凄絶。遠田潤子さんの作品はすべて追っているが、この最新作は家族の憎愛というテーマは既存作品と共通しながらも、さらに一皮むけた感がある。イオカステとオイディプスをモチーフにした母と息子の物語かと思いきや、男性には根っこの部分で決して理解できないであろう、母と娘の複雑な感情。母娘三代に渡るそれは、まさに呪いと呼んで差し支えないだろう。

Kindle Unlimitedにて読了。

Kindle Unlimited にて。ビスポーク靴というニッチなジャンルについて、ヨーロッパと日本の数多くの工房を訪れた著者による国や地域ごとの靴の特徴や製法に関する豆知識が散りばめられている。英国やイタリア、フランスの工房辺りは日本の雑誌などでも取り上げられるが、東欧の諸国となると聞いたことのない工房ばかりだった。製法だけでなく木型や出し縫い糸など靴作りに使う材料をどこまで自分で作るか既製品で済ませるか、といったこだわりにも国や地域、工房ごとの違いがあるようで興味深い。

凄絶。遠田潤子さんの作品はすべて追っているが、この最新作は家族の憎愛というテーマは既存作品と共通しながらも、さらに一皮むけた感がある。イオカステとオイディプスをモチーフにした母と息子の物語かと思いきや、男性には根っこの部分で決して理解できないであろう、母と娘の複雑な感情。母娘三代に渡るそれは、まさに呪いと呼んで差し支えないだろう。

Kindle Unlimitedにて。配当狙いの日本株投資の薦め。安定して稼いで配当も出している大型優良株や連続増配銘柄を狙うなど、それほど目新しいことは書いていないけれど、自分もアベノミクス前からこれをコツコツ続けていたら違っていたんだろうな…と後悔しきり。いやもちろん今からでも高配当株投資をはじめるのに遅いということはないのだけど。

今村夏子さんは初読。「むらさきのスカートの女」や「父と私の桜尾通り商店街」はいつか読もうと思っていたが、こちらを先に読むことになるとは。主人公の「私」が病弱だった幼少期に「水」で救われたことがきっかけで新興宗教にハマった両親。主人公も「普通」とは違う家庭環境に何も感じないわけではなかろうが、外から差し伸べられる手を握り返さず終わるのは妙なリアリティがある。

年金5万円での節約生活ってすごいな…持ち家あるとはいえ。個人的にはあまり参考にはならなかったが、こういう前向きに老後を楽しむ姿勢は見習いたい。