読書メーター KADOKAWA Group

2023年4月の読書メーターまとめ

よっち
読んだ本
119
読んだページ
37218ページ
感想・レビュー
119
ナイス
5406ナイス

2023年4月に読んだ本
119

2023年4月のお気に入られ登録
5

  • ヴァル西野
  • kei
  • みたま
  • ドリフ読書
  • kaede

2023年4月にナイスが最も多かった感想・レビュー

よっち
癌の闘病を経て死去した大御所ミステリ作家の宮内彰吾。その隠し子だった藤阪燈真が、長男にあたる異母兄から遺作の原稿探しを依頼される青春ミステリ。唯一の家族である母を亡くし、書店に週三回バイトに通う生活を送っていた燈真が、奇妙な成り行きから探す始める一度も会ったことがない父の遺稿探し。妨害もある中、母の友人で文芸編集者・霧子の力も借りながら、業界関係者や父の愛人たちに話を聞く中で明らかにされる父の複雑な人物像。彼は最後に何を書こうとしていたのか。様々なものを積み重ねた先に見出した結末がまた印象的な物語でした。
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2023年4月にナイスが最も多かったつぶやき

よっち

2023年3月の読書メーター 読んだ本の数:123冊 読んだページ数:37200ページ ナイス数:5692ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/385946/summary/monthly/2023/3

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2023年4月の感想・レビュー一覧
119

よっち
ユニークスキル【荷物持ち】を持つ青年リュックが、ある日便利な収納アイテムが手に入ったことで、危険なダンジョン最下層でパーティーから追放されてしまうファンタジー。失意に沈むリュックが偶然出会った巫女少女ミオとダンジョン脱出のため協力する展開で、誰もが役立たずと笑う二人のスキルが掛け合わせることで思わぬ真価を発揮できるようになる展開がポイントでしたかね。その力を使って誰かのために戦えるリュックや、女騎士アリシアやそのメイド・キューン、アリシアの妹クロエといった彼を取り巻くヒロインたちもまた存在感がありました。
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よっち
修学旅行中に飛行機事故に遭い、気がつくと見知らぬ世界にいた高校生アキラ。クラスメイトとさまよい歩き見つけた街で、この世界の仕組みを知るサバイバルファンタジー。吸血鬼の血統に連なるものが人を庇護し守る世界。血を受け入れて吸血鬼となるべきか迷うアキラが出会う、かつて亡くなったはずの少女・阿夜。仮に吸血鬼になってスキルを得ても、窮地に陥った彼女を救うため仲間と共に戦う殺伐とした世界はなかなか容赦がなくて、何度も心が折れそうになりながらも、それでも諦めず戦い抜いた彼らの生きるという強い意思が感じられる物語でした。
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よっち
6歳となってアルトワール学院に入学したニア。そこで魔法映像の仕事仲間兼友人として第三王女ヒルデと貴族令嬢レリアと出会って意気投合する第二弾。魔法映像をさらに普及させるため、王都で撮影と勉学とで忙しい学院生活を送る中で、闇闘技場の噂を耳にしてしまい、嬉々として乗り込む算段を立て始めるニア。魔法映像の普及やリストン家のことは気にかけてはいても、戦いの血が騒ぐともうダメですね(苦笑)出演するたびに残念なことになるお兄さんもなかなか不憫ですけど、彼女に振り回されるリノキスたちはほんと大変だなとしみじみ思いました。
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よっち
人より行動力のある中学生・真田勇輝が、自由のない生活が嫌で家出したお嬢様・天光院純奈と出会い、二人でやりたいことを叶えてゆく庶民とお嬢様の身分差ラブコメ。これまで一人でお出かけすることもなく、自由のない生活が嫌で家出した純奈。彼女と出会って1冊のノートを渡し、やりたいことを一緒に叶えようとアドバイスする勇輝。自転車屋の息子がお嬢様との境遇の違いを乗り越えるべく、交流しながらまずは名門高校入学を目指す展開で、今すべきことに真摯に向き合える主人公は好感ですね。これから二人がどうなるのか楽しみな新シリーズです。
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よっち
幼い頃から知っていて、一回り近く年上の今は一緒に暮らしているお姉さん・白鐘海華と、彼女への気持ちをずっと秘密にしていた高校生・蒼井ナツシの夏を舞台にした青春小説。 事故で亡くなった兄の婚約者で、忘れられない三人の思い出を抱えている二人。だからこそ打ち明けられない想いを抱えるナツと、天涯孤独な彼を成人するまで育てようとする海華が、友人ゴローやその姉・円と一緒に夏の海。かつての約束を果たして告げる想いは、いろいろな複雑すぎる想いが絡み合って簡単にはいかない関係でしたけど、二人を温かく見守りたくなる物語でした。
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よっち
覚えのない隣国の皇帝殺人容疑で辺境に左遷された王国最強の執行人カイル。飛ばされた村の教会でシスターの少女ロゼと運命の出会いを果たすファンタジー。日常魔術も使えないポンコツの落ちこぼれと自嘲する彼女が、密かに持っていた世界を変えうる大きな力。自分を受け入れてくれた恩返しとして、名実ともに「聖女」に仕立て上げることを決意するカイル。魔術を基礎から教え込んだことにより、ロゼもまた大きな野心に巻き込まれてゆく展開でしたけど、苦悩する彼女を救うため危険も顧みず大胆な手段で解決してみせたその結末はとても印象的でした。
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よっち
ひなみの危機を救った事実を伏せたまま、少しずつ仲を深めてゆく涼。しかし他校と合同で行うことになった体育祭の準備中に突然「あの日救ったのは自分だ」と名乗る男・草柳が現れる第二弾。涼にグイグイアプローチする友人・友里に複雑な思いを抱く状況で現れた草柳の存在。流石に心揺れるひなみに対して、恩人の立場で彼女にグイグイ近づく草柳の卑劣な目的を知ってしまう涼。相変わらずドSな古井さんが存在感あって、彼女を守るために負けれらないと奮闘する涼の頑張りも光りましたけど、そんな彼だから認められるし彼女も安心できるんですよね。
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よっち
父親の再婚によって高校生・嵐山新太に突然できた義妹・一ノ瀬涼風。二人の両親は直後に新婚旅行へと旅立ってしまい、いきなりの二人きりの同居生活が始まってしまう青春ラブコメ。転校してきた隣の席のギャルは義妹で、新太が激推しする神絵師でもある涼風。しかし実は絵の才能はあっても、料理、掃除、着替え、メイク、お風呂、一人寝に至るまでびっくりするくらい何もできなくて、ご褒美と釣り合いが取れるか微妙な新太のお世話生活には苦笑いでしたけど、涼風は彼を慕っていて、様々な伏線も垣間見えて、これからいろいろ話が広がりそうですね。
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よっち
大ファンだった清純派アイドル・桃花愛未の熱愛疑惑の相手を演じ、その再起に関わって恋人となった独身会社員・新木吾朗。偶然知り合った美依奈の後輩・村雨華から、核心を突く問いを投げかけられる第二弾。本名・山元美依奈で再起を目指す多忙な彼女とする、空き時間の家デートやドライブは大切な時間で、その意外と嫉妬深くて負けず嫌いな部分も知ってゆく吾朗。後輩たちの複雑な想いや、宮さん・マスターといった人たちの背景も垣間見える展開でしたけど、今の彼女を支えてくれる人がいて、心境が変わった彼女のありようがとても良かったですね。
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よっち
メンヘラに対する苦手意識を乗り越え、琴坂静音と改めて「通い妻契約」を結んだ愛垣晋助。しかし静音の父・愛彦に静音が男の家に通っていることがバレてしまう第二弾。大学の夏休みに晋助たちの帰省についていって、妹・結乃の誕生会やお泊まり会、プールを満喫する静音。妻の死を機に静音に対し病的な執着心を持つ父・愛彦の監視体制や娘への態度にはそこまでやるかと感じる部分もあって、いち大学生ではなかなか厳しいものがありましたけど、無力感に打ちのめされながらも諦めず、静音との関係を取り戻す覚悟を示した晋助がカッコ良かったですね。
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よっち
時は文政5(1822)年。行商月に1回、城下の店から在へ行商に出て、20余りの村の寺や手習所、名主の家を回る本屋の松月平助。そんな彼が行く先々で印象的な物語を紡いでゆく連作短編集。小曾根村の名主・惣兵衛と後添えにもらった孫ほどの年齢の妻に対する想い、杉瀬村の名主・藤助が語る八百比丘尼伝説のような女、医者になろうとした若者が師となる医師の口伝集を盗んだ話。当時はこうだったのだろうなと思わせる様々な描写が随所にあって、本屋として自らがどうあるべきか、良くも悪くも平助の矜持がしっかりと感じられて良かったですね。
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よっち
職業傭兵としてはまだ駆け出しな十七歳の少女ルスト。病床に伏す母の治療費を稼ぐためこの道を選んだ彼女が、特殊技術“精術”を手に新たな人生を掴み取るファンタジー。世間を騒がせたモーデンハイム家令嬢失踪事件。職業傭兵として史上最年少の十七歳で2級傭兵となり、帝国との前線で巡り合わせから哨戒任務の隊長に抜擢されたルスト。一癖も二癖もある力自慢の職業傭兵たちを率いて、時折経験不足こそ垣間見えるものの、大切な決断を間違わない判断力があって、侮られたり心配されてもその矜持と実力を見せつけた彼女のこれからが楽しみですね。
美風慶伍
2023/05/03 09:16

よっちさんへ レビュー、ありがとうございます。第二巻でも、印象的なシーンを準備しております。

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よっち
ひょんなことから仲良くなった金髪ギャル・鳴海優愛に声をかけられるようになった隠れオタクの小田倉浩一。意外な特技でギャルの趣味を理解するオタク君の学園青春ラブコメディ。優愛からオタク君と呼ばれることに喜びを感じ、ネイルアート、ヘアセット、メイクとオタク趣味を生かして次々と優愛の願いを叶えて、一緒に買物にも出かけるようになってゆく展開で、そんな彼を意識するようになってゆく優愛だけでなく、その友人でオタク趣味にも染まりつつあるギャルのリコや、隠れオタク趣味のギャル委員長も絡めた今後の展開に期待のシリーズですね。
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よっち
男子校出身で女子に免疫がない大学2年生の星野。所属している写真部の新入生勧誘で、カメラを首から下げた新入生の花宮まいと出会い、一瞬で心を掴まれる青春小説。写真部に入部して、新歓撮影会などを経て少しずつ星野と仲良くなっていく花宮。一方である理由で高校に行けなくなった彼女の過去があって、付き合うことになったものの、実は男性が苦手な花宮のトラウマを刺激してしまう星野。こういうのはなかなか難しいなと感じながら読んでいましたけど、不器用な二人が相手を尊重しながら少しずつ距離を詰めてゆく初々しい距離感が良かったです。
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よっち
最終決戦で宿敵の兄・架祈斗を倒した結衣と凛香。2人ともに進学が決まり、新しい生活が始まろうとしていた。そんな中、高校入学を控えた凜香が江東区の閑静な住宅街にある神社で同年代の少女・杠葉瑠那と出会う第十三弾。高校生になった凜香の周りに迫る不穏な影。今回から病弱ながらも壮絶な生い立ちから悪を憎む六女・瑠那が登場して、各地で続発する女子高生の失踪事件に巻き込まれてゆく展開で、明らかになってゆく異次元の少子化対策には驚かされましたが、今後は二人がメインになって物語を動かしていく感じになるんですかね。続巻にも期待。
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よっち
女性が世界に君臨するということは、何を意味するのか?巨大な古代エジプト帝国の王座に座った6人の治世。あまり語られてこなかった女王、伝説に彩られた有名な女王も改めて史料を検討し描き出す一冊。初めて女王となったメルネイト、第12王朝最後の君主だったセベクネフェルウ、女性統治者で最長在位だったハトシェプスト、美しき共同統治王として名を残したネフェルトイティ、逆境の時代に野心を持って登りつめたタウセレト、そして最後の女王クレオパトラ。権力基盤は思っていた以上に脆弱だったものの、そのエピソードを興味深く読めました。
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よっち
トラブルで部活を辞めて無気力な日々を送る高校生の航大。一年前の記憶を頼りにある家を探している最中に、美しい庭を手入れする不愛想な大学生・拓海と出会う連作ミステリ。植物への深い造詣と誠実な心で植物にまつわる謎を解き航大を導く拓海。一年前に航大を助けてくれたおばあさん、校舎から次々と消える鉢植え、生育が悪い友人宅の花壇、ツタが絡まる密室にどうやって入ったのか、そして毎年祖父の命日近くに届く差出人不明の押し花の栞。謎と繋がる悩める人間模様にも向き合い、合わせて解決する穏やかな結末がなかなか印象的で良かったです。
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よっち
ChatGPTを利用したAIライティングツール「Catchy」を使い、国内外20人の「偉人AI」がどう考えて解決策を提示するのか試みた一冊。聖徳太子、ナポレオン、徳川家康、渋沢栄一、アインシュタイン、孔子、エリザベス一世、始皇帝、ニーチェ、ガンジー、リンカーン、坂本龍馬、北条政子、マルクス、アリストテレス、マザーテレサといった人物が、今起きている100の問題をどう解決するのか。確かに回答は文章的には破綻しておらず、それなりに正論を回答していた印象。ただそれにどれくらい具体的な実効性があるのかは疑問ですね。
よっち
2023/04/27 09:34

漠然とした質問だと一般的な回答しかしようがないとも思うので、やはりそのあたりは使い方次第なのかなとも感じましたけど。

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よっち
「火狩りの王」で活躍した「彼ら」の過去と未来を描いた短編に、本編では語られなかった「旧世界」の物語も収録したシリーズ外伝。家族を亡くした天涯孤独の少年・七朱、深い傷を負った灯子にとって大きな救いとなったほたるの存在。先行きが暗い状況で最も謎めいていた人物を突き動かしていた思いの一端。神族の頂点に達姉妹姫がなぜ生み出され、天に昇ることになったのか。首都に残った火穂や煌四はどう行きているのか。明楽と思わぬ人物の出会いの物語。物語を掘り下げる興味深いエピソードでしたが、もう少し希望があると良かったですね(苦笑)
が「ナイス!」と言っています。
よっち
癌の闘病を経て死去した大御所ミステリ作家の宮内彰吾。その隠し子だった藤阪燈真が、長男にあたる異母兄から遺作の原稿探しを依頼される青春ミステリ。唯一の家族である母を亡くし、書店に週三回バイトに通う生活を送っていた燈真が、奇妙な成り行きから探す始める一度も会ったことがない父の遺稿探し。妨害もある中、母の友人で文芸編集者・霧子の力も借りながら、業界関係者や父の愛人たちに話を聞く中で明らかにされる父の複雑な人物像。彼は最後に何を書こうとしていたのか。様々なものを積み重ねた先に見出した結末がまた印象的な物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
倒産の危機からありあけ石鹸は身売りし、社長からただの社員になっていた赤城。親会社からやってきた経営陣とかつての社員たちの分断と反目に苦悩する中、彼らの前に群青が姿を現す第二弾。赤城を目の敵にする出向組の黒田専務が連れてきた技術顧問として再会を果たした群青。旧体制派が切り崩されたり、閑職に回される中、新しいやり方に会社の希望を見出す群青に対する複雑な想い、思ってもみなかった形でリョウとの再会もあって、ありあけ石鹸の今後を大きく左右するまさに激動の展開でしたけど、紆余曲折の末に訪れた結末は悪くなかったですね。
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よっち
好意を伝えてくれた春香の想いに、振られた幼馴染・千夏の代わりとして春香を選びたくない、真摯に向き合いたいと考えて返事を保留した航平。そうしているうちに何故か千夏が急接近してくる第二弾。航平の真摯な態度に、むしろぐいぐい攻めて好感度を積み重ねてゆく積極的な春香との順調な関係。そこに突然、以前のような関係に戻そうとする幼馴染の千夏と春香の修羅場が勃発する展開で、どこか一枚上手の千夏に航平が振り回されて、春香がぐぬぬ…となる様子は微笑ましかったですけど、彼女の存在が二人の関係にどう影響を及ぼしていくのかですね。
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よっち
じれったい距離感からお互いに手を取り合い、ようやく晴れて恋人同士になった明人とシャーロット。しかし人気者のシャーロットが付き合い始めたと学校では大騒ぎになる第四弾。大切なエマの誕生日をお祝いしたり、甘えてくるシャーロットと甘々な時間を過ごす二人と、様々な思いが渦巻く学校内での評価。彼の中学時代を知る後輩・香坂楓まで現れる中、さりげなく独占欲を垣間見せるシャーロットが可愛かったですけど、球技大会を通じて大切な人の隣に立つために頑張って周囲に認めさせ、過去とも向き合い乗り越えてみせた明人はカッコ良かったです。
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よっち
男子禁制の百合ゲーム世界に、どんなルートでも破滅確定のお邪魔キャラとして転生してしまったヒイロ。大好きな展開を愛でるために努力する彼が、なぜかヒロインたちに好かれてしまう学園バトル&ラブコメ。迫りくる死亡フラグを回避するために頑張ったら、エルフの姫ラピスやポンコツ師匠、嫌われていたはずの妹レイや、しれっと偽婚約者の座に収まったメイドのスノウ、主人公キャラ桜たちになぜか懐かれてしまうヒイロ。空回りする願いとは裏腹に、彼女たちのために奔走する姿がさらなるカオスを引き起こしてゆく展開はなかなか楽しかったですね。
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よっち
人造人間フェシットが人と一緒に暮らす世界。その研究機関が運営する高校に入学させられた志賀見流人が、自らがフェシットとあっけらかんと告白する義理の妹りおと一緒に高校生活を始める近未来小説。両親がフェシットの研究者で、義妹が実は人造人間だったことを知らず、実験のため飛び級してきたことに驚く流人。そんな彼が高校で様々なフェシットのあり方に出会い、家族との関係が上手くいかないと悩む彼女たちに疑似家族計画を提案する展開で、求められる姿とのズレはあってもフェシットたちの家族を大切に思う姿がとても印象的な物語でしたね。
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よっち
何をやっても上手く行かず、優しい同級生・丸谷花火に励まされてもすっかり自信を失いかけていた高校生の小川優希。そんな彼が自分にそっくりな少年・小川昴希に出会い、入れ替わりを提案される青春小説。車からキツネを救う優しさを持つ優希が、肯定され癒されることを思い出した入れ替わりの日々。そんな彼が昴希と花火が約束した夏祭りデートに代わりに行く展開で、翔とレナとの出会いから変わってゆく心境、そして密かに支えてくれる存在にも助けられて自分の大切なものに気づき、向き合うようになってゆく優しい結末はなかなか良かったですね。
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よっち
〈三十の壁〉を乗り越えた幽鬼。四十回目も乗り越え、順風満帆のプレイヤー生活を送っていた彼女が、強豪が集う四十四回目のゲーム〈クラウディビーチ〉に挑む第四弾。どんなルールかもわからないまま、ばらばらに刻まれた遺体を目の当たりにる幽鬼たち。疑心暗鬼になる思いもあって団結もできないまま増えていく犠牲者、複雑に絡み合う因縁の決着。回数を重ねた参加者ばかりになると用心深くなって、ああいう展開になるのかなと思いましたけど、幽鬼たちの対立を煽った挙げ句自分はしれっと生き延びた彼女はちょっと性格悪いなと思いました(苦笑)
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よっち
ハナの真実に心がついていけず、まっすぐに向き合うことができないまま敗れたレイン。その心とは無関係に戦舞台で敗北した2人は『鉄の国』へ運ばれて、過酷な生活が始まる第二弾。ハナと離ればなれにされてしまい、ひとり悩みながらも〈道具〉として歌い、踊るレイン。一方、研修生としてレインと引き離され、笑顔の裏に知らなかった感情が芽生えてゆくハナ。そんな中で二人を意識して心乱されてゆくフレアの存在もポイントだった今回は、救いもなくてなかなかエグい展開でしたけど、あの二人ならこの行き詰まった状況を変えられるんでしょうか…。
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よっち
三年生に進級して同じクラスとなった悠太と沙季。自分たちを受け入れてくれたコミュニティとの関係から、二人にも新たな変化が生まれる第八弾。クラス替えにより同じ教室での配慮した生活が始まり、近づいてきた受験と未だ見えぬ将来設計に惑い、いろいろ近くなったはずなのにむしろ遠い距離感に愕然とする二人。あまり器用でもなく、反動で二人きりの時に甘えてしまう関係性はいかにもな感じでしたけど、そこで変な決断をするのではなく、前向きに再度擦り合わせするあたりがらしいですね(苦笑)尊い関係の二人には頑張って乗り越えて欲しいです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
魔王を打ち倒しながら、無実の罪で迷宮へと追放された聖女アリス。「異世界と繋がる鏡」を発見した彼女が、現代日本でレストランを営む青年・誠と出会う異世界文化配信コメディ。生き物以外は行き来可能な鏡を通して、誠に美味しいご飯をもらったり、現代の娯楽を教えてもらったりと交流を深めていくアリス。彼女が助けてもらったお礼のため、動画配信で収益化を目指す展開で、ハイテンションにドラゴンを退治したり、武器を作ってもらったり、仲間を増やす文字通りバズってゆく異世界配信ではアリスの魅力が光っていましたね。誠との関係にも期待。
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よっち
間違いなく殺されたはずなのに、気がついたら目の前にはリゾートビーチと西洋館。現世で惨殺された6人が記憶をなくした状態で天国屋敷に返り咲き、成仏するために事件の真相を探るミステリ。全員もう死んでいるけれど、真相を知らないがゆえに成仏できない6人は一体何者なのか?そしてどんな理由で誰に殺されてしまったのか。便宜上、ヒゲオ、メイド、コック、ヤクザ、オジョウ、ポーチと名付けられた6人が謎解きに試行錯誤する中で、ヒゲオが展開してゆく推理に先入観をぶち壊されましたが、その結末は思いの外爽やかでなかなか面白かったです。
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よっち
華安の守り神を救い沈静化した流行り病。だがその直前、占師として出席した宴で皇帝・沸儀に気に入られた春蘭は後宮に呼ばれてしまう第三弾。不満げな仲望を見て、神の頃には抱かなかった感情を覚え戸惑う春蘭。怠惰を悔いつつ鍛錬に励む仲望。遂に姿を見せる《真名》を盗んだ仲望の兄・玄楽。そして猩猩緋の存在を背景とした皇帝派と太子派の戦いによる混乱の中での決着。ボリュームのわりに登場人物が多く様々なエピソードが描かれていましたけど、その中でも黎貴妃と楊秀あたりの存在感は大きかったですね。春蘭と仲望の結末も悪くなかったです。
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よっち
ある日、パンダの手作りパスケースが店内に落ちているのを発見した蕗子。密かに想いを寄せるパン職人・川端さんが持っていたものと似ていることに気づき、やきもきし始める第三弾。ハロウィンのランタンに入っていた魔法の種に込められた想い、パスケースから始まった川端さんの恋人疑惑、シャム猫を巡る複雑な想い、川端さんの姪がパン作りに挑戦する理由。笹子と小野寺さんは相変わらずマイペースでしたけど、一方で今回は川端さん絡みでいろいろやきもきさせられた蕗子の片思いが、ここに来てようやく動き出しそうで今後が楽しみになりましたね。
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よっち
小さなサーカステントにキッチンカーで、すてきな芸術とおいしい料理を提供する幻のビストロ「つくし」。弱った人たちの心と体を満たしてくれる、夢のようなひと時を描いた連作短編集。恩人の翁を探している猫のようなギャルソンとシロクマのようなコックが美味しそうな食事と共に迎える、コストの兼ね合いで衝突したジュエリーデザイナー、恋人にプロポーズする勇気を持てない男性、妻がそっけなくなった理由を聞けない夫たち。移動するごとに新たなアートも絡めながらのひと時が、新たな気付きへと繋がってゆくとても優しくて素敵な物語でしたね。
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よっち
週に3回、人工透析治療を受けながら高校に通う、和泉宏哉と水瀬杏梨。しかしある変死事件をきっかけに彼らが通う高校、そして住む街の秘密が暴かれていく特殊設定リーガルミステリ。校則がなく法律が絶対視される学校生活、魔女の影に怯える大人たち、そして血を抜き取られた少女の変死体の真相。一見自由だけれど、監視される街には何があるのか。変死事件をきっかけに謎に切り込んでゆく宏哉が知る過去の因縁と街が抱えてきた業があって、簡単ではなかったとは思いますが、それでも信じることはできなかったのかとは思わずにいられませんでした。
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よっち
県立高校の図書館に勤める学校司書・星川駒子。出入りの書店員・針谷と共に、生徒が巻き込まれる事件を解決する連作学園ミステリ。洞察力に優れた針谷を探偵役に据えて挑む、図書館で蔵書を落とした場所で起きた事件、台無しにされたディスプレイ、せいしょるの意味、部室棟の火事と盗難品と一緒に置かれた本、昔おばあちゃんが読んだ春雨づくしの本探し。今の学校図書室の現状も描きつつ、実在する本に対する想いも絡めて丁寧に描かれたエピソードや、どうすれば生徒のためになるのかを懸命に考える駒子さんの真摯な姿勢がなかなか良かったですね。
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よっち
子どものために毎年いくら貯金すればいい?貯め時はいつ?教育費のメリハリはどうつける?妊娠中から大学を卒業するまで、子育てにかかるお金の疑問に答える一冊。妊娠から出産まで、0歳から3歳まで、3歳から6歳まで、小学1〜3年まで、小学4〜6年まで、中学校、高校、大学と時期別にどれくらいお金がかかるのかをざっくりと解説した一冊で、幅を持たせながらお小遣いはいくら、公立ならだいたいいくら、私立ならだいたいいくらとイメージできるようになっていて、その時々で気をつけるポイントが分かりやすく書いてあるのは良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
王位継承争いの本格化を受け、ユルゲンが擁立する第三王女リリアーナの家庭教師を命じられるエルメス。エルメスの師匠・ローズの血族でもある王女は、家庭教師になる条件として“鬼ごっこ”を持ちかける第五弾。王位継承の有力候補だったアースターを追い落としたことで、複雑な状況に陥っていた王位継承が混迷を極める中、王国北部で発生した反乱に国王の名代として鎮圧へ赴くエルメスたち。リリアーナを盟主とする第三勢力となったエルメスたちが置かれる現状にはなかなか厳しいものがありますけど、ここからの盛り返しに期待したいところですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
明治から令和まで形を変えながら書かれ/読まれてきた少女小説。その歴史を辿るため、100の名作を厳選し、〈併読のススメ〉も加え、総計300作品以上の少女小説を紹介する一冊。吉屋信子『花物語』登場から、戦後の少女小説ブーム、コバルト文庫やX文庫の創刊と隆盛を経て、ライトノベルやライト文芸、ウェブ小説の領域にまで、その時代やレーベルを代表する作品を紹介してゆくスタイルで、生まれる前に刊行されていた最初の1/4は流石に未知の領域でしたが、そういえばこんな作品あったなといろいろ過去の記憶を掘り起こされる1冊でした。
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よっち
謎の清純美少女JKが、その不在を気にかけていた未夜であることに気づいた有月勇。そんな日々のなか、勇はもう一人の朝華にも思いを馳せる第二弾。出会いを重ねるうちにようやく気づいてもらえて嬉しいものの、昔のような距離感で関わろうとする勇相手に少し挙動不審気味の未夜。一方、神奈川県の全寮制女子高で、複雑な過去の事情も絡んで一人過去に思いを馳せる日々を送ってきた朝華。再会からの急展開にはどこか危うさも感じさせましたけど、ここは勇の頑張りに期待したいところですね。四人の関係がどうなるのかも気になるところではあります。
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よっち
前世で好きだったゲーム『ヴァリアブレイド』にしたものの、転生したのが本編開始前に死亡している設定上最強と呼ばれる謎多き戦士ジル・ハーストだったことで試行錯誤が始まる学園ファンタジー。ゲームの世界は知り尽くしているのに「自分がいつ、なぜ死ぬのか」だけわからない。何とか死を回避しようと試みるも、彼が護衛をしていた王女セレインと、運命の出会いを果たしてしまうジル。いきなり一緒に攫われてサルヴァとの激闘があったり、入学した学園でも現段階で絶対的な強さがあるわけでもなく、魅力的なキャラを絡めたこれからの展開に期待。
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よっち
バレンタインが近づいて、誰も彼も浮かれている季節。委員長にプレゼントしたい高砂のチョコ作りを手伝いながら、志乃自身も三代のために手作りチョコを作る第三弾。少し前までぼっちだった三代に、キャラの濃すぎる後輩女子からまさかの告白、函館への修学旅行で委員長や同室男子の恋の相談を受けたり、スキー実習で遭難しかけたり。二人の世界がすっかり出来ていて、何事もお互いさえ一緒にいれば…みたいな三代と志乃のマイペースっぷりが突き抜けていますが、三代に近寄る輩が現れると、男でも容赦しない志乃の重い愛が可愛かったですね(苦笑)
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よっち
演劇部部長・西山の提案で演劇部の面々とスパ施設のプールに行くことになった涼太。水着選びから意見を求められて、兄妹としても演劇部員としても、楽しいけれど大忙しの第五弾。兄に水着姿を見て欲しいと意気込む晶や演劇部員たちに振り回される涼太が、同級生の月森結菜から相談される家庭の事情。結菜の秘密や家族を想う気持ち、その弟・夏樹の複雑な想いを知って、自らの過去を重ね合わせて、何とかしようとするのが涼太らしいですね。内心危惧を抱いて一緒に頑張った晶との絆も深まって良かったですけど、今度は上田兄妹回かな。期待してます。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
はぐれ魔術師から偶然助けた少女スーリヤ。突然父と呼び、甘えてくる彼女の存在をアンヴィエット・スヴァルナーは否定するものの、隠し子発覚のニュースが駆け巡る第四弾。庭園が騒がしくなる中、黒衣がいるにも関わらず無色と融合したはずの彩禍が現れ、大真面目にプロポーズの約束を果たすために不可解な事件を解決しようとする無色。明らかになる彩禍とアンヴィエットの過去の因縁、事情を知った瑠璃は二人が大好き過ぎて、彩禍のためならどんな困難も乗り越える無色の頑張りがありましたが、事態に決着をつけた彩禍の優しさが効いていましたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
電車に惹かれそうになったカラスアゲハを救おうとして、異世界に転移した女子高生・琥珀。三匹の人食い蜘蛛を助け、彼らとともに迷宮を旅するダークファンタジー。異世界で他の人々と一緒に母の人食い蜘蛛に捕らえられ、繭に閉じ込められ食料とされてしまった琥珀。その子供の三匹の人食い蜘蛛たちと、自分の身体を餌としながら出会った冒険者を倒したり、蜘蛛の糸で綺麗な服を作ったり、一緒に食料を探したりする展開で、虫好きを隠さなきゃいけない前世からすると充実した日々だったのかなと…人食い蜘蛛たちと育んでゆく絆が印象的な物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
謎の儀式場に囚われたアレンと天使化したステラ。混迷する状況の中、聖霊教の使徒首座と共に既に死んだはずのアレンの親友・ゼルが現れる第十四弾。二人の救出を計画するものの、政敵や大樹の守護獣達の妨害と、大樹自体の拒絶により一時撤退を余儀なくされる地上の教え子たち。姿を変えて再び姿を現した死んだはずの親友、明らかになってゆく王家の因縁、アレンと友人たちの過去、教え子たちの成長、聖霊教の思惑。今回は閉じ込められたアレンとステラという構図でしたけど、そこで乗り込んでゆくリディヤの存在感がなかなか強かったですね(苦笑)
が「ナイス!」と言っています。
よっち
突如現れたジャティスによって衝撃の結末を迎えたフェジテでの決戦。世界を未曾有の危機に陥れる彼を相手に、全ての因縁に決着をつけるべくメルガリウスの天空城に向かう第二十二弾。壊滅状態の天の智慧研究会、帝国の被害も甚大で、己を阻むものが消えて正義を実現するため、ついに禁忌教典に手を出すジャティス。それに唯一立ち向かえる存在として、いつもの三人娘とともに天空城へと向かう過程で明らかになってゆく知られざる過去の因縁。怒涛の展開はなかなか厳しい状況で、最後にそう来たか…と思いましたけど、乗り越えた先の決着に期待。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
趣味もなく学校でも進路に迷っていた綾。彼女がひし形屋でより子先生に南部菱刺しを教わったことでその世界が一変してゆく、青森の南部菱刺しをテーマに手芸×再生の四篇を描いた連作短編集。綾の世界を変えたより子と南部菱刺しとの出会い、結婚式を控えた結菜とより子の結婚式の思い出、認知症の母の接し方に悩む香織が思いついたアイディア、より子が見守り続けてきた引きこもりの孫・亮平の想い。それぞれの視点で綴られてゆく短編集で、工房で無心で取り組む菱刺しが心の拠り所となっていていて、昔と今も繋いでゆくとても優しい物語でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
偽ゼレンスキーで話題になったディープフェイクについて、原理や社会への影響などを平易に解説し、共存せざるを得ない未来に向けて知っておくべきことを語る一冊。AIの技術を用いて合成された、本物と見分けがつかないほどリアルな人物などの画像、音声、映像やそれらを作る技術に人はどう向き合うべきか。偽音声を用いた詐欺事件が発生するような事例が生まれる一方、アートやエンタメの分野にも大きな変革が生じる可能性があって、今はまだいろいろ判別する方法もありますけど、早晩見分けをつけるのが難しくなってしまうのかもしれないですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ウェディングプランナーとして充実した日々を送っていた藍原ひかる。ある日トラブルだらけの披露宴に手を貸したら、なぜか当事者として炎上に巻き込まれてしまう物語。SNSで知名度がある新婦の投稿で、瞬く間に式当日の杜撰な対応が拡散され、なぜか責任者として名前を挙げられ炎上する藍原。火種を投下し続ける新婦友人、責任をなすりつける担当者や会社の対応もあって、炎上の恐ろしさを見せつけられましたが、こういう時に客観視するのはなかなか難しいですね…。沈静化しても本人にもやもやが残るだけの結末に終わらなかったのが救いでした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
数学界に自分の頭脳を捧げたいと願う高校生・上杉和典が、互い才能を認め合う野球部エース片山の早逝に触れ、彼が命を削っても成し遂げたかった真の目的を探し始める青春小説。自らの死期を知っていたはずの片山が、元ヤンキーの大木文武を野球部に引き入れていたことを偶然知ってその背景を探り始める上杉。際立つ家庭環境の格差も描きながら、飽きっぽい文武に野球を続けさせるべく、仲間の力も借りて手を打ってゆく上杉の手腕や、その後の展開はやや出来すぎな感もありましたけど、試行錯誤の先に彼が見出した真相と決意がなかなか印象的でした。
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よっち
金水木火土いずれかの属性を持ち、胸元に印を宿して生まれる大陸。印を持たずに生まれた金襴国王族・璃璃が、婚約者・翠璋の謀略で家族と国を失い、過酷な運命に立ち向かうファンタジー。愛される日常を過ごす日常から一転、流行り病で亡くなった兄・王太子の死の真相に気づき、従者の蒼仁と出奔する落ちこぼれ姫。向かった彼の出身地・青金地区や協力を得るために訪れた石榴国で、民たちの苦境に真摯に向き合い、経験を積み重ねて認められて成長して、大切なものを取り戻すために立ち上がった彼女が迎えた微笑ましい結末はなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
メディア研究者である3人の著者らがスマホでのYouTube視聴に着目し、20年と21年に行ったウェブ調査をまとめた一冊。まだそれほど長くないYouTubeの歴史とアテンションエコノミーの現在、なぜ今スマホYouTubeアプリが注目されているのか、どのような経路から動画を見ているのか、どんなジャンルを見ているのか、どのようにYouTubeアプリを使っているのか、ハマる人の7つのクラスター心理傾向、TVとの視聴の違い、スマホYouTubeにハマっていくパターン、そこから得られた発見はなかなか興味深かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
赤の王冠によって分断され、身動きが取れずにいた三人の王。イルバスの危機に帰ってきた王女カミラがクーデターの首謀者を突き止めるべく動き出すシリーズ完結編。アルバートは前線で行方不明、ベアトリスは同盟国ニカヤに留め置かれ、サミュエルは危篤状態。そんな中でニカヤで経験を積んでイルバスに帰還したサミュエルの王杖エスメの奔走。ギリギリの状況が続く中での出来事はショックでしたけど、それでも諦めず国民たちとともに毅然と立ち向かい、その苦境を力を合わせて乗り越えた王たちがもたらしたその未来には少しだけ救われる思いでした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
二藍との切なくも確かな邂逅が叶い、再び前に進み始めた綾芽。そんな彼女が、朱野の邦で共に過ごした義妹の真白に偶然再会する第八弾。二藍に逢いたい想いを耐えて女丁として働く綾芽に、落ち着いた振る舞いで身を案じる真白。二藍から密命を負っているはずの彼女が抱える複雑な想い。二藍も手詰まりの状況を打開すべく方法を模索する中、人定めの儀を通して立ち直ろうとする綾芽が気づいた異変からの急展開でしたが、かなり厳しい状況に追い込まれても諦めない彼らが、果たしてこの苦境を打開できるのか。幸せな結末を信じて最終巻期待しています。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
冬休み。クリスマスデートを終えても未だ初キスへあと一歩を踏み出せない二人。そんな状況でこはるの家にクール系従妹の小学生・雪音が襲来する第七弾。夫婦旅行で両親不在になったこはるの年末。家出してきた雪音の事情に颯太も巻き込まれ、なし崩し的に始まるプチ同棲生活。小学生の雪音相手に見栄を張るこはるの様子は微笑ましかったですけど、彼女たちをサポートする颯太が積み重ねてきた信頼感も一つのポイントでしたね。事情を知ったかけがえのない仲間たちも協力してくれて、頑張る彼女の背中を押してくれたその結末はなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
冬が続き人々が絶望を深める世界。神奈川県出海町で育った高校生天城幸久と密かに付き合う同級生・真瀬美波との日々を描く青春小説。高校からこの町へ越してきて別荘に一人住む美波と、雪かきスコップを手に彼女の家へと通い、密かにデートを重ねる日々。希望が見えない中でも、お互いの存在が救いとなってゆく一方で、終わりの見えない冬やそれぞれの置かれた環境が、少しずつ影を落としてゆく二人の関係。想いだけではどうにもならなくて、それでも大切なものを失いたくない二人の決意があって、たどり着いたその結末には確かな希望がありました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
無事、編プロに転職することができた糸。それに安堵する一方で、歪で微妙なバランスで成立していた、恋人ではない二人の関係の今後を模索する第二弾。忙しく充実した日々を送る糸に再会した冬が密かに抱く危惧。そんな思いとは裏腹に、かけがえのない日々を積み重ねてゆく中で大きくなってゆく一方の想い。好みは違っても、相手の想いを尊重して、些細な変化や不安を察してしっかりと寄り添える関係は尊いですね…一緒に選んだり遊んだり、怠惰に過ごす時も共にある二人の距離感が秀逸で、彼らを観察する花屋敷さんがまたいい感じに効いていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
京都市中京区にある「中京こころのびょういん」。心の不調を抱えて病院を訪れた患者に、妙にノリの軽い医者が薬ではなく、本物の猫を処方するハートフルミステリ。パワハラ上司に悩む社員に、居場所がない中年男性、子育てや付き合いに疲れたママや、苦悩する完璧主義者に、ニケ先生と看護師の千歳さんが処方する本物の猫。最後の方で医者が猫を処方している切ない理由も明らかになりましたけど、戸惑いながらも猫を服薬する患者たちが猫と暮らすことで少しずつ変わるエピソード、人にただ寄り添ってくれる猫との触れ合いはなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
埼玉県の人口密集地で毒ガステロが発生。高度科学犯罪対策班・通称「科対班」の大村珠緒が、元数学者の刑事・葵野数則と事件解決に挑む第二弾。なぜ別の場所に倒れていたのかを解決する二つの死因、マリ狩り事件を合間に解決しながら、科対班が追う「土星23事件」の首謀者〈土星人〉からの連続テロを予告する犯行声明。予想されるテロのターゲットは首都圏全域という雲を掴むような捜査でしたけど、葵野の知識を活かした絞り込みから、実行犯たちを追い詰めてゆく展開は良かったですけど、事件の解決という意味では少しもやもやが残りましたかね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
唐の時代をどう捉えるべきか。歴代皇帝の事績を軸に対外戦争、経済、社会制度、宮廷内の権謀術数を通じて、東ユーラシア帝国二九〇年の興亡を描く一冊。南北朝と隋から唐建国に至るまで、貞観の治と太宗の実像、武周革命、開元の治と玄宗の時代、安史の乱から変わる統治体制とそれに抗おうとする試行錯誤、そして黄巣の乱から滅亡に至るまで、それに突厥やチベット・ウイグルなどがどのような形で絡んできたのかも交えながら解説していて、それを踏まえて眺めてみるとなぜ長きに渡って続いたのか、違った側面も見えてきてなかなか興味深かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
尿路結石を患い病院で16歳の誕生日を迎えた高校生・木島道歩。彼が不治の病とたたかう少女・綿野と出会う青春小説。高校に居場所を見いだせずいじめられる木島に、この世界の薄汚い不幸せなことを教えてほしいと願う綿野。別の友達を連れてきてほしいと願う彼女の母、死に瀕した彼女にその様子を動画に撮りたいと言い出す幼馴染、会うのはもう無理と正直に言う屈折したイケメン。誰もが苦悩を抱えていて、身勝手に思えても自分のことで精一杯で、美しいとか献身的には程遠かったものの、その出会いがもたらした確かな変化が印象に残る物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ついダラダラしてしまう時間を無為に過ごすのは、人生をドブに捨てるようなもの。最新心理学をエビデンスにしたダラダラ時間をなくすメソッドを紹介した一冊。限りある残り時間を生き生きしたものに変えていくために、どうしていつでもダラダラしてしまうのか、ダラダラぐせを矯正する方法、ダラダラ習慣を断ち切る心理法則、思うように仕事に集中できない人のためのリセットする方法、ダラダラしない人生を生きるためにどう考えるべきか、そしてハッピーに生きるための心理技法など、挙げられた60の方法はシンプルですぐにできそうなものでした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
建国から西ローマ帝国滅亡まで、軍隊と政治・社会との関わりを多角的に追跡、兵士たちの生涯にも光をあて軍事体制の国家としての新たなローマ史を描いた一冊。市民軍から常備軍へと変わっていったローマ帝国軍の形成、軍団と補助軍で構成された前記ローマ帝国の軍隊、軍制改革と権力闘争で変容するローマ軍、東西に分かれた後期ローマ帝国それぞれの実態とギャップ、ゲルマン民族大移動で始まった西ローマ帝国軍の同盟部族軍化・異民族化とその崩壊、東ローマ帝国はなぜ生き延びたのかなど、周囲とも比較しながらの考察はなかなか興味深かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
後輩の結婚式二次会の店を出たところで新郎新婦を庇い、不運にもトラックに撥ねられたコミュ障ボッチで陰キャのアラサー会社員・真崎幸星。そこから15歳に戻って現代の別世界線を生きるやり直し青春小説。母の再婚でできた新しい家族に、いなかったはずの義妹・莉奈。溺愛したくなる可愛い妹、好きな料理で胃袋を掴んだ義父の隆哉さんや同い年の義兄・優哉といい関係を築けそうな新しい家族の様子は微笑ましくて、いい感じに馴染めそうな二回目の高校生活や、ヒロイン水島さんとの関係は応援したくなりますね。今後の展開が楽しみなシリーズです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
22年2月に始まった一方的な侵攻におけるNATOとロシアの熾烈な抑止合戦、ウクライナの抵抗。「欧州」という視座から、この戦争の本質と世界の転換を解き明かす一冊。欧州の安全保障を専門とする著者が、ウクライナ侵攻前夜の攻防やプーチンの主張するNATO不拡大約束、抑止と同盟の視点から見えるこの戦争の構図、武器や弾薬の供与やエネルギー危機など、欧州という視点からこの戦争を丁寧に考察していて、米国と欧州の関係を含めた各国の様々な思惑や事情が思っていた以上に入り組んでいて、日本も他人事にしてはいけないなと感じました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
中国の南北朝・隋唐・五代から元代まで描かれ続けてきた敦煌石窟の壁画をもとに、その時代の服飾がどのようなものであったのか、どのような変遷を辿ったのかをオールカラーで解説する一冊。五胡十六国時代・南北朝時代の胡服と漢服の融合から、隋代の豪華な服装への移行期、唐代前期の繁栄時代の豪華絢爛な衣冠、唐代後期の百年以上持続した漢代の服飾、そして五代から元に至るまで、当時の貴族の男性・女性、庶民の男性・女性、国王や官吏、軍服の流行や変遷、織物や髪型の流行、化粧や装飾品などを通して、当時の意識が伺えて興味深かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
燦という大国が支配する世界。貧しい土地で育ち、産んだばかりの子を奪われた環璃が運命に抗い、死と隣り合わせの旅を生き抜こうとする物語。「皇后星」に選ばれ、次の燦帝候補である四人の藩王のもとを巡ることになった環璃が、道中で山賊に襲われたところを助けた不思議な力を持った女性チユギ。彼女との出会いから自らの成し遂げるべきことを決意する展開で、力ある者たちが支配する構造を描きながら、その中でいかに自分らしくあれるのか、抗うことができるのか。無力感を突きつけられ、翻弄されながらも貫き通したその姿が印象的な物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
後妻として迎えられた母とともに伯爵家の一員となった元平民のウェルミィ。家でも貴族学校でも同い年の義姉イオーラを虐げ続ける彼女に、魔導卿から夜会の招待状が届く悪役令嬢ファンタジー。後継者の地位も婚約者も奪い取り、最後には冷酷と噂される魔導卿にイオーラを売り飛ばしたウェルミィが夜会で直面する伯爵家への断罪。けれど見る人が見れば全く違う意味を持つ、積み重ねてきたウェルミィの行動が、その意味も構図もガラリと変えていって、その真意を見事解き明かして彼女たちの大切な笑顔を取り戻してみせた結末はなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
自殺を決意してネットで繋がり、車で一緒に山へ向かった見知らぬ四人。しかし森の奥から泣き声がした赤ん坊を保護したことで、誘拐犯に仕立て上げられてしまうノンストップミステリ。赤ん坊の母親を名乗る女性がSNSに投稿した動画から誘拐犯の汚名を着せられ、炎上騒動に巻き込まれる四人。暴走する正義から逃れる中で暴かれてゆくそれぞれの事情。褒められない過去を持つ自己中心的な彼女たちが、罪のない赤ん坊を救うために少しずつ変わってゆく展開で、力を合わせて持ち味を生かして事件の真相に迫ってゆくその結末はなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
202X年。新型コロナウイルスのせいで不利益を被った若者たちの間で急増する自殺。哲学者・陰橋冬の著作を模倣する自殺を駆け出しの作家・雨宮葉が阻止するために動くミステリ。生前の姉と陰橋に交流があったことから、彼女の遺作に悪影響を及ぼさないよう事態の解決に動き出す葉。コロナ禍による不利益に絶望して自殺しようとする者たちとの対決、自殺者が目指していた真の目的を見つけ出そうとする中、時には苦悩しながらも辿り着いた真相があって、そして謎を解き明かしてみせた葉にもたらされる思ってもみなかった結末に救われる思いでした。
モグワイ
2023/05/21 17:31

もしよろしければ、どういったところに救われたのか興味があるのでお聞きしたいです。

が「ナイス!」と言っています。
よっち
法曹の道を目指してロースクールに通う、久我清義と織本美鈴。二人の過去を告発する差出人不明の手紙をきっかけに不穏な出来事が続き、意外な形で事件に巻き込まれてゆくリーガル・サスペンス。清義が相談を持ち掛けたのは、異端の天才ロースクール生・結城馨。思いもしなかった形で起訴された美鈴と、それを弁護することになった清義。人生を諦めたくなかった久我清義と織本美鈴の苦い過去と、明らかになってゆく意外な事件の真相、そして突きつけられる司法界の問題と、それぞれの良心が問われる中で導かれてゆく結末がとても印象的な物語でした。
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よっち
帝に愛されることもないまま、突如謀反を起こした第三皇子・紫釉の命により、託された幼公主・珠玉と共に死んだ汪国の妃・玲秋。そんな彼女が二年も時の戻った状態で目を覚ますやり直し中華風ファンタジー。舞い戻った後宮でどうすれば公主の死を回避できるのか考え始める玲秋が出会ってしまう因縁の相手・紫釉。過去の出会いから実は彼女を気にかけていた紫釉と、どうにか未来を変えようとする展開で、複雑な因縁も絡む中、着実に手を打ってきた紫釉と、ターニングポイントで奔走した玲秋がいたからこそ招き寄せたその結末はなかなか良かったです。
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よっち
密かに強力な魔物クロエと契約を結び、当代随一の退魔師《オランディアの聖女》と呼ばれるエマ。消えた妹を捜し求めて、クロエを従え退魔を続ける少女と魔物の主従契約を描くファンタジー。幼い頃魔物に襲われ、クロエを召喚し生き延びたエマ。彼女を姫さまと呼んで育てながら、世話を焼いてきたクロエとの主従関係。二人で解決する人々を襲う黒い魔獣、死を呼ぶ葬送のワルツ、母の腹に宿ったまま生まれない赤子。明らかになる探し続けた妹の真実、二人の因縁があって、歪でかけがえのない二人だけの絆を育んできたその関係が印象的な物語でしたね。
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よっち
噂が学校中に広まったせいで本当は恋人の演技をしているだけの、理系一位の東福寺珠季と文系一位の広尾流星の演劇部秀才カップル。演じているうちにだんだん本当にお互いのことを意識してゆく青春ラブコメ。文系と理系の対決が顕著な学園で、一位ゆえのプライドが邪魔して今さら嘘だとは言えず、裏で見下し合う一方で実際は互いの本音が気になって仕方ない二人。彼らの偽装カップルっぷりを観察する演劇部の後輩コンビに振り回されたりもしながら、ドキドキを積み重ねて微笑ましい気持ちにさせてくれるツンデレケンカップルのこれからが楽しみです。
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よっち
金髪碧眼で学校一の美少女と噂される幼馴染の神代愛梨といつも一緒にいて、けれど実は未だ付き合っていない高校二年生・風見一颯。周囲からは恋人同士と認識されている素直になれない二人の青春ラブコメ。恋愛感情など一切ないと言う一颯に、会うたびに煽ってくる愛梨。負けず嫌で引くに引けない二人が、ファーストキスから壁ドン、ドッキリ、プール三本勝負などギリギリの戦いを繰り広げる展開で、些細な事で喧嘩して絶交とか言い出しても、密かに抱えていた複雑な感情が垣間見えても、それでもちゃんと共にいてくれる幼馴染の存在は大きいですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
シリーズ十周年を記念して、「ダンまち」本編シリーズの店舗特典ショートストーリーや限定版収録の短編のほか、書き下ろし短編も収録した掌編集第1弾!小さな「神様」と出会ってからの半年間に散らされた、小さな挿話の数々から振り返る、少年の冒険の軌跡。見開き1P程度の短編も多い各巻ごとに時系列に収録されているSSは膨大で、あまり集めに行っていないのでいろいろ興味深く読めました。ベルとヒロインたちとのエピソードが多いのを改めて実感しましたけど、巨大感情が本人も知らないところで育まれていた最後のエピソードが印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
東京大学で2021年度後期に実際に行われたゼミ形式の授業「教育格差入門」の模様をまとめて紹介する一冊。出身家庭の世帯収入が平均的に高いと言われる東大生と、子ども本人が変えることのできない教育格差や機会の平等、教師にできることや他者の困難を想像すること、地元との距離や格差と向き合う進路指導、多文化社会、いじめ、部活などについて考えてゆく内容で、大学に入学して個々の環境の違いに対するカルチャーショックもある一方で、知りえないものを想像することはやはりなかなか難しい中、こういう授業をしているのは興味深いですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
突然幽冥推進課が消滅し、無職になってしまった夕霞。同僚の妖怪たちとも連絡が取れない中、最後に担当した事件の関係者が自殺したというニュースを目にする第七弾。藁にも縋る思いでもう一人の臨時職員・橋姫の元に向かい、幽冥推進課が正式に廃止されたと知る夕霞の困惑。仕方なく転職活動を始める最中に知る、最後の事件のその後。自身の再就職か事件の決着か、葛藤しながらも最強最悪の「死神」と対峙する展開はなかなか心揺さぶられる結末でしたけど、推進課消滅の真相は拍子抜けで(苦笑)、また彼女たちの物語をどこかで読めたらいいですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
余命わずかな妹・雫を気にかける庶民の少女・澪。とあるきっかけから財閥令嬢の紫月と取引をして、彼女の身代わりとなって破滅へと向かう悪役令嬢となることを決意するファンタジー。実はこの世界は乙女ゲーム世界で、引き立て役の悪役令嬢になる代わりに妹を救うことを提示され、養子として財閥御用達の学園に入学する澪。血の滲むような努力で嫌われ者の悪役令嬢を演じるものの、根っこの部分で彼女はどうしようもなく優しくて、それを感じ分かるから周囲も慕ってるんですよね。軌道修正はできるのか、あるいは落とし所は見つかるのか続巻に期待。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
脱普通をもくろむ鈴木さくらが入学した内陸県日本唯一の水産高校ナカスイ。しかしくせ者揃いで大打撃を受けた彼女が一念発起「ご当地おいしい!甲子園」を目指す青春小説。下宿も始めて夢ふくらませていた新しい環境での高校生活。しかしマニアックすぎる授業や同級生、学校は少子化で存続の危機と、入学早々大ピンチを迎えた彼女が、魚ファーストの小百合やアニオタ地元ギャルかさねと「ご当地おいしい!甲子園」優勝を目指す展開で、それぞれが葛藤を抱えながらも時にはぶつかりながら乗り越え、仲間と一緒に戦う熱い展開はなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
辛くもガイウスの勝利で幕を閉じた女王アレクシアの祝福を賭けた馬上槍試合。しかし昏倒したガイウスは生死の境をさまよい、王国を巡る状況も不穏に満ちてゆく下巻。遺恨を残したまま宮廷を去る敗者のレアンドロス。処刑を待つ身でセラフィーナの懐妊を知らされ、予想だにしない行動にでたウィラード。そこからの思ってもみなかった事実が発覚し、絶体絶命の状況にアレクシアとディアナ、そして仲間たちがそれぞれ立ち向かう激動の展開はなかなか熱かったですね。終盤はやや駆け足だった感もありましたけど、迎えたその結末はなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
心が不安定な人間が導かれたように訪れる幽世と現世の境目にある、あやかしたちが営む「夕闇商店街」。唯一の郵便局である「たそがれ夕便局」が思いを残す相手に手紙を届ける第二弾。あるルールを守れば、現在・過去・未来のどこでも、だれにでも手紙を届けることができるたそがれ夕便局の水月。恋人に振られて送る未来の恋人へのメッセージ、長年連れ添った妻への言葉、引っ越してしまった幼馴染へのメッセージ、たった一人の女友達への思い、未来の弟へと送るメッセージ、そして名前をくれた人への思い。とても優しく温かい物語で良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
花娘として一躍時の人となった茉莉花に与えられた首都の商工会の改革。そんな頑張った彼女に珀陽がご褒美として運河建設予定地の視察の仕事を与える第十四弾。立ち聞きしていた翔景を計画に巻き込んだ茉莉花が視察に向かった先で聞く『夜に通ると呪われる』という噂の森。そして骨董品盗難事件、妓楼のねずみ捜し、仮母の追い出し計画といった、視察に直接関係ない人助けをしてゆく中で茉莉花が手繰り寄せた大きな事件と、そこで見出したエグい解決方法。お友達辞めたい宣言の春雪には笑いましたが、茉莉花もいろいろ巻き込まれて大変ですね(苦笑)
が「ナイス!」と言っています。
よっち
大手法律事務所を一年で辞め、母に貰った屋敷に事務所を構えるお坊ちゃん弁護士・鵠沼千秋。しかし仕事もなく働かないなら支援を打ち切ると脅された鵠沼が、悪党の弁護を目指すお仕事コメディ。権力者を守ることを嫌い退所したものの評判が災いして仕事もなく、事務員にまで逃げられた鵠沼が一念発起掲げる「悪い人を助けます」というスポーツ紙への広告。結果として痴漢犯、公職選挙法違反などとんでもない依頼が次々と持ち込まれる中、堅物助手・鳥飼美智子とコンビと組んでさらに迷走しながら、二人で解決してゆく展開はなかなか面白かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
「うちの職場がムリすぎる。」という状況が蔓延しつつある令和の日本をいかに職場を変えてゆくのか。6つの側面から問題点と解決策を提言する一冊。 「組織カルチャー」「能力」「人事制度」「コミュニケーション」「管理間接業務」「社会構造」といったテーマで、それぞれの問題点と解決策を提示してゆく構成で、固定概念や同調圧力、既得権益、思考停止といったものに対してどう動かすきっかけをつくるのか。なかなか容易なことではないですけど、アプローチを工夫しながら、少しずつでも良い方向へと向かう意識を大切にしていこうと思いました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
武器と荷物を手に、モンスター蔓延る危険地帯を駆け抜ける運び屋集団『女王の靴』。愉快で過激な戦う配達人が集う運び屋集団に入社した新人フェイが、先輩と共にさっそく初任務へ向かうハートフルコメディ。面倒見の良い副局長ゼータの下で見習いとして働き始めたフェイがモンスターたちに妙に狙われる理由。サポートしてくれる先輩アキラや、フェイが仲良くしたいのにライバル視する同期のミツイ、オネエ言葉の先輩レヴィたちのエピソード、ゼータやフェイが運び屋を志望した理由など、明らかになってゆく運び屋たちの生き様がとても印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
魔法を有効に使えて、魔法だけに頼らず戦える魔法兵。前世でも傭兵として生き、命を懸けた闘争をこよなく愛する傭兵団《月花》の団長アスラが、新しい兵科を用いた戦いで頭角を現してゆくダークファンタジー。共感する仲間を集めて、偽り、謀り、欺きながら類い稀な魔法の才能と才覚で戦場を巡るアスラ。国同士の戦争で邪魔な英雄殺し、犯罪組織壊滅など、交換条件を持ちかけながら暗躍するアスラの突き抜けっぷりが際立っていましたが、彼女を慕う仲間たちもまたそれぞれキャラが立ってましたね。因縁もいろいろ明らかになってきて続巻に期待です。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
すっかりロイドの家で家政婦が板についてきたクロエ。途中トラブルはあったものの心地よい日々が続く中、とある事件をきっかけに二人はますます距離を縮めてゆく第二弾。ようやくいろいろ慣れて余裕が出てきて、出来た時間をどう使うべきか、ロイドの後押しもあって考え始めるクロエ。騎士ものの恋愛小説にときめく微笑ましい姿だったり、得意な刺繍を頼まれたりする一方で、本屋を営む青年イアンとの出会い、忘れたお弁当を届けに来てのトラブルや終盤の急展開もありましたけど、ロイドが大活躍して絆を深めてみせた二人のこれからが楽しみですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
性格に癖がありすぎる自称天才マンガ家桜小路シエル。従兄で担当編集に任命され、異世界ファンタジーの原稿回収を命じられた保父星レナが、取材できないと書けない彼女のために異世界を訪れる異世界コメディ。潔癖症の引きこもりで超偏食、喋れば饒舌だが人と目は合わせられないシエルと突然異世界に導かれたレナ。奴隷商人を懲らしめたり、エルフと友達になり、さらには魔王城へ行くとまで言い出す展開で、めちゃくちゃ面倒くさいシエルとそれを放っておけないレナがエルフのスモールと意気投合し、魔王まで巻き込まれてゆく展開は面白かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
幼い頃助けてくれた女の子を探し続ける少年・志道計助。ペンギンの着ぐるみをまとった少女・時湖と出会い、悲劇を巻き起こす〈怪物〉の凶行を止めるべくループして試行錯誤する青春ファンタジー。抜け出すには30ページ分しか行動できない制約の中で、夏祭り会場の銃撃事件を止めること。駆け引きと奔走の試行錯誤を繰り返し、次々と浮かび上がる事件の謎、明らかになってゆく用意周到な怪物と数々の困難。時湖が抱える秘密も明らかにしながら、孤軍奮闘でも彼女を犠牲にするのでもなく、持ち札を使い切って乗り越えた結末はなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
お人好しだった社畜が悪徳領主として名高いヴェレット家の長男オウガとして転生し、これを機にやりたい放題の悪役御曹司ライフを謳歌する勘違いやり直しファンタジー。努力して魔法が使えない状況を克服して、追放された正義感の元女騎士団長を手駒に加えて魔法学院に入学し、いじめられている女の子たちを助けて無双するオウガ。本人は悪徳のつもりでも、根がお人好しなので発想が善行なんですよね…しかも王太子の婚約者になっていた幼馴染含めて周囲のヒロインたちがみんな何となくヤバい(苦笑)気軽に読めるこれからが楽しみなシリーズですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
以前付き合っていた幼馴染の水沢美優と三年前に別れてからは疎遠な関係になっていた高校生の羽島広季。ところがある日、その美優が他の元カノと交流していることを知った広季は、思わぬ事態に巻き込まれてゆく元鞘ラブコメ。過去の話で未練もなく良い思い出として前向きに過ごしていた広季が巻き込まれる、SNSで人気者な幼馴染の美優、広季への好意を隠さない後輩・花音、バイト先の先輩・千夏が三人で始めた動画配信。初っ端から際どいそれにマネージャーとして関わることになった広季と三人による物語がこれからどう動くのか続巻が楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
奇妙な三角関係が終わりを告げて、北海道から西荻へと戻ってきた暦美と矢野が過ごす当たり前の何よりも願っていた日常。切なく愛しい三人の関係のその後を描いたアフターストーリー。認識のすれ違いでお互い空回りする暦美と矢野のデート、ブログに書いた文章がバズった暦美の迷走、矢野たちをプールに誘った後輩・霧香の密かな決意、矢野と喧嘩した暦美が参加したトークイベント、そしてそれぞれの受験と卒業。今回はバズった暦美の微笑ましい勘違いっぷりだったり、わりとのんびりしたエピソードメインで、それぞれのその後を読めて良かったです。
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よっち
迷宮都市へと帰還したマシューたちを待ち受けていた、『建国祭』に浮かれる住民たちの姿。疑問を打ち消すような喧騒のなか、密かにヤツらは街の暗部を色濃く、赤黒く染めていく第四弾。突如収まったスタンピード、討ち果たしたとされる太陽神教の伝道師。楽観的なムードの中でなぜか囁かれる姫騎士アルウィンの悪い噂。本当に危機は去ったのか、密かに調査を進める中で明らかになる黒幕と最悪の事態。周囲も上手く使い最悪の一手すら使ってしまうアルウィンの振り切れっぷりが印象的でしたけど、それもまた命綱の存在あってのものなんでしょうね…。
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よっち
アニメのエピソード原案にもなった店舗特典SSやフェア限定SS、電撃文庫MAGAZINEやカクヨムに掲載された短編。未発表短編や書き下ろしも多数収録した戦う合間のささやかなアオハルを詰め込んだ短編集。絶死の戦場で、行き着いた安息の中で、再び舞い戻った戦場で、初めて足を踏み入れた雪の王国で、戦うことのみが日常と定められたシンやレーナたちに訪れる平和なひととき。それぞれの誕生日を巡るエピソードが微笑ましかったですけど、アオハルなやりとりを聞かされて轟沈する将官たちやカオスなオールスター香水バトルには笑いました。
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よっち
不当な理由で職場を解雇されて、腹いせに罪を犯して逮捕された玲斗。送検・起訴を待つ状況を救ってくれた伯母・千舟から不思議なクスノキの番人を任された玲斗と、祈念に訪れる人々が織りなす物語。母の異母姉・千舟と出会ったことによる転機。詳細を知らされぬまま番人として過ごす日々と様々な出会いの中で、徐々に明らかになってゆく不思議なクスノキの秘密もなかなか興味深かったですが、依頼人や千舟とのやり取りの中で人として少しずつ成長していった玲斗が、向き合って導き出したひとつの想いはなかなか印象的でぐっと来るものがありました。
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よっち
アイリーデの秘された真実を知った上でサァリの力になろうと、化生斬りの任務を果たす青年シシュ。しかしそんな折、新しく招いた化生斬りの周りで少しずつ人々の様子が変質し始める第二弾。新しい化生斬りネレイがやってきてから豹変してゆくアイリーデ。その原因を探る中で明らかになるこの大陸に召喚された女神の兄神の存在。そして月白にやってきたシシュの過去を知るミフィルと、力を借りたディスティーラを巡る複雑な因縁。堅物相手に拗らせて暴走するサァリに戸惑いながら、ヤバい相手と戦うなかなかハードな展開は代償も大きかったですね…。
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よっち
民営刑務所で働くことになった河合凪が興味を惹かれた、長期受刑者だが悠々自適に生活しているように見える殺人犯の阿久津。看守と囚人が織りなす人間模様を描いたミステリ。新任女性刑務官が垣間見る様々な受刑囚たち。クールな刑務官・北田が抱える鬱屈、刑務所にいる女医の過去、やむをえず引き受けた弁護士・高塚といった周囲の人々の心理描写もまた印象的で、受刑者にもいろいろいて、悔恨を抱えていたり、後悔はしていなかったり、変わりそうにもなかったり、心境は様々なんですよね。舞台のわりには意外と落ち着いていて興味深い物語でした。
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よっち
昨夜家の近くの小道であった女性の刺殺事件。それが昨夜「相談したいことがある」とのみLINEを送ってきた幼馴染の朝倉玲奈だったことを知った横浜・日吉に住む女子大生・守矢千弦が真相を探ろうと決意するミステリ。玲奈のことに対して気になる反応をする准教授・葛葉、周囲に聞き込みをする千弦を気にかける同級生・相模、そして明らかになってゆく玲奈が抱えていた事情。どうして玲奈は殺されたのか、やや気負いすぎとも思える千弦の調査が辿り着いた、登場人物たちの印象や見えていた構図をガラリと変えていく真相にはやられたと思いました。
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よっち
スカイツリー近くの葬儀場・坂東会館で働き始めて一年。人より気に敏感な体質を持つ清水美空が、訳あり葬儀を好んで引き受ける漆原のもと故人と遺族が最良の形でお別れできるよう奮闘する第二弾。偶然再会した友人・夏海に美空が相談される、兄が行方不明になり五年以上も時間が止まったままの家族。そして交通事故に遭った高校生、自殺した高齢女性、妻と幼い息子二人を遺し病死した男性、電車に飛び込んだ社会人一年目の女性など、悔いを遺して旅立つ人、様々な思いを抱えて見送る人たちのお別れに寄り添う優しい展開は心に響くものがありました。
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よっち
札幌にある『本のない、絵本屋クッタラ』。店主・広田奏と共同経営の八木が切り盛りするカフェで、季節のスープと奏のセレクトする絵本が訪れた人々の心を癒やしてゆく連作短編集。最初は絵本屋と思っていたのに、スープセットとコーヒーのみのカフェと知って戸惑う訪問客たち。彼らが抱える育児での迷いや、仕事に忙殺されていたり、今の立ち位置に迷っているといった苦悩に耳を傾けた奏、そして彼がセレクトした絵本を受け取るためにもう一度店を訪れる展開で、時に温かく、意外な一面を見せれくれる本に込められた優しさが心に響く物語でしたね。
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よっち
北米最高峰デナリの冬季単独行に挑み、下山途中に消息を絶ってしまった親友リタ。彼女が登頂した証を求めるべく、写真家の藤谷緑里とシーラがデナリに挑む山岳小説。自らの故郷サウニケの危機を知らしめるため、登山家として活動していたリタ。行方不明後、彼女の言動を疑い<詐称の女王>と書き立てたマスコミ。その不名誉を晴らすためにデナリに挑む親友二人。ブリザード、霧、荷物の遺失、高度障害といった厳しい状況の連続に、二人の信頼関係も揺らぎかける展開でしたけど、様々な葛藤や危機も乗り越えて辿り着いた結末が印象的な物語でしたね。
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よっち
ロシアのウクライナ侵攻で世界の注目を集めるNATO。その組織構造、成立の歴史、拡大する機能・加盟国、戦略概念の変遷、そして日本との関わりなどを各分野の専門家が解説する一冊。NOTOとはどのような仕組みか、共通予算と軍事費、軍事機構や作戦能力、軍事演習といった基本的なところから、いかにアメリカを巻き込むかを考えたイギリス、トルコや西ドイツの加盟、フランスやスペインの思惑といった冷戦期。冷戦後の状況の変化と加盟を目指す各国の事情、ウクライナ危機への対応と変化など、今に至る事情が分かりやすく解説されていました。
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よっち
佳境を迎えた百花輪の儀。黄金妃・星沙、翡翠妃・玉蘭、そして芙蓉妃・來莉の三人の貴妃が残る状況で、隣国である神凱国の脅威が迫る第五弾。思ってもみなかった戦況の推移により、目まぐるしく変わる後宮内の勢力図。そして皇帝・兎閣が外征した帝都に現れた神凱国軍を蹴散らし、皇帝代理として実権を握る皇弟・相伊。状況を探る中で今回の侵攻の構図を知って、覚悟を決めた貴妃たちが国のため民たちのために手を組んで、状況を動かしてゆく展開は熱かったですね。真相を解き明かした上での納得の決着に、明羽と李鷗の関係もなかなか良かったです。
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よっち
近年日本でも重要性が叫ばれ、国や企業でも取り組みが始まっているリスキリング。新しいことを学び、新しいスキルを身につけ実践するための考え方や実践方法を解説した一冊。リスキリングとリカレント教育との違いも解説しながら、国や企業が主導してAIやDXといった分野のスキルを身に着けて、新しい環境への対応できるような人材育成を目的としていて、もちろん個々人の側でもキャリアデザインや世の中の動向を主体的に考えながら、年齢を重ねても学び続けること、変わる環境へ適応していけるような覚悟や意識改革が今後必要になりそうですね。
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よっち
SF作品に描かれる風景には未来に向けた様々な示唆に富んでいる。書評ブログ「基本読書」の冬木糸一氏が、古典から現代までベスト56冊を選んだSF入門書。メタバース、AI、不死・医療、ジェンダー、地震、感染症、気候変動など、最新のテクノロジーや必ず起きる災害、人間社会の末路に関して様々な可能性をピックアップした作品から読み解く一冊で、古典と呼ばれるような作品でも、そこに描かれる可能性や登場人物たちの心理や行動は、いろいろ参考になりそうです。作品から見える未来の可能性だけでなく、SF小説入門書としても秀逸な一冊。
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よっち
「ふわっとしている」「既視感がある」「ピンとこない」そんな曖昧な状況から脱却するため、解像度が高い人はどう情報を集め、何を思考し、いかに行動しているのかを解説する一冊。解像度を高めるために「深さ」「広さ」「構造」「時間」の4つの視点を挙げて、原因や要因、方法を具体的に掘り下げ、考慮する原因や要因を踏まえてアプローチの多様性を確保し、意味のある形で分けて関係性や相対的な重要性を把握して、経時変化や因果関係、物事のプロセスや流れを捉える。まさに最近気になっていた部分で、何をすべきなのかをだいぶ整理できました。
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よっち
2022年の新学習指導要領によりスタートした「現代社会」に変わる新科目「公共」。この科目でどんなことを学ぶのか、ポイントを分かりやすく解説する一冊。新科目「公共」とはどういうものか、「現代社会」とは何が違うのか、その科目内容変更の背景を解説しつつ、公共的な空間との関わりをどう考えるべきか、自立した主体としてどのように社会の形成に参画するか、持続可能な社会づくりにどのように参画するかを問いかける内容で、テーマごとに現代社会の課題を取り上げつつ、主体的に関わる意識をいかに持つかを意識しているように感じました。
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よっち
一度は神宮を目の前にするも、神族の力により黒い森に戻されてしまった灯子たちが、再び神宮を目指して動き始める第四弾。炉六とともに海を越えて首都に戻り、妹の緋名子を探す煌四。一方、森で〈蜘蛛〉が生み出したという特別な虫を探し、ある神族と出会い危機に陥る灯子と明楽。状況を打開するためにいろいろと動き出す展開は、なかなかややこしくて正直読むのに難儀しました(苦笑)終わってみればこれで良かったのかとも感じましたけど、それぞれの人生がこれからも続くことを感じさせてくれるその結末は、この物語らしいのかなと思いましたね。
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よっち
75年ぶりに発見された太宰治の遺書。本人の筆である可能性が高いことから筆跡鑑定が進められていたが、真贋判定の直前に鑑定人が不審死を遂げる第八弾。仕事部屋で起きたボヤによるい鑑定人の不審死の真相究明に乗り出す李奈。そして彼女が気にかける、行方不明となってしまった同時期に本屋大賞にノミネートされている同業者の柊。今回は太宰治の「グッド・バイ」を取り上げつつ、その自殺未遂を巡る考察もあって、真相はやや唐突な感もありましたが、作家業が軌道に乗り始めたこともあって、李奈のありようもだいぶ変わってきた感がありますね。
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よっち
生まれたばかりの娘・恵と一日中向き合い、仕事の苦しみから酒に逃げる夫に苦悩する千映。安心が欲しいだけなのに、あきらめて生きる癖がついた、明日何が起きるか予測がつかない日常とその過去を描く物語。言葉が通じない小さな子供と一日中向き合うだけでも大変なのに、酒に溺れたびたび何かやらかすようになった夫に振り回される日々も突き刺さりましたが、それ以上にアルコール依存症だった父と家族の歪んだ関係、それでも希望を見出したくなる気持ちが切なくて、上手くいくようになるといいなと思わずにはいられない結末がとても印象的でした。
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よっち
遠山佑希と高井柚実の関係を知った驚きを乗り越え、恋のライバル宣言をした上原麻里花。夏休みのある日、高井の姉・伶奈の誘いで急遽沖縄へ旅行する第三弾。高井と図書館デート、上原と大学のオープンキャンパス訪問、そして三人の書店でのバイトなど、やや後ろめたくも充実した夏休みを送る遠山。バイト先での人間関係の影響もあって、沖縄でそれぞれの気持ちに向き合うことを決める展開で、遠山がどういう決断をするのか期待し過ぎていたかもしれません。これはこれで一つの選択でしたが、最終的にどんな結末を迎えるのかちょっと気になりました。
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よっち
仲のいい友達同士の美少女ギャル葉月葵と平凡な高校一年生・湊寿也。ふとしたきっかけから始まった湊のお願いが少しずつエスカレートしていく青春ラブコメ。同じ高校に通い、ふとしたきっかけから同じマンションに住んでいることがわかり、葉月に苦手な勉強を教えたことから始まった関係。放課後にはお互いの家を行き来して、共に過ごすようになった葉月と湊に起きた変化。あくまで葉月は彼女ではなくお友達で、ちょっと変わった葉月の友人のお嬢様・瀬里奈もお友達として加わって、お友達とは一体…と苦笑いでしたけど、タイトル通りの作品でした。
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よっち
本堂大輝が友人との恋バナで黒髪ロングが好きだと話していたら、大輝の隣の席にいる学校で一番怖いと噂の金髪ヤンキー清水さんが黒く染めてくる青春ラブコメ。その後も友人との恋バナをするたびに、美術の授業で一緒に絵を描いたり、いつもは参加しない調理実習に出席して一緒に料理したり、なぜか二つあるお弁当を分けてくれたり、健気に頑張ってもなかなか気づいてもらえない清水さん。パワフルで妹を溺愛する清水さんの姉・愛と一緒に三人で過ごす休日は楽しかったですけど、不器用な清水さんを素直に褒めて窮地で救う大輝がかっこよかったです。
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よっち
初めての彼女・莉愛の浮気現場を目撃し、証拠写真とともに「別れよう」とメッセージを送ってすべてを終わらせた高校生の旭岡新世。意気消沈のまま誘われて参加した合コンで、学園一の美少女・双葉怜奈にお持ち帰りされる青春ラブコメ。一緒にいた後輩のそらが勧めるままに彼女との連絡を絶って、親友から誘われた合コン。出来レースが露呈して元々乗り気ではなかった合コンで衝撃的なアプローチをする怜奈。ぐいぐい来る彼女と付き合うことになる一方で、元カノや後輩の想いも明らかになっていきましたけど、機を逃さなかった怜奈が流石でしたね…。
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よっち
生徒会の威信を懸けて行われる征嶺学園学園祭。全生徒がアーリャさんの劇的勝利に湧いた初日も終了し、秋嶺祭はいよいよ最終日に突入する中、何者かの策略によって学園祭で騒動が次々と起きる第六弾。恋にコスプレにバンド演奏、最高潮の盛り上がりを迎える最中に勃発する大事件。異世界酒場での一幕、今回も存在感抜群だった有希&綾乃主従、バンドグループの因縁、聖母マーリャさんの包容力、不穏な状況への対処、政近が思いを込めた決着。キャラそれぞれにストーリーがあって、複雑な想いが交錯する濃厚な展開の結末は控えめに言って最高でした。
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よっち
再び恋人同士になって、一つ屋根の下に恋人がいる新しい日常に浮かれる結女と水斗。秘密の関係を噛みしめる一方、家族としてのボーダーを超えられない環境に焦れる第十弾。両親に隠れてイチャつき、友達にもしばらくは内緒。バレンタイン・ホワイトデー・期末試験などがある中で、繊細な心理描写を積み重ねて描かれてゆくカップルたちそれぞれの変化。もう何でも題材にしてしまういさなとか、結女によるいさなと水斗の距離感判定には思わず笑ってしまいましたが、少しずつ意識してゆく中で挿入される両親不在の三日間がほんと良かったですね(苦笑)
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よっち
秋祭りを契機にまた少しその関係を強固にした正市と十色。よりお互い相手のことを意識するようになった二人が、文化祭でカップルグランプリに挑む第四弾。恋人アピールのため思いきり文化祭デートを楽しむことを決めた二人だけでなく、恋人未満な友人たちもペアを組んで参加して様々な思惑も絡むカップルグランプリ。お互い距離を縮めたいという想いと同時に、大切な友人たちにも上手く行って欲しいとも願う展開でしたけど、要所できっかけを作った二人のそれぞれの行動が、いろいろといい感じに流れを作りましたね。変わる二人の関係も楽しみです。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/08/23(3920日経過)
記録初日
2013/07/27(3947日経過)
読んだ本
11317冊(1日平均2.87冊)
読んだページ
3288305ページ(1日平均833ページ)
感想・レビュー
11207件(投稿率99.0%)
本棚
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性別
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外部サイト
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自己紹介

こんにちは。普段は図書館と書籍仕入れに関わるお仕事をしています。仕事のついでに面白そうな本がないか探していて、とりあえず自分が読みたいと思った本さえ読めてさえいれば、わりとまあいいかと思えてしまう行動原理が少し残念な人。

好きなジャンルはボーイミーツガール、青春小説、部活小説、お仕事小説、ミステリ、冒険・中華ファンタジー、歴史・戦記、SFなど。コメディ調より落ち着いた雰囲気の物語志向。意外な展開や難解さがウリのお話も嫌いではないですが、どちらかというとベタで王道な構図が分かりやすい、最後は良かったなと思えるお話が好みです。

基本的には著者買いが多いですが、興味を持ったらテーマやジャンル・作家などにはあまりこだわらず何でも読みます。人に本を薦めるのが趣味の本を読むついでに人生を送る雑食系読書廃人。

娘(11年4月生まれ)の読書記録用アカウント。
http://bookmeter.com/u/562586

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