読書メーター KADOKAWA Group

2024年11月の読書メーターまとめ

よっち
読んだ本
118
読んだページ
33551ページ
感想・レビュー
118
ナイス
4020ナイス

2024年11月に読んだ本
118

2024年11月のお気に入られ登録
6

  • 木立花音
  • vivahorn
  • カルラ
  • けんしん
  • log3
  • ぽめら

2024年11月にナイスが最も多かった感想・レビュー

よっち
人間の生をはるかに超える時の流れを見据えて、今日も日本のどこかで大切な何かを受け継ぐ人がいる。科学だけが気づかせてくれる大切な未来を描いた5つの物語。何とかウミガメの卵を孵化させ、自分一人で育てようとする中学生、年老いた父親のために隕石を拾った場所を偽ろうとする身重の女性、萩焼に絶妙な色味を出すという伝説の土を探す元カメラマン、膨大な量の謎の岩石やガラスを発見した若手公務員、山奥でニホンオオカミに出会ったウェブデザイナー。どの話も時の流れを感じさせる壮大な物語の中で、その受け継ぐ覚悟が印象的な物語でした。
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2024年11月にナイスが最も多かったつぶやき

よっち

2024年10月の読書メーター 読んだ本の数:151冊 読んだページ数:45429ページ ナイス数:5402ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/385946/summary/monthly/2024/10

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2024年11月の感想・レビュー一覧
118

よっち
世界を物語みたいに楽しいものにするため、メインヒロイン高嶺千尋が、仲間を集めて主人公として手塚公人を超文芸部にスカウトする青春メタフィクションラブコメ。超高性能な電子生命体ミカコに、庶民的お嬢様の薔薇園先輩、中二病のイケメンのシドといった仲間を集めて超文芸部を立ち上げた千尋。その物語を描写する役割を期待される手塚が、仲間たちと七不思議の人体模型などに挑む中で、千尋の異能により様々な事態が引き起こされることに気づく展開でしたけど、彼女の望みを叶えて物語を完結に導くため主人公として奔走した結末は良かったです。
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よっち
メイドとのSMプレイ中に転生者だと思い出したドMなゲームの悪役貴族レイス。破滅エンドも悟った彼が運命に抗う事を誓うハーレムファンタジー。原作知識を活かして地力の底上げを図りながら、空間魔法を活かした冒険者として活動を始めるレイス。その変化を思わぬところから知った婚約リームや、お兄ちゃんとして甘えたい年上の冒険者イナーシア、承認欲求に飢える鍛冶の天才ヴィリアスといったやや変わった性癖のヒロインたちに慕われて、その助力も得ながらターニングポイントとなるスタンビードに挑んだ熱い戦いの結末はなかなか良かったです。
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よっち
人間と魔族が共に暮らし始めた街で、両族間の事件にあたる《特務隊》。隊員の首無し死体が見つかり、容疑者とされた吸血姫ラヴィアが女剣士リンと挑む謎解きファンタジー。リンは現場証拠からラヴィアの犯行ではないと感じて、隊長を説得するために彼女と自分以外の血を吸わない契約を結び、共に事件解決に挑む展開で、視点が変わるたびに事件は様相を変えていって、浮かび上がる怪しい容疑者を追い、明らかにされる真の黒幕にはやはり…と思いましたけど、厳しい戦いを強いられる中でも、それまで積み重ねて深まっていた2人の絆が効いていました。
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よっち
人類が精霊たちに従属して女性が優位な世界。成り上がるには闘技者となり『力』を示さねばならない国で、女装の麗人リオが精霊たちの常識を覆すバトルファンタジー。鍛錬の経験則は未来視に迫り、巨大な軍用大剣ひとつで血気盛んな闘技者たちに挑み、何の能力もない最も低い身分の人間ながら、上位の精霊とも渡り合うリオ。そんな際立った存在だからこそ人間を滅しようとする急進的な動きに利用されたり、人間の反乱の旗頭として担ぎ上げられそうになるわけですけど、そんな中で一度は敗れたアネルドートに対峙する熱い展開はなかなか良かったです。
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よっち
乙女ゲーム世界に転生し、王立魔法学院の下級貴族クラスに通うアッシュ。る日、雨に打たれながら路地裏で蹲っている少女フィーネに出会う学園ファンタジー。バッドエンドで変わり果てた姿に、正ヒロインと気づかないままフィーネを救ったアッシュ。恩人の彼を慕う気持ちに気づかない鈍感さには苦笑いでしたけど、学園に通う傍らで冒険者として鍛えて金も稼ぐアッシュが彼女を保護して、悪女と貶める学院の四騎士と友人のエリーゼに相手に立ち向かいどん底から救い出す展開は痛快でしたね。いろいろ広がりそうな要素もあって今後の展開が楽しみです。
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よっち
破滅の誘因となる豪商ギランと敵対するローファス。ゲームヒロインの一人、空賊リルカとギランの因縁を知った彼が、空賊《緋の風》に協力してギラン邸を襲撃する第3弾。囚われたヴァルムを救うべくローファスの前に現れた謎の少女ユンネル。一方、空賊《緋の風》もローファスに協力を仰いでギランに捕まった仲間の救出に動く展開で、リルカの意外な事実も明らかになりましたけど、天敵ともいえる最強の殺し屋・血染帽や、愛竜を賭けて戦うヴァルムとの熱い激闘も良かったですけど、父親のルーデンスも何だかんだでローファスには甘いですね(苦笑)
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よっち
神話の時代に出来損ないと呼ばれたゴーレムが、一万年以上の時を経て少年レナとして目を覚まし、自由を得た彼が厄災王の娘リリスの従者となる学園ファンタジー。悪名高き闇の皇帝の娘として狙われる立場でありがなら、自由を望み魔術学園に通うことを決意するリリスの従者として共に入学するレナ。リリスが周囲から敵視される中で、掴みどころのない感じながらも要所は締める対応をする一方、彼女に友人ができないことを気に掛ける様子には苦笑いでしたけど、悪辣な悪魔も絡んだ事件ではその力の一端を見せたりとメリハリも効いていて楽しめました。
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よっち
とある地域交流センターで働く青年・佐藤昴。毎週水曜日にピアノを弾きにやってくる『水曜日の君』鎧塚ケイを気にかけるようになってゆく恋愛小説。よく知らない気になる存在のまま、利用者と職員という関係を積み重ねてゆく中で偶然生まれた約束。しかし想いが募る前に、昴が異動を受け入れてしまったことで突然断絶した関係。苦い過去を抱えるケイにとって昴は自分をフラットに見てくれる存在で、けれど肝心の昴はなかなかに面倒くさくて苦笑いでしたけど、周囲の後押しもあってようやく本音で向き合えるようになった2人の結末にホッとしました。
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よっち
若者はなぜ「ひろゆき氏的な思想」に魅了されるのか。とかく相手を論破することを是とし、かつ煽るこの危うい思考スタイルを乗り越える道を示す。旧来からつづく規範の軽視や軽く扱われていると感じる心境、努力神話や全人的教育の限界など、ひろゆき氏的な思想が支持されるようになっていった背景を考察しながら、その規範が消えた世界で起こっている誹謗中傷モンスターや陰謀、勉強垢と承認欲求の罠といった事象を紹介していて、後半はその素地を探る哲学論だった印象ですけど、あくまで強者の論理で背景がないと軽い反論と感じてしまいますね…。
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よっち
ひそかに互いを想い合う春日小路家次期当主・翔也と使用人・炉子。翔也の縁談行事は未だ継続中の状況で、過去に破談にされた令嬢が同家を奇襲する事件が勃発する第3弾。6年前から続く事件の真相が明らかになり、真犯人によって負傷させられた翔也の父・道雄。共同生活を送ることになった翔也と貴史の仲の良さが微笑ましくて、思いを募らせてゆくいじらしい炉子が、その隠れた異能も覚醒させる一方で、翔也も記憶を取り戻してからはまさに怒涛の展開でしたけど、過去の因縁にも決着もつけて紆余曲折の末に迎えた2人の結末はなかなか良かったです。
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よっち
行き場もなく夜の街をさまよっていた家出少女のチル。ある夜、路地裏に突如降ってきた黄金の髪を持つ美しい男と出会い、異世界に取り込まれるファンタジー。破れたマントを胸に抱えて迷い込んだ、かつて豊かな織物の国と呼ばれていた動乱の国リスターン。愛されたいと願い、一度は全てを諦めた無力なチルは、聖獣に選ばれて王となってもなぜ自分が選ばれたのかと疑問を抱えてしまう少女で、荒廃した国を救おうと悪戦苦闘しながらも、動乱に巻き込まれてゆく中で恐怖や葛藤に向き合い、最終的に自らの覚悟で選び取ったその結末が印象的な物語でした。
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よっち
京都の美大油画科を休学中の稲葉真は、従兄の声がけで父が狩野派を破門された清原雪信の娘・平野雪香が描いた襖絵の復元模写制作を手伝う物語。修士で年上の土師俊介や蔡麗華とともにチームを組んで復元模写に挑む、十二面の花鳥図だが現存するのは九面と切り貼りされた一部のみの襖絵。最初は距離感を掴みかねたり、劣等感で自信を失ったりしながら、お互いのことを知っていく中で、その良いところを認めて刺激し合える関係が構築されてゆく様子には引き込まれるものがあって、彼らが見事やりきってみせた結末には心揺さぶられるものがありました。
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よっち
想い人で破鬼の巫女の綺翠が、見知らぬ男と二人きりで買い物をしている衝撃的な光景。その謎の男との出会いが新たな事件の始まりとなる第9弾。教会の朱雀院から依頼されたパニックを抑える薬。そのきっかけとなったエンジェルさんと未来を予知する女の子・天の存在。そしてシスターの双子の兄で猊下と呼ばれる非の打ち所のない神父ルシフェル。そこで起きた事件と疑惑が生まれてゆく中、浮かび上がる容疑者と事件の結末がありましたけど、隠された真相を見抜く霧湖の洞察力が光りましたね。その密かな悲しみに寄り添う綺翠の存在も効いていました。
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よっち
報われるばかりの人生でなくとも、手にすることができる小さな幸せがここにある。北九州・門司港の温かなコンビニ物語第四弾。大好きだった夫と別れて、傷心の一人暮らしを始めた百合が発見する門司港で妙に賑うコンビニ。ずっとヒーローになりたくて、自分を見失いかけていた舞人の元に突如訪れた「テンダネス着ぐるみ」任務と、とあるコンビニ店員との過去から今に繋がる熱い友情。過干渉の親にも頼れなくて孤独だったり、大切なものを見失いかけていたり、そんな時にこそ居場所になってくれるコンビニと客に寄り添う店長の存在が効いていました。
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よっち
祓邪の一族の末娘・一文字うたが、祖母から先祖返りした牧原家の御曹司・麟之助を守るよう命を受け、守り刀として麟之助とともに戦うあやかしファンタジー。一文字家を守護する神獣、白犬のシロとともにやってきたうたが直面する邪気にまみれた牧原家の別邸の惨状。異界のものが視えすぎるため妖魔や異形のものに狙われる麟之助を、持ち前の明るさで勇気づけて、守り刀として守ることを宣言するうた。彼女の覚悟に感化されてだんだん心境が変わっていく麟之助がいて、囚われていた過去の呪縛に決着をつけた2人のこれからが楽しみになってきました。
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よっち
唐の時代、成都随一の高級旅館「張家楼」を預かる張家の末息子・琬圭。売卜者の李俊と知己を得た病弱な彼が、李俊の娘・小寧を娶る中華ファンタジー。幽鬼、妖魅のたぐいを引き寄せやすい琬圭が、李俊の提案で半分は龍の血を引くという気の強く美しい小寧を娶り、虎に食われたり溺れ死んでしまったり、賊に殺されてしまった幽鬼の心残りや、失踪した細君の真相、死して使役される娘の問題を一緒に解決していく展開で、すぐに何かに取り憑かれてしまう琬圭に小言を言いながらも、放っておけない小寧がいい夫婦になっていく様子が微笑ましかったです。
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よっち
目が覚めると彼女の雛子が子どもの姿になっていたことに気づいた大学生の晴文。お互いのふるさとを巡る旅をしている2人が、彼女の意思で旅を続けたいと告げる物語。言われるままに旅を続ける中、やがて自らの閉ざされた過去が眠る島に辿り着いた晴文。一方、雛子視点となった後半では、彼女が子どもになった理由と、彼女もまた大きな使命と目的を持ち、様々な準備をして旅に臨んでいたことが明らかになっていく展開で、事情を明かせないために誤解もありましたけど、2人で力を合わせて乗り越え、未来へと繋げてみせた結末はなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
土地開発と不動産事業で成り上がった昭和の旧華族、烏丸家。その嫡男として生まれた治道の視点から描かfれる刀に隠された一族の秘密と愛憎の物語。東京の景観を変えていく家業に興味が持てず、祖父の誠一郎が所有する宝刀の美しさに魅せられた治道。オリンピック、高度経済成長と時代が進み、東京の景色が変貌してゆく中で、慕っていた祖父の遺言が隠されていた理由や、相容れなかったはずの父や義兄の思いを、現実的な理由から家業に関わるようになって、自らも年齢を重ねたからこそ理解できてしまう何とも皮肉が構図がなかなか効いていました…。
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よっち
鎌倉にあるツリーハウスと広々としたガーデンテラスがある素敵なお店「カフェどんぐり」。店主のあさひが心と体に優しいお客様のため朝ご飯を振る舞っていく連作短編集。学校に行きたくない気分の女子高生には具だくさんの台湾おにぎり、ブラック企業で疲弊したサラリーマンには滋養たっぷりのスープ、夜もバイトをして夢を追う俳優の卵には甘いミルクレープ。ふんわりとした優しいあさひさんによる余裕のない心と身体に染みわたる美味しい朝ごはんが、訪れた人たちの心を癒やして前を向くための背中を押す力になってゆくとても素敵な物語でしたね。
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よっち
これまでごくごく普通の高校生活を送ってきたちぐさ。そんな彼女が父の再婚で新しく弟になったブラが好きな晴彦と出会う家族小説。ある日自宅で晴彦がブラジャーを着けているところに遭遇。別にLGBTとかそういうわけでもなく、単におしゃれだからブラが好きという彼の思いを家族として「理解」しようとするちぐさ。優しく個人を尊重してくれる晴彦にちぐさは救われて、少し変わっている彼のことをどう位置づければいいのか戸惑いながらも、だんだんとその魅力に気づいていって、本音で語り合えるようになっていく関係がなかなか良かったですね。
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よっち
『水門都市』プリステラへ至る複数の視点から紡がれるそれぞれの覚悟と決意、数々の過去エピソードを描いた短編集11弾。若かりし頃のロズワールやハインケルや、スバルとベティーの大喧嘩、フレデリカとグリンドの関係、オットーの内政奮戦記、ヨシュアがアナスタシアに託された重要な仕事、周囲の人々に振り回されるペトラの奮闘記、プリシラとハインケルの邂逅など、これまでの物語の隙間を掘り下げていくエピソード集になっていて、ハインケルもどうしてああなったしまったのかとか、ヨシュアの葛藤からの覚悟などなかなか興味深い1冊でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
Tポイントの生みの親や関係者への徹底取材して、楽天・三菱商事・NTTドコモ・ソフトバンク・三井住友FG、5大経済圏の20年戦史を解き明かした1冊。Tポイント誕生時の楽天との軋轢、慎重論の打破といかに拡大したのか。コンビニ王者の侵攻と挫折、ローソンが立ち上げたPontaによる新たな経済圏。楽天に移り新ポイントを立ち上げたことによる古巣との全面対決。Tポイントとの楽天の攻防、そしてドコモやソフトバンク、三井住友FGの参入まで、今に至るまでの過程にはターニングポイントもたくさんあって、なかなか面白い1冊でした。
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よっち
ディストピア都市を舞台に、そんな中でも生きていく人々の葛藤と決断を描いたSF短編集。徹底した再利用化が進んだ社会で自殺した友人の願い。荒廃した東京で過酷なシェルター暮らしを送る日々の中で、配信から消えた推しに凸ることを決意した思い。異星人と戦うために完全努力主義となった世界でエリートとなった男の結末、謎の生命体に寄生されて交流していた女が婚活で出会った男。人が老いて化す《老骸》を殲滅する「福祉兵器」が、少女に頼まれた願い。極まった世界で突きつけられる選択に向き合う主人公たちそれぞれの決断が印象的でしたね。
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よっち
姪っ子の光莉がダンジョンでの無双を配信して大バズリした平凡な中年サラリーマンの佐藤蛍太。勤め先の業績が悪化して、大手配信事務所DOOMプロに営業をかける第2弾。高圧的に枕営業を持ちかける相手から後輩の鵜飼を守る一方、電車では痴漢の冤罪をかけられてしまう蛍太。ストレスで魔物をカッ飛ばすべく淫魔宮へと繰り出した蛍太が国民的歌姫と出会い、それをヒカリが配信していてさらにバズってしまう展開で、窮地を救って後輩含めたいろんなヒロインたちから慕われ始めているのに、本人にその自覚がほとんどないのがまたあれですね(苦笑)
が「ナイス!」と言っています。
よっち
トラブルから助けたことをきっかけに、美少女後輩ギャル・大庭萌仲と仲良くなった正近。生徒会執行部の本格始動が近づく中、萌仲の役員入りをかけた生徒会試験が行われる第2弾。初詣で萌仲の願いをうっかり聞いてしまい、自分の気持ちに悩む政近。一方彼を取材したり、ライブハウスでバイトをしたり直向きに課題に挑む萌仲。彼女とのバレンタイン家デートも良かっただけに、その後の前生徒会長の暗躍には正直なんだかな…とも思いましたけど、結果的に見ればわだかまりもなくなって、雨降って地固まった末の結末も彼らしくてなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
性別バレをギリギリ回避して院試を通過した雪蓮と梨玉。遂に独房のような試験会場に放り込まれ、約2週間問題を解く『郷試』に挑む第2弾。臨時試験官として現れた皇帝の妹・夏琳英に激励され喜ぶ梨玉。しかし彼女は雪蓮の父殺害にも加担した一筋縄ではいかない人物で、一方、試験会場の外では「黄皇党」と呼ばれるテロ集団が蠢く混沌とした状況。真っ直ぐで素直な梨玉が利用され巻き込まれてゆく中、窮地を打開するために雪蓮が裏で手を回すという構図でしたけど、その結末を受けてこれから2人の関係がどう変わってゆくのか気になるところです…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
「神の切り札」天使長フレイヤとの戦いを制し、前人未踏の「神々の遊び」9勝目を飾ったフェイたち。究極のすごろくを舞台に人間と神との最大の攻防が繰り広げられる第9弾。10勝を目指す戦いで対戦する、世界最強の使徒で半神でもある少女ヘレネイア率いる『すべての魂の集いし聖座』。神側が優位なルールに何度も窮地に追い詰められながら、それでも相手の思惑を読み合うギリギリの駆け引きを繰り広げるなかなか熱い展開でしたけど、それでもゲームを楽しみたいという本質が最後まで変わらなかったフェイたちのありようが印象的な物語でしたね。
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よっち
衝撃的な惨劇をもたらした吸血鬼殺人事件により、大いに荒れる五種族の関係。そんな中『魔王』の城へ向かった『聖女』ジェーン・ドゥが失踪する事件が起こる第3弾。さらに五種族の代表全員も、同じく姿を消したことが明らかになり、ジェーン・ドゥの従者リリスと捜査を開始するエルとイヴ。しかし信じるべきものを見失い衆愚と化した人々が扇動されたことで、天使警察本部が襲撃され、2人も窮地に陥っていく展開でしたが、愚直なまでの相手を想う気持ちに向き合った結末があって、ここからまた物語も大きく動きそうな今後の展開が気になりますね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
高校をサボって街の小さな便利屋『英国屋』でバイトする班目真一。自称『陛下』で店主のエリさんと天使と悪魔の戦いに巻き込まれてゆくバトルファンタジー。不死者で時には『命令』で真一の身体を操る陛下と共に、後輩の女の子が無くしたキーホルダー探しをしていたはずが、いつの間にか都庁爆破で指名手配された挙げ句、天使と悪魔の『聖杯』争奪戦に巻き込まれてゆく真一。中務省の白川隊長とバチバチやる陛下も楽しかったですけど、何より様々な思惑が入り乱れて二転三転する構図の中で、陛下のために戦う真一の熱い矜持がカッコよかったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
今年も協力者として参加しましたが、各ランキングでの読了作品を見ると文庫部門49/50冊、単行本部門12/25冊、合算80/100冊、新作部門25/25冊、WEB投票21/30冊、協力者29/30冊という状況でした。単行本はあまりカバーできていないので、そのあたりが数字に影響している形です。今回は近年アニメ化された作品が大きく伸長していましたが、マケインは店売でもかなり売れていたそうで納得の一位。そんな中でWEB票・協力者票共に入っていた「誰が勇者を殺したか」と「こちら、終末停滞委員会。」が目を引きました。
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よっち
この世界を歪めた大賢者を打倒するため西の方角へと進むラディたち。その途上で大賢者の意思を継ぐ魔神十二将の一人、酩酊スクッバに遭遇する第2弾。スクッバの奇襲を退けて先に進むものの、辿り着いたハイネルナ帝国の最初の町は酔っ払いで溢れかえっており、原因と思われる国中に蔓延するワインの秘密を探るラディたち。たびたび襲撃してくるスクッパの部下シャーナや、父を探す少女ユリスの事情から明らかになってゆく、スクッバの悪辣っぷりがなかなか極まっていましたけど、その因縁に決着をつけて新たな仲間も増えたこれからの旅に期待です。
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よっち
マイヒメを救出したヒグレたちは隠れ里へと移動を開始することになり、しかしその道中で魔獣に襲われ、崖下の川に落下した先で死靈種の美少女シスカと出会う第2弾。魔獣を一掃するヒグレの強さに「飼い主さん」と慕うシスカと、希少種を実験材料として残虐に利用する研究者ヘライーナとの遭遇。そこから「白眉の冠」に助力を仰ぐべく彼女の里へと向かい、里が抱えた秘密を巡る騒動に巻き込まれていく展開で、ヒロインからの愛されっぷりは相変わらずでしたけど、彼女たちと協力しながら難局を打開してみせた熱い戦いっぷりはなかなか良かったです。
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よっち
転生して立派な悪役令嬢を目指し空回りを続ける元聖女のルナ。帝国より転校してきたウェンディのメインヒロインっぷりに衝撃を受ける第2弾。冒険者シルバーとなって脳筋思考で問題を解決していく一方、実家が両親が高圧的な徴税官に搾取される場面に遭遇して、それが思わぬところに繋がっていく展開でしたけど、宿敵と目されたウェンディもいい子で、そんな彼女の母を普通に救ってしまうルナは悪役令嬢忘れてますよね(苦笑)かつての仲間とも思わぬ再会を果たす中で、斜め上の結末が待っていましたけど、これからどうなるのか続巻が楽しみですね。
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よっち
アメリカから帰ってきた幼馴染・星蘭に踊らされる日々を受け入れつつある流斗。今度は中学までダンスパートナーだった乃羽とお祭りイベントのステージに参加する第2弾。文化祭のステージ乱入が問題となり停学危機に陥り、それを回避するために担任の八桜先生の提案で社会奉仕の一環としてお祭りイベントに参加することになった流斗。イベントに向けた合宿で星蘭と乃羽の間に絆が生まれて、八桜先生の意外な過去も明らかになりましたけど、思わぬトラブルに直面しても乃羽を信じて、今の自分にできることをやりきった流斗の頑張りが光っていました。
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よっち
超人気塾長が、自らの体験と多数の親へのヒアリングからつかんだ「中学生の子の学力を着実に伸ばす学習サポートの方法」を様々な角度から徹底解説した1冊。成績上位5%の生徒がいる家庭へのアンケートをもとに、今どきの中学生の3年間はどんな感じなのか、中学生への親の学習サポートはどれくらい必要なのか、勉強に関する親と子の関係4タイプ、成績トップのこの親は何をしているのか、成績の把握や朝食は抜かない、ながら学習や就寝時間、読書や勉強に取り組む時間帯の習慣など、周囲には聞きづらいことをまとめてくれていて参考になりました。
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よっち
ある日、偶然手にした手紙に、後宮に現れた有髪の美しい僧が凶事を予言したと記されているのを見つけた詞子。次第に後宮を騒がせる美僧を怪しんだ雅遠が調査を始める第4弾。実家の二条の屋敷にも現れ、妹の艶子が占いを依頼したという謎めいた美僧の存在。そして雅遠の縁談話を強引に進めようとする母親に、詞子とのことを隠したまま抵抗しようとする雅遠。艶子との関係も少しずつ変わりつつある中、彼に持ち込まれる縁談が毎回残念な気もしますが、思わぬところから話が繋がって乗り切りましたけど、思い合う2人だけに上手く行って欲しいですね。
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よっち
ある3月の週末、SNS上でトレンド入りした「人魚が逃げた」。王子と名乗る謎の青年の不可解な言動と、銀座を訪れた5人を待ち受ける意外な運命を描いた連作短編集。逃げた人魚を探して銀座の街をさまよい歩く王子と、その騒動の裏で人生の節目を迎える12歳年上の女性と交際中の元タレント会社員、娘と買物中の主婦、絵の蒐集にのめり込み過ぎて妻に離婚されたコレクター、文学賞の選考結果を待つ作家、高級クラブでママとして働くホステス。登場人物たちと王子の印象的な関わりも絡めながら、大切なものを見出していく姿が印象的な物語でした。
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よっち
ギルドの依頼をこなし、新しい呪文の書の購入資金を着々と貯め続けるアル。以前見つけた塔の主の墓所探索で、怪しげに活動している隣国の部隊を目撃する第2弾。ナレシュの従者として蛮族討伐に参加して機転を利かせたり、レインドロップ収集で思わぬものを発見したりする一方で、アルを慕うパトリシアに持ち上がる縁談の噂。それに不穏な動きもあちこち垣間見える中、アルもまた無関係でいられない状況に追い込まれてゆく展開で、相変わらず呪文の書の誘惑に弱い様子には苦笑いでしたけど、今回の決断が今後の展開にどう影響するのか気になります。
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よっち
旧家臣との合流を急ぐ魔王ベルトールが辿り着いた巨大な地下都市『渋谷市』。とある計画で人類に害を為すハズの悪魔が合法的に跋扈する街で天忌侯メイと再会する第6弾。極悪の治安を誇る暗黒都市で無事に天忌侯メイと再会を果たしたものの、彼女が記憶を失っていることを知るベルトール。メイの肉体を利用して新たに顕現した悪魔を次なる霊長せしめんと目論む魔王を称する最悪の存在に対峙する展開で、いきなり勇者がマッサージ店でTSベルに遭遇して笑ってしまいましたけど、メイを奪還するために悪魔を圧倒するベルトールの強さは圧巻でしたね。
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よっち
騎士候補生クロノの前に突如現れた美少女シャーロット。彼が英雄となっている二百年後の未来からやってきたガチ恋オタクの彼女たちと繰り広げる愛されファンタジー。現段階では人類の敵《侵略種》に対抗するための騎士候補生でしかないクロノに出会い、熱烈なオタクっぷりを炸裂させて専属騎士に志願したシャーロット。クロノを巡る熱烈オタクバトルには苦笑いでしたが、幼馴染オフィーリアや後輩アイなども絡めながら、本来の未来とは少しずつ変わる状況に、別の未来人を見出してその思惑を打破するために協力して戦う展開はなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
幼馴染・花園環奈との十年ぶりの再会で、一瞬で儚く崩れ去った五木陣平の平穏な一人暮らし。孤高な才女たちの悩みを聞いていたら、なぜか家に居座られてしまう青春ラブコメ。劇的な再会から陣平の家に入り浸るようになってしまった幼馴染・環奈。違和感を抱えていた日本陸上の星・浅桜や、存在感皆無な国民的女優・笹月に気づいたことで彼女たちにも懐かれて、彼女たちは同盟を組んで陣平の家に入り浸るようになる展開で、隙あらば繰り広げられるラブコメ模様だけでなく、共に過ごすようになって絆めいたものが生まれた4人のこれからが楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
手紙室というすこし不思議な部屋がある銀河ホテル。色とりどりのインク瓶に囲まれながら、過去に思いを馳せ未来を思い描く特別な時間を描いてゆく第2弾。亡き妻が遺した謎のメッセージに導かれ、思い出の軽井沢を訪れた夫。趣味アカウントが炎上して「好き」を見失ってしまったOL。そして人生の分岐点に立つ子を見守る母の願い。銀河ホテルの手紙室で以前書いてあった手紙を受け取ったり、今の想いを書いたりすることで繋がったり、気づいたりする想いがとても優しくて、苅部さんの存在は大きいですけど、旬平の心配りも要所で効いていましたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
我々はなぜ小説を読むのか。五歳で読んだ『走れメロス』をきっかけに、読書にのめり込んでいった内海集司が、小説の魅力を共有できる生涯の友・外崎真と出会う物語。最初は父親が喜ぶ姿を見るために背伸びして読んでいた読書。外崎と出会ってから小説家が住んでいるモジャ屋敷に潜り込んで、好きなだけ読書する日々を送っていた集司。けれど外崎の類稀なる文才を目の当たりにして、好きな本を読むだけで生きていくことも難しくて、好きな本を読むだけではダメなのかという彼の葛藤とその結末は、ページ数からは思いもよらない密度の濃い物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
舞台のリハーサル中、不可解な死を遂げた一人の女優。その死は事故なのか自殺なのか。演じることをやめられなかった女優の人生を描いた物語。開幕を直前に控えた舞台で主役を演じる予定で、舞台演劇界で高い評判を得て名声をほしいままにしていた遠野茉莉子。その死からほどなくして一堂に会することになり、彼女について次々と語り出す劇作家の名倉や関係者たち。その中で母との確執や人生そのものを演じていたかのような彼女の様子が明らかになっていって、そうすることでしか生きていけなかったその不器用な生き様が鮮烈な印象を残す物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
先代の夏麦が忽然と姿を消して以来、諍いが絶えない日々を憂いていたあやかしの姫・毬藻。ある日、白馬に乗った白い狩衣姿の青年が、たった一人で毬藻を訪ねてくる和風ファンタジー。訪ねてきた日向は帝で、人間とあやかしの友好の証として、毬藻に自らの妃になることを要望し、堂々と乗り込んできた彼を信じて入内する毬藻。しかし人間との常識の違いに日々大小様々な問題が勃発する一方、都でも不審火が続くなど不穏な状況になってゆく中で、日向の過去の因縁や夏麦失踪の真相に一緒に立ち向かいながら絆を深めていく2人の関係が良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
大正某年、発展著しい帝都を襲った異形と呼ばれる脅威。その異形対策部隊の隊長・瀬能晴臣と、狐の辰砂を家族として暮らす咲綾が出会うあやかし契約婚。異形同様の残酷さをもって討伐するという噂の異形対策部隊は、辰砂を異形とみなし咲綾を急襲。その力を借りて貧しい家計を支えていた反発するものの、辰砂の力を目の当たりにした隊長の晴臣からの契約結婚を受け入れる咲綾。生活能力に乏しい彼の家事全般を担いかけがえのない存在となってゆく一方で、部隊の一員としてもまた違ったアプローチがあって、自らの居場所を得てゆく姿が印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
懸命に政務をこなしていたのに皇帝に突如弾劾され、余生を過ごすことになった皇后の姚白瓊。その2ヶ月後またも皇帝に唐突に戻ってほしいと懇願される中華風ファンタジー。政務どころか後宮から出もせず、贅沢三昧で色街で馬鹿騒ぎしていた皇帝の豹変。国の滅亡を回避するために皇帝の身体を乗っ取った未来の壮人に協力を依頼される展開で、ポイントとなってくる太后の贅沢三昧、白瓊を陥れようとする張貴人、そして白瓊を聖女扱いする皇弟の秘密。流れを変えた反動もあって、別人となった夫に葛藤しながら乗り越えた結末はなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
人間以外の種族を人間以下の亜人と定義する澄人教。彼らにギルドで襲撃を受けたジグたちが、街で作り上げてきた人脈を足掛かりに教会へと乗り込む第5弾。「魔女」を護衛しているため、澄人教に対する情報を集めながらも極力不干渉を貫いていたジグ。しかし鱗人・ウルバスと食事を共にした直後、実力行使に出てきた澄人教相手に逆襲する展開で、前段の助っ人の時点からちょくちょく危うい思考が垣間見えるシアーシャでしたけど、ジグとの関係性が脅かされるとなるとヤバいですね…(苦笑)強敵の免罪官ヤサエルすら一蹴する最凶コンビが圧巻でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
飛び込み自殺を図り、死亡したひとりの女性。母親がその死因を探るうちに、これは私の娘だと名乗るもう一人の母親が現れ、2人で死の真相に迫るミステリ。4人の恋人と同居する温子と、夫と別居し娘も音大を休学していた由里枝。性格も家庭環境も全く異なる二人の母親の共通点は、娘のことを何も知らないこと。同じ顔に整形した娘は判別がつかなくて、どちらが死んだのかもなぜ死んだのかも分からなくて、複雑な環境で育った娘たちは果たして何を思ったのか。真相を探ろうとする母たちを嘲笑うかのような何とも皮肉な真相には言葉もなかったです…。
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よっち
怪異を管理する混河家の一員として様々な謎を解き明かしてきた葉介。混河家の当主が亡くなったという一報を受け、義妹たちとともに混河本家に向かう第3弾。状況的に当主は当時混河家にいた兄弟姉妹たちの誰かに殺害されたらしく、その犯人探しを任されることになった葉介。さらに当主の遺体を調べると、葉介が追い続けてきた災厄の事件の被害者たちと同じ特徴が見つかり、今回の事件と繋がっていることが明らかになる展開で、災厄に変貌した幼馴染に向き合い、3人の義妹たちにも助けられながら大切なものを取り戻した結末はなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
夏休み。突如サジの前に現れたのは、片桐真友の妹セオリ。ドスケベ催眠術によって誰にも認識されなくなった孤独な少女を救うために動き出す第3弾。家族たちにも認識されず、サジ以外には透明人間になってしまった経緯を知り、家族を元に戻してほしいという彼女の依頼の解決策を探すサジ。認識されない日々を送っていたセオリが積み重ねていった、家族に対する何とも複雑な思いには言葉もなかったですけど、それは真友が自らの過去に向き合うことにも繋がっていて、本音でぶつかり合う中で新たな関係を築き始めた2人の姿はなかなか良かったですね。
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よっち
ダイエット計画を完遂して心の距離が近づいた須田と犬浦。モデルの仕事も順調で、まるで絵に描いたような幸せな日々を送る彼女が思わぬ事態に直面する第2弾。ダイエットのご褒美で須田と一緒にスイーツを食べに行ったり、友人2人と満喫した反動から着実にリバウンドしていた犬浦。仕方なく須田に泣きついて今度は筋トレを開始する一方、お互いに意識し始めた2人が、文化祭やクリスマスといった秋冬のビッグイベントを前に距離を縮めようと覚悟を決めて動き出す展開で、勇気を出してもどかしい状況を乗り越えた幸せそうな姿が印象的な結末でした。
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よっち
偽造聖剣密造容疑で地下監獄・圧縮封炉に投獄されてしまったキード。一方、致命者の案内人先導の元、僭主七王のロフノースが魔王都市全域を全面戦争を開始する第3弾。圧倒的な戦力を誇るロフノースの死者の軍勢を前に為す術もなく、事態を解決すべく月紅會の女王イオフィッテと組み、キード脱獄計画へと動き出すアルサリサ。一方、同じく投獄されていたハドラインを焚き付けながら脱獄し彼女と合流するキード。持てる戦力をいかに使うのか駆け引きを繰り広げながら過去の因縁と対峙する中で、アルサリサと共闘する熱い展開はなかなか良かったです。
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よっち
歴史を変えた合戦の舞台となった城で何がわかってきたのか。城の見どころを熱く語り、通説を徹底検証。信長、家康、信玄、秀吉ら武将の戦術と苦悩を城から読み解く1冊。桶狭間の合戦と大高城、今川攻めと徳川方の諸城、なぜ見付城でなく浜松城だったのか、三方ヶ原合戦と徳川方の諸城、長篠合戦と武田・徳川方の諸城といったその城の重要性、駿府城や江戸城に見る家康が築いた近世城郭などを最新の研究成果を踏まえて考察していて、読んでいるだけではなかなか想像できない部分を、実地で確認したりもしながら解説する試みはとても面白かったです。
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よっち
物語の創造的で幸福な孤独のある社会から、映画、マンガ、英文学の名著、とある女王の史実までを読み解き、良い孤独のある社会、孤独を許容する社会を考える1冊。『アナ雪』のエルサは本当に孤独だったのか?ロビンソン・クルーソーに見る近代化と個人化と孤独の誕生、『ジェイン・エア』におけるソウルメイトの誕生、ヴィクトリア女王と『葬送のフリーレン』に見る死別と孤独、田舎のソリチュードと都会のロンリネス、都市遊歩者の自由と孤独、排除型社会と孤独など、孤独の種類を分析してその解消法を探るなかなか面白いアプローチの1冊でした。
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よっち
誤った情報に踊らされず自ら考えて判断する、必要な社会の様々な課題を考えるために、資料やデータを読み解くスキルをテーマごとにわかりやすく解説する1冊。地球温暖化、相対的貧困、女性の社会進出、男女間賃金格差、子育ての育児休業取得率、少子高齢化、移民・難民の増加と治安の悪化、民主主義、金融リテラシー、低下するエネルギー自給率、プログラミング的思考など、具体的なテーマを挙げながら、見方次第で印象操作やトリックが使えてしまう様々なデータに対する基本的な考え方の解説があって、改めて考えてみるいいきっかけになりました。
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よっち
AIの登場によってデジタル機器への依存が進み、脳への悪影響がますます高まるとして、脳科学の研究成果に基づきAIとの付き合い方を考える必要性を説く1冊。タイパを重視してデジタル機器による便利や楽に依存すれば、脳が本来持つ力を衰えさせてしまうリスクがあると強く警鐘を鳴らす著者が、デジタル機器やAIの何が危険なのか、合成AIの脅威、手書きとキーボードの比較研究、紙とデジタルの脳活動の差異などを解説していて、手足を動かしたり自分で考えてみることの重要性は確かにありますね。マルチタスクを推奨しているのも新鮮でした。
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よっち
剣士の叔父の頼みに応え、奄美大島へ向かったつきみ茶屋一行。新規オープンしたリゾート施設に流れた客を取り戻すべく新たな名物料理を考える第5弾。競合相手の料理も実際に確認しながらメニューを考える彼らが出会った、競合店を出した翔太と不仲の父・栄蔵。配信者の無職キャンパーにも協力してもらいながら打開策を練る展開で、玄で挙げる食材が今では天然記念物だったりしたのには苦笑いでしたけど、お店のことだけでなく剣士のぎくしゃくした親子関係も何とかしてやりたいという玄の思いや、最後のオチまでとてもこの物語らしい結末でしたね。
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よっち
人生の喜怒哀楽を繊細に掬いあげる恋と愛と性と怪。どんな時も気持ちに寄り添う、甘くてスパイシーで苦くしょっぱい17の連作短編集。プロポーズに自らが人魚だと告げる女性、敏くて鈍い男が世の中をBL世界にしたり、双子に嫁いだ似た者同士の提案、歳の離れた従兄への恋心、地下アイドルの同級生を密かに推すモデルの女子高生、ホームから落ちて死んで生まれ変わり妻に拾われた猫、亡くなった彼になりすますウィルス、一目惚れして買った真っ赤なソファが語る持ち主の30代など、積み重ねられてゆくどうにもならない想いがとても印象的でした。
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よっち
元イェニチェリ軍団長ズィー・ヤザンが、今度は異国の商人と反乱を企てている情報を掴んだライラ―とアスィール。彼らが出入りしているという隊商宿へ足を運ぶ第3弾。ライラ―の機転で新米商人を助けたことで件の商人ダンテとの接触に成功し、彼も苦しい事情を明かし取引に応じる姿勢を見せるものの、求めた対価はあろうことかライラ―の下賜。国益のためなら奴隷の自分は駒として使うべきだと進言するライラーに対して、複雑なアスィールという構図の中、周囲に助言されてお互いにようやく素直になっていった2人の関係がなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
祖父が営む弁当屋で働いて常連の伊吹と恋に落ち、数年の遠距離恋愛の末に結婚したひばり。彼が変わった客を連れてくる少し不思議なおもてなしファンタジー。出張も多くなかなか帰ってこない仕事が玉に瑕ながら、真面目で優しい素敵な伊吹が時々連れて来るエルフやドワーフの同僚、人狼の上司、見た目は小学生な魔王のワガママ娘といった個性的なメンツたち。そこから伊吹が抱える事情も明らかになりましたけど、ひばりのほがらかな人柄と振る舞う美味しそうな料理に誰もが魅せられて、2人のかけがえのない関係も描かれるとても素敵な物語でしたね。
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よっち
両親を亡くして、魔を退治する神祇官の一族・社城家が絶大な権力を持つ町に祖母と住む夜花。夏のある日遠縁だからと社城家の宴会に駆り出され運命が動き出す物語。手伝いの最中に事故で池に落ちてしまい、しかし当主候補に選ばれたのは彼女の後ろにいた同級生・晴。異界の水を呑み「まれびと」とされた似たような境遇の2人の少女は、当主のつがいとされた晴と、落ちこぼれ扱いの少年・千歳に匿われた夜花と対照的な扱いをされながらも、状況に対する心境は真逆で、浮かび上がる真相を踏まえてこれから物語をどう動かしていくのか今後が楽しみです。
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よっち
アプリ強者な女子高生・咲来の恋活指導を受けながらマッチングアプリで理想の相手を捜し求める高校教師・木崎修吾。夏休みに2人の女性と出会う第2弾。彼が夏休みに出会った同じアプリ初心者で秘密の趣味を持つマイマイさんと、カッコ可愛いおしゃれ女子でゲームで意気投合したメグさん。予行演習として咲来たちとナイトプールに行ったり、元カノも存在感を見せる中で、いい雰囲気に思えてもそうそう上手くはいかないですよね(苦笑)掴みどころのない咲来母も木崎を振り回していましたが、何より未だ見えてこない咲来の真意も気になるところです。
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よっち
番組として異例の「関係のリセット」を宣言した蒼志。それによってギリギリで均衡を保っていた四角関係は急変して、少女たちのアプローチが白熱していく第2弾。隠していた正体を現したカレンはぐいぐい迫り、エマは状況を知ったうえで危険な火遊びに誘い、そして想いを隠さなくなり皆の前で正直になることを宣言した明日香。そんな彼女たちの危うい様子を放っておけなくて、本気で純粋な想いに心揺さぶられながらも覚悟を決めた蒼志でしたが、これで終わりというわけではないんですよね…むしろここから彼女たちがどう逆襲するのか続巻に期待です。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
旅行先で自殺しようとしていた車椅子の清楚系美少女の亜桜紫音を救い、彼女にも懐かれて彼女を自立させるために師匠として手ほどきをする第2弾。施設育ちで高校でいじめられ、車椅子では参拝にすら行けないことに絶望していた彼女を救う黎人。事情を聞いて彼女に冒険者としての可能性を提案してその手助けをする彼の人の良さが出ていましたけど、新キャラとして登場した黎人の義姉レベッカもいい感じに効いていて、暗躍する黒幕の存在も気になるところですけど、彼らに見守られながら成長する紫音が過去を乗り越える展開はなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
神話の時代、魔族の王として君臨し、最強が故に現世に飽きていた魔王ルーカス。幾度も挑み続けてきた勇者が語った言葉に興味を抱き、千年後に転生するファンタジー。魔族の恐怖を忘れ平穏な時代で出会った勇者の子孫で魔族のような魔力を持つティニー。配下に志願した彼女に導かれて、自分と渡り合える次代の勇者を探すため、勇者学園に潜り込む展開で、挑んでくる勇者候補たちを圧倒する一方で、ティニーもまた幼馴染アリアの葛藤に向き合うべく奮闘して、勇者候補たちの強くなりたい思いを利用する黒幕に対峙していく展開はなかなか熱かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ダンジョンをイデアという異能を持った討伐者が攻略する世界で、イデアを持たない桜坂天人が、異世界の大魔導師でだった記憶を活かして無双するファンタジー。異能を持っていないがゆえに妹と2人極貧生活を送っていた天人が、ダンジョンを攻略する討伐者として活動し始めて生活が激変していく様子は微笑ましかったですが、ダンジョンで窮地に陥っても普通なら1つの能力しか持たない討伐者の中で、1000種類以上の魔法を使える賢者の力は圧倒的で、紆余曲折を経てコンビを組むことになった神南とどんな活躍を見せてくれるのか続巻に期待ですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
数学とモノゴトにある隠れた関係性をポップなイラストと共に紹介して、数学の力を少し借りることで、日常生活を効率化したり、心がラクになる新たな視点を紹介する1冊。人気数学科講師の著者が、数学が何の役に立つのかという問いに対して、逆さ文字と鏡文字の錯覚や本質を浮かび上がらせる同一視、メタ視点の俯瞰した考え方、認知の方向や不変量、指数と刺激量、帰納法や相対的な価値、公理と演繹に見る数学の正しさなど、図解で説明しながらその考え方を紹介していて、確かに知っているのといないのとでは見える景色が変わることを実感しました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
紆余曲折の末に期間限定の国王代理となったフィンラード王国の若き公爵ユリシス。溺愛する妹イザベラについて頭を悩ませる彼が、魔王の息子から求婚をされる第2弾。イザベラ自身は更生したものの、婚約者の第一王子は留学先で出会った隣国の王女に夢中で、彼女があまり大事にされていないことに憤りを覚えるユリウス。魔王の息子ジハールから、厄介な方法で求婚されたことを知り困惑する展開で、何とも迂闊な第一王子が相変わらず残念で、そこから思わぬ騒動に発展しましたけど、超絶にぶいユリウスに苦労するアンジェリカに同情してしまいました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
作家デビュー後、前に進めなかった五森つばめが祖父の半生を描くことを決意して、関係者への取材を勧めていく中で時を超えて思いが繋がっていく物語。日本で最初のろう理容師だったとされるつばめの祖父・正一。聾者にとって偏見も多く厳しかった時代になぜ信念を持って生きることができたのか。つばめの祖父に関する取材を進める中で、当時の聾者が置かれていた状況がいかに過酷だったのかが浮き彫りになる一方で、周囲の人々が言えずに抱えていた秘密に対しても、ひとつひとつ解きほぐすようにしっかりと向き合ってゆくとても印象的な物語でした。
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よっち
体調が優れないにも関わらず、祈禱や祓に頼り医師の診察を受けない太后。父から医術を学び京の後宮へやって来た瑞蓮が王女御に依頼され太后のもとを訪れる第3弾。瑞蓮は太后のお気に入りの陰陽師・大津氏の症状から流行病を疑うものの、自らが「物の怪」にとり憑かれたとして祓おうとする大津氏という構図で、今回は陰陽寮の学生として安倍晴明も登場する中、難しい状況で瑞蓮の機転が効いていましたね。太后の影響力が大きい今上に対して距離を置く女御たちの構図は根が深そうですが、瑞蓮は果たして博多に帰ってしまうのかも気になるところです。
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よっち
Windows 11に標準搭載されている無料のAIアシスタント「Copilot in Windows」の初心者向け解説書。Copilotとは何か?からできることとできないこと、生成したコンテンツ利用の法律上の扱い、様々な形の質問方法からPDFの要約、文章だけで画像を生成、生成された回答をPDFで保存、質問方法の工夫から仕事の効率化まで、ざっとどんなことができるのか解説していて、今はメールの文章作成や要約、校正などをメインに使っていますが、引き出しとしてこういう使い方ができるを知ることができて良かったです。
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よっち
幽霊が出ると噂され「バー・ゴースト」と呼ばれるとある新宿のバー。地縛霊になった老人の霊がバーで起こる事件の謎を次々と解決していく連作ミステリ。ある日、来店して噂の原因となった足音の謎を解き明かしたものの、直後に脳梗塞で倒れて本物のバーの地縛霊になってしまった老人。ストーリーとしては霊体が見える常連客の「ぼく」が、泥酔した客に憑依して次々と解決していく老人を観察するという構図で、映画や小説といった様々なネタを中心とした蘊蓄語りも多くて、わりとゆるい雰囲気の謎解きながらもこれはこれで味があって良かったですね。
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よっち
難病FJAPの特効薬を開発した創薬ベンチャーの元に届いた、大手製薬会社3社から特効薬の特許権侵害を理由に製造中止を求める警告書。社長の國広は弁理士・大鳳未来に頼る第3弾。なぜ患者数も多くない零細ベンチャーの特効薬に特許侵害の警告書が届いたのか。未来の策は裏目に出てしまい、さらに窮地に陥ってしまう展開で、薬を与えられず患者の難病の悪化してしまう期限が刻一刻と迫る中、意外な共通点として浮かび上がってくるメディカルドクター黒崎の因縁があって、執念で活路を見出して真相にたどり着いてみせた未来の執念は流石でしたね。
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よっち
動物の姿を借りて人々を導いてきたゴールデンレトリバーの死神レオと黒猫の死神クロ。今度は未練を解決した人のために二人で協力する死神シリーズ第3弾。町で謎の人魂が目撃され、相次ぐ連続放火事件が発生する中、強い未練を持つ青年と出会ったクロと、女性の切ない思いを叶えようとするレオ。意外な場所で再会したレオとクロが直面する予想外の事態。2匹がこれまでの情報を共有して、それぞれが得意とするアプローチから事件解決に動き出す展開で、人の切なる願いを悪用した独善的な企みを打ち砕いてみせた新たな決意がなかなか良かったですね。
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よっち
就職氷河期世代は50代になり、時代の変化のなかで何を体験し何を見落としていたのか。1975年生まれの精神科医が半世紀の記憶と記録をたどるクロニクル。昭和の地域社会における昔はこうだったや、就職氷河期のバブル景気なんて本当にあったのかという感覚、当時は犯罪者予備軍と言われたオタクに対する捉えられ方の変遷、発達障害の台頭やインターネットへの期待と現実、思想家たちが思い描いていた理想と実際に到達した時代のギャップなど、インターネットもなかった当時は地域差も大きかったように思いますが、なかなか興味深い1冊でした。
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よっち
父公爵の亡き後、義母たちに虐げられていたクラウディア。領地の仕事も取り上げられた彼女は濡れ衣で平民に落とされ、南の果てのグラーツ領へ追放されるファンタジー。ろくな証拠もないまま横領で贅沢な生活を送っていたと断罪されて、自分が聡明と呼ばれていたことも忘れかけていた彼女が出会ったグラーツ領の領主ユリウス。使用人同然の生活を送っていた彼女が健康な生活環境を用意されてグラーツ領の人々の温かさに触れ、大切なものを取り戻すために立ち上がる中で、クラウディアが自らの大切な居場所を自覚してゆく結末がなかなか良かったです。
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よっち
勇者を助ける重要任務を神殿総本山から極秘裏に託された神官リュイス。護衛を依頼するため冒険者の宿を訪れた彼女が女剣士アレニエと出会うガールズファンタジー。剣帝さながらの強さで暴漢を圧倒してみせた、どこか掴みどころのないアレニエとともに始まるたった2人だけの勇者を救うための旅。旅を通じて少しずつ距離を縮めていく2人は、それぞれ人には言えない秘密を抱えていて、立ち向かう魔将イフとの激闘の中で明らかになってゆくアレニエの過去と思わぬ正体があって、様々な葛藤を乗り越え絆を深めていく2人のこれからがとても楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
少女小説レーベルだけでなく一般書やライトノベル、ミステリ、SF、青春小説、時代小説からも話題作や知られざる傑作までおすすめの作品を紹介する1冊。野村美月さん、高殿円さんの作家インタビューは読めて良かったと思える内容でしたし、9つのジャンルごとに分けて本を紹介していくスタイルになっていて、かなり昔からごく最近の作品を網羅していて、出自やレーベルなどにこだわらない越境を意識したチョイスは、横断的に探して見つけるのは意外と難しいことを考えると、ブックガイドとしてこれはこれで興味深い試みだったのかもしれませんね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
バブル崩壊後に社会問題となった未曾有の就職難。就職氷河期世代の雇用形態や所得などをデータから他世代と比較してその影響を明らかにする1冊。1993~2004年に高校・大学などを卒業した人々を「就職氷河期世代」と定義し、結婚・出産など家族形成への影響や男女差、世代内の格差、地域間の移動、高齢化に伴う困窮について検討する内容で、少子化はその前のバブル世代から始まっていて、氷河期世代でも前半と後半ではだいぶ違うこと、その後の世代は一部を除いて苦しい状況が続いていたことや地域差もあったことが伺えて興味深かったです。
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よっち
紫式部が『源氏物語』の中で予言し、中宮彰子が行き着いた女院権力とはどのようなものだったのか。平安後期の優雅でたくましい女性たちの謎を解き明かした1冊。天皇を超える絶対権力者として上皇が院制をしいて、支える中級貴族、源平などの軍事貴族、乳母たちも権力を持ちはじめた権力の乱立、院に権力を分けられた巨大な存在の女院の誕生。摂関政治を突き詰めたことで摂関家の勢力を削ぐ皮肉な結果になっていたり、女性視点で見るといろいろまた違った一面があって興味深かったですし、入り組んだ関係の系図も多めに掲載されていて助かりました。
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よっち
図書館利用者さんの覚え違いタイトルの実例を集めて、HPで公開している福井県立図書館。その秀逸な「覚え違いタイトル」の中から厳選してまとめた1冊。「下町のロボット」「蚊にピアス」「おい桐島、お前部活やめるのか?」など、惜しいけどそうじゃない覚え違いタイトルと正解を紹介している内容で、思っている以上に意外と正確なタイトルを覚えていなくて、行けばなんとかなるだろうと思っている人がわりと多いんですよね。自分もどこか書店行って見れば、うろ覚えでも分かるだろうと思っているフシがあるので偉そうなことは言えません(苦笑)
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よっち
特殊な記憶力を発揮して活躍し、ついには世界を救うために聖女召喚を成功させたマルティナ。召喚してしまった聖女のために奔走する第2弾。理由もわからないまま聖女として召喚された女子高生ハルカの話を聞いて、必ず元の世界に帰そうと聖女送還の方法を求めて再び奮闘するマルティナ。聖女として協力してくれるハルカと仲良くなる一方で、聖女を自国に取り込もうと動き出す国があったり、聖女を一神教を脅かす存在として排除しようとする動きもあって、様々な思惑が絡むなかなか難しい状況ですけど、マルティナやハルカには頑張ってほしいですね。
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よっち
死闘の果てに悲願の一つを叶え、高校生という日常へと戻った伽羅森。どこか燃え尽きたような日々を過ごす彼が、日継との新たな任務で独部由良と出会う第2弾。普通の人間には視認できない歪みを抱える孤独な独部。彼女のバンドをやりたい切なる願いを叶えるために、協力を始める伽羅森やアーカイブたち。伽羅森に恩義を感じるアーカイブの斜め上の行動には笑いましたけど、様々な出来事や過去を描くことで歪みを修正することの意味や恐ろしさを浮き彫りにする中で、それでも彼女のために奔走する伽羅森たちがもたらした結末はなかなか良かったです。
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よっち
元宿敵同士で、今はラブラブ夫婦の狼士と律花。互いの秘密を打ち明け、悲願の同衾が叶った2人。関係を進めようとした彼らが思わぬ問題に直面する第3弾。悩める2人が周囲に相談して解決方法を模索する中で、律花が新たに出会い友人となった産業カウンセラー璃。友人・健剛が働くコンビニでの事件や愛猫にゃん吉の通院なども描かれる中、狼士の後輩・生駒が抱えていた想いには驚かされましたね…。様々な因縁がひとつが繋がった聖夜に上手い落とし所が見つかって良かったです。今回は律花兄に助けられましたけど、絆を深めていく2人の今後に期待。
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よっち
天才だが女心だけは分からず、恋愛に対して深いトラウマを抱える高校生・空木夜光。そんな彼が魔女ベルカと契約して百姫夜行に挑むラブコメファンタジー。実家の両親から無理矢理結婚させられそうになっていたベルカが一目惚れした夜光。彼女と契約した夜光が100人の女の子を恋に落として影から救うことを目指す展開で、純真無垢なアスリート娘や無口な小動物系ゲーマーを救っていく一方、意外と嫉妬深いベルカには苦笑いでしたけど、トラウマの原因だった元カノの過去とも決着を付けたものの、その何やら訳がありそうな背景は気になりますね…。
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よっち
千年蠱の呪いを転化するれば死なせずにすむのではないか、という澪の言葉に微かな希望を抱く高良。仲間たちが見守るなか、澪は難題に果敢に挑んでいく第5弾。蓮の大学の友人が下宿する祖父の家の庭にいる幽霊の真相、住居兼古民家カフェにするために購入した屋敷にある奥座敷、妹を呪詛してほしいと訴える姉の様子がおかしい理由。やる気はあるけれどどこか危なっかしい澪のことを高良も気にかけている様子が微笑ましかったですけど、澪の真摯な想いが高良だけでなく、長年対立してきた因縁の関係をも動かして、物語としても大きく動きそうですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
急な親の再婚で、突然姉妹になった春夏と沙織。父親から家を出ることを提案され複雑な心境の春夏に、義理の姉となった沙織が同居を提案するガールズラブコメ。ただでさえ仕事を辞めて実家暮らしの春夏にとって、仕事一筋でクールな住む世界が違う人だと思っていた沙織。けれど実はおっとりした春夏に一目惚れしていて、せっかく手にした家族の絆を失ってしまうかもと思いながら上手くハマっていい感じだった共同生活には思わぬ落とし穴がありましたけど、改めてお互いの存在に向き合い、認め合った2人のこれからを応援したくなる優しい物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
科学に好奇心旺盛な岩間理桜と印象的な出会いを果たしたデルタこと出田樟。科学をこよなく愛する高校生たちが日常で直面する数々の謎に挑む青春ミステリ。鮮烈な出会いを果たしながら、なかなか距離が縮まらない2人の関係も絡めながら向き合う失われた恋愛成就の桜の謎。部活勧誘の小さな違和感。巨木の樹齢に秘められた物語。密室で消えたハムスター。全てが繋がってゆく因果から見えてきた切実な決断。受け入れがたい事実があってもそれがかけがえのない出会いであったことには変わりなくて、らしさを尊重しあえる2人の結末はとても素敵でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
恋人の啓久と交際5年目のカメラマン新夏。東京駅の前でプロポーズしてくれた翌日、啓久が通勤中に女子高生を盗撮したことで、2人の関係が一変する恋愛小説。彼は事実を認めて示談が成立して起訴こそされず、彼の母や友人は大したことではないと言うけれど、「二度としない」と誓う啓久とやり直せるか葛藤する新夏。一方の啓久の側も一度の過ちがいつまでもついて回る状況を突きつけられる様子が描かれていて、縁あって再会した被害者の心情も綴られていましたが、挽回しようと頑張ってもそれをもう一生抱えていくしかないのを痛感させられますね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
21の重要物資をめぐる国際情勢を統計データや地図とともにわかりやすくビジュアル解説。物価高の背景も含めた世界の今を解説する1冊。自由貿易や経済連携協定、関税同盟や経済制裁といった世界経済の仕組み。資源や穀物のメジャー会社、サプライチェーンや海上輸送のリスクといった国際貿易の基礎知識。ランドパワーとシーパワー、NATOや中国の一帯一路戦略、大国の戦略といった地政学を押さえた上で、鉱物資源や食料資源、産業資源の状況を解説していて、アメリカの強者っぷりと中国の存在感、輸入依存な日本の状況が浮き彫りになりますね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
プロ作家とストーリーデザイナーが生成AIを活用して物語のアイデアの幅を広げ、魅力的な小説を書くコツを解説する1冊。基本的にはChatGPTを使った方法を解説していて、いかにあらすじを作っていくのか、8つのパターンから物語の方向性を決めて結末を決める、AIとの対話による物語創作といった小説を書いていくためのプロセス。実際にプロットを作って物語を書いていくところまでを紹介していて、方向性や矛盾点を話し合いながらプロットを作る、ストーリーを構築することはできそうですが、やはり使い方次第なのかなという印象ですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
安倍政権以降、政治が教育に介入し始めている。米国の教育教育「改革」の惨状を告発した著者が米国に追随する日本の教育政策の誤りを指摘する1冊。お客様を教育しなければならないジレンマと、サービス業に徹するという対処方法、学校における働き方改革の政治的背景と本質、学部活動の地域移行という名の民営化、コロナ禍が映し出した教育の光と闇、教育目的の再定義と多忙化の解消という罠など、現状の良くないところは見直す必要があるのは間違いないですが、合理化する中で見落とされてしまっているものがないか、考えさせてくれる内容でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
医療の定説や広告、健康食品の表示など、情報の正誤や信頼性を見極める方法や正確な医療情報へのアクセス法について、エビデンス研究の専門家医師が詳細に解説する1冊。五月病やHSP、カサンドラ症候群、自律神経失調症とはいったいどういうものなのか。再発率や死亡率といった数値は知りたいことを正確に表しているのか。そもそも医療広告に「体験談」「回数無制限」「施術前後の写真」は禁止で、健康食品の表示制限や数字の思い込み、確かな情報の取得方法まで紹介されていましたが、そこまで確認したい、裏を取る人はなかなか少ないですね…。
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よっち
銀座のはずれにある、ちょっと変わった「ちぐさ百貨店」。無職になったばかりの千種綺羅が、この店を営む祖母美寿々に呼び出される物語。雑貨を売る傍ら、尻尾に魅力が隠された焼きたてのたい焼きで訪れた人々の心を癒やしていくお店を手伝うことになった綺羅。母親に関する因縁から複雑な想いを抱きながらも働き始める展開で、お店にある雑貨が人と人とを繋いで、雑貨屋がたい焼きを始めた経緯にも驚かされましたが、苦い思い出の真相も明らかになる中、たい焼きを焼く葵と一緒に祖母の想いを引き継いでいく結末がとても優しくて温かい物語でした。
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よっち
人間の生をはるかに超える時の流れを見据えて、今日も日本のどこかで大切な何かを受け継ぐ人がいる。科学だけが気づかせてくれる大切な未来を描いた5つの物語。何とかウミガメの卵を孵化させ、自分一人で育てようとする中学生、年老いた父親のために隕石を拾った場所を偽ろうとする身重の女性、萩焼に絶妙な色味を出すという伝説の土を探す元カメラマン、膨大な量の謎の岩石やガラスを発見した若手公務員、山奥でニホンオオカミに出会ったウェブデザイナー。どの話も時の流れを感じさせる壮大な物語の中で、その受け継ぐ覚悟が印象的な物語でした。
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よっち
新潟県三条市でJR信越線が大雪で立ち往生するという事件が発生。高校生たちも電車に閉じこめられ、15時間”密室”となった車内で熱い恋が動き出す青春小説。受験勉強を終えた高校三年生・石神博人が大混雑の車内で遭遇した地元の友人・櫻井静時。そこに博人が想いを寄せる幼馴染・三宅千春が同じ車内に乗っていたことで、大きく動き出す恋愛模様。博人に恩義を感じるがゆえに千春の想いに応えない静時という構図で、つれなくされても諦めない千春の強さがなかなか強烈でしたけど、博人がいつか幸せになれることを祈らずにはいられませんでした。
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よっち
働く人々も客もどこか変な東京都三鷹市のスーパーマーケット「ママズキッチン」。バックヤードで繰り広げられる面倒な12人の群像劇。言葉を聞き入れてもらえない少女、自分の意見を捨てた女、完璧に見えるバイトリーダー、他人の人生を壊してしまう男、毎日この店を訪れ「お弁当をタダでくれ」を叫ぶ車椅子の女。あるものは感情をさらけ出し、ひたすら耐える登場人物たちの心理描写を丁寧に積み重ねていく展開で、言葉の応酬と傷つけ合いによる感情の揺らぎに振り回され続けた果てに、とある転機から急展開を迎える結末はなかなか衝撃的でした…。
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よっち
宇都宮市の元石材商旧家に暮らす公務員・石庭大輔のもとに、明治生まれで亡き祖父のもとで働いていた女性アヤが現れる家族ファンタジー。アヤがタイムしリップしてきたと騒ぐ友人の紫、さらに妹の忘れ形見・ルナも引き取ることになり、アヤや紫も巻き込みながら始まる奇妙な同居生活。アヤが作り上げる壺飯、じんごろう焼き、源氏飯、チタケうどん、れもんミルク、ベーキャップルといった美味しい料理が描かれて、彼女たちと食卓を囲む楽しい日々に大輔の心境も変わっていって、時を超えて育まれてゆく絆と優しい結末がなかなか印象的な物語でした。
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よっち
私と「先輩」はあらゆる世界、あらゆる形で出会い、あらゆる物語になる。1ページで心かき乱される、不可思議で不条理な掌編小説集。本書は著者が不純文学というタグを付けて投稿した掌編をまとめた1冊で、様々なシチュエーションの先輩と私の関係を、1ページで完結する掌編でひたすら続いていく​構成。宝島社文庫の「不純文学」と一部掲載内容も被っているようですが、章題がなくなった分話数もぐっと増えていて、以前読んだそれよりも1ページに詰め込まれた密度が凝縮され、関係が変わっても変わらない先輩に対する想いをより強く感じました。
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よっち
欲しい情報の入手にはほぼ困らない現代ネット社会で、人はなぜ学校に行くのか。長年アフリカをはじめ世界の教育政策を研究してきた著者が、学ぶ人間の核心へと迫る1冊。アフリカの開発援助コンサルタントとして、学校建設や教員養成のプロジェクトの参加してきた著者が感じた、植民地時代の教育の目的と今なお続く途上国援助の問題点。そして人は何のために学ぶのか。現代社会で必要とされるのは「非認知能力」という形の見えないスキルで、SNS時代の今でも口承文化のアフリカと実は共通点があるのではという指摘はなかなか興味深かったですね。
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よっち
「本が売れない」「読書人口の減少」といった文言が飛び交う現代社会。純粋に本という存在が好きな読書家が読書の原点を問い直す1冊。大人になるとどういうわけか本を読めなくなる。そういう人のために初心に立ち返ることを目的としたもので、肩の力を抜いてもう一度本を読むとはどういうことかを考えながら、読むのが遅くても忘れるのもおかしくないこと、読書はルールがないこと、好奇心の大切さを振り返りながら、いかに読書を習慣にしていくか、本を読むことに集中するのか、本を読むことの原点を改めて考えさせてくれる内容になっていました。
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よっち
社長室で殺された社長に関わるメンバー7人がある廃墟に集められ、「社長を殺した犯人だけ生きて帰してやる」と、犯人以外は全員毒ガスで殺すと脅されるミステリ。廃墟に集められた未亡人、記者、社員2人、運転手、清掃員、被害者遺族が密室に閉じ込められ、生き残るために命を賭けた自供合戦を繰り広げる展開で、様々な角度から殺された社長に置かれていた状況や、そして電気自動車を巡るリコールで揺れる会社を取り巻く会社の真相も次々と暴露されて、その印象をガラリと変えていきましたけど、ラストに待っていた思わぬ真相には驚かされました。
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よっち
身近な部首の起源について、甲骨文字研究の第一人者が古代中国における漢字部首成立の過程を辿り、文化、社会、自然観との関係性を解きほぐす1冊。現在使われる214部首のうち約8割が誕生していた中国史上最古の王朝・殷。当時の甲骨文字から西周の金文・秦の篆書・中世の楷書へと、中国王朝史と共に変化を遂げてきた漢字の変遷を辿る一方、動植物や人体、人工物、自然や建築、複合字や同化・分化したもの、成り立ちに諸説ある部首など、タイプ別に分類された様々な部首が、その過程で形や意味を変えながら今に繋がる様子を興味深く読めました。
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よっち
ソニー再生の立役者が、次世代を担う若い人たちに向けて働くことの本質を語る1冊。先の見えない時代をどう生きるのか。成功のロールモデルがいないのが当然の現代で、自分のために働くこと、何がしたいのかを考えることの重要性。自分に合う会社の見極め方、着目すべきミッション・ビジョン・バリュー、仕事は手段で会社は取引先であること、会社に入ってから何を意識して仕事していくべきなのか、社会人として人と被らない専門性を磨くことや、自分とは違う人達と対話していく重要性など、大切なことが分かりやすく書いてあったように思いました。
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よっち
小説はなぜあるのか。古今東西数え切れないほどの数が書かれている小説という表現形式が秘める大いなる可能性について考える1冊。書き手はどんな風にでも書ける自由があって、読んだ読者もそれをどう受け止めるかという自由があって、その時代ごとの状況や道徳といった限界もある中で、その作をいかに描くのか。登場人物に成長や事件といった状況をいかに与えるかによって、ダメな人間でも魅力的な存在として描くことができたり、空想の世界を描いたり理想を託したり、励ますことができる小説の様々な可能性をわかりやすく教えてくれる1冊でした。
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よっち
焼け落ちた屋敷から見つかったのは、​都議会議員と元女優夫婦の遺体。華やかな人生を送ってきた2人に​何が起きたのか。​​五代刑事がその真相を追うミステリ。被害者が行った非道な行為の証拠が入ったタブレットを買い取れという脅迫メール。2人が行っていた非道な行為とは一体何だったのか。教師と生徒でもあった高校時代の過去を調べる中で浮上した刑事の存在。密かな片思いの過去と悲劇、真実も判明しないまま実行した彼らの覚悟には驚かされましたが、何よりそれを結びつけて真相にたどり着いてみせた五代刑事の推理力が際立っていました。
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よっち
伝説のプレイヤーreeenがコーチをした甲斐もあり、VTCで準MVPを獲得した火鳥アリサ。一方、reeenの自宅へホームステイで幼馴染がやってくる第2弾。最高峰レベルの大会SSCの招待をもらいキララ、reeenの3人でパーティーを組むことになったアリサ。一方、再会したreeenの幼馴染カオルは同じ師匠の弟子でもあり、強力なライバルとして立ちはだかる展開で、reeen自身も少しずつかつての力を取り戻していく一方、悩めるアリサも仲間たちに支えられながら吹っ切れて力を出し切ったその結末はなかなか良かったですね。
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よっち
京都の古い家の出身だと思っていた貴子の意外な秘密。今の彼女がどのような積み重ねによって形成されていったのか、その過去が明らかになっていく下巻。父親から本屋の主人夫妻に預けられ、六条夫人に様々なことを学んだ日々。紆余曲折の末に篠田氏と運命的な出会いを果たした彼女の人生はまさに波乱万丈で、彼女がずっと抱いていた日本への思いと、狂気を抱えてしまう現実に彼女の複雑なアイデンティティが垣間見えましたけど、彼女の中で篠田氏がいかに特別な存在であったのか、ケヴィンの彼女への一言では言い表せない想いが印象的な物語でした。
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よっち
翻訳者のケヴィンに忘れられない鮮烈な印象を残した、親しい隣人の元外交官夫妻。彼は夫妻から聞かされた彼女の数奇な半生を日本語で書き残そうと決意する物語。軽井沢追分の小さな山荘で過ごすケヴィンの隣人となった、京都の宮大工の手による日本家屋に住む元外交官夫妻。日本の古き良き文化をアーカイブに残そうとする彼が意識せずにはいられない、能を舞って嫋やかに着物を着こなす、古風で典雅で時折狂気を垣間見せる夫人・貴子の存在。ふとしたきっかけから始まった夫婦との交流の中で、明らかにされてゆく彼女の秘密に驚かされた上巻でした。
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よっち
美少女ゲームの悪役貴族タイタンに転生してから半年。ようやくその生活にも慣れてきたある日、突然生徒会からの呼び出しを受ける第2弾。生徒会長シャルトと会計リーラから告げられる原作知識を網羅しているはずのタイタンが知らない『イベント』。その調査にシアン王女たちともに協力する展開で、窮地に陥って我が身を省みずにギリギリまで追い込んでいく戦いっぷりは相変わらずでしたけど、本来の主人公ハルトも叱咤されて変わるきっかけを得たようですし、彼の熱い想いに触れた生徒会の2人やシアンたちも絡めた人間模様もこれから楽しみですね。
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よっち
元婚約者の妹という立場ではなくなった今も、新の家に毎朝お弁当を届けに来る寧々。そんな中、新は寧々の通う高校に非常勤講師として勤務し始める第2弾。寧々も知らないサプライズで、当然学校では寧々と新の関係性は秘密。校内では教師と生徒として、家では年の離れた親密な友達としてこっそり仲を深める2人。夏休みに寧々たちの旅行引率として同行した先での思わぬ遭遇からのドタバタ展開も楽しかったですが、中村とオタクくんの関係もいい味を出してましたね。もはや堕ちるところまで堕ちた元婚約者との関係もここで断ち切れてホッとしました。
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よっち
幼馴染で恋人の美雪とサッカー部エース近藤の浮気を目撃した青野英治。屋上で学園一の美少女・一条愛を救い、全てを失った絶望の淵から青春を取り戻すラブコメ。彼女に裏切られたのに逆に近藤によって暴行され、挙げ句に悪い噂を流されて過酷ないじめに絶望した英治。噂だけで生まれる空気があれでしたが、屋上で救った愛は気にせず英治と向き合い、事態に気づいた担任や校長も圧力に屈せず彼を守り、真相を調査する態度を見せたことで流れが変わり始めましたね。それにしても悪辣なクズっぷりを見せる近藤に同調してしまった幼馴染が残念でした…。
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よっち
校則違反のバイトがバレた苦学生・君永織見。退学免除のために誰もが憧れる才能を持つ美少女四姉妹が住む理事長宅の家事代行をする青春ラブコメ。絵師VTuber長女菊莉。人気配信者次女蘭香。プロゲーマー三女梅瑠。天才声優四女竹奈々。才能溢れる一方で家事が壊滅的な彼女たちのお世話をする中で、姉妹の素の顔に惑わされながら、家事能力と面倒見の良さで面倒で重い彼女たちの信頼を得ていく織見。親友・三鷹の存在も今回の肝でしたけど、メッセージを送ったのは誰か、彼女たちとこれからどのような関係を築いていくのか今から楽しみですね。
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よっち
中学時代の同級生と遊んでいた川波小暮。起きたら昨夜の記憶がまるっと無く、暁月の意味深な態度に動揺する第12弾。やらかしたのかと自分を信じられなくなり、あの夜の真実を追う川波。一方、記憶が無く朝チュンな光景に密かに混乱しながら、この機に関係を進めてしまおうとする暁月。そこに川浪にアプローチする中学時代の同級生・真琴という構図で、けれど相変わらずな現実を見れば必然の結末な気もしましたね…。もはや関係が両親にバレるのも時間の問題な気がする水斗&結女に、早くも人生の決断を迫られるいさなと物語も大きく動きそうです。
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よっち
戦う力を持たずパーティからクビ宣告された荷物持ちの少年・要零音。自分だけの創造系スキル【デウス・クレアートル】を駆使して唯一無二の異世界攻略を目指すファンタジー。異世界の平凡な品々から生み出される零音だけのボーナスダンジョンを使い、無理せず地道にコツコツ当座の糧を得ながらレベルアップを目指す展開で、そこに同じく落ちこぼれを自認してパーティを離脱した黒乃や白銀たちと一緒に少しずつでも確実に成長していく手応えがあって、卑屈な想いを乗り越えて、不思議な精霊うに子を従える星良も仲間に加えた今後の展開が楽しみです。
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よっち
三鏡高校怪異研究会に居つく美しい怨霊「まきなさん」に導かれ、研究会に所属することとなった諒介。そんな彼の元に新たな調査依頼が舞い込む第2弾。惨殺事件への関与が疑われる温泉郷に残る伝説の山姫。人智を超えた伝説の怪異の正体を暴くべく、温泉郷へと赴いた諒介たちの前に立ちはだかる般若面に着物を纏う妖しく美しい怪異。その正体に対して様々な疑惑が積み重なっていく中で、見えていた構図も二転三転していきましたが、過去の因縁に決着をつけた先に紡がれた縁があって、何より諒介を心配する妹・明日香との関係も微笑ましかったですね。
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よっち
高校3年生になった葵との同棲生活も順風満帆な雄也。社会人として婚約者として、大学進学を目指す葵を出来る限りサポートをしていくことを決意する第4弾。将来の夢に向かって教育学部のある大学進学を目指す葵の力になりたくて、葵の母に予備校費用の一部負担を申し出たり、大学進学へのイメージを持つためにオープンキャンパスに行くことを提案する雄也。それをきっかけに模試の結果に一喜一憂したり、甘えたりしながら頑張っていく葵の姿も良かったですけど、雄也の会社の上司・千鶴さんのお見合いから始まった初々しい恋模様も効いていました。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/08/23(4128日経過)
記録初日
2013/07/27(4155日経過)
読んだ本
12209冊(1日平均2.94冊)
読んだページ
3555797ページ(1日平均855ページ)
感想・レビュー
12102件(投稿率99.1%)
本棚
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性別
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職業
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外部サイト
URL/ブログ
https://yocchi.hatenablog.com/
自己紹介

こんにちは。普段は図書館と書籍仕入れに関わるお仕事をしています。仕事のついでに面白そうな本がないか探していて、とりあえず自分が読みたいと思った本さえ読めてさえいれば、わりとまあいいかと思えてしまう行動原理が少し残念な人。

好きなジャンルはボーイミーツガール、青春小説、部活小説、お仕事小説、ミステリ、冒険・中華ファンタジー、歴史・戦記、SFなど。コメディ調より落ち着いた雰囲気の物語志向。意外な展開や難解さがウリのお話も嫌いではないですが、どちらかというとベタで王道な構図が分かりやすい、最後は良かったなと思えるお話が好みです。

基本的には著者買いが多いですが、興味を持ったらテーマやジャンル・作家などにはあまりこだわらず何でも読みます。人に本を薦めるのが趣味の本を読むついでに人生を送る雑食系読書廃人。

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