読書メーター KADOKAWA Group

2024年12月の読書メーターまとめ

よっち
読んだ本
126
読んだページ
38329ページ
感想・レビュー
126
ナイス
4099ナイス

2024年12月に読んだ本
126

2024年12月のお気に入られ登録
4

  • ゆうすけ
  • ふうせん
  • Candice Huang
  • tonnura007

2024年12月にナイスが最も多かった感想・レビュー

よっち
夏休みのある日、伯父が営む古書店を訪れた大学三年生の吉乃。おすすめされた本をきっかけに不思議な読書会に参加する連作短編集。おすすめされた本にのめり込み、感想を交換する場がないことを話したことで提案された深夜の読書会。伯父の茂に吉乃、そこで出会った吉乃のゼミ仲間、非正規雇用の司書、グラフィックデザイナー、古書店のアルバイトの6人で始まった読書会の交流から、登場人物たちの背景も掘り下げられていったその結末は切なかったですが、本を読む楽しさだけでなく、彼女たちもそれぞれの問題に向き合っていく姿が印象的でしたね。
が「ナイス!」と言っています。

2024年12月にナイスが最も多かったつぶやき

よっち

2024年11月の読書メーター 読んだ本の数:118冊 読んだページ数:33551ページ ナイス数:4020ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/385946/summary/monthly/2024/11

が「ナイス!」と言っています。

2024年12月の感想・レビュー一覧
126

よっち
星殷国と特異な力を持つ東方の少数民族『影守の民』の巫女。契約により皇后となった姉ソマリが皇帝・瑛学に殺され、一族も滅ぼされた妹ククナが復讐を誓う中華後宮復讐譚。里の襲撃を逃れ、宮女として後宮に潜り込んだククナで出会う亡国の姫君で美貌の皇子・白悠の側妃となった夏麗、そして瑛学たち五常名君に妬まれて家族を殺された公主・紅蘭。彼女たちに導かれて、優れた統治者であってもどこか歪んでいる五常名君たちを相手に復讐の機会を伺う展開で、今回で早くも物語が大きく動いて、ここからどんな結末を迎えるのか続巻がとても楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
データ分析の強力な武器・計量経済学や、社会課題解決の切り札マーケットデザインなどを駆使して、世の中の難題を解くために経済学に何ができるのかを考える1冊。貧困をなくすためにポイントとなる欠乏感、数年前にはなかった子育て経済学、気候変動を抑えるための炭素税の効用、悪い行動を変えるには、必要なものを必要な人のものとに届けるには、幸せ/謙虚/お金持ちになるには、コミュニティを作るにはといったテーマに対して経済学の観点からポイントとなる部分を解説していて、やや概念的な感はありましたけど著者の情熱を感じる1冊でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
米国のエリート学生も、アドリブで話すのは苦手。とっさに話せるようになるためにいかに予め準備をしておくかを考える1冊。緊張したときに使う自分だけの「不安対策プラン」の作り方。即答力を鍛える6つのステップで、即興で自分らしく話を組み立てるための「型」を身につけることの重要性。雑談、祝辞・弔辞・紹介、売り込み・説得、質疑応答、フィードバック、謝罪といったよくあるシチュエーション6つの乗り切り方や会話例を知っておくなど、まずは心構えが重要なのかなと感じますけど、その上で必要な準備をしておくこともやはり大切ですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
時短はいいけど、現場が回らない。仕事の絶対量をどうやって減らせばいいのか、残業なしで生産性を効率的に上げて結果を出す方法を考える1冊。どんな努力にもリターンがある時代は終演を迎えていて、することを減らして徹底する、固定概念を一度捨ててやり方を再設計する、成長のサイクルをいかに促すかを考える、情熱と目的を強力なエンジンとするために一致するところに力を注ぐ、説得力を持たせるために理詰めだけでなく感情にも訴えかける、会議では優秀な個ではなく多様性を引き出す、などいろいろと意識していきたいことを教えてくれました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
空間の歴史を堆積した日常に残された最後の魔境、Y字路の謎。その「分かれ道」の全てを国内初の若きY字路専門家が語り尽くす1冊。Y字路とは一体どういうものなのか。Y字路の顔である角にある看板・広告から樹木・祠・時計・道標といったオブジェ、広場などの空間利用、そして様々なY字路の形。街道、地形、開発、グリッドといったY字路の形成過程を解説したり、Y字路の歌、マンガ・アニメ、Y字路で起こった事件など、丸ごと1冊がY字路について書かれていて、あまり意識したことがなかったですがY字路にもそれぞれの歴史があるんですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
仲間たちと観光旅行、ネフィとの挙式と寄り道をしながら魔王が集う終焉の地に辿り着いたザガンたち。現魔王が集う集会で最長老マルコシアスは驚くべきことを口にする第19弾。一年後、世界が滅びる状況をなんとかしたいと告げるマルコシアス。明かされる1000年前の戦いの真実。魔王たちの集会での自己紹介でなぜか愛する人を告げてゆくサガン一党には笑ってしまいましたが、マルコシアスが考える世界を救うための手段に納得がいかない魔王同士の戦いの思わぬ結末に、それぞれの思いが垣間見える仲間たちの奮闘に期待したいところではあります。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
魔物やる迷宮「ライブラリ」が存在する世界。辺境伯夫妻に拾われ、愛されて育ったルミが恩返しするために奮闘する魔法と書物のマジカルビブリオファンタジー。ルミが成人の儀式で神様から授けられたのは表紙だけのページがない魔導書。しかし現れた不思議な幼女ミカゲにより、それが特別な魔導書であることが明らかになる展開で、専属メイドのアーシェやその兄で傭兵のラルフを護衛に魔法を得るためにライブラリを巡る中で、魔導書とライブラリの謎も明らかになっていって、その力を活かして領地に訪れた危機に奮闘する展開はなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ヴェーベルン男爵のランドール公爵家の別荘に隠居して3年。ほとぼりが冷めた今なら理想のモブ人生を謳歌できるとウルトスが魔法学院に入学する第3弾。原作知識で目立たず過ごしたいのに、なぜか先に入学して高嶺の花的存在になっていたリエラが暴走して早々に頓挫したウルトス。ジークを女装姿で入学したと勘違いしたり、お互いに勘違いして噛み合わず、でも誰も気づかず状況が加速していく展開は今回も健在で、決闘が最低の決着を迎えたり、対抗戦の裏でゴミ掃除に暗躍するべく動いたりと、目立たず過ごすのには程遠い日々になってますね(苦笑)
が「ナイス!」と言っています。
よっち
迷惑配信者で世界ランカーのアレックスを倒したことで更に注目を集める迅の強さ。そこに冒険者協会から所属事務所を通じて能力再測定の打診が来る第3弾。ヒロインたちも改めて迅を意識していく中で、彼女たちと一緒に行われた能力測定。新たに登場したヒロインも冷静な実力者だったはずなのに、なんであんな残念な感じに(苦笑)相変わらず規格外の強さを見せる迅が、意外な動きをするモンスターから新たな可能性を見出すセンスは流石でしたけど、彼の行動原理はどこまでも麻耶で、Sランク迷宮が崩壊してもブレないスタンスは突き抜けてましたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
若くして騎士団長に上り詰めた剣と魔法の天才フランツ。先の戦争で武功を立てた彼が褒美として2年間の長期休暇を願い、かねてから憧れていた冒険者になるファンタジー。新人冒険者として世界を巡ることを目標に、世間知らずで規格外のフランツが冒険仲間マリーアをツッコミ役にしながら、通りすがりに魔物の巣窟を一掃し、孤児院の不正を見抜き、獣人族と交易を開拓したりと、かつての古巣も上手く使いながら国王たちも認める大活躍でしたけど、行き当たりばったりに見つけて解決した問題をフォローをする副団長はちょっと大変そうでしたね(苦笑)
が「ナイス!」と言っています。
よっち
〈南海〉で脅威の拡大を続ける【アビスシェルダー】。無敵の殻を持ち、増殖し続ける深淵の〈イレギュラー〉を相手に、シュウたちは対抗するべく策を練る南海編下巻。換えの利かないリエラ参戦に難色を示すバネッサたちのクラン<水底の乙女達>に勝負を挑み、奇策で実力を示したシュウ。結果として国家存亡の危機にグランバロアの<超級>たちの協力を取り付けることに成功したシュウとリエラが、総力を結集して【アビスシェルダー】に挑む展開はなかなか熱かったですね。その結末は必然だったのかもしれないですが、またいつかどこかで再会を期待。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
事務所発案で持ち上がった超大型企画「学力王決定戦」のお司会進行を任された蓮華。これを機に今まで交流のなかった一期生と交流を図ろうとする第2弾。全智をデキる美少女に育成しながら、ツナマヨとお泊りコラボを満喫する蓮華にもたらされた学力王決定戦の司会進行役。抜け目なく合間にリア友にもアプローチしたり同期と百合ゲーコラボしながら、堕とした相手の好感度管理や、一期生プロミネンスの勉強を見てあげたりと、着々と手を打っていくあたりは流石でしたけど、突き抜けたライバーたちが参加する企画本番は想像以上にカオスでした(苦笑)
が「ナイス!」と言っています。
よっち
アリシアのクソ上司で七大枢機卿の1人サラマンリウス枢機卿が彼女の愛猫とともに突如失踪して、さらには元魔王軍の侵攻によりアースヘルムが陥落する第3弾。平和的な解決策を模索すべく敵の将軍と接触するものの交渉は決裂。一方、英雄ヴァイスの愛剣を振りかざして戦況を一転させた謎の人狼の存在。魔王と元右腕を名乗る謎の悪魔憑き、シオンとヴァイス、そしてアリシアとクソ上司と、対照的なそれぞれの関係性が浮き彫りになってゆく展開で、上司をこき使う部下には苦笑いでしたけど、過去の因縁を決着させた2人の結末はなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
怜太の問題も一段落し、陽花里とのクリスマスデートを満喫した夏希。冬休み明けに仲間たちと再会し、これからの進路の問題に直面する第8弾。一周目と同じ理系に進むべきか、はたまた違う道を行くのか思案に暮れる中、それぞれの選択にも一周目とは違う選択肢が出てくる中で、夏希の影響で再びピアニストを目指すことを決めた唯乃が抱える問題がクローズアップされる展開で、どうすれば解決するのかなかなかデリケートな問題は、意外な方法が解決のきっかけになりましたね…。それにしても陽花里がヤバい性癖に目覚めていないか少し心配です(苦笑)
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ネガティブな感情は知らず知らずのうちに自分や他人にしている「期待」が生んでいる。ネガティブな感情に縛られず、メンタルを安定させる方法を考える一冊。自分や人生、周囲の人や会社、お金や社会に対して過剰な期待を抱かない。その辺肩の力を抜いて適当な距離感を意識して考えていくと、いろいろ楽になってストレスが減るというのは確かにありますね。「最善の選択ではなく選択を最善にする」という言葉も印象的でしたが、何事も自分の意識次第で見え方も変わってくるとは思いますし、何を選ぶかより選んだあとの行動を意識したいと思いました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ひとり旅を始めて5年。その魅力に取りつかれ、どんどんと行動範囲を広げていった日和が、鳥取で行われる見本市にアシスタントで行ってほしいと頼まれる第6弾。溜まったポイントを利用して企画切符での福島旅行、遠距離恋愛中の蓮斗に会う前に1人で長崎・佐賀を満喫したり、見本市のアシスタントとして赴いた鳥取の旅。行ってみたらままらないこともありますけど、臨機応変に自分でどうするのかを決められるのがひとり旅の気楽さですよね。毎回ちくちく言ってくる上司はついにパワハラ研修行きになりましたけど、果たして変われるんでしょうか…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
アルバイト先の先輩の肝試しに付き合うことになった高校1年生の琴夜彼方。しかし夜の峠道に一人置いていかれてしまい、途方に暮れた彼が不思議な美少女アリスと出会う青春ラブコメ。異世界から追放された自称・魔王アリスの力が封印されていた首輪をあっさり解いたことですっかり認められ、婿扱いされてアリスと同居を始めた彼方。彼女と魔眼を覚醒させてオカルト体験をしたり、無防備アリスとイチャイチャしたりする一方で、オカルトな職場体験をすることになって才能の片鱗を見せたり、これからいろいろありそうな2人のこれからが楽しみですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
次期女王の死を悲しむ陛下を慰めるため、色鮮やかな服を着るよう定められた北の公国で、復讐に燃える若き元伯爵夫人アナベルが、故郷を追われた訳あり元従僕シロと出会う復讐劇。北の公国で唯一黒衣を身にまとい、冤罪で処刑された最愛の人のため、悪女と化してでも徹底的な復讐を決意するアナベル。特異体質ゆえに居場所を失ったシロが、美しくもどこか普通ではない彼女のもとで働き始める過程で遭遇した結社の所業はなかなかおぞましいものがありましたけど、アナベルとシロの意外な繋がりも気になる一方、第二皇女の所業もなかなか衝撃的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
病気により人生を終える直前、祖母から魔法の知識と魔力を与えられ、異世界へと送り出されたマイ。異世界での暮らしに慣れた彼女が王都の行き止まりにカフェ『隠れ家』を開く物語。魔法が使えるために、生活にそれほどでも切実というほどでもなく、のんびり開店しているお店に、マイの料理や人柄に魅せられて連日通うようになるお城勤めの筆頭文官ヘンリー。ふとしたきっかけからヘンリーの秘密を共有するようになってゆく一方で、マイの祖母もかつて異世界に住んでいたことが明らかになって、2人の関係がこれからどうなるのか今後が楽しみですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
人形には悪魔や呪いが潜むと忌避される世界。両親を殺されてから人間に対し壁を作っていた少年ジンが、人形に封じられていた悪魔と契約し『両親の蘇生』を試みるファンタジー。妹のためにと焦る想いが空回りして、悪魔に妹アインの体を半分人形に作り変えられてしまい、彼女の身体を元に戻すべく悪魔を追う展開で、少し変わった解体師ゲルドリオたちにも出会って協力関係を結び、兄思いな妹にも助けられながら、悪魔が振りまいた呪いに振り回された人々の想いに向き合ってゆくジンの成長があって、かけがえのない兄妹の絆もなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
目の前で女の子が車に撥ねられ、初めて禁忌と知りながら家入ナギに魔法を使ってしまった斬桐シズキ。「破壊」魔法以外は下手で助けたナギを猫にしてしまう退廃的青春ファンタジー。『魔法憑き』は魔法を使えるようにならないと魔物になってしまうタイムリミットがある中、師匠の千歌にも力を借りて特訓を始めるものの、彼女の魔法がなかなか発動しないことに何かを隠す師匠、どこかちぐはぐなナギ。その真相は斬桐シズキの記憶の空白にも繋がっていて、目をそらさずに過去に向き合って乗り越えた2人のやり取りがとてもこの物語らしい結末でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
勇者により魔王は討ち倒されたはずが、決戦時の強大な魔力の余波が滅びをもたらしてしまった世界。勇者一行の一人だった魔法師エルメがアンデッドの少年と旅に出る物語。一行唯一の生き残りで何とか復命したものの、お前たちのせいだと糾弾されて大切な人を失い、自らの死期もそう遠くないことを悟ったエルメ。孤独となり自身の存在意義と未来を見失った彼女と出会ったディート。自分にできることを求めての果てしない旅はなかなか胸に来るものがありましたけど、何度も歴史を繰り返す定めの中で、ようやく引き寄せた結末はなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
身も心も親密になり、仲睦まじい関係を築いていく明人とシャーロット。いよいよシャーロットの誕生日を迎え、花音や華凜、有紗たちを招いて新居でお祝いすることになる第7弾。各々が用意してくれたプレゼントに感激するシャーロットに、サプライズでリヴィまで現れ、賑やかに進んでいく誕生会。しばらく日本に滞在するリヴィと年末年始をリヴィと過ごすことに決める展開で、岡山城などご当地ネタも出てきたり、いろいろと一緒に楽しむ中で、より親密になったからこそ重いシャーロットには苦笑いでしたけど、これからますます賑やかになりそうです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
社内恋愛で3年付き合った年上の彼女に素っ気なくフラれ、傷心独り身となった幸大。行ったこともないバーで長身の自分より遥かに小さくて、元気いっぱいな小柳さんと出会う社会人ラブコメ。聞けば彼氏に浮気された挙句、フラれたのだという小柳さん。振られたもの同士すっかり意気投合して、うっかり一夜の関係を持って始まった関係が思いの外居心地が良くて、だからこそ突然の急展開とそれでも諦めない幸大の頑張りが光りましたけど、意外な繋がりも明らかになる中でしっかりと寄り添い、一緒に乗り越えてみせた2人の結末がなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
剣聖を目指す主人ロザレナと共に聖騎士養成学校に入学した元剣聖が転生した現美少女メイドのアネット。寮長オリヴィアから縁談阻止に協力してほしいと相談される第3弾。毒蛇王クラスとの学級対抗戦への準備を始める一方、オリヴィアから相談を受けて向かったバルトシュタイン家で、期せずしてアネット自身の出自や親の仇、過去の因縁など様々なことが明らかになる展開でしたけど、物語としても大きく動きそうな予感がある中、前世の剣聖時代は全然モテなかったのに、今はヒロンたちにモテモテでロザレナをヤキモキさせる構図が微笑ましかったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
英雄フウガの築いた時代は終焉を迎え、国王ソーマが中心となって再分割された南の世界。南半球で平和を謳歌し、北の世界で刺激的な冒険を楽しむ新時代のその後が描かれる第20弾。パルナム城にて敢行されたプロポーズ大作戦、ソーマの隠し子騒動やゴリラ航空の開業、レムス国王夫婦の滞在記や平和になった時代の新規産業、統一されたガーラン精霊王国の様子やユリウスたちの王国再建記、ユーフォリア王国とハーン大虎王国の関係、ソーマの八人目の妃の話など、それぞれのその後の様子やソーマが引退してからの様子も丁寧に描かれていて満足でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
自転車の修理をキッカケに始まったクラスカーストトップの美少女ギャル、溝口星架さんとの交流。純情ヨワツヨギャル星架がマイペース陰キャ男子・康生の過去を知る第2弾。かつて幼馴染だった過去も共有して、星架のポジティブな性格や行動力に触発されて、色々と振り回されながらも次第に変わり始める康生。2人が一緒に楽しく過ごす時間が増えて絆を深めていく中で、明らかになってゆく康生の過去。いろいろ迷いながらもすっかり恋する乙女な星架がなかなか可愛かったですけど、彼に寄り添って一生懸命考えようとするその姿がほんといい子でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
勇者召喚と時を同じくして選定されるはずの聖女が、なかなか表舞台に現れないことに不審に思った番藤たちが、聖女を探すためにアルマ神国へと赴く第2弾。なんとか中央神殿に忍び込んだ番藤たちが目の当たりにする石化した聖女。そのまま聖女を攫いリザーズが聖女を手に入れたと宣言する番藤たち。帝国の初代皇帝を使役するリリナナに本音をぶちまける聖女に対して、虚名ばかりが膨れ上がって困惑するコルウィルは大変そうでしたが、まさかあんな世紀の茶番がまかり通るとは思いませんでしたね(苦笑)やりたい放題な番藤たちの今後の新展開に期待。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
故郷である帝国の危機を救ったユージン。無事に帰省を終えると、迷宮都市はすっかり学園祭ムード一色で、武術大会の優勝者と対戦することが決まってしまう第4弾。100層突破の恩恵の神器を受け取ったユージンが、恋人であるスミレやサラに誘われて屋台を巡ったりと学園祭を楽しむ一方で、天頂の塔で大規模な魔物暴走を発生させた迷宮主が新たな神の試練を発動してしまう展開で、今回は新たな迷宮主がわりとメチャクチャな感はありましたけど、彼を助けるヒロインたちの力も借りながら絶望的な状況を打開する熱い展開がなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
動揺を隠せぬまま『組織』と正面衝突する窮地を、エルメスの師匠『空の魔女』ローズの介入で凌いだエルメスたち。王都に向かう中で在り得てはならない魔物が立ち塞がる第8弾。ローズを陣営に加え、第二王女ライラの貴族を動かす才能にも助けられて『組織』が世界を滅ぼすための最終準備を進める王都に向かうエルメスたち。その道中でエルメスの天敵とも言える未知の魔物と遭遇する展開で、これまで強者だったエルメスがそうでなくなりつつあることに状況の厳しさを改めて実感しますが、そんな局面を打開してみせた意外な存在の覚悟が印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
文化祭のライブステージに向け練習する恋人の由那と凜花、幼馴染の真希奈を陰ながら応援する間四葉の前に、真希奈と同じアイドルグループの来馬ミオが現れる第5弾。真希奈を連れ戻したいミオの真意を知ってある賭けをすることになった四葉。そのためにミオを文化祭に潜入させるとかいう波乱が起きそうな予感しかしない展開で、真希奈がステージで由那と凜花との勝負を意識する一方、いつの間にかミオと仲良くなる四葉とかいういつもの構図になりかけましたけど、学習した由那と凜花の対処がだいぶ上手くなってきたのをしみじみ実感しました(苦笑)
が「ナイス!」と言っています。
よっち
互いの孤独を埋めあい、光莉の隣に温かな居場所を見つけつつあった悠。これからのことを考えるため光莉と初めて出会った公園へ向かった悠が思ってもみなかった再会を果たす第2弾。アパレル関係に就職するという夢を叶えて上京した元恋人・白澤春佳との再会。そして偶然春佳と知り合いになった末に、彼女が悠の元恋人だったと知ってしまう光莉。悠が光莉に貸した漫画の印象的な言葉が何とも重くのしかかって、どうしてこうなってしまうのかともどかしくなる展開でしたけど、覚悟を決めてようやく過去を乗り越えたこれからの展開に期待したいですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
アルテアに閉じ込められてしまった雪花小学校6年1組。まだ幼き彼らは、生き残るために悪魔との共生あるいは依存を深めていく第3弾。ユウマたちはこの世界の脱出のためクラス全員で協力する体制を築こうとするものの、予期せぬ裏切り者の襲撃により次々と石化してしまう仲間たち。目的のわからない襲撃、信頼していた者の裏切り、新たに判明した悪魔化の存在。そして妹のサワに続く愛莉亜の悪魔化。4階に避難したクラスメイトの事情や、悪魔化についての様々なことも明らかになっていく中で繰り広げられる対立は小学生にはなかなか過酷ですね…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
オスマン帝国はなぜビザンツ帝国を滅ぼすことができたのか。稀代の征服者メフメト2世がもたらした一大事件の世界史的意義について考える1冊。コンスタンティノープルを陥落させたメフメト2世が皇帝に即位した背景から陥落に至る経緯、オスマン帝国はどのように台頭していったのか、メフメト2世たちはいかに帝国の礎を築き上げたのか。コンスタンティノープルも往時とは比べるべくもなく、当時は思っていたほど歴史的意義を見出されていなかったそれが、後世になって帝国が中央集権化を進める契機として再評価されていったのは興味深かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
宮城では帝が崩御間近にあるという噂がささやかれ、揺れる後宮には不穏な気配に漂う中、玉座の交代が起これば自身の身にも危険が迫る延明は宮中に潜む間諜の捜索を急ぐ第7弾。調査書から判明した桃花の父・羊角莽に、桃花以外の子がいるという事実に、揺れる内心を振り切って調査を続ける延明。嵐の去った後宮では二つの死体が見つかり、事件性はないと判断されたものの不自然な点も多い展開で、桃花の変化をしみじみと実感しますが、一方で覚悟は変わらない彼女に延明が複雑な思いを抱く中、大きく事態が動きそうな今後の展開が気になりますね…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
チェーンレストラン店舗でやりがいのある日々から、数年後に製菓部への異動を告げられたかなめ。戦力になりたいという思いに焦る中「キッチン常夜灯」を教えてもらう第3弾。頭の固い製菓部長のもと閉鎖的な部署で空回りする日々で、楽しそうに働く幼馴染に再会して焦りが増していくかなめ。そんな時に紹介されたお店での交流と料理を通じて、改めていろいろなことに向き合ってゆく展開でしたけど、パートさんとの関係はあるあるだなあ…と思いながら読んでいましたが、本音でぶつかり合う中でいろいろと変わっていった結末はなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
現実に少し疲れた人の前に現れる、豪華なビストロとめくるめく料理、そして謎に包まれたシェフ。美味しい一皿と再生を描いた連作短編集。彼は後輩と結婚して仕事もクビになったマチコ。美容サロンを経営して再婚相手を探す雅。検索して好条件につられて興味を持った可憐。婚活アプリ経由で彼女たちをビストロに招待して美味しい料理でアプローチするシェフの試みは失敗するものの、彼女たちも美味しい料理を堪能する中で大切なことに気付かされて、シェフとお手伝い・すずとの仲直りに協力してくれた彼女たちとの今後をまた読んでみたくなりました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
校内三大美女に想いを寄せられてヒモになった京坂京。しかし校内では三大美女と京のゴシップが流れ、3人の創作活動ではスランプ問題が発生する第2弾。3人のお世話をしながら迫られるままにプールで密着したり、水着選びに付き合ったりと、刺激的なヒモ生活を送る京の苦悩。このままでいいのかと妹に相談しながら、彼女たちとの距離感を試行錯誤する一方、広がっていくゴシップに思いがけない形で陥った桜のスランプ。彼女たちそれぞれの想いも浮き彫りにされてゆく中で、向き合って自分に何ができるのか懸命に考える京がなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
無名が知らぬ間に転校していたことを知った無色と瑠璃の姉・玖珂惑香。その理由に納得しない惑香を説得するため、〈空隙の庭園〉学園祭・庭園夜会に招待する第7弾。転校の理由を問われて想い人の存在を告げるものの、納得しない惑香に久遠崎彩禍を紹介することになった無色。しかし彩禍が無色であることが一瞬でバレてしまい、窮地に陥った状況で烏丸黒衣が惑香に勝負を挑む展開で、これまで登場したキャラたちも集結する学園祭のあれこれも楽しかったですし、最強の保護者相手に苦闘する中で自らの想いを自覚してゆく黒衣の動揺が可愛かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ダンジョン探索に記録が義務付けられた世界。コミュニケーションは苦手だけれど最強な「日療の白石」さんが、人助けしながら成長するダンジョン配信ファンタジー。コミュニケーションが苦手ゆえに無言配信を続け、窮地に陥った探索者たちを黙々と救助しながら、魔物を瞬殺して名乗りもせず去っていく白石さん。彼女が大手医療法人にスカウトされて国内初の迷宮救命士として活動を始める展開で、人を救うことを諦めない白石さんがカッコよかったですし、孤独で無茶をしがちだった彼女を叱ってくれる周囲の大人たちの存在もいい感じに効いていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
結城学園との合同体育祭の準備を進める最中に、咲人の褒美を巡って千影も光莉が盛り上がる一方、幼馴染の柚月からも咲人に対して体育祭で勝負が持ちかけられる第4弾。体育祭で勝負して勝った方が咲人から『特別なご褒美』がもらえると聞いて、熱いバトルを繰り広げおねだりも加速する千影と光莉。事情を知らない柚月から持ちかけられた勝負もあって、グイグイくる2人にドキドキしながら、彼自身もまた自らの力で子供の頃からの因縁と想いに決着をつける展開がなかなか良かったですが、それだけに最後の急展開が何をもたらすのか気になりますね…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
校内一の美少女として有名な緋奈藍李。雅日柊真にとっては姉の友達でしかなかった先輩からぐいぐいアプローチされて甘やかされる青春ラブコメ。最初はまともな会話すらしたことがない顔見知り程度の関係だったのに、姉の代わりに先輩の家へお見舞いに行ったのをきっかけに、緋奈先輩の方からぐいぐいアプローチして甘やかしてくる展開で、その攻勢に最初はたじたじになりなって、戸惑いながらも周囲に秘密の恋人(仮)の関係になって、それでもそれをきっかけに彼女にふさわしい存在になろうと努力するようになってゆく姿はなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
貴族ばかりの魔導学園に特待生として入学した平民のハイム。周囲に蔑まれるのも気にせず魔術を研鑽していたある日、王女の正体を知ってしまうラブコメファンタジー。ハイムを気にかけてくれるクラスメイトの女の子フィーアは、実は変身魔法で下級貴族の娘として通っていた第三王女で、懐いてくる彼女と甘い関係を築いて秘密を共有しながら、フィーアを狙う傲慢貴族と対峙していく展開で、これまで悪目立ちすることを避けるために実力を加減していたハイムが、彼女とともにあるために覚悟を決めてその実力を見せる熱い展開はなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
周囲に恋愛や結婚を促され続け、居心地の悪さを感じていた咲子。彼女がアセクシュアル・アロマンティックを自認する高橋と出会い、世界が変わってゆく物語。これまで誰にも恋愛感情を抱かず性的にも惹かれなかった咲子が、高橋が書いたブログの内容に共感して、自分たちなりの生き方を模索すべく始めた共同生活。始めはそれを理解できない家族、同僚、元彼や、ご近所といった周囲に波紋を広げていきますが、形にこだわらずにどうすればお互いらしく生きていけるのか、話し合いながら考える二人の生き方を通していろいろ考えさせてくれる物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
五年付き合った彼氏から突然の婚約破棄を告げられ、恋人と住処をなくした派遣社員の水沢恵麻。そんな彼女が夜から朝まで「見守り屋」の見習いとして働き始める物語。失意のどん底にあった恵麻を救った便利屋「中野お助け本舗」の亀山と犬森祥子。見守り屋見習いとして働き始めた恵麻に、祥子が仕事終わりの贅沢朝酒の喜びを教えて、見守り屋をしながら気持ちのいい食べっぷりで美味しいご飯とお酒を堪能して、少しずつ心の傷を癒やしていく様子はなかなか良かったですけど、果たしてよりを戻してしまって良かったのか、ちょっと気になる結末でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
昔は仲良かったのにすっかり険悪になってしまった真島伊織と幼馴染・東雲氷菓。そこにもう一人の幼馴染、雨夜陽が転校してきたことで伊織に対する態度が変わってゆく青春ラブコメ。中学時代にすれ違い、高校デビューした氷菓と距離ができていた状況で転校してきた陽。男だと思っていた彼女は美少女に成長していて、もう一人の幼馴染の急接近に心穏やかでない氷菓。屈託のない陽のお陰で2人の関係も少しずつ取り戻していって、それでもなかなか根の深いこじらせっぷりでしたけど、本音でぶつかり合ってかけがえのない関係を取り戻せて良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
地下教団テドラに町を壊滅させされた幼き少年キーファ。教団と対立する軍部に保護され士官候補生となった彼が、武器密売組織殲滅作戦の中で少女と出会うスピンオフ小説。再会したのはかつて死んだはずの幼馴染で、宿敵である教団テドラに所属するミリアムで、2人の再会が記憶の奥底に封じられた『地下に眠る大きな卵と、その扉』の真相へと繋がる展開で、謎の力を追い求めていくと登場人物どんどん死んでいったりとか、あの2人は今回出会えた時間が短すぎたなとかいろいろありましたけど、それでも幼馴染2人があの結末を迎えられて良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
アニメ化もされた大人気少年マンガ『超絶テニス燃くん』の熱烈なタクである大学生の美影。原画展のメッセージコーナーにあった池袋にあるシェアハウスの入居者募集に応募する青春群像劇。入居条件は『ちょテニ』の同人活動をしていること。集まったBL好きの美影、夢女子OLの舞、コスプレイヤー大学生・直輝、神絵師メシウマ太郎ことヒデで同居生活を始め、冬コミで合同アンソロジーを出すことを目指す展開で、それぞれの事情を掘り下げてゆく中で助け合い深まってゆく絆があって、かけがえのない居場所になってゆく結末はなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
花絲の街で不思議な落ち着きを持つ少年・薄藍に出会った真緒。ちょうどその頃、亡びた神在たちが作った組織「埋火の聲」が動き出し、2人も巻き込まれてゆく第7弾。家出娘を探している薄藍に協力したお人好しの真緒は攫われてしまい、終也も不躾に好意を寄せてくる外つ国の恰好をした女・琥珀と再会して、2人の運命の真相を知り、彼らの関係を引き裂こうとする一方、「埋火の聲」が起こした事件で真緒が大事な手を負傷してしまう展開でしたけど、そんなことでは揺るがない2人の絆は良かったですし、立ち向かう終也の姿に心境の変化を感じました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
皇族の生まれながら父親が謀反の冤罪で処刑され奴隷に身を落としていた翠鳳。彼女が皇帝の命で和平の証として遊牧民族の北宣に偽公主として嫁ぐ中華ファンタジー。皇太子の実母は死を賜る子貴母死の慣習がある北宣へ嫁ぐことを公主が嫌がったことから、代わりに送られることになった翠鳳。道中は海賊に襲われ、従者にも嫌われて一人嫁ぐことになった彼女が、文化や価値観の違いから嫌がらせもある中、皇太后という権力者と悪習は変えていこうとする皇帝・永昊の対立や思わぬ騒動もありましたが、前向きに周囲に味方を増やしていく姿が良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
宗教や科学をメインテーマに人々を翻弄する陰謀論も絡めながら、虚実織り交ぜた終末世界を生きる人々の抗う姿を描いていくSF短編集。七十人訳聖書の物語ゲノム解析、天皇に奉仕してきた一族の末裔の想い、SNS上のカリスマアカウントを崇拝する覚醒者たちの白昼のオフ会、人類最後の宗教とゼロの扱い、科学が支配して神の存在を認めると重罪になる世界で証明した神の存在、自転が止まった地球で昼と夜の境目に生きる若者たち。テーマとしてはやや難しく読む人を選びそうな感もありましたが、そんな中でも生きる人々の姿がなかなか印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
魔王を倒すべく立ち上がった勇者を支えるため、王に選ばれた戦士、魔法使い、僧侶、そして営業のハヤシ。異世界からやってきた彼が勇者パーティを救う英雄譚。黒服のうさんくさい笑顔の一方で、ステータスはごく一般人のハヤシ。最初はパーティーに必要なのか懐疑的だった仲間たちも、ブラック企業で鍛えられた観察眼や、エルフや冒険者に否定的な村人、挙句の果てにはドラゴンまで懐柔してしまう巧みな交渉術ですぐになくてはならない存在になっていって、目立たないハヤシの縁の下の力持ち的な頑張りを素直に認められる勇者たちも良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
交際開始からもうすぐ一年の押尾君&佐藤さん。そんな中、志望大学の下見も兼ねた二人きりの東京旅行が決定して大学生活への夢が広がる第10弾。初めての東京旅行に浮き立つ2人のもとに届く、10年前に亡くなった颯太の母へ向けた有名な絵本作家からの謎のメッセージ。さらに学生インフルエンサーから2人をプロデュースしたいと誘われる展開で、両親たちの思わぬ繋がりだったりエピソードを知る一方で、2人も今後に向けてどうするのか、なかなか大きな決断を迫られる展開でしたけど、悩みに悩んだ2人の結論がとても彼ららしいなと思いました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
島を統治するエメラルド家と、反発する南部貴族たちによる〈南部戦線〉の激しい内戦が繰り広げられる島国オズ。その歴史に刻む最大の戦争の幕が切って落とされる第6弾。〈南部戦線〉を指揮する魔女グリンダ・ポピーと接触したハルカリとネルたちは、勃発したエメラルド家傘下の他家との戦闘に巻き込まれてゆく展開で、そこに九使徒やいつもの面々も到着するなかなかカオスな展開で、掘り下げられたドロシーの過去はなかなか印象的でしたけど、モネとの関係がどういう結末を迎えるのか。仲間を見捨てられないロロたちの今後も気になるところですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
物理学的にあり得ない宇良々川さんと、彼女の秘密を知った物理学信奉者のハカセ。交通事故で負傷した自分の代わりに人力飛行機のパイロットに勧誘する青春グラヴィティ。無重力状態で物理的に浮いている宇良々川さんがパイロットになれば、鳥人間コンテストで大会新記録を出すことも夢ではないと、彼女を何とか飛行機部に勧誘しようとするハカセと個性的過ぎる部員たち。彼女の誰にも話せない事情に向き合い、協力するようになってからも思わぬトラブルに直面して、それでも様々な困難を乗り越えてコンテストに挑む熱い展開はなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
京都から遠く離れた能登の実験所に飛ばされた大学院生・守田一郎。文通修行と称して京都の仲間や家族、家庭教師先の少年、作家の森見登美彦らに手紙を書く書簡体小説。クラゲの実験のために不本意ながら能登の実験場に飛ばされてしまった守田の様子が、知人に宛てた手紙の形で綴られていて、彼視点のみで書かれるがゆえに、読書側にもいろいろ想像の余地を多く残す内容になっていて、彼からいきなり僻地に飛ばされて暇を持て余していたらこうなるのも無理ないよな…と思いながら読みましたが、伊吹さんへのもどかしい手紙もまた微笑ましかったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
どんな相続問題もズバッと解決する相続関係専門のゆずりは相続法律事務所。型破りな弁護士の縦横無尽な活躍を描くリーガルミステリ。脱法的ともとれる強引な手段で、数々の困難な依頼を解決してきて、ありえない額の報酬を請求するにも関わらず、依頼はひっきりなしの竜胆杠葉。そんな事務所に持ち込まれる、ペットに財産を相続させたい愛猫家の老人、デジタル遺品や、消えてしまった相続人、断固拒否する相続人。一見難題と思える案件に法律事務員の蓮里とともに向き合って、考え抜いて顧客からの期待に応えていく展開はなかなか面白かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
うっかり死んで黄泉がえりの代わりに、泰山府君の現世での仕事を手伝うことになった藍夏月。代書屋と写本府の女官の二重生活をする中、城門で王妃の侍女の変死体が見つかる第2弾。泰山府君によると冥府から逃げた鬼が事件と関係あるらしく、その捜索を命じられる夏月。そして事件後から姿を消してしまう、女官として働く写本府の上司である洪長官。結果として派閥争いにも巻き込まれてゆく中で、彼女はなぜ難解とされる古文書を読解できるのか、夏月自身の出自もポイントになってきそうですが、王朝のこれからや夏月の選択も気になるところですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
恥じらう双子の妹たちが巻き起こす、止まらないハイテンションラブコメ。恋に決着を付けるため、選ばれた舞台は夏の海で、水着姿のヒロイン四人が、ちょっぴりえっちな恋愛実験に挑む第3弾。女のままで恋をしたい千秋。女の千秋に恋をしていているが、きょうだいで付き合いたくはない楓。男の千秋を彼氏にしたいメイ。まったく条件が合わす、各自の想いを貫くための「恋愛勝負」を始める中、急遽参戦する十五歳の姿に戻った夕子。カオスな状況にさらに全て満たすライバルをぶっこんでくるフリーダムな著者さんにいいように振り回されました(苦笑)
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ゲーム『アルテナ・ファンタジア』のラスボス配下として処刑されるモブ悪役貴族クラウスに転生してしまった主人網が、理想のラスボスを目指す勘違いモブ悪役ファンタジー。悪逆非道の暴君を目指すため、まずは強くなろうと地道な努力を積み重ねる一方、貴族の立場を利用して悪評を広めようとするものの、打つ手がことごとく裏目に出てしまい、望んでいないのに評価を高めていく展開には苦笑いでしたけど、同様にヤンデレ気味のメイドや王女たちの好意もしっかり稼いでいて、ヒロインたちを絡めて物語をどう動かしていくのか今後の展開が楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
学内の姫ヶ咲学園総選挙が7位と惜しくも姫6入を逃した妹の彩音。彼女に弱みを握られた兄の神原佑真がほかの姫たちを攻略するミッションを課される青春ラブコメ。横暴な妹に進捗を報告しながら、隣の席の男子に告白される風の妖精や中学時代の同級生でもある土の女神、意外な接点があった火の姫王子や氷の姫君たちにアプローチしていく展開で、様々な思惑や駆け引きが絡まり合って、佑真の前に姫が増えていく異様な状況の中で、そこから一気に流れを引き寄せてみせたしたたかな急展開は圧巻でしたが、ここからどう動くのか続巻がとても楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
高校に飛び級した八歳の天才少女・星宮ひめ、見た目はお姫様のように愛くるしいものの、誰ともか関わろうとしない彼女と少しずつ交流を深めていく青春ラブコメ。かつて迷子になった彼女を救ったことがあり、甘いお菓子をあげたことをきっかけにひめに懐かれてしまう陽平。彼の義妹になるために美少女と名高い姉の聖と結婚させようとするあたりは微笑ましかったですけど、姉の聖もまた人に言えない悩みを抱えていて、姉妹たちを上手くフォローする陽平を聖も認め、ひめもまた無自覚に惹かれていく中で、3人の関係がこれからどうなるのか楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
サンタとの出会いをきっかけに再び短歌の道を歩むと決めたスクイ。復帰のため歌集の発売とともにサイン会に臨む彼女に、元クラスメイトの白鳥求歌が立ちふさがる第2弾。なぜかスクイに対し敵意を持ち、サンタも巻き込んでスクイに短歌と都々逸による異種対決を突きつける求歌。そんな彼女に振り回されながら、明らかにされてゆく2人にあった過去の因縁。相変わらず詩織さんも存在感を見せる中、心揺れるスクイの心境がなかなか難しいと思いながら読んでいましたが、2人に向き合ってその仲を取り持つために奔走したサンタの頑張りが印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ギルドによるオリハルコン強制徴収を受け、不満を爆発させた『学区』生徒たち。オラリオとの全ての交流が断ち切られ、オラリオと学区の代表試合が開催される第20弾。ヘスティアのファミリアに派閥体験にやってきたニーナと、彼女を伴っての深層遠征。オラリオが代表試合に振り回される中、密かにレオン先生やニーナと冒険に出るベル。そこにはベルも知らなかった危機的状況と、学区の果たしていた役割があって、急成長を続けるベルに対する期待の高まりを感じましたけど、密度の濃い今回のエピソードを吹き飛ばすような結末には衝撃を受けました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
経済成長の起爆剤として期待されるイノベーション。「人」の観点から検討し、創造の促進は元より、破壊の打撃を軽減する方策を考察する1冊。イノベーションは将来への新しい希望であると同時に、「創造的破壊」と言われるように、人々のスキルや生活の基盤を壊す側面もある。創造する人、破壊される人にはどんな特徴があるのか。またイノベーションには必ず既得権益の抵抗があって、以前は利益を保護していた政府も変わりつつあること、リスキニングとはいっても意識改革含めた自己責任化しつつある社会で、それを考えるいいきっかけになりました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
しがないフリーライターの世良未散のもとにもたらされた「女子中学生墜落死事件」の執筆依頼。そこにかつての親友・古沢福子から連絡が入るサスペンスミステリ。高校時代、未散にフリーライターの基礎を教えた指名手配中の福子からもたらされるヒントもとに、転落死事件やストーカー事件の真相、弁護士一家心中事件、四歳の孫を滅多刺しにした事件、強盗未遂事件の背景といった知られざる側面を浮き彫りにする展開で、その中で描かれる福子の過去はなかなか壮絶でしたけど、時が経ってもらしさを失わない2人の変わらない関係が印象的な物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
本当にあの日に戻ることができたなら。切実な思いが叶える鎌倉一条神社で様々な過去の後悔を抱えた人々に時帰りへの道が開かれる短編集。参拝客も少なく、イケメン宮司と美人巫女の兄妹が切り盛りする貧乏神社にやってくる、高校生の時の告白を取り消したい女性に、ストレスを抱える前に戻りたい会社員、失言をやり直したい妻、仲違いした友だちと約束通り祭りに行きたい男の子、愛娘が事故で亡くなった前日に戻りたい夫婦。やり直したことで、当時は知り得なかったことに気づいて前に一歩踏み出すきっかけに繋がるそれぞれの結末が印象的でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
杜ノ国の諍いをおさめ、国の中枢・水ノ宮に玉響とともに入った真織。二人は御供山の巨人の神に、在るべき場所に帰れない祈り石があると知らされる第3弾。期間限定で真織は神王、玉響は神宮守の代理として水ノ宮で暮らすことになる中で、北ノ原の社に残りの石を帰した2人。現れた神々の路に取り込まれて思わぬ場所に向かうことになって、やるべきことを成したその後が気になる展開でしたけど、大規模な治水工事を計画する黒槙と、いい顔をしない緑螂の確執も少しずつ変化を迎えてゆく中で、それぞれの成長と変わらない絆が感じられる結末でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
視能訓練士資格を手にした野宮恭一が、街の小さな眼科医院の人の良い院長に拾われて視機能を守るために働きはじめる連作短編集。国家試験に合格したもののなかなか就職先が決まらなかった野宮。最初は不器用だった彼が凄腕の広瀬先輩にフォローされながら向き合う、女の子の視力が落ちた原因、カラコンをする女性の目の痛み、緑内障の治療に通う患者たち、薬局の隠居老夫婦、原因不明の視力低下に悩む少年。出会った患者や周囲の人と真摯に向き合い続けた野宮が多くの気づきを得て成長し、信頼されるようになってゆく姿がとても印象的な物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
占い雑誌「ルナノート」が次の号を最後に休刊することになり、本社の上司との面談に臨む高屋たち。一方桜子は、両親が海外から帰国で神奈川での同居を打診される第4弾。高屋と桜子それぞれに訪れた転機。昨今のご時勢を考えれば雑誌媒体のWEB移行はいずれという感はありましたけど、最後に何ができるのか一生懸命考える展開はなかなか良かったですね。一方で大学進学や執筆活動、秘めた思いといろいろ悩ましかった桜子も、確実に変わりつつあると感じながらも、それでも未だに鈍い高屋相手によく頑張ったな…と思える結末が微笑ましかったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
少子化にもかかわらず、事体が深刻化するのはなぜか。過密化する業務、増大する非正規、軽視される専門性など、問題の本質を独自調査で追究する1冊。新学期に担任の先生がいない、病休の先生の代理が見つからないなど、ギリギリの状況が続く教育現場と文科省の教員不足調査における換算数と実数の乖離。状況には自治体・地域や学校、教科、雇用形態などいろいろな要素が絡むわけですけど、いずれにしてもその教員不足は教員たちの自己犠牲でカバーされていて、それは何かをきっかけに破綻してもおかしくない、危ういものだという認識は必要ですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
2014年刊行の『地方消滅』以降の変化を変化を踏まえて、最新のデータを確認し、各界の有識者の知見を踏まえ、超少子化や自治体が抱える困難などを論じる1冊。10年経過したことを踏まえてあれからどう変わっているのか。消滅可能性自治体の状況や全国1729自治体リストから見えた地域の特性、人口減を止められなかった10年を受けて外国人・寄合・デジタルをどう考えるのか、これからを考えるうえでの3つの課題、これから取り組むべき人口戦略、人口減少をどう読み解くか。認識を共有して他人事にならない意識は必要なんだと思いますね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
法学者・元裁判官の著者が日本人の無意識下にある法意識に光を当て、そこから日本社会の問題の前近代的な部分やムラ社会的な部分の問題を照らし出す1冊。古代から近世に至るまでの日本法の歴史との性質から、ヨーロッパ法の影響を強く受けた明治以降に至る変化。婚姻や離婚、親権をめぐる法意識や犯罪や刑罰の法意識、冤罪に関する裁判官や検察のあり方、権利や契約などをめぐる法意識、裁判と裁判官がはらむ矛盾や制度と政治をめぐる法意識、その基盤となる日本人の法意識を考察していて、その辺のズレも少なからず影響しているということですか。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
太陽姫と崇められ人々の夢を担いながらも、父に認められたいという想いを捨てられなかったアライス。そんな彼女とツェドカの物語を描く第三弾。人々の夢を担い光神サマーアを打ち砕いたアライス。太陽姫と呼ばれる彼女が、ずっと隠してきた目映いまでに純粋な願い。真っすぐなその行動は母の愛を疑い父に愛されたいという想いから、やや考え方が感情的で甘く早まった行動を取りがちな印象もありましたけど、複雑な想いを抱えていたツェドカ含めて多くの人々の積み重ねの上に立った彼女がこれからどのような王となるのかちょっと気になる結末でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
独ソ戦が激化する1942年、急襲したドイツ軍によって母や村人たちが惨殺され、赤軍の女性兵士イリーナに救われたセラフィマが狙撃手を目指す物語。母を撃ったドイツ人狙撃手と、母の遺体を焼き払ったイリーナに復讐するために、イリーナが教官を務める訓練学校で一流の狙撃兵を目指すセラフィマ。成長した彼女がスターリングラードの前線へと向かう展開で、過酷な戦場では何が正しく間違っているのか難しい状況が続く中、時折垣間見える彼女の危うさにハラハラさせられましたが、過去の因縁に見事決着をつけた彼女の生き様が印象的な物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
東京のアクセ仲間や凛音と過ごした修学旅行で、大切なものを諦めずに夢に向かう覚悟を得た悠宇。新学期を迎えて悠宇と慎司の確執が、ついに二人の対立を引き起こす第10弾。日葵と凛音もそれぞれの目標を持って歩み始める中、明らかになる真木島により仕込まれていた、とある後輩を中心とした因縁。それを許せなかった悠宇と真木島の間に勝負が発生する展開でしたけど、相変わらずな日葵には苦笑いしつつ3人の関係もいったん落ち着きつつあるのかなと感じましたけど、これまで特異な立ち位置にあった真木島の黒歴史と密かな決着も印象的でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
文化祭が近づく秋。告白ラッシュに困っていた久宝院旭を放っておけない天条先生が、よりにもよって錦悠凪くんに期間限定の彼氏役を任せるように背中を押してしまう第3弾。先生が生徒に好きの二文字を言えるわけなく、レイユが自分の気持ちを押し殺している間に、2人はクラス公認のカップルになって、悠凪と本物の恋人になろうと積極的にアプローチをかけていく旭。文化祭のメイド喫茶で店長呼びされてお店を回す悠凪には苦笑いでしたけど、義妹や先生まで含めたメイドたちの可愛さが際立っていて、それでも揺るがない悠凪の想いが効いていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
男女比1:5の世界で様々な女子たちに慕われる将人。夏が女の子を積極的にさせて、それぞれが彼にアプローチし始める第3弾。将人をアフターへ誘うも拒否されて、優しい彼に嫌われたと絶望して、もう近づかないと決意する星良。夏祭りデートに誘う由佳。波打ち際の水着でアピールする恋海。運命の人の探すみずほが知った真相、そしてタバレの危機に瀕した結果、とある癖に目覚めてしまった汐里。もう彼しかいないと一途に思い詰めて、なかなかに重いヒロインたちには苦笑いでしたけど、他ヒロインたちとの関係も垣間見えてどうなるのか続巻に期待。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
従者・慧剣ととにも遊びに出かけた黄昏の射手・巫覡輝矢。その途上でさらわれて見知らぬ場所で目が覚める第8弾。輝矢を連れ去った羽型鎮守衆の天音一鶴とその幼馴染・小太刀大河。従者・慧剣と引き離され、一人拉致された輝矢。とある目的のために育てられてきた一鶴から語られる、輝矢も知らない以前の黄昏の射手の過去、そして輝矢に明かされる一鶴の目的。過去の悔恨に縛られた一族の悲願と、そのためだけに育てられた娘、そして一鶴と大河の幼馴染関係を知った輝矢の対応がほんと冷静で大人でしたね…。それぞれの恋模様も気になるところです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
人類の指導者としての教育を受け、冤罪で地球上から追放され、宇宙空間の個人牢獄に収監されていたカイト。地上滅亡で刑期が終了した彼が最後の旅に出るスペースファンタジー。刑務官で生活支援ロボットのエモーションとの気ままな囚人ライフが突然終了し、彼女と一緒に地球人類最後の宇宙旅行を始めたカイト。運良く地球外生命体たちの連邦に保護されて、超能力の発現や自分だけの宇宙船を獲得したりと新たな世界を満喫する展開で、一方残された地球の人々の危機を救うものの、その生き方はどこまでも自由で相棒とのコンビもなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
VRMMORPG《モノクロの世界》に登場する悪役公爵家のルカ・サルバトーレに転生した主人公が、手段を選ばずに強さを目指す最凶悪役ファンタジー。反乱を起こしていずれ滅亡する最強一族の末子のモブに転生して、せっかく得た二度目の人生を生き抜くために、本来はラスボスのはずの荒神リリスと契約してストイックにひたすら強さを求め、サバイバルに生き残って父親にもその力を認められたルカ。導かれるように天才皇女コルネリアと対峙して、本来のゲームの主人公を一蹴し、さらには原初の悪魔も圧倒してゆく戦いぶりはなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
苦難を乗り越えて晴れて恋人同士となった普通の高校生・海以蒼太と氷姫と呼ばれていた東雲凪。凪が甘く溶け切った態度でまっすぐに好意をぶつけてくる第2弾。諦めていた幸せを取り戻して、大好きだという想いを隠さなくなって、付き合い始めたことで一躍時の人となった蒼太を、自分が幸せにすると周囲に宣言してみせた凪。彼女の可愛い独占欲も微笑ましかったですけど、一方で蒼太を溺愛する彼の両親にも自分がしたことを正直に話して、裏切りを消せないものとして悔やみ続ける彼女に、しっかりと向き合える蒼太男っぷりもまた際立っていましたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
園芸部の部長でクラスでは目立たないものの、笑顔が魅力的な心優しき少女・渡辺風花。彼女に告白した同級生の大木行人が、一変した彼女の姿を目の当たりにする青春ファンタジー。行人が知気づいてしまった、風花が異世界から現代日本の東京へ逃げてきたエルフの少女だった事実。彼女も好意を持ってくれていて、ぶっ飛んだ設定も飲み込んで、けれど行人のことを気に食わない彼女の幼馴染・泉美の妨害があって、風花もどこか感性がズレていて、事情に巻き込まれて戸惑いながらも、それでも改めて風花に向き合おうとする行人がなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
入社同期だけでなく、実は高校時代の同級生でもある営業課の秋津ひより。彼女と同じ会社の業務課に務める鹿見有の周囲には秘密の関係を描いた社会人ラブコメ。残業モンスターとして日々を過ごす中で積み重ねてきた、社内で人気のひよりとランチを一緒に食べたり、帰りに飲みにいったり、はたまた自宅で夕飯を食べるような関係。ひよりのなぜ気づかないのかとぐいぐい迫る距離感だったり、後輩や元カノの接近にセンサーが働くあたりも微笑ましかったですけど、着々と外堀を埋めていく彼女に苦笑いしながら、認知されてゆく2人の関係が良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
皇太后に招かれ異例の歓待を受けた宮正女官の魏蛍雪。戸惑う蛍雪の元に宮殿内に設置した氷像を何者かに壊された、という訴えが持ち込まれる第3弾。相棒の女性武官・趙燕子こと皇帝は、なぜかこの三月ばかり姿が見えない中で次々と起こる壊された氷像、無人の廟に出る幽鬼、毒殺された侍女、そして雪の密室となった冷宮から消えた嬪。魏蛍雪を気に入って内官にしたい皇太后の思惑が示唆されて、女性武官に扮した皇帝・趙燕子との相棒関係が脅かされる中、皇帝もどうすべきか難しい判断を迫られましたけど、覚悟を見せた蛍雪の決断が印象的でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
フレンチより居酒屋、ワインよりも日本酒、というイケオジ好き会社員・園羽純。同期の萩に連れられて堪能したチーズ専門店「フォンテーヌ」が事件を解決してくれる連作ミステリ。チーズの美味しさから魅力にはまってしまい、一見とっつきにくい常連客とも顔なじみになってますますはまってゆく羽純。なかなか詳しいチーズの蘊蓄もなかなか興味深かったですけど、彼女に降りかかるイケオジ上司の不倫疑惑や友人のアレルギー事件、誰かにプレゼントされたチーズ紛失する事件も解決してくれて、けれど人間関係は思わぬ顛末を迎えてちょっと意外でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ネットライターをしながら画家を目指す真結は、あるとき乗っていた電車が事故を起こし車内に閉じ込められてしまい、そこで問介護士をしている渡良瀬景と出会う物語。混乱する車内で真結を勇気づけてくれた渡良瀬景の存在。その後、搬送された病院が別々だったものの、事故の関係者たちで作られた「被害者の会」で再会を果たした2人。事故でのトラウマを抱えながらも惹かれあっていく関係になる一方で、後半部分は一転して不穏な状況から思わぬ真実が明らかになっていきましたけど、そんな2人のかけがえのない時間がなかなか印象的な物語でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
啓栄大学演劇研究会卒業生の元に届いた脅迫状。木村が死んだあの日の夜、集められた劇研4年生だった4人には、それぞれ秘密があったことが明らかにされてゆくミステリ。卒業公演前の合宿で同期・木村が自殺した8年前の真実。それを確かめるために集められ、8年前を思い出しながら当時の状況を再現することで真相を探ってゆく4人。怒涛の会話劇によりどんどんテンポが上がっていくストーリーの中で、人の醜悪さをこれでもかと突きつけられる展開でしたけど、それでいて読み終わってみれば思いの外スッキリする結末がなかなか印象的な物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
恋に落ちることなどあるはずもなかったカイの騎士シキとサクラの侍女ホタル。そんな二人がどうしようもなく惹かれていく様を、甘くもどかしく描く『軍神の花嫁』外伝。シキにとって地味な娘でしかなかったホタルへの第一印象。ホタルにとって、飄々として何を考えているか掴めない一番苦手な存在だったシキ。お互い苦手だった2人が、静かに涙を零すホタルをシキが目の当たりにしたことをきっかけに、そこから少しずつ変わる展開で、お互いに絶対的な忠誠を誓う相手がいるからこそ、2人の心境の変化と切ない思いになかなか来るものがありましたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
マンションの一室で発生した殺人事件の現場に向かった県警捜査一課の和泉。上の命令で第一印象が最悪だった女性警官・瀬良とタッグを組み殺人事件を捜査する警察ミステリ。コミュニケーション能力が壊滅的ながらも、卓越した観察眼で事件解決に至るきっかけを見出してゆく瀬良。彼女とコンビを組んで挑む殺人事件に隠された覚悟、事件に関する証言を頑なに拒み続ける謎、解決の糸口が見えない誘拐事件の意外な真相。思い描いたストーリーとは違った物証が出てきた時、正しい刑罰の難しさが問われる中で導かれてゆくそれぞれの結末が印象的でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
食の多様性はいかにして生まれたのか。東南アジアとカリブ海を目指して拡大したヨーロッパ経済史の視点から、資本主義の起源と展開に迫る1冊。資本主義が誕生してヨーロッパが覇権を握るプロセスと、香辛料から砂糖、そしてうま味調味料へといたる「味」の移り変わり。古代・中世におけるインド・アフリカの香辛料貿易ネットワークの構築、大航海時代になってからの香辛料貿易の変化、香辛料から砂糖へと比重が移っていった経緯と資本主義経済、産業革命の果たした役割やそこから現代に至るまでにさらにどう変わっていったのか興味深かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
かつて黒き竜が生み出した魔物を説き伏せ、従えたと呼ばれる魔女リングリーン。その末裔リーンが魔女狩りの異名を持つ冒険者ハクラを護衛として雇い、一緒に旅をする物語。仲間を逃がすためにヒドラと戦い、瀕死の重傷を負っていたハクラを救い護衛にしたリーン。喋るスライム・アオを従えて、容姿に優れる一方でひねくれて食いしん坊な一面もある彼女と挑む、人を喰うようになってしまったコボルド退治や、アンデッド討伐。複雑な背景があるクエストの真相を見抜いて、思いを汲んで落とし所を見出すそれぞれの結末がなかなか印象的な物語でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
病弱で不幸にも病死してしまったVRMMORPG好きの女子高生が、女神からの祝福のもと異世界でリリィとして生きることを選び、自分のお店の開店を目指すファンタジー。女神に与えられた小屋で武器や魔法の扱い方を覚えて、人里を目指したリリィが出会った大蜘蛛タラトを仲間にして、最高品質の蜘蛛糸で作った日用品で生計を立てていくことを決心するリリィ。タラトとのコンビは冒険者としても優秀で、魔石でタラトを強化して商業ギルドとの関わりも深めながら護衛も雇って、着々と基盤を固めた彼女がどんな活躍をみせてくれるのか楽しみですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
王国一と謳われる引っ越し屋を営む魔法使いの少女ソフィ。評判を高めつつある引っ越し屋に最大の試練が訪れる、魔法が紡ぐ出会いと別れの物語の第2弾。今回の依頼はダンジョンに住みたいという研究マニアの学者に、天空城に住まう地上の暮らしに憧れる女の子。ダンジョンのクリスタルに秘められた謎を探り、罠や仕掛けだらけの天空城に悪戦苦闘した末に、魔王が生きていた五十年前からの引っ越しに挑む展開で、時を超えてが全て繋がる中での苦渋の決断でしたけど、時間は掛かっても約束を果たしてみせた結末には心揺さぶられるものがありました…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
九州を襲った悪魔の大攻勢で魔装機体・御影一号機を駆り多大な戦果を挙げた川上啓太。今度は駆け引きを繰り広げる上層部から思わぬ任務が舞い込む第2弾。圧倒的な戦果で異例の昇進も果たし、御影を唯一自在に操れる機士・啓太と既得権益を脅かす最上工業に課された歩兵用兵装の開発。同期たちが経験を得るために提案した模擬戦の顛末は笑ってしまいましたが、一方で最上と向かった極東ロシア大公国でも大暴れで否が応でも注目度が高まる中、そのとばっちりを食らった形の第二師団と担任久我少佐も大変ですね…。魔族側の思惑も気になるところです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
職場や教育現場、公共施設や都市でも管理化が進む昨今。子供たちが遊ぶ公園にもその流れが押し寄せている状況で、他者への想像力を養う社会の在り方を考える1冊。公園が子どもたち中心から老人の利用も増えつつある中で、安全性を理由に撤去される遊具が増えて、年齢や利用回数の制限も定着しはじめている状況。しかしその効率化・管理化は子供たちの自由な発想や創造性を損なうものでもあり、それを利他と場所作りをキーワードに全国各地の取り組みから考える内容で、やはり無駄を排除して遊びがなくすと発想の広がりがなくなる感はありますね…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
外科医時代の恩師で、末期がんに冒された浮雲の主治医を勤めることになった小鳥遊。その死を見送った彼が思わぬものを発見してしまうシリーズ第11弾。水神の祟りを恐れて錯乱する精神科に通う女性、別人のようになってしまったと友人に危惧される少年と化け猫の憑依。そして火葬された頭蓋骨から発見された銃弾の真意。相変わらずいろいろと無茶をする鷹央には苦笑いでしたけど、そんな彼女が「正解のない問題」と語って小鳥遊に決着を託した最後の事件には鷹央なりの配慮が伺えて、葛藤の末に決断した結末を見届けた小鳥遊の姿が印象的でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
東京の町なかにひっそりと佇む日比野豆腐店。店主の清道をコロナ禍で亡くして、厳しいながらも手を取り合って店を切り盛りする日比野家の姿を描いた家族小説。店を終わらせようとしている義母の初。亡くなった夫の代わりに店を続ける覚悟を決めた妻の咲子。店を継ぎたいのか将来に悩む息子の令哉。そしてある人と一緒に3人を見守る飼い猫の福とそれぞれの視点から、家族やお店のこと、やってくるお客さんたちのやりとりを描いていく構成で、いろいろ大変だなとも感じましたが、それでも積み重ねられた思いが引き継がれていく結末が印象的でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
里海町の町役場で働き、二週間前に婚約破棄をされてしまった由佳利。そんな中、担当する地元出身作家の文学館に関して刑事二人が聞き込みに来る文学館ミステリ。数日前に発見された身元不明の青年遺体のポケットから見つかった作家にまつわる葉書。驚き戸惑う由佳利のもとに老齢女性の艶子が訪れ、中学高校の同級生・夏央と3人で調べるうちに、作家が謎の「かぞえ歌」を残していたことが分かり、その百年前の謎解きの真相が現在の事件の謎にも繋がっていく構図で、その結末は切なかったですけど艶子さんは存在感があってなかなか魅力的な人でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
青龍の地でついに自身が本当の鼓濤であることを知った董胡。自身の生い立ちに関わる白龍を探すため「子宝祈願」を口実に朱璃とともに白虎への旅を画策する第8弾。心配する皇帝・黎司にはいずれ全てを打ち明けると約束し、白虎への旅路を歩み出した董胡。朱雀と共に子宝祈願で有名な白虎の社である百滝の大社に到着して、そこで出会った其那國の少女。隣国の状況に巻き込まれていく一方で、黎司と董胡、彼女を気に掛ける揚庵の構図も、それぞれ気づいていないことがあるがゆえにより難しい状況に陥りそうですね…この終わり方は続きが気になります。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
巷で「正しい」と信じられているその情報は、真実なのか? ニッポン放送の平日朝のラジオ人気ニュース番組キャスターが教えるニセ情報を鵜呑みにしないための作法。「わかりやすく」という概念に長年とらわれてきた著者が、端折って単純化したり、対立構造、感情に訴える報じ方、二元論にしていないかと警鐘を鳴らす内容で、東京都知事選や放射能問題、コロナ禍、就職氷河期世代の扱いなど、具体的なニュースから見る一貫性のなさや心情に寄り添うだけの報道、批判のための批判などの考察を読むと、やはりわかりやすければいいではないんですよね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
近年注目を浴びているグローバルサウスと呼ばれる国々の動向。その虚像と実像を探り、日本はどう関わるべきかを明らかにする一冊。植民地から第三世界、開発途上国、新興国、グローバルサウスと歴史的変遷を遂げてきた実像について、政治、経済、社会、文化といった側面から分析を試みて、各国と日本との関わり方を考察する内容で、ブラジル、アルゼンチン、メキシコの中南米やロシア、インド、中国といった大国、南アフリカやサウジアラビア、トルコ、イラン、エジプト、インドネシアといった国々が今どういう状況にあるのか、興味深く読めました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
イラストレーター西淑さんによる美しい挿絵とともに味わう、「眠れない夜」をテーマに夜の世界へと誘う10篇の短編集。眠れない夜に開けるクッキー缶、ばけものになってさまよう深い森、出かけた先で出会った奇妙な男、おしゃべりな雨と女の子との出会い、便利屋とひっそりとした遊園地、動き出すおなかのひとと編み物、自由に歩き回る犬、すぐそばに棲まう精霊、隣で眠る人への様々な思いや、引っ越し前夜に思い出す様々なこと。時には過去に思いを馳せたり、思わぬ出来事や出会いがあったり、思うままに振る舞う姿に深い夜の雰囲気を感じました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
天体を愛する女子高校生・満月がVRMMO「Your Only Story Online」にログインして、コツコツとレベルを上げて成長しながら、気ままに幻想世界を楽しむVRMMOファンタジー。他のプレイヤーたちとはあまり絡まず、基本ソロで行動しているミツキ。現段階で天体観測をする場面はほぼなかったですが、ギルドで力のあるNPCを紹介してもらったことをきっかけに、そこから芋づる式に彼女を導いてくれる師匠たちと運命の出会いを果たしていく展開で、通常とは違うルートで強くなっていきそうな彼女のこれからが楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
命の危険と隣り合わせ、過酷な競馬学校の世界に飛び込んだ白鳥祐輝。個性派揃いその年の新入生たちとともに騎手を目指す青春小説。騎手に向いていないのではないかと悩む祐輝と共に新入生として入学した、父がトップジョッキーで天真爛漫なアニメ好きの大坂魁斗、父が競馬好きで大柄で減量に苦しむ麻生和馬、負けん気が強く女性扱いされることに反発する松尾楓子、運動神経抜群の熱血漢・須山壮一郎といった同期たち。それぞれが背負う親からの期待や反発、これでいいのかと葛藤し、時にはぶつかり合いながら競い合う姿がなかなか眩しい物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
数多の犠牲を生みながらも革命に王手をかけた『灯』。一年もの時間をかけ築き上げた計画を最終段階に移し、様々な思惑が絡み合う中、王国の運命を決める革命の朝が始まる第12弾。王国最強の防諜スパイ『ニケ』は沈黙を貫く一方、ここにきて遂に本性を現す最悪の黒幕『蛇』のフィクサー《藍蝗》。様々な駆け引きが繰り広げられて、敵味方が入り乱れて二転三転するギリギリの状況で、今回はエルナとアネットの絆が際立っていましたが、成長が感じられたサラやモニカとリリィの距離感だったり、クラウスも裏で活躍したりと見どころが多かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
天才ランナーと小説家志望。人生の分岐路で交差する性格も好きなことも正反対な2人の女子高生の邂逅を描いた物語。梅雨明けの司書室で出会った、ケガをきっかけに自分に走る理由がないことに気付いた陸上部のエース定本風香と、「物語は人を救う」と信じている小説家志望の明戸類。付かず離れずの距離感で同じ時間を過ごし、自分とは違う価値観があることを知ってゆく展開で、お互いの存在に刺激を受けるものの、それは本質的な変化をもたらすものではなかったですけど、それでも出会わなければ気づかなった大切な関係がとても印象的な物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
「世界の一部を盗む」想像上の怪物ジャバウォックを怖れ、学校に行きたがらない小学生の冬明。彼の言葉をきっかけに世界と家族の関係性を変容させてゆく物語。夫を亡くし、冬明と夫の連れ子の大学生・楓を一人育てるシングルマザーの愛。父親の死後、愛と冬明を見守りながらも関係性に違和感を抱く楓。それでも世界が変容して愛もトラブルに巻き込まれる中で、大切なものを取り戻すために楓が動き出す展開でしたけど、その過程で彼らが本当の意味で家族としてしっかりと向き合って、育まれてゆく大切な絆が感じられる結末がなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
スープ屋「しずく」の常連客で、紆余曲折の末に店主の麻野と恋人になった理恵。同じく常連客でセレブの片山が催すホームパーティーに招かれる第9弾。パーティーの開催中、少し目を離した隙に消失した片山が披露したダイヤモンド。なかなか言えずに伝われなかった夫婦それぞれの思い。ビル清掃をしている最中に落ちていたお金の真相。浮気疑惑の夫は果たしてお酒を飲んでいたのか。麻野との関係はまだまだこれからかなという印象でしたけど、今回も持ち込まれた謎を解決していく麻野の推理と真相からもたらされるそれぞれの結末がらしい物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
満月珈琲店の三毛猫マスターと星遣いの猫たちが今宵現れたのは横浜。極上のスイーツと占星術が迷える人の心を包み込む第6弾。新刊を出せないまま四国に引っ越してしまったかつての人気作家の担当になった新入社員・光莉の葛藤や、彼女の上司で人気作家の担当だった編集長が抱えていた悔恨、光莉の先輩の妹の苦悩があって、そんな迷える彼女たちを美味しいスイーツと占星術で導くいつもの展開も効いていましたが、何よりずっと気になっていたことに背中を押されて、しっかりと向き合ってリスタートを切ることができたそれぞれの勇気も光りましたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
中国で生まれて日本語と邂逅し、日本文化に大きな影響を及ぼした漢字。日本の漢字文化史をより深く理解するために書かれた1冊。日本にいつ漢字が伝来したのか。古代における漢字の受容、漢文・漢語の定着と万葉仮名の展開、中世の漢字・漢文の和化、和漢混淆文と字音の独自変化、江戸時代の漢学・漢字文化の隆盛、そして近代以降に進められた漢字の簡素化と字形整理の歴史が紹介されていて、言語体系の異なる中国の影響を受けながらも、それを独自の形に発達させていった日本の漢字文化の歴史の要点を通史としてざっと学べる一冊になっていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
人手が足りない、個人と企業はどう生きるか、人口減少経済は一体どこへ向かうのか。先が見えない今こそ知りたい10の大変化と8つの未来予測を解説する1冊。人口減少局面に入った日本経済にどのような変化が起きるのか。生産性は堅調も経済成長率は低迷して供給制約に向かい、正規化が進み賃金は上がるものの労働時間は減少し、労働参加率は最高水準。今すでに兆候が現れつつある中で、省人化投資や機械化自動化は必須で、様々なものが消えていき、諦めないといけないものも増えていくでしょうけど、どこまで劇的な変化を受けいれられるかですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
入居するビルの取り壊しにあわせて営業を終了したリフォームジュエリー会社。デザイナーとして勤めていた永瀬と3人の友人たちとの絆を描いた大人の青春小説。中学卒業制作で同じ班になった4人。離婚や体調を崩してすっかり覇気がない社長の高峰、上司のパワハラにより心に傷を負った森、地金職人として独立したしずく。3人との過去を遡っていく中で、彼女たちが育んできた関係が浮き彫りになっていくストーリーで、立ち位置は変わっても変わらない、恋人でもなく周囲には分かりづらくても確かな絆が感じられる関係はとても素敵だなと思えました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
「とにかくヘンな小説をお願いします」そんな型破りな依頼に応えるべく、炒めて煮込んで未知の旨味を引き出した短編集。理不尽としか思えない理由で大きな仕事の失注を宣告した憎き取引先へのデスゲームによる復讐計画、TVに紹介されて長い行列ができるようになったクロワッサンを巡る皮肉な集団心理、突然気持ち悪いと騒ぎ出して花嫁が控室にこもった理由、1試合だけ途中出場したプロ野球選手の衝撃的な奇行、いかに完全な命名をするのかという葛藤。追い詰められると人はとんでもないことを考えるよな…と先が読めない展開に振り回されました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
プロポーズに成功して幸せの絶頂だったはずの李沢直也。両親にも報告して実家に向かった婚約者の渡邉絵夢が突然失踪したとの報告を受けて全てが一変する第4弾。最後に絵夢が目撃された広島の呉に残されていた彼女からのメッセージと、崖から身を投げた痕跡。諦めきれず彼女の行方を追えば追うほど現れる、公安や極左、ヤクザといった不穏な輩や江崎瑛里華という少女の名前。正体そのものはそうなんだろうなとは察しましたけど、様々な輩に追われ続ける彼女の日々はあまりにも孤独な上に過酷で、いつか救いがあってほしいと思わずにはいられません。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
バイト先の雨宮先輩から話を聞いた添い寝をする「添い寝フレンド」という存在。ごくごく平凡な天野桔人にそんな関係を求めてきた雪白光との関係を描いた青春小説。体調不良でずぶ濡れになった天野を救ってくれた光の家で寝入ってしまい、不眠気味の2人が一緒に寝ることで熟睡できたことから、光の提案で始まった密かな関係。学校では内緒にしたまま積み重なっていった関係が知られればどうなるのか、ある意味必然の展開でしたけど、そこから光の過去も明らかになって、卑屈だった天野が思いを乗り越えて覚悟を決めた2人の結末にはほっとしました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
一華と翠の霊能コンビに付き従う式神・田中の様子が最近おかしくなり、吉野の怪物という奈良の伝承に関係しているらしい彼の背景を調べるため、奈良に向かう第4弾。現地調査を進める中で一華は田中の過去に迷い込み、彼が慕っていた僧を巡る哀しい記憶を目の当たりにしてしまう2人。田中の問題は果たして解決するのか、これからどうなるのかも気になるところですけど、珠姫のメッセージから嶺人の告白を聞き、翠の子供時代の出来事や翠の黒い影のことも明らかになる中で、里帰りを決断した一華が何に向き合うことになるのか続きが気になりますね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
夏休みのある日、伯父が営む古書店を訪れた大学三年生の吉乃。おすすめされた本をきっかけに不思議な読書会に参加する連作短編集。おすすめされた本にのめり込み、感想を交換する場がないことを話したことで提案された深夜の読書会。伯父の茂に吉乃、そこで出会った吉乃のゼミ仲間、非正規雇用の司書、グラフィックデザイナー、古書店のアルバイトの6人で始まった読書会の交流から、登場人物たちの背景も掘り下げられていったその結末は切なかったですが、本を読む楽しさだけでなく、彼女たちもそれぞれの問題に向き合っていく姿が印象的でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
南部戦線での快進撃により、サバト軍を国境のタール川の向こうへと撤退させたオースティン軍。一方、トウリ《過去》とセドル《現在》二つの運命がついに交錯する第4弾。出会った若き天才参謀ベルンの異様な雰囲気に恐怖を覚えるトウリが託された任務。ベルンが画策するサバト崩しから、予期せぬ事態が重なった末に陥ったトウリたちの窮地。英断が厳しい状況を変えることはあっても、誰しも対応できる限界はあって、ここでFPSの知識が活きるとは思いませんでしたけど、この結末は来るものがありますよ…現在のこの終わり方は気になるところです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
20代にして過労死した会社員エマ。5歳の姿に若返り異世界で目が覚めた彼女が、精霊に愛された宝石商となってゆく美しい宝石たちの物語。見知らぬ街の中で見かけた宝石商の夫婦に見出されてその子どもとなり、妹も交えた温かな家庭に恵まれて成長し、宝石店の2号店も任されるまでになったエマ。時には周囲の人々の恋愛模様も絡めながら、彼女のお店を訪れるお客様とのやりとりの中から、本当に求めているものを見出して、その要望に応える宝石を用意してゆくエピソードも良かったですけど、自覚に乏しい彼女を巡る人間模様にも期待したいですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
星嶺医大附属病院の伝説的外科医・火神の命までも奪った奇病シムネス。澪と大河が再びタッグを組み、シムネスの驚くべき秘密に迫る医療ミステリ。火神の死から三年後。ナースエイドと外科医の二刀流で働き、新時代がん治療装置オームスの手術を一手に引き受けていた桜庭澪。実用化に向けた重要な手術を控えたある日、医師免許を剥奪され海外に渡っていた竜崎大河が突然姿を現す展開で、相変わらずな性格でも外科手術に対する姿勢はどこまでも真摯で、皮肉な真相に直面しながらも2人で協力して、窮地を切り抜ける熱い展開はなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
主アルテシアを死から救うために未来より回帰し、錬金魔法のオルナメント公爵家を秘密裏に掌握したカルツ。次の標的を神聖魔法を操るサンクトゥス公爵家に定める第2弾。サンクトゥス公爵家攻略の鍵はサンクトゥスの金塊と贋金、誇り高き竜の守り人、そして聖女の証たる聖杯の秘密。協力者でもあるカルツが大好きすぎるお姉さんたちには苦笑いでしたけど、明らかにされていく竜と聖女を巡る昔からの関係性があって、真の聖女を見つけ出してその覚悟を問い、偽りの聖女を打ち破る展開は事後処理の落とし所もなかなか上手くて今後の展開が楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ニアの提案から始まり、気付けば世界各国から一万人以上が集まる一大イベントになっていた武闘大会。予選から国を揺るがす程の大盛り上がりを見せる第7弾。ニア選出による注目選手の似顔絵が国中を飛び交い期待が高まる中、国王により開催が宣言された大会。ニアの弟子たちや各国の強者による最初から大番狂わせの大盛り上がりを見せて、様々な視点から大会が語られ、ニアもインタビュアーとして奔走する展開でしたけど、ニアの弟子たちはちょっと強すぎましたね(苦笑)そんな中でニアも意識せずにいられないベンデリオの存在感が光っていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
『図書館活動と著作権Q&A』を現状の制度に即して見直しを行ない、Q&A形式で平易に解説した1冊。著作権についての基本的な考え方、編集著作権や電子媒体の著作権、利用規約や契約、複製、URLや図版の掲載、あるいは除籍本、表紙や帯、廃棄図書の利用、館内放送や館内演奏、読み聞かせや対面朗読、オンラインやデジタル資料の取り扱い、複写サービスや保護期間・保護の対象に対する考え方など、具体的にありそうな事例を取り上げていましたが、ただこれだというわかりやすい正解はなく、落とし所や解釈次第というのがなかなか難しいですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
全世界を敵に回して天使たちと対峙し、世界でただひとり魔王レーヴェの隣に並ぶ憂人。逃亡を続ける彼らのもとに次なる天使・林鈴麗が迫る第2弾。人類の存続を巡る聖戦の中で、レーヴェに愛を知ってほしいと切なる願いを抱くようになっていく憂人。一方、邂逅した第2使徒で類最強と呼ばれる鈴麗にも暗殺者として生き抜いてきた過酷な過去があり、使徒たちにも複雑な戦いの背景が共有されていったり、この戦いに対する様々な思いを抱えていることが明らかになっていきましたけど、ようやく味方と思しき人も出てきた今後の展開が気になるところです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ロシデレ本編の内容を補完する、本編では描かれなかった文庫未収録の短編27話に豪華書き下ろし5話を加えた珠玉の短編集。買い物中の政近と有希を目撃したアーリャさんのストーキング、オタ活していた有希の政近とアーリャさんのデートを尾行、生徒会メンバーによる個性豊かな猫カフェ訪問、体育祭の騎馬戦練習という名目で水着だらけの大運動会開催ほか、綾乃の様々な一面や九条姉妹に目をつけている手芸部、サイコパス乃々亜など、シリアスな展開も多い本編の合間にあるエピソードでキャラの掘り下げをしていて、なかなか楽しめる短編集でした。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/08/23(4157日経過)
記録初日
2013/07/27(4184日経過)
読んだ本
12325冊(1日平均2.95冊)
読んだページ
3591235ページ(1日平均858ページ)
感想・レビュー
12217件(投稿率99.1%)
本棚
70棚
性別
血液型
B型
職業
専門職
現住所
埼玉県
外部サイト
URL/ブログ
https://yocchi.hatenablog.com/
自己紹介

こんにちは。普段は図書館と書籍仕入れに関わるお仕事をしています。仕事のついでに面白そうな本がないか探していて、とりあえず自分が読みたいと思った本さえ読めてさえいれば、わりとまあいいかと思えてしまう行動原理が少し残念な人。

好きなジャンルはボーイミーツガール、青春小説、部活小説、お仕事小説、ミステリ、冒険・中華ファンタジー、歴史・戦記、SFなど。コメディ調より落ち着いた雰囲気の物語志向。意外な展開や難解さがウリのお話も嫌いではないですが、どちらかというとベタで王道な構図が分かりやすい、最後は良かったなと思えるお話が好みです。

基本的には著者買いが多いですが、興味を持ったらテーマやジャンル・作家などにはあまりこだわらず何でも読みます。人に本を薦めるのが趣味の本を読むついでに人生を送る雑食系読書廃人。

読書メーターの
読書管理アプリ
日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう