読書メーター KADOKAWA Group

2024年7月の読書メーターまとめ

よっち
読んだ本
144
読んだページ
43371ページ
感想・レビュー
144
ナイス
4997ナイス

2024年7月に読んだ本
144

2024年7月のお気に入られ登録
6

  • なっさん
  • 葵
  • ローマ奏者
  • klti
  • Melt
  • coconut1428

2024年7月にナイスが最も多かった感想・レビュー

よっち
野放図な好奇心で森羅万象を収集、記録することに生涯を賭した「知の巨人」南方熊楠の型破りな生き様を描いた伝記的小説。慶応3年に和歌山に生まれ、問で身を立てることを目指して人並外れた好奇心で洋の東西を問わずあらゆる学問に手を伸ばし、学自然と万巻の書物を教師とした熊楠。父の反対をおしきってアメリカ、イギリスなど、海を渡って学問を続けながら、なかなか陽の目を見ることができず、世に認められぬ苦悩と困窮、家族との軋轢にも直面しながら、天皇に講義する栄誉を賜った何とも波乱万丈の生涯がとても鮮烈な印象を残す物語でしたね。
が「ナイス!」と言っています。

2024年7月にナイスが最も多かったつぶやき

よっち

2024年6月の読書メーター 読んだ本の数:124冊 読んだページ数:37927ページ ナイス数:4841ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/385946/summary/monthly/2024/6

が「ナイス!」と言っています。

2024年7月の感想・レビュー一覧
144

よっち
VTuber大好きがTS転生して、百合てぇてぇ勢でもある現役女子高生・夢見蓮華になった主人公。メスガキキャラでVTuber業界の覇権を握ることを決意するVTuber小説。たゆまぬ努力の末、花依琥珀として無事デビューした蓮華。メスガキキャラを前面に押し出して、所属事務所の先輩や同期ライバーを全員堕とすと宣言するものの、出会った彼女たちの苦境を放っておけない世話好きママっぷりを炸裂させていきなりキャラを崩壊させながら、相手にしっかりと寄り添って周囲に慕われる存在になっていく様子がなかなか微笑ましかったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
就職して二年目のサラリーマン佐藤康介。ある日、自分のアパートに帰ってきた彼が、見知らぬ女子高生・河嶋黒葉と遭遇して突然始まる同居生活。同僚・河嶋涼葉の妹と名乗る黒葉から、猫に呪われて康介以外には黒猫にしか見えない事情を明かされ、仕方なく始まった同居生活。家出状態の妹を心配する涼葉もフォローしながら、猫神の呪いを解くために一緒に試行錯誤する展開で、ドキドキが空回りする同棲生活も描きながら、そもそもの原因自体も行き違いのようなものでしたけど、複雑な事情を抱える姉妹のために覚悟を決める康介がカッコ良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
中学三年の夏休み。脚の負傷で大好きなバスケットボールを遠ざけ、地方にある祖父母の家に兄とともに滞在する初花晴。彼女が華奢な金髪の少女セミと出会う青春小説。祖母の勧めで祠にお参りに行った道中で出会った、池の前で絶望していた晴だけしか見えない少女セミ。記憶を失った少女を放っておけず、一緒に暮らしながらその孤独に寄り添う晴。一方で晴が祖母の家に滞在している何とも切ない理由も明らかになってゆく展開でしたけど、共に過ごしたその日々が彼女に勇気を与えて、過去に向き合い乗り越えてゆくその結末には確かな希望がありました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
インターネットやスマートフォンによって、かつてない勢いで増え続けている様々な数字。ありとあらゆるものを計測し、数値化する世界の不都合な真実。人類最古の計測棒と記数法の発展から始まる数字の歴史、背番号や年齢といった数字が持つ魔力、数字と自己評価の驚くべき関係と私たちが陥っている比較地獄、計測や定量化の重大な副作用、評価されることで落ちる経験の質、数字が煽る競争意識や都合よく用いられる数字など、それによってわかることがあるもののそれが正しいとは限らないし、客観的な視点を忘れないことも必要だと改めて感じました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
人生の満足度を上げたいけれど、今の地位や安定を捨てたくない。そんなリスクヘッジをしながら新しい生き方を提案する1冊。著者さんがどのように生きてきたのかを振り返りながら、突き抜けたものがなくてもストレスがなく落ち着いて過ごせる安全領域を見つけることの大切さ、意外と続けられること、効率的な時間の使い方やすでにある習慣と組み合わせたり、小さく始めたりする行動力、SNS運用でどのようなことができるのかなど、内容はオーソドックスですが、著者さんの無理なく前向きに生きる考え方が伺える内容になっていて好感を持てました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
高校時代からの女友達、花乃子、百合子、澪、亜希の四人。そろそろ人生の選択を迫られる年齢を迎え、花乃子が「四人で一生一緒にいる」暮らしを提案する自由と決断の物語。男はいらないってわけじゃないし、結婚だって出産だって興味はある。そんな悩める彼女たちが別れた男にスマブラでダメージを与えながら、大マジメに考えた一生最強の人生。半ば勢いで始まった感もある共同生活のようにも思えましたけど、四人で役割分担しながら娘たちも育ててみせて、自由な彼女たちに育てられた娘がどんな風に生きていくのか、ちょっと気になりますね(苦笑)
が「ナイス!」と言っています。
よっち
国際社会の要請、政治家たちの思惑、安全確保。国連加盟から南スーダンまで、水面下で何が議論されてきたのか?自衛隊派遣の知られざる舞台裏を解説する1冊。自衛隊派遣が実現して以降も、派遣の是非をめぐる論争は絶えなかったPKO。国際社会からの要請、政治家たちの思惑、自衛隊員の安全確保といった綱引きを繰り広げながら、歴代首相、外務省担当者などがどのようなやり取りを繰り広げてきたのか。事実ベースで外圧と国民感情のバランスに苦慮しながら、ギリギリのところを模索し続けてきたこれまでの積み重ねが伺える1冊になっていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
政府・自治体や企業から独立した民間の非営利団体組織NPO。その歴史、制度、存在理由から特性まで、把握しづらい実態を描いた1冊。阪神・淡路大震災後のボランティア活動後広く知られるようになり、子どもの貧困や孤独、気候変動など新たな社会課にも活動範囲を広げる多様な組織はどういう制度で、それ以前の市民による公益活動の歴史も振り返りながら、なぜNPOが必要なのかを解説していて、組織のあり方として難しい側面もあるようですが、政策だけではカバーしきれない部分を補っていく上で欠かせない存在となりつつあるのを実感しました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
名古屋市栄の繁華街で発見された縫製工場のひとり息子の他殺体。疑われた技能実習生は姿を消し、事件を追う女性刑事が思いもかけない真相に辿り着くミステリ。素行が悪く逮捕歴もあり、あちこちから恨みを買っていたため容疑者も多い状況で、被害者が以前ベトナム人の技能実習生マイに強引に迫っていたことを突き止める捜査一課の暁。地道な捜査を積み重ねて容疑者に迫っていく展開の中で、浮かび上がってくる「救世主」とは一体何なのか。物語が動き出すまでにやや時間が掛かった印象でしたけど、意外なところに繋がる結末が印象的な物語でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
嬉しいことも苦しいことも、これからもあなたの気持ちが知りたい。6人の作家による自由な百合をテーマに描くアンソロジー。同居することになった父の不倫相手への複雑な思い、父親を殺したと思っていた娘が気づく真相、ずっと好きだった同級生へ積み重ねた想いの結末、推しアイドルに憧れるアイドル、大勢力に囲まれた戦国時代の女城主と首師の邂逅、記憶喪失の先輩と変わらず愛する後輩の話。何をきっかけにその想いに気づくのか、こんな形にも百合を見出すことができるのか、自由な発想で描かれた鮮烈な印象を残すアンソロジーになっていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
賢者の円卓。通称「PORT」の頂点に君臨した男ユーリイ。彼の過去を知るタリホーとの対峙から架見崎で最強のチームを率いた男の真実が明らかになる第9弾。優雅で強く美しく。しかしまったく本心を見せない謎の王様。ゲームの勝者に最も近いとされた彼は、心の奥底では何を求めていたのか。タリホー視点も交えながらユーリイを浮き彫りにしていく一方で、架見崎という世界が一体どういうものなのか、これからどういう方向に向かおうとしてるのかもだんだん見えてきていて、この物語も終盤に向かう中どんな結末に繋がるのか気になるところです…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
エロゲー序盤の悪役やられキャラ華衆院國久に転生した主人公が、破滅する未来を回避して愛する女性と幸せになる道を目指す物語。最悪な最期を回避するために努力してきた國久が、忌み子として疎まれ最後には殺される皇女・雪那に一目惚れして、彼女を破滅の未来から救うために家督を継いで婚約関係を結ぶ展開で、地道な積み重ねと工夫で成長して、不遇だった雪那と焦らず少しずつ心を通わせる姿には応援したくなりましたけど、一方で本来のハーレム主人公は歪みが際立つ存在になっていて、雪那が抱える秘密とともにその因縁の行方が気になりますね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
卒業単位欲しさに研究室で訪れた大学生・万里部鉱が、不機嫌な17歳の飛び級天才少女と出会い、うっかり未来を観測してしまう青春SF小説。目鼻立ちは整っているが、異様なまでに不機嫌な少女・三澄翠との第一印象最悪の出会い。老教授・一石に連れて行かれた先で見た、自分と世界の存在を不安定なものにしてしまうタイムマシンの存在。未来を変えないためにお世話することになった天才で生活が破綻している翠との間で育まれていく絆があって、未来から過去への干渉というタイムパラドックステーマの中で、定まっていく彼の覚悟が印象的でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
東京でフリーライターとして暮らす小野寺衛。同棲する玲奈の妊娠が判明した夏の日、故郷の松島町に残してきた知的障害がある兄の死の知らせを受けるミステリ。七年間帰っていなかった実家に対する複雑な思いを抱いての帰省。なぜ障害者枠で大企業に務めていたはずの兄が自殺したのか、その死の真相にアプローチしてゆく衛。調べる中で明らかにされてゆく父親の悔恨、伯母の依存心、幼馴染の欺瞞、周囲に理解してもらえない兄の苦悩があって、けれど何よりも兄が本当の意味で切望していたものを知ってしまう結末には、胸を締め付けられる思いでした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
幼馴染のアシェラが嫁ぐために領地を出て行ったことを伝えられたアルド。その想いを伝えるため、家を飛び出しアシェラを連れ戻すため追いかける第2弾。一度は諦めそうになったアシュラに想いを伝えての逃避行。そして弟のエルファスとともに王都の学園に入学して、エルフや獣人など種族も階級も様々なクラスメイトと出会う一方で、冒険者に登録したり、問題を抱えるクラスメイトに振り回されたり、思わぬ事情から外交上の問題に巻き込まれたりもしましたけど、困難を抱える人たちを見かけたら迷わず救えるアルドの性格がよく出ている展開でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ようやく光影の屋敷に移る日取りが決まり、いよいよ正式な婚姻のお披露目を迎えると思いきや、当日に梓子は急な呼び出しを受け、怪異と思しき現象を解決することになる第三弾。梓子が仕える左の女御、そしてその後ろ盾である左大臣を敵視する右大臣に目を付けられ、怪異縛りの業は偽物ではという言いがかりをつけられてしまう梓子。怪異縛りのための特別な筆が何者かに盗まれてしまう展開もあったりで、いざという時にしっかり守ってくれる光影や主上の存在は大きかったですけど、やっかいなものに目をつけられた今後の展開が気になるところです…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ある日、同じクラスの季南千鈴に動画制作の協力を頼まれた高校生の北沢有斗。「数回だけ」という条件で2人だけの秘密の動画制作が始まる青春小説。どうしてもと粘る千鈴を振り切れず、渋々手伝いをすることになった有斗。中学時代に遊び半分で投稿した動画の炎上という苦い過去、そして撮影初日に有斗が知ることになったあまりに辛い真実。自分の声を残したいという千鈴に惹かれていく有斗が、不安を抱える千鈴に寄り添うことが簡単ではない現実に直面しながらも、それでも懸命に向き合い続けようとした結末には、心揺さぶられるものがありました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
不老不死の体を持ち、一人、森の奥で暮らしていた魔女ララニカ。そんな生活を数百年続けた彼女が、森で死にかけの少年を拾う純愛ファンタジー。捨てられ帰る場所がない名も持たない少年に「ノクス」と名付け、生きるすべを教えていくララニカ。やがて自分を救ってくれたララニカに恋心を抱くものの、不死ゆえに取り合わない彼女に殺すすべを探し出すから結婚してほしいと告げるノクス。死の匂いを纏う暗殺者になってきた彼は、けれど変わらずどこまでも真っすぐで、彼女の不死を解く果実も見出して、ララニカを幸せにするとても素敵な物語でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
事情により急ぎでまとまった金銭が必要になった高校生・芦屋珠雄。道端で出会った謎の男の口車に乗せられ、高額の報酬と引き換えに謎の装置の処置を受ける物語。意識の連続性を遮断の実験台にされ、肉体と人格と記憶を引き継いだ別の存在スワンプマンになった沼雄。装置の行方を追う少女・七尾と出会い共に真相を追う展開で、果たして自分は何者なのか、周囲はどう受け止めればいいのか、公的にどう扱われるのか。装置を巡る事件に巻き込まれ、権力や人の冷酷な一面も突きつけられながら、自分の生きる道を模索する姿が鮮烈な印象を残す物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
幼い頃から非凡な聡明さを持て余していた孤児の青年フリードリヒが田舎の街の危機に立ち上がる戦記ファンタジー。出没した盗賊団制圧に向かった討伐隊が壊滅。絶望的な状況で自らを英雄の隠し子であると偽り、巧みな話術で民衆を奮起させて見事盗賊団を撃退した結果、英雄マティアス本人にも認められて幼馴染ユーリカと一緒に王国軍騎士となったフリードリヒ。若き智将率いる隣国の侵略で窮地を切り抜けた一方、戦いが何をもたらすかを知り葛藤した彼が、覚悟を決めて乗り越えた今後の展開が楽しみです。彼を支えるユーリカの存在も効いていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
初恋の人・柳葉美緑と結婚して三年。幸せだったはずの生活を突然襲った病魔よる彼女の死。彼女を救うため、再び幸せにするため時間を巻き戻す力を使い人生をやり直す青春小説。神様を助けて授けられた、副作用として巻き戻した時間の五倍の寿命が縮められる特殊な力。それでも覚悟を決めて彼女を取り戻すために十一年遡って再び始めた中学時代。疎遠だった幼馴染の優弥と美緑が再び交わり始めて、狂おしいまでの葛藤を思えばあのセリフはあまりにも残酷だなとも思ったりもしましたけど、何とも切ない愛の形とその結末に全て持っていかれましたね…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
小学校最後の年を過ごした島で葉が出会った少女・真以。しかし彼女は突如姿を消してしまい、ずっと気に掛けていた真以を見つけた葉が彼女に会いに行く物語。ずっと一緒だと思っていたのに、突如脱獄犯と一緒に島から消えた真以。衝撃的な事件が尾を引いて、大人になっても自信喪失気味でパワハラに身も心も限界を迎えかけていた葉。たまたま再会した彼女から過去の真相を明かされ、戸惑いながら向き合おうとする葉が、それを機にこれまで受け身で目をそらして逃げるばかりだった現実を、少しずつでも変えていこうとするその姿が印象的な物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
その眼で患者と病を見つめてきた医師にしか描けないことがある。9人の医師作家が医療の光そして影を描いた医師作家アンソロジー。新米研修医にしか発見できなかった真実。引きこもり患者を救うひと癖ある精神科医。無差別殺人犯へ行う緊急手術。友の脳腫瘍のためにふるう高度な手技。深夜の母体搬送に奔走する医療チームなど、医師もまた人で上下関係や複雑な人間関係に振り回される姿が生々しく描かれていて、葛藤を抱えながらも今の自分に何ができるのか、患者の命を守るために考え抜いて決断した彼らにもたらされた結末がなかなか印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
人類共通の課題、気候変動を解決すべく、温室効果ガスの排出削減を目標に掲げ合意したパリ協定。激しい国家間対立の終結を目指して、世界、日本が進むべき道を探る1冊。トランプ大統領就任後から揺れる米国の方向性、削減目標外交を巡る各国の思惑と揺らぐ協調、米国のインフレ抑制法から広がる波紋、EUが定めたタクソノミーとブリュッセル効果、G7先鋭化と日本の苦境、分断されている新興国の抵抗など、どこまでも政治抜きには語れない状況で日本がどのような方向を目指すべきか、これまでの経緯とこれからを考えるいいきっかけになりました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
あらゆる「ミス=間違い」は、人が関わることで生じている。しかし生身の人間が間違いを100%なくすことは不可能、という前提で大惨事に繋げない方策を探る1冊。些細な複数のエラーが重なって起きた悲劇、モノや危機との関わり方から起きたトラブル、不完全なシステムを人が調整するからこそ起きる事故、間違えやすい手違いを見落とさない方法や、何をどうすればいいのかわかりやすく表示するなど、外的手がかりで防止策を検討する必要性を感じるとともに、時代が変わっても気をつけるべき部分はかわらないんだなというのを改めて実感しました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
死後結婚のマッチングアプリが日常化した世界など、この現実とちょっとだけ異なる世界の謎と関係性を描いたSF連作短編ミステリ。推しアイドルの死後結婚用アカウントを見つけてしまったファンの凶行、競う相手もいなくなってしまったゲーマーが忘れたかったもの、嘘をついたら存在が消えてしまう世界、死後が天国か地獄かを分ける閻魔帳を分析するSEO、この世界には間違いが七つある整合性、殺意を抱かれたら相手を殺してしまう能力と主従の想い。少し変わった世界に生きる人々が抱いてしまった切なる思いが印象に残る短編集になっていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
海外で荒稼ぎして帰国した詐欺師の藍。ある政治家のパーティーで知り合った、親の仇を捜しているというみちるに興味を抱き、彼女に協力するミステリ。みちるが親の仇として探す世界的企業に成長した戸賀崎グループ筆頭株主。しかし聞いてみると復讐計画はあまりにも杜撰で、みちるが雇っていた怠慢な探偵も働かせながら、行動を共にして思い込みで動きがちな彼女に様々なアドバイスをしながら仇である喜和子に迫る藍。テンポよく進む中でわずかな手がかりからたどり着いた真相はなかなか皮肉が効いていて、彼女の心情を思うと言葉もなかったです…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
癖ある仲間たちを集めた秘密結社「迷宮の抜け道」で最初の歴史改変を成し遂げた来都。今度は一学期末定期試験で仲間の潜里羽衣花が闇落ちする歴史的特異点に挑む第2弾。最強暗殺者でもある羽衣花の闇落ちという真の目的を仲間たちにも隠したまま、その阻止のために鍵を握る一条光凛とパートナーを組むことになった来都。光凛との分かりやすいのに気付けないもどかしい距離感も微笑ましかったですけど、今回はいろいろな意味で圧倒的ヒロインの光凛だけでなく、羽衣花もなかなかの存在感を見せてくれて、これは今後の展開が面白くなってきましたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
積極的に個人資産を増やすことが推奨される国家経済特別指定の長者原学園。その難関入学セレクションに金が嫌いな獅隈志道が挑む学園サバイバル。あらゆる手段を用いて資産額をより積み上げ、上位3名のみに与えられる入学の権利。アメリカからやってきた志道が、金で釣ろうとする院瀬見琉花子の誘いを蹴り、総理大臣の娘で真面目な芹沢在歌と共同戦線を張る展開で、必然的に琉花子と対立する構図の中、どん底からひっくり返してみせる鮮烈なインパクトにはカタルシスがあって、その余韻すらぶち壊す背景も明らかになった今後の展開が楽しみですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
中高一貫の私立征心館学園に唯一の編入枠として入学した景行想。富裕層の学校で、ただ一人異邦人として過ごす日々の中で同じ名前の少女たちと心通わせていく青春小説。幼少期の一夜限りの友人で、想にとってトラウマとなっていた名前「ナツキ」。青春の一切を諦めて打算で学校を選び、マネージャー代行業として周囲をサポートする代わりに対価を得ていた想が、学園の中で出会い、心通わせていくタイプも違う少女たちの名前はなぜかいずれも「ナツキ」。想は果たして思い出の彼女を見つけることができるのか、動き始めた物語のこれからに期待ですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
入学式の日。かわいい先輩・灯雪葉に女の子と一緒に温泉に行ける部活と誘われた灰島爽人が、温泉部ではなくまさかの枕投げ部に入部する青春小説。温泉部と聞いて向かった部室で出会った個性的なメンバーたち。歓迎会として向かった温泉で知らされる枕投げ部の存在と、いきなり始まった他校との練習試合。トランシーバーを片手に枕を投げ合い繰り広げられる熱いバトル。鉄壁の絵には笑いましたが、厨二ちっくな二つ名を付けられて、枕を持つと性格が変わったり、パワーだけでなく駆け引きや技でも魅せて、ドキドキもしっかりあって楽しかったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
心の余裕を取り戻した悠太が、沙季と一緒に最後の高校生活の思い出を積み上げることと共に大学受験に向き合うことを両立させることを決める第11弾。今までややぼんやりとしていた感もあった進学先を、オープンキャンパスに行ったことで具体的にイメージするようになっていく悠太。一方ふとしたきっかけから修学旅行で出会ったメリッサと再会した沙季が交流を広げたり、文化祭を満喫する展開で、やはり根本的なところで2人の関係が安定して絆も深まっているからこそ、いろいろと周囲にも目を向ける余裕が出てきたんだなとしみじみと実感しました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
DV彼氏から匿うため秘密の同棲生活を送るうちに徐々に絆が生まれた山本と林。昔のような日々を取り戻してやりたい山本は、林を親友の笠原と再会させる第2弾。DV彼氏にスマホを壊され高校時代以前の人間関係を断たれていた林は、スマホを再び得て笠原との再会を喜ぶものの、山本が笠原を異性として意識していると誤解する展開で、笠原はあんなに林への愛が重いのにな…と苦笑いでしたが、山本を意識する林の精神的な成長や心境の変化もいろいろ感じられて、今はお互い家族的な絆を意識する2人の関係がどういう形に変わっていくのか楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
クロフォード魔術学園に通う平凡なC級学生一之瀬シオン。学園の内外で実力を隠している振る舞い続けるシオンの勘違い英雄譚。平凡な力しか持っていないのに、まるで本当の実力を隠している実力者のような得体の知れない振る舞いをする一方で、平凡な能力を自覚しつつ、そんな自分に何ができるのか、最後まで諦めない不屈の覚悟があって、街なかで偶然救った少女リーナや、学年五位のエリザとの勝負、突如学園を襲った黒龍と対峙して、持てる力と駆け引きにハッタリも効かせながら、周囲の人々に影響を与えていく姿はなかなかカッコ良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
昔から何かと女性関係のトラブルに巻き込まれる俺、九重雪兎。彼を頼って、異母妹・祇京がはるばる京都から訪ねてくる第5弾。毒親から逃げてきたという祇京を九重家に匿い彼女を助けようと考える雪兎。悠璃や同じ妹枠の灯織ちゃんの言葉を受けて祇京自身も変化を見せたり、一方でいつの間にか自身の進む道を見据え始めてゆく灯凪や汐里。今回の件に絡めて登場したおじいちゃんの存在は今後の展開に少なからず影響を及ぼしそうですが、雪兎も一見やることなすことがめちゃくちゃに見えるのに、結果的にいい方向に向かっているのがあれですね(苦笑)
が「ナイス!」と言っています。
よっち
異世界召喚され心躍らせるヒグレに召喚した吸血鬼リリティアに告げられたのはまさかのエサ扱い。無限の魔力と魔力譲渡の能力で美少女たちを救う異世界ファンタジー。霊崩災害で均衡が崩れて四大種族に希少種が滅ぼされつつある世界で、それに対抗するリリティアや妖狐種の王族マイヒメ、エルフのミスティたちとともに戦う展開で、捕らわれたマイヒメを救うためにヒロインたちに魔力を供給するヒグレ自身も、新たな力を発現させて戦ったその結末もこの物語らしかったですね(苦笑)ヒグレの力が物語をこれからどう動かしていくのか続巻に期待ですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
有力貴族の九男に生まれ、ハズレスキルで周囲から無能扱いされていたラディ。ダンジョンで邪神と共に封印されて戦い続けた結果、ハズレスキルが覚醒するファンタジー。邪神とともに封印された死ぬことのない精神世界で、殺され続けた結果ハズレスキルが覚醒し、邪神の中に囚われていた女神アエリアとともに封印を破ったラディ。手に入れた相手の魔法やスキルをコピー出来る力を武器に、相対的に魔法が弱体化した数百年後の世界で無双する姿はなかなかクールでしたね。再会した懐かしい仲間を加えて大賢者打倒の旅に出るこれからの展開が楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
学校で『聖域』と呼ばれる百瀬由那・合羽凜花と恋人関係で、妹2人からも告白された間四葉。さらに国民的アイドルで幼馴染の小田真希奈からプロポーズされる第4弾。答えが出せずにいるうちに同じクラスに転校してきた真希奈。密かに由那&凜花と真希奈が四葉を巡って火花を散らす構図の中、文化祭で3人がライブステージに挑む展開で、派閥が割れる聖域ファンクラブとか、うっかり浮気しかける四葉とか、周囲にもいろいろと影響が出始めていますが、どういう結末に繋がるのか。派手ではないながらも四葉もいろいろと頑張っている姿が印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
王太子から婚約破棄されて、服毒刑にて人生を終えた公爵令嬢セリーナ。何故か巻き戻り人生二度目の倫理観ぶっ飛びヒロインのやり直しファンタジー。前回の敗因は有能な部下がいなかったと反省したセリーナが、拠り所のない6人の癖のある孤児を引き取り、過酷な訓練を課して暗殺者に育て上げたり、聖女の手柄を奪って芽を摘むべく先手を打ったりするものの、彼女が思っていたのと何か違う結果がまた微笑ましかったですね。そこから巻き戻りの真相からの一連の結末も上手かったですけど、その何よりもう一つの皮肉な意味がじわじわと効いていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
Microsoftが投入してきた対話型AI「Copilot」。EdgeやOSに標準搭載された身近になったAI機能を解説する1冊。「Copilot」の概要を解説するとともにその種類と特徴、EdgeやMicrosoft 365にどう搭載するのかを解説していて、基本操作や情報の調べ方、文章の作成や要約、アドバイスや翻訳の使い方、画像生成の方法などの基本操作、有料の「Copilot Pro」「Copilot for Microsoft 365」でどのようなことができるのか、ざっくりと知ることができる1冊でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
15世紀後半以降、他国の大名と戦うだけでなく、一族や家中の敵と戦わなければならなかった戦国大名たちと時代の本質に迫る1冊。実子がいなかったために起きた抗争や、親子の主導権争い、当主と家臣の抗争、親が子を殺した事件、当主死後の後継者争い、兄弟間の抗争劇といった様々なケースを取り上げながら、方向性の違いや主導権を巡る争いがいかに起きたのかを解説していて、細川政元の管領エピソードが何とも印象的でしたけど、様々な思惑の対立だけでなく、生き延びるために非常な選択を取らざるをえなかった当時の状況を改めて実感しました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
社会の複雑な問題をなんとかしたいと思った時に力になってくれる社会学。しっかりしたデータにもとづいて考え、それを表現する方法をわかりやすく解説した1冊。社会学をはじめるための「調査は聞くこと」「分析は考えること」「理論は表現すること」という3つの基礎を紹介しながら、複雑でやっかい問題としての社会のこと、社会学とはどういう学問なのか、対話的な社会認識としての調査、同時並行させる泥臭い調査技法と分析・数値化や圧縮、言葉で表現するということや、人々の共同の営みとしての社会学がとてもわかりやすく紹介されていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
両親を亡くして優しい伯母夫婦に引き取られたものの、どこか孤独を感じていた善治が、落伍犬の烙印を押された元警察犬のシェパードに出会う青春小説。犬の訓練所に就職していた大我から一時的に預けられた、任務で足を痛めて引退したアレックス。犬嫌いの善治が世話をする羽目になって始まった、振り回されるようになっていく日々。離れたブルドックと少年の絆、障害物競技に挑むチワワとギャルの苦闘にも関わりながら、アレックスと共に過ごす中で自分がずっと抱え込んでいた過去にも向き合って、大切な絆を取り戻していった結末は印象的でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ヴォラキア帝国の希望を背負い、滅亡の担い手である『大災』と戦い続けるスバル。ついに己の造物目的を果たした『魔女』は、変わり果てた姿で最後の勝負を挑んでくる第38弾。次々と手札が切られ、慈悲と慈愛の焔が帝国を覆い尽くす中で、正直ずいぶん遠回りした感もあった帝国編も激闘の末にどうにか激闘の末に決着しましたけど、その最後の最後であんな結末が待っているとは夢にも思わなくて正直愕然としました。最後までらしいといえばらしい結末で、とはいえ今後の展開にどう影響を及ぼすのか、新たなプロローグにも不穏な予感しかないですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
工都での決戦を終えたアレンを話があると呼び出した勇者アリス。カレンたちと共に帝国の皇都に赴く第17弾。戦いの疲弊が言えていない様子のアリスになかなか用件を聞き出せない中、アリスが認めるアレンに反発する次期勇者候補イグナとの邂逅、老皇帝への謁見、そしてアリスが告げる真実と捕縛されていた黒花イオ・ロックフィールドの蠢動による皇都の危機。さりげなくリリーとの過去が掘り下げられたりもしましたけど、ヒロインたちそれぞれがしっかりと存在感があって、カレンと一緒に大きなものを託されたこと物語もまた大きく動きそうですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
容姿端麗・完全無欠の公女にして魔法学院の生徒会長ルティルからリクスが生徒会に勧誘され、周囲が騒然とする中、セレフィナも加入を宣言する第3弾。幼い頃からの知己らしいセレフィナが噂に聞くルティルの事情。何やら企んでいる様子も見受けられるルティル率いる生徒会で、意外にも上手く活動してみせるリクス。ルティルから誘われたデートで彼女の思惑を外して楽しませる一方、思い詰めた彼女の真意も垣間見えていく展開で、彼女の想いを受け止めて向き合ってみせたリクスがカッコよかったですけど、また癖の強いヒロインが増えましたね(苦笑)
が「ナイス!」と言っています。
よっち
動画制作に命を捧げながらも、とある事件で大炎上してしまった真咲。起死回生を狙う彼女が超人的な能力を持つ吸血鬼の女の子たちと新たなチャンネルを立ち上げる配信小説。真咲の血を吸わせてもらうため動画制作に協力することになったりぶと、プロデューサーとして「真夜中ぱんチ」を立ち上げた真咲が、子供っぽい言動の苺子、ギャンブルやお金が大好きな十景、控えめで恥ずかしがり屋な譜風といった吸血鬼の仲間たちと動画撮影に取り組む、オリジナルアニメ・マヨぱんの日常を描いたスピンオフ小説として、その楽しい雰囲気を味わえる1冊でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
イケメンで天才ながらこだわりが強すぎて彼女ができない大学生九頭竜王子。そんな彼が文学部の姫と呼ばれる同級生・美地原三姫と出会う青春ラブコメ。妹・真白に行動を監視され処女に固執する王子と、父親に溺愛され周囲から嫉妬され嫌がらせを受け続けて性格が歪んでいった三姫の第一印象最悪の出会い。そこから王子の親友カズの彼女・七海のとりなしで一緒にデートする展開で、傍から見れば見ればどちらも癖が強すぎる強烈な存在でしたけど、お互いのことを知っていくうちに、意外とアリだなとなっていく組み合わせの妙がなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
元女子高だった高校に進学してクラスの美少女たちの尊い関係をずっと眺めていたい成瀬壮馬が、なぜか好かれて美少女たちに挟まれてしまう青春ラブコメ。早乙女恋花、星宮栞、宇佐美兎亜の尊い関係観察が日課で、彼女たちの間に挟まろうとする男たちを排除していたことで、その下心が感じられない彼女たちに配慮した行動の数々が逆に好感度を稼いでいた壮馬。興味を持ってぐいぐい迫る彼女たちのアプローチが気のせいでないと気づき、何とか距離を取ろうとするものの、むしろ彼女たちの危機を救いより三人に挟まれてしまう展開は微笑ましかったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
呪いを解くために嬉し涙を千粒集め始めたメグ。念願の『二つ名』を与えられ、祝福の魔女ソフィのはからいで二十年に一度開催される『魔法式典』に招かれる第2弾。魔法式典で話された星の核を巡る漠然とした不安、悪魔憑きの騒動に首を突っ込んでしまうメグが出会った、ラピスの街をずっと見守ってきた神木とセレナの存在。我が身に降りかかる危険を顧みずに成し遂げたことをきっかけに、訪れたアクアマリンで様々な過去も明らかになってゆく中、魔力汚染患者や魔力災害といった様々な困難に立ち向かう彼女の成長とその勇気を改めて実感しましたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
知り合いに誘われてジグ抜きで依頼を受けたことになったシアーシャ。別行動になったジグに、マフィアのボスの娘カティアから護衛の依頼が持ち掛けられる第4弾。目的は街に蔓延る危険度の高いドラッグの調査だというカティアの依頼を受けたジグが護衛として調査に赴いたことで、他のマフィアや冒険者ギルドも巻き込んだ敵味方入り乱れる抗争に巻き込まれてゆく展開で、その圧倒的な実力で依頼をこなす仕事っぷりは相変わらずプロフェッショナルでしたけど、各方面に貸しと因縁も増えてますます注目を集めていくジグの今後が気になるところですね…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
収益化配信で見事ネット冤罪を晴らしたアリス。引きこもりにとってのラスボス外出に必死に抵抗する彼女が、同期生・桜色セツナの裏切りで事務所挨拶で外出する羽目に陥る第2弾。ネット冤罪を晴らした勝利報告配信、同期生の収益化記念配信アフレコを実質コラボとか言い張るアリスに届けられた事務所出頭要請。叛逆を目論むアリスの企みを阻止したセツナの真摯な想い。敗れてねこ姉と共に事務所挨拶に向かったアリスを襲った悲劇、疑心暗鬼に陥ったアリスが引き起こした騒動には笑ってしまいましたが、とりあえずねこ姉の信頼は地に堕ちましたね…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
親の転勤で生まれ育った街に戻ってきた高2の紘乃。転入した天文台のある高校で、幼馴染の年前に一緒にスピカ食を見る約束をしていた彗に再会する青春小説。約束の日も近づく中で運命的な再会を果たしたのに、なぜかもう星は観ないとそっけない彗の態度。しばらくして紘乃が知らされる衝撃的な事実と、彗が旧校舎の天文台に出入りしていた理由。新たな友人たちとの出会いも絡めながら、彗に昔みたいに笑って欲しいと願う紘乃が見つけた大切なメッセージがあって、悔やみ続けた過去を乗り越えて、少しずつ変わり始めた2人の結末が素敵な物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
同級生さつきの葬儀に出席するため、故郷の離島へ帰省した京都の美大生・柚希。人魚の別称『おひれさま』を強く信仰する島で、さつきの死を巡る謎が浮かび上がるミステリ。一組の男女が婚礼を行い島守になる島の因習に選ばれた柚希が惹かれているのは、花婿役の翔馬ではなくかつて自分を助けてくれた明人で、祟りに怯える島民に婚礼を急かされながら、因縁に抗うように惹かれ合う二人。因習にこだわる年長者たちに対峙する若者たちという構図から、明らかになっていく島の秘密があって、何とも皮肉な真相を乗り越えてみせたその結末が印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
一人暮らしを始めることとなった女子高生・夏凜の住むマンションにある日突然、猫股らしきものが現れ、親友の香那子が紹介する下北沢の妖怪退治のできる風水師・安倍清長に解決を依頼する物語。訪れた清長の事務所に鎮座していた巨大アメジストを破壊してしまったせいで、なんやかんやと丸め込まれて時給300円で助手のバイトするハメになった夏凜。猫股問題解決後も視える体質を買われて、次々に舞い込む依頼の数々に翻弄される日々で、過去の因縁も絡めながら怪奇現象やあやかしに風水も絡めた手法で対峙していく展開はなかなか面白かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
京都鴨川東高校に入学した鈴木直。料理が好きで調理部に入部した彼が、先輩から将棋部の「王様」こと東香の交際対局の噂を聞き勝負を挑む青春小説。実は直の初恋で将棋を教えてくれた人で、将棋を辞めるきっかけにもなっていた香。疎遠になっていた彼女に不名誉な噂が流れている状況にあるのを知り、その状況を打開するために勝負を挑む直。とはいえ歴然とした実力差を埋めるために彼女のことを調べるうちに、過去の誤解や実は意外と分かりやすい香の想いも明らかになっていって、なのになかなか気付けない直のもどかしい関係が微笑ましかったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
会社の内部情報を漏洩の疑いを掛けられていた亜季を救った北脇。ふたりは瀬名を呼び出して反撃に出ようと試みる第4弾。亜季を侮っている瀬名を相手に、その心無い言葉にも冷静さを失わず今回の特許侵害にパテント・トロールが関与している言質を見事もぎ取ってみせた亜希。敵もボスが自ら出張ってきた月夜野ドリンクの看板商品を巡る攻防には緊迫感があって、現在進行形で進む判例の影響や、差止請求や特許無効請求といった状況を見ながら臨機応変に対応していく難しさもありましたけど、見事やり遂げてみせた2人の結末はなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
高校1年生の時、東京から京都伏見に来てから早や8年。長い時間かけて、ゆっくり気持ちを確かめ合った2人が遂に結婚する第10弾。自分たちが故郷に帰るのを待って、拓己が夏にひろにプロポーズするらしいと知った「清花蔵」の蔵人たちの行動、ひろの父が京都を苦手な理由、シロを気に掛ける花簿の想い、そしてずっと一緒だったシロとの関係。人ならざるものたちの間でも2人の結婚が噂になっていたことには苦笑いでしたけど、拓己もいろいろ考えていたんだな…としみじみ思う今回の展開で、みんなで祝福してもらえた二人の結末には感無量でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
名を馳せたスポーツクライミングを大学では続けないと心に決めていた筑波岳。変人と噂される登山部部長の梓川穂高につかまり幾度か一緒に山を登ったある日、恩人の滑落死を知らされる物語。高校時代のコーチ宝田謙介からの無言の着信、衝突したままで関係の修復を図らなかった悔恨。彼の死は事故だったのか自殺だったのか、アスリートのセカンドキャリアの難しさ、穂高の山を巡る過去も描きながら、その真相を探っていく展開で、周囲の人に聞いて恩師を思い、自身で同じ山に登って同じ景色を見たからこそ気づいた真理がとても心に沁みる物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ネットを通じて知り合った高校生の友也、あおい、涼。「サマーゴースト」の噂を聞いて探すために集まった3人が、ひとりの女性の霊と出会う青春小説。自身が望む人生へなかなか踏み出せない友也、居場所を見つけられないあおい、余命宣告された涼。それぞれの事情から死に魅せられていた3人が、「サマーゴースト」に出会ったことで徐々に変わってゆく心境。物語の構図としてはわりとシンプルでしたけど、彼女のために奔走する3人の協力があって、それぞれの思いを胸に自分の思うように生きることを選択する彼らの姿がなかなか印象的な物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ついに目標のフォロワー10万人を達成した「JELEE」。そんな中、まひるにサンフラワードールズのイベント用イラストの仕事が舞い込んでくる第3弾。今まで通りファンの期待に応えたいという花音にまひるが覚えた違和感。花音の母・雪音のオファーに迷いながらも話を聞きにいくまひるに複雑な想いを抱く花音という構図から、「JELEE」が空中分解の危機を迎えてしまう展開で、自分の絵を好きになれないまひるや、花音や龍ケ崎ノクスの苦い過去も明かされてゆく中で、それぞれが葛藤を乗り越えて再集結する熱い展開はなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
これまで生み出されてきた膨大なボリュームの特典SS、フェアSS、のんほいコラボSSなど40篇以上を収録した、負けヒロインたちの幕間ショートショート短編集。各巻ごとにまとめられた各種店舗特典などをまとめた構成になっていて、導入部分ではいろいろあっても結局食い物ネタのオチになってしまう八奈見は、気がつけば何か食っていて大丈夫なのか感もありましたけど(苦笑)、書店エピも多い小鞠や快活な焼塩、甘酸っぱいエピや馬剃ネタが多い志喜屋、お兄ちゃん愛が炸裂している佳樹など、それぞれの特徴がよく出ているSSが多かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
進級した温水たち文芸部が部員不足で陥った廃部危機。そこにあざとく可愛い後輩女子白玉リコが小抜先生の紹介でやってくる第7弾。新歓の部活紹介で思い切りスベってしまった文芸部の廃部危機を救ってくれる救世主かと思いきや、トラブルを起こした超問題児が停学中になった理由。抜け目ない彼女に振り回されて、彼女の結婚式場への潜入ミッションこと「白玉リコ・リベンジ大作戦」に巻き込まれてゆく文芸部。あざとい後輩に振り回されて、他のヒロインたちへの対応で大変な温水には苦笑いでしたが、ますますカオスなことになっていきそうですね…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
異世界へと逃れたオフィム帝国最後の皇族であるサラを抹殺するため、岐阜の地へと送り込まれた三人目の異世界人アルバ。サラの友人・友奈ひょんなことから女子高生探偵として名を上げる第7弾。暗殺者の技術を生かし、過去を捨てて岐阜の地で自由に生きようと目論むアルバ。一方、オリエンテーション合宿で事件を解決して注目を集めてしまう友奈。相変わらずとんでもないカリスマっぷりが際立っていたサラや、言動はドクズなのに人との縁で波乱万丈な人生を送るリヴィアなど、それぞれの濃い人生が交錯してどんな展開に繋がっていくのか今後に期待。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
緊急事態宣言から日常を取り戻しつつある中、受験勉強が本格化する前の思い出作りに深夜の旧校舎に忍び込んだ幸田理久と幼馴染たちが、宇宙服を着た白骨死体を発見する青春ミステリ。疎遠になっていた幼馴染たちが旧校舎で見つけた死体は本物なのか、なぜ宇宙服を着ていたのか。他校に進学した乃子も巻き込んで高校最後の夏をかけて奇妙な謎の真相に挑む幼馴染の4人。宇宙服や残された暗号を手がかりに、調査は思わぬ展開へと繋がりましたけど、同時に浮き彫りになってゆくきっかけを大切にしたい幼馴染たちの切なる想いとその結末が印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
空に七つの異世界が浮かび、文明は砂海に沈んだ世界。敵艦隊から旧文明の遺物を強奪した砂漠海賊レイメイが、中で冷凍睡眠していた少年ゲットと出会うファンタジー。武装勢力ストランド・フリートにドリル潜航艇で抗い続けて、百年の眠りから覚めた旧文明の忠義の忍を見初めるレイメイ。強引なところもある彼女に最初は反発するものの、快活な相棒として徐々に認めるようになってゆくゲット。彼女と一緒に敵勢力を切り崩していきながら過去の因縁にも向き合って、敵首領ダンテの野望を阻止するために立ち上がる熱い展開がなかなか面白かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
黒薔薇騎士団による包囲を突破したガトランド王家の主従七人は小さな飛行艇に乗り、サルペドン子爵の庇護を求めて蛮族が割拠する無法の地、タイタス原野を目指す第2弾。目的も性格も異なる仲がいいのか悪いのかよくわからない旅路を続ける七人と、それを包囲した騎兵隊を率いる姫騎士エアステラ、そして謎の弓使いヴァネッサ。深刻な状況なのにヒロインたちのわちゃわちゃした掛け合いが楽しくて、運命に導かれるようにガガのもとに集まるキーマンたちがいて、様々な因縁も絡み合い最終的にどういう構図になるのか、物語も大きく動き始めましたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
フリーの分子生物学者Qのもとに、バイオソニック社のCEOでQと同じ研究室出身の織原純一郎が行方不明になったとの連絡が届き、探偵兼ドライバーのカカウとともに捜査に乗り出すミステリ。コロナ禍ですっかり引きこもりになっていたQが、織原の部下・牧村から依頼されて、織原のCEO解職を回避するために探し始める展開で、たびたび危機に陥る中で、離婚協定中の妻、恋人、そしてカカウなど次々と疑惑が生まれていくものの、構図自体はわりとシンプルでしたかね。意外な組み合わせの2人が新鮮でテンポもよく読みやすい物語になっていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
陰陽師や方術士の一族が栄えていた三大国上河、貴陽、玉兎。黒い花弁をもつ桜の樹「咒桜」により均衡が崩れてしまった世界を、呪いの桜から生まれた娘・陽桜李が変える和風ファンタジー。貴陽の陰陽師一族の次期当主と目されるほどの実力を持ち、彼女を桜の森で拾ってくれた父・美春の不器用で優しい親子関係。人よりも高い身体能力と生命力をそなえた陽桜李が、得意の武術をきわめ、家族とともに咒桜の呪いを解く旅に出かける展開で、思わぬ陽桜李の真実も明らかになっていきましたけど、その中で浮き彫りになった2人の絆が印象的な物語でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
一月も終わり、別れを象徴する桜の季節がやって来て、ラジオの企画も思い出を振り返るものが多くなっていく中、変化の時を迎えてふたりの関係が揺れ動く第11弾。順調すぎる声優業とは裏腹に、相方と離れ離れになる未来にどこか不安を感じる由美子。一方、悩みを振り切った由美子の成長や、共演する結衣の底の知れない実力といった背後に迫るライバルたちの姿に焦燥に駆られる千佳。お互いを意識しているのに、お互いの進学先すら聞けない2人のもどかしい関係は相変わらずでしたけど、微笑ましいその結末で一区切りついた今後の展開が楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
逃げるか、死ぬか、答えるか。十秒以内に決定せよ。長い旅路の末に、全てが記録されているという伝説の図書館へとたどり着いた旅人ローグに守人が謎を問いかける物語。塔に到着した旅人が、逃げることも、回答しないことも、間違えることも許されない状況で、扉を開いて森羅万象に通じ、神に等しい力を手に入れるために守人の乙女から投げかけられる10の質問。様々な案内をしてくれる相棒の石版も上手く駆使しながら、人々の強さや弱さ、人の本質といった部分に迫る回答が、旅人の正体や結末へと繋がってゆく結末がなかなか印象的な物語でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
悪魔や魔族により投入される魔物と魔装機体を駆って抗う世界。両親を失い妹と2人で暮らす川上啓太が、入学した軍学校で与えられた試作機で無双するロボットファンタジー。軍閥の思惑が入り乱れる軍学校に後ろ盾がなくトップクラスで入学して俄然注目を集める啓太。彼が前世のゲーム知識も上手く使いゲテモノ扱いされる異形の試作機と適合して、今までの常識を覆す圧倒的な戦果を叩き出す熱い展開は痛快でした。本人に未だ自覚がないギャップも効いていて、正妻を自負する妹に加えて、クラスメイトたちとの関係がどう変わっていくのかも楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
肝臓の脂肪は本当に3日で落ちるのか?は隠れ脂肪肝、ストレスからかγ- GTPの数値が高い状態、アルコール摂取が多めといった状況を変える3日間の生活習慣の改善方法を紹介する1冊。決して太っているわけでもないのに、なぜ肝臓に脂肪がついてしまうのか。今お酒を飲まない人の脂肪肝が増えていて、糖質のとり過ぎ、ストレスなどがやはり大きいようで、じっくり噛んで食べる、朝食は抜かない、糖質よりタンパク質や食物繊維を取る、気軽にできるスクワットなど、3日で効果が出るか分かりませんができることから意識してみようと思いました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
見えないけれど、どこにでもいる。ニュータウンのひかり台でウツログサを祓う男と、それに囚われた人々の心のうちを描いていく連作短編集。自分の隣りにある穴、爪から生える草の根、手に浮かび上がる文字、身体にぶら下がっている瓢箪、透明でキラキラしたふわふわなど、人によって形状も違うウツログサ。それを密かに抱え続けることで少しずつ影響を及ぼしていく人々の変化が描かれていて、それを祓うこともできるという男・笹目と出会い、ずっと寄り添ってきたウツログサをどうするのか、背景も異なる彼らのそれぞれの決断が印象的な物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
近代言語学の双生児「アーリヤ人」は、なぜこれほどまでに人々の心を捉えて離さないのか。言語学誕生の歴史からすべての起源インドに取り憑かれた近代ヨーロッパの姿を浮かび上がらせる1冊。ヨーロッパのラテン語・ギリシア語とインドのサンスクリット語に共通の祖となる、失われた起源の言語としてのアーリヤ人。インドでなくヨーロッパで発達してきたインド学、その背景となった東洋への憧憬、「アーリヤ人侵入説」の登場から台頭とヒンドゥー・ナショナリズムに至るまでの経緯に、言語学がいろいろ絡んでくるあたりがなかな興味深かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
他者と働くということは、一体どういうことか?著者が経験した現場でのエピソードをちりばめながら、生きづらさをもたらす人を「選び」「選ばれる」能力主義に疑問を呈す一冊。なぜわたしたちは「能力」が足りないのではと煽られ、自己責任感を抱かされるのか?限りある資源と能力による選抜の虚構、複雑化して様々なところに関わってくる能力、何を能力として評価するのか、アウトプットが少ない現状。パンドラの箱になり、様々な形で余裕も奪われつつある職場でどう生きていくのか。個々人の成績だけでなくチームとしての意識は確かに必要ですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
気付いたら好きだった恋愛RPG『無能の悪童王子』ハロルドに転生した主人公が、破滅エンドを回避して推しのヒロインと幸せになるために抗い始めるファンタジー。ネタ設定で力を一切発揮できず、主人公に敗れるやられ役から脱却するため、個人的に推しだったヒロインとの婚約破棄を止めて自身を鍛え、膨大な魔力の使い道を見出していく展開で、思っていた以上にベタ惚れなヤンデレヒロイン・サンドラには苦笑いでしたけど、2人を支える侍女モニカも効いていて、いろいろと変わりつつある世界でどう生き延びるのか、これからの展開が楽しみですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
「一週間後、あなたを殺します」そんな言葉と共に、罪を犯した人の下に現れる猫耳姿の死神ミミ。罪人に最期の時を与える猫耳姿の殺し屋と殺される者たちの交流を描いた命と別れの物語。七日間の猶予を与えた後、標的を殺める変わった殺し屋ミミと出会う、麻薬運びの青年、出産予定一週間後の妊婦、父親のために人を殺めた少女、世直しで悪人を殺し回る少年。出会いと別れを繰り返す中で少しずつ感情を揺さぶられ、組織の仕事に疑問を感じるようになってゆくミミがいて、芽生えた想いのために諦めずに戦い抜いてみせたその結末が印象的な物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
負傷で野球部を退部して新しい趣味を探す高校生の大谷三球。訪れた図書館で、ひときわ目立つ服装をした女の子涼風救と出会う短歌青春小説。救が短歌が得意と知った三球が、弟子として詩を教えてもらうことになりLINEで歌会グループで始めた日々のやり取り。一方、ネットで短歌を調べていた三球が知る短歌Vtuberの詩歌マリアの存在と手毬先輩との出会い。期せずして同時期に出会った3人の距離感とそれぞれが抱く何とも複雑な想いや事情があって、存在感があり過ぎる救の家の家政婦・詩織を絡めて描かれる青春模様は甘酸っぱかったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
「一緒に『至高の五杖』になって、夕日を見に行こう!」幼馴染エルファリアとともにリガーデン魔法学院に入学を果たしたウィル。魔法至上主義世界に生まれた異端の『剣』の前日譚。学校で巡り合う様々な魔道士候補たち。そんな中で魔法の才を認められ、瞬く間に魔法世界を束ねる『塔』のスカウトが届くエルファリアと、彼女の欺瞞が暴かれてどん底に突き落とされるウィル。執拗に虐げられ心折られかけながらも約束を果たすために諦めず、剣をふるい続けた彼の想いがあって、彼女の窮地を救って垣間見せてくれた可能性には心震えるものがありました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
隠しても隠せない。服がすべてを自白してしまう。真犯人も知りたくなかった過去も。迷宮入り事件を次々に看破する仕立屋探偵・桐ヶ谷京介が挑む6つの事件を描く連作短編集。骨董の知識で桐ヶ谷に協力する小春とともに挑んだ、古びたTシャツから見出した少年の母親の素性、絞殺死体の着物に残された灰、下着泥棒の正体、虐待少女の救出、アナフィラキシーショックの死は殺人か、服飾専門生とミスコン参加を夢見る少女。些細な手がかりからそこまで見いだせるものなのかと驚かされて、これは確かに警察がスカウトしたくなるのも分かりますね(苦笑)
が「ナイス!」と言っています。
よっち
些細な傷害事件で野方署に連行されたとぼけた見た目の中年男スズキタゴサク。たかが酔っ払いと見くびる警察に、男は十時に秋葉原で爆発があると予言するノンストップミステリ。男の予言直後に秋葉原の廃ビルが爆発。今後の展開を示唆するこの胡散臭い中年男が果たして爆弾魔なのか。対話を試みて情報を引き出そうとする警察と男の駆け引き、鍵を握る過去の事件との繋がり。状況が二転三転して構図もガラリと変わる中で浮かび上がってゆく意外な真相があって、恐怖や不安を突きつけられた登場人物たちの生々しい感情が印象的な物語になっていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
大阪のテレビ局を舞台に、世代も性別もバラバラな4人が、それぞれの悩みや壁にぶち当たりながら生きてゆく姿が描かれる連作短編集。社内不倫の前科で腫れ物扱いの四十代独身女性アナウンサー、娘とは冷戦状態で同期の早期退職に悩む五十代報道デスク、好きになった人がゲイで望みゼロなのに同居している二十代タイムキーパー、向上心ゼロで非正規の現状にぬるく絶望する三十代ADなど、不器用な登場人物たちはそれぞれの立場で偏見に晒されていて、厳しい現実に直面しながらも、でも意外なところで味方の存在を見出す結末が印象的な物語でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
日々の激務に耐えかね電車に飛び込んだ元保険営業マンの社畜・日笠月。死後、神の司令で自殺した分の天寿を全うして魂の減価償却するため、異世界転移させられるファンタジー。同じタイミングで転生して無双できるチートをもらったアクション好きJK・霜月冬那と保険会社を設立するルン。保険の概念がない世界でいかに保険を契約してもらうのか。悪徳な輩相手にはしたたかに立ち回りつつ、少しずつ加入者を増やしていった矢先の事件には、何とも複雑な気持ちにさせられましたけど、2人を中心に覚悟を決めて立ち向かった結末は悪くなかったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
六花戦争を勝ち抜いたノアたち。しかし激闘を通じて逸夜の強すぎる能力が狙われ始める中、彼らの前に六花戦争の参加者だった少女・苦条ナナが現れる第2弾。逸夜を兄さんと呼び慕うナナが参加を持ちかける夜ノ郷で開催されるイベント神託戦争。一方、夜煌刀狩りを名乗る何者かにノアのメイド・カルネや、ミヤの夜煌刀が攫われる事件が発生する中、強敵相手にかつての敵が仲間になって戦うお約束の熱い展開とともに逸夜の過去が明らかになっていって、彼とともに共に戦うコミュ障な新キャラのナナが、過去を乗り越えて変わっていく姿が印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
桐原との密会を減らす決断をしたりと爪痕を残して、元カノの高神柚香の襲来による一連の騒動が落ち着いたかと思ったところで、なぜかユズが桐原の家に居候する第3弾。無職となった元カノが女子高生彼女のもとに転がり込むとかいう、彼氏としては不安しかない銀。そして噂を気に留めながらも迎えた修学旅行では、先生と生徒として適切な距離を保ちつつも、今しかできない二人だけの思い出を重ねていく2人。会えないことを寂しいと感じながらも、お互い頑張って2人が成長する姿があって、そんな中で灯佳を支えてくれたユズの存在も効いていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
科学者リドリーと相棒の内気な用心棒ワタリが馬車を模した宇宙船に乗って、環境汚染で住めなくなった地球に代わる安住の星を探して旅を続ける第2弾。病に感染して隔離された老人、子供を生むことを勧める背景、自分の望む見た目になれる星、好条件過ぎる理由、地球人と関わりの深い生き物、愛ゆえに拒否された星、侍女ロボットとの出会い、百合の花園、終わりの星で出会った女、再会した懐かしいもの、ワタリが書いた小説など、正体がなかなかあれな星もわりと多かったですが、様々な形で2人が育んできた絆が垣間見える展開もあって良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
昔からずっと一緒だった双子と幼馴染の関係の変化。晴れて恋人同士になった2人と、選ばれなかった1人のその後を描く第6弾。付き合い始めたことを意識してかえってアクションを起こせなくなる純。嬉しすぎて周囲にはうざがられるくらいノロケながら、進展しない関係にやきもきする彼女。もう一方はそう簡単に切り替えられなくて、それ以上に2人との関係がぎくしゃくすることがたまらなく怖くなるある意味予想通りの展開でしたけど、こういう状況を変えてくれるのは従姉のお姉さんのような存在なんですよね。周囲の恋愛模様も気になるところです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
神々の加護を受けた世界を守る者・新島荒士。邪神の力を借りて神々の支配に抗う者・古都鷲丞。神々の共存を強いられた青年たちの戦いと決着が描かれる下巻。神々と邪神側の戦いは激化していく一方、神々と邪神の戦いの構図も明らかになってゆく中で、戦いの因縁は周囲をも巻き込み、搦手からも彼らの大切な人へも魔の手が伸びていく展開で、荒士相手に劣勢の鷲丞が神鎧の力をさらに引き出すために狂戦士となることを決意したことで、悲劇を積み重ねてゆく先にあった決着は虚しかったですけど、彼に寄り添ってくれる存在がいたのは救いでしたかね…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
神々に支配され加護を宿した神鎧をまとい邪神と戦うことを求められた人類。神々の下僕として選べ等た新島荒士は邪神と戦うために富士アカデミーに入学するファンタジー。男で史上初のF型適合者だったこともあって、入学前に邪神側の戦士・古都鷲丞と因縁の出会いを果たした荒士。幼馴染の陽湖と一緒に入学したアカデミーでも生徒は女性という境遇もあり、好奇の視線にさらされ肩身が狭い想いをする中で、たびたび彼を攫おうとする邪神側の襲撃を受ける展開で、戦いを重ねるうちに宿敵と意識していく鷲丞との決着がどうなるのか気になる上巻でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
穂含祭では棗や小町と組んだ共同制作で受賞した夜風。一方それを知った夜風の双子の姉・花菱風音から不穏なアプローチが来る第2弾。学園祭に向けて作品制作を進めようとするものの、棗にアイデアが降りてこず難航する一同。夜風との出会いから生じた棗とある変化と、襲来して弟を幸せにできるのは姉しかいないと主張する風音。噛み合わない会話の応酬と怒涛の言語化で頭がくらくらするやりとりには苦笑いでしたけど、方向性は違っても夜風をかけがえのない存在と思う気持ちは変わらなくて、それを見事証明してみせたチームの頑張りが効いてました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
「ナオが決めて、いいんだよ。ナオとして生きていくか。私の中に戻ってくるか」素直に与えられた猶予は一か月とすこし。レプリカとオリジナル。二人がひとつの答えに辿り着く第4弾。オリジナルのために働く〈レプリカ〉であるナオの心は、もう決まっていて。そして、やって来たクリスマスの日。観覧車の中でアキくんにお別れを告げたナオ。なんにも後悔はない、そのはずだった彼女が知ったもう一つの世界があって、そんな中で改めて自覚していく想いがあって、ひたむきで一途な想いにもう一度向き合うことができたその結末には救われる思いでした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
彼女を奪った憎きイケメン美少女・水嶋静乃。「お試しで付き合う一か月で私を好きにさせる」勝負の期日は着々と迫る中、イケメン美少女がグイグイ来る理由が明かされる第2弾。期限が残り少なくなる中、水族館やメイドカフェへと連れまわされ、積極的にアプローチしてくる静乃にドキドキする毎日を送る颯太。彼女が時折垣間見せる真剣な表情があって、一方で負けじと何かと絡んでくる元カノ江奈もいて、ようやくにして今の展開に至る背景も明らかになっていく中、2人のヒロインに迫られる颯太が迎える結末はとてもこの物語らしかったと思いました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
正体不明のオカルトチックな終末で密かに滅びつつある世界。人の思考を読める少年・言万心葉が、それに抗う終末停滞委員会に加入する終末ファンタジー。崩壊に向かう世界を少しでも停滞させるために様々な「終末」と戦う終末停滞委員会。そこに自身も終末であるLunaとともに加入を許されて、未来への希望を見出しにくい戦いに身を投じていく心葉。個性的でぶっ飛んだ少女たちと絆を深めながら、テンポよく進むストーリーはなかなかカオスでしたけど、普通と青春に憧れる心葉が厳しい展開でも最後まで諦めない熱い展開はなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
先祖の魂が還ってくる盆の中日。幼い少年と少女の前に現れた78年前に死んだ日本兵の亡霊。時空を超えて紡がれる圧巻の「語り」が歴史と現在を接続する物語。多くの人々の語りから沖縄の昔と今を連鎖させて語られる、時代背景が違っても変わらない、少し頑張ったくらいではどうにもならない過酷な現状に対して抗おうとするもどかしさや憤りがこれでもかとばかりに描き出されていて、多くの人々の視点から構成されるストーリーは、突然視点が切り替わることも多く戸惑いも覚えましたが、それ以上にぐいぐい一気に読ませてしまう文章力は圧巻でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
迷宮を抱える《スケイル》の街には、冒険者の数だけ冒険が存在する。迷宮街で紡がれる六つの冒険奇譚を描いた短編集の第4弾。自由騎士となったセズマールが挑む初めての迷宮、火竜との邂逅を生き延びた靴屋の息子が寄せ集めメンバーで挑む怪しげな仕事。イアルマス不在でララジャがリーダーとなっての冒険、クランの軛から解放されたオルレアが新たな仲間たちと挑む初めての冒険、新キャラで何とも奇妙な双子姉妹やうっかり屋シャドウウィンドなども加わりましたが、何よりイアルマスが黙々と挑む単独での探索で探し求めていたものが印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
築三十年の木造アパート「メモワール」の住人たちには不思議な共通点がある。「記憶」に悩む人々が集う、不思議なアパートの物語を描いた連作短編集。交通事故で大切なことを忘れてしまった記憶喪失の男子高校生、前世の記憶があるOLが忘れたくて封じた記憶、事故の影響で若年性認知症となってしまった男性の苦悩、胎内記憶を持つ女の子が取り戻した優しい記憶。どこか掴み所がない大家の坂下さんでしたけど、彼女なりのやり方で住人たちの記憶に関する悩みに寄り添い、彼らも向き合うことで乗り越えていくそれぞれの結末はなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
様々な悩みを持つ患者に薬ではなく本物の猫を処方する不思議なクリニック「中京こころのびょういん」訪れた患者たちが愛らしい「処方猫」と調子のいいニケ先生に翻弄される第3弾。今回も重要なプレゼンを控えた会社員、長女が生まれて育児に心身ともに疲れ果ててしまった父親、コンプレックスを抱えたイラストレーター、バイト先で出会ってずっと忘れられなかった猫との再会。思ってもみなかった猫の処方に驚かされる展開はもはやお約束でしたけど、その存在が心境に変化をもたらして、少しずつ心の傷を癒やしていく結末はなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
花見小路を右に左にと折れた先にある甘味処「もも吉庵」。助言を求めて訪れる人々に人生の酸いも甘いも嚙み分けてきた元芸妓の店主もも吉が厳しくも温かい言葉を投げかける第9弾。今回も身近なエピソードも交えながら、息子との関係に悩みすれ違っていた父親、勝算のあるビジネスを提案先の社長から否定された銀行員、夫の最期の願いをかなえられず悲嘆にくれる妻といった人々の勘違いを指摘して、効果的なアドバイスをするお約束の展開でしたけど、思わぬところから明らかになるもも吉がどうしても娘に言えなかった花街の秘密には驚かされました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
米国一強崩壊後、日本はどうすべきか?国連・JICAでの経験を通じて世界の現実を見た国際政治学者が日本が採るべき道と果たすべき役割を語る1冊。世界各地を実際に見聞してきたことをベースに世界各地の情勢を紹介していく内容で、東南アジアのムスリム事情、パラオ・台湾・タイ・カンボジアといった国々。地域大国パキスタン、トランプ大統領が提唱した地域のディールやアフリカの困難をいかに乗り越えるのか、移民の歴史が結ぶ南米との縁、ロシア・ウクライナの影響下にあるヨーロッパなど、地域ごとの関係が紹介されていて興味深かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
山羊の群れを連れて遊牧するアゴールの民がこよなく愛する芸術「生き絵」。若くして大役に抜擢された物語を作る生き絵師マーラが、過酷な現実を突きつけられるファンタジー。突然、動くものが視界から消えてしまうようになり、表情も動作も伝わらないという苛酷な現実を突きつけられたマーラ。彼女が農耕の国・稲城の街で城を追われた奇術師・苟曙と出会い、似たような境遇の2人が出会ったことで物語が動き始める展開で、やり切れない現実に直面しながらも諦めず逆境に立ち向かい、その中で希望を見出してゆく結末には心打たれるものがありました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
AIによって人々の生活はどのように変わるのか。「AIは敵か? 味方か?」の答えをこれまでの人類の発明の歴史から紐解く1冊。ヒトだけが手に入れたことで進化をもたらした「火の発明」、「文字の発明」によってもたらされた変化、貧富を問わず同じものが読める「活版印刷の発明」と世界を変えた印刷物5選、マルサスの罠を打ち破った鉄道の発明、思考を代替する「コンピューターの発明」、情報を民主化した「インターネットの発明」など、新しい発明がなされるたびに凄まじい抵抗がありましたが、乗り越えてきた歴史がとても興味深かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
国家の主権が脅かされる世界情勢を背景に、再検討が進んでいる帝国論。様々な視点からアプローチして「多民族帝国から国民国家へ」という単線的な歴史像を刷新する1冊。世界的宗教や哲学が生まれた枢軸時代の旧帝国とその後の世界帝国、大航海時代後の海外帝国としてのヨーロッパ帝国主義、東洋と西洋の帝国の伝統、支配・被支配の関係性、帝国と国民国家の関係性、中国・ヨーロッパそれぞれの帝国の衰退と終焉、宗主国社会における帝国のその後、生き続ける帝国的統治など様々な観点から考察を重ねている今の時代を考える上で興味深い1冊でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
「過去を知る学び」を得意とする東大生に、「新しいものを生み出す思考法」を体系的に学ばせたいと始まった考える力の教室の内容を公開した1冊。「考える力」とは何か?「学び」と「考える」の違い。考えない頭をリセットして、固い頭をアイデア脳に変えるために必要なこと。何をどう集めて問い、どう調べて整理するかというアプローチに対する意識の変え方。コンセプトづくりのプロセスを見直し、アイデアを飛躍させて人の心を動かすアウトプット、型にはまらず、「考え方」を考えるリボン思考の3つのポイントがわかりやすく解説されていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
家族を捨てて世界一のプロゲーマーを目指すものの、最近は成績も振るわず徐々に心も荒んでいた一輝。悩める彼の前に自分に似た謎の三人組が現れるeスポーツ小説。現れた謎の三人組を当初不審に思い避けていたものの、彼らの命を賭けた切実な想いが、少しずつ凍った心を溶かしていく一輝。最初は上手く行かない状況に荒れ、周囲を見下した態度でトラブルを起こしがちな彼に好感を持つのは難しかったですが、元妻や一人息子との絆を取り戻し、eスポーツワールドカップの格ゲー部門に挑む彼の心境の変化と、その先にある結末はなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
皓星社メルマガで連載されたWebコラム「大検索時代のレファレンス・チップス」。前著から2年経過して重要なツールが結構出現したことを受けての単行本化企画第2弾。リニューアルされたNDLサーチの使い方、デジコレの22年末リニューアル、ネット上で確からしい人物情報を探す技、推し活でアイドルを探す、小さなお店の歴史を調べる、NDCを使い戦前の未知文献を見つける、洋書本はCiNii、言葉の流行り廃りや作家の人気度を図る、言葉の来歴を調べるなど、今回も具体的なテーマでどう使うのかを解説していてとても参考になりました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
「レーエンデ国物語」の作品世界の細部にわたり掘り下げ、多くのカラービジュアルと共に解説していく公式ガイドブック。各部ごとの物語解説、年表、登場人物の移動ルート、人物相関図、名セリフ集、聖イジョルニ帝国の歴史から支配構造、印象深いシーンの描き下ろしイメージボード、カラーのキャラクターイラスト、装幀イラストの全貌に加えて、著者が物語制作のために制作した図版まで掲載されていて、豊富なビジュアルで「レーエンデ国物語」を再現していて、物語としての解像度がさらに高まる1冊でした。読んでいるともう一度読みたくなります。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
編集者として講談社ノベルスだけでも180冊以上を担当し、メフィスト賞の創設にも携わった著者が、小説編集者の仕事とは何かを考える一冊。京極夏彦氏や森博嗣氏のデビューを世に問うた筆者が、いかに本づくりに打ち込んできたのか。新本格ミステリやメフィスト賞のことだったり、担当してきた作品の数々など、当時の状況などを含めてなかなか興味深く読みましたが、今後の本のことを考えるうえで、これから何らかのマイナーチェンジしていくことも必要なんでしょうけど、書き言葉の文体に言及しているあたりはまさに編集者視点だなと思いました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
聖花女学院の中等部に編入し、憧れの高等部生・白丘雪乃と仮初めの花姉妹になった神里万莉愛。万莉愛が遭遇する不思議な謎を雪乃が推理する学園ミステリ。若葉の中等部生と成花の高等部生がルームメイトとなる花姉妹制度や、閉塞感のある閉鎖的な世界の複雑な人間関係も絡めながら、深夜歩き出す聖像や入れ替わった手紙、解体されたテディベアといった日常の謎を解決する展開で、母を喪いやや頑なな感もあった万莉愛でしたけど、様々な人々との出会いや、事件を通して描かれる繊細な関係を通じて少しずつ変わる心境が印象的な物語になっていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
自分のために好き放題していたはずが、みんなから慕われる天才領主として注目されるミーティア。しかし間違えて魔法国一のSランク校に入学する第2弾。手軽に悪女をするために編入試験を受けたら、なぜかSクラスに編入するミーティア。悪女っぽい理由で第三王子に告白した結果偽装恋人関係になったり、底辺にいる本来の主人公クラリスに慕われたり、やることすこと裏目に出る展開には苦笑いでしたけど、溺愛するシエル&過保護なヴィンセントコンビとのやり取りが楽しくて、友人を大切にする彼女の悪女ムーブがもたらすカオスも面白かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
前世の記憶が甦り乙女ゲームの悪役令嬢マリー(2歳)に転生した主人公が、反乱で一族もろとも断罪で処刑される運命を回避するために、新大陸開拓を目指すファンタジー。回避しようにも領地は西の果てで、貧乏だ田舎者だと馬鹿にされ、経済的な嫌がらせまでされている状況を踏まえて、優秀な師に学びつつ斬新な魔道具を発明したり、新大陸への航海を目指して大型船の造成や人員育成を始めたり、航海術の整備を進めていく展開で、可愛い天才幼女がキレッキレでしたが、対立が顕在化した有力貴族や王族との難しい関係も含めて今後の展開が楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
近年、平安時代の皇位や摂関の継承、時代の深層に迫る史料として注目されている「御遺誡」。「光る君へ」の時代考証を務める著者が5つの御遺誡を通して案内する一冊。遺詔や遺言とは異なり、多くは子孫や門下などの後人に遺した訓戒で、嵯峨天皇、宇多天皇、菅原道真、醍醐天皇、藤原師輔の遺した御遺誡から、天皇や大臣が己の命より大事にしたものとは何か、子孫や門下に何を遺そうとしたのか、皇統確立や摂関家成立の関係とを考察していて、思いがけず嫡流になった時代背景も少なからず影響していたのではという分析はなかなか興味深かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
乙女ゲー世界への転生を確信した貴族令嬢セレーネが、再婚先の嫁ぎ先の侯爵家令嬢、義娘のアティこそ後の悪役令嬢だと気づき、それを回避するために奮闘するファンタジー。継母に虐げられ、誰からも愛されずに育って破滅した悪役令嬢アティ。けれど今は天使のように可愛くて、今なら間に合うはずと家庭教師や子守頭ともやりあって理解をし合うようになったり、時には男装して訪問先に侵入したりと、彼女のために心を砕き、救うためには手段を選ばずに奔走するうちに、いつの間にかセレーネ自身も周囲にも慕われるようになっていく素敵な物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
『屍人荘の殺人』以前、助手であり唯一の会員・葉村譲とともに明智恭介が挑んだ知られざる事件を描くシリーズ短編集。小説に登場する探偵に憧れ、事件を求めて名刺を配り歩く神紅大学ミステリ愛好会会長・明智恭介が遭遇する、学のサークル棟で起きた不可解な盗難騒ぎ、商店街で噂される日常の謎、泥酔肌着引き裂き事件、夏休み直前に起きた試験問題漏洩事件、手紙ばら撒きハイツ事件。基本的には残念だけれどたまに鋭かったりする濃いキャラの明智先輩が、非日常ではなく地に足ついた日常の謎を解いていく姿をいつかまた読んでみたいと思いました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
鑑定技術力と幅広い知識、そして、信じられないほどの愛想のなさで警察内部で「科捜研の最後の砦」と呼ばれる土門誠。彼が「最後の鑑定人」に至るまでの道程を描いた前日譚。白骨遺体事件で出会った科警研の尾藤、飲酒運転事故に隠されていた思わぬ真相、過労死疑惑のある不審死を追う土門と非常勤講師だった菅野の出会い、そして思わぬ形で対峙することになった不審死事件の容疑者。仕事に妥協しない姿勢に凄みすら感じさせる彼との出会いに触発された人々がいて、科捜研での仕事に誇りを抱いていた彼が辞めた経緯が何ともまた切なかったですね…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
オリエント統一を果たした謎に満ちた人類史上最古の帝国アッシリア。都市国家アッシュルの誕生から、帝国の絶頂期、そして不可解な滅亡の背景までを解説する一冊。圧倒的な軍事力と洗練された行政システムで古代西アジア世界を統一した国家はいかにして生まれ、なぜ繁栄の絶頂から100年ほどのうちに歴史の表舞台から姿を消したのか。実際には都市国家アッシュルからの領域国家の成立があって、滅亡に向かう要因にはどこも似たようなものでしたね…近年新資料が出たそうですが、あれほど昔の時代でも意外と資料が残っていることに驚かされました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
スキル狩りからの逃亡に成功し、学園に通うことになったテルー。異国から来た「海の民」と呼ばれる少女ナオミと打ち解けていく第3弾。年上の生徒や貴族も多いCクラスになったテルーが、魔法の実技でこれまでの成果を見せたり、社会学のレポートに四苦八苦したりしながら、ナオミと仲良くなり少しずつ注目を集めていく展開で、スキル狩り含めたかねてからの問題は大きく動いてようやく解決しそうですけど、一方で彼女がその頑張りを周囲に認められていく様子も良かったですし、家族がその成長に感慨深い気持ちになるのも分かるような気がしました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
エレンに続いて戦姫となり、アーケンの使徒メルセゲルを退けたリュドミラ。一方、ついにアーケンの支配から脱したティグルは追っ手を振り切り、エレンたちと合流を目指す第3弾。二本の竜の牙を手に入れ、神を超える力を求めてセルケトを器として降臨の準備を始めるアーケン。その強さの秘密を知りヴァンペールへの帰路を急ぐエレンたちとティグルの合流とキュレネー軍とアーケンに挑む最後の決戦。アヴィンやミル、セルケトやディエドたちもいい感じに効いていましたし、さすがに今回のティグルは難しい立場でしたがこれはこれでらしい結末でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
「心の癖」を知れば、人の行動は変えられる。行動科学をマーケティングに応用する専門家が解き明かす、16と1/2の強力な心理バイアスと、ビジネスにおける実践例を紹介する1冊。日々の行動の43%になる習慣化された行動に組み込むか、そのタイミングときっかけ。いかに摩擦を取り除いて簡単にするか、選択肢を減らす、あえて摩擦を作って行動を誘導する。読み手にちょっとだけ頭を使わせる、リズムを活かして記憶に残す、具体的にイメージできるストーリー、極端回避、得よりも損、動詞より名詞になど、どう応用するのか興味深い内容でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
平凡な暮らしが揺れ始めて、岐路に立つ四人。小さなアパート・ベルジュ江戸川の住人たちが紡ぐ愛しい日々を描いた連作短編集。マッチングアプリで知り合った二人目と別れたばかりの佐野朋香。妻とも娘ともうまくいかず、仕事で転勤話が出た片山達児。昔の仲間を若くして喪った青井千草。後輩の陰口にショックを受けて会社を辞め、半年が過ぎた新川剣矢。人間関係が上手く行かない時、転機を迎えた時にではどうするのかという判断は人それぞれの個性が出ますね。そういう時後々後悔することがない行動ができる人でありたいなとしみじみと思いました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
なぜ今、街から本屋が消えていっているのか。この答えを出すために日本初の試みとして出版界のプロフェッショナルたちが30名に、それぞれの立場で本屋について語ってもらった1冊。構造的に立ち行かなくなりつつある現場、それに対する様々な形での変革の動き、生まれ変わるためには何が必要なのか。滅びゆく書店をひたすら感傷的に嘆くのではなく、どうすれば良くなるのか、変われるのかを意識していたのは好感が持てた。「本は大切です。だから守ってください」「文化だから大切」だけでは共感してもらえないというのは全くその通りだと思った。
小島俊一
2024/07/19 06:41

読了ありがとうございます😊書店の危機は「書店産業構造の崩壊」が原因です。書店だけで解決できません。出版界全体で取り組むことですが、改革は遅々として進んでいません。 8月からは各地で講演会やトークセッションを始めます。

が「ナイス!」と言っています。
よっち
青龍の東に住む高原の民ロー族に攫われるも、何とか危機を乗り越え戻ってきた董胡。ある日、白虎の姫・雪白に病を診てほしいと呼び出される第7弾。雪白から打ち明けられた、白虎の侍女頭の帰莎と皇帝の侍女頭・奏優が結託して雪白を呪っているという疑惑。さらには鼓濤に対する悪い噂が白虎から流れていることがわかり、帰莎と奏優への疑いが増す展開で、しかしそれにしても嘘に嘘を重ねていく本人にどこまで妄想との区別がついているのか空恐ろしくなりましたが、黎司は董胡の真相に近づきつつあるものの、最後の一手も今後に影響しそうですね…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
名探偵の死後、その遺志を引き継ぐためエージェントとして難事件に挑んできたシャーロット。彼女の事件捜査を描いた『たんもし』スピンオフ。戦闘の腕は確かなものの、推理は相変わらず苦手なままのシャルが、自分と同じ愛称を持つ少女・シャルネリアに出会い、燈幻卿の采配のもとで頭脳仕事担当の彼女とコンビを組む展開になっていて、犯人の罪を軽くしないためにあえて犯罪を犯させるとか歪んでいるな…と思いましたけど、ブラフやミスリードをうまく使いながら終盤に物語を大きく動かして、名探偵の存在を改めて実感させる結末が効いていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
世界に存在する国境とは異なる「見えない線」。どのように分断されているか、なぜ分断が必要だったのか、その歴史と特徴を説明する1冊。コカラル・ダムがもたらしたアラル海の激変、国際日付変更線、トルデシリャス条約、ブエノスアイレスのサッカー、パリの郊外など、地理、気象、政治、経済、文化、宗教といった様々な事情で分断された30か所を解説していて、世界の見えない境界線が暮らしにどのような影響を及ぼしたのか、時代によりしばしば変化して、人々を分断する背景となった自然の力や歴史的経緯にはいろいろ考えさせられる内容でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
自殺した与党議員・朝沼侑子の原因ではないかと窮地に追い込まれた野党第一党の高月馨。朝沼の婚約者で政界のプリンス・三好顕太郎に直談判し死の真相を調べるミステリ。批判が集まり、謝罪と国対副委員長の辞任を迫られてたものの、長年ライバル関係を築いてきた朝沼の死がどうも解せない高月が、政策担当秘書の沢村、新聞社政治記者の和田山、市議会議員の間橋たちとも連携して真相を追う展開で、繰り広げられる虚々実々の駆け引き、そして女性が政治で戦う難しさが生々しかったですが、たどり着いた思わぬ真相も含めてなかなか面白かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
『悪姫』と『皇太子・伯蓮の弟』、二つの顔を使い分けて東宮で二重生活を送る令花。ある日、皇太子は悪姫に篭絡されている噂を聞き兄皇子・藤貴が東宮に乗り込んでくる第2弾。同じタイミングで妃候補たちにも仲違いが起こるようになり、宮女に変装してその原因を探る令花。自ら接触してきて令花に親切にしてくれる藤貴に伯蓮が気に食わない様子を見せる一方、藤貴が管理する港が不穏な動きを見せていく展開で、実直すぎる藤貴はむしろ状況に振り回されていた感もありましたけど、令花に支えられながら状況を打開していく展開は悪くなかったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
書店員の職を失ったあと、亡き祖母が所属していた連句会「ひとつばたご」に通うようになった一葉。連句を始めて三回目の春を迎える第5弾。自分と同世代が集う「きりん座」のメンバーとの交流をきっかけに、大学時代に抱いていた想いを再び浮かび上がらせてゆく一葉。周囲の人々との縁に助けられてきた彼女が封印していた気持ちに向き合い、自分の心を見つめ直してゆく展開で、新たな人との出会いでどんどん世界を広げていく彼女が、文学マーケットなどにも参加しながら、失った恋の切なさと新たな恋の予感を垣間見せるこれからの展開が楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
幽鬼の前に現れたもう一人の自分。常人離れした感覚が作り出した幻影に導かれ、私は一回目のゲーム〈メイデンレース〉を思い出す第6弾。玉藻を手に掛けたことに苦悩する幽鬼に対して、ややこしい感情を抱くことなどなかった初心に還れと迫り、襲いかかってくる幻影。反撃もすり抜けてしまう幻影を攻略するため、〈ルール〉に従った〈ゲーム〉以外にありえないと考えて、全盲のプレイヤー鈴々に連絡を取る幽鬼。もう1人の幽鬼とのゲーム《スノウルーム》で、アスレチック場や白い部屋を舞台に戦いを繰り広げる中で乗り越えていく姿が印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
失敗を重ねて次がダメなら制作を外すと告知されたがけっぷちプロデューサー幸良涙花。進退をかけたゴシップ人狼で思わぬ事態が発生するミステリ。出演者たちが持ち寄ったリアルゴシップを語りながら、嘘つきを推理するトーク番組を生放送でという無茶ぶりの中、本番前に直面する偽死体役の大御所俳優の本物の死体。犯人の爆破予告もあって、そのまま番組を進行させる展開で、ストーリーが進むごとに二転三転する出演者たちの印象があって、大切なものを取り戻すための犯人の悲壮な覚悟も見えてきましたが、最後の優しい結末には救われる思いでした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
光明神ルミアリスの帰依者と暗黒神スカルヘルの従属たちが果てなき闘争を繰り広げる戦場と化したグリムガル。さらなる宿命を背負わされたハルヒロが新たな出会いを果たす第21弾。またもやルールが変わってしまって、死が蔓延する場所に成り果てた彼の地で目覚めた少年マナト。彼が出会った仮面の男ハルヒロと、ヨリとリヨの姉妹の意外な出自が明らかになっていく中で、歳月の経過をしみじみと感じさせる展開になっていましたが、一人生き続けきたハルヒロの背負ってきたものの重さを感じさせる一方で、マナトが抱える不思議要素も気になりますね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
大騒動の末に元の身体に戻り、千秋への恋心もなくなったという楓。千秋は楓への恋心は消えたと嘘をつき、新しい恋を探し始める第2弾。クラスで大々的に恋活宣言をしたり、改めて「女友達」になったメイとデートを楽しんだり、夕子の作った怪しい発明品でちょっぴりえっちな恋愛実験をしたり、積極的に恋を探し続ける千秋。しかし恋が進展しそうになるたびに、千秋の情緒を乱してくる楓の複雑な想いがあって、メイもまた秘めていた想いを千秋にぶつけてくるなかなかカオスな展開に、お姉ちゃんまで乱入してきてもう収拾つかなくなりましたね(苦笑)
が「ナイス!」と言っています。
よっち
「新人類憲章」成立により、長年差別的であるとされてきた「ゾンビ」という呼称は廃止された世界。ゾンビ誕生から「歴史完成」に至る、人間とゾンビの宇宙興亡千年史。冒頭の主人公JKにゾンビの陽性反応出る頃には、すでに全人口の四割を占めるまでになっていて、すっかり整えられたゾンビになってからの生活。過去と未来の様々な人たちのエピソードを積み重ねていきながら、じわじわと新人類がこれまでの人類を侵食していく様子が描かれていて、身体構造が変わり果ててしまっても恋もするし、いろいろと想像の余地をもたせた世界が印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
野放図な好奇心で森羅万象を収集、記録することに生涯を賭した「知の巨人」南方熊楠の型破りな生き様を描いた伝記的小説。慶応3年に和歌山に生まれ、問で身を立てることを目指して人並外れた好奇心で洋の東西を問わずあらゆる学問に手を伸ばし、学自然と万巻の書物を教師とした熊楠。父の反対をおしきってアメリカ、イギリスなど、海を渡って学問を続けながら、なかなか陽の目を見ることができず、世に認められぬ苦悩と困窮、家族との軋轢にも直面しながら、天皇に講義する栄誉を賜った何とも波乱万丈の生涯がとても鮮烈な印象を残す物語でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
作家は、小説は、本は、どんな未来に向かっているのか。本を愛しすぎている人たち<ビブリオフォリア>の紡ぎ出す5つの物語。読書に関する特殊な法律で本が消える世界、正確に訳すことが限りなく不可能なマイナー言語の日本で唯一の翻訳者、小説を斬りまくる文芸評論家が出会う絶対に書評できない本、書けなくなった元・天才美人女子大生詩人のたったひとつの願い、本の魔窟に暮らす蔵書家が訪れた不思議な古本屋。もし特殊な世界で自分がそんな立場に置かれたら…ついつい考えてしまうシチュエーションでの生々しい思いにはハッとさせられました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
スタンフォード経営大学院教授が学生に教える「数字の伝え方」を完全公開。「ただの数字」を「感情を動かす数字」に言い換える方法を紹介する1冊。数字の伝え方として数字を翻訳してイメージしやすくする、相手にやさしい数字を使うことを意図した内容になっていて、馴染みやすいほどよい尺度、見慣れた比較を使ったり、時間を金額に置き換える、確率を数えられるものに変換する、感情的に訴える比較や共鳴する感情を複数組み合わせてみたりと、数字を上手く使うよりも、よりイメージしやすいアプローチを考えていく手法はなるほどなと思いました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
帰還命令にそむいて逃亡した地球連邦艦隊の宇宙戦艦〈藍色空間〉は、それを追う新造艦の〈万有引力〉とともに太陽系から離脱。高次元空間の名残りとおぼしき四次元のかけらに遭遇する第三弾下巻。人工冬眠から目覚めて羅輯にかわる二代目の執剣者に選出され、地球文明と三体文明、二つの世界の命運をその手に握る立場となった程心。いつの間にか惑星どころか全宇宙規模の話になっていてびっくりしましたが、とんでもなくスケールが大きくなっていく展開が、著者の発想力の豊かさを改めて感じさせてくれるとにかくすごいものを読んだという感じです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
圧倒的な技術力を持つ異星文明・三体世界の太陽系侵略に対抗すべく立案された地球文明の切り札「面壁計画」。その背後で極秘の仰天プランが進む第3弾の上巻。奇想天外な「階梯計画」の実現と、女性型ロボットに姿を変えて二つの世界の橋渡し的な存在になっていた智子。三体世界と友好関係を築いて技術や知識を提供してもらったり…わりといい関係に思えましたけど、話の流れ的にそれで終わるわけはないですよね(苦笑)圧倒的な技術力の差で絶望的な状況のように思いますけど、怒涛の展開の中で最後の望みはどうなるんでしょうね…というところで。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
会社内で問題が起きたとき、警察に依頼すべきかどうか。元警察官がその対応方法をそれぞれのケースから解説する1冊。どんな時に110番通報すべきなのか、どんなことに留意すればいいのかに始まり、被害届と被害のお届けの違い、ストーカー被害やお客様相談室のカスハラ、車で建物に傷をつけられたなどの実際の対処法、刑事と民事の違いや被害弁済の落とし穴、反社やヤクザ、右翼街宣車や株主総会の対応、社員の犯罪から会社で起きた事件、警察からの問い合わせから今話題のサイバー犯罪、警察の組織についてまでわかりやすく解説されていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
書家の実作者である著者の目をもって書と対話し、ひらがなの「つながる」という本質に注目しながら、必ずしも言われている誤りとは言えないその美を読み解くこころみ。名作と言われながらも多くの誤字脱字があると言われてきたひらがな歌を記した「寸松庵色紙」などの色紙や断簡。文字をどう読み書くのか、漢字・ひらがな・カタカナや王羲之から始まった書について振り返り、寸松庵色紙などで指摘されている脱字について考察をしつつ、色紙の書を形成する3つの力、三色紙の味わい方、葦出の書法などを紹介していて臨書に興味が出てくる一冊でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
モンゴル帝国研究に不可欠の基本史料となる「元朝秘史」。モンゴルでの発掘調査に長年携わってきた考古学者が、最新の知見をふまえて解説した一冊。元朝秘史の物語の舞台から、神話から史実に至るチンギス・カンの系譜、チンギス・カンの生い立ちとポルテの誘拐・救出、即位と若き日の三大合戦、ジャムカの策謀とケレイト族・ナイマン部族との対立、ジャムカの死と高原の統一、古参新参が入り混じった統治組織の編成の難しさだったり、金国や西域への遠征からチンギス・カンの死とその後まで、ざっと全体の流れを再確認するのに手頃な一冊でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
日本にとって、石油を通じて重要な地域である中東。トレンドをおさえつつ学術的な観点から中東経済のしくみ・成り立ちを説明し、世界との関係性を考えるための入門書。中東はそれぞれどんな国々なのか。イスラム教の基本から、上流と下流に分かれる石油産業の構造、米欧主導から少しずつ変わりつつある中東各国の石油産業の歴史と仕組み、脱酸素時代の石油産業を解説しながら、世界と比較しながらの日本のエネルギー事情を考察していて、アジア各国は中東にとって重要な顧客のようですが、ロシアから供給が切れて日本は比率が他国よりも高いですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
天才女優な幼馴染の玲奈との恋愛ドラマ共演を通して、演技力の高さで一躍注目を浴びる高校生俳優の海斗。周囲の評価も変わりつつある中でドラマの後半六話の撮影が始まる第2弾。実は泳げない玲奈を助けるべく、二人きりで水泳の練習をすることになった海斗。玲奈の大ファンで同じ事務所の後輩・音羽を彼女に引き合わせたり、監督から出された演技の課題に答えるために、玲奈の家で泊まり込みの演技合宿をする2人。悩みながらも監督の期待に応えて成長した海斗が、大切な人への想いにもしっかりと向き合ってみせたその結末はなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
新学期になってもパジャマ姿で堕落生活を出来る限り継続する学道とこいろ。そこにこいろのアイドル時代の後輩・来羽が訪ねてくる第2弾。保健室登校するようになったこいろと目立たないように一緒に遠回りで下校したり、パジャマパーティーしたり添い寝をしたりと、夏休みにも負けずに楽しい日常が続く2人。こいろは何か悩みがありそうな来羽をそのまま堕落生活に巻き込もうとする展開で、来羽の過去エピも掘り下げながら、彼女の密かな願いに2人なりのやり方で応えてみせたり、彼女もまた2人の関係性を理解するその結末はなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
未踏破迷宮配信、迷宮爆発の単独制圧など規格外な配信でチャンネル登録者数を順調に伸ばしていくお兄ちゃんこと鈴田迅。そんな彼のSランク冒険者で自称内縁の妻が現れる第2弾。世界的にバズっても変わらず妹の麻耶以外は興味ゼロのお兄ちゃんに、ストーカー気味に猛アタックするSランク冒険者の真紅レイナ。さらには国内最強ギルド雷豪のリーダーとのバトル案件、最凶迷惑配信者に狙われる強制コラボなど、これだけ有名になってくるとどうしてもいろいろと巻き込まれますね(苦笑)どんどん増えていくヒロインたちとの関係も気になるところです。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/08/23(4046日経過)
記録初日
2013/07/27(4073日経過)
読んだ本
11856冊(1日平均2.91冊)
読んだページ
3451196ページ(1日平均847ページ)
感想・レビュー
11746件(投稿率99.1%)
本棚
70棚
性別
血液型
B型
職業
専門職
現住所
埼玉県
外部サイト
URL/ブログ
https://yocchi.hatenablog.com/
自己紹介

こんにちは。普段は図書館と書籍仕入れに関わるお仕事をしています。仕事のついでに面白そうな本がないか探していて、とりあえず自分が読みたいと思った本さえ読めてさえいれば、わりとまあいいかと思えてしまう行動原理が少し残念な人。

好きなジャンルはボーイミーツガール、青春小説、部活小説、お仕事小説、ミステリ、冒険・中華ファンタジー、歴史・戦記、SFなど。コメディ調より落ち着いた雰囲気の物語志向。意外な展開や難解さがウリのお話も嫌いではないですが、どちらかというとベタで王道な構図が分かりやすい、最後は良かったなと思えるお話が好みです。

基本的には著者買いが多いですが、興味を持ったらテーマやジャンル・作家などにはあまりこだわらず何でも読みます。人に本を薦めるのが趣味の本を読むついでに人生を送る雑食系読書廃人。

娘(11年4月生まれ)の読書記録用アカウント。
http://bookmeter.com/u/562586

読書メーターの
読書管理アプリ
日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう