読書メーター KADOKAWA Group

2023年9月の読書メーターまとめ

よっち
読んだ本
128
読んだページ
40630ページ
感想・レビュー
128
ナイス
5393ナイス

2023年9月に読んだ本
128

2023年9月のお気に入られ登録
4

  • skunk_c
  • SQN
  • ジニー
  • 夢見里龍

2023年9月にナイスが最も多かった感想・レビュー

よっち
冬の京都で行われた女子全国高校駅伝と、八月に京都で行われた謎の野球大会。期せずして突然それに参加することになった二人が、不思議な出会いを果たす物語。女子全国高校駅伝で突然ピンチランナーに指名されて戸惑いながら挑む、絶望的に方向音痴な女子高校生が出会った謎のチョンマゲ集団。夏休みを前に彼女に振られた大学生が参加することになった、早朝の御所Gで行われる謎の草野球大会と不思議な助っ人たち。意外な出会いがもたらした貴重な経験を描いたゆるく繋がる2つの物語は、ほろ苦さを感じさせつつもとても優しくて素敵な物語でした。
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2023年9月にナイスが最も多かったつぶやき

よっち

2023年8月の読書メーター 読んだ本の数:126冊 読んだページ数:38422ページ ナイス数:5318ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/385946/summary/monthly/2023/8

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2023年9月の感想・レビュー一覧
128

よっち
暗殺に怯える日々を過ごすファルーン王国の第一王子マルスが、城外の森で大剣を担いだ赤髪の美女カサンドラと出会ったことから、最強の王へと成り上がってゆく狂食英雄ファンタジー。飢えをしのぐため密かにモンスターの肉を食べていて、一方的にカサンドラの弟子にされてどんどん強くなってゆくマルス。荒らくれ集団ハンドレッドの頭目に祭り上げられ、婚約者の最強魔導士フラウも合流してクーデターから王となる展開で、彼の言動を部下がいいように解釈した施策がことごとく当たって、いつの間にか大陸統一に向かいそうな今後の展開が楽しみです。
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よっち
帝都から続く長い反乱の果てに、雷神ローエンシュタイン公爵家の協力を得て戦力を揃えたアルたち。双黒の皇子アルノルトとレオナルトが力を合わせて、反逆者の兄ゴードンとの最終決戦に挑む第十二弾。竜騎士を従える連合国のウィリアム王子とゴードンの連合軍と双黒の皇子の決戦。お互いに持てる力を出し尽くしてぶつかり合う中、要所で双黒の皇子側が競り勝ったことで劣勢に陥ってゆくゴードンが繰り出した最悪の切り札。予期していたアルノルトの抜け目なさがここでも活きましたけど、男たちの壮絶な生き様を見せてくれた今回の決着は圧巻でした。
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よっち
無気力で学院では劣等生として『落第貴族』と呼ばれるロイ・ルヴェル。そんな彼が裏では剣術と魔術の両方を極め剣聖と大賢者の二役を演じる暗躍ファンタジー。秘めた力を持つ妹を帝国の侵略から守るため、学院に通いながら剣の国アルビオス王国の剣聖クラウドと、魔法の国ルテティア皇国の大賢者エクリプスの二役をこなすロイ。密かにハードな日々を送る彼と、氷剣姫ユキナや魔導士アネットといった才能ある少女たちの運命的な出会い。そんな彼女たちを救ったり正体を疑われながら、帝国の侵略に立ち向かう展開には安定感があって面白かったですね。
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よっち
幼馴染の勇者レキたちと魔王討伐を目指し冒険してきたものの、決戦直前に唐突に別れを告げられたジン。しかし魔王を速攻で倒したパーティーメンバーが、ジンに次々とプロポーズをしてくるハーレム×スローライフファンタジー。失意のまま故郷へと帰ったジンの下に押しかけて、それぞれが彼にプロポーズされたと主張する幼馴染の勇者レキ、あざとい聖女ユウリ、エルフの賢者リュシカ。役割分担して一緒にジンと結婚するために抜け目なく手を打っていく彼女たちは、邪魔が入ればジンも一緒に息の合った連携を見せて、なかなかお似合いな感じでしたね。
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よっち
清水圭と本堂大輝が自分の気持ちの変化に戸惑う中、圭の姉・愛に「天文同好会に入部してほしい」とお願いされ、生徒会長の坂田陽介、クール系美少女の瀬戸澪と一緒に活動することになる第二弾。人の良い大輝の入会を引き出して、芋づる式に圭も入会させることに成功した愛。律儀に活動には参加する圭が寝ている横で、澪と大輝が異性の好きな髪型など恋バナを繰り広げると、翌日いそいそと大輝の好きな髪型で登校してくるチョロインっぷりが今回も微笑ましかったですが、どら焼きへの執着がおかしい澪のとぼけたキャラもいい感じに効いていましたね。
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よっち
夏休みを経て互いに名前で呼び合うようになった春華と心一郎。春華の誕生日が近いと知った心一郎が、働いて得たお金でプレゼントを買うべくブックカフェでバイトを始める第五弾。厳しい店舗状況でアクシデントやクレーマー対応と、培ってきた前世の社畜力で大活躍する心一郎。そんな彼の姿に見惚れた結果、後を追うようにバイトに応募する春華。バイト先でもイチャコラする二人に周囲が胸焼けするお約束展開もありましたけど、書店業の未来を語る心一郎と時宗さんのやりとりも良かったですし、店長代理の三島さんの存在もいい感じに効いていました。
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よっち
魔王を倒したと同時に帰らぬ人となった勇者。魔王が倒されてから四年。平穏を手にした王国は亡き勇者を称えるべく、数々の偉業を文献に編纂する事業を立ち上げて、その足跡をたどるファンタジーミステリ。かつて仲間だった騎士・レオン、僧侶・マリア、賢者ソロンから勇者の過去と冒険話を聞き進めていく中で、なぜか全員が言葉を濁す勇者の死には何があったのか。その真相を追ううちに様々な背景が明かされる中で浮き彫りになってゆく、不屈の精神で諦めず周囲の人々を救ってきた優しい勇者の人柄が伺える数々のエピソードがとても良かったですね。
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よっち
補習が終わり、かねてから考えていたアルバイトを始めた陽信。そこで出会って距離感がバグっている大学生の美人で黒ギャルな先輩に、七海が嫉妬を爆発させてしまう第七弾。凄い勢いで距離を詰めてくる先輩にたじたじな陽信。一方で七海もバイトを始める中、ふとしたきっかけから陽信のバイト先の事情を知ってしまい、七海が嫉妬をこじらせる展開で、仲直りをするために友人の初美と歩の力を借りて海でキャンプに一緒に行ったり、彼女の誕生日を祝ったりして仲直りしてゆく様子が微笑ましかったですけど、大変身を遂げた委員長にはびっくりしました。
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よっち
無事に貴煌帝学院に入学し、財閥のお嬢様・純奈と恋人になった庶民の勇輝。一学期最初のダンスパーティでオープニングワルツを踊った男女は永遠に結ばれる伝説を聞いた二人が立候補する第二弾。上流階級の生徒ばかりな学院生活も、持ち前の行動力で純奈との日々を楽しみ、ダンスパーティーでオープニングワルツを踊るため未経験でも懸命に練習する勇輝。生徒会長の暁雨や実行委員の御剣レオといった新キャラも登場する中、純奈を上手く周囲に溶け込ませながら、見事乗り切ってみせた二人ですけど、垣間見えてきた勇輝の背景が気になるところですね。
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よっち
闇闘技場での一件を楽しんだ戦いたがりの元大英雄・ニア。夏休みになり撮影に忙殺されたニア、ヒルデ、レリアの三人が、頑張ったご褒美として浮島でバカンスを満喫する第三弾。実家で待っていたのは二週間で三十七本の撮影という超過密スケジュール。シルヴァー家滞在も挟みながら、王家の浮島で送る束の間の夏休み。みんなでバーベキューをしたり、リノキスと修行したりと楽しく遊んでいる最中に、ニアが湖の底にダンジョンの入口を見つけてしまったら…まあそうなりますね(苦笑)物語としても大きなターニングポイントを迎えて今後の展開に期待。
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よっち
かつて<Infinite Dendrogram>を襲った厄災【疫病王】。対抗策も見つからず更なる悲劇が訪れようとした時、依頼を受けたとある殺し屋が立ち上がる第二十一弾。思わぬトラブルが発生したものの日程消化する王国のトーナメント。最近負け続けでいいところがなかった魔将軍ローガンが教えられた思わぬジョブビルド。マリーが語る【疫病王】と【勇者】の戦い、いかにして<超級殺し>に至ったのか。 いろいろと今後に向けた伏線に繋がりそうな展開でしたが、厄災唯一の生き残りの少年に願いに応えるマリーの心意気が印象的でした。
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よっち
異世界転移し苦難の末Sランクパーティーの一員となりながら、魔王との決戦直前、聖勇女ロミナの優しさにより追放されたカズト。それから半年後、カズトはかつての仲間ルッテの窮地を知る絆と記憶の物語。女神から授かった異能の代償で仲間たちの記憶から消え去り、一介の冒険者となっていたカズト。彼が正体を隠して仲間の窮地を助けようとしたことで、再び回り出す運命の歯車。忘れられ師設定が物語を難解にした感はありましたが、かつての仲間を救うためにパーティーを再結成して、かけがえのない絆を取り戻してゆく展開はなかなか良かったです。
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よっち
少人数の酒飲みサークル『酒友会』に引き込まれた大学生の桐島朝人。そこにモテすぎることが原因で、様々なトラブルに巻き込まれてきた大学一の美少女・浜咲麻衣が勧誘される青春小説。自分を雑に扱ってくれる『酒友会』の環境を気に入り入会した麻衣。天真爛漫に飲み会を楽しむ麻衣の面倒を見ているうちに、不思議と波長の合う彼女と交流を深めていく朝人が積み重ねてゆく関係があって、望んでもいないのにここまでモテると大変だろうなと思いましたけど、等身大の自分を見てくれて自然体でいられる彼に惹かれるのも何か分かるような気がしました。
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よっち
中央に戻り外廷の医務室勤務になって、医官たちの仕事を手伝う猫猫。しかし猫猫たちが不在の間に宮廷では妙な派閥争いが生まれ、不穏な状況に彼女たちも巻き込まれてゆく第十四弾。姚に頼まれて「名持ち」の一族の会合に参加することになった顛末。花街でも女華が持つ玉牌が何者かに狙われ、様々な出来事が全てがひとつに繋がる陰謀を裏で操っていた人物。今後も見守りたい羅半兄や馬閃の恋の行方があって、これまでの伏線をだいぶ回収して今回でいろいろなことが明らかになりましたけど、最後の邂逅が何をもたらすのか気になるところではあります。
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よっち
附孝洲の国主・中目戸の軍勢と龍ノ原へと進軍した不津王。民を殺すことにためらいのない目戸の危険性を前に、日織は護領山を出て反封洲の国主・伴有間の許へ向かう第六弾。占領後は龍や皇尊への畏敬など感じられず、龍ノ原を他洲侵略の足がかりとしか考えていない目戸の傀儡となったことを悟る不津王。一方、龍の怒りを買うかもしれない危険を冒してまでも、民を守るために護領山を出る覚悟を決めた日織。龍も気づき出した状況で、そもそも皇尊とは何か、自身が皇尊であることの意味を問われるなかなか難しい状況を覆せるか、続刊に期待しています。
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よっち
母子家庭で育って、母親からの虐待を躾だと信じていた小学五年生の椎名きさら。一方、風俗店オーナーの刺殺事件を捜査する神奈川県警の真壁がきさらの母親の容疑を疑うようになってゆくミステリ。自らが傷ついても懸命に母親をかばい続けていたきさら。殺人の容疑者として警察に疑われるものの、娘と一緒にいたというアリバイを崩せない行き詰まった状況で、少年事件に関わる仲田に協力を依頼する真壁。きさらが状況を自覚して追い詰められてゆく中で、明かされてゆく構図にはやられたと思いましたが、同時にやりきれなさも感じてしまう結末でした。
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よっち
高校生になって逃げたはずの久城の街に戻ってきた薊拓海。そこで美しくも謎に満ちた存在で「魔女」と称される少女・檻杖くのりと再会する青春ミステリ。記憶を失ってしまう少女、一人で泳いでいて川で溺れた子ども、教会で起きた不審死といった常に彼女の周囲で起きる事件。深い業を抱える彼女と離れても誰も幸せになれなくて、彼女に寄り添って見届ける覚悟を決めことで、二人が果たしてこれからどうなるのか。おそらく同じような運命を辿ったと思われるくのりの両親のことを考えると、その父親が向ける言動の意味をいろいろ考えてしまいますね…。
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よっち
子供使いと呼ばれ、子供たちからはイヌワシと慕われる元ニートが変えた世界。ミャンマーで子供たちと過ごす日々が描かれる短編集第三弾。タイで少年兵たちを教育する元僧侶シュワ。アラタの子の一人で彼に深く共感する少年シン。最初の24人の一人メーリムが見たアラタと女性たち。それぞれの視点から語られる日々があって、作中では中国が崩壊した混乱の影響が尾を引く中でロシアがウクライナに侵攻すると、アラタたちも対岸の火事というわけにはいかないんですね(苦笑)彼なりに子供たちのために懸命に考える親バカっぷりが微笑ましかったです。
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よっち
夫の森崎に「恋愛がしたい」と切り出され、2年近い話し合いを経て、7年半の結婚生活に終止符を打った桐原まりえ。若い頃のように無邪気に恋愛に飛び込んでいけない大人の女の幸せをめぐる物語。理由には今も納得がいかないものの、離婚届を提出する朝、寂しさよりも手放して一人になる清々しさをこそ感じたまりえ。ひょんなことで懐いてきた由井君、何となく始めてみた婚活で見聞きした思いもよらない世界。そして掴みどころのない元夫。条件や理屈だけではどうにもならない何かを感じつつ、違う価値観をすり合わせできるかどうかなんですよね…。
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よっち
私たちにとって墓とは何か?全国各地を歩いて取材した僧侶が、知られざる弔いの形を写真とともに明らかにしながら、日本人がいかにして死と向き合ってきたか問いなおす一冊。縄文時代の貝塚から弥生時代の古墳、中世の石仏や供養塔、江戸時代の檀家制度や庶民の墓、土葬や遺体と魂を別々に弔う両墓制の現在。有名武将や徳川将軍家の墓所、アイヌや沖縄、企業墓といった文化にも触れつつ、最近になって検体墓や樹木葬、海洋散骨、手元供養といった選択肢が出てきた現状は、弔いをしたくてもできない人が増えていることと無関係ではないんでしょうね。
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よっち
毒疫に覆われた帝国・剋の後宮食医として、貴妃達を見事に治療し信頼を得ていく慧玲。謎めいた風水師・鴆の導きで、先帝であった父の不審な死の真相を探るうち意外な可能性にたどり着く第二弾。先帝の廃姫と現帝の風水師。敵か味方かも知れない危うい関係にありながら、やがてお互いを強く意識するようになってゆく二人。そして父の死への関与が浮上して、禁じられた毒の存在に辿りつき、ついに毒疫に倒れてしまう現帝。物語としても大きく動いた末に、思いもしなかった結末には驚かされましたが、覚悟を決めた彼女たちのこれからが気になりますね。
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よっち
奇跡的に適合するドナーが現れて手術に成功し、復学した女子高生・夏凪渚。きっとまだ何者にもなれていない彼女の日常を描く前日譚的スピンオフ。二人の親友のおかげで念願の普通の高校生活を手に入れたものの、この町にいるという噂のどんな事件でも解決する少年を探すため、親友たちと一緒に挑む幸せの黄色いパンツ、図書室の切り取られた本のページ、タイムカプセルと二十年前にはなかったはずの作品の短編集、放課後の連続流血事件。捜査だけでなく何かと暴走しがちな渚を巧みにフォローするあきなしトリオの仲良さっぷりが微笑ましかったです。
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よっち
屋敷を何者かに襲撃され、レーエンデ東部のダール村にたどり着いた名家の少年・ルチアーノ。そこで助けてくれた怪力無双の少女・テッサと運命の出会いを果たすもうひとつの物語。藁葺き屋根の村景や活気あふれる炭鉱、色とりどりの収穫祭に触れ、ルチアーノが身分を捨ててここで生きることを決めた矢先に動き始める運命。彼女のために、ともにあるためにルチアーノが奔走する一方で、彼のことを好ましく思いながらも、なすべきことを自覚して葛藤するテッサ。描かれるそれぞれの結末にこうなるしかなかったのかと思わずにいられませんが続刊も期待。
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よっち
使用人記録やハンドブックなどを参照して、伝統的な使用人がどのように文学作品に表われているかを考察しつつ、イギリス文化と文学における使用人のイメージと実態を比較分析する一冊。社交界では淑女たちが夢中になった使用人に対する愚痴。執事やハウスキーパー、料理人、メイド、従僕と下男、乳母といった役割がどんな立ち位置だったのか、当時の時代背景も絡めながら解説していて、下男は身長や見栄えの良さが思っていた以上に重要だったこと、男どもの誘惑が多いメイドの立ち回りの重要性など、いろいろ大変だなと感じつつ興味深く読めました。
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よっち
信長・秀吉・家康の城攻めから見えてくる戦術・戦略とは。最新の知見をもとに戦国期を代表する15の攻城戦を徹底解剖して、合戦へと至る背景、その戦後処理などを詳説する一冊。信長軍団が攻略した小谷城、信貴山城、有岡城、八上城、大坂本願寺。秀吉が挑んだ三木城、鳥取城、備中高松城、小田原城、忍城。家康の岐阜城、長谷堂城、上田城、大阪の陣。資料などから浮き彫りにされる城攻めの状況は、そもそも追い詰められる相手への配慮が足りないケースも多くて、もう少し上手くフォローできていれば回避できた戦いもあったのかもしれないですね。
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よっち
人口はまだ増える?自然環境は大丈夫?ランキングと地図で可視化すると、これまでと違った世界がみえてくる。トリビアな話題から深刻な問題まで総ざらいする一冊。世界の川や湖、気温、砂漠や森林、自然災害といった自然環境、人口と都市に関する諸データの推移、小麦や綿花、飼育頭数、乳製品、とうもろこし、漁獲量などの産地、鉄鋼資源とエネルギー、サービス産業と交通インフラ、労働時間や食料品価格、住宅などの数値を過去との変化も絡めながら見ていて、以前とは状況がだいぶ変わっている部分もあって、認識を更新する必要性を痛感しました。
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よっち
架見崎を破滅へと導くウロボロスへの対抗策を香屋歩に与えた、現実世界の桜木秀次郎からのメッセージ。時を同じくして、平穏な国と世界平和創造部が戦争へと突入する第八弾。互いに七十万ものポイントを保持して激突した最強と呼ばれる月生亘輝と白猫の結末。排除しようとしたヘビが見せつける想像以上の圧倒的な強さ、思っていた以上にどんどん増えてゆく犠牲を突きつけられる香屋という何ともほろ苦い構図には物語が終盤に向かっているのを感じましたけど、ここに秋穂も存在感を出してきた状況に、新キャラがどう絡んでくるのか今後の展開に期待。
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よっち
大正14年。晴海商事からの使いとして借金の取り立てにやって来たサーカス出身の少女ユリ子。借金を返済のできない樺谷家は三女の鞠子を担保に差し出し、二人で莫大な借金返済のため財宝探しをする大正ミステリ。密室から忽然と消失した財宝の謎。調べていくうちに明らかになってゆく14年前にある名家で起こった未解決事件の真相。怖いもの知らずのユリ子と振り回される鞠子のコンビを軸に、関東大震災を絡めながら描かれる「絞首商會」と同じ世界観で、伏線を回収しながら大人たちを相手に堂々と推理してみせるユリ子の存在感が光っていました。
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よっち
昭和初頭の神楽坂を舞台に、影の薄さに悩む大学生・甘木が、行きつけのカフェーで親しくなった偏屈教授の内田榮造先生と怪異と謎を解き明かすミステリ。何事にも妙なこだわりを持ち、屁理屈と借金の大名人で、作家でもあり夏目漱石や芥川龍之介とも交流がある先生と、行動をともにするうちに遭遇する不穏な背広や、あの世とこの世が混ざり合う猫、ドッペルゲンガーや件といった怪現象。昭和初期の時代感だったり、不器用だったり甘党といった意外な側面も描かれつつ、持ち前の観察眼で事件を解決していく先生にはやはりらしい存在感がありましたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
一〇九八年のエデッサ伯国建国から、一七九八年のナポレオンによるマルタ島攻撃まで、十字軍士たちが各地に建設した諸国家の七〇〇年にわたる興亡の歴史を解説する一冊。十字軍の定義や特権を踏まえつつ、シリアの十字軍国家群、キプロス王国、ヴェネチアがビザンツ帝国を征服してできたラテン帝国、騎士修道会国家が、ローマ教会、ビザンツ帝国、神聖ローマ皇帝、イスラーム勢力や地中海の諸商業都市、傭兵団、さらには来襲するモンゴル勢など多種多様な勢力が複雑に絡み合う中、何とか生き延びる道を模索し続けたその歴史はまさに波乱万丈でした。
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よっち
索引をめぐる物語は、冊子本や活版印刷の発明などの書物史とともにあり、情報処理の歴史でもある。13世紀の聖書の写本から今日の電子書籍にまで連なる道筋を描き出す索引秘史。アルファベット順配列の発見から写本時代の索引家の苦闘、ページ番号を巡るあれこれ、索引で論敵をディスる政治家、フィクションに索引をつける是非、ウェブ検索時代の索引、電子書籍時代でも索引が重要な理由など、当時の苦労が伺えるエピソードは面白かったですが、巻末に自動生成・プロの索引家・日本版オリジナル索引と3つ索引がついていて違いが興味深かったです。
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よっち
多くの人は経済についてよくわかっていないという現状を打破すべく、1694年に設立されたイギリスの中央銀行であるイングランド銀行公式の経済の入門書。身近な事例を取り上げながら、需要と供給の法則、機能不全に陥ることもある市場について、労働の需要と供給の相互作用、経済成長により拡大した経済規模、得意なことに注力することが利益をもたらす比較優位、インフレを巡る心理や信用のシステムであるお金、銀行の役割や危機を予測することの難しさ、エコノミストの役割など、経済の基本についてとてもわかりやすい言葉で書かれていました。
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よっち
人口減少に直面して、法的には物と扱われる「死体人形」を巡り戦争が続く世界。亡国の皇子で特殊な能力を得た少年サクトと、戦う死体人形の少女がノアが繰り返す再会と別離のファンタジー。かつて逃げるところを助けられ、破壊されて初期化された死体人形の少女ノア。彼女と同じ部隊に配属され、かつての記憶を持たない彼女と共に戦うことになったサクト。際立つ死体人形の特異性や様々な形で亡国への執着が描かれる中、それでもノアを何とか守ろうと奔走する彼が直面する結末にはなかなか来るものがありましたけど、これからの展開に期待してます。
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よっち
お腹を満たすために、人間の恐怖心を得ようとしていた気弱な悪魔イヴ。捕まっても脱獄を繰り返すイヴを捕らえるべく派遣された天使警察のエリート・エルが運命の出会いを果たすファンタジー。追い詰めるエルと逃げるイヴが、襲撃を発端とする一連の怪事件を解決するため上司命令でバディを組まされる展開で、生真面目で天使の中でも孤立しがちなエルと、懐に入り込むのが上手いイヴの変化する関係性がなかなか良かったですけど、この世界を形作る構図を巡って各種族の思惑が垣間見える中で、かけがえのない絆を見せてくれた二人の今後が楽しみです。
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よっち
カーリェ鉱山を巡る戦いで商売に精通するレオナを仲間に加えた一行。ただ目の前の依頼を受けるだけの状況から脱すべく、カンパニーの規模拡大を目指す異世界マネー×ミリタリーバトル第2弾。抜け目なく賞金首の盗賊団首領を捕らえたことをきっかけに、4つの大勢力がひしめくオアシス都市リトマンで出資を募るべく動き出すレオナたち。彼女たちがぶち上げた計画に、後追いでそっくり真似る対抗勢力も出てきましたけど、人脈作りと商売に長けたレオナと、嗅覚に優れたフォクシーの両輪が上手く回り始めましたね。今回もめちゃくちゃ面白かったです。
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よっち
将棋のプロ棋士を目指す者たちにとって最後の難関、奨励会三段リーグ。観戦記者の佐竹亜弓がそこで全てを賭けて戦う二人の女性と出会う将棋小説。棋士を目指して奨励会に挑む永世飛王を祖父に持つ天才少女・諏訪飛鳥と、両親から応援されずに勘当され病弱ながら年齢制限間際で挑戦する千桜夕妃。岐路でたびたび激突する彼女たちの負けられない壮絶な激闘が熱かったですが、それぞれの将棋を形作ってきた濃密な背景があって、受け継がれてゆく熱い想いもあって、そんな二人に関わる天才少年・竹森や記者たちの存在がなかなか効いていたと思いました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
人が真っ黒な塊になって死ぬ「石炭病」が噂される中、母の自死を機に幼馴染の春原彩乃と心通わせ合うようになった高校二年の佐久間智也。幸せな二人に思わぬ試練が訪れる青春小説。近い距離にいるものの曖昧だった関係が、彩乃を意識する先輩の挑発をきっかけに、ようやく恋人同士になった二人。けれど残された時間が残り僅かなことを知り、高校二年の夏に彩乃のしたいことを詰め込んだ、行き先を決めない鈍行列車の旅で思い出を積み重ねて、オパール症候群の原因が何とも皮肉で切なくなりましたが、彩乃が残した言葉には強く心を揺さぶられました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
日本人の7人に1人いる軽度知的障害。「普通」でも「知的障害」でもない、普通の子に見えるのに普通ができないはざまの子どもたちの現状を解説する一冊。一般的にIQ70未満は知能障害と定義されて支援の対象となっているものの、逆に「IQ70以上85未満」の境界知能の子どもたち、あるいは軽度知的障害の子どもたちも支援の対象から外れていて、問題が生じているのに過ごされてしまっているケースがあるという話で、読んでいると判断が難しそうだな…という印象でしたが、それでもその可能性を意識して早めにケアしていくことは必要ですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
なぜ日本の中流階層は急激に貧しくなってしまったのか。中流危機ともいえる閉塞環境を打ち破るために、国、企業、労働者は何ができるのか番組での取材をもとに考察する一冊。25年で実に130万円も減った所得中間層の中央値、以前のようにはいかない収入増、コストカットを迫られる会社、非正規雇用の負のスパイラルといった現状。対策としてデジタルリノベーション、リスキニングを実施するドイツや日本での実際の事例、また同一賃金同一労働のオランダのパート経済が参考として挙がっていましたけど、別のアプローチも何か必要な気がしました。
tetsu
2023/11/25 08:29

「別のアプローチも何か必要な気がしました」確かにそう思います。一人一人のマインドを変えるような国のトップの未来志向な発言があればいいのに

が「ナイス!」と言っています。
よっち
SNSにも正義警察、正義中毒者が蔓延る現代ニッポン。どんでん返しの名手が仕掛ける常識がひっくり返るエンタメミステリ短編集。先生も反応が鈍い教室のいじめをSNSで炎上させた高校生。制服姿の家出女性を一人にはできず保護した男。麻薬取締官に捕まった麻薬の売人と完全黙秘、トイレで人を殺めた女の家にやってきた男、罪のない息子が殺された真相を探るうちにたどり着いた因縁、刑務所から出てきた男を脅す少年たちの顛末。それぞれ安直な正義感を嘲笑うかのような、構図がガラリと変わる真相にはなかなか皮肉が効いていて面白かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
夫の転勤で向日葵町に引っ越してきて、慣れない育児に四苦八苦していた八山友里が、公民館のヒーローたちと出会う癒やしとぬくもりの物語。泣き止まない息子・蒼を抱いて迷い込んだ町の公民館で友里が出会った凄腕の元保育士。それをきっかけにサイキック後藤、犬校長の竹田、ちくわ笛の三好といったクセのある特技を持つ老人たちが開くよろず相談所に関わってゆく展開で、かつての特技を活かして困った人たちを助けてゆく老人たちがいい味を出していましたが、彼女自身もまた居場所を得てやりがいを見出してゆく温かい結末はなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ついに立后直前。皇帝朱心の帝位継承を祝う『龍恵祭』の準備で賑わう中、英鈴は夢を諦め皇后になるか、後宮を出て薬師の道に進むか、究極の選択を迫られる第七弾。朱心を支えていきたいという思いと薬師であり続けたい思いに揺れる英鈴が、『龍恵祭』の準備で妃嬪らの揉め事に巻き込まれたり、薬師として対処が必要な問題に対処していく中で、葛藤を乗り越えて見出した、自分はこうありたいという揺るぎない決意。これまでもいろいろありましたけど彼女の真摯な思いを朱心も受け止めて、最終的にいい感じにまとめ上げた結末はなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ステータスを閲覧できる『神の眼』を手に入れ、世界で唯一成長手段が見えるようになった天地灰。そんな彼がかつての命の恩人である銀野レイナと再会する第二弾。数多のダンジョンを完全攻略し急速なレベルアップを遂げる一方、危機を助けた彩とも一緒にデートしたりと仲を深めてゆく灰。能力を使って不治の病だった妹も完治させてからのはしゃぐ二人が微笑ましかったですけど、再会した恩人レイナの存在が彼にとっていろんな意味で強烈すぎて、ここまで地道に積み重ねた彩がちょっと可哀想になりました(苦笑)急展開でどうなるのか続刊に期待です。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ゲーセンや食べ歩き、文化祭、さらには夏祭りを一緒に過ごしたことで距離が縮まった閑原航と菜子。そんなある日、航が何者かに屋上に呼び出される第二弾。呼び出したご当地アイドルの同級生・恋川美優はなぜか菜子と航の関係を認識していて、取引として彼女とデートすることになった航。美優相手の航のデート場所チョイスはなかなかあれだったり、すっかり気に入られた菜子のご両親はなかなかヤバい感じで笑ってしまいましたが、菜子とも仲良くなった美優と航が急接近する様子を見て負けられないと自覚してゆく熱い展開はなかなか盛り上がりました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
「検索」から「生成」という大きなパラダイムシフトなぜ、どのようにして起きたのか。それを歴史的背景から紐解き、これから何が起きるのかを考える一冊。インターネットの誕生から人力によるディレクトリ検索、ロボット型探索が生まれた検索の時代。巨大化することで性能を飛躍的に向上させた生成AIとファミコンから始まったゲーム機競争、GPUの発展がもたらしたAIを動かすCUDA、現代に受け継がれるWeb2.0のムーブメント。その積み重ねの先に今があって、可能性が広がるのを感じましたが、これから先どう定着していくかですね…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
無人島に滞在する男女の恋模様を放送する恋愛リアリティーショー「クローズド・カップル」。しかし出演中の女優が死体で見つかり、惨劇が繰り広げられる孤島ミステリ。事件現場の部屋は密室。島にいたのは俳優、小説家、グラビアアイドルなど、様々な業種から集められた出演者とスタッフをあわせて八人。一体誰がどうやって殺したのか?虚構と現実が入り交じる状況で、解決に至る決め手を欠いたまま起きてしまう新たな惨劇。ポイントになる幕間のエピソード、伏線を回収しながら導かれる真相はなかなか皮肉が効いていて鮮烈な印象が残る物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
令状のない電索の咎で謹慎処分を受けたエチカ。しかしトールボットが存在を明かした同盟への関与が疑われる人物の相次ぐ急死が発覚する第六弾。検出されたキメラウイルスの出所を探るため、急遽捜査に加わることになったエチカ。一方、エチカのために自ら不具合を装い距離を置くハロルド。あれから二人の距離が埋まらないままで、むしろ周囲の方がやきもきしてしまうような展開でしたけど、同盟相手に追い詰められた末の逃避行でようやく真意が伝わったとはいえ、なかなか苦しいこの状況をどうやって覆していくのか今後の展開が気になるところです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
とある休日。アクアパークの飼育員・嶋由香が、お気に入りの写真を眺めながら思い出したエピソードが綴られるスピンオフ短編集。初夏の眩しい日差しに照らされながらのクラゲ採集と、同僚の娘ミユちゃんの自由研究で一緒に挑戦したクラゲ飼育。子どもたちにペンギンの飛ぶ姿を見せたくて悪戦苦闘したペンギンレーニング。完結した本編に収録されなかったエピソードが掲載されていて、お馴染みのメンバーに助けてもらいながら、子どもたちに身近に感じてもらえるよう奔走する姿が良かったですけど、そういえばクラゲは死ぬと溶けちゃうんでしたね…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
書き下ろし作品が本屋大賞にノミネートされたことで、作家としての評価が少しずつ高まってきた李奈。そんなある日、鳳雛社の編集者から新作執筆のオファーが舞い込む第九弾。数多くの作家が代表作を発表する文芸ひとすじの老舗からの誘いに、喜び勇んで会社を訪ねる李奈が結末を変えてくれとか、怪しいノンフィクション小説執筆依頼とか、いろいろ巻き込まれてゆく展開でしたが、あれだけいろいろ経験したこともあってか、多少のことにはぶれない彼女の強さが感じられましたね。ついにここまで来たかと感じる結末でも変わらない李奈が良かったです。
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よっち
たくさんの種族の少女を従えてひっそりと違法魔導研究に没頭しつつ、貴族の私兵となっていた天才魔導士ガイカクが、最強の女騎士に見出されていきなり騎士団長に抜擢されるファンタジー。売れ残り奴隷異種族少女たちの力をかき集めて力とする魔導技術を用いて、逃亡した実力者の騎士団員エルフや、脱走兵崩れの山賊を討伐して注目を集めるガイカク。総騎士団長から騎士団とするか底辺集団に課されるいくつかの試練。悪役じみていても見捨てないガイカクと、上手く運用される最底辺奴隷たちの関係性が物語のポイントで、一蓮托生な彼らの今後に期待。
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よっち
互いを思い合う気持ちは確かながら、すれ違いタイミングを逃してしまったリュートと月愛。それぞれの日常を右往左往しながら2人の気持ちは一つになり、夏へと向かってゆく第七弾。高校三年生時のエピソードを挟みながら描かれる、恋に憧れて行動を起こし始めた海愛、友人関係からなかなか進まないニッシーとニコルの関係、真意が気になる関家先輩。二人はもう四年も付き合ってるんだな…と積み重ねてきた関係をしみじみ思いましたけど、覚悟を決めて一緒に行った沖縄旅行も二人らしい結末でしたね(苦笑)とりあえず最後の急展開が気になるところ。
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よっち
一人暮らしの高校生・吾妻新之助が家事手伝いを依頼したら、学園の高嶺の花として有名なお嬢様・姫乃がメイド服を着てやってきた!?同級生にご奉仕される甘々青春ラブコメ。学園では高嶺の花のお嬢様で、絶対周りに言わないでと懇願されながら、週に一回彼女に料理や掃除の世話をしてもらえる生活。最初は態度が硬かった姫乃も、お互いの事情を知って徐々に慣れて、垣間見える彼女の不器用な一面をフォローするうちに、少しずつ変わる距離感があって、そんな彼女の存在に影響を受けて、どこか無気力だった新之助も変わってゆく関係が良かったです。
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よっち
彩禍として滅亡因子討伐していて、〈空隙の庭園〉の魔術師適性試験を欠席してしまい、落第を通告された玖珂無色。落第回避のためエルルカ引率のもと丹礼島で一週間の補習授業を受ける第5弾。様々な事情から補習を受けるために集合した不知火浅葱、紫苑寺竜胆たち。滅亡因子が生息するが地で課される素材集めや、一緒に海で遊んだりご飯を作る中でいろいろ巻き込まれがちな無色の主人公補正が際立つ展開でしたが、一方で今回のキーマンだったエルルカの過去エピも効いていて、登場人物たちも掘り下げが進んで今後の展開がさらに楽しみになりました。
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よっち
なぜ経済が発展しても私たちは豊かになれないのか。生活や自然といった存立基盤を餌に成長する今の巨大な資本主義の実態に迫る一冊。16-18世紀の重商資本主義、19世紀のリベラルな植民地資本主義、20世紀の国家管理型資本主義、21世紀から現代に続く金融資本主義といった資本主義の歴史を踏まえつつ、人種差別、再生産、自然環境、国家権力という4つの側面からも解説していて、対比となる社会主義も考察していましたが、コロナの混乱を経た今の状況を、民主的プロセスで政治的に解決するのはなかなか難しいというのが正直な実感でした。
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よっち
紙業界誌に掲載された紙人32面相の推理クイズ。どんな紙でも見分けられる紙鑑定士・渡部は、懸賞目当てにクイズを解いたことで様々な事件に巻き込まれてゆく第三弾。学習塾で起きたカンニング事件の真相、図書館や書店で発見されるカミソリ刃を置いたのは誰か。事件とクイズを解明していった渡部が、その推理力を買われて紙人32面相から協力を請われ、過去に起きたとある怪死事件の謎に挑む展開で、今回も紙業界ならではのうんちくがたくさん詰まっていましたが、今回は上手く使われちゃったかな?(苦笑)真理子さんとの関係が気になります…。
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よっち
「本が好き」という趣味を通じて仲良くなった小学6年の高月麗と澤口比呂。麗は澤口の提案で好きなことに没頭する楽しさを知ってゆく青春小説。学校ではクラスの中心的人物の瑞穂に振り回されて、内心窮屈に思う日々を送っていた麗。周囲を気にせず本を読む澤口のお陰で見出した、自分の書いた小説を読んでもらえる楽しみ。なのに日和って自ら手放した忘れられない辛い過去。そんな彼女が中学の図書委員をきっかけに、再び交流する機会を得た大切な居場所を脅かされて、決然と立ち向かう姿にかけがえのないものを大切に思う気持ちが溢れていました。
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よっち
カール大帝の死後、3分割されたフランク帝国。そのひとつ、東フランク王国の貴族の子として生まれ、神聖ローマ帝国の基盤を作った不屈の生涯を描く一冊。父による王位獲得の後、東フランク国王として登位して、最終的にローマでカール大帝の伝統を引く皇帝戴冠を受けたオットー大帝。とはいえその偉業の一方で度重なる東方異民族による襲撃があり、兄弟や息子たちの叛乱に振り回され、たびたび繰り返されたイタリアへ遠征があって、戦いに明け暮れていた激動の生涯を思うと、心休まることなどなかったのではないかと思わずにはいられませんでした。
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よっち
左利きならではの不便は多々存在する。その苦難の歴史と現状を解説し、左利きが暮らしやすい社会を生むための取り組みも紹介しつつ著名人のエピソードも語る一冊。世界と日本における左利きの割合、そもそもなぜ左利きが誕生するのか?自動改札やハサミといった道具や設備の問題、文字や習字におけるデメリット、矯正の現実だったり、各国で左利きでどのような不利益が生じていたのか、左利きの脳と身体の関係や著名人なども紹介しつつ、サイレンスストレスを解消し、左利きにやさしい社会づくりのためには何が必要かいろいろ参考になる一冊でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
全世界に満遍なく存在する奴隷制。アフリカ系アメリカ人研究の第一人者がアメリカ合衆国の奴隷制を中心に、非人間的な狂気の歴史を綴る一冊。古代世界や中東・アジア、アフリカやヨーロッパとオスマン帝国、南米といったそれ以前の奴隷制と特徴を紹介しつつ、アフリカでの起源と大西洋奴隷貿易や北アメリカの植民地世界の実態、南北戦争以前のアメリカ合衆国における状況を解説する内容で、当時の奴隷の現状であったり、どのように事態が推移したのかが詳細にまとめられていましたが、現代でも根絶されていない業の深さを改めて突きつけられました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
時は大正。女子高生を殺したという冤罪で捕まり、奈良監獄に収監された数学教師の弓削。そんな彼が殺人と放火の冤罪で無期懲役刑となった印刷工の羽嶋と出会うブロマンス小説。無実を訴えながらも聞き入れられず、懲役二十年で収監された弓削。羽嶋も自分と同じく冤罪だったことを知った弓削は彼とともに、問題を起こさないよう典獄や同じ囚人たちとの距離感を気にかけながら脱獄する決意を固めてゆく展開で、状況的に冤罪を晴らすのは流石に難しかったようですけど、意外な場所で一緒に生き延びていた様子が伺えるその結末が印象に残る物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
未知の大陸にもようやく慣れて、臨時の冒険者パーティーに加入することになったシアーシャ。護衛仕事を一時離れることになったジグがいろいろ巻き込まれてゆく第二弾。空いた時間を有効活用しようと考えていた矢先、激闘の末知人となった冒険者イサナから、子供誘拐事件の捜査協力を依頼されるジグ。培ってきた裏稼業の知見を駆使して事件解決に動き出す展開で、一人で行動するとどうにも誤解されたり、いろいろ巻き込まれがちなジグの異質さが際立っていて、未だ自覚もないまま私の護衛に独占欲を垣間見せるシアーシャが怖…可愛かったです(苦笑)
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よっち
短期間での離職を上手く説明できず、なかなか転職できない陽野真琴。ひょんなことから三体の土地神たちに背中を押され、区議会議員・幸居央介の秘書として働きはじめるお仕事小説。ポスターの凛々しい感じとは全然違う、無精髭にボサボサ髪の央介とともに、事務所に持ち込まれる動物の糞尿やゴミ屋敷問題、秋夜祭りや子育てといった問題に取り組んでいく中で、見えてくる意外な真相。父が議員だった央介や街の人々の複雑な事情も絡めながら、身近な存在として泥臭く活動する央介の思いを知り、真琴もまた変わってゆく結末はなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
北脇と思いを贈り合える理想の上司と部下になれたと喜んだのも束の間、なぜか突然北脇が厳しく接してきて戸惑う亜季。近頃飲料事業から撤退した今宮食品が自社特許の買い取りを打診してくる第三弾。看板商品に関わりのある特許買い取りに提示してきた法外な金額。対策済みで問題ないはずとして静観した結果、突如多数の取引先に特許侵害の可能性を通達を仕掛けられてしまう月夜見。北脇を取り巻く状況や思わぬ印象工作もあって、知財部にとってもなかなか厳しい状況でしたけど、ここからどう巻き返していくのか。続刊で二人の逆襲に期待しています。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
医師の父親亡きあと女性は医師免許がとれず、診療することができなくなった珠里。そんな彼女のもとに皇帝の使者が現れ、皇太后の体調不良の原因を見つけるよう命じられる中華風ファンタジー。ヤブ医者の妻にと請われ進退窮まっていた珠里に訪れた転機。皇帝を育てるのに専念するため実の娘・長公主を手放した皇太后の病の原因。公主と皇太后、そして育ての親を敬愛する皇帝の複雑な想いが絡まる構図でしたけど、状況に応じた的確な処方とその真っ直ぐな性格で真摯に向き合って、絡まった糸を見事解きほぐしてみせた珠里の奮闘ぶりが光っていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
紆余曲折の末、瑞燕国幼帝の摂政となった雪媛。高葉国平定で順調に武功を上げた青嘉に将軍位を与えようと考えていたところ、臣下の薛雀熙から彼を伴侶とするつもりなのか問われる第十三弾。婚姻するなら青嘉から兵権を取り上げ、後宮に入れて静かに暮らさせるべきだと反対する雀熙、重要なことを報告しない青嘉とのすれ違い、そして悩める雪媛の決断。自ら上に立とうとするならどうあるべきか、切なくとも大切なことを見失わなかったことでもたらされた未来は、これはこれで良かったと思いましたし、潼雲とナスリーンの外伝も微笑ましかったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
即位したばかりの若き国王レイモンド二世が、彼を軽んじる叔父公爵の思惑により迎え入れた東方の大国・釧の姫君シュリー。規格外の中華風姫君が国を変えてゆく異国婚姻譚。東方の姫君を王妃にしたことでレイモンドを侮蔑する流れに、しかし言葉を理解して話し、礼儀作法やダンスも見ただけで覚え、東方より持ち込んだシルクや陶磁器を用いて新たな流行を生み出し、自分なりのやり方で状況を変えてゆくシュリー。ちょっぴり独占欲が強い部分はあるものの、彼女の愛に支えられて自信を取り戻し、国を変えてゆく二人の甘い関係がなかなか素敵でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
獣人事件の収束から1年。延期されていた150周年記念式典が開催されることになった偉大都市で、謎に包まれた連続食人事件が勃発。砂塵渦巻くこの街で、再び騒乱の気配が色濃くなってゆく第三弾。謎多き粛清官ボッチのバートナー・シーリオの知られざる過去。偉大都市の歌姫ノエルと父である中央連盟の盟主の一人クルトとの確執。そして祝宴の終幕を飾る歌姫のステージの背後で蠢く宗教徒たちの黒い影。突如始まった狂宴に様々な思惑が入り乱れるがゆえに後手に回る粛清官たちという構図、待っていた結末には絶望しかなくて続刊が気になります…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
晩年、裏社会の支配者として君臨し、絞首台の上で人生の終わりを告げたレオ。異世界のスラム街で少年の姿で転生した彼が、仲間を集め再び世界を手中に収めることを決意する転生ダークファンタジー。何の力も持たないレオがスラム街でイドラたち仲間と出会い、明らかにされる駐屯騎士団と地元マフィアの癒着の構図。正義とは何か苦悩する副騎士団長サフィアも巻き込んで輸送物資強奪計画に介入する展開で、個々の能力と駆け引きを駆使して難局を切り抜けてみせた非情な彼らがこれから何を目指すのか。新たな因縁も生まれて今後の展開が楽しみですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
現在レギュラーなしで通帳残高わずか、コンビニバイトが中心の崖っぷちアラサー声優・吉岡奏絵。そんな彼女が売れっ子生意気女子高校生声優・佐久間稀莉とラジオ番組を始める物語。すっかりオワコン声優と化していた奏絵に降って湧いた最後のチャンス。しかしやる気が感じられない稀莉に、何とかラジオを面白くしようと「よしおかん」となって果敢に彼女にチャレンジする展開で、調子が出てきた稀莉との軽妙なやりとりが面白くて、稀莉の秘めた想いも垣間見えてきて、楽しいからこそつい感極ちゃったんでしょうけど…衝撃のラストからの続刊に期待。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
両親からは勘当同然ながらも、束縛から解放されやりたい仕事に取り組めるようになった糸。そんな彼女との正月休みを満喫する中で、二人の大学時代を思い出す第三弾。現在のエピソードと絡めながら回想する大学時代。香川の高松から上京してきた冬が、気がつけば目で追うようになっていた糸の存在。ふとしたことから気づいた彼女の秘密を知り、付き合い始めた二人の日々と別れ。二人で過ごした楽しい思い出と、気づき得なかった限界を痛感するからこそ、今の関係がかけがえのないものなのは間違いなくて、だからこそ彼女の真意が気になるところです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
父母を亡くし、不思議な光に誘われて豊かな森にのびる真っ白な道を通りぬけた二十歳の大学生・真織。どこか神社のような暗がりの中で、生き神としてまつられる神王・玉響に出会う古代和風ファンタンジー。真っ赤な炎と袴姿の少年との運命の出会い。そこに忍び込んでいた千鹿斗に救われ、杜ノ国における神事を司る水ノ宮と千紗杜を始めとする郷の関係を知ってゆく真織。彼女を追ってやってきた神王・玉響の存在。奇妙な縁で結ばれてしまった二人が、十年に一度行われる御種祭の宿命を乗り越えるために一緒に立ち向かう展開はなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
引きこもりだった見習い医師の紅花に舞い込んだ祖父が決めた結婚。一族の繁栄のため、自分の幸せのため。板挟みになった彼女の前に、白い寒牡丹に彩られた美しい水死体が現れる第二弾。婚礼の準備は着々と進む中を抜け出し、検屍で事件を解き明かす少年・九曜とともに捜査する紅花。旧弊に凝り固まった祖父に反発する彼女に対して、九曜自身は相変わらずの変人っぷりで分かりづらいものの、それでも彼女を大切な存在だと思っていることは感じられて、事件を捜査する過程で自分らしくいるために覚悟を決めた彼女の今後が気になるところではあります。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
妖精にまつわる花嫁の宝飾品「パリュール」のためある館を訪れたローザとアルヴィン。その館にローザの瞳に金粉が舞う秘密を知る男ロビンが現れる第三弾。二人で訪れたオークションで出品された品が盗品であることを見抜き、それが縁で訪れたカロリーナ邸で目にするローザにそっくりの肖像画。そこで出会ったローザに近づく男を無意識に警戒するアルヴィン。ローザも事件に巻き込まれ全てのことが繋がってゆく中で彼女の瞳の謎も明らかになって、心境の変化を自覚する二人の戸惑いに今後の期待が高まりますが、最後の生誕祭もなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
東北の書店に勤めるものの方針を巡って対立し、書店の仕事を辞めようか迷っていた樋口乙葉。SNSのDMに来たオファーをきっかけに東京の郊外にある「夜の図書館」で働き始める物語。開館時間が夕方7時~12時までで、そして亡くなった作家の蔵書が集められた、いわば本の博物館のような図書館。様々な事件に遭遇して、働いている人たちにもそれぞれに事情があって、自身もまた働くことの意味を考え始める乙葉。図書館が建てられた経緯となったオーナーの過去がまたじわじわ来る感じでしたが、再現された本に出てくる夜食もなかなか素敵でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
「フェザー」に乗って空を飛び、春と秋に飛来する巨大鳥ダリオンから王国を守る国民の憧れの的・王空騎士団。自らも自由に空を飛んでみたいと夢見る少女アイリスに飛翔能力が開花するファンタジー。男性の1万人に1人、女性に至っては七百年も現れなかった飛翔能力者。しかしアイリスは突然能力が開花し、密かに歳下の従弟オリバーと訓練しているうちに、その突出した能力を気づかれて決まった王空騎士団への入団。女性なのにトップクラスという特異性から妬まれもしましたけど、彼女自身はどこまでも飛ぶのが楽しそうで今後の展開が楽しみですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
高校生・竜胆光太郎、一世一代の告白。片想いの桑島深雪に勢いよく恋を告げたはずが、学校一の美少女・遠山花恋に間違えて告白してしまい、まさかのOKをもらってしまう青春ラブコメ。二人のカップル成立にクラス中が大歓喜、熱烈祝福ムードであともどりできない恋人関係になってしまい、今更間違いでしたとも言えない雰囲気に戸惑う光太郎。一方の深雪も実は光太郎に執着していて、恋人関係の二人相手にぐいぐい来る展開にたじたじな彼の事情や、彼女たちが好きになった理由があって、さらにややこしくなりそうな勢いのある展開は面白かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
とある出来事から勢いに任せてキスしてもなお、恋愛感情はないと言い張る風見一颯と、その幼馴染で金髪碧眼の美少女・神代愛梨。両想いなのに、なぜか素直になれない二人の第二弾。キスでお互い風邪を引いてしまった二人のギリギリの攻防、体育祭で息の合った二人の二人三脚、愛梨が一颯に迫るハロウイン、まさかの浮気調査の結末、テスト明けの二人カラオケ、文化祭で主演の二人、駆け落ちデートなど、傍から見たらまだ付き合っていないの?とツッコミを入れたくなる二人ですが、お互いのことをよく分かっていて大切にしている二人が良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
幼女風ゲームが強い実力派の先輩女子・峰内風と、彼女を部員にしたいアナログゲーム研究会の一人部員・高岩剛が織りなす入部を賭けた放課後部活ラブコメ。小学校時代にはカードゲーム世界大会で上位に食い込むほどの実力を持つ、ちっちゃかわいい先輩・峰内風。その実力に惹かれた剛が、研究会へ入部させるため、あの手この手を使いゲーム勝負を仕掛ける展開で、鈍い剛とゲームは負けないけど案外チョロい風の空回りするやり取りに、同好会を潰しに来てるのか勝負を挑みに来ているのかよくわからない副会長たちを絡めたストーリーは楽しかったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
偽カップルを演じる理系一位の東福寺珠季と文系一位の広尾流星。なんとか付き合っているフリをし続ける二人に新たな試練・文化祭が訪れる第二弾。意外な共通点・宇宙の話から広がったプラネタリウムデート、バレかけた珠季の脚本、発熱した紫燕のお見舞い、文化祭での演劇部のステージに生徒会の頼みでディベートに出場したりする中で、ふとしたきっかけからたびたび議論が白熱してしまう二人。とはいえこれまで積み重ねてきた想いがあって、偽物の関係を続ける葛藤を乗り越えてかけがえのない関係を目指す二人の熱い決意がなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ふとしたきっかけから徐々に心を通わせ、いつしか惹かれ合っていき、お互いにかけがえのない相手となった周と真昼。かたちを変えた関係のなかで紡がれた、様々な思い出を描く短編集。同じようで違う人との距離感、周も認める真昼の努力や幼き日の真昼を支えてくれた小雪さん、周の両親視点から見た二人、周と真昼の父邂逅後の甘いエピソード、真昼から見た周の変化、一緒に買い物に行って想像したこと、二人だけのひみつやお互いの話し方や呼び方、気遣いのできる関係など、主に真昼視点からの揺るぎない絆を改めて感じさせてくれた短編集でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
美神の派閥との戦争遊戯が終結し、慌ただしく後始末に追われる迷宮都市。ギルドが支援する、移動型の超巨大教育機関『学区』の『船』が帰港する第十九弾。ヘルメスに巻き込まれて編入生ラピとして学区に潜入したベルと、ある人物と似たハーフ・エルフの少女ニイナとの出会い。様々な出会い、『騎士』との邂逅、そして学園生活。実力を隠したことで最初はお荷物と侮られながらも、的確な指示で仲間の信頼を集めて育まれていった絆があって、何人か新加入したファミリアの戦力構成自体はだいぶ改善されそうですけど大丈夫なんですかね…これは(苦笑)
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よっち
亡くなった大御所ミステリー作家・室見響子が、小説家になる前に書いた私小説『鏡の国』を、死の直前に手直しした遺稿。担当編集者が著作権継承者である響子の姪に、遺稿に見え隠れする違和感を告げるミステリ。『鏡の国』には削除されたエピソードがある。担当編集者が抱いた疑問を実際の作中作の遺稿を読みながら一緒に考える姪。そもそも叔母は何のためにこの原稿を書いたのか。作中作は二転三転する構図から意外な事実も明らかにされてゆく中、生前の印象とはまた違った一面も見えてきて、最後のエピソードに繋がる結末には心揺さぶられました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
恋人と別れるまでの日数が頭の上に現れ、恋の終わりが見えてしまう高校生の橘田柾人。いつか終わりが訪れる愛は無意味だと思っていた柾人が、同級生の七里梓帆に恋をする青春小説。恋心を自覚したことで自分なりに行動して、距離を詰めていく柾人が見た梓帆の恋の終わり。そこから徐々に二人の仲が深まっていく中、再び短期間で恋の終わりを示す数字が頭上に表れてしまう梓帆。喪失を恐れるあまり彼女と距離を取ってしまった柾人が、自らの想いに向き合って運命に抗い、未来を変えようと奔走する熱い想いが引き寄せた結末はなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
吉丸事務機を舞台に、仕事や職場の人間関係、家庭に悩みを抱える登場人物たちが、悩みながらも次への一歩を踏み出すお仕事連作短編集。総務課の人間関係に向き合い奔走する優紀、職場でも家庭でも居場所がない中年課長・内野、仕事では優秀だが家庭は崩壊した岸、周囲の仕事のやり方に納得いかない沙也、小さい頃から輪になじめず仕事も休職したかおり、引きこもりだった栄太と向き合う幸雄。頑張っているのに上手くいかない彼らの姿にはどこか共感するものがあって、相手を理解しようとした彼らに光明がもたらされる結末はなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
トラブルやたくらみに巻き込まれて、お人好しが右往左往。助けを求められたなら放っておくことはできない。誤解も悪意も呑み込んでに6つの奇妙な謎を解き明かす短編ミステリ。電車で聞いたおばあちゃんの話から気づいたこと、体育館でバスケ部が険悪になっていた真相、家政婦さんが突如辞めた理由、猫を預けられた同級生を巡る騒動、娘に絵本を読んでいて思い出した昔の同僚、そして伯母からの依頼で遭遇した殺人事件。ふとしたきっかけから気づくそれぞれの真相がなかなか効いていて、個人的な好みでは体育館フォーメーションが一番良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
応仁の乱後、弱体化した室町幕府。将軍は無力だったと言われるが本当か。九代義尚から十五代義昭まで七人のしたたかな戦いを描いた一冊。将軍存立の仕組みと補完し合う将軍と大名の関係から見える不安定な構図。悲運な義尚と明応の政変で虜囚の辱めを受けた義稙。二人の将軍・義稙と義澄の争い、都落ちすること数度に及んだ義晴、細川と三好の争いに巻き込まれた義輝、義栄と競い合って信長と対立した義昭。脆弱な政治基盤は大名たちの支えが不可欠で、その利用価値を踏まえて何とか上手く立ち回ろうとする将軍たちの葛藤と奔走が印象に残りました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
フリーということもあり相変わらず仕事がもらえずバイト三昧な駆け出し女優の碧唯。「誰も受からない」と噂のオーディションに挑むも、原因不明のトラブルで中止になってしまう第二弾。騒然とする場へ、謎の演出家・胡桃沢狐珀が登場。怪異を引き起こす霊を浄める即興劇に出演を求められるおなじみの展開で、俳優たちが逃げ出す不可思議な現象が起きる撮影、稽古場代役を務める舞台で出会った女優を目指す女の子を襲った悲劇。相変わらず巻き込まれ展開でも真摯に向き合う中、ようやく光明が見えたと思ったら…狐珀の意味深な言葉が気になりますね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
カフェでアルバイトをしていた朝倉満は、客として来店した小川朔に自身が暮らす洋館で働かないかと勧誘され、香りにまつわるさまざまな執着を持った依頼人たちと出会う物語。朔は人並外れた嗅覚を持つ調香師で、依頼人の望む香りをオーダーメイドで作る仕事を手伝う中で出会う様々な人々の秘めた想い。源さんの過去や思わぬ共通点が明らかになったり、前作に出てきた一香と朔の言葉にするのが難しい距離感も相変わらずでしたけど、女性を苦手とする理由が明らかになった満がどうするのか、香るような結末の余韻がこの物語らしい結末だと感じました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
1940年、太平洋戦争勃発直前の南洋サイパン。日本と各国が水面下でぶつかり合う地で、横浜からやってきた麻田健吾が生き延びようとあがく物語。これまで喘息持ちで満足に働けなかったことを悔い、友人の紹介で海軍の堂本少佐の下でスパイとして働き始める麻田。沖縄から移住してきた漁師の自殺、地元の名士が殺された真相などを追い結果を残していく麻田が直面する日米開戦と開戦に懐疑的だった堂本少佐の失踪。当時の時代観が色濃く反映される空気の中で、汚名を挽回して何とか生き延びようと奔走する麻田の熱い想いが心に強く響く物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
平成3年に発生した神奈川二児同時誘拐事件から30年。当時警察担当だった新聞記者の門田は、旧知の刑事の死をきっかけに被害者男児の今を知り再取材を始める物語。時間差で起きた2つの誘拐事件で失踪したまま、3年後に無事保護された男児。写実画家としてひっそりと生きていた彼が、誘拐事件の被害者だったと週刊誌に報道され、そこから30年前の事件の真相を再び追い始める門田。やや冗長な感はあったものの、彼のその後の生活はどうだったのか、人生に大きな影響を与えた空白の3年間の意味、繋がってゆく想いをひしひしと感じる結末でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
誰もが恐れる胡家の『悪姫』を演じている胡令花。彼女の本質を見抜いた皇太子・伯蓮から密命を受けて、寵妃と皇太子の弟を演じる二重生を始める中華風ファンタジー。本来は悪女とは真逆の愛らしい顔と純粋な性格の令花に、妃と見つかった弟の二役をこなせと命じてくる伯蓮。自身の秘密を守るために、東宮でやむなく二重生活を始めたものの、次々と起きる問題に巻き込まれてゆく令花。『悪姫』は寵妃だと勘違いされ、弟の時は伯蓮に溺愛されすぎて振り回される令花でしたけど、危機には『悪姫』らしさもしっかり見せて今後が楽しみなシリーズですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
沙良を命の危険から救い出して約1ヶ月。占い師は姿を消して手がかりも見つからず、次郎から落ち着かない日々を送る中、次郎から最近の高木は何か隠している気がすると告げられる第十四弾。普段と変わらぬ様子で占い師の拠点跡を見つけたと報告してきて、久しぶりに高校の心霊調査に同行した高木が漏らす覚悟を秘めた意味深な言葉。これまで大きな事件が続いていたこともあって、降霊術で現れた霊を祓いに高校に行く展開は懐かしさも覚えましたが、ようやく吉原家と高橋家の因縁に決着がついて良かったです。沙良も復帰してイギリス編期待してます。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
海と山に囲まれたこの町で、今日も猫たちは人間の恋を見守っている。苦しくて切なくて、でも時々うんと幸せで、諦められない。そんな大人たちの、痛くて優しい恋愛連作短編集。バイト先のコンビニでいつも出会う憧れの年上女性に失恋した大学生の渉。幸せな未来が見えない不毛な恋と決別した美海、久しぶりに帰省して元カレに再会する春樹、似たような境遇に共感していた推しの炎上、大切な恋人の不在にもがき続けている会社員の千咲。どこかで繋がる同じ世界観の中で描かれた、猫たちに見守られながら癒やされてゆくとても優しい連作短編集でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
今世紀末イスラムが世界最大の宗教となると価値観はどう変わるのか?世界の宗教人口の推移や背景となった要因を明らかにして、今後の世界の動向を予想する一冊。初期キリスト教の増加とユダヤ教の扱い、中世イスラム人口の増加と科学・医学の発展、中近世のキリスト教人口の動態、産業革命によるキリスト教人口の増加、ヨーロッパナショナリズム、宗教がせめぎ合うアメリカ大陸、そして世界のムスリム人口の増加といったテーマから歴史の変化に言及していて、各地のムスリムとの対立を取り上げつつ、融和の動きもあることは注目したいところですね。
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よっち
生活者の意識や好み、価値観などについて、年齢による違いが小さくなる現象が進む消齢化社会。30年に及ぶ生活者データをもとに分析した背景や、この先日本で起きる変化の仮説などを紹介する一冊。博報堂が2年に1度実施する生活定点調査で見えてきた、年代ごとの違いが徐々に少なくなってきたという仮説。「失われた30年」をともに経験した世代、生き方の選択肢が広がりライフステージと年齢が乖離して価値観の同質化が進んだという考察、メリット・デメリットを踏まえながら、これからの未来を考える一冊はインタビューも興味深かったですね。
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よっち
人生は選択の連続。いかに後悔しないで活きるのか、選択理論心理学をはじめ、行動心理学、行動経済学をベースにした「選択術」を提案する一冊。選択に関する「選択には正解がある」「後悔=悪」「選択はやり直せない」という3つの誤解、「選択肢を増やす」「仕組み化」「バックアップ」という3つポイントを押さえつつ、5つの基本的欲求を前提とした価値観の選択、コスタイパを意識した時間の選択や、お金、人間関係、知識、健康、感情、消費、環境の選択について解説してゆくロジックは明快で、自分なりの基準を持つ大切さを改めて実感しました。
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よっち
ツンデレと思っていた幼馴染にフラレて、異世界の銀髪ツリ目のツンデレ美少女ステラの杖に転生。彼女との出会いが異世界の命運を左右する学園ファンタジー。気がつけば異世界の暗い森に埋まったステラの杖に魂が宿っていたことに気づく主人公。分かりやすい不器用なツンデレっぷりを炸裂させて聖法は使えないステラを推す決意を固める一方、女神から現実世界に帰る条件として力を与える代わりにステラを殺せと命じられる杖。答えは考えるまでもなくて、ステラを巡る事情も明らかにされてゆく中、いいツンデレコンビな二人のこれからが楽しみですね。
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よっち
不健康な食事を取り締まる政策《メシトピア》のもと、厚労省《食防隊》が摂取するアディクターを取り締まる近未来。生真面目な隊員・矢坂弥登がアディクターの少年ニッシンと出会うメシ×ディストピア。戦いの最中に負傷して孤立し、助けたニッシンからもらった禁制品・カップ麺を口にしてしまった弥登。その味が忘れられず再会したニッシンに請い、押しかけた横須賀で突きつけられる政策の現実。何が正しくて間違っているのか、弥登の決断が横須賀の危機を救いましたけど代償は避けられなくて、ここからどう盛り返すのか今後の展開が楽しみですね。
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よっち
史上最悪の混乱をもたらした闇サプリ。しかし楢崎社長から捜査打ち切りを宣言され、怪物サプリの基剤製法を唯一知るBT本社・CEO危篤の報が届く第三弾。仮面舞踏街で横行する原液を使ったヤバいサプリの使用。そこで出会った獣化が常態化している二人が抱えている事情、そして次期CEOとして白羽の矢が立った調薬の魔女・蛍。闇サプリをキメた合成人獣が跋扈して、西洋と東洋の魔法使いが激突する状況で、悪夢のような逃避行を繰り広げる展開でしたけど、大切なものは揺るぎない彼女たちらしい決断がもたらした結末はなかなか良かったですね。
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よっち
スタンピード危機を解決して一躍、街の英雄となった姫騎士アルウィン。一方、ヒモのマシューは以前にも増して周囲から疎まれるようになる中、二人の前にマシューの死んだはずの仲間ナタリーが現れる第五弾。突然逮捕されたしまったギルドマスターと隠し財産を残した死んだやくざ者との関係、加熱した争いに巻き込まれてゆく孫娘エイプリル。寄る辺ない彼女を守ると決意したマシューとアルウィンに、太陽神の伝道師たちも迫る展開でしたけど、とりあえずナタリーはヤバい方向に突き抜けてましたね(苦笑)カオスが深まる展開に先の展開が読めません。
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よっち
寄り道だらけの旅路の末にたどり着いたレッドフォード王国。隣国からの客人とされた薬師の少女ミーシャが新生活を始める第二弾。きさくな態度を見せてくれたラライア国王への謁見。お城の図書室に目を輝かせるミーシャが出会った病弱な王妹ラライア。そして問題のある植物園。居場所を構築しながら病弱ラライアを診て状況改善に取り組んだり、様々なことを見聞してゆくミーシャが新天地でもとてもいきいきとしていて、夜会の様子はなかなか微笑ましかったです。とはいえ不穏な気配もあって、いろいろと事態が動きそうな今後の展開が気になりますね。
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よっち
幕末から現代までの百五十年、豊かな装丁文化が花開いた日本の多彩な「美しい本」をたっぷり紹介しつつブックデザインの未来を探る一冊。横尾忠則の巻頭インタビューから石川九楊さんらのエッセイ、日本近代装丁史をひもとく百冊として和装から様相への書姿の変遷、大正期のアヴァンギャルド芸術、プロレタリア文学に至る装釘、近代の名作と話題作、画家・版画家の装幀、詩人・小説家・文化人・編集者による装幀の系譜、現代ブックデザインとタイポグラフィなど、時代性も色濃く反映されているように感じる装丁はとても印象的で興味深く読めました。
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よっち
実証経済学の研究成果から、歴史・文化・社会的に形成される男女の差異=ジェンダーの差別を就業、教育、政治といった観点から、解消後の可能性まで国際的視点から考察する一冊。ジェンダーギャップが大きい政治と経済分野、女性の労働参加をもたらした要因と変わる家庭内の関係性、ステレオタイプが与える影響、理系分野での男女差、欧米先進国の変容や根強い途上国の現状、高学歴と結婚の相関関係、性・出産を決める権利、母親の育児負担、男女の所得格差の要因など、データで見ていくとはっきり分かることも多くていろいろと考えさせられました。
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よっち
世界は自由なように見えて、昔も今も違う形で不自由だ。マリ共和国で生まれ、中国を経て京都精華大学の学長を務める著者による、世界に対する認識をガラリと変える講義録。著者自身がこれまで自国やフランス、中国や日本などで経験してきた自由と不自由。近代資本主義が内包する差別や国家がコントロールする近代の家族像、ほとんどは先祖教の信者となっている日本人、ステレオタイプなしには成り立たないマンガ、盗作や翻訳が起こす問題、人はカテゴリーから自由になれるのかなど、自由とはどういうことかを改めて考えるいいきっかけになりました。
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よっち
もはや後戻りは不可能…上手に付き合う方法を学びChatGPTの能力を最大限引き出すには?基礎知識から今後の進化、人類の未来への影響までわかりやすく解説する一冊。どんな話題でもある程度の精度で回答してきて話し相手となれる、それがどのような形で作られてきたかといった基礎知識。モデルとデータセットの途方もないでかさの実現と様々な拡張性といったすごい部分、ブラックボックスや過学習、破壊的忘却といった危うい部分、大学や社会、クリエイティブな側面でこれからどう向き合うべきか、分かりやすく解説していて参考になりました。
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よっち
西の同盟国・ザルーダに攻め込んだオルトメア帝国。一方、東のミスト王国もブリタニア・タルージャの南部連合軍に攻められていることが明らかになり、二方面に敵を抱える状況に陥る第二十五弾。ロマーヌ子爵家の不祥事を巡る後始末をしながら、リオネを総大将に据えて双刃を付けてザルーダ遠征軍を編成して時間稼ぎを図る一方、短期決戦をめざしてミスト王国へと向かう亮真。強行軍からの奇襲で南部連合軍に一撃は加えたものの、敵側にもまだ奥の手があるようで、内部抗争を抱えているらしいミスト王国での戦はどうにも一筋縄ではいかなそうですね。
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よっち
ウィステリアをかばい濃い瘴気を浴びたロイド。目が覚めた彼に一刻も早く元の世界に帰れと迫る彼女との口論は白熱し、帰還のタイムリミットが近い焦りも加わり決定的な一言を放ってしまう第四弾。わだかまりを抱えたまま残る蛇蔓の捜索へ向かう先で見つけてしまう、懸念していた大蜘蛛の出現と激闘。そして再び姿を現す因縁の相手・大蛇のティグラとの決着、必然的に起きてしまう危機的状況。心揺さぶられるお互いの心情が丁寧に描かる中で、ようやく想いを自覚したロイドが不可能を覆してみせたからこそ、課題が残る今後の展開が気になりますね…。
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よっち
ジルベルトに抱いていた誤解も解け、婚約を受け入れて王宮で過ごすようになったモニカ。そんな彼女が居場所を得て、いきいきと輝きだす第二弾。将来を見据えてお妃教育を受ける一方、ジルベルトの計らいで王宮内に売店を得たモニカ。そこから周囲の人たちのために考案した新商品が人々を虜にしていって、ジルベルトも心配するほど頑張り過ぎる彼女でしたけど、一方で教育係も驚くほど博識で冷静で、苦い前世の記憶から意外としたたかで、彼女の秘密を知るジルベルトの存在も大きくて、みんなの愛されるモニカになってゆく様子が微笑ましかったです。
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よっち
孤独に育ち、結婚後も常に愛に飢え孤独に生きていた花井ゆきが、山奥の領地に住む男爵令嬢モニカとして転生するファンタジー。ベルトーナ伯爵に美味しい食事を提供したことをきっかけに王都の屋敷でお世話になり、夜会に参加して王宮で出される食事を楽しんでいたらジルベルト殿下に興味を持たれてしまうモニカ。彼女と交流を重ねることで興味を持ち、少しずつ変化が現れてゆくジルベルトに対して、転生の秘密から避けようとするすれ違いもありましたけど、人のために頑張る彼女が周囲からも慕われる存在になってゆくのも分かるような気がしました。
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よっち
4月。新入生の主人公が文芸部を探していたのに「第二文芸部」の部室に迷いこんでしまい、部長で自称学園一の美少女・水崎アンナに引きずり込まれるユーモアミステリ。文芸部を偏見に満ちた思い込みでこき下ろして主人公を引き止め、自分で書いたミステリを強引に読ませるアンナ。そのツッコミどころが満載な彼女の作中作に、感想を求められてわりと容赦なくダメ出ししてゆく主人公。しかし積み重ねてゆくことで伏線の存在が垣間見えてきて、それでも気づいてもらえない作品に込められた真意が最後の最後で明らかになる結末は微笑ましかったですね。
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よっち
十二年前、自室で毒入りコーヒーを飲んで自殺したとされている箕輪家長男の要。十三回忌に家族が集まった嵐の夜に、今度は父親の征一が死んでしまってその真相を探るミステリ。十二年前の遺書と書かれた便箋(中身は白紙)。今度は死んだ父の傍らに残された毒が入ったと思しきコーヒーと白紙の遺書。道路が冠水してしまい、医者や警察も来られないクローズドサークル下で一体何が起きたのか。家族に対するそれぞれの想いが描かれる中で、後半の張り巡らされた伏線を回収して状況を二転三転させながら、真相に迫る緻密な推理がなかなか良かったです。
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よっち
年末の漫才日本一を決めるKOMで敗れ、今年ダメなら実家の生業を継ぐと公言していた相方とのコンビも解散となり絶望する加瀬凛太。何とかして漫才を続けたい凛太の前に、先輩KOM王者からある情報が寄せられるお笑い小説。来年決勝に残れなければ芸人を辞めることを条件に、死神の異名を取る謎の作家ラリーに教えを請う凛太。同様に師事するキングガン、放送作家を目指す梓、それぞれの視点で描かれてゆく葛藤やぶつかり合う姿はとても熱くて、それらが見事な形で繋がって、結実してゆく展開にはぐっと来るものがありましたね。面白かったです。
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よっち
バンコクからの帰国子女で、日本の生活に馴染むことができないでいた高校1年生の漣。そんな彼女が高校の渡り廊下で見つけた先輩に一瞬で心囚われてしまう青春小説。目をそらせないと気づいてしまった、自分を助けてくれた先輩。どうしようもなく惹かれてゆく中で、好きになってはいけない相手であることに気づく漣。かけがえのない自分の居場所も家族への配慮も大切で、多くの人の話を聞きながらどうにかならないのかと必死に抗う漣の想いがとても切なくて、頭では分かっていてもどうにもならないことってあるよな…としんみりとしてしまいました。
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よっち
首都・東京を襲った大地震から一年後、経済特区・湾岸カジノに街を象徴する少女サーカスが誕生。父の自殺で天涯孤独になったマリナが自殺の真相を探るうち、少女サーカスの団員募集を知る前日譚。空中ブランコ乗りを目指す中で、彩湖と杏音というかけがえのない仲間や、特区で多大な権力を持ちながらサーカスに反対する『生徳会』代表・鷲塚と出会と出会うマリナ。反対派のデモ、裏で動く莫大な金、喝采と観客からの熱烈なファンレターといった熱狂に翻弄されながら、大切なものを見失わなかったことで紡がれた未来を感じさせてくれた物語でしたね。
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よっち
未曾有の大地震が首都・東京を襲い、復興名目で湾岸エリアにオープンしたカジノ特区。街を象徴し、盛り上げるために置かれた少女サーカスで輝く少女たちを描く青春ミステリ。練習中に落下して負傷した花形の空中ブランコ乗り・片岡涙海と、代わりに舞台に立つことになった双子の妹・愛涙。猛獣使いの少女が日頃から世話をして可愛がってきた動物たちの死、少女サーカスの花形・歌姫でいることの矜持。困難に直面してこれまで積み重ねてきたこと、大切にしてきたことに対する複雑な思いが描かれる中、しっかりと向き合うその姿が印象的な物語でした。
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よっち
製薬業界で研究者として働く姉と、アクセサリー作家として活動する妹。仕事で名声を得るも、いつしか道を踏み外していく二人の物語。頑張り屋で産学連携を繋ぐ存在として期待されていた姉・依千佳。広い世界を見せてくれる存在に出会えた仁胡瑠。期待に応えようと頑張って成果を得ていた二人が、いつしか空回りするようになって道を踏み外してゆく展開は、一歩間違えば誰にでも起こりうる話で、上手く行かなくなった時どうすれば良かったのかとても難しいですね。そんな大変な経験に直面した二人のささやかなリスタートを応援したくなる物語でした。
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よっち
1977年にエストニアに生まれ、コンピュータ・プログラミングの稀有な才能がありながら、ソ連崩壊に翻弄された一人の少年ラウリ・クースクの軌跡を追うかけがえのない物語。幼い頃から数字に異様な執着を示していたラウリに、人生の目標やかけがえのない友人をもたらしたプログラミングの存在。モスクワで活躍することを目指した彼の人生を暗転させたソ連崩壊。友人を失って、未来に希望を見いだせなくなってゆく展開には、国家が独立することの意味を考えさせられましたが、多くの人の出会いから希望を見出してゆく結末には救われる思いでした。
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よっち
生まれつき皮膚の奇病により、周囲から『化物嬢』と呼ばれていた裕福な商家の一人娘ソフィ。皮一枚しか治すことができない魔力を使って傷を癒やし、お客様を笑顔にしてゆくハートフルファンタジー。ある日、自分がかつて日本のオカンだった過去を思い出し、一念発起して身体の傷を癒やすサロンの立ち上げを決意するソフィ。訪れてくる人々の複雑な想いに寄り添い、心を蝕んでいた傷を消したり、相手の真意を見抜いてそっと背中を押して、心の憂いも一緒に晴らしてゆくソフィの優しさがとても素敵でしたが、彼女自身もいつか幸せになって欲しいです。
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よっち
全国の新刊書店、古書店、私設図書館、ブックカフェ、移動書店など44件を訪ね歩き、空間を実測・図解した一冊。全国に点在する決して大きいわけではないスペースに店主の思いや発想が凝縮された、地方や都市の空き家・空きビルなどを利活用した拠点づくり。本がぎっしり詰まった空間や細長い店舗、旧郵便局を活用していたり、木箱で埋め尽くされた本の迷宮、駄菓子屋的な距離感だったりと、あるものを使って店舗づくりにどう活かすのかという発想の数々が読んでいるだけでもとても楽しくて、実際に見たらどんな感じなのか行ってみたくなりますね。
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よっち
家族団らんを楽しむビスコとミロのもとに流星のごとく空から降ってきた、並行世界・黒時空の最強キノコ守り《レッド》こと赤星ビスコ。今度は彼女とその世界を助けるために時空を超える冒険に出る第九弾。〈錆神ラスト〉に支配された性別が入れ替わったもう一つの世界・黒時空。ラストとの最終決戦に破れ、命からがらビスコたちの時空へと逃げ延びてきて、世界を救うためにあがくレッドを見捨てることができない二人。相変わらずハチャメチャな展開でしたけど、ぐいぐい読ませる勢いがあって、何とも激動の展開でしたけど次巻完結ということで期待。
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よっち
世界の裏で進行する《暁闇計画》の真相を掴むため、計画の生まれた国・ライラット王国に狙いを定めた『灯』。仲間と離れ孤独な潜伏生活を続けるエルナたちが、王国政府を転覆させるための革命蜂起に奔走する第十弾。エルナとアネットを中心に描かれた、潜入調査で問われるそれぞれの覚悟。そしてこの国を「市民革命の潰えた国」と言わしめる要因でもある世界最高峰の防諜スパイ『ニケ』の魔の手。明らかになってゆく王国の歪んだ構図や、サラたちの成長を感じつつもなかなか厳しい展開でしたけど、張り巡らされた伏線をどう回収するのか続刊に期待。
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よっち
冬の京都で行われた女子全国高校駅伝と、八月に京都で行われた謎の野球大会。期せずして突然それに参加することになった二人が、不思議な出会いを果たす物語。女子全国高校駅伝で突然ピンチランナーに指名されて戸惑いながら挑む、絶望的に方向音痴な女子高校生が出会った謎のチョンマゲ集団。夏休みを前に彼女に振られた大学生が参加することになった、早朝の御所Gで行われる謎の草野球大会と不思議な助っ人たち。意外な出会いがもたらした貴重な経験を描いたゆるく繋がる2つの物語は、ほろ苦さを感じさせつつもとても優しくて素敵な物語でした。
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よっち
12月、春瑠先輩が通う大学の推薦入試に落ちた白浜夏梅。海果は落ち込む夏梅をからかいながら「イルカの髪飾りをなくしたから一緒に探してほしい」と街に連れ出す第三弾。元気づけようとしてくれる海果が連れて行く場所はすでに閉店していたり、今は違う建物だったり…そして以前、海果とこの場所に来たようなと既視感を覚える夏梅。木更津に帰ってきていた春瑠先輩が語る違和感は、忘れていた本当に大切だったものを思い出す鍵となって、冬莉やホマキといった理解ある後輩に見守られながら、ようやく辿り着いた結末は本当に良かったと思いました。
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よっち
文武両道で学園一の美少女だけれど、初めての恋愛に2人の時は少し不器用な今カノの怜奈。付き合い始めて始めての夏休みに、天真爛漫な幼馴染・結衣が帰国する第二弾。普段はクールなのに、元カノ莉愛も参加する新世の勉強会に飛び入りで参加したり、部活で後輩そらが新世にじゃれつくのを見て拗ねたりと可愛い一面を見せる怜奈。そこに新世の義妹・美織も懐く幼馴染・結衣が登場して怜奈も心穏やかでいられない展開でしたけど、恋人は諦めた莉愛も存在感があって、浴衣を巡るやり取りや、一緒に夏祭りを一緒に満喫した結衣の真意が気になりますね。
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よっち
美人上司・桃生結子から「子作りしてほしい」とペアリングを求められた若手社員の実沢。『好きになったらおしまい』という約束の上で始まった関係に葛藤する日々を送る第二弾。本気で結子を好きになってしまい、どうすればいいのか悩む実沢。どうして彼の方から誘ってくれないのかと悶々とした日々を過ごす結子、そしてかつて苦しい時に手を差し伸べてくれた実沢を意識する同期の存在。なるべくしてなった展開で、実沢の一途な想いはどう見ても一目瞭然で、だからこそ離婚の過去も掘り下げられた彼女が逡巡するもう一つの事情が気になるところです。
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よっち
地雷系の服装を好みながら、中身は世話焼きな女子高生・雷原甘音。バイト先で彼女の秘めた願望「誰かに甘やかされたい!」を打ち明けられた高校生・地藤景が、彼女と一緒の時間を作ってゆく青春小説。お世話したい願望が強すぎて、人に甘えられない甘音の願いを叶えるため、ゲームセンターで遊んだり、お祭りデートしたりとめいっぱい甘やかす日々を送る二人。それでも甘やかしたい願望が時折垣間見える彼女の過去と特異性、そして何の才能もないと語る地藤の事情。甘音のスキルが思わぬ形で活きた急展開と、二人の結末がなかなか鮮烈な物語でした。
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よっち
両想いを確認し合い、遅まきながら少しずつ距離を縮めていた後藤と吉田。そんな2人の前に大学生になった沙優が現れ、後藤の仙台支部転勤が決まるサイドストーリー下巻。ようやく結ばれる寸前まで来て、吉田の中で日増しに強くなる後藤への想い。それなのに沙優と向き合った上で答えを出して欲しいと告げる後藤。後藤派の自分でも正直いろいろと突っ込まずにはいられない彼女の言動はありましたけど、吉田のこれまでの言動や一途な性格を考えれば必然に思える結末で、吉田に関わったヒロインそれぞれの心情もしっかりと描かれていて良かったですね。
ツン
2023/09/03 15:28

上巻出てから長かったですね、、、待ってました!ありがとうございます。買います!

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よっち
政近の奮闘によってアーリャさんへの大きな追い風となって幕を閉じた大波乱の学園祭。アーリャさんは政近と共に次なる行事・体育祭に向けて動き出す第七弾。学園祭の後始末に追われたり、相変わらず有希との駆け引きが繰り広げられる一方、不意に告げられるマーニャさんの本当の気持ち。アーリャさんも政近を改めて意識してゆく中で行われた体育祭でも、アーリャさんの成長を感じたりと今回も盛りだくさんでしたが、二人のヒロインと政近という関係性が具体的に動き出して、続巻のイベントが今後に向けた大きなターニングポイントになりそうですね。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/08/23(4173日経過)
記録初日
2013/07/27(4200日経過)
読んだ本
12389冊(1日平均2.95冊)
読んだページ
3612923ページ(1日平均860ページ)
感想・レビュー
12276件(投稿率99.1%)
本棚
70棚
性別
血液型
B型
職業
専門職
現住所
埼玉県
外部サイト
URL/ブログ
https://yocchi.hatenablog.com/
自己紹介

こんにちは。普段は図書館と書籍仕入れに関わるお仕事をしています。仕事のついでに面白そうな本がないか探していて、とりあえず自分が読みたいと思った本さえ読めてさえいれば、わりとまあいいかと思えてしまう行動原理が少し残念な人。

好きなジャンルはボーイミーツガール、青春小説、部活小説、お仕事小説、ミステリ、冒険・中華ファンタジー、歴史・戦記、SFなど。コメディ調より落ち着いた雰囲気の物語志向。意外な展開や難解さがウリのお話も嫌いではないですが、どちらかというとベタで王道な構図が分かりやすい、最後は良かったなと思えるお話が好みです。

基本的には著者買いが多いですが、興味を持ったらテーマやジャンル・作家などにはあまりこだわらず何でも読みます。人に本を薦めるのが趣味の本を読むついでに人生を送る雑食系読書廃人。

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