔放な演奏に魅了され、彼女への思いを秘めていたチェリストの英紀。自分の才能に自信を失くしつつあった彼が、自分を納得させるために音楽に独自の解釈をする鵜崎に近づく展開で、英紀自身もまた根幹にあるものを揺さぶられ、何が正しくて間違っているのか葛藤する展開でしたけど、その中で見出した彼なりの答えこそが意味あるものなのかもしれませんね。
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よっち
街の派遣所から王城の給仕係として派遣された元男爵令嬢リディ。しかしある日、隠していた語学力を外交官のレオンハルト侯爵に見抜かれ、彼の仕事を手伝うお仕事謎解きラブストーリー。お給金ぶんはきちんと働くが地味で目立たずほどほどにが信条の彼女が、追加の報酬に惹かれて直接雇用で彼の仕事を手伝う展開で、同僚からの嫉妬やトラブルに巻き込まれてゆく一方で、それを切り抜ける自身の才覚だったり、ピンチのたびに助けてくれるレオンハルトの存在があって、意外な繋がりも明らかになって関係も変わっていきそうな今後の展開が楽しみですね。
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よっち
常に転んでばかりで周囲に粗忽姫と呼ばれる高井南海。その特異体質に気づいた御曹司の超能力者・板橋さんと組み、「世界と人々を救う」仕事に乗り出す現代ファンタジー。実は転ぶことでこの空間の各所にあるヒビを修復していたことを、そのヒビを靄として検知できる板橋さんに教えてもらい、副作用で物体を治す力を利用する「修復課」を立ち上げる二人。練馬区・板橋区あたりの靄を探す展開は傍から見たら怪しさ満載で、何でも直していけばそういう発想になるよな…とも思いましたけど、着想から結末まで著者さんらしさがよく出ていると思いました。
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よっち
目が死んでいる以外特段目立つところのない女子高生・佐取燐香が、密かに持っている異能で正義にあつい警察官に協力する異能ミステリ。他人の精神に干渉する力を隠しひっそりと生きていくはずだった燐香。しかしある日巻き込まれたバスジャック事件で異能犯罪を独り捜査する警察官・神楽坂と出会い、異能犯罪に巻き込まれてゆく展開で、危機に遭遇するたびに冷静に状況を見極めて凄まじい異能の力を振るう一方で、どこかポンコツな一面を垣間見せる燐香のギャップがいい感じで、神楽坂とのコンビでこれからどんな事件に挑むのか今後が楽しみですね。
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よっち
コロナ禍の情勢で、中学入学を前にしたサッカー少女・亜美と小説家の叔父が徒歩でカシマスタジアムを目指す二人旅。コロナが少しずつ広がり始めた頃の影響を感じさせる状況で、生粋のサッカー少女・亜美が合宿中に持ってきてしまった本を返すための旅が描かれていて、二人で見かけた様々なこと、出会って一緒に旅することになったみどりさんとのやりとりや複雑な思い、育まれてゆく絆にはじーんとくるものがありましたけど、彼女たちのやりとりに明るい希望を見出したからこそ、淡々と綴られたその結末には何とも切ない気持ちになってしまいました。
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よっち
昔から広く日本人に愛され今では健康食として世界を席巻しつつある豆腐。いつどこで誕生し日本でどう受容されてきたのか。不思議な豆腐の魅力を描き出す一冊。大豆がどう栽培されて日本の食文化に取り入れられ、豆腐となっていったのか。豆腐における水の重要性、豆腐を巡る淮南王劉安の伝承から始まる中国で誕生した豆腐の歴史、日本への伝来と普及、朝鮮半島からの伝来説、庶民の食べ物としての豆腐、豆腐百珍や豆腐集説、様々な派生食品や豆腐状商品、豆腐業界や生活の知恵、沖縄の豆腐など、これ一冊でいろいろと分かるなかなか濃い内容でした。
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よっち
夢の動力、永久機関をめぐり発明詐欺が横行する18世紀。処刑された父の汚名を雪ぐため、機工審査官テオが真の永久機関を追究する物語。司教が永久機関の開発者には莫大な褒賞金を与えるとぶち上げたことから、褒賞金目当てに横行する永久機関をうたう詐欺。そのひとつひとつをあたり、永久機関だと主張するものを調べて矛盾を突いていくストーリーで、父親が火刑に処せられた背景はだいたい予想していた通りでしたが、当時の時代背景や技術の歴史に関する描写にはなかなか見るべきものがあって、三兄弟やその友人のキャラもなかなか良かったです。
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よっち
人と暮らすって不自由で息苦しくて、でも時々たまらなく愛おしい。誰かと生きる日々のきらめきを、優しく掬い上げた5編の連作短編集。好きなのに価値観の違いを痛感していく同棲カップル、母と喧嘩して別居する父の元に転がり込んだものの落ち着かない女子中学生、三人の共同生活とその解消、隣室のおばあさんと交換ノートを始めた女子大生、三年ぶりの引っ越しで荷ほどきしながらの様々なやりとり。人との繋がりはお互いの価値観のすり合わせが上手くいくかでその居心地がだいぶ変わりますし、近くなればなるほどその些細な部分が気になりますね。
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よっち
ある日の深夜、コンビニでバイト中の大学生・山本は、レジでスウェット姿の高校時代の同級生・林恵に声を掛けられて偶然再会する青春小説。高校時代は勝ち気で傲慢がゆえに「女王様」と呼ばれ、不仲で苦手だった林。そんな彼女の手首に痛々しい青あざがあるのを見てしまい、同棲相手のDV事情を聞いて自分の部屋に匿うことを即断する山本。スマホも破壊され実家も勘当状態で孤立していた彼女を心配して、真摯に向き合ってくれる山本の存在は大きかったですね。まだ何も解決していないものの、二人の関係がどう変わってゆくのか今後が気になります。
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よっち
ある日暴漢に追われる女性を助けたビクトリアたち。怪我を負った女性の代わりに影武者の任務を引き受けたビクトリアは、自らの意志で工作員に復帰する第3弾。大きな式典を控えるアシュベリー王国の王太子妃、デルフィーヌの影武者を務めることになったビクトリア。一方、隣国との金鉱を巡る交渉に駆り出されるジェフリーと、兄の家に預けられたもののたびたび抜け出すノンナ。様々な思惑が入り交じる中で冷静に仕事をやり抜いたビクトリアは流石でしたけど、ノンナも末恐ろしい可能性を垣間見せて、何よりエドワードの辣腕っぷりが効いていました。
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よっち
周囲から認められず孤独を感じていたカナタ。そんな彼女がちょっと変わった転校生カイと屋上で出会い、少しずつ変わってゆく青春小説。かけがえのない時間を共に過ごして、安心できる居場所となり、カナタの歌を認めてくれたカイの存在。それによって変わってゆくカナタと、思ってもみなかった形での暗転。絶望しかない世界を変えるため、運命を変えてくれる最果ての駅にいるQを探し求めるカナタが出会った少女イツカの存在があって、どうすれば皆が幸せになれるのか、試行錯誤しながら諦めずに方法を探し続けた結末がなかなか印象的な物語でした。
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よっち
三年前に起きた人類の半分が死亡するウイルス拡散事件以来、犯人の息子として壮絶な日々を送る冥賀春継。天国から派遣された美少女堕天使ペネと共に悪魔犯罪に立ち向かうファンタジー。事件後、悪魔が引き起こすようになった超常的な犯罪を解決するために派遣された、怠惰で人見知りなペネ。二人が挑む上空五百メートルでの密室殺人、忽然と姿を消した学園の生徒、寺院での復活を予告した悪魔。時間遡行して過去の事件に挑んだ二人が対峙した思わぬ真相でしたけど、コミュ障な天才のペネとそれをフォローする冥賀のコンビはなかなか良かったですね。
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よっち
懐かれている親友の妹・七星恵令奈と行ったお祭りの最中に、前世の記憶を思い出した高校生・陽高俊斗。そこに前世の恋人の波動を放つ転校生・瑠衣が現れる青春小説。前世の記憶を語る恵令奈に対して、明らかに雰囲気はそうなのに過去を語りたがらない瑠衣。彼が来世での再会を誓ったフィオナは恵令奈なのか、瑠衣なのか。間違えるわけにはいかない選択の鍵を握る記憶が解放されていく中で、思わぬ過去も明らかになっていきましたが、それを知っていった俊斗が果たしてどちらを選ぶのか、どんな結末が待っているのか、続きが気になるシリーズですね。
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よっち
世界に隠された真実を探るため共に戦いを続ける天使警察エルと、気弱な悪魔イヴのバディ。ある日、最強の種族・吸血鬼の連続殺害事件が起きている報せが入る第2弾。どうやら犯人は吸血鬼殺しに特化した狩人で、大昔に吸血鬼と最終戦に臨んだ最後の狩人が蘇ったという不穏な噂が囁かれる中、吸血鬼の姫ノアへの借りを返すべく力を貸すエルたち。だんだんいいコンビ感が出てきたエル&イヴや、ルナとノアのペット・ハツネも交えたほのぼの感も良かったですけど、ノアを巡る最後の狩人との因縁や、主従関係の行く末がとても印象的なエピソードでした。
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よっち
受験を控えた悠太と沙季にとって、初めて尽くしの高校生活最後の夏。そんな中、読売栞の就職前の最後の思い出にと、バイト仲間たちとのデイキャンプが企画される第10弾。思い出を作る最後のチャンスに、悠太と一緒に花火大会に行きたいと思いながら、焦るように勉強する彼を誘っていいか迷う沙季。追い詰められたように勉強する悠太に声を掛けてくれる人がいて、一方でバイト先でも一緒に行ったデイキャンプでも悠太に近い後輩にヤキモキする沙季が微笑ましかったですけど、どちらも面倒くさいけどそれを一緒に乗り越えてゆく二人が良かったです。
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よっち
高校生探偵として数々の難事件を解決してきた迷渕零人が、殺人現場に突如現れた自称・魔法警察のマリリンに振り回されるマジカル推理コメディ。零人を助手に指名して、事件現場に突然現れて魔法で犯人を当てたり、家に侵入し勝手にご飯を作ったりとやりたい放題のマリリン。そんな彼女に振り回されながら挑む六つ子殺人事件、校内で起きた窃盗事件や密室事件、宝石盗難事件やコンビニ連続強盗事件、洋館失踪事件。魔法で犯人は特定するものの、動機や犯行方法は全くわからないマリリンと、それを推理で埋めていく零人のコンビが微笑ましかったです。
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よっち
ブリューゲル王国の禁書だけを所蔵する禁忌図書館。それを管理して守護する最高司書官のクムラと補佐官のヴィルのコンビが、危機に立ち向かうビブリオファンタジー。酒好きだけれど有能で隙あらばウィルに求婚しようとするクムラと、そんな彼女を支えるヴィルが抱える秘密。そんな二人が、突如禁書の封印が解けて出現した霧の巨人に対処したり、ヴィルの秘密の力が欲しいと勧誘する、帝国の思惑に巻き込まれてゆく展開でしたけど、二人の切っても切れない特異な繋がりやかけがえのない絆が、これから二人に何をもたらすのか今後の展開が楽しみです。
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よっち
かつてフィギュアスケートで活躍し、引退後はデザインの仕事をする塩澤。ある日、ライバルの志藤とは犬猿の仲のコーチのミラーが転落死したことを知るミステリ。お互いに好敵手として競り合い意識する存在で、今もトップスケーターの地位にある志藤へのひた隠しにする想い。それがミラーの死をきっかけに、お互いこれまでと違う眼差しを向けるようになってゆく二人の関係。告げるだけで重荷になると秘めていた恋心と、自分のために罪を犯したのではという疑心が交錯するシリアスな展開でしたけど、その顛末と垣間見えた真意には救われる思いでした。
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よっち
大学受験が近づいても相変わらずひたすら信じたわが道を行く成瀬が、出会った周囲の人々を巻き込んでいく第二弾。ゼゼカラファンの小学生から調べ物で取材を受けたり、京大受験で思わぬ事態を巻き込んだり、アルバイトで働き始めたスーパーのクレーマー主婦と仲良くなったり、観光大使になるべく育った女子大生と出会ったり、引き寄せられる人たちもまた少し変わっている印象でしたが、何だかんだで繋がりが増えて行って、大晦日には故郷へ帰ってきた幼馴染の島崎も巻き込んだ騒動があったりと、やっぱり成瀬だな…とじわじわくるものがありました。
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よっち
幼馴染のアイドル二人が和真を生涯養う宣言をして、将来安泰と胸をなで下ろしたのも束の間、今度は彼同様「働きたくない」を標榜するクラスメイト夏純紫苑が現れる第二弾。ヤンデレにジョブチェンジしてしまい、信用できない和真を監禁する願望を抱える雪菜とアリサ。彼女たちにビビりながらも、密かにメイドの菊乃や二人の同僚瑠璃も手中に収めつつある和真が、紫苑に弱みを握られて不労所得人生プランに協力する展開でしたけど、相変わらずそのどクズな発想にはドン引きでしたけど、ますますカオスになっていきそうな今後の展開が気になりますね。
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よっち
忘れられない過去を拗らせる大学生・寺田悠。孤独を抱えた冬の夜の帰り道、公園で寒さに震えるあざと可愛い人気者の後輩・藤宮光莉から助けを求められる青春小説。うっかり家に泊めて以来、頻繁に家へやって来てウザ絡みする光莉と、面倒に思いながら受け入れてしまう悠が積み重ねていく微笑ましい日常。一方で明らかになってゆく光莉が抱える複雑な事情があって、お互いに不器用で苦い過去を抱えるがゆえにすれ違いかけましたけど、それを乗り越えて向き合い始めた二人のこれからが楽しみです。光莉が所属していたサークルの和田も効いていました。
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よっち
名門私立高校に進学したものの、入学早々いじめに遭っていた未森ひなた。気丈に振る舞うものの生きる希望を失っていた彼女を幼馴染の柊太が救う青春小説。友人を救ったことで逆に自分が目をつけられてしまい、辛い日々を送るひなたが、柊太に誘われて1日限りと誓って学校をさぼり、思い出の場所をめぐる2人。そんな時間がひなたの冷え切った心をほぐしていく一方で、柊太が今まで打ち明けられなかった秘密も明らかになってゆく展開で、彼女を意識する彼の存在で救われた彼女が、らしさを取り戻して状況も変わってゆく優しい結末になっていました。
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よっち
サラが拘束されてしまい、ライラット王国の革命を巡る防諜スパイ・ニケとの初戦を惨敗した灯。より強力な力を求め秘密結社「LWS劇団」との接触に奔走する第11弾。仲間の安否もわからない状況で、それでも革命を成し遂げるまで終わらない任務。正体不明の秘密結社「LWS劇団」を探すものの、敗北が徐々に心を蝕み、さらなる凶報がチームの行く末に暗い影を落とす中、対峙するニケもなかなか強敵という状況で今回は成長したモニカが存在感を見せてくれましたね。他メンバーも着実に成長していて何より印象的だったプロローグも効いていました。
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よっち
第二次世界大戦終結後、米軍占領下の琉球。腕利きのサイボーグ密貿易人・武庭純が、顔馴染みの警官からとんでもない話を耳にするサイバーパンクアクション。煙草から最新鋭の義肢まで、ありとあらゆる密貿易が行なわれる架空の与那国島で、終戦とともに殺人鬼と化した元憲兵の噂。そして謎のアメリカ人女性からの含光なる代物を手に入れろという奇妙な依頼。琉球や台湾を舞台に世界を巻き込む壮絶な陰謀に巻き込まれてゆく展開はなかなかカオスでしたが、追い詰められても最後まで諦めず矜持を貫き通した姿が鮮烈な印象を残す物語になっていました。
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よっち
一ヶ月後、小惑星が地球に衝突する。迫る滅亡を前に荒廃していく世界の中で、人生をうまく生きられなかった四人が最期の時を過ごす物語。貧しいながらも二人で懸命に生きてきた静香と友樹の親子、周囲に言えない想いを密かに抱えてきた藤森、そして静香に会いに来た信士。滅亡が不可避となるとやはりこうなってしまうのかなとつい考えてしまう殺伐とした世界で、それでも四人が一緒に過ごした残り少ないかけがえのない日々があって、見失いかけていた大切なものを見出すことができたんでしょうか。幸せとは何かをいろいろ考えさせられる物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
気鋭の新進画家・鹿名田つぐみと、彼女の絵のモデルを務めていた久瀬葉。孤独を抱えるワケありな2人の契約結婚から始まる甘い恋の物語。つぐみが不本意な見合いから逃れるために3000万円で買った契約結婚。幼い頃のある事件で心に傷を抱えたつぐみと、彼女をそのまま受け入れて家事全般を引き受ける明るくおおらかな葉。一つ屋根の下で暮らすうちに少しずつ変わってゆく関係があって、つぐみの祖父の法要から彼女の事情を掘り下げてゆく展開でしたけど、契約結婚に縛られるがゆえのもどかしさに加えて、お互い抱えている秘密も気になりますね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
仲の良い会社の先輩・麗佳の結婚を機に、これまで貯金をしてこなかったことに焦りを感じた日和。そして麗佳から想いを寄せる蓮斗が転勤をするという話を聞く第四弾。今後は計画的に旅をしようと心に誓い、9ヶ月我慢したのちに選んだ行き先新潟・能登『のとじま水族館』。ジンベエザメを飼育している水族館をコンプリート、春日山神社、海釣り、笹川流れ遊覧船など、旅を大満喫した日和が知る蓮斗の山口転勤。曖昧な関係だからこそ、このタイミングの転勤でどうすべきかという転機でしたけど、山口旅行でちゃんと一区切り付けられて良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
コロナ禍の北京で単身赴任中の夫から一緒に暮らそうと乞われた菖蒲。愛犬ペイペイを携えしぶしぶ中国に渡った彼女が、北京を味わい尽くす痛快フィールドワーク小説。人生エンジョイ勢を極めて、夫の単身赴任で自由な生活を満喫していた菖蒲が、北京に渡って過酷な隔離期間も難なくクリアし、現地の高級料理から超絶ローカルフードまで食べまくり、極寒のなか新春お祭り騒ぎ春節を堪能する日々。知らない場所でも、言葉を話せなくても何とかなるという圧倒的なポジティブさが圧巻で、これくらいたくましければどこでも生きていけそうな気がしました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
マヤのピラミッド、ナスカの地上絵、マチュピチュの祭祀、アステカの湖上都市など、ヨーロッパ人発見以前の新大陸の歴史から常識の嘘を明らかにし、文明が生まれる条件を考える一冊。最も洗練された石器の都市・文字文明=マヤの最古の公共祭祀建築。アステカ王国の生贄の虚像と湖上都市。ナスカ地上絵の分布調査と、なぜ巨大な地上絵がナスカの縦断ルートに作られたのか。ワロチリ文書が語るアンデス先住民の精神世界、統一国家のないネットワーク型文明など、調査から分かっている今に続く中南米独自の豊かな文明のことを感じることができました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ネット上は過度に加工された顔で溢れているデジタル時代の今、なぜ、人間は理想の顔に取り憑かれるのか。鏡に映る自分の顔が持つ新たな意味。「脳の働き」に最新科学で迫ることで浮かび上がってきた、他者と自分を繋ぐ上での顔の重要性と、それを支える脳の多様で複雑な機能の存在。脳の巨大な顔認識ネットワークや、人が覚えている顔の数、偶然できた模様や形が「顔」に見える不思議、真の笑顔と偽の笑顔など、顔を見る脳の仕組みや 自分の顔と出会い夢中になる脳のメカニズム、自己と他者を繋ぐ顔の役割などについてなかなか興味深く読みました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
小説や映像で繰り返し描かれる長篠合戦の鮮烈なイメージはどのように形作られてきたのか。伝来する合戦図屏風や様々な関連資料を検証しその実像に迫る1冊。どういう戦いとされてきたのか、長篠合戦像はどう作られてきたのか。武田勝頼、織田信長、徳川家康それぞれの視点から考察するこの戦いの意図。長篠合戦をめぐる記述の変容、当事者・同時代人の証言、江戸時代における長篠合戦の物語化、鳶巣砦攻撃や長篠城籠城、子孫たちの顕彰や合戦屏風図による図像化などを踏まえて改めて考えると、また違った長篠合戦像が見えてきたような気がしました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
なぜ日本の少子化対策は実を結ばないのか?少子化にまつわる誤解をデータ・統計から考察し、様々なエビデンスが指し示す「婚姻・出産」のリアルを解説する一冊。著者が指摘する少子化にまつわる誤解。少子化の何が問題なのか、何が出生率の低下をもたらしたのか、少子化問題と自治体の多様性、グローバルな問題としての少子化、少子化に関わる政策と数字の見方。少子化対策=子育て支援と考えて、手前の未婚・晩婚問題が改善されない現状など、複合的な要因が絡む問題をどう考えるべきなのか、違和感を感じていた理由がわかったような気がしました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
宇宙船の生態環境が著しく悪化して、地球で暮らすことを望んだ老いた神を扶養することを決めた人類とその破綻を描いた表題作ほか5つの短編集。神文明が去って3年、地球でもっとも裕福な13人がもっとも貧しい3人をプロの殺し屋を雇ってまで殺したい理由、蟻のストライキにより決裂した2000年以上続いてきた恐竜との共存関係、ステーションにいる彼女の眼を連れて草原への旅行する仮想体験、74年の人工冬眠から目覚めた主人公が目の当たりにする深刻な事態。前提が違う常識が噛み合わない悲喜劇をシュールに描いた物語は興味深かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
太陽系に見切りをつけた人類の唯一の道は別星系への移住。連合政府は地球エンジンを構築し、地球を太陽系から脱出させる計画をを描いた表題作ほか6つの短編集。惑星探査から帰還した先駆者の宇宙飛行士が目にしたもの、地球を捕食しようとする世代宇宙船「呑食者」、歴史上もっとも成功したコンピュータ・ウイルス「呪い」、中国太陽プロジェクトに従事する二人や、単身水の山に挑むことを決意したかつての登山家など、人々がついていけないほどに発展する科学だったり、突然の破滅に巻き込まれた人々のありようをなかなか印象的に描いていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
とある事件をきっかけに書けなくなった高校生小説家・綴喜文彰に届いたあるプロジェクトの招待状。極秘の国家計画に参加した彼が、同じような元・天才たちと出会う青春小説。若き天才を集めて交流を図る十一日間のプロジェクトの驚くべき内容。世間から見放された元・天才たちが受けたセッションで突きつけられる過酷な現実。借り物の才能で幸せになれるのか?天才ではない自分に果たして価値はあるのか。彼らの生々しくて複雑な想いが描かれていましたけど、葛藤と向き合うことで導き出されたそれぞれの選択と結末が印象的な物語になっていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
どこか不穏な案山子だらけの宵待村で起きた殺人事件。楠谷佑のペンネームで活動する合作推理作家で、執筆担当・宇月理久とプロット担当の篠倉真舟の大学生コンビが事件に挑むミステリ。歪んだ人間関係やいなくなる案山子、そしてボウガンの毒矢だったりと、不穏な雰囲気を感じる山奥の村で村で起きた連続殺人事件。それを合作推理作作家の従兄弟が、お互いの推理を積み重ねていきながら真相に迫る展開になっていて、最初の事件に至るまでの過程がやや冗長だった感はありましたけど、読者への挑戦状付きの王道の展開はなかなか読み応えがありました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
特異体質を抱える明日菜がある日理不尽なリストラに遭ってしまい、魂が宿った人形の最期を見届ける「無幻堂」で働き始めるハートフル・ドール・ストーリー。人々の感情が色で見える人生に嫌気が差していた明日菜が、店主の柘植や言葉を話す猫・詩とともに、フランス人形や雛人形、腹話術人形、マリオネット、ムーミーちゃん人形などに込められていた感情を読みながら、怒りや悲しみを汲み取っていく展開で、最初はどこか危なっかしい印象もあった明日菜でしたけど、周囲が諦めかけても最後まで寄り添い、粘り強く向き合う姿勢がとても印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
『アランを愛さない』という契約で、十歳になる義娘レベッカがいる公爵アランに嫁いだソフィーア。大人になったレベッカが断罪される予知夢を見た彼女が、その未来を変えるべく奮闘する家族ファンタジー。無難な日々を送っていたソフィーアが、愛を受けずに育ちながらも公爵家に引き取られ、健気に頑張るレベッカを溺愛して、レベッカもまた彼女に懐いて愛らしい天使のような表情を見せるようになる一方、アランもまたそんな二人の様子を見て少しずつ変わっていく展開で、愛を知らなかった三人が本物の家族になってゆく素敵な物語になっていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
初級スキルしか習得できず、パーティーを追放された剣士アーロン。馬鹿にされている初級スキルスラッシュを極め無双する迷宮ソードファンタジー。追放されてからソロでひたすら初級スキルを積み重ねた末に大災厄を剣一本で鎮めてみせ、自覚もないまま正体不明の英雄・極剣として噂になるまでに成長したアーロン。そんな彼の力を見込んだ封神四家の一人・エヴァからの依頼で神骸迷宮踏破を目指すクランに参加する展開で、最初は実力を疑っていた最上級探索者たちを黙らせてしまう規格外の力は流石に圧巻でしたね。不穏な動きがどうなるか続刊に期待。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
最強ランキングがある異世界で、教え子の君島と共に死地から生還した高校教師・重人。規格外の剣術でランキング上位二桁に入り、天位の称号を得たことで狙われ始める第二弾。共に窮地を乗り越えた君島からは一段と好意を向けられるようになり、再会した桜木たちも加え始まる新たな日常。重人は所属先を検討しながら出会った謎多き強者レグレスと階梯上げに励むことになり、彼不在の状況で天位の置き換わりを狙う様々な思惑に巻き込まてゆく君島たち。起こるべくして起きた事態でしたけど、生徒を思って駆けつけた重人がなかなかカッコよかったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
レベル99の盗賊として仲間と魔竜を討伐して命を落としたマイト。女神の祝福によって生き返り、希望によりレベル1の賢者としてはじまりの街へ帰還するやりなおしファンタジー。死の呪いを代わり引き受けて死に、賢者としてやり直すことになったマイト。新米冒険者リスティたち3人の開けられない宝箱を開き、さらに彼女たちの荷物を狙った盗賊たちを撃退したことで懐かれる展開で、レベル1でも身体能力は前世を引き継ぎ、明らかになっていく鍵の魔法があって、それを駆使して村を襲う謎の現象や魔族との戦いに挑む展開はなかなか面白かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
世界に平和をもたらしたものの、強くなり過ぎて退屈な最後の英雄アレク。未来に期待して三百年の眠りについていた彼が、自身の伴侶を育成する花嫁学園に入学する学園ファンタジー。未だ恋愛感情が分からないアレクが、かつての仲間エステルが建てた学園に入学する展開で、そこで出会う典型的ツンデレのヴェルや、優等生サラ、食いしん坊のアウラ、故郷を救った英雄として慕うレイヤ、英雄に憧れこじらせていた教師メーヴィスといったヒロインたち。最初は本人なのか疑われながらも、彼女たちとしっかり向き合う展開はなかなかいい感じで今後に期待。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
平凡な会社員女性に突如降りかかった老人の執拗なつきまとい。かつて姉をストーカーに殺害された荻窪署の刑事・佐坂が、略取犯と拉致された女性の捜索に乗り出すミステリ。くせ者ながら優秀な警視庁の北野谷と組んで挑む中で起きる、建築士が殺害され妻が老人に略取される事件。一見繋がらないそれぞれの出来事から、事件マニアの佐坂が見出した意外な共通点。犯罪被害者家族の悲惨なその後、執念深く常人には理解できないストーカー心理、事実が明らかになるたびにガラリと構図が変わってゆく展開で、その先にある決着がとても印象的な物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
大国ドルセン撃破の熱狂が冷めやらぬファルーン王国。そこにドルセンが誇る五天位の一人、「狂乱の皇女」カーミラが単身乗り込んでくる第二弾。あっさり捕まったカーミラをヤマトは鍛えたいと言い、ガマラスは国の利益を考えて娶るべきと提案。そこから勃発した正妃の座をかけたカーミラとフラウの勝負と、過酷な環境で性格が矯正されてゆくカーミラの提案による新たな妃を増やすための武闘会。まさかの師匠参戦には思わず笑ってしまいましたが、ちょうど良かったのかなと思いましたし、ドルセンの政変も必然の結末でどこまでいくのかですね(苦笑)
が「ナイス!」と言っています。
よっち
一年間の文庫を総ざらいできるので毎年読んでいる、一年に出た文庫からとっておきのおすすめ文庫を紹本の雑誌が選ぶ文庫ガイドの決定版2023年版。本の雑誌が選ぶ文庫ベストテン、私の文庫ベスト3、読者アンケート 私の文庫ベスト、ジャンル別ベストテンほか、いつも楽しみに読んでいるサッカー好き書店員匿名座談会など、毎年思いますが改めて自分はここに載るような作品をほとんど読んでないんだなとしみじみ実感しますね(苦笑)おすすめ中公文庫30冊対談や学術系文庫の一年、講談社文芸文庫を全部集めた話などの記事も興味深かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
閻魔王・天鴦の花嫁候補という名目で王宮の下女として働くことになった翠。別人に成り代わって冥官勤めをしている瑞月と再会を果たす第二弾。亡くなった鬼族の息子に成り代わって冥官として働く一方で、日夜暗躍していた消息不明の弟・瑞月。あくまで彼のことを信じる翠に対して、密かに天鴦のもとに忍び込んで彼を試し、結家の真相や翠に対する想いを託す展開で、そこから五道転輪州で瑞月が勾留されたと知り、冤罪を晴らすために奔走する翠と瑞月の覚悟に、お互いを思う姉弟の絆を改めて感じる一方で、改めて前途多難を予感させる結末でしたね…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
次期族長として育てられた草原の民・アルタナ族長の息子スレン。干陀羅の草原侵略に備えるべく、再び濫と協定を結ぶ使者として濫を訪れる第二弾。草原西方の氏族・ドルガが西の大国・干陀羅によって占領されたとの報から、濫国と草原双方の血を引く特殊な出自を持つスレンが使者として濫国を訪れ、かつて深く信仰された双蛇神を廃した『双蛇嫌い』の父帝に反発を抱く光藍や、その妹・白月の宿命とも思える二人との出会い。加えてスレン自身もまたその出自からこれからの選択を迫られそうで、物語としても大きく動きそうな今後の展開が楽しみですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
シリーズ本編では語られることのなかった、大凱帝国の後宮に生きる皇族や美姫、宦官たちの秘されたエピソードを収録する『後宮史華伝』シリーズ短編集。『後宮染華伝』『後宮戯華伝』『後宮茶華伝』など、登場人物たちの前日譚や後日譚を描いたWEBマガジンや公式HP、購入者特典などで描かれた短編者SSに、書下ろしを三編加えた全十五のエピソードを掲載する構成で、もともと登場人物がかなり多いシリーズでしたけど、本編で描ききれなかった主人公たち以外の関係についても、ひとつひとつ丁寧に描かれた興味深いエピソードになっていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
消えてしまった人としての二藍。その後に降り立った記神は半年後、号令神と化した二藍が滅国の神命を下しに訪れると告げる第九弾。しかし鮎名が兜坂国は滅びないと確信を持って言い切った理由。兜坂国の滅国を避けるために策を遺していた二藍。そして運命に否を突きつける役割を託され、神に刃向かうために物申としての力を取り戻そうとする綾芽。もちろん彼女だけでなく、斎庭や八杷島の面々も協力する文字通り総力戦と言える展開で、何度も絶望を突きつけられながら、それでも最後までお互いを信じぬいてみせた二人の結末はなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
地味で平凡なところを買われ、大手化粧品メーカー最川堂の総務部に配属された朝井詩央。社長直々に呼び出された彼女が存在感のなさと聞き上手を買われて密命を下されるお仕事小説。業務の合間に社員の愚痴を聞いて『愚痴聞き地蔵』呼ばれる彼女が、社長から下された「次期社長候補3名の調査をせよ」という密命。隠密とも呼べないレベルの調査で明らかになる、それぞれが有能だけど癖の強い候補者たち。さらに不穏な動きからお家騒動に巻き込まれてゆく展開でしたけど、詩央も地味なりにしっかりといい仕事をしていて存在感を見せてくれていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
クリスマス直前、居酒屋でサンタクロース消失事件について議論していた楓たちが、紳士然とした我妻に声をかけられる第二弾。祖父のかつての教え子で刑事でもある我妻が新キャラとして加わり、岩田の父親とサンタクロースが消えた事件、自殺した俳優の後追い自殺を操る男、殺された刑事のダイニングメッセージ、学校が怖い女の子など、認知症を患いながら謎解きをする楓の祖父は相変わらずの安楽椅子探偵っぷりで、一方で楓を巡る三角関係の結論は今後に持ち越しのようでしたが、少しずつ状況が悪化している祖父の病状も気になるところではあります。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ボストンマラソンの会場でボロボロの日記を受け取った新米駅伝監督・成竹と学生ナンバーワンランナー神原。戦時下と現代の熱い駅伝魂を描く物語。戦時下に箱根駅伝開催に尽力したある大学生の日記から伺える戦中最後の駅伝開催に尽力する学生たちの様子。難しいと思われていた状況を覆したその熱い想いは、これまでマラソンに専念して駅伝に興味がなかった神原の心を少なからず揺さぶったのは間違いなくて、成竹と日記を繋ぐ思わぬ縁もありましたけど、その駅伝を最後に戦地に向かっていった選手たちからのタスキは確かに今に繋がったと思いました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
楽しかったはずが思いがけない形で終わってしまった大阪旅行。友崎たちは葵とほとんど話せないまま3年生に進級する第十一弾。友人たちが文系理系に分かれる中で、ひとり特進クラスとなった葵。そして思ってもみなかった状況が続く中で、覚悟を決めて葵の家を訪れた出会った友崎が出会った意外な人物。今回は葵の過去を深く掘り下げられて、けれど友崎だけでは翻意させることはできなくて、菊池さんの業とも言うべき洞察力が鍵を握る展開でしたけど、二人だけでなく友人たちの力も借りてラスボス攻略に挑むこれからの展開が楽しみになってきました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
決められたことに疑問も持たず従うことが正しいと思う人が日本には多い。だがルールはどういう趣旨で存在するのか、その原理を問う法哲学入門。様々な局面に則して作られた多様のルール。人は意外と自分が損をしてでも公平さやを求めていて、一方で時代に応じて変わるべきルールもあり、そもそも法律そのものが復讐を止めるためのものだったという経緯や、利己的な人々が社会秩序を作っていった側面や、混乱をもたらす中途半端なルールや多数決の根拠のない偏見も取り上げていて、清濁併せ呑むルール作り…がベストでもなかなか難しいですね(苦笑)
が「ナイス!」と言っています。
よっち
言葉には読み方次第で意味が変わるものが多々あり、そのせいですれ違ったり争ったりすることがある。曖昧さの特徴を知って言葉の不思議に迫る一冊。どのように認識したかで、受け手がいかようにでも解釈できてしまう表記や表現、普通名詞の曖昧さや修飾語と名詞の関係、何を指しているのか複数の解釈ができてしまい、それで意味が全然変わってしまう構造的な曖昧さ。そして結局どちらなんだと思ってしまう否定文・疑問文や代名詞の曖昧さなど、日本語は言外の意味と不明確性が溢れていて、気をつけるにしても限界があると思ってしまいました(苦笑)
が「ナイス!」と言っています。
よっち
母の死をきっかけに生きる意味を見失って、職も失って川越で染織工房を営む叔母の家に居候していた槐。そこに心を閉ざしていた従弟の綸も同居する物語。水に映る風景を描く女性画家・未都の転落死事件に巻き込まれて、大学も休学して就職活動もせず引きこもっていた綸。そんな彼が藍染めの青い糸に魅了されて次第に染織にのめり込んでいく展開で、未都の最後の言葉を知るために綸につきまとう不審な男の存在をきっかけに、槐もまた未都の死の謎を探る展開でしたけど、心残りに決着をつけないと前に進めないという気持ちは分かるような気がしました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
たくさんの人々が行き交うバスターミナル「バスクル新宿」。それぞれの目的地を持つ人々がひととき同じ時間を過ごし、同じ事件に巻き込まれてゆく連作短編集。途中のPAで乗客が消えてしまった理由、部費の使い込みがバレた同級生の捜索で出会った元刑事との世間話、修学旅行中に同級生が消えた理由、事故で立ち往生したバスで不審な動きをした男の正体、そして事件をきっかけに出会う登場人物たち。それぞれの人生の岐路が描かれる人間模様はいろいろありましたけど、最後に一つに繋がってゆく結末がどこか著者さんらしくてなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
回復した患者は薔薇の形をした腫瘍ができる後遺症を持つ難病オスロ昏睡病。その治療法を確立した医師が殺されたことを皮切りに、患者が次々に襲われる特殊設定ミステリ。自身もかつてその難病に罹り、苦い過去を抱える京都府警の八嶋警部補が、マイペースな阿城との軽妙なコンビで犯人の特定と難病治療がもたらした闇に挑む展開で、ある意味納得できるような狂気とも言えるような事件と難病治療の真相でしたけど、それでも未来を前向きに考える若者たちがいて、八嶋がずっと気にかけていたもうひとつの真相がとても印象に残る結末になっていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ライブ第二弾は大成功だったものの、オーディションでは連敗中。そんな状況にいい機会だからと加賀崎の勧めで由美子は学生生活へ専念する第九弾。声優のお仕事がない焦りから仕事へ打ち込もうとする彼女に、担任教師が突きつけた模試の結果。志望大学も危うい状況に学生生活へシフトする由美子。友人との勉強会や文化祭準備で充実した日々を改めて実感する一方で、アニメもラジオも大活躍な千佳の姿に嫉妬と不安を抱く声優・歌種やすみもいて、そんな葛藤にも向き合ってくれる千佳との関係がほんといいですよね。二人の演劇もなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
重度のLA依存症のアコに、未来への希望を持たせるため始まったルシアンとの疑似新婚生活。LAを愛したネトゲプレイヤー全員による最高の大団円が始まる第二十三弾。アレイキャッツみんなと楽しいひと時を過ごす一方、LAをまだ諦めきれないアコ。このゲームを完全にやり切るために、公式には存在しないエンディングを勝手に作り上げてしまおうという決意から、まさかの魔王扱いには笑ってしまいましたけど、これまで一緒に過ごしてきたゲームで知り合った仲間たち、そして運営までも巻き込んだなかなか楽しくてちょっぴり寂しくなる結末でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
佳代たち姉妹を見守ってきた瑞ノ瀬村に持ち上がったダム建設計画。佳代・雅枝・都と三世代の湖の底に沈んだ瑞ノ瀬へのそれぞれの想いを描いた物語。海外留学先のイタリアで適応障害になり、1ヶ月と少しで実家に帰ってきてしまった孫の都。定年退職まで営業部で忙しく働いた佳代の娘・雅枝、そして夫の孝光とともに懸命に反対運動に励む佳代。時代を遡っていく形で描かれる三代の物語は、そもそも前提が違うために思い入れも異なっていて、最初はあまり見えてこなかったその意図も、読み進めるうちに浮かび上がってくるその構成には唸らされました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
恋愛、ガチャ、SNなどS……現代特有の悩みを抱える高校生たちの窮地を、人生先生こと校務員の平人生が助けて導いていく連作短編集。めぐり合わせでいい感じになっていったクラスメイトの思わぬ一面を知ってしまった女子高生。うまい話に騙されて悪事の片棒を担がされそうになった男子生徒。SNSでバズるものを探していた少女と天然な同級生の関係。病に冒される親友にやりきれない想いを抱く少女。どうしていいのか分からない状況に陥ってしまった悩める生徒たちに、先生でも両親でもない人生先生がそっと寄り添ってくれる姿が印象的でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
学生時代に読んだネット小説がきっかけでブルガリア菌が推しとなり明和に就職した朋太子由寿。社内報制作担当になった新入社員の由寿が奮闘するお仕事&推し事小説。配属となった大阪支店量販部で、阪神淡路大震災で活躍したおでん先輩のエピソードを聞き感銘を受けた彼女が、五十周年特集のために関係社員に取材を行ってゆく展開に、ブルガリアとヨーグルトの歴史が興味深かったり、由寿の実家事情や乳酸菌の擬人化小説も絡めたなかなかカオスな展開になっていましたが、例の小説をまさかのあの人が書いてるなんて夢にも思わないですよね…(苦笑)
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ある事件に見え隠れする元執行官・狡噛慎也の影…。監視官・常守朱はシビュラシステムの輸出先である東南アジア連合に向かい、その真相を追う劇場版ノベライズ。密入国した外国人武装グループの鎮圧に成功した公安局刑事課一係。取り調べを進める中で国外逃亡中の狡噛が何らかの関与をしている可能性が浮上し、監視官・常守朱が単身で東南アジア連合の中枢都市シャンバラフロートへ向かう展開で、狡噛のその後の様子やシュビラシステムがない平和もなかなか興味深かったですけど、この物語の前日譚・後日譚となるボーナストラックも効いていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
「PSYCHO-PASS サイコパス」TVシリーズ第1期の時間軸で発生した殺人事件に監視官の常守朱や執行官の狡噛慎也が挑むスピンオフ小説。都内のテニスコートで見つかった他殺死体の捜査で、有力な手がかりを得られないうちに起きた第二の事件。被害者たちの死体の特殊な状況から同一犯の犯行が疑われる中、ある人物に着目する狡噛。そして八年後、執行官になっていた狡噛と新人監視官の常守朱が遭遇した奇妙な死体遺棄事件。縢や征陸も出てきて懐かしい思いで読みましたけど、1期終了後の様子が描かれたボーナストラックも良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
京都市中京区にある「中京こころのびょういん」。評判を聞きつけ、メンタルの悩みを持った人々に本物の猫が処方される第二弾。今回も何かもの言いたげな彼氏との関係に悩む女子大生、妻に先立たれた老人、京大受験三浪目に突入した幼馴染を気にかける少女、保護猫センターで働く男など、最初は何で猫が処方されるの?と首を傾げながらも、それでも「処方猫」と過ごす時間による様々な変化が、彼らの心の傷を少しずつ癒やしてゆく中で、ほっとするような展開もあればなかなか厳しい現実も描かれていて、続きがあるならまた読んでみたいと思いました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
寵姫として持て囃される一方、妃候補たちに舐められるコネと派閥だらけの後宮に辟易したライラ―が、後宮改革を決意する第二弾。アスウィールや母后の承諾を得て、後宮で皇帝を補佐できる人材の育成を目指すライラー。一方で兄帝を弑逆して反抗的なイエニチェリ軍団を掌握するべく動き出したアスウィール。敵だったはずのヤーサミーナも、努力を評価するライラーにすっかり籠絡されてツンデレと化していて苦笑いでしたけど、軍団相手の賭けに勝ってみせたアスウィールの変化も感じましたね。二人の関係もどう変わるのかこれからの展開が楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
幻想に満ちた魔術学院ドラクロウ。突然魔力を失い学院の落ちこぼれとなってしまった天才少女シャロムが、口の悪い学院一優秀な生徒ユエルと出会う恋と再生を紡いだ物語。天才と言われていたのに魔力を失い、師匠も失踪して寄る辺を失っていたシャロムと、なぜか彼女を試験のパートナーに選んだユエル。戸惑いながらも一緒に協力して次第に心を通わせてゆく二人の変化と、魔術師狩りに狙われてしまうシャロム。様々な背景やユエルが彼女を気にかける理由も明らかになる中、シャロムが見失っていた大切なことに気づくその結末はなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
霊が見える上に言動を母に疎まれ、十歳から修道院に入れられていた伯爵令嬢ジャンヌ。十六歳になり女伯爵の姉マリーズから帰宅を促す手紙が届くホーンテッドコメディ。ジャンヌが直面する大量の生き霊に取り憑かれたマリーズと、伯爵家存続のための結婚話。状況打開のため生き霊を払ったら結婚話をなしにする交換条件を持ちかけたジャンヌが、知り合ったオーガスティンを振り回しながら事件解決に挑む展開で、両極端な姉妹はなかなか強烈なインパクトがありましたが、恋路でドツボにハマったオーガスティンは苦難を乗り越えて頑張ってほしい(苦笑)
が「ナイス!」と言っています。
よっち
人間の女の子として街での平和な日々を過ごすティスピン。そんな彼女のもとに王都から幼い王子アベルがドラゴン出現で混乱する街の視察にやって来る第二弾。ティスピンは騎士団のウィーザン隊長に二刀流について教わったり、ラキに泳ぎ方も教わったりする一方で、身体強化魔法の属性を見出されたリタも特訓を開始。そんなリタをアベルが気にかける展開で、王子を狙う動きがあっても、ラキ・スピカ・ディアあたりがいれば安心なんですよね(苦笑)けれど王子の護衛から伝えられた報告が今後の展開にどう繋がるのか続刊が気になるところではあります。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
女優としての仕事を始めた花恋の仕事現場についていったら、ADと間違われて巻き込まれてしまう光太郎。様々な思惑が絡む撮影現場はかつてない混沌を極めてゆく第二弾。撮影スタッフと間違えられて働くうちに、有能すぎるADとして大絶賛される光太郎。そこに花恋の共演者として光太郎を諦めきれない深雪や、悪意を持って近づいた千春も絡んでいく展開で、涙を誘う貧乏エピで千春に共感される花恋に、暴走しがちな深雪とちゃっかりメイド青木の主従が動かしてゆくカオスな状況を、光太郎が陰ながら支えて乗り越える結末はなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
自宅マンションで襲われたはずの女性が、十キロ以上離れた港で遺体となって発見され、相談を受けた天久鷹央はなぜかその捜査の過程で手を引いてしまうメディカルミステリ。今回は結婚しようとすると死んだ元婚約者に呪われる女と霊能力者、ゴミ屋敷と行方不明者、瞬間移動した死体の謎といった中短編の構成で、珍しい事件に自ら首を突っ込む鷹央と振り回される小鳥遊という構図は相変わらずですが、鷹央の抜けた部分を小鳥遊がフォローしたり、鷹央も解決をあえて小鳥遊に託したり、何だかんだ言いながら信頼感のあるいいコンビになってきてますね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
都内近郊で若い女性が次々と首を絞められて惨殺される連続殺人事件。しかし現場に残された血痕から四年前に死んだ男が、容疑者として割り出されるメディカルミステリ。次第にエスカレートする犯行に、現場に残された殺人鬼からの声明文。DNA鑑定から割り出された容疑者はかつて鷹央が死亡診断を下した男で、死者を生き返らせる新興宗教にハマる母の存在。果たしてシリアルキラーは誰なのか、今回は予想もしないどうにも後味が悪い結末で、鷹央が吐露した意外な心情が印象的でしたけど、傍らで支えてくれる小鳥先生がいればきっと大丈夫ですよね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
禁忌の巫女が王朝の呪いを解くという予言を信じて、熱心に口説いてくる皇太子・侑彗。それを妃になれたくない螢那がスルーしているうちにまた後宮内で事件が勃発する第二弾。外から侵入するのは難しい状況で薪小屋で死んでいた宮女は果たして自殺なのか他殺なのか。皇后に命じられた気鬱の乳母の世話、妃嬪が使う美人の薬の真相、露台から転落死した侍女と北苑の呪い、そして24年前の事件の真相。否が応でも巻き込まれてゆく一連の事件には何とも皮肉な結末が待っていましたけど、ピンチには駆けつけてくれる侑彗との今後も気になるところですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
王国の魔法技術の象徴・図書館で働く魔術師エクシア。実は大の人見知りな彼女が、勇気を出して利用者の第一王子アイヴァンを助けるビブリオファンタジー。最年少で魔術師となりながら、なかなか上級魔術師になれないことに悩むエクシア。立場ゆえに女性から距離を置きがちだったアイヴァンの案内役として探しものを手伝う過程で、だんだん前途多難のひきこもり令嬢から変わってゆくエクシア。少しずつ想いを積み重ねてゆく一方で、図書館の蔵書を戦争に利用する動きに巻き込まれる中、協力して危機を乗り越える二人の関係がなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
先が見えなくて立ち尽くしそうな時、迷える人に静かに寄り添う深夜営業の小さなカフェ「ポラリス」。美味しい料理が夜闇を優しく照らす連作短編集。子供の入院に付き添う日々を送るシングルマザー、父と同じ大学の医学部を目指す二浪の浪人生、義母と出会い連れられてやってきた嫁、糖尿病を患っている会社社長、近くの病院で働く友人など、来店した人の様子から優れた観察眼で状況をいろいろ見抜く、気立てのよい店主・朱里さんの美味しそうな料理と、そこで悩みを話すことで自分が本当はどうしたかったのかに気づいてゆくとても優しい物語でした。
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よっち
人類が地球を脱し数百年が経過した未来。月に住む編集者キャサリンが人類全てへの贈り物となる本を作るため、宇宙に伝わるクリスマスの民話を集める連作短編集。話を集める過程で聞いた、遠い星の開拓民の小さな女の子を愛した犬と猫、トリビトたちが特別な思い入れを持つ劇場船、人が住めなくなった地球にいる付喪神、山間の図書館に訪れた異星人の話。そういった話を集めて作られた本と幽霊船のエピソード。猫はネコビトに、犬はイヌビトなどに進化しているのが面白かったですが、舞台設定が変わっても著者さんらしさがよく出ていて良かったです。
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よっち
無事に二年生へ進級したステラは、学年代表として年に一度の『聖法競技会』に臨むにあたり、炎を操るクインザに対抗するため、水を操る少女・アンリを仲間に勧誘しようと試みる第二弾。父が魔法を使ったことで没落貴族となり、学園でも孤立しているアンリ。そんな彼女を分かりづらいツンデレ構文で勧誘するもののものの見事に失敗するステラ。クソザコが杖の呼称として定着していて、彼の押してダメなら推す機転でクーデレだったアンリの悩みを解消する展開には笑いましたけど、いやもうステラを罠にハメる女神の悪辣っぷりが際立っていましたね…。
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よっち
容姿端麗、学業優秀、スポーツ万能、金持ちの家に生まれ、超美人の姉妹までいるのになぜか全く女の子にモテない千秋。そんな彼が高校入学直前に突然女の子になってしまう青春ラブコメ。マッドサイエンティストの姉・夕子によって男の子にさせられてしまった双子の妹・楓共々性別を転換させられてしまった千秋。双子でも前向きに女の子生活を楽しもうとする千秋に対して、身体や心境の変化に戸惑いを隠せない楓という対比が興味深くて、そこに千秋を意識する幼馴染のメイも絡めた展開がどうなるのか、これからが楽しみなシリーズになっていました。
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よっち
バックアップから生命を再生できる近未来。世界最先端企業で働くエンジニア園晴壱が、全人類の記憶のバックアップをロックする前代未聞の大規模テロの犯人にされる近未来SF小説。突然の異動辞令を受けた直後に死亡し、保険調査員の殿森空に保険金詐欺を疑われる晴壱。そこからテロの主犯とされ空と一緒に逃亡しながら真相を探る日々。やがてそれは晴壱がかつてエンジニアを目指すきっかけとなった天才少女の謎に繋がる展開で、敵か味方か何を信じればいいのか難しい状況でしたが、それを乗り越えて垣間見せてくれた結末はなかなか面白かったです。
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よっち
ある日、幼馴染で片思い相手・藤白乃愛から恋の相談を持ちかけられた悩める高二男子・瀬高蒼汰。幼馴染自身のことかと思ったら、後日別の女子から告白されてしまう恋バナラブコメ。クラスメイトの話に触発されて友人の相談を装って蒼汰に探りを入れてみたら、本当に女の子に告白されたらしい様子に動揺する乃愛。委員長や後輩の茜を警戒する乃愛は傍から見たら分かりやすい態度ですけど、彼女自身がそれを否定するから迷走するんですよね(苦笑)いまいち決め手に欠けて、要所で決断できずに日和ましたけど、茜が抱える秘密も気になるところですね。
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よっち
ある日、教室の黒板に自分の名前が謎の係名と共に書き込まれていた小学六年生の二森啓。その日の深夜から異次元の学校で「ほうかごがかり」を命じられる真夜中のメルヘン。毎週末、学校中の教室に棲む化け物『無名不思議』を観察しその正体を記録するために集められた小学校高学年の六人の生徒たち。それぞれに課された担当の化け物がいて、この年頃だと反発してやらない子絶対いるだろと思ったら案の定…(遠い目)。後出しする顧問の太郎さんもあれだけど、想像以上に過酷な状況を突きつけられて果たして何人生き残るのか…続きが気になりますね。
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よっち
紆余曲折の末に床辻の土地神としての権能を引継ぎ、東の地柱となった蒼汰。そんなある日、床辻の怪異を管轄する『監徒』の手引きで、蒼汰の転校が決定する第二弾。転校した監徒の縁者も多い北の高校で待っていた北の地柱・墨染雨。彼女とも助言を得られるような関係になりつつある一方、異郷からの白線が日に日に勢いを増す状況で発見された『血汐事件』で消えたはずの少女。墨染雨と記憶を失った少女の過去も明らかになる中で、やっぱりそうなっちゃいますよね…という展開ではありしたけど、その結末はなるほどなと思いつつも少し驚かされました。
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よっち
大君主作戦による反攻を期したタイミングで起きた連邦領内を騒がす自爆テロ。共和国が作り上げた仔鹿という人間爆弾の存在が明らかになる第十三弾。レギオンの猛攻に疲弊する最前線、大量発生する避難民への対応。そんな中で起きたテロに加えて、最悪のタイミングで起きた一部共和国民の武装蜂起。時を同じくしてチトリたち仔鹿を伴い、共和国領の故郷を目指す旅に出るユート。人はここまで非道なことができるのか、簡単には変わらない現実を痛感させられる展開でしたけど、直面する状況に葛藤しながらもしっかり向き合った彼らの姿が印象的でした。
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よっち
親の再婚で家に居づらくなり、ファミレスに逃避していたた高校生の成海紅太。そこで見かけるクラスメイトの加瀬宮小白と同盟を結ぶ青春小説。比較される義妹ができたことで、過去の経緯から家族とぎくしゃくしている成海。彼がひょんなことから同じように家に居場所がないと感じていて、学校では誰とも馴染まない孤高の小白と家族の愚痴を言い合うファミレス同盟を結ぶ展開で、思っていたことを言える相手、そしてお互いにありのままでいられる場所ができたことで、少しずつでも変化していく二人の関係がどうなるのか続巻が楽しみなシリーズですね。
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よっち
付き合い始めたばかりの里森里奈をまさかのイケメン美少女・水嶋静乃に奪われた高校生・佐久原颯太。そんな彼女がなぜか颯太まで口説き始める青春ラブコメ。理由もわからないまま、ボーイッシュな顔立ちと高身長でモデルでもある静乃にお試しで付き合う一ヶ月で口説き落とせるか勝負を持ちかけられる颯太。隙あらばぐいぐい来る静乃のアプローチにたじたじで、何だかんだでその魅力的な彼女を意識して、だんだん放っておけなくなってゆく展開でしたけど、一方で振ったはずの里奈も颯太を意識してどこか挙動不審で、その理由が気になるところですね。
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よっち
体育祭を経て、恋人になった辻尾陽都と吉野沙良。二人でこっそり楽しい時間を過ごす中、ある日後輩から「JKコンテスト」の手伝いを依頼される第二弾。屋上の駄菓子パーティーや繁華街の癒しスポットを開拓したりと付き合いたての楽しい些細な時間。そんな中、映像編集の腕を買われて、中園や平手の力も借りて売れないアイドルの後輩・穂華の撮影をする展開で、彼を巡ってコロコロ表情が変わる沙良も可愛かったですけど、夏休みの伊豆合宿もみんなで青春してましたね。過去の因縁も乗り越えて、沙良の心の拠り所となっている陽都が効いていました。
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よっち
病気で婚約者の一花を失ってしまい、哀しみにうちひしがれる桐山博人。何もかもやる気を失ってしまった彼のもとに、送り主が亡き恋人の一通の手紙が届く物語。一花の手紙に記してあった謎に触れ、彼女と一緒に通った熱帯魚店の店員・円谷も巻き込み、初めて彼女が読んだ古典ミステリ、写真に写った猫、川や森や池にあるもの、丸の数など、出題された謎を解いていくたびに、明かされていく恋人の想い。周囲の助けも借りながら用意されていた彼女の仕掛けに触れて、少しずつらしさを取り戻していった博人の背中を押すその優しさが印象的な物語でした。
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よっち
京都・祇園の甘味処「もも吉庵」。店を営む元芸妓の女将・もも吉のもとには、様々な悩みを抱えた人が訪れる第八弾。夫のために身を粉にして尽くす四つ葉のクローバー探し、茶菓子の食べ方から人を見る目を教わった銀行の融資係の改心、紛糾する会議の空気を一変させた女性秘書の機転、離れ離れになっていた母親代わりとの再会、部下に裏切られすっかりやる気を失ってしまった夫を支え続けた妻の思い。今回も止むを得ない事情があったり、上手く行かない状況ですれ違っていた関係を、丁寧に寄り添って再び紡ぐきっかけを作る優しさが効いていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
瑠那と凜香は高校生活にも馴染んできたもの、EL累次体の脅威は去らないまま迎えた秋のある日、瑠那は幼少期のできごとを驚きとともに思いだす第十七弾。亜樹凪から内部情報を聞き出そうと日暮里高校に潜入した結衣も、特に大きな収穫を得られない状況で、瑠那の記憶が端緒となって3人が直面する思いもよらない事実。物語的にはずっと諸悪の根源的存在として位置づけられていただけに、ここで出てきたか…という感はありましたけど、結衣と凛香にとってはそういう存在なんですね…なかなかきつい展開の先にどんな結末が待っているのか続刊に期待。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ひょんなことから霊能力を見る力を失った探偵・四ツ谷翠と、コンビを組むことになった臨床心理士・泉宮一華。今度は投身自殺が相次ぐ雑居ビルの心霊調査に挑む第二弾。生前はカウンセラーとして活躍していたらしい人物が取り付いているビルを調査した真相。そして人が消える謎の駅と執念深い老婆の都市伝説に挑む二人という構成でしたけど、事件に取り組む中で二人の関係も少しずつ変わってきていて、お互い戸惑っているのが微笑ましかったですけど、霊能者としての仕事を重視する一華の兄・嶺人が登場してどうなるのか、今後の展開が気になります。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
大学を卒業し、晴れて念願の藤崎産業に入社した百花。感染症によっていまだ分断が続いている世の中に不安や孤独を感じながらも、自分なりにできることを模索する第七弾。日本橋の記念館は閉館したものの、記念館の再オープンに向け新しい候補地を探す一成が見つけた川越の古い商家の建物。記念館準備室に所属し、新記念館開館に向けたプロジェクトに携わることになった百花。どのような記念館にすれば和紙を今の世の中に広めることができるのか、新卒の同期たちと共に協力しながら様々な課題に取り組み、試行錯誤する彼女の成長を感じた結末でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
戦場に身を置くボディガード羽黒潤。上層部の意に反して単独でテロを鎮圧した結果、海上埋立地の島にある紫蘭学園に左遷されて生徒として転入する異端学園アクション。様々な事情により通常の生活が送れない少年少女が集められる機密教育機関で、一癖も二癖もある少女たちのフィクサーとして現場指揮を取ることになった潤。そんな彼女たちと一人ひとり対峙してその実力と人となりを知っていきながら、学生ながら現場に駆り出される命の価値が低い彼女たちを率いる展開で、潤自身もまた彼女たちとの関わりの中で成長していく今後の展開が楽しみです。
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よっち
働いていた画材屋が店じまいをして仕事を失い落ち込む優彩の元に、見知らぬ旅行会社からアート旅モニター参加の招待状が届く連作短編集。思い切って参加した旅の行き先は瀬戸内海の直島。頼れるツアーガイド桐子に導かれ巡る地中美術館で見えてきた未来。その旅に関わるようになって向かう父娘で行く京都・河井寛次郎記念館の日常を好きになる旅、六十代後半の婦人と行く安曇野・碌山美術館、夫婦のハネムーン代わりの佐倉・DIC川村記念美術館への旅。人生の迷える旅行客たちに寄り添う中で、自らも少しずつ変わってゆく優彩の姿が印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
おひとりさま至上主義を掲げる大学生・相楽創平。彼がボロアパートの隣に住むキラキラ系オシャレ美人女子大生ハルコの秘密を知ってしまう青春小説。冴えない自分とは別世界の生物かと思っていたハルコが、かつての同級生で大学デビューに成功したすっぴん地味女であることを知ってしまう相良。秘密を共有してハルコの目標である薔薇色キャンパスライフに協力することに巻き込まれる一方、どんどん懐かれる状況に困惑を覚えてゆく展開で、こじらせっぷりを炸裂させる相良がもどかしかったですけど、それでも粘り強いハルコの頑張りが効いていました。
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よっち
神聖リヨルール帝国の新皇帝となった過去の亡霊ジャンヌが世界を敵に人類の滅亡を願った戦争を開始。その侵攻を止めるべくアスラたち傭兵団月花一行が戦地へと赴く第三弾。さらわれたアスラを救いに行った月花一行と黒幕の対峙。英雄たちから《魔王》認定されたジャンヌが始めた理不尽と絶望が渦巻く戦争を終わらせるべく、本拠地に侵入するアスラたち。様々な因縁も絡めながらの展開相変わらず壊れているキャラが多くて、常識人が振り回される構図には苦笑いでしたけど、そんな中でも悪意すら逃げ出すアスラのぶっとんだキャラが際立っていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
「結婚をやめろ」との手紙に怯える元医学生の真壁。彼を助けたい木瀬がかつて事件を解決してくれた探偵・北見理花に調査を依頼するミステリ。中学時代、探偵見習いを自称して生徒たちの依頼を請け負う少女だった理花。探偵への依頼を躊躇する真壁が脅迫者を追及できない理由、そして鍵を握る四年前の事件。新たな事実が判明するたびに印象がガラリと変わって、一方で消えないままの違和感が徐々にもうひとつの可能性に繋がっていって、恐ろしい真相を果たして伝えられるのかも気になりましたけど、このコンビの物語もまた読んでみたいと思いました。
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よっち
帝位簒奪を企んだ哉鳴が皇城を攻め落とし天明は城を脱出。自分の身と引き替えに人々の安全を守ろうとした蓮華は、後宮に残り捕らえられてしまう第六弾。侍女の機転により処刑を免れて幽閉の身となった蓮華に執着する哉鳴と、天明が戻ってくることを固く信じる蓮華。一方、再起を期して仙仙たちとともに西に向かった天明と、蓮華が率いる球団と同じ意匠の山の民・浪速族の邂逅。浪速族や蓮華の秘密を知る一方で、その助力を得るための方法には笑いましたが、どこまでも真っ直ぐな蓮華と二人らしいやり方で未来を変えてゆく結末はとても素敵でしたね。
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よっち
ついに麻野に思いを伝えた理恵。しかし彼からは「少し待ってほしい」と言われる四季折々のミネストローネが人々の心を繋ぐ第八弾。春の山菜採りから繋がる遺産探しに、夏の沖縄で起きた不可思議な出来事、秋の弁論大会と引っ掻き事件、冬のフードロスの寄付会場での不穏な出会い。相変わらず美味しそうなスープと春夏秋冬それぞれで起きた事件という構成でしたが、亡くなった妻の静句さんを未だ忘れられない麻野さんに対する理恵の思いが何からしいなと思いましたし、ところどころに違和感を感じた巡る季節の意味が最後で繋がって納得の結末でした。
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よっち
同い年でずっと一緒に育ってきたよしきと光。しかしある日、光が別のナニカにすり替わっていたことによしきが気づいてしまう人気コミックのノベライズ。一週間行方不明になっていて戻ってきた光。それと気づきながらも、友人の姿をしたナニカとの今まで通りの日々を過ごす中で随所に感じてしまう違和感と、集落の中で次々と起きる様々な怪事件。不穏な兆候は明らかにあって、このままではいけないと薄々分かってはいても、それでも一緒にいたいと渇望してしまう光と積み重ねてきた日々があるんですよね。これからどうなるのか続巻にも期待してます。
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よっち
未成年の心に寄り添い事件を次々と解決に導く敏腕女性捜査員・仲田蛍。そんな彼女の知られざる過去に迫る連作短編集の第四弾。今回は優等生が強盗犯の犯行に口を閉ざす理由や、振り返ることで気づいた初恋の人が当時置かれていた状況、偏った情報から犯罪を引き起こした少年を巡る顛末、少年が万引きをした理由といったエピソードから、どこか危うさすら感じさせる彼女を掘り下げる構成になっていましたが、何より苦い過去の真相に迫る表題作が圧巻で、想像できるようになった今だからこそたどり着く、追い詰められていた少女の真意が印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
想像以上にらしい五期生たちがデビューし、さらなるカオスへと突入したライブオン。配信企画を上手くこなせず落ち込むダガーを淡雪が励ます第八弾。今回は師匠と仰ぐ淡雪から例のブツをもらって喜び、カカオからチョコレート作ろうとしたり、酔っぱらって素が出たりとダガーの可愛さが炸裂してましたね。その元凶として淡雪が個性のなさに悩む彼女の相談に乗るわけなんですが、後輩も増えてきて淡雪も頼れる先輩になってきている一方で、ほのぼのとする展開だけでなく、ワードウルフとかいろいろとライブオンらしいカオスな配信は今回も健在でした。
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よっち
地上に棲む男たちを文字通り食べることが必要とされる変わり果てた世界で葛藤する女の子を描いた表題作ほか、性と人間のありように鋭く切り込む全六篇の短編集。常識が激変した未来で大切な存在のために生きようとした少女の葛藤、幼馴染の性的な変身をめぐって揺れ動く複雑な思い、身近な友人が別の何かに転換した時にどう振る舞うべきなのか、未曾有の実験により12人の胎児の母となった研究者、ピュアの別視点から描かれた物語、サイボーグ化した少女娼婦と病弱な令嬢のコンタクトなど、価値観を揺さぶってくる強烈なインパクトある一冊でした。
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よっち
幼い頃にグラーフ・ツェッペリン号を見た不可解な記憶を持つ、それぞれ並行世界の2021年を生きる夏紀と登志夫。そんな二人の世界が繋がるSF青春小説。月と火星開発が進みながらも、インターネットが実用化されたばかりの夏紀の世界。一方、宇宙開発は発展途上だが、量子コンピュータの開発・運用が実現している登志夫の世界。それぞれの視点で進む物語が、だんだんと二つの世界が絡み合ってゆく展開で、そんな中で育まれてゆく確かな二人の絆を感じる一方で、意外な答えが提示された結末は思いのほかあっけらかんとしていたのが印象的でした。
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よっち
お互いの思いを知り、まじない師・珠華を后にすると決めた皇帝・劉白焔。しかし権力を持つ四王家に庶民を皇后にはできないと反対される第四弾。彼女を后として迎え入れるにはなかなか前途多難な現状。一方で宮廷巫女の試用期間も終わりに近づき、始皇帝の霊・天淵の記憶を取り戻すための手段を考え始める中、その最終試験として白焔の母で皇太后・翠琳の護衛を任される珠華。今回襲撃事件の末に黒幕的存在も明らかになりましたけど、千年前の因縁もいろいろ絡んで来そうな状況で、二人の目指す方向がややズレているのも気になるところではあります。
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よっち
家族を養うために田舎から都へ出てきた雨蘭。なかなか仕事が見つからず困っていた彼女が、助けた老人に紹介されて皇太子の花嫁探しに参加する後宮ロマンス。仕事を紹介してもらったと思ったら、良家の令嬢ばかりを集めた試験を皇帝廟で受けることになってしまい、場違いだと感じてむしろ得意な掃除や料理で居場所を得てゆく雨蘭。毒茶事件などにも巻き込まれてゆく彼女は、ポジティブで素直な性格の努力家でもあって、毒舌補佐官の明も気になっちゃいますよね(苦笑)戸惑いながらも愛されキャラになってゆく微笑ましい結末はなかなか良かったです。
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よっち
昭和の給食を食べていた世代からすると、だいぶ変わってしまった令和の給食。現役の学校栄養士で給食マニアとしても知られる著者があらゆる謎を徹底解説した一冊。校長も入れない関係者立入禁止の休息室、4つの提供方法と地方でのセンター方式が進んだ背景、自校方式での給食提供の一日から、給食に提供する食材事情や様々な工夫、献立作りの舞台裏から、給食の激動の歴史、給食を規定する様々な基準、給食とお金を巡る諸問題、栄養と美味しさのバランスの試行錯誤など、時代の変化もあり自分の知る給食とだいぶ変わってきているのを実感しました。
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よっち
政策を知ることは、現在直面している課題に社会がどう対応しようとしているのかを知ることでもある。図解で50の政策を説明し、社会を変えてきた政策から世の中のしくみを考える一冊。教育訓練給付制度やエンジェル税制、特許制度や同一労働同一賃金、男女雇用機会均等法や労働組合法、TPP11、ふるさと納税、地方交付税、ODA、介護保険制度、NISA、個人情報保護制度など、その法律や制度が作られた時代背景や意図がそれぞれ解説されていて、一方で時代の変化により新たな再構築が求められている政策もあっていろいろ参考になりました。
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よっち
今も伝わる55人の王につけられた綽名から、近代ヨーロッパのなりたちがわかる。ゴシップとスキャンダルに彩られた、華麗で野蛮な中世・近世欧州史を紐解いた一冊。暗黒時代だった9世紀のフランス・ドイツ・イタリアの元となったフランク王国の小王ピピンから、現代の国々の勢力図になっていった19世紀の二月革命で廃位されるフランス市民王ルイ・フィリップまで、残虐非道な謀略、親子兄弟の骨肉の争い、結婚や世継ぎを巡る醜聞、そこにカトリック教会など宗教を絡めた当時の情勢も色濃く反映された事情が伺えて、なかなか興味深く読めました。
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よっち
埼玉の結束を高めるため横断する武蔵野線構築を提案した麗。しかし東京への接続を重視して資金提供を渋る鉄道会社に対して埼玉に海をつくることを提案、和歌山県の白浜に向かう第二弾。砂浜を持ち帰るために向かった和歌山で船が座礁して、それを助けてくれた滋賀解放戦線のリーダーの桔梗。そこから関東と同様に関西の大阪を中心とする支配層と、支配される滋賀・和歌山・奈良の戦いに巻き込まれてゆく構図で、関東同様に各地域の特徴をデフォルメさせた濃い展開には苦笑いでしたけど、大阪化計画に立ち向かった結末にはらしさがよく出ていました。
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よっち
幸せな家族の子供を庇い死んだ天涯孤独で養護院育ちの主人公が、異世界の伯爵令嬢ユミエ・グランベルに転生して、崩壊した家族関係を修復するため自らの可愛さを武器に立ち上がるファンタジー。魔法の名門グランベル家の天使のごとき美少女に転生したものの、婚外子の自分のせいで家庭崩壊していることに気づくユミエ。そんな状況を変えるために複雑な想いを抱えている兄や母から健気にアプローチを始めて、最初は複雑な思いを抱かれていても、裏表のない真っ直ぐなあり方で周囲をメロメロにしていくユミルの可愛らしさがなかなか効いていましたね。
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よっち
野心家の異母兄ジークハルトに利用され、彼を王位に付けるために悪事に手を染め続けた挙げ句に処刑されたアリアドネ。後悔を胸に処刑された彼女がすべての始まりの日に戻るやり直しファンタジー。1度目の人生そのものが黒歴史で、その過去の償いと復讐を誓って悲劇を回避すべく動き出したアリアドネ。実は毒殺だった母を救い、王位継承者アルノルトに恩を売って庇護を得る一方、かつての記憶を活かして巧みにジークハルトたちを出し抜いた彼女の境遇が、以前は知り得なかった事実によって構図をガラリと変えていく展開はなかなか面白かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
勝負事にやたらと強い女子高生・射守矢真兎が文化祭での屋上利用を賭けたゲームに挑んだのをきっかけに、風変わりなゲームの数々に巻き込まれてゆく本格頭脳バトル小説。掴みどころのない彼女が勝負に挑む、生徒会役員の椚先輩に挑む罠の位置を読み合う地雷グリコ、出禁解除を賭けて戦った坊主衰弱、生徒会加入を賭けた自由律ジャンケン、星越高校と対戦しただるまさんが数えた、過去の因縁も絡むフォールームポーカー。瞬時に判断して駆け引きを繰り広げるゲームの醍醐味が詰まっていて、突き抜けた発想に何度も驚かされる展開は面白かったですね。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/08/23(4146日経過)
記録初日
2013/07/27(4173日経過)
読んだ本
12283冊(1日平均2.94冊)
読んだページ
3578758ページ(1日平均857ページ)
感想・レビュー
12171件(投稿率99.1%)
本棚
70棚
性別
血液型
B型
職業
専門職
現住所
埼玉県
外部サイト
URL/ブログ
https://yocchi.hatenablog.com/
自己紹介

こんにちは。普段は図書館と書籍仕入れに関わるお仕事をしています。仕事のついでに面白そうな本がないか探していて、とりあえず自分が読みたいと思った本さえ読めてさえいれば、わりとまあいいかと思えてしまう行動原理が少し残念な人。

好きなジャンルはボーイミーツガール、青春小説、部活小説、お仕事小説、ミステリ、冒険・中華ファンタジー、歴史・戦記、SFなど。コメディ調より落ち着いた雰囲気の物語志向。意外な展開や難解さがウリのお話も嫌いではないですが、どちらかというとベタで王道な構図が分かりやすい、最後は良かったなと思えるお話が好みです。

基本的には著者買いが多いですが、興味を持ったらテーマやジャンル・作家などにはあまりこだわらず何でも読みます。人に本を薦めるのが趣味の本を読むついでに人生を送る雑食系読書廃人。

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