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2024年4月の読書メーターまとめ

よっち
読んだ本
143
読んだページ
43711ページ
感想・レビュー
143
ナイス
5329ナイス

2024年4月に読んだ本
143

2024年4月のお気に入られ登録
6

  • Lost
  • ヲタ小僧
  • toshi
  • tiku445
  • わわわわわ
  • 猫愚者

2024年4月にナイスが最も多かった感想・レビュー

よっち
ザハの国立競技場が完成し、寛容論が浸透したもう一つの日本で、71階建ての新しい刑務所「シンパシータワートーキョー」が建てられる物語。苦い過去の経験から犯罪者に寛容になれない建築家・牧名沙羅が、仕事と信条の乖離に苦悩しながら設計した建物が「東京都同情塔」と名付けられ定着していく構図で、多様性とはどういうことか、ふわっとした曖昧な言葉でオブラートに包めばいいのか、同情をされるべき犯罪者が自由に優雅に暮らす欺瞞を突きつけて、比較が禁止され寛容を求められることに対するもやもやに垣間見える複雑な思いが印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。

2024年4月にナイスが最も多かったつぶやき

よっち

2024年3月の読書メーター 読んだ本の数:132冊 読んだページ数:40921ページ ナイス数:5550ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/385946/summary/monthly/2024/3

rozeriy
2024/04/01 09:50

よっちさん、こんにちは。「シャーロット」が共読でした。 守雨さんの作品大好きです。 今月もよろしくお願いします。<(_ _)>

が「ナイス!」と言っています。

2024年4月の感想・レビュー一覧
143

よっち
互いの未来を賭けて貴族の戦争遊戯テンブラムに挑むテスフィアとアルス。彼らに狡猾なる敵将アイルが仕掛けた幾重もの罠と奇策が襲いかかる第18弾。なんとかテレシアとの和解も成しとげて迎えたテンブラム開催当日。意外な味方も加わる中で、巧みにアルスの力を封じて備えを万全にしながら、思わぬ奇策を繰り出してきたアイル。必然的に苦しい状況に追い詰められたテスフィアが見せた無自覚の真価や、終盤の展開から救われたもののまだまだ闇が深そうな少女のこれからも気になるところですけど、アルスたちとの関係の行方も気になるところですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
恩義ある没落した公爵家当主アルテシアに絶対的忠誠を誓う青年カルツ。彼女の死が世界を裏から支配する六大公爵家によるものと知った彼が、過去世界へと回帰する暗躍無双ファンタジー。過去に舞い戻り10歳の孤児となったカルツが、未来の知識を武器に本来は死ぬ運命にあったルチアなど、鍵を握る人物たちを死から救って協力関係を結び、六大公爵家を超越する真の黒幕として暗躍する展開で、時にはヒロインたちに可愛がられながら、以前と異なる立ち位置からアルテシアを支えようとする彼の決意がこれから何をもたらすのか今後の展開が楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
青春を諦めていた高校生・凪野夕景のスマホにインストールされた『青春マッチングアプリ』。謎めいたアプリでマッチングした同じクラスの美少女・花宮花と指令をこなしていく青春小説。マッチング相手と『正しい青春』を送るためのミッションをクリアすると報酬を与えるという説明に、半信半疑ながらもハナと一緒に試行錯誤しながらこなしていく夕景。人気者ゆえの悩みも抱え、夢のために参加したハナの背景も明らかになっていく中、育まれてゆく想いや思わぬ展開もあって、隠されていた真相に気づいて乗り越えてみせた2人のこれからが楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
筆を折った元天才小説家で無気力な日々を過ごす高校生の柊悠人。そんな彼が自称編集者の後輩・夏目琴葉と運命の出会いを果たす青春小説。世間から天才だともてはやされたプロの小説家だった過去から逃げるため、知り合いがいない地方の高校にやってきた悠人と、彼の文才を読書感想文の文集から見出してみせた琴葉。彼女のツテで演劇部の脚本を担当したことをきっかけに物語としても大きく動き始めて、彼女の夢と隠していた秘密が明らかになっていく中、彼女のためにひたむきに創作に取り組んで、その心を大きく揺さぶった結末が印象的な物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
なげやりな日々を送っていた高校生の優希。夏休み明けのある日、孤独に絵を描き続ける少女・さやかと出会う恋と復讐の物語。六年前に共に絵を学び、今は人の視線を恐れ目を開くことができなくなっていた少女。それでも人を描くことが自分の「復讐」であり、絶対にやり遂げたい彼女の切実な思いを知って、絵の被写体として協力する優希。お互いに惹かれつつある中、彼自身が抱える事情も垣間見えてゆく一方、さやかにもまた打ち明けていなかった秘密があって、それぞれの過去を乗り越えて今の大切な想いに向き合ってみせた結末が印象的な物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
霄の京師で稀代の巫術師と噂される風変わりな名門董家の娘・月季と、その幼馴染みで許婚の封霊耀が謎を解いてゆく中華退魔ファンタジー。ある日、名家・鼓方家からの依頼を受けて鼓方家に現れる女の幽鬼の調査をすることになり、護衛役に指名された霊耀とともに楊柳島へ行くことになった月季。今回は鼓方一族の幽鬼に指を指されたものが死亡してゆく死の連鎖の呪いに挑む展開になっていて、巫術師として稀有な才能を持つ月季と、力を持たざるがゆえに複雑な想いを抱える霊耀のもどかしい許嫁関係を絡めながら描かれるストーリーは面白かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
200年後人工冬眠から蘇生した羅輯。かつて自分の警護を担当していた史強と再会し、激変した未来社会に驚嘆する一方2000隻余から成る太陽系艦隊にいよいよ出撃の時が近づく第2弾下巻。次々と亡くなってゆく黄金世代の人々、激変した未来社会と人類が作り上げた太陽系艦隊、地球に接近する三体世界の探索機水滴。冬眠後の悲惨な時代を乗り越え、自信を取り戻した人類の希望が木端微塵に打ち砕かれる展開、そして猜疑連鎖や宇宙文明の公理、黒暗森林理論に気づいた羅輯によって導かれてゆく結末はなかなか壮絶でしたね。第3部も期待してます。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
人類に絶望した天体物理学者・葉文潔が発信したメッセージ。それを新天地を求める異星文明・三体文明が受信、千隻を超える侵略艦隊を組織して太陽系到達が四百数十年後と判明する第2弾上巻。未曾有の危機に直面した人類による国連惑星防衛理事会の設立、三体文明から送り込まれた智子に監視された人類が状況を打開すべく発案した「面壁計画」と4人の面壁者。それらしい経歴の3人に比べて一見平凡な羅輯でしたけど、宇宙社会学が今後のカギなんですかね…知恵比べ的な駆け引きもなかなかですが、冬眠後の世界や破壁人の動きも気になるところです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
魔王との最終決戦で四人の仲間に裏切られ爆殺されかけた勇者シオン。魔王ヴィラに救われて生き延びた彼が、命の恩人であるヴィラとともに魔王国で暮らし始めるファンタジー。人間と戦争を起こそうと躍起になる過激派魔族の統率に苦しむヴィラに、シオンが協力していくうちに次第に惹かれ合う2人。罪を隠蔽するために罪を重ねるかつての仲間たちは救いようがなかったですけど、政略結婚でもイチャイチャじれったい距離感の新婚生活から一転、難問に直面してすれ違いかけながら、それを乗り越えて絆を取り戻したシオンとヴィラの関係が良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
シュリネの活躍により王位継承問題の決着が見えたリンヴルム王国。次代の王が第一王女フレアに決まろうとする中、その水面下で彼女の暗殺計画が動き出す第2弾。つかの間の平和を揺るがす暗殺計画を知り、フレアを守ることを決意するルーテシア。そんな彼女たちの前に刺客として現れたディグロスとレイエル、そしてかつての従者ハイン。人外の強さを誇る強力なディグロスたち相手に苦戦する中、複雑な想いが垣間見えるハインの心に訴えかける展開で、ギリギリの戦いの中にも我が身を顧みずに活路を見出して守り抜いた結末が鮮烈な印象を残しました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
『氷の令嬢』と呼ばれるエルランド子爵家の一人娘ヒストリカが、婚約者に突如婚約破棄を告げられた夜会で具合が悪そうにしていたエリクと出会い運命が変わってゆくファンタジー。婚約破棄を両親に非難されるヒストリカに届いた、醜悪公爵と噂されるエリクからの縁談。他に選択肢もなく縁談を受けた彼女が、仕事に追われ常に具合の悪そうな顔をしているエリクに自身の医学の知識で生活環境や食生活を変えていく展開で、この男尊女卑社会世界では生きづらそうな彼女が、ありのままを受け入れてくれる彼と幸せになってゆく展開はなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
実力はあってもいまいちブレイクできないJK声優・日向晴香と声優になりたかった人気VTuber影川葵。最近ギクシャクしがちな幼馴染2人のために普通の高校生の中村航が奔走するトライアングルコメ。仕事を頑張る2人を尊敬して、自身は勉強を頑張りいろいろとサポートする航。最近会話が減ったり顔を合わせないようにしたりする状況を、昔のように笑い合えるようにしたいと試行錯誤するものの、そもそもの原因は彼を巡る関係なんですよね(苦笑)けれど2人の危機に彼が提案した解決策によって、少しずつ変わり始めた今後の展開が楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
海軍提督として数々の難敵・強敵を打ち破った不世出の英雄シレンツィオ。母国アルバから貴族に叙され、その条件として隣国ルース王国の士官学校への留学を命じられるファンタジー。道中気まぐれに羽妖精の命を救い、手違いでエルフの幼年学校に入学することになったシレンツィオが、羽妖精やませた幼女エルフたちと過ごすうちに、その男料理で周囲の胃袋を掴んでいく展開で、本人としては余生をのんびり過ごしているつもりでも、大物ゆえに騒動に巻き込まれると国際問題になって、彼を追いやった元老院に跳ね返ってくる皮肉が効いていました(苦笑)
が「ナイス!」と言っています。
よっち
いまや日本のいたるところで見かけるようになった格安インドカレー店。実はそのほとんどがネパール人経営なのはなぜか?おいしさのなかの真実に迫るノンフィクション。どの店もコピペのように同じメニューが並ぶ、「インネパ」とも呼ばれるこれらの店は、どんな経緯で日本全国に増殖していったのか。その源流となった店を辿る一方で、バブル期に多かったネパール人の不法就労とコックの技能ピザ、仲介ビジネスの存在もあって、日本国内に5000店もあればやはり上手く行くケースばかりではなさそうで、出稼ぎ国家ネパールのお国事情も伺えました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
味覚の変遷をたどれば新たな「戦後ニッポン」が見えてくる。基本五味に辛味、第六の味覚と目される脂肪味を加えた7つの味から読み解く異色の戦後史。レシピから消えた化学調味料とSNSで蘇った味の素、専売になっていた塩の「天然塩」「化学塩」論争と減塩圧力、甘さ控えめへの転換とゼロカロリーへ、欠かせないのに敬遠される酸味、苦くなるチョコレートやビール、引いては熱くなる激辛ブーム、油を食べようから控えようへの転換など、戦後の世相の変化とともに日本人の味の流行り廃りだったり、嗜好も変わっていたのが伺えて興味深かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
教育費・医療費・介護費・障がい者福祉が無料になる社会を実現する方法「ベーシックサービス」について財源、ベーシックインカムとの違い、しくみ、実現への道筋を解説した1冊。自身も「運が悪く」極貧の母子家庭で育った財政学者が、困難だった自身の過去も語りながら、ベーシックサービスによってどのようなことが変わっていくのか、相対的に格差が小さくなる考え方や、それに財源がどれくらい必要となるのか、ベーシックインカムやMMTとの違いは何かを解説していて、それとソーシャルワーカーの重要性を語る著者の想いを興味深く読めました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
国民負担率は50%超え目前という状況で暴露された自民党の裏金問題。政治家は非課税、庶民は増税という状況を踏まえて、日本のあるべき税制・財源論を検証する一冊。パーティー券収入の裏金問題の本質は税負担の不公平ではないかと論じつつ、防衛費増額や法人税増税、社会保険料の問題、所得税減税や物価対策といったテーマを取り上げて、所得税・法人税、消費税といった基幹税と社会保障制度がどうなっているか、高齢化による医療費自己負担の増加や介護保険、フリーランスの問題についても解説していて、現状を知るのにわかりやすい一冊でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
幼馴染で親友の平沢獅子から恋愛相談を受けた高校生の小暮涼真。彼のために情報を探っていた涼真が、突然同じクラスの朝比奈アリサに呼び出される青春ラブコメ。溺愛する親友・雫を狙っていると勘違いした学校一の美少女アリサに問い詰められ、獅子が話していた評価をそのまま伝えたら、勘違いされたまま共感される涼真。涼真と獅子、雫とアリサの関係が似ていることもあって、下心もなく頼れる涼真にどんどん懐いていくアリサの様子が微笑ましかったですけど、誤解も解けて4人の関係も変わりつつある中、2人のこれからが楽しみなシリーズですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
足を怪我してしまい、落ち込む後輩・瑞穂のためにひと肌脱いだ浩之と彩音。浩之の一声で集まった寄せ集めのバスケチームで市民大会に挑む第4弾。寄せ集めチーム相手で侮っていた名門高校の1年生チーム相手に奇策で翻弄したものの、じわじわと地力の差で巻き返される展開で、彩音たちに支えられながら、そこで男を見せた浩之の大活躍が光りましたね。親友の藤田と後輩の有森の恋模様だったり、少しずつ変わってゆく浩之と彩音の関係だったり、なかなかいい雰囲気になってきましたけど、襲来した又従姉妹との対峙がどうなるか気になるところですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
並行世界への逃避行を終え、元の世界に戻ってきた湯上秀渡。1年遅れの高校生活をスタートさせたと思いきや、先進世界の友永朝美と秀渡自身が肉体を伴って目の前に現れる第2弾。先進世界の自分から知らされる、朝美と幼馴染の記憶と抹消されて、無関係な並行世界で一世一代の告白も消えている状況。その発生原因がクラスメイトの大平邦華にあることを知り、基元世界を取り戻すために動き出す秀渡。その中で明らかになってゆく邦華側の事情があって、彼女の誤解を解いて説得するためのピースを埋めようと奔走したその結末はなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
夏休み。ネット配信者の泉穂乃果に依頼されたMV撮影で評価されて、地域PR映画の案件を勝ち取った千太郎たち。今度は仲間と海辺の町へ撮影合宿に行く第2弾。初めての案件に気合も入ったところで起きた思わぬトラブル。そこで出会った白宮姉妹も巻き込んで進めた撮影のラストシーン、思いもしなかった形でつまずく主役の桜。完璧主義者である桜の致命的な欠点と、彼女の複雑な想いが明らかになってゆく展開で、不器用でもその葛藤に真摯に向き合おうとして奔走する千太郎が、仲間たちとも協力して彼女から引き出してみせた本音が良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
漫画部部室でデビューを目指してネームを悶々と考える日々を送る漫画家志望の高校生・月見。彼と打ち切り漫画を愛好する後輩の小鳥遊の語らいを描いた青春小説。大人気漫画誌の漫画賞で最終選考まで残り担当編集がついたものの、ネームの調整に悪戦苦闘する月見と、打ち切り危機の漫画ばかり注目して熱く語る小鳥遊。漫画アプリで読めてしまう今の漫画事情にも切り込みつつ、メジャー作品派のギャル四月や興味を持てない東海先生といった様々な視点も描きつつ、最後に思ってもみなかったもうひとつのエピソードが明らかになる展開は面白かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
次元城の戦いでもう一人の〈不死者の魔王〉を破ったレオニス。しかし世界を破滅に導く虚無の門ヴォイド・ゴッドが出現し侵攻を開始する第15弾。〈ヴォイド・ゴッド〉を破壊すべく、その根源たる〈剣聖〉シャダルクに決戦を挑むレオニスたち。一方リーセリアは女神の魂を狙う大魔導師ディールーダと交戦、そして〈第〇七戦術都市〉で侵攻してくる〈ヴォイド〉を迎え討つべく、それぞれ戦いに赴く咲耶、レギーナ、エルフィーネ。各所で因縁の対決が繰り広げられるまさに最終決戦ともいうべき展開の先にどんな結末が待っているのか次回最終巻に期待。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
前世でプレイした乙女ゲームの悪役令嬢に転生していると気づいた、公爵令嬢で王太子の婚約者候補リリアナ。破滅エンドを回避するため運命を変えてゆくファンタジー。実母からは明らかに嫌われ、婚約者候補故に日常的に命を狙われているリリアナ。さらに寝込んだ末に話せなくなり、生き延びるために様々なことを学び無詠唱魔術の道を模索する彼女が、なぜか婚約破棄されるはずの王太子に気にかけられ、魔物襲撃を阻み、いなくなった子供たちを見つけ出したりと、密かに7歳とは思えない暗躍を見せて、注目を集めてゆく彼女のこれからが楽しみですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
騒々しくも楽しい夏が終わり秋。永沢修二いよいよ迫りつつある自分の進路や、許嫁の華月美蘭の誕生日が近いことに頭を悩ませる第3弾。美蘭の誕生日でもあるクリスマスイブを祝う軍資金を得るため、あるルバイトを始めることにした修二。一方、美蘭の方もバイトを始めたり体育祭の応援団に参加を決めたことで、彼女と会う時間が減りもどかしい思いをする中、広がる二人が別れたという噂。そこで彼女の友人の助力もあって、体育祭で美蘭の応援に奮起してみせたり、トラブルを乗り越えて彼女の誕生日でしっかり喜ばせた修二の頑張りが光っていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
新学期。水樹家で過ごした夏の思い出に浸る綾小路和斗が、凛香をめぐって「スター☆まいんず」のメンバー清川綾音と文化祭で勝負をする第4弾。ネトゲ廃人こと和斗が一体誰と付き合っているんだという憶測が広がる中、奈々の提案で「スター☆まいんず」のメンバーに挨拶することになった和斗。そこで思わぬ事故に遭遇したところを綾音に見られて、激昂した彼女に認めてもらえるべく奮闘する展開で、文化祭で持ち上がった疑惑に我が身を顧みずに身体を張った和斗の答えには苦笑いでしたけど、ままならない状況にやきもきする凛香も可愛かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
放送事故で配信スタイルの背景を知られてしまったものの、何とか持ち直したビジネス煽り系配信者・鬼ちゃんこと中山春斗。それによって周囲との絡みが増えてゆく第2弾。下校中にチェーンが外れてしまった妹・柚乃の自転車を直してくれた綾と同じグループのカリスマプロゲーマー兼配信者リナ。思わぬ形で繋がっていく縁があって、綾とも買い物や水族館でその自覚もないままデートをしたり、もともと評価が高かったゲームスキルに本来の性格がだんだんと知られていったことで、彼を巡る状況がどんどん変わっていきそうなこれからの展開が楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
親の再婚で白川賢人の義妹になった、金髪碧眼のイギリス人同級生ソフィア。ひとつ屋根の下で紡ぐ、クーデレで同級生な義妹との焦れ甘ラブコメ。同居が始まった当初はどこか軽薄に感じられた賢人に対して冷たい態度をとり続けていたソフィアが、ひとつ屋根の下で過ごしていくうちに彼のことを少しずつ知ってゆく展開で、賢人が真剣に取り組む野球部の様子も絡めながら、目立つゆえに目をつけられやすいソフィアを放っておけない彼の優しさが効いてくる展開になっていて、意外なところで繋がった2人の関係がこれからどう変わってゆくのか続巻に期待。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
勇にぃとともに楽しく充実した夏休みを過ごす元クソガキの現美少女JK3人組。彼の存在感の大きさを再認識した彼女たちのそれぞれの想いが描かれる第4弾。キャンプで起きたハプニングから勇にぃ攻略法を思いついた朝華のとある計画。一方、朝華の思惑に全く気付かず以前お世話していた親戚ハーフ美少女・外神夕陽と再会したり、新世代クソガキたちと富士山に登る勇にぃ。作家を目指す未夜の天然っぷりが炸裂したり、眞昼の何とも複雑な想いが垣間見えた今回でしたけど、自覚させられた勇と彼女たちとの関係がこれからどう変わるのか楽しみですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
過去の恋愛でことごとく理不尽なフラれ方をしていた綾。ヒット曲にのせて社会学や心理学を使い、失恋の真相を解き明かす連作ミステリ。行きつけのバーでママのみひろ相手に過去の失恋話をしていたところ、話しかけてきた大学教授を名乗る常連客の男が解き明かしてゆく彼女の失恋の真相。その推理を聞いているうちにこれまで理不尽と思っていた失恋も、実は彼女自身の行動を起因とする理由や不運なすれ違いがあったことが伺えて、過去を解き明かした彼が背中を推してくれたことで、諦めかけていた彼女が新たな一歩を踏み出す姿が印象的な結末でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
後宮の女嬬の間で恋呪いが大流行し、食中毒のような症状を呈して倒れる女嬬が続出。宮正女官の魏蛍雪と女性武官・趙燕子に扮した皇帝が調べを進める第2弾。始まりはたわいのない恋呪いだったはずが、原因を特定できないうちに女嬬たちが倒れ、奇行に走る嬪が錯乱状態で発見され、ついには死者まで出てしまう展開。恋呪いに使われていた腕輪が目を引く中で、そんな中で起きた倉街の小火騒ぎから気づいたこともあって、やや後手に回りながらも復讐を果たすために一連の事件を引き起こしたその背景が明らかになってゆく印象的な物語になっていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
喫茶リコリコを舞台に、TVアニメシリーズ『リコリス・リコイル』では描かれなかった錦木千束や井ノ上たきなたちのちょっぴりスリリングな非日常の物語第2弾。常連客・伊藤のピンチに漫画のモデルを先束とたきなが務めることになったことで始まる一連の騒動。風邪を引いてしまう先束とたきな、人知れず街の平和を守るフキとサクラの日常が描かれていたり、熱に浮かされていたはずがなぜか殺人鬼が潜む森のロッジに目覚めるたきな。錦糸町界隈を舞台に個性豊かなキャラクターたちの繊細な描写が積み重ねられているとても解像度が高い短編集でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
真理愛にTVで公開告白されて、いよいよ誰を選ぶか決めないといけない状況に追い込まれた末晴。そんな中、群青同盟は卒業イベントでショートムービーを制作することになる第12弾。大学には行かず役者として再び一から頑張ると決めたものの、黒羽たちのことをどうするのか未だ思い定まらない末晴。一方、芝居になると真理愛が黒羽や白草を煽り、撮影の裏では哲彦がなにやら暗躍する撮影現場。哲彦と父親、彼と幼馴染の関係が掘り下げられていく中で、ついに哲彦の計画が明らかにされましたけど、次回の最終巻でどんな結末を迎えるのか楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ツァドキエルとの激闘を制して記憶と声を取り戻し、自らが歌姫であることを思い出したセナ。本の姫とアンガスたちは彼女の故郷であるカネレクラビスを訪れる第3弾。ウォルターや再会したエヴァグリントを新たな仲間に加えながら、向かった最後の聖地カネレクラビスでも起きていた文字による災い。〈本の姫〉は様々な土地で文字を回収するたびに蘇る記憶に悩まされ、一方でアザゼルのエピソードでは聖域の天使との戦いが行われましたけど、仲間として育んできた絆が感じられる旅や、セラと交わした約束が果たしてどうなるのか最終巻に期待してます。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
レッドフォート王国を挙げてのお祭りに始めて参加して楽しむミーシャ。そこで出会った知り合いのおばあちゃんの容態をきっかけに、思わぬ危機に陥っていく第3弾。それがかつてこの国を襲った原因不明の「紅眼病」かもしれないと気づくものの、未知の病に対する解決の糸口を見いだせないミーシャ。そんな状況で噂を聞きつけて王都を訪れてくれた叔父ラインの存在は大きかったですけど、彼の言葉は耳に痛かったですね…知り合いもいる中で患者に対する優先順位など難しい状況にも直面しましたけど、多くの人に助けられ乗り越えた結末が印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
落雷による火事で焼けてしまった一条院内裏。この一件をきっかけに藤原道長が再び皇后定子の実子・敦康親王廃立へと動き出す第2弾。幸い一条天皇をはじめ中宮彰子や敦成親王とともに難を逃れて、彰子の意を受けて道長の心を少しでも変えようと、『源氏物語』第二部で主人公・光源氏の零落をこれでもかとばかりに描き出す紫式部。一条天皇の病が悪化して譲位が現実味を帯びてくる中、道長の野望を阻止すべく動く彰子と紫式部という構図でしたけど、今回はなるべくしてなった結末という気もしましたし、深まっていく女房たち同士の絆も良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
食事は常にジャンクフードとコーヒー、身の回りの片付けができない社会不適合者な膠原病内科医・漆原と、彼女に医者として大切なものを学ぶ医学生・戸島が患者と向き合う姿を描く第2弾。まだまだ血が苦手ながらも漆原と出会い、医師を目指し続けることにした戸島が出会う、死期が近い家族に愛される老婆や、突然誰かの手を借りなければ日常生活を送れなくなってしまった少女と母のすれ違い。完治できない病に苦しむ患者たちにどう向き合うのか、まだまだ未熟で足りない部分はあっても、彼なりに懸命に考えて何とかしようとする姿勢が印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
西域で玄の勇将オリドの侵攻を退けたものの、栄の都には敵の本軍が迫って今や風前の灯。陰謀に踊らされる飛鷹が不穏な動きを見せる中、皇妹・光美雨の覚悟が事態を動かす第5弾。皇帝も優柔不断で対応策が定まらず紛糾する都、飛鷹を裏で操る存在を徐勇隼や王明鈴が調べる中で、次なる一手は西域防衛か敬陽奪還か悩む隻影。軍師・瑠璃が光明を見出す世間知らずだった皇妹・光美雨が様々なことを知って、覚悟を決めたことで望外の結果を引き寄せましたけど、こういう時にこそ思わぬ落とし穴があるんですよね…ここからどう事態が動くのか続巻に期待。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
晶が義妹になってもうすぐ1年。高3になり晶の兄として仕事のサブマネージャーになり多忙な日々を送る涼太が修学旅行の時期を迎える第7弾。公私ともに支えられ距離も縮まり、わりとぐいぐい来る晶に困惑する涼太。修学旅行で数日間離れ離れかと思いきや、目的地は健や晶のお仕事ロケ先と一緒だったりで、ハプニングだらけの非日常感を楽しんだり、思わぬアクシデントにも巻き込まれる展開でしたけど、2人の関係性によって好循環が生まれつつある一方、不穏な気配もいろいろ垣間見えてきて、最後に思わぬ形で繋がった再会でどうなるか続巻に期待。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
魔術師たちの鎮魂を祈る『巡魂祭』の準備に追われる庭園内で起きた集団昏睡事件。事件解決のために乙女&ギャルゲー世界でNPC彩禍を攻略する第6弾。集団昏睡事件の原因となったファンタジーゲームを作り上げた、何年も前に死んだはずのヒルデガルドの妹エルデガルドのAI。管理AIのシスベルが囚われの身となり、ヒルデガルドがモデルを作り上げたゲーム世界に挑む無色たち。今回は人見知りでも好きなことには早口になるヒルデガルドの趣味全開の世界観で、引け目を感じていた妹との関係を軸に描かれる展開とその結末はなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
春になったら、この関係は終わりだ。お互い受験や卒業が近づく中で否が応でも決断を迫られる2人の曖昧な関係。もどかしいその関係が変化を迎える第4弾。お互い相手のことを意識していることを自覚しながらも、ルールに縛られて理由がなければ会うこともできず、さらにもう一歩を踏み込むことができない仙台と宮城。志望する大学のこと、一人暮らしをするかどうかなど、聞きたいことはたくさんあるはずなのに、ここまで来ても不器用なやり取りをしてしまう2人には苦笑いでしたが、仙台くらい強引に動かないと関係は動かないのかもしれないですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
人族と魔族の長き戦いに終焉と勝利をもたらし、世界を滅び尽くした歴代最強の魔王バルド。生まれ変わった先で勇者となった部下たちと再会するハーレムファンタジー。戦いの中で散った元側近の平穏な日常を願ったバルドを転生させた神エウロハ。異世界から魔物に侵略される現状を聞いたバルドの元に、彼を慕い美少女勇者となった元側近たちが集結して、学院都市の学長となり世界征服を目指す展開で、すっかりドMな下僕になったエウロハには苦笑いでしたけど、他の学院都市学長たちの陰謀に立ち向かうヒロインたちの頑張りがなかなか光っていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
聖杖に本来選ばれる筈だった呪われた少女シトリー。しかし彼女は聖杖に拒絶されてしまい、最低成績で入学したノーテンキな少女レヴィーを聖杖が選んでしまうファンタジー。優秀ではあるものの、家の呪いゆえに周囲から忌避されるシトリーに睨まれつつも、すっかり懐いてしまったレヴィー。有力な令嬢ミランダに挑まれても受けた攻撃をお菓子に変えてみせたり、凶暴な魔物を手懐けたり、自由奔放な彼女にも秘密があって、すれ違うシトリーの因縁も絡めて陰謀に巻き込まれてゆく展開でしたけど、絆を深めて一蹴してみせた2人のこれからが楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
一年生決定戦を乗り切った史季が、斑鳩派のナマイキ美少女・アリスに目をつけられ、思わぬ弱みを握られたことから思わぬ大騒動に発展していく第3弾。タイマンで様になってきた史季に集団戦闘のイロハを教えることにした夏凛たち。しかし史季はアリスに弱みを握られ、賭けの対象として開催される地下格闘技に出場させられ、勝ち過ぎたせいでその場を仕切る半グレ組織アウルムに目をつけられてしまう展開で、今回は本当にとばっちりでしたけど、多数の敵がひしめく乱闘展開もやはり熱くて、初々しい史季と夏凛の距離感の変化もなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
大企業を一族経営する家の四男という立ち位置で気楽な一人暮らしをする高校生・入谷健。しかし実家野での立ち位置が変わり、婚約者と同居することになってしまう青春ラブコメ。後継者として期待されるようになった健を、過去に助けてくれた縁で慕ってくれる婚約者の天宮さん。自堕落な生活をしていた健に怖い一面を垣間見せる一方で、努力家で意外と尽くしたがりだったり、同じ学校に転校してきて友人と一緒に過ごす機会を得る天宮さんに、婚約のことをつい考えてしまう健の面倒くささには苦笑いでしたけど、そんな彼らの今後に期待のシリーズです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
リーダー教育不在の日本企業で無能な上司、経営者らの抱える根本的な問題を指摘して、これからの目指すべきリーダー像を考える1冊。責任は取らず、手柄は自分のものに。失敗の本質を見抜けず、数字も時代の変化も読めず、無駄な努力を続ける。見当違いの対策を無理強いする。人望を失う行為、組織を壊している行為を取り上げ、リーダーとして何を意識すべきなのかを考察していて、構成的にやや読みにくさもありましたが、時代が大きく変わりつつあるからこそ、リーダーの意思決定や取り組み、そのふるまいが今まで以上に重要になってきていますね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
世界で唯一の貴族院が存続する国イギリス。持てる者の知られざる困難と苦悩を辿りながら、千年を超えて受け継がれるノブレス・オブリージュの本質に迫った1冊。イギリス貴族はどのようにして生まれたのか。議会政治の支配者、外交と帝国の中枢、経済の牽引役、地域社会の要、文化の発信者といった歴史の担い手として、著名な公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵家をそれぞれ紹介しながら、隣国から流れる革命の風、戦争による後継者不足、法外な相続税による財産減少といった過酷な状況を現代まで生き延びてきたイギリス貴族の凄みを垣間見る思いでした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
依頼人の死後に大切な届けものをして、託された想いを繋いでいくサービス「天国宅配便」の配達人・七星が贈るシリーズ第3弾。映画「卒業」のような逃亡劇で家族を苦しめた姉を許せないまま、生き別れた女性に届いた小包みと思わぬ出会い。高校生が通っていた大好きな食堂の営業最終日での出来事。子供の頃ファンレターを送った漫画家からの思いがけない返事。そして老人が美術展で知り合った少年と交わした賭けと明らかになる真相。意外な事実が明らかになったり、大切な想いに気づく中で、そっと背中を押してくれる七星の優しさが心に染みました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
フェルトとラインハルのエピソードと、エキドナが雪の山荘で謎解きをする短編集第10弾。導入編と事件編に分かれた王選候補者であるフェルトと騎士のラインハルトを主人公とした五大都市の黒社会との仁義なき戦いと変わっていく関係。そして二人の連れの少女と共に極寒の雪の山荘に閉じ込められて、そこで起こる殺人事件の解決に奔走する現代に蘇った『魔女』オメガことエキドナ一行。仮面騎士ベルトールってなんだよとか(苦笑)、そこでのアナスタシアの関わりが見えたり、クローズドサークルのミステリになっていたりとなかなか面白かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
城塞都市が大軍の足止めに籠城戦をする中、『大災』の狙いを挫くため、再び帝都の五つの頂点の攻略へ挑むスバルたち。『魔女』率いる屍人の軍勢との最終局面へ突入する第37弾。文字通り総力戦で挑む、各所で行われる帝国の存続を掛けた屍人の軍勢との戦い。ロズワールの激闘やガーフィールの奮闘、ハリベルやセシルスの実力、アベルの陽剣解放などなかなか見どころも多い展開になっていましたが、アベルとプリシラの関係だったり、炎を抜け出した魔女だったり、ここに来て様々なことも明らかになっていく中、この状況を打破できるのか続巻に期待。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
十年来の幼馴染で、家もお隣、物心ついた頃から一緒にいる家族のような関係の祐希と夏葉。ある日、ノリで付き合い始めた2人の親友から恋人への変化を描いた公式ノベライズ。幼馴染のまま高校3年生になってしまった2人が、離れ離れになるかもしれない状況を前に付き合い始めて、友人のカヨコと西やん、祐希の妹・奈央からもサポートを受けて、恋人として一歩ずつ成長していく展開で、ずっと言葉にできなかった夏葉の想いがあって、祐希もまた大切な存在だったんだなと自覚していって、そんな初々しさを感じさせる2人のやり取りがエモかったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
学園の制服コンテストにモデルとして出ることとなった有馬風香。様々な学園の陰謀に巻き込まれていく彼女を京四郎が助けながら、彼女を出場するまでサポートする第2弾。コンテストをコントロールする学部長連の裏の社交場コンフェス。出来レースのモデルに選ばれたことで狙われ、否が応でも渦中に巻き込まれてゆく風香に対して、仲間たちの協力も得ながらそれを助けていく京四郎。コンテストの裏に国際テロリストの陰もある中、思わぬ約束もしながら大暴れする彼らしさも活きていましたが、何より自らの力で喧嘩に勝ってみせた風香が圧倒的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
『魔導書』と『魔王雷』双方の使用禁止協定が成立したものの、それでも続く人類連合と魔族軍との戦い。王国が『魔導書』研究のために帝国から魔導司書を招聘する第2弾。帝国に期間限定で赴くことになり基地司令の王子ポロニアや部下のタニーアたちと出会い、魔導書が何たるかを教えつつ、図書館の整備もビシバシ指導する一方、魔導書奪取を狙う魔族軍の企みや王国の真の狙いとも対峙していくカリア。本を愛し争いの火を止めるため、決して相容れない相手とも組んで奔走して、ほろ苦い結末の中でも意思として伝わった彼女の熱い想いが印象的でした。
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よっち
『キッチンハルニレ』で働く葵が、ある日、拾った怪我をした狐。翌朝目を覚まして少女の姿をしたテンコと一緒に幻の「たぬきケーキ」を探し始める物語。神通力を失ってしまい、回復するには「たぬきケーキ」が必要だというテンコ。一緒に探して食べ歩くことを繰り返す中で、彼女が本当に探しているものを知る葵。そんな2人の話もだんだんと話題になっていって、そんな彼らに声を掛けてくれる人もいて、協力してくれることになった橋野と試行錯誤を繰り返すうちに葵も大切なことに気づいて、大切な想いを届けられたその結末はなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
就職した警備保障会社で、異界遺失物係という謎めいた部署に配属された南。あるコンビを組む五十嵐のの過去に関係し、彼のトラウマを刺激するらしき案件に遭遇する第2弾。五十嵐が卒業した小学校に現れたイヌの住人、五十嵐の右肩にのっている謎の手は一体誰のものものなのか。優しい里山歩きだったはずが憑かれて意識障害となってしまった五十嵐と兄の過去。相変わらず五十嵐絡みの案件でいろいろ振り回されて南も大変だなとは思いましたが、一方でその中でお互いのことを知って少しずつ変わっていく関係がどうなるのか、続巻に期待したいですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
全寮制の名門女子校白蓉女学院で“白蓉のマリア”と謳われる女子高生・藤城泉子の失踪。寮で同室だった鮎子が泉子を案じて、彼女の従兄・藤城薫とその行方を追う青春ミステリ。泉子の失踪は事件か事故か、彼女の意思によるものか。追い打ちをかけるように発生する、泉子の実家で放火殺人が起こり、犯人と目される大学生を15歳の少年が刺傷する事件。薫とともに調べる中で明らかになる、泉子と周囲を巡るままならなかった背景や、かつて同室だった鈴との意外な関係があって、鮎子自身の複雑な想いも絡めながら辿り着いた真相が印象的な物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
幼い頃から霊を見てきた伯爵令嬢クレア。レディ・ファントムと噂される彼女が唯一の親友・子爵令嬢アネットの死の真相を調べ始めるオカルトミステリ。土砂降りの雨の夜、王都名物とも言える大階段から転落したアネット。なぜ雨の夜に貴族の令嬢が供も連れず一人で出歩いていたのか。彼女の元を訪れた2人の刑事の青年とともに、死の真相を探るクレア。その中で明らかにされてゆくアネットの事情があって、それに不遇の死を遂げたパール王女の過去や、王都で暗躍する企ても絡めた何とも切ない物語の結末にも気丈に向き合うクレアの姿が印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
旅を再開した外部者の呪具を探して第三の新たな大陸にわたることに成功したオスカーとティナーシャ。情報の全くない謎の大陸を二人が探索する新章第4弾。滅びた集落ばかりが残る中で現れた不思議な少女ナフェアとの交流とその顛末。その後渡った科学文明が発達する大陸での日々と、被検体扱いされる魔法士への迫害。大陸分割神話で各兄弟神の思想が色濃く反映された大陸を舞台に、永き時を生きるものならではの発想だったり、環境へのそれぞれの適応具合を興味深く読んでいましたが、全てが終わった時に2人はどうなるのかつい考えてしまいました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ノーラがシシリーの体に憑依して4か月。800年生きたノーラの寿命が近づき、様々なことを経験した期間限定憑依生活の終わりが迫る第2弾。シシリーに憑依しながらデートや王宮メイドのインターン、文化祭など充実した学園生活を送っていたノーラ。シシリーのことを虐げていた姉との確執もとけ、全ての元凶である王との負の連鎖も断ち切った彼女が、やりたいことをやりきった感もあったからこそ、シシリーとノーラの関係が最後にどうなってしまうのかとても気になる展開でしたけど、これはこれでなんかとても著者さんらしい結末で良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
出版不況と言われて久しいものの、それでも新しい本屋を開く店主たち。北海道から九州まで全国の気骨ある書店を訪ね歩いたノンフィクション。本屋が無くなった小さな街から三省堂書店に出されたオファー、親から引き継いだ今野書店、読書会を続けた鳥取の定有堂書店、あり方を模索し続ける広島のウィー東城店や福岡のブックスキューブリック、こだわりが詰まった本屋Titleや静岡の高久書店、風変わりな双子のライオン堂や鳥取の汽水空港、福岡のMINOU BOOKS、熊本の橙書店など今の時代にあえて書店を選ぶ人々の想いが印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ルーヴルの地下で見つかったレオナルド・ダ・ヴィンチの予言的作品《大洪水》。これは果たして真作か贋作かという謎にスギモトと晴香が挑む第5弾。謎の組みひも文様が描かれた古書、生まれ故郷のヴィンチ村を拠点とする秘密結社。そしてレオナルドの傑作《洗礼者聖ヨハネ》の「指」と、王家の古城に隠された「彼の遺骨」が明らかにする衝撃の真実。様々な思惑も絡み合う中で、今回はイギリスやフランスの王室も絡めたなかなか壮大なエピソードになっていて、思わぬところに繋がった末にスギモトたちが辿り着いた結末もまたなかなか印象的でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
国を護る「破魔の剣」の「鞘」となること。そのために軍神カイと結ばれたサクラ。しかしある日を境に、剣がサクラの元に戻らなくなる第2弾。様々な試練を乗り越え2人の幸せな日々が、彼女が役割を担えなくなったことで変わってゆく周囲の評価。一方、各地で魔獣達の暴走が始まって世界に異変が起きる中、鞘としての役割を失ったサクラに向けられた悪意が思わぬ大事件に発展してしまう展開でしたけど、それでも微塵も変わらないガイの一途な想いが良かったですね。サクラの妹アオイと狩人イトの鮮烈な出会いが描かれた外伝もなかなか印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
鵺を封じる結界師の家系に生まれたものの、両親から役立たずと蔑まれて育った赤蔵六花。十八歳になる前日に鵺の生贄として捧げられ、龍神のロンと出会う契約結婚物語。鵺に呪いを掛けられながら奇跡的に生き永らえた彼女が導かれ、辿り着いたお遍路さんをもてなすお宿・道しるべ。そこで迎え入れてくれた美しい青年姿の龍神のロンが、呪いを解くために勝手に結婚の契りを交わしてしまう展開で、個性豊かなキャラクターに囲まれながら、訪れる付喪神や河童をもてなすために真摯に向き合ううちにらしさを取り戻していく展開はなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
末期がん患者の水木雅隆に安楽死を行ったとして、裁判を受ける天心病院の医師・神崎。悲鳴をあげる命を前に、懊悩する医師がたどり着いた安楽死をテーマに描く医療ミステリ。証人席からの悲痛な声にも一向に口を開こうとはしない神崎が行ったとされるホスピスの3件の不審死。延看護師の苦悩、命を望まれない患者、告発した医師、もう一つの告白など、それぞれの側面から描かれる事情と意外な真相、そしてホスピタルケアで直面する葛藤を浮き彫りにしていて、なかなか重い命題に意外な答えを提示してみせた結末がまた印象的な物語になっていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
失恋した挙句、事故に遭い、漫画のモブ妃に転生してしまったアラサー漫画家が、同人活動で皇后の悪事を暴き、修羅場を漫画で乗り切る後宮布教物語。最近は打ち切りの連続で鳴かず飛ばずだったアラサー漫画家・由里が、千華宮の賢妃桃華として自分が書いたマンガに自ら転生したことで、なぜか代わりに追放されてしまう正義のヒロイン。それゆえに覚悟を決めて神技アシでもある皇帝・月舟の寵愛を笑顔で回避していきながら、同人誌で後宮の告発に望みを託して奮闘したことで、彼女が自分らしくいられる居場所を得ていく展開はなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
若き皇帝の唯一の妃『最愛』に選ばれた底辺貴族の娘ソーニャ。そんな中、彼女がニか月後の婚姻式典に向けて妃教育を受けることになる第2弾。皇帝エルクウェッドの努力により死に戻りしない日々を積み重ねていたソーニャが、後宮で出会った人々の力を借りながら、皇帝のために妃教育を頑張る展開で、集められた多彩な妃候補たちはそれぞれが自信を持っている特技があって、けれど全員に叶わないと言わしめる彼の多彩な才能が突き抜けている一因は、やっぱり彼女の呪いにもあるんですよね…(苦笑)彼女を喜ばせるために頑張れる皇帝も良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
高校三年生になり葵と再び一緒に暮らすという約束のために、受験勉強に励んでいた晃。葵の誕生日を祝おうと泊まりの温泉旅行を企画する第7弾。共に都内の大学へ進学するために忙しい日々を過ごす中、葵の誕生日プレゼントも選んだりしながら、自然豊かな秘境の宿で日頃の疲れを忘れてリフレッシュしつつ、甘い時間を過ごしていく晃たち。相変わらずな微笑ましい部分も垣間見せながら、お互いの両親に大学進学したら一緒に暮らしたいことを話したり、遠距離恋愛でも着実に積み重ねてきた2人の関係が描かれた先の結末を最後まで読めて良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
唯一の肉親である兄を亡くし、兄の婚約者だった女性・美留街志穂と一つ屋根の下で暮らすことになった高校生の七瀬稔。やがて幸せに至るまでの日々を綴った純愛物語。家族とも他人とも呼べない微妙な距離感の中、志穂の包み込むような優しさに触れ次第に悲しみが癒えていく稔。亡き兄の喫茶店とこども食堂の夢を2人で引き継ぐことで、少しずつ前を向けるようになった一方、志穂の未来を縛っているではないかという複雑な想いも当然だと思いましたけど、葛藤とすれ違いに直面しながらも、もう一度向き合ってリスタートした2人のこれからに期待です。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
甘美で不健全な欲望が交錯する恋愛リアリティ番組『僕らの季節』。脚本通りで予定調和の青春を送る蒼志の前に、初恋を叶えに来たというカレンが現れる青春小説。アオハルの楽園というイメージとは裏腹に、青春を切り売りする偽りの学園で二番手を自認する日々を送る蒼志が、真っ直ぐなカレンと出会い心揺さぶられていく展開で、脚本通りに恋人になりきるエマや、番組優先で両想いなのに振った明日香も絡めながら、彼女たちのために奔走して懸命に向き合う姿に、ヒロインたちの本音も見えてきましたけど、構図が変わったこれからの展開が楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
友人の結婚を機にマッチングアプリを始めた高校教師・木崎修吾。彼がひょんな事からと出会ったアプリでも人気な美少女さくらんが、実は教え子の咲来だったことに気づく恋愛指南ラブコメ。居場所のない咲来の危機を救い、お礼にとプロフ写真や内容、服装だったりと、アプリで注目されて上手く行く秘訣をいろいろ教わることになった修吾。アプリを使っている中にはそういう人もいるんだろうな…という展開には苦笑いでしたけど、学校とはギャップのある魅力を持つ咲来との関係がこれからどうなるか、元カノに再び動きがあるのかも気になるところです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ALT、PBL、ICT、メディア・リテラシー、オルタナティブ教育など、デジタル化などで大きく変わった小中学生の教育と、子育てに関わる最新情報をトピックごとにわかりやすく解説した1冊。ALT教育やPBL学習、親にはややこしいSTEAM教育とSTEM教育、読書感想文に対する考え方の変化、スマホ・タブレットを今はどう使っているのか、ICT教育が導入されてどう変わったのか、大学入試改革で入試や考え方がどう変わったのか、子どもの繋がり方の変化などQ&A方式で具体的なデータをもとに分かりやすく解説してくれていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
インターネットのしくみ、スマホが与える子どもへの影響、具体的なスマホルールのつくり方、ルールを守るために必須の親子関係構築のための子育て共育7つの法則。持っていて当たり前になったスマホの利点と問題点、利用実態を始めとする子どもを取り巻くスマホの現状、スマホ使用を考えるうえでのルール作りの本質、スマホルールの作り方・守り方、スマホを活用した学力アップの方法など、子どもとスマホの関係を否定するのではなく知った上でどう向き合うのか、いろいろと判断が難しくなってきている中で良い指標を示してくれていると思いました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
高二の夏休み、家事代行のアルバイトを始めた大槻晴翔。初めての依頼先に向かった先が学園一の美少女と名高い東條綾香の家だと気づく家事代行ラブコメ。予想外の出来事に戸惑いながらも、祖母仕込みの腕で家事代行の仕事をこなしていくうちに綾香の家族にも気に入られて、定期契約で彼女の家に通うことになる晴翔。作った手料理で綾香を喜ばせたり、スーパーへ買い物に行ったり行くようになる中でお互いに意識していって、そんな中での初々しい映画館デートはなかなか良かったですね。これから2人の距離感がどう変わっていくのか続巻が楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
先が見えない時代だからこそ、法則を知り見通しをたてることでチャレンジしやすくなる?ビジネスシーンに必要なマーケティング、提案をする際に使える法則を網羅した1冊。仮説が立てやすくなるビジネスの法則や予測を立てるのに役立つ社会経済の法則、相手の心を読む恋愛の法則、経験あるあるの法則、自己実現の法則、人生哲学の法則、コンピュータ・インターネットの法則から生物の法則、数学・工学の法則、医学の法則まで紹介された100の法則。よく知られたものから言われてみれば確かにと思えるものもあって、雑学としても面白い一冊でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
玄宗皇帝が政治を疎かにし国が乱れていた唐の時代。民を救うため安禄山と史思明が挙兵し安史の乱が勃発する中、命を賭して戦を終わらせようと誓う者たちの戦いを描いた歴史小説。戦が泥沼化して国が疲弊する状況を絶大な人気を誇った力者の娘・呉笑星の視点から、安禄山の次男・安慶緒や史思明の長男・史朝義といった国を思う気持ちは持ちながらも、ままならない現実に抗う者たちの生き様を描いたストーリーになっていて、混沌とした時代では何が正義なのかを判断するのはとても難しいですが、信念を持って生き抜いた人々の姿が印象的な物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ロシアのウクライナ侵攻やイスラエルとパレスチナの衝突はなぜ起こるのか。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教に着目して、起源や地理、歴史をわかりやすく解説する1冊。ユダヤ教はどのようにして生まれたのか、ユダヤ人とその歴史背景。キリスト教の誕生とイエスの人物像と、なぜ弾圧され広まったのか。イスラム教の出現とムハンマドの人物像、イスラム教の特徴と変化。それからイスラエルの建国と現代の一神教、ウクライナ戦争にも触れていて、歴史的に根深い因縁が作り出されていて、くすぶっていたものが顕在化したということなんでしょうね…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
殺人事件の現場になった賃貸マンション。退去者が相次ぎ困った大家は、住むことで瑕疵を軽減してくれる「瑕疵借り」の藤崎を頼る第2弾。藤崎のもとを訪れてきた事故で妻子を亡くした代わりに溺愛していた犬を、その他殺被害者に連れ去られたと訴えてくる男。事件で殺された男と愛犬の真相に気づき犬を見つけ出した藤崎が、別の依頼で訪れた戸建てで意外な人物に出会う展開で、藤崎の過去も少し明らかになりましたが、時には泥臭く調べることも厭わない調査をする中、張り巡らせていた伏線がふとした気付きから繋がっていく上手さも効いていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
所属するサークルで姫扱いされている農学部の桃瀬陽菜が病に倒れ、治験の鍵となるタンパク質を探す幼馴染で理学部に通う拓眞が、カミサマと名乗る少年に出会う理系ファンタジー。陽菜のために研究テーマを変えて、医学部の橘とともに彼女を救おうと実験を繰り返すものの、一介の学生ではなかなか上手く行かない状況を変えてくれたアプリの存在。何とか状況を覆したと思ったら、今度は思ってもみなかった展開に直面しましたけど、それでも彼女のことを救うためことを諦めず、最後まで努力し続けた拓眞が引き寄せてみせた結末はなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
発現させた「麒麟」の能力によって新時代の斎王を選んだ梅咲菖蒲。元許嫁で初恋の人・立夏と心を通わせ和やかな時間を過ごすものの、京都の町では百鬼夜行による事件が発生する第2弾。京都が不穏な状況にある中で、事態の収拾に向けて動き出す菖蒲や斎王たち。改めて浮き彫りになっていく斎王の座を譲ったと認識されている菖蒲に対する周囲の評価。菖蒲の兄・藤馬に関係を認めてもらうため囮を買って出る立夏と攫われてしまった斎王。やがてその真相が明らかになっていく中で、いくつもの真摯な思いも描かれていったこれからの展開が楽しみですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
雷撃のフローネによるおぞましい事件を受け、一足早い夏季休暇に突入した魔法学院。みんなと最高の夏を過ごすべく、実家のヴェレット領でバカンスを楽しむ第3弾。ヒロインたちの魅力にシリアス展開続きの学院生活を少し忘れる一方、レイナと闇属性魔法の支配とフローネによるマシロの身体乗っ取りの企てを突き止めるオウガ。その手先として悪徳侯爵アンドラウスが浮上する中、手紙を残して姿を消した従者アリスの過去と因縁が明らかになってゆく展開で、苦しい展開の中でも彼女に向き合って過去ごと受け止めてみせたオウガがカッコ良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
朝の電車で他校の女子・表川結衣を一目見ることにささやかな幸せを感じていた平凡な高校生・土屋文太。そんな彼に見た目が正反対のギャル裏川が話しかけてくる青春ラブコメ。文太は密かに聖女様と呼び、その清楚な佇まいに癒されていた表川が変装したもう一つの姿・裏川。聖女様の大親友と名乗った彼女の姿で密かに文太の真意を探り、彼に表川へ接触するアドバイスをしていくマッチポンプ展開で、傍から見れば二人で一人の彼女に翻弄されながらも、表川&裏川のどちらにも魅力を感じてしまっている文太と、それを喜ぶ彼女のこれからが楽しみですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
クリスマスイヴの破局から一夜明けた冬休みの朝。十一月の文化祭で出会った、自称youの一番弟子な中学生・城山芽依が押し掛け修業にやって来る第8弾。日葵から事情を聞いてやってきた芽依に加えて、七月の高校に遭遇した因縁の下級生・米良鎌子もコンビニのバイトとして入ってきたことで、険悪な二人に感傷に浸る間もなく振り回されてゆく悠宇。一方、何もなくなって生きる目的を見失ってしまった日葵、それを知ってなぜ自分が悠宇の親友になりたかったのか分からなくなっていく凛音、という構図で迎える次なる展開も波乱の予感しかないですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
人間を武器・夜煌刀に変異させる力を持つナイトログ。その代表者六人が集い戦う六花戦争に巻き込まれた古刀逸夜が、落ちこぼれのナイトログ夜凪ノアに救われるバトルファンタジー。ノアの夜煌錬成により夜煌刀に生まれ変わり、あらゆる傷を癒し身体能力を爆増させる驚異の力を発揮した逸夜。謎の連続失踪事件に巻き込まれた妹の捜索を条件にノアと手を組む逸夜。特異な力を持つ逸夜を奪うべく参加者たちが次々と現れる中でそれぞれの背景も明らかになって、葛藤を乗り越えてひとつに集約されてゆく因縁に立ち向かう熱い展開はなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
魔王が倒されてから約70年。齢90になり寿命まで残された時間は少ないと考えた元勇者が、妻の元聖女エルリカと共に各地の懐かしい知己を訪ねる旅に出るファイナルファンタジー。人里離れた場所から旅に出た二人が剣聖キザキや魔女ララ、モンクのシュタイン、竜騎士マックスといったかつての仲間を訪れて誘う最後の旅。伝説の存在もすっかり老人としてほのぼののんびりの旅かな…と思わせておいたところで、最後の最後に明らかになってゆく彼らの抱える事情と、襲いかかってくる脅威へと立ち向かうその勇姿のギャップがいい感じに効いていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
通り魔に殺される形で、人を襲うモンスター《魔》を討滅する《祓魔師》の一族に転生した少年イツキ。彼が幼少期に努力しすぎて規格外の力を得る努力無双ファンタジー。生まれた時から状況を把握していて、祓魔師の子は《魔》に狙われやすく弱ければ再び殺されてしまうことを知り、もう二度と死なないため最強を目指し赤ちゃんの頃から練習を積み重ねて、膨大な魔力を獲得したイツキ。数百年に一人の逸材となった彼が、着実に成長して実績も積み重ねながらダブルヒロイン相手にどんな物語を繰り広げるのか、今回でスタートラインに立った今後に期待。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
とある事情で地元を離れて親戚の家に身を寄せた高校生の枕木蒼一朗。そこで遠縁の親戚で幼馴染の深紅と再会して、高校生の「おままごと」にのめり込んでいく青春小説。幼い頃と何一つ変わらないノリで深紅から提案された恋人ごっこ。最初はただ楽しくバカップルを演じていただけの二人が、徐々にのめり込んでいく中で分からなくなっていく相手への想い。そこに一度距離を置いた深紅の彼氏・赤井先輩や、複雑な想いを抱える親戚の黄純を絡めた関係はさらに迷走して、捻れてしまった関係を取り戻すことができるのか今後の展開が気になるシリーズです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
試行錯誤の末にようやく辿り着いた、巡の隣に二斗がいる未来。しかしあれほど強く望んだのに、今度はなぜかそこにもう一人の彼女がいない未来に直面する第5弾。誰もが笑顔でいられるハッピーエンドでなければ意味がない。巡と二斗が一緒にタイムリープしても、文字通り総力戦で挑んでも、追い詰められる結末に繋がる選択をする彼女の決断を覆すことが出来ない現実に直面する二人。そんな状況で巡が下した覚悟の意味を考えると何とも皮肉な展開でしたけど、それでもこれまでの積み重ねから仲間たちを信じて乗り越えてみせたその結末が印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
没落貴族の娘ホーリーをバルガ帝国から亡命させる仕事を請け負った、コードを脳内に生成して戦う情報師ツシマ。護衛しながらの逃避行で二人が絆を深めてゆくファンタジー。港で帝国正規軍に待ち伏せされるだけでなく、帝国最強と名高い情報師『六帝剣』も襲撃してくる過酷な旅路となってゆくホーリーが抱える事情。否が応でも巻き込まれて強敵と対峙するツシマの秘めた実力が明らかになる一方で、彼女もまた覚悟を試される展開になっていて、雰囲気のあるキャラたちを惜しみなく投入して繰り広げられる因縁に決着をつけた二人の結末が印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
最推しヒナタの親友ルイが自分を目の敵にしていることに悩むイブキ。そんな状況を変えるべくイブキがルイと仲良くなろう大作戦を発動させる第2弾。百合の間に挟まる気がないことを伝えれば…と何の根拠もない勘違いに突然閃いてしまい、救世の契りからの指令で循守の白天秤見学という名の聖地巡礼で計画を発動させるイブキ。少しだけ言葉足らずな彼の言葉にどんどん勘違いを積み重ねていくヒナタも大丈夫なのかなと心配になってきますが、苦い過去が明らかになったルイとぶつかり合いながらも向き合い、たどり着いたその落とし所がまた絶妙でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
三千冊の本を載せて走る移動図書館「本バスめぐりん」との出会い。巡回先へ本を届けつつ屈託を抱えた利用者たちの心を解きほぐしていく第2弾。悩みを抱える人々が出会った移動図書館「めぐりん」とささやかな謎。本と共に歩んできた半生、十八年前になくしたはずの本が明るみにした当時の出来事、本好きと知って話しかけてきた同じ会社の人、突然引っ越してしまった友人、隣市の移動図書館廃止の真相。普通の図書館とはまた違ったスタッフと利用者の距離感や、利用者同士にも思わぬ出会いや再会があったりで、穏やかで優しい物語になっていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
古代オリエントの四大帝国時代を舞台に、その終焉と戦乱の時代を生きたマッサゲタイ女王タハーミラィの数奇な運命を描く古代オリエント歴史小説。氏族長の姪として生を受け、マッサゲタイ国王に嫁ぐことになったタハーミラィ。希望を見出だせなかった境遇から、訪れたメディア帝国の都で運命的な出会いを果たしたファールース王クルシュ、そこから過酷な状況を夫と共に生き抜いて立場を自覚するようになってゆく彼女の覚悟だけでなく、意外な半生を送った従兄のその後も印象的で、ロマン溢れる筆致で描かれた壮大な物語の結末はなかなか鮮烈でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ミネルヴァを卒業して史上最年少で魔法兵団団長に上り詰め、ついに七賢人候補に選出された元悪童ルイス。しかし最愛の婚約者ロザリーが屋上から落ち記憶喪失となってしまう前日譚後編。ロザリーを妻にという一念で彼女の父親に言われた約束を果たすべく、突出した実績を挙げて七賢人を目指し、礼儀作法を必死で覚えて王都に家を構えたものの、想いがすれ違ったまま事件が起きて、真相を探る前に選考当日を迎えてしまうルイス。勘違いして暴走した彼には言葉もなかったですが、きっちり落とし前をつけて幸せを引き寄せた結末は本当に良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
年上の部下、育たない若手…現代のマネジャーたちの多様化する職場の人材や部下育成の悩みを解決するフィードバックの基礎理論から実践的ノウハウまでを余すことなく解説した1冊。職場環境が変わり積み上げもないままプレイングマネジャーとして実績を求められ、部下を指導する時間がない日本のマネージャーの現状。心を通わせるのが難しい若手社員、多様化する部下、働かないおじさんに、経験軸とピープル軸という2つの軸からアプローチするフィードバックの方法を解説していて、ポイントを押さえた豊富な事例もあってイメージしやすかったです。
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よっち
本が大好きでひたすら本を読みふけり、ついに街中の本を全て読み尽くしてしまったマルティナ。まだ見ぬ王宮図書館の本を求めて官吏を目指すファンタジー。読んだ本の内容を一言一句忘れない記憶力を持ち、高難易度の試験を平民としては数年ぶりにしかも満点で突破したマルティナ。政務部に配属された彼女がその特殊な記憶力を存分に発揮して、魔物の不自然に発生する問題の解決に関わっていく展開で、最初はその能力に疑いを持たれながら、具体的な問題解決に至るアプローチに繋げて信頼を得ていった彼女がどんな活躍を見せてくれるのか楽しみです。
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よっち
共働き・共育てを指向するミレニアル世代がいかに仕事と生活、子育てを両立し、そのための様々な障害にどう対処しているかについて、インタビュー調査を書籍化した1冊。子育てしながら夫婦で働くリアルはどうなっているのか。育休制度を活用できない職場の風土、妻のキャリアは夫の足場次第という現状。男性の仕事中心の生活、女性のキャリアロスに陥らないための奮闘が描かれ、企業やマネジメント層の意識刷新も説かれていましたが、相当頑張らないと続きそうもない様子が伺えて、やはり職場環境に余裕がなさすぎるのが一番の課題な気がしますね。
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よっち
先進諸国で若い政治リーダーが台頭している中、なぜ日本だけ変われないのか?変化の激しい時代に旧来の価値観で政治が行われ、閉塞感が漂う日本の現状を問う1冊。他の先進国の被選挙権年齢がどんどん下がっていく中で、投票は期待されてもデモは期待されない日本の若者の政治参加の現状。ブラック校則や部活の強制参加、過度に競争的な教育システムを構築していった学習指導要領の改定があって、紹介される海外の事例と比べるとだいぶ窮屈な印象は持つものの、自由になれば解決するような単純なものでもなさそうで、少しずつ意識改革も必要ですね。
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よっち
15~18世紀にヨーロッパで「魔女狩り」という底知れぬ闇が口を開いたのはなぜか。その起源・広がり・終焉、迫害の実態、魔女イメージを創り上げた人たち、女性への差別などを総合的に描いた一冊。そもそも魔女とは何か。悪魔との契約や異端セクト化といった前提から、最初は主に年老いた女性が対象だった魔女狩りが、いつどこでどれくらいの規模で行われていたのか、告発・裁判・処刑はどのようなプロセスで行われていたのか、記録から具体的な事例を取り上げていきながら、その原因と背景を考察していくなかなか興味深い一冊になっていました。
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よっち
古代ローマから太平洋戦争、湾岸戦争まで、戦争にはどんなコストが発生し、やりくりしたのか。戦争の準備と結末を数字から読み解く1冊。戦費がどのようなことに使われているのか、戦費の特別会計化や戦時増税、戦時国債や借金の後始末、賠償金の返済、経済封鎖と武器貿易、傭兵や民間軍事警備会社の登場といった戦争のポイントを、家康が恐れた豊臣家の財力、戦艦三笠の値段はいずも型護衛艦37隻分相当、戦時課税の起源は古代メソポタミア、ドイツが第一次世界大戦の賠償金を支払い終了は2010年など、興味深いエピソードと一緒に読めました。
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よっち
理屈が通じない、自覚がない。やっかいすぎる「職場を腐らせる人たち」とはどんな人なのか?有効な対処法はあるのか? 豊富な臨床例から明かす1冊。根性論や過剰なノルマを押し付ける、言われたことしかしない、完璧主義で細かい、あれこれケチをつける、八つ当sしたり、特定部署にこだわる、相手を見下す、相手によって態度を変える、他人のせいにする、不和の種をまく、いない人の悪口を言う、陰で足を引っ張るなど、当事者にとっては深刻でわかりやすい解決方法はなさそうですけど、まずは自己本位的な動機からの行動に気づくことからですね。
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よっち
美酒と芸楽と人肌を神に捧げてきた享楽街アイリーデ。国家間の争いとは距離を置いてきたその街にも、大陸全土に漂う戦雲が影響を及ぼし始める第3弾。華やかな街の陰で様々な勢力の思惑が交錯する中、サァリが愛する街を守りきるために奮戦するシシュ。そして彼女がついに生涯ただ一度の客取りを行うことを決意する展開で、そこまでなかなか進まない二人の関係ももどかしかったですが、決意してからもまたいろいろ巻き込まれて因縁の決着をつける展開になっていましたが、これからもきっといろいろ起こるんだろうな…と感じた後日譚が印象的でした。
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よっち
冷酷にも見える美貌の持ち主の王国の若き公爵ユリシス。性格が悪く婚約中の第一王子と不仲らしい妹イザベラが悩みの種の悪役令嬢の兄が、破滅の未来を回避して幸せを目指す物語。実は転生者だった側近イザークから、イザベラが悪役令嬢となり自身を巻き込んで破滅する未来を聞いたユリシスが、運命を変えるために動き出す展開で、イザベラの悪い見本だった叔母を解雇して仲が冷え切っていた婚約者に協力を仰ぐ一方で、本来の主人公である聖女も転生者として振り回してくる中で、悪戦苦闘するユリシスが迎えるまさかの結末がなかなか効いていました。
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よっち
『名探偵』とひと夏の冒険が終わって、友人も以前と変わらず迎えてくれた学園生活の再開。そこに銀髪で『彼女』にそっくりな後輩女子イヴにいきなり告白に告白されるスピンオフ第2弾。誰かを探していた記憶を喪失してしまったどこか銀髪の彼女に似た少女イヴも交えての、はるるや冬子たちとののんびりとわちゃわちゃした楽しい学園生活。夏凪の少年Kを巡る恋バナもあったりして、そんな微笑ましい描写があったからこそ、イヴの正体を巡るシリアスパートが引き立つ部分もあったのかなと感じましたけど、それを乗り越えて迎えた結末が尊かったです。
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よっち
コミティアを軸に、イベントが始まった1984年から2024年現在までの日本の同人誌即売会、漫画業界、インディペンデントカルチャーの歴史を紐解く連載を書籍化した1冊。創作同人誌即売会、初代代表と『ぱふ』を手伝っていた中村氏の出会い。80年代の安定しない状況と開始直後の代表交代、90年代のコミティア発の作家の登場とVSコミケット、BL胎動とJ.GARDEN、オタクブーム、ネット普及が普及した2000年代のコミティア、第100回と30周年に至るまで、様々な考え方と向き合いながら試行錯誤してきたことが伺えました。
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よっち
二億の遺産と、一人の少女を遺して死んだ祖父。突き放されたと思っていた祖父からの遺言で五歳の少女・龍音を託されるひと夏の物語。遺言では龍の子とされ、祖父の隠し子と噂される、感情に乏しい龍音と始めこることになったぎこちない共同生活。周囲の人々との関わり合いが増える中、他人に頑なだった詩音も少しずつ変わっていって、龍音もまた笑顔を見せるようになっていって、龍音が人ならざる超常的な力を使う場面に遭遇して戸惑う場面もありましたけど、どちらにも転びうる彼女の使命を知ってしっかり向き合った絆は心に響くものがありました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
富と武力を持ちながら裏切りで滅んだ国ルデク。奇跡的に生き延びるも失意の中で年を重ねていた青年ロアが、祖国が滅びる2年前に戻る戦記ファンタジー。祖国滅亡を阻止して仲間たちを守るため、自身の記憶と未来で得た経験を武器に軍師となり滅びの運命に立ち向かうロア。第10騎士団の副団長レイズに見出されて、隣国が裏で糸を引いていた山賊討伐の真意を見抜き、第6騎士団の窮地を救い、漂流していた南国の王女を歓待して知遇を得る展開で、効果的な手を打って実績を積み上げていくロアがこれからルデクの命運を変えていけるのか楽しみですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
元都入りしたものの、威首長から謁見を拒まれ仕方なく市場を見て回ることにした蓮珠と翔央たち。そこで蓮珠は、幼少の頃に父が救った行き倒れの威国の旅人・黒熊と再会する第11弾。威首長に会えずに困っていることを伝えると、実の娘のように思う蓮珠のためならと協力を約束してくれた黒熊。しかし市場で怪しい取引を目撃してしまい、思いがけず威国の内部抗争に巻き込まれてしまう展開で、官吏としての有能っぷりゆえに蓮珠に思わぬ噂が立ったりもしましたけど、また次の国に行くことになりそうで、平穏に暮らせる日はまだまだ先のようですね…。
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よっち
2123年10月1日、九州の山奥の小さな家に1人住む、おしゃべりが大好きな「わたし」が、人生と家族について振り返るため、自己流で家族史を書き始める回顧録。約100年前、身体が永遠に老化しなくなる融合手術を受けることを父親から提案された主人が綴る、ひらがなメインの文体で語られる物語で、理不尽な扱いをする父や兄、二人の姉たち、そしてパートナーとなっていった新との関係が描かれて、人らしい感情にやや乏しい存在として描かれていた主人公が、時を経て珍しい存在とされてしまう時代の変化にはじわじわと来るものがありました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
思ってもみなかった形で弟子・ロイドとともに、夢にまでみた元の世界に23年ぶりに戻ってきたイリーネ。そんな二人がイリーネのかつての研究仲間のベンジャミンを頼る第5弾。長らく異界に住んで順応したイリーネの身体に起こった異変、そんな彼女のそばを離れないロイド、そして彼らを温かく迎えてくれたベンジャミンが抱え続けていた悔恨。これからどうするかを考える中で、王女殿下との約束を抱えるロイドを気にかけるイリーネに対して、ロイドの抱く想いはどこまでも真っすぐで、どうすれば二人の関係が許容される状況を作り出せるかですね…。
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よっち
乙女ゲームの悪役令嬢として破滅するはずのカサンドラが、光る板と流れる未来の予言や、何故か自分の生活が現代の世界で24時間配信されていることに気づく異世界ファンタジー。リスナーのコメントが表示されるタブレットにより運命をネタバレされ、破滅を回避すべく元凶の王太子と距離を置いて、スパチャで現代の本を買って猛勉強するカサンドラ。破滅イベントを未然に潰しても、課題に向き合う姿から王太子に興味を持たれ、挙動不審の聖女にまで懐かれてしまう彼女は、リスナーや領民たちからも愛される存在になっていて今後の展開が楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
婚約直後に彼の父の急死に直面し、彼の実家・京都に移住して早々に京都人達からの洗礼を浴び、婚約者との関係性にも違和感を覚えだす美咲。そんな彼女がTシャツ作りにのめり込んでいく物語。まだ二人の関係も確立しない中で見知らぬ土地への移住、周囲のフォローもない孤独感はなかなかしんどい状況。作中で語られる京都の今も興味深かったですが、そこから受け身だった彼女が新しい縁を得て、自分らしさを思い出してゆく山あり谷ありの激動の展開で、それでも大切なものを見失わなかったからこそ切り開くことができた結末はなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
複雑化する訴訟社会にあって、AI裁判官が導入された日本。あくまで機械として冷徹に分析する不敗弁護士・機島雄弁とこの国の正義をめぐるAI法廷ミステリ連作集。AIの穴をついて勝訴するハッカー弁護士の顔も持つ悪徳漢・機島が助手の軒下と組んで挑む、被告人を裏切りながら勝訴した殺人事件、脳波義足事故を巡る真相、不正データ使用リーク事件の再審請求、そして陥れられた軒下とマスターキー裁判。苦い過去の事件の真相やAI裁判官の疑惑も追いながら、思ってもみなかった方法で盤面をひっくり返してみせる展開は痛快で面白かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
完全自動運転車が急速に普及した2029年の日本。自動運転アルゴリズムを開発する企業の代表・坂本義晴が、仕事場の自動運転車内で襲われ拘束されてしまう近未来小説。「ムカッラフ」を名乗る謎の人物に突如拘束され、とある死亡事故が起きたロジックの説明と開示を要求された坂本。襲撃犯の様子が動画配信で中継される中、首都高封鎖が要求されて封鎖しなければ車内に仕掛けられた爆弾が爆発する緊迫感がある展開で、エンジニアと組んだ刑事が意外なルートからのアプローチで真相に迫ってゆくストーリーはテンポもよくてなかなか面白かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
レビー小体型認知症を患い介護を受けながら暮らす祖父。かつて小学校の切れ者の校長だった知性が生き生きと働きを取り戻す連作短編ミステリ。七十一歳となった現在、小学校教師である孫娘の楓が身の回りで生じた謎について話して聞かせる、古書に挟まれていた訃報記事の謎、居酒屋での密室殺人事件、プールから消えたマドンナ先生、全員で33人のクラスメイト、容疑者にされた同僚の岩田先生、碑文谷さんとストーカーの正体。時折切なさも感じさせながら、岩田やミステリ好きの四季との関係も絡めながら描かれるストーリーはなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
東京から新横浜へと向かう新幹線、移植のための心臓を運んでいたコーディネーターが襲撃され奪われた臓器。さらに、同様の事件が天医会総合病院でも発生するメディカルミステリ。心臓、肺、肝臓、腎臓。生命のリレーの最中、踏みにじられる死者たちの遺志。いったい誰が、何の目的で臓器の強奪に走るのか。調査の過程で明らかになってゆく真相と結末。その裏にあったもう一つの隠された思惑があって、そのあまりにも独善的な発想には呆れましたけど、悪質な手口をを見過ごさずに暴いて、それをきっちり逮捕にまで繋げてみせた鷹央たちは流石でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
かつてアイドルだった少女・楯石希津奈。十五年以上を経て全く同じ容姿で現れたことに驚いた精神科部長の墨田は鷹央に診察を依頼し、美しいままの少女の不老不死の謎に挑むメディカルミステリ。検査をしようとした矢先に希津奈を連れ去った父親の存在、発見されたミイラ化した遺体、自殺を図って死体も発見された状態からの復活。今回は舞が選択研修で統括診断部に配属されてドタバタっぷりが加速して小鳥が振り回される展開でしたが、思っていた以上に厄介だった不老不死の謎を見事解決してみせた鷹央も成長しているんだなとしみじみ実感しました。
ぴちゃぴ(双子父)
2024/04/07 19:22

舞が出てくると登場人物に厚みが出ていいですよね。

が「ナイス!」と言っています。
よっち
九月の熱帯夜、小鳥遊と鴻ノ池が当直の救急外来に搬送されてきた身元不明の男性。その死因がまさかの凍死という状況に直面した彼らが、新たな事件に巻き込まれるメディカルミステリ。摩訶不思議な状況を前に司法解剖の必要性を説いても鈍い刑事の反応。それでも諦めない鷹央が垣間見た死体の異様な状況、解剖を拒否する家族、公安も動く中で浮かび上がる被害者が関わりがあったテロ団体。今回は初動で後手に回ったことから、思っていたよりも大きな事態に繋がっていきましたけど、ギリギリの状況でも諦めない鷹央たちが見せた覚悟が印象的でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
会いたいと願った人に出逢えるという秘密の列車、阪急電車の三号線。その電車を通じて「好き」と「さよなら」を届ける連作短編集。クラスが変わって孤独だったみゆきの親友になってくれた大好きな海優の好きな人への複雑な想い。電車で助けてくれた吉田くんにお礼が言いたいこころと彼の親友・高橋くんの秘めた想い。わだかまりを抱えていたあいりと円香のもう一度始める関係。引っ越しで離れ離れになった大好きな翔とかのんの再会の約束。かけがえのない大切な人への葛藤や想いを三号線が繋いでゆく、切なくてとても優しい気持ちになる物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
〈山下町の名探偵〉という二つ名を持つロンこと小柳龍一の幼馴染で、ロンと同様にブラブラして生きているマツこと趙松雄。彼が恩人の窮地を救うため行動を起こす第4弾。マツにとっては人生の恩人とも言える博打好きの上林。しかし競馬関連の詐欺に遭って自殺未遂を起こした彼のため、何とかしたいマツに協力したり、悪質なマッチングアプリ詐欺や新たに出会ったギフテッドの少年とディープフェイク事件を解決したり、地域の頼れる存在になっていくロンを実感する今回でしたが、ようやくヒナのことを意識しだした結末に俄然楽しみになってきました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
「実社会で使われるような文章を読ませるべきだ!」という声に押されて始まった文科省の実用性を重視する国語教育の大改造。そんな今、文章を読む際に大事なことは何かを改めて考える1冊。学習指導要領や料理本のレシピ、ワクチン接種の注意書き、挨拶や契約書、小説や詩などの具体的な事例と特徴、どんなことを意識して書かれているのか注目して取り上げながら、文学か非文学かということではなく、文章を読む際に言葉の形を見極める力の重要性を説いていて、それを鍛える助けとして文学作品を読む技術は必要だという論旨には納得感がありました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
おおむね冬眠を続けてきたインフレは、本当の意味で死んだわけではなかった。なぜこのような現象が起きているのか。どのような対策が必要なのか、過去の歴史から探る1冊。1970年代と1980年代の経済の主な筋書きを形作ったインフレとの戦い。コロナ禍のロックダウンなどの揺り戻しで深刻化した現状。アメリカの南北戦争やブラジル、ドイツ、イギリスなどの事例を取り上げながら、政府の対応次第では格差を拡大させ、さらなる事態の悪化を招く可能性を紹介していて、個人的な対策を書いてある本ではなかったですがいろいろ参考になりました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
指示を出しても周囲を唖然とさせる行動を取る人たち。様々なケースをもとに、そういう人たちの深層心理を理解することで、改善策を考える1冊。アドバイスを意地悪と受け止める、自分はできると思い込んでいる、すぐにパニックになる、評価してもらえないとすぐヤケになる、指示通りに動くのも難しい、すぐに記憶がなくなる、意欲が空回りするなど、認知能力、メタ認知能力、非認知能力それぞれの改善が必要な事例を取り上げていて、特効薬が書かれているわけではありませんが、何が問題なのかを認識して地道に取り組んでいくしかないんでしょうね。
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よっち
婚約者の高辻真悟と結婚するために東京の病院を辞め、札幌に引っ越した看護師の真野七海。しかし家に帰るとベッドの上で物言わぬ死体となっていた彼に気づくサスペンス小説。急遽頼まれた夜勤を終えて真悟と共に役所に婚姻届を提出する予定だった七海。それが予想もしなかった事態に直面して、とっさに覚悟を決めた彼女が下したまさかの決断。寝室から見つかったものをきっかけに探り始める真悟が置かれていた状況があって、七海がこだわっていた事情も明らかになりましたけど、真摯に向き合おうとした結末と思うといろいろやりきれなかったですね。
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よっち
三年間をともに過ごしながら、孤高の女子学生と理解し合えないまま二度と会えなくなったことに思い至った寮生たちが独自に事件を調べ始める受賞作ほか、5つの謎解きを収録した独立作品集。街頭インタビューが炎上した姉を救ってほしいという依頼に挑む観察力に優れた少年と結末、ファンに告白されたお笑い芸人と直面する現実、喧嘩したまま亡くなった祖父と浪人生の心残り、サッカー部の部室が荒らされた事件を解決する敏感探偵。複雑な心情から生まれた謎を解き明かすアプローチも良かったですけど、その後の余韻がまたいい感じに効いていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ビジネスセンスを備えた人材育成を目指す木津庭商科大学。家庭の都合で突如残り半年で卒業しなければならなくなった2年生の降町歩が、卒業するために策を巡らせるコンゲーム小説。学食等や家賃の支払いや単位売買にも使用できるポイント獲得のため、学生たちがしのぎを削る大学において、所属する監査ゼミのサークル調査で逆に取り込まれてしまい、同級生の熊倉と組んで先輩たちや教授陣を相手に駆け引きを繰り広げる展開で、グレーゾーン狙いはそう上手くいかないと感じましたけど、痛み分けに終わっても懲りない二人のたくましさが印象的でした。
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よっち
西荻窪にあるコイズミ洋菓子店で働く二葉と、腹部に肉腫を抱え長期入院中の夫一星。洋菓子店で起こるささやかな事件を解き明かしていく中で、二人の未来を照らし出す物語。幼い女の子が香りを頼りに一人探し続けるお菓子や、ロールケーキを買いに来なくなったおばあさん、毎週カフェでとある男性の姿を見かける理由、娘の誕生日ケーキを毎年購入して記録し続けた亡き両親の真意。禁食のため空腹と暇を持て余して、いつしか二葉が店から持ち帰るささやかな謎を解き明かすことが楽しみとなっていった二人が積み重ねていく、切なくて優しい物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
世代間ギャップを埋める解決策として実施されている1on1を核とした世代間コミュニケーションの問題を切り口に、職場の若者を多面的に分析した一冊。若者が何も言わずに辞めていくのか、なぜうまくいかないのか、今の職場の若者はいったい何を考えているのか。多様な世代が働いている環境で、育ってきた時代や環境が違えば、考え方や価値観は当然違うのも当然で、アンケートから見えてくる求めているものの変化は如実だと感じましたが、世代間のギャップも大きい中で、非合理を見直してフィードバックしていく適度な距離感も必要なんでしょうね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
現代における米国の地経学的パワーを再確認し、それを高く評価しつつそのパワーを永続的に発揮するための国際秩序のあり方を示す一冊。単に軍事力や経済力といった目に見えるものだけでなく、通信ネットワークを管理する力、規制を他国に押し付ける力、通貨をコントロールする力が地政学・地経学的なパワーとなっていったこと、米中対立が取りざたされ、中国の追い上げによって米国の圧倒的な軍事力や経済力が失われつつある中、それでもなお米国がグローバルな超大国として君臨し続ける現状を踏まえて今後を考える必要性を説く興味深い一冊でした。
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よっち
気候変動が環境を激変させている現在、生物はこの危機にどう対処しているのか?生物学者が柔軟に変化する動植物の姿を通して、気候変動にどう向き合うべきかを教えてくれる一冊。そもそも二酸化炭素とは一体何なのか、開花が早くなっていたり、温暖化に適応して移動し始めたり、確実な栄養を得るために食べるものの優先順位が変わったり、エネルギーの浪費を押さるためか大人しくなったり、これまでの評価基準が変わったり、動植物も適応すべく様々な変化を見せていて、その影響は注意深く見守る必要がありそうですが、興味深い変化だと思いました。
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よっち
母が自分を産んだ歳になった27歳の古井絹枝の晴らすことのできない後悔。彼女とバンド仲間たちの視点で綴られる連作短編集。ボーカル担当だった絹枝の合唱団に所属する母の誘いを撥ねつけた後悔。バンド解散後もプロを目指したが芽が出ず、怠惰な日々を送るギター担当の航治郎。バリバリ働く妻がいるが、自分はアルバイトで、音楽への未練もあるベース担当堀岡。大学卒業後、父が越えられなかった資格試験の壁に挑むドラムス担当永田。著者さんらしい葛藤の心理描写を丁寧に積み重ねながら、それぞれが最終的に下した決断が印象に残る物語でした。
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よっち
大雪の日に行われた、大人気作家の御津島磨朱李が細部までこだわった新邸のお披露目会。関係者が招かれ最初は和やかな雰囲気だったものの、次第に雲行きが怪しくなってゆくミステリ。大雪によって閉ざされた館となった夜に起きたある事件。著者自身の自宅を舞台にオマージュとして描かれた作品らしく、クローズドサークルや奇想天外のどんでん返しといったミステリのお約束を駆使しながら、誰もが怪しく見えてくる構図になっていて、冒頭にある覆面作家が殺される事件の真相には意外な意図も隠されていて、なかなか面白い作品に仕上がっていました。
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よっち
アプリで仕事を請け負い配達員として働くギグワーカーたち。欧米各国の動向も踏まえながら個人事業主の「労働者性」を問いなおし、これからの雇用社会を考える一冊。働きたい時に働くのは一見自由に見えるが、労働法によって保護されない個人事業主には、労災保険が適用されないばかりか、最低賃金や長時間労働の規制も失業時の補償もない。個人事業主に労働法は何ができるのか、その歴史的経緯や欧州の状況も比較しながら考える内容になっていて、年内に施行されるフリーランス新法の存在が少しでもその改善に繋がることを願わずにはいられません。
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よっち
3K職種といわれる業界で始まった働き方改革「物流の2024年問題」。戦後発展史からボトルネックの正体、これから起こるブレークスルーまで、物流の未来を考える一冊。ドライバー不足と働き方改革により、企業努力と労働者の犠牲の上に成り立っていた安くて早くて確実な、安心の物流は終わりつつある現状。一方ロジスティクスの発展や、重労働の軽減、省力化と効率化を目指して変貌する流通の現在、ロボット化が何をもたらすのか、大震災の教訓やSDGsへの対応など概況を知るのにちょうどいい一冊で、どこでもやはり協業の話は出るんですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
中国はなぜいくたびも王朝交替を繰り返しながら、一元的支配体制は引き継がれてきたのか? 辺境の蛮国と見なされていた秦に現れた、希代の権力者の理想にその原点を見る一冊。呂不韋の存在、戦国の七雄の関係の変化、六国平定と郡県制などに見る秦王政の中華統一から、他国出身者の登用などに見る後進国の秦がなぜ最先端の社会体制を作り出せたのか。統一に関する同時代へのインパクトや、その国家モデルがその後の王朝にもたらした影響に至るまで、わりとオーソドックスな内容でしたけど、その分コンパクトにまとまっていて読みやすかったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ファラオ、女王、天皇らが統治する世界最古の政治制度「君主制」。君主誕生から革命を経て、現代までを一望するかつてない君主たちの5000年史。「君主制」というものに焦点を当て、このシステムが人類の歴史のなかでどのように現れ、どのような経緯をたどってきたのか。国家の防衛や豊饒の確保、社会正義の維持といった役割を担っていた古代の王が、哲学や宗教を通じて理想の君主のありかたを求められるようになり、官僚と常備軍を備えた絶対君主制、市民革命の時代を経てなぜ君主国が少なくなったのか。わかりやすい解説で興味深く読めました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
小説家、エッセイスト、研究者、学芸員、書評家、詩人、大学教員、中学高校教員、予備校講師、美術家、編集者。14名の執筆陣が推しをプレゼンする一冊。それぞれが挙げる推しの一冊を人生や思想、生き方などを踏まえながらプレゼンしたり、編者と読書猿さんの本で繋がることに対する対談だったり、執筆陣のリレーコラムなど、単なる10代に推したいこの一冊的なブックガイドとはまた違う構成になっていて、セレクト自体も興味深かったですが、別の人がそれを読んだらどうなるのか、本で他者と繋がる面白さを感じさせてくれた興味深い一冊でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ザハの国立競技場が完成し、寛容論が浸透したもう一つの日本で、71階建ての新しい刑務所「シンパシータワートーキョー」が建てられる物語。苦い過去の経験から犯罪者に寛容になれない建築家・牧名沙羅が、仕事と信条の乖離に苦悩しながら設計した建物が「東京都同情塔」と名付けられ定着していく構図で、多様性とはどういうことか、ふわっとした曖昧な言葉でオブラートに包めばいいのか、同情をされるべき犯罪者が自由に優雅に暮らす欺瞞を突きつけて、比較が禁止され寛容を求められることに対するもやもやに垣間見える複雑な思いが印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
あやかしを視ることができない呪術医・土志田泉の問題を解決して、泉の屋敷で使用人として働くことになった滝沢瑠璃。彼女が〈巫女〉の力によって、またしても予知夢を見てしまう第2弾。呪術医としてますます順調に仕事を続ける泉。泉を支えるため使用人として真面目に働く瑠璃。様々なことがいい方向に動き始めて屋敷での生活に幸せを感じていたある日、瑠璃が見てしまった大火事の予知夢。大火事が実際に起きる前に手がかりを見つけようと、二人で夢の中で見た場所に向かう展開でしたけど、瑠璃の過去にも向き合った二人のこれから楽しみですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
東京下町にひっそりとある、居酒屋「ぼったくり」。店主の美音姉妹と常連客たちの旨いものと人々のふれあいを描いた短編連作小説番外編第三弾。商店街にある親の病院を継ぐかどうか悩む医師。馨の結婚式を巡るひと悶着、異動があって多忙を極める哲とすれ違う馨のすれ違い、猫騒動ふたたび、要と哲が主催する妻へのねぎらいの夜。今回は馨と哲が夫婦になるまでとその新婚生活を軸に描かれる展開でしたけど、美音と要があまりにも理想の夫婦過ぎて、それと比べてしまうのはちょっと酷ですね…(苦笑)でも馨たちも大切なことに気づけて良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
いつも自分を後回しにして、周りに合わせてしまう高校生の風里。そんな彼女と100日病が発生してしまった幼馴染の千冬の純愛を描いた青春小説。大好きだった絵すら母の一言で止めてしまった風里に、彼女の描く絵が好きだと言ってくれた疎遠だった幼馴染の千冬。その言葉をきっかけに自分の思いに向き合っていくと同時に、封印していた千冬への思いを意識していく風里。けれど100日病が千冬の身体を着実に蝕んでいく展開は厳しいですけど、彼のために絵を描こうとする風里の決意と、最後に残された手紙がなかなか印象的な物語になっていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
お忍びで向かった飛行皇国ヴァンドルージュで魔獣狩りを楽しんだニア。帰国後、彼女のもとに飛行皇国にいるヒエロ王子からザックとフィルの結婚式の撮影依頼が届く第5弾。他国への魔法映像の普及を進めるため、ニアたち撮影班は世界初となる魔法映像を導入した結婚式企画の海外撮影に挑むことになり、殺人的なスケジュールで強行され撮影から演出まで何とか乗り切った素敵な結婚式。一方で、ついに学院放送局が開設されたり、弟子たちと出稼ぎに行った先でトラブルに巻き込まれたりもする展開で、いよいよ武道大会に動き出した今後が楽しみですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
人間を苗床に増殖する異界の怪物インクブスの出現によって絶滅の淵に立たされている人類。超常の存在から力を与えられたウィッチが蟲を操り、怪物を喰らう異端の魔法少女ダークファンタジー。能力もバラバラで単独では非力なことも多く、時には蹂躙されてしまうウィッチ。そんな中で数多の蟲を操り次々とインクブスを屠っていく魔法少女・シルバーロータスである女子高生の東蓮花。大量の蟲を駆使するがゆえに仲間にすらなかなか姿を見せず神出鬼没で、狡猾なインクブスたち相手に駆け引きを繰り広げながら殲滅してゆくその姿はなかなか圧巻でした。
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よっち
迫りくる数々の危機や問題に対抗すべく行動を起こすザガン。そこにザガンの旧知の仲にして敵の首魁でもある、マルコシアスが突如現れる第18弾。マルコシアスによって告げられる果ての地で開かれる、現〈魔王〉が勢揃いする集会。それに出向くことを決意したザガンは、せっかくの機会だからと仲間たちを連れて道中で刊行をする展開で、バルバロスがザガンとネフィのために何やら企む一方、様々な調略の手が伸びる配下たちの反応がらしくて、最後の最後に思わぬハプニングもありましたが、後手に回っていたサガンもようやくといったところでしたね。
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よっち
十二歳までに〈神の恩恵〉が人々に与えられる世界。授かった珍しい恩恵を隠していた狩人のルカが、魔術使いと判明した弟リヒトの従者枠として一緒に魔術学校に行く学園ファンタジー。天才的頭脳に恵まれて新しい魔術具を次々と作り、入学前から天才ぶりを発揮する魔術使いの弟リヒト。一方、兄のルカもまた珍しい特殊能力を持つ弓の名手で、密かに王都の「白い狩人」として有名になっていく展開で、兄弟と様々な人々との出会いや、丁寧に構築された世界観もなかなか良かったですけど、何よりも深い絆で結ばれた兄弟の仲の良さが際立っていました。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/08/23(3970日経過)
記録初日
2013/07/27(3997日経過)
読んだ本
11533冊(1日平均2.89冊)
読んだページ
3353618ページ(1日平均839ページ)
感想・レビュー
11424件(投稿率99.1%)
本棚
70棚
性別
血液型
B型
職業
専門職
現住所
埼玉県
外部サイト
URL/ブログ
https://yocchi.hatenablog.com/
自己紹介

こんにちは。普段は図書館と書籍仕入れに関わるお仕事をしています。仕事のついでに面白そうな本がないか探していて、とりあえず自分が読みたいと思った本さえ読めてさえいれば、わりとまあいいかと思えてしまう行動原理が少し残念な人。

好きなジャンルはボーイミーツガール、青春小説、部活小説、お仕事小説、ミステリ、冒険・中華ファンタジー、歴史・戦記、SFなど。コメディ調より落ち着いた雰囲気の物語志向。意外な展開や難解さがウリのお話も嫌いではないですが、どちらかというとベタで王道な構図が分かりやすい、最後は良かったなと思えるお話が好みです。

基本的には著者買いが多いですが、興味を持ったらテーマやジャンル・作家などにはあまりこだわらず何でも読みます。人に本を薦めるのが趣味の本を読むついでに人生を送る雑食系読書廃人。

娘(11年4月生まれ)の読書記録用アカウント。
http://bookmeter.com/u/562586

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