読書メーター KADOKAWA Group

2024年2月の読書メーターまとめ

よっち
読んだ本
139
読んだページ
40784ページ
感想・レビュー
139
ナイス
5672ナイス

2024年2月に読んだ本
139

2024年2月のお気に入られ登録
9

  • ossan12345
  • おぴぱん
  • 佐治駿河
  • しゅわっち
  • Ny
  • meiko37
  • 花見月
  • 鯉一
  • りざーどん

2024年2月にナイスが最も多かった感想・レビュー

よっち
「嘘」をテーマに、今を生きる私たちをリアルに切り取った7つの連作短編集。「VTuberを守るため」という動機で人気音楽クリエイターが殺された影響、動画がバズったカリスマ女子高生が動画を撮らなくなった理由、幽霊からプッシュ通知が届くという報告が多発する呪いのアプリ、娘に似た女性をマッチングアプリで探す男、学校の机に推しの祭壇を作る彼女、上司を騙して残業代を増すOL、そして謎解きを依頼された亡き夫のアカウントが未だに動く理由。ミステリ要素もあって、嘘に追い詰められたり振り回されたそれぞれの結末が印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。

2024年2月にナイスが最も多かったつぶやき

よっち

2024年1月の読書メーター 読んだ本の数:131冊 読んだページ数:39547ページ ナイス数:5292ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/385946/summary/monthly/2024/1

が「ナイス!」と言っています。

2024年2月の感想・レビュー一覧
139

よっち
人気RPGが具現化した異世界。ザコ悪役として惨殺されるゲーム内の記憶を叩き込まれた傲慢貴族ローファスが、破滅エンドを避けるべく動き出す物語。悪の四天王の一角として何千通りにも及ぶパターンで惨殺される未来を夢で体験させられたローファスが、回避するために暴動のきっかけとなる悪徳役人を成敗したり領地を荒らす魔物を眷属化する展開で、12歳ゆえに世間知らずの傲慢さを垣間見せるものの、貴族の誇りを忘れない心意気も持っていて、執事カルロスの力も借りながら、強力なモンスターにも立ち向かっていく姿はなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
平安時代の陰陽師だった前世の力を使いダンジョン配信する高校生の上野ソラ。規格外の力で人気美少女配信者を救ったことをきっかけにブレイクしていくダンジョン配信小説。陰陽師としての力があまりにも規格外すぎて詐欺師扱いされていたものの、人気美少女配信者の大神リカを強力なイレギュラー魔物から助けたことをきっかけに人気を集めていくソラ。ダンジョンボスをまさかの式神化したり、味覚がズレていたりと前世の感覚を色濃く残すキャラには苦笑いでしたけど、ダンジョンでの危機には迷わず飛び込んでいく心意気がなかかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
日本を侵略する神霊結社デルンケム。その四大幹部の一人で神霊工学者ハカセが、正義の変身ヒロインの一人フィオナに恋をして、にゃんJのスレ住人たちに恋愛相談する物語。元デルンケム幹部が経営する喫茶店で、学校帰りのフィオナたちと遭遇するものの、恋愛経験がなく異性との会話の仕方が分からないハカセ。常日頃から首領の愚痴を聞いてくれているスレ住人達に相談しながら試行錯誤する中で、明らかになってゆく組織の複雑な事情や元幹部たちの動向、頼れるお兄さんを慕うヒロインたちがいて、そんな彼らの物語の行く末を見守りたくなりました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
戦力としては微妙な上に、金の使い込みがバレてSランク冒険パーティーから追放された商人トラオ。仕方なく投資先の女の子たちと組んで魔王討伐を目指すファンタジー。時期尚早と止めるトラオを尻目に魔王討伐に向かったかつての仲間たち。一方、確実な勝利を目指す彼が新しい仲間に指示するドン引きの初仕事。そこから裏で手を回して魔王軍を弱体させつつ、確実に勝つために金にモノを言わせて味方の底上げを図る発想が斜め上でしたけど、ドケチで人の心がないように見えるトラオと周囲の関係が浮き彫りになってゆく番外編が最後に効いていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
「嘘」をテーマに、今を生きる私たちをリアルに切り取った7つの連作短編集。「VTuberを守るため」という動機で人気音楽クリエイターが殺された影響、動画がバズったカリスマ女子高生が動画を撮らなくなった理由、幽霊からプッシュ通知が届くという報告が多発する呪いのアプリ、娘に似た女性をマッチングアプリで探す男、学校の机に推しの祭壇を作る彼女、上司を騙して残業代を増すOL、そして謎解きを依頼された亡き夫のアカウントが未だに動く理由。ミステリ要素もあって、嘘に追い詰められたり振り回されたそれぞれの結末が印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
神の差配で罪を犯した者は身体の一部が異形化されてしまう世界。原罪種として治安維持組織の職に就くヨシュアが、みなし子の女の子カナンと運命の出会いを果たすファンタジー。共同生活を始めたカナンとの日々をかけがえのないものと思うようになっていく一方、だからこそ避けがたい運命の波に巻き込まれてゆくヨシュア。数年後、成長したカナンが王政打倒を掲げる革命軍に所属する二部構成になっていて、革命軍を率いるノアとカナンを巡る友情と葛藤や暴かれる神の真実があって、それぞれの生き様が描かれたその結末はなかなか印象的な物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
神坂怜としてデビューし早7ヶ月。最近は大きな炎上に巻き込まれることもなく、ラジオ出演やゲーム案件配信などの大きなお仕事も決まる中、解雇された元同期の噂が流れる第4弾。別事務所の新人Vの『中の人』を決める公開オーディションに参加する元同期の話題で掘り返される過去の話。ラジオ出演や男子Vtuberと一緒にお部屋掃除だったり一緒に熱くゲームしたり、慕ってくる女子Vtuberたちとのやり取りが微笑ましかったりしましたけど、普段はポンコツっぷりを炸裂させていても、いざというときの畳先輩がなかなか頼もしかったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
日本の未来の姿とは。人口、社会、経済、環境問題、防衛・安全保障、AI、そしてロボット、最新医療といった論点それぞれを数字で整理して見えてきた危機と希望を紹介する1冊。総人口のピークを過ぎて減少傾向にあり、高齢化も進む中で起きている様々な問題、取り巻く状況はどう変わりつつあるのか。日本の経済規模はこれからどのように変わるのか、急激に変化しつつある気候や甚大災害、日本と周辺諸国の防衛・安全保障問題。進化するAIやロボット、最新医療が紹介されていて、豊富なデータをもとにした考察がもう少しあると良かったですかね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
なぜ不登校やいじめなどの問題は絶えないのか。叱らない教育に現役スクールカウンセラーが警鐘を鳴らし、叱ること押し返すことの意義を取り戻す一冊。現在、不登校状態の子どもは小中学校合わせて約30万人。これまでは「無理させず休ませる」支援が主流だったものの、不登校の傾向も変わってきていてそれだけでは改善しない事例が増えてきている。成長には思い通りにならないことを受け容れる経験が必要で、少ない子どもはネガティブな自分を受け入れられず、不適応になりやすい傾向がある。その辺りは意識して向き合っていく必要がありそうです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
この世は思いもよらないことが起きる。理屈通りに物事は進まないし、予測もコントロールも難しい…。自分を偽らず、生き生きとした人生を送るために大切な心構えを伝える一冊。リスクのない選択をしたいと思うようになると何も選べなくなってしまう、自分で選択した選択をベストにするよう生きていく覚悟が肝要で、評価の俎上に載せられることを忌避する思いに対する数値評価の客観性、生物は環境に対してある程度慣れを持ちやすいこと、歴史や科学も意識しながら、そういう中でベターな選択を意識してきた著者さんの生き方がなかなか印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
いま、何が日本人から働く意欲を奪っているのか?健康社会学者である著者が、会社員へのインタビューをもとに「働かないニッポン」の構造的な問題を紐解いた一冊。やる気をなくし早々に窓際族を目指す30代エリートと「頑張り損」と感じてしまう社会構造、真面目な人ほどハマりがちな「ステレオタイプの脅威」の罠、人事権がないのに人事に影響がある魔物、労働と働くことの小さくて大きな違いといった停滞感を生み出しているものを意識して、意義や価値を見出す有意味感をいかに作り出していくか、そういう意識が改めて必要になってきていますね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
高い自殺率、縮む給与差、育たぬ後任、辞めていく女性と若手。日本の管理職の異常な「罰ゲーム化」をデータで示し、解決策を提案する一冊。今の管理職の何が大変なのか。組織のフラット化による管理職ポストの減少と待遇、徐々に消えてゆく期待の若手、ライフイベントを機に変化する働く意欲、負荷が上がり続けるトレンドや働き方改革の二重の矮小化、年上部下の問題や役員定年という落とし穴もあって、育成部分のフォローも必要でしょうし、抱えこまないことを意識するタスクの分散や、意識の共有といった部分がこれから重要になってきていますね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
2040年には働き手が1100万人足りなくなる。23年3月にリクルートワークス研究所が発表した未来予測シミュレーションの発表がこれまでとどう違うのかを解説した1冊。通販の配送、ゴミ処理、災害からの復旧、道路の除雪、保育、介護など、これまで当たり前に享受してきた生活維持サービスの水準が低下し、消滅しかねない危機や、様々な技術が喪失しかねない危険性もある状況を具体的に解説していて、女性やシニアの労働参加といった点では予想以上に進んでいて、省力化、機械化、有償ボランティアや柔軟な働き方を考える必要がありますね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
月詠の目論見通り感染怪異「幽世の薬師」となった空洞淵霧瑚。彼女の求めに応じて金糸雀に処方した薬。しかしそれが思わぬ結果を招いてしまう第6弾。姉である「国生みの賢者」金糸雀を救うために暗躍する月詠。思ってもみなかった事態に直面して、戸惑いどうするべきなのか葛藤する霧瑚。一方、ようやく通じあえた想い人を失い、悲嘆に暮れる御巫綺翠の決意。考えた末の結論はお互い揺るぎないもので、可能性を探るうちに明らかにされていく現世と幽世の繋がりがあって、確かな絆で結ばれた二人がたどり着いた結末にはぐっと来るものがありました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
時代に合わせてしたたかに仕組みを変化させて、世界に君臨してきたイギリス帝国。その五百年にわたる興隆・繁栄・衰退の歴史を紐解く一冊。十六世紀には欧州の二流国に過ぎなかったイギリスがなぜ世界を動かす帝国になり得たのか?イギリス革命と産業革命による躍進を論拠とする従来の説に加えて、最新のグローバルヒストリー研究で明らかにされたヒト・モノ・カネ・情報を巧みに活用した帝国化と経営の実態。状況の変化を見極めて必ずしも固執せず、優れた着眼点から新たな活路を見出して、存在感を示し続けたそのしたたかさを垣間見る思いでした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
民主主義だけでは民主主義は成り立たない?民主主義を機能不全から救い出すために何が必要か、今日の政治を支える重要思想を一望してその核心に迫る一冊。政治思想が「民主政」批判から始まったことに注目しつつ、民主主義だけでなく、それを補完・抑制する原理としての自由主義や共和主義、社会主義などについても取り上げて、それぞれの歴史的展開や要点を整理していて、なぜ今政治思想が必要なのか、民主主義の意義を改めて確認するとともにその限界を認識して、その上でこれからどう考えるべきか、そのヒントがいろいろあったように思いました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
原因不明の病≪ヴァイオレット・アイ≫で病で親友を亡くした高二の咲織が、問題児だと思っていた同じクラスの男子・啓二と出会い、少しずつ変わっていく青春小説。死んだ親友の気持ちを知るために詐病を装い、学校で孤立していた咲織。腫れ物扱いされていた彼女に声を掛けて、少しずつお互いを知っていった啓二が隠していた秘密。現実に抗うため、向き合うためにそれぞれに嘘をついていた二人が、かけがえのない存在となっていって、未来を諦めないためにどうすればいいのか懸命に考えて、周囲の協力も得ながら希望を見出してゆく素敵な物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
札幌の遺品整理会社メメントで働く遺品整理士の柊つかさ。残留思念が視える異能を持つ彼女が、心に寄り添う仕事を通して想いを紡いでいく連作短編集。故人が最後に遺した想いを遺族に伝えたいつかさが洲雲と組んで働く中で見出す、亡くなった娘の部屋の整理と依頼した母への想い、孤独死した男性の息子への想い、祖父の遺産相続を巡る孫と叔父・叔母の関係、呪われた家に留まっていた想い、そして洲雲が抱えていた過去の悔恨。そんな想いに真摯に寄り添い、解き明かしてゆくつかさ自身もまた洲雲や笹森に受け入れられてゆくとても温かい物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
実は「読書が苦手だった」大学図書館の司書が教える「今まで本を読んだことがない方でも使える」図書館の使い方を紹介した一冊。情報の信頼性は誰が、いつ、なぜで判断する、情報源を複数使って情報を突き合わせる、図書館の強みは現物を確認できることなど、情報収集のポイントを紹介しながら、自分に合った本を手に巡り合う探し方や、検索のポイントとなるキーワードの考え方だったり、ネット時代の今、図書館をどのように上手く使うのか、どうすれば調べものが得意になるのか、入門書として易しく書かれていてとても良くできていると思いました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
辛うじて対ハクアの切り札「星骸」を確保したものの、逃げ場は失われていたメノウたち。最強の使徒ミシェルが迫る中、逆転の一手となる星骸解析を進める第9弾。星骸起動には器との接触が不可欠であることが判明し、人間はおろか魔導兵すらも拒絶する隔絶した魔導領域。最後の四大人災の器が潜む絡繰り世の最奥。そこにたどり着いたメノウに突きつけられた極限の選択。これでもかとばかりに激動の展開でしたが、お互いのことを諦めないメノウやアカリだけでなく、モモもほんと頑張りましたよね。そんな彼女たちが引き寄せた結末がとても素敵でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
叉羅国の内乱勃発の危機を防いだのも束の間、バシュルク国とムラッカ国の間で始まったものの停戦会談が全く進まず、ついには両国の間で事件が発生する第9弾。両国の仲介役として奔走する莉杏が、新たな戦争の火種になりかねない事態を収めるために言い出したささやかわがまま。一方、莉杏の十四歳の誕生日を祝うため極秘計画を進める暁月。文字通り健やかにまっすぐに着実に皇后として成長している莉杏には毎回驚かされますが、密かにそんな彼女に心揺さぶられている暁月も微笑ましくて、最後の皆に愛される彼女の誕生日もなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
春秋時代から明末清初まで、二五〇〇年にわたって興亡の絶えない中国をかき回した反逆者たちの数奇な人生。中国古典の第一人者・井波律子氏による評伝集。君主に父兄を殺されて呉に奔った伍子胥や世論を操作して王朝を簒奪した王莽、貴族に出し抜かれ皇帝になりそこなった桓温、夢半ばで息子に殺された安禄山、英雄を処刑して忌み嫌われた秦檜、恋人を奪われて激怒し国をも売った呉三桂など、中国史に登場する極め付きの裏切り者たちの生き様とその行き着く先が紹介されていて、テーマも良かったですし、著者さんの文章も楽しそうで面白かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
「失われた30年」と言われる長期停滞から抜け出せない日本。なぜこれほど長く低迷しているのか。繰り広げられた論争と実施された政策をマクロ経済学の見地から検証する1冊。1990年代の構造改革と不良債権処理。2000年代の長期化するデフレと格差論争、リクレ政策。大いなる安定から大不況に陥ったアメリカ経済の30年。2010年代の格差拡大と長期停滞期における低金利政策。振り返っての著者からの提案は、必ずしも納得感のあるものはなかったですが、現実問題として将来を見据えて今から政策を考えていく視点は必要だと思いました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
作っている作物も事情も様々な各都道府県の農業。それぞれの農業産出額を農業関連予算で割ることによってコスパを算出し、それをランキング化してみた結果をもとに分析する一冊。分析の結果、浮かび上がってきたのは、都道府県魅力度ランキングの下位常連組が上位グループを成している意外な実態で、米どころほどコスパが悪い状況、サトウキビ離れが目立つ沖縄、労働生産性3トップは北海道・関東・南九州、農地の集積が進む地域と遅れる地域、食料自給率の実効性の低さなど、様々なデータから見る多角的な分析はなかなか興味深いものがありました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
千年以上にわたって存続したのちにビザンツと呼ばれるこの帝国は、いかにして存続できたのか?フランスを代表するビザンツ研究者の著者が簡潔かつ明解に論じる一冊。東方のローマ帝国の誕生に始まるコンスタンティノープルと東方の再編、教会との関係。再設計されてゆく帝国とムスリムの挑戦、イスラムに勝利してバルカン半島を制覇した中世期の絶頂期から、ラテン人とトルコ人に挟まれる状況に陥っていく中でのヨーロッパへの後退、トルコ人服属下に至るまでの流れを最近の傾向を取り入れながらコンパクトにまとめていて訳文も読みやすかったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
古代末期に源流をもつ世界を拡大し、統合した力とは何だったのか。ナショナリズムと国民国家を超えた地中海=ヨーロッパの歴史を展望する一冊。ユスティニアヌス、カール、オットー一世といった大帝と呼ばれた皇帝の事績に始まり、自然災害やパンデミック、世界年代記や終末論思想の出現、ビザンツ帝国に見る世界の広がりや、レコンキスタとコンスタンティノープルの陥落、近代的思想の誕生、そして近代化の中で国家と社会をどう捉えるかを解説する内容は、通史ではないもののいかにしてヨーロッパが形作られたのかを知るいいきっかけになりました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ザルーダとミスト、二正面の戦いどちらにも早急にカタを付けたい亮真。ミスト南部の都市ジェルムクの包囲を突破してミスト軍との合流に成功する第26弾。北部と南部の貴族が対立するミスト王国で、南部貴族の中にいるブリタニア王国との同盟を唱える一派。そのブリタニア同盟派貴族の蜂起によって、南北から挟み撃ちにされることになる亮真。組織の仕組んだ謀略もあって、援軍すら敵になって四面楚歌という状況は流石に後出し感がありましたけど、こうなるともう撤退しかないですよね。最後のエピソードが今後にどう繋がるのか気になるところです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
婚姻届を出してから数ヶ月。冬になって札幌にある『くま弁』で共に働くユウと千春が、自分たちなりの新婚旅行を始める第8弾。二人が考えたのは定休日のたびに道内を巡る小旅行。サロマ湖への旅行で将平さんのところで過ごしたり、夕張で茜ちゃんと再会したり、増毛で守田夫妻に遭遇で出会ったり、いくつもの旅の中で巡り合う美味しいものやたくさんの人々。無理がたたって旅先でついに業務用のバンが故障しちゃいましたけど、宅配計画に関しては向こうに引き継ぐのかな。常連客ともお料理を持ち寄ってのパーティがあったりでなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
多様な側面で個々人の人生に影響を及ぼす存在となっている人工知能をはじめとする最新テクノロジーとそれに伴う技術革新の不安や疑問、そして未来の可能性を解説した一冊。そもそも生成AIとは何か、その歴史的転換からその背後にある技術、AIによって消える仕事と残る仕事、AIが問い直す創作の形、生成AIによってどのような技術革新が行われるのかといったテーマについてわかりやすい言葉で解説していて、どちらかというと概論的内容で深く掘り下げてはいないですが、生成AIをざっくりとこういうものだと知るにはいい一冊といえそうです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
人生や社会に関わる切実な問い、何が「正しい」のかわからなくなった時代。哲学者たちが考える正義を法哲学の第一人者が切れ味鋭く論じた一冊。プラトンの魂の内部の調和、アリストテレスの他の人々との関係に現れる徳、ホッブズの相互利益になる契約の実行、ロックの自然権の保護・実現、ヒュームの慣習で生じた財産権規則を守る、スミスの非難が適切で権利の保護、カントの定言命法に従うこと、功利主義や、ロールズの社会制度の第一の徳など、哲学者それぞれが考える正義が紹介されていましたが、後に進むほど難解で初心者向けではなかったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
庶民出身ゆえに、凄腕魔術師でも軍隊で差別的な扱いを受けていたアリシア。戦死を装い聖女召喚の儀に割り込んで聖女になりすます人生逆転ガールズコメディ。ある日の戦場で上官の嫌がらせで単騎出陣を命じられ、敵の待ち伏せを自分の死体を偽装することで無事に逃げ切り、もう軍を辞めたいと愚痴る彼女に孤児院時代の悪友マリーヌから聖女のなりすましを提案されるアリシア。マリーヌを参謀に演じる聖女役は意外と庶民に人気で、もう一人の聖女が現れて対立の構図もありましたけど、持ち前の魔術と人の良さで切り抜ける楽しい物語になっていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
冒険者として行方不明者の捜索に当たっていたヒイロのもとに、寮長ミュール誘拐の情報がもたらされ、そこで妹を餌に誘い出されたクリスと出会う第4弾。どうやら犯人の正体はヒイロの命を狙う三条家の一味と魔神教フェアレディ派の混合勢力で、仲間たちと敵のアジトに潜入して奇襲で奪還に成功したものの、直後に精神に干渉する「夢畏施の魔眼」を操る魔人フェアレディが復活してしまい、魔神の夢に囚われてしまうヒイロとクリス。あくまで百合にこだわるヒイロと妹への複雑な想いを抱くクリスが葛藤を乗り越えて力を合わせる展開は熱かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
超大国になるか発展途上のままか、経済的に豊かになるか貧困にあえぐか。国家の命運は人口が握る。今後の社会を読み解くうえで多くの示唆を与える人口学者による大胆な未来予測。乳幼児死亡率の低下、人口爆発後の人口ボーナス、急速な都市化の影響、出生率が低い社会の共通点、高齢化社会と暴力の関係、超高齢化社会の日本、人口減少が進む先進国、移民・人種問題と民族構成の変化、教育の発展が国にもたらす影響、人類の食料危機など、人口問題にまつわる10のポイントで増減する要素を解説していて、アフリカの動向が今後の鍵を握りそうですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
科学をはじめ、歴史、哲学と使える知見は何でも使い、熱意にあふれた筆致で読者を巻き込んでいく若き哲学者マッカスキルの説く、未来のための思想を解説した一冊。気候変動、高度なAIや全面核戦争がもたらす脅威・リスクについて、できるだけ正確なデータ、長期主義的フレームワーク、数学的ツールで詳細に検討し、数世紀から100万年先までの不確実な未来を予測して、人類の絶滅や幸福とは何かを問う一冊で、現実的に直面するかどうか分からない可能性をどこまで考えるべきなのか、できる範囲でやっていくしかないというのが正直な感想でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
気候変動や生物多様性の危機を解決するため、最新のテクノロジーを駆使するのは自然を救う希望か、それとも絶望か。具体的な事例を挙げて考察する一冊。川に電気を流し外来種のコイを操る電気バリアや温暖化の海を耐え抜くサンゴを作り出す進化アシスト、毒を分泌するオオヒキガエルを無毒化する遺伝子ドライブ、大気中のCO2を回収して石に変える装置、空にダイヤモンドをまいて地球を冷やすソーラージオエンジニアリングなど、どれも被害を食い止めようとしないと悪化する事例で、けれどどこまで手を入れるべきなのかはとても難しい問題ですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
電通のコンセプトデザイナーが明かす、「人を動かす企画」を生み出すコンセプトデザインの重要性と、考え方と実践プロセスを紹介した一冊。コンセプトとは社会の既存の「当たり前」が見落としてきた短くの満たされていない欲求を満たし、理想に近づくための提案の方向性のことで、固定化された認知をリセットすることの重要性や、コンセプトを構成する3要素、3種類の性質、5つの効果や恩恵、コンセプトを決めるバイアス、インサイト、ビジョンの3要素、コンセプトのベストな価値や、陥りがちなポイントの解説もあって考え方の参考になりました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
普段ほめられることはなく、陽の当たることのない縁の下の力持ち―それが校閲。至宝の校閲秘話から生まれた変態的情熱溢れるお仕事コミック!ひとつの言葉、ひとつの表現にこだわる日本語のプロとして本作りに欠かせない校閲者たちは、個性豊かな文芸作品とどう向き合っているのか。校閲部を持つ新頂社の社員歴10年の社員を主人公に、文芸版元だからこそ知り得た作家とのエピソードや秘蔵の校閲あるあるを楽しめる校閲者の日常物語になっていて、校閲者がどこを見ているのか、見逃してはいけないのか、こだわりが感じられてなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
場所や時間、人間関係に縛られることなく、スマホ1台あれば始めることができるSNS副業について、きちんと仕事にする方法、忙しくても挫折しない方法などをまとめた一冊。特別な経験やスキルは必要なく、大切なのはテクニックよりもマインドセット。女性が経済的に自立することを目的として書かれていて、日常の延長線上でできること、健康・夢・リレーション・お金といった人気のジャンルを押さえながら、Instagramをメインにファンの獲得方法や効果的な使い方を紹介していて、やはり軌道に乗せるまでがポイントなのかなと感じました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
マンガや雑誌の内容、カラオケ歌ってみた動画、アニメキャラクターの模写など知らずにSNSに投稿すると危ない?誰にも聞けない疑問をYouTuber弁護が解決する一冊。「映画・マンガ・テレビ」の写真をSNSに投稿、好きな音楽をBGMに使う、歌詞の一部を投稿、料理写真と一緒にレシピも載せる、クマのプーさんを描いて投稿する、話題のAIが著作権的にどうなのか、LINEの内容をスクショして載せていいのか、推しの写真をアイコンにしてもいいのかなど、実際にありそうな具体的な事例を挙げての解説はとてもわかりやすかったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
明治の終わり、病死した父が商っていた家業を継ぐため東京から金沢にやってきた十七歳の菖子が、二代目竜胆を襲名して怪異をもてなす魅惑的な地獄遊戯の物語。父が「竜胆」の名の下で、夜の訪れと共にやってくる「おかととき」で怪異をもてなしていた話を聞き、詳細を何も知らぬまま、初めて迎えた驚愕の宴の夜。戸惑いやためらいがさらなる悪循環に陥る地獄の光景に、なぜ父はこのような商売を始めたのかと思うのは当然の展開でしたけど、その事情が明らかになっていくと同時に、思ってもみなかった展開へと繋がってゆく結末が印象的な物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
浜辺での死闘を経て騎士団から逃げるため、クロニカを救うために海の先を目指すライナス。しかし突如として現れた新たな刺客が二人の行く手を再び阻む第2弾。窮地に陥った二人を救って在共和国大使館に迎える巫女アナヒト。共に向かった蒸気帝国の帝国外軍商社でのあからさまな処遇と、アナヒトの望まぬ結婚を巡る過去。相変わらず殺しても死なない貴族がしぶと過ぎて、ライナスとゆかいなヒロインたちも厳しい戦いを強いられましたけど、因縁の決着の先に現れるラスボスがエグい(苦笑)最後の提案が吉と出るか凶と出るか…続きが気になりますね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
周囲の環境にうまく馴染めず、目標も定まらない自分自身にモヤモヤを感じていた軽音部所属の高校生・楓月。好きなバンドのライブに初参加した彼が姉の友人・飛鳥と出会う青春小説。男らしさに対する違和感や心と身体が一致しないのではと悩む楓月。保育士の専門学校に通いつつも、かつて打ち込んだ音楽の道を諦められずにいた飛鳥。閉塞した日常に息苦しさを抱いていた二人が意気投合して、バンド活動を始めたものの様々な障害が立ちはだかる展開で、身近な人にこそ理解してほしいと願う心の渇望に向き合ってゆくとても素敵な物語になっていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
お隣同士の《メシ堕ち》バトルを繰り広げる優月と鈴文。そこへ優月が所属するアイドルグループのリーダー衛本留々が襲来する第2弾。優月の自称姉として鈴文にライバル意識を燃やし、超絶ヘルシーな道徳メシで宣戦布告する留々。毎日の優月のご飯係を奪い去らんとする勢いの留々に、優月の一番でいるため一世一代の勝負に挑む鈴文。休日デートの公園、お忍び旅行のホテル、いつものマンションの部屋で繰り広げられる熱い攻防は微笑ましかったですけど、留々の優月への真摯な想いもあって、鈴文もまた想いを自覚してゆく結末はなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
2年に進級して突然転校が決まったことをクラスメイトたちに言い出せずにいるクラス委員長の相影誠治。そんな状況でクラスに幼馴染の朝陽悠乃が転校してくる青春小説。小学校以来の突然の再会にかつての仲間たちと盛り上がる状況で、余計に言い出しにくくなった自身の転校話。それが思わぬところからバレてしまい、軽い感じに転校したいと思っていた誠治の思いとは裏腹に、周囲も思い出を作ろうとする展開で、いろいろと出てくるアイデアがあって、心残りをそのままにしない誠治の優しさがあって、思わぬ参戦には驚きましたけど続刊が楽しみですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
神格の顕現を謀る神秘犯罪者を捕縛し任務を終えた八鍵水明。一方、未だ異世界にいる遮那黎二はアステル国の王都メテール付近に突然現れた魔族軍と戦う第10弾。サクラメントの能力を使い魔族の進軍をなんとか食い止めていた黎二の前に現れたおぞましい異形の怪物。異世界に戻ってきた水明を意識する魔族の軍を統べる将ムーラ。19年以来の続刊でかなり記憶が曖昧でしたが(苦笑)一緒に現代世界に行って感銘を受けたヒロインたちの様子は微笑ましくて、強敵相手でもつい茶化してしまう水明を読んでいるうちにこんな感じだったなと思い出しました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
帝国の皇女ヴァルトルーネの下、新たな仲間を配下に入れてさらに影響力を増す特設新鋭軍。遂に王国軍がディルスト地方に進軍を開始して迎撃態勢をとる第3弾。王国の侵攻に連動するスヴェル教団の動きにいち早く気が付いたアルディアとヴァルトルーネが最前線へと駆け付ける展開で、教団を指揮する聖女は二人の秘密を知っていて、物語の今後に向けた鍵を握りそうな新キャラでしたけど、王国との戦いではギリギリの状況でペトラたちの踏ん張りが光りましたね。この激闘は大きなターニングポイントになりましたけど、聖女の動きも気になるところです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
突然いなくなった幼き日の霧島圭介にとって唯一の親友だったまーちゃん。10年後、親の再婚で可憐な陽キャ美少女として成長した、まーちゃんこと真咲と再会する青春ラブコメ。いきなりの再会で家族になって、同じ高校に転校してきたことで、家でも高校でも一緒という状況。ずっと男と勘違いしていた圭介が戸惑う一方で、兄妹として昔よりも近い距離で接してくる真咲。ふとした積み重ねでお互い意識するようになっていったり、真咲がぽんこつっぷりを炸裂させたり、思わぬ危機にも直面しましたけど、二人のこれからをまた読んでみたいと思いました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
海洋研究所のイーサンと飼育員ノアのもとに国際バイオ企業から届いた依頼。シャチを訓練して世界環境を救う微生物を収めた貴重なキャスターの回収を目指す海洋冒険小説。好奇心が災いし、従姉のエルと共に人間に捕獲されたシャチのセブン。他動物と言語によるコミュニケーションが出来るセブンが、離れ離れになったエルが苦境にあることをクジラから聞く展開で、やや視点の切り替わりが多く、どこまでがファンタジーなのかも考えながら読んでいましたが、周囲の助けも借りながら困難に立ち向かい、乗り越えてみせたその結末はなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
物理学者の父を文化大革命で惨殺され、人類に絶望した中国人女性科学者・葉文潔。彼女がスカウトされた軍事基地では人類の運命を左右するプロジェクトが進行するSF小説。数十年後、ある会議に招集され、世界的な科学者が次々に自殺している事実を告げられるた研究者・汪淼。なぜそのような怪現象が起きているのか。父を殺されたその後の葉文潔が描かれて、VRゲーム『三体』が示唆するものは意味深で、明らかになった真相がまた壮大なスケールの物語でしたけど、それでいて要所で人間らしい生々しい感情がポイントになっていたのが印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ついに勃発した世界大戦。忠臣オーエン等の犠牲で生まれた準備時間によってソーマの用意できた切り札が、フウガ率いるハーン大虎帝国を失速させ状況は一変する第19弾。持てる人材を総動員して臨み、英雄の時代を終わらせようとするフリードニア王国及び海洋同盟に対して、時代の英雄たる意地を見せて、ソーマたちをギリギリまで追い込んだフウガとの決着。思っていたよりも穏やかな終戦でしたけど、帝国は成長過程を考えれば、そのまま安定へとはならない難しさを感じる結末で、世界が安定してソーマがこれからどうするのかも気になるところです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
晴れて父親との確執が解けた凛太郎。武道館ライブが決まったミルスタを全力でサポートするため、凛太郎の実家で同棲生活を始める第5弾。いつもより距離の近い彼女たちに困惑しながらも、彼女たちを支えるためにストイックな生活を送る凛太郎が、お弁当を届けるため訪れたスタジオで出会った二人組アイドル・チョコレート・ツインズ。ミルスタと張り合う彼女たちの思惑に凛太郎も何故か巻き込まれる展開で、ミルスタの三人との揺るぎない信頼関係もなかなか良かったですけど、近しい境遇ゆえにツインズの本質を見抜いてみせた凛太郎が印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
暴露系MeTuber動画でゆうなと恋する死神、そしてらんむの関係が語られてしまったことでピンチに陥った結花。さらに佐方家を揺るがす母とまさかの再会を果たす第8弾。窮地に陥っても揺るぎない結花の決意に、彼女を支えていく覚悟を新たにする遊一。そんな二人を応援してくれる那由多や勇海の妹たちやマサや桃乃といった学校の友人、そしてらんむやでるたち声優の仲間たちがいて、そんな状況から思わぬ形で彼が再会を果たした母の存在は意外でしたけど、しっかりと向き合って乗り越えてみせた二人の幸せな結末を最後まで読めて良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
勘違いから始まった高屋敷咲人と双子の美少女同級生・千影と光莉との同時恋人関係。そんな彼らの仲を怪しむ新聞部の女子たちにスキャンダルを狙われる第2弾。3人だけの秘密のはずが、学校でも隙あらば争うようにぐいぐいと迫ってくる双子の距離感に落ち着かない咲人。廃部危機にある新聞部には光莉も籍を置いていて、監査を千影が担当することになり、フォローすることになった咲人。3人の信頼関係がしっかり構築されてきたこともあって、双子とフォローする咲人のドキドキする距離感やシチュエーションを安心して楽しめるようになってきました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
魔学都市の責任者として過ごすアニスのもとに届いたユフィが療養中との知らせ。二人の革命に西部貴族が真っ向から対立する第8弾。アニスの功績を真っ向から否定する西部貴族に激昂したユフィの不調。王になる意味を問われたユフィと、彼女に王を背負わせたアニスが出した未来に繋がる答え。民まで含めた皆でより良い未来を目指そうとする二人と賛同者たち、その意味を理解できない旧弊の貴族たちとの対立という構図でしたけど、もう二人で引退すら視野に入れていてユフィに幸せになってほしいアニスがブチ切れるのも当然だなって話でしたね(苦笑)
が「ナイス!」と言っています。
よっち
最強の聖女だったにもかかわらず、とある事情により異端として王都から追放されていた聖女ティア。彼女が落ちこぼれ聖女候補たちを導くガールズファンタジー。孤児として拾ったトルテとともに、落ちこぼれ皇女エミーと王女アンジェを引き取ったティア。彼女が編み出した聖女魔法を組み合わせる技で作物の超速育成や竜の飼育から一騎当千の戦闘に至るまで、桁違いの指導に突っ込まずにはいられない弟子たちでしたけど、彼女たちだけでなく教える規格外の聖女ティナもにまた苦い過去があって、乗り越えて絆を深めてゆく彼女たちのこれから楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
父との不仲で家出した鷹戸流稀を助けてくれた同級生の加古川青緒。行く場所もない流稀が加古川家美少女三姉妹と家族契約を結んで同居生活を始める家族小説。学校では優等生なのに家では兄役の流稀にめちゃくちゃ甘えてくる青緒や、彼女の従姉で学校でも人気の先生・ゆかりとの同居生活が始まり、一方で突然同居することになった彼のことを認められず反発する青緒の妹・絆菜。双子設定を主張するゆかりや、年下なのに姉になりたい絆菜などなかなかカオスな家族契約でしたけど、彼女たちとの関わることで少しずつ変わってゆく流稀の今後が楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
聖霊教に首府を占領されたララノア。偽聖女の策謀により全てが工都に集束して、アレンは隠された世界の秘密を知る第16弾。リリーやティナ、ステラを従えて氷龍復活が迫る中決戦に備えるアレンたちリィネやフェリシアなど教え子たちも各地で奮闘し、一方王都では彼の窮地を察して封鎖された工都への路を探すリディヤとシェリル。各キャラがそれぞれに存在感を見せる中、今回はシェリル大暴れと思いきやリディヤが一枚上手な感じでしたけど、対峙したかつての親友ゼルもなかなか効いていて、何より全てを見通す聖女の存在がなかなか不気味ですね…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
政府との闘争の中で瀕死の重傷を負い、森鴎外による禁忌の医術を受け樋口一葉の身体で蘇った夏目漱石。従者の禰子を連れて神田高等女学校に赴任する文豪バトルファンタジー。女学生たちを教えて、時には生徒に好かれながら、元婚約者の姿で漱石と知られぬまま出会う文豪たち。誰が自分を殺したのか。どうして鴎外は漱石を蘇らせたのか。そして作家をつけ狙う殺人鬼『ブレインイーター』の目的は何か。最初から最後まで斜め上の展開で、かつての文豪たちのキャラもなかなかぶっ飛んでいて、それでも面白いと思ってしまった自分に敗北感を覚えました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
私立中学に赴任した教師の鹿原十和子。14年前に殺された教師と似ていたことから、彼女と殺人鬼・八木沼の運命が交錯するシリアルキラー・サスペンス。自分と共通点があったのではないかと感じて、14年前に学院で殺害された事件の被害者で教師の戸川更紗に興味を持つ十和子。更紗に未だ異常な執着を持つ八木沼に、親子や夫婦、セクシャルな問題など様々なことが複雑に絡んで、導かれるように運命の糸が繋がる展開で、視点が変わるとまた違ったものが見えてくる中、執着とボタンの掛け違いから起きた悲劇とその結末がなかなか印象的な物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
あることから親友に嫌われて学校での居場所をなくしてしまった高2の莉緒。居場所を失くして歩道橋で諦めかけたある日、転校生の幸野悟と出会う青春小説。悟が掛けてくれた言葉に、明日には何かが変わると期待したくなった心境の変化。同じクラスに転校してきた悟の言動から、少しずつ変わり始める日常。なかなか素直になれないながらも、自分を気にかけてくれる悟に惹かれていく一方で、知ってしまった悟の秘密は衝撃的で、相反する想いが事態を複雑にした感もありましたけど、それでも変わらない想いに向き合っていく二人を応援したくなりました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
二つの月が浮かぶ、熱砂に覆われたソリディアス大陸。自分ではない誰かの記憶を持つ少年アンガスが本に宿った〈本の姫〉と共に旅をするファンタジー。人々は文字(スペル)の魔力によって凶暴になり、厄災が起きていた大陸を舞台に、各地を巡って邪悪な文字を探し回収する旅をする少年と本の姫。天使としての記憶を挟みながら、荒野を貫く鉄道に乗り、不思議な力を持つ歌姫たちに出会い、滅びた天使たちの遺跡を巡る旅は様々な出会いと別れがあり、徐々に明らかになっていくこともあって、2つの物語がこれからどう交わっていくのか今後に期待です。
がらくたどん
2024/02/20 08:11

これはこれは(^^)楽しみ♪探してみます!ご紹介ありがとうごさいました(^_^)/

が「ナイス!」と言っています。
よっち
インドに根付く社会的な身分制カースト。カースト問題の中でも「不浄」とされ蔑視が続く最底辺の不可触民=ダリトへの差別の現状を具体的な事例を通して描いた一冊。生まれを意味するジャーティと色を意味するヴァルナをもとにイギリス植民地時代に曖昧で体系化されていなかった概念が実体化したカースト制度。政府は支援する施策を打つがもののその慣習は消えず、移民した世界各国でも問題化している状況。カーストによって大きく差が出る進学率、インド社会における食事や結婚など、思っていた以上に根が深く深刻な問題であることを実感しました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
あらゆる方面に思いがけずひそんでいるラテン語の数々。よく耳にするあの企業の名前から、有名な歴史上のあの人物の名言まで、知識ゼロから読めるラテン語雑学本。古代ローマで生まれて中世や近代でも影響力を持ったラテン語が、ローマ帝国の遺産として各地に地名として残っていたり、ラテンアメリカとの関係だったり。一方でカプチーノの語源となった修道会や、有名な科学の本はラテン語で書かれていたり、ラテン語が元になっている栄養素や病気・薬の名前だったり、思っていた以上に様々なところにラテン語が根付いているんだなと実感しましたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
五王朝が交代を繰り返した華北、十王国に分割された江南の五代十国時代。同時期の各政権・各地方を仔細に検討して、新時代に対応しようとする各々の模索を明らかにする一冊。後梁の朱全忠の妻・張婦人の情報網、沙陀突厥系王朝の後唐・後晋、五代十国時期の契丹国、冊封された後漢と北漢、後周の急造された都城・開封。正統王朝としての南唐、楚の経済発展再考、前後蜀の建国への道、宦官王国南漢の実像、荊南節度使高氏の苦悩、十国としての北部ベトナム、定難節度から西夏へなど、各国の事情に踏み込んだなかなか興味深いアプローチの一冊でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
前回の事件を解決し新たな義妹を得た混河葉介。今度は25年前に失踪した少女・虹野瑠依珠が記憶を失った状態で発見されたとの報を受け、夕緋と調査に赴く第2弾。外部と遮断された霧の中で瑠依珠と出会い、失踪事件の現場となった戸黒家の洋館を訪ねる葉介たち。そこに集っていた当時を知る戸黒家の人々から真相を探ろうとした矢先に起きた惨劇。葉介も意識を失い、なぜか洋館到着時に巻き戻る時間。鍵を握る地多と揺の伝承に戸黒家、虹野家を絡めた背景があって、解き明かされてゆく中でたどり着いた瑠依珠の正体とその結末がとても印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ガガガSPの『ノベルライト』をきっかけに運命的な出会いを果たした早乙女青春と田中京子。京子に弱みを握られた青春は、軽音部の設立に協力する青春パンク小説。ゴリゴリのパンクロック・ガガガSPとガガガ文庫。まさかのガガガ違いで相容れるはずがなかった二人のガガガ少女が、女装ベーシストやサキュバスドラマーを仲間に加えながら、軽音部とラノベ部のW設立を目指す展開で、文化祭で100人の観客とラノベ100冊販売という教師の無茶振りに直面しながら、目標達成に向けて仲間たちと協力して熱い想いで奮闘する展開はまさに青春でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
魔王都市内で発生した派出騎士の変死事件。偽造聖剣の製造元<致命者>の痕跡を追うキードとアルサリサの捜査を危惧する不滅工房が調整官フォレークを派遣する第2弾。フォレークの一方的な捜査方針で無実の魔族達が容疑者にされ、それに僭主七王それぞれの思惑や、偽造聖剣製造を担う天才を巡る複雑な想いを絡めた展開でしたけど、正義から正しい裁きを目指すアルサリサと、仁義からはぐれ魔族を救うキードは分かれて捜査していても、確かな信頼関係が生まれつつありますね。最後に思わぬ窮地に陥ったものの、今後の展開が楽しみになってきました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
怪異ひしめく古都・京都の裏側に隠された、現世と幽世のはざまの神去団地。無耶師たちが赤い太陽が秘めた力を巡り争う異形の地で記憶を失った状態で獄門撫子が目覚める第2弾。かろうじて記憶を取り戻すものの、何か大切なことを忘れている気がする撫子。空に焦がれた天狗の一族、奇妙に身軽なタタリコンサルタント、向こう見ずなガスマスクたち、蹂躙する狂信者たち、終わってしまった一族の生存者。様々な思惑と欲望が絡み合う中で、ここでも華珠沙を巡る因縁が出てきて苦笑いでしたけど、大切な約束を思い出したその決着はなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
夏休み明けにやってきた転校生・未羽美憂。星美の幼馴染で幼少の頃に彼の可愛いを否定した彼女が、星美の心を揺さぶる第3弾。再会に笑顔でまた仲良くなりたいと言うものの、その本質は変わらない彼女に複雑な心境を抱いて距離を置こうとする星美。しかし彼女が抱く葛藤に気づいて可愛いプロデュースを手伝ったことで女装がバレてしまい、同時に星美の辛い過去も明らかなりましたけど、彼の想いを受け止めてくれる友人たちがいて、相変わらずズレて空回りしながら、懸命に星美に寄り添おうした心寧の決意が手繰り寄せたその結末はとても素敵でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
高校生としての初めての夏休み。凪夏と付き合い始めて乱れた日々を送る幹隆。一方の眞耶は幹隆への想いを整理するために日記を綴り始める第三弾。幹隆の心を繋ぎ止めようと彼をひたすら追い込み、求め続ける凪夏。流南が思わず口を滑らしたことがきっかけに従妹全員に知れ渡ったキス事件。幹隆と従妹たちの切っても切れない関係をどうにかしようとする凪夏の悪辣な策略には愕然しましたが、それで迎えたのは誰も幸せになれない必然の結末で、忘れられないトラウマを刻みつけるような展開続きでしたけど、だからこそその結末には救われる思いでした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
芸能界にスカウトされ、惣助と一緒に東京の事務所へ見学に行くことになったサラ。一方、ヤクザと半グレ組織とカルト教団を一手に束ねることになったリヴィアは組織の健全化を図る第6弾。親子での初めての旅行や夏休みの様々なイベントを通してさらに絆を深めていくサラと惣助。それぞれの思惑で動き出す惣助を想う女たち。そして期せずして岐阜の裏社会の帝王となってしまい、警察からマークされるリヴィアが目指した健全化の一手。サラが着々と青春している一方で、成り行き任せで波乱万丈のカオスな人生を送っているリヴィアが面白かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
異なる種族同士が争いを続ける葡萄海。猫耳を持つミーニャ族のガトランド王国の第二王子トトが、黒薔薇騎士団からの人質アルテミシアと出会うファンタジー戦記。繁栄する王国でトトたちと打ち解けていったアルテミシアが過ごしたかけがえのない日々。トトが語る全ての種族がひとつにまとまった理想の白き帝国の夢、その裏で年月を掛けて着々と準備されてきた謀略。覇道に向けた第一歩が、思ってもみなかった形で崩壊してゆく衝撃的な展開にはもはや言葉もなかったですが、様々な因縁も積み重ねられていく中でのリスタートには期待感しかありません。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
実家に居づらくなり女性医官になった春霞。そんな彼女が街で少し変わった青年・犀阮陽と出会い、その姉で原因不明の病に悩む皇帝妃の看護役に抜擢される第2弾。莉国で女子太医学校が初めて創設されて数年が経過して、誕生して間もない女性医師への偏見と旧弊に抗う春霞。なかなか治らない妃の症状を巡るストーリーに、お互い辛い過去を抱える春霞と阮陽の関係や、年月を経ても変わらないひとつの強い絆も絡めて描かれる展開で、辿り着いた意外な真相にはほろ苦いものがありましたが、だからこそ彼女が迎えた微笑ましい結末には救われる思いでした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
前代未聞の女東宮候補選びの最中、八雲の院との顔合わせ直後にが命を落とした和歌の宮。病死や事故死ではありえない明らかな殺人に候補者たちも動揺する第2弾。候補者たちが滞在する雷光殿の状況から、外部ではなく内部犯行しかありえない状況に、お互いが疑心暗鬼に陥っていく中、生まれてしまったさらなる犠牲者の存在。それでも候補者選びを続けようとする八雲の院の非道なやり口には言葉もなかったですが、候補者たちの本性を容赦なく暴きながら、それぞれが抱いていた密かな希望すら打ち砕く壮絶な候補者選びの物語はまだまだ終わりません…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
とある恋愛相談をきっかけに、西荻窪駅のコンビニで噂を囁かれるようになったブックカフェの店主・月子。恋に悩めるお客さんが本と魔女を求めてやってくる物語。ワンドリンクワンプレートのオーダーで、読書をしたり、時々魔女に持ち込まれる、仕事にやりがいを感じながらも結婚を考えている相手の転勤に悩む女性や、絵を描いている時にヴァイオリンを弾いている彼との関係に悩む美大生、お店に通いながら話せなかった男の話。本になぞらえながら寄り添う月子さんがなかなか良かったですけど、たびたび出てくる二階の山男の正体には驚かされました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
十年前に行き倒れていたところを煙突掃除人のラザールに拾われ、自身も煙突掃除の仕事をしながら暮らすニナ。訳ありの彼女が革命の英雄ジャンと運命の出会いを果たす物語。十二年前の革命以来、彼女が心の奥底に封じてきた秘密から、彼とは関わりたくないと思うのにニナのことを気にかけるジャン。真っ直ぐな彼に惹かれていく一方で、ジャンがかつて袂を分かった時の権力者ロジャースに脅迫されるニナ。ジャンが窮地に陥る中で明らかにされる過去の真実を知って、我が身を省みずに決然と立ち上がったニナが引き寄せた結末はなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
公開録音での佐久間稀莉による爆弾発言により、炎上中アラサー声優にジョブチェンジ中の吉岡奏絵。そんな二人に人気声優ラジオとの合同イベントが舞い込む第2弾。当初こそ炎上したものの、開き直った稀莉の言動もあって概ね好意的に受けられるようになった二人の関係。イベントを成功に導くべく、ゲストとして人気声優ラジオに単身乗り込んでいく奏絵と稀莉。なかなかいい感じに思えた状況で、二人の関係を根本的に揺るがしかねない思わぬ発表もありましたけど、逃げずに向き合って絆を深めてますますパワーアップした二人のこれからが楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ミステリーマニアの資産家が実施した推理クイズ大会で最高得点を叩き出しながら行方をくらませた判治リヒト。居場所を突き止められた彼が代償として様々な事件を解決するミステリ。赤の他人を偽の受取人に仕立てて予選通過報奨金を搾取したと損害買収請求された引きこもりが、すでにネットカジノで金を溶かして返済できず、仕方なく探偵役を引き受ける展開で、実家で引きこもりをしているわりには捜査で意外と行動的なリヒトでしたけど、8ビットの遺言や-25℃の密室、複雑な漢字暗号といったトリックがなかなか面白いミステリになっていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
父を亡くした帰国子女で、編入した華族女学校の卒業を迎えて見合いを逃れる術を探していた海棠妃奈子。大叔母の勧めで宮中女官採用試験を受ける物語。外交官の父と欧州で暮らしていたこともあって、三十も年上の中年男に嫁ぐしかないという母が勧めるお見合いをとても受け入れられず、宮殿勤めを選択した妃奈子。母からはエキセントリックで無能と決めつけられていた彼女が、女官としての仕事をする中で自分の居場所を得てゆくストーリーはなかなか良かったですし、帝国劇場で観劇したりもして恋の予感も感じさせてくれる今後の展開が楽しみですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
皇居のお濠にうっかり転落して、なぜか源氏物語の若紫に転生してしまった就活生の紫乃。身の回りで次々と起きる王朝絵巻の事件に令和の就活女子が挑むミステリ。転生先がただの平安時代ではなく源氏物語の世界で、光源氏にすべてを打ち明けて若紫として生活を続けることになった紫乃。しかし彼の急死した妻・葵上が六条御息所の生霊に取り殺されたという噂が立つ中、これは殺人事件だと考えて真相を探り始める紫乃。光源氏や惟光といったキャラはいても、あまり恋愛寄りにはならないミステリとしてなかなか面白いコンセプトの物語になっていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
一段と厳しく冷え込んだ冬の朝、凍死体の対応に追われていた掖廷令・延明。そんな折、帝のおばである大長公主が亡くなったという知らせが飛び込んでくる第6弾。仕事をこなしながらも、絆を深める桃花の口から聞いてしまったかつての因縁の相手の名に動揺を隠せない延明。衰弱死か病死か、はたまた凍死か、なぜか錯綜する大長公主の死因。その死をきっかけに連続殺人事件も発生して後宮が騒がしくなってゆく展開で、今回の描写で冬の後宮の厳しさを改めて実感しましたが、不穏な謎が残ったり、黒幕の存在も垣間見えて今後の展開が気になりますね…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ガンを患う元新聞記者の父から辻珠緒という女性に会えないかと依頼を受けたライター大路亨。しかし一世を風靡したゲームの開発者として知られた珠緒が、突如姿を消していたことを知るミステリ。大路が元夫や学生時代の友人たち、銀行時代の同僚たちに取材を重ねていくことで明らかにされる珠緒の人生。そして彼女の人生に大きな影響を及ぼした昭和31年の福井・芦原大火。その先に待っていたのはなかなか業の深い真相でしたけど、何とか前向きに生きようと足掻いて、ままならない苦悩を積み重ねながら生き抜いてきた壮絶な人生が圧巻の物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
「国歌」とまで謳われるほど膨れ上がった「ヴィハーラ」音楽の作曲者の生涯を描いた表題作ほか、13篇を収録した連作短編集。仕事を辞めて親ののジャンク屋を手伝い始めた男の物語や、料理魔事件、一九六五年にSNSが生まれていたらを描いたパニック、対馬で生まれた子どもが抱く複雑な想い、砂漠のアラベスクと南極に咲く花くらい遠すぎる存在、作っていたゲーム内に現れる幽霊バグ、心療内科医が通った中国整体、引きこもりの少女が元本因坊の祖父に教わった囲碁など、以前読んだ作品から数ページの短編まで、印象に残る物語が多かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
王位継承争いに敗れ、継母殺し未遂を企てた汚名を着せられたドルマン王国の第一王女ジョジュ。国を追放され辺境の小国ロニーノのエミリオン王との政略結婚から始まるシンデレラロマンス。失意のジョジュを迎えた冷酷無慈悲と噂のエミリオン王。「愛を求めるな」との言葉とは裏腹に公正に扱ってくれた彼の下で、少しずつ聡明さを取り戻していく彼女が直面する、祖国に複雑な思いを抱く一部貴族たちや、元婚約者ヴィオラの存在。それでも彼の真摯な想いや応援してくれる人々に叱咤され、認められながら凛とした姿を取り戻していく姿が印象的でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
募る想いがついに溢れ出して鷗に迫る梅雨。そんな彼女への恋心を自覚する二人の姿を彼女で梅雨の義妹でもある向日葵が目撃してしまう第2弾。ショックのあまり梅雨とは一緒に過ごせないと告げ、負傷した状態で一人暮らしを始めることになった義姉で大学生の梅雨。もう向日葵を裏切れない、梅雨の想いに応えていけないと理解しながらも、梅雨のことを放ったままにはしておけない鷗。優しさ故に板挟みになった末の覚悟の決断は、誰もが幸せになれるものでもなくて、考えうる限り最悪の結末からどんな展開に繋がるのか、ちょっと予想できないですね…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
部員メンバーを探すアナログゲーム研究会の高岩剛と、ゲームが強いが幼女にしか見えない先輩・峰内風。先輩と因縁がある交換留学生レインがやってくる第2弾。廃部危機から守り抜いたものの、ゲームで風に勝てずに入部させられずにいた剛。いつの間にか一緒に登下校する仲になっていた二人の前に現れるイギリスからの交換留学生レイン。風をライバル視する彼女に加えて、ゲームを挑んでくる副会長たちが剛にもちょっかいを出してくるからこそ風も心穏やかではいられなくて、彼のことを意識せずにはいられない微笑ましい展開がなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
異世界からやってきた吸血鬼が受け入れられた世界。普通の青春を送るため上京してきた紅月史郎は学校の帰り道、吸血鬼のテトラと出会う青春ラブコメ。普通の青春を送るため上京してきた紅月史郎。新鮮な血でないと飲めないというテトラの空腹を満たすため、血を差し出すことになった史郎。過去のトラウマから人間が苦手で人見知りする不器用な彼女は、なぜか彼の血と相性が良すぎて依存してしまい、彼をペットに指名する関係はなかなか微笑ましかったですけど、試練に直面する彼女に寄り添って乗り越えた二人の物語をまた読んでみたいと思いました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
長い旅路の末、ついに魔王を討伐した勇者たち一行。しかし安寧の日々がやってくると思ったのも束の間、翌朝になって聖女が死体となって発見されてしまうミステリ。勇者とともに力を合わせて魔王を倒した騎士、魔法使い、武闘家、狩人たちの一体誰が聖女を殺したのか。一人ひとり順番に語る中で明かされてゆく、それぞれが抱える事情と背景。そして勇者に執着していた魔王の真意。勇者に対する複雑な想いも錯綜する中で、それぞれ浮かび上がってくる容疑、動機を突き詰めていくと必然の結末でしたけど、それを受け止めた勇者の覚悟も効いていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
大学入学前から美少女三姉妹と噂されていた花宮真白、美結、心々乃。生き別れの義理の兄だった遊斗が、大学で彼女たちと再会するラブコメ。連れ子同士で結婚・離婚した際に懐かれていた生き別れの三姉妹が偶然同じ大学に入学して、お互いにそれと知らないまま、彼女たちとそれぞれ運命的な再会を果たした遊斗。義妹たちは美しく成長していて、一方の彼もまたさりげなくカッコ良くて優しいお兄さんになっていて、再びすんなりと懐いてしまった三姉妹が彼に抱いている想いは果たして兄妹愛なのか恋愛感情なのか。今後の展開が楽しみになってきました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
姉弟同然に育ってきた幼馴染・拓朗の突然の病死に直面した大学生の都萌実。彼の幽霊に遭遇して、半ば脅されるようにして彼の心残りの解消に協力する物語。生前ソングライターを目指して、片思い相手に贈る歌を作っている最中に亡くなってしまった拓朗と、深夜に一緒に歌を作って完成を目指すことになった都萌実。彼女の恋模様も絡めながら進めた二人の歌作りの結末は、そう上手くいくことばかりじゃないんだよな…と思い知らされましたけど、それでもいつの間にか疎遠になっていた二人のかけがえのない最後の時間として、とても印象的な物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
四年前に起こった妹の事件を調べるため、警察の民間人協力者となっていた大学生の九條キリヤが、新米刑事の光莉から怪しい脱出ゲームが開催されているという話を聞く第2弾。参加費は無料なのにクリアすると高額な賞金がもらえる一日一組限定の脱出ゲーム。会場となる高級マンションに向かった結果として、意外な方向に動き出す事態に巻き込まれていくキリヤと光莉。妹の事件の真相に迫って決着を付けることができた一方で、黒幕の存在も明らかになった今回の展開でしたけど、少しずつ変わりつつあるように感じた光莉との関係も気になるところです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ダンジョン探索が普及している現代。探索者の青年・夜桜猪王が推しにダンジョン食材を使ったご飯を食べてもらうべく、自らもVtuberになることを決めるVtuber小説。中堅事務所所属Vtuber山主ボタンとしてデビューし、テコ入れで始めたところ想像以上にバズったダンジョン高級食材を使った食レポ。さらに探索者としての背景も明らかになる中で、あまりに美味そうな超高級料理に直面して、黙々と食べるしかなかった花火とのコラボ配信には苦笑いでしたけど、貰い事故のような炎上への冷静な対処も際立っていた彼の今後が楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
80~90年代と現代で日本の姿は大きく変わった。この30年で静かに激変している47都道府県ごとの様々な一面を比較することで見えてくる、日本の直近30年の現代史。各都道府県ごとに人口と自治体の合併による変化、農業・漁業・工業、人気観光地や交通事情、地方百貨店や民放テレビ局の状況、地元大企業ベスト5、進学校実績などを30年前と比較して変化している点に着目していて、全体では東京や大阪、そして札幌・仙台・広島・福岡といった地域の中核都市、そうでないところも相対的な大都市に人口が集中しているのを改めて実感しました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
6月のインターハイ予選で初めて県の準決勝まで進んだバレー部に所属する宮下景。しかし重要な試合の数日前、景はあることがきっかけで怪我をしてしまう青春小説。違和感をそのままにしてしまったゆえの負傷による離脱。やる気がないと思っていた部員が、自分の代わりに起用されていることに対して、何となく積み重ねていくモヤモヤ。一方、彼の怪我に責任を感じて罪滅ぼしをしたいと告げてきた同級生の真島綾が抱える苦悩。以前のように上手く出来ないもどかしさを感じる彼らが、思いを言葉にしていくなかで見出してゆく答えが印象的な物語でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
冥界門の消滅から三年を経て、崩壊を免れた世界は緩やかな復興を続ける中、絶海の孤島で暮らすヤヒロと彩葉の元に謎の少女エリが流れ着く第6弾。ギャルリー・ベリトが入手した消えたはずの魍獣が再び出現したという情報。彩葉を警戒しつつ、ヤヒロの正体と世界の真実を知っているエリ。そして絢穂が出会ったなぜかヤヒロそっくりなシグレの正体。彩葉たちの作り上げた世界を脅かす存在との激闘もありましたけど、彩葉の弟妹や相楽善&澄葉たちのその後も伺えて良かったです。それにしてもベリト姉妹は相変わらずしたたかで抜け目ないですね(苦笑)
が「ナイス!」と言っています。
よっち
暮井先生との一件を経て、一時的に離れはしたものの最終的に元の秘密の関係に戻った羽島銀と桐原灯佳。そこに、恩人で元カノの高神柚香が現れる第2弾。同棲相手と上手く行かなくなり、仕事も辞めて銀のもとに転がり込んできた柚香。葛藤の末、恩を返すために条件付きで居候を認めるも、よりを戻そうとあの手この手で誘ってくるユズに、考えに考え抜いた末の決断。並行して進む文化祭の準備も絡めながらの展開で、期間限定の同棲で甘えはしてもそれ以上はしっかりしていて二人の覚悟も感じられた結末でしたけど、これは意外な展開になりましたね…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
気づいたら、もといた世界よりちょっとだけ女性の多い世界に転移していた片里将人。パラレルワールド的な世界の愛の重いヒロインたちとの無自覚たらし込みラブコメ。男女比1:5の世界ゆえに傲慢な男が多い中で、彼が振りまく優しさに惹かれていくヒロインたち。大学で出会った恋海、一緒にバスケをする仲の中学生・由佳、バイト先のボーイズバーで指名するOL星良たちが、自身に激重な感情を向け始めていることに気づかない将人は、まだこの世界をよく分かっていない感がありますが、恋海の友人まで巻き込んで争奪戦の予感しかないですね(苦笑)
が「ナイス!」と言っています。
よっち
臆病で『ほうかごがかり』になってから、一度も自分の担当する『無名不思議』がいる部屋に足を踏み入れていないイルマ。二森啓は代理の記録依頼を引き受ける第2弾。描かれていく今のイルマを作っていった背景。自信がない彼女に突きつけられたヒロインとして憧れを抱いていた真絢の結末。『ほうかご』を受け入れ協力し合う者、臆病で弱くて卑怯な者、自己犠牲的な者。極限状態に置かれた子供たちが見せる強さと弱さが描かれる中で、対象をしっかりと観察することの意味を問われる展開でしたけど、流石にここまでの結末は予想していなかったです…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
九つの魔法科高校による合同文化祭『九校フェス』。夏休みが明けた第一高校は目前に控えて浮足立つ中、義兄・勇人がアリサに新生徒会へ入るように依頼する第6弾。生徒会選挙によって新たな生徒会長となった十文字勇人からアリサへの新生徒会加入の依頼。アリス目当てで風紀委員に入った茉莉花の去就問題。そして九校フェス開催の地・奈良への視察に同行した2人。もう司波達也は殺せないよな…と苦笑いしたものの、不穏分子を排除していく黒羽姉妹だったり、元老院の派閥勧誘だったり、十師族に戻りたい九島家だったり、いろいろ暗躍してましたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
神別れの山脈によって二分される人間が属する東のワウリ界と、亜人が属する西のネクル界。長きにわたって断絶していた人間と亜人によるそれぞれの聖戦が描かれる一大叙事詩。難攻不落に思われた黒い塔を陥落させた竜騎兵バラド。最強の暗殺者として恐れられた猫人ニャメ。歴史に残る一騎打ちで知られる筆頭戦士ニモルドと、勇者ニスリーン。鉄の虎メリヴォラ将軍や、冒険家、発明家、大神官といった存在が歴史を動かしては消えてゆく群像劇的展開になっていて、それが紆余曲折の末に皇女イリミアーシェの登極へと繋がる圧巻の物語になっていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
上司ヴェラドンナの策略により〈第六分署〉へと転属を命じられた捜査官ローグ。かつて皇国に災いをもたらした魔女と共に魔術事件を捜査するファンタジーアクション。魔術が大衆化するとともに、犯罪率が急増する皇国で、厄災をもたらすまでの力を有するが故に囚われ〈首輪〉によって魔力を制限された魔女たち。相棒として組んだミゼリアたちに振り回されながら進める捜査で浮かび上がる思いもよらない大物の存在。そして魔女と呼ばれるゆえんも思い知らされる中で、それでも諦めずに立ち向かうローグと未だ謎も多い魔女たちのこれからが楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
子爵令嬢に転生して、悪評を立てられつつも屈せず父に代わって貧乏領地を立て直したグレース。社交界で噂のヴィンセント伯爵からプロポーズを受けるファンタジー。理不尽に婚約破棄された過去から結婚は諦めて、領地経営を放置気味だった父に代わって当主として奔走していたグレースが、妹のデビュタントで遭遇した思わぬプロポーズ。最初は辺境開拓のサポート目的の契約結婚だと思っていた彼女が、元婚約者も絡む陰謀に巻き込まれていく中、ヴィンセントが秘めていた彼女への想いを知り、甘い関係になってゆく二人の距離感の変化が良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
古代魔導具〈偽王の笛〉の影響下、上位精霊たちが牙を剥く危険な森で、戦禍を呼ぶ古代魔導具を破壊するため、七賢人は団結して事態の収拾のため行動を開始する第7弾。暗躍する宝玉の魔術師の企みに残る七賢人の大魔法が飛び交う大激闘の結末。そして学園でモニカを魔術師と看破したとある生徒の要求。普通に考えれば処断されてもおかしくない所業でも、七賢人の今後を考えての判断がなかなか興味深かったですが、一方で何を考えているのかよく分からなかった彼女の一途な想いには切なくなりましたね。また巻き込まれそうなモニカの苦難は続く…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
中国は本当に台湾に攻め込むのか?台湾侵攻シナリオについて名物軍事アナリストが数々の疑問に答える一冊。21年の米インド太平洋軍司令官の発言を契機に、メディアを賑わせた台湾が緊張状態にあるような数々の報道。一方で別の見方をする発言はほとんど報道されておらず、人民解放軍には上陸作戦を遂行する海上輸送能力が不足していることから、無理をしてでも動かないといけない状況が生まれなければ強行する可能性は低いこと。有事の際には日米両軍の初動が鍵を握りそうで、ある程度抑止力を維持しつつそういう状況を作らないことが肝要ですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
生きるために、なぜ我々はこんなにも頑張らなければならないのか?自分らしい生き方を送るために「おりる」ことを提案した一冊。大学に馴染めずひきこもり生活を送った著者が、この問いの答えを求めて「何もしない」ことを目的に一年間滞在したスペイン。帰国後、無職のまま、日本社会を包み込む生きづらさの原因を、深作欣二の映画作品や作家・朝井リョウの小説などをもとに解き明かしていく内容になっていて、その考察自体はなかなか興味深かったですけど、そもそも「おりる」という行為に関して結論を出すのはなかなか簡単なことではないですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
深刻な大不漁、超高値、外国産のシェア拡大。日本の漁業・水産業が衰退している理由を取材歴30年以上のさかな記者が明かす一冊。冷凍技術が発達し、遠方からも安定して鮮度の良い魚が確保できるようになったことで輸入魚が幅を利かせる現状。不漁な上に安いイメージが定着して売りにくいイワシ、消費される多くは外国産のサバ、サンマが近年不漁となったいる様々な理由、大間まぐろのブランドを巡る問題、ノルウェー産サーモンの襲来といった様々な問題が挙げられていましたけど、変化してきた食生活もあって立て直すのは簡単な話ではないですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
今となっては売るに売れない限界分譲地はどのように売られたのか。資産価値マイナス物件が再び分譲されている現状を明らかにする一冊。まず限界分譲地どういうものでどこにあるのか、交通や教育事情、インフラや共用設備はどうなっているのか。高度成長期からバブル期に繰り広げられた歴史や、投機型分譲地の原野商法、バブル崩壊後の惨状を紹介していて、あまりにもデタラメな手口にも関わらず、買い手の知識や認識不足で成立していた過去が、また繰り返されつつある状況を考えると、人は自分が見たいものを見てしまうものなのかもしれないですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
近年、生化学や遺伝子学の発展とともに、大きく発展したヒトの老化に関する研究。それを踏まえて知っておきたい老化の基本や最新研究をビジュアルで解説する1冊。老化には体力が落ちたり病気になったりする個体老化と、細胞が正常に分裂を止めてしまうことで様々な現象を引き起こす細胞老化があって、身体機能や器官はどのように老化するのか、老化にともなって発生する障害や病気にはどんなものがあるのかが解説されていて、現段階では老いを防ぐためには健康的な生活を送るしかなさそうですが、その過程の研究部分はなかなか興味深かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
身近な人間関係に悩むのはなぜか。人と人のつながりをいちから捉えなおすことで、息苦しさとさみしさの狭間に立ち位置を見つける本。家族・恋人・友人といった、一番すぐそばにあり、実は一番つかみどころのない身近な関係。切り捨てることも手放しに肯定することも難しい、いつだって悩ましい関係をタテとヨコの関係、あるいは共同性と相補性という概念を用いて考察してゆく一冊で、共通点によって繋がりができる中で、違いがあるからこそ関係性が深まるという論は、その違いを許容できるものかどうかでだいぶ変わってくるのかなとは感じましたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
花菱家の本邸のある淡路島へ向かった鈴子と孝冬たち。二人は神事をこなす一方で、地元の村人たちのお祓いの依頼を引き受ける第3弾。花菱家の歴史が詰まった場所でもある淡路島で遭遇する、弁天像の背後ですすり泣く青年、百日紅の木の下で悲しげに歌う少女、不幸が続く旧家の謎。そして淡路の君の過去について調べる二人。徐々に明らかにされてゆく淡路の君と花菱家の花嫁の共通点から、それが鈴子の出生にも繋がる構図になっていて、今回登場したキャラたちも良かったですけど、しっかりと花菱家の嫁らしい気遣いを見せる鈴子の姿が印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ハロウィンナイトを生き延びた幽鬼の前に現れた美少女・玉藻。様変わりした彼女を弟子にした彼女が、今後のために盲目のプレイヤー・鈴々を訪ねる第5弾。自身の右目の視力が失われつつある中、視力に頼らずゲームを生き抜いてきた彼女に、その技術を教えてもらおうと玉藻とともに訪れた幽鬼。弟子となった玉藻と修行を共にして、袂を分かった幽鬼が挑む剣士の決闘をテーマとするゲームロワイヤルパレス。かつて師弟関係であったからこそ、その数々の記憶が対戦した時の駆け引きとなってしまう、このゲームのえげつなさを改めて垣間見る思いでした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
義宗帝の命により、秘密裏に後宮を抜け出した妃嬪・翠蘭。南都に向かって科挙試験合格を目指す王静という学生になりすまし、科挙試験の不正調査を行う第4弾。官僚の陸生の力を借りて南都の学生となり、歩き回って調査を進めて、不正に関わっていると思しき学政に接触を試みようとする翠蘭が、ある時何者かにあとをつけられていることに気がつく展開で、そこから過去の事件にも繋がる手がかりを得てゆく展開でしたけど、陸生も指摘する彼の剣たらんとする二人の関係性が、かけがえのないものと自覚しつつある中でどう変わるのか気になるところです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
第二王子ジェイドに婚約破棄を突きつけられた侯爵令嬢エリアナ。彼は聖女デイジーと結ばれ、身に覚えのない悪役令嬢の罪で裁かれた彼女の時間が巻き戻るやり直しファンタジー。目を覚ますと三年前の状況に巻き戻っていて、けれど一周目とは少し変わっている状況。そこでかつての記憶を持つ第一王子テオドールと共に、最悪な未来を回避するため動き出すエリアナ。一周目にはいなかった支えてくれる人たちの存在は大きくて、背景が掘り下げられていく中で物語の構図も劇的に変わっていって、大切なものを取り戻してみせた結末が印象的な物語でしたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
現代にも通じる歴史書と評価される司馬遷『史記』の執筆には、記録され伝えられた蓄積があった。出土史料を繙きながら、記録への執念や歴史観の興りをたどる一冊。甲骨文字や記す竹簡などの記録メディア、国王の治世や暦等を根拠にした年号の成立。権力者の歴史認識と思想を汲む編者の存在も取り上げながら、西周から春秋戦国時代を同時代資料から見た金文、後代の文献としての詩経や史記、諸子百家が生まれた戦国時代の説話から語られる歴史、そして統一国家成立から焚書と紙の誕生から史記の編纂に繋がっていったのかなかなか興味深かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
有栖川芸能事務所に所属して歌手と女優を目指す女子高生ユキノ・レイが、異世界・並行世界での仕事に奔走するシリーズ第3弾。ヒロインが行方不明状態な映画の続編制作にヒロインそっくりということで抜擢されたレイ。人類とモンスターが戦う世界で、争いを止めるためにコンサートを開いた背景。人質を取ってその様子を配信し始めたまさかのバスジャック。犬の惑星の映画で演じた人間の少女。そんな彼女の背景がいろいろと明らかにされていった今回でしたけど、いくらでも続けられそうだなと思ったら今回が最終巻でしたか。なかなか面白かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
小説やドラマでもおなじみの戦国武将たち。しかしそのルーツをはっきりと辿ることができる武家は意外に少ない。その神秘のベールをはがし、真の武家の出自に迫る一冊。自らの家の「権威づけ」や「辻褄合わせ」のために系譜を操作したり創作した大名たち。系譜を盛り過ぎた例、名家の姓を乗っ取った例、源氏や平家で権威付けした例、出自不明な例の四つのグループに分けて、各氏についてそれぞれ解説していく内容になっていて、以前からよく言われていた出自の信憑性に加えて、最近の新説も合わせて盛り込んだなかなか興味深い内容になっていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
若き日に誓った忠誠、悲しきその行方…。猿との大戦の後に、山内で一体何が起こっていたのか。前作で描かれなかった山内のその後が明らかになってゆく新章第2弾。大戦後正式に金鳥として即位し、山内の存続のため、大貴族四家に協力を請いつつ、娘の紫苑の宮を跡継ぎとするべく動き始めた奈月彦。留学を前に紫苑の宮としばしの別れを惜しみ、下界で様々なことを学んでいた雪哉が直面する信じがたい一報。盤面をひっくり返すような事態でしたけど、四家と危機的状況が共有される状況で、雪哉の思い切った決断が今後にどう繋がるのか気になりますね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ベテラン職業俳優だが無名のオジサン俳優・左右田始。しかし脇役だからこそ見えてくる視点で様々な現場で生じる謎を左右田は人知れずに解決していくライトミステリ。低予算ドラマ撮影で消えもののエクレアが亡くなってしまった事件、横暴な人気者が参加したドラマの打ち上げでライトが消えた理由、子役オーディションに付き添っていた母親が抱いていた想い、演劇舞台で切れてバラバラになったネックレスの真実、試写会を雲隠れした人気俳優の行方。要所で状況が見えている左右田の配慮が効いていて、目立たなくてもこういう存在は欠かせないですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
不治の病に冒され、最後には不審死を遂げた鷹央の師。謎めいた言葉を遺した彼女の真意を知るため、鷹央はその死に関する捜査を開始するメディカルミステリ。少年が毎年決まった時期に肝臓障害で入院している原因。鷹央の家に飛び込んできた猫が青く着色されていた理由。そして鷹央が唯一「先生」と呼ぶ、学生時代に診断医の道を示してくれた師の意味深な独白とその不可解な死の真相。謎を解き明かしてみせた鷹央に提示される師からのまさかの挑戦状もあって、彼女のことを信じて託した師の想いに見事応えてみせたその結末はなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
白血病が再発して、骨髄移植でしか助かる見込みがない少女を救うのは医療か奇蹟か。天久鷹央が神秘的な現象を引き起こす奇蹟の解明に挑むメディカルミステリ。渋谷のスクランブル交差点に行くと指先が腐ると感じる少年、異様な若返りを実現した整体術の正体。そして再発した白血病から少女を救うため、聖痕を持つ預言者の奇蹟の真相に挑む展開で、苦い過去を思い出す構図に葛藤しながらも、骨髄移植手術を受けられるように奇蹟を暴こうとする鷹央先生には成長を感じました。振られネタをいじられまくりの小鳥先生とも相変わらずいいコンビでしたね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
平安時代の陰陽師蘆屋炎蔵の墓を調査した大学准教授の焼死による不審死。天久鷹央は真実を求め思わぬ事態に繋がってゆくメディカルミステリ。蘆屋炎蔵の墓を調査したことに端を発した、呪いの噂と人体発火現象。これは殺人か呪いか。様々な憶測が飛び交う中、偶然人体発火現象の現場に居合わせたことで、有力な容疑者として警察にマークされてしまう小鳥。手がかりが少ない中で追い詰められながらも、真相に迫る展開には緊迫感があって、相変わらずチャンスに詰めが甘い小鳥先生が、鷹央との絆は認めつつある辺りに微笑ましい気持ちになりました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
彼女と私の至極の関係性。百合と何か?その問いに7人の作家たちがそれぞれ挑む連作短編アンソロジー。お節介な委員長と少し変わった大人しい少女が密かに抱えているすれ違う想い。好きだった人の死の理由を探るために挑む絶望。愛してくれた人を失って初めて気づいた想い。久しぶりの再会と筆を折った理由。並び立つための整形手術。憧れの先輩が九百十七円で買ったもの。疎遠だった二人を再び結びつけたもの。なかなかハードな展開の中で彼女たちのうまく伝わらない、伝えられないもどかしい繊細な想いが印象に残る鮮烈な短編集になっていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
公立高校の現役の社会科教員で、大人気教育YouTuberでもある著者が、世界史と地理の接点がある世界の出来事や事象を取り上げて、両方の視点から解説した一冊。ヨーロッパ大陸の国境はどうやって決まったのか、ヨーロッパで様々な呼ばれ方をしているドイツ、なぜカリブ海諸国にはインド人が多いのか、なぜ中国の歴代王朝はいつも南北に分かれるのか、なぜフィリピンだけ東南アジアでキリスト教を信仰しているのかなど、確かに地理的要因を踏まえて考えると、どうしてなのか腑に落ちることも多くて、知っている事例もより理解が深まりました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
現代日本人の働き方の源流はどこにあるのか。当時の社会を形作った階層の働き方を丁寧に掘り起こしながら、仕事を軸に江戸時代を捉えなおす一冊。近世に至る過程で起きた働き方の変化と貨幣制度の発達、武家社会の階層構造と武士の仕事、旗本・御家人の給与生活、雇用労働者としての武家奉公人、専門知識を持つ武士たちの非正規登用、役所で働く武士の勤務条件、町人や百姓、女性の様々な働き方など、戦国時代の戦乱から解放されて、社会的・経済的発展や貨幣制度の成熟を背景に、多様化・細分化した江戸時代の労働事情はなかなか興味深かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ガザ、イスラエルに駐在し、PLOアラファト議長の通訳も務めた外交官が目撃したこの世の地獄。日本人が知らないガザとガザをめぐる歴史がわかる一冊。そもそもなぜこのような状況が生まれたのか、イスラエル独立から中東戦争に至った経緯、アメリカ歴代大統領によるイスラエルとパレスチナの和解へのアプローチ、パレスチナ人のシンボルだったアラファト議長、アメリカはなぜ見捨てたのか、ガザ紛争に終わりはあるのか。諸悪の根源はやはりイギリスの三枚舌外交にあったとは感じるものの、妥協点を未だ見出だせない状況はなかなか難しいですね…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
在インド日本大使館にも勤務した南アジア研究者が、インド料理のステレオタイプを解き、実像を描き出す14億人を支える「食」のリアル。日本人がイメージするようなインドのカレーというものはなく、インド料理店の定番バターチキンの意外な発祥だったり、ヒンドゥー教徒にとって牛は神聖なのにインドは世界有数の牛肉消費・輸出国だったり、厳格なジャイナ教徒の食事、独自進化したインド中華料理、北東部の納豆まで、ムガル帝国やイギリスが持ち込んだ影響の大きさもありますけど、何より宗教抜きには語れない食生活なんだなと改めて感じました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
医療事故の責任を押し付けられ、休職することになった看護師3年目の胡麦。気分がどん底まで落ち込む中、海辺のカフェSESTAを紹介される物語。美味しいコーヒーと共にカウンセリングを受けられるカフェで、物腰柔らかな医師の唐麻と話し心が軽くなった胡麦。ふとしたきっかけからカフェで働くことになった彼女が知る、そこで働く個性豊かな仲間たちが抱える見えない傷。様々な人々との出会いから多様な考え方があることを知り、窮屈な実家や職場の状況も客観視できるようになった彼女が、これからの自分に向き合う姿がなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
憧れの建築士・天木悟を慕って、横浜の大学の建築学科に入学した織家紗奈。その天木から幽霊が見える力で事故物件調査の助手に誘われる事故物件事件簿。壇上にいた幽霊の存在に気づいた彼女に持ちかけられた、心理的瑕疵を取り除く建築士の助手仕事。自らが住むアパートの幽霊問題を解決した結果として、事務所に住み込みで働くことになる紗奈。木目の家や望まぬ同居人の思わぬ結末にも驚かされましたが、白い家は恐ろしかったですね…。一緒に様々な経験を共有していくうちに、なかなかいいコンビになっていった二人の物語をまた読んでみたいです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
海辺の小さな老舗旅館凧屋を舞台に、かつての常連・海老澤氏が寄贈した蔵書から若女将が悩める宿泊客たちにおすすめ本を紹介する連作短編集。自身は利きすぎる嗅覚ゆえに小説が全く読めないけれど、宿泊者に今必要な物語が不思議とわかる若女将の円。彼女が本をすすめる同性の幼馴染に隠した想いを寄せる青年、夫や家庭に縛られてきた妻、妹の遺した子を育てる姉、明らかにされる海老澤文庫や円自身の秘密。おすすめする本と宿泊客の事情を上手く絡めた構成になっていて、それぞれがずっと抱えていた想いを許してゆく印象的な結末になっていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
国の慣習に従い婚約した第二王子から婚約破棄された第二聖女ロレッタ。就活をすべく職安に向かった彼女がエース侯爵家の侍女になる盟約ファンタジー。見る目のない周囲のせいで自己肯定感の低く、住み込み侍女の終身雇用を目指すロレッタが見せる魔法の凄まじさに目を剥く侯爵ルーク。聖女推しの王太子と三人で繰り広げる魔術オタクっぷりには笑いましたが、状況が読めない第二王子とはしっかり決着をつけたロレッタの実力が再評価されつつある一方で、建国時から続く雷と火と水の三魔術師を巡る因縁は何とも切なくて、今後の展開が気になりますね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
スキル狩りから逃げるため、高山病にも悩まされながら隣国の帝国へ向かうテルミスたち。途中、助けた侯爵令嬢のアイリーンと行動を共にする第2弾。国王不在の間に次期王のハリスンから突然婚約を破棄されて、国外追放までされてしまった侯爵令嬢アイリーン。彼女が騎士に処分されそうになったところを助けたテルーとイヴが、帝国までの道のりを一緒に旅をする展開で、途中でスタンピードに巻き込まれる中で三人も奮闘するわけですけど、この辺りの活躍はいろいろ今後に影響しそうですね。学生になった彼女にどんな生活が待っているのか続巻に期待。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
新婚旅行とは名ばかりの視察旅行中のお局令嬢アレリラと冷徹宰相イースティリア。アレリラの祖父タイア子爵の領地を出立し、次なる目的としてロンダリィズ伯爵領に向かう第3弾。タイア子爵領とは違った意味で驚きに満ちていたロンダリィズ伯爵領と、明らかにされてゆく王家の秘密。来るべき災厄を避けられそうもない状況で、同時にそれに備えてきた人たちの思いがあって、それを受け止めて覚悟を持ってやりきった夫妻の生涯がなかなか良かったです。アフターエピソードで描かれた様々な微笑ましい組み合わせもなかなか絶妙な感じでお似合いでした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
余命わずかな妹・雫を救うため、財閥御用達の学園で悪役令嬢を演じる元庶民の女子高生・澪。覚悟とは裏腹に周囲に周囲に慕われ始めた彼女が体育祭に挑む第2弾。敵対していたはずの西園寺沙也香と東路明日香の謝罪を受け入れて、ゲーム世界のメインヒロイン乃々歌の嫌われ役を演じながら、彼女が目指す体育祭のクラス優勝に向けて奮闘する澪。そこで勃発する予想外の事態に対する彼女の決断、それによって生じた結末のフォローもとても澪らしくて、悪役令嬢を演じているつもりなのに、どこかお人好しツンデレ扱いされつつある彼女の今後に期待です。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
人生を費やして、何度も周回するほど愛したゲーム『ネオンライト』にチートキャラとして転生したルクスが、無自覚無双する異世界ファンタジー。悪の組織「十三階段」や抵抗するレジスタンスとは無関係の、魔法剣の力を得たチートキャラ・ルクスに転生した主人公。偶然ボスキャラ・リヴィアの妹タナトスを拾い、戦う目的を失ったリヴィアまで居着いてしまう展開で、混乱する両陣営をよそに彼女たちとほどほどに生きようとする彼の存在と、物語のバランスを注視する観測者という構図の中で、彼女たちを守るために戦うルクスがなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
猛暑の夏休み。相変わらず主人公の家に入り浸り続けて様々なものを持ち込むロクでもない彼女たちと、いろいろ厄介事に巻き込まれていく第二弾。大家の孫娘で廃ゲーマーVtuberとのゲーム配信、消えた同人誌の謎、彼女たちに振り回される夏休みの日常、廃ゲーマーの妹ちゃんの思わぬ一面、海の家でのバイト、そして先輩にストーカーされる夏希。すっかり居着いてしまった三人組に大家さんの孫娘姉妹も加わって、賑やかでも振り回されてる感ありありの主人公には苦笑いですが、それでも彼女たちの窮地を放っておけないあたりがらしかったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
彰吾が気になるタイツの人こと真優と対面し、ライバル心が芽生えた梓とゆいな。一方で恋愛相談から二人の恋心を知る真優は、まずは仲良くなろうとする第2弾。白熱のゲーム対決を通じ、同じ男子を好きな者同士で認め合う一方で、素直で裏表なく優しい真優に対照的な想いを抱く二人。後押しもあって梓が動き出す一方で、彰吾から次なる相談を持ちかけられる真優。彰吾と過去を共有できた真優もなかなかいい雰囲気でしたけど、幼馴染の梓や義妹ゆいなも存在感があって、物語を動かす存在として真優の姉・千聖やバイト先の後輩・南條も効いていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
無差別に発生する魂魄剥離により、一ヶ月で八億もの命が失われた人類。突如、全人類の前に降臨した神は人類は魔王によって滅ぼされると告げ、聖戦の火蓋が切られるファンタジー。あどけない少女にしか見えない《魔王》による厄災を阻止すべく、人類を代表して選出された十人の天使。そんな中で唯一人、高坂憂人だけは魔王とされた少女レーヴェが世界の敵に仕立て上げられた弱き存在でしかないと知ってしまう展開で、なかなかえげつないことを考える神もあれですけど、憂人は最後まで彼女を守り続けることができるのか、なかなか業が深い物語ですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
慣れたやり取りで桃生の部屋に呼ばれ、いつものようにペアリング―恋人じゃない二人のいつもの日常。気付いてしまった本心をだんだん隠しきれなくなってゆく第3弾。桃生への恋を自覚した実沢と、それに気づかないフリをする桃生。矛盾した行動に気付きつつも、もう少しだけもう少しだけと結論を先延ばしにする日々を送った二人の結末。桃生の何とも複雑な事情も掘り下げられる中で、素直になれないがゆえにすれ違うもどかしさが何とも切なかったですけど、ちゃんと二人で向き合えて良かったです。実沢の同期・鹿又の存在もなかなか効いていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
戸惑いとトキメキが交錯した体育祭を経て、遂に自分の気持ちに気付いたアーリャさん。一方、政近は約束の誕生日会に向けて慣れないプレゼントの購入に苦戦する第9弾。有希に茶化されながらも背中を押され、誕生日会の当日パートナーに大切な言葉を伝えることを決意する政近。しかし順調に絆を深めてゆく二人の関係に不安の影をもたらす存在。今回もなかなか楽しいイベントが目白押しでしたけど、一方で自覚し始めて不安定だからこそ、さりげなく不安な状況を作り出す悪意は思っている以上に危険ですね…政近がしっかりフォローできて良かったです。
が「ナイス!」と言っています。

ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/08/23(4145日経過)
記録初日
2013/07/27(4172日経過)
読んだ本
12281冊(1日平均2.94冊)
読んだページ
3578134ページ(1日平均857ページ)
感想・レビュー
12167件(投稿率99.1%)
本棚
70棚
性別
血液型
B型
職業
専門職
現住所
埼玉県
外部サイト
URL/ブログ
https://yocchi.hatenablog.com/
自己紹介

こんにちは。普段は図書館と書籍仕入れに関わるお仕事をしています。仕事のついでに面白そうな本がないか探していて、とりあえず自分が読みたいと思った本さえ読めてさえいれば、わりとまあいいかと思えてしまう行動原理が少し残念な人。

好きなジャンルはボーイミーツガール、青春小説、部活小説、お仕事小説、ミステリ、冒険・中華ファンタジー、歴史・戦記、SFなど。コメディ調より落ち着いた雰囲気の物語志向。意外な展開や難解さがウリのお話も嫌いではないですが、どちらかというとベタで王道な構図が分かりやすい、最後は良かったなと思えるお話が好みです。

基本的には著者買いが多いですが、興味を持ったらテーマやジャンル・作家などにはあまりこだわらず何でも読みます。人に本を薦めるのが趣味の本を読むついでに人生を送る雑食系読書廃人。

読書メーターの
読書管理アプリ
日々の読書量を簡単に記録・管理できるアプリ版読書メーターです。
新たな本との出会いや読書仲間とのつながりが、読書をもっと楽しくします。
App StoreからダウンロードGogle Playで手に入れよう