読書メーター KADOKAWA Group

2024年10月の読書メーターまとめ

よっち
読んだ本
151
読んだページ
45429ページ
感想・レビュー
151
ナイス
5400ナイス

2024年10月に読んだ本
151

2024年10月のお気に入られ登録
5

  • Krisna_Khana
  • ジジ
  • kuroma831
  • かし
  • 広井啓

2024年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

よっち
解散寸前だった地下アイドル「東京グレーテル」を躍進させたカリスマ赤羽瑠璃。推される側である光の中のアイドルたちの恋と生を描いた連作短編集。結婚を意識している恋人がアイドルの赤羽瑠璃を熱く推していることに対する複雑な想い、生活時間のすべてを配信のために捧げるVtuber雪里と周囲の人たちの苦悩、地下メンズアイドルに浮気された地下アイドルの復讐、かつてストーキングもして諦められない男が結婚すると知る瑠璃。何とも難しい立ち位置がゆえに、矜持を貫き続けることが簡単ではない彼女たちの生き様が鮮烈な印象を残しました。
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2024年10月にナイスが最も多かったつぶやき

よっち

2024年9月の読書メーター 読んだ本の数:108冊 読んだページ数:34221ページ ナイス数:4229ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/385946/summary/monthly/2024/9

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2024年10月の感想・レビュー一覧
151

よっち
ついに始まった生徒会選挙。雛子は立候補しない一方、天王寺と成香が生徒会長に立候補して、副会長に立候補した伊月は両方をサポートすると決意する第9弾。チラシや演説内容に助言を与えたり忙しく走り回る中で、突如として広がる根も葉もない二人の悪い噂。マネジメント・ゲームにはなかった要素や雛子不在の影響の大きさを感じる展開で、挙動不審だった旭と弟・凛太郎の確執、そして彼の暗躍も明らかになっていきましたけど、その事情を知って2人の関係修復のために動く伊月がとてもらしいですね。覚悟を決めた城東の動向も気になるところです。
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よっち
附属高校の卒業演奏会の最中に、出場者が同級生を殺してしまったサリエリ事件。4年後、大学の卒業演奏会で関係者たちが再び顔を合わせるサスペンスミステリ。関係者が一同に介する卒業演奏会に現れた週刊現実の記者・石神。犯人によって明かされた犯行の動機に繋がった複雑な境遇と、それを知ったことで起きた第二の事件。関係者たちのピアノに賭ける強い思いや抱えてきた苦悩が、一線を越えるきっかけとなってしまう何とも皮肉な構図でしたけど、ずっと抱えてきた過去の「なぜ」を究明することは、必ずしも幸せに繋がるわけではないんですよね…。
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よっち
西暦2030年。一面の砂漠と化した北京へ現れた憑依体を倒すために突入した米軍戦争サイボーグ部隊の精鋭たちが、謎の少女ニーナと出会うアクションSF。宇宙から来た超高次元生命体と融合した破壊神のごとき憑依体。その脅威に自身も憑依体となりながら理性を保つニーナと出会い、協力して強敵に当たる隊員たち。時にはぶつかり合いながら立ち向かっていく過程で、彼らにもチームとしての絆や一体感めいたものが生まれていくわけですが、そうやっていい感じになっていくと、どうして権力者はそれを危険視して解体したくなものなんでしょうか…。
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よっち
職場で不可解な殺人事件に巻き込まれた潤子。事情聴取後に日課のジャンク飯を食べに向かった先で、愛しの推し・天草茅夢と出会い一緒に事件を解決する連作ミステリ。突然の出会いで興奮収まらぬ中、ジャンク飯への愛で意気投合した2人が挑む、庭園の片隅で死んでいた当主の真相、シティホテルで亡くなったゲストが遺した双子の文字、奇術師の脱出王はなぜトイレの窓から脱出しようとしたのか。そして明らかにされる潤子の事情と探偵役の王子に抱く疑惑。ハイテンションでテンポの良いストーリーに、ジャンク飯がまた美味しそうな楽しい物語でした。
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よっち
昭和から令和まで、時代を越えて街の片隅で暮らす人々のそれぞれの心の傷が優しい魔法で癒やされていく連作短編集。クリスマスイブに失恋した青年に訪れた巡り合わせの奇跡。千世子と千代子が願うことで繋がった過去を変える魔法。行き詰まりつつあるイヤミス作家が本当に書きたかったものを見出す編集者の提案。読書が生きがいだった不器用な健太郎と幽霊の少年の邂逅。零細女性ライターの元に人面瘡として現れた小学校時代の同級生。ふとした時に感じる孤独や不安に、そっと人に寄り添う猫が奇跡を呼び寄せてくれるとても素敵で優しい物語でした。
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よっち
期せずして異世界からともに帰り、脆く曖昧で心地の良い関係が少しずつ変わりつつあるウィステリアとロイド。王都へ報告に戻るロイドと一時的に別れを告げる第6弾。ロイドには求婚した王女アイリーンがいると言い聞かせつつ、当面の間ベンジャミンの弟夫妻のところに身を潜めたイレーネ。変わりつつある他国との関係が背景としてある中で、彼女の環境の変化や出会いも描かれる一方、決定的に変わってしまったロイドとアイリーンの再会はなかなか鮮烈でした。状況が激変する中でロイドがこれからどう扱われるのか、今後の展開が気になるところです。
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よっち
少子高齢化による深刻な人手不足と、デジタル化の進展による急激な人余りが同時に起きつつある日本社会。人手不足の状況でなぜ人が余るのかを解説した1冊。ローカル産業で生じる人手不足、グローバル産業で顕著に起こる人余り。エッセンシャルワーカーの待遇を改善する必要性、そして生成AIが進化していくことで淘汰されるこれまでの常識から抜け出せないホワイトカラー。いろいろ変えていかざるを得ない状況なのは間違いなくて、あとはどうやって意識を変えながら現実的な手法に落とし込んで進めていくかというところですね…それが一番難しい。
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よっち
いざという時の生活を保障する社会保険と働けなくなった時や老後の生活を支える年金制度。複雑な制度の歴史から誰もが等しく保障される社会のしくみを考える1冊。なぜ働き方で社会保障が違うのか。労働者と自営業者で違う公的年金、医療、失業時・雇用継続対策、労働災害の仕組み。一方で制度が作られた時代背景、国民年金と厚生年金、国民健康保険と健康保険が分かれた事情、雇用保険や労災保険が自営業者に適用されない状況、勤労を前提とした生活保護の後ろめたさを解説していて、使いにくさと新しい社会保障を考えるいいきっかけになりました。
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よっち
捨てたごみはどう集められ、処理され最終的にどこへいくのか。研究する著者が自ら北へ南へ赴いて体験することで見えてきた、奥深い世界を紹介する1冊。自宅・会社・外出先それぞれでごみの扱いも異なり、地域によっても違うごみ処理。清掃事業の全体像から、どう集められ処理されるのか。清掃者や現場で起こっていること、委託が増えている中でビジネスとしてみたごみ収集、北海道や愛知県豊田市、神田の具体的な地域や祭りの後のごみといった事例を紹介する一方、最終処分場や多文化共生といった課題や進化も掘り下げられていて興味深かったです。
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よっち
ストーカー被害に遭っていたらしい後輩の萌香が刺殺体で発見され、犯人を捜し出すと決意した千秋は、萌香の関係者たちに接触していくミステリ。萌香の格好を真似た姿で彼女の通っていた大学やバイト先を尋ね回り、疑わしき男たちに接触していく千秋。一方ブラック企業で上司のパワハラに苦しみながら優しい先輩に心惹かれていた杏は、先輩が同僚と付き合っているらしい疑念から嫉妬が渦巻く展開で、2人の視点から描かれていくストーリーで描かれる執念深さにもなかなか来るものがありますが、それが交錯する結末の意味には見事にしてやられました。
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よっち
婚活事業の紹介記事を引き受けた、40歳の三文ライター猪名川健人が、婚活マエストロ鏡原奈緒子に出会う婚活小説。長らく住むマンションの大家に紹介されて参加した手作り感あふれる地味なパーティーで、鏡原の見事な仕切りっぷりに感銘を受けた猪名川。実際に参加したりイベントを手伝うようになって、様々な理由で応募する参加者たちとの出会いが描かれる中で彼の心境も変化する一方で、鏡原の秘密や背景も明らかになりましたけど、鏡原との距離感が少しずつ変わっていく様子がなかなか良かったですし、気になる2人のその後も読んでみたいです。
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よっち
インクブスの大攻勢を退けたシルバーロータス。一方のインクブスもまた彼女が最大の脅威であると認識し、彼女の力を求めて第三勢力までもが参戦する第2弾。異界に送り込んだファミリアでさらに追撃して拠点攻撃作戦に出るシルバーロータスに対して、隷属させたウィッチたちを尖兵にして対抗しようとするインクブス陣営。そこに救世主としての力を求めて中国軍やアメリカ軍も参戦するカオスな展開で、日本の状況や国防軍の中途半端なスタンスも浮き彫りになりましたけど、本人の過労っぷりはともかく潰し合うような展開にならなくて良かったです…。
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よっち
鎌倉時代から幕末まで九州南部を支配し、今なお続く武家の名門島津氏。各時代の島津家歴代当主の政策に焦点を当て、その生存戦略に迫る1冊。鎌倉時代の島津荘下司への抜擢と比企の乱の影響、南北朝時代における選択と南朝方や九州探題との抗争、常に反島津方に晒され、兄弟間や一族間抗争が頻発した室町・戦国時代、豊臣秀吉の九州征伐や関が原の戦いでの選択、そして琉球出兵など、地理的要因も大きかったのかもしれませんが、難しい選択が続く中でその時々で采配できる人材が出てきて、今に至るまで生き延びてきたしたたかさが際立っていました。
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よっち
暁月が即位して数年経った赤奏国。美しく成長し皇后としての仕事も卒なくこなすようになった莉杏が、暁月の態度が変わったことに悩む第10弾。だいぶ国力も戻ってきたと感じられる赤奏国で、成長して立派に皇后としての仕事をこなす莉杏。そして誰もが暁月の彼女への溺愛っぷりを認める中、彼の態度に不安を覚える莉杏。成長したからこそ暁月も以前のようにできないという何とも苦笑いな構図でしたけど、平和だなとしみじみと実感する展開で、あの手この手でアプローチする莉杏の可愛さが際立っていましたし、それに応えていく暁月も良かったです。
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よっち
江道大社の大騒動が余韻を残すなか、また一歩解明へと前進したナギの神通力。落ち着きを取り戻す日常の背後で、スサノオ会が新たな暗躍を企てる第4弾。「神在月の集会」に駆り出される惟神学園の生徒たち。そこに潜入して、月読命を再び洗脳して取り込もうとするスサノオ会オモイカネの思惑。それを醒めた目で見る双子の兄たけるとナギの久しぶりの邂逅。オモイカネはなかなか厄介な存在でしたけど、一方ではっきりと自覚していくのはこれからなんでしょうけど、月読命の想いが垣間見える展開でもあって、それを見つめるトータが切なかったです…。
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よっち
フリー編集者小林が出版社に持ち込んだ心霊スポット突撃系YouTuberのファンブック企画。企画を通すため読者が喜びそうな考察をでっちあげていくオカルトホラー。企画内容で勝負すべく、幽霊を信じないYouTuber池田と一緒に、過去に動画で取り上げた心霊スポットについて、ファミレスで捏造気味に考察していく会話劇の構成になっていて、途中から霊の見える宝条も加えながら、過去エピソードを通じてそれぞれの思惑、意外な一面を浮き彫りにしてきましたけど、様々なエピソードを積み重ねた結末としての最後のオチも効いていました。
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よっち
父の再婚に伴い、まだ七歳にもかかわらず家を出ることになったラビウス侯爵家の令嬢フェリシア。心機一転、与えられた屋敷で気ままな一人暮らしを始めるファンタジー。屋敷に到着しても侍女も誰もやって来ず、実家からの冷たい返答に、自分が一人屋敷で忘れられる運命にあることを知るファリシア。けれど譲られた屋敷は強力な魔道具やおかしな畑、有用な書籍が揃っていて、試行錯誤しながら自足自給の生活を整えていく一方、魔物の噂や継母の動きが怪しい侯爵家の動向も気になるものの、たくましく生きる彼女の物語をまた読んでみたいと思いました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
バイトに明け暮れ、これからの人生に漠然と不安を抱く美大生の伊織が、ある日特別な条件を満たす客人のみを迎える「真夜中の喫茶店」の噂を耳にする物語。不思議な巡り合わせでその紅茶専門店を訪れ、人形のように美しく聡明な店主・透子に出会う伊織。透子が淹れた一杯と紅茶にまつわる話を聞いた伊織は、次第に心が解きほぐされてゆく展開で、その不思議な店を訪れる悩める人たちが抱える問題に対して、アドバイスをする透子とともに鬱屈の一因だった共感覚を活かして、解決する手助けをしていくストーリーは続きをまた読んでみたいと思いました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ウォルテニア軍の罠にかかり意識を失ったハリシャ。彼女を庇ったラーヒズヤはローラたちに降伏する道を選び、二方向への対応を迫られた亮磨が今後に向けた対策を考える第23弾。ハリシャの快復を待って彼女を尋問した結果、ハリシャやラーヒズヤたちマニバドラの民の立場を聞かされ、彼女に協力することを決意する亮真。祖父の協力も得て今後に向けた新たな布石を打つ一方で、ザルーダ王国方面はロベルトとシグニスの活躍がありましたけど、相変わらずいいところで邪魔をする須藤がほんと厄介ですね(苦笑)黒エルフの参陣も今後のポイントですか。
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よっち
宮中を揺るがす事件から半年後。重午節の宴に呼び出された芙蓉が、かつて罪を犯した魯淑妃の住む冷宮から火の手が上がっているところを目撃する第2弾。火は消し止められるものの宮殿は全焼。亡くなった魯淑妃の口から発見された翡翠の飾りの謎から不穏な事件の可能性が浮かび上がり、再び文使いに任命されて蒼君と事件の捜査を始める芙蓉。並行して彼女と皇弟の突然の縁談話もあり、真相に迫るほど2人の身に危機が迫る状況でしたが、相変わらず男装して行動力もある芙蓉は危なっかしい一方で、全てがいろいろ繋がってきた今後の展開が楽しみです。
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よっち
救急医・武田の元に搬送されてきた自身と瓜二つの溺死体。彼はなぜ死んだのか、なぜ同じ顔をしているのか。武田は旧友で医師の城崎と共に調査を始める医療ミステリ。調べていくうちに浮かび上がる産婦人科クリニックの存在。しかし鍵を握っていると思われる人物に会おうとした矢先に、その相手が密室内で死体となって発見されてしまう展開で、自分のルーツを探ることにもなる真相の究明が思わぬところに繋がっていきましたけど、探偵役となる城崎も少し変わったタイプで、そのタイトルの意味を突きつけられるなかなか業の深い結末になっていました。
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よっち
貧乏な家に生まれ育ち、両親が莫大な額の借金を残して消えてしまった高校生・一ノ瀬雪哉。彼の前に突如現れた幼馴染の姫野結依が彼を救う青春ラブコメ。子供の頃引っ越して疎遠になっていた結依からの雪哉を「買う」というとんでもない提案。他に生きる手段もなく提案を受け入れて始まった雪哉と結依の甘い同居生活。幼い頃自分を救ってくれた恩人と思っている結依は彼を大好き過ぎて苦笑いでしたけど、貧乏ながらも努力を続けていた雪哉もまた優秀で、結依の高校に編入して定期試験で成果を出して周囲からも認められ始めた今後の展開が楽しみです。
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よっち
隣人となった「氷の女神様」雪宮氷花と、秘密の共有生活を送る八ツ橋葉月。ある日、いつも天真爛漫な副会長・陽子の様子がどこかおかしいことに気づく第2弾。家事を教える代わりに氷花から厳しく勉強を見てもらい、関係を積み重ねていく2人が気付いたギャル副会長・陽子の違和感。一緒に猫カフェに行った氷花や、3人で校外学習の下見に行った女子2人のテンションに振り回される葉月には苦笑いでしたけど、彼に無防備な一面を見せるようになった氷花や、過去を乗り越えた陽子の中で葉月の存在が変化してきていて、これから大きく動きそうですね。
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よっち
小暮涼真と親友になり、彼が朝比奈家の家事代行の仕事もして、どんどん距離が近づいていくアリサ。そんな状況で涼真の幼馴染の柊紬が転校してくる第2弾。小暮家に下宿して涼真と距離も近い幼馴染の突然の出現にやきもきするアリサ。そんなことはお構いなしにアリサや雫とも仲良くなりたい紬の真意を測りかねる展開でしたけど、急速に男子生徒の人気を集めていく紬にもまた深刻な悩みがあって、そんな彼女のために奔走する姿がなかなか良かったですね。一方で仲が深まる2人の関係が進展しない理由も明らかになって今後の展開が気になるところです。
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よっち
高校二年目の春、長年姉のように慕ってきた幼馴染に勇気を出して告白をして見事に玉砕した高橋隆史。彼が屋上で白雪姫と呼ばれる美少女・白雪姫乃と出会う青春小説。妬む女子生徒たちに虐められ傷つく姫乃を慰め、心に傷を負った者同士支え合う約束をして、姫乃の男に媚びているという噂を払拭するためにバカップルを演じる2人。未だやや不安定で甘えたがりな姫乃が隆史を意識する一方で、弟扱いだけれど相変わらず構いたがりな幼馴染の存在もありましたけど、あとは一緒に過ごす中で少しずつ姫乃に惹かれている隆史の覚悟次第というところですか。
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よっち
息苦しい今を軽やかに越えゆく一歩を描いた、降りかかる「らしさ」の呪いを断ち切って、先へと進む勇気をくれる希望の連作短編集。仕事を辞めて慣れない育児に奮闘する暁彦が出会った育児ブログ、年に一度だけ会うことを許された織女と牛飼い、体外受精と保育器で育てられるようになった国、長らくわがまま夫に振り回され続けてきた妻と、容易には超えられない葛藤の象徴的な存在として川を見立てて展開してゆく短編集でしたが、主人公たちの思い込みを別の角度からの視点によって浮き彫りにされてゆく、もうひとつの側面がなかなか効いていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
会社の社長のすすめで行ったひとり旅にはまり、旅を重ねて自信も付いてきたはずの日和。しかしある日突然、旅欲がなくなってしまう第4弾。ひとり旅が仕事にも恋にもいい影響をもたらして、東京~長野~名古屋の「一筆書きの旅」を満喫するまで成長した日和が、ふとそうではないかと気づいてしまったこと。それでも悩みながら向かった高知&愛媛、宮崎&鹿児島への旅含めて、マイペースな旅のポイントがいろいろ参考になるな…と思いながら読んでましたけど、事実確認もせずに一人で落ち込むのは良くないですよね(苦笑)誤解が解けて良かったです。
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よっち
春から高校に入学した男女6人が暮らす格安シェアハウス。中での恋愛は絶対禁止というルールの下、お互いを意識するようになっていく青春シェアハウスストーリー。シュークリームをくれた蓮を意識し始めた陽万里と、彼女のキス顔にドキッとした蓮。将来のパートナー探しを意識し始めた澪や、やや移り気な颯太、秘密を共有した秀一郎の女装癖を手伝う玲奈と、中での恋愛は禁止という前提はあるものの、男性陣と女性陣、そして個々の思惑も絡めた駆け引きが繰り広げられる展開で、意識し始めた相手と秘密のデートもあって、今後の展開が楽しみですね。
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よっち
高1の夏頃から疎遠になっていた幼馴染の望月祈織と一つ屋根の下で暮らす月城廉司。事情があって他人、同居人と変化していく彼女との関係を描く青春小説。思春期にありがちな理由からすっかり疎遠になってしまった祈織と、幼き日にかわした約束を果たそうと決意を新たにする廉司。しかし再び少しずつ関係が動き出していく中、愛華の積極的なアプローチがあったり、思わぬ誤解から決定的にすれ違ってしまう2人。お互い本当に言いたいことを言えない関係がもどかしかったですけど、それを乗り越えて確実に変わり始めた2人のこれからが楽しみですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
自他ともにイケメンと認める高校生・和泉に恋心を寄せながら、一歩が踏み出せず日々を過ごすヒロインたち。そこに転校してきた七瀬七緒が『好き』を伝えまくる青春ラブコメ。二人きりのときだけ甘えたがりな学園のアイドル雨音、一人暮らしな和泉の胃袋を掴もうとしてくる元婚約者の白亜、部活の後輩ポジの波留が、それぞれ手応えは感じていた状況で、あざとい直球アプローチで猛攻をしかけ出した転校生・七緒。様々な事情からいま一歩踏み込めないヒロインたちを尻目に、ぐいぐい迫ってリードした七緒という構図から物語がどう動くのか楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
紆余曲折の末にクリスを黄の寮の死神に迎えて、フーリィ、ラピス、アステミルを擁する蒼の寮と、フレア、三条黎、劉悠然を擁する朱の寮相手についに三寮戦の幕が上がる第7弾。圧倒的戦力を誇る他寮の攻勢に対して、ヒイロ、月檻たちが実力を発揮しつつ綱渡りの用兵を強いられる黄の寮。誰かのために我が身を省みず奮闘するヒイロが、ミュールに迫る劉悠然を止めるために、クリスと組んで繰り広げた死闘もなかなか壮絶でしたけど、何よりこれまでの苦しい過去を乗り越えて、寮長同士の一騎打ちを戦ったミュールの覚悟には心に響くものがありました。
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よっち
激闘の末、虚無の門となった剣聖を倒したレオニス。全てが終わったかと思われたその時、リーセリアの父エドワルド公爵が姿を現す第16弾。異界の魔王と契約し、この世界に生きる人々の多くを犠牲にして人類を救済する計画を聞き、父を止めるために剣をとるリーセリア。一方、虚無の女神が目覚め、破滅の運命に抗うために第〇九戦術都市に乗り込む第十八小隊。キャラがそれぞれの見せ場を作る文字通りの総力戦で、中でもさらに進化したリーセリアの活躍が効いていましたが、想像以上に壮大な戦いの末に待っていた望外の再会には救われる思いでした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
どこか機嫌が悪そうで、けれど大丈夫かと問いかけても笑顔で「大丈夫」と答える沙季。様子がおかしいことに気づいた悠太が、彼女のためにできることを実行していく第12弾。明らかに何か秘密を抱えているのに、その悩みが共有されない状況に、沙季の状態を心配する悠太。けれど彼女の意志を尊重して、配慮しながら今できる形で支えようと決意した中で知る悩みの理由。話してくれた沙季の背中を押す悠太の提案があって、かけがえのない時間と支えてくれた彼のお陰で、ようやく言いたいことを言えるようになった2人の距離感がなかなか絶妙でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
帝国城で対峙したケイティを取り逃がしてしまったラセルたち。ラセルが頭を抱える一方、シビラは別の目的があると動き出す第7弾。土地は荒廃して物乞いの子供もいる救いのない帝国の状況と、王国との差に戸惑いながらたどり着いた闇ギルド「不可視」。そのリーダーでヴィクトリアの幼馴染でもあるレティシアの協力も得ながら真相に迫る教会の闇。女神の言葉を偽る教皇の前に女神本人が登場する展開には苦笑いでしたけど、過去に決着をつけて救われる人たちもいる一方で、衝撃的な背景も明らかになって、物語も決着に向かいつつあるのを感じますね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
セリーヌやシェフ・ラビットがメンバーとして加わり、配信活動も軌道に乗り始めた聖女アリス。しかし突如「魔王復活」の知らせが届いて、セリーヌは単身王都へ帰る第3弾。メンバー唯一の頭脳派で、登録者を増やすことに大きく貢献していたセリーヌの離脱という状況で、脳筋のアリスと仲間たちに協力する人気配信者の存在。シェフ・ラビットの正体や婚約のことなど、炎上してもおかしくない難しい局面でしたけど、これまでの積み重ねも大きかったのかなとしみじみ思いましたね…しかし王都に助力に向かった結末はまさかの展開で続きが気になります。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
親の再婚で10年ぶりに再会した幼馴染の真咲と義兄妹として暮らす圭介。昔よりも近付いた距離が、夏の誘惑でさらに縮まってゆく第2弾。可憐な陽キャ美少女に成長した彼女との日々に戸惑いながら、少しずつ慣れてきた同居生活。友人たちも交えての勉強会や海に遊びに行ったり、家族で一緒に温泉旅行に行ったりする中で、無邪気な真咲の行動にドキドキさせられる一方、彼女が人気者であることにもやもやすることもあって、傍から見ているともどかしい距離感の2人が、積み重ねてきたかけがえのない想いに向き合っていく結末はなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ヤニとギャンブルにまみれた大学生活を送る平野和。ある日、大学横のコンビニでタバコを吸っていて、ふと貞操観念の逆転が起こっていることに気づく青春小説。喫煙所だけでなく、パチ屋の客や店員の男女比率も変わっていて、これまでのモテなかった大学生活からの変化に期待する和。でも知り合うのはストーカー気味な地雷系や、バイト先の塾講師の後輩大学生、働くOLと、顔は良いけれど癖の強い残念なヤニカスばかりで、密かにモテていてもその自覚に乏しい主人公だけに、貞操観念が逆転したヒロインたちの行動力が今後のポイントになりそうです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
努力を根性論ではなく科学的に、才能や性格に関係なく仕組み化することを考える1冊。意志の力はなぜあてにならないのか。怠け心から自分を守り、習慣を変えるいい習慣が定着するための仕掛けや、努力を楽しめる人、そうでない人の性格タイプ別ご褒美の与え方、必要な努力が無理なく続く初期設定の力や他人の力を作ったナッジ。誘惑に負けそうな自分をコントロールする方法、運を信じる人ほど実は不幸になりやすい現実。努力しない言い訳や環境からの悪影響と戦う覚悟など、やはり続けるためには意志の力ではなく、継続する仕組み作りが重要ですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
体調が優れず伯父が働くクリニックに行った結果、あと数年しか生きられない病気だと知った高校2年生の祈里。心の拠り所だったより江さんの家で同級生の春日井に出会う青春小説。余命宣告された祈里が直面する、これまでの友人関係や頑張っていた勉強も全てが無駄になる絶望。亡くなっていたより江さんは去年同じクラスだった春日井の祖母で、彼女の遺品整理を手伝ううちに彼に心惹かれてゆく祈里。諦めとこのままでいいのかと心揺れる彼女の葛藤があって、些細な変化も見逃さない春日井に支えられながら、精一杯生きる彼女の覚悟が眩しかったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
お笑い芸人の夢に挫折し、特別養護老人ホームで介護士として働くことになった溝内星矢。様々な葛藤を抱えながら、介護施設で働く人々の思いを浮き彫りにしてゆく物語。初夜勤の日に医療事故に遭遇して、自信もやりがいも見失った星矢と、原因が星矢にあるのではないかと疑う施設長、そして施設で厄介者扱いされる女医・葉山。彼らにも他の人たちが知らない事情があって、利用者に向き合ってきたからこそ抱える想いがあって、物語が進む中で印象が変わっていった彼らが、勇気を持って踏み出した一歩で少しずつ変わっていく結末が印象的な物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
横暴な夫・孝男との生活に苦しむ主婦・澄子58歳。離婚して自分らしく生きる元同級生との再会をきっかけに、覚悟を決めていく離婚成立物語。田舎の狭いコミュニティ、ギスギスした友人グループ、モラハラ夫との生活などにすっかり希望を見い出せなくなっていた澄子。勇気を振り絞って離婚を決意して財産分与の難航、経済力の不安、娘夫婦の不和といった様々な困難に直面する展開で、でもこういうのはやってしまえば意外と何とかなるんですよね。孝男がどうなったのか気になりましたけど、思い切った決断をした澄子の人生を応援したいと思いました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
満開の桜の中、古びた下宿屋「猫目荘」にやって来た漫画家の結芽。悩める彼女の心を、猫目荘の美味しいまかないごはんが癒やしていく第2弾。念願の漫画家になったものの、ヒット作を出せず筆を折ろうと決意した結芽。牛肉とゴボウの和風炒め、タリアテッレに絡むボロネーゼ、イワシのオーブン焼きといった美味しいまかないごはんや、大家の伊緒のドジっぷりも交えた楽しい日々の中で、自分のことを見つめ直していくうちに、思いもかけない転機を迎える展開でしたけど、これからどうすべきかしっかりと向き合って出した答えを応援したくなりました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
同じ島で育った幼馴染で、東京で共同生活を始めた今でも親友同士の秋と諒と優太。島から連れてきた不思議な生き物「ふれる」が繋いでいた彼らの友情を描いた公式ノベライズ。「ふれる」が持つテレパシーにも似た力が、趣味も性格も違う彼らを結び付けていて、お互いの身体に触れ合えば心の声が聴こえてくる3人だけの秘密。それが奈南や樹里と共同生活を始めたことで、少しずつ変わっていく展開で、「ふれる」の暴走もあったりしましたけど、以心伝心が失われて改めて育んできた絆に気づいて、一つ一つやり直していく彼らの関係がとても素敵でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
辛い時こそ本は寄り添い、解決法も教えてくれる。古今の名作から症状別に、小説、漫画、エッセイなどを独自の目線でセレクトする1冊。怒られた日など、対処療法的にこの苦しみをどうにかしたい時におすすめの本。おじいさんおばあさんになりたくない時など未然に対処するための本。女/男に生まれたくなかった時など、自分を劇的に変えたい時に読む本。死にたい時に読んで元気になる本などテーマ別に33冊を紹介していて、チョイスもなかなかいいですけど、何より三宅さんの思い入れが感じられる熱い紹介文には読んでみたくなるものがありました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
異界から「偽獣」が侵攻してくる近未来。鋼鉄のドレスで戦う女性に頼り切りな現状で、対偽獣人型兵器のテストパイロット一二三蓮が『第三学園』に入学する学園ファンタジー。戦乙女が活躍して男は力不足という状況で、対偽獣人型兵器のテストパイロットとして女生徒だけの『第三学園』に入学した蓮。エースに目をつけられる一方、彼のことを助けてくれる人が現れるものの、手応えをつかみかねている中で実戦投入される展開で、二転三転する状況で何を信じればいいのか分からなくなりながら、乗り越えて仲間として認められていく結末は良かったです。
klti
2024/10/24 03:57

戦闘妖精雪風、サクラ対戦、トップをねらえ! ストパン などのオマージュみたいですね

が「ナイス!」と言っています。
よっち
永きに渡り対立していた帝国と皇庁。災厄と魔女イリーティアという共通の敵を前に手を組むことを決意する第16弾。天帝ユンメルンゲンと女王ミラべアの対話を経て共同戦線を張り、それぞれ精鋭を連れて星の中核を目指すために星の深淵に侵入。奇しくも部下たちと外れた天帝と女王の邂逅と情報共有、帝国側と皇庁側それぞれ襲う禍々しい怨念。それぞれの場所で試行錯誤しながら戦う中で手がかりを得ながら、思惑に導かれるように合流するあたり終盤だなと感じる展開でしたけど、最後に現れた存在がこの展開にどう絡んでくるかも気になるところです。
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よっち
芸能活動にかこつけて、涼太の修学旅行に抜け目なく同行していた晶。そこで2人が知り合った女の子・涼花との繋がりで涼太の実の母・夏子に再会する第7弾。元母と再会したことで、明かされていく涼花との血の繋がり、そして彼女の病状。頼れる建さんも倒れてしまい、兄として自分はどうするべきなのか取るべき選択に悩む涼太に、上田兄妹や月森、西山たちが涼太のために立ち上がって、事実が明らかになっても変わらない家族としての揺るぎない絆が彼を支えて、一緒にいてくれた晶の存在に救われながら向き合っていく結末がなかなか良かったですね。
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よっち
故郷の敬陽を奪還したものの、アダイによって攫われた白玲。張隻影は軍師の瑠璃や皇妹の美雨に支えられて白玲奪還に動き出す第6弾。策を弄する栄の鼠をものともせず、その都を陥落寸前まで追い込んだアダイ率いる玄軍。そこに残された総力を持って売られた喧嘩を買った隻影が殴り込んでの決戦。白玲とアダイの隻影の隣を巡り火花を散らす関係、そして隻影とアダイの前世の因縁に決着をつけるための激突は不可避で、流石に崩壊していた栄はどうしようもなかったですけど、落とし所は意外にも微笑ましい結末になっていて、これはこれで良かったです。
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よっち
統合暦2149年。新生魔王軍の侵攻で滅びゆく人類最後の要塞都市『ワシントン市』から、魔王ベルトールを討伐するために最強の機械人形マトイが過去へと旅立つ第4弾。消息を絶った旧家臣の手掛かりを追うため、凄腕の探偵・茶畑絵美を訪れたベルトール。絵美の右腕として探偵になった魔王が、狂気に満ちた連続殺人犯、かつての配下を名乗る少年、未来から襲来した少女をめぐる事件に巻き込まれていく展開で、未来と結びつかない今のベルトールにだんだん感化されていくマトイもなかなか良かったですけど、その結末はなかなか切なかったですね…。
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よっち
進学した大学こそ違うものの、仙台の提案でルームメイトになった宮城。春になって形を変えて距離感を変えた2人の関係が、より難しいものになってゆく第5弾。前より距離が近づいたはずなのに、5000円という大義名分がなくなったことで触れ合う理由を見失ってしまった2人。大学生活を構築しながら、何とか宮城にアプローチする方法を模索する仙台に対して、彼女の知らない部分が増えていくことが面白くない宮城。趣味も合わない2人の不器用さには苦笑いでしたけど、今回仙台が距離を詰めたことで今後にどう影響してゆくのか続巻が楽しみです。
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よっち
はじまりの街で美少女パーティと仲間になり、二周目の冒険を始めたマイト。王都に巣喰う吸血鬼をめぐる依頼が、かつての仲間をも巻き込み混迷を極めていく第2弾。王都近くの塔に居座る吸血鬼に起きた異変。旧友との再会でかつての仲間の窮地と王都の状況を知って、マイトたちが解決に向かう展開で、リスティやプラチナの背景の掘り下げと同時に、後宮への潜入任務もある中で、覚醒したマイトの新たな能力が破格でしたね。かつてのパーティーメンバーやレベル帯の謎など気になることもありますが、旧知の繋がりも増えてきた今後の展開が楽しみです。
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よっち
ドラマガで連載していた4作品に、書き下ろしでグレンの最後の授業を加えた短編集第11弾。バレンタインを巡るチョコをもらえないモテない男たちの蜂起とその結末。グレンが三人娘+マリアと向かうサキュバス退治の顛末。煽り続けて直接対決を挑まれた怪盗Qに、その無能っぷりを露呈させた魔導探偵ロザリーの強運。隣国への潜入捜査で偽装夫婦役となったグレンとセラの甘いエピソード。そして卒業間近の生徒たちにグレンが課した最終試験。今回もグレンと三人娘のやりとりが楽しかったですけど、イヴのツンデレっぷりもいい感じに効いていました。
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よっち
高校入学を機に一人暮らしを始めた渡良瀬亮駕。そこで隣に住むゲーオタで酒好きなニート森江ルフに懐かれるようになっていくほのぼの日常生活。どう見てもエルフなのに周囲が疑問を抱かないことに首を傾げながらも、おかずのお裾分けをもらったり、ゲームに誘われたり、なぜか女子会にも招待される亮駕。同じアパートに住む天然な同級生水瀬や友人の早崎、ルフのお世話係コンビなど個性的なキャラたちとの賑やかな日々が描かれる中で、ルフの事情も明らかになっていきましたけど、危機的状況を乗り越えた彼らの物語をまた読んでみたいと思いました。
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よっち
勇者と五人の仲間たちにより斃された魔王。王都までの帰り道で、お互いの身の上話をする中で、次々と衝撃の真実が明かされてゆくエンディングファンタジー。王都への凱旋を拒否してパーティから離脱した弓手ジャレッドの悲嘆、立ち寄ったそれぞれの因縁の場所で明らかにされていく、僧侶グレアムの想い、魔術師ラウニの事情、聖騎士レオナの約束、斥候兵ボニータの秘密。一緒に戦った仲間たちを何も知らなかったことを突きつけられて、けれどかけがえのない仲間たちの想いを知ってゆく中、大切なものを取り戻した勇者の結末には救われる思いでした。
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よっち
幼馴染・茜の命と引き換えに世界が救われてから一年。倒したはずの仇敵が再び現れ、茜が後継者に指名した絶望で引きこもる高橋嗣道が兵器スターゲイザーで戦う物語。科学者・山田麒麟に事情を告げられ、スターゲイザーを操るために必要な主人公化力を上げるために、ベタな学園モノのような計画に半ば無理矢理付き合わされる嗣道。茜を死なせてしまった後悔を抱える蛍、茜の隣に並び立てなかった蓮、茜に託された土門と、仲間たちが抱えていた想いも描かれ、時には衝突しながら、それも力に変えて仇敵に立ち向かう熱い展開はなかなか良かったですね。
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よっち
警察が成果を示すため、伊桜里を逮捕しようとしていることを亜樹凪から伝えられた瑠那。伊桜里の住む施設を訪ね、3人で警察からの逃亡を図る第22弾。日登美たち優莉匡太半グレ同盟は総理官邸の機能を乗っ取られて、外部とも連絡が取れず、官邸内で身動きの取れない状況に陥ってしまう矢幡総理を含む閣僚たち。矢幡総理に接触を図る結衣と日登美のタイマン対決、敵アジトを急襲して無力化を図る凛香、日暮里高校で戦う瑠那・伊桜里と各所で抵抗する展開でしたけど、死の危険にさらされて混乱する人々の中で見せた矢幡総理の覚悟が印象的でした…。
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よっち
恩人・不二代さんに心残りを聞かされた大学生の水城朔実。彼女に頼まれて「幻堂設計事務所」通称「まぼろし堂」を訪れ、その複雑な造りの館に魅了されてゆく物語。時空を超えて潜めておきたい、様々な人の歴史が預けられているまぼろし堂。主の幻堂風彦が案内してくれた迷路のように広がる部屋の数々、あかずの間を貸し出すというもう一つの顔。開けっぱなしの密室、訳あり親子の過去、新たな下宿人が探しているもの、行方不明だった風彦の妻、館に眠る人骨の噂の真相など、そこにこめられたそれぞれの想いは優しくてほんのりと切ない物語でしたね。
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よっち
とある事情で心身を壊して、地元の三重県伊勢市の柳道商店街へ帰ってきた青年・健一。商店街の内外からやってくる様々な人たちとの出会いと交流を描く連作短編集。駐車場係員として社会復帰を目指す彼が、板前の夫が半身不随になってしまった寿司屋の老夫婦や、旅行中に男に置き去りにされた女性との意外な繋がり、疲弊するシングルマザーの母娘とのエピソードを、フリーペーパーのコラムにまとめていく構成で、そこから住み込みの三國の過去、健一が身体を壊した事情も掘り下げていく展開でしたが、商店街の温かさがとても心にしみる物語でしたね。
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よっち
30歳も目前で4年間付き合っていた彼から突然別れを切り出された歯科医師の葵。実家に戻り縁あって引き継いだ歯科医院のロッカーが異世界に繋がっている物語。王族も平民もいにしえの「聖人」たちがもたらした文化が原因で起きた「虫歯」が蔓延する状況に苦しむクレスト王国。「聖女」として迎え入れられた葵が、薬剤も機器も限られる中で彼は幼王マヨ三世の虫歯治療を行い、彼の成長を定期的に見守る中で思わぬ動乱に巻き込まれていくその後の展開も意外でしたけど、これからの人生をどう生きていくかを決めた意外なエピソードが目を引きました。
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よっち
もちもちたまご先生のイラストを入れる額縁を作るためににダンジョンへと赴いたカリンが、ミノタウルスに遭遇して仲間に置き去りにされた少女・穂乃花を救う第3弾。穂乃花の境遇や同じ神匠スキル持ちであることを知り、ダンジョン内で彼女のレベルアップに協力するカリン。急速にレベルアップさせた上での爆弾発言で、まさかの警視庁コラボ実現には笑ってしまいましたが、実力派サムライガール配信者・四条光姫の意外な素顔が明らかになる中で、カリンを陥れようとする動きも出てきましたけど、集団ダンジョン講習の窮地を救う存在感は圧巻でした。
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よっち
親友・晃成の妹でひとつ年下の幼馴染・倉本涼香。河合祐真にとっても妹のような存在で、高校生になろうと変わらないと思っていた彼女と一線を超えてしまう青春小説。恋愛感情が分からない涼香と恋愛にトラウマがある祐真。晃成がバイト先の先輩に恋をしているのを知って、興味の赴くままに持ってしまった関係。『本当に好きな人』ができるまでの期限付きの関係に、晃成を慕う涼香の友人・莉子も絡めて描かれる人間模様は、関係を重ねれば重ねるほど2人の距離感を複雑なものにしていって、この関係がこれからどう変わっていくのか続巻が楽しみです。
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よっち
「百生」に嫁いだ紗恵が、先代・香純の計らいで当主の成実と一緒に向かった胚島という離島。そこで島の宿の案内人で、成実の士官学校時代の友人だった鼓に出会う第2弾。恋人と駆け落ちしてきて、宿で宿で不自然な死を遂げた若い娘について鼓に事情を聞こうとする中で、島ぐるみで何かを隠している様子や、≪悪しきもの≫の気配と危険を感じるようになってゆく2人。嵐で島に閉じ込められて一緒に島の因習に向き合ってゆく展開でしたけど、それだけでなく2人の初々しい距離感や、お互いを思いやるような真摯な想いも感じられる関係が良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ちゃくちゃくと結婚に向けて準備を進める沙名子と太陽。業務効率向上のためのデジタル化も始まり、沙名子は経理部代表として業務効率化委員会に参加する第12弾。名字はジャンケンで「森若」になったけれど、それ以外にも世帯主、本籍地、新居、子供など、懸案が山積みの2人。自分もそういう立場になってみると、職場での女性の働き方やキャリアと育児の兼ね合いが気になるのも必然ですよね。彼女が会社や経理部で欠かせない存在でも、どこかで割り切らないといけない部分はありますよね。いろいろありましたけど無事式を挙げられて良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
国際関係論や国際法の中心的アクターであり続ける国家。どのような要素や条件が国家たらしめるのか。様々な国の形を網羅した国家論。そもそも国家や主権、確定した領域とは何か。国家の定義、独立と分離の違い、国家として承認されるとはどういうことか。アメリカやラテンアメリカ諸国、脱植民地化としての独立、あるいはソビエトやユーゴスラビアやチェコスロバキアなどの事例を取り上げる一方で、未だ燻る各地の分離問題や地域紛争も扱っていて、国家たらしめる機構や国際社会の参加など、国としてあるべき姿を様々な形で浮き彫りにしていました。
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よっち
家督を継ぐことに疑問を感じる祓屋の名門「天霧屋」の跡取り三善天馬に、現当主が突如実力で次期当主を決定と宣言。余所者の天才祓師、真琴が名乗り出るオカルト謎解き物語。悪霊を祓う中で命を落とした父を見て、この仕事に疑問を感じていた天馬の窮地を救った真琴の圧倒的な実力。唯我独尊で旧弊にこだわらず悪霊を祓いまくる彼女を見て、門下生も次期当主に立候補する事態に当初は天馬も警戒するものの、彼自身もまた彼女の影響で少しずつ変わっていって、まだまだ謎も多い真琴の目的や背景は気になるところですけど、今後の展開が楽しみですね。
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よっち
望まぬ縁談を断るため文官の登用試験を受けて信簡局で働き始めた翠国の名家の娘・莉恩。一通の私信に思わぬ暗号が込められていることに気づく中華風ファンタジー。初めての文官の仕事に戸惑いながら、私信を検める業務に明け暮れる毎日を送っていた莉恩が解読した国への謀反を示すメッセージ。差出人の元へ向かった莉恩と同僚の文官・劉彗が発見する惨殺された死体。初恋の相手でもある幼馴染の武官・漣濤の協力も得ながら事件解決に挑む展開は、やや様々な要素を詰め込み過ぎた感もありましたが、大切なものを引き継いだ莉恩の覚悟が印象的でした。
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よっち
古民家カフェの崩壊事故に巻き込まれ、一緒にいた盛岡颯一を喪った日羽光。彼を見捨てた医療従事者らしき2人の男を探し始めるサイコサスペンス。なぜ彼らは颯一を見捨てて助けようとしなかったのか。問いたださねば気が済まない光の執拗な捜索により、うち1人の身許を特定して接触を図るものの、突如として何者かに銃殺されてしまった男。そしてもう1人の男・薬師も光の行方を捜していたことが明らかになる展開で、これまで見えていた構図がガラリと変わってゆく中、どちらもだいぶあれな様子が明らかになってゆくその結末はなかなか圧巻でした。
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よっち
最愛の夫を喪い、仕事や終の棲家もなくし、実家の文具店で店番をしつつ一人暮らしをする元編集者の猫沢二胡。訪ねてきた甥っ子の大学生の明澄と不思議なふたり暮らしが始まる物語。シングルマザーの母の結婚をきっかけに家を出るという明澄に対して、とっさに同居を提案して始まった日々。静かだった日々に明澄が加わり、文具店のわけありなお客様たちとの交流もあって、悪天候のたびになぜかやってくる猫に振り回されたりもして、周囲との関わりが増えていくことで、その世界が少しずつ変わっていく何気ない日々の描写がとても素敵な物語でしたね。
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よっち
公正戦闘という概念が一般化した近未来。国際独立市テラ・アマソナスで軍事企業が捕虜を銃殺する事件が起き、取材した迫田が思わぬ事態に巻き込まれる近未来SF。国際独立市テラ・アマソナスの指導者イグナシオはなぜ捕虜を殺したのか。その取材記事の配信を事実確認プラットフォームから拒否されたことをきっかけに、事件の背景を追うようになってゆく迫田。遺伝子操作技術を含めた人体改変や、イグナシオの何とも複雑な生い立ちからの覚悟が明らかになってゆく中で迎えた結末は、これから起こり得る一つの可能性として考えさせられる物語でした。
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よっち
華北を統一した大秦が渭水の戦いで大敗したことで衰退して中原には戦乱が広がる中、イーグィは相次ぐ内乱を鎮めつつ若き代王として即位する下巻。戦地で仮死状態になった翠鱗を蘇らせる方法を探していた一角が、西王母に訪ねた霊獣が生まれてきた意味。一方、国名を魏と改めて冷徹な判断で着々と力を付けていったイーグィ。そんな彼にだんだんと距離を感じるようになって、距離を置くことにしたシーランの決断と、そこからの少しずつ何かが狂っていくような流れの結末には一抹の寂しさを感じましたけど、変わらない関係でいることは難しいですね…。
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よっち
逃亡中の老騎士たちに赤ん坊を託されて、王国と帝国の間に広がる大樹海で弟子として育ててきた黒き魔女ロナ。成長した見習い魔女クレアが人形遣いとして成長する物語。日本の劇団で人形繰りをしていた前世の記憶も活かしながら、魔女として才能の片鱗を見せるクレアが、ロナと訪れた領都でセレーナという少女と出会い、弟子仲間として刺激し合える関係になっていっていく一方で、怪しげな思惑で動き出した帝国の影響で遺跡探索に協力したりと、少しずつ外の世界の関わりも増えてきた彼女がこれからどう成長していくのか、今後の展開が楽しみですね。
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よっち
幻影との戦いを終え、超越した感覚を手に入れた幽鬼。外の世界に目を向ける余裕ができたからか、今度はゲーム外でトラブルが多発する第7弾。時に殺し屋の少女から訪問を受け、住むアパートの隣人が誘拐され、不良グループの抗争に巻き込まれて、住んでいるトチノキ荘の住人たちや、夜間学校の同級生との関係性が浮き彫りになってゆく幽鬼。合間に海戦たお化け屋敷、地雷原といったゲームをこなしつつ、今回はゲーム外の話がメインでリアルな世界での幽鬼の様子が伺えましたけど、かえってゲーム内がいかに過酷な環境なのかを思い知らされました…。
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よっち
ナツキ・スバルの心に癒えない傷を刻み込んだヴォラキア帝国を襲った『大災』との戦いの決着。ついに一行は懐かしのルグニカ王国へと帰還する第39弾。思わぬ結末を迎えた影響を少なからず感じさせながら、復興に向けて動き始めた帝国と、帰国することになったスバルたちとのそれぞれの別れと再会。国へ戻ったスバルたちは、しかし休む暇もなく失意の同郷者の心を慰めるために賢者が消えた塔へと足を踏み入れる展開で、ようやく帝国編の決着がついた直後に、こんな展開が待っているとは思いませんでした。これはどうなるのか続巻が気になりますね。
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よっち
突然店の出入り口が異世界の王都に繋がってしまった東京の居酒屋「げん」。酒と料理が縁を繋ぎ、集まる人々の物語を紡いでいく、異世界グルメファンタジー第2弾。自信の一品を求めてやってくる吟遊詩人、王城を抜け出した国王の叔母、東王国の国王本人まで、様々な人々が訪れる一方で、今回は大学院生だった奈々海の思わぬ宣言からの騒動や、店主の草平が正太郎にお店を譲る決意をしたりと、「げん」側にもいろいろ動きがありましたね。最後にしみじみとひなたと語り合う正太郎の姿が印象的で、2人を中心に切り盛りしていくこれからも楽しみです。
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よっち
ゴブリン退治中、謎めく森人の女剣士に出会ったゴブリンスレイヤー。とある事情からゴブリン退治への同行を申し出てきた青髪の彼女と行動をともにする第4弾。依頼の対価として森人の女剣士からこれまで我流だった剣術の手ほどきを受ける一方、冒険者たちが戻らないという噂を聞いて混沌の気配がある洞窟に向かう2人。彼女のようなソロプレイヤー気質のゴブスレを気にかけてくれる人たちとの出会いがあって、今の彼があるのを改めて感じたエピソードでしたけど、その結末は何ともほろ苦かったですね…後始末含めた向き合い方は彼らしかったですが。
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よっち
限られた時間の多くを費やしレッスンに励むアイドル事務所に所属するデビュー前の青年たち。そんな彼らの野心と葛藤が描かれる連作短編集。リトルと呼ばれる彼らがグループデビューの噂を聞いて、人一倍野心を燃やしたり、ソロデビューを打診されたり、計算し尽くされた振る舞いをしたり、芸能人一家の複雑な環境で育った問題児だったり、ギリギリの崖っぷちのコンプレックスだったりと、それぞれの視点から三者三様の思いが描かれていて、そんな考えることも違う彼らがぶつかりあい、刺激しあいながら出したその結論がなかなか印象的な物語でした。
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よっち
切なくてまぶしく、残酷でもどかしい、思春期の全てが詰まった胸疼く青春×SF連作短編集。病院から飛んできた青い風船に結ばれていた手紙と思ってもみなかった初恋の結末。感覚を周囲に拡散してしまうヒツギと痛みや温度を感じられないイオリの出会い。嫌悪感を向けられるとその場から強制的にテレポートしてしまう中学2年生のナオ。妻を失い心を閉ざして生きる男の前に突然現れた不良少女時代の妻。不自由でままならない思いを抱える主人公たちが、ほろ苦い現実に直面しながらも、それをきっかけにまた一つ成長していく姿が印象的な物語でした。
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よっち
とある家電メーカー総務部勤務の尚成が送る淡々とした日々。おそらく誰も読んだことのないヒトのオス個体に宿る◯◯目線で綴っていく物語。言われたことをこなしている方が安心する尚成が、実家と学校という共同体から離れて総務部に配属されて過ごす淡々とした日常。受け身で周囲の動向にもほとんど興味を示さない彼のスタンスが、尚成のあれの客観的な観察や周囲との対比で描かれてゆく一方、自分がしっくるとくることには執着を見せる姿も浮き彫りになっていって、自分のズレを自覚しつつも無難にやり過ごしていく生き方が印象に残る物語でした。
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よっち
故郷を追われ臣民となったダークエルフのディネルースと心を通わせたオルクセンの王グスタフ。ついに白エルフたちの国エルフィンドに宣戦布告する第3弾。エルフィンド側が宣戦布告の対応で後手に回る中、水雷を使用したエルフィンド艦隊への奇襲。この作品らしい兵站へのこだわりを見せる描写に加えて、橋頭堡確保を命じられたダークエルフのアンファウグリア旅団の奮闘と、冷静ではいられない戦慄の事実。対応がまずいとこうも瓦解するのかという展開でしたが、そんな中で見せたエルフィンド海軍の意地と鉄屑艦隊の奮闘が鮮烈な印象を残しました。
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よっち
学校では多くの子供が学力不振に陥り学ぶ意欲を失ってしまう。なぜ子どもたちはもともと持っている学ぶ力を学校で発揮できないのかを解説した1冊。小学生や中学生が算数や数学の文章題でなぜつまづくのか。意味の不理解が引き継がれて分からなくなっていく構図を解説していて、数と様々なもの関係への理解や分数・少数・整数などとの関係、読解の読む行為の複雑さ、認知処理の負荷が追いつかない、パーツの統合ができないといった問題の本質に踏み込んでいましたが、これをしっかり分かるように言語化して教えることの難しさを改めて痛感しました。
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よっち
もはや日々の生活のインフラと化したインターネットなしに、私たちは生きていくことすらできない。そこにはどのような人類史的な課題や使命があるのかを第一人者が語る1冊。コロナのパンデミックがもたらした急速な変化と、ウクライナ侵攻で顕在化したインターネットと電力の関係性。それを踏まえながらUNIXが果たした意義や、AIやIoTとの関係がどのように構築されてきたのか、通信環境の変化によりどう変わってきたのか、何をきっかけに技術革新が進んだのか。日本の状況や今後の政策課題、海底ケーブルの問題などを興味深く読みました。
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よっち
フェイクニュースとは何か。「知る」ことを哲学的に考察し、「真理を多く、誤りを少なく」知るための方法、そしてその意味を問う1冊。真実性や正直さの欠如など様々な観点が提案されてきたフェイクニュースの何が問題なのか。様々な動機により間違った情報により被害が広まる、知的権威への信頼が損なわれる、意思決定の正統性が失われるといった問題。専門家やマスメディアの信頼は取り戻せるのか、陰謀論に対してどう向き合うべきなのかなど、視界に入る情報が玉石混交と化している情報を吟味することの意味をいろいろ考えさせられる1冊でした。
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よっち
典型的な古い体質の日本企業で、会社をしたたかに生き抜く人になるために必須の最小限の労力で最大限の成果を獲得する75の仕事ノウハウをまとめた1冊。同じ働きでより高い評価を得る見せ方、人間関係を戦略的に構築する方法、評価軸に沿って実力を効率的に発揮する方法。サイレント減点リスクを避ける、立ち回りだけでコストを下げる。会社の裏ルールや自分の特性を理解して、目指すべき理想を具体的に見据えるなど、自分が周囲からどう見えているのか、普段の立ち居振る舞いの積み重ねで印象は作られていくので、そのあたりの配慮は必要ですね。
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よっち
魔術を使えず家族から疎まれ、政略結婚として嫁いだ先でも事実無根の冤罪で離縁された公爵家の次女クレヴァーナ。実家からも勘当されて隣国へ向かう第二の人生の物語。隣国ラスファーの知識の街エピスにある図書館で働き始めたクレヴァーナが、その優秀さを認められていく中で出会った王弟カウディオとの交流。彼女の頑張りが多くの人に認められつつある中、一転かつての悪評に苦しめられる展開で、あえて立ち向かう覚悟を決めて覆していく評価と、彼女の頑張りを支えてくれる人たちもいて、幸せを引き寄せてみせた結末がとても素敵な物語でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
国で唯一、命ある人形「魂人形」を作ることができる黄鈴雨。人が怖くて祖母のくれた猫の仮面がないと人と話せない彼女が、勅命で後宮で働きはじめる中華風ファンタジー。帝からの「不幸続きの後宮の妃たちを守れ」との勅命を受けて、官吏の李長雲に世話を焼かれながら工房で人形作りに勤しむ鈴雨。嫌がらせを受けていたところを徳妃に救われ、そこから少しずつ彼女の世界が広がっていく展開で、明らかにされてゆく後宮の事件の真相は何とも皮肉な構図でしたけど、それでも大切な人たちを守るために奔走する彼女の確かな成長を感じさせてくれました。
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よっち
夏休みの真っ只中に誘拐されそうになっていた少女ルナを救い、数日匿った平凡な高校生の桐山聖斗。夏休み明けに転校してきた彼女と再会するイチャ甘青春ラブコメ。同じ屋根の下で過ごす中で意外と甘えん坊でぐいぐいくるルナに惹かれていく聖斗。始業式に留学生として再会したルナは、実はとある国の王女で、さらには聖斗が婚約者だと爆弾発言する急展開で、外堀からしっかり埋めて周囲にすっかり認めさせたルナのしたたかさに聖斗も困惑気味でしたけど、婚約者になって始まった2人の関係がこれからどうなるのか、今後の展開が気になるところです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ゲーマーの陰キャオタク高校生・影山黎也が、偶然に乗り合わせたバスで同じゲーム好きだと知ったことで、陽キャ美少女・朝日光と仲良くなる青春ラブコメ。人気者でテニス界期待の選手としても活躍する光に気後れしながらも、週末のたびにゲームをするため黎也の部屋へ入り浸る日々を許容していく黎也。それを積み重ねてかけがえのない日々になっていくからこそ、彼女が入り浸る理由が気にならないわけがなくて、知れば知るほど立ち位置の差を思い知らされる彼の声援が、悩める彼女の乗り越えるきっかけになってゆく2人の絆がなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
バルディウムに現れた連続殺人鬼・ウィスパー。ロンズデーが過去に逮捕したはずの男が復讐にやってくる第2弾。エルとロンズデーの2人が《アンロウ》となったきっかけでもある連続殺人鬼ウィスパーの事件。一方、見た者は心神喪失となる怪異・泣き女の噂に、クラレスが連れ込んできた女生徒が口にするかつてシズクが自殺に追い込んでしまったたった一人の親友。人間らしさと一緒に捨てたはずの過去の因縁にそれぞれが向き合ってゆく展開でしたけど、最後で明らかになったアイリスの意外な関係性も、今後の展開に向けて波紋を投げかけそうですね…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
運命の恋だと思った百瀬由衣に告白したものの、ものの見事に玉砕した鷲谷相馬。同じく藤峰幸太郎に振られて美術室で暴れていた鳩羽彩音と出会う青春小説。身なりや自己中心的な性格を顧みて変革する必要性を突きつけられた2人が立てた、お互いの想い人を模倣して運命の相手を略奪する計画。本音ではありのままの自分が認められることを求めているのに、矛盾したことを目指した結果は何ともカオスな関係で、けれど誰もが見た目そのままな性格であるはずもなくて、迷走して遠回りもしましたけどかけがえのない存在を見出すことができて良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
伝えるのは愛か動機か犯人か…。トランスミッター(通信機)を介して「人に伝える」をテーマに描かれた連作短編集。親の借金のカタに買われ、自ら取り立ての仕事を学びのし上がってきた女王の願い。夫が宇宙船の中で知ってしまったモニタの先で起こった妻の殺害。売れっ子脚本家の父に息子が伝える亡き母の七色の手紙、ジュークボックスからの謎のアドバイスによって生き延びるギャング、宇宙人へのメッセージ用の写真を選定する委員会に現れた不思議な日本人。通信手段を介していかに伝えるか、その難しさやもどかしさが伝わってくる短編集でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
女子校の卒業式直前に突如始まったゲーム(特別授業)。誰かと手を繋がないと死ぬ状況に、様々な思惑が渦巻いてクラス内カーストが崩壊してゆくデスゲーム。クラスであったいじめを糾弾する担任教師の手によって始められた、余った生徒は左胸のコサージュの仕掛けにより無惨な死を遂げてゆくデスゲーム。いかにして生き延びるのか、裏切り、嫉妬、憧れといった思惑が絡み合う中で、生徒たちそれぞれが密かに抱いていた純粋な思いも、むき出しになった醜い思いも次々と暴かれていって、直面する死を前にした彼女たちの最期が鮮烈な印象を残しました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
周囲の勘違いから評価は上がり続け、国王陛下から【聖者】の称号を授かったオウガ。右腕に代わる義手を求め、ヒロインたちを連れ独立機械都市エンカートンへ向かう第4弾。この街で随一の工房を訪れ出会った、親子喧嘩の真っ最中だった工房長の娘ユエリィ。彼女の熱い想いと腕を認めて彼女に義手の制作を依頼して試行錯誤する一方、ヒロインたちそれぞれとデートする展開も良かったですけど、一度は心が折れかけていたユエリィが魔龍襲撃で再起するところや、完成した義手を手に入れたオウガの戦いも熱かったですし、フローネとの戦いも楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
今日も働く根暗なぼっち少女・千早ちゃん。不運にも行く先々で現地生物や外部勢力との闘いに巻き込まれる彼女の受難が続く第2弾。平和な依頼を求めて苦心しているのに、その成果から戦闘依頼ばかりが優先表示されるようになってしまった千早ちゃん。その中からアクタノイドの回収やハーブの観測など、比較的安全な仕事を選んでいるはずなのに、抗争に巻き込まれるのは相変わらずで、周囲と連携できず単身突っ込んで多大な戦果を挙げ続けたら、それは警戒されるのも仕方ないですよね(苦笑)専用機とか出来たら果たしてどうなっちゃうんでしょうか。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
同じ島で育った幼馴染、秋と諒と優太。東京・高田馬場で共同生活を始めた、目指す方向は違っても親友な彼らの関係を描いた映画のスピンオフ小説。テレパシーにも似た力で趣味も性格も違う彼らを結び付けていた、島から連れてきた不思議な生物「ふれる」の存在。以心伝心だった3人の関係が、奈南とその幼馴染・樹里と共同生活を始めたことで少しずつ変わっていく展開で、思わぬ形で共同生活が崩壊していく様子には慄きましたが、そんな状況に直面した「ふれる」の暴走も描きつつ、3人の絆を改めて感じさせてくれた結末はこれはこれで良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
美織が《霧島透子》の真実に触れた時、咲太にも突きつけられたもうひとつの真実。最後の思春期症候群を解決するために動き出す第15弾。霧島透子騒動を解決するために麻衣さんに協力を仰ぐ一方で、咲太自身もまた思春期症候群に向き合う覚悟を決めたことで、並行正解の問題を含めた怒涛の解決編になっていきましたけど、それぞれの様子を見ていると本来のあるべき形に戻っていったのかなと感じさせる一方で、いくつかの変わったこと、それでも変わらない揺るぎない思いがあって、咲太の成長と卒業を最後までしっかりと見届けられて良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
やっと想いが通じ合った塔太郎と大はついに初デートへ!一方で想いを深め合う2人に魔の手が忍び寄り、理想京では不穏な動きが垣間見える第9弾。念願だった初めてのデートは大の希望で岡崎に向かうも、思わぬトラブルに巻き込まれてしまう2人。総代和樹の遭遇する事件が描かれたり、琴子と玉木の微妙かつ絶妙な関係が浮き彫りになる今回の展開でしたけど、塔太郎と大の初々しい様子だったり、琴子と玉木の何とも心地よい関係にこれからの進展を期待したくなったりしましたけど、あきらが動き始めた塔太郎への不穏な動きが気になるところですね…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
北海道の港町で行われる水産加工の夏季限定アルバイトに参加する7人の男女。そのアルバイトのリーダー格であった男が遺体となって見つかるノンストップサスペンス。荷物から脅迫状が発見される思わぬ事態に遭遇して、警察に通報しようとする正義感の強い青年・工藤秀吾をなぜか止めた他のメンバーたち。それぞれに人に言えない、後ろ暗い秘密を抱えていて、明かされてゆくそれぞれの過去はなかなか壮絶でしたけど、事情があっても正義は貫かれるべき、自分は間違っていないと信じたい秀吾の葛藤と孤独、その何とも皮肉な結末が印象的な物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
能力がなく役立たず扱いされ、使用人のような暮らしをしていた王女カトリーヌが、ある日突然和平のために魔族の王子に嫁がされてしまうファンタジー。魔族に嫁ぐことを嫌がった義妹の身代わりに嫁いだ先は、異形の生き物が溢れる恐ろしい土地と聞いていたのに、明るい首なし騎士や誠実なフェリクス王子に出迎えられ魔王や王妃も歓迎ムード。へんてこだけれど楽しく温かな日々を過ごすうちに、封印されていた未来視の能力を開花させていく展開で、実家側はどうしようもない感じでしたけど、自分の居場所を得て幸せそうなカトリーヌが良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
前代未聞の皇妃選定延長によりエリザベートと再び争うことになったウェスタレア。皇帝から予算内で半年後までに造花を集めることを告げられる第2弾。最終試験はレイン公爵家の後ろ盾があるエリザベートに明らかに有利な条件。それに疑問を覚えたウェスタレアは、そこに込められた皇帝の真意を考えて、エリザベートの父親で悪の貴族と噂のレイン公爵の所業に目を向けていく展開で、困った人々を放っておけず皇妃を争うライバルすら救う彼女が、私欲を満たすために娘さえも利用する悪の貴族に立ち向かっていく姿とその結末はなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
知古を訪ねる最後の旅でサザキとララの息子が先生をやっているグリア魔術学園に到着した元勇者パーティー一行。人生最後の学園で奇妙な事件に巻き込まれる第2弾。正体を隠してのんびりと授業参観をしながら、自分たちの偉業を授業で聞いて恥ずかしい思いをしたり、魔の者たちとの大戦を終わらせたことでもたらされた、学生たちの青春する姿を見て満足する一行。一方で自分たちは間違っていないと証明したい者による大魔神王の復活を目指す動きがあって、かつての勇者たちが若者たちの日々を守るために立ち上がる熱い展開はなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
幽霊になっても小説を書き続ける長月響と、唯一彼が視える古物商の御蔵坂類。怪異を呼び寄せがちな二人の穏やかで少し不思議な日常がある人物によって狂わされる第2弾。乱心した男が取り憑いた匣の真相、響が見かけた女の生霊の事情、半身だけ見えていた女、回したらおかしなものが現れる砂時計、コンビニ前の五歳児、真冬の幽霊、類の声をした知らない人、あるはずのないサイン本、そして思い出した死ぬ前の話。自分が自分でなくなっていくような、矛盾した想いに囚われて負の想いに引きずられて、それでも消えてくれない業が印象的な物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
衝撃の結末から遡って長束と路近の主従関係や、彼らと武人養成機関である勁草院の教官・清賢と翠寛の過去も描かれる短編集。奈月彦が長束の側近として推薦した翠寛との邂逅、狂暴な路近の監視役として教官となった清賢や、側近候補として勁草院に入った翠寛との関係。前巻からの続きではなく翠寛と路近の因縁について掘り下げてゆく展開で、そこから再び結末に繋げたことを考えると、一見繫がりはなさそうにも思えたエピソードを、あえてここで挿入してきたことにも意味があるんでしょうね。今回はほとんど出てこなかった雪哉の動向も気になります。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
イベリア半島で勢力を伸ばしたイスラム勢力をキリスト教徒側が少しずつ押し戻して駆逐した「レコンキスタ」。その800年に及ぶ聖戦の全貌について語る通史。イスラムが進出する前の古代ヒスパニアの歴史から、西ゴート王国時代、ウマイヤ朝の征服とアンダルス社会の成立、後ウマイヤ朝時代とアストゥリアス王国の成立から始まるレコンキスタ、西欧世界の社会・経済・宗教的な革命による力関係の逆転、両勢力の混乱による一進一退の攻防から征服活動の実態に至るまで、両勢力も決して一枚岩ではなく、思っていた以上に複雑だった事情が伺えました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
「人生100年」と言われる時代。せっかく手に入れた長生きを気分よくすごすために、事前に悩みのありようを知ることを試みる1冊。各ライフステージに潜む悩みを高齢者の側から辿っていく構成で、他人事ではない高齢者のうつとはどういう状態か、身体機能や社会的・経済的な損失、性格の変化といったうつだけではない高齢者の悩み、中高年の心の危機、大人になってからの様々な危機、様々な決断を迫られる困難な青年期、悩ましい思春期に至るまで、自分が未経験の部分は想像することしかできませんが、長生きしたらしたで悩みは尽きないですね…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ラインおじさんと一緒に向かうお母さんの故郷への旅。しかしすぐ寄り道したがるラインおじさんの提案で思わぬ騒動に巻き込まれてゆく第4弾。憧れのレガ山脈にも連れていってもらった先で遭遇した、隣国の内乱から脱出した貴族の姉弟と主従との邂逅。そして温泉街に住むガンツのところに運び込まれた、馬車に轢かれた男の子。森の神様のいたずらもありましたが、衰弱した女の子をいかに救うのか、輸血も含めた外科手術と、ミーシャに対して厳しく真摯な指導をしながらも、何だかんだで姪に甘くフォローしてあげるラインおじさんの姿が印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
故郷アウニール領を滅ぼされた復讐のため、光神王の後宮に入ったハウファ。王を殺せるのは王の子のみと知らされ王の子アライスを産む第2弾。ハウファにより明らかになってゆく過去、同じ日に第一妃にも王子ツェドカが生まれてしまい、アライスとツェドカを育む複雑な心境の結末。そしてイズガータとアーディーンの関係性に似ているアライスとダカールのエピソード。結ばれない身分差の恋にはなかなか辛いものがありますが、物語が核心に迫る中でダカール視点のエピソードは影憑きについて語られていて、これはこれで印象的なものになっていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
アメリカ独立以前から南北戦争、公民権運動を経て現代まで、差別にさらされながらも、境遇改善への努力を積み重ねてきたアメリカ黒人の歴史を辿る1冊。アメリカ大陸の奴隷需要と西アフリカの奴隷捕獲戦争、南部「綿花革命」の推進力と日常的犯行と反乱、南北戦争の勃発、人種隔離と参政権の剥奪、世界大戦期の様々な差別、冷戦期の公民権運動、レーガン保守革命、BLM運動が成立していった過程に至るまで、奴隷解放されたから問題が解決したわけでもなく、長い差別と運動の末に少しずつ前進してはいても問題の根深さを改めて痛感させられました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
労働力が急減し日本が縮みつつある今、難局にどう立ち向かえばよいのか。各地の実態に肉薄し、現状打破に奮闘する人々を描いた朝日新聞連載の書籍化。建築、介護の現場など様々な業界で人手が足りないと悲鳴が上がっていたり、能登半島地震の復旧も現役世代の減少で厳しく、地方でも生活を支えるインフラやサービスの担い手がいなくなり、社会が立ち行かなくなる現実味が増している状況を取材していて、テクノロジーの進化や外国人労働者がカギと言われていますが、2040年には現役世代が今の8割になる状況を支えられるのか考えてしまいました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
兵站とは何か?なぜ主たる敗因になりがちなのか?なぜ繰り返されるのか?兵站を担当した元陸将が過去の戦役を例にわかりやすく説明した1冊。旧約聖書の出エジプト記に始まり、兵站の重要性と内線作戦・外線作戦の違い、戦力は距離が遠くなるほど逓減する基本を押さえながら、大東亜戦争、日露戦争、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争といった各戦争を解説していて、取り上げられている個々のエピソードはなかなか面白くて、事例研究としてもなかなか興味深かったですけど、何より状況から必要なことを見極めてきちんと準備することの重要性ですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
新任判事補と癖が強すぎる裁判官が、市内で起こる特殊詐欺事件に挑む、現代の姿を「司法」であぶりだす社会派リーガルミステリー。念願がかなって志波地方裁判所の刑事部に配属された任官三年目の日向由衣が、被告人の嘘が見抜けるという先輩の紀伊に振り回されながら、裁判所の視点から連続して起こる特殊詐欺事件から派生して様々な事件へと繋がっていく展開で、ベトナム人親子のエピソードにはくるものがありましたけど、一見して無関係の事実を結び付けて、新たな事実をあぶり出していく紀伊の手腕に日向も学び成長していく姿が印象的でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
地域福祉課に異動になった青年・青葉が紹介された大きな屋敷に住む香坂桐子と百合子の老姉妹。町の人から頼りにされる2人の半生を振り返ってゆく物語。現代から二十年ごとに遡っていく構成で、戦争孤児で親戚をたらいまわしにされて、それでも2人で幸せになろうと誓って頑張ってきた姉妹が迫られたある選択。当時の時代背景をそれぞれ踏まえながら、生き抜くためにはこうするしかなかった側面もあったんだな…と感じさせる展開でしたけど、それでも最終的に一緒に夢を叶えて、多くの人を救ってきたことを感じさせるその結末が印象的な物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
日本のバンクシーと耳目を集めるグラフィティライター界の新鋭ブラックロータス。そのあり方が界隈を大きく揺さぶっていく物語。公共物を破壊しないスマートな手法で鮮やかにメッセージを伝えるこの人物の正体、その衝撃の真実に迫るうだつの上がらぬウェブライター。そして20年近くストリートに立っているグラフィティライターTEELに、HEDと名乗る青年が驚愕の宣戦布告を突きつける二部構成になっていて、ブラックロータスが何を目指しているのか、今の時代の変化を踏まえた、したたかで鮮烈なメッセージには唸らされるものがありました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
司波達也襲撃は失敗に終わり、力押しでは難しいと悟ったマフィア・ブラトヴァが、七草家の子女を人質に取り、利用することを目論む第2弾。魔法大学に進学して交友関係を広げるために様々なサークルに参加していたものの、なかなか馴染むことができなかった香澄が、父の勧めで見学に訪れた乗馬クラブでの誘拐劇を秘密裏に阻止した文弥。普通のマフィアが下準備した黒羽姉弟たちに対峙したら相手になるわけもなく、ある意味必然の結末ではありましたけど、今回できた縁が今後に繋がるのか、亜貿社にも面白いキャラが加わって今後の展開が楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
蝕の予言を巡り争ったルウィック同盟を説き伏せ、見事に天文学者アマレット奪還を成し遂げたコルたち。結果としてデュラン選帝侯の威信をかけた計画と衝突する第11弾。難しい状況に追い込まれる中で見出した、侯の権威と命脈を保ち教皇庁の喉元に刃を突きつける新道の開削という一縷の希望。他の選帝侯も加わって要衝の調査に乗り出したコルたちの前に立ちふさがる月を狩る熊の伝承者という構図でしたけど、ここにきて月を狩る熊の真相が明らかになって驚かされましたけど、人ならざるものの力も借りながら活路を開いてみせた結末が印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
悪霊騒動のまっただ中、後宮の井戸の底から宮女の無残な遺体が発見され、自殺として処理されかける状況に螢那は異を唱えて、他殺として捜査に乗り出す第3弾。死体に見えた不審な状況から自殺ではなく殺されたと確信した螢那が独自に調査を開始したことで、結果として予想もつかない大きな陰謀が垣間見えてきて螢那もそれに巻き込まれていく展開で、侑彗が自ら動いたことで逆に窮地に追い込まれる中、螢那の冷静な対応が結果的に侑彗を救いましたね。妃にと望まれる状況もますます外堀が埋まっていく中、想いを自覚してきた螢那の今後が楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
親友ホタルと軍神の側近シキの結婚式で、サクラが初めて見た異国の花シン・タール。花と同じ名を持つ極東の国へ、軍神カイはサクラをお忍び旅行へ連れ出す第3弾。草原を抜け、翼竜に乗り森と海を渡ったその先にあった、拡大する黒い魔獣の被害、魔獣討伐に向けた連合軍編成の兆し。そして世界が激動する最中、忽然と姿を消してしまうカイ。見知らぬ世界を巡る2人の甘い旅路が描かれる一方で、三種の神器誕生の秘密や黒い魔獣と少女の存在、サクラの持つ力などいろいろ気になることも出てきましたけど、軍神の側近シキとホタルの物語も楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
解散寸前だった地下アイドル「東京グレーテル」を躍進させたカリスマ赤羽瑠璃。推される側である光の中のアイドルたちの恋と生を描いた連作短編集。結婚を意識している恋人がアイドルの赤羽瑠璃を熱く推していることに対する複雑な想い、生活時間のすべてを配信のために捧げるVtuber雪里と周囲の人たちの苦悩、地下メンズアイドルに浮気された地下アイドルの復讐、かつてストーキングもして諦められない男が結婚すると知る瑠璃。何とも難しい立ち位置がゆえに、矜持を貫き続けることが簡単ではない彼女たちの生き様が鮮烈な印象を残しました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
高砂澄香が自殺したという電話。彼女の死を確かめるべく二度と戻らないつもりだった故郷に舞い戻った尾上が、かつての澄香と瓜二つの少女と出会う青春ミステリ。彼の青春を彩り心を欺いて、故郷を桜の町に変えてしまった高砂澄香という存在と、再会した澄香の年の離れた妹・霞の存在。一言では言い表せない様々な感情を抱かせる澄香の軌跡を追ううちに、過去の思わぬ真相が明らかになっていく展開で、思い込みからのすれ違いが切なくて、届かない想いを諦められなかったからこそ、不器用な生き方しかできなかった彼らの人生には言葉もなかったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
男性名とは別物だった江戸時代の女性名が、明治期に男女共通の「氏名」となって現代の諸問題を抱えるまで、日本人名文化の歴史的変遷を明らかにする1冊。「お」の付く女性名はどこに消えたのか?近代女性名の「子」とは何か?識字の問題とかな文字、仮名遣い、似て非なる捺印文化から、名付けと幼少期や婚姻時、法名への改名、奉公と通り名、朝廷女官のそれぞれの呼名。男の人名構造と女性名の変遷、苗字や妻の呼び方。近代氏名の時代への移行、「子」の字の流行と変質に見る「お」と「子」の盛衰から氏名の現代史までなかなか興味深く読みました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
外来アリの侵入と繁殖力は日本列島を脅かしつつある。世界を支配するアリの生存戦略を、アリを追いかけて五大陸を踏破した異色のアリ研究者が描き出す1冊。ヒアリやコカミアリ、アルゼンチンアリなどに見る生態系撹乱や農業被害、生活環境被害。ハチやシロアリとの比較から見る社会性昆虫アリの生態。アルゼンチンアリの驚異の生態や世界各国における分布状況、いかにして駆除するかと共存の道に至るまで、アリの成長とカースト文化は興味深かったですが、スーパーコロニーを作って既存種を排除してしまう様子などを読むとなかなかの脅威ですね…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ヨーロッパの宗教改革からフランス革命にいたる時代は、なぜ中世でもなければ近代でもないのか。宗教、経済、帝国、戦争という4つの観点からその実像に迫る1冊。主権国家と複合国家という観点から近世ヨーロッパを捉え直していて、宗教改革、重商主義、君主や会社組織による植民地建設といった構成要素。複合国家としての神聖ローマ帝国や、スペイン、フランス、オーストリアやプロイセンに見る国と地域、オランダとイギリスの複合国家、複合国家の変質と存続など、その枠組みとして見てみるといろいろ見えてくることがあって興味深かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
たった3ヵ月でボディービル大会の上位入賞を果たした人気アイドル大峰颯太。新人記者・松村健太郎は、この疑惑の潜入取材を命じられるミステリ。ドーピングを指摘する声が上がり、炎上するものの大峰は疑惑を完全否定。一方で彼のジムに入会して実際にベテランの助力を得ながら、自身も大峰の大峰のパーソナルトレーニングを受講できるまでに成長し、あの手この手で真相に迫る松村。新事実が発覚するたびに状況も二転三転する中で、潜入取材を続ける松村の仕事に対する姿勢も変わっていって、たどり着いたその結末には彼の確かな成長を感じました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
戦いや様々な対応に対する功績で中隊長へと昇格することになったロア。近づく戦を前に準備を進める彼が、予測不能の事態に巻き込まれていく第2弾。ロアがレイズと対峙することになった模擬戦、新設された中隊が向かった盗討伐と第二騎士団との出会い。ルファが保護された背景とゴスペル王国とのゼッタの大戦。破滅の未来を回避するために着々と手を打って、転機となるポイントで流れを変えるロアの奮闘もあって、少しずつ歴史が変わっているのを感じますが、一方で暗躍する動きも垣間見えてその辺りが今後どう効いてくるのか気になるところです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
徹底的な数値思考により将来の決定要因である7項目を検証し、両極端な主張を一刀両断して、今必要なより現実的・建設的な未来を予測する1冊。近代以降のエネルギー利用の根本的な変化と脱炭素化の現状、食料生産関連で使われるエネルギーと過剰生産、人の手で加工された素材の世界、グローバル化の必然性と挫折、様々なリスク、地球温暖化の不確実性、それらの現実を踏まえてこれからどうなるのか。大幅な技術革新でもなければ現状のままでは改善の兆しはなく、不便不利益を享受するとも思えず、変わるのは容易ではないことを改めて実感しました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
高校時代に探偵の真似事をして以来、気づけば二児の母となり、探偵社では部下を育てる立場になったみどりが、子どもたちをめぐる謎にのめり込んでいく第2弾。時計職人の父を亡くした少年が抱えていた謎、千里眼を持つという少年が足を踏み入れかけていた闇、父を殺す計画をノートに綴る少年の悲しみ、壁に描かれていた落書きの真意、そして息子の異様な執着に対する複雑な想い。真相を暴くことが必ずしも幸せに繋がらないと分かっていても、人の本性を暴くことに執着してしまう業を自覚する彼女が、葛藤しながらも向き合っていく姿が印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
幼少の数年間、海外で暮らしていた過去を持つまどか。その時期に番犬用の仔犬として出会った「虎」への忘れられない想いを描いた物語。防犯のため塀に囲まれた邸宅とインターナショナルスクールを往復して、多国籍のクラスメイトたちや海外の文化に触れ、共に育ち絆を育んでいくまどかと虎。大きく成長して強い野性を垣間見せるようになっていった虎を、日本で飼うことが現実的ではないと頭ではわかっていても、いつまでも忘れられないその執着はこれからも抱えていくしかないんですよね。そんな不器用な彼女のありようがとても印象的な物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
鑑定士として試食したお米は4000以上。全国を渡り歩いた横浜にある老舗米屋の3代目でお米の目利きが教える日本人の主食お米の教養書。なぜコシヒカリは日本一有名なお米になったのか、産地によってコシヒカリの味は違うのか。品種や有機農業による違いだったり、無洗米や精米について、「JA米」は他のお米と何が違うのか、流通の多様化とお米の値段はどうやって決まるのか。圧力IH炊飯器から学ぶ調理の世界や業務用米の違い、驚きの進化を遂げたパックライスの世界など、米にまつわるあれこれをとても分かりやすく解説している一冊ですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
やりたいこともやるべきことも、30秒で読んで30秒で実践できる!すごい8人に取材したやる気のいらないやる気術をルポ漫画形式で紹介した1冊。やる気が出ない続かない、集中できない、先延ばしにする悩みに直面する著者が、精神科医や作業療法士、ブックデザイナー、声優、心療内科医、野球選手など8人に取材して、「30秒で実践できる/考えられる方法」を自ら取材して実践。効果的だった80の方法を紹介していて、読んでみていかに気分を切り替えていかにマインドセットするかなのかなと感じましたけど、自分の方法をどう見出すかですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
継母や義理の姉たちとともに暮らすシンデレラが、怪しい魔法使いに言葉巧みに王城の舞踏会へと誘われて、王子様殺しの容疑者とされてしまうファンタジーミステリ。シンデレラはさっそく王子様の目にとまりダンスを踊ったものの、ガラスの靴を返してもらおうとした彼女が遭遇する、先ほどまで生きていたはずの王子様の死体。自身の無実を証明するためシンデレラが真犯人を探す展開でしたけど、テンポが良いストーリーは読みやすくて、新真実を明らかしてゆくシンデレラが導き出した事件の真相と、思ってもみなかった結末はなかなか面白かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
プレオープン中に起きた銃乱射事件のために、閉園へと追い込まれたテーマパーク。かつての夢の国に招待された廃墟マニアのコンビニ店員・眞上が連続殺人事件に遭遇するミステリ。「イリュジオンランドは、宝を見つけたものに譲る」という廃墟コレクターの資産家・十嶋庵からの伝言。様々な思惑を抱えて宝探しを始めた招待客たちが遭遇する連続殺人事件。遊園地誘致と過去の事件を巡る因縁はなかなか複雑で、積み重ねていった伏線を鮮やかに回収していきながら、意外な展開から事件の真相を見事解き明かしてみせたその結末はなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
長野県の山奥に聳え立つ洋館、九頭龍邸に招かれた天久鷹央。計算機工学の天才、九頭龍零心朗からの最後の依頼が彼女を待ち受けるシリーズ第10弾。事故により植物人間状態になってしまったとされる零心朗、彼の妻で鷹央の元カノでもある燐火との再会。彼の遺産を狙う3人の子供たちと公開された遺言状、託された依頼の意外な真相と起きてしまった殺人事件。アリバイがないのが鷹央だけという追い詰められた状況でも変わらない絆で、見事真相にたどり着いてみせたのは流石でしたけど、今回の事件を引き起こした歪んだ執着が鮮烈な印象を残しました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ゲルマン世界、神聖ローマ帝国、宗教改革、絶対主義、2回の世界大戦…二千数百年の激動の歩みを要点を明確にして通史的に叙述した1冊。ローマ・ゲルマン時代からフランク帝国に至る時代のドイツ史のはじまり、神聖ローマ帝国とヨーロッパの関係、カール4世と中世後期のドイツ、宗教改革時代のドイツ、ナポレオンの台頭とドイツ統一への道、ドイツ帝国の光と影、第一次世界大戦とワイマル共和国、ナチスドイツと第二次世界大戦、分割ドイツから統一ドイツへの流れと、今のドイツがどのように形成されていったのか分かりやすく解説されていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
戦争と背中合わせで、技術革新の中心にあり続けた火薬の歴史。中世を終わらせ世界を変貌させた、その驚きの歴史をたどる。数百年間にわたり火薬の製法は極秘とされ、数々の独創的な兵器が発明された中国。モンゴル帝国の拡張に伴って、アラブ、ヨーロッパへと伝わり、次第に戦争や植民地支配の材料となっていく様子が描かれていて、その中でも戦国時代の日本は鉄砲が広まった特異な地域だったようですね。奇想天外な殺戮兵器から帝国を滅ぼした巨砲といった様々なエピソードや、欧州には統一された重さの基準がなかった裏話まで興味深く読みました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
東西冷戦崩壊からリーマン恐慌、コロナパンデミック、そしてウクライナ・中東の戦争に至るロジックを解説する現代世界史講義。東西ドイツを巡る様々な思惑とヨーロッパ連合、新自由主義とバブル時代、金融資本主義とリーマン恐慌。赤字国債と国家主義の台頭、BRICSの台頭、アメリカ一興主義の危機と、コロナパンデミック、世界史の危機としてのウクライナ・ガザ戦争。日本の失われた30年をドイツと対比して論じていたのは興味深かったですけど、今はアジアやアフリカといった非西欧世界にとってもターニングポイントなのかもしれないですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
SNSで自分を偽り、可愛いインフルエンサーを演じる日々を送る地味な女子高生の紗倉が、クラスの人気者・真野にアカウントを知られてしまう青春小説。アカウントの存在を秘密にする交換条件として、真野のSNSのある活動に協力することになった紗倉。一緒に偽りの酷評をされた店を褒める投稿をしたり、炎上アカウントをフォローする活動を始めた彼女が、逆恨みから心無い中傷に巻き込まれていく展開でしたけど、SNSでの苦い過去を抱えていた真野とともに様々なことを知っていって、乗り越えてリスタートするその姿がなかなか印象的でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
シリアの難民キャンプで謎の感染症が発生。バイオテロが疑われる中、キャンプを訪れていて消息を絶った同僚クイナの行方を追う物語。ビューログに残された「ノマディア」という謎の一語を手がかりに、クルディスタン、イスタンブール、ウィーン、スカンジナビアと痕跡を追うノスリたち外務省直轄の秘密組織「複製課」の面々。帰属する国が無い南半球の人々が、北半球へ移動して『動民』となっている世界で、できることが規定されている自分に果たして何ができるのかを問われる構図でしたが、想いを繋いでいくことに見出す希望が印象的な物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
記憶を失って天国を訪れた小野田。自分は死んだのだと悟った彼は、天国映画館の支配人・秋山に誘われて、一緒に働くことになる物語。生前の記憶を持たず、スタッフとして知人もできていく中で、天国から新たな世界へ旅立つ人の人生を上映するこの映画館で様々な人生を観ていくうちに、少しずつ記憶と心に変化してゆく小野田。ついに届いた自分の人生の映画フィルムは彼自身はもちろん、観客たちの誰もが思いもよらない人生で言葉もなかったですけど、それもまた1人の人生で、過去を乗り越えてどう生きるのか、彼のこれからを応援したくなりました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
子どもの頃から星空に魅了されてきた鮎沢望が、天文部時代からの友人の千塚新、大学の研究者仲間の八代縁と太陽系規模の電波望遠鏡を実現し始める宇宙探査SF。高校の天文部で天体観測に夢中になり、大学では電波天文学を専攻した望が、太陽系規模の電波望遠鏡を実現するための独自の超長基線電波干渉計ネットワークのアイデアを夢想するようになっていく展開で、知的生物とのファーストコンタクトという壮大なロマンに賭ける情熱と、遭遇した他文明と接触を図ることによる影響の是非など、夢と現実がぎゅっと詰まったスケールの大きな物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
クラス1の美少女の親友、陰の薄い薄葉あまりと互いの恋を応援する協力関係となった地味すぎる男子・福助。そんな2人の甘酸っぱい関係を描く第2弾。良い子すぎるあまりの魅力を他の人にも知ってほしい福助が見つけた「浴衣コンテスト」開催。一方、誤解を解きたい気持ちと今の関係を壊したくないと悶々とした日々を送るあまり。親友という意味でも、気になる男の子という意味でも複雑な心情を抱くようになってゆく結愛という構図がなかなか興味深かったですけど、誤解しながらも着々と絆を育む初々しい距離感の2人がなかなか微笑ましかったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
季節は秋口、朝凪海と前原真樹が友達になって一年が経過して、順調にバカップル化が進む状況で、なぜかニーナが海の前で真樹を堂々と花火大会に誘う第7弾。結局いつもの皆で行くことになるものの、夕の様子も少し挙動不審で、先日の夏休みや体育祭での出来事も重なって、浮かび上がってゆくニーナと夕のギクシャクした関係。2年生になって高校卒業後のことも視野に入ってくる状況で、夕の進路や初恋模様が波紋をもたらしていく展開でしたけど、こういうのは理性的に考えてどうにかなるものでもないし、どこかで折り合いつけるしかないんですよね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
『死』を学ぶために現世を旅をする死神公女フリージア。付き人の《人の死期がわかる》異能を持つ黒朗夏目と様々な人間の『死』を看取る連作短編集。異世界の中でも高位な存在であり現世の『死』を知りたいと願った彼女が、特権を活かして目の当たりにする祖母に最後の想い出を残したい青年、預言師の死の宣告、異世界珍味の試食、宿りの花。やたら食うフリージアの描写には苦笑いでしたけど、寿命という概念と無縁で、人間と親しくなったことがないから気付かなかった彼女が、最期に全てを理解した末に辿り着いたその結末がなかなか効いていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
気が付けば大人気エロゲ『そしてセカイはあい色に』に破滅を辿るクズ悪役キャラ錦小路楓として転生してしまい、人生を変えていくエロゲ転生ハーレムラブコメ。ゲームが進めばどんなルートでも待っているのは破滅。遠巻きに見守りながらモブに徹するつもりが、たびたび窮地を救ったり、図書委員として一緒に仕事をしたり、家出したところを救ったりする中、生来のお節介でむしろヒロインたちに慕われるようになってしまう展開で、本来の主人公もどうも本来とは違う動きをしそうな雰囲気ですけど、これから物語がどう動くのか今後の動きに注目ですね。
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よっち
ゲームの際に世界の救済に最も貢献した六大ギルドの会議でアヤノが告げた今の絶望的な状況。元人気声優エルフが、歌って踊って世界を救う第2弾。このままプレイヤーが減り続ければ、グランドキャンペーンに挑む前に詰むという状況で、この世界に娯楽と希望を生み出し、現実世界に戻ろうとするプレイヤーを減らすために選んだ手段は元声優ハイエルフとトップVtuberの夢の共演ライブ。思わぬ死因の1位には言われてみれば確かにそうだよなと納得でしたけど、思い込みの前提を覆して意地悪な女神のミッションを乗り越える展開は面白かったです。
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よっち
イイ感じという感覚がピンとこない高校生吉木涼太。彼とかつてイイ感じの雰囲気になった3人の女子の未練と後悔を救う青春ラブコメ。転校してきて再会した小学生時代の幼馴染・二階堂麗美、気の置けない女友達ギャル柚葉由衣、マイペースな受験塾仲間だった花園優佳。かつて涼太と両想いだった彼女たちが同じクラスに集まったことで、再び動き出すその未練。無人の教室や放課後の街デート、夜の自宅といった場所で彼女たちそれぞれと積み重ねるかけがえのない時間と想いがあって、想いを自覚していった涼太と彼女たちのこれからの物語が楽しみです。
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よっち
全寮制男子校の霧森学院旧寮あすなろ館。始業式前日、今年度から学院に編入したエチカこと鷹宮絵愛が入居して、学院で起きる事件を解決するミステリ。昨年の事件で今は6人のみのあすなろ館。同室の兎川雛太や寮生たちと最初は反発しながら次第にお互いを知る中で起きる、消えた500円玉、寮生を階段から突き落とした犯人、そしてエチカに目をつけていた生徒会長の殺人事件。あすなろ館の中に犯人がいるという状況で、論理的なアプローチで一つ一つ嫌疑を晴らしていく探偵役エチカが、意外な真相を見出してゆく結末がなかなか印象的な物語でした。
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よっち
トラブル続きのクリスマスを乗り越え絆の深まった「月と私」の面々。バレンタインシーズンに突入して大賑わいの店を、語部の元カノを名乗る女性が訪ねてくる第3弾。突然の元カノ出現に動揺を隠せない糖花が偶然知ることになった、夏名子さんの三度目の告白に賭ける想い。「月と私」のチョコレートを食べ尽くす会と秘めた想い、麦たち高校生のそれぞれのバレンタイン、七子と旭を結びつけてくれたケーキ。それぞれのエピソードで葛藤を乗り越えて、大切な想いにきちんと向き合えたそれぞれの結末は良かったですね。エピローグもとても甘かったです。
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よっち
庶民育ちな王女アリシアの温かさに癒されていく孤高の王ウィルフレッド。次代の王後継者を確立するため、ウィルフレッドの甥アーサーに白羽の矢を立てる第2弾。隣国に踊らされた弟を失ったことで、後継者確立の必要に迫られた2人。幼く聡明ながらどこか陰のあるアーサーに、まるで母のように接するアリシアと見守るウィルフレッド。その関係が温かいからこそ苦悩を深めていくアーサーという構図でしたけど、これでいいのかと迷いながらも闇の深いアーサーと懸命に向き合う2人も、自覚に乏しいままお互いに惹かれていく様子も微笑ましかったです。
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よっち
アカリとアオという仲間も増え、活動を活発化させていく配信事務所『陰陽』。そんなある日、とあるダンジョンで妖怪が暴れる事件が起きる第3弾。『アカリの家の古い蔵を開けてみた!』配信をして平安時代に使っていた道具を見つけたり、アオの術式を魔改造したりと、常識はずれの大バズリを繰り返していたソラ。今回出会った妖怪センの正体は何とも可愛らしかったですけど、何でもかんでも取り込んで仲間を増やし賑やかになってゆく『陰陽』は、彼らを上手くプロデュースするサクヤの存在も効いていて、彼女の計画でますます盛り上がりそうですね。
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よっち
【屍要塞アビスシェルダー】討伐を目指すグランバロアの冒険船団の若き女船団長リエラが、海を漂う不審なクマの着ぐるみを拾うスピンオフ。数多の人々を飲み込んだ怪物を討伐するべく、団員たちの反対を振り切って討伐しようとした結果、味方も少数で追っ手もかかり、敵も強大という絶望的な状況でシュウと運命的な出会いを果たした少女リエラ。彼らに絡んでくるミリオタな超級<建造王>ヤマモトのウザさが半端なくて苦笑いでしたけど、クマーは海の上でもなかなか強いんですね。何だかんだで彼らが力を合わせてアビスシェルダーに挑む展開ですか。
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よっち
ギデオンで開催されていた〈トーナメント〉もついにクライマックス。王国最強の決闘王者フィガロの優勝が確実視されていた最終日の舞台で、誰もが想定しない事態が発生する第22弾。王国にいるはずのないとある<超級>と激突するフィガロ。一方、ギデオンの街を散策中に出会い、意気投合したのちに友人となったジーという配信者と、レイと共闘して激闘を繰り広げることになったジュリエット。最終日はイレギュラーなキャラの強引な行動を起因とした思わぬ展開が待っていましたけど、自覚こそ乏しいもののレイもなかなか存在感を増してきましたね。
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よっち
賢神リーナが仕込んだ結界の効果により、遂に大切な人たちとの絆を取り戻すことが出来たリオ。皆と喜びを分かち合う中、彼は美春に憑依したリーナから重要な助言を授けられる第26弾。思ってもみない提案を素直に消化しきれないリオから関係者に語られる勇者の性質。一方、レストラシオンの先行きに苦悩し、リオを何とか自陣営に引き込もうと画策するユグノー公爵の動きに端を発する騒動と結末。久しぶりに楽しそうなリオやヒロインたちの様子が微笑ましかったですが、過去の件もこれで決着ですか。悩める彼女にも救いがあるといいんですけどね…。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/08/23(4105日経過)
記録初日
2013/07/27(4132日経過)
読んだ本
12113冊(1日平均2.93冊)
読んだページ
3527813ページ(1日平均853ページ)
感想・レビュー
12001件(投稿率99.1%)
本棚
70棚
性別
血液型
B型
職業
専門職
現住所
埼玉県
外部サイト
URL/ブログ
https://yocchi.hatenablog.com/
自己紹介

こんにちは。普段は図書館と書籍仕入れに関わるお仕事をしています。仕事のついでに面白そうな本がないか探していて、とりあえず自分が読みたいと思った本さえ読めてさえいれば、わりとまあいいかと思えてしまう行動原理が少し残念な人。

好きなジャンルはボーイミーツガール、青春小説、部活小説、お仕事小説、ミステリ、冒険・中華ファンタジー、歴史・戦記、SFなど。コメディ調より落ち着いた雰囲気の物語志向。意外な展開や難解さがウリのお話も嫌いではないですが、どちらかというとベタで王道な構図が分かりやすい、最後は良かったなと思えるお話が好みです。

基本的には著者買いが多いですが、興味を持ったらテーマやジャンル・作家などにはあまりこだわらず何でも読みます。人に本を薦めるのが趣味の本を読むついでに人生を送る雑食系読書廃人。

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