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2022年10月の読書メーターまとめ

よっち
読んだ本
114
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感想・レビュー
114
ナイス
5282ナイス

2022年10月に読んだ本
114

2022年10月のお気に入り登録
7

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2022年10月のお気に入られ登録
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  • まるとも
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2022年10月にナイスが最も多かった感想・レビュー

よっち
犯人たちが仕掛けた巧妙なトリックに対するのは、全てを見通す城塚翡翠。犯人視点で描かれる倒叙ミステリのシリーズ第三弾。嵐の山荘で死体を懸命に隠そうとする若き犯罪者。そして翡翠をアリバイ証人に仕立て上げようとする写真家の復讐。そもそもどうしてこうも犯罪者と遭遇してしまうのかという部分には苦笑いしかないのですが、ツッコミ役の相棒・真ちゃんをいいように振り回しながら、無防備なあざとすぎるキャラとそこを見ているのかというアプローチで犯人と対峙する先にあった、はっとさせるようなそれぞれの結末が今回もまた印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。

2022年10月にナイスが最も多かったつぶやき

よっち

2022年9月の読書メーター 読んだ本の数:109冊 読んだページ数:33372ページ ナイス数:5201ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ https://bookmeter.com/users/385946/summary/monthly/2022/9

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2022年10月の感想・レビュー一覧
114

よっち
詩からの積極的なアプローチに心が揺れる夏希。そんな中、仲良しグループ内で夏休みの旅行計画が持ち上がる第三弾。美織とその友人・芹香も加えて計八人で計画が進む一方、普段から門限が厳しく旅行に参加出来るか思い悩む陽花里。それでも何とか親の説得を試みようとした陽花里の家出から、メインヒロイン的扱いのわりにはキャラがどこかぼんやりとしていた彼女の過去や夢、想いが明かされるターニングポイントになりそうな展開でしたけど、ヒロインそれぞれの複雑な想いも垣間見えて、物語としても大きく動きそうな今後の展開が今から楽しみです。
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よっち
一人暮らしの高校生・月代深月が隣の部屋に住んでいても関係ないと思っていた学園の聖女・一ノ瀬亜弥。彼女が階段から足を滑らせたところを救って始まる青春ラブコメ。下敷きになって負傷したお詫びとして、治るまでお世話することを主張する亜弥。家事が壊滅的な深月に呆れて、家事万能で腹黒っぷりも垣間見せながら、料理を作って持ってくれたり掃除を手伝ってくれる、不器用な彼女との日々の積み重ねがあって、そんな彼女を放っておけない深月の優しさがなかなか良かったですけど、少しずつ変わる二人のこれからがとても楽しみな新シリーズです。
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よっち
高校時代にタイムスリップして復縁を決め、二度目の青春を謳歌していた元夫婦の黒瀬航平と鯉川柚花。そんなある日、柚花が一周目の記憶を全て失ってしまう第二弾。最愛の存在である柚花に忘れられる孤独感に絶望するものの、その記憶喪失の原因が将来への不安であることを探り当てた航平。柚花と再び仲良くなるため、彼女の記憶を取り戻すため、航平が様々な作戦を決行する展開で、その後に急展開もありましたけど、大切な人の記憶を取り戻すために奮闘して、幸せになるために困難にも二人でしっかりと向き合ってみせた結末はなかなか良かったです。
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よっち
かつての声を失い、活動を休止した大人気バンドのボーカル藤波奏太。遠くの地に転校して一人の高校生として暮らそうとする彼が、声優を目指す小学生の少女ソラと出会う青春小説。心機一転新生活で始めた高校でのボランティア生活。彼の素質に気づいたソラの熱意に押され、ボイストレーニングを手伝うことになる奏太。ソラの周囲の少女たちもレッスンに加わって、個人製作アニメのオーディションに挑む展開で、夢を諦めかけていた奏太もまた彼女たちのひたむきさに感化されていって、監督のイメージを覆してみせたその結末はなかなか良かったですね。
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よっち
夫婦。血を分けた子を持ち、同じ墓に入る他人の二人。かつては愛と体を交わし、多くの言葉を重ねたのに、だんだん何を考えわからなくなってゆく家族の物語。10代で付き合って遠距離でいったん別れて、大学時代に再会して結婚した光と虎治。心地よかったはずの距離感が、子供が生まれてだんだん虎治とも考えが噛み合わなくなる一方、自分の可能性も諦めざるをえなかったりで、様々な出来事に直面するたびに関係性の変化を受け入れて、どこか納得いかない部分も感じながら、それでも折り合いをつけて生きてゆく姿にしみじみとした気分になりました。
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よっち
完成間近の卒業制作を教授に酷評された美大生・木田蒼介が、交通事故で亡くした幼馴染・河井明音をテーマに作品を描き直すことを決める美術小説。自らも左足が不自由になった六年前の事故以来、明音の記憶を全て失った蒼介。明音のことを知るために共にあった親友やかつての恩師、明音の友人や自分の母、明音の母と聞き取りを進めるうちに気づく認識の齟齬。それを突き詰めていけばいくほど明音が蒼介にとって才能が共鳴し合うかけがえのない存在だったことが浮き彫りになっていって、ようやく思い出して向き合ったその結末には心揺さぶられました。
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よっち
高校進学を機に好きだった幼馴染に想いを告げたものの、見事撃沈した広瀬航平。傷心の彼が入学初日の帰宅中に一匹の子犬を助けて、飼主の美少女・蓮池春香と出会う青春ラブコメ。実は同じクラスで席も家も近くて、積極的にぐいぐい来る春香と仲良くなった航平。彼女と積み重ねてゆく日々に、幼馴染に振られたその傷心もいつの間にか癒やされてゆく展開でしたけど、空白に上手くハマって急速に距離が縮まっただけに、航平の気持ちが追いついてない感もありましたかね…二人の関係がこれからどうなるのか、幼馴染の動向も気になるところではあります。
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よっち
大陸全土を襲ったすさまじい凶作は、神の降臨が近づいていることを知らせる予兆だった。ティグルたちは最後の魔物ズメイや使徒メルセゲルのたくらみを阻むべくヴォージュ山脈へ急ぐ第十二弾。ムオジネル侵攻の事情を見抜いたソフィーの機転と、キュレネー侵攻に苦戦するブリューヌを救った思わぬ救援。一方で魔物ズメイとミラ、リュディ、使徒メルセゲルとティグルのそれぞれの因縁に決着をつける戦い。今回ヒロインたちとの関係は最終的にどういう形で決着をつけるのかと注目していましたが、流石に王にでもならないといろいろ難しいですね(苦笑)
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よっち
遂にまともなVTuberがいなくなった大手運営会社ライブオン。三期生も一周年を迎えて記念配信の準備が進む中、元気で良い子な光に異変が起こる第五弾。シオンと聖様のカップル成立に末永く爆発しろと思いつつ、迫る『三期生1周年記念』に向けて準備を進めていた淡雪が直面する、活動を頑張りすぎて喉を壊した光の問題。そんな思い詰めていた光の心をほぐすリスナーたちの想いがあって、ちゃみやましろも壊れていったりと相変わらずカオスな展開でしたが、メリハリが効いていて優しく温まる想いが詰まった今回のお話はなかなか良かったですね。
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よっち
過去の経験を通して、付添人(少年犯罪において弁護人の役割を担う人)の仕事に就いたオボロ。簡単には心を開かない、声を上げる方法すら分からない子どもたちの心に向き合い寄り添ってゆく連作短編集。自らも少年院に送致された経験を持つオボロが向き合うホームレスを襲撃した少年が隠していること、家族から逃げ出した女子高生の嘘、家出少女たちと匿う女性の過去、声優にSNSで誹謗中傷を繰り返した少年の思い。本当は助けてほしい子どもたちに真摯に向き合おうとするオボロもまた孤独で、寄り添ってくれる笹木さんがいてくれて良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
死後天神となったものの、高位の女神の差し金で人と鬼の間に生まれた「半鬼」の赤子を育てることになった菅原道真。道真パパと強がり半鬼息子のほろり成長物語。麗しく優秀な青年に成長した半鬼・檜垣行夜と、陰陽寮で学ぶ行夜が心配でつい過干渉になってしまう道真。そこに安倍晴明の息子・吉昌から、物の怪が絡んでいるらしい奇怪な失せ物探しの代理を頼まれる展開で、死後災厄をもたらしたとされる菅原道真と平将門が出てくるものの、道真はむしろ冤罪を晴らそうと動いていて、行夜の成長だったり親子の確かな絆を感じさせる結末が印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
祇園祭の山鉾略奪を企む京都信奉会の船越。祇園祭を守るため古賀大達あやかし課隊員が結集して警察の威信をかけた全面対決の火蓋が切られる第七弾。「あやかし課」のエースにして、信奉会の教祖・神崎武則の実の息子である坂本塔太郎の命も狙う船越との決戦、さらには船越に取り憑いた神埼の分身との死闘。それ以外のあやかし課隊員たちにも見せ場がある文字通りの総力戦で、それぞれの成長を感じさせてくれました。あれだけ満身創痍でもその自覚に乏しい塔太郎には苦笑いでしたけど、そろそろ自分の想いに素直になれそうな雰囲気で進展に期待です。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
犯人たちが仕掛けた巧妙なトリックに対するのは、全てを見通す城塚翡翠。犯人視点で描かれる倒叙ミステリのシリーズ第三弾。嵐の山荘で死体を懸命に隠そうとする若き犯罪者。そして翡翠をアリバイ証人に仕立て上げようとする写真家の復讐。そもそもどうしてこうも犯罪者と遭遇してしまうのかという部分には苦笑いしかないのですが、ツッコミ役の相棒・真ちゃんをいいように振り回しながら、無防備なあざとすぎるキャラとそこを見ているのかというアプローチで犯人と対峙する先にあった、はっとさせるようなそれぞれの結末が今回もまた印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
とある事情から浅草出身で怪談蒐集を趣味とする侯爵令嬢の瀧川鈴子。室辻子爵邸に呼ばれて芸妓の悪霊を目撃した際、謎めいた男爵・花菱孝冬に出会う大正ロマンファンタジー。十二単を纏う謎の霊「淡路の君」を使い、悪霊を食わせた孝冬を気味悪く思った鈴子が、なぜかその孝冬に求婚されて二人で一緒に挑む霊を巡る事件。明らかになってゆく花菱男爵の事情や鈴子が怪談蒐集をする理由があって、お互いを知ってゆくことで少しずつ距離感が変わってゆくからこそ苦悩する展開はなかなか良かったです。鈴子の家族もいい感じに存在感があって続巻に期待。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
母との約束で先帝の血を引いていることを隠して暮らしている蛍。伯父の家で下働き同然に扱われていた彼女が、ある日、奥の神に仕える巫女・朱華姫に選ばれる和風ファンタジー。朱華姫として帝の宮に住むことになり、御召人となった冷ややかな美貌の第二皇子・柊にかしずかれる慣れない生活に戸惑う蛍が知らされる予想もしない真実。帝の思惑から選ばれて、朱華姫であることに自覚が足りなかった蛍が、性格の違う二人の皇子との関係を絡めながら、導かれるように成長してゆく展開はなかなか面白かったです。柊との関係も気になるところではあります。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
厳しい就活を経て食品卸会社に入社した酒匂ミチル。酒が飲めないのに客先にウケが良さそうな名前で営業に配属された彼女が、ノンアルコールをたしなむバー『SOBER CURIOUS』と出会う連作短編集。取引先に勧められたお酒を必死に飲むものの、なかなか美味しいと思えないミチル。周囲に理解されず孤独と疲れを感じていた彼女が、極端に取扱量が少ない取引先の美味しいモクテルに出会う展開で、登場人物も彼女を店に誘った沙羅や自らの立ち位置に悩む先生、訳ありバーテンダーなどキャラも立っていて、シリーズ化に期待したくなりました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
陰陽師が再び国家資格となり医療の現場に進出した世界。京都で新人医師として働く花満幸成が、患者の呪いを解くために紹介された魔女リサの下を訪れる現代魔女ミステリ。呪われているらしい不可解な症状の患者に高額な金額をふっかける青い目をした黒髪で着物姿の美しい魔女リサ。そんな彼女に巻き込まれる形で花満が仕事を手伝うようになったり、アリスがリサの弟子となる中で、ワルプルギスに一緒に参加したり、鬼退治協力や陰陽師の子どもたちの誘拐事件に関わったりする中で、全てが繋がる最後の事件は何とも切なかったですがシリーズ化に期待。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
辺境の国オストロムの黒狼王オルティウスのもとに嫁ぎ、心が通じ合うようになった薄幸の王女エデル。絶大な権力を持つ枢機卿の訪問とともに、思いもよらぬ人物が姿を現す第二弾。お忍びの城外散策などかけがえのない時を過ごし、周囲も温かい目で見守るようになっていた二人の前に現れる、かつてエデルを身代わりとした義姉ウィーディア。彼女を信用できないオルティウスに対し、やり直す希望を捨てきれないエデルという構図は思わぬ事態へと繋がりましたけど、大切な人たちのために諦めなかったエデルが迎える結末にはぐっと来るものがありました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
度重なるタイムリープ現象の解明に向けて動く和彦と翔香。そして徐々に明らかとなるタイムリープ現象の輪郭。パズルのピースをはめるように空白を埋めて事態の決着に動く下巻。和彦の友人・関鷹志に協力を仰いで対策を練る一方、空白を埋めて調べたことが明らかになるにつれて導き出される、翔香にとって到底受け入れがたいひとつの答え。ストーリーとしてはややクラシカルに感じる部分も散見されて、このタイムリープが始まった原因もわりとあれでしたけど、一連のタイムリープの最後の空白を埋めるためのピースがなかなか効いている結末でしたね。
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よっち
ある日、自分が昨日の記憶を喪失していることに気づいた高校生の鹿島翔香。そして彼女の日記に自分の筆跡で書かれた見覚えのない文章から物語が動き始めるタイムリープ小説。日記の言葉に従いクラスメイトの秀才・若松和彦に助けを求め、半信半疑ながらも協力してくれた彼と原因を模索するうちに、自分があるルールに則って時を移動していることを知る翔香。空白の時間を埋めてゆくうちに気づいてゆく新たな事実や、時系列を超えて飛ぶ翔香を的確にサポートする和彦の存在があって、見えてくる構図の先に何が待っているのか期待が高まる上巻でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
最初の七人の一人フェリセットに呼び出され、北の果てにある屈斜路刑務所に向かった朔也。そこで起きたロボットと人間の心中事件の真相を追う「殺されてから推理する」系ミステリ第四弾。一万人を超える受刑者とロボットの看守により構成された日本最大にして最先端の刑務所で、三原則により人間を殺せないロボットは、いかにして心中を実現できたのか。その謎を探るため囚人や刑務官として刑務所に潜入する展開で、今回もまた多彩な死に様を披露してくれた朔也が思わぬところから辿り着いた真相があって、新展開を迎えた今後の展開が楽しみですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
陽鞠と本気の喧嘩をして、ついに自分の本心に気づいた朱音。意識しはじめて好きな人との共同生活がドキドキの連続に変わってゆく第六弾。当たり前だった料理も一緒のベッドで寝ることも、今までとは大違いで動揺する朱音に首を傾げる才人。そんなギクシャクしてしまう状況を打開するため、勇気を出してプールでのデートに誘う朱音。何とかしようとして空回りして、なかなか上手くいかないあたりが何とも朱音らしいなと苦笑いでしたけど、今回は他ヒロインたちに振り回されるばかりだったこれまでとの変化も感じられて、続巻での掘り下げに期待です。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
弱冠八歳にして『ステータス魔法』を開発したもののMP5しかない特級魔導士タクト。家督を継ぐために魔導学園だけは卒業する必要があった彼が足切りレベルの魔力量で学園に裏口入学する学園ファンタジー。実力がバレたら即退学の状況で、可愛い弟子兼メイドのマルカと通う学園で出会う生徒会長コッコ先輩、魔眼持ちカレン、図書館の主ネシャト。できることからまず限られる能力なのに、誤解ばかりが積み重ねられていって、いろいろと運良く辻褄が合って乗り越えてしまう強運には苦笑いでしたけど、ますます注目されそうな今後の展開に期待ですね。
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よっち
小さい頃からママの言うことをきちんと聞いて、練習も一生懸命にして大女優を目指していた綾瀬咲。悩めるエリートがもう一度前を向くためのもうひとつの青春小説。優等生な演技で面白みに欠けると言われて、子役の仕事が段々と少なくなってしまう咲。それでも応援してくれる幼馴染やファンレターを励みに、何度でも諦めない彼女に才能を見せつける良くも悪くも存在感のあるレナとの運命的な出会い。マイペースで対照的な彼女と何度もぶつかる中で、いつの間にか見失いかけていた本当に大切なものを見出してゆく展開にはぐっと来るものがありました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
十数年前に太平洋に堕ちた星の影響で、奇妙な『呪い』を宿した子どもたち。特別で孤独な彼らが集められた星墜ち島の舞台としたひと夏の物語。他人の感情に触れられる少年・御蔵真久良、時間を5秒追加できる少女・式根稀音、怪物を視る少女・神津うづ花たちに波紋を投げかける転校生・大野原春の存在。真久良が見た稀音妹は何者なのか。それぞれの立ち位置で見ているものが違って、密かに抱く恋や思惑からの嘘に振り回されたりもしましたけど、それでも揺るぎない大切なひとを想う真っ直ぐな気持ちがもたらした結末にはぐっと来るものがありました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
魔都の狂騒を乗り越えたナツキ・スバル。しかし『幼児化』の影響の解けないまま、命懸けの死合いを見世物に帝国の血の渇きを満たす剣奴孤島『ギヌンハイブ』の洗礼を受ける第三十一弾。そんな絶望の状況を生き延びるため、同じ境遇の仲間を束ねて残酷な死合いの攻略へ挑むスバル。しかし結束するスバルたちを嘲笑うように色濃さを増していく孤島の暗雲、そして果たされる因縁の邂逅。死に戻りの希望すら打ち砕く容赦のない展開にはなかなかくるものがありましたけど、それを何とか乗り越えてみせたスバルたちの今後が明るいものであってほしいです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
社会に馴染めず孤立していった会社員の橘一真と、成功の裏で心をすり減らしていったシンガーソングライターの榎南雫。そんな彼らがたどり着いたある小さな村で出会うひと夏の物語。息苦しい毎日の中で自分を見失い、行き場のない想いを一人抱えていた彼らが出会った信念を貫く個性豊かな住民たち。高校生の恋の応援や温泉の缶詰を作る仕事や忘れかけていた夢を叶えるお手伝い、帰ってきた旅館の一人息子や再会したかつての同僚とのやりとりを通じて変わってゆく心境があって、それぞれが自分らしい生き方を取り戻してゆく二人の結末は良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
社長からのアドバイスをきっかけに、初めて一人で行った熱海でひとり旅の魅力に取りつかれた日和。好奇心旺盛にどんどんと行動範囲を広げてゆく第二弾。気になる人の情報から行ってみた函館や房総の久留里城、たこ焼きが食べたくて行った大阪や、レンタカーに初挑戦の出雲、そして先輩の結婚式で行った姫路と、気になる相手・蓮斗との縁だったり、旅でいろいろチャレンジしてみたり、仕事に頑張ってみたりと少しずつ変わってゆく日和の姿が印象的でしたね。著者さん得意の美味しそうな食べ物やお酒も満載で、読んでていて食べたくなりました(苦笑)
が「ナイス!」と言っています。
よっち
世界に大きな衝撃を与えたロシア軍のウクライナ侵攻。この戦争が突きつけた現状の問題点と、日本の安全保障をめぐる環境の変化と対応策をそのリアルを知る専門家が語り合う一冊。ロシアのウクライナ侵攻をどう受け止めたのか、新しい国際秩序は形成できるか、その条件は何か、台湾有事に際して日本はどう対応すべきか、戦争を回避するために必要なもの、プーチンの戦争と戦後処理・秩序の回復などに触れていて、プーチンの目指しているところなどは興味深く読めましたし、軍備増強の前に考えるべきことやすべきことがあるのを知ることができました。
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よっち
真子が小学校に入学した頃から憧れて加入した全国常連の強豪合唱クラブ。しかし昨年金賞を逃したプレッシャーから何のために頑張ってゆくのか分からなくなってゆく青春小説。顧問が交代して金賞を逃したことに焦りを感じる長谷川先生、指名されて団員に厳しく指導する部長の帆乃花。言いたいことも言えなくなって、良くない状況を変えられずに空気が悪くなってゆく悪循環はよくあることですが、これを子供がどうにかするのは難しい…真子が合唱を楽しむ気持ちを思い出させてくれた商店街合唱団の演奏が、変わるきっかけになってくれるといいですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
現代で上級探索者として名を馳せた遠山鳴人。ある事件に巻き込まれて死亡した彼が、謎の声に導かれるようオープンワールドのような世界で目覚める異世界ファンタジー。奴隷という身分に堕ち、いきなり魔物のエサとして利用されそうになるも、異能と探索者として培った技能で窮地を脱した鳴人が果す蒐集竜アリスとの運命の邂逅。そこからはまた違った意味で急展開でしたけど、大切なものを見失わない鳴人はどこまでもブレなくて、しっかり向き合ったからこそ新たな始まりがあって、ここからどんな展開が待っているのか続巻に期待の新シリーズですね。
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よっち
親戚の葬式に参列して孤児となった幼い四姉妹を成り行きで引き取ることなった病乃魁人。今まで不遇な生活を送ってきた個性豊かな四姉妹との共同生活を描く家族小説。ここがゲームの世界で前世の記憶を思い出し、四姉妹がシナリオ通りのさらに不幸な未来へ歩むことを阻止すべく、彼女たちが幸せになるための子育てを決意する魁人。千春の長女としての責任感、食いしん坊で厨ニ感ある千秋、千冬のコンプレックスや千夏のトラウマと、最初は距離感があった四姉妹それぞれと向き合って、少しずつ信頼を積み重ねてゆく優しい展開はなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
東京のブラック企業を辞め、地元に帰ってきたアラサーの有月勇。新生活で謎の清純美少女JKと出会う、元・ウザ微笑ましいクソガキとの年の差すれ違いラブコメ。あまりの変貌ぶりにずっと好きだった勇と再会しても気づかれず、名前を当てゲームを仕掛ける未夜。クソガキ小学生三人組の面倒を見ていた高校時代のエピソードを挟みながら、なかなか気づいてもらえない未夜と成長した同じクソガキ仲間の真昼が、彼の実家の喫茶店に入り浸る中で関係が再構築されてゆく展開はなかなか良かったですね。全寮制の私立に通う朝華の存在も気になるところです。
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よっち
許嫁で恋人として付き合い始めて初めての夏休みを迎えた修二と美蘭。今度は彼女やギャル友二人と一緒に海へ泊まりで旅行する第二弾。一人ではなかなか踏み出す勇気が出なかった修二が、ノリの良い彼女たちの誘いで一緒に出かけるお泊りでの旅行と海水浴、一緒に過ごす彼女の家で夏休みの宿題消化、彼女たちの動画配信勝負の手伝い、そして文化祭での奮闘と思わぬアプローチ。彼女たちに若干振り回されている感もありましたけど、修二も重要なところで彼らしい頑張りが光っていて、二人らしい形で関係を育んでゆく様子がなかなか微笑ましかったです。
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よっち
ケータイ弁護士として日々奔走する新人女性弁護士・杉浦小麦、25歳。国選弁護士として1日で公判が終わるはずだった仲間内の傷害事件が、やがて世間を震撼させる大事件へと変貌してしまう法曹ミステリ。一転して注目を集めることになってしまった被告人の事情。傷害事件はアリバイ作りなのか、警察と検察のメンツや思惑も絡む複雑な状況に振り回される新人弁護士という構図でしたけど、真正面から向き合って奔走する小麦を支えてくれる人たちもいて、新人なりに不器用ながらも信じるもののために戦った彼女の物語をまた読んでみたいと思いました。
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よっち
学力を伸ばす明確なロジックはある。自己肯定感、競争心、自立心、親子の距離感、日常的な声かけなど「ひとりっ子が賢く育つ108の具体策」を紹介した一冊。親の影響を受けやすいひとりっ子は、親が適切に導いてあげれば爆発的に伸びる。そのためには親もまた勉強が必要だとして、競争心が相対的に育ちにくいひとりっ子の可能性をいかに広げるか、昔と違う今の時代の勉強法について、ひとりっ子の7つの特徴や学力を伸ばす原則、日常生活の中での思考力の育て方、自発的な学習意欲を育てるテクニックなど、いろいろと参考になる部分がありました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
にぎやかな大晦日、年が明けて晴れ着で初詣。結花と楽しい冬休みを過ごすなか、ご両親へ挨拶するために結花の実家へ二人で訪問する第六弾。彼女の実家で出会う心配性の結花のお義母さん。そしてお義父さんから明かされるまさかの婚約の真相と、答えられなかった課題。友人と行く二回目の初詣だったり、真相を知った悪友が迷走したりで苦笑いでしたけど、苦い過去にようやく向き合ったことでまたいろいろと乗り越えられたことがありましたかね。悩める遊一に結花も今回はいろいろ可愛い一面を見せていて、両家の顔合わせもらしさがよく出ていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
夏にある大学近くでの花火大会。学園祭実行委員会で仲良くなった今ならと、牧村は後輩の美園を誘うことを決意する第二弾。花火大会のことを意識しながらなかなか誘えないまま、期末テストも近づく中で勉強を教えたり、サークル旅行でもやもやするのに自分の思いを言えなかったり。先輩と後輩の関係から彼女に無理強いさせたくないとか意識し過ぎて、なかなか美園に踏み込めない牧村がもどかしかったですけど、要所で美園が一歩踏み込んで頑張ったこともあって、二人の関係もようやく一区切りですかね。彼らのこれからの関係をまた読んでみたいです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
有名映画監督の父親と喧嘩して家出した高嶺の花のクラスメイト佐中アリサ。彼女を拾った同級生の黒澤雪人が姉と二人暮らしの家で犬耳メイド彼女と同居を始める青春ラブコメ。何故か姉までノリノリで犬耳メイド服を用意して始まった彼女との同居生活。世間知らずで未経験の家事も学習して、急速にメイドらしくさを身につけてゆくアリサ。朝は起こしてくれたり水着で川遊びに行ったり、パジャマ姿で膝枕してもらう日々は甘え上手なアリサが可愛すぎて、これはもう戻れないだろうな思いましたが、喧嘩していたはずの父親も娘には甘かったですね(苦笑)
が「ナイス!」と言っています。
よっち
家族旅行で真嶋家の絆も深まってもうすぐクリスマス。2人で過ごす「特別な夜」に涼太も晶も楽しみが止まらないはずが、それを前にしてハプニングが続出する第四弾。クリスマスを目前に直面する期末試験、芸能事務所からスカウトされる晶、彼女の進路問題、光惺とひなたの関係や光惺を狙う同級生のためにセッティングした勉強会。ひなたからのご飯の誘いもあったりで、いろいろ落ち着かない中でもひとつひとつ向き合ってゆく涼太の存在が効いてましたけど、彼らしい結論だなと感じつつ、一方で無意識にフラグを立てまくりの今後が気になりますね…。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
恋心の芽生えとともに迎えた夏。お泊りを経て急接近した距離に京介への好意が増すばかりの綾乃。特別になりたいという想いが、不器用な彼女を突き動かしてゆく第二弾。予定が合わずになかなか合えずにいた綾乃が、京介の家族と一緒に行くことになったキャンプ。文化祭で人目も気にせず甘えたり、コスプレ姿で迫ったりとアプローチを加速させる綾乃。どこか京介の自信がない理由も明らかになっていきましたけど、流石にここまで彼女が頑張ったら応えたくなっちゃいますよね。なかなかいい感じになってきた分、彼の過去が気になるところではあります。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
元アイドルのミルを普通の女の子にプロデュースする蓮。ミルが蓮への初恋に戸惑う一方、同級生の琴乃は蓮の変化に心揺れる第二弾。夏休みに入って新たなミルらしさを見つけるため、ミルや琴乃とともに過ごすプール掃除、小旅行、花火といったありきたりだけれど、しかし確実に積み重なってゆくかけがえのない思い出。ミルと出会ったことで蓮もまた確実に変わり始めて、彼を見てきた琴乃や、彼の変容に気づいてしまう冬華が何とも切なかったですけど、彼女たちの甘く切ない思いをしっかりと受け止めて自らの想いにも向き合ってゆく結末は最高でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
学内で密かに台頭する天才シンガー詩歌と兄の楽斗。しかし次の課題は踊ってみた配信の人気争奪戦で詩歌の致命的なダンスセンスを克服すべく、ダンス学科首席である竜姫のもとを訪れる第二弾。竜姫の協力で詩歌たちが特訓に励む一方、必要なピースを揃えるべく事情通の神田依桜に接触する楽斗。鍵を握るファッション学科・原亜寿沙の存在、そしてヒップホップの破壊者と呼ばれダンサーたちと対立する竜姫の事情。登場人物たちそれぞれの様々な一面を描きながら、メリハリの効いた展開は盛り上がりましたけど、ますます楽しみな続巻に期待しています。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
AI、遺伝子操作、VR、人間強化、ベーシックインカム。未来で技術・制度が実現したとき何が起こるのか、そのひとつの可能性を描いた近未来SFミステリ短編集。日本語を学ぶために幼稚園で働くエレナが気になった言葉、豪雪地帯に残された家族と父親の奇妙な遺体、VR映画を観た妻が突然失踪した理由、視覚障害の娘が人工視覚手術で知る真実、ベーシックインカムを肯定する教授の預金通帳が盗まれた理由。確かにこれはそんな未来が実現したからこそ起きた事件で、けれどその鍵を握るのが人の複雑で繊細な心理だったりするのが面白かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
悩み多きカフェの若き店長・原田清瀬は、ある日、恋人の松木が怪我をして意識が戻らないと病院から連絡を受け、恋人が自分に隠していた秘密を知る物語。親友の樹とつかみ合いの喧嘩をして病院に担ぎ込まれたという松木。しばらく音信不通だった彼の部屋を訪れ、彼が隠していたノートをきっかけに明らかになる背景。樹の想い人・天音も絡めながら、上手くやれない事情を抱え周囲の理解も得られず、不器用に生きることしかできなかった登場人物たちの思いがあって、それでも気にかけてくれる人の存在、安心できる居場所の大きさを改めて痛感しました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
10歳の娘を亡くして妻ともすれ違い、離婚してコロナ禍のリモートワークを言い訳に自宅に引きこもる譲。彼がある日ずぶ濡れの女の子「ちぃ子」を拾うひと夏の物語。1980年代からタイムスリップしてきたらしい彼女とのギャップに戸惑いながら、繋がってゆく幼き日の苦い記憶。ちぃ子と共に過ごすなかで少しずつ癒やされてゆく日々、どうなることかと思われたその生活の末に気づいた今に繋がる思い違いがあって、譲がこれまで見ていたものの意味も大きく変わって、もう一度前を向いて未来に希望が感じられる結末にはぐっと来るものがありました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
終戦から一年。復興を遂げつつあった神田神保町で、古書の山に圧し潰されて死んだ古書店主・芳松。事後処理を引き受けた琴岡庄治が芳松の不自然な死に気づき、そこから始まる古書店主たちの終わらない戦いを描く物語。行方不明となった被害者の妻、注文帳に残されていた謎の名前、名もなき古書店主の死を巡る探偵行の先にあった暗躍するGHQの壮大な計画。登場した意外な人物もいい感じに効いていて、追い詰められながらも大切なもののために反撃の道を探り続けて、仲間の古書店主たちとともに戦ってみせた庄治たちの意地とその結末は圧巻でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
一条帝即位で摂関家の一員となり、権威を後ろ盾に宮中に揉め事を次々と起こす藤原道長。そんな中、藤原家一族の中で無能者扱いされている顕光の思わぬ妬みから、宮中に呪の連鎖が始まる第三弾。大学寮試験への介入、公任との井戸水争いや女遊びと、憂慮した晴明と実資、友人の源頼光の忠告にも耳を貸さない道長。そして鬼に憑かれて京を闇に陥れる恐るべき存在へと変貌する顕光。頼光はなかなかカッコ良くて、困ったちゃんの道長に不穏な顕光と厄介な存在が増えてしまう展開でしたけど、煮え切らない実資の恋模様はなかなか進展しないですね(苦笑)
が「ナイス!」と言っています。
よっち
六年前に滅びた簑石に人を呼び戻すIターン支援プロジェクトが実施され、南はかま市甦り課の三人が奔走する現実と真実の物語。最初に入居した二組の夫婦のいがみ合い、水田養鯉を志した入居者の誤算、行方不明になった子ども、秋祭りで起きた食中毒、なくなった仏像といった次々と起こる問題に、やる気の見えない課長・西野の下、実務を担う万願寺や新人の観山が奔走する展開で、やけに西野が要所をしっかり押さえていると思ったら真相はそういうことでしたか。言われてみれば納得ですけど、苦心してきた立場からすればそれはないよって話ですよね。
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よっち
小遣い稼ぎの賭博がばれ、香華宮の後苑を管理をする司苑に左遷されてしまった凜。そんな中、皇帝が突如倒れ、隠し子だという美男子・徐玲樹が権力を掌握する第二弾。突如左遷されて、嫌味な先輩女官に意地悪をされたり、肥料撒きをさせられたりと苦労しながらも、持ち前のガッツと明るさで、司苑の仕事でも実績をあげていく凜。香華宮はにわかに不穏な空気となる展開で、中華風ファンタジーとして見るとツッコミどころも多いですが、転生してきた元婚約者も絡めながら、義兄の子陣と苦境を覆してみせた先にあった優しい結末はなかなか良かったです。
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よっち
幼い頃から刑事志望で念願叶って京都府警の刑事部所属となった岩槻亜寿沙。しかし配属されたのは「特異捜査係」で終始眠そうな上司・阿久津と二人きりの部署でオカルト事件の謎を解く物語。かつて「鬼」に噛まれたことで鬼の性質を帯び、怪異に遭遇するようになった阿久津と、オカルトは信じないものの嗅覚が鋭い亜寿沙の新米バディで挑む縁切り神社、清滝トンネル、深泥池といった京都のいわくつきスポットに絡む事件。亜寿沙が刑事を目指すきっかけとなった幼き日の事件の結末は切なかったですが、分かりやすくテンポの良い展開は面白かったです。
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よっち
幼稚園の親子遠足に両親の代わりに参加した響汰と澄。そして想夜歌のお誕生日会も間近に迫り、響汰が大好きな妹のために何か出来ないかと悩む第ニ弾。保護者参加型の行事で子供たちと楽しいひとときを過ごす二人。昏本家・暁山家両家の家族関係が明らかになる中、大好きな母親と一緒に参加できなくて、想夜歌がとても寂しがっていることに気づいてしまう響汰。親子遠足のために当然のように学校を休む二人には笑いましたが、今回は瑞貴やひかるとの絡みも効いていて、状況を変えるために背中を押してくれた澄とのママ友関係がますます楽しみですね。
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よっち
クリスマス間近の12月。生徒会に没収された月之木先輩のナマモノBL本を取り戻すことになった温水に、生徒会書記の志喜屋が協力を申し出る第四弾。副会長の馬剃は没収したBL本を職員会議にかけると息まき、危機に直面する文芸部。志喜屋の指示により馬剃に温水が接触する中で、解決の焦点となってゆく月之木先輩と志喜屋の因縁。馬剃や志喜屋と温水の意外な急接近があって、抜け駆け禁止と釘を刺す八奈見や心穏やかでいられない小鞠など、三者三様の反応が興味深かったですけど、温水を巡るヒロインたちの関係がさらに混沌としてきましたね…。
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よっち
地方の大衆食堂で働き、父を亡くした厨師の千花が、常連の貧乏皇族で何の因果か皇帝に即位することになった女嫌いの玄覇から、女除け寵姫としての契約を持ちかけられる中華風ファンタジー。王都に店を持つことが夢で、その開店資金を報酬に貴妃として期間限定で後宮に入った千花。後宮は他の妃嬪たちの嫌がらせや毒殺疑惑などなかなか殺伐していて、玄覇とは現段階ではあまり恋愛っぽい雰囲気ではなかったですけど、その厨師としての知識や経験と持ち前のたくましさで逆境に真っ向から立ち向かい、見事跳ね返してみせたこれからの展開が楽しみです。
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よっち
街は少しずつビークヘッドの存在を受け入れ始めて、市民との交流活動の一環としてフェスでの握手会に訪れた未那。そこで金属を自在に操る異能を持つ少女フォーツーと出会う第三弾。親の仇として東への復讐を誓うフォーツーと交戦する中で、親友の操にビークヘッドの正体が自分であるとバレてしまう未那。復讐を受け入れる東や明らかになる前堂の策略、そして絆が生まれつつあったフォーツーとの関係など、物語を通じて成長してきた未那がなかなか難しい状況にもしっかりと向き合って、自分なりの答えを出してみせたその結末がなかなか印象的でした。
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よっち
特許権侵害などを警告された企業を守ることを専門に東奔西走する凄腕の女性弁理士・大鳳未来。今度は出荷寸前に専門商社から商標権侵害の警告を受けた「いちごの名前」を守るために戦う第二弾。宮城県久郷出身の大学研究員・初田優希が開発に成功したいちごの新品種・絆姫。商標権を取得した大手商社にいったいどの段階で名称が漏れたのか。意図的に悪意を持ったそのアプローチに対して刻々と迫る期限、そして出荷できない大量のいちごという分が悪すぎる状況でも、決して諦めない未来が採った斜め上の解決手段には流石に度肝を抜かれました(苦笑)
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よっち
宇宙船の生態環境が著しく悪化し、地球で暮らすことを望んでいた老いた神を扶養することを決めた人類とその破綻を描いた表題作ほか五つの短編集。神文明が去って3年、地球でもっとも裕福な13人がもっとも貧しい3人をプロの殺し屋を雇ってまで殺したい理由、蟻のストライキにより決裂した2000年以上続いてきた恐竜との共存関係、ステーションにいる彼女の眼を連れて草原への旅行する仮想体験、74年の人工冬眠から目覚めた主人公が目の当たりにする深刻な事態。前提が違う常識が噛み合わない悲喜劇をシュールに描く物語は興味深かったです。
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よっち
太陽系に見切りをつけた人類の唯一の道は別星系への移住。連合政府は地球エンジンを構築し、地球を太陽系から脱出させる計画を立案する表題作ほか6つの短編集。惑星探査から帰還した宇宙飛行士が目にしたもの、地球を捕食しようとする世代宇宙船「呑食者」、市民の運命を変えてしまうコンピュータ・ウイルス「呪い」、「中国太陽プロジェクト」に従事する二人、異星船の接近で突如隆起した水の山で異星船とのコミュニケーションを取る登山家。発展する科学についていけなかったり、突然の破滅に巻き込まれる人々のありようがなかなか印象的でした。
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よっち
国民的ガールズグループ『coc9tail』年内解散を発表。そのトップアイドル黛息吹と、そんな彼女の激推しぶりにファンも認める全力オタクの人気俳優・柊美聖の推し活ピュアラブコメ。国民のほとんどがその動きに注目するほど広く知られ、案の定大ダメージを受けていた<国民の王子>美聖。更に息吹には結婚の噂も囁かれ、息吹とのやりとりから自身の偽らざる想いを自覚する美聖。デビューの頃から積み重ねてきた二人の関係性、年内解散へ向けて研ぎ澄まされてゆく息吹を支える美聖がまた尊くて、そんな二人が迎える結末がまた素敵すぎました。
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よっち
秘薬を取引したとして母が連行されて以来、一人で生きてきた青の森の魔女ネリの元に、ある日政略結婚を回避したい令嬢ソフィーが訪ねてくるファンタジー。その結婚相手が母を連行したエルヴィンと知り、母の行方を捜すため変異魔術で令嬢に成り代わり嫁入りするネリ。少しずつエルヴィンが化石病撲滅に賭けていた思いを知り、ネリのありように彼の心境も少しずつ変わっていって、いつしかかけがえのないものになっていった偽りの結婚生活、化石病が貴族の間だけで蔓延していた真相、紆余曲折の末に二人が迎える結末にはぐっと来るものがありました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ある日、気付くと魔王城の暮らしとはほど遠い庶民の生活を送っていたケンゴー。お隣に住むルシ子やアス美たち美人四姉妹との日々が、何者かによる幻惑攻撃の一種だと気づく第五弾。何者かに常識を書き換えられた可能性に即座に気づきながら、魔王扱いされない生活をどこか快適に感じてしまう一方、その裏で着々と進む悪辣な計画。今回は同じく元の記憶を残していると判明したベル乃に関する掘り下げもあって、その印象もだいぶ変わりましたけど、暗躍する敵方の事情も明らかになってきて、物語もまた大きく動き出しそうな今後の展開が楽しみですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
学園祭で学校全体がお祭り気分に包まれるなか、自主映画の完成を迎えていた諒のクラス。学園祭に向けてヒロインたちの想いが爆発し、ついにそれぞれの恋路に変化が訪れる第七弾。主演を務めた姫奈は演劇部からの依頼で学園祭の演劇で舞台に立つことになり、応援する姫奈の憧れの女優でもある彼女の母に、姫奈の演技を見てもらえないかコンタクトを取る諒。学園祭当日は静香・ヒメジ・姫奈たちのコスプレ姿があったり、それぞれと諒のエピソードも印象的でしたけど、恋愛に対して不器用だった原因を自覚した諒がようやく答えを出せてホッとしました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
明照がまだセンパイではなく、彩羽がまだ友達の妹ですらなかった頃。明照、乙馬、ウザくなかった頃の彩羽たちの出会いを描く中学時代の前日譚。明照と乙馬、不良集団のリーダーとして紅鯨無尊を率いる中学時代の音井の邂逅。そしてJCミュージシャン・橘浅黄の生き方に憧れる塩対応な女子中学生時代の彩羽と明照の最悪な出会い。閉塞感のある生活に行き詰まりを感じていた彩羽、彼女たちが健全な生活を送れないか奔走する明照がいて、音井さんがいい感じに存在感ありましたけど、真白を慌てさせる絆を育んできたエピソードがなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
渋々来ていた恒例の家族キャンプで、自他共に認めるインドア派の黒山香月に絡んできた四海道文香。学校一美人だけど、近寄りがたいことで有名な先輩の彼女と始めるキャンプ生活。図書委員として彼女のリクエストした本を推したことで感謝されて、彼女に強引に誘われ急遽週末二人でキャンプをすることになった香月。一緒にテントを設営したり、ご飯を作る意外な楽しさに触れて、文香の意外な素顔も知ってゆく週末の生活。文香の師匠・飛鳥も絡めながら、すれ違ってしまった文香ともう一度キャンプをするために奔走する展開はなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ベルがオラリオを訪れる七年前。正義を司る女神アストレアのもと、暗黒期の中で自らの信じられる正義を探していたリューと仲間たちの物語を描く前日譚。闇派閥が暗躍を続けて不穏な雰囲気に包まれるオラリオにあって、正義を掲げて何とかしようと奮闘する日々を送るアストレアファミリア。そこに現れて彼女たちに正義を問う一柱の男神エレン。突如闇派閥が仕掛けた大抗争に対して、ロキ・ファミリアやフレイヤ・ファミリアを中心に対峙する混沌と化した展開には何度も絶望を突きつけられましたけど、ここからどんな展開が待つのか続巻が楽しみです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
沈黙を破り突如百花輪の儀に参戦した水晶妃・灰麗。突然の出来事に戸惑う來梨たちを前に、かつて溥天廟の巫女であった彼女が不吉な宣託を告げる第四弾。灰麗が告げた華信国に降りかかる災いについての五つの予知。それが実現してゆく中で五つ目の災いによりこの国は滅ぶという託宣の中で主導権を握った灰麗の思惑。その企みを暴くために予知に隠された秘密を暴くために明羽と來梨が対峙する展開でしたけど、侍女も減ってゆく中で皇帝・兎閣がいいところを持っていきましたかね(苦笑)とはいえまだまだ緊迫する状況は続いていて今後が気になります。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
前世の記憶が蘇って嫁・兎羽の目の前でその妹・獅子乃とのキスをやらかして、寒空の下へ家から追い出された大吾。しかしその隙に、兎羽が実家に連れ戻されてしまう第二弾。兎羽の失われた信用を取り戻すために彼女の実家に向かった大吾が出会う、彼女の元婚約者・工藤の存在。そして運命を確信し水面下で大吾を狙う獅子乃。新登場の工藤さんもなかなか面白いキャラでしたけど、並行世界かもしれない前世パートを織り交ぜ、テンポの良い会話で進む展開の中で前世との役割や性格ギャップが今後にどう影響するのか、いろいろ気になる部分も多いですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
街に蔓延る怪人たちを打ち倒す、万色戦隊の緑色担当こと草間ミドリ。そのお隣さんに謎の銀髪セクシーな異国のお姉さん・久里アシェラーと、その娘・タラタットが引っ越してくる戦隊コメディ。昼は高校の非常勤講師(世界史)。学校が終われば緑色のバトルスーツを身に纏い、残業確定の怪人退治と疲弊気味だったミドリの癒やしの存在となっていったアシェラーが、実は生き延びた元悪の大幹部だったという展開で、お互い正体を知らない間に、知ってからも積み重ねてきた出来事があって、葛藤を乗り越えて危機に駆けつける展開はなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
高級住宅地で殺害された一人暮らしの老女。部屋にはかつて犬を飼っていた痕跡があり、犬アレルギーの植村と犬を飼っている下村の刑事コンビが周辺の捜査を開始するミステリ。コンビニでひっそり働き突如犬を飼うようになった松本。あるスクープをモノにするためコンビニでアルバイトを始めた雑誌記者の鶴崎。そして松本の過去に気づき執着するようになってゆく作家の小野寺真希。誰が老女を殺したのか、なぜ犬を盗んだのか、それぞれの視点から真相に迫る展開でしたけど、その違和感と偏見を乗り越えた先にあった意外な結末がなかなか印象的でした。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
見た目は二十代だけど実年齢は三百歳の魔女・黒木理沙。そんな優しい魔女は長い人生を楽しみながら、住んでいる街の困った人を助けてゆく連作短編集。三百年余りの人生で、得意になったことと言えばお料理と人助け。魔女ばれしないように解決するのは大変だけれど、大好きな街の誰かのためにと意気込む彼女が出会う、一人で不安そうにしている女子学生や古くから因縁ある隣家とトラブルに悩む中学生、魔法を感じ取ることができる中学生。この街に長く住んでいる優しい理沙と美味しそうな料理も絡めながらの住人たちとの日常がなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
中央の混乱を避けるため、宝具とともに龍貴国を巡る旅に出た硝飛と林迅。硝飛の亡き母の出身地である辺境の墨東国を訪ねる第二弾。彼らが道すがら耳にする相次ぐ失踪事件の噂、大地震に見舞われた墨東国の不可解な復興作業、失踪事件に巻き込まれていた硝飛の伯父一家。硝飛と林迅の二人の仲を引き裂く巧妙な罠もあって、建国以来秘されてきた禁忌と失踪事件が交錯する展開でしたけど、新キャラの烏陽もなかなかいい感じに効いていて、何より危機に陥った相棒の硝飛を救うことにこだわる林迅が印象的でした。でも不穏な気配もあったりで続巻に期待。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
プロになって7年。将来を嘱望されながら未だC級2組に留まっている直江が、王座としてトップ棋士の一員となった奨励会同期の剛力英明に挑む将棋小説。旧友との間に開いた目も眩むような格差。諦めかけていた彼の転機となった京都の天才少年・高遠拓未との邂逅、棋界の第一人者・北神との対局、そして現在の師である師村の猛特訓。これまで最底辺だった境遇から這い上がろうとする直江が自分の実力を信じ続けることは容易ではなくて、高い壁に何度も跳ね返されながら、それでも諦めず挑み続ける熱い展開とその結末にはぐっと来るものがありました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
二次元の絵や映像、アイドルやアーティストの存在に大きな生きる意味を見出す「推す」という行為。「プロジェクション・サイエンス」と呼ばれる認知科学概念から考察した一冊。狭義の具体的なアクションを連想させる「推す」という行為は、「プロジェクション・サイエンス」から見るとそれは今そこにないものに思いを馳せること、それを他者とも共有できる人間ならではの知性で、それによって自分がなにかできるようになったり、自分をとりまく世界のとらえ方が変わるようなことは、たくさんの人が実際に体験している身近なことなのを実感しました。
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よっち
私たちの知る「小説」は、様々な「決まりごと」の上に成り立っている。無意識下の常識を逆手に取った、ルール無用の超次元小説。いつものように殺人に出くわしてしまった名探偵の前で推理を始める思わぬ伏兵、異世界転生してチート能力で無双する主人公の最大の敵は言葉のイメージ、創作の限界に挑むコピペ小説、新法が成立して検閲が合法化された曰本作品を書き続ける作家。メタなお約束の部分を突いてくる著者の思惑には常識が邪魔をしてじわじわと来るものがありましたが、カバー表紙の裏まで物語に使い切ったその徹底ぶりには脱帽でした(苦笑)
が「ナイス!」と言っています。
よっち
ロシアはなぜ北方領土を手放さないのか、中国が尖閣を執拗に欲しがる背景、北朝鮮のミサイル発射の脅威…元自衛官で戦場を知る政治家である著者が指摘する日本防衛の落とし穴。ウクライナ侵攻で露呈した現代の戦争に対応できていないロシアの苦戦、それを教訓にして台湾や尖閣諸島への野心を隠さない中国、北朝鮮のミサイル発射の意図。地政学的に日本の置かれた状況を解説しながら、習近平国家主席が4期目を決める2027年に中国やロシア、北朝鮮がどう動くのか、日本はどうなるのか。もう少し危機感を持ってもいいのかなとは感じる内容でした。
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よっち
総合出版社・立象社で社会派オピニオン小冊子を編集する橘泰介が、担当する児童福祉の専門家である黒岩文子について、同期の週刊誌記者から不穏な報せを受ける物語。メディアへの露出も多い黒岩がある女児を「触った」らしいとの情報、本人からの告白。消息不明となった彼女の捜索に奔走する橘を唯一癒すオンラインゲームの仲間たち。様々な問題が噴出して、それぞれの正義に従い勝手に動く周囲の人々に振り回されながら、当事者として奔走する主人公は幾度もどうにもならないことを突きつけられる、そんなカオスなストーリーの読後感は圧巻でした。
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よっち
同僚のメシ友関係から6年かけて結ばれた播上と真琴は、函館にある播上の実家「小料理屋 はたがみ」で、 板前&女将の見習いとして働き始める第二弾。新婚夫婦となったふたりが、播上の実家である小料理屋で見習いとしてランチタイムのお弁当として生み出す越冬野菜の肉巻き弁当、イタリアンイカ飯弁当、マグロカツ弁当、たらザンギ飯弁当。初々しいお似合い夫婦っぷりを垣間見せながら、ドラマロケや同窓会、近所の子供と初めてのお弁当作りをしたり、函館にやってきた渋澤夫妻をもてなしたりと、afterエピソードとしても楽しく読めました。
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よっち
都内で改造ガスガンを使った殺人事件が発生。これまで文学に関わる難事件を解決してきた李奈は、刑事の要請で今回も捜査に協力する一方、心配する彼女の母が三重から上京する第五弾。被害者2人のうち1人の胸の上に小冊子に綴じられて置かれていた芥川龍之介の「桃太郎」。謎めいた事件と停滞気味の作家業、新興宗教まがいの会社も加わる中で、母親のプレッシャーも感じながらの事件捜査の結末はわりと意外な印象もありましたけど、李奈もいろいろと成長している部分があって、懸案だった母親との関係もちゃんといい感じにまとまって良かったです。
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よっち
湾岸に住む4人の主人公たちの交錯するある夏の3日間。湾岸に立つマンション「湊レジデンス」を舞台に、錯綜する衝動と本性を辛辣な視線で描いた群像劇。学校では成績優秀な反面、夜な夜なひったくりを行っている中学生・望。望の小学生の時の同級生で夜は自転車泥棒に暴行を働いている弓矢とその異母兄・充也。就職活動前に事故にあったことで就職できなかったフリーターの根岸。閉塞した環境に絶望する彼らが自暴自棄な行動を繰り返して、ふとしたきっかけから変化する中で突きつけられるこれまで読んだ著作との大きなギャップに驚かされました。
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よっち
生きる希望を見失って渋谷の屋上で命を絶とうとしていた越智友香を救った、覆面アーティストFの歌声。生きる原動力となったFをもっと知りたくなって追いかけ始める物語。覆面アーティストとしてきっかけを得て飛躍し始めたFと、ファンアカウントでFの正体を追う友香。同じFのファンであるアカネと知り合いながら、知りたいという思いで近づいたFの意外な正体。やられた側はそのことを一生忘れることができないんだろうな…と改めて実感しつつ、でも皮肉にも今に繋がるそれにしっかりと向き合い乗り越えてみせたFの覚悟が印象的な物語でした。
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よっち
過労死寸前でブラック企業を退職したアラサー社畜が、妹に勧められるままにバーチャルタレント企業『あんだーらいぶ』所属のVTuber神坂怜としてデビューするVTuberお仕事小説。女性ばかりが所属する中で男性Vというだけで炎上し、同期がいきなり炎上解雇。シスコンネタも絡めながら、その後も虚無配信だったり、アンチが湧いたり苦戦する一方で裏でフォローした後輩Vたちに懐かれたり、繰り返される巻き込まれ炎上にも慣れて、肝心の配信がイマイチでもそれ以外は有能で周囲に愛される存在になってゆく主人公がなかなか良かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
鉄窓島が孕む大いなる矛盾。抜け道はあるという一縷の望みに賭けて一世一代の脱出計画を練る湯治たち。そんな中、湯治たちの命を狙うトラップが島中に見つかる第二弾。未来測定の計算から、島から出る前提で彼らは《明日の罪人》と定義されていると気づいた、近い将来どんな未来でも罪を犯す絶対の犯罪者たち。一つでも罪を犯さない未来を用意できれば…そう考えるのは必然で、けれど犯罪を犯すことが不可避と考えるメンバーもいて、今回は七三の思いがクローズアップされる展開でしたけど、それぞれの想いもこの先どう変わるのか続巻に期待ですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
夏休みに入っても相変わらず甘々な同棲生活を過ごす春幸たち。旅行に行きたいという冬季の提案で、ハワイ三泊四日の旅行に出かける第三弾。プライベートジェットで向かった先での高級ホテル、そしてプライベートビーチでの水着とサンオイルなど、冬季によって計画的に織り込まれた奔流怒涛のお約束イベントにされるがままの春幸。イチャつく二人の前に現れた、冬季をライバル視する幼馴染・西園寺夏海のポンコツっぷりは微笑ましかったですが、冬季にとって癒やしとなっている春幸の存在が、とてつもなくデカいことを改めて実感させてくれましたね。
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よっち
クールな後輩、御簾納咲が実は恋バナ配信者――しかも彼女から好意を持たれていることを知ってしまった長谷川壮一。保留にしていた告白にようやく応えるもののまさかの玉砕してしまう第二弾。配信するラジオでも相変わらず彼への思いを語り、彼女自身もなぜ先輩を振ってしまったのか理由が分からない異常事態に、困惑を隠せない壮一。今回はするりと咲と仲良くなって配信にまで参加してみせた壮一の妹・二胡がいい感じに効いていて、試行錯誤の末に気づく理由がまた咲らしくて、お互い刺激しあって成長してゆく二人の関係がなかなか良かったですね。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
文化祭での公開プロポーズで堂々の公認カップルとなったヨルカと希墨。幸せの絶頂にあった二人に、帰国中のヨルカの両親からアメリカ引っ越しの提案という危機が訪れる第六弾。クリスマス・イブの遊園地デートから急転直下の事態に猛反発し、親と冷戦状態になってしまうヨルカ。非ラブコメ三原則には笑いましたけど、特別な絆を感じさせるとはいえ若い高校生カップルが理性的な父親という難題に挑む展開で、真っ直ぐで信頼するに足るものを見せてくれた希墨とヨルカ、そしてかけがえのない瀬名会メンバーの成長した姿がとても眩しい青春小説でした。
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よっち
記憶喪失の湖西廻の前に現れた恋人だったと主張する清純で素朴な美少女・丹沢白雪と、内緒で本当の恋人だったと主張する魔性の魅力を持つ美少女・才川魔子の秘密の三角関係を描く青春小説。家族を事故で失って魔子の家に引き取られ、彼女の親友・白雪を紹介された三人の関係。記憶が失われた期間にいったい何があったのか。徐々に明らかになってゆく白雪との間に育まれていた絆、そして彼を振り回す魔子との間にあった何とも苦い過去。お互いにかけがえのない存在による三角関係だからこそ思いが複雑に絡み合っていて、彼らの今後が気になりますね。
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よっち
スマホを忘れて夜の高校に忍び込んだ在原有葉。そんな彼が屋上を照らす奇妙な光に気づき、闇夜の中で燃え上がる美少女・伊藤衣緒花と運命の出会いを果たす青春小説。怪異現象の原因は何だったのか…。衣緒花に脅され、保険医・佐伊の勧めもあり彼女のフォローをすることになった有葉。彼が目の当たりにするモデルであるるための衣緒花のストイックな生活、ライバルの存在。その複雑な思いを理解しきれず時にはぶつかり合い、すれ違った末に衣緒花をフォローする覚悟を決めるまでが波乱万丈でしたけど、それがまたいろいろな事態に繋がりそうですね。
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よっち
音楽雑誌でインディーズバンドの発掘コラム連載を任された新人編集者の音無多摩子。下北沢のライブハウスのマスター・五味淵の紹介でバンドマンたちを取材する多摩子が、思いがけない事件に遭遇するミステリ。壊されたデジタルティレイ、元カレの彼女の浮気疑惑、スタジオから盗まれたベース、ライブ中にドラマーが怒り出した理由、アカウントを乗っ取られたバンドの解散危機など、デビュー前のバンド事情に絡めた謎に遭遇する多摩子と、それを解決する探偵役の五味淵という役回りで、少し視点を変えると見えてくる真相と構図が印象的な物語でした。
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よっち
過去の災害についての伝承を調べ「災害伝承」を研究し、マスコミ露出も多い新進気鋭の民俗学者・桜咲准教授。彼が地名や伝承から過去の災害を解き明かしてゆく歴史民俗学ミステリ。講義や書籍で人気の桜咲准教授が、「桃太郎と鬼退治」「河童と人柱」「両面宿儺の正体」といった諸説があるテーマを掘り下げてゆく考察から、それらの謎を解き明かしてゆく展開で、物語として考えると全体的に動きが少なく、淡々としていた印象にも感じましたが、「風化させない」「風説の流布をしない」「風評被害を出さない」という彼の言葉はなかなか印象的でした。
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よっち
学園祭を終えて一段落…かと思いきや、探偵小説にドハマり中のネロとリンが、冬休み前の学園で不思議な怪事件(?)を次々と作り出してしまうシリーズ番外編。不良たちの立ち読み事件、グレンが盗み食いの容疑者として捕まったり、迷子の少女が見つかったり、正体不明の火の玉が目撃されたり、怪しいおまじないの騒動に巻き込まれたり。エピソードの中で主要キャラたちもそれぞれいい感じに掘り下げられましたが、何よりいろいろやらかしてくれたネロ&リンの妖精コンビ、危機的状況を鮮やかに回避してみせた悪徳令嬢イザベルが効いてました(苦笑)
が「ナイス!」と言っています。
よっち
度胸と商取引の才覚を武器に、条件だった賠償金を超える金額を稼ぎ出し、「特産品販売特使」の地位を得たベルティーヌ。それがさらに大きな激動の展開へと繋がってゆく下巻。次々とアイデアを形にして商売を拡大していくベルティーヌ。彼女のありようはセシリオだけでなく 帝国の第二王子や皇弟までを動かして、思わぬ展開へと繋がっていきましたけど、大好きになった連合国や大切な人たちのために頑張るその姿は、周囲の人たちにとってかけがえのない存在になっていて、そんな彼女がちゃんと報われる結末にはぐっと来るものがありました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
小国サンルアンの宰相の娘として育った侯爵令嬢ベルティーヌ。結婚を二週間後に控えた彼女が、突然敗戦の賠償金の一部として連合王国代表セシリオに嫁げと王命が下る誤解と取引の恋物語。絶望と諦めを抱えて海を越えたものの、セシリオ不在の屋敷で使用人たちから屈辱的な扱いを受けるベルティーヌ。そこから覚悟を決めて侍女ドロテと自らの居場所を得るために奮闘する展開で、自活を始めて人との交流を広げ、商売の種を見つけてはみんなが幸せになる道を模索するアグレッシブな彼女の姿勢で動き出すストーリーはなかなか面白かったです。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
生放送クイズ番組『Q-1グランプリ』決勝戦に出場したクイズプレーヤー三島玲央。対戦相手・本庄絆が、まだ一文字も問題が読まれぬうちに回答されて、優勝を逃す不可解な事態に直面するミステリ。一体なぜ本庄絆は問題も聞かずに正解できたのか。真相を解明しようと彼について調べ、決勝戦を1問ずつ振り返ってゆく三島。振り返った過去には三島と本庄絆のこれまでのクイズプレイヤーとしての積み重ねが垣間見えて、理解を深めて共感すら覚えたはずなのに、そこから辿り着いた先に埋められない溝を感じてしまう何とも皮肉な結末が効いていました。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
婚活に励むぶりっ子弁護士・美馬玉子と、高飛車な弁護士・剣持麗子。二人がタッグを組んで「会社を倒産に導く女」と内部通報されたゴーラム商会経理部・近藤まりあの身辺調査を行なう第二弾。事務所の先輩である剣持麗子に苦手意識をもちながらも、ボス弁護士・津々井の差配でコンビを組むことになってしまう玉子。ターゲットは身の丈にあわない生活をSNSに投稿しているようなキャラでしたけど、その巧妙な手口と過去から続く複雑に絡み合う人間関係、そして様々な葛藤を乗り越えて吹っ切れて、覚悟を決めた玉子の今後の成長に期待ということで。
が「ナイス!」と言っています。
よっち
回復した患者は薔薇の形をした腫瘍ができる後遺症を持つ難病・オスロ昏睡病。その治療法を確立した医師が殺されたことを皮切りにその患者が次々に襲われる特殊設定ミステリ。自身もかつてその難病に罹り自身の苦い過去も持つ京都府警の八嶋警部補が、マイペースな阿城との軽妙なコンビで犯人の特定と難病治療がもたらした闇に挑む展開で、ある意味納得できるような狂気とも言えるような事件と治療の真相でしたが、それでも未来を前向きに考える若者たちがいて、八嶋がずっと気にかけていたもうひとつの真相がとても印象に残る結末になっていました。
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よっち
亡き祖母に導かれるように連句会に参加し、その縁から書店員店員として職を得た一葉。連句会に参加して一年、ブックカフェに務めて四ヶ月、微かな変化の予感を感じさせる第三弾。新しい出会いや書店でのトークイベント、そして作家や歌人との出会いをきっかけに自分を見つめ直す一葉。トークイベントに出てきた少女漫画にはいろいろ懐かしさも感じましたが、出会いと選択を繰り返しながら連歌会で紡がれてゆくひとつの世界、日常の中でもかけがえのない発見があって、新しいことへの挑戦や何かを選び取ることの大切さを感じさせてくれる物語ですね。
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よっち
曲者の特派員記者・戌井のアシスタントとして、二ヶ月前に都内で起きた女児殺害事件を追う週刊文倫の新米記者・糸川瑠花。新米記者と曲者特派員が凄惨な事件の真相を追う報道ミステリ。その半年前、とある死刑囚の刑が執行されたことをきっかけに各地で起き始める児童殺害事件。なぜ戌井は女児殺害事件を追っていたのか。瑠花が取材した貧困女子や児童虐待案件の意外な関連性、それが記者だった彼女の父も絡めた十年前の事件にも繋がってゆく展開で、業界の裏側も描きつつ、彼女自身も成長しながら辿り着いたその真実がなかなか印象的な物語でした。
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よっち
資産家である養父の奇妙な遺言とともにある山の権利を相続した安原はじめ。その途端「山を売ってほしい」という依頼が次々と舞い込み、幽霊を名乗る美女に誘われ山内に入った彼が信じられないものを目にする第二部第一弾。猿との大戦より20年の時を経た舞台で、山内の権力者として登場した雪哉と、彼を胡散臭い人物として警戒するはじめ、信じていた雪哉の真実を目の当たりにして動揺する頼斗という構図はなかなか興味深かったですけど、今回登場しなかったかつての登場人物たちはどうなったのか、そして何があったのか続きが気になるところです。
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よっち
幕末の動乱冷めやらぬ明治の東京で、旧大名家の深水家屋敷で風変わりな姫君・雪姫の侍女として行儀見習いの奉公をする佳代が、主従で謎を解く明治謎解きミステリ。湯島聖堂博覧会で消えた家康から下賜された鷹の掛け軸、お屋敷に現れた青鬼の噂の真相。毅然として頭が切れる雪姫を探偵役、絵が上手い天然な佳代を助手に周囲で起きる事件を解決するストーリーは、雪姫の過去や幕末の因縁を絡めながら描かれる展開になっていてなかなか面白かったですね。佳代になかなか気づいてもらえない周の思いは報われるのか、続巻あるならまた読んでみたいです。
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よっち
榛名山の噴火で埋もれた災害遺構から出土した千両箱が行方不明になった事件。〈鬼の手〉の力を感じられなくなった無量が、己の夢と未来に向き合う第十六弾。独自に調査してする中で、強心隊と名乗る集団にに軟禁されてしまう萌絵。一方〈鬼の手〉を失い無力さを噛みしめていた無量、千両箱盗難の参考人として警察に連行されてしまう忍。なかなか難しい局面でしたけど、初心に帰って新たな何かを見出した無量、そして暗躍する降旗氏も上手く巻き込みながら、積み上げてきた様々な思いの先で、あるべき形に繋がってゆく展開はなかなか良かったですね。
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よっち
五年間つき合ってきたイタリアンシェフの彼氏に振られた雑誌編集者みのり。一念発起して夫を亡くしてからは引きこもりだった元シェフの姉を説得して、神楽坂にスパイス料理専門店を開店させるお料理小説。亡くなった義兄もシェフだった姉・ゆたかの発案で、姉妹でスパイスを使った様々な料理を作るお店を開いたみのり。そんな彼女たちの料理やもてなしが、近所の蕎麦屋店主、編集者時代の担当作家、元彼や中学教師、整体師たちの疲れた心を癒やし、転機に繋がってゆく優しい展開はなかなか良かったですし、そういう料理が食べたくなりました(苦笑)
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よっち
「どうすれば自分らしく考えられるようになるのか?」日本一ノートを売る会社「コクヨ」のコミュニケーション戦略を考える部門責任者が書いた、あらゆる問題を解決するメモ術の本。ノートのとり方やメモのしかたにこだわっている人が本当に多いコクヨでの聞き取りから生み出した、メモを取ることの重要性や記憶に残り、クリエイティブな思考に繋がるインプット/アウトプットの方法を解説する一冊で、思っている以上にあやふやなふと考えたことや感じたこと、アイデアを自分の言葉で分かりやすく言語化するスキルを磨く重要性を改めて実感しました。
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よっち
東京でフリーライターとして暮らす小野寺衛が、同棲する玲奈の妊娠が判明した夏の日、故郷の松島町に残してきた知的障害がある兄の死の知らせを受ける慟哭のミステリ。七年間帰っていなかった実家への複雑な思いを抱いての帰省。なぜ障害者枠で大企業に務めていたはずの兄が自殺したのか、その死の真相にアプローチしてゆく衛。調べる明らかになってゆく父親の悔恨、伯母の依存心、幼馴染の欺瞞、周囲に理解してもらえない兄の苦悩があって、けれど何よりも兄が本当の意味で切望していたものを知ってしまう結末には、胸を締め付けられる思いでした。
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よっち
人ならざるモノに身命を捧げる恋。異類の女たち心惹かれた人たちが織り成す、切なくも愛おしい6篇の異類婚姻譚集。現代の入浴する姿を決して見せてくれない恋人が、人ではないと気づきながらも愛した青年。幕末の争乱の世に美しい鳥と寄り添い、運命を共にする決意をした少年。平安時代の愛する女と同じ鬼になるために人を襲う男。戦国時代の平穏な暮らしを守るため、自分の正体を見抜いた僧を殺める女。古代の神の使いであるオロチに見初められた巫女。そしてまたひとつの運命的なめぐり逢いで結末を迎える構成にはぐっと来るものがありましたね。
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よっち
世界の深淵に挑み、幾多の戦いを乗り越え、多くの犠牲を払いながらも奇跡を起こした君塚たち。日常という名の後日談に浸っていた彼らが再び動き出す第七弾。あれからニ年後、シエスタが所長の探偵事務所で大学生になった君塚が助手として探偵の夏凪を支える日常。相変わらずな三角関係を繰り広げる中でようやく調律者から引退するはずが、そこから再び新たなる脅威に復活する名探偵たち。最初時系列的に少し間が空いていたので読み始めてあれ?とも思うリスタートで、波乱万丈の展開でもありましたけど、ここから物語がどう動くのか続巻に期待です。
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よっち
様々な役割を担う図書館が、日本でいかにして現在の形に発展してきたのか、文字や印刷・出版の総合的な文化史として描いてゆく一冊。古代の書記文化の誕生から和本の成立、中世の武家文化による書籍公共圏、近世の出版文化の発展、幕末から明治・大正にかけての書籍公共圏と近代図書館の成立、昭和・平成の国立国会図書館の成立と戦後GHQの改革、中小レポートの功罪から現代に至るまで、通史と呼ぶにはわりとフォーカスした内容で、指定管理などにおける職員問題はもっと根が深い気がしましたが、戦前までの様々なエピソードは興味深かったです。
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よっち
循環器内科医となった諏訪野良太は、学会発表を終えた帰り、医学生時代の同級生・小鳥遊に遭遇し、小鳥遊が連れていた研修医・鴻ノ池に研修エピソードを求められて語る連作短編集。戦場のような救急部で出会った家族の絆、心の傷と向き合うことになった形成外科、そしてかけがえのないある人との出会いと別れを経験した緩和ケア科。経験不足からくる不用意なミスはあっても、懸命に患者たちの気持ちに寄り添い成長してゆく諏訪野がいいですね。鴻ノ池が初対面の相手にも相変わらずな感じで苦笑いでしたけど、他シリーズとの関わりも興味深いですね。
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よっち
なぜロシアはウクライナ侵攻へ突き進んだのか?中国の台湾侵攻リスクに日本人はいかに備えるべきか?テレビ東京の報道局前モスクワ支局長が考察した一冊。ウクライナ戦争が起きる要因となった歴史的背景と「ロシアの論理」、ウクライナとロシアのサイバー戦争、プーチン暗殺の現実的可能性と「核戦争シナリオ」、習近平、金正恩はウクライナ戦争から何を学んだか、日本の安全保障についてなど、状況がますます難しくなっている情勢で、何が問題だったのかを知ることはとても重要だと思いますし、今の東アジア情勢を考えるいいきっかけになりました。
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よっち
5000件以上のやっかいなクレーマーを完全撃退させてきた専門家が、職場の困った人を5つのタイプに分けて、具体的な対処法を分かりやすく解説する一冊。困った人のやっかいなポイントは、悪いことをしているのかギリギリ許されるのか判断が難しく、放置すると行動はさらにエスカレートし周りにも影響を与えてしまうこと。グレーな攻撃型、油断できない被害者型、自己顕示欲の強い策略型、伝わらない無気力型、悪意のない押しつけ型といったタイプ別それぞれの対処法は具体的で、見極めて早め早めに対処していくことが大事なんだと実感しました。
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よっち
「ニンテイゲーム」を続ける五年三組で密かに起こった変化。その結果起こった事件、クラスメイトのその後や柿埼先生とあやめ先生の思いの行方が描かれた下巻。一見、クラスで上手く機能しているかに見えた柿崎提案のゲーム。取り込まれて元気をなくしていく親友を心配するけれど上手くいかない構図は難しいなとも思いましたけど、それ以上に決死の思いから起こした事件とその顛末に何とも言えない気分になりました。切ないけれど穏やかな結末かと思ったら、最後に思わぬことに気付かされてビックリ...でもいつか二人が仲直りできるといいですね。
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よっち
中学3年になる春、山坂百音は3年半前に起きたできごとについて5年3組の担任教師だった柿埼に向けて手紙という形で思い出を綴ってゆくミステリ。当時の思い出を百音と小学校の元教員・田児あやめの2人の視点から描いていく展開で、普通だったらまず実現しないのでは?とも感じる柿埼が生徒たちに提案した「ニンテイ」というゲーム。生徒たちの思惑も複雑に絡む不穏な雰囲気の中で当然起こりうる事態と、それが意外な形で転機を迎えてゆくあたりなかなか興味深かったです。田児先生の複雑な想いも気になるところですが、下巻でどうなるのか期待。
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よっち
クラスのトラブルが解決したことで佑希に熱烈なアプローチをかける麻里花。一方、複雑な思いでそれを眺める柚実の大学生の姉・伶奈が実家に帰ってくる第二弾。想いを募らせて朝に待ち伏せしたりお弁当を手作りしたり熱烈なアプローチをかける麻里花。一方、姉が帰ってきてこれまでの関係が維持できなくなり焦燥を募らせてゆく柚実。緊張感が高まってゆく状況を伶奈が動かしたことで、麻里花と柚実はこれまでのわだかまりを乗り越えた感はありましたけど、だからこそ三角関係に関してはどこか受け身だった佑希の決断が問われる展開になりそうですね。
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よっち
ゴードンたちの反乱を終結させたアル。しかしSS級冒険者の戦争介入問題のためシルバーとして査問会への出席を命じられ、事を有利に運ぶべく全SS級冒険者の集結を目指し動き出す第十弾。ゴードンが北部辺境に逃亡し、ザンドラが最期を迎える中で起きたシルバーのギルド査問会招集。思惑を知ったアルが全SS級冒険者招集に動く次への繋ぎとなる展開で、出てくるSS級冒険者が面倒そうなキャラだったのは苦笑いでしたけど、そんな彼らが盤面をひっくり返してみせた査問会、そして彼らの力を見せつけた皇国西部合同討伐はなかなか面白かったです。
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よっち
突然、凶悪犯罪者が収監される「図書監獄」からの脱獄者たちにより学園が襲撃され、後に学園の歴史に残る魔導戦争が始まる第二弾。『ある者』を求めて学園を占拠した脱獄魔導士に応戦すべくレンたちが奔走する展開で、張り巡らされた結界の柱を守る切り裂き鳥と呼ばれる少女ドードー、ディレイの家の事情と兄ダーナム、そしてレンの過去に深く関わる妹サーニャとアンネとよく似た少女。ディレイが抱える事情やレンたちの過去が明らかになる中、避けられないその結末は切なかったですけど、それぞれがしっかりと向き合えたのは良かったんですかね…。
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ユーザーデータ

読書データ

プロフィール

登録日
2013/08/23(3933日経過)
記録初日
2013/07/27(3960日経過)
読んだ本
11366冊(1日平均2.87冊)
読んだページ
3302669ページ(1日平均834ページ)
感想・レビュー
11256件(投稿率99.0%)
本棚
70棚
性別
血液型
B型
職業
専門職
現住所
埼玉県
外部サイト
URL/ブログ
https://yocchi.hatenablog.com/
自己紹介

こんにちは。普段は図書館と書籍仕入れに関わるお仕事をしています。仕事のついでに面白そうな本がないか探していて、とりあえず自分が読みたいと思った本さえ読めてさえいれば、わりとまあいいかと思えてしまう行動原理が少し残念な人。

好きなジャンルはボーイミーツガール、青春小説、部活小説、お仕事小説、ミステリ、冒険・中華ファンタジー、歴史・戦記、SFなど。コメディ調より落ち着いた雰囲気の物語志向。意外な展開や難解さがウリのお話も嫌いではないですが、どちらかというとベタで王道な構図が分かりやすい、最後は良かったなと思えるお話が好みです。

基本的には著者買いが多いですが、興味を持ったらテーマやジャンル・作家などにはあまりこだわらず何でも読みます。人に本を薦めるのが趣味の本を読むついでに人生を送る雑食系読書廃人。

娘(11年4月生まれ)の読書記録用アカウント。
http://bookmeter.com/u/562586

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