■このページをのぞいてくださった方々へ。(2026.01.01更新)
■ひねくれものです。断捨離を継続的にしています。
・みうらじゅん的おかしみ。
・高田純次的適当さ。
・談志的ブレない批評眼 をモットーに。
■はじめに
色々便利だからという気軽な理由で読メを始めました。Amazonとの連携、色々な感想を持った人々と出会ったり、知らない本・「何それ面白そう」と刹那に感じた本にもアクセスできたり……宝探しみたいですね。
なかなか気配りができず、基本的に無言フォロー、ご寛恕ください。
ご不快な方はブロックしていただいて構いません。ご留意ください。
■注目していきたい作家
梨、白井智之、阿津川辰海、佐川恭一、澤村伊智、真梨幸子、筒井康隆、小川哲、宮澤伊織六原小森そしてそれ以外の作家(話題作はあまり読めていません)。
■読み方
とりあえず手元にある本を読んでいます。乱読傾向ですが遅読です(要は読み散らかしているだけです)。ついでに寝かせたり並行して読んだりもします。ホメロス、現代思想、最近の話題作もニッチなマンガやラノベも読みます。
■感想について
なるべく自分の考えを忌憚なく述べます。ただし結局よくわからなかった本に関してはチェックするだけに留めます。
■ネタバレ
配慮しますが基本的にはしますのでご注意ください。
■好きな作品/作家
村上春樹全般(特に『遠い太鼓』等のエッセイ系)
ヘミングウェイ、カフカ、内田百閒(いずれも中・短篇作品のみ)
坂口安吾(特に随筆・評論)
三津田信三
オカルト本全般
メルヴィル「バートルビー」etc...
そしてそれ以外の作品。
薦められた本も読みます。「読まなくてもいいか」と思ったら読みません。「面白そう」と思った本だけチェックします。
■関連事項
美容、園芸鑑賞、音楽(昔の)、映画(昔の)、Vtuberの可能性、思いやり、推し活、SNS考、山野弘樹、横道誠、etc……
そしてそれ以外のもの。
■長文失礼、どうぞよろしく。
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「当たり前じゃないか」と思うかもしれないがこの作品においては当たり前ではない。「人には辻褄を合わせる志向性がある」ということは、「意図した方向へ人の辻褄を合わせるように仕向けられる」ことも意味し、研究を発表した彼は「多分に高い精度で人の辻褄性をコントロールしうるシステム」が出来つつあるようなことも暗に仄めかす(しかもこれ見よがしなデマゴギーや、ナチの高度に計画された仰々しいイメージ戦略のようなかたちではないもので)。
「辻褄あわせ」とは自分が確かに存在していることをどうにかして担保する(identify)ために行われる一種の防衛反応とも言えるが、他方では「思考の拒否」「懐疑の阻止」にも利用されうる。もし「理解不能」なものを「理解不能」なまま受け入れてしまったら、もはや「信奉」とか「帰依」といった危ういものに変貌しかねない。換言すればそれは「洗脳」になるのでは、と茎田は当然案じるがその不安が的中したかのように、のちにその先輩は失踪後、陰謀めいた事故に巻き込まれて昏睡状態に陥り退場する。当の研究が完成を見ることはない。
皮肉にも(?)作者の「とりあえず張っておいた予防線」が意図せずして、「そうなった可能性もあるにはあったが、実はそんなことはなかった」という「辻褄あわせ」になり、散逸・空中分解しかねない迷宮のようなオカルト群を、かろうじて小説たりうるように担保するという結果になったと言えるのだ(これも辻褄だ)。自分で丁寧に据えた卓袱台を自分で引っ繰り返すような諸刃の剣でもあるが、考えてみればそのような合理性こそミステリがミステリたる骨子なわけであり、「なんだか双六で振り出しに戻ったような」円環には愕然とさせられる(辻褄)。
気候変動に伴う自然災害・遺伝子組み換え食品が引き起こす奇病・新型ウイルスの世界的パンデミック・利権が絡む陰謀論。まるで昨今の危機的様相を予見していたかのような内容だとあなたがもし思ったなら、それはあくまでも「辻褄」の産物だ。これは小説であって、ノストラダムスの『諸世紀』ではないのだから。そして、今まで私が長々と講評してきた有象無象のすべてについても。さあ、みんな辻褄をあわせて忘れることにしよう。