読書メーター KADOKAWA Group

2023年6月の読書メーターまとめ

よっち
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136
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感想・レビュー
136
ナイス
5401ナイス

2023年6月に読んだ本
136

2023年6月のお気に入られ登録
5

  • sec - akko
  • tomohiko
  • はじめまこと
  • まゆまゆ
  • Ryou(ラノベ専)

2023年6月にナイスが最も多かった感想・レビュー

よっち
聖イジョルニ帝国の英雄ヘクトルの娘として生まれ、家に縛られてきたユリア。彼女が父と一緒に向かった呪われた地・レーエンデへの旅で、寡黙な射手・トリスタンと出会うファンタジー。街道を切り拓くために向かったレーエンデの地に魅了され、初めての友人を得て、仕事に従事して恋をするユリア。そんな彼女が期せずしてレーエンデ全土の争乱に巻き込まれていく展開で、それぞれ秘密を抱えていたヘクトルやトリスタンの覚悟があって、激変してゆく状況に翻弄されながら、それでも各々がなすべきことをやり遂げる強さが心に響く重厚な物語でしたね。
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2023年6月にナイスが最も多かったつぶやき

よっち

2023年5月の読書メーター 読んだ本の数:129冊 読んだページ数:39811ページ ナイス数:5579ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/385946/summary/monthly/2023/5

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2023年6月の感想・レビュー一覧
136

よっち
フェンリルのワサオ、独眼竜マサムネの暴走を解決した魔術師オーリン。 呪いの原因が東北地方最大国家ベニーランドにあると睨んでズンダー大公家を訪れる第二弾。しかし逆にマツシマに旅立ってしまったイロハ姫を連れ戻すという無茶な依頼を引き受けてしまい、ズンダー大公家の問題に巻き込まれてゆくオーリンとレジーナ。自信を持てないイロハ姫を助けて絶体絶命の危機に抗う展開はなかなか熱かったですけど、熱くなればなるほど訳が分からない津軽弁の通訳としても、何やら秘密がありそうという意味でもレジーナが今後のポイントになりそうです。
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よっち
疎遠になっていた元カノ・光と、アプリで出会った女子大生・心。そんなとき、バイト先の後輩・田中が、心に近づく翔を監視する妹・初音天であることが発覚する第三弾。幼馴染・楓との交際が順調な親友・縁司に指摘されて気づく自分の立場。二人を改めて意識する中で、自分の中の気持ちを確かめるためにデートに誘うことを決める翔。彼を警戒して監視する天が一緒に過ごす中で翔の人柄に気づく一方で、それぞれに翔を慕う光と心の複雑な葛藤はなかなか来るものがありましたが、想いは定まっているらしい翔の決断はどうなるのか気になるところですね。
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よっち
普段は鍵坂君孝にだけ毒舌、裏アカではデレデレな友利梓。相変わらずアカバレに気づかない彼女が、今度の学院主催パーティーに向けて距離を縮める作戦を立てる第二弾。「友だちなら普通」を大義名分に週3回のお弁当、こっそり手をつないだり、プールデートに誘ったり、自宅でハグしたりやりたい放題なのに、どこか詰めが甘い梓。一方で幼馴染の生徒会長・星羅から君孝が受けた依頼、そして君孝と気づかずにネットで交流を続ける千冬と梓の思わぬ形でのすれ違い。千冬もフォローしながら、梓のための最善を選択できる君孝がなかなか良かったですね。
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よっち
雛子が『恋』を知った夏休みは終わり迎えた二学期。ついに生徒が経営者を疑似体験する授業、マネジメント・ゲームが始まる第六弾。仲間たちがそれぞれ実家に関連する業種を選択する中、生徒会入りを目指して起業することを選択し、琢磨さんのアドバイスも受けながら順調に会社の業績を上げてゆく伊月。恋愛力ポンコツな雛子との日常生活や、天王寺さんとの息抜きデートをしながら、天王寺を慕う住之江さんというライバル相手にガチンコ勝負する展開では、伊月の確かな成長も感じられて良かったですね。伊月を意識するヒロインたちも可愛かったです。
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よっち
芹香たちと文化祭ライブを無事成功させた後、遂に陽花里と恋人関係になった夏希。一方で複雑な想いを抱える周囲の人間模様も描かれてゆく第五弾。交際経験ゼロゆえにどうすれば喜ぶか悩む夏希と彼に甘える陽花里。一方で部活に打ち込む詩、どこからしくない竜也、怜太と付き合い始めたもののどこか複雑な様子の美織。鳴と志月の初々しい感じも良かったですけど、盛り上がる球技大会の中で熱い想いがぶつかり合って、それぞれが前を向くきっかけを得てゆく展開は良かったですね。いろいろ変わりつつある中で最後の展開が気になるところではあります。
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よっち
その貢献を評価されず、幼馴染の勇者クリストフから追放を言い渡された精霊術士ラーズ。精霊術士の評価に不満だった精霊王がラーズの真の力を覚醒させるファンタジー。王の力で覚醒した彼を慕ってやってきた素直ないい子の回復闘士シンシアとコンビを組んで、再び最初からダンジョンを最速で攻略してゆくラーズ。一方、彼を失ってからその影響力の大きさを痛感させられてゆく元パーティーの崩壊っぷりも目を引きましたが、魔王復活を予告する幹部出現でこれから物語がどう動くのか、これからどんな仲間が増えるのか、続刊に期待の新シリーズですね。
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よっち
魔王を討って騎士団長としての最後の任務も終えて、隠居した最強の英雄エルド。彼の相棒で恋人でもある裏世界最強の暗殺者だったクロエと共に新婚生活を始めるイチャラブファンタジー。ともに苦難を乗り越えて最後まで一緒に戦った二人が、その過去を隠して思い出の地で始める隠棲生活。地域の人々との交流や狩りをして過ごすスローライフ的な日々を描きながら、お忍びでやってきたかつての仲間の国王レオンたちと楽しんだり、その仕事に協力する展開で、エルドが大好きで喜ばせようとするクロナとのラブラブっぷりがなかなか微笑ましかったですね。
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よっち
一言では言い表せないような繊細な状況に陥ってしまった、五つの人間模様を描いた夜の短編集。同棲相手が出ていった男のもとに転がり込む親友の妻娘、同じ日の夜に出会い恋に落ちた三人の奇妙な関係、浮気されて不倫が無理になった親友のために不倫関係を精算する女、男運の悪い双子の姉にバツイチ上司を紹介する弟、後輩の元カレに思わぬ提案をする女。不器用ゆえにままならない日々を送る登場人物たちは、それでもかけがえのない相手を大切に思う気持ちが確かにあって、気づいてくれる人がいるそれぞれの結末にはじんわりと来るものがありました。
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よっち
雨宿りに入った雑居ビルの喫茶店で同じ高校生の名探偵・三津橋芹の存在を知った小南通。トリッキーな難問に挑む高校生コンビの推理と、店子たちのほろ苦い人生模様を描く連作短編集。会社員の身辺を調べ回る偽探偵の目的、日記だけを手がかりに捜す失踪した大学生、古書に記された秘剣密室殺人、夫の浮気疑惑と肉が食べられない理由、亡くなった映画監督のヒロインのモデル探し。探偵や占い師、古本屋といった個性的なキャラも絡めながら、小南と一緒に謎を解き明かす中で、失っていた感情を少しずつ取り戻してゆく芹の変化がなかなか印象的でした。
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よっち
就職活動に全敗し、希望していた専門職の試験にも体調不良で棄権したチドリさん。自信を失った彼女は、偶然出会った老図書修復家の鮮やかな職人技に魅せられる第二弾。ワルツ図書館でボランティアとして働き始め、図書修復家を目指すチドリさんが直面する紙の本が稀少化した現実。電子図書館司書との対立も描かれつつ、時折登場するかつての登場人物たちもこの物語を紡いでゆく上で欠かせない存在になっていて、悩んでいた千鳥さんもこれからの道が定まって良かったなあと思いましたが、個人的にはサトミさんの短編に全部持っていかれました(苦笑)
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よっち
剣と魔法が存在する世界。悪徳冒険者によって大切な魔法石を奪われ、絶望に沈んだまま自らの命を捨て去ろうとする武器屋の娘・セイラ。彼女の前にシスターレイチェルが現れるファンタジー。S級ダンジョン近くの教会で死んだ冒険者に高額な蘇生か死の選択を迫る悪徳シスター・レイチェル。店を荒らされ暴力を振るわれようとも、泣き寝入りするしかない冒険者相手でも罠に嵌める悪辣っぷりは際立っていて、けれど純真なセシルに影響を受けていって、悲惨な過去が明らかになってゆくレイチェルが、過去の因縁に挑むその決着はなかなか良かったですね。
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よっち
思い出のダイスに触れた途端、大学生の菊理現だけが見えるようになった美しい女性。その言葉を持たない不実在探偵が解き明かした謎を推理する水平思考ミステリ。真相を解明するため親戚の刑事・百切と部下烏丸により持ち込まれる、藍の花を握りしめて女性が死んだ理由、宗教施設で血を流す大きな眼球のオブジェの原因解明から広がっていった事件から判明した思わぬ真相。異色の探偵が提示する解答をもとに、個性的なキャラたちが真実にアプローチしてゆく展開はなかなか斬新で、全てが繋がってひとつの真実にたどり着くその結末には唸らされました。
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よっち
偶然耳にしたわずか1文・数十字をめぐる論理的対局ロジカ・ドラマチカ。エリート警察署長vs論理の魔女・紅露寺結子の伊達と酔狂のロジック探偵バトル。彼女の指す一手ごとに暴かれてゆく悪魔宿るワンセンテンスの解釈。そして彼女が最後に証明する驚天動地の犯罪計画。内容の多くが二人の言葉を使った殴り合いのようなもので面食らう部分もありましたが、考察を積み重ねてゆくことで導き出される真実があって、ミスリードも絡めながらそこから少しずつ変わってゆく二人の関係が、落ち着くべきところに落ち着いたその結末はなかなか印象的でした。
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よっち
水中の華・アーティスティックスイミングでオリンピックを目指す女子高生・陣内茜と、ぼっちのオタク女子の同級生・西島由愛が全くタイプの違う二人が出会って交流を深めてゆく青春小説。幼馴染みの神崎水葉との約束を胸に、アーティスティックスイミングに全てを賭けてきた茜の負傷による離脱。挫折の日々に出会った独りで行動するぼっちの同級生・西島由愛との交流。ペアを復活させたい水葉の複雑な想いも絡めながら、どうしたいのか分からなくなっていた茜が、様々を経験を通して自分なりの立ち位置を見出してゆくその姿はなかなか良かったです。
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よっち
モンゴルの支配下に置かれた240年。二世紀半に及んだモンゴル=タタールの支配「くびき」がもたらした国家形成の過程を描く一冊。タタールのくびきの成立過程、なぜモスクワがロシアの中心になったのか、くびきからの離脱とロシア統一国家への形成、ルーシーの地の所有権はロシアにあるという考え方はいつ生まれたのかといったことをコンパクトに解説。リューリク朝関係者に同じ名前が何度も出てきて、誰が誰だかややこしかった点は否めなかったですが、モスクワがくびきから脱してその中心となるまでの過程は容易ではなかったことが伺えました。
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よっち
日本人論や若者の整体、失われた30年、教育、地方、暮らし、差別など、講談社「現代ビジネス」に掲載された論考からピックアップした一冊。日本人は集団主義という幻想、なぜ若者は結婚しないのか、日本の学校からいじめが絶対なくならない構造、地方で拡大する移動格差、死後離婚・夫婦別墓の時代、なぜご飯は悪魔になったのか、ていねいな暮らしブームと余裕なき日本社会、災害大国の避難場所が体育館であることの違和感、女性に大人気フクロウカフェのあぶない実態など、読んでみると気になる16のテーマが掲載されていて興味深く読めました。
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よっち
疑問を持たず素直に従い、人を信じて疑わず何でも「お任せ」してきた私たち。教育から政治・社会問題に至るまで考察を深め、思考停止に陥る日本人に警鐘を鳴らす一冊。グローバル化で日本人とは真逆の「性悪説」を基本とする価値観が流入し、これまでのモラルを裏切るような犯罪も多発する状況において、このままでいいのか。よくよく考えれば首を傾げるようなことも何となく受け入れてしまっていないか、安直な思い込みで思考停止していないか、教育で学ぶ読解力の重要性や身近な事例も取り上げていて、やはり知識と思考力のバランスは大切ですね。
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よっち
夢も趣味もない大学生の夏川誠と、ただ椅子に座るだけの遊び「チェアリング」の仲間たちとの出会いで、人生が大きく変わってゆく青春起業小説。ミュージシャン志望のパン子、農家レストラン経営を夢見る風香との出会いから始まった、シェアハウスに住む投資家志望のミリオン、喫茶店のオーナーを目指すマスターも一緒に「チェアリング」をして過ごす刺激的でかけがえのない日々。それぞれがままならない事情を抱えていて、仲間のために奔走する姿があって、時にはすれ違いながらもみんなで一生懸命考えて新たな夢を見出してゆく素敵な物語でしたね。
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よっち
退屈な日常に絶望する高校生のカヤ。彼の前に現れた爪と目しか見えない異世界の少女・チカと出会い、真夜中の邂逅を重ねてゆく青春小説。生きていることに希望を見いだせないカヤが偶然であった少女の存在。互いの世界に不思議なシンクロがあることに気づき実験を始める二人。かけがえのない日々で大切な存在だからこそ、どうしても許せないことがあって、それがあっさり失われてしまう恐ろしさを何度も突きつけられましたが、だからこそ忘れてしまおうとせずに手放さなくて良かった、そう思える時がいつか来ることを願わずにはいられませんでした。
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よっち
高校生限定SNS「オルタネート」が必須となった現代。東京のとある高校を舞台に、デジタルな世界と未分化な感情が織りなす青春小説。全国配信の料理コンテストでの悲劇の後遺症に悩む蓉、母との軋轢により絶対真実の愛を求め続けるオルタネート信奉者の凪津、高校を中退し音楽家の集うシェアハウスへと潜り込んだ尚志。オルタネートへのスタンスも異なる三人を軸に繰り広げられてゆく、本作の世界観ならでは人間関係は興味深くて、それぞれが上手く行かない葛藤に自分なりに向き合い、その決着を付けてゆく群像劇的展開はなかなか良かったですね。
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よっち
「みつばの郵便屋さん」シリーズに登場する欠点だらけの「泉ちゃん」こと片岡泉が巻き起こす、素晴らしき出会いのスピンオフ小説。いやな人間だということはわかっていて、それでも直せないから自分がダメな人間と自覚している片岡泉。小学生時代を知る近所の大学生、中学の友人、アルバイト先の店長、喧嘩別れした元カレといったこれまでに出会った人たちに鮮やかな印象を残していって、その結婚に至るまでを描いたストーリーで、間違えても反省できるキャラだからこそ周囲に愛されていて、だからこそ続いてゆく人間関係がなかなか良かったですね。
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よっち
失われた人類の記憶を修復する旅に出ていた君塚。巫女の見つけた《聖遺具》と呼ばれる祭具を用いて、過去のとある世界の危機を検証する第九弾。吸血鬼スカーレットに屈した敗北の苦い記憶。記憶を失った日傘の魔女マーリー、アイドル斎川唯の苦悩、シエスタを攫った吸血鬼スカーレットが語る何とも辛過ぎる過去。同族殺しを行ってまで叶えたかったスカーレットが貫いた信念、そして究極の選択に対する複雑な想いが、再び最後に繋がってゆくあの結末はなかなか良かったですね。それぞれの成長や覚悟も描かれていて次回は風靡さんですか。続巻も期待。
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よっち
13歳の春休み。家でも学校でも居心地の悪さを感じていた由花が、家族のもとを離れ田舎で薬草店を営むおばあちゃんと暮らす決心をする物語。森の中に佇む古いが落ち着いたお洒落なお店、自分のために作られた手作りの部屋、魔法の本みたいな日記帳、由花のための特別なハーブティー。そして誰にも言えない秘密の友達サラの存在と友情。心に余裕がなくなっていた由花を受け入れてくれる居場所ができて、お店を手伝う中で様々な人との出会いがあって、少しずつ癒やされながら成長していった由花が迎える結末がとても印象的な物語になっていましたね。
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よっち
ある夜、都の空に不気味なひび割れを見た異界が見える絵師土佐光信。凶兆か幻か。そんな折、突然妻が囚われの身になってしまう第二弾。山名宗全と細川勝元の陣営に分かれて相争う応仁の乱が勃発する状況で幽鬼が群れ、遺体に火蛾が飛びかい、姿を現す謎の神獣。心優しき友・箕面忠時や不思議な女〈つづれ〉の力を得て、大切な人たちを守ろうと光信が見えざる戦いに挑む展開でしたけど、仏画を依頼してきた上皇に光信が献じた絵がなかなか印象的でしたね。仲間たちと協力しながら御所や大切な人を守ろうと奔走する光信の思いが報われて良かったです。
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よっち
人類文明を劇的に変えようとしているAI技術。22名の作家が激動の最前線で体感するAIと人類の未来を描いた書き下ろしアンソロジー第三弾。AIの進化に晒された2025年大阪万博までの顛末、チャットボットの孤独、AIカウンセラーの献身からシンギュラリティまで、さすがに22作品もあると同じテーマで書いても人によってだいぶ方向性は違う印象でしたし、好みも分かれそうな気がしましたけど、野崎まどさんは相変わらずぶっ飛んでるな…と思いつつ、長谷敏司さん、揚羽はなさん、人間六度さんあたりのお話が個人的には良かったですかね。
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よっち
いつの間にか身近な存在になっていた弟子ロイド。そんな状況にウィステリアが危惧を覚え始めた頃、なぜか魔物が大竜樹を襲撃する第三弾。急速に力を付けて日常の見回りの役割分担もできるようになり、彼女への配慮もみせるようになっていくロイド。そしてその言動にたびたび動揺するウィステリア。彼女の想い人は一体誰なのか気にしたり、聖剣にたびたび嫌味を言われる二人の距離感も気になるところですが、ウィステリアに執着する大蛇や大竜樹に絡む異変に対処するうちに急展開を迎えて、これからどうなってしまうのか気になるところではあります。
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よっち
米中対立が激化やウクライナ侵攻で世界情勢が激変するなかで、注目が高まっている戦略物資。現在と未来の状況を地政学的な観点から読み解き、国際情勢や各国の利害の影響を考察する一冊。激変する情勢の中で石油、石炭、天然ガス、再生可能エネルギー、クリティカルミネラル、原子力、水素などがどのように動いているのか。またアメリカ、中国、ロシア、EU、中東、第3国はどう考えているのか。それぞれを解説した上で、脱炭素化で戦略物資の位置づけがどのように変わるのか、化石燃料の価値、南北問題、太陽光&風力発電など興味深く読めました。
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よっち
子どもの背はいつ伸びるのか?いつ止まるのか?子どもの健康を守るため、家庭でも「成長曲線」を活用することの重要性を提唱する一冊。子どもの発育研究に長年携わってきた著者によると、「成長曲線」のグラフに記録することで様々なことが分かるそうで、過度な運動により身長が伸びない例がある、肥満から小児生活習慣病を発症した、いじめやストレスで体重が大きく変動する、身長・体重の異変で重病が発見されることもあるとか。読んでいて夜間のスマホは脳に良くないこと、睡眠の質が子供の成長を左右するので睡眠大事だなとしみじみ思いました。
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よっち
数値化が当たり前になった今、こうした考え方が世にはびこっている。その原因を探り失われたものを明らかにする一冊。客観性自体はここ二百年くらいで誕生した概念で、客観性に対して過度の信頼が置かれるようになったことで生きづらい社会に変容していったこと、数値が過剰に力を持つようになって、人々が競争に追いやられるようになったこと、それによってどのようなことが起こったのかを解説する内容で、困難な状況にある人の生活を支えたり居場所を作ったり、声を出せる環境をボトムアップからのアプローチするその提言には納得感がありました。
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よっち
「部分最適」の集合体である日本の交通行政。都市・交通問題に精通したジャーナリストそろそろ全体最適を意識した総合的な交通政策を構想すべきではないかと提言する一冊。新幹線延伸で寸断される在来線ネットワーク。欧州で復活続くも日本では広まらない路面電車。自転車に加え電動キックボードも乗り上げカオス化が進む歩道。権限を警察が握り「まちづくり」の観点での施策が進まない道路行政。確かにこれまで事業者任せにしてきた状況を変えなければ、今後ジリ貧にななってゆくのは間違いなくて、トータルデザインの必要性を改めて痛感しました。
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よっち
思ぬ形で発生した事件から起きた不当な辞令に憤る人事部採用チームの小野。会社の不利益になる人間の採用を心に誓い、密かな復讐を始める物語。彼女が導き出した、顔の縦と横の黄金比を満たす者を選ぶというある意味選考方法。自身が辿り着いた評価軸をもとに業務に邁進していく中で、その影響なのか社会の必然だったのか明確になってゆく如実な社内の変化、そして黄金比の「縁」が手繰り寄せることになった会社の思わぬ真実。なんだかなあと思う気持ちを抱きつつも、これまでの自分を顧みてあっさりと決断を下す小野の姿がなかなか印象的でしたね。
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よっち
師弟関係を結んだロイドとの共同生活に全く慣れず動揺するウィステリア。いずれ来る別れの予感に苦しむ彼女に、ロイドが禁断の疑問を投げかける第二弾。初恋の人と義妹の間に生まれた初恋の人と容貌がそっくりな息子との一時的な師弟関係。共に過ごす中で弟子以上の大切な想いが大きくなってゆく一方で、彼は相棒の聖剣サルティスを奪おうとする存在でもあるわけで、彼女のことを知りたい、どうにしかしたいと思うようになってゆくロイドの気持ちも分かりますけど、状況を打開する手立てもない中で、王女が待つロイドができることは…難しいですね。
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よっち
最近注目されはじめたギフテッド。高知能で恵まれた人と見られがちな彼らが、幼少期から大人になるまで抱えている生きづらさの悩みとは何か?それを理解するための一冊。もしずば抜けて高い知能が、感覚を過剰に鋭くするとしたら?そしてそれがまた精神を不安定にし、ときに苦しませるとしたら?そんな不安を抱えたまま自己構築することの難しさを明らかにしてゆく内容で、年齢不相応なものを持ちながらどう枠組みに向き合うのかという様々なケースが語られていますが、ギフテッドの側からすると周囲の環境次第なこところもあるので難しいですね…。
KK
2023/06/28 08:22

確かにケースバイケースで紹介されてますが、本当のgiftedにとって、それがウザいんです。分かってないのが、明らかだから。

KK
2023/06/28 08:28

確かに診察した各人のケースバイケースで紹介し、対応なるものを示してはいます。でも、本当のgiftedにとって、それがただただウザいんです。IQってただの測定値。人間が生きるって意味は、ちょっと違うと思う。giftedでなくても、似たような感覚で悩んでいる人もいる。giftedだけの問題ではなく、本当は現代社会システムの問題だと思う。

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よっち
特異な才能の一方で、繊細さや強いこだわりを併せ持つ「ギフテッド」が生きづらいのはなぜか。時代、社会、環境に翻弄されてきたギフテッドたちの実情に迫るノンフィクション。没頭しやすい、情報処理が速い、とびぬけた頭脳を持つはずのギフテッドを、多くの取材の中から彼らの言葉で語られるその難しさ。特異な才能を持つがゆえに、周囲との大きなギャップから生まれる学校で困難に直面して、それ以外の部分で経験すべき部分が未発達となってしまい上手くいかなくなる。なかなか難しいですが何よりもまず周囲の理解が必要なのは間違いないですね。
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よっち
少子化の時代に、なぜ「Z世代」に注目する必要があるのか。1年で2億回以上再生のTikTokを運用する著者が、「エモ」をキーワードに世代を超えて商品を拡散させる方法を解説する一冊。「Z世代」は彼らの消費力ではなくその拡散力に着目すべきで、SNSネイティブのZ世代が共感する発信をすれば、全世代にクチコミが拡散する。ではその「Z世代」にどうリーチするのかが本書の内容で、「エモ」が60点くらいの共感で、発信者のノイズを減らす、嫌われる要素を減らす、誰もが共感できる形を目指していくやり方にはなるほどなと思いました。
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よっち
TVシリーズ本編と、ミオリネの旧花婿が登場するオリジナルストーリー、MSアーカイブやスレッタ役の市ノ瀬加那さんとの対談も収録された、SF考証を務める高島雄哉による本格ノベライズ第二弾。今回はアーシアンとスペーシアンの対立とスレッタが地球寮に受け入れられるまで、エランとのデートからグエル先輩とエランの決闘、スレッタとエランの決闘、株式会社ガンダムの設立までが描かれていて、活字で読むとまたいろいろと気付きがありますね。ミオリネの幼馴染でもある双子の兄妹とのオリジナルエピソードも今後の展開が気になるところです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
白亜の退院直後、介護のために白河家に住み込むことになった灰瀬譲。さらに婚約発表、新居探しと僕らの関係はグングン前に進んでいく新感覚ハイスピードラブコメ第二弾。許嫁の二十四時間介護に挑戦してみたり、白亜愛してるゲームの開幕を宣言してきたり、婚約発表パーティーの開催や新居を探しをしてみたりと、次々とイベントを繰り出してくる彼女に振り回されっぱなしな感もありましたけど、一方で展開が早すぎてお互いのことあまり知らないんだな…と感じることも多くて、何とも難しい関係の二人がこれからどうなるのか結末が気になりますね…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
一人暮らしで行き場のないネットの親友を助けるため1ヶ月間ルームシェアを申し出た高校生・街川庵。しかし同性と思っていた親友の正体が隣の席の人見知り美少女・鈴原綺奈であることを知る青春小説。創作仲間でお互いてっきり同性だとばかり思っていた二人の邂逅。学校では誰にも懐かないと言われ、人見知り気味な家事も苦手な綺奈。自分だけがそんな一面を知る彼女を助けたくて甲斐甲斐しく世話を焼く庵の献身。妹のことりもいい感じに効いていましたけど、少しずつ近づく二人の距離感だったり、紆余曲折の末にたどりついた結末は良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
『無色透明』で地味な女子高生山田良菜。そんな高3の春、彼女の前に突然同じ声の超人気声優・香家佐紫苑が目の前に現れる青春小説。憧れの創作に挑んでも全く目立たず、脇役だなんて諦めにも慣れてしまっいた良菜にもたらされる、紫苑の替え玉声優の依頼。やってみたいと思い、自らの声が必要とされて胸が高鳴った良菜が変装して飛び込んだ痺れるようなアニメ作りの世界。戸惑いながらもチャレンジする声優の仕事は楽しくて、取り組んでいくうちに高まる想いがあって、熱い決意を胸にぶつかってゆくこれからの展開がとても楽しみな新シリーズです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
凶悪犯罪が増加し探偵の必要性が飛躍的に高まった現代。日本で唯一「国家探偵資格」を取得できる真理峰探偵学園で、〈犯罪王〉の孫・不実崎未咲と〈探偵王〉の養女・詩亜・E・ヘーゼルダインが出会うミステリ。入学式から早速発生した模擬事件で、正解したはずの詩亜よりなぜか不実崎の方が点数が高かったのはなぜなのか。武家屋敷じみた同じ寮に住むことになった二人が挑む学園内の殺人事件。謎のポイントは太字の親切設計で、二人を取り巻く魅力的なキャラたちもよく動いていて、劣勢からの協力して逆転劇もある王道展開はなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
豪華客船で行われる鳳嬢魔法学園のオリエンテーション合宿に参加したヒイロ。んな中、魔人の眷属たちがエルフの姫ラピスを襲う事件が発生する第二弾。ヒイロにとっては想定内のイベントで、ほくそ笑みながら主人公キャラの桜とラピスとの仲を進展させるために利用しようとするものの、なぜかこの段階で登場してしまう最悪の強敵・魔人アルスハリヤ。ヒロイン同士をくっつけようとしてかえって好感度を稼いでしまい、あれこれ画策したために逆に余計なものの興味を惹いてしまう展開には苦笑いでしたけど、ますますカオス必至なこれからが楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
日常生活の必需品であり、知性や芸術の源である言語。認知科学者と言語学者が力を合わせ、言語の誕生と進化の謎を紐解き、ヒトの根源に迫る一冊。なぜヒトはことばを持つのか、子どもはいかにしてことばを覚えるのか、巨大システムの言語の起源、ヒトとAIや動物の違いなど、オノマトペと仮説形成推論で学ぶ人間の学ぶ力や言語の本質に迫る内容で、文章はやや難解に感じましたが、曖昧なものを言語化するオノマトメのアイコン性の重要性や、人間は仮説形成によって言語を生み出して、発展させてきたのではという仮説はなかなか興味深かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
〈山下町の名探偵〉として探偵業を始めようかと考えるものの、最近では相談事がまったくないロンこと小柳龍一。あいかわらず暇を持て余していた彼のもとに幼馴染みのヒナから電話が入る第二弾。ヒナから依頼された突然消えた人気配信者の捜索と意外な真相。SNSに書かれたヒナへの中傷と、調査過程で知る高校時代のヒナの噂とその真相。QRコード詐欺事件、そして地面師事件を通じて明らかになってゆく失踪していたロンの母の事情。何とも鈍すぎて前途多難だなあと思いつつも、様々な背景が深掘りされた今回の展開は大きな転機となりそうですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
魔王領の完全解放を成し遂げたソーマたち。海洋同盟とハーン大虎帝国の世界大戦が不可避となりつつ状況で、王妃となったユリガから実家への帰省を提案される第十八弾。王国の人材を総動員して備えを進める中で、兄でもある大虎帝国皇帝フウガの行動を制限する驚くべき献策をするユリガ。ついに始まった最終決戦で異なる様相を見せるそれぞれの戦線や、対峙する人々の積み重ねてきた人間模様や覚悟が垣間見えて、極力無駄な戦いを回避するソーマが見せた驚きの戦略が彼らしいな…と思いましたけど、決戦がどういう結末を迎えるのか続刊が楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
生き別れた妹・凜音が居るというオラクルを追う日々を送る桐谷駿。彼が同じ施設出身のプレイヤー・折町千世と再会する第二弾。千世から依頼された高レアのカードを引ける可能性と強い副作用のある薬「チャンスアッパー」を広める人物を潰して欲しいという依頼と、調査を開始した駿を襲う謎のケモ耳暗殺者ルルナの存在。酷薄なオラクル所属メンバーたちの様子や、多様な契約者たちとライフたちの様々な関係が描かれる中で、ポンコツ暗殺者ルルナを突き放す契約者の不器用な絆があって、そんな彼女と真摯に向き合う駿の姿勢がなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
高校最後の夏休みを前に揺れ動く淡くもつれた関係。キスしても何も変わらない宮城に、仙台から宮城に夏休みの家庭教師役を持ちかける第二弾。定期的に会うのが当たり前になって、一人だと物足りない気持ちになることをお互いに自覚していって、距離感を掴みかねてどうすればいいのかだんだん分からなくなってゆく二人。こういうお互い何考えているのかよく分からない状況は、どちらにとっても(読者的にも)なかなかのストレスだと思うんですけど、そのもやもやは落とし所を見つけることができるのか…期限が区切られた分今後の動きが気になります。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
神算の軍師・瑠璃を仲間に加えた隻影たち。玄の南征に備えて瑠璃の教導で騎馬に対する陣地を構築するものの、搦手から都に調略の手が伸びる第三弾。天剣を持つ者たちの因縁を今回で全て終わらせるべく、再び侵攻を始めるアダイ。前線の張家軍が厳しくても諦めず戦い続ける一方で、様々な思惑が渦巻く都では暗躍する者たちがいて、ここまでやられてしまうと流石に厳しいのではと感じてしまう最悪の展開でしたけど、隻影たちはこれからどんな選択をするのか。そしてあのアダイの妄執を見る限りでは、これからも二人の苦境はまだまだ続きそうですね…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
太陽の帝国侵略をイスカたちが阻止した結果、奇しくも帝国にて集結した三王家の王女たち。王女たちが帝国との協力を決意する中、女王ミラベアもまた一つの決断を迫られる第十五弾。王女たちが魔女・イリーティアの打倒を誓う一方で、ミラベアが思い出す若き日の王女時代に好敵手だった魔人サリンジャー。最盛期には戦闘人形と評されたミラベアと彼の宿敵という名の逢瀬が描かれる、聖戦に至らなかった二人の今回のエピソードでしたけど、読んでミラベアの印象がちょっと変わりましたね…。二人が終盤にどう関わってくるのか楽しみになってきました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
奇怪なる未来世界で旧家臣の行方を追う魔王ベルトール。外界からの干渉を拒絶し続ける疑惑の島となっていた横浜に囚人として潜入する第三弾。支配領域への無断侵犯で囚人となってしまい、行き当たりばったりで高橋とともに潜入するベルトール。二人が出会った少女・青葉、別任務で潜入していた勇者グラムや、探していた黒竜候シルヴァルドとの再会。久しぶりの続刊でしたけどあの独特のノリは変わらず顕在で、関係性も少しずつ変わりつつあるのかなと感じた魔王と勇者の共闘だったり、悲しみを乗り越えて自ら決着をつけた高橋の姿が印象的でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
登録者数一桁のゲーム配信者だったはずが、推しのトップアイドル『ゆき』の推し発言で一気にバズった天宮啓太郎。さらに超人気VTuberや活動休止中だった人気コスプレイヤーからも推されまくる青春ラブコメ。推しがクラスメートと知って、普段のクールな様子から一変して限界化するゆき。さらに再会した幼馴染芹香が両推しの超人気VTuberだったり、二人にコスプレイヤーの義妹・紗菜も対抗して、両推しならではのカオスな展開でしたが、その中でも揺るがないゆきがなかなか強かったですね(苦笑)これからどうなるのか続刊が楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
父が巨額な損失の責任を取ったことで、財閥の御曹司から一夜にして庶民に転落した雑賀玄次郎。彼のもとに母が石油王と再婚して、一夜にしてお嬢様になってしまい困惑する二条玲が転がり込む青春ラブコメ。お嬢様にふさわしい自分に育ててほしいと、手放すはずだった玄次郎の家で同居することになった玲。庶民を自認する玲が、ポジティブで超絶鈍感な玄次郎、彼のツンデレ幼馴染で元婚約者の薫子、玲が大好き過ぎる義姉の咲耶と過ごす日々は、可愛くて暴走する玲だけでなく周囲もポンコツな一面を垣間見せてコメディ感満載でなかなか楽しかったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
高校に復学した苅部業が、クラスメイトで演劇部の美少女・影山花から『女性との同棲疑惑で炎上した男性VTuberを引退させてほしい』という依頼を持ち込まれる第二弾。元VTuberの姉・影山蛍を界隈から遠ざけたい妹の花。VTuberの良さを花に知ってもらいたい蛍。すれ違う想いを抱える姉妹を前に過去と向き合ってゆく業。乃亜の意思を継いで転生の準備をする海那は、業が好き過ぎて花にやきもきしたりと微笑ましかったですけど、彼らしいやり方で姉妹に寄り添って、二人の仲を上手く修復してみせたその結末はなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
地獄巡りの末に「神様」と逢った藤花と朔。山査子の座敷牢に囚われていた神様と呼ばれる超常の存在が、力を抑えていた異能消去者の逃亡により暴走を開始する第四弾。世界を呪い、人間を呪い、生物を呪っている神様。伝染してゆくその殺意に取り憑かれ、他者を襲い殺し、殺意を世界に伝播させていく人々。殺意が蔓延する世界で壊れてゆく人々のエピソードがあって、そんな世界でも二人の世界はどこまでも甘々で、そのギャップはなかなか来るものがありましたけど、だからこそ二人が破滅する世界を救ってみせたその結末が鮮烈な印象として残りました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
夏休み前日の放課後。進路について雉村先生に呼び出された響汰。自分の将来について、澄との今後について、自覚した響汰が悩み、迷い、そして決意を固めてゆく第三弾。ママ友とは違う特別な感情を抱いていることに気づいてはいても、恋なんて安直な名前はつけられない澄への想い。ミニスカちゃんイベントや朝のラジオ体操で相変わらずの妹への溺愛っぷりを見せつける一方で、澄の家族も一緒にキャンプに行ったり、夏祭りデートで模索してゆく二人の関係性がとてもらしいなと思いましたし、ママ友の先を垣間見せてくれた結末がなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
穏やかな9月が終わり10月。藤志高祭の準備も佳境を迎えて、千歳たちのクラスではなずな脚本のオリジナル演劇を行うことが決まり、千歳・悠月・夕湖が共演する第八弾。三人の性格や関係をそのまま落とし込んだオリジナル演劇。美学よりも出し惜しみしないことを優先するようになった悠月、それに複雑な想いを抱く陽。演劇の構図には笑ってしまいましたが、これまでをものともしない紅葉の覚悟により周囲の関係は激変していって、現状維持から前に進むことを決意したヒロインたちの覚悟があって、波乱不可避の藤志高祭で何が起こるのか続刊に期待。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
若き天才経営者が集まるワールドビジネス育英財団(WBF)。そこで成功請負人の名を持つ天才コンサルタント真琴成が、明るい笑顔が特徴の経営初心者・環伊那と運命の出会いを果たすビジネス頭脳バトル。故郷を救うために立ち上がった環と手を組み、彼女を選考試験に合格させるために高級会員制ラウンジで富裕層との繋がりを作り、自らも着々と手を打ってゆく真琴。妨害工作に対する彼の反攻策にも凄みを感じましたけど、そこからもう一歩踏み込んだ環の真摯な想いもポイントでしたかね。二人がこれからどうのし上がってゆくのか今後が楽しみです。
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よっち
実家が貧乏だったゆえ金に対してシビアで、大手警備会社で事務職に就き、安定した生活を送ろうと目論む早乙女南。彼女が謎の部署『異界遺失物係』に配属されてしまうお仕事小説。奇跡的に採用されたものの、配属されたのは希望の事務職ではなく、甘い物が主食の部長や世話焼きの山ガール事務員、特殊性癖持ちの観察員などなどクセだらけの面々がいる『異界遺失物係』。分からないままコミュ力に乏しい五十嵐先輩と組んで、顔のない男や花をキる女、成長する胎児といった死者の未練を探してゆく展開は、意外と二人がいいコンビで今後が楽しみですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ともに帝を支えていく。幼馴染みで帝の腹心の部下・征礼の言葉に覚悟を決めた荇子。しかし一つの嘘と秘密が新たな仕事を呼んで、またいらない秘密を知ってしまう第四弾。目にすることさえ叶わないはずの三種の神器に起きた明らかな異変の真相。帝が原因不明の病に倒れたことで加速する東宮擁立の動き。代替わりした出雲国造の上京と、神楽舞を奉納した女祝の因縁の頸珠。それぞれのエピソードに複雑な因縁がある中で、帝の信任も厚いせいで期せずして関わってしまう巻き込まれ型の荇子には苦笑いでしたけど、征礼とも関係も楽しみになってきました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
大学進学か就職か。夏休みに入り、進路に悩み始めていた茜。そんな折り、近所の児童館で地蔵盆の手伝いをすることになった茜たちは、奇妙な足跡を児童館のあちこちで見つける第五弾。変わらないもの、変わっていくもの、見えるもの、見えないもの。晩夏の地蔵盆で、秋の文化祭で、正月訪れた父の実家の笹庵で、それぞれが持つ誰かを想う気持ちに触れながら、これまでいつも他人優先だった茜が、本当は自分はどうしたいのか自覚していく展開で、温かく見守ってくれる青藍さんや陽時さんの存在も大きいですけど、彼女らしい選択ができるといいですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
自分自身の恋心を自覚し、終也をより確かに想うようになった真緒。そんな二人のもとに帝都より皇子たちが悪しきものの災厄により落命したとの知らせが届く第四弾。二上に滞在していて難を逃れた末の皇子・志貴、事件への関与を疑われ逃亡しているという終也の友人・六久野恭司。そして十織家の屋敷を訪れた志貴とともに向かう、かつて六久野の人々が暮らした禁足地・天涯島。恭司との再会から六久野と今帝を巡る過去の因縁も明らかになっていきましたけど、思ってもみなかった事実に、それぞれの決意がどんな結末をもたらすのか続刊が楽しみですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
中学校の図書室を舞台に、クラスや友人たちとの言動に馴染めない違和感や未来への不安、同級生に対する劣等感など、思春期の少女たちを繊細に描く連作短編集。図書室にやってくる苦手なクラスメイト、新たに赴任した学校司書と見つけた未来への手紙、ゴミ箱に捨てられた課題図書の感想文、変わってしまった友人への複雑な想い、自分を認めてくれた友人、ふとしたきっかけから教室に居場所がなくなる孤独など、教室の中に居場所を見つけられない主人公たちが見出すささやかな繋がりが優しくて、そんな繊細的な描写がとても著者さんらしい物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
この20年間で、小中学生の平均読書冊数はV字回復したのに、なぜ「若者は本を読まない」説が当たり前のように語られるのか。各種データと10代が実際に読んでいる人気の本から分析する一冊。各種データを継続的に追うことで見えてくる10代読書の実情。そして読んだ本の傾向から分析する読まれる本の「三大ニーズ」と「四つの型」と、ジャンル別に見た中高生が読んでいる本。後追い分析ゆえやや現状とのギャップを感じる部分はありましたが、データから読む傾向の分析やニーズ、実際に読んでいる本などは概ね違和感もなくて興味深く読めました。
花ママ
2023/06/20 09:31

私も読みたいと思っています、

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よっち
主人公のヤンキー石平くんが10年前に借りた本を失くしていたことをきっかけに、図書館のアルバイトを始める『税金で買った本』の魅力を徹底紹介。図書館に関するウンチクも学べる一冊。かなり脇役まで紹介するキャラクターガイドに、7巻までの全話を網羅したストーリーガイド、白井さんが作成した「クソ利用者図鑑」あたりはなかなか充実していて、原作者×漫画家の制作秘話対談、現役図書館司書さんに聞く「図書館司書という仕事」、一度は訪ねてみたい日本全国図書館ガイド、設定資料集など、こんなこともあったなと思い出せる楽しい一冊です。
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よっち
生来の虚言癖が災いし、クビ同然に福岡県警から放逐され、ヤクザにも追われる立場となった橘涼真。警察庁の組織犯罪対策部に拾われ、潜入捜査官となるジェットコースタークライムノベル。選択の余地がないまま「立川諒」として、日本最大のヤクザ組織「阿頼組」五代目の一人娘・紗香に接近する涼真。紗香になりすましを看破されて、ヤクザ世界から逃げ出したい彼女から戸籍を用意する依頼を受けた涼真が、ヤクザ内の抗争に巻き込まれてゆく展開で、たびたび陥る窮地をとっさの虚言で切り抜けながら彼らが掴み取ってみせた結末は悪くなかったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
福井の祖母宅管理を頼まれ、思い切って引っ越したフリーデザイナーの小戸森乃々香。心機一転一人暮らしを満喫しようと思った矢先、幼馴染の清志郎が二人の子どもを連れて家にやってくる大人の青春物語。不倫の子と言われあまりいい思い出もなかった街で、なし崩し的に始まった因縁の初恋の人たちとの同居生活。料理担当として一緒に住むようになった漸の存在。祖母の恋人や子供の祖父母など訪れる人たちは騒がしい人たちばかりで、ストレスフリーとは程遠い日々に巻き込まれながら、でもそれも悪くないと思えるその心境の変化が印象的な物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
脇役、敵役、ちょい役―哀愁漂う陰日向に咲く登場人物たちが人生という名の舞台で奮闘する姿を描く連作短編集。ヒロインのお友達ポジションでいつも恋を盛り上げる存在だった花子視点の友人の恋愛模様、愛する家族を残し地球に出陣し正義のヒーローを相手に敗北する怪人、正義戦隊では決してセンターを張れないグリーンの苦悩、そして斬られ役の役者の奮闘、物語の観客役。相対的な立ち位置では哀愁漂う脇役的ポジションとしか思えなくても、一方で自分自身の人生も確かにあって、それぞれが悩みながらも一生懸命に頑張る姿が印象的な短編集でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
身内の犯罪を秘密裏に探る警視庁「監察特捜班」に任命された堂安誠人。動画配信者の彼の双子の弟・賢人とともに、二人一役で自動運転の開発に絡む殺人事件に挑む警察小説。ある日、政府管轄の自動運転実験の責任者がビルから墜死して、前日に別の実験関係者も何者かに殺されていたが警察は自殺と判断。そこに不審を覚えて実験場に向かう二人が事件を追う過程で、移民グループと地元警察の関係も浮かび上がってくる中、二人のポジションを活かした異なるアプローチだったり、違う視点を上手く使って活路を見出してゆく展開はなかなか面白かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
自堕落で未来に希望を見出だせない日々を過ごす大学生・敷石和也。10年ぶりの同窓会を抜け出た彼は、駅のホームから転落する女性を目撃。直後に意識が遠のき、気づくと過去にタイムスリップする青春SF小説。気がつくと眼前に小学生時代の無鉄砲な自分タカナリがいて、自身は見知らぬ子どもの和也になっている。困惑を覚えながらも事情を知る凛子に助けられ、仲間たちと不審な事件の解決に挑む展開で、過去の自分に苛立ちながら不審人物の正体を追う中で、今の自分に本当に必要なものは何だったのかに気づいてゆく結末はなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
聖イジョルニ帝国の英雄ヘクトルの娘として生まれ、家に縛られてきたユリア。彼女が父と一緒に向かった呪われた地・レーエンデへの旅で、寡黙な射手・トリスタンと出会うファンタジー。街道を切り拓くために向かったレーエンデの地に魅了され、初めての友人を得て、仕事に従事して恋をするユリア。そんな彼女が期せずしてレーエンデ全土の争乱に巻き込まれていく展開で、それぞれ秘密を抱えていたヘクトルやトリスタンの覚悟があって、激変してゆく状況に翻弄されながら、それでも各々がなすべきことをやり遂げる強さが心に響く重厚な物語でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
全校生徒が集合する避難訓練中、屋上から飛び降りた学校一の人気教師・奥澤先生。しかし彼が担任を務めるクラスの黒板に「私が先生を殺した」というメッセージがあったことで、状況は一変する学園ミステリ。先生と女生徒のスキャンダルめいた動画を見つけ騒ぎ立てる砥部、突然有力視されていた指定校推薦を失った黒田、先生に取った誤解を生むような行動を言えない百瀬、指定校推薦を押し付けられて困惑する小湊。生徒に真摯に向き合ってきた先生を追い詰める理不尽な歪みが招いた悲劇に対して、最後の厚顔な挨拶が何とも皮肉に思える結末でした…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
とある過去から刑事になる道を自ら閉ざしていた交番勤務の巡査部長・小野寺我聞。与えられた最後のチャンスに賭けることを決意した彼が、まさかの少年刑務所の服役囚とバディを組み事件捜査する刑事小説。異動した先では想像していたのとは異なる仕事を与えられ、鬱屈した思いを募らせていた彼に下された密命。新制度の試験運用として、少年刑務所の服役囚あんどれとバディを組み、常軌を逸した行動に振り回されながらも、意外なアプローチで真相に迫る展開は面白かった一方で、影を落とすような気になる疑惑も出てきて、今後の展開が楽しみですね。
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よっち
少しだけ変わった過去をもう一度体験できて、心のズレが直る不思議な朝顔の種「うるうの朝顔」。霊園事務所で働く青年・日置凪からもらった種が、出会った人々を少しずつ変えてゆく連作短編集。息子に手を上げた夫と離婚したばかりで鬱々とした日々を過ごす母、ずっと誰にも語らなかった過去の悔恨を抱えてきた男、大切なものを見失いかけていた男が抱える複雑な想い、亡くなった先生の幽霊を見るようになった少女。彼女たちの変化の兆しを目の当たりにして、凪自身も目を背けていた苦い過去に向き合うことを決意する姿には確かな希望がありました。
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よっち
東アジアのアートが大切な人を繋いでゆく世界の「今」を感じさせる短編集。ハングルで書き込まれたアドレス帳の持ち主を探す韓国への女性二人旅、伝統の御所人形を作り続ける人形師とフィリピン人留学生の出会い、香港の現代水墨画家とワケあり地元実業家夫人の再会、記憶をなくして海外から帰国した有名な写真家の父の生涯、ミャンマー料理店の店主に聞く自国の政治犯についての話。辛い時や悲しい時に芸術を通じて出会った人とのかけがえのない縁があって、それぞれの国が抱える複雑な事情も絡めながら綴られる大切な想いが印象的な物語でしたね。
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よっち
和国の姫君として育ちながら謀略で奴隷となり、ダリル帝国の後宮に入れられたライラー。子を産まずに数年経てば解放される道があることを知り、スルタンに近づかず年季明けを目指すと決意するファンタジー。しかしさっそく母后に試され、スルタンのアスィールに気に入られて高慢な妃候補に妬まれたりとままならない状況に巻き込まれてゆくライラー。いつか故郷に帰ることを切望する一方で、難しい立ち位置にいるアスィールの力になってあげたい複雑な想いを抱き、持ち前の聡明さを見せて結果的に期待されてしまうライラーのこれからが楽しみですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
貧乏領地の未来をかけて理想の婿を探しに王都へやってきた『石の民』の娘ミュリエル。王子の婚約破棄現場で石を投げて王子を気絶させたことをきっかけに運命が変わる溺愛ラブストーリー。結果的に国難を未然に防いだことで、女嫌いと噂の王弟殿下アルフレッド様に興味を持たれ、その心を射止めてしまったミュリエル。王子の婚約破棄問題を解決したり、超格差婚で辺境に婿入りするための障害を排除してどんどん外堀を埋めてゆくアルのやり手っぷりが際立っていましたが、それをきっかけに貧乏領地や周囲も変わってゆく結末はなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
魔術師団の部下ギルの伝えたい言葉を聞けないまま、敵を巻き込んで自爆死したものの、ヴァルハラに行けず転生したオーレリア。十六年後、救国の英雄となっていたギルと白い結婚をするやりなおしファンタジー。一度も会わないまま結婚した夜、昔から心に決めた人がいることを告げるギルに、あっさり自らが生まれ変わりであることを暴露するオーレリア。衝撃の事実に動揺して、貴重な機会損失に後悔して、重過ぎる愛を見せるギルが微笑ましかったですけど、天真爛漫な彼女と一緒になれたことで、いい意味で変わってゆくギルの変貌ぶりが印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
恐怖の抜き打ち家庭訪問をしてきたエリカの母・フレイヤ。ミナトたちの荒れ果てた生活状況を見て呆れたフレイヤは、エリカを実家に連れ戻そうとする第二弾。ララとの三人での生活を確認したフレイヤにダメ出しをされるミナトたち。さらにフレイヤと一緒にやってきて、爆弾発言でミナトとエリカの関係を大きく揺さぶるボクっ娘JK魔女ニニウム。陰キャでチョロい彼女がミナトに申し込んだデートに、エリカがやきもきする展開は微笑ましかったですけど、大人たちの思惑に振り回されながら、力を合わせて皆で乗り切った結末はなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ヴァンパイアハンターの起こした非日常の騒動も終え、来る夏休みへの期待に胸を膨らませるギャルの琉花。銀華と過ごす夏の計画を立てている二人の前に黒装束の少女スエラが現れる第二弾。銀華の狩人同盟帰還を要請し、戒律違反を行った彼女に一ヶ月間の監視がつくことを告げたスエラ。どこか噛み合わない銀華とスエラの仲を取り持つため、二人を海に連れ出していく琉花。相変わらず謎のパワーでぐいぐい引っ張っていく琉花のムードメーカーっぷりは今回も健在でしたが、悩める銀華も前に一歩踏み出せましたし、みんな彼女に感化されてますね(苦笑)
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よっち
DVD特典小説を加筆修正した「英雄と娼婦」「異端児からの手紙」に、レベルを上げたベルとリューが37階層に再び赴く書き下ろし小説を収録した短編集。アポロン・ファミリアとの戦争遊戯後、ベルに恩義を感じる春姫をアイシャが焚き付けたことで始まる思わぬ大騒動。ウィーネたちからベルに宛てられた手紙。そして意外な護衛に助けられながら向かった37階層での再会。珍しくエイナさんも巻き込んだ大騒動は楽しかったですが、著者さん的にはなかなかの難産だったみたいですね(苦笑)シルが美味しいところでたびたび存在感を見せてくれました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
手芸好きで周囲から浮いている高校一年生の清澄。一方、姉の水青は結婚を控えていて、かわいいものや華やかな場が苦手な彼女のために、清澄がウェディングドレスを手作りすると宣言する家族小説。好きな想いに忠実で突き抜けている清澄、派手なことは苦手で地味でいたい水青、子供には普通であって欲しい母・さつ子、彼女に大きな影響を与えた祖母・文枝、生活力に乏しい元夫・全。それぞれがお互い言葉足らずで上手く伝わらず、すれ違ってゆくもどかしい展開でしたが、水青のドレスを通じて少しは変われたかなと思えた結末には救われる思いでした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
殺しあいをしてきた人々は、どのように和解するのか。世界各地の紛争地で、現地の平和に貢献する活動や研究を行ってきた国際紛争研究者が、紛争の現場で見て、感じ、考えたことを綴る一冊。内戦状態だったカンボジア、人種差別があった南アフリカ、独裁からの民主化したインドネシア、対照的な道を辿ったアチェと東ティモール、多数派が勝利したスリランカ、多民族ゆえに難しいボスニア・ヘルツェゴビナ、分断するキプロス、軍事政権のミャンマーなど、背景も違えばその過程や結末も違っていて、分かりやすい正解もないだけになかなか難しいですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
零細出版社でアルバイトをしている大学生の米田。ある日米田は取材の最中に、赤い服を着た不思議な女性・佐倉乃亜と出会う青春ホラー小説。実話怪談の記事の執筆を担当する怪談ライターの米田が、後輩の相談に付き合った時に出会った不審な女性・乃亜との邂逅。異界に行きたいオカルトマニアの彼女と向かう寂れた住宅街にある廃屋、不可思議なトンネル、後輩の田舎で開催される奇祭。真面目系クズっぷりを垣間見せる米田が破滅型の乃亜に惹かれてゆく様子や、異様な展開なのにそれを淡々と受け入れてゆく結末にはじわじわと来るものがありますね…。
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よっち
巨大書庫「御倉館」を管理する家に生まれた本嫌いの高校生・深冬。ある日、入院した父の代わりに叔母を世話するために御倉館を訪れた時、蔵書が盗まれて祖母が仕掛けた本の呪いが発動してしまうファンタジー。本を盗んだ犯人を追って、不思議な少女・真白と一緒にいくつもの本の世界を冒険する深冬。明かされてゆく御倉家の過去や本の呪いの正体、そして真実に向き合い少しずつ変わってゆく深冬の成長があって、様々なものがあるべき姿を取り戻しつつある中、それでも変わらなかった本当に大切なものを取り戻す結末にはぐっと来るものがありました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
成長著しいIT企業初の新卒採用。最終選考に残った六人の就活生に課されたチームを作り上げてのディスカッションが、直前になって突然六人の中から一人の内定者を決めると通達される青春ミステリ。全員で内定を目指すはずの仲間が、ひとつの席を奪い合うライバルに。内定を賭けた議論の中で暴露された六通の封筒の中身。十年後のインタビューも交えながら当時の事件が語られる展開でしたけど、新たな嘘や事実が判明するたびに二転三転するそれぞれの印象、それを収束させていった結末への展開は鮮やかで、就職活動についても考えさせられましたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
皇帝のやとわれ寵姫として職務に励むかたわら、隙あらば料理をしようとチャンスをうかがう千花。しかし思わぬ災害が発生して後宮が財政難に陥ってしまう第二弾。経費削減のために、皇帝の褒美を餌に妃嬪たちにどれだけ削減できるかを競わせることを提案する千花。しかし皇帝が襲われ、後宮内でも殺人事件が立て続けに発生。皇帝を守り、犯人をあぶりだすために、大勢の命を奪ったある郷土料理を供する千花。結果的に犯人こそ捕らえたもののややもやもやが残る結末で、なかなか進展しない二人の関係にもそろそろ変化を期待したいところではあります。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
近頃頻繁に担当作家・御崎禅の処女作『輪舞曲』にそっくりな夢を見て、朝起きると頬が涙で濡れていることもある編集者の瀬奈あさひ。そんなある日、御崎禅に自らの血を与え、彼を吸血鬼にした『母』シルヴィアがアメリカから来日する第四弾。何故か彼女の観光に付き合わされるあさひが知る、彼が吸血鬼になった経緯。『母』なる存在の登場により禅とあさひの関係がどうなるのか。そこが個人的に焦点だった今回の展開でしたけど、シルヴィアは関係を変えるきっかけをくれたとても優しい人でしたね。そんな二人のその後がちょっと気になる結末でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
人の名前を思い出せないとき、ふっと思い出せたとき、脳内では一体何が起きているのか。頭の中には「ある」のに、なぜ出てこない?最新脳科学が明かす記憶のミステリ。日常的な記憶の謎のメカニズムから、記憶という能力の本当の意味まで、最先端の知識を分かりやすく解説していて、ネット検索ができる時代になぜ記憶力が必要なのか、記憶を作れないと人はどうなるのか、記憶を選別する情動の働き、使わない記憶は変容して劣化するなど、記憶研究の最前線からの知見は興味深くて、やはり睡眠と記憶を定着させるためのひと工夫が重要だと思いました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
NYの高校に通う心優しい少年オリバー。ある日不可解な事件に巻き込まれ母親が重症。自身は吸血鬼になってしまい、怪しげな私立探偵ヤンに預けられるバディアクションミステリ。母親を救う手立てを求めたオリバーが預けられた、暴力折檻も厭わない吸血鬼専門の事件解決請負人ヤン。半人前の吸血鬼として躾けを受け、時には命の危険も感じながら、コンビを組んで怪物絡みの事件を追うオリバー。アメコミっぽい展開の中で少しずつ変わってゆく二人の関係があって、真相に追う中でたどり着いたほろ苦い事件の真相とその結末もなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
最愛の娘を辱め殺したのに、少年法に守られのうのうと生きている男に復讐を果たした母。しかし我に返ると復讐を決意した瞬間まで引き戻されていたことに気づく連作短編集。犯人を何度殺しても殺しても終わらないループ、先に進まない時計。そのうち感染するかのようにループが広がっていって、記憶がリセットされてしまうステイヤーよりも、記憶を維持するルーパーの数が増えてゆくことで崩壊しつつある秩序。混沌とした繰り返しの日々とどう向き合うのか、それでもいつか終わるかもしれないと信じて真摯に生きる人たちがとても印象的な結末でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
週刊誌、翻訳書の編集に従事してきて、編集長として「光文社古典新訳文庫」を創刊した著者による編集者目線から語る読書論。駅で見かけた本好きの少女から始まる、古今東西の様々な事例から魅力的な本にどのように出会うのかを綴った一冊で、翻訳者らしい世界の作家や編集者たちの読書論、毛沢東やモームなどの世界の様々な読書論、世界の書店や図書館のありようを巡る旅、短編小説から始める世界の古典文学、自伝文学や児童文学のすすめなど、いろいろなアプローチから語られるエピソードは面白くて、詩人の長田弘さんの積読論も興味深かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
小さいころから不器用で数字オンチだった著者が、世界トップクラスのグローバル企業・GEグループに転職し、CFOとして結果を出し続けられるようになった「数字で話す」秘訣を解説する一冊。「数字で話さない症候群」という課題に対して、誰にでも分かるシンプルな数字を使い話すだけで、仕事のスピードが上がり、応援や協力を得られるようになり、評価されることを説いた一冊で、説明がシンプルになる、解像度が上がる、具体的にイメージしてもらえるメリットを様々な形で取り上げていて、忙しい上司には最初の3分が勝負は説得力がありました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
近年注目されているテキストを入力しただけでイメージどおりの画像を生成できる画像生成AIについて、初心者向けに基礎知識をまとめた一冊。生成AIが従来の機械学習AIとどう違うのか、その活用方法としての画像生成AIとその歴史、クリエイターエコノミーと生産性の向上。その仕組みとプロンプトエンジニアリングという新しい概念、著作権や倫理的な問題。コミック・映像・ゲーム・建築やインテリアなどの活用事例や、具体的なツールなどを紹介していて、著作権を始めとする法整備、AI作成と判別できるかあたりがポイントになりそうですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
卓越した医療技術を持つ幻の「森の民」である母の一人娘ミーシャ。瀕死の父を治療する母を事故で亡くした彼女が、王様の召集により隣国に遊学するロード・ストーリー。過酷な現実に直面しながらも薬師の自分にできることをやり抜き、前を向いて隣国へ旅立つことを決めたミーシャ。使者ジラルドたちと共に向かう旅で出会うスリの少年と老婦人、同胞との邂逅、小狼との出会いと過去の思い出、そして龍神様の奉納舞と誘拐騒動。周囲の大人に見守られながら、その優れた洞察力と直感でかけがえのないものを救ってゆくミーシャのこれからが楽しみですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
父が行方不明になり、実家の男爵家を我が物にしようとする義母と義妹に追い出されたジネット。嫌がらせをご褒美(試練)と考える鈍感ポジティブ令嬢と溺愛系腹黒婚約者クラウスのラブコメファンタジー。まずは成金令嬢の自分との婚約で身売りと笑われ続けた、美貌の婚約者クラウスを解放しようとするもののまさかの溺愛宣言。彼に支援されて持ち前の商才を開花させて活躍し始めるジネットはどこまでも天然ポジティブでしたが、下手な手を打つ義母と義妹に結果的に跳ね返る展開には苦笑いでしたね。皆に彼女が愛されるのも分かるような気がしました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
長期休暇を終えて通常業務に戻ったアリナ。しかし今度は今年からランク査定をクエストカウンターでも受け付ける激ヤバ業務が降ってきてしまう第七弾。受付担当は重鎧装備が必須で応対窓口は対属性強化ガラスで防御。しかもこれまで残業を手伝ってくれていたジェイドに用事があり、手伝ってもらえないという絶体絶命のピンチ。残業でジェイド不在を痛感するアリスも大概ですが、四聖に会いに行ったジェイドたちも思わぬ事態に巻き込まれて、上手いこと一つに繋がった激闘の末に少しはジェイドとの仲も進展したのかな。今後の展開が気になりますね…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
三雨の事件に決着をつけ、正式に衣緒花と付き合うようになった有葉。穏やかな日常を過ごす中、行方不明だった姉・夜見子が眼帯姿で帰ってくる第三弾。ロズィに悪魔が憑いていることを看破した夜見子。病を振りまく〈犬〉の悪魔に憑かれたロズィに寄り添いその心に向き合う有葉。一方で、有葉と離れて過ごしていた衣緒花に徐々に起こっていく心境の変化。なぜこのタイミングで姉・夜見子が帰ってきたのか。ずっと感じていた違和感がその過去も絡めながら明らかになる展開で、思ってもみなかった真相から諦めずに引き寄せた結末がとても素敵でしたね。
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よっち
京都に辿り着いたヤヒロと彩葉を待っていたギャルリー欧州本部を率いるベリト侯爵ユーセビアス。統合体強硬派の彼が、妙翅院迦楼羅の持つ遺存宝器を奪うため天帝領侵攻を開始する第五弾。迦楼羅救出のために天帝領へと潜入したヤヒロたちが知る龍の巫女と世界の真実。一方、投刀塚たちの襲撃を受けてついに覚醒して世界の破壊を望む鳴沢珠依を止めるために、始まりの地二十三区の冥界門へと向かうヤヒロと彩葉。竜の巫女と不死者たちそれぞれの鮮烈な生き様が交錯する激動の展開からの決着は熱い展開でしたけど、もう少し続くようなので続刊に期待。
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よっち
自称「ウラオモテの無い高校生」こと花城夏彦が、憧れの生徒会長・八重樫唯の秘密をうっかり知ってしまったことで、生徒会に連行される学園ラブコメ。実はポンコツで努力家の唯を支える生徒会という実情を知らされて、天才肌の年上副会長・紫藤、体育会系幼馴染ひより、寡黙な秀才・椿姫といった個性的なメンツが揃う生徒会の雑務に任命される夏彦。彼女たちをフォローする彼の存在が、生徒会や彼女たちを少しずつ変えてゆく展開は良かったですし、チョロイン先生や彼を落とそうと躍起になる人気者のギャル・ルミもいいアクセントになっていました。
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よっち
単独で上位龍すら倒す実力を持ちながら婚約者を失い、遊郭に入り浸り自堕落な日々を過ごすラス・ターリオン。そんな彼の前に、死んだはずのかつての婚約者、皇女フィアールカが現れる異世界戦記ファンタジー。存亡の危機に陥っている祖国を救うため、ラスを連れ戻した皇女の目的。突如抜擢されたラスに納得がいかない騎士たちの挑戦。そして彼に試練を課した師匠の黒の剣聖。策略家の皇女に、実直チョロイン騎士や毒舌家補佐官といった魅力的なヒロインたちとの絡みが楽しくて、さらに訳ありそうな王女ティシナをどう口説くのか続刊が楽しみですね。
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よっち
明石伊緒のもとに届いた、強くてドライで自由な美少女・日浦亜貴に関する不穏な連絡。彼女が所属するテニス部で起きたいざこざを何とかしようと奔走する第四弾。部内で孤立する亜貴を助けようとするものの、彼女自身から釘を刺される伊緒。伊緒が天使として以前受けたまま保留になっていた案件。そして明らかにされる伊緒と亜貴、真逆なふたりが親しくなったきっかけ。伊緒に対する想いを自覚してゆく湊や御影も可憐な姿をしっかりと見せてくれましたけど、今回は伊緒の中での亜貴の特異な立ち位置や彼女の存在感を改めて実感させてくれましたね…。
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よっち
出産後すぐに職場復帰するつもりが、なかなか保育園が見つからない北村彩芽。そんな彼女のSNSでの呟きにママたちの苦悩が寄せられ、オフ会で知り合った二人と一念発起して保育園設立に動き出す物語。娘の保育園の方針が合わない経理担当のシングルマザー契約社員・敦子、保育園で働きたい元保育士の専業主婦・梨乃が、彩芽の情熱に引っ張られるように保育園設立に向けて動き出して、三者三様に遭遇するトラブルにはそううまく行かないよな…とも感じましたけど、時にはぶつかり合いながら絆を深めて、苦難を乗り越える姿はなかなか印象的でした。
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よっち
変化が激しい今の時代に必要な働くためのマインドセット法について、仕事でストレスを抱えやすい3つのタイプの特徴をもとに、ルーティンを通して働き方をアップデートするヒントをまとめた一冊。ストレスが多い現代の仕事で重要になってきているのが、自分らしくいられる考え方を見つけて、自己肯定感を高めてメタ認知で周囲の状況を把握できるようにすること。なぜその2つのバランスが重要なのかを解説しつつ、バランスが崩れるとどういう状況に陥るのか、どうすれば高めることができるのか、小さく積み重ねてゆくやり方が参考になる一冊ですね。
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よっち
過去最低を更新し続ける小学校教員採用試験の倍率、「定員割れ」の地域も出始めているなど、近年加速する教員不足。専門家たちが教育現場を残業地獄から救うための方策を考える一冊。教員が人気がなくなっている一番の要因は、ブラック職場と指摘される長時間労働で、いくら働いても4%の固定残業代しか得られない「給特法」が抱える問題。その見直しの議論も始まる一方で、学校での働き方改革や仕事を「断る・減らす・なくす」勇気を持つなど、状況を改善するような動きもあるようですけど、同時に生産性を上げる取り組みも重要なんでしょうね…。
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よっち
同級生の田村夏美から美術部へ勧誘された宮澤けいと。長身でイケメンの友人・沖泰斗と一緒に入部したことでややこしい三角関係に陥ってゆく青春小説。中学時代から泰斗を気にかけてきた夏美、そんな夏美を意識するけいと。そして同じ男でありながらけいとが好きな泰斗という、それぞれが違う人を好きな三角関係という構図。それに夏美の友人で泰斗の元カノ、泰斗の友人で夏美を気にかける長谷川も絡めた何ともややこしい人間関係が出来上がっていましたが、恋敵でもあるゆえにそうそう上手くいかない彼らの複雑な想いがなかなか印象的な物語でした。
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よっち
陰陽師家の名門・久我山家の長女として生まれるも、使用人同然の扱いを受けてきた未緒。ある役目を果たすため、父から不幸を呼ぶとされる「オサキモチ」である周吉のもとへの嫁入りを命じられる明治ファンタジー。以前、本所深川一帯を焼き払う大事件を起こし、世間から恐れ憎まれていた周吉。覚悟して嫁入りしたものの、初めて会った噂とは違う心優しい青年に戸惑う未緒。これまでお互いあまり良くない過去を過ごしてきた二人が、未緒の実家の問題を解決しながら心を通わせてゆく展開はなかなか良かったですね。続刊あるならまた読んでみたいです。
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よっち
《迷宮》内でイアルマスたちが遺体を回収した大柄な少女ベルカナン。火竜に遭遇し一党ごと全滅した彼女が、蘇生してくれた彼らとともに迷宮を彷徨い続ける赤き死の脅威に挑む第二弾。臆病ながらも仲間たちの敵を討つことを決意し、ベテラン勢さえ探索を躊躇する火竜討伐に挑むことを決意する駆け出しの魔術師ベルカナン。彼女を放っておけず試練に協力するガーベイジとララジャ、そして彼らを介添えするイアルマスたち。流石に火竜相手に簡単な戦いではなかったですが、それぞれが向き合い残り越えてみせた熱い戦いの結末はなかなか良かったですね。
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よっち
召喚師ヴィクターと共に逃亡生活の中で覚醒した「聖女の力」で「大災害」から世界を救ったハル。その力を狙う国に縛られそうになり、ヴィクターと密かに他国へ向かう第二弾。2人で過ごす静かな時間を夢見た矢先のヴィクター突然の失踪、巻き込まれる次々と人が消えていく事件の真相。そして新たに始まる二人での新生活。過去の因縁だったり、国の思惑に振り回されかけながら、温かく見守ってくれる新天地の理解ある人たちの優しさがあって、ハルの優しさと彼女を支えるヴィクターの想いが引き継がれていることが伺える結末はなかなか良かったです。
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よっち
神在の家・二上家当主から十織へ病床の妻のために死装束を織ってほしいと依頼があり、真緒は終也と共に雪に閉ざされたその領地・白牢を訪れる第三弾。死期が近い妻を想っての依頼が、当の本人はこれを頑なに拒否しているという皮肉な構図に、持ち前の真実を見抜く瞳と真っ直ぐな心で、互いに納得できる方法を模索する真緒と、彼女の想いを尊重する終也。そして白牢に逗留していた末の皇子・志貴との出会い。夫婦や志貴の心を揺さぶる、危うくも眩しい真緒の真っ直ぐさがよく出ていた今回の展開でしたけど、ここから物語も大きく動くのでしょうか…。
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よっち
地方温泉街の河原で発見された子供の惨殺遺体。小児わいせつ事件の常習犯で、警察が疑いを強めて逃亡中の5歳の少年・当真が、警官の拳銃を強奪して子分とともに子ども食堂に立てこもるサスペンスミステリ。自らの無実を主張して警察は真犯人を捕まえろという当真。そこから少年少女とともに人質となり、幼馴染の刑事と連携して事件解決に挑む子ども食堂の店主・司。温泉街の過酷な育児環境、それを食い物とする大人たちには暗然たる気持ちになりましたが、子どもたちの心からの叫びが変わるきっかけになって欲しいと思わずにはいられませんでした。
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よっち
ヴィクトリア朝時代のロンドン。下町で暮らしからハートレイ伯爵家に引き取られたメアリ。秘密を抱えたまま伯爵令嬢として生きる彼女が十六歳の時、その秘密を知る美貌の青年貴族ジョシュアと出会う物語。赤ん坊の頃に誘拐されたとされ、誰にも言えない秘密を抱えるメアリに、奇妙な頼み事をしてくるジョシュア。生い立ちからどこか貴族社会で上手く生きることができない二人が、様々な事件に巻き込まれる中でお互いのことを知って、一緒に過去を乗り越える展開はなかなか良かったですね。お節介でツンデレなヴァイオラもいい感じに効いていました。
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よっち
北風が吹き冬が到来した頃、寝所をともにするようになった瀬那と伊月。帝都で妹の朝子と遭遇する一方、呪いを振りまき人々の命を奪う妖狐が出現する第三弾。小さい頃に実母が失踪した過去を抱え、子供への接し方に不安を抱える瀬那。行方不明だった瀬那の母親を見かけたという妹の朝子との再会、そして犯人隠匿の疑いから営業停止になってしまう父の料亭。事件解決のためにカフェの女給に扮して捜査する展開で、彼女への愛を隠さない伊月には苦笑いでしたけど、母の失踪の真相にも一緒に向き合って、乗り越えてみせた結末はなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
大手広告代理店での激務とパワハラで、三年たたずに退職した未谷千晴。働く自信と希望を失った彼女が、叔母が経営する人材紹介会社で「転職の魔王様」という異名を持つ凄腕キャリアアドバイザー来栖嵐と出会うお仕事小説。一年間試用期間として来栖について仕事をすることになった千晴。彼女が直面する岐路に迷う派遣社員、同じような境遇の広告代理店の人、来栖の元カノが来社した理由、トラブルで転職歴が多い人など、なぜ来栖が今のような人物になったのか、その過去も絡めながら、千晴もまた自らに問いかけてゆく展開はなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
晴れて夫婦となった鈴子と孝冬。ある日、以前お家騒動があったと噂の多幡家の跡継ぎが、孝冬不在の花菱家を訪れる大正時代の東京を舞台にした悪霊退治ファンタジー第二弾。売却を予定している屋敷での幽霊騒動、懸想した運転手に奥様が殺された家に出る手だけの幽霊、幽霊が憑いているという噂の硯箱。今回も何とも業の深い幽霊話が次々と出てきましたけど、鈴子と孝冬の関係性はお互い話し合って歩み寄ろうという意識が芽生えて、出会った当初に比べれば隔世の感がありますね。松印や鴻氏に関わる因縁も少しずつ見えてきた今後の展開が楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
なぜ少子化は止まらないのか。どのような手を打てばよいのか。人口問題の専門家が様々なデータを基に分析して会話形式でわかりやすく解説する一冊。22年の出生数は80万人割れでわずか7年で20%以上減少という状況がなぜ起きたのか。データを提示しながら第1子に手が届かない人、結婚しても子どもを希望しない人が増加、非正規雇用の女性は結婚・出産に後ろ向き、フィンランドも実は日本並みの出生率に低下といった状況を冷静に分析していて、現金給付依存の危険性や、若者の経済・雇用環境の好転が不可欠という結論には説得力がありました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
定休日の月曜日に、1度だけ「抹茶カフェ」を開く、川沿いの桜並木のそばに佇む喫茶店「マーブル・カフェ」。一杯の抹茶から始まる東京と京都を繋ぐ12ヵ月の心癒やされる連作短編集。携帯ショップ店員と茶問屋の若旦那、妻を怒らせた夫とランジェリーショップの店主、恋人に別れを告げたシンガーと祖母と折り合いが悪い紙芝居師、京都老舗和菓子屋の元女将と同じ名前の京菓子を買いにきたサラリーマンなど、ふとしたことから誰かの背中を押しているエピソードは意外なところで繋がっていて、そんな縁を丁寧に描いてゆく著者さんらしい物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
侍女兼メイドとして働くこと二年。紆余曲折を経って侍女仕事一本でやっていく決意をしたアンナ。待遇改善要求を出した結果、貴賓室配属となる第二弾。なぜかアンナだけメイド配属となっていた元凶が罰を受けて心機一転、新しい配属先で働くことになったアンナ。けれど配属早々に訪れた先で目にする倒錯的で仲睦まじい帝国大使夫妻の様子。そしてルカリオさんからの青天の霹靂とも言える告白から始まる怒涛の展開があって、アンナがずっと抱えていた過去も解決したら、なかなか素直になれない彼女でも、これは流石に受け入れるしかないですね(苦笑)
が「ナイス!」と言っています。
よっち
父親が突然亡くなり、山形の山あいの集落に引っ越した小学校6年生の高橋みのり。そこで仲の良い二人の少年・怜と隼人に出会う青春ミステリ。分校の同級生と心を通わせはじめた夏、「向日葵流し」のために植えられていた向日葵の花が切り落とされた事件、時折見え隠れする不穏な向日葵男の存在。成長とともに少しずつ変わってゆくみのり・怜・隼人三人の関係があって、繊細だったその関係の裏にあった構図も明らかになってきて、子供ゆえのままならなさを突きつけられながらも、それでもその時の精一杯で頑張った結末がなかなか印象的な物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
新世代和風ファンタジー「八咫烏シリーズ」の登場人物紹介のほか、創作を巡る対話集や作品Q&A、作者・阿部智里のインタビューなどを収録するファンブック。十年間の作家生活を語るロングインタビューや松本清張賞受賞時のコメントや選評の紹介、萩原規子さん、夢枕獏さん、萩原朔美さん、松崎夏未さん、武田綾乃さん、額賀澪さん、中島京子さん、瀧井朝世さんとの対談。各作品ごとの紹介や作者による登場人物紹介や人物系図、作品Q&Aなどから世界観を掘り下げたり、装画がどのように生まれるのかなど、読むと確実に解像度が上がる一冊ですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
人口減少で日本の農業はどうなるか。農家はもちろん出荷や流通、販売や商品開発などの危機と課題、新たな潮流やアイデアを現場取材、農業のいまを報告する一冊。 生産者の高齢化、物流の2024年問題、集出荷施設の老朽化、農業集落の存続危機、外国人技能実習生頼みの限界、耕作放棄地の増加と懸念、主食がコメでなくなり、伸びる加工・業務用コメなど、顕在化するピンチをチャンスに変えるべく、こうした課題に立ち向かう現場の変革が紹介されていましたが、こうなってくるとやはりポイントは国が政策としてどうサポートしていけるのかですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
まもなく先帝の喪が明けて、皇帝朱心の時代を迎え立后も目前。しかし皇位継承の儀が前例のない不吉な失敗に終わってしまい、英鈴の実家から呪いの道具が見つかる第六弾。呪いのせいで儀式が失敗したとして後宮を追放される英鈴。呂賢妃もまた同じ容疑で後宮を追い出されてしまい、幽閉先から抜け出して、朱心の助けも借りながらこの謎を解くために奔走する英鈴。秘密裏に捜査する彼女の頑張りもあって、ようやくいろいろな問題も解決に向かいましたかね…。そろそろ英鈴も覚悟を決めて立后されることになるのか、続刊の展開に期待したいところです。
rozeriy
2023/06/06 01:36

よっちさんこんばんは。 7月発売予定の次巻で完結みたいです。 なんか、駆け足になりそう。 事件を解決するのは面白いけど、 ヒロインヒーローがラブラブに見えないのがネックですね。 もしかしたら初コメかな。 これからもよろしくお願いします。

よっち
2023/06/06 15:20

そうなんです。7月に新刊出るの見て6巻読んでなかったことに気づきましたw この手の作品はふたりの距離感期待してる人多いですからね…。

が「ナイス!」と言っています。
よっち
まもなく十四歳の誕生日を迎える莉杏。暁月から叉羅国で開かれるムラッカ国とバシュルク国の停戦会談に、仲介役として出席する大役を任される第八弾。赤奏国の使節団の責任者になった莉杏は、暁月に教えられた『秘密の合言葉』をお守りに叉羅国へ向かう道中、ワケあり王子のカシラムや少女傭兵イルなど、次々と増えてゆく奇妙な同行仲間たち。行き違いから勃発した内乱の危機では、莉杏なりのやり方で一生懸命考えて頑張ったりもして、そんな彼女をさっとフォローする暁月もカッコ良かったですけど、何より莉杏の成長が毎回著しくて驚かされますね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
Amazon、Google、Microsoft、Uber。大企業の自動化されたサービスの裏側に潜む、数えきれない見えない労働者の存在と実情。超高速で拡大するギグワークの最暗部をえぐる渾身のルポルタージュ。今日のAIは基本的な判断を下す以上のことは、作業工程に組み込まれた人間以外にはできない。情報化が進み機械化が進む中でそれを手伝うような作業は、法で定める最低収入よりも少なく、健康上の利点はなく、いつでも解雇されてしまう。これが進んでいけばいつか日本でも視えない労働者の問題が顕在化してもおかしくないですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
皇帝夫妻の娘として生まれながらも、双子を忌む因習によって捨てられたエルネスタ。市井で育った彼女が出奔した姉姫の代わりに人狼王イヴァンへ嫁ぐファンタジー。育ての母の病気を治すことを条件に期間限定の身代わりを引き受けた彼女が、明るさと根性で壁のあった人狼族たちとも仲良くなり、人狼王イヴァンの心も解きほぐして周囲から敬愛される王妃となってゆく展開は良かったですね。だからこそエリーも身代わりでいることの罪悪感があって、イヴァンもまた隠し事があることに気づいていて、何やら不穏な動きもありそうな今後が気になりますね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
皇太子ルイスに婚約破棄された上に、彼と浮気相手である聖女オリーネに嵌められ、処刑されたスペンサー家の公爵令嬢アサリア。死の瞬間の苦しみの中で気がついたら二年前に回帰していたやりなおしファンタジー。親の決めた婚約になど振り回されず、今度は自分らしく楽しく生きようと決意するアサリア。空回りしていた過去と決別して、冷静になってみるといろいろ見えてくることもありますね。オリーネの聖騎士になるはずだったラウロを専属騎士として、意趣返しもしっかりあって、危機を救ったアレクシスにもアプローチされてこれからが楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
開戦の火蓋が切られた聖戦。王国の策により劣勢を強いられていた魔導皇国は戦線を押し上げるためアリシアと魔王・アルベルトが出陣する第二弾。志願者が殺到するアリシアの特務隊。突如落とされたディートリンデ砦を奪還するための戦い。王国と共闘する宗教国家レジエンテの兵を率いる少女イルミナの思惑、外道なシュテイン王子が張り巡らす罠。捕らえられた聖女フローラの心境の変化だったり、アリシアは周囲に慕われてるんだな…みたいなこともしみじみ感じましたけど、アルベルトの救出に向かったアリシアが幸せになりそうな結末で良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
職務中に上司の宰相イースティリア・ウェグムンド侯爵から淡々と求婚された事務官の子爵令嬢アレリラ。婚約破棄されて行き遅れた我が身と宰相様の契約結婚と思っていたら、意外な事実が判明する新婚生活物語。結婚できない想い人がいるとの噂があったものの、とある夜会の席でイースティリアが愛しているのは彼女自身だと告げられ、動揺を隠せないアレリラ。二人とも有能で新生活の準備とか様々なことがそつなく決まる辺りに、仕事上のパートナーとして過ごしてきた日々が伺えますが、お互い情緒が追いついてなくて不器用なギャップが良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
西暦二一六〇年。米ソの冷戦が終わらなかった近未来モスクワ。自由も真実も、未来も繁栄もどこかへ消え失せた街で、生身の傭兵ダニーラ・クラギンが《掃除屋》として短機関銃を片手に路地を駆けるハードボイルド・サイバーパンク。戦争帰りの機械化兵がうろつき回り、当局によって監視され、政府系組織とスパイやマフィアが殺しあう暗部で、一緒に生き抜いてきた弟妹のようなマーニャ、ノーラ、ワレリー。そして立場は変わっても想いを交わすスターシャ。彼女たちのために存在否定可能な人材の中から頭角を現してゆく彼のありようが印象的でしたね。
鮫島英一
2023/06/04 08:59

これは面白そうな作品ですね。読みたい本リストに登録したので、早速書店で探してみます。

山川欣伸(やまかわよしのぶ)
2024/04/06 14:51

「モスクワ2160」、読んでいて本当に胸が締めつけられる作品ですよね。ハードボイルド・サイバーパンクの世界観が、まるで自分がその場にいるような感覚を呼び起こします

が「ナイス!」と言っています。
よっち
ファンタジー小説の悪役貴族ルーク・ウィザリア・ギルバートに転生したことを知った主人公。怪物的才能に溺れ、格下と侮った主人公に敗れる破滅エンドを回避するため、運命に抗うファンタジー。破滅を避けるためには自惚れずに努力するしかないと覚悟を決めて、本来の彼が持つ矜持や傲慢さに振り回されながら、ひたむきに強さを追い求めアスラン魔法学園に入学したルーク。才色兼備の名家令嬢アリスを虜にして、本来なら関わらない陰の実力者で彼女の兄ヨランドも関わってきて、積み重ねてきた努力が少しずつ運命を変えてきた彼の今後が楽しみです。
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よっち
皆無は魔王化を経て大印章の力に目醒め、仇敵たる毘比白を神戸から退け、右腕を取り戻した璃々栖。次なる覇道への一歩、阿栖魔台移動城塞の起動の鍵を求め、十二聖人の一人・神威中将と共に魔界へと臨む第二弾。物理界と霊界を跨ぎ、旧・阿栖魔台王国へと向かおうとする璃々栖らに伸びる毘比白の魔の手。時を同じくして厳しくなる日本國を取り巻く情勢。まさかのロボットバトルだったり、思わぬ形で再登場した幼馴染の重い愛も明らかになるカオスな展開でしたけど、絶望的な状況でも最後まで諦めず、愛の力で覆す熱い展開の続きをまた読みたいです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
高校二年生になった朝凪海と前原真樹。クラス替えが行われ、新たな出会いもあり拡がる人間関係に戸惑いつつ、期待に胸が高鳴る第四弾。別のクラスになってしまっても、登校前の時間やスマホ越しのメッセージ、友人たちも交えての放課後も楽しむ二人。海の新しい友人たちはなかなかいいキャラしてましたけど、一方で夕に反発する荒江渚との対立の構図がクラス対抗球技大会で顕在化する難しい状況もあって、その流れを変えるきっかけを作った真樹もありようがだいぶ変わってきましたね。いい感じにまとまりましたけど、最後のあれは気になりますね…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
中間試験が近づく中、実は小日向明日香は大の勉強嫌いという新事実が発覚。進級も危ぶまれるレベルの彼女に杉野智樹が勉強を教えることになる第二弾。勉強を教えようと奮闘する智樹に対し、ぐりぐりと俺の体に頭を押し付けて全身全霊で甘えてくる明日香。やる気の出ない彼女を見かねて智樹がうっかり口にした約束から、明日香も俄然やる気を見せるようになってゆく展開で、とはいえご褒美にそんなことを要求されるとは流石に思わないですよね(苦笑)意外とぐいぐい来る明日香にすっかりたじたじの智樹という二人の構図がとても微笑ましかったです。
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よっち
会社で『女帝』と恐れられる厳格な上司・桃生結子から、飲みに誘われた若手社員の実沢春彦。尊敬する女上司からまさかの提案をされるオトナの純愛ラブコメ。飲み会帰りホテルへと誘われ、自分の子供が欲しい結子から一緒に子作りして欲しいと言われて始まった、誰にも言えない恋愛なしの男女の関係。女上司が自分にだけ見せる顔があって、好きになってはならないルールに想いを募らせて、春彦が迷走する場面もありましたけど、それを打開した結子の奇策がじわじわ来ましたね(苦笑)お互い惹かれているのに踏み込めない二人のこれからが楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
類いまれなる美貌から学校内で《S級美女》と呼ばれる女子高生の姫川沙羅、小日向凛、高森結奈。そんな彼女たちとクラスでは地味系男子な赤崎晴也の青春ラブコメ。学校とは違う装いでナンパに遭ったところを助けたり、好きな少女漫画で意気投合したり、バイト先の常連さんとして話すようになったり、それぞれ別の場所で彼女たちと知り合った晴也。今回は運命的な出会いから彼が気になってゆく沙羅とのエピソードがメインで、距離を置こうとしてドツボにハマってゆく晴也には苦笑いでしたけど、彼女のために奔走するその姿はなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
春華と共に語り合いながら一緒に眠るという夢のような一夜を過ごした心一郎。さらに春華との夏休みを謳歌するため行動力を振り絞り、舞や美月、銀次と共に春華を夏の海に連れ出す第四弾。障害となりそうな時宗の妨害も盤石の協力体制で排除した春華が、心一郎たちと一緒に満喫する夏の海の思い出。群がるナンパ達を社畜力で蹴散らす心一郎のために一生懸命頑張る春華の姿が可愛くて、思ってもみなかったハプニングには苦笑いでしたけど、まさに青春といった今回のエピソードも、一緒に行った友人たちもなかなかいい感じに効いていて良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
二人にとって二度目のクリスマス。お互いの想いを確かめるように濃密な時間を重ねてゆく二人の姿を描いた第七弾。クリスマスでは一泊二日の遊園地デートでアトラクションを楽しんだり、イルミネーションを観たり、大晦日には一緒に年越し蕎麦を作ったり、新年の初詣には一緒にお参りしたり、まさかのバレンタインだったり、甘く楽しいひと時を過ごす二人。些細なことにやきもきしたり、時々やらかしてしまう愛理沙が可愛いですけど、苦笑いする由弦もそんな彼女が愛しいんでしょうね。かけがえのない存在になりつつある二人のこれからが楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
バカップルな二人が認知されつつある中、罰ゲームのことを知っているという手紙を受け取った七海。ひとまず静観することにした二人は夏休みに突入して、一緒に花火大会へ行く第六弾。夏服解禁してイメチェンもしたりした七海の姿についドキドキさせられる陽信。手紙のことを気にかけつつも一緒にテスト対策勉強会を頑張ったり、カラオケデートやお祭りを満喫する二人。ハプニングはあっても積み重ねてきたお互いに対する信頼関係は盤石で、むしろ未来を見据えている感まであって苦笑いでしたが、だからこそ手紙の真相が気になるところではあります。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/08/23(3933日経過)
記録初日
2013/07/27(3960日経過)
読んだ本
11362冊(1日平均2.87冊)
読んだページ
3301461ページ(1日平均833ページ)
感想・レビュー
11252件(投稿率99.0%)
本棚
70棚
性別
血液型
B型
職業
専門職
現住所
埼玉県
外部サイト
URL/ブログ
https://yocchi.hatenablog.com/
自己紹介

こんにちは。普段は図書館と書籍仕入れに関わるお仕事をしています。仕事のついでに面白そうな本がないか探していて、とりあえず自分が読みたいと思った本さえ読めてさえいれば、わりとまあいいかと思えてしまう行動原理が少し残念な人。

好きなジャンルはボーイミーツガール、青春小説、部活小説、お仕事小説、ミステリ、冒険・中華ファンタジー、歴史・戦記、SFなど。コメディ調より落ち着いた雰囲気の物語志向。意外な展開や難解さがウリのお話も嫌いではないですが、どちらかというとベタで王道な構図が分かりやすい、最後は良かったなと思えるお話が好みです。

基本的には著者買いが多いですが、興味を持ったらテーマやジャンル・作家などにはあまりこだわらず何でも読みます。人に本を薦めるのが趣味の本を読むついでに人生を送る雑食系読書廃人。

娘(11年4月生まれ)の読書記録用アカウント。
http://bookmeter.com/u/562586

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